JP2008007590A - 熱伝導性樹脂組成物およびその用途 - Google Patents

熱伝導性樹脂組成物およびその用途 Download PDF

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Abstract

【課題】
窒化アルミニウム粉を含有する熱伝導性樹脂組成物において、窒化アルミニウムの有する高い熱伝導率を活用し、高い熱伝導率を有する樹脂組成物、および、それを用いたシート等の高熱伝導性部材を提供する。
【解決手段】

重量基準で測定した粒径分布の最頻値が粒径の最大値であり、かつ形態が球状である窒化アルミニウム粉(A)、および合成樹脂(B)を含む樹脂組成物を含み、そのその厚みが、窒化アルミニウム粉(A)の粒径の最大値と実質的に等しいことを特徴とするシート。
【選択図】 なし

Description

本発明は、熱伝導性に優れる樹脂組成物、及びそのような組成物からなるシートをはじめとする各種の部材に関する。
近年、電子部品の高密度化等による発熱量の増大に伴い、放熱部材に対する高熱伝導性の要求が益々高まっている。ここで、放熱部材としては、各種樹脂・ゴムに熱伝導性無機粉末が充填された放熱シート、各種ゲルに熱伝導性無機粉末が充填され、柔軟性を有する硬化物からなる放熱スペーサー、各種液状樹脂に熱伝導性無機粉末が充填された流動性のある放熱グリース等が例示される。
放熱部材の熱伝導率を向上させるには、熱伝導率の低い樹脂中に高熱伝導性無機粉末をいかに効率良く充填させるかが重要となる。高熱伝導性を持つ無機物質として、窒化アルミニウムが知られている。この窒化アルミニウムを樹脂中に充填して放熱部材を製造する際に、より高熱伝導率の組成物とする方法が開示されている。例えば、実質的に単粒子形状で、平均粒径が4μm以上の窒化アルミニウム粉末50〜95wt%を含有する樹脂組成物(特許文献1)が提案されている。また、平均粒子径が50μm超の窒化アルミニウム焼結体粉砕物を用いる方法(特許文献2)も提案されている。更に、平均粒子径が50μm以下で3μm以下の微粉の含有率が10%以下の窒化アルミニウム焼結体粉砕物を用いる方法(特許文献3)も提案されている。しかし、更に高い熱伝導率の樹脂組成物が求められている。
特許第3458196号公報 特開2001−158610号公報 特開2001−158609号公報
本発明の目的は、窒化アルミニウムの有する高い熱伝導率を有効に活用し、高い熱伝導率を有する樹脂組成物、および、それを用いたシートをはじめとする放熱部材を提供することにある。
本発明者らは、課題を解決するべく鋭意検討の結果、最大粒子径と粒径分布を制御した球状の窒化アルミニウム粉と合成樹脂との組成物を用い、厚みを制御してシート化することにより、該シートの熱伝導率が顕著に向上することを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、
(1) 重量基準で測定した粒径分布の最頻値が粒径の最大値であり、かつ形態が球状である窒化アルミニウム粉(A)、および合成樹脂(B)を含む樹脂組成物、に関する。
以下、(2)から(10)までは、それぞれ本発明の好ましい実施態様の一つである。
(2) 上記(1)記載の樹脂組成物を含み、その厚みが、窒化アルミニウム粉(A)の粒径の最大値と実質的に等しいことを特徴とするシート。
(3) 上記合成樹脂(B)が、ポリオレフィン、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、およびポリエーテルサルホン樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種類の樹脂を含有する、上記(2)に記載のシート。
(4) 該シートの片面又は両面に金属箔を張り合わせてなる上記(2)または(3)に記載のシート。
(5) 上記(2)〜(4)のいずれかに記載のシートを有するフレキシブルプリント基板。
(6) 上記(2)〜(4)のいずれかに記載のシートを有するCPU用放熱基材。
(7) 上記(2)〜(4)のいずれかに記載のシートを有する高密度多層基板。
(8) 上記(2)〜(4)のいずれかに記載のシートを有する太陽電池。
(9) 上記(2)〜(4)のいずれかに記載のシートを有する表示素子。
(10) 上記(2)〜(4)のいずれかに記載のシートを有するLED用放熱基材。
本発明によれば、従来と比較して高い熱伝導率を有するシートが実現できる。このようなシートは、高い熱伝導率を有するうえに、樹脂の種類を適切に選択することにより絶縁性等の所望の物性を付与することができるので実用上高い価値を有し、電気電子製品等の分野において、特に好ましく用いることができる。
本発明のシートは、フレキシブルプリント基板、CPU用放熱基材、高密度多層基板、太陽電池、表示素子、LED用放熱基材等の用途において、特に有用である。
本発明において、「シート」は、より薄い「フィルム」も含んだものである。
本発明のシートは、重量基準で測定した粒径分布の最頻値が粒径の最大値であり、かつ形態が球状である窒化アルミニウム粉(A)、および合成樹脂(B)を含む粒径樹脂組成物を用いて得られる。
(窒化アルミニウム粉(A))
本発明において、窒化アルミニウム粉(A)の形態は球状である。本発明において、球状とは、断面が略円形または略楕円形であり、その短径aと長径bの比a/bの平均値(以下、「真球度」という。)が0.5以上1以下のものとすることができる。従って、厳密な真球状、楕円球状などの、断面が数学的に厳密な円または楕円になる様な立体形状を要求するものではない。本発明において、窒化アルミニウム粉(A)の真球度は、0.6〜1.0であることが好ましく、0.8〜1.0であることが特に好ましい。真球度を0.6より大きくすることで、樹脂組成物として得られるシートの熱伝導性が向上するという効果が得られる。
本発明において用いられる窒化アルミニウム粉(A)は、重量基準の粒径分布で頻度が最も多い粒子を粉体中最も大きい粒径の粒子として有する。このような窒化アルミニウム粉(A)は、球状窒化アルミニウム粉の粒径分布を公知の方法により測定し、最も頻度が多い粒径以下の粒子を分級して得る方法や、特定の粒径に分級された2種以上の球状窒化アルミニウム粉を、最も大きい粒径の粒子の頻度が最多となるように混合する方法等で得ることができる。このとき、粒径幅は1〜75μmの範囲で選択できる。
粒径分布は、透過電子顕微鏡や走査電子顕微鏡の測定による画像解析法、光散乱法や光回折法などによるレーザー法、電気的検知帯法、篩い分け法、沈降法、衝突分離法や慣性スペクトロメーターなどによる慣性法、多段サイクロン法やモビリティーアナライザーなどによる分離法、クロマトグラフィー法など公知の方法を用いて測定することができる。中でも、篩い分け法、沈降法、慣性法、分離法など、重量基準の粒径分布が直接測定できる方法が好ましい。粒径分布は、粒径幅を1〜75μmの範囲で選択し頻度を測定して求めることができる。選択した粒径幅の粒子群において、粒径幅下限の値xと上限の値xから、下式(1)で算出されるxを、粒子群を代表する粒径として取り扱うことができる。
x=(x+x)/2 …(1)
本発明において、窒化アルミニウム粉(A)のxは、10μm〜500μmの範囲にあることが好ましく、30〜200μmの範囲にあることがより好ましい。xが10μm以上であることにより、合成樹脂との組成物をシート化することが容易となり好ましい。一方、xが500μm以下であることにより、樹脂組成物として得られるシートの熱伝導率が向上するため好ましい。
本発明において、窒化アルミニウム粉(A)の気孔率は、窒化アルミニウム粒子表面の凹んだ穴の占める割合を表す。気孔率は、例えば、カンタクローム社製のオートソーブ3を用いて求めることができる。セル内に窒化アルミニウム粉を入れ、前処理として100℃での真空脱気を行った後、液体窒素下(77K)における窒素ガス吸着法により、全細孔容積(BJH法)を測定する。試料重量をw(g)、見かけ密度をρa(g/cm)、真密度をρt(g/cm)、測定によって得られた全細孔容積(開気孔に相当)をv・w(cm)とする。
物質の密度は、本来ならば、ρt=w/V(V:空孔の無い状態での体積)であるが、空孔の存在により、ρa=w/(V+v・w)となる。この値をもとにして、下式(2)によって気孔率を求めることができる。
気孔率(%)=(1−ρa/ρt)×100 …(2)
本発明で用いられる窒化アルミニウム粉(A)の気孔率は、0.3%以下が好ましく、0.2%以下がさらに好ましい。気孔率が0.3%以下である場合、合成樹脂(B)との組成物として得られるシートの熱伝導率が向上するため好ましい。
本発明において、窒化アルミニウム粉(A)の安息角θは、窒化アルミニウム粒子表面の平滑性を表す。安息角θは、たとえば、直径80mmφの円形テ−ブルの中央部に、ガラス製漏斗の下端を円形テ−ブルから80mmの高さに設置し、円形テ−ブルから窒化アルミニウム粉(A)が落ちる状態になるまで漏斗から窒化アルミニウム粉(A)を落下させ、窒化アルミニウム粉(A)が円錐型を成したところで、頂点に向けての傾き角度(安息角θ)を測定することにより求めることができる。
本発明において、窒化アルミニウム粉(A)の安息角θは、45°以下であることが好ましい。安息角θが45°以下である場合、合成樹脂(B)との組成物として得られるシートの熱伝導率が向上するという効果が得られる。
窒化アルミニウム粉(A)は、製造時に用いられる焼結助剤や、焼成時の雰囲気などに由来する元素、およびその元素を含む化合物などを含有することがあるが、本発明の効果を損なわない限り含有していても構わない。
(窒化アルミニウム粉(A)の製造方法)
本発明の窒化アルミニウム粉(A)は、例えば以下に説明するような製造法で得ることができる。まず、原料の窒化アルミニウム粉として、1次粒子径0.1〜0.8μmの微粒子を原料粉中に10重量%以上含む窒化アルミニウム粉末を用意し、該窒化アルミニウム粉末と焼結助剤とを含むスラリーを噴霧乾燥し、さらに1400〜1800℃で焼成することによって球状の窒化アルミニウム粉を製造することができる。原料粉中の一次粒子径0.1〜0.8μmの微粒子を10重量%以上含有すると、得られる窒化アルミニウム粉の形態が所望の球状になり、気孔率が小さくなり、最終的な合成樹脂との組成物として得られるシートの熱伝導率が良好になるので好ましい。この好ましい製造方法において、原料として用いられる窒化アルミニウム粉は、例えば、アルキルアルミニウムとアンモニアとを気相中で反応させる公知の気相合成法に基づいて製造できる。
原料である窒化アルミニウム粉に添加される焼結助剤としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属および希土類金属から選ばれる1種または2種以上の金属および/または該金属を含む化合物の1種または2種以上を使用することができる。これらの中でも、リチウム、カリウムなどのアルカリ金属、カルシウム、ストロンチウムなどのアルカリ土類金属、イットリウム、ランタンなどの希土類金属の酸化物、水酸化物、炭酸塩などが好ましい。その具体例としては例えば、酸化リチウム、酸化カリウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化イットリウム、酸化ランタン、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化イットリウム、水酸化ランタン、炭酸リチウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸ストロンチウム、炭酸イットリウム、炭酸ランタンなどが挙げられる。さらにアルミン酸カルシウムなどの複合酸化物も好適に使用でき、酸化リチウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化イットリウム、酸化ランタン、アルミン酸カルシウムなどが特に好適である。
焼結助剤の粒子径は特に制限されず、窒化アルミニウム粉との混合性、作業性などを考慮して適宜決定すればよいが、窒化アルミニウム粉との混合性のみを考慮すると、できるだけ微細な粒子を用いるのが好ましい。
焼結助剤の使用量は特に制限されず、焼結助剤の種類、原料の窒化アルミニウム粉の粒径分布、設定される焼成温度および焼成時間、焼成炉の構造、得られる窒化アルミニウム粉(A)の用途などの各種の条件に応じて広い範囲から適宜選択できる。通常は原料窒化アルミニウム粉100重量部に対して、0.1〜10重量部、好ましくは1〜5重量部である。焼結助剤の使用量が当該範囲内にある場合には、得られる窒化アルミニウム粉の形状が球状になるため好ましい。
原料窒化アルミニウム粉と焼結助剤とを含むスラリーは、例えば、原料窒化アルミニウム粉および焼結助剤をスラリー溶媒に分散させることによって調製できる。スラリー溶媒としては、原料窒化アルミニウム粉および焼結助剤を分散させ得るものであれば特に制限なく使用できるが、有機溶媒または燐酸水溶液が好ましい。有機溶媒としては、たとえば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類、ジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、モノグライム、ジオキサンなどのエーテル類などを好適に使用できる。有機溶媒を用いる場合のスラリー中の固形分濃度(以後特に断らない限り単に「スラリー濃度」という)は特に制限されないが、好ましくはスラリー全量の30〜60重量%、さらに好ましくは40〜50重量%である。
燐酸水溶液に含まれる燐酸化合物としては、オルソ燐酸、メタ燐酸、ピロ燐酸、ポリ燐酸、燐酸アンモニウム塩などの無機燐酸化合物、燐酸メチル、燐酸エステルなどの有機燐酸化合物などが挙げられる。燐酸化合物は1種または2種以上を使用できる。燐酸化合物は、原料窒化アルミニウム粉100重量部に対しP換算で0.3〜5重量部程度とすればよい。
スラリー溶媒として燐酸水溶液を用いる場合において、スラリー濃度は、窒化アルミニウム粉や焼結助剤によって最適濃度は異なるが、通常スラリー全量の30〜50重量%となるように調整を行う。スラリー濃度が高すぎると、得られる窒化アルミニウム粉の気孔率が大きくなる場合があるので好ましくない。また、スラリー濃度が低すぎると、作業性が低下するとともに、得られる窒化アルミニウム粉の形状が所望の球状にならない場合があり好ましくない。
スラリーには、必要に応じて、バインダ成分を添加することができる。バインダ成分としては、水溶性のものが好ましく使用できる。水溶性のバインダ成分としては、たとえば、メチルセルロース、ポリビニルアルコール、デンプンなどが挙げられる。バインダ成分の使用量は特に制限されず、最終的に得られる窒化アルミニウム粉の物性、粒径などに影響を与えない範囲の中から適宜選択できるが、通常は窒化アルミニウム粉100重量部に対し0.03〜0.5重量部程度とすればよい。
スラリーは、所定量の原料窒化アルミニウム粉および焼結助剤を予め機械的に混合し、得られる混合物をスラリー溶媒に分散させることにより調製してもよい。また、所定量の原料窒化アルミニウム粉および焼結助剤をそれぞれ別個にスラリー溶媒に混合して分散させても良い。好ましくは、撹拌下にあるスラリー溶媒に所定量の原料窒化アルミニウム粉を添加して均一に分散させ、さらに所定量の焼結助剤を添加して分散させるのがよい。
このようにして得られるスラリーは、長時間放置すると、窒化アルミニウムが徐々に加水分解を起こすので、短時間のうちに次の噴霧乾燥に供するのが好ましい。具体的には、スラリー化後3時間以内に噴霧乾燥に供給することが望ましい。
スラリーの噴霧乾燥はスプレードライヤーを用いて実施することが好ましい。スプレードライヤーとしては、円筒形の管体の側面から熱風を送り、上部からスラリーを噴霧器で霧状にして、気相部で水分を蒸発させて、凝集体を形成せしめ、管体の下部に堆積し、水分を含む熱風はサイクロン、バグフィルタ−を経て外部に放出する構造を有するものを使用できる。このスプレードライヤーの上部より、スラリーを噴霧することにより、気相部で水分の蒸発とともに微細な窒化アルミニウム粉の凝集体である球状粒子が形成され、管体の下部に落下する。
このスプレードライヤーにおいて、スラリーを霧状に噴霧する噴霧器としては特に制限されず、たとえば、スラリーをポンプで高圧状態にし、高圧用分散ノズルで噴霧するもの、アトマイザーと言われる低圧用ノズルを高速で回転する噴霧器などが挙げられる。
このスプレードライヤーにおいて、管体の側面から送風する熱風の温度は150〜400℃の範囲が好ましく、200〜300℃の範囲がさらに好ましい。熱風の温度が150℃以上だと、水分が十分に蒸発し、また、熱風の温度が400℃以下だと、粒子の粒子径が均一となり好ましい。
このスプレードライヤーにおいて、原料窒化アルミニウム粉の粒径分布、焼結助剤の種類と使用量、スラリー溶媒の種類などに応じて、スラリーの噴霧速度、管体の側面から送風する熱風の温度、熱風の供給速度などを適宜選択することによって、得られる球状粒子の粒径を調整できる。この球状粒子は後の焼成により球状の形態を維持したまま、粒径が15〜50%程度縮小する。したがって、焼成による縮小を踏まえて球状粒子の粒径を適宜調整することにより、本発明で用いられる窒化アルミニウム粉として好ましい、最も大きい粒子を10〜500μmの粒径の範囲に調整して得ることができる。
スラリーの噴霧乾燥焼成を行う際の温度は、1400〜1800℃が好ましく、1500〜1650℃の範囲がより好ましい。温度が1400℃より低い場合には、十分な焼結がなされないおそれがあり好ましくない。1800℃を超える温度で焼成することもできるが、高周波炉、カーボン炉といった、高価で、エネルギー損失が大きい炉が必要となる。
焼成時間は、焼成温度、焼結助剤の種類、焼結助剤の使用量などに応じて広い範囲から適宜選択できるが、所定の温度に達成してから、その所定温度を通常1〜30時間程度保持して焼成すればよい。
焼成時には酸素との接触を避けるのが好ましいので、焼成雰囲気は不活性ガス雰囲気が好ましい。不活性ガスとしては公知のものを使用でき、たとえば、ヘリウム、アルゴン、窒素などが挙げられる。
焼成炉としては、無機材料の焼成に用いられる一般的な炉を使用でき、たとえば、シリコニット発熱体を用いた電気炉などが挙げられる。勿論、高周波炉、カーボン炉などを用いて、焼成することもできる。
こうした焼成により得られる球状の窒化アルミニウム粉を、重量基準の粒径分布で頻度が最も多い粒子が粉体中で最も大きい粒径の粒子となるように分級して、本発明に用いられる窒化アルミニウム粉(A)を得ることができる。具体的には、球状の窒化アルミニウム粉の粒径分布を、篩い分け法、沈降法、慣性法、分離法などの公知の方法により測定して把握し、例えば、最も頻度が多い粒子が粒径幅45〜55μmで選択した粒子、すなわちxが50μmである粒子であれば、JIS Z8801−1に定められる公称目開きが53μm、または45μm、または38μmの金属製網篩いにより篩い分け、その通過分として得ることができる。また例えば、焼成で得られた球状の窒化アルミニウム粉を、JIS Z8801−1に定められる金属製網篩いにより特定の粒径ごとに篩い分け、篩い分けられた2種以上の球状窒化アルミニウム粉を、最も大きい粒径の粒子の重量割合が最大となるように混合して得ることもできる。
(合成樹脂(B))
本発明において用いられる合成樹脂(B)は、一般的に用いられる樹脂が特に制限なく使用できる。合成樹脂(B)としては、ポリオレフィン、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、およびポリエーテルサルホン樹脂からなる群より選ばれる樹脂が好ましい。これらは、1種類を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて用いても良い。合成樹脂(B)として特に好ましいのは、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、およびシリコーン樹脂である。
本発明で好ましく用いられるポリイミドの一例として、熱融着性の芳香族ポリイミドが挙げられる。熱融着性の芳香族ポリイミドに使用することができるテトラカルボン酸二無水物類(酸、酸二無水物、酸エステル)としては3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、および、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物類が最も好ましいが、2,2−ビス(3、4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、これらの酸、酸エステルが挙げられる。これらの酸の一部をピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、等によって置き換えられてもよい。
この発明において好ましく用いられる前記のポリイミドに使用することができる芳香族ジアミンとしては、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、2,2−ビス(3−アミノフェニル)プロパン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(3−アミノフェニル)ジフェニルエーテル、4,4’−ビス(3−アミノフェニル)ジフェニルメタン、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ジフェニルエーテル、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ジフェニルメタン、2,2−ビス〔3−(アミノフェノキシ)フェニル〕プロパンなどの複数のベンゼン環とO、CH、C(CH、O(Bz)O(Bz:ベンゼン)、(Bz)O(Bz)などの基を分子主鎖中に有する柔軟な構造でジアミンがメタ位にある芳香族ジアミンが好適に使用される。
この発明において好ましく用いられるポリイミドは、前記の各成分を使用し、好適にはテトラカルボン酸二無水物を過剰の条件下、もしくはジカルボン酸無水物でジアミン末端を封止する条件下で、有機溶媒中で反応させてポリアミック酸の溶液(均一な溶液状態が保たれていれば一部がイミド化されていてもよい)とする。ポリイミドのアミン末端を封止するためのジカルボン酸無水物、例えば、無水フタル酸およびその置換体、ヘキサヒドロ無水フタル酸およびその置換体、無水コハク酸およびその置換体などを使用してもよい。
この発明において好ましく用いられる前記のポリイミドを得るためには、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミドなどの有機溶媒中、好適には20〜60℃の反応温度で、ジアミン(アミノ基のモル数として)の使用量が酸無水物の全モル数(テトラ酸二無水物とジカルボン酸無水物の酸無水物基としての総モルとして)に対する比として、好ましくは0.9〜1.0、特に0.98〜1.0、そのなかでも特に0.99〜1.0であり、末端ジアミンを封止するジカルボン酸無水物の使用量がテトラカルボン酸二無水物の酸無水物基モル量に対する比として、好ましくは0.05以下、特に0.0001〜0.02であるような割合の各成分を反応させることが好ましい。
前記のジアミンおよびジカルボン酸無水物の使用割合が前記の範囲内であると、得られるポリアミック酸、従ってポリイミドの分子量が適切であり、ポリイミド自体の強度や金属箔等との剥離強度も十分なものになる。また、特にジアミン成分過剰の条件を避けることで、ポリアミック酸の環化イミド化あるいは溶媒除去の際の劣化などが抑制され、剥離強度が十分なものになる。この発明において使用される熱融着性のポリイミドとしては、ηinh〔N−メチル−2−ピロリドン中0.5g/dl(30℃)〕が0.5以上、特に0.5〜3であるものが好ましい。
特に、この発明における熱融着性の芳香族ポリイミドとしては、芳香族テトラカルボン酸成分として3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、酸のエステルまたは酸二無水物と、ジアミンとして主鎖中に少なくとも1つのエーテル結合を有し且つエーテル結合を介してフェニル基を少なくとも2つ有する芳香族ジアミンとから重合、イミド化されたポリイミドが好ましい。
合成樹脂(B)として好ましく用いられるエポキシ樹脂としては、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するものであれば、特に限定されない。その具体例としては、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトール系ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレンジオール型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、トリまたはテトラ(ヒドロキシフェニル)アルカンから誘導されるエポキシ化合物、ビスヒドロキシビフェニル系エポキシ樹脂、フェノールアラルキル樹脂のエポキシ化物等が挙げられる。これらのエポキシ 樹脂は単独でまたは2種以上混合して使用することができる。
上記エポキシ樹脂と組み合わせて好ましく使用される硬化剤は、一般にエポキシ樹脂の硬化剤として用いられるものであれば特に限定されない。その具体例としては、例えばフェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、t−ブチルフェノールノボラック樹脂、ノニルフェノールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂、ナフトール系ノボラック樹脂等のノボラック型フェノール樹脂;ポリパラオキシスチレン;2、2’−ジメトキシ−p−キシレンとフェノールモノマーとの縮合重合化合物等のフェノールアラルキル樹脂;ジシクロペンタジエン−フェノール重合体;トリス(ヒドロキシフェニル)アルカン等の多官能フェノール樹脂;テルペン骨格を有するフェノール樹脂;無水フタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水トリメリット酸等の酸無水物が挙げられる。これらの中でも、フェノールノボラック樹脂やフェノールアラルキル樹脂が特に好ましく用いられる。なお、これらの硬化剤は単独で又は2種以上を併用して使用することができる。
ここで、硬化剤の配合量は特に限定されないが、上記エポキシ樹脂のエポキシ基と上記硬化剤のフェノール性水酸基または酸無水物との当量比を0.5〜1.5の範囲にすることが望ましい。より好ましい範囲は0.8〜1.2である。この値が0.5以上だと、硬化反応が十分に進行するので好ましく、1.5以上だと、硬化物の特性、特に耐湿性の劣化が十分に抑制できて好ましい。
ここで、硬化剤に加えて更に硬化促進剤を配合することができる。硬化促進剤としては、一般に使用され得るものであれば特に限定されないが、例えば塩基性触媒が使用できる。
合成樹脂(B)として好ましく使用されるシリコーン樹脂は、その骨格にシロキサン結合を有するものであれば特に制限はなく、使用目的に応じた硬化特性およびその他の諸物性を具備するものを、適宜選択して使用することができる。本発明で使用することができるシリコーン樹脂としては、シリコーンオイル、シリコーンレジン、シリコーンレジン中間体などがあり、それぞれ、シリコーンの架橋体からなるシロキサン結合を主鎖とし側鎖に炭化水素基を含有しているもの、シリコーンの架橋体と有機樹脂とのブロック共重合体のもの、あるいは末端や側鎖をアミノ基、エポキシ基、アルキル基、フッ素で変性したものなどがある。これら各種のシリコーン樹脂の中でも、とりわけ、シリコーンレジンが好ましい。シリコーンレジンの中でも、シリコーン架橋体と有機樹脂とのブロック共重合体であるものが好ましい。ブロック共重合体となる有機樹脂としては、アルキド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂などが挙げられるが、相溶性の点からエポキシ樹脂が好ましい。
シリコーン樹脂は単独でも使用し得るが、接着性、耐薬品性、耐熱性などの特性を好ましい範囲に設定するため他の樹脂と混合して使用しても良い。混合可能な樹脂としては、アクリロニトリルアクリル酸エステル共重合体、アクリル酸エステル系樹脂、アクリロニトリルブタジエン共重合体、可溶性ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ブチラ−ル樹脂、可溶性ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリスチレン樹脂、アルキド樹脂などが挙げられるが、総合的な性能を発揮するには、アクリロニトリルブタジエン共重合体および/またはポリアミド樹脂が特に好ましい。
(樹脂組成物)
本発明の樹脂組成物においては、窒化アルミニウム粉(A)の含有量が50〜95重量%の範囲内であることが好ましく、中でも60〜93重量%の範囲内であることが好ましく、さらには70〜90重量%の範囲内であることが好ましい。窒化アルミニウム粉(A)の含有量が上記範囲にあることで、高い熱伝導率を有するシートを得ることができる。
本発明の樹脂組成物を調製する方法は、通常、樹脂組成物の各成分を、ロールミル、バンバリーミキサー、押出機などを使って溶融混錬する方法が一般的であるが、成分を均一に分散する方法であれば特に限定されない。すなわち、最終的に得られる樹脂組成物において、各成分の配合量が前記の範囲内であって、さらに実用上問題のない混合状態であれば、樹脂組成物を形成する各成分の配合方法や、工程はいかなるものであってもよい。たとえば、樹脂組成物の各成分を所望の配合比となるようにドライブレンドした後、樹脂の融点以上に設定した二軸押出機に導入して溶融混練して各成分を均一に分散させ、ついで冷却・ペレット化することで目的の樹脂組成物を得ることができる。
また、合成樹脂(B)又は合成樹脂(B)の前駆体の有機溶媒溶液中に窒化アルミニウム粉(A)を混合して均質に分散させたワニスを調製し、加熱により溶媒の揮発や前駆体の反応を行わせることによって本発明の樹脂組成物を得ることもできる。ワニスを調製するための有機溶媒としては、合成樹脂(B)または合成樹脂(B)の前駆体を溶解するものであれば特に制限はない。例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、m−キシレン、p−キシレン、混合キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、フルオロベンゼン、トリフルオロメチルベンゼン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が挙げられる。これらの溶媒は単独で、または2種以上を混合して用いてもよい。ワニスの粘度としては、25℃で100〜5000mPa・sに調節するのが好ましく、より好ましくは200〜4000mPa・s、さらに好ましくは、300〜3000mPa・sである。ワニスの粘度が上記の範囲にあることで、シートへの加工が容易となり好ましい。
本発明の樹脂組成物には、本発明の目的を損なわない範囲において、可塑剤、滑材、酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、顔料、染料、帯電防止剤、抗菌剤、難燃剤、カップリング剤、及び分散剤等から選ばれる1種類以上の各種添加剤を配合することができる。
(シート)
本発明で得られる樹脂組成物からシートまたはフィルムを形成する方法としては、各種公知の方法が適用可能である。好ましい例としては、樹脂組成物のワニスを支持基材上にスピンコーターやバーコーターを用いて塗布し、加熱乾燥・硬化させた後、支持基材から剥離して得る方法、樹脂組成物を熱プレス機で加圧加熱して得る方法、または、樹脂組成物を溶融押出して成形する方法等が挙げられるが、これらに限るものではない。
本発明のシートの厚みは、窒化アルミニウム粉(A)の最も大きい粒子の粒径と実質的に等しい。好ましくは、窒化アルミニウム粉(A)の最も大きい粒子の粒径に対し、100〜110%の厚みで形成される。シートの厚みをこの範囲内にすることで、良好な熱伝導性を示す。このようなシートは、ワニス塗布時のギャップや、熱プレス時のスペーサー、溶融押出におけるスリットの径を窒化アルミニウム粉(A)の最も大きい粒子の粒径の100〜110%に調節して形成することができる。
本発明のシートは、樹脂組成物のシートの片面又は両面に金属箔を張り合わせた形態でも好ましく用いられる。張り合わせる金属箔としては、銅、アルミニウム、ニッケル、金、銀、ステンレス等の金属を用いることができる。張り合わせの方法としては、該金属箔を本発明のシートに熱圧着させる方法や、本発明の樹脂組成物のワニスを該金属箔上にキャスト、スピンコートなどによりコートし加熱乾燥することによって形成することもできる。
本発明のシートは、フレキシブルプリント基板、CPU用放熱基材、高密度多層基板、太陽電池、表示素子、LED用放熱基材等の用途に、特に好ましく用いられる。しかし、それ以外の用途への適用を排除するものではなく、高い熱伝導性と、必要に応じて樹脂が有する絶縁性、柔軟性等の特性とを求められるその他の用途においても、もちろん好ましく用いられる。
(フレキシブルプリント基板)
本発明のシートの両面もしくは片面に銅、アルミニウム、ステンレス等の金属箔を配して成形し、フレキシブルプリント基板が得られる。フレキシブルプリント基板の製造方法は特に限定されず、本発明の樹脂組成物を金属箔に塗布し、乾燥、硬化させる方法、および本発明のシートと金属箔を重ね熱プレスにより圧着する方法等が挙げられるがこれに限るものではない。
(CPU用放熱基材)
本発明のシートを、CPUをはじめとする半導体デバイスや電源用パワ−トランジスタやパワ−モジュ−ル等と、アルミなどからなる放熱用フィンの間に密着させて配置し、高い放熱効果を発揮させて使用することができる。本シートに用いる樹脂としては、密着を良くするために、ゴム弾性を有する各種合成樹脂、特にウレタン系合成樹脂などを用いることができる。
(高密度多層基板)
前記シートを積層し、最外層の両面もしくは片面に銅、アルミニウム、ステンレス等の金属箔を配して成形すると、高密度多層基板に適した積層板が得られる。成形の温度は用いる樹脂によって異なるが、一般的には100℃以上、好ましくは150℃〜300℃である。
(太陽電池)
本発明のシートを、太陽電池モジュ−ル、特に集光型の太陽電池モジュ−ルのベ−ス基板、またはベ−ス基板と放熱フィン等の冷却部間に密着させて配置し、高い放熱効果を発揮させて使用することができる。ベ−ス基板と放熱フィン等の冷却部間に密着させて使用する場合、本シートに用いる樹脂としては、ゴム弾性を有する各種合成樹脂、特に、ウレタン系合成樹脂などを用いることができる。
(表示素子)
前記シートを、LEDや、冷陰極管、PDP用の発光部位を配置する基板もしくは、基板とチップ間に密着させて配置して使用することができる。基板として用いる場合は、前記のフレキシブルプリント基板や高密度多層基板と同様の構成とすることができる。また、基板とチップ間に密着させて配置して使用する場合には、前記のCPU用放熱基材と同様の構成の材料を用いることができる。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれにより何等制限されるものではない。実施例中の各測定方法を以下に示す。
(粒径分布の評価方法)
本発明において、窒化アルミニウム粉の粒径分布は、JIS8801−1の金属製網篩いを用いた篩い分け法により、篩い分けた粒子の重量基準により測定した。また、篩い分けた各粒子群を代表する粒子径は、相隣る篩い径の和を2で除して求めた。
(真球度の評価方法)
本発明において、窒化アルミニウム粉の真球度は、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて顕微鏡写真を撮影し、顕微鏡写真中の粒子100個について短径と長径の比を測定し、その平均値から求めた。
(熱伝導率の測定方法)
本発明において、シートまたはフィルムの熱伝導率は、20×20mmサイズのサンプルを熱線プローブ法により測定した。
(実施例1)
スプレードライヤーによる1600℃の焼成によって得られた、粒径分布が、231μm:1%、196μm:2%、165μm:3%、137.5μm:7%、115.5μm:18%、98μm:27%、82.5μm:22%、69μm:10%、58μm:8%、49μm未満:2%、真球度0.96、気孔率0.1%の窒化アルミニウム粉から、篩い分けにより粒子径が98μm以下の粒子を収集し窒化アルミニウム粉(A)を得た。この窒化アルミニウム粉(A)320gを、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン29.2g(0.1モル)、N−メチル−2−ピロリドン320gと共に、撹拌器、還流冷却器および窒素導入管を備えた容器に装入し、室温窒素雰囲気下で撹拌を行った。これに撹拌下3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物30.9g(0.0995モル)を加え、50℃に昇温したのち1時間撹拌反応させ、窒化アルミニウム含有ポリアミド酸樹脂組成物を得た。この樹脂組成物のワニスをシリコンウエハー上にギャップ100μmの厚みで塗布し、250℃の熱風条件下で1時間乾燥イミド化した。その後、別途1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン29.2g(0.1モル)と3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物30.9g(0.0995モル)をN−メチル−2−ピロリドン320g中で同様に反応させて得たポリアミド酸ワニスを、シリコンウエハー上に形成したポリイミド樹脂組成物フィルム上にスピンコーターにより800rpmで5秒間の後さらに2000rpmで5秒間流延して、これを250℃の熱風条件下で1時間乾燥させた。シリコンウエハー上に形成したフィルムを剥離して、厚み100μmの窒化アルミニウム含有ポリイミドフィルムを得た。このフィルムの熱伝導率を測定したところ、良好な熱伝導性を示した。
(実施例2)
実施例1と同様の操作において、樹脂組成物のワニスを塗布する基材を、シリコンウエハーから35μm厚の電解銅箔に変更して実施した。最終的に厚み136μmの電解銅箔付き窒化アルミニウム含有ポリイミドフィルムが得られた。この電解銅箔付きフィルムの熱伝導率を測定したところ、良好な熱伝導性を示した。
(比較例1)
実施例1と同様の操作において、窒化アルミニウム含有ポリアミド酸樹脂組成物のワニスをシリコンウエハー上に塗工する際のギャップを100μmから200μmに変更して実施した。最終的に厚み196μmの窒化アルミニウム含有ポリイミドフィルムを得た。このフィルムの熱伝導率を測定したところ、実施例1よりも劣っていた。
(実施例3)
実施例1の窒化アルミニウム粉(A)620g、オルソクレゾールノボラックエポキシ樹脂(日本化薬(株)製EOCN−103S)100g、フェノールノボラック樹脂(日本化薬(株)製PN−10)50g、ジアザビシクロウンデセンフェノールノボラック塩(サンアプロ(株)製U−CAT SA841)5gを混合し、110℃に加熱したニーダーで30分混練した後に冷却して、窒化アルミニウム含有エポキシ樹脂組成物を得た。
この樹脂組成物を、鏡面処理された2枚の金属板の間に、厚み100μmのスペーサー金具と共に挟み、熱プレス機によって180℃、5MPaの条件で30分間、続いて200℃、5MPaで1時間加熱処理して成形し、厚み98μmの窒化アルミニウム含有エポキシ樹脂フィルムを得た。このフィルムの熱伝導率を測定したところ、良好な熱伝導性を示した。
(比較例2)
実施例3と同様の操作において、窒化アルミニウム含有エポキシ樹脂組成物を熱プレスにより硬化成形する際のスペーサーを100μmから200μmに変更して実施した。最終的に厚み195μmの窒化アルミニウム含有エポキシ樹脂フィルムを得た。このフィルムの熱伝導率を測定したところ、実施例3よりも劣っていた。
(実施例4)
実施例1の窒化アルミニウム粉(A)200gと、エポキシ変性シリコーン樹脂(信越化学工業(株)製ES1001N・不揮発分45%、エポキシ当量1700g/モル)50gを混合し、120℃に加熱したニーダーで混練しながら樹脂溶剤を留去して固形物とし、冷却して窒化アルミニウム含有シリコーン樹脂組成物を得た。
この樹脂組成物を、鏡面処理された2枚の金属板の間に、厚み100μmのスペーサー金具と共に挟み、熱プレス機によって150℃、3MPaの条件で30分間、続いて200℃、3MPaで30分間加熱処理して成形し、厚み100μmの窒化アルミニウム含有シリコーン樹脂フィルムを得た。このフィルムの熱伝導率を測定したところ、良好な熱伝導性を示した。
(比較例3)
実施例4と同様の操作において、窒化アルミニウム含有シリコーン樹脂組成物を熱プレスにより硬化成形する際のスペーサーを100μmから200μmに変更して実施した。最終的に厚み198μmの窒化アルミニウム含有シリコーン樹脂フィルムを得た。このフィルムの熱伝導率を測定したところ、実施例4よりも劣っていた。

Claims (10)

  1. 重量基準で測定した粒径分布の最頻値が粒径の最大値であり、かつ形態が球状である窒化アルミニウム粉(A)、および合成樹脂(B)を含む樹脂組成物。
  2. 請求項1記載の樹脂組成物を含み、その厚みが、窒化アルミニウム粉(A)の粒径の最大値と実質的に等しいことを特徴とするシート。
  3. 上記合成樹脂(B)が、ポリオレフィン、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、およびポリエーテルサルホン樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種類の樹脂を含有する、請求項2に記載のシート。
  4. 該シートの片面又は両面に金属箔を張り合わせてなる請求項2または3に記載のシート。
  5. 請求項2〜4の何れか1項に記載のシートを有するフレキシブルプリント基板。
  6. 請求項2〜4の何れか1項に記載のシートを有するCPU用放熱基材。
  7. 請求項2〜4の何れか1項に記載のシートを有する高密度多層基板。
  8. 請求項2〜4の何れか1項に記載のシートを有する太陽電池。
  9. 請求項2〜4の何れか1項に記載のシートを有する表示素子。
  10. 請求項2〜4の何れか1項に記載のシートを有するLED用放熱基材。
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