JP2008007651A - 帯電防止ハードコート用組成物 - Google Patents

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JP2008007651A JP2006180427A JP2006180427A JP2008007651A JP 2008007651 A JP2008007651 A JP 2008007651A JP 2006180427 A JP2006180427 A JP 2006180427A JP 2006180427 A JP2006180427 A JP 2006180427A JP 2008007651 A JP2008007651 A JP 2008007651A
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Masanori Masuda
雅憲 増田
Katsumi Onoe
勝美 尾上
Kenji Yonezawa
健司 米澤
Tamotsu Higuchi
保 樋口
Masakazu Kobayashi
正和 小林
Yasunobu Kato
康伸 加藤
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Toyo Cloth Co Ltd
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Osaka Printing Ink Manufacturing Co Ltd
Toyo Cloth Co Ltd
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Abstract

【課題】
最初の帯電ハードコートは硬度や表面抵抗は良好であるが、導電性微粒子を多く使われなければならずコストが高くついたり、透明性が低下したりするという問題点があったり、後者の表面を低表面エネルギー化した表面処理基体は汚れ防止は良好であるが、表面保護膜の上に導電層を形成するため二層になり経済的に有利な方法ではなかった。
本発明は、上記課題を解決するため、優れた帯電防止性能と硬度を同時に満たし、さらに耐溶剤性、積層時の干渉縞防止に優れた帯電防止ハードコート用組成物、それを用いた帯電防止ハードコートとその製造方法、さらには帯電防止ハードコート積層体を提供することを目的とする。
【解決手段】
水酸基含有アクリル樹脂(A)、導電性樹脂(B)、シリコーン変性アクリル樹脂(C)、ポリイソシアネート(D)、及び樹脂ビーズ(E)からなることを特徴とする帯電防止ハードコート用組成物である。

Description

(発明の詳細な説明)
(発明の属する技術分野)
本発明は、帯電防止ハードコート用組成物、帯電防止ハードコート、その製造方法、及び帯電防止ハードコート積層体、さらに詳しくは、画像表示装置等に好適に用いられる、優れた帯電防止性能を有しかつ積層時のぎらつきのない帯電防止ハードコート用組成物、それを用いた帯電防止ハードコート、その製造方法及び帯電防止ハードコート積層体に関する。
従来の技術
現在、テレビ、コンピューターのモニター以外に、車載カーナビゲーション、携帯電話、モバイルコンピューター等非常に多くの用途に画像表示装置は用いられているが、この画面表示部では、上層にUV(紫外線)や熱でアクリル材料等を硬化させたハードコート層を設け、下層(裏面)に粘着剤層を設けてなるプラスチックシート基材を、上記画像表示部に接着している場合が多い。このような硬化皮膜であるハードコート層によって、プラスチック基材単独ではB以下の鉛筆硬度(JIS K6894)しかない材料が、3H以上の表面硬度を発現することが出来る。
しかしながら、これら画像表示部表面では、一般に帯電しやすく、それに伴う汚れ付着によって画面情報が認識し難くなる。また、モバイルとして、室外で利用するケースが増加しているため、ほこりが付着し易くなるのに加え、表示画面へ外光が反射して写り、画面情報の視認性が低下する場合が多い。
これらの問題を解決するために、最近、多官能アクリレート、ATO及び/又はITOなどの粒径が10〜30nmの導電性微粒子と、シリコン系化合物からなる帯電防止ハードコート用組成物を塗布硬化した後、コロナ放電、プラズマ放電などの物理的処理により、表面の元素組成中に占めるSiの比率が、Si、C及びOの合計量に対して10〜35原子%であるように調整した帯電防止ハードコート(例えば、特許文献1)、表面保護膜の上に表面を撥水性や撥油性の機能を有する機能基及び反応基を分子中に含む化合物で被覆して反応活性エネルギー線の照射により被覆層を形成した表面を低表面エネルギー化した表面処理基体(例えば、特許文献2)が提案されている。
特開2002−3751号公報 特開平7−254169号公報
しかしながら、最初の帯電防止ハードコートは硬度や表面抵抗は良好であるが、導電性微粒子を多く使わなければならずコストが高くついたり、透明性が低下したりするという問題点があったり、後者の表面を低表面エネルギー化した表面処理基体は汚れ防止は良好であるが、表面保護膜の上に導電層を形成するため二層になり経済的に有利な方法ではなかった。
本発明は、上記課題を解決するため、優れた帯電防止性能と硬度を同時に満たし、さらに耐溶剤性、積層時の干渉縞防止に優れた帯電防止ハードコート用組成物、それを用いた帯電防止ハードコートとその製造方法、さらには帯電防止ハードコート積層体を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題に鑑み、鋭意研究を重ねた結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、
(1)水酸基含有アクリル樹脂(A)、導電性樹脂(B)、シリコーン変性アクリル樹脂(C)、ポリイソシアネート(D)、及び樹脂ビーズ(E)からなることを特徴とする帯電防止ハードコート用組成物;
(2)上記の帯電防止ハードコート用組成物を硬化させて形成され、表面電気抵抗値が25℃、60%R.H.で1011Ω/sq.以下の表面電気抵抗値を有することを特徴とする帯電防止ハードコート;
(3)基材シート上に、上記(2)の帯電防止ハードコートが形成されてなる帯電防止ハードコート積層体;
(4)上記の帯電防止ハードコート用組成物を基材シートに塗布し、乾燥、硬化させて形成される帯電防止ハードコートに、コロナ放電処理によって硬化物表面を浸食する表面処理を行うことを特徴とする帯電防止ハードコートの製造方法
である。
本発明の帯電防止ハードコート組成物で得られた帯電防止ハードコートは下記の効果を奏する。
1.表面電気抵抗値が25℃、60%R.H.で1010Ω/sq.以下、23℃、38%R.H.で1011〜1012Ω/sq.であると共に、鉛筆硬度は2H以上である。
2.積層シートに干渉縞がみられない。
3.耐溶剤性が良好である。
以下、本発明について詳細に説明する。
1.水酸基含有アクリル樹脂(A)
水酸基を含有するアクリル樹脂であり、水酸基含有ラジカル重合性単量体とその他のラジカル重合性単量体からなる単量体組成物の共重合によって得られる重合体である。上記水酸基含有ラジカル重合性単量体としては特に限定されず、例えば、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−4−ヒドロキシブチル、プラクセルFM−1(商品名、ダイセル化学工業社製)、プラクセルFA−1(商品名、ダイセル化学工業社製)等を挙げることができる。上記その他のラジカル重合性単量体としては特に限定されず、例えば、スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸−n、i及びt−ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸ラウリル等のアクリル酸エステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸−n、i及びt−ブチル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル等のメタクリル酸エステル類;アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド類等を挙げることができる。上記水酸基含有アクリル樹脂(A)は、上記単量体を使用した通常の重合反応によって得られる。
上記水酸基含有アクリル樹脂(A)の水酸基価としては、下限20、上限200の範囲内であることが好ましい。200を超えるとハードコートの耐水性が低下し、20未満であるとハードコートの硬化性が低下し、硬度も不十分になる。上記下限は、30がより好ましく、上記上限は、150がより好ましい。
更に、上記水酸基含有アクリル樹脂(A)の重量平均分子量は、下限10,000、上限100,000の範囲内であることが好ましい。上記重量平均分子量が100,00未満であると耐溶剤性が不十分となることがあり、20,000を超えると粘度が高くなりコーティング時の作業性が悪くなる。上記下限は、12,000がより好ましく、上記上限は、30,000がより好ましい。なお、本明細書では、重量平均分子量はスチレンポリマーを標準とするGPC法により決定されるものである。
2.導電性樹脂(B)
導電性樹脂としては、第4級アンモニウム塩、第3級スルホニウム塩、第4級ホスホニウム塩、第3級オキソニウム塩、アルキルピリジニウム塩等のオニウム塩から選ばれる塩基を含むオニウム塩型導電性樹脂が好ましい。特に好ましいのは、第4級アンモニウム塩基を含む導電性樹脂である。これらの塩基(カチオン性基)のアニオン性対イオンには、非ハロゲン系アニオン、例えばアルキル(C1〜4)サルフェート(メトサルフェート、エトサルフェートなど)、ジアルキル(C1〜4)ホスフェート(ジメチルホスフェートなど)、ナイトレート、フィチネート、アルキル(C1〜4)カーボネート(メチルカーボネートなど)、及びアルキルもしくは(アルキル)アリール(C1〜8)スルホネート(トシレートなど);並びにハライド、例えばクロライド及びブロマイドが含まれる。好ましいのは非ハロゲン系アニオン、とくにアルキルサルフェート(メトサルフェート、エトサルフェート)である。
第4級アンモニウム基としては、具体的には例えば、アルキル及び/又はアルケニル基を有する炭素数4〜30又はそれ以上の脂肪族系第4級アンモニウム基(テトラメチルアンモニウム、エチルトリメチルアンモニウム、ジエチルジメチルアンモニウム、トリエチルメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、トリメチルプロピルアンモニウム、テトラプロピルアンモニウム、ブチルトリメチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム等);炭素数6〜30又はそれ以上の芳香族第4級アンモニウム基(トリメチルフェニルアンモニウム、トリエチルフェニルアンモニウム等);炭素数3〜30又はそれ以上の複素環式第4級アンモニウム(N−エチル−N−メチルピロリジニウム、N,N−ジエチルピロリジニウム、N,N−ジメチルモルホリニウム、N,N−ジエチルモルホリニウム、N,N−ジメチルピペリジニウム等);炭素数3〜30又はそれ以上のイミダゾリニウム(1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム等);炭素数3〜30又はそれ以上のイミダゾリウム基(1,3−ジメチルイミダゾリウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、N,N’−ジエチルベンゾイミダゾリウム等);炭素数4〜30又はそれ以上のテトラヒドロピリミジニウム基(1,3−ジメチルテトラヒドロピリジニウム、1,2,3−トリメチルテトラヒドロピリジニウム、4−ヒドロキシメチル−1,3−ジメチルテトラヒドロピリミジニウム等);炭素数4〜30又はそれ以上のジヒドロピリミジニウム基(1,3−ジメチル−2,4−もしくは−2,6−ジヒドロピリミジニウム等);炭素数3〜30又はそれ以上のイミダゾリニウム骨格を有するグアニジウム(2−ジメチルアミノ−1,3,4−トリメチルイミダゾリニウム、2−ジエチルアミノ−1,3,4−トリメチルイミダゾリニウム等);炭素数3〜30又はそれ以上のイミダゾリウム骨格を有するグアニジウム(2−ジメチルアミノ−1,3,4−トリメチルイミダゾリウム等);炭素数4〜30又はそれ以上のテトラヒドロピリミジニウム骨格を有するグアニジウム(2−ジメチルアミノ−1,3,4−トリメチルテトラヒドロピリミジニウム等);炭素数4〜30又はそれ以上のジヒドロピリミジニウム骨格を有するグアニジウム(2−ジメチルアミノ−1,3,4−トリメチル−2,4(6)−ジヒドロピリミジニウム等)が挙げられる。
オニウム基を高分子に導入する方法は、例えば高分子のカルボキシル基及び/又はスルホン酸基のプロトンを前記オニウム基により置換する方法や、側鎖にオニウム基を有する重合性の二重結合を有する単量体を重合する方法が挙げられる。好ましくは後者である。
後者の方法を説明する。例えば、側鎖にカチオン型の第4級アンモニウム塩基を有する重合性の二重結合を有する単官能ビニル単量体としては、例えばジメチルアミノエチルアクリレート4級化物、ジメチルアミノエチルメタクリレート4級化物、ジエチルアミノエチルアクリレート4級化物、ジエチルアミノエチルメタクリレート4級化物、メチルエチルアミノエチルアクリレート4級化物、メチルエチルアミノエチルメタクリレート4級化物、ジメチルアミノスチレン4級化物、メチルエチルアミノスチレン4級化物等が挙げられ、これらはその1種若しくは2種類以上を使用することができる。好ましいのはジメチルアミノエチルメタクリレート4級化物、とくにメタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム・メトサルフェートである。この単量体を単独で重合またはその他の単量体と共重合する。共重合可能なその他の重合性ビニル単量体としては、水酸基含有アクリル樹脂(A)で挙げられたものと同じもの、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル等のアクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル等のメタクリル酸アルキルエステル、スチレン、ビニルトルエン等のスチレン系単量体、酢酸ビニル等のビニルエステル、アクリルアミド等のアミド系単量体が挙げらる。また、この場合にも、水酸基含有ビニル単量体を共重合すれば導電性樹脂が水酸基を含有することになるので、本発明のハードコートを形成する場合にポリイソシアネートと反応して架橋するので、耐溶剤性を向上させるので好ましい。水酸基含有ビニル単量体としては、前記(A)で挙げられたものと同じものが使用できる。
導電性樹脂(B)における側鎖にカチオン型の第4級アンモニウム塩基を有するビニル単量体と、その他の単量体との共重合割合(重量比)は、単量体の種類や要求性能に応じて広範囲(例えば1/2〜1/10)にわたり変えることができるが、1/2〜1/5が好ましい。また、水酸基含有ビニル単量体の量は任意でよい。重合法等は従来公知の方法でよい。
導電性樹脂(B)の重量平均分子量は、1万以上(とくに2万以上)、10万以下(とくに8万以下)であることが好ましい。上記重量平均分子量が1万未満であると耐溶剤性が不十分となることがある。10万を超えると、粘度が高くなりすぎ、コーティング時の作業性が悪くなる。
上記樹脂(B)としては、所定の(25℃、60%R.H.で1010Ω/sq.以下)表面電気抵抗値を有する帯電防止ハードコートを与えるに充分な導電性を有するものが用いられるが;(B)は、25℃、60%R.H.で、通常、PETフィルムに2μm dry塗布時で、10Ω/sq.以下(好ましくは9.0〜 2.5×107Ω/sq.)の表面抵抗率を有する。表面抵抗率は、例えば、三菱化学の抵抗率計シリーズ、ラインアップカタログに記載の、MCCメソッド、簡便法2を用いて、測定することができる。
樹脂(B)としては水酸基を有するものが好ましい。(B)が水酸基を有する場合、樹脂(A)は上記樹脂(B)の表面抵抗値よりも高い表面抵抗値を有する。
3.シリコーン変性アクリル樹脂(C)
上記樹脂(C)には、シリコーングラフトアクリル樹脂(C1)およびラダーシリコーンアクリル樹脂(C2)が含まれる。樹脂(C1)は、シリコーンがグラフトされたアクリル樹脂であり、例えば、シリコーンを含有する重合性単量体(シリコーンマクロモノマー)をその他の重合性単量体と共重合したものが挙げられる。樹脂(C2)は、主鎖がアクリルで、梯子の段に当るところがシリコーンで構成される樹脂であり、上記(C1)のグラフトに代えて(もしくはグラフトに加えて)シリコーンラダーを有する樹脂が挙げられる。
ここで、シリコーンマクロモノマー中のシリコーンの数平均分子量は好ましくは3,500〜50,000である。
共重合可能なその他の重合性ビニル単量体としては、水酸基含有アクリル樹脂(A)で挙げられたものと同じものが挙げられる。また、この場合にも、水酸基含有ビニル単量体を共重合すればシリコーン変性アクリル樹脂が水酸基を含有することになるので、本発明のハードコートを形成する場合にポリイソシアネートと反応して架橋するので、耐溶剤性を向上させるので好ましい。水酸基含有ビニル単量体としては、前記(A)で挙げられたものと同じものが使用できる。
シリコーン変性アクリル樹脂(C)における側鎖にシリコーンを持つマクロモノマーと、その他の単量体との共重合割合は、3/2〜1/9が好ましい。また、水酸基含有ビニル単量体の量は任意でよい。重合法等は従来公知の方法でよい。
シリコーン変性アクリル樹脂(C)の重量平均分子量は、下限10,000、上限30,000の範囲内であることが好ましい。上記重量平均分子量が100,00未満であると耐溶剤性、帯電防止性が不十分となることがあり、20,000を超えると粘度が高くなりコーティング時の作業性が悪くなったり、基板への密着性が落ちたりする。上記下限は、12,000がより好ましく、上記上限は、25,000がより好ましい。
樹脂(C)としては水酸基を有するものが好ましい。(C)が水酸基を有する場合、樹脂(A)はシリコーン変性されていないものである。
樹脂(C)には、樹脂(A)を部分的にシリコーン変性してその一部を(C)としたもの〔(A)と混在しているもの〕も含まれる。予めシリコーン変性してなる樹脂(C)を、(A)および他の成分と混合するのが好ましい。
4.ポリイソシアネート(D)
上記ポリイソシアネート(D)としては特に限定されず、2〜6価又はそれ以上のポリイソシアネートが用いられ、従来からポリウレタン製造に使用されているものが挙げられ具体的には次の(1)〜(5)が挙げられる。
(1)炭素数(NCO基中の炭素数を除く、以下同様)6〜20の芳香族ポリイソシアネート;
1,3−及び/又は1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−、2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、粗製TDI、2,4’−、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、粗製MDI、4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトジフェニルメタン、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4’,4”−トリフェニルメタントリイソシアネート、m−及びp−イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネート、ポリアリールポリイソシアネート(PAPI)等;
(2)炭素数2〜18の脂肪族ポリイソシアネート;
エチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、テトラメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート、2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)、ダイマー酸ジイソシアネート(DDI)等;
(3)炭素数4〜15の脂環式ポリイソシアネート;
イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H−MDI)、シクロヘキシレンジイソシアネート、水素化トリレンジイソシアネート(HTDI)、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボキシレート、2,5−及び/又は2,6−ノルボルナンジイソシアネート等;
(4)炭素数8〜15の芳香脂肪族ポリイソシアネート;
m−及び/又はp−キシリレンジイソシアネート(XDI)、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)等;
(5)上記ポリイソシアネートの変性物;
ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、ウレトジオン基、ウレトンイミン基、イソシアヌレート基、オキサゾリドン基含有変性物等;変性物の例としては、例えばポリイソシアネートのポリオール(低分子及び/又は高分子ポリオール、例えば2〜8価またはそれ以上の多価アルコール、ポリエーテルポリオール等、水酸基価28〜1830)アダクト体[NCO/OHのモル比は好ましくは1.01〜10/1、より好ましくは1.1〜5/1]、例えばトリメチロールプロパン1モルと前記のジイソシアネート3モルのアダクト体、ペンタエリスリトールと前記のジイソシアネート4モルのアダクト体等;上記ポリイソシアネートのイソシアヌレート(三量体、五量体)、前記のジイソシアネートのビューレット(三量体、五量体)等;
等が挙げられる。
これらは2種以上の併用してもよい。
これらのうち好ましいものは非芳香族系のもの(2)〜(4)およびそれらの変性物である。より好ましいものは(2)および(3)、とくにHDIおよびXDIならびにそれらの変性物である。
ポリイソシアネート(D)の配合比は、目的および硬化条件に応じて広範囲に変えることができる。
(D)のイソシアネート基(NCO)と、活性水素原子含有基(水酸基など)を有する成分中の活性水素原子含有基(とくに水酸基)〔上記水酸基含有アクリル樹脂(A)の他に、シリコン変性アクリル樹脂(C)、さらには導電性樹脂(B)も水酸基を有する場合には、それらの水酸基の合計〕との当量比は、下限1.0、上限4.0の範囲内となるように構成するのが好ましい。上記含有量が下限を下回ると硬化性が不十分となり耐溶剤性が不良になり、上限を上回ると硬化したハードコート膜が堅くなりすぎ脆くなる。上記下限は、2.0がより好ましく、上記上限は、3.0がより好ましい。
5. 樹脂ビーズ(E)
樹脂ビーズとしては、とくに限定されないが、ポリウレタン系(架橋タイプおよび熱可塑性タイプ)、アクリル系〔架橋タイプおよび熱可塑性タイプの、(メタ)アクリル酸エステル系、ポリアクリロニトリル系など〕、アクリルウレタン架橋系、ポリメタクリル酸メチル被覆系、ポリスチレン系、シリコーン系、ベンゾグアナミン系、メラミン系等がある。これらのうち、好ましいのは、架橋タイプのもの(とくにアクリル系、架橋ウレタン系)、及び縮重合タイプのもの(とくにベンゾグアナミン系、メラミン系、シリコーン系)である。透明で、硬度があり、耐溶剤性の優れたものが使用できる。これらは二種以上併用してもよい。これらの樹脂ビーズとしては、市販の樹脂ビーズが使用でき、例えばシリコーン系としては「トスパール3120」〔GE東芝シリコーン株式会社製〕、ベンゾグアナミン系としては「エポスターMA1013」〔株式会社日本触媒製〕が挙げられる。
ビーズの粒子径(体積平均粒子径)は通常3〜20、好ましくは5〜15μmである。粒子径がこの範囲内であると本発明のハードコートを積層した場合における干渉縞が防止できる。ビーズの粒子径は、例えば日機装株式会社製のマイクロトラックHRA粒度分布計を用いて測定することができる。
また、ビーズの形状はとくに制限されるものではないが、光の乱反射を起こさず、全体として印刷物が白っぽく見えることが無い点で、球状ないし真球状が好ましい。粒子の形状は電子顕微鏡もしくは光学顕微鏡での観察で球状に見えれば充分である。真球状粒子のWadellの実用球状度は、好ましくは0.80〜0.98、とくに0.90〜0.97である。Wadellの実用球状度とは、(粒子の投影面積に等しい円の直径)÷(粒子の投影像に外接する最小円の直径)で表される値であり、粒子を電子顕微鏡観察することで測定できる。
本発明の帯電防止ハードコート組成物は、上記(A)〜(E)からなる。それらの含有割合は、水酸基含有アクリル樹脂(A)100部に対して、導電性樹脂(B)20〜80部(とくに30〜70部)、シリコーン変性アクリル樹脂(C)40〜100部(とくに50〜90部)、樹脂ビーズ(E)1〜10部(とくに2〜8部)であるのが好ましい。〔上記および以下において、部は重量部を表す。〕(B)が20部未満であると充分な導電性が得られず、80部を超えると架橋密度が低下して耐水性や耐アルコール性が低下し、また大抵の場合、相溶性や透明度の低下をもたらすので、好ましくない。(C)が20部未満であると滑性の低下が起こり、且つコロナ処理を施した際の導電性が不充分となり、80部を超えると基材に対する密着性が低下するので、好ましくない。(E)が1部未満であると干渉縞防止効果が不充分となり、10部を超えると光の散乱が強すぎて全体が白化し透明性が低下するので、好ましくない。
その他の成分として、本発明の帯電防止ハードコート用組成物には、硬化前の組成物の粘度を調整するために、希釈溶媒を用いてもよい。これらは、非重合性のものであれば特に限定されず、例えば、ケトン系溶剤、例えばメチルエチルケトン(MEK);芳香族系溶剤、例えばトルエン、キシレン;エステル系溶剤、例えば酢酸エチル、酢酸ブチル;エーテル系溶剤、例えばセロソルブ類(メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、エチルセルソルブアセテート等)、プロピレングリコールモノメチルエーテル;アルコール系溶剤、例えばイソプロピルアルコール(IPA)、メタノール、エタノール、ジアセトンアルコール等が挙げられる。これらは、単独で使用されてもよいし、2種類以上併用されてもよい。希釈溶媒の使用量は適宜変えることができるが、主剤と硬化剤を混合した後の固形分濃度が20〜35%(とくに25〜30%)となる量が好ましい。〔上記および以下において、%は重量%(質量%)を表す。〕
さらに、本発明の帯電防止ハードコート用組成物には、必要に応じて、性能を損なわない範囲で、顔料、充填剤、界面活性剤、分散剤、可塑剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等が使用されてもよい。これらは、単独で使用されてもよいし、2種類以上併用されてもよい。
また、本発明の組成物は、イソシアネート架橋により硬化を行うものであるが、この架橋を補完するためにシランカップリング剤や金属キレート化合物を含有してもよい。
シランカップリング剤としては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン等のグリシジル基含有シラン系カップリング剤、ビニル−トリス−(β−メトキシエトキシ)シラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノ基含有シラン系カップリング剤等が挙げられる。シランカップリング剤は加水分解性シリル基と有機基(特に官能基)を有し、シリル基が加水分解してシラノール基を生成し、これら同士の脱水縮合反応が生じるが、さらに本発明では水酸基やアミノ基などのがイソシアネート基と反応する。また、エポキシ基を有していれば、条件次第では樹脂中の水酸基とも反応する可能性もある。これらが生ずると樹脂を架橋させることになり、結果としてイソシアネート基の架橋を補完することに繋がる。含有量は(A)〜(E)の合計量に対して好ましくは0.5〜10%である。
金属キレート化合物を構成する金属としては、アルミニウム、チタニウム、ジルコニウム、スズ、クロム、ロジウム、亜鉛、コバルトが挙げられる。
リガンドとしては、β−ジケトン、例えばアセチルアセトン;ケトエステル、例えばアセト酢酸エチル、マロン酸エチル;ヒドロキシ酸類、例えば乳酸およびそのエステル、ピルビン酸およびそのエステル;アミノアルコール、例えばトリエタノールアミン;グリコール、例えばエチレングリコール、オクチレングリコール;ジアミン、例えばエチレンジアミン;ジオキシム;アミノ酸、例えばアラニン;ザルコシン;及びリン酸類、例えばリン酸およびそのエステル(トリブチルホスフェート等)、酸性リン酸エステル(リン酸ビス−2−エチルヘキシル等)、亜リン酸およびそのエステル(トリイソオクチルホスファイト等)が挙げられる。
金属キレート化合物としては、ジイソプロポキシエチルアセトアセテートアルミニウム、トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、トリス(n−プロピルアセトアセテート)アルミニウム、トリス(n−ブチルアセトアセテート)アルミニウム、モノエチルアセトアセテート・ビス(アセチルアセトナト)アルミニウム、トリス(アセチルアセトナト)アルミニウムなどのアルミニウムキレート化合物類;ジイソプロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタニウム、ジイソプロポキシ・ビス(アセチルアセトナト)チタニウムなどのチタニウムキレート化合物類;テトラキス(n−プロピルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス(アセチルアセトナト)ジルコニウム、テトラキス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、などのジルコニウムキレート化合物類が好適であるし、またジクロロ・ビス(アセチルアセトナト)スズ、ジブチル・ビス(アセチルアセトナト)スズ、トリス(アセチルアセトナト)クロム、トリス(アセチルアセトナト)ロジウム、ビス(アセチルアセトナト)亜鉛、トリス(アセチルアセトナト)コバルトなども挙げられる。
これらの金属キレート化合物は、樹脂中の水酸基、カルボキシル基等と交換反応を起こして結果的に樹脂を架橋させることができ、イソシアネート基の架橋を補完することに繋がる。含有量は(A)〜(D)の合計量に対して好ましくは0.5〜10%である。
また、イソシアネート基と水酸基等との反応を促進させるためにウレタン化触媒を添加してもよい。ウレタン化触媒としては、従来からポリウレタン製造に使用されているものが使用できる。ウレタン化触媒としては、金属触媒、例えば錫系触媒[トリメチルチンラウレート、トリメチルチンヒドロキサイド、ジメチルチンジラウレート、ジブチルチンジアセテート、ジブチルチンジラウレート、スタナスオクトエート、ジブチルチンマレエート等]、鉛系触媒[オレイン酸鉛、2−エチルヘキサン酸鉛、ナフテン酸鉛、オクテン酸鉛等]、その他の金属触媒[ナフテン酸コバルト等のナフテン酸金属塩、フェニル水銀プロピオン酸塩等];及びアミン系触媒例えばトリエチレンジアミン、テトラメチルエチレンジアミン、テトラメチルヘキシレンジアミン、ジアザビシクロアルケン類[1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7〔DBU(サンアプロ社製,登録商標)〕等];ジアルキルアミノアルキルアミン類[ジメチルアミノエチルアミン、ジメチルアミノプロピルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、ジブチルアミノエチルアミン、ジメチルアミノオクチルアミン、ジプロピルアミノプロピルアミン等]又は複素環式アミノアルキルアミン類[2−(1−アジリジニル)エチルアミン,4−(1−ピペリジニル)−2−ヘキシルアミン等]の炭酸塩及び有機酸塩(ギ酸塩等)等;N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、トリエチルアミン、ジエチルエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン等;及びこれらの2種以上の併用系が挙げられる。
ウレタン化触媒の使用量は、(A)〜(D)の合計質量を基準として、好ましくは1%以下、より好ましくは0.05%以下、特に好ましくは0.01%以下である。
本発明の組成物は上記(A)〜(E)及びその他の必要に応じて配合するものを
混合したものであり、従来公知の攪拌機で室温〜50℃で数十分〜数時間混合することにより、均一に分散することができる。
本発明の組成物は、いわゆる二液型として使用される。この場合、通常、硬化剤として上記(D)からなるイソシアネート成分と主剤である(A)及びその他の成分からなる活性水素成分(溶剤成分を除く)との二成分の混合により硬化が行われる。イソシアネート成分はコーティング時(使用直前)に活性水素成分と混合される。
上記(E)、及び必要により使用される他の配合成分は、二成分の何れの成分に加えてもよいが;活性水素を有するもの(水酸基を有するエーテル系溶剤、アルコール系溶剤など)は活性水素成分に配合される。
このようにして本発明の帯電防止ハードコート組成物を得ることができる。
本発明の帯電防止ハードコートは、上記の組成物を硬化させて形成される。ハードコートは、基材シート上に形成される。
使用される基材シートの材質は、透明性のあるものであれば、特に限定されず、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、再生セルロース、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリイミド、ナイロン等が挙げられる。好ましくは、透明性の優れているトリアセチルセルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネートである。
本発明では、帯電防止ハードコートを形成するには、前述の帯電防止ハードコート用組成物を基材シート上に塗布し、乾燥、硬化することが好ましい。
組成物を基材シート上に塗布する方法としては、公知のスプレーコート、グラビアコート、ロールコート、バーコート等の塗工法を用いることができる。塗布量は、必要とされる物性を考慮し、所望の厚さとなるように調整される。
硬化温度は好ましくは30〜200℃である。硬化時間は、硬化温度に応じて広範囲にわたり(例えば30秒〜100時間またはそれ以上)変えることができ、低温では24〜72時間で、比較的高い温度では30分またはそれ以下で、200℃では30秒程度の短時間で、硬化反応(イソシアネート基と水酸基等との反応)は完了する。反応の終点は、NCO含量の測定(例えば、アミン滴定、IR測定)や物性(硬度など)測定などで確認できる。
帯電防止ハードコートの厚み(平均)は、目的・要求性能に応じて広範囲にわたり(例えば0.5μmまたはそれ以下〜15μmまたはそれ以上)変えることができるが、好ましくは1〜8μmとくに1〜2μmである。膜厚が、薄すぎると硬度が下がることがあり、厚すぎると帯電防止ハードコート自体にクラックが発生し、ハードコート上に積層される付加機能を有する膜との密着性が低下することがあるので、好ましくない。
本発明の帯電防止ハードコートの製造方法は、ハードコート組成物を基材シートに塗布し、乾燥、硬化させて形成される帯電防止ハードコートに、コロナ放電処理によって硬化物表面を浸食する表面処理を行うことである。コロナ放電により帯電防止性が著しく向上する結果となる。これは、コロナをかけることにより、表面は物理的には凹凸が生じるが、化学的にはシリコーン化合物の部分的な酸化分解が生じて帯電防止効果が発現し、もともと含有している導電性樹脂のシリコーン分解によるものとは異種のメカニズムによる帯電防止効果と一緒になった相乗効果が生じたものと推定している。
(コロナ放電の条件)
本発明における表面処理は、空気中で行い化学的酸化を行うことが好ましい。また、化学的酸化を避けたい場合には、不活性ガス(例えばヘリウム、ネオン、アルゴン、キセノンなどの希ガス、および窒素など)雰囲気中で表面処理を行うこともできる。
上記方法により表面処理される深さは、特に限定されず、50〜1500nm程度であることが好ましく、さらに好ましくは100〜800nmである。
上記の様にして得られた帯電防止ハードコートの帯電防止性は、好ましくは表面抵抗値が25℃、60%R.H.で1011Ω/sq.以下である。
次に、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。なお、本発明は、これらの例によって何ら制限されるものではない。
なお、実施例および比較例における帯電防止ハードコートシートの各物性は、次に示す評価方法で測定した。
(1)鉛筆硬度
JIS−K5600に準拠して評価し、2回の測定で鉛筆芯の痕が残らないものを良好とした。(表2には、2Hによる試験の結果を、2Hのように表記した。)
(2)耐摩擦性
以下の条件で耐摩擦試験を行い、耐摩擦性の評価を行った。
使用機器:染色物摩擦堅牢度試験機 RT−200〔株式会社大栄科学精器製作所〕
摩 擦 面:印刷面×Kライナー〔王子製紙株式会社〕
荷 重:500g
摩擦回数:1000回(往復)
摩擦速度:43往復/分
評価:
○:傷は見られない。△:若干の傷が見られる。×:傷が多く見られる。
(3)耐溶剤性
以下の条件で、耐溶剤性の評価を行った。
使用機器:染色物摩擦堅牢度試験機 RT−2〔株式会社大栄科学精器製作所〕
摩 擦 面:印刷面×溶剤含浸綿布(金巾3号使用)
荷 重:200g
摩擦回数:20回(往復)
摩擦速度:43往復/分
表面温度:25℃
綿布は2.5cm×8cmに裁断したものを5枚重ねにて使用、それを摩擦子に装着して後、スポイトにて溶剤を0.5ml滴下し、速やかに耐摩擦試験に供する。溶剤としては、MEK、トルエン、IPA、メタノールおよびエタノールを使用する。
評価:
○:コート面の脱落なし。△:コート面の一部脆化、脱落あり。
×:コート面の脱落あり。

(4)表面抵抗値の測定

使用機器:ハイレスタ・IP〔三菱化学株式会社〕
測定温湿度:TR=25℃、RH=60%

(5)積層時の干渉縞防止性
未印刷のPETシートと帯電防止ハードコートシートを重ね合わせて、干渉縞の発生の有無を目視にて評価する。
評価:
○:干渉縞の発生なし。△:若干、干渉縞の発生あり。×:干渉縞の発生あり。

<組成物の作製>
実施例1
水酸基含有アクリル樹脂として、ジョンクリル 587〔ジョンソンポリマー株式会社製〕15部、導電性樹脂として、エレコンド QO−101〔綜研化学株式会社製〕10部、シリコーン変性アクリル樹脂として、LSI 60〔綜研化学株式会社製〕10部、樹脂ビーズとして、トスパール 3120〔GE東芝シリコーン株式会社製〕0.5部、残部に溶媒としてMEKを加え、合計100部とし、これらを攪拌して混合溶解し、活性水素成分を得た。これにポリイソシアネートとしてコロネート HL〔日本ポリウレタン株式会社製〕30部を加えてよく混合して組成物を調製した。PETシートに、グラビアコーターにて、上記組成物を塗工し、40℃で24時間のエージングを行い硬化させて帯電防止ハードコートを作製した。
実施例2
水酸基含有アクリル樹脂として、ジョンクリル 587〔ジョンソンポリマー株式会社製〕15部、導電性樹脂として、エレコンド QO−101〔綜研化学株式会社製〕10部、シリコーン変性アクリル樹脂として、XLS 230E〔昭和電工株式会社製〕10部、樹脂ビーズとして、エポスター MA1013〔株式会社日本触媒製〕0.5部、残部に溶媒としてMEKを加え、合計100部とし、これらを攪拌して混合溶解し、活性水素成分を得た。これにポリイソシアネートとしてコロネート HL〔日本ポリウレタン株式会社製〕30部を加えてよく混合して組成物を調製した。PETシートに、グラビアコーターにて、上記組成物を塗工し、40℃で24時間のエージングを行い硬化させて帯電防止ハードコートを作製した。
<表面処理>
これらのPETシートのコート面に対して、下記の処理装置および条件でコロナ処理を行い、帯電防止ハードコートシートを得た。
コロナ処理機:
春日電機株式会社製、テーブル移動式コロナ処理装置、有効処理幅=430mm、
電極=セラミック電極使用、処理速度=10cm/秒(3回通し)、
処理電力=0.2kw

<評価>
これらの耐溶剤性、干渉縞防止性、硬度、耐殺傷性、帯電防止性を測定した。これらの測定結果を以下に示す。
実施例1 実施例2
鉛筆硬度 2H 2H
耐摩擦性 ○ ○
耐溶剤性
MEK ○ ○
トルエン ○ ○
IPA ○ ○
メタノール △ ○
エタノール ○ ○
表面抵抗値,×1011Ω/sq. 1.72 4.58
干渉縞防止性 ○ ○




Claims (8)

  1. 水酸基含有アクリル樹脂(A)、導電性樹脂(B)、シリコーン変性アクリル樹脂(C)、ポリイソシアネート(D)、及び樹脂ビーズ(E)からなることを特徴とする帯電防止ハードコート用組成物。
  2. 前記(A)100重量部に対して、(B)20〜80重量部、(C)40〜100重量部、(E)1〜10重量部の割合で含有することを特徴とする請求項1記載の帯電防止ハードコート用組成物。
  3. 前記(B)が第4級アンモニウム塩型樹脂であることを特徴とする請求項1または2記載の帯電防止ハードコート用組成物。
  4. 前記(E)が5〜10μmの平均粒子径を有する真球状であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載の帯電防止ハードコート用組成物。
  5. さらにシランカップリング剤及び/又は金属キレートを含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか記載の帯電防止ハードコート用組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の帯電防止ハードコート用組成物を硬化させて形成され、25℃、60%R.H.で1011Ω/sq.以下の表面電気抵抗値を有することを特徴とする帯電防止ハードコート。
  7. 基材シート上に、請求項6記載の帯電防止ハードコートが形成されてなる帯電防止ハードコート積層体。
  8. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の帯電防止ハードコート用組成物を基材シートに塗布し、乾燥、硬化させて形成される帯電防止ハードコートに、コロナ放電処理によって硬化物表面を浸食する表面処理を行うことを特徴とする帯電防止ハードコートの製造方法。




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