JP6378551B2 - 非常時用空調システム - Google Patents

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Description

原子力災害対策特別処置法では、原子力防災対策として原子力事業所付近へ、緊急事態応急対策拠点施設(オフサイトセンター)の設置に関する要件、また、該緊急事態応急対策拠点施設が使用できない事態に備えた代替オフサイトセンターの設置に関する要件などが定められている。
さらに、有事の際、要救護者や周辺地域住民の避難先を想定し、放射線防護機能が付加された一時避難施設が原子力事業所付近に設けられることもある。本発明では、有事の際の一時避難施設に、放射性物質によって汚染された空気が流入することを防止するための空調システムについて提案する。
原子力災害が生じた際の一時避難施設は、普段、空調機器を介しての室内循環、あるいは、屋外からの給気と屋外への排気が行われ、非常時は、放射性物質によって汚染された空気が施設内に流入しないように、HEPAフィルタや活性炭フィルタなど、放射性物質の捕集が可能なエアフィルタを内蔵した空調機を稼働させ、施設内への給気を行う必要がある。
エアフィルタに外気を通気し続けると、大気塵などがエアフィルタのろ材面に付着することでろ材面が目詰まりを起こしてしまうため、有事の際の一時避難施設に用いる空調機は、通常時に使用するものと非常時に使用するものとで分けて使用することが一般的である。非常時、施設内に放射性物質が付着した大気塵などが流入しないように、HEPAフィルタや活性炭フィルタなど、放射性物質の捕集が可能なエアフィルタを内蔵した非常時用空調機を、一時避難施設の外気取り入れ口に接続して該施設内に外気を取り入れ、さらに、該外気取り入れ口以外からの外気流入を防ぐために、該施設内を陽圧状態に保つ必要がある。
通常時と非常時にて使用する空調機を分類せず、本来非常時に使用する空調機を普段から使い続けた場合、非常時用空調機に内蔵されたエアフィルタが目詰まりを起こしたり、活性炭フィルタにガスが吸着されたりして、有事の際、放射性物質によって汚染された空気が一時避難施設内に流入したり、目詰まりを起こすことによって供給風量が減少し、室内の陽圧度が保てない恐れが出てくる。
そのため、非常時用空調機は、内蔵したHEPAフィルタや活性炭フィルタに大気塵や大気中の水分やガス成分などが付着しないように、通常時は通気させず、有事の際に一時避難施設の外気取り入れ口に接続することとなる。
特許文献1では、放射性物質を吸着する放射性ガスフィルタ、高性能フィルタ、ガス処理フィルタを含んだ放射性ガス除去装置について記載されている。該特許文献の明細書0125に記載のとおり、該放射性ガス除去装置は、緊急事態応急対策拠点施設(オフサイトセンター)への接続も想定されている。
しかしながら、放射性物質を吸着する放射性ガスフィルタ、高性能フィルタ、ガス処理フィルタを内蔵した該放射性ガス除去装置に関して、有事の際の一時避難施設への接続手法については想定されておらず、緊急性が要求される場面において、放射性ガス除去装置の設置作業は、大きな労力と時間が必要となることが予想される。
特許文献2では、常に室内空気を一定のレベルの清浄度に保つために、気圧センサーによってブロワ―を調整し、建物内を常時陽圧に保つ除菌清浄システムが提案されている。
特開2014-35286 WO2008/152706
有事の際、一時避難施設内に放射性物質によって汚染された空気が流入しないように、空調システムを迅速に非常時用に切り替え、一時避難施設内への空気の給気量と屋外への空気の排気量を調整し、該施設内を陽圧に保つ必要がある。
大気中に放射性物質が拡散した際、一時避難施設内へ放射性物質によって汚染された空気が流入しないように、空調機を非常時用に切り替える必要がある。有事の際、非常時用空調機を一時避難施設の外気取り入れ口に接続することは、大きな手間を要することが予想される。
また、非常時用空調機を一時避難施設の給気口に常時接続し、普段から通気し続けた場合、該空調機は、メンテナンス頻度が増えるとともに、該空調機に内蔵された放射性物質除去用のエアフィルタが、大気塵や大気中の水分、ガス成分などによって目詰まりを起こすことにより、有事の際、本来の目的である放射性物質の除去に支障をきたす恐れがある。
放射性物質が大気中に飛散した際、放射性キセノンや放射性クリプトン、放射性ヨウ素、放射性セシウムなどが、雲状の放射性プルームとして大気中を漂うこととなり、大気塵に付着した粒子状の放射性物質は、雨風の影響によって大気塵ごと地面に付着することとなる。
放射性物質のうち、固体、液体の物質はHEPAフィルタで、ガス状の物質は、ガス吸着性に富んだ活性炭、例えば非放射性のヨウ素、ヨウ化カリウムを添着させた活性炭などで、除去することが可能である。しかし、放射性キセノンや放射性クリプトンなど、半減期が短いものの、反応性に乏しい放射性希ガスは、ガス吸着性に富んだ活性炭では吸着しづらく、また、ガス状であるため、微小粒子の捕集が可能なHEPAフィルタによっても完全に除去することは困難である。
本発明では、有事の際に、非常時用空調機を一時避難施設の外気取り入れ口に設置する手間を省きつつ、通常時に使用する空調機器と、非常時に使用する空調機器の切り替えを瞬時に行うことによって、性質の異なる放射性物質が一時避難施設内への流入を防ぐことが可能な、一時避難施設における空調システムを提案する。
さらに、一時避難施設の経年劣化や地震などで施設内の密閉度が低下することを想定し、施設の開口部から屋外に飛散した放射性物質が流入することを防止する仕組みについても提案する。
本発明は、放射性物質から放出される放射線量と、放射性物質の種類を測定するモニタリングポスト、一時避難施設内の空調ダクトに内蔵された切り替えダンパ、例えば、通常時用空調機の給気口に設けられたダンパ、非常時空調機の給気口に設けられたダンパ、非常時用の排気口に設けられたダンパ、エアロック室内の給排気口に設けられたダンパ、並びに、通常時用空調機の送風機、非常時用空調機の送風機をすべて連動させることによって、外部環境に応じて、一時避難施設内を密閉して屋外の空気を取り入れない状態、有事の際の一時避難施設内を陽圧に保ちながら、放射性物質除去用エアフィルタを内蔵した非常時用空調機を介して施設内に外気を取り入れる状態、有事の際の一時避難施設内を密閉せずに給排気を行う通常時の状態、の3つの空調システムの切り替えを可能とすることで、性質の異なる様々な放射性物質が、一時避難施設内に流入しないようにする。
加えて、一時避難施設の外気取り入れ口以外から、放射性物質が付着した大気塵が該施設内へ流入することを防ぐために、一時避難施設内の陽圧状態を保つ必要がある。建物の経年劣化に係る密閉度の低下や、地震などの外的要因によって、施設内の開口部が拡大し、設定された陽圧度を保てなくなった場合は、施設内外の差圧を自動検知し、外気導入風量を自動的に増加させることによって、施設内の陽圧状態を維持する。
ここで、モニタリングポストとは、空気中の放射線を常時監視し続けている、原子力事業所周辺に設置された測定地点である。
本発明における第1の発明は、一時避難施設内へ放射性物質が流入することを防ぐために、該施設周辺に設けられたモニタリングポストにて測定された情報に基づき、施設内を密閉して屋外からの外気の給気、並びに、屋外への排気を一切行わないようにすることで屋外に飛散している放射性物質を施設内に流入させない状態、該施設内を密閉して給排気口を限定することによって該施設内を陽圧に保つ状態、該施設内を密閉せずに空調機を介して給排気を行う状態、の3つの状態を同一の施設内において、屋外での放射性物質の飛散状況に応じて切り替え可能とした空調システムである。
本発明における第2の発明は、大気中の放射線量を測定するモニタリングポスト、通常時用空調機の給気口ダンパ、非常時空調機の給気口ダンパ、非常時用の排気口ダンパ、エアロック室内の給排気口ダンパ、通常時用送風機、非常時用送風機のすべてを連動させることによって、同一の施設であるにも関わらず、有事の際の一時避難施設内の空調システムの切り替えを可能としたものである。
本発明における第3の発明は、大気中の放射線量と種類を測定するモニタリングポストからの情報に基づき、反応性の乏しい放射性希ガスを一時避難施設内に流入させないために、施設内の給排気口のダンパを閉鎖し、さらに、施設内への外気の出入りを行わないものである。
本発明における第4の発明は、大気中の放射線量と種類を測定するモニタリングポストからの情報に基づき、一時避難施設付近に放射性希ガスの飛散を確認したならば、該施設内の空調を室内循環に切り替え、外気を取り入れないようにすることによって、施設内への放射性物質の流入を防ぐものである。
本発明における第5の発明は、大気中の放射線量を測定するモニタリングポストからの情報に基づき、有事の際の一時避難施設周辺で放射性希ガスの飛散がないことを確認できたなら、地上に降り注いで地面に沈着した放射性物質を該施設内に流入させないために、非常時用空調機を稼働させ、該空調機を経由して施設内に外気の取り入れを行うものである。
本発明における第6の発明は、有事の際の一時避難施設に設置された非常時用空調機には、大気塵に付着した放射性セシウムや放射性ヨウ素などの放射性物質を該施設内に流入させないために、少なくとも放射性物質除去用活性炭フィルタとHEPAフィルタの2種類のエアフィルタが内蔵するものである。
本発明における第7の発明は、該非常時用空調機を稼動時、一時避難施設における外気取り入れ口以外から外気を流入させないために、該非常時用空調機は、該施設内と屋外との気圧差を、30Pa以上150Pa以下の陽圧状態に保つだけの風量を施設内に供給するものである。
本発明における第8の発明は、施設内の陽圧度が規定範囲より低下することを防ぐために、施設内外の圧力差をデジタル信号に変換し、該非常時用空調機の送風機をインバーターにて制御することによって、施設内の陽圧度が規定範囲より低下した場合は、その変動を自動的に探知して外気導入量を増加させることによって、施設内の陽圧度を常に一定の範囲内に保つことができるものである。
以下、本システムにおける各稼働フロー、並びに空調システムの切り替えについて説明する。
本発明における空調システムを設けた一時避難施設1は、該施設の周辺に点在するモニタリングポスト11と連動させることにより、同一の施設において、屋外での放射性物質の飛散状況に応じ、空調システムの仕様を変更することが可能である。
屋外での放射性物質の飛散が見受けられない場合、有事の際の一時避難施設1内では、通常時用空調機3を介して施設内への外気の取り入れ、屋外への排気が行われ、一時避難施設1に設置されたエアロック室5が作動することはなく、また、非常時用空調機4からは、一時避難施設1内に外気が取り入れられることはない。なお、本発明での非常時用空調機4とは、大気中に放射性物質が飛散した際に施設内へ外気を供給する空調機を指し、少なくとも、放射性物質除去用活性炭フィルタ10とHEPAフィルタ9を内蔵しているものとする。
また、本発明におけるエアロック室とは、気圧制御がされた3室構造の装置であり、非常時用空調機4が稼動時、有事の際の一時避難施設1内への人の出入りは、エアロック室を経由して行われるものとする。
有事の際に大気中へ放射性物質が飛散し、モニタリングポスト11にて気体状の放射性物質である放射性希ガスの存在を確認した場合、本発明の空調システムを設けた一時避難施設1は、モニタリングポスト11と連動しているため、直ちに該施設内における空調機の外気取り入れ口に設けられた全切り替えダンパ7、並びに、排気口の全切り替えダンパ7は封鎖され、施設内への外気の取り入れ、排気が停止される。気体状の放射性物質である放射性希ガスが、一時避難施設1付近を通りすぎたことをモニタリングポスト11によって確認できるまで、該施設内の密閉状態は保たれることとなる。本発明にて用いられるダンパとは、空調機器のダクト内に設けられた空気流量の制御弁であり、ダクトの閉鎖が可能であれば、その形状などは特に限定されるものではない。
また、屋外の放射性希ガスの飛散範囲が広大である場合は、施設内の空調を室内循環に切り替えて、施設内での冷暖房機能を継続しつつ、一時避難施設内に外気が取り入れられないようにすることも可能である。
この一連の空調システムの切り替え動作は、自動であっても、手動であっても特に限定されるものではない。
自動にて空調システムの切り替えが行われる場合は、モニタリングポスト11にて、自然界には存在しない放射性希ガスの浮遊を確認したらならば、直ちに該当情報が一時避難施設1に送信され、一時避難施設1内における、外気取り入れ口に設けられたすべての切り替えダンパ7が閉鎖される。そして、施設内への外気取り入れの停止、もしくは、空調の室内循環への切り替えが行われるように、あらかじめ設定しておく。
手動にて空調システムの切り替えが行われる場合は、モニタリングポスト11にて、自然界には存在しない放射性希ガスの浮遊を確認したらならば、直ちに該当情報が一時避難施設1に送信され、空調機切り替えスイッチ6を押すことによって、一時避難施設1内における、外気取り入れ口に設けられたすべての切り替えダンパの閉鎖、並びに、施設内への外気取り入れの停止、もしくは、空調の室内循環への切り替えを行う。
大気中に放射性物質が飛散し、大気塵に付着した放射性物質が一時避難施設1内に入り込むことを防ぐために、モニタリングポスト11を通じて該一時避難施設1付近を放射性希ガスが通過したことを確認後、該施設内で稼働する送風機、並びに非常時用空調機4と非常時用排気口2の切り替えダンパ7の開放を行うことによって、該施設内への外気取り入れは、非常時用空調機4を通じてのみ行われ、該施設からの排気は、非常時用排気口2からのみ行われる。また、非常時用空調機4が起動時、一時避難施設1内への人の出入りは、気密性を保つためにエアロック処理が施されたエアロック室5からのみである。
非常時用空調機4に内蔵された送風機は、有事の際の一時避難施設1内が陽圧状態となるように事前に風量調整が設定されている。放射性物質が付着した大気塵が有事の際の一時避難施設1内へ流入しないように、該一時避難施設1内の気圧が30Pa〜150Paの範囲にて陽圧状態が維持される。
また、建物の経年劣化に係る密閉度の低下や、地震などの外的要因によって、施設内の開口部が拡大し、設定された陽圧度を保てなくなった場合、自動的に外気導入風量を増加させることによって、施設内の陽圧度を一定範囲内に保つ。
具体的には、施設内外の圧力差をデジタル信号に変換し、該非常時用空調機の送風機をインバーターにて制御することで、施設内の陽圧度が30Pa〜150Paの規定範囲より低下した場合は、屋外との気圧差を自動的に探知して外気導入量を増加させることによって、施設内の陽圧度を常に一定範囲内に保つことができる。
非常時用空調機4が起動時、一時避難施設1内への給気は該空調機を介してのみ行われることとなる。該施設内へ放射性物質が付着した大気塵を流入させないために、該非常用空調機4は、少なくとも放射性物質除去用活性炭フィルタ10、HEPAフィルタ9を内蔵している。放射性物質除去用活性炭フィルタ10、並びにHEPAフィルタ9の形状は特に限定されるものではない。また、必要に応じて、放射性物質除去用活性炭フィルタ10、HEPAフィルタ9の前処理として、プレフィルタ、中高性能フィルタなどを設置してもよい。
モニタリングポスト11からの情報に基づき、放射性希ガスへの対応、そして、非常時用空調機4を稼働させて一時避難施設1内に給気処理を行うまでの一連の動作は連続して行われる。
モニタリングポスト11にて測定された結果を受け、本発明における空調システムを手動で切り替えるとしても、事前に設定された放射性物質の種類に基づき、有事の際の一時避難施設1内の空調システムが自動で切り替えられるとしても、本発明の趣旨は変更されるものではない。
本発明の効果として、大気中の放射線量を測定するモニタリングポスト11と一時避難施設1内の空調機器を連動させることによって、有事の際に大気中に拡散した放射性物質が、一時避難施設1内への流入を防ぐことができ、また、大きな労力と時間を要することなく、通常時と非常時の空調システムの迅速な切り替えが可能となる。
本発明における通常時用空調機3と非常時用空調機4は、常に一時避難施設1に接続されている状態であり、モニタリングポストでの測定結果に基づいて、稼働する空調機が切り替わるため、有事の際に一時避難施設1に放射性物質除去用の空調機器やエアフィルタを改めて設置する必要はない。
多孔質性をもった活性炭や、微小粒子の捕集が可能なHEPAフィルタなどでは捕集が困難な放射性希ガスが、一時避難施設1付近に接近した場合、モニタリングポスト11にて放射性希ガスを測定後直ちに、一時避難施設1における通常時用空調機3、非常時用空調機4、並びに、非常時用排気口2における切り替えダンパ7を閉鎖し、外気を施設内に取り入れないようにすることで、放射性希ガスが一時避難施設1内に流入しないようにすることが可能である。
放射性希ガスが一時避難施設1付近を通過後は、少なくとも放射性物質除去用活性炭10とHEPAフィルタ9の2種類のフィルタを内蔵した非常時用空調機4を介して施設内に外気を取り入れることによって、大気塵に付着した放射性物質が一時避難施設1内に流入しない状況を作り出すことができる。
非常時用空調機が稼働時、施設内を陽圧状態に保つため、一時施設における外気取り入れ口以外の開口部から外気が取り入れられることはないので、施設内への放射性物質の流入を防ぐことができる。
また、通常時、一時避難施設1に設置された非常時用空調機4は稼働しておらず、内蔵された放射性物質除去用活性炭フィルタ10、HEPAフィルタ9へ通気されることはないので、非常時にフィルタの目詰まりなどによって本来の性能を発揮できない事態を避けることができ、また、空調機のメンテナンス頻度を抑えることができる。
一時避難施設1の概略図 モニタリングポストにて放射性希ガス探知後のシステムフロー例1 モニタリングポストにて放射性希ガス探知後のシステムフロー例2
以下本発明の実施例の一つを記載する。本発明の趣旨は、同一の一時避難施設において、屋外での放射性物質の飛散状況に応じて、一時避難施設内の空調システムを切り替えることにある。そのため、本発明における空調システムを構成する空調機器の組み合わせや、モニタリングポストに関する数値条件や感知対象の放射性物質の種類、あるいは、非常時用空調機に内蔵されたエアフィルタの組み合わせの変化によって、本発明の趣旨が変更されることはない。
通常時空調機3の切り替えダンパ7、非常時空調機4の切り替えダンパ7、非常時用排気口2の切り替えダンパ7、エアロック室5内の給排気口ダンパの開閉、有事の際の一時避難施設1内のエアロック室5、並びに、通常時用空調機3における送風機と非常時用空調機における送風機が、該施設付近に点在するモニタリングポストとシステムを通じて連動しており、一時避難施設1内に設けられた空調機切り替えスイッチ6を押すだけで、空調機の送風機を切り替え、該当ダンパの開閉が行われ、屋外の放射性物質の飛散状況に対応した空調システムに瞬時に切り替えられる。
該一時避難施設1の半径20km以内に点在する各モニタリングポスト11によって、該一時避難施設1の周辺にどの種類の放射性物質がどの程度飛散しているかの確認が絶えず行われている。モニタリングポスト11から異常が通知されない場合は、通常時用空調機3を介して該一時避難施設1内の給排気が行われる。
モニタリングポスト11と一時避難施設1は、本発明における空調システムを通じて連動しているため、モニタリングポスト11から通知される情報に基づいて、一時避難施設1の半径20km以内に、自然界には存在しない放射性希ガスの飛散が見受けられることが確認されたなら、その情報は直ちに一時避難施設1へ送信される。
反応性に乏しく、ガス状である放射性希ガスは、活性炭フィルタやHEPAフィルタによる捕集が困難であるため、一時避難施設1付近に放射性希ガスの接近が確認できたなら、あらかじめ設定された動作プログラムに基づいて、自動にて一時避難施設1内における全給気口に設けられた切り替えダンパ7と全排気口に設けられた切り替えダンパの閉鎖、並びに、外気の取り入れを行う空調機の停止が一斉に行われる。その結果、一時避難施設1内への外気の給気、屋外への排気は一切行われないこととなる。
モニタリングポスト11からの通知される情報に基づいて、大気中に浮遊する放射性希ガスが一時避難施設1周辺を通り過ぎたことが確認できたなら、大気塵に付着して地面に降り注いた恐れがある放射性物質が一時避難施設1内に流入することを防ぐために、 空調機切り替えスイッチ6を押して、非常時用空調機4に対応した外気取り入れ用の送風機を起動させ、非常時用空調機4を介して一時避難施設1内に外気を取り入れるように空調システムを切り替える。
この時、非常時用空調機4内の外気取り入れ用の送風機が起動することによって、非常時用空調機4を介して一時避難施設1内に外気が送り込まれることとなるが、非常時用空調機4が稼働時、一時避難施設1内の隙間から放射性物質が付着した大気塵の流入を防止するために、該施設1内は陽圧状態に保つ必要がある。そのため、該施設1内の空気の排気口を限定し、非常時用空調機4に対応した給気用送風機が起動する際、同時に非常時用排気口2のダンパの開放、並びに、非常時用空調機4と非常時用排気口2以外の空調機の切り替えダンパ7を閉鎖し、施設内へ供給する風量を調整することによって一時避難施設1内の陽圧状態を保つ。本実施例では、一時避難施設1内と屋外との気圧差が90Pa〜120Paの範囲内にある。
さらに、非常時用空調機4が稼働時、施設内外の圧力差をデジタル信号に変換し、該非常時用空調機4の送風機はインバーターにて制御されているため、施設内の陽圧度が90Pa〜120Paの規定範囲より低下した場合は、自動的に気圧差を探知して外気導入量を増加させることで、施設内の陽圧度を一定範囲内に保つ。
また、非常時用空調機4を通じて、有事の際の一時避難施設1内に外気が給気されている時、一時避難施設1内への人の出入りは、気圧差によって3室構造が形成されているエアロック室5に限定される。
非常時用空調機4に内蔵されるエアフィルタは、プレフィルタ8、HEPAフィルタ9、粒状の放射性ヨウ素除去用活性炭フィルタの順に、装置内のフィルタは3段構造である。
非常時用空調機4は、常に一時避難施設1に接続された状態にある。ただし、非常時用空調機4に対応した送風機が稼働するまでは、非常時用空調機4内に設けられた切り替えダンパ7は完全に閉鎖された状態にあり、一時避難施設1内を密閉して外気を取り入れない状態、もしくは、通常時用空調機3が稼働して一時避難施設1内に給排気を行っている状態の時は、非常時用空調機4に通気されることはない。そのため、非常時用空調機4が急遽稼働することとなったとしても、該空調機内のエアフィルタが大気粉塵などの影響によって目詰まりを起こして、有事の際に放射性物質が捕集されない状況を回避することができる。
非常時用空調機4に内蔵されたプレフィルタ8は、材質や形状は特に限定されるものではないが、後段のHEPAフィルタ9、放射性ヨウ素除去用活性炭フィルタの早期目詰まりを回避するために、粉塵保持容量の高いガラス繊維製ろ材を用いる。
非常時用空調機4内において、プレフィルタ8の後段にはHEPAフィルタ9が設置される。非常時用空調機4を介して一時避難施設1内に外気が取り入れられることとなるが、放射性セシウムなどの放射性物質が付着した微小な大気塵は、微小粒子の捕集が可能なHEPAフィルタ9によって放射性物質とともに捕集されることとなる。
非常時用空調機4内において、HEPAフィルタ9の後段には、放射性物質除去用活性炭フィルタ10として、放射性ヨウ素除去用活性炭フィルタが設置される。放射性ヨウ素除去用活性炭フィルタの形状は、放射性ヨウ素の吸着量を踏まえ、トレイ状の容器に粒状の放射性ヨウ素除去用活性炭を充填したユニットをジグザグ状に設置した箱型のものを用いる。
通常と非常時で、空調システムの仕様を変更せざるを得ない一時避難施設において、有事の際に空調機器の取り換え作業を必要としないので、既存の建設物に対して広く活用することが期待できる。
1・・・一時避難施設 2・・・非常時用排気口
3・・・通常時用空調機 4・・・非常時用空調機
5・・・エアロック室 6・・・空調機切り替えスイッチ
7・・・切り替えダンパ 8・・・プレフィルタ
9・・・HEPAフィルタ 10・・・放射性物質除去用活性炭フィルタ
11・・・モニタリングポスト 12・・・室内空気循環時の空気取り入れ口







Claims (7)

  1. 大気中の放射線量を測定するモニタリングポスト、通常時用空調機の給気口ダンパ、非常時用空調機の給気口ダンパ、非常時用排気口ダンパ、エアロック室内の給排気口ダンパ、通常時用空調機の送風機、非常時用空調機の送風機、がすべて連動しており、
    通常時用空調機、非常時用空調機、通常時用空調機の給気口ダンパ、非常時用空調機の給気口ダンパ、非常時用排気口ダンパ、エアロック室内の給排気口ダンパ、通常時用空調機の送風機、非常時用空調機の送風機、を有する同一の施設において、
    施設内を密閉して屋外からの給気、並びに屋外への排気を行わない状態、
    施設内を密閉しつつ非常時用空調機と非常時用排気口を介してのみ給排気を行い、施設内を陽圧に保つ状態、
    施設内を密閉せずに通常時用空調機にて屋外からの給気、並びに、屋外への排気を行う状態、
    の切り替えが、屋外での放射性物質の飛散状況に応じて可能であることを特徴とした空調システム。
  2. 大気中の放射線量を測定するモニタリングポストにて放射性希ガスの飛散を確認した際は、施設内の通常時用空調機、非常時用空調機における、外気取り入れを行う給気口の全切り替えダンパ、並びに、屋外へ室内空気を排出する排気口の全切り替えダンパを封鎖し、施設内の密閉状態を保ち、施設内への外気の給気、屋外への排気を停止させることを特徴とした請求項1に記載の空調システム。
  3. 大気中の放射線量を測定するモニタリングポストにて放射性希ガスの飛散が確認された場合、施設内の空調を室内循環に切り替えて、施設内に外気を取り入れないことを特徴とした請求項1に記載の空調システム。
  4. 大気中の放射線量を測定するモニタリングポストでの測定結果に基づき、施設周辺での放射性希ガスの飛散がないことが確認できたなら、非常時用空調機を稼働させて施設内への給気を行うことを特徴とした請求項1〜3のいずれか1項に記載の空調システム。
  5. 施設内へ給気するための非常時用空調機には、少なくとも、放射性物質除去用活性炭フィルタ、HEPAフィルタの2種類のエアフィルタが内蔵されていることを特徴とした請求項4の空調システム。
  6. 非常時用空調機が稼働時、施設内を陽圧状態に保つことを特徴とした請求項1、4、5、のいずれか1項に記載の空調システム。
  7. 施設内外の圧力差をデジタル信号に変換し、該非常時用空調機の送風機をインバーターにて制御することで、施設内の陽圧度が規定値より低下した際、差圧の変動を探知して外気導入量を自動で増加させ、施設内の陽圧度を一定範囲内に保つことを特徴とした請求項6の空調システム。
JP2014128804A 2014-06-24 2014-06-24 非常時用空調システム Active JP6378551B2 (ja)

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