JP2008008271A - 圧縮機 - Google Patents

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浩康 灘本
Yoichi Okawa
洋市 大川
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紀昌 佐々木
Hideyuki Takasaki
英幸 高崎
Hiroyuki Makishima
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Abstract

【課題】吸入脈動を低減しつつも圧縮効率を維持できる圧縮機の提供を目的とする。
【解決手段】圧縮機1は、吸入室16と、吐出室18と、前記吸入室と吸入孔17を通じて連通しているとともに前記吐出室18と吐出孔19を通じて連通しているシリンダボア6と、前記シリンダボア6内で往復動自在なピストン8と、前記ピストン8の内部に中空部として設けられた副吸入室20と、前記シリンダボア6および前記吸入孔17を介さずに前記副吸入室20と前記吸入室16を連通する連通通路21、22、23、24と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、圧縮機に関する。
従来の圧縮機としては、特許文献1に開示されたものがある。この圧縮機100は、図6に示すように、シリンダブロック101aとフロントヘッド101bとリアヘッド101cが組み付けされて構成されるハウジング101を備える。
シリンダブロック2aには、円周上の等間隔位置に配置された複数のシリンダボア103が形成されている。各シリンダボア103にはピストン105が摺動自在に配置されている。
フロントヘッド101bには、シリンダボア103と連通するクランク室104が形成されている。クランク室104には、回転自在な駆動軸102と、この駆動軸102に装着されるロータ106および斜板107、が配置されている。ロータ105は駆動軸102に固定されている。斜板107は、駆動軸102の軸方向に移動自在に支持され、且つ、ロータ106に連結ピン108を介して連結されている。これにより、斜板107は、駆動軸102の回転によってロータ106と共に回転し、且つ、軸方向への移動によって揺動角を可変するようになっている。斜板107の外周部にはシュー109を介してピストン105の係合部105aが係合されている。ピストン105は、斜板107の回転によってシリンダボア103内を往復運動し、且つ、斜板107の揺動角によってそのストロークを可変する。
一方、リアヘッド101cには、弁板113によりシリンダボア103と区画された第1吸入室110と吐出室112とが形成されている。この弁板113には、シリンダボア103と吐出室112とを連通する吐出弁付きの吐出孔114が形成されている。第1吸入室110は、弁板113を貫通してシリンダブロック101aまで延在している。また、ピストン105には、内部に第2吸入室115が形成されている。これら第1吸入室110と第2吸入室115とが連通可能となっている。具体的には、シリンダブロック101aに形成され且つ第1吸入室110とシリンダボア103とを連通する第1の連通孔111と、ピストン105の側周壁に形成され且つピストン105の内部(第2吸入室115)とピストンの外部を連通する第2の連通孔116と、が一致すると、第1吸入室110と第2吸入室115とが連通する。
そして、ピストン105の上死点側の壁には、ピストン105の内部(第2吸入室115)と外部を連通する吸入弁付きの吸入孔117が形成されている。
上記構成において、ピストン105の吸入行程(上死点から下死点に移動する行程)では、第1吸入室110と第2吸入室115とが第1の連通孔111及び第2の連通孔116を介して連通し、且つ、シリンダボア103内の減圧によって吸入孔117が開口する。これによって、冷媒ガスが第2吸入室115よりシリンダボア103に供給される。
ピストン105の圧縮行程(下死点から上死点に移動する行程)では、ピストン105によってシリンダボア103内の冷媒ガスが断熱圧縮される。この圧縮された冷媒ガスが吐出孔114より吐出室112に排出される。
前記従来例の圧縮機100では、ハウジング101内の第1吸入室110とピストン105内の第2吸入室115を有するため、トータル吸入容積が大きい。従って、ピストン105の吸入行程で冷媒ガスがシリンダボア103内に供給されても吸入室側の圧力変動(吸入脈動)が小さく抑えられるため、吸入脈動に起因する騒音を低減できるという利点がある。つまり、ピストン105にサイレンサー機能を持たせる構造になっている。
特開2002−364528号公報
しかしながら、ピストン105とシリンダボア103とが摺動接触するため、ピストン105内の第2吸入室115は、第1吸入室110よりも温度が高くなりやすく、このような高温の第2吸入室115からシリンダボア103内に冷媒を吸入する構造では、第1吸入室110からシリンダボア103内に冷媒を直接吸入する構造よりも、シリンダボア103へ吸入される冷媒の体積が膨張してしまうので、圧縮効率が低下してしまうことが懸念される。
そこで、本発明は、吸入脈動を低減しつつも圧縮効率を維持できる圧縮機の提供を目的とする。
請求項1に記載の発明は、圧縮機であって、吸入室と、吐出室と、前記吸入室と吸入孔を通じて連通しているとともに前記吐出室と吐出孔を通じて連通しているシリンダボアと、前記シリンダボア内で往復動自在なピストンと、前記ピストンの内部に中空部として設けられた副吸入室と、前記シリンダボアおよび前記吸入孔を介さずに前記副吸入室と前記吸入室を連通する連通通路と、を備えることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、圧縮機であって、シリンダボアを有するシリンダブロックと、前記シリンダブロックの端面に、吸入孔および吐出孔を有する弁板を介して接合され、内部に前記吸入孔を通じて前記シリンダボアと連通する吸入室および前記吐出孔を通じて前記シリンダボアと連通する吐出室を有するリアヘッドと、前記シリンダボア内で往復動自在なピストンであって、内部に中空部としての副吸入室を有するピストンと、前記シリンダボアおよび前記吸入孔を介さずに前記ピストンおよび前記シリンダブロックおよび前記弁板を貫通して前記吸入室と前記副吸入室とを連通する連通通路と、を備えることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の圧縮機であって、前記連通通路は、前記シリンダブロックに設けられた中間チャンバと、前記弁板に貫通形成され前記中間チャンバと前記吸入室とを連通する第1の連通孔と、前記シリンダブロックに貫通形成され、一端が前記中間チャンバに開口するとともに他端が前記シリンダボアに開口する第2の連通孔と、前記ピストンに貫通形成され、一端が副吸入室に開口するとともに他端が前記ピストンの前記シリンダボアとの摺動接触面に開口して前記第2の連通孔と連通する第3の連通孔と、を備えることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の圧縮機であって、前記連通通路のうちピストンに設けられた部分は、一端が副吸入室に開口するとともに他端がピストンの前記シリンダボアとの摺動接触面に開口する連通孔として構成され、前記ピストンの摺動接触面には、前記連通孔の周囲に凹設された堀が設けられていることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の圧縮機であって、前記堀の少なくとも一部は、前記ピストンの摺動接触面の下死点側の端末まで延びていることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項4に記載の圧縮機であって、前記堀は、前記ピストンの摺動接触面の下死点側の端末とともに前記連通孔の周囲を囲む略U字状に形成されていることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項4に記載の圧縮機であって、前記堀は、前記連通孔よりも上死点側においてピストンの軸方向と交差する方向に延びる上死点側堀部と、前記上死点側堀部の両端部から前記ピストンの摺動接触面の下死点側の端末まで延び且つ前記連通孔を挟んで対向する一対の軸方向堀部と、を備えることを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の圧縮機であって、前記上死点側堀部は、その中央部から両端部に向けて下死点側に傾斜していることを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、請求項7または8に記載の圧縮機であって、前記軸方向堀部は、上死点側から下死点側に向けて通路断面積が除々に大きくなっていることを特徴とする。
請求項10に記載の発明は、請求項4〜9の何れか1項に記載の圧縮機であって、前記堀は、内堀と、前記内堀の外側に沿って設けられる外堀と、を備えることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、副吸入室が脈動減衰チャンバとして機能して、圧縮機の吸入脈動が低減する。このとき、ピストンは、シリンダボアとの摺動接触により高温になりやすいため、副吸入室内の冷媒も熱影響を若干受けるが、実際にシリンダボアに吸入される冷媒は、吸入室から吸入される。そのため、ピストン内の副吸入室からシリンダボアに冷媒を吸入する構造(例えば特許文献1参照)に比べて、シリンダボアに吸入される冷媒が、ピストンの摩擦熱の影響を受けにくく、圧縮効率が低下してしまうことを防止できる。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1と同様の作用効果が得られる。
請求項3に記載の発明によれば、連通通路の一部に、他の部分よりも通路面積が拡大している中間チャンバが設けられているため、さらに吸入脈動減衰効果が向上する。
請求項4に記載の発明によれば、ピストンのシリンダボアとの摺動接触面に、当該摺動接触面に開口する連通孔の周囲を囲む堀が設けられているため、ピストンとシリンダボアとの摺動接触面間を上死点側から下死点側に向けて流れるブローバイガスのうち、ピストンの連通孔に向けて流れていくブローバイガスを、堀で捕獲できる。これにより、副吸入室にブローバイガスが流れ込むことが抑制され、圧縮効率の低下が抑制される。
請求項5に記載の発明によれば、堀で捕獲したブローバイガスをピストンの摺動接触面の下死点側にスムーズに逃がすことができ、ブローバイガスが副吸入室に流れ込むことをさらに確実に抑制できる。
請求項6に記載の発明によれば、請求項2と同様の効果が得られる。
請求項7に記載の発明によれば、請求項2と同様の効果が得られる。
請求項8に記載の発明によれば、上死点側堀部がその中央部から両端部に向けて下死点側に下傾斜しているため、上死点側堀部で捕獲したブローバイガスを当該上死点側堀部に沿って下死点側に流しやすくなり、さらに副吸入室に流れ込むブローバイガス量を減らすことができる。
請求項9に記載の発明によれば、軸方向堀部が上死点側から下死点側に向けて通路断面積が除々に大きくなっているため、軸方向堀部で捕獲したブローバイガスが軸方向堀部から漏れ出す可能性が低くなり、さらに副吸入室に流れ込むブローバイガス量が減る。
請求項10に記載の発明によれば、堀は、内堀とこの内堀の外側に沿って設けられた外堀と、を備えるため、複数多段にブローバイガスを捕獲できる。そのため、副吸入室に流れ込むブローバイガス量がさらに減る。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1〜図3は本発明の一実施形態を示し、図1は圧縮機1の断面図、図2はピストン8の側面図、図3は図2のIII−III断面図である。
図1に示すように、圧縮機1は、斜板式の可変容量圧縮機である。圧縮機のハウジング2は、シリンダブロック2aと、このシリンダブロック2aの一方の側面に配置されたフロントヘッド2bと、シリンダブロック2aの他方の側面に弁板3を介して配置されたリアヘッド2cと、が組み付けられることによって構成されている。
シリンダブロック2aには、円周上の等間隔位置に配置された複数の円柱状のシリンダボア6が貫通形成されているとともに、複数のシリンダボア6、6、・・・の配置部分より内周側の領域に中央貫通口35が貫通形成されている。このシリンダボア6および中央貫通口35は、シリンダブロック2aを軸方向に貫通しており、シリンダブロック2aの一方の側面(フロントヘッド2bが接合される側の側面)およびシリンダブロック2aの他方の側面(リアヘッド2cが接合される側の側面)に開口している。
各シリンダボア6にはピストン8が摺動自在に配置されている。ピストン8は、円柱状のピストン本体8aと、ピストン本体8aの下死点側から突設された係合部8bと、を備えている。
リアヘッド2cは、上述のように弁板3を介してシリンダブロック2aに接合され、内部には吸入室16および吐出室18が形成されている。吸入室16は、冷凍サイクルのエバポレータの出口に接続され、吐出室18は、冷凍サイクルの凝縮器の入口に接続され、これにより、圧縮機、凝縮器、膨張弁および蒸発器が順番に接続された冷凍サイクルが構成されることとなる。
弁板3は、シリンダボア6と吸入室16とを区画するとともにシリンダボア6と吐出室18とを区画しており、この弁板3にはシリンダボア6と吸入室16とを連通する吸入孔17と、シリンダボア6と吐出室18とを連通する吐出孔19と、が貫通形成されている。これら吸入孔17および吐出孔19には図示せぬリード弁タイプの吸入弁および吐出弁がそれぞれ取り付けられている。
フロントヘッド2bは、略有底筒状の容器形状に形成され、内部がクランク室7として構成されている。クランク室7は、シリンダボア6の下死点側と連通している。クランク室7には、シリンダブロック2aおよびフロントヘッド2cの中央貫通口35、36に軸受4、4を介して軸支された駆動軸5と、この駆動軸5の回転をピストン8の往復動に変換する変換機構と、が設けられている。
この実施形態の変換機構は、駆動軸5に固定されて駆動軸5と一体に回転するロータ10と、駆動軸5に軸方向にスライド自在に装着されたスリーブ11と、スリーブ11に揺動自在に装着されたジャーナル12と、ロータ10とジャーナル12とを連結してジャーナル12の揺動を許容しつつロータ10の回転をジャーナル12に伝達する連結機構14と、ジャーナル12に固定されてジャーナル12と一体的に回転する斜板13と、を備えて構成されている。そして、斜板13の外周部に、一対のシュー15を介してピストン8の係合部8bが係合している。
これにより、駆動軸5が回転すると、ロータ10と共に斜板13が回転し、このとき斜板13が自身の傾斜角度に応じて揺動運動し、この斜板13の揺動運動がシリンダボア6内のピストン8の往復運動に変換される。なお、ピストン8のピストンストロークは、斜板13の傾斜角に対応する。
ピストン8がシリンダボア6内を往復動すると、以下のように冷媒が圧縮される。
まず、ピストン8の吸入行程(ピストン8が上死点から下死点に移動する行程)で、シリンダボア6内が減圧され、この減圧により、吸入弁が開き吸入孔17が開口して吸入室16からシリンダボア6に冷媒が吸入される。ピストン8が下死点まで行くと、ピストン8の圧縮行程に移行する。ピストン8の圧縮行程(ピストン8が下死点から上死点に移動する行程)では、シリンダボア6内の圧力が上昇し、この圧力上昇に伴って、吸入弁が閉じて吸入孔17が閉口し、この状態でピストン8によってシリンダボア6内の冷媒ガスが断熱圧縮される。そして、シリンダボア6内の圧力が所定圧縮に超えると、吐出弁が開いて吐出孔19が開口し、圧縮された冷媒がシリンダボア6から吐出孔19通じて吐出室18に吐出される。
容量制御
このように、ピストン8の往復動によって冷媒が圧縮されるが、この実施形態ではピストンストロークを変更して圧縮機の吐出容量を変更できるようになっている。つまり、この実施形態の圧縮機1は、圧縮機の吐出容量を制御するための制御機構が設けられている。制御機構は、クランク室7と吸入室16とを連通する抽気通路27と、クランク室7と吐出室18とを連通する給気通路(不図示)と、給気通路の途中に設けられ給気通路を開閉する制御弁(不図示)と、を備えて構成されている。制御弁の開閉により、吸入通路を通じて吐出室18からクランク室7へ導入される高圧冷媒の流量を調整し、これによりクランク室7内の圧力を調整する。クランク室圧が調整されると、ピストンの前後差圧(ピストンの前面圧(吸入圧)と背面圧(クランク室圧)との差)を調整されることとなるため、斜板13の傾斜角の変化を伴いつつピストンストロークが調整されることとなり、圧縮機の吐出容量が調整されることとなる。
吸入脈動低減構造
次に、本実施形態の圧縮機の吸入脈動低減構造について説明する。
本実施形態では、ピストン8の内部には中空部としての副吸入室20が設けられ、この副吸入室20と吸入室16とが、シリンダボア6および吸入孔17を介さずに連通通路(21、22、23、24)によって連通していることで、トータルの吸入容積が大きくなっており、これにより、吸入脈動を低減できるようになっている。
連通通路(21、22、23、24)は、ピストン8に設けられた部分21と、シリンダブロック2aに設けられた部分22、23と、弁板3に設けられた部分24と、を備え、これらが順に連通することで構成されている。
より具体的に説明すると、連通通路(21、22、23、24)は、弁板3に設けられた第1の連通孔24と、ピストン8に設けられた第3の連通孔21と、シリンダブロック2aに設けられた中間チャンバ23および第2の連通孔22と、が連通して構成されている。
弁板3に設けられた第1の連通孔24は、弁板3の中央部に貫通形成され、リアヘッド2cに設けられた吸入室16と、シリンダブロック2aに設けられた後述する中間チャンバ23と、を連通する。
シリンダブロック2aに設けられた中間チャンバ23は、シリンダブロック2aのうち円周方向に等間隔に設けられた複数のシリンダボア6より内周側領域に設けられおり、駆動軸5を軸支する中央貫通口35のうち、軸受4よりも弁板3側の空間である。
シリンダブロック2aに設けられた第2の連通孔22は、中間チャンバ23とシリンダボア6とを連通するようにシリンダブロック2aに貫通形成され、一端が中間チャンバ23に開口し他端がシリンダボア6の内周面のうち前記ピストン8との摺動接触面30(図3参照)に開口する。
ピストン8に設けられた第3連通孔21は、中空ピストン8の内外を連通するようにピストン8に貫通形成されている。つまり、第3の連通孔21の一端が、副吸入室20に開口し、第3の連通孔21の他端が、ピストン8の外周面のうちシリンダボア6との摺動接触面31(図3参照)に開口している。
以上のように、ピストン8の第3連通孔21は、ピストン8の外周面のうちシリンダボア6の内周面との摺動接触面31に開口しており、一方、シリンダブロック2aの第2連通孔22は、シリンダボア6の内周面30(シリンダボア6のピストン8との摺動接触面30)に開口しており、これら第3連通孔21および第2連通孔22は、ピストン8の往復動位置に関わらず常時連通している。
このように吸入室16と副吸入室20とは連通通路24、23、22、21を通じて連通しているため、圧縮機1のトータルの吸入容積が大きくなる。従って、ピストン8の吸入行程で冷媒ガスがシリンダボア6内に供給されても吸入室側の圧力変動(吸入脈動)が緩和され、これにより吸入脈動に起因する騒音を低減できる。
また、本実施形態では、連通通路の途中に、他の部分(第1連通孔24、第2連通孔22、第3連通孔21)よりも通路断面積が大きい中間チャンバ23が設けられているため、更に吸入脈動を低減できる利点がある。
ブローバイガス流入防止構造
ここで、ピストン8の圧縮行程では、ピストン本体8aの外周面とシリンダボア6の内周面との間に、上死点側から下死点側に向けてブローバイガスが流れる。そのため、ブローバイガスが、第3の連通孔21を通じて吸入室16および副吸入室20に流れ込んでしまうことが懸念される。吸入室16および副吸入室20へ高圧のブローバイガスが大量に流入してしまうと、まだ圧縮前の吸入冷媒の圧力が上昇してしまうため、圧縮効率が低下してしまう。
本実施形態では、図2、図3に示すように、ピストン本体8aの外周面31(ピストン8のシリンダボア6との摺動接触面31)に第3の連通孔21の周囲に凹設された堀41が設けられている。そのため、第3の連通孔21に流れ込もうとするブローバイガスは、堀41に捕獲されることで、ブローバイガスが第3の連通孔21を通じて副吸入室20および吸入室16内に流れ込むことが抑制される。これにより、圧縮効率の低下が抑制される。
次に、より具体的に本実施形態の堀41を説明する。
図2に示すように、本実施形態の堀41は、略4角形の環状に形成されており、第3の連通孔21よりも上死点側においてピストン本体8aの軸方向と交差する方向に延びる上死点側堀部41aと、上死点側堀部41aの両端部からピストン本体8aの軸方向にほぼ沿って延びる一対の軸方向堀部41b、41bと、を備える。一対の軸方向堀部41b、41bは、第3の連通孔21を挟んで対向配置されており、ピストン本体8aの外周面31(ピストン8のシリンダボア6との摺動接触面31)の下死点側の端末33(エッジ)まで延びている。また、下死点側の端末33の近傍には、一対の軸方向堀部41b、41bを相互に連結する帯状の通路拡大部41cが形成されている。
次に、本実施形態の効果を列挙する。
(1)本実施形態の圧縮機1は、吸入室16と、吐出室18と、前記吸入室と吸入孔17を通じて連通しているとともに前記吐出室18と吐出孔19を通じて連通しているシリンダボア6と、前記シリンダボア6内で往復動自在なピストン8と、前記ピストン8の内部に中空部として設けられた副吸入室20と、前記シリンダボア6および前記吸入孔17を介さずに前記副吸入室20と前記吸入室16を連通する連通通路21、22、23、24と、を備える。
そのため、副吸入室20および連通通路21、22、23、24が、脈動減衰チャンバとして機能して、圧縮機1の吸入脈動が低減する。このとき、ピストン8は、シリンダボア6との摺動接触により高温になりやすいため、副吸入室20内の冷媒も熱影響を若干受けるが、実際にシリンダボア6に吸入される冷媒は、この副吸入室20からは連通通路21、22、23、24を通じて吸入室16から吸入される。そのため、ピストン8内に設けた副吸入室20からシリンダボア6に冷媒を吸入する構造(例えば特許文献1参照)に比べて、シリンダボア6に吸入される冷媒が、ピストン8の摩擦熱の影響を受けにくく、圧縮効率が低下してしまうことを防止できる。
(2)また本実施形態の圧縮機1では、連通通路21、22、23、24の一部に、他の部分よりも通路面積が拡大している中間チャンバ23が設けられているため、さらに吸入脈動減衰効果が向上する。
(3)本実施形態の圧縮機1にあっては、ピストン8の摺動接触面31に、当該摺動接触面31に開口する連通孔21の周囲に、堀41が凹設されているため、ピストン8の圧縮行程で、ピストン8の外周面とシリンダボア6の内周面との隙間を通じて上死点側から下死点側に向けて流れるブローバイガスのうち、連通孔21に向けて流れるブローバイガスが堀41に捕獲される。そのため、高圧のブローバイガスが連通孔21を通じて副吸入室20および吸入室16内に流れ込むことが抑制される。これにより、圧縮効率の低下が抑制される。
(4)また本実施形態では、堀41の少なくとも一部は、ピストン本体8aの下死点側の端末33まで延びている。そのため、堀41で捕獲したブローバイガスを、ピストン8の摺動接触面31の下死点側の端末33からクランク室7へスムーズに放出できる。これにより、連通孔21を通じて副吸入室20および吸入室16内に流れ込むブローバイガス量を低減できる。
(5)また本実施形態では、堀41はピストン8の摺動接触面31の下死点側の端末33とともに連通孔21の周囲を囲むように略U字状に形成されている。そのため、上記(4)の効果と同様の効果が得られる。
また、堀41がU字状に形成されていることで、堀41がO字状(連通孔21の全周を取り囲む形状)に形成される構造に比べ、堀41の総面積が小さくなる。そのため、ピストン8に堀41を切削加工する場合には、切削工程が短縮されるとともに、切削屑が少なくなる利点がある。
(6)また本実施形態では、堀41は、連通孔21よりも上死点側においてピストン本体8aの軸方向と交差する方向に延びる上死点側堀部41aと、上死点側堀部41aの両端部からピストン8の摺動接触面31の下死点側の端末33まで延び且つ連通孔21を挟んで対向する一対の軸方向堀部41b、41bと、を備える。そのため、上記(4)および(5)と同様の効果が得られる。
(7)また本実施形態では、堀41は、ピストン8の摺動接触面31の下死点側の端末33近傍において一対の軸方向堀部41b、41bを連結する帯状の通路拡大部41cを備えている。そのため、堀41で捕獲したブローバイガスを、ピストン8の下死点側の端末33からクランク室7へより放出しやすくなる。これにより、さらに連通孔21へ流れ込むブローバイガス量を少なくできる。
次に、ピストンの変形例について説明する。
なお、第1実施形態と同様の構成については同一の符号を付してその構成および作用効果の説明は省略する。
図4に示す第1の変形例のピストン8では、堀41が略U字状に形成されており、堀43のみでは第3の連通孔21の周囲を完全に囲んでいないが、ピストン本体8aの下死点側の端末33とともに第3の連通孔21の周囲を囲んでいる。そして、上死点側堀部43a、43aが、その中央部から両端部に向けて下死点側に下傾斜している。この第1変形例のピストン8によれば、上死点側堀部43a、43aで捕獲したブローバイガスを当該上死点側堀部43a、43aに沿って下死点側に流しやすくなり、これによりさらに第3の連通孔21に流れ込むブローバイガス量が減ることが期待される。
図5に示す第2の変形例のピストンは、堀43は、内堀43Aと、この内堀43Aの外側に沿って設けられる複数の外堀43B、43Cと、を備える。この第2変形例のピストン8によれば、複数の堀43A、43B、43Cによって複数多段階でブローバイガスを捕獲できるため、さらに第3の連通孔21に流れ込むブローバイガス量が減る。
図6に示す第3の変形例のピストンは、軸方向堀部45bは、上死点側から下死点側に向けて通路断面積が除々に大きくなっている。この第3変形例のピストン8によれば、軸方向堀部45bで捕獲したブローバイガスが軸方向堀部45bから漏れ出す可能性がより低くなるため、さらに第3の連通孔21に流れ込むブローバイガス量が減ることが期待される。
なお、本発明は、上述の実施形態のみに限定解釈されるべきでなく、本発明の技術的思想の範囲内で様々な変更が可能である。
例えば、上述の実施形態では、第3の連通孔21と第2の連通孔22とはピストン8の往復動時に常時連通しているが、本発明ではピストンの所定の往復動位置でのみ、第3の連通孔21と第2の連通孔22とが連通するようになっていてもよい。この場合は、複数のピストンが異なるタイミングで往復運動することで、圧縮機全体としてみれば断続的または連続的に第3の連通孔21と第2の連通孔22とが連通することとなる。
また、本発明の技術的思想の範囲内で本発明はその他の変更が可能である。
本発明の一実施形態を示し、圧縮機の全体断面図。 同圧縮機のピストンの正面図。 図2中のIII−III断面図。 ピストンの第1の変形例を示す正面図。 ピストンの第2の変形例を示す正面図。 ピストンの第3の変形例を示す正面図。 従来例の圧縮機の断面図である。
符号の説明
1…圧縮機
2…ハウジング
2a…シリンダブロック
2b…フロントヘッド
2c…リアヘッド
3…弁板
6…シリンダボア
7…クランク室
8…ピストン
8a…ピストン本体
16…吸入室
17…吸入孔
18…吐出室
19…吐出孔
20…副吸入室(中空部)
21…第3の連通孔(連通通路)
22…第2の連通孔(連通通路)
23…中間チャンバ(連通通路)
24…第1の連通孔(連通通路)
30…シリンダボアの内周面(シリンダボアのピストンとの摺動接触面)
31…ピストン本体の外周面(ピストンのシリンダボアとの摺動接触面)
33…ピストンの摺動接触面の上死点側の端末
41…堀
41a…上死点側堀部
41b…軸方向堀部
43…堀
43A…内堀
43B…外堀
41C…外堀
43a…上死点側堀部
45b…軸方向堀部

Claims (10)

  1. 吸入室(16)と、吐出室(18)と、前記吸入室(16)と吸入孔(17)を通じて連通しているとともに前記吐出室(18)と吐出孔(19)を通じて連通しているシリンダボア(6)と、前記シリンダボア(6)内で往復動自在なピストン(8)と、前記ピストン(8)の内部に中空部として設けられた副吸入室(20)と、前記シリンダボア(6)および前記吸入孔(17)を介さずに前記副吸入室(20)と前記吸入室(16)を連通する連通通路(21、22、23、24)と、を備えることを特徴とする圧縮機。
  2. シリンダボア(6)を有するシリンダブロック(2a)と、
    前記シリンダブロック(2a)の端面に、吸入孔(17)および吐出孔(19)を有する弁板(3)を介して接合され、内部に前記吸入孔(17)を通じて前記シリンダボア(6)と連通する吸入室(16)および前記吐出孔(19)を通じて前記シリンダボア(6)と連通する吐出室(18)を有するリアヘッド(2c)と、
    前記シリンダボア(6)内で往復動自在なピストン(8)であって、内部に中空部としての副吸入室(20)を有するピストン(8)と、
    前記シリンダボア(3)および前記吸入孔(17)を介さずに前記ピストン(8)および前記シリンダブロック(2a)および前記弁板(3)を貫通して前記吸入室(16)と前記副吸入室(20)とを連通する連通通路(21、22、23、24)と、
    を備えることを特徴とする圧縮機。
  3. 請求項2に記載の圧縮機であって、
    前記連通通路(21、22、23、24)は、
    前記シリンダブロック(2a)に設けられた中間チャンバ(23)と、
    前記弁板(3)に貫通形成され前記中間チャンバ(23)と前記吸入室(16)とを連通する第1の連通孔(24)と、
    前記シリンダブロック(2a)に貫通形成され、一端が前記中間チャンバ(23)に開口するとともに他端が前記シリンダボア(6)の前記ピストンとの摺動接触面(30)に開口する第2の連通孔(22)と、
    前記ピストン(8)に貫通形成され、一端が副吸入室(20)に開口するとともに他端が前記ピストン(8)の前記シリンダボアとの摺動接触面(31)に開口して前記第2の連通孔(22)と連通する第3の連通孔(21)と、
    を備えることを特徴とする圧縮機。
  4. 請求項2に記載の圧縮機であって、
    前記連通通路(21、22、23、24)のうちピストン(8)に設けれた部分は、一端が副吸入室(20)に開口し、他端がピストン(8)の前記シリンダボアとの摺動接触面(31)に開口する連通孔(21)として構成され、前記ピストン(8)の前記シリンダボアとの摺動接触面(31)には、前記連通孔(21)の周囲に凹設された堀(41、43、45)が設けられていることを特徴とする圧縮機。
  5. 請求項4に記載の圧縮機であって、
    前記堀(41、43、45)の少なくとも一部は、前記ピストンの摺動接触面(31)の下死点側の端末(33)まで延びていることを特徴とする圧縮機。
  6. 請求項4に記載の圧縮機であって、
    前記堀(43、45)は、前記ピストンの摺動接触面(31)の下死点側の端末(33)とともに前記連通孔(21)の周囲を囲む略U字状に形成されていることを特徴とする圧縮機。
  7. 請求項4に記載の圧縮機であって、
    前記堀(41、43、45)は、前記連通孔(21)よりも上死点側においてピストン(8)の軸方向と交差する方向に延びる上死点側堀部(41a、43a、45a)と、前記上死点側堀部(41a、43a、45a)の両端部から前記ピストンの摺動接触面(31)の下死点側の端末(33)まで延び且つ前記連通孔(21)を挟んで対向する一対の軸方向堀部(41b、43b、45b)と、を備えることを特徴とする圧縮機。
  8. 請求項7に記載の圧縮機であって、
    前記上死点側堀部(43a、43a)は、その中央部から両端部に向けて下死点側に傾斜していることを特徴とする圧縮機。
  9. 請求項7または8に記載の圧縮機であって、
    前記軸方向堀部(45b)は、上死点側から下死点側に向けて通路断面積が除々に大きくなっていることを特徴とする圧縮機。
  10. 請求項4〜9の何れか1項に記載の圧縮機であって、
    前記堀(43)は、内堀(43A)と、前記内堀(43B)の外側に沿って設けられる外堀(43B、43C)と、を備えることを特徴とする圧縮機。

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