JP3984532B2 - 粉塵流出防止システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば店舗、事務所ビル、ホテル、病院等のリニューアル工事に用いるのに好適な粉塵流出防止システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】
特開2002−47812号公報(第2,3頁、図2)
従来、店舗、事務所ビル、ホテル、病院等のリニューアル工事においては、工事区域と工事期間中も営業が続けられている工事区域外(営業区域)とを仮設の養生材で間仕切りし、粉塵発生源には、市場でレンタルされている局所集塵機を設置して、工事区域内で発生した粉塵が営業区域へ飛散するのを防止する一方、作業員に対しては、防塵マスクの着用や換気扇による空気の入れ替えによる環境改善が図られているが、完璧ではない。
【0003】
何故なら、仮設の養生材で工事区域と営業区域との境界を完全な気密状に施工することは、実際上、不可能であるし、たとえ営業区域での営業と重ならない時間帯だけ工事をして、営業間帯には粉塵が発生しないように配慮しても、工事を中断している間に、工事区域内に浮遊する粉塵が僅かな隙間から営業区域へと流出することがある。殊に、営業区域側だけが暖房されている場合、工事区域内の冷たい空気が営業区域側へと漏れ出すので、その傾向が強い。そのため、浮遊した粉塵が僅かな隙間から営業区域にまで流出して、営業活動に支障を来たす事例が散見される。
【0004】
尚、建物全体をシートで包囲して外気と遮断した工事用空間を形成し、工事用空間内の空気をエアポンプで吸引することにより、工事用空間内の気圧を大気圧より低く保持した状態で、建物を解体する建物の解体工法は、特開2002−47812号公報によって提案されているが、営業中の建物内の一部を改修工事する際の粉塵流出防止には適していない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記の現状に鑑み、本発明は、店舗、事務所ビル、ホテル、病院等のリニューアル工事において、工事区域内の粉塵濃度や工事区域と営業区域の境界に設けた通気孔における風の向きに基づいて集塵機を効率良く運転して、工事区域内の粉塵を除去すると共に、浮遊する粉塵の営業区域への流出を確実に防いで、営業活動に支障がないようにすることができる粉塵流出防止システムを提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明による粉塵流出防止システムは、建物の一部で行われているリニューアル工事のための工事区域と工事期間中も営業が続けられている工事区域外との境界に通気孔を設け、当該通気孔を流れる風の有無および風向を測定する風向測定手段と、工事区域内の粉塵濃度を検出する粉塵濃度測定手段と、工事区域内の粉塵を吸引除去して工事区域外に排気する複数台の集塵機とを設け、風向計による検出結果と粉塵濃度測定手段による測定値とに基づいて集塵機の稼動台数を制御する制御盤を設け、当該制御盤によって、通気孔を流れる風が外向きのときには、全台数の集塵機を稼動させ、通気孔に外向きの風が流れていないときには、工事区域内の粉塵濃度の測定を行い、測定値が管理値以上であれば全台数の集塵機を稼動させ、管理値未満であれば、必要最少台数の集塵機を稼動させることにより、工事区域内を負圧にして、粉塵が工事区域から工事区域外に流出しないように構成したことを特徴としている。
【0008】
上記の構成によれば、工事区域と工事区域外との境界に設けた通気孔を流れる風が外向きのときは、工事区域内の気圧が工事区域外の気圧より高く、境界に仮設される間仕切りの隙間から粉塵が空気と共に流出する可能性が高いので、工事区域内の粉塵濃度の如何に関係なく全台数の集塵機を稼動させて、工事区域内を速やかに負圧にする。従って、隙間からの工事区域内空気の流出が止まり、工事区域外の空気が吸引されて、通気孔を流れる風の向きは内向きになり、浮遊する粉塵の工事区域外への流出を確実に防ぐことができる。
【0009】
通気孔を流れる風が内向きのときは、工事区域内の気圧が工事区域外の気圧より低いので、工事区域内の浮遊粉塵が間仕切りの隙間から工事区域外に流出する可能性はない。通気孔を流れる風が無いときは、工事区域内外の気圧が同一であるから、工事区域内の浮遊粉塵が流出する可能性は小さい。
【0010】
このように、通気孔に外向きの風が流れていない場合には、工事区域内の粉塵濃度の測定が行われ、測定値が管理値以上であれば、作業員に対する環境改善に急を要するので、全台数の集塵機を稼動させて、速やかに粉塵を吸引除去する。測定値が管理値未満のときには、粉塵量が少なく、作業員に対する環境改善が不要もしくは急を要しないので、必要最少台数の集塵機を稼動させる。測定時点で工事区域内外の気圧が同一であっても、集塵機の稼動によって、工事区域内は負圧になり、通気孔に内向きの風が流れることになる。
【0011】
従って、何れの場合も、浮遊する粉塵の工事区域外への流出を確実に防ぐことができる。しかも、通気孔に外向きの風が流れていないときには、、全台数の集塵機を稼動させるのではなく、粉塵濃度の測定値が管理値未満のときだけ、必要最少台数の集塵機を稼動させるので、消費電力が小さくて済み、市場でレンタルされている局所集塵機のような小出力の集塵機を利用して粉塵流出防止システムを構成できることと相まって非常に経済的である。
【0012】
尚、通気孔を流れる風の有無および風向を測定する風向測定手段としては、請求項2に記載の発明のように、通気孔に風向計を付設して、通気孔を流れる空気を直接測定対象とするのが最も正確であるが、請求項3に記載の発明のように、工事区域内外の気圧差を検出する圧力測定装置によって構成し、通気孔を流れる風の有無および風向を気圧差によって判定するようにしてもよい。
【0013】
【0014】
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るリニューアル工事用の粉塵流出防止システムの一例を図1に基づいて説明する。図1の(A),(B)において、A1は、建物の一部で行われているリニューアル工事のための工事区域、A2は営業区域(工事期間中も営業が続けられている工事区域外)、A3は建物の外部又は他の営業区域である。1aは工事区域A1と営業区域A2との境界、1bは工事区域A1と外部又は他の営業区域A3との境界である。これらの境界1a,1bは、仮設の養生材による間仕切り、出入り口の扉等により、完璧ではないが、できるだけ隙間が生じないように施工される。
【0016】
尚、図1に示す粉塵流出防止システムは、営業区域A2の気圧と外部又は他の営業区域A3の気圧とが常に同一であること、或は、外部又は他の営業区域A3の気圧が工事区域A1や営業区域A2の気圧よりも常に高いような条件下にあることを前提としている。
【0017】
工事区域A1と営業区域A2との境界1aには、樹脂パイプ等による通気孔2が境界1aを貫通した状態に設けられており、通気孔2には、当該通気孔2を流れる風の有無および風向を測定する風向測定手段3としての風向計4が付設されている。工事区域A1内には、工事区域A1内の粉塵濃度を検出する粉塵濃度測定手段5と、工事区域A1内の粉塵を吸引除去して工事区域A1外に排気する複数台(図面上では2台であるが、2以上の任意台数である。)の集塵機6とが設けられている。
【0018】
7は集塵機6の排気ダクトである。これらの排気ダクト7は、工事区域A1と外部又は他の営業区域A3との境界1bを貫通した状態に設けられているが、営業区域A2に排気するように設けてもよい。集塵機6としては、市場でレンタルされている局所集塵機のような小出力の集塵機が使用されている。8は、風向計4による検出結果と粉塵濃度測定手段5による測定値とに基づいて集塵機6の稼動台数を制御する制御盤である。矢印aは、通気孔2に風が外向きに(工事区域A1から外側へ)流れていることを示し、矢印bは、通気孔2に風が内向きに(工事区域A1内へ向かって)流れていることを示す。破線は集塵機6が停止していることを示す。
【0019】
そして、粉塵流出防止システムの運転中は、風向計4による検出信号が制御盤8に入力され、図1の(B)に示すように、通気孔2を流れる風が外向きaのときには、全台数の集塵機6を稼動させ、通気孔2に外向きaの風が流れていないとき、換言すれば、通気孔2を流れる風が内向きbのとき(図1のA)と通気孔2を流れる風が無いときには、粉塵濃度測定手段5により工事区域A1内の粉塵濃度の測定を行い、測定値が管理値以上であれば全台数の集塵機6を稼動させ、管理値未満であれば、必要最少台数の集塵機6を稼動させることにより、工事区域A1内を負圧にして、粉塵が工事区域A1から営業区域A2や外部又は他の営業区域A3に流出しないように構成してある。
【0020】
上記構成の粉塵流出防止システムの動作を図2に示すフローチャートに基づいて説明すると、次の通りである。
【0021】
粉塵流出防止システムの運転を開始すると、前記風向測定手段3による風向測定が行われ(ステップS1)、前記通気孔2を流れる風の有無が判断される(ステップS2)。風が有るときは、風は内向きであるか外向きであるかが判断される(ステップS3)。
【0022】
風が外向きのときは、前記集塵機6の全台数が稼動される(ステップS4)。前記工事区域A1でのリニューアル工事が完了する等して、粉塵の流出を防止する必要がなくなり、粉塵流出防止システムの運転を終了するスイッチが人為的に操作されない限り(ステップS5)、ステップS1に戻る。
【0023】
ステップS2において、通気孔2を流れる風が無いときと、ステップS3において、風が内向きであるときは、前記粉塵濃度測定手段5による粉塵濃度の測定が行われる(ステップS6)。そして、測定値が管理値以上であるか否かが判断され(ステップS7)、測定値が管理値以上であるときには、ステップS4へと移行し、全台数の集塵機6が稼動される、管理値未満であるときには、必要最少台数の集塵機6だけが稼動される(ステップS8)。次に、ステップS5へと移行し、粉塵流出防止システムの運転を終了するスイッチが人為的に操作されない
限り、ステップS1に戻る。
【0024】
上記の粉塵流出防止システムによれば、図1の(B)に示すように、工事区域A1と営業区域A2との境界1aに設けた通気孔2を流れる風が外向きaのときは、工事区域A1内の気圧が営業区域A2の気圧より高く、境界1aに仮設される間仕切りの隙間から粉塵が空気と共に流出する可能性が高いが、ステップS4で説明した通り、工事区域A1内の粉塵濃度の如何に関係なく全台数の集塵機6を稼動させて、工事区域A1内を速やかに負圧にするので、前記隙間からの工事区域A1内空気の流出が止まり、営業区域A2の空気が吸引されて、通気孔2を流れる風の向きは内向きになる。従って、工事区域A1内に浮遊する粉塵が営業区域A2へ流出することを確実に防止できる。
【0025】
通気孔2に外向きaの風が流れていない場合には、次の通りになる。即ち、図1の(A)に示すように、通気孔2を流れる風が内向きbのときには、工事区域A1内の気圧が営業区域A2の気圧より低いので、工事区域A1内の浮遊粉塵が間仕切りの隙間から営業区域A2に流出する可能性はない。通気孔2を流れる風が無いときは、工事区域A1内の気圧と営業区域A2の気圧が同一であるから、工事区域A1内の浮遊粉塵が営業区域A2に流出する可能性は小さい。
【0026】
これらの場合には、工事区域A1内の粉塵濃度の測定が行われ、測定値が管理値以上であれば、作業員に対する環境改善に急を要するので、全台数の集塵機6を稼動させて、速やかに粉塵を吸引除去する。測定値が管理値未満のときには、粉塵量が少なく、作業員に対する環境改善が不要もしくは急を要しないので、必要最少台数の集塵機6を稼動させる。粉塵濃度の測定時点では、工事区域A1内の気圧と営業区域A2の気圧が同一であっても、集塵機6の稼動によって、工事区域A1内は負圧になり、通気孔2に内向きbの風が流れることになる。
【0027】
従って、何れの場合も、工事区域A1内の遊する粉塵が営業区域A2に流出することを確実に防止できることになる。しかも、通気孔2に外向きaの風が流れていない場合(通気孔2を流れる風が内向きbのときと通気孔2を流れる風が無いとき)には、全台数の集塵機6を稼動させるのではなく、粉塵濃度の測定値が管理値未満のときだけ、必要最少台数の集塵機6を稼動させるので、消費電力が小さくて済み、市場でレンタルされている局所集塵機のような小出力の集塵機を利用して粉塵流出防止システムを構成していることと相まって非常に経済的である。
【0028】
上述した実施の形態では、前記風向測定手段3が、通気孔2に流れる空気を直接測定対象とする風向計4によって構成されているが、工事区域A1内と営業区域A2内の気圧差を検出する圧力測定装置によって風向測定手段3を構成し、通気孔2を流れる風の有無および風向を気圧差によって判定するようにしてもよい。気圧差を検出する圧力測定装置は、例えば、図1に示すように、工事区域A1内と営業区域A2内に設けた二つ気圧計7a,7bと、それらの検出結果を比較する演算機(制御盤8に内蔵される)によって構成される。
【0029】
また、工事区域A1内と営業区域A2内の気圧差が無いにもかかわらず、工事区域A1内と営業区域A2内の温度差(気温差)によって通気孔2に風が生じるような条件下で使用される粉塵流出防止システムでは、工事区域A1内と営業区域A2内の気圧差を検出する圧力測定装置と、工事区域A1内と営業区域A2内の温度差を検出する温度測定装置9a,9bとの組合せによって、前記風向測定手段3を構成してもよい。
【0030】
即ち、気圧差がある場合は、圧力測定装置の検出結果を優先させ、圧力測定装置による検出結果に基づいて集塵機6の稼動台数を制御し、圧力測定装置によって気圧差が無いと判断された場合には、温度測定装置9a,9bの検出結果を優先させ、温度測定装置9a,9bによる温度差の測定結果に基づいて集塵機6の稼動台数を制御するように構成してもよい。
【0031】
図3は、本発明に係る粉塵流出防止システムの他の例を示す。この粉塵流出防止システムは、営業区域A2の気圧と、外部又は他の営業区域A3の気圧とが互いに異なる場合があり、且つ、外部又は他の営業区域A3の気圧が工事区域A1の気圧より低くなることがあるような条件下にあることを前提とするものであって、工事区域A1と外部又は他の営業区域A3との境界1bにも、通気孔2を設けた点に特徴がある。
【0032】
即ち、工事区域A1と営業区域A2との境界1aと、工事区域A1と外部又は他の営業区域A3との境界1bに夫々通気孔2を設け、これらの通気孔2を流れる風の有無および風向を測定する風向測定手段3と、工事区域A1内の粉塵濃度を検出する粉塵濃度測定手段5と、工事区域A1内の粉塵を吸引除去して工事区域外に排気する複数台の集塵機6とを設け、何れかの通気孔2を流れる風が外向きaのときには、全台数の集塵機6を稼動させ、どの通気孔2にも外向きaの風が流れていないとき(換言すれば、全ての通気孔2を流れる風が内向きbのときと、何れの通気孔2にも流れる風が無いときと、一部の通気孔2を流れる風が内向きbで残りの通気孔2に流れる風が無いとき)には、工事区域A1内の粉塵濃度の測定を行い、測定値が管理値以上であれば全台数の集塵機6を稼動させ、管理値未満であれば、必要最少台数の集塵機6を稼動させることにより、工事区域A1内を負圧にして、粉塵が工事区域A1から工事区域A1外(営業区域A2や外部又は他の営業区域A3)に流出しないように構成したことを特徴としている。
【0033】
この構成によれば、図3の(A)に示すように、全ての通気孔2に内向きbの風が流れているときと、何れの通気孔2にも流れる風が無いときと、何れかの通気孔2に内向きbの風が流れ、残りの通気孔2に流れる風が無いときには、工事区域A1内の粉塵濃度の測定が行われる。
【0034】
そして、測定値が管理値以上であれば、作業員に対する環境改善に急を要するので、全台数の集塵機6を稼動させて、速やかに粉塵を吸引除去する。測定値が管理値未満のときには、粉塵量が少なく、作業員に対する環境改善が不要もしくは急を要しないので、図3の(A)に示すように、必要最少台数の集塵機6を稼動させる。
【0035】
図3の(B)に示すように、何れかの通気孔2に外向きaの風が流れている場合は、その風向検知結果が優先され、工事区域A1内の粉塵濃度の如何に関係なく全台数の集塵機6を稼動させて、工事区域A1内を速やかに負圧にする。これにより、工事区域A1から外部又は他の営業区域A3への空気の流出が止まり、外部又は他の営業区域A3の空気が吸引されて、通気孔2を流れる風の向きは内向きになる。
【0036】
尚、この実施の形態においても、風向測定手段3が、通気孔2に流れる空気を直接測定対象とする風向計4によって構成されているが、図3に示すように、工事区域A1、営業区域A2、外部又は他の営業区域A3の夫々に気圧計7a,7b,7cを設ける一方、制御盤8には、それらの検出結果を比較する演算機を設けて、工事区域A1内と、営業区域A2内と、外部又は他の営業区域A3内の気圧差を検出するようにした圧力測定装置によって風向測定手段3を構成し、各通気孔2を流れる風の有無および風向を気圧差によって判定するようにしてもよい。
【0037】
また、工事区域A1内と営業区域A2内と外部又は他の営業区域A3の気圧差が無いにもかかわらず、それらの区域の温度差(気温差)によって通気孔2に風が生じるような条件下で使用される粉塵流出防止システムでは、工事区域A1内と、営業区域A2内と、外部又は他の営業区域A3内の気圧差を検出する圧力測定装置と、工事区域A1内と営業区域A2内と外部又は他の営業区域A3内の温度差を検出する温度測定装置8a,8b,8cとを組み合わせて前記風向測定手段3を構成し、気圧差がある場合は、圧力測定装置の検出結果を優先させ、圧力測定装置による検出結果に基づいて集塵機6の稼動台数を制御し、圧力測定装置によって気圧差が無いと判断された場合には、温度測定装置8a,8b,8cの検出結果を優先させ、温度測定装置8a,8b,8cによる温度差の測定結果に基づいて集塵機6の稼動台数を制御するように構成してもよい。
【0038】
尚、図1、図3に仮想線で示すように、集塵機6の内部に、集塵フィルターとは別に活性炭のような吸着剤や脱臭剤などを利用した臭い取りフィルターFを設けるか、集塵機能と臭い取り機能を持つフィルターを設けて実施することにより、改修工事における有機溶剤作業(例えば、接着剤を用いる作業や塗料を用いる作業等)の臭いや溶接作業時の臭いの流出も防止できる。
【0039】
【発明の効果】
本発明は、上述した構成よりなり、リニューアル工事において、工事区域内の粉塵濃度や工事区域と営業区域の境界に設けた通気孔における風の向きに基づいて集塵機を効率良く運転して、工事区域内の粉塵を除去すると共に、浮遊する粉塵の営業区域への流出を確実に防いで、営業活動に支障がないようにすることができる等の効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る粉塵流出防止システムの構成図である。
【図2】 上記粉塵流出防止システムの動作を説明するフローチャートである。
【図3】 他の実施の形態を示す粉塵流出防止システムの構成図である。
【符号の説明】
A1…工事区域、A2…営業区域、A3…外部又は他の営業区域、1a,1b…境界、2…通気孔、3…風向測定手段、5…粉塵濃度測定手段、6…集塵機。
Claims (3)
- 建物の一部で行われているリニューアル工事のための工事区域と工事期間中も営業が続けられている工事区域外との境界に通気孔を設け、当該通気孔を流れる風の有無および風向を測定する風向測定手段と、工事区域内の粉塵濃度を検出する粉塵濃度測定手段と、工事区域内の粉塵を吸引除去して工事区域外に排気する複数台の集塵機とを設け、風向計による検出結果と粉塵濃度測定手段による測定値とに基づいて集塵機の稼動台数を制御する制御盤を設け、当該制御盤によって、通気孔を流れる風が外向きのときには、全台数の集塵機を稼動させ、通気孔に外向きの風が流れていないときには、工事区域内の粉塵濃度の測定を行い、測定値が管理値以上であれば全台数の集塵機を稼動させ、管理値未満であれば、必要最少台数の集塵機を稼動させることにより、工事区域内を負圧にして、粉塵が工事区域から工事区域外に流出しないように構成したことを特徴とする粉塵流出防止システム。
- 風向測定手段が通気孔に付設した風向計によって構成されている請求項1に記載の粉塵流出防止システム。
- 風向測定手段が工事区域内外の気圧差を検出する圧力測定装置によって構成されている請求項1に記載の粉塵流出防止システム。
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