JP2008121536A - 圧縮機 - Google Patents

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Hiroyuki Makishima
弘幸 牧島
Nobuyuki Kobayashi
伸之 小林
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Marelli Corp
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Abstract

【課題】吸入室へのオイル流出量を低減しつつベアリングへオイルを供給できる圧縮機の提供を図る。
【解決手段】中央貫通口14のうちベアリング15より後端側において中央貫通口14と駆動軸10との間の隙間をシールするシール部材71を設けることで、中央貫通口14内を、クランク室5と連通する第1チャンバ14aと、クランク室5から隔離された第2チャンバ14cと、に区画する。中央貫通口の第2チャンバ14cと、第2チャンバ14cとクランク室5とを連通するように駆動軸10内に貫通形成された上流側連通路60と、第2チャンバ14cと吸入室7とを連通する下流側連通路58と、を備えて構成される抽気通路56を形成する。中央貫通口の第1チャンバ14aのうちベアリング15を収容する部分と、シリンダボア3のうちピストン29の下死点付近と、を連通する連通孔73を、シリンダブロック2に貫通形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、非圧縮媒体を圧縮する圧縮機に関し、特に車両用空調装置等の冷凍サイクルに介装されて冷凍サイクルを循環する冷媒を圧縮する圧縮機に関する。
する。
従来より圧縮機には、クランク室内の各摺動部品に潤滑オイルを供給するためクランク室に潤滑オイルを貯留してある。特許文献1に開示されるよう、クランク室と吸入室とを連通する抽気通路を備える圧縮機では、クランク室内の潤滑オイルが抽気通路を通じて吸入室へ流出する問題がある。
つまり、クランク室内から潤滑オイルが持ち出されると、主に以下の2つの問題点が浮上する。第1に、クランク室から潤滑オイルが持ち出されてクランク室内の摺動部品へのオイル供給不足が生じると、摺動部品に悪影響を与えてしまう。第2に、潤滑オイルがクランク室からクランク室→吸入室→シリンダボア→吐出室→圧縮機外→冷凍サイクルの熱交換器(コンデンサ、エバポレータ)内に流入すると、潤滑オイルが熱交換器の細管に付着して熱交換効率を低下させてしまう。
特開昭62−203980号公報 特開2003−343440号公報
このような観点から、従来の圧縮機には、特許文献2の図1〜3に開示されるように、クランク室と吸入室とを常時連通する抽気通路を駆動軸内に設け、抽気通路の入口部を、駆動軸の径方向に設定するとともにクランク室に直接臨ませたものがある。このような構造では、クランク室内に充満する冷媒に含まれるミスト状オイルは、抽気通路内に流れ込もうとする際に、駆動軸の回転によって抽気通路の入口部の内周面に衝突して捕獲され、さらに駆動軸の回転による遠心力によってクランク室に押し戻されることとなる。そのため、クランク室内に充満する冷媒に含まれるミスト状のオイルは、吸入室に流出しにくい構造となり、クランク室から吸入室へ流れ出すオイル流出量が減る。
しかしながら、オイル流出量をさらに減らすために、特許文献2の図11に開示されるように、シリンダブロックの中央貫通口と駆動軸との間の隙間をシールすると、中央貫通口と駆動軸との間の隙間を通じて、ミスト状オイルがクランク室から吸入室への流れていってしまうことを阻止すると、今度は、当該隙間に介在するベアリングへのオイルの供給が滞るおそれがある。
本発明はこのような従来技術をもとに為されたもので、その目的は、抽気通路から吸入室へのオイル流出量を低減しつつベアリングへオイルを供給できる圧縮機を提供することである。
請求項1に記載の発明は、圧縮機であって、駆動軸を1以上のベアリングを介して軸支する中央貫通口をシリンダブロックに形成し、前記中央貫通口のうち少なくとも1つのベアリングより後端側において前記中央貫通口と前記駆動軸との間の隙間をシールするシール部材を設けることで、前記中央貫通口内を、クランク室と連通する第1チャンバと、前記クランク室から隔離された第2チャンバと、に区画し、前記中央貫通口の第2チャンバと、前記第2チャンバと前記クランク室とを連通するように前記駆動軸内に貫通形成された上流側連通路と、前記第2チャンバと前記吸入室とを連通する下流側連通路と、を備えて構成される抽気通路を形成し、前記中央貫通口の第1チャンバのうち前記少なくとも1つのベアリングを収容する部分と、シリンダボアのうちピストンの下死点付近と、を連通する連通孔を、前記シリンダブロックに貫通形成したことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、圧縮機であって、中央貫通口と当該中央貫通口の回りに設けられたシリンダボアとを有するシリンダブロックと、吸入孔および吐出孔を有するバルブプレートと、前記シリンダブロックの後端面に前記バルブプレートを介して接合され、内部に前記吸入孔を通じて前記シリンダボアと連通する吸入室および前記吐出孔を通じて前記シリンダボアと連通する吐出室を有するリアヘッドと、前記シリンダブロックの前端面に接合され、内部に前記シリンダボアおよび前記中央貫通口と連通するクランク室を有するフロントヘッドと、前記シリンダブロックの中央貫通口に1以上のベアリングを介して軸支され、前記クランク室内で回転自在な駆動軸と、前記シリンダボア内で往復動自在に収容され前記駆動軸の回転に伴って前記シリンダボア内を往復動するピストンと、前記シリンダブロックの中央貫通口のうち少なくとも1つの前記ベアリングより後端側において前記中央貫通口と前記駆動軸との間の隙間をシールすることで、前記中央貫通口内を、前記クランク室と連通する第1チャンバと前記クランク室から隔離された第2チャンバとに分割するシール部材と、前記クランク室と前記吸入室とを連通する抽気通路であって、前記中央貫通口の第2チャンバと、前記第2チャンバと前記クランク室とを連通するように前記駆動軸内に貫通形成された上流側連通路と、前記第2チャンバと前記吸入室とを連通する下流側連通路と、を備えて構成される抽気通路と、前記シリンダブロックに貫通形成され、前記中央貫通口の第1チャンバのうち前記少なくとも1つのベアリングを収容する部分と、前記シリンダボアのうちピストンの下死点付近と、を連通する連通孔と、を備えることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の圧縮機であって、前記ピストンのストロークを変更自在としつつ前記駆動軸の回転を前記ピストンの往復動に変換する変換機構を備え、前記駆動軸には、前記中央貫通口の第1チャンバ内のうち前記少なくとも1つのベアリングの位置または当該ベアリングよりも後端側と、前記駆動軸内の上流側連通路と、を連通する補助連通孔が形成されていることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、前記変換機構は、前記ピストンの最小ストローク状態に近づくにつれて前記抽気通路の上流側連通路を閉じるように構成されていることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、中央貫通口と駆動軸との間の隙間をシールするシール部材によって、当該隙間を通じてクランク室から吸入室にオイルが流出してしまうことが防止される。このような構造において、ピストンが往復動して下死点位置近傍にくると、シリンダボア内の圧力がクランク室よりも低くなるため、クランク室内の冷媒が、中央貫通口の第1チャンバおよび連通孔を通じてシリンダボア内に吸入される。このとき、冷媒に同伴されるオイルが、中央貫通口の第1チャンバ内のベアリングに供給されることとなる。そのため、請求項1に記載の発明によれば、抽気通路から吸入室へのオイル流出量を低減しつつベアリングへのオイル供給を確保できる。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1と同様の作用効果が得られる。
請求項3に記載の発明によれば、ピストンの最小ストローク状態においてはシリンダブロックの連通孔が閉じてしまっても、クランク室内の冷媒が、中央貫通口の第1チャンバ→駆動軸の補助連通孔→抽気通路の上流側連通路へと流れていくこととなるため、当該冷媒に同伴されるオイルが第1チャンバ内のベアリングに供給されることとなる。
請求項4に記載の発明によれば、ピストンの最小ストローク状態に近づくにつれて抽気通路の上流側連通路の入口が閉じられるため、クランク室内の冷媒が、確実に、中央貫通口の第1チャンバ→駆動軸の補助連通孔→抽気通路の上流側連通路と、流れていくこととなる。
本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態の圧縮機を、図1〜2を参照しつつ説明する。図1、2は第1実施形態の圧縮機の全体断面図であり、図1は最大ストローク状態を示し、図2は最小ストローク状態を示す。
本実施形態の圧縮機1は、図1、2に示すように、斜板式のピストン型圧縮機である。圧縮機1のハウジングは、複数のシリンダボア3を有するシリンダブロック2と、このシリンダブロック2の前端面に接合され、該シリンダブロック2との間にクランク室5を形成するフロントヘッド4と、シリンダブロック2の後端面にバルブプレート9を介して接合されることで吸入室7及び吐出室8を形成するリアヘッド6と、を備えて構成されている。これらシリンダブロック2とフロントヘッド4とリアヘッド6は、スルーボルトBによって固定されている。
バルブプレート9は、シリンダボア3と吸入室7とを連通すべくバルブプレート9に貫通形成された吸入孔11と、シリンダボア3と吐出室8とを連通すべくバルブプレート9に貫通形成された吐出孔12と、を備えている。バルブプレート9のシリンダブロック2側には、吸入孔11を開閉するリード弁部(吸入弁)を有する金属製の吸入板が設けられ、一方、バルブプレート9のリアヘッド6側には、吐出孔12を開閉するリード弁部(吐出弁)を有する金属製の吐出板と、が設けられている。
シリンダブロック2及びフロントヘッド4の中心部には、中央貫通口14、17が設けられている。シリンダブロック2の中央貫通口14には、ベアリング15、16を介して駆動軸10の後端が軸支され、フロントヘッド4の中央貫通口17には、ベアリング18を介して駆動軸10が軸支されている。これによりクランク室5内で駆動軸10が回転自在となっている。
なお、ベアリング15はラジアルベアリングであって、ベアリング16は、中央貫通口14に螺合された調整ネジ13と、駆動軸10の後端部の段差面と、の間に狭持されるスラストベアリング16である。
クランク室5の内部には、駆動軸10の回転をピストン29の往復動に変換する変換機構20が設けられている。変換機構20は、駆動軸10に固設されたロータ21と、駆動軸10に摺動自在に嵌装されたスリーブ22と、スリーブ22に図示せぬピンを介して傾動自在に連結された斜板24と、が備わっている。ロータ21と斜板24とは、リンク機構40を介して連結されており、これにより斜板24の駆動軸10に対する傾斜角が変更自在な状態でありながらロータ21と斜板24が駆動軸10回りに一体的に回転するようになっている。
各シリンダボア3に収容されたピストン29は、ピストンシュー30を介して斜板24に連結されており、斜板24が回転するとシリンダボア3内でピストン運動する。圧縮機1の基本機能は、このピストン29のピストン運動により、吸入室7から吸入孔11を介してシリンダボア3に冷媒を吸入し、この吸入した冷媒を圧縮して、シリンダボア3から吐出孔12を介して吐出室8に吐出するというものである。
ここで、スリーブ22がシリンダブロックに近接する方向に移動すると、斜板24の傾斜角が小さくなり、逆に、スリーブ22がシリンダブロック2から離間する方向に移動すると、斜板24の傾斜角が大きくなる。
斜板24の傾斜角が小さくなれば、ピストンストロークが小さくなり、圧縮機1の吐出容量が小さくなる。逆に、斜板24の傾斜角が大きくなれば、ピストンストロークが大きくなり、圧縮機1の吐出容量が大きくなる。
容量制御手段
本実施形態の圧縮機1では、吐出容量を可変とするため、容量制御手段が設けられている。容量制御手段は、クランク室5と吐出室8とを連通する給気通路(図示せぬ)と、給気通路を開閉制御する容量制御弁54と、クランク室5と吸入室7とを連通する抽気通路56と、を備えて構成されている。
容量制御弁54によって給気通路の開度が調整されると、給気通路を通じて吐出室8からクランク室5へ流れる高圧の冷媒の流量が調整されて、これにより、クランク室5の圧力が調節されることとなる。クランク室5の圧力が調整されると、ピストン29の前後の圧力差(吸入室7の圧力とクランク室5の圧力の差)が調整されることとなるため、これにより、ピストンストロークが変化し、吐出容量が変化することとなる。
たとえば、容量制御弁54を開いてクランク室5の圧力を高めると、スリーブ22がシリンダブロック側に移動しつつ斜板24の傾斜角が小さくなり、これに伴いピストンストロークが小さくなり、吐出容量が小さくなる。逆に、容量制御弁54を閉じてクランク室5の圧力を低下させると、スリーブ22がシリンダブロック2から離れる側に移動しつつ斜板24の傾斜角が大きくなり、これに伴いピストンストロークが大きくなり、吐出容量が大きくなる。
抽気通路
次に抽気通路56の構成をより詳しく説明する。
まず、抽気通路56を詳しく説明する前に、シリンダブロック2の中央貫通口14内の構造を説明すると、シリンダブロック2の中央貫通口14は、当該中央貫通口14と駆動軸10との隙間がシール部材71によりシールされており、このシール部材71によって、シール部材71よりも前端側の第1チャンバ14aと、シール部材71よりも後端側の第2チャンバ14cと、に区画されている。シール部材71はラジアルベアリング15とスラストベアリング16との間に配置されているおり、これにより、第1チャンバ14aにはラジアルベアリング15が配置され、第2チャンバ14cにはスラストベアリング16が配置されている。また、第2チャンバ14cには、駆動軸10の後端部が収容されている。
抽気通路56は、シリンダブロック2の中央貫通口14の第2チャンバ14cと、第2チャンバ14cとクランク室5とを連通するように駆動軸10内に設けられた上流側連通路60と、第2チャンバ14cと吸入室7とを連通する下流側連通路58と、を備えて構成されている。なお、この実施形態では、下流側連通路58は、バルブプレート9に貫通形成された貫通孔として形成されている。
駆動軸10に設けられた上流側連通路60は、駆動軸10の内部を軸方向に延びるシャフト内縦孔60cと、該縦孔60cから駆動軸10の半径方向に延びるシャフト内横孔60bと、から構成されている。シャフト内横孔60bは、一端が駆動軸10の外周面に開口することでクランク室5内の空間に臨み、他端がシャフト内縦孔60cと連通している。また、シャフト内縦孔60cは、一端がシャフト内横孔60bと連通し、他端が駆動軸10の後端に開口している。なお、図中符号60aは、上流側連通路の入口60aであって、駆動軸10の外周面上にベアリング15、16よりも前端側で開口してクランク室5に露出している。また、図中符号60dは、上流側連通路の出口60dであって、第2チャンバ14c内で駆動軸10の後端に開口している。
このように上流側連通路60がシャフト内横孔60bおよびシャフト内縦孔60cで構成された構造では、冷媒ガスがクランク室5から吸入室7に導出される際に、当該冷媒ガスに同伴されるミスト状の潤滑オイルを、シャフト内横孔60bで捕獲してそのまま回転遠心力によってクランク室5に押し戻すことができる。これにより、クランク室5に貯留されるべき潤滑オイルをクランク室5に多くとどめておくことができる。
なお、上流側連通路の入口60aは、図2に示すように最小ストローク時には変換機構20のスリーブ22によって閉塞される。
ここで、本実施形態では、シリンダブロック2に貫通形成された連通孔73と、当該連通孔73より後端側において駆動軸10に貫通形成された補助連通孔75と、が設けられている。連通孔73は、中央貫通口14の第1チャンバ14aのうち一方のベアリング15を収容する部分と、シリンダボア3のうちピストン29のフルストローク時の下死点付近と、を連通している。また、補助連通孔75は、中央貫通口14の第1チャンバ14aのうち一方のベアリング15を保持する部分と、シャフト内縦孔60cと、を連通している。補助連通孔75は、他の通路部分に対して通路断面積が小さく設定され、そのぶん他の通路部分よりも流通抵抗が大きくなっている。
次に主にクランク室5から吸入室7へ向かう冷媒ガスおよびオイルの流れを説明する。
以上のような構造により、クランク室5内の冷媒ガスは、矢印A1に示すように、抽気通路56を通じて吸入室7へ向かう。このとき、冷媒ガスに同伴されるミスト状の潤滑オイルは、駆動軸10のシャフト内横孔60bで捕獲されてそのまま駆動軸10の回転遠心力によってクランク室5に押し戻される。これにより、クランク室5に貯留されるべき潤滑オイルをクランク室5に多くとどめておくことができる。
ここで、中央貫通口14と駆動軸10との間の隙間を通じて、クランク室5から吸入室7へ冷媒ガスとともにオイルが流出してしまう可能性があるが、この実施形態では中央貫通口14と駆動軸10との間の隙間をシールするシール部材71によって、当該隙間を通じてクランク室5から吸入室7にオイルが流出してしまうことを防止できる。
そして、図1に示すごとく最大ストローク時には、ピストン29が往復動して下死点側に移動すると、シリンダボア3内の圧力がクランク室5よりも低くなるため、当該クランク室5とシリンダボア3の圧力差により、クランク室5内の冷媒が、矢印A2の如く、中央貫通口14の第1チャンバ14aおよび連通孔73を通じてシリンダボア3内に吸入される。また、圧縮行程に入りピストン29が上死点側に移動する時は、シリンダボア3内の圧力がクランク室5よりも高くなるため、当該クランク室5とシリンダボア3の圧力差によりシリンダボア3内の冷媒が、矢印A2とは反対方向に、連通孔73および中央貫通口14の第1チャンバ14aを通じてクランク室5内に導入される。このとき、冷媒に同伴されるオイルが第1チャンバ14a内のベアリング15に供給されることとなる。なお、矢印A3に示すように、補助連通孔75および第1チャンバ14aを通じても若干の冷媒がシリンダボア3内に吸入される。
一方、図2に示すごとく最小ストローク時には、連通孔73がピストン29により閉じられるとともに、抽気通路56の上流側連通路60の入口60aが変換機構20のスリーブ22により閉じられる。そのため、クランク室5内の冷媒は、中央貫通口の第1チャンバ14a→駆動軸10の補助連通孔75→抽気通路の上流側連通路60と、流れていくこととなる(矢印A4参照)。このとき、冷媒に同伴されるオイルが、中央貫通口の第1チャンバ14a内のベアリング15に供給されることとなる。
以上のように本実施形態では、中央貫通口14と駆動軸10との間の隙間をシールするシール部材71を設けて、当該隙間を通じてクランク室5から吸入室7にオイルが流出してしまうことを防止できる構造でありながらも、当該隙間に介在するベアリング15に対して確実にオイルを供給することができる。
以下、第1実施形態の主な効果を列挙する。
(1)第1実施形態の圧縮機1は、駆動軸10を1以上のベアリング15、16を介して軸支する中央貫通口14をシリンダブロック2に形成し、前記中央貫通口14のうち少なくとも1つのベアリング15より後端側において前記中央貫通口14と駆動軸10との間の隙間をシールするシール部材71を設けることで、前記中央貫通口14内を、クランク室5と連通する第1チャンバ14aと、前記クランク室5から隔離された第2チャンバ14cと、に区画し、前記中央貫通口の第2チャンバ14cと、前記第2チャンバ14cと前記クランク室5とを連通するように前記駆動軸10内に貫通形成された上流側連通路60と、前記第2チャンバ14cと前記吸入室7とを連通する下流側連通路58と、を備えて構成される抽気通路56を形成し、前記中央貫通口の第1チャンバ14aのうち前記少なくとも1つのベアリング15を収容する部分と、前記シリンダボア3のうちピストン29の上死点付近と、を連通する連通孔73を、前記シリンダブロック2に貫通形成したものである。
そのため、第1実施形態によれば、中央貫通口14と駆動軸10との間の隙間をシールするシール部材71によって、当該隙間を通じてクランク室5から吸入室7にオイルが流出してしまうことを防止できる。そして、ピストン29が往復動して下死点位置近傍にくると、シリンダボア3内の圧力がクランク室5よりも低くなるため、クランク室5内の冷媒が、中央貫通口の第1チャンバ14aおよび連通孔73を通じてシリンダボア3内に吸入される(矢印A2参照)。また、圧縮行程に入りピストン29が上死点側に移動する時は、シリンダボア3内の圧力がクランク室5よりも高くなるため、当該クランク室5とシリンダボア3の圧力差によりシリンダボア3内の冷媒が、矢印A2とは反対方向に、連通孔73および中央貫通口14の第1チャンバ14aを通じてクランク室5内に導入される。このとき、冷媒に同伴されるオイルが、中央貫通口の第1チャンバ14a内のベアリング15に供給されることとなる。そのため、第1実施形態によれば、クランク室5から吸入室7へのオイル流出量を低減しつつベアリング15へのオイル供給を確保できる。
(2)また本実施形態の圧縮機1は、ピストン29のストロークを変更自在としつつ駆動軸10の回転をピストン29の往復動に変換する変換機構20を備えた可変容量圧縮機1であり、そして、駆動軸10には、中央貫通口の第1チャンバ14a内のうち前記少なくとも1つのベアリング15の位置または当該ベアリング15よりも後端側と、前記駆動軸10内の上流側連通路60と、を連通する補助連通孔75が形成されている。
そのため、ピストンの最小ストローク状態において連通孔73が閉じてしまっても、クランク室5内の冷媒が、中央貫通口の第1チャンバ14a→駆動軸の補助連通孔75→抽気通路の上流側連通路60と、流れていくこととなるため、第1チャンバ14a内のベアリング15にオイルが供給されることとなる。
(3)また本実施形態は、前記変換機構20が、ピストン29の最小ストローク状態に近づくにつれて抽気通路の上流側連通路の入口60aを閉じるように構成されている。
そのため、ピストン29の最小ストローク状態においては抽気通路の上流側連通路の入口60aが閉じられるため、クランク室5内の冷媒が、確実に中央貫通口の第1チャンバ14a→駆動軸の補助連通孔75→抽気通路の上流側連通路60と、流れていくこととなる。
以下、その他の実施形態を説明する。なお以下の説明において第1実施形態と同様の構成については第1実施形態と同一の符号を付して重複する説明を省略する。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態の圧縮機1について図3〜4を参照しつつ説明する。図3、4は本発明の第2実施形態の圧縮機1の全体断面図であり、図3は最大ストローク状態を示し、図4は最小ストローク状態を示す。
第2実施形態の圧縮機1は、シール部材および補助連通孔の位置が、第1実施形態と異なり、その他の点は第1実施形態と同様である。
シール部材71は、ベアリング15および16よりも後端側に設けられており、第1チャンバ14a内に両ベアリング15、16が収容されている。そして、補助連通孔75は、両ベアリング15、16のうち後端側のベアリング16を保持する部分に向けて設けられている。このような第2実施形態によれば、ベアリング15、16に対してオイル供給できる。
なお、上記実施形態では、シール部材71とベアリング15が別体であったが、例えばベアリング15にシール部材が一体形成されていてもよい。
また、本発明は上記実施形態に限られるものでは無く、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
図1は本発明の第1実施形態の圧縮機の全体断面図であって、最大ストローク状態を示す図。 図2は本発明の第1実施形態の圧縮機の全体断面図であって、最小ストローク状態を示す図。 図3は本発明の第2実施形態の圧縮機の全体断面図であって、最大ストローク状態を示す図。 図4は本発明の第2実施形態の圧縮機の全体断面図であって、最小ストローク状態を示す図。
符号の説明
1…圧縮機
2…シリンダブロック
3…シリンダボア
4…フロントヘッド
5…クランク室
5…吸入室
6…リアヘッド
7…吸入室
8…吐出室
9…バルブプレート
10…駆動軸
11…吸入孔
12…吐出孔
14…中央貫通口
14a…第1チャンバ
14c…第2チャンバ
15…ベアリング
16…ベアリング
20…変換機構
29…ピストン
56…抽気通路
58…下流側連通路
60(60b、60c)…上流側連通路
71…シール部材
73…連通孔
75…補助連通孔

Claims (4)

  1. 駆動軸(10)を1以上のベアリング(15、16)を介して軸支する中央貫通口(14)をシリンダブロック(2)に形成し、
    前記中央貫通口(14)のうち少なくとも1つのベアリング(15)より後端側において前記中央貫通口(14)と前記駆動軸(10)との間の隙間をシールするシール部材(71)を設けることで、前記中央貫通口(14)内を、クランク室(5)と連通する第1チャンバ(14a)と、前記クランク室(5)から隔離された第2チャンバ(14c)と、に区画し、
    前記中央貫通口の第2チャンバ(14c)と、前記第2チャンバ(14c)と前記クランク室(5)とを連通するように前記駆動軸(10)内に貫通形成された上流側連通路(60)と、前記第2チャンバ(14c)と前記吸入室(7)とを連通する下流側連通路(58)と、を備えて構成される抽気通路(56)を形成し、
    前記中央貫通口の第1チャンバ(14a)のうち前記少なくとも1つのベアリング(15)を収容する部分と、シリンダボア(3)のうちピストンの下死点付近と、を連通する連通孔(73)を、前記シリンダブロック(2)に貫通形成したことを特徴とする圧縮機。
  2. 中央貫通口(14)と当該中央貫通口(14)の回りに設けられたシリンダボア(3)とを有するシリンダブロック(2)と、
    吸入孔(11)および吐出孔(12)を有するバルブプレート(9)と、
    前記シリンダブロック(2)の後端面に前記バルブプレート(9)を介して接合され、内部に前記吸入孔(11)を通じて前記シリンダボア(3)と連通する吸入室(7)および前記吐出孔(12)を通じて前記シリンダボア(3)と連通する吐出室(8)を有するリアヘッド(6)と、
    前記シリンダブロック(2)の前端面に接合され、内部に前記シリンダボア(3)および前記中央貫通口(14)と連通するクランク室(5)を有するフロントヘッド(4)と、
    前記シリンダブロックの中央貫通口(14)に1以上のベアリング(15)を介して軸支され、前記クランク室(5)内で回転自在な駆動軸(10)と、
    前記シリンダボア(3)内で往復動自在に収容され前記駆動軸(10)の回転に伴って前記シリンダボア(3)内を往復動するピストン(29)と、
    を備えた圧縮機であって、
    前記シリンダブロックの中央貫通口(14)のうち少なくとも1つの前記ベアリング(15))より後端側において前記中央貫通口(14)と前記駆動軸(10)との間の隙間をシールすることで、前記中央貫通口(14)内を、前記クランク室と連通する第1チャンバ(14a)と、前記クランク室から隔離された第2チャンバ(14c)と、に分割するシール部材(71)と、
    前記クランク室(5)と前記吸入室(7)とを連通する抽気通路(56)であって、前記中央貫通口の第2チャンバ(14c)と、前記第2チャンバ(14c)と前記クランク室(5)とを連通するように前記駆動軸(10)内に貫通形成された上流側連通路(60)と、前記第2チャンバ(14c)と前記吸入室(7)とを連通する下流側連通路(58)と、を備えて構成される抽気通路(56)と、
    前記シリンダブロック(2)に貫通形成され、前記中央貫通口の第1チャンバ(14a)のうち前記少なくとも1つのベアリング(15)を収容する部分と、前記シリンダボア(3))のうちピストン(29)の下死点付近と、を連通する連通孔(73)と、
    を備えることを特徴とする圧縮機。
  3. 請求項2に記載の圧縮機であって、
    前記ピストン(29)のストロークを変更自在としつつ前記駆動軸(10)の回転を前記ピストン(29)の往復動に変換する変換機構(20)を備え、
    前記駆動軸(10)には、前記中央貫通口の第1チャンバ(14a)のうち前記少なくとも1つのベアリング(15)の位置または当該ベアリング(15)よりも後端側と、前記駆動軸(10)内の上流側連通路(60)と、を連通する補助連通孔(75)が形成されていることを特徴とする圧縮機。
  4. 請求項3に記載の圧縮機であって、
    前記変換機構(20)は、前記ピストン(29)の最小ストローク状態に近づくにつれて前記抽気通路の上流側連通路(60)を閉じるように構成されていることを特徴とする圧縮機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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DE102017103801A1 (de) 2016-02-26 2017-08-31 Kabushiki Kaisha Toyota Jidoshokki Kolbenkompressor der Taumelscheibenbauart

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