JP2008009348A - 反射防止積層体 - Google Patents

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Abstract

【課題】透明基材上に低屈折率層を必須の構成層として形成する反射防止フィルム等の反射防止積層体において、低屈折率化させるためのモノマーを使用する場合に、バインダー樹脂や溶剤に対して不相溶にならずに、したがって、不相溶が原因で発生する外観を損ねるようなハジキの発生や、不相溶な部分が固まって生ずる膜強度の劣化を防止できる反射防止積層体を提供する。
【解決手段】透明基材上に、光透過性の低屈折率層を構成層の少なくとも一つとして有する2層以上を形成してなる反射防止積層体である。該低屈折率層は、必須成分として、(1)エーテル結合を介してフッ素で置換されたアルキル鎖の繰り返し単位を持つフッ素原子含有モノマー、(2)電離放射線硬化性のバインダー成分、(3)有機溶剤、を含有するコーティング組成物を、被覆すべき面に塗工し硬化させて硬化層としたものである。
【選択図】なし

Description

本発明は低屈折率層を有する透明プラスチック製の反射防止フィルム等の反射防止積層体に関し、さらに詳しくは、屈折率を低下させることの調整が可能で、溶剤やバインダー樹脂との相溶性に優れた反射防止積層体に関する。
基材/低屈折率層の各層を基本的に有する反射防止フィルム、或いは、基材/高屈折率乃至中屈折率層/低屈折率層の各層を基本的に有する反射防止フィルム等の反射防止積層体はよく知られている。このような反射防止フィルムの最上層には低屈折率層が使用されているが、最低反射率を下げる目的で低屈折率層にフッ素を含有するモノマーを添加することが知られている。しかしながら、一般のモノマー類における水素原子をフッ素原子に置換したモノマーを用いる場合、そのフッ素原子の置換量を増やすと硬化膜が柔らかくなり傷つき易くなる。そのため、膜強度向上のために多官能アクリレートと組み合わせる必要があるが、フッ素原子を多く持つモノマーは他のモノマーや汎用溶剤との相溶性に乏しく、透明な反射防止フィルムとすることは困難である。また、高価な含フッ素溶剤を使用しなければならない不具合も起こる。
特開2004−198445号公報(特許文献1)には、特定構造のフルオロエチレニル基を含む繰り返し単位からなる重合体部Aと、特定のシロキサン構造群からなる繰り返し単位及び架橋反応性基を有する繰り返し単位からなる重合体部Bとから構成されるAB型若しくはABA型ブロック共重合体(BP)、並びに硬化剤及び硬化促進剤のうちの少なくとも一種を含有する被膜形成用組成物を塗設、硬化させて形成されたことを特徴とする反射防止膜及び防汚性膜並びに該防汚性膜/反射防止膜を支持体上に配した防汚・反射防止フィルムが提案されているが、該被膜形成用組成物を単独で用いた場合は膜強度が弱く、添加剤として使用した際はバインダー成分との相溶性が不十分となる。
特開2005−196122号公報(特許文献2)には、含フッ素化合物と含フッ素ビニルモノマーから導かれる繰り返し単位と側鎖に(メタ)アクリロイル基を有する繰り返し単位からなる共重合体を主成分とし、ランダムでもブロックでも良いとしている共重合体を被膜形成用組成物としているが、該共重合体は、分子量に分布があるため分子中における防汚成分の割合がまちまちとなり、該共重合体を添加剤としてバインダー成分に添加して用いた場合には、一部がバインダー成分に不相溶となる。
特開2004−198445号公報 特開特開2005−196122号公報
そこで本発明は、透明基材上に低屈折率層を必須の構成層として形成する反射防止フィルム等の反射防止積層体において、低屈折率化させるためのモノマーを使用する場合に、低屈折率層を形成するめたのバインダー樹脂や溶剤に対して不相溶にならずに、したがって、不相溶が原因で発生する外観を損ねるようなハジキの発生や、不相溶な部分が固まって生ずる膜強度の劣化を防止できる反射防止積層体を提供することを目的とする。
前記した課題を解決するために本発明者は鋭意研究を重ねた結果、フッ素原子を多く持つモノマーを低屈折率層形成用のバインダー樹脂に添加する場合に、該バインダー樹脂との相溶性を高める方法を見いだし本発明を完成するに至った。
即ち、第1発明は、透明基材上に、光透過性の低屈折率層を構成層の少なくとも一つとして有する2層以上を形成してなる反射防止積層体であって、該低屈折率層は、必須成分として、(1)エーテル結合を介してフッ素で置換されたアルキル鎖の繰り返し単位を持つフッ素原子含有モノマー、(2)電離放射線硬化性のバインダー成分、(3)有機溶剤、を含有するコーティング組成物を、被覆すべき面に塗工し硬化させてなる硬化層であることを特徴とする反射防止積層体である。
第2発明は、前記第1発明において、前記フッ素原子含有モノマーは、下記一般式(1)で表される反射防止積層体である。
Figure 2008009348
(式中、XはF元素、CF3 、nは1〜20を示す。)
前記一般式(1)においてnが20を超えると他の成分との相溶性が劣る。
第3発明は、前記第1発明又は前記第2発明において、前記フッ素原子含有モノマーがさらに電離放射線硬化性を有することを特徴とする反射防止積層体である。
第4発明は、前記第3発明において、前記フッ素原子含有モノマーが多官能ジアクリレートである場合の反射防止積層体である。
第5発明は、前記第1発明において、前記低屈折率層を形成している硬化層の少なくとも一部が、水素結合形成基を有するバインダー成分の硬化物であることを特徴とする反射防止積層体である。
第6発明は、第1発明乃至前記第5発明のいずれかにおいて、前記低屈折率層を形成するためのコーティング組成物は、平均粒子径5nm〜300nmの微粒子を含むことを特徴とする反射防止積層体である。
第7発明は、前記第1発明乃至前記第6発明のいずれかにおいて、前記低屈折率層の膜厚が、0.05〜0.15μmの範囲である反射防止積層体である。
第8発明は、光透過性の高屈折率層及び光透過性の低屈折率層を硬化層として少なくとも備えると共に、1層又は2層以上の光透過性の中屈折率層を硬化層としてさらに備え、該高屈折率層、該中屈折率層及び該低屈折率層は、屈折率の高低が交互に入れ替わり且つ該低屈折率層の1層が最も鑑賞面側に位置するように積層されるものであり、該低屈折率層が前記第1発明乃至第4発明のいずれかのフッ素原子含有モノマーを用いて形成されていることを特徴とする反射防止積層体である。
第9発明は、前記第8発明において、前記光透過性の高屈折率層、前記光透過性の中屈折率層、及び前記光透過性の低屈折率層のいずれかの層に接してハードコート層を備えていることを特徴とする反射防止積層体である。
第10発明は、前記第8発明又は前記第9発明において、前記高屈折率層及び/又は前記中屈折率層はハードコート層を兼ねることを特徴とする反射防止積層体である。
第11発明は、前記第8発明乃至前記第10のいずれかにおいて、前記高屈折率層、前記中屈折率層、又は前記低屈折率層がウエットコーティング法により形成されたものであることを特徴とする反射防止積層体である。
第12発明は、前記第8発明乃至前記第11発明のいずれかにおいて、前記高屈折率層及び/又は前記中屈折率層が、膜厚0.05〜20μmで、屈折率1.45〜2.00で、且つ、JIS−K7361に規定されるヘイズ値が前記透明基材だけのヘイズ値と変わらないか又は前記透明基材だけのヘイズ値との差が10%以内であることを特徴とする反射防止積層体である。
第13発明は、前記第8発明乃至第12発明のいずれかにおいて、前記高屈折率及び/又は前記中屈折率層が、水素結合形成基を残した硬化層であることを特徴とする反射防止積層体である。
第14発明は、前記第1発明乃至第13発明のいずれかにおいて、#0000番のスチールウールを用いて10回擦ったときの、反射防止積層体のヘイズ値の変化が認められる最低荷重量が、200g以上であることを特徴とする反射防止積層体である。
本発明によれば、透明基材上に光透過性の低屈折率層を構成層の少なくとも一つとして有する2層以上を形成してなる反射防止積層体において、エーテル結合を介してフッ素で置換されたアルキル鎖の繰り返し単位を持つモノマー、電離放射線硬化性のバインダー成分、有機溶剤を含有するコーティング組成物を用いて低屈折率層を形成しているので、該モノマーはバインダー樹脂や溶剤に対して不相溶にならずに、したがって、不相溶が原因で発生する外観を損ねるようなハジキの発生や、不相溶な部分が固まって生ずる膜強度の劣化を防止した反射防止積層体とすることができる。
フッ素原子含有モノマー:
本発明で用いるフッ素原子含有モノマーは、エーテル結合を介してフッ素で置換されたアルキル鎖の繰り返し単位を持つモノマーである。該モノマーには、上記の一般式(1)で表す繰り返し単位を持つモノマーが好ましい。
フッ素原子含有モノマーがさらに電離放射線硬化性を有することより、電離放射線硬化性のバインダー樹脂と同様な硬化性能が発揮される。低屈折率層に強度を付与するにはフッ素原子含有モノマーを電離放射線硬化性とすることが好ましく、具体的には多官能ジアクリレートとすることが好ましく、フッ素原子含有モノマーに導入するのに適した多官能アクリレートには、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレートや(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレートやネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレートやトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートやジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エポキシアクリレートやポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレートの如き多官能アクリレート系モノマーなどがあげられる。
電離放射線硬化性のバインダー成分:
本発明において用いられる電離放射線硬化型バインダー成分は、1分子中に少なくとも1つ以上の水素結合形成基と1つ以上の電離放射線で硬化する官能基(単に「電離放射線硬化性基」と呼ぶことがある)を有する化合物が含まれることが望ましい。このように、電離放射線で硬化する電離放射線硬化性基の単独、あるいは硬化剤によって熱硬化する水素結合形成基とを有するので、該バインダー成分を含有する塗工液を被塗工体の表面に塗布し、乾燥し、電離放射線の照射、または電離放射線の照射と加熱を行うと、塗膜内に架橋結合等の化学結合を形成し、塗膜を効率よく硬化させることができる。
本発明において「電離放射線硬化性基」とは、電離放射線の照射により重合または架橋等の大分子量化反応を進行させて塗膜を硬化させることができる官能基であり、例えば、光ラジカル重合、光カチオン重合、光アニオン重合のような重合反応、あるいは、光二量化を経て進行する付加重合または縮重合等の反応形式により反応が進行するものが挙げられる。特に、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基等のエチレン性不飽和結合やエポキシ基やオキセタン基等の環状エーテル結合は、紫外線や電子線のような電離放射線の照射により直接、または開始剤の作用を受けて間接的に光ラジカルや光カチオン重合反応を生じるものであり、光硬化の工程を含む取り扱いが比較的容易なので好ましく、その中でも(メタ)アクリロイル基やオキセタン基は生産性に優れ、また、硬化後の塗膜の機械強度のコントロールが容易であるため好ましい。
本発明において「電離放射線硬化性基」は単独であっても良いし2つ以上が組み合わさっていても良い。
本発明における低屈折率層を形成している硬化層の少なくとも一部は、水素結合形成基を有するバインダー成分の硬化物であることが望ましい。
水素結合形成基:
本発明における「水素結合形成基」とは、加熱によって同じ官能基同士または他の官能基との間で重合または架橋等の大分子量化反応を進行させて硬化させることができる官能基であり、例えば、アルコキシ基、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、エポキシ基、等を例示することができる。これらの官能基の中でも水酸基は、無機微粒子を用いた場合特に、微粒子との親和性にも優れており、該無機微粒子のバインダー中での分散性を向上させるので好ましい。また、バインダー成分への導入が容易で、無機微粒子表面の水酸基に吸着し、塗工液や塗膜中に均一に分散させることが可能となり、塗工液の寿命向上や無機微粒子の凝集による巨大粒子化による塗膜の透明性や膜強度の低下が無い均一な塗膜の形成が可能となる。さらに硬化に際しては、単独、あるいは硬化剤を用いた熱硬化により、バインダー成分同士、あるいは微粒子表面の水酸基と共有結合を形成して微粒子が架橋剤として作用し、塗膜強度の更なる向上を図ることができるために特に好ましい。
電離放射線硬化型樹脂組成物に好ましく使用されるモノマー類としては、本質的に、あるいは合成時に副生され、モノマーの一部として混在する水酸基等の水素結合形成基を持つものが、一分子中に電離放射線硬化性基と水素結合形成基とを併せ持つため好ましい。これらのうち、エチレン性不飽和基を有するモノマーの例には、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレートモノステアレート等のジ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等のトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート誘導体やジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート、等を例示することができる。
これらに加え、OH残基を有するエポキシアクリレート樹脂(共栄社化学社製「エポキシエステル」:商品名や、昭和高分子社製「リポキシ」:商品名、等)や各種イソシアナートと水酸基を有するモノマーとがウレタン結合を介して重付加によって得られるウレタンアクリレート樹脂(日本合成化学工業社製「紫光」:商品名、や共栄社化学社製「ウレタンアクリレート」:商品名)といった水素結合を含有する数平均分子量(GPC法で測定したポリスチレン換算数平均分子量)が2万以下のオリゴマー類も好ましく使用できる。
これらのモノマー類やオリゴマー類は塗膜の架橋密度を高める効果が高いほか、数平均分子量が2万以下と小さいので流動性が高い成分であり、コーティング組成物の塗工適性を向上させる効果もある。
さらに、必要に応じて水素結合形成基を有するモノマーを含む(共)重合体で、主鎖や側鎖に(メタ)アクリレート基を有する数平均分子量が2万以上の反応性ポリマーなども好ましく使用することができる。これらの反応性ポリマーは例えば東亞合成社製の「マクロモノマー」(商品名)等の市販品として購入することも可能であるし、メタクリル酸メチルとグリシジルメタクリレートとの共重合体をあらかじめ重合しておき、後から共重合体のグリシジル基とメタクリル酸やアクリル酸のカルボキシル基を縮合させることで、(メタ)アクリレート基を有する反応性ポリマーを得ることができる。これら分子量が大きい成分を含むことで、防眩層などの複雑な形状に対する成膜性の向上や硬化時の体積収縮による反射防止積層体のカールや反りの低減が可能となる。
上記官能基を有するモノマーの代わりまたはそれに加えて、架橋性基の反応により、架橋構造をバインダーポリマーに導入してもよい。架橋性官能基の例には、イソシアナート基、エポキシ基、アジリジン基、オキサゾリン基、アルデヒド基、カルボニル基、ヒドラジン基、カルボキシル基、メチロール基、および活性メチレン基が含まれる。ビニルスルホン酸、酸無水物、シアノアクリレート誘導体、メラミン、エーテル化メチロール、エステルおよびウレタンも、架橋構造を導入するためのモノマーとして利用できる。ブロックイソシアナート基のように、分解反応の結果として架橋性を示す官能基を用いてもよい。
また、本発明において架橋性基とは、上記化合物に限らず上記官能基が分解した結果反応性を示すものであってもよい。
上記したモノマー、オリゴマー、ポリマー、および、上記に属さないモノマー、オリゴマー、ポリマーを適宜組み合わせて、成膜性、塗工適性、電離放射線硬化の架橋密度、熱硬化性を有する水素結合形成基の含有量等の諸性質を調節することができる。例えば、モノマー、オリゴマーにより架橋密度と加工適性が向上し、ポリマーによりコーティング組成物の成膜性が向上する。
本発明においては、数平均分子量が2万以下のモノマーおよび/またはオリゴマーと数平均分子量が2万以上のポリマーを適宜組み合わせ、塗膜の諸性質を容易に調節することが可能である。
反射防止積層体:
本発明の反射防止積層体の層構成の形態は、透明基材上に、光透過性の低屈折率層を構成層の少なくとも一つとして有する2層以上を形成してなる反射防止積層体であるが、具体例として、透明基材上に、光透過性の高屈折率層、光透過性の中屈折率層、光透過性の低屈折率層を有し、該高屈折率層、該中屈折率層及び該低屈折率層は、屈折率の高低が交互に入れ替わり且つ該低屈折率層が最も鑑賞面側に位置するように積層されたものを挙げることができる。前記いずれかの層に隣接してハードコート層を設けることができる。或いは、該高屈折率層及び該中屈折率層のうち少なくとも一つが前記ハードコート層であってもよい。該高屈折率層、前記中屈折率層、又は前記低屈折率層は塗布等によるウエットコーティング法により形成することができるので、操作性が向上する。
低屈折率層:
本発明の反射防止積層体における低屈折率層は、電離放射腺硬化性のバインダー成分及び溶剤中に前記に詳述したエーテル結合を介してフッ素で置換されたアルキル鎖の繰り返し単位を持つフッ素原子含有モノマーを添加して形成してなる低屈折率層形成用組成物を塗布、硬化して形成したものである。好ましくは、水素結合形成基を含有する低屈折率層であって、バインダー成分と平均粒子径5nm〜300nmの微粒子とを含むナノポーラス構造を有することが望ましい。低屈折率層のバインダー樹脂は、低屈折率層に水素結合形成基を含有するものが望ましく、例えば、フッ素原子含有モノマー及び/又はポリマーを含む電離放射線硬化型樹脂組成物の硬化物を挙げることができる。水素結合形成基の例には前記電離放射線硬化型樹脂組成物に導入した水素結合形成基が挙げられる。
一般的に、分子中にフッ素原子を含む樹脂組成物は屈折率が低い材料なので、屈折率の低い塗膜を形成できる長所を有するが、該樹脂組成物を塗布して形成された塗膜は、原子間力が小さいフッ素原子を含有しているため硬度及び強度が不足し易いという欠点を有する。このような不都合に対して、本発明の反射防止積層体の好ましい態様は、塗膜中にそれ自身が空隙を有する、及び/又は集合体を形成することで空隙を有する、平均粒子径5nm〜300nmの微粒子を含有させることであり、塗膜の硬度及び強度を不要するために望ましい。該低微粒子を添加した場合には、分子中にフッ素原子を含有する樹脂組成物を用いるにも関わらず、硬化した樹脂組成物中に分散している空隙を有する微粒子の凝集力及び硬さによって、形成された塗膜が引き締められる。したがって、平均粒子径5nm〜300nmの微粒子をフッ素原子を含む樹脂組成物中に添加することにより、フッ素原子の含有量を非常に大きくした場合でも塗膜の硬度及び強度の著しい低下を避けることができる。
それ自身が空隙を有する微粒子は、微細な空隙を外部や内部に有しており、気体、例えば、屈折率1の空気が充填されているので、それ自身の屈折率が低い特徴があり、塗膜中に集合体を形成せずに均一に分散した場合でも、塗膜の屈折率を低下させることができるため好ましい。空隙を有する微粒子の好ましい例には、多孔質シリカ微粒子や中空シリカ微粒子が挙げられる。即ち、例えば、シリカを例にすると、内部に気体を有しない通常のコロイダルシリカ粒子(屈折率n=1.46程度)に比べると、シリカの空隙を有する微粒子の屈折率は1.20〜1.45と低い。或いは、空隙を有する微粒子の好ましい別の例には、多孔質ポリマー微粒子や中空ポリマー微粒子が挙げられる。
ナノポーラス構造:
本発明の反射防止積層体における低屈折率層は、前記微粒子を含む低屈折率層の微粒子の形態、構造、凝集状態、塗膜内部での微粒子の分散状態により、内部、及び/又は表面の少なくとも一部にナノポーラス構造を有することが望ましい。
本発明の反射防止積層体の低屈折率層におけるナノポーラス構造とは、平均粒子径5nm〜300nmの微粒子が集合体を形成した結果生じる平均孔径が0.01nm〜100nmの空気を含有する独立した、及び/又は連続した孔である構造が挙げられる。或いは、ナノポーラス構造を有する低屈折率組成物をコーティングしてなる低屈折率層には、ナノポーラス構造が、平均粒子径5nm〜300nmの微粒子自身の平均孔径0.01nm〜100nmの空気を含有する孔を有することにより形成される構造が挙げられる。
本発明において、ナノポーラスとは、粒子自身が持っている孔、或いは粒子同士が集合体を形成することによって生じる空隙、又は比表面積が大きい多孔質粒子に取り込まれた空気が塗膜形成の過程で粒子から塗膜中に拡散して生じる空気の孔のことを言い、所望の大きさの範囲内であれば、独立していても、連続していても良い。
微粒子の配合によりバインダー成分濃度が希釈されて低屈折率層の機械的強度や屈折率に悪影響を及ぼす弊害を避けるために、微粒子の屈折率は1.60以下であることが好ましい。
微粒子が無機化合物の場合、非晶質であることが好ましい。無機微粒子は、金属の酸化物、窒化物、硫化物またはハロゲン化物からなることが好ましく、金属酸化物または金属ハロゲン化物からなることがさらに好ましく、金属酸化物または金属フッ化物からなることが最も好ましい。金属原子としては、Na、K、Mg、Ca、Ba、Al、Si、Bが好ましく、Mg、Ca、BおよびSiがさらに好ましく、二種類の金属を含む無機化合物を用いてもよい。
無機微粒子の少なくとも一部を表面処理することにより、溶剤又はバインダーとの親和性の改善やバインダーとの反応性を付与させることが好ましい。
表面処理は、プラズマ放電処理やコロナ放電処理のような物理的表面処理と、カップリング剤や有機低分子化合物、ポリマー等を表面に吸着、或いは結合させる化学的表面処理に分類できる。更に、無機微粒子表面の少なくとも一部を、それよりも粒子径が小さい無機や有機やそれらの複合微粒子で被覆しても良い(これらを総称して「表面処理物」という)。
化学的表面処理のみ、または物理的表面処理と化学的表面処理の組み合わせで実施することが好ましい。
カップリング剤としては、有機金属化合物(例、チタンカップリング剤、シランカップリング剤、アルミキレート化剤)が好ましく用いられる。
表面処理物は無機微粒子表面の化学的性質によって適宜使用する事が好ましい。例えば、アニオン性を有する無機微粒子であればカチオン性の有機低分子化合物の使用が好ましい。
無機微粒子表面に水酸基等の官能基がある場合は、表面処理物を安定に吸着させることができ、また、シランカップリング剤や該官能基との反応性を有するポリマーを使用する事でより安定な化学結合による表面処理が特に有効に実施できるため、より好ましい。
無機微粒子に吸着、及び/或いは結合した表面処理物には、バインダー成分との反応性を持たせるためにバインダー成分の種類に応じて水酸基、アミノ基等の熱硬化性基や(メタ)アクリロイルオキシ基、エポキシ基、オキセタン基、マレイミド基等の電離放射線硬化性基等を適宜使用することが好ましい。
微粒子が有機化合物の場合は、架橋、非架橋に関わらず平均粒子径5nm〜300nmのポリマー微粒子であれば特に制限されず使用でき、ポリオレフィン系、フッ素系ポリマー系、ポリスルホン系、ポリエステル系、ポリビニルアセタール系、ポリビニルアルコール系、ポリアミド系、ポリイミド系、ポリウレタン系、ポリアクリル系、ポリスチレン系、ポリケトン系、シリコーン系、ポリ乳酸系、セルロース系等やこれらの共重合物を用いることが出来る。特に、低屈折率化の観点からはフッ素ポリマー系、シリコーン系からなることがさらに好ましい。また、例えば、ポリアクリル系であってもフッ素原子を含有するアクリルモノマーを使用する事で微粒子の低屈折率化が可能となるため好ましい。
有機微粒子も溶剤又はバインダーとの親和性やバインダーとの反応性が得られるモノマー重合体が表面に形成されることが好ましい。また、無機微粒子と同様の物理的および/或いは表面処理物を用いた化学的表面処理を施すことも好ましい。
透明基材:
本発明による反射防止積層体を構成する光透過性の透明基材は、板状であってもフィルム状であっても良い。好ましい透明基材としては、例えば、トリアセテートセルロース(TAC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ジアセチルセルロース、アセテートブチレートセルロース、ポリエーテルサルホン、アクリル系樹脂;ポリウレタン系樹脂;ポリエステル;ポリカーボネート;ポリスルホン;ポリエーテル;トリメチルペンテン;ポリエーテルケトン;(メタ)アクリロニトリル;環状ポリオレフィン等の各種樹脂で形成したフィルム等を例示することができる。基材の厚さは、通常30μm〜200μm程度であり、好ましくは50μm〜200μmである。
[実施例1]
基材/ハードコート層/低屈折率層からなる反射防止フィルム
低屈折率層形成用組成物の調製:
下記組成の成分を配合して水素結合形成基(OH基)を有する低屈折率層形成用組成物を調製した。
下記式(2)に示すジアクリレート 0.25g
ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA:略語、注:水素結合形成基(OH基)を含む) 0.25g
イルガキュア184(商品名:チバスペシャリティケミカルズ社製) 0.01g
イルガキュア907(商品名:チバスペシャリティケミカルズ社製) 0.03g
メチルイソブチルケトン 9.46g
Figure 2008009348
ハードコート層形成用組成物の調製:
下記組成の成分を配合してハードコート層形成用組成物を調製した。
ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA:略語) 5.0g
イルガキュア184(商品名、チバスペシャリティケミカルズ社製) 0.25g
メチルエチルケトン 20g
ハードコートフィルムの作製:
厚み80μmのトリアセテートセルロース(TAC)フィルム上に、上記組成のハードコート層形成用組成物をバーコーティングし、乾燥させることにより溶剤を除去した後、紫外線照射装置(フュージョンUVシステムジャパン(株)製、光源Hバルブ)を用いて、照射線量60mJ/cm2 で紫外線照射を行い、ハードコート層を硬化させて、膜厚約5μmのハードコート層を有する、基材/ハードコート層からなる積層フィルムを得た。
低屈折率層の形成:
前記工程で得られた基材/ハードコート層からなる積層フィルムのハードコート層上に、前記工程で調製した低屈折率層形成用組成物を、#3のミヤバーで塗工した後、40℃で1分間塗膜を乾燥した。次いで、Hバルブを用い窒素ガスの充填下で120MJの紫外線照射で塗膜を硬化させて、基材/ハードコート層/低屈折率層からなる反射防止フィルムを得た。形成された低屈折率層の屈折率は1.37、反射率は1.2%、ヘイズは0.5、膜厚100nmであった。本実施例1の反射防止フィルムの性質を下記の表1に示す。
[比較例1]
前記実施例1において、低屈折率層形成用組成物中のジアクリレートを下記の式(3)に示す化合物に変更した以外は、全て前記実施例1と同様にして比較例1の塗膜を得た。得られた塗膜の反射率は塗膜自体が白濁し、測定不可能であった。また同じ理由からヘイズも測定不可能であった。
Figure 2008009348
[実施例2]
基材/中屈折率ハードコート層/低屈折率層からなる反射防止フィルム
中屈折率ハードコート層形成用組成物の調製:
下記組成の成分を配合してハードコート層を兼ねる中屈折率層形成用組成物を調製した。
KZ7973(商品名:JSR社製) 47g
ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA:略語) 5.0g
イルガキュア184(商品名、チバスペシャリティケミカルズ社製) 1.0g
シクロヘキサノン 12g
基材/中屈折率ハードコート層/低屈折率層からなる反射防止フィルムの作製:
上記組成の中屈折率ハードコート層形成用組成物をTACフィルム上にバーコーティングし、乾燥させることにより溶剤を除去した後、紫外線照射装置(フュージョンUVシステムジャパン(株)製、光源Hバルブ)を用いて、照射線量100mJ/cm2 で紫外線照射を行い、塗膜を硬化させて、膜厚約5μmの中屈折率ハードコート層を有する、基材/中屈折率ハードコート層からなる積層フィルムを得た。該積層フィルムにおける中屈折率ハードコート層の屈折率は1.63であり、基材のヘイズ値が0.3であるのに対し、基材/中屈折率ハードコート層からなる積層体のヘイズ値は0.3であった。
次に前記工程で得られた基材/中屈折率ハードコート層からなる積層フィルム上に、前記実施例1で調製した低屈折率層形成用組成物をバーコーティングし、乾燥させることにより溶剤を除去した後、紫外線照射装置(フュージョンUVシステムジャパン(株)製、光源Hバルブ)を用いて、照射線量200mJ/cm2 で紫外線照射を行い、塗膜を硬化させて、膜厚約5μmの低屈折率層を有する、基材/中屈折率ハードコート層/低屈折率層からなる反射防止フィルムを得た。形成された低屈折率層の屈折率は1.37%、膜厚100nmであった。本実施例2における中屈折率ハードコート層上での最低反射率は0.68%でヘイズ値は0.5であった。本実施例2の反射防止フィルムの性質を下記の表1に示す。
[実施例3]
基材/中屈折率ハードコート層/高屈折率層/低屈折率層からなる反射防止フィルム
高屈折率層形成用組成物の調製:
下記組成の成分を配合して高屈折層形成用組成物を調製した。
ルチル型酸化チタン(商品名:MT−500HDM、テイカ社製) 10g
Disperbyk163(商品名、ビックケミー・ジャパン社製) 2.0g
ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA:略語) 5.0g
イルガキュア184(商品名、チバスペシャリティケミカルズ社製) 0.2g
メチルイソブチルケトン 37.3g
基材/中屈折率ハードコート層/高屈折率層/低屈折率層からなる反射防止フィルムの作製:
前記実施例2で調製した中屈折率ハードコート層形成用組成物をTACフィルム上にバーコーティングし、乾燥させることにより溶剤を除去した後、紫外線照射装置(フュージョンUVシステムジャパン(株)製、光源Hバルブ)を用いて、照射線量100mJ/cm2 で紫外線照射を行い、塗膜を硬化させて、膜厚約5μmの中屈折率ハードコート層を有する、基材/中屈折率ハードコート層からなる積層フィルムを得た。
前記工程で得られた基材/中屈折率ハードコート層からなる積層フィルム上に、上記工程で調製した高屈折層形成用組成物を、前記中屈折率ハードコート層の形成と同条件にて塗工し、膜厚約80nmの高屈折率層が形成された基材/中屈折率ハードコート層/高屈折率層からなる積層フィルムを得た。得られた積層フィルム中の中屈折率ハードコート層の屈折率は1.63、反射率は0.68%、高屈折率層の屈折率は1.85であった。基材のヘイズ値が0.3であるのに対し、基材/中屈折率ハードコート層からなる積層フィルムのヘイズ値は0.3であり、基材/中屈折率ハードコート層/高屈折率層からなる積層フィルムのヘイズ値は0.3であった。本実施例3における高屈折率層上で最低反射率は、0.77%で、ヘイズ値は0.5であった。
前記工程で得られた基材/中屈折率ハードコート層/高屈折率層からなる積層フィルム上に、前記実施例1で調製した低屈折率層形成用組成物をバーコーティングし、乾燥させることにより溶剤を除去した後、紫外線照射装置(フュージョンUVシステムジャパン(株)製、光源Hバルブ)を用いて、照射線量200mJ/cm2 で紫外線照射を行い、塗膜を硬化させて、基材/中屈折率ハードコート層/高屈折率層/低屈折率層からなる反射防止フィルムを得た。低屈折率層の屈折率は1.37、膜厚は100nmであった。本実施例3の反射防止フィルムの性質を下記の表1に示す。
[比較例2]
水素結合形成基を有しないバインダー成分の硬化物を含む低屈折率層が形成された反射防止フィルム
下記組成の成分を配合して水素結合形成基を有しない低屈折率層形成用組成物を調製した。
前記式(2)に示すジアクリレート 0.25g
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA:略語、注:水素結合形成基を有しない) 0.25g
イルガキュア184(商品名:チバスペシャリティケミカルズ社製) 0.01g
イルガキュア907(商品名:チバスペシャリティケミカルズ社製) 0.03g
メチルイソブチルケトン 9.46g
前記工程で得られた低屈折率層形成用組成物を用いた以外は前記実施例1と同じ条件にて、基材/ハードコート層/低屈折率層からなる反射防止フィルムを製造した。得られた反射防止フィルムは、水素結合形成基を持たないため、低屈折率層の膜面には塗工斑を生じ、前記実施例1に比べて耐スチールウール性が100g未満と低下した。低屈折率層の屈折率は1.37、膜厚は100nmであった。本比較例2の反射防止フィルムの性質を下記の表1に示す。
[実施例4]
微粒子を含む低屈折率層を形成した反射防止フィルム
中空シリカゾル(平均粒子径30nm)を含む低屈折率層形成用組成物の調製:
下記組成の成分を配合して中空シリカゾル(平均粒子径30nm)を含む低屈折率層形成用組成物を調製した。
中空シリカゾル(触媒化成工業社製OSCAL(商品名、微粒子の屈折率1.30);メチルイソブチルケトン20質量%分散液) 1.25g
前記式(2)に示すジアクリレート 0.25g
ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA:略語) 0.25g
イルガキュア184(商品名:チバスペシャリティケミカルズ社製) 0.01g
イルガキュア907(商品名:チバスペシャリティケミカルズ社製) 0.03g
メチルイソブチルケトン 8.46g
低屈折率層の形成:
前記実施例1において製造した基材/ハードコート層からなる積層フィルム上に、前記工程で調製した中空シリカゾルを含む低屈折率層形成用組成物を、バーコーターで塗工し、乾燥させることにより溶剤を除去した後、紫外線照射装置(フュージョンUVシステムジャパン(株)製、光源Hバルブ)を用いて、照射線量200mJ/cm2 で紫外線照射を行い、塗膜を硬化させて、基材/ハードコート層/低屈折率層からなる反射防止フィルムを得た。形成された低屈折率層の屈折率は1.33、最低反射率は0.47%、膜厚は100nm、ヘイズ値は0.6であった。本実施例4の反射防止フィルムの性質を下記の表1に示す。
Figure 2008009348
本発明の反射防止積層体は、低屈折率層形成用組成物に添加するモノマーはバインダー樹脂や溶剤に対して不相溶にならずに、したがって、不相溶が原因で発生する外観を損ねるようなハジキの発生や、不相溶な部分が固まって生ずる膜強度の劣化を防止しできるため、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ、レンズ等の光学物品の表面に貼付される反射防止フィルム等の反射防止積層体として有用である。

Claims (14)

  1. 透明基材上に、光透過性の低屈折率層を構成層の少なくとも一つとして有する2層以上を形成してなる反射防止積層体であって、
    該低屈折率層は、必須成分として、
    (1)エーテル結合を介してフッ素で置換されたアルキル鎖の繰り返し単位を持つフッ素原子含有モノマー、
    (2)電離放射線硬化性のバインダー成分、
    (3)有機溶剤、
    を含有するコーティング組成物を、被覆すべき面に塗工し硬化させてなる硬化層であることを特徴とする反射防止積層体。
  2. 前記フッ素原子含有モノマーは、下記一般式(1)で表される繰り返し単位を有する請求項1に記載の反射防止積層体。
    Figure 2008009348
    (式中、XはF元素、CF3 を示し、nは1〜20の整数を示す。)
  3. 前記フッ素原子含有モノマーがさらに電離放射線硬化性を有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の反射防止積層体。
  4. 前記モノマーが、多官能ジアクリレートである請求項3に記載の反射防止積層体。
  5. 前記低屈折率層を形成している硬化層の少なくとも一部は、水素結合形成基を有するバインダー成分の硬化物であることを特徴とする、請求項1に記載の反射防止積層体。
  6. 前記低屈折率層を形成するためのコーティング組成物は、平均粒子径5nm〜300nmの微粒子を含むことを特徴とする、請求項1乃至5の何れか1項に記載の反射防止積層体。
  7. 前記低屈折率層の膜厚が、0.05〜0.15μmの範囲である、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の反射防止積層体。
  8. 光透過性の高屈折率層及び光透過性の低屈折率層を硬化層として少なくとも備えると共に、1層又は2層以上の光透過性の中屈折率層を硬化層としてさらに備え、該高屈折率層、該中屈折率層及び該低屈折率層は、屈折率の高低が交互に入れ替わり且つ該低屈折率層の1層が最も鑑賞面側に位置するように積層されるものであり、該低屈折率層が請求項1乃至4のいずれか1項に記載のフッ素原子含有モノマーを用いて形成されていることを特徴とする反射防止積層体。
  9. 前記光透過性の高屈折率層、前記光透過性の中屈折率層、及び前記光透過性の低屈折率層のいずれかの層に接してハードコート層を備えていることを特徴とする請求項8に記載の反射防止積層体。
  10. 前記高屈折率層及び/又は前記中屈折率層はハードコート層を兼ねることを特徴とする、請求項8又は9に記載の反射防止積層体。
  11. 前記高屈折率層、前記中屈折率層、又は前記低屈折率層がウエットコーティング法により形成されたものであることを特徴とする、請求項8乃至10のいずれか1項に記載の反射防止積層体。
  12. 前記高屈折率層及び/又は前記中屈折率層は、膜厚が0.05〜20μmで、屈折率が1.45〜2.00で、且つ、JIS−K7361に規定されるヘイズ値が前記透明基材だけのヘイズ値と変わらないか又は前記透明基材だけのヘイズ値との差が10%以内であることを特徴とする、請求項8乃至11のいずれか1項に記載の反射防止積層体。
  13. 前記高屈折率層及び/又は前記中屈折率層は、水素結合形成基を残した硬化層であることを特徴とする、請求項8乃至12のいずれか1項に記載の反射防止積層体。
  14. #0000番のスチールウールを用いて10回擦ったときの、反射防止積層体のヘイズ値の変化が認められる最低荷重量が、200g以上であることを特徴とする、請求項1乃至13のいずれか1項に記載の反射防止積層体。
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