JP2008008045A - アスベスト解体工事用排気フィルタ装置のフィルタ交換方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】フィルタ交換作業を安全、簡単に行うことができる排気フィルタ装置のフィルタ交換方法を提供する。
【解決手段】アスベスト解体工事現場からアスベスト粉塵を含んだ空気を吸引排気するブロワ6と、アスベスト解体工事現場とブロワ6とを連結するダクト5と、ダクト5の途中に設けられ、ブロワ6により吸引排気される空気からアスベスト粉塵を除去するフィルタ7と、フィルタ7を挟持固定する上流側接続管8及び下流側接続管9とを備えるアスベスト解体工事用排気フィルタ装置10のフィルタ交換方法であって、上流側及び下流側接続管8、9を開放し、使用済フィルタ7の上流側及び上流側接続管8の下流側にそれぞれ密封材11を取り付けて密封し、使用済フィルタ7を取り外し、上流側接続管8の下流側に取り付けられた密封材11aを外してから、新規のフィルタ7を取り付けて交換することを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、アスベスト解体工事現場の空調に用いる排気フィルタ装置のフィルタ交換方法に関する。
2005年2月24日に施行された石綿障害予防規則では、建築物の解体工事等(すなわち、アスベスト除去作業)の条件として、「石綿等の除去、封じ込め、囲い込み等の措置を講じなければならない」と規定されている(第10条)。また、作業に係る設備等として、「当該粉塵の発散源を密閉する設備、局所排気装置またはプッシュフル型換気装置を設けなければならない」と規定されている(第12条)。
また、石綿障害予防規則では使用すべきフィルタについては規定されていないが、労働災害防止団体法に基づき設立された労働大臣許可団体である建設業労働災害防止協会の発行する「建築物の解体等工事における石綿粉じんへのばく露防止マニュアル」では、負圧除じん装置を次の通り定義し、HEPAフィルタの装着を標準としている。すなわち、このマニュアルでは、負圧除じん装置を「負圧除じん装置は、密閉された作業場所の内部を外部に対し負圧に保ち、外部の新鮮空気を内部に給気し、かつ内部の汚染空気を外部に漏出させないと同時に、HEPAフィルタによって石綿粉じんを除去した空気を外部に放出する装置である。」と定義する。
また、フィルタの交換については、「負圧除じん装置の交換基準は、フィルタの種類により異なり、使用している製品カタログを参照する」と規定しているに留まっているが、以下のような2つの例ではHEPAフィルタ等の交換時期について明示している。
(装置例1)
(1)HEPAフィルタ交換時期:1500時間以内に交換。但し清掃点検は2週間以内に実施。
(2)プレフィルタの交換時期:2、3回/1日。
(装置例2)
(1)HEPAフィルタ交換時期:負圧除じん装置に取り付けられた差圧計が40mmAqになった時。
(2)中性能フィルタ、プレフィルタの交換時期:目視で確認して交換する(2、3回/1日)。
ところで、石綿障害予防規則が施行する前から、アスベスト解体工事現場で作業時に飛散したアスベスト粉塵を除去するために、例えば、特許文献1に記載されている方法がとられていた。
特許文献1に記載の除去方法では、作業現場をカーテンで仕切って隔離し、該作業現場内に高性能フィルタを内蔵した換気装置を設置して、該高性能フィルタでアスベスト粉塵を除去した後、清浄空気を現場の外へ排気していた。このような換気装置(除去方法)では、現場は外よりも負圧になっており、現場の外へアスベスト粉塵が飛散するという問題はなかった。
しかしながら、特許文献1に記載されているアスベストの除去方法では、現場内に換気装置があるため(特許文献1の図1参照)、フィルタ交換も現場で行う必要があった。この場合、現場から使用済フィルタを封入した袋を搬出する際に、該袋の外側がアスベスト粉塵で汚染されてしまうという問題があった。
このため、作業現場(セキュリティゾーン)の前室または洗浄室で、該袋の外側を真空掃除機で吸引し、その袋を清浄な新しい袋(廃棄用袋)に収納して、接着テープで密封していた。そして、二重に密封した廃棄用袋は、洗浄室で更に表面に付着したアスベスト粉塵を払い落とし、作業現場(セキュリティゾーン)の外部へ持ち出し、保管場所へ運搬集積されていた。このように、特許文献1に記載されているアスベストの除去方法では、フィルタの交換作業が煩わしく面倒であるという問題があった。
また、換気装置から使用済フィルタを交換する際には、アスベスト層を解体した廃材の袋詰め作業と同様に、防護服を着た作業者が防護手袋で廃棄用袋に触って密封する作業を行っていた。また、新しいフィルタを換気装置に装着する際にも、防護服を着た作業者が防護手袋で触って取り付けていた。このため、フィルタ交換作業を行う作業者が劣悪な環境下に長時間とどまらなければならないという問題があった。しかも、防護服、防護手袋の消耗によって被爆の危険性が高くなるという問題もあった。
従来、原子力発電所やRI研究所等で放射性同位元素を含む排気ガスを清浄化するために、例えば、特許文献2に開示されるように、排気ガスを吸引排気するブロワと、排気ガス中の粉塵を除去する粉塵除去用のフィルタと、この粉塵除去用のフィルタへ排気ガスを導くダクトとを備え、ブロワ及び該ダクト間に粉塵除去用フィルタを挟持固定してなる排気フィルタ装置が使用されている。このため、出願人は、アスベスト解体工事の作業現場(セキュリティゾーン)の外部にこのようなフィルタ装置を設置して利用すれば、上述のような問題を改善することが可能であることに着目した(特に、特許文献2の図1参照)。
特開平3−51481号公報 実公平6−16383号公報
しかしながら、特許文献2に記載されるような排気清浄装置をアスベスト解体工事用排気フィルタ装置として利用する場合には、それに用いるフィルタの交換頻度がほぼ毎日必要となってしまう。
この排気清浄装置は、比較的簡単にフィルタを交換可能な構造を有するものの、アスベスト解体工事におけるアスベスト粉塵排気用の排気フィルタ装置に利用する場合には、使用済フィルタがアスベスト粉塵で汚染されていることを考慮しなければならない。
そこで、本発明は、排気フィルタ装置のフィルタ交換作業を安全、簡単に行うことができるスベスト解体工事用排気フィルタ装置のフィルタ交換方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するべく、本発明のアスベスト解体工事用排気フィルタ装置のフィルタ交換方法は、請求項1に記載の通り、アスベスト解体工事現場からアスベスト粉塵を含んだ空気を吸引排気するブロワと、前記アスベスト解体工事現場と前記ブロワとを連結するダクトと、該ダクトの途中に設けられ、前記ブロワにより吸引排気される空気からアスベスト粉塵を除去するフィルタと、前記フィルタを挟持固定する上流側接続管及び下流側接続管とを備えるアスベスト解体工事用排気フィルタ装置のフィルタ交換方法であって、
前記上流側及び下流側接続管を開放し、使用済の前記フィルタの上流側及び前記上流側接続管の下流側にそれぞれ密封材を取り付けて密封し、前記使用済フィルタを取り外し、前記上流側接続管の下流側に取り付けられた前記密封材を外してから、新規のフィルタを取り付けて交換することを特徴とする。
また、請求項2に記載のアスベスト解体工事用排気フィルタ装置のフィルタ交換方法は、請求項1に記載のアスベスト解体工事用排気フィルタ装置のフィルタ交換方法において、前記密封材は、前記フィルタの所定方向の幅に概ね対応する幅を有するロール状のフィルムであり、該ロール状のフィルムは前記上流側接続管上に設けられ、
前記密封工程では、前記フィルムの端部を前記使用済フィルタの一面に固定し、前記上流側接続管と前記フィルタとの間に前記フィルムを二重にして挿入し、前記使用済フィルタの上流側全面及び前記上流側接続管の下流側全面を前記挿入したフィルムで被覆し、前記挿入したフィルムの折返し部分を裁断し、該裁断された各フィルムの端部を前記使用済フィルタの他面及び対向する前記上流側接続管の下流側の一面にそれぞれ固定してフィルタ被覆フィルム及び上流側接続管被覆フィルムとしたことを特徴とする。
また、請求項3に記載のアスベスト解体工事用排気フィルタ装置のフィルタ交換方法は、請求項2に記載のアスベスト解体工事用排気フィルタ装置のフィルタ交換方法において、前記密封材は、芯材の両主面を粘着フィルムで積層した平板状積層フィルムであり、
前記平板状積層フィルムの一方の粘着フィルムの一端部を前記使用済フィルタの一面に固定するとともに、前記平板状積層フィルムの他方の粘着フィルムの一端部を前記上流側接続管の一面に固定し、前記使用済フィルタの上流側と前記上流側接続管の下流側との間に前記平板状積層フィルムを挿入しつつ、前記平板状積層フィルムから前記各粘着フィルムを芯材から剥がし、前記使用済フィルタの上流側全面及び前記上流側接続管の下流側全面を前記各粘着フィルムで被覆し、該各粘着フィルムの他端部を前記使用済フィルタの他面及び対向する前記上流側接続管の下流側の他面にそれぞれ固定してフィルタ被覆フィルム及び上流側接続管被覆フィルムとしたことを特徴とする。
本発明のアスベスト解体工事用排気フィルタ装置のフィルタ交換方法では、請求項1の通り、従来から原子力発電所やRI研究所等で放射性同位元素を含む排気ガス用として実績のある排気フィルタ装置を利用して、アスベスト解体工事現場、すなわち、作業現場(セキュリティゾーン)の外側に排気フィルタ装置を設置しているので、フィルタ交換時に密封材により封止された使用済フィルタを搬出する際に、この使用済フィルタの封止されていない部分がアスベスト粉塵で汚染されることがない。したがって、封止された使用済フィルタをそのまま廃棄用袋に入れて簡単に廃棄することができる。しかも、アスベスト粉塵から完全に隔離された状態で、フィルタ交換作業を行うことができるため、フィルタ交換作業の作業者は、安全を確保することができ、防護服、防護手袋等の着用も不要である。
また、本発明のアスベスト解体工事用排気フィルタ装置のフィルタ交換方法は、請求項2に記載の通り、ロール状フィルムで簡単に使用済フィルタ及び上流側接続管を被覆して、使用済フィルタを交換することができるので、捕集したアスベスト粉塵が飛散するのを極力低減することができる。
また、本発明のアスベスト解体工事用排気フィルタ装置のフィルタ交換方法は、請求項3に記載の通り、芯材の両面を粘着フィルムで積層した平板状積層フィルムで使用済フィルタ及び上流側接続管を被覆して、使用済フィルタを交換することができるので、捕集したアスベスト粉塵が飛散するのを極力低減することができる。
以下、本発明のアスベスト解体工事用排気フィルタ装置のフィルタ交換方法の好適な実施の形態を添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
まず、本発明のアスベスト解体工事用排気フィルタ装置のフィルタ交換方法を適用するアスベスト解体工事用排気フィルタ装置の構成を説明する。図1は、アスベスト解体工事現場におけるアスベスト解体工事用排気フィルタ装置の使用状態を示す概要図である。
図1に示すように、アスベスト解体工事用排気フィルタ装置(以下、「排気フィルタ装置」と略す場合もある)10は、天井3及び側壁4により隔離された解体工事現場1からアスベスト粉塵を含んだ空気を吸引排気するブロワ6と、解体工事現場1とブロワ6とを連結(接続)するダクト5と、ダクト5の途中に設けられ、ブロワ6により吸引排気される空気からアスベスト粉塵を除去するフィルタ7と、フィルタ7を挟持固定する上流側接続管8及び下流側接続管9とから構成される。このように、排気フィルタ装置10は、アスベスト解体工事中に解体工事現場1を負圧に保つとともに、排気される空気を清浄化するために用いられるものである。
解体工事現場1内では、作業者Aがアスベスト層Xを解体・除去し、除去されたアスベストを含む廃材は吸引ホース2aを介して吸引装置2内に吸引される。その際に飛散したアスベストを含む空気(雰囲気)を排気フィルタ装置10のブロワ6により吸引し、この排気フィルタ装置10のフィルタ7でアスベストを除去するものである。
フィルタ7は、上流側及び下流側の各面の枠体部分にパッキン7a、7aを備えており、パッキン7aを解して上流側接続管8と下流側接続管9の間に挟持固定される。本実施形態では、フィルタ7は、アスベスト粉塵を集塵除去することができる限り、中性能フィルタあるいは高性能フィルタを単独で使用したものでもよく、プレフィルタと中性能フィルタあるいは高性能フィルタを重ねて複合して使用したものでもよい。
また、本実施形態では、図1に示すように、上流側接続管8の上面には、密着材としてのロール状に巻き取られたロール状フィルム11が設けられている。このロール状フィルム11は、フィルタ7の所定方向の幅に概ね対応する幅を有するものである。ここで、ロール状フィルム11は、アスベスト粉塵を遮蔽する機能があれば通常の無孔樹脂フィルムを使用することができる。特に、ストレッチフィルムであれば丈夫で被覆時に破れるような問題も生じないので好ましい。ただし、本発明のロール状フィルム11は、これに限定されることなく、ラップフィルムのような薄手のものをも使用することもできる。
本実施形態では、排気フィルタ装置10は、常時あるいは後述するようなフィルタ7の交換時にフィルタ7を支持するための昇降装置12を備えている。本発明に使用する昇降装置12としては、フィルタ7を支持し持ち上げる機能があれば通常のジャッキ、エアシリンダ、油圧シリンダ等を使用することができる。特に、ジャッキであれば場所を取らず、安価に設置することができ、また、移動も容易であるので好ましい。図1では、昇降装置12としてジャッキを用いた一例を示す。
次に、本発明のアスベスト解体工事用排気フィルタ装置10のフィルタ交換方法を説明する。図2は、本発明のアスベスト解体工事用排気フィルタ装置10のフィルタ交換方法の一実施例の平面断面図であり、図3は、本発明のアスベスト解体工事用排気フィルタ装置のフィルタ交換方法の他の実施例の平面断面図である。なお、図2に示す排気フィルタ装置10は、図1に示すものと同様の構成を有する。
まず、図2に示すフィルタ交換方法の一実施例を詳細に説明する。
昇降装置12を上げて、フィルタ7の底面(下面)に当接する。そして、上流側及び下流側接続管8、9によるフィルタ7の挟持状態を開放し、昇降装置12により使用済アスベスト粉塵除去用フィルタ(以下、「使用済フィルタ」と略す)7を支持する。次いで、上流側接続管8の上面に予め固定設置した密封材であるロール状フィルム11を引き出し、ロール状フィルム11の端部を使用済フィルタ7の上面に固定テープ13で固定する(図2(a)参照)。
次いで、挿入板14を準備し、挿入板14の下端によりロール状フィルム11を下方に押しつつ上流側接続管8とフィルタ7との間にこの挿入板14を挿入することにより、使用済フィルタ7の上流側と上流側接続管8の下流側の隙間にロール状フィルム11を挿入しながら、二重になっているロール状フィルム11の一方で使用済フィルタ7の上流側を被覆する(図2(b)参照)。
ロール状フィルム11で使用済フィルタ7の上流側全面を被覆したところで、ロール状フィルム11の二重になっている折返し部分を裁断して裁断された一方のフィルムの端部を使用済フィルタ7の下面にテープで仮固定してフィルタ被覆フィルム11bとする。また、他方のフィルムの端部を上流側接続管8の下面に固定テープ13’で固定し、ロール状フィルム11で上流側接続管8の下流側全面を被覆して接続管被覆フィルム11aとする(図2(c)参照)。
次いで、フィルタ被覆フィルム11bで被覆した使用済フィルタ7を取り外し、使用済フィルタ7の上面に用いたものと同様の固定テープ13でフィルタ被覆フィルム11bを使用済フィルタ7の下面に固定する。また、フィルタ被覆フィルム11bの側面も固定テープで使用済フィルタ7の側面に固定する(図示省略)。
次いで、新規のフィルタ7を昇降装置12に載せて、この昇降装置12により所定高さにする(図2(d)参照)。次いで、ロール状フィルム11のロール側を裁断して、接続管被覆フィルム11aを剥がして、新規フィルタ7を上流側及び下流側接続管8、9によって挟持状態にする(図2(e)参照)。そして、昇降装置12を下げて、フィルタ7との当接状態を解除する。
なお、使用済フィルタ7と接続管被覆フィルム11aとは、図示しない廃棄用袋に収納して、接着テープで密封し、廃棄すればよい。
このように、本実施形態のアスベスト解体工事用排気フィルタ装置10のフィルタ交換方法では、ロール状フィルム11で簡単に使用済フィルタ7の上流側及び上流側接続管8の下流側を被覆して、使用済フィルタ7を交換することができるので、捕集したアスベスト粉塵が飛散するのを極力低減することができる。
なお、本発明のフィルタ交換方法において使用する固定テープ13としては、クラフトテープ、ビニールテープ等の固定テープ等を使用することができる。特に、固定テープで密封材の全周を接着固定することにより、アスベスト粉塵の飛散を効果的に防止することができる。しかしながら、固定テープ13はこれに限定されることない。例えば、フィルタ7のフィルタ枠が木製であれば、タッカー留めで密封材を仮留めし、使用済みフィルタ7を取り外してから密封袋に入れて廃棄することもできる。
また、密封材に粘着剤を塗布しておけば、固定テープ13を用いることなく仮留めが可能であり、排気フィルタ装置10から使用済フィルタ7を取り外してから固定テープ13等で本留めすることができる。
また、本発明に使用する排気フィルタ装置10は、解体工事現場1近傍の床面に据え置きとすることもできるが、台車等の移動手段を付与することにより、解体工事現場1のあらゆる場所に容易に移動することができるので好ましい。この場合、昇降装置12とともに移動するのが好ましい。
次に、図3に示すフィルタ交換方法の他の実施例を詳細に説明する。ここで、他の実施例における排気フィルタ装置10は、上流側連結管8上にロール状フィルム11を設けていない点を除き、図2に示す排気フィルタ装置10と概ね同様の構成を有している。なお、この実施例では、芯材15の両主面を粘着フィルム16a、16bで積層した平板状積層フィルム17を密封材として利用する。なお、本発明に使用する平板状積層フィルム17の密封材としては、合成樹脂製、ベニア製、金属製等の板を芯材15とし、その両主面に片側に粘着剤を塗布した通常の無孔樹脂フィルムを粘着フィルム16a、16bとする。この無孔樹脂フィルムは、アスベスト粉塵を遮蔽する機能を有するものであればよい。
昇降装置12を上げて、フィルタ7の底面(下面)に当接する。そして、上流側及び下流側接続管8、9によるフィルタ7の挟持状態を開放し、昇降装置12により使用済アスベスト粉塵除去用フィルタ(以下、「使用済フィルタ」と略す)7を支持する。この際、芯材15の両面をそれぞれ粘着フィルム16a、16bで積層した平板状積層フィルム17を準備する(図3(a))。
次いで、芯材15の両面を粘着フィルム16a、16bで積層した平板状積層フィルム17を使用済フィルタ7の上流側と上流側接続管8の下流側の隙間に所定の長さだけ挿入し、平板状積層フィルム17の一方の粘着フィルム16bの一端部を使用済フィルタ7の上面に固定テープ13a、13bで固定するとともに、平板状積層フィルム17の他方の粘着フィルム16aの一端部を上流側接続管8の上面に固定テープ13aで固定する(図3(b)参照)。そして、各粘着フィルム16a、16bの端部を使用済フィルタ7及び上流側接続管8の上面にそれぞれ固定した状態において、平板状積層フィルム17を使用済フィルタ7の上流側と上流側接続管8の下流側の隙間に深く挿入する(図3(c)参照)。
次いで、平板状積層フィルム17の芯材15から粘着フィルム16bを剥がし、使用済フィルタ7の上流側を全面被覆し、粘着フィルム16bの他端部を使用済フィルタ7の下面に固定テープ13b’で仮固定してフィルタ被覆フィルム(粘着フィルム)16bとする。また、平板状積層フィルム17の芯材15から粘着フィルム16aを剥がし、上流側接続管8の下流側全面を被覆し、粘着フィルム16aの他端部を上流側接続管8の下面に固定テープ13a’で固定し接続管被覆フィルム(粘着フィルム)16aとする(図3(d)参照)。
次いで、フィルタ被覆フィルム16bで被覆した使用済フィルタ7を取り外し、使用済フィルタ7の上面に用いたものと同様の固定テープでフィルタ被覆フィルム16bを使用済フィルタ7の側面に固定する(図示せず)。
次いで、新規のフィルタ7を昇降装置12に載せて、この昇降装置12により所定高さにする(図3(e)参照)。次いで、接続管被覆フィルム16aを剥がして、新規フィルタ7を上流側及び下流側接続管8、9によって挟持状態にする(図3(f)参照)。そして、昇降装置12を下げて、フィルタ7との当接状態を解除する。
なお、上記実施例と同様に、使用済フィルタ7と接続管被覆フィルム16aとは、図示しない廃棄用袋に収納して、接着テープで密封し、廃棄すればよい。
このように、他の実施形態のアスベスト解体工事用排気フィルタ装置10のフィルタ交換方法では、芯材15の両主面をそれぞれ粘着フィルム16a、16bで積層した平板状積層フィルム17で簡単に使用済フィルタ7の上流側及び上流側接続管8の下流側を被覆して、使用済フィルタ7を交換することができるので、捕集したアスベスト粉塵が飛散するのを極力低減することができる。
以上、本発明のアスベスト解体工事用排気フィルタ装置10のフィルタ交換方法について添付図面を参照して説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではない。例えば、上述の排気フィルタ装置10では、ロール状フィルム11が上流側接続管8の上面に設けられている場合について説明したが、本発明の排気フィルタ装置10のフィルタ交換方法では、ロール状フィルム11は、上流側接続管8の側面あるいは下面に設けられてもよい。この場合、ロール状フィルム11の設置位置に対し、挿入板14の挿入方向を適宜調整すればよい。
また、上述の他の実施形態では、平板状積層フィルム17の挿入方向は、鉛直方向、すなわち、排気フィルタ装置10の上下方向に挿入する場合について説明したが、本発明の排気フィルタ装置10のフィルタ交換方法では、平板状積層フィルム17を排気フィルタ装置10の左右方向に挿入してもよい。
本発明は、アスベスト解体工事用排気フィルタ装置のフィルタ交換方法に主として適用されるが、原子力用・RI用等の漏洩の管理に厳格な設備には気密性の問題で適用することができない。しかしながら、有害物質を対象として交換時の漏洩がすぐさま人体に影響する恐れがない分野では十分に貢献することが可能である点で、産業上の利用可能性を有する。
アスベスト解体工事現場におけるアスベスト解体工事用排気フィルタ装置の使用状態を示す概要図 本発明のアスベスト解体工事用排気フィルタ装置のフィルタ交換方法の一実施例の平面断面図 本発明のアスベスト解体工事用排気フィルタ装置のフィルタ交換方法の他の実施例の平面断面図
符号の説明
1 解体工事現場
7 フィルタ
7a パッキン
8 上流側接続管
9 下流側接続管
10 アスベスト解体工事用排気フィルタ装置
11 ロール状フィルム
11a 接続管被覆フィルム
11b フィルタ被覆フィルム
12 昇降装置
13、13a、13b 固定テープ
14 挿入板
15 芯材
16a 接続管被覆フィルム
16b フィルタ被覆フィルム
17 平板状積層フィルム

Claims (3)

  1. アスベスト解体工事現場からアスベスト粉塵を含んだ空気を吸引排気するブロワと、前記アスベスト解体工事現場と前記ブロワとを連結するダクトと、該ダクトの途中に設けられ、前記ブロワにより吸引排気される空気からアスベスト粉塵を除去するフィルタと、前記フィルタを挟持固定する上流側接続管及び下流側接続管とを備えるアスベスト解体工事用排気フィルタ装置のフィルタ交換方法であって、
    前記上流側及び下流側接続管を開放し、使用済の前記フィルタの上流側及び前記上流側接続管の下流側にそれぞれ密封材を取り付けて密封し、前記使用済フィルタを取り外し、前記上流側接続管の下流側に取り付けられた前記密封材を外してから、新規のフィルタを取り付けて交換することを特徴とするアスベスト解体工事用排気フィルタ装置のフィルタ交換方法。
  2. 前記密封材は、前記フィルタの所定方向の幅に概ね対応する幅を有するロール状のフィルムであり、該ロール状のフィルムは前記上流側接続管上に設けられ、
    前記密封工程では、前記フィルムの端部を前記使用済フィルタの一面に固定し、前記上流側接続管と前記フィルタとの間に前記フィルムを二重にして挿入し、前記使用済フィルタの上流側全面及び前記上流側接続管の下流側全面を前記挿入したフィルムで被覆し、前記挿入したフィルムの折返し部分を裁断し、該裁断された各フィルムの端部を前記使用済フィルタの他面及び対向する前記上流側接続管の下流側の一面にそれぞれ固定してフィルタ被覆フィルム及び上流側接続管被覆フィルムとしたことを特徴とする請求項1に記載のアスベスト解体工事用排気フィルタ装置のフィルタ交換方法。
  3. 前記密封材は、芯材の両主面を粘着フィルムで積層した平板状積層フィルムであり、
    前記平板状積層フィルムの一方の粘着フィルムの一端部を前記使用済フィルタの一面に固定するとともに、前記平板状積層フィルムの他方の粘着フィルムの一端部を前記上流側接続管の一面に固定し、前記使用済フィルタの上流側と前記上流側接続管の下流側との間に前記平板状積層フィルムを挿入しつつ、前記平板状積層フィルムから前記各粘着フィルムを芯材から剥がし、前記使用済フィルタの上流側全面及び前記上流側接続管の下流側全面を前記各粘着フィルムで被覆し、該各粘着フィルムの他端部を前記使用済フィルタの他面及び対向する前記上流側接続管の下流側の他面にそれぞれ固定してフィルタ被覆フィルム及び上流側接続管被覆フィルムとしたことを特徴とする請求項1に記載のアスベスト解体工事用排気フィルタ装置のフィルタ交換方法。

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