JP5967482B2 - 鉄道車両のアスベスト除去法及び鉄道車両のアスベスト隔離装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、耐熱、耐火素材としてアスベストが多用された古い鉄道車両からアスベストを除去する方法及びその方法で用いるアスベストの暴露を防止する装置に関するものである。
本発明者は、旅客車やバス等の長尺の車両を解体するに際して、装着部材が装着され長尺状の被解体物の解体作業を効率よくできる解体方法、旅客車解体方法及び解体システムを提案している(特許文献1参照)。
ところで、アスベスト(石綿)は、天然の鉱物繊維であり、耐熱性、耐久性、耐薬品性、電気絶縁性が高く、加えて、耐火性、防音性、耐磨耗性にも優れており、9割近くが建築材料として使用されていた。例えば、鉄骨の耐火被覆材、機械室の吸音断熱材、設備ダクトの保温材、内装材(天井、壁、床、下地)、外装材などに使用されていた。また、建築材料以外では、自動車のブレーキパットやクラッチライニングなどの摩擦材、配管および機械等の断熱材やパッキン、シーリング材など様々な工業製品に使用されていた。
しかし、アスベストの繊維は、肺がんや中皮腫などを引き起こすことが判り、昭和50年代から徐々に使用の制限が行われ、平成16年(2004年)には、アスベスト含有率が1%を超える建材、摩擦材、接着剤等の10品目の製造、輸入、使用などを禁止することが決定されるに至っている(労働安全衛生法施行令)。
このようなアスベスト及びアスベスト含有建材を使用した構造物の立て替え時期が来て、現在、多くの解体が行われている。構造物としては、建築物だけでなく、大型バスやトラック等の車両や、鉄道車両も含まれる。即ち、鉄道車両の断熱のためにアスベストを含有する吹き付け材を車両の天井面及び壁面に吹き付けて吹き付け材をカバーした客車が過去に製造され、現在に至ってこのような客車が大量に廃棄されつつある。
アスベストの成形板は、非飛散性の建材であるため、通常の使用ではアスベストが飛散する可能性は極めて低いが、建築物の増改築、解体時には、成形板の破断や粉砕などにより、アスベストが飛散する可能性があるため、慎重な取扱いが必要になっている。特に、吹き付けアスベスト材の解体を含む解体作業については、著しく飛散し易い作業であるため、作業場所の隔離や高濃度の粉塵量に対応した防塵マスク、保護衣を適切に使用する厳重な曝露防止対策が必要である。
特開2011−63233
さて、古い鉄道車両においては、客車等の車両の内側天井壁、側壁等に耐熱、耐火素材としての吹き付けアスベスト材が多用されたものがある。このような車両を廃棄するには、処置する箇所を隔離シートで隔離し、隔離された区画をHEPAフィルタ付きの排気装置を稼働して負圧状態にした上で、車両内壁を覆う板材を取り除いて吹き付けアスベスト材を露出させ、粉じん飛散防止処理剤(以下、「薬液」と記す)で湿潤化し、吹き付け材を掻き落とす。尚、状況に応じて種々の器具、機器等で吹き付け材を取り除く。その後も隔離、負圧、露出、薬液による湿潤化、吹き付け材の取り除き作業を繰り返すこととなる。
しかしながら、車両の該当する箇所を移動しつつアスベストの除去作業を行うのは、効率が悪い。そのため、車両に備わった窓、扉を閉塞した状態を、隔離と見なして車両のアスベストを除去することが考えられるが、廃棄される車両の全てに閉塞される窓や扉が全て揃っているものではなく、作業対象の車両の破損を修復しつつ隔離作業を行うのも効率が悪い。
本発明は、廃棄される鉄道車両の全てに適用可能で、効率よく、しかも安全にアスベストを除去する方法を得ることを目的とし、更に、その方法に用いることができる鉄道車両のアスベスト隔離装置を得ることを別の目的とする。
請求項1に記載された発明に係る鉄道車両のアスベスト除去法は、鉄道車両の内側壁面のアスベスト施工面に吹き付けられているアスベストを除去する方法であって、
作業場上に一両の鉄道車両を搬送・載置する車両搬入工程と、
作業場へ搬送された鉄道車両全体を、密閉機能と耐圧機能を兼ね備えるシート材で包囲して隔離空間を形成する車両隔離工程と、
車両隔離工程で形成された隔離空間に隣接して準備室を並設する準備室形成工程と、
前記隔離空間内の空気をHEPAフィルタで集塵しつつ吸引して負圧状態とする排気手段と、前記隔離空間の負圧状態を維持しつつ外気を取り入れる給気手段とを設置した後に排気手段と給気手段とを駆動する隔離空間集塵工程と、
負圧環境下で前記鉄道車両内の内装板を除去して吹き付けアスベスト材を露出させ、これを粉じん飛散防止処理剤で湿潤化させ掻き落として除去するアスベスト除去工程とを備えたことを特徴とするものである。
請求項2に記載された発明に係る鉄道車両のアスベスト除去法は、請求項1に記載の車両隔離工程が、前記車両の天井面と、長手側両壁面及び前後端壁面の側壁面の全周を覆う袋状シート材を前記作業場上方から吊下させて、袋状シート材の側壁周囲の下端縁を作業場へ設置させることで隔離空間を形成するものであることを特徴とするものである。
請求項3に記載された発明に係る鉄道車両のアスベスト除去法は、請求項2に記載の準備室形成工程が、前記袋状シート材の前後端壁面の少なくとも一方に隣接して形成されることを特徴とするものである。
請求項4に記載された発明に係る鉄道車両のアスベスト隔離装置は、鉄道車両の内側壁面のアスベスト施工面に吹き付けられているアスベストを除去する際に、作業場へ搬送された1両の鉄道車両全体を、密閉機能と耐圧機能を兼ね備えるシート材で包囲して隔離空間を形成する隔離装置であって、
前記鉄道車両の車両の天井面を覆う平面部と、長手側両壁面及び前後端壁面の側壁部の全周とを覆う側縁部とを備えた袋状シート材と、この袋状シート材の平面部を固定するシート材保持部と、このシート材保持部を袋状シート材の側縁部を吊下した状態で上下方向に昇降させる第1昇降手段と、袋状シート材の側縁部の下端部を上下方向に昇降させる第2昇降手段とを備えたことを特徴とするものである。
請求項5に記載された発明に係る鉄道車両のアスベスト隔離装置は、請求項4に記載の袋状シート材には、前記側縁部の下端部に錘部が全周に亘って均等に備わっていることを特徴とすることを特徴とするものである。
本発明は、廃棄される鉄道車両の全てに適用可能で、効率よくしかも安全にアスベストを除去する方法得ることができ、更に、その方法に用いることができる鉄道車両のアスベスト隔離装置を得ることができるという効果がある。
本発明の鉄道車両のアスベスト除去法の工程を示す説明図である。 図1に引き続くアスベスト除去法の工程を示す説明図である。
本発明においては、作業場上に一両の鉄道車両を搬送・載置する車両搬入工程と、作業場へ搬送された鉄道車両全体を、密閉機能と耐圧機能を兼ね備えるシート材で包囲して隔離空間を形成する車両隔離工程と、車両隔離工程で形成された隔離空間に隣接して準備室を並設する準備室形成工程と、前記隔離空間内の空気をHEPAフィルタで集塵しつつ吸引して負圧状態とする排気手段と、前記隔離空間の負圧状態を維持しつつ外気を取り入れる給気手段とを設置した後に排気手段と給気手段とを駆動する隔離空間集塵工程と、負圧環境下で前記鉄道車両内の内装板を除去して吹き付けアスベスト材を露出させ、これを粉じん飛散防止処理剤で湿潤化させ掻き落として除去するアスベスト除去工程とを備えるため、廃棄される鉄道車両の全てに適用可能で、効率よくしかも安全にアスベストを除去する方法得ることができ、更に、その方法に用いることができる鉄道車両のアスベスト隔離装置を得ることができる。
即ち、鉄道車両はほぼ同じ長手幅を有し、長手長さについても、国内での最長は鉄道車両は新幹線の25mであり、廃棄される車両については、アスベスト使用の有無さえも予め解っている。そのため、台車を外した鉄道車両のアスベストを除去する際に、密閉機能と耐圧機能を兼ね備えるシート材で包囲して隔離空間を形成させることにより、以降のアスベスト除去が円滑に効率的にしかも安全性を損なうことなく行うことができる。
本発明の車両搬入工程は、レール上を走行するための台車を取り外した一両の鉄道車両を作業上に搬送・載置するものであればよい。例えば、台車で作業場近くまでレール上を走行させた上で、台車を取り外しつつクレーン等の重機で作業場の台座上に移動させればよい。尚、作業場の台座は車両を作業場の作業面よりも上方に上げるために設置されるものであり、好ましくは作業面よりも20〜50cm上面に上げるものであればよい。
また、本発明の作業場には、準備室を予め設置しておけば、円滑な除去作業を行うことができる。また、好ましくは後述する隔離空間の負圧状態を維持しつつ外気と取り入れる給気口を作業面に備えることにより、給気手段を設置する作業が省略されるため円滑な除去作業を行うことができる。
本発明の車両隔離工程は、作業場上の車両全体をシート材で包囲して隔離空間を形成するものであればよく、好ましくは、車両の天井面、長手側両壁面、前後端壁面を覆う袋状シート材を用いる。この袋状シート材を作業場上方から吊下させて、袋状シート材の側壁周囲の下端縁を作業場へ設置させることで隔離空間を形成すればよい。
本発明の袋状シート材としては、密閉機能と耐圧機能を兼ね備え、隔離空間を包装して外気と隔絶する素材であればよく、例えば、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート(PET樹脂)、塩化ビニル等のプラスチック製のシート材で形成されればよい。この素材のシート材を車両の天井面、長手側両壁面、前後端壁面を覆う大きさの袋状に形成しておけばよい。
尚、袋状シート材の大きさは作業対象の車両の外形よりも、50cm〜1m20cm、好ましくは1m隔てる大きさとすることにより、車両の外方に足場を組むことができ、車両のアスベスト除去作業時にシート材内面に付着したアスベストを吸引除去する作業を同時に行うことができ、円滑な除去作業を行うことができる。
本発明の隔離空間には、好ましくは、更衣室、洗浄室及び前室の3室からなる準備室を隣接して並設される。車両には隣接する他の車両に移るための扉が長手方向の両端部に形成されているため、好ましくは、袋状シート材の前後端壁面の少なくとも一方に隣接して形成されればよい。具体的には、袋状シート材の前後端壁面の少なくとも一方に準備室を作業場に予め設置しておき、車両隔離工程で袋状シート材を吊下させて設置させる際又は設置させた後に袋状シート材の前端又は後端壁面で連通させればよい。これにより、円滑な除去作業を行うことができる。
本発明の隔離空間内の空気を、HEPAフィルタで集塵しつつ吸引して負圧状態とする排気手段及び隔離空間の負圧状態を維持しつつ外気を取り入れる給気手段については、各々個別に配置しても、一つの給排気装置を配置してもよい。尚、HEPAフィルタは、日本工業規格Z8122に定める基準を満たしたものである。
例えば排気手段として、HEPAフィルター(High Efficiency Particulate Air Filter)を内蔵した換気集塵装置を配置し、この換気集塵装置によって隔離空間の外部に配置され、ホースによって隔離空間に接続される。すなわち換気集塵装置によって隔離空間内の空気を吸引して外部に対して負圧状態に維持するとともに、吸引空気中のアスベスト等の粉塵を集塵する。この換気集塵装置に吸引空気よりも少量の空気が給気されることにより、隔離空間の負圧状態を維持することができる。
また、例えば排気手段として、HEPAフィルター(High Efficiency Particulate Air Filter)を内蔵した集塵装置を配置し、給気手段として、集塵装置が吸引する空気よりも少量の空気が給気される給気手段を別系統で配置してする。別系統で給気する手段としては、準備室を経て隔離空間に外気と連通する給気路を設けてもよいし、作業場の床面に袋状シート材の内壁面に向けて給気する小さな給気路を多数設けることにより、負圧状態になった際にシート材内壁面に向けた気流が発生するため、シート材内面にアスベストが付着することを阻害する利点もある。
本発明のアスベスト除去工程は、隔離空間で露出させた吹き付けアスベスト材に対して粉じん飛散防止処理剤で湿潤化させ掻き落として除去する工程を含めばよく、アスベスト除去の作業基準を遵守するものである。
別の本発明では、鉄道車両の内側壁面のアスベスト施工面に吹き付けられているアスベストを除去する際に、作業場へ搬送された1両の鉄道車両全体を、密閉機能と耐圧機能を兼ね備えるシート材で包囲して隔離空間を形成する隔離装置であって、鉄道車両の車両の天井面を覆う平面部と、長手側両壁面及び前後端壁面の側壁部の全周とを覆う側縁部とを備えた袋状シート材と、この袋状シート材の平面部を固定するシート材保持部と、このシート材保持部を袋状シート材の側縁部を吊下した状態で上下方向に昇降させる第1昇降手段と、袋状シート材の側縁部の下端部を上下方向に昇降させる第2昇降手段とを備えるものであるため、円滑に鉄道車両のアスベストを除去することができる。
本発明の袋状シート材としては、鉄道車両の車両の天井面を覆う平面部と、長手側両壁面及び前後端壁面の側壁部の全周とを覆う側縁部とを備えればよ、好ましくは、平面部は鉄道車両の長手長さと幅長さとを各々超える長手長さと幅長さとを備え、側縁部はこの平面部の全周から垂下された際に鉄道車両の高さを超える長さであればよい。これにより、隔離区間を容易に形成し、円滑な除去作業を行うことができる。
また、好ましくは、袋状シート材には、前記側縁部の下端部に錘部が全周に亘って均等に備わっている。これにより、隔離区間を容易に形成し、円滑な除去作業を行うことができる。
図1は本発明の鉄道車両のアスベスト除去法の工程を示す説明図である。図2は図1に引き続くアスベスト除去法の工程を示す説明図である。図には別の本発明である鉄道車両のアスベスト隔離装置の一実施例の構成を含み、この鉄道車両のアスベスト隔離装置の動作を示している。
図1及び図2の各図に示す通り、本実施例の鉄道車両のアスベスト隔離装置10は、作業場1へ搬送された1両の鉄道車両30全体を密閉機能と耐圧機能を兼ね備える袋状シート材11で包囲して隔離空間を形成する。ポリエチレンテレフタレート製の袋状シート材11は鉄道車両の一車両30の天井面31を覆う平面部12と、車両30の長手側両壁面及び前後端壁面の側壁部32の全周とを覆う側縁部13と、側縁部13の下端部に全周に亘って均等に配置された錘部14とを備える。
作業場1の天井部2には、袋状シート材11の平面部12を固定するシート材保持部15がワイヤ16で吊下されている。このシート材保持部15は、作業場1の天井部2に設置された第1昇降手段17でワイヤ16を巻き取り・巻き解きをすることにより、昇降される。
シート材保持部15の前後左右枠の幾つかには第2昇降手段18が設置されており、この第2昇降手段によってワイヤ19を巻き取り・巻き解きをすることにより、袋状シート材11の側縁部13の下端部を昇降させることができる。
車両搬入工程では、図1のa図に示す通り、作業場1の定まった台座3上に1両の鉄道車両30を重機(図示せず)で搬送される。この作業場1には既に準備室20が配置されており、この準備室20には、吸引ポンプ21及び吸引ポンプ21からの排気管22と、隔離空間へ外気を給気する給気管23が予め配置されている。尚、準備室1は図示してはいないが、更衣室、洗浄室及び前室の3室を含んでおり、所謂「セーフティーゾーン」として作業者の出入り等を行う。
車両隔離工程では、先ず図1のb図に示す通り、第1昇降手段17でワイヤ16の巻き解きを行って吊下されたシート材保持部15を下方に移動させる。袋状シート材11の平面部12が車両30の天井面31に対して約1m程度の距離になった際に第1昇降手段17の駆動を止める。
図1のc図に示す通り、シート材保持部15の第2昇降手段18でワイヤ19の巻き時を行って吊下された袋状シート材11の側縁部13の下端部を下方向に移動させる。図2のd図に示す通り、その際に錘部14により、スムーズに下端部が移動される。下端部が作業場上に接地し、更に、たるんだ状態で側縁部13が接地した際に第2昇降手段18の駆動を止めて袋状シート材11内部を隔離空間5を形成する。
準備室形成工程は、例えば、袋状シート材の側縁部の準備室20に対向する部分に開放可能な開口部を設置させておき、同じく、準備室20の対向面に開放可能な開口部を形成させておき、図1のc図及び図2のd図の袋状シート材11の側縁部13が降りてくる際に互いの開口部を連通させながら開口部を形成するか、図2のd図の第2昇降手段18の駆動を止め後に各々の開口部を連結して行う。
隔離空間集塵工程は、e図に示す通り、隔離空間5内の空気をHEPAフィルタで集塵しつつ吸引して負圧状態とする排気手段として、準備室20の吸引ポンプ21から隔離空間5内部に吸引管24を伸長させ、HEPAフィルタを装着した集塵機25を設置する。また、隔離空間の負圧状態を維持しつつ外気を取り入れる給気手段として、給気管23の一端部を隔離空間5内に伸長することにより設置する。
その後、吸引ポンプ21を駆動して、隔離空間5内を負圧とし、吸引ポンプ21よりも少ない量の空気を給気管23で供給することにより、負圧状態を維持する。尚、給気管23については、作業場1の床面に隔離空間5を形成する袋状シート材11の内壁面に向けて給気する小さな給気路を多数設けてもよい。これにより、負圧状態になった際にシート材11の内壁面に向けた気流が発生するため、シート材11内面にアスベストが付着することを阻害する利点もある。
以降のアスベスト除去工程は、負圧環境下で前記鉄道車両内の内装板を除去して吹き付けアスベスト材を露出させ、これを粉じん飛散防止処理剤で湿潤化させ掻き落として除去する。尚、隔離空間5内を負圧に保つため微差圧計等により差圧の管理を行うとともに、スモークテスター等により気流の確認を行う。
また、除去する部分を薬液により湿潤化したり、飛散防止のための適切な工法による除去処理作業を行うことは勿論である。また、除去したアスベスト廃棄物は、廃棄専用プラスチック袋を用いて適切に二重梱包し、一時保管場所に集積すること、作業場所で使用した機材は、清掃を行ってから場外へ搬出することも勿論である。
アスベスト除去作業後は、手持ち吸引装置で車両30内外の壁面等に付着したアスベストを吸引除去すると共に、袋状シート材11の内面についても薬液を噴霧しつつ吸引除去する。また、アスベストを除去された車両については、通常のスクラップ車両として廃棄することができ、例えば前述の特許文献1に示したような解体方法、旅客車解体方法及び解体システムで解体、分別することにより、資源として利用することができる。
耐熱、耐火素材としてアスベストが多用された古い鉄道車両からアスベストを除去するに際して、円滑で安全にアスベスト除去作業を行うことができる。
1…作業場、
2…天井部、
3…台座、
5…隔離空間、
10…鉄道車両のアスベスト隔離装置、
11…袋状シート材、
12…平面部、
13…側縁部、
14…錘部、
15…シート材保持部、
16…ワイヤ、
17…第1昇降手段、
18…第2昇降手段、
19…ワイヤ、
20…準備室、
21…吸引ポンプ、
22…排気管、
23…給気管、
24…吸引管、
25…集塵機、
30…鉄道車両、
31…天井面、
32…側壁部、

Claims (5)

  1. 鉄道車両の内側壁面のアスベスト施工面に吹き付けられているアスベストを除去する方法であって、
    作業場上に一両の鉄道車両を搬送・載置する車両搬入工程と、
    作業場へ搬送された鉄道車両全体を、密閉機能と耐圧機能を兼ね備えるシート材で包囲して隔離空間を形成する車両隔離工程と、
    車両隔離工程で形成された隔離空間に隣接して準備室を並設する準備室形成工程と、
    前記隔離空間内の空気をHEPAフィルタで集塵しつつ吸引して負圧状態とする排気手段と、前記隔離空間の負圧状態を維持しつつ外気を取り入れる給気手段とを設置した後に排気手段と給気手段とを駆動する隔離空間集塵工程と、
    負圧環境下で前記鉄道車両内の内装板を除去して吹き付けアスベスト材を露出させ、これを粉じん飛散防止処理剤で湿潤化させ掻き落として除去するアスベスト除去工程とを備えたことを特徴とする鉄道車両のアスベスト除去法。
  2. 前記車両隔離工程が、前記車両の天井面と、長手側両壁面及び前後端壁面の側壁面の全周を覆う袋状シート材を前記作業場上方から吊下させて、袋状シート材の側壁周囲の下端縁を作業場へ設置させることで隔離空間を形成するものであることを特徴とする請求項1に記載の鉄道車両のアスベスト除去法。
  3. 前記準備室形成工程が、前記袋状シート材の前後端壁面の少なくとも一方に隣接して形成されることを特徴とする請求項2に記載の鉄道車両のアスベスト除去法。
  4. 鉄道車両の内側壁面のアスベスト施工面に吹き付けられているアスベストを除去する際に、作業場へ搬送された1両の鉄道車両全体を、密閉機能と耐圧機能を兼ね備えるシート材で包囲して隔離空間を形成する隔離装置であって、
    前記鉄道車両の車両の天井面を覆う平面部と、長手側両壁面及び前後端壁面の側壁部の全周とを覆う側縁部とを備えた袋状シート材と、この袋状シート材の平面部を固定するシート材保持部と、このシート材保持部を袋状シート材の側縁部を吊下した状態で上下方向に昇降させる第1昇降手段と、袋状シート材の側縁部の下端部を上下方向に昇降させる第2昇降手段とを備えたことを特徴とする鉄道車両のアスベスト隔離装置。
  5. 前記袋状シート材には、前記側縁部の下端部に錘部が全周に亘って均等に備わっていることを特徴とする請求項4に記載の鉄道車両のアスベスト隔離装置。
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