JP2008008045A - アスベスト解体工事用排気フィルタ装置のフィルタ交換方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】アスベスト解体工事現場からアスベスト粉塵を含んだ空気を吸引排気するブロワ6と、アスベスト解体工事現場とブロワ6とを連結するダクト5と、ダクト5の途中に設けられ、ブロワ6により吸引排気される空気からアスベスト粉塵を除去するフィルタ7と、フィルタ7を挟持固定する上流側接続管8及び下流側接続管9とを備えるアスベスト解体工事用排気フィルタ装置10のフィルタ交換方法であって、上流側及び下流側接続管8、9を開放し、使用済フィルタ7の上流側及び上流側接続管8の下流側にそれぞれ密封材11を取り付けて密封し、使用済フィルタ7を取り外し、上流側接続管8の下流側に取り付けられた密封材11aを外してから、新規のフィルタ7を取り付けて交換することを特徴とする。
【選択図】図2
Description
また、石綿障害予防規則では使用すべきフィルタについては規定されていないが、労働災害防止団体法に基づき設立された労働大臣許可団体である建設業労働災害防止協会の発行する「建築物の解体等工事における石綿粉じんへのばく露防止マニュアル」では、負圧除じん装置を次の通り定義し、HEPAフィルタの装着を標準としている。すなわち、このマニュアルでは、負圧除じん装置を「負圧除じん装置は、密閉された作業場所の内部を外部に対し負圧に保ち、外部の新鮮空気を内部に給気し、かつ内部の汚染空気を外部に漏出させないと同時に、HEPAフィルタによって石綿粉じんを除去した空気を外部に放出する装置である。」と定義する。
(装置例1)
(1)HEPAフィルタ交換時期:1500時間以内に交換。但し清掃点検は2週間以内に実施。
(2)プレフィルタの交換時期:2、3回/1日。
(装置例2)
(1)HEPAフィルタ交換時期:負圧除じん装置に取り付けられた差圧計が40mmAqになった時。
(2)中性能フィルタ、プレフィルタの交換時期:目視で確認して交換する(2、3回/1日)。
特許文献1に記載の除去方法では、作業現場をカーテンで仕切って隔離し、該作業現場内に高性能フィルタを内蔵した換気装置を設置して、該高性能フィルタでアスベスト粉塵を除去した後、清浄空気を現場の外へ排気していた。このような換気装置(除去方法)では、現場は外よりも負圧になっており、現場の外へアスベスト粉塵が飛散するという問題はなかった。
このため、作業現場(セキュリティゾーン)の前室または洗浄室で、該袋の外側を真空掃除機で吸引し、その袋を清浄な新しい袋(廃棄用袋)に収納して、接着テープで密封していた。そして、二重に密封した廃棄用袋は、洗浄室で更に表面に付着したアスベスト粉塵を払い落とし、作業現場(セキュリティゾーン)の外部へ持ち出し、保管場所へ運搬集積されていた。このように、特許文献1に記載されているアスベストの除去方法では、フィルタの交換作業が煩わしく面倒であるという問題があった。
また、換気装置から使用済フィルタを交換する際には、アスベスト層を解体した廃材の袋詰め作業と同様に、防護服を着た作業者が防護手袋で廃棄用袋に触って密封する作業を行っていた。また、新しいフィルタを換気装置に装着する際にも、防護服を着た作業者が防護手袋で触って取り付けていた。このため、フィルタ交換作業を行う作業者が劣悪な環境下に長時間とどまらなければならないという問題があった。しかも、防護服、防護手袋の消耗によって被爆の危険性が高くなるという問題もあった。
この排気清浄装置は、比較的簡単にフィルタを交換可能な構造を有するものの、アスベスト解体工事におけるアスベスト粉塵排気用の排気フィルタ装置に利用する場合には、使用済フィルタがアスベスト粉塵で汚染されていることを考慮しなければならない。
前記上流側及び下流側接続管を開放し、使用済の前記フィルタの上流側及び前記上流側接続管の下流側にそれぞれ密封材を取り付けて密封し、前記使用済フィルタを取り外し、前記上流側接続管の下流側に取り付けられた前記密封材を外してから、新規のフィルタを取り付けて交換することを特徴とする。
前記密封工程では、前記フィルムの端部を前記使用済フィルタの一面に固定し、前記上流側接続管と前記フィルタとの間に前記フィルムを二重にして挿入し、前記使用済フィルタの上流側全面及び前記上流側接続管の下流側全面を前記挿入したフィルムで被覆し、前記挿入したフィルムの折返し部分を裁断し、該裁断された各フィルムの端部を前記使用済フィルタの他面及び対向する前記上流側接続管の下流側の一面にそれぞれ固定してフィルタ被覆フィルム及び上流側接続管被覆フィルムとしたことを特徴とする。
また、請求項3に記載のアスベスト解体工事用排気フィルタ装置のフィルタ交換方法は、請求項2に記載のアスベスト解体工事用排気フィルタ装置のフィルタ交換方法において、前記密封材は、芯材の両主面を粘着フィルムで積層した平板状積層フィルムであり、
前記平板状積層フィルムの一方の粘着フィルムの一端部を前記使用済フィルタの一面に固定するとともに、前記平板状積層フィルムの他方の粘着フィルムの一端部を前記上流側接続管の一面に固定し、前記使用済フィルタの上流側と前記上流側接続管の下流側との間に前記平板状積層フィルムを挿入しつつ、前記平板状積層フィルムから前記各粘着フィルムを芯材から剥がし、前記使用済フィルタの上流側全面及び前記上流側接続管の下流側全面を前記各粘着フィルムで被覆し、該各粘着フィルムの他端部を前記使用済フィルタの他面及び対向する前記上流側接続管の下流側の他面にそれぞれ固定してフィルタ被覆フィルム及び上流側接続管被覆フィルムとしたことを特徴とする。
また、本発明のアスベスト解体工事用排気フィルタ装置のフィルタ交換方法は、請求項2に記載の通り、ロール状フィルムで簡単に使用済フィルタ及び上流側接続管を被覆して、使用済フィルタを交換することができるので、捕集したアスベスト粉塵が飛散するのを極力低減することができる。
また、本発明のアスベスト解体工事用排気フィルタ装置のフィルタ交換方法は、請求項3に記載の通り、芯材の両面を粘着フィルムで積層した平板状積層フィルムで使用済フィルタ及び上流側接続管を被覆して、使用済フィルタを交換することができるので、捕集したアスベスト粉塵が飛散するのを極力低減することができる。
まず、本発明のアスベスト解体工事用排気フィルタ装置のフィルタ交換方法を適用するアスベスト解体工事用排気フィルタ装置の構成を説明する。図1は、アスベスト解体工事現場におけるアスベスト解体工事用排気フィルタ装置の使用状態を示す概要図である。
解体工事現場1内では、作業者Aがアスベスト層Xを解体・除去し、除去されたアスベストを含む廃材は吸引ホース2aを介して吸引装置2内に吸引される。その際に飛散したアスベストを含む空気(雰囲気)を排気フィルタ装置10のブロワ6により吸引し、この排気フィルタ装置10のフィルタ7でアスベストを除去するものである。
また、本実施形態では、図1に示すように、上流側接続管8の上面には、密着材としてのロール状に巻き取られたロール状フィルム11が設けられている。このロール状フィルム11は、フィルタ7の所定方向の幅に概ね対応する幅を有するものである。ここで、ロール状フィルム11は、アスベスト粉塵を遮蔽する機能があれば通常の無孔樹脂フィルムを使用することができる。特に、ストレッチフィルムであれば丈夫で被覆時に破れるような問題も生じないので好ましい。ただし、本発明のロール状フィルム11は、これに限定されることなく、ラップフィルムのような薄手のものをも使用することもできる。
本実施形態では、排気フィルタ装置10は、常時あるいは後述するようなフィルタ7の交換時にフィルタ7を支持するための昇降装置12を備えている。本発明に使用する昇降装置12としては、フィルタ7を支持し持ち上げる機能があれば通常のジャッキ、エアシリンダ、油圧シリンダ等を使用することができる。特に、ジャッキであれば場所を取らず、安価に設置することができ、また、移動も容易であるので好ましい。図1では、昇降装置12としてジャッキを用いた一例を示す。
昇降装置12を上げて、フィルタ7の底面(下面)に当接する。そして、上流側及び下流側接続管8、9によるフィルタ7の挟持状態を開放し、昇降装置12により使用済アスベスト粉塵除去用フィルタ(以下、「使用済フィルタ」と略す)7を支持する。次いで、上流側接続管8の上面に予め固定設置した密封材であるロール状フィルム11を引き出し、ロール状フィルム11の端部を使用済フィルタ7の上面に固定テープ13で固定する(図2(a)参照)。
ロール状フィルム11で使用済フィルタ7の上流側全面を被覆したところで、ロール状フィルム11の二重になっている折返し部分を裁断して裁断された一方のフィルムの端部を使用済フィルタ7の下面にテープで仮固定してフィルタ被覆フィルム11bとする。また、他方のフィルムの端部を上流側接続管8の下面に固定テープ13’で固定し、ロール状フィルム11で上流側接続管8の下流側全面を被覆して接続管被覆フィルム11aとする(図2(c)参照)。
次いで、新規のフィルタ7を昇降装置12に載せて、この昇降装置12により所定高さにする(図2(d)参照)。次いで、ロール状フィルム11のロール側を裁断して、接続管被覆フィルム11aを剥がして、新規フィルタ7を上流側及び下流側接続管8、9によって挟持状態にする(図2(e)参照)。そして、昇降装置12を下げて、フィルタ7との当接状態を解除する。
なお、使用済フィルタ7と接続管被覆フィルム11aとは、図示しない廃棄用袋に収納して、接着テープで密封し、廃棄すればよい。
このように、本実施形態のアスベスト解体工事用排気フィルタ装置10のフィルタ交換方法では、ロール状フィルム11で簡単に使用済フィルタ7の上流側及び上流側接続管8の下流側を被覆して、使用済フィルタ7を交換することができるので、捕集したアスベスト粉塵が飛散するのを極力低減することができる。
また、密封材に粘着剤を塗布しておけば、固定テープ13を用いることなく仮留めが可能であり、排気フィルタ装置10から使用済フィルタ7を取り外してから固定テープ13等で本留めすることができる。
また、本発明に使用する排気フィルタ装置10は、解体工事現場1近傍の床面に据え置きとすることもできるが、台車等の移動手段を付与することにより、解体工事現場1のあらゆる場所に容易に移動することができるので好ましい。この場合、昇降装置12とともに移動するのが好ましい。
昇降装置12を上げて、フィルタ7の底面(下面)に当接する。そして、上流側及び下流側接続管8、9によるフィルタ7の挟持状態を開放し、昇降装置12により使用済アスベスト粉塵除去用フィルタ(以下、「使用済フィルタ」と略す)7を支持する。この際、芯材15の両面をそれぞれ粘着フィルム16a、16bで積層した平板状積層フィルム17を準備する(図3(a))。
次いで、平板状積層フィルム17の芯材15から粘着フィルム16bを剥がし、使用済フィルタ7の上流側を全面被覆し、粘着フィルム16bの他端部を使用済フィルタ7の下面に固定テープ13b’で仮固定してフィルタ被覆フィルム(粘着フィルム)16bとする。また、平板状積層フィルム17の芯材15から粘着フィルム16aを剥がし、上流側接続管8の下流側全面を被覆し、粘着フィルム16aの他端部を上流側接続管8の下面に固定テープ13a’で固定し接続管被覆フィルム(粘着フィルム)16aとする(図3(d)参照)。
次いで、新規のフィルタ7を昇降装置12に載せて、この昇降装置12により所定高さにする(図3(e)参照)。次いで、接続管被覆フィルム16aを剥がして、新規フィルタ7を上流側及び下流側接続管8、9によって挟持状態にする(図3(f)参照)。そして、昇降装置12を下げて、フィルタ7との当接状態を解除する。
なお、上記実施例と同様に、使用済フィルタ7と接続管被覆フィルム16aとは、図示しない廃棄用袋に収納して、接着テープで密封し、廃棄すればよい。
このように、他の実施形態のアスベスト解体工事用排気フィルタ装置10のフィルタ交換方法では、芯材15の両主面をそれぞれ粘着フィルム16a、16bで積層した平板状積層フィルム17で簡単に使用済フィルタ7の上流側及び上流側接続管8の下流側を被覆して、使用済フィルタ7を交換することができるので、捕集したアスベスト粉塵が飛散するのを極力低減することができる。
また、上述の他の実施形態では、平板状積層フィルム17の挿入方向は、鉛直方向、すなわち、排気フィルタ装置10の上下方向に挿入する場合について説明したが、本発明の排気フィルタ装置10のフィルタ交換方法では、平板状積層フィルム17を排気フィルタ装置10の左右方向に挿入してもよい。
7 フィルタ
7a パッキン
8 上流側接続管
9 下流側接続管
10 アスベスト解体工事用排気フィルタ装置
11 ロール状フィルム
11a 接続管被覆フィルム
11b フィルタ被覆フィルム
12 昇降装置
13、13a、13b 固定テープ
14 挿入板
15 芯材
16a 接続管被覆フィルム
16b フィルタ被覆フィルム
17 平板状積層フィルム
Claims (3)
- アスベスト解体工事現場からアスベスト粉塵を含んだ空気を吸引排気するブロワと、前記アスベスト解体工事現場と前記ブロワとを連結するダクトと、該ダクトの途中に設けられ、前記ブロワにより吸引排気される空気からアスベスト粉塵を除去するフィルタと、前記フィルタを挟持固定する上流側接続管及び下流側接続管とを備えるアスベスト解体工事用排気フィルタ装置のフィルタ交換方法であって、
前記上流側及び下流側接続管を開放し、使用済の前記フィルタの上流側及び前記上流側接続管の下流側にそれぞれ密封材を取り付けて密封し、前記使用済フィルタを取り外し、前記上流側接続管の下流側に取り付けられた前記密封材を外してから、新規のフィルタを取り付けて交換することを特徴とするアスベスト解体工事用排気フィルタ装置のフィルタ交換方法。 - 前記密封材は、前記フィルタの所定方向の幅に概ね対応する幅を有するロール状のフィルムであり、該ロール状のフィルムは前記上流側接続管上に設けられ、
前記密封工程では、前記フィルムの端部を前記使用済フィルタの一面に固定し、前記上流側接続管と前記フィルタとの間に前記フィルムを二重にして挿入し、前記使用済フィルタの上流側全面及び前記上流側接続管の下流側全面を前記挿入したフィルムで被覆し、前記挿入したフィルムの折返し部分を裁断し、該裁断された各フィルムの端部を前記使用済フィルタの他面及び対向する前記上流側接続管の下流側の一面にそれぞれ固定してフィルタ被覆フィルム及び上流側接続管被覆フィルムとしたことを特徴とする請求項1に記載のアスベスト解体工事用排気フィルタ装置のフィルタ交換方法。 - 前記密封材は、芯材の両主面を粘着フィルムで積層した平板状積層フィルムであり、
前記平板状積層フィルムの一方の粘着フィルムの一端部を前記使用済フィルタの一面に固定するとともに、前記平板状積層フィルムの他方の粘着フィルムの一端部を前記上流側接続管の一面に固定し、前記使用済フィルタの上流側と前記上流側接続管の下流側との間に前記平板状積層フィルムを挿入しつつ、前記平板状積層フィルムから前記各粘着フィルムを芯材から剥がし、前記使用済フィルタの上流側全面及び前記上流側接続管の下流側全面を前記各粘着フィルムで被覆し、該各粘着フィルムの他端部を前記使用済フィルタの他面及び対向する前記上流側接続管の下流側の他面にそれぞれ固定してフィルタ被覆フィルム及び上流側接続管被覆フィルムとしたことを特徴とする請求項1に記載のアスベスト解体工事用排気フィルタ装置のフィルタ交換方法。
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