JP2016051820A - プリント配線板、及びプリント配線板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、高周波領域で用いた際の伝送損失を抑制でき、かつ半田リフロー時の熱変形や熱劣化を抑制できるプリント配線板、及びプリント配線板の製造方法を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明の実施形態に係るプリント配線板は、絶縁性を有するベースフィルムと、このベースフィルムに形成される導電パターンと、この導電パターンの少なくとも一部の一方の面に直接形成されるカバーコートとを備え、上記カバーコートの1GHzにおける比誘電率の平方根と1GHzにおける誘電正接との積が0.02未満、ガラス転移温度が150℃以上、320℃における貯蔵弾性率が1×107Pa以上であるプリント配線板である。上記カバーコートの1GHzにおける比誘電率としては、1.2以上3.7以下が好ましい。上記カバーコートの1GHzにおける誘電正接としては、0.001以上0.010以下が好ましい。
【選択図】図1
【解決手段】本発明の実施形態に係るプリント配線板は、絶縁性を有するベースフィルムと、このベースフィルムに形成される導電パターンと、この導電パターンの少なくとも一部の一方の面に直接形成されるカバーコートとを備え、上記カバーコートの1GHzにおける比誘電率の平方根と1GHzにおける誘電正接との積が0.02未満、ガラス転移温度が150℃以上、320℃における貯蔵弾性率が1×107Pa以上であるプリント配線板である。上記カバーコートの1GHzにおける比誘電率としては、1.2以上3.7以下が好ましい。上記カバーコートの1GHzにおける誘電正接としては、0.001以上0.010以下が好ましい。
【選択図】図1
Description
本発明は、プリント配線板、及びプリント配線板の製造方法に関する。
携帯電話端末等の電子機器に使用されるプリント配線板としては、導電パターンが積層されたベースフィルム上に接着剤を介して保護用のカバーフィルムが貼り付けられたプリント配線板が知られている。このようなプリント配線板には、近年の情報通信量の増大に対応すべく、電子機器を高周波領域で用いた際の伝送損失を抑制できることが要求されている。そのため、プリント配線板に使用される絶縁材料には、比誘電率や誘電正接の低減が要求されている。
また、上記プリント配線板には、半田接合により各種電子部品が搭載されることが多いため、半田リフロー時の熱変形や熱劣化を抑制できることが要求されている。
このような要求に応えるため、ベースフィルムやベースフィルム上に貼り付けられるカバーフィルム用の絶縁材料として、比誘電率が低く、耐熱性に優れるフィルム材料が種々検討されている(例えば特開平7−22741号公報及び特開平8−97565号公報参照)。
しかし、上記公報等に記載のカバーフィルムが接着剤を介してベースフィルム上に高温下で圧力をかけて貼り付けられたプリント配線板では、未だ耐熱性が不十分であるため、半田リフロー時の熱変形や熱劣化を抑制するのは困難である。
一方、導電パターンが形成されたベースフィルムに液状のカバーコート材を塗布した後、熱処理することで、加圧することなしに導電パターン上にカバーコートを形成する方法が知られている。しかし、この方法で従来使用されるカバーコート材にて作製されるプリント配線板を用いても、高周波領域で用いた際の伝送損失の抑制、及び半田リフロー時の熱変形や熱劣化の抑制については、未だ不十分である。
本発明は、上述のような事情に基づいてなされたものであり、高周波領域で用いた際の伝送損失を抑制でき、かつ半田リフロー時の熱変形や熱劣化を抑制できるプリント配線板、及びプリント配線板の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた本発明の一態様に係るプリント配線板は、絶縁性を有するベースフィルムと、このベースフィルムに形成される導電パターンと、この導電パターンの少なくとも一部の一方の面に直接形成されるカバーコートとを備え、上記カバーコートの1GHzにおける比誘電率の平方根と1GHzにおける誘電正接との積が0.02未満、ガラス転移温度が150℃以上、320℃における貯蔵弾性率が1×107Pa以上であるプリント配線板である。
また、上記課題を解決するためになされた本発明の別の態様に係るプリント配線板の製造方法は、絶縁性を有するベースフィルムと、このベースフィルムに形成される導電パターンと、この導電パターンの少なくとも一部の一方の面に形成されるカバーコートとを備えるプリント配線板の製造方法であって、上記導電パターンの少なくとも一部の一方の面に、カバーコート形成用塗液の塗布により塗膜を形成する工程と、上記塗膜の加熱により上記カバーコートを形成する工程とを備え、上記カバーコートの1GHzにおける比誘電率の平方根と1GHzにおける誘電正接との積が0.02未満、ガラス転移温度が150℃以上、320℃における貯蔵弾性率が1×107Pa以上である。
本発明の一態様に係るプリント配線板及び本発明の別の態様に係るプリント配線板の製造方法によって得られるプリント配線板は、高周波領域で用いた際の伝送損失を抑制でき、かつ半田リフロー時の熱変形や熱劣化を抑制できる。
[本発明の実施形態の説明]
本発明の一態様に係るプリント配線板は、絶縁性を有するベースフィルムと、このベースフィルムに形成される導電パターンと、この導電パターンの少なくとも一部の一方の面に直接形成されるカバーコートとを備え、上記カバーコートの1GHzにおける比誘電率(以下、「εr」ともいう。)の平方根と1GHzにおける誘電正接(以下、「tanδ」ともいう。)との積が0.02未満、ガラス転移温度(以下、「Tg」ともいう。)が150℃以上、320℃における貯蔵弾性率(以下、「E」ともいう。)が1×107Pa以上であるプリント配線板である。
本発明の一態様に係るプリント配線板は、絶縁性を有するベースフィルムと、このベースフィルムに形成される導電パターンと、この導電パターンの少なくとも一部の一方の面に直接形成されるカバーコートとを備え、上記カバーコートの1GHzにおける比誘電率(以下、「εr」ともいう。)の平方根と1GHzにおける誘電正接(以下、「tanδ」ともいう。)との積が0.02未満、ガラス転移温度(以下、「Tg」ともいう。)が150℃以上、320℃における貯蔵弾性率(以下、「E」ともいう。)が1×107Pa以上であるプリント配線板である。
なお、上記「導電パターンの少なくとも一部の一方の面」とは、導電パターンの少なくとも一部におけるベースフィルム表面と平行な面のうち、ベースフィルム側とは反対側の面をさす。また、上記「1GHzにおける比誘電率」及び「1GHzにおける誘電正接」は、JIS−C−2138(2007年)に準拠する空洞共振器摂動法により、周波数1GHz、温度25℃、相対湿度50%の条件で測定した値である。また、上記「ガラス転移温度」は、JIS−C−6481(1996年)に準拠する動的粘弾性測定法により、周波数1Hz、昇温速度10℃/分で測定した誘電正接のピーク値である。また、上記「320℃における貯蔵弾性率」は、JIS−C−6481(1996年)に準拠する動的粘弾性測定法により、周波数1Hz、昇温速度10℃/分で測定した貯蔵弾性率の320℃における値である。
当該プリント配線板では、カバーコートが導電パターンの少なくとも一部の一方の面に直接形成されている。これにより、従来のプリント配線板のようにカバーコートと導電パターンとの間に接着剤層が介在していないため、接着剤層の誘電損失に起因する伝送損失を防止でき、かつ接着剤層の熱劣化に起因するプリント配線板の耐熱性の低下を防止できる。また、上記カバーコートのεrの平方根とtanδの積(以下、「√εr×tanδ」ともいう。)が0.02未満であることにより、カバーコートの誘電損失に起因する伝送損失を抑制できる。また、上記カバーコートのTgが150℃以上、Eが1×107Pa以上であることにより、カバーコートの熱変形や熱劣化に起因するプリント配線板の耐熱性の低下を抑制できる。よって、当該プリント配線板によれば、高周波領域で用いた際の伝送損失を抑制でき、かつ半田リフロー時の熱変形や熱劣化を抑制できる。
上記カバーコートのεrとしては、1.2以上3.7以下が好ましい。上記カバーコートのεrを上記範囲とすることにより、プリント配線板に必要とされる半田耐熱性や機械特性を維持したまま、伝送損失を効果的に抑制できる。特に、伝送損失をより効果的に抑制する観点から、上記カバーコートのεrとしては、3.0未満が好ましい。
上記カバーコートのtanδとしては、0.001以上0.010以下が好ましい。上記カバーコートのtanδを上記範囲とすることにより、プリント配線板に必要とされる半田耐熱性や機械特性を維持したまま、伝送損失を効果的に抑制できる。
上記カバーコートが、芳香環を有する縮合系高分子を含有するとよい。上記カバーコートが、上記特定の高分子を含有すると、Tg及びEを上記範囲に容易に制御できる。上記芳香環を有する縮合系高分子としては、芳香環を有するポリイミド及び芳香環を有する液晶ポリエステルが、√εr×tanδ、Tg及びEを上記範囲に容易に制御できる点で好ましい。
上記カバーコートが、フッ素原子を有する縮合系高分子を含有するとよい。上記カバーコートが上記特定の高分子を含有すると、√εr×tanδを上記範囲に容易に制御できると共に、εr及びtanδをより小さくすることができるため、伝送損失をより効果的に抑制できる。
上記カバーコートが、複数の空孔を有するとよい。上記カバーコートが複数の空孔を有すると、カバーコートのεrをより小さくすることができるため、伝送損失をより効果的に抑制できる。
上記空孔の平均孔径としては、0.01μm以上20μm以下が好ましい。上記空孔の平均孔径を上記範囲とすることにより、伝送損失をより効果的に抑制できると共に、上記カバーコートの強度の低下を抑制できる。なお、上記平均孔径は、電子顕微鏡で撮像された断面画像を画像解析ソフトで処理して得られる値である。
上記カバーコートの空隙率としては、1%以上70%以下が好ましい。上記カバーコートの空隙率を上記範囲とすることにより、伝送損失をより効果的に抑制できると共に、上記カバーコートの強度の低下を抑制できる。なお、上記空隙率は、JIS−K−7222(2005年)に準拠して測定されたカバーコートの密度と無孔カバーコートの密度との比から算出される値である。
本発明の別の態様に係るプリント配線板の製造方法は、絶縁性を有するベースフィルムと、このベースフィルムに形成される導電パターンと、この導電パターンの少なくとも一部の一方の面に形成されるカバーコートとを備えるプリント配線板の製造方法であって、上記導電パターンの少なくとも一部の一方の面に、カバーコート形成用塗液の塗布により塗膜を形成する工程(以下、「塗膜形成工程」ともいう。)と、上記塗膜の加熱により上記カバーコートを形成する工程(以下、「カバーコート形成工程」ともいう。)とを備え、上記カバーコートの1GHzにおける比誘電率の平方根と1GHzにおける誘電正接との積が0.02未満、ガラス転移温度が150℃以上、320℃における貯蔵弾性率が1×107Pa以上である。
当該プリント配線板の製造方法によれば、上述した高周波領域で用いた際の伝送損失を抑制でき、かつ半田リフロー時の熱変形や熱劣化を抑制できる当該プリント配線板を容易に製造できる。
上記カバーコート形成用塗液が、ポリイミド前駆体、二酸化炭素との複合化により両性イオンを形成する化合物(以下、「両性イオン形成化合物」ともいう。)及び極性溶剤を含み、上記塗膜形成工程と上記カバーコート形成工程との間に、上記塗膜への二酸化炭素の加圧供給により上記極性溶剤を液滴として相分離させる工程(以下、「相分離工程」ともいう。)と、上記極性溶剤の蒸発により上記塗膜中に複数の空孔を形成する工程(以下、「空孔形成工程」ともいう。)とをさらに備えるとよい。
上記カバーコート形成用塗液が上記特定の材料を含み、かつ上記特定の工程をさらに備えることで、εrが低い多孔質ポリイミド材料組成物からなるカバーコートを容易かつ確実に形成することができるため、伝送損失をより効果的に抑制できる。
上記カバーコート形成工程において、上記塗膜の加熱により上記ポリイミド前駆体をイミド化するとよい。上記塗膜の加熱により上記ポリイミド前駆体をイミド化すると、機械的強度や耐熱性の高いカバーコートが得られる。
また、上記カバーコート形成用塗液が液晶ポリエステルを含んでもよい。上記カバーコート形成用塗液が液晶ポリエステルを含むと、液晶ポリエステル材料組成物からなるカバーコートを形成することができるため、伝送損失をより効果的に抑制できる。
[本発明の実施形態の詳細]
本発明の実施形態に係るプリント配線板について、以下に図面を参照しつつ説明する。
本発明の実施形態に係るプリント配線板について、以下に図面を参照しつつ説明する。
<プリント配線板>
図1のプリント配線板は、絶縁性を有するベースフィルム1と、このベースフィルム1に形成される導電パターン2と、この導電パターン2の少なくとも一部の一方の面に直接形成されるカバーコート3とを備える。
図1のプリント配線板は、絶縁性を有するベースフィルム1と、このベースフィルム1に形成される導電パターン2と、この導電パターン2の少なくとも一部の一方の面に直接形成されるカバーコート3とを備える。
(ベースフィルム)
本実施形態のプリント配線板を構成するベースフィルム1は、絶縁性を有するシート状部材で構成されている。このベースフィルム1を構成するシート状部材としては、具体的には樹脂フィルムを採用可能である。この樹脂フィルムの主成分としては、ポリイミド、液晶ポリエステル、フッ素樹脂、ポリエチレンテレフタレート、及びポリエチレンナフタレートが好適に用いられる。なお、ベースフィルム1は、多孔化されたものでも良く、また、充填材、添加剤等を含んでもよい。
本実施形態のプリント配線板を構成するベースフィルム1は、絶縁性を有するシート状部材で構成されている。このベースフィルム1を構成するシート状部材としては、具体的には樹脂フィルムを採用可能である。この樹脂フィルムの主成分としては、ポリイミド、液晶ポリエステル、フッ素樹脂、ポリエチレンテレフタレート、及びポリエチレンナフタレートが好適に用いられる。なお、ベースフィルム1は、多孔化されたものでも良く、また、充填材、添加剤等を含んでもよい。
ベースフィルム1の平均厚さの下限としては、5μmが好ましく、12μmがより好ましい。一方、ベースフィルム1の平均厚さの上限としては、300μmが好ましく、100μmがより好ましく、50μmがさらに好ましく、25μmが特に好ましい。ベースフィルム1の平均厚さが上記下限未満の場合、ベースフィルム1の強度が低下するおそれがある。一方、ベースフィルム1の平均厚さが上記上限を超える場合、薄型化が要求される電子機器への適用が困難となるおそれがある。
ベースフィルム1は可撓性を有していても、有していなくてもよいが、例えば電子機器の可動部の配線に適用する場合は、可撓性を有していることが好ましい。ベースフィルム1が可撓性を有している場合、ベースフィルム1の平均厚さの上限としては、50μmが好ましく、25μmがより好ましい。なお、可撓性を有しているベースフィルム1の平均厚さの好ましい下限は、上記と同様である。
なお、本明細書において、「平均厚さ」とは、対象物の厚さ方向に切断した断面における測定長さ内の表面側の界面の平均線と、裏面側の界面の平均線との間の距離を指す。ここで、「平均線」とは、界面に沿って引かれる仮想直線であって、界面とこの仮想直線とによって区画される山の総面積(仮想直線よりも上側の総面積)と谷の総面積(仮想直線よりも下側の総面積)とが等しくなるような線を意味する。
(導電パターン)
導電パターン2は、ベースフィルム1の一方の面に形成されている。導電パターン2の構成材料としては、導電性を有する材料であれば特に限定されないが、例えば銅、アルミニウム、ニッケル等の金属が挙げられ、一般的には銅が用いられる。また、導電パターン2は、表面にメッキ処理が施されてもよい。
導電パターン2は、ベースフィルム1の一方の面に形成されている。導電パターン2の構成材料としては、導電性を有する材料であれば特に限定されないが、例えば銅、アルミニウム、ニッケル等の金属が挙げられ、一般的には銅が用いられる。また、導電パターン2は、表面にメッキ処理が施されてもよい。
導電パターン2の平均厚さの下限としては、5μmが好ましく、10μmがより好ましい。一方、導電パターン2の平均厚さの上限としては、50μmが好ましく、35μmがより好ましい。導電パターン2の平均厚さが上記下限未満の場合、導通性が低下するおそれがある。一方、導電パターン2の平均厚さが上記上限を超える場合、薄型化が要求される電子機器への適用が困難となるおそれがある。
導電パターン2の形状は特に限定されず、例えばラインパターン、ランドパターン等のパターンが例示できる。
導電パターン2がラインパターンの場合、パターン平均幅は、通常10μm以上500μm以下である。また、導電パターン2のパターン間の平均間隔は、通常10μm以上500μm以下である。
(カバーコート)
カバーコート3は、ベースフィルム1の一方の面及び導電パターン2の一方の面に、接着剤等の他の材料を介さずに直接形成されている。これにより、従来のプリント配線板のようにカバーコートと導電パターンとの間に接着剤層が介在していないため、接着剤層の誘電損失に起因する伝送損失を防止でき、かつ接着剤層の熱劣化に起因するプリント配線板の耐熱性の低下を防止できる。また、カバーコート3は、√εr×tanδが0.02未満、Tgが150℃以上、かつEが1×107Pa以上である。カバーコート3の√εr×tanδが0.02未満であることにより、カバーコート3の誘電損失に起因する伝送損失を抑制できる。また、カバーコート3のTgが150℃以上、Eが1×107Pa以上であることにより、カバーコート3の熱変形や熱劣化に起因するプリント配線板の耐熱性の低下を抑制できる。よって、本実施形態のプリント配線板によれば、高周波領域で用いた際の伝送損失を抑制でき、かつ半田リフロー時の熱変形や熱劣化を抑制できる。
カバーコート3は、ベースフィルム1の一方の面及び導電パターン2の一方の面に、接着剤等の他の材料を介さずに直接形成されている。これにより、従来のプリント配線板のようにカバーコートと導電パターンとの間に接着剤層が介在していないため、接着剤層の誘電損失に起因する伝送損失を防止でき、かつ接着剤層の熱劣化に起因するプリント配線板の耐熱性の低下を防止できる。また、カバーコート3は、√εr×tanδが0.02未満、Tgが150℃以上、かつEが1×107Pa以上である。カバーコート3の√εr×tanδが0.02未満であることにより、カバーコート3の誘電損失に起因する伝送損失を抑制できる。また、カバーコート3のTgが150℃以上、Eが1×107Pa以上であることにより、カバーコート3の熱変形や熱劣化に起因するプリント配線板の耐熱性の低下を抑制できる。よって、本実施形態のプリント配線板によれば、高周波領域で用いた際の伝送損失を抑制でき、かつ半田リフロー時の熱変形や熱劣化を抑制できる。
上述したように、カバーコート3の√εr×tanδとしては、0.02未満であり、伝送損失を効果的に抑制する観点から、上記√εr×tanδの上限としては、0.017が好ましく、0.015がより好ましい。一方、上記√εr×tanδの下限としては、0.003が好ましく、0.005がより好ましい。上記√εr×tanδが上記下限未満の場合、プリント配線板に必要とされる半田耐熱性や機械特性が低下するおそれがある。
カバーコート3のεrの下限としては、1.2が好ましく、1.5がより好ましく、1.7がさらに好ましい。上記εrが上記下限未満の場合、プリント配線板に必要とされる半田耐熱性や機械特性が低下するおそれがある。一方、上記εrの上限としては、伝送損失を効果的に抑制する観点から、3.7が好ましく、3.6がより好ましく、3.5がさらに好ましい。特に、伝送損失をより効果的に抑制する観点から、上記εrとしては、3.0未満が好ましい。
カバーコート3のtanδの下限としては、0.001が好ましく、0.002がより好ましく、0.003がさらに好ましい。上記tanδが上記下限未満の場合、プリント配線板に必要とされる半田耐熱性や機械特性が低下するおそれがある。一方、上記tanδの上限としては、伝送損失を効果的に抑制する観点から、0.010が好ましく、0.009がより好ましく、0.008がさらに好ましい。
上述したように、カバーコート3のTgとしては、150℃以上であり、プリント配線板の耐熱性の低下を効果的に抑制する観点から、上記Tgの下限としては、160℃が好ましく、170℃がより好ましく、200℃がさらに好ましい。一方、上記Tgの上限としては、450℃が好ましく、400℃がより好ましい。上記Tgが上記上限を超える場合、製造コストが増大するおそれがある。
上述したように、カバーコート3のEとしては、1×107Pa以上であり、プリント配線板の耐熱性の低下を効果的に抑制する観点から、上記Eの下限としては、1.2×107Paが好ましく、1.5×107Paがより好ましい。一方、上記Eの上限としては、3×109Paが好ましく、2×109Paがより好ましい。上記Eが上記上限を超える場合、製造コストが増大するおそれがある。
カバーコート3の構成材料としては、√εr×tanδが0.02未満、Tgが150℃以上、かつEが1×107Pa以上であれば特に限定されず、ポリイミド、液晶ポリエステル、フッ素樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等の高分子を含む高分子材料組成物などが好適に用いられる。上記列挙した高分子の中では、Tg及びEを上記範囲に容易に制御する観点から、芳香環を有する縮合系高分子が好ましく、特に√εr×tanδ、Tg及びEを上記範囲に容易に制御する観点から芳香環を有するポリイミド及び芳香環を有する液晶ポリエステルがより好ましい。なお、上記高分子材料組成物は、εr、tanδ、Tg及びEの調整等のために充填材、添加剤等を含んでもよい。
また、カバーコート3に含まれる好適な高分子としては、フッ素原子を有する縮合系高分子も挙げられる。カバーコート3が、フッ素原子を有する縮合系高分子を含有すると、√εr×tanδを上記範囲に容易に制御できると共に、εr及びtanδをより小さくすることができるため、伝送損失をより効果的に抑制できる。フッ素原子を有する縮合系高分子としては、フッ素原子を有するポリイミド、フッ素原子を有する液晶ポリエステル、フッ素原子を有するポリエチレンテレフタレート、フッ素原子を有するポリエチレンナフタレート等が挙げられ、Tg及びEを上記範囲に容易に制御する観点からフッ素原子を有するポリイミド及びフッ素原子を有する液晶ポリエステルが好ましく、フッ素原子を有するポリイミドがより好ましい。
カバーコート3の平均厚さの下限としては、10μmが好ましく、15μmがより好ましい。一方、カバーコート3の平均厚さの上限としては、60μmが好ましく、50μmがより好ましく、45μmがさらに好ましい。カバーコート3の平均厚さが上記下限未満の場合、導電パターン2が損傷又は劣化するおそれがある。また、カバーコート3の平均厚さが上記上限を超える場合、薄型化が要求される電子機器への適用が困難となるおそれがある。なお、カバーコート3の平均厚さを測定する際の上記平均線としては、カバーコート3の厚さ方向に切断した断面における測定長さ内のベースフィルム1との界面の平均線と、カバーコート3における上記界面と平行な面のうちベースフィルム1側とは反対側の面の平均線とを用いる。
本実施形態のプリント配線板を構成するカバーコート3は、図1に示すように、複数の空孔3aを有する。これにより、カバーコート3のεrをより小さくすることができるため、伝送損失をより効果的に抑制できる。空孔3aを形成する方法としては、例えば後述するプリント配線板の製造方法で説明する形成方法等が挙げられる。なお、図1では、理解のし易さのため、空孔3aを誇張して描いている。
空孔3aの平均孔径の下限としては、伝送損失を効果的に抑制する観点から、0.01μmが好ましく、0.05μmがより好ましく、0.1μmがさらに好ましい。一方、上記平均孔径の上限としては、20μmが好ましく、15μmがより好ましく、10μmがさらに好ましい。上記平均孔径が上記上限を超えると、カバーコート3の強度が低下するおそれがある。また、上記平均孔径が上記上限を超えると、連続した空孔が形成されやすくなる上、カバーコート3の表面の凹凸が大きくなる傾向にあるため、用途によっては使用できなくなるおそれがある。さらに、上記平均孔径が上記上限を超えると、カバーコート3の特性が部分的に低下するおそれもある。
カバーコート3の空隙率の下限としては、伝送損失を効果的に抑制する観点から、1%が好ましく、5%がより好ましく、10%がさらに好ましい。一方、上記空隙率の上限としては、70%が好ましく、65%がより好ましく、60%がさらに好ましい。上記空隙率が上記上限を超えると、カバーコート3の強度が低下するおそれがある。
<プリント配線板の製造方法>
本実施形態のプリント配線板の製造方法は、絶縁性を有するベースフィルム1と、このベースフィルム1に形成される導電パターン2と、この導電パターン2の少なくとも一部の一方の面に形成されるカバーコート3とを備えるプリント配線板の製造方法であって、導電パターン2の少なくとも一部の一方の面に、カバーコート形成用塗液の塗布により塗膜を形成する工程(塗膜形成工程)と、上記塗膜の加熱によりカバーコート3を形成する工程(カバーコート形成工程)とを備え、カバーコート3の1GHzにおける比誘電率の平方根と1GHzにおける誘電正接との積が0.02未満、ガラス転移温度が150℃以上、320℃における貯蔵弾性率が1×107Pa以上である。本実施形態のプリント配線板の製造方法によれば、上述した高周波領域で用いた際の伝送損失を抑制でき、かつ半田リフロー時の熱変形や熱劣化を抑制できるプリント配線板を容易に製造できる。
本実施形態のプリント配線板の製造方法は、絶縁性を有するベースフィルム1と、このベースフィルム1に形成される導電パターン2と、この導電パターン2の少なくとも一部の一方の面に形成されるカバーコート3とを備えるプリント配線板の製造方法であって、導電パターン2の少なくとも一部の一方の面に、カバーコート形成用塗液の塗布により塗膜を形成する工程(塗膜形成工程)と、上記塗膜の加熱によりカバーコート3を形成する工程(カバーコート形成工程)とを備え、カバーコート3の1GHzにおける比誘電率の平方根と1GHzにおける誘電正接との積が0.02未満、ガラス転移温度が150℃以上、320℃における貯蔵弾性率が1×107Pa以上である。本実施形態のプリント配線板の製造方法によれば、上述した高周波領域で用いた際の伝送損失を抑制でき、かつ半田リフロー時の熱変形や熱劣化を抑制できるプリント配線板を容易に製造できる。
本実施形態のプリント配線板の製造方法において、ベースフィルム1、導電パターン2及びカバーコート3は、上述した実施形態のプリント配線板と同様である。なお、導電パターン2は、例えばベースフィルム1上に金属膜を積層し、この金属膜にマスキングを施してエッチングすることによって形成できる。上記金属膜の積層方法は、例えば金属箔等をベースフィルム1に接着剤等により貼着してもよく、ベースフィルム1に金属を蒸着して積層してもよい。また、導電パターン2を導電性ペーストで形成してもよい。この場合、印刷技術によって各種パターン形状の導電パターン2を形成できる。
以下、塗膜形成工程、カバーコート形成工程、及びこれらの工程の間に備えていてもよい任意工程について、上記カバーコート形成用塗液がポリイミド前駆体を含む第1の方法を例に図面を参照しつつ説明する。
<第1の方法>
図2に示すように、本方法では、塗膜形成工程、予備乾燥工程、予備硬化工程、相分離工程、紫外線照射工程、空孔形成工程及びカバーコート形成工程を備える。これらの工程は1つ又は複数の装置を用いて行うことができる。
図2に示すように、本方法では、塗膜形成工程、予備乾燥工程、予備硬化工程、相分離工程、紫外線照射工程、空孔形成工程及びカバーコート形成工程を備える。これらの工程は1つ又は複数の装置を用いて行うことができる。
ここで、本方法において使用される処理装置の一例を図3に示した。図3の処理装置10は、CO2ボンベ20、紫外線発生装置30及びチャンバー4を備えている。
CO2ボンベ20は、チャンバー4内に供給するCO2を保持したものである。このCO2ボンベ20は、配管44を介してチャンバー4に接続されている。
紫外線発生装置30は、紫外線照射工程で照射する紫外線を発生するものである。
チャンバー4は、各種の処理を行う空間を規定するものである。図4に示すように、チャンバー4には上壁40に投光窓41が設けられ、側壁42,43に配管44,45が接続され、内部にホットプレート6が収容されている。
投光窓41は、紫外線発生装置30において発生させた紫外線をチャンバー4内に投光する部分である。この投光窓41は、紫外線を透過可能であり、適度な強度を有するものであれば特に限定されず、例えば石英ガラス板が使用される。
配管44は、CO2ボンベ20からのCO2をチャンバー4内に導入するためのものである。配管45はチャンバー4内のCO2を排出するためのものである。配管44,45には、バルブ46,47が設けられている。バルブ46は、チャンバー4内にCO2を供給する状態と供給しない状態とを選択するためのものであると共に、チャンバー4に対するCO2の供給圧(チャンバー4の内部圧力)を調整するものである。バルブ47は、チャンバー4からCO2を排出する状態と排出しない状態とを選択するためのものであると共に、チャンバー4の内部圧力を調整するものである。
ホットプレート6は、ステージ60及びヒータ61を備えている。ステージ60は、塗膜50が塗布されたベースフィルム1と導電パターン2との積層体(以下、ベースフィルム1と導電パターン2との積層体を単に「積層体」ともいう。)を配置する部分である。ステージ60は、熱伝導性の高い材料、例えばアルミニウム、鉄等により形成されている。ヒータ61は、ステージ60を加熱するためのものであり、公知の種々のものを使用することができ、抵抗加熱ヒータが好ましく使用される。
(塗膜形成工程)
塗膜形成工程は、図5に示すようにベースフィルム1の一部及び導電パターン2の一部の一方の面に、カバーコート形成用塗液を塗布して塗膜50を形成することにより行われる。この塗膜形成工程は、処理装置10内において行っても、処理装置10とは別の装置において行ってもよい。
塗膜形成工程は、図5に示すようにベースフィルム1の一部及び導電パターン2の一部の一方の面に、カバーコート形成用塗液を塗布して塗膜50を形成することにより行われる。この塗膜形成工程は、処理装置10内において行っても、処理装置10とは別の装置において行ってもよい。
ベースフィルム1及び導電パターン2へのカバーコート形成用塗液の塗布方法としては、特に限定はないが、例えばバーコート法、スピンコート法、ディップコート法、ブレードコート法、スプレー法、スクリーン印刷法、凸版印刷法、凹版印刷法、平板印刷法、ディスペンス法、インクジェット法等を挙げることができる。これらの中でも、バーコート法、ブレードコート法及びスクリーン印刷法が好ましい。
カバーコート形成用塗液としては、ポリイミド前駆体、二酸化炭素との複合化により両性イオンを形成する化合物(両性イオン形成化合物)及び極性溶剤を含有し、発明の効果を阻害せず、かつ空孔の形成を阻害しない範囲において、その他の任意成分を含んでいてもよい。図6の概念図に示すように、上記カバーコート形成用塗液により形成された塗膜50は、ポリイミド前駆体のマトリックス中に両性イオン形成化合物及び極性溶剤が分散した状態となっているものと考えられる。なお、図6においては、両性イオン形成化合物として、後述する三級アミノ基を有する光硬化性樹脂前駆体を使用した例を示している。
ポリイミド前駆体としては、例えばポリアミド酸が使用される。ポリアミド酸は、例えばテトラカルボン酸二無水物とジアミンとから得られる。
テトラカルボン酸二無水物としては、例えばピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、4,4’−オキシジフタル酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5,6−ピリジンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−テトラフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、シクロブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物等を挙げることができる。これらのテトラカルボン酸二無水物は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、フッ素原子を有するポリアミド酸とするために、テトラカルボン酸二無水物としてフッ素原子を有するテトラカルボン酸二無水物を用いてもよい。フッ素原子を有するポリアミド酸は、フッ素原子を有しないポリアミド酸に比べて他の樹脂又はその前駆体との相溶性が高い。そのため、ポリアミド酸と他の樹脂又はその前駆体とが相分離することを抑制でき、後述する両性イオン形成化合物と二酸化炭素とが複合化して形成される両性イオンの凝集を適切に抑制することができる。その結果、塗膜50中において相分離される極性溶剤の液滴径が大きくなることを抑制できるため、得られるカバーコート3の空孔3aを小径化することが可能となる。これにより、機械的特性を維持しつつ、カバーコート3の低誘電率化が可能となる。なお、フッ素原子を有するポリイミドは、モル分極率が小さく、自由体積(高分子鎖の間にできる空隙)が大きいことから、この点においても、フッ素原子を有しないポリイミドに比べて、さらに低誘電率化が可能である。
フッ素原子を有するテトラカルボン酸二無水物としては、4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物等のフッ素化テトラカルボン酸二無水物が挙げられ、下記式で表されるものが好ましい。
ジアミンとしては、例えば4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、2,4’−ジアミノジフェニルエーテル、2,2’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、2,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2’−ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、2,4’−ジアミノジフェニルスルホン、2,2’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィド、2,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、2,2’−ジアミノジフェニルスルフィド、パラフェニレンジアミン、メタフェニレンジアミン、p−キシリレンジアミン、m−キシリレンジアミン、o−トリジン,o−トリジンスルホン、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−メチレン−ビス−(2,6−ジエチルアニリン)、4,4’−メチレン−ビス−(2,6−ジイソプロピルアニリン)、2,4−ジアミノメシチレン、1,5−ジアミノナフタレン、4,4’−ベンゾフェノンジアミン、ビス−{4−(4’−アミノフェノキシ)フェニル}スルホン、2,2−ビス{4−(4’−アミノフェノキシ)フェニル}プロパン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、ビス{4−(3’−アミノフェノキシ)フェニル}スルホン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、1,4−ジアミノシクロヘキサン等が挙げられる。これらのジアミンは、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、フッ素原子を有するポリアミド酸とするために、ジアミンとしてフッ素原子を有するジアミンを用いてもよい。なお、フッ素原子を有するテトラカルボン酸二無水物とフッ素原子を有するジアミンの双方を用いて、フッ素原子を有するポリアミド酸を得てもよい。
フッ素原子を有するジアミンとしては、2,2’−ビストリフルオロメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン等のフッ素化ジアミンが挙げられ、下記式で表されるものが好ましい。
ポリイミド前駆体の含有量の下限としては、上記カバーコート形成用塗液における全固形成分に対して50質量%が好ましく、60質量%がより好ましい。一方、ポリイミド前駆体の含有量の上限としては、上記カバーコート形成用塗液における全固形成分に対して90質量%が好ましく、85質量%がより好ましい。ポリイミド前駆体の含有量を上記範囲とすることで、適切に空孔を形成することができる。
両性イオン形成化合物は、後述する相分離工程において供給される二酸化炭素と両性イオンを形成するものである。このような両性イオン形成化合物としては、二酸化炭素と複合化でき、両性イオンを生成できるものであれば特に限定されず、例えばアミノ基等を有する化合物を挙げることができ、特に三級アミノ基を有する化合物が好ましい。さらに、相分離工程において形成される極性溶剤相の形状を固定するために、両性イオン形成化合物としては光硬化性樹脂前駆体が好ましい。
三級アミノ基を有する光硬化性樹脂前駆体としては、例えばN−(3−ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミド、メタクリル酸2−(ジエチルアミノ)エチル、N−(3−ジメチルアミノプロピル)アクリルアミド、アクリル酸2−(ジエチルアミノ)エチル、メタクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル、アクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル等が挙げられる。これらの中でも、N−(3−ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミド、メタクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル、メタクリル酸2−(ジエチルアミノ)エチル、及びN−(3−ジメチルアミノプロピル)アクリルアミドが好ましい。
両性イオン形成化合物の含有量の下限としては、上記カバーコート形成用塗液における全固形成分に対して10質量%が好ましく、15質量%がより好ましい。一方、両性イオン形成化合物の含有量の上限としては、上記カバーコート形成用塗液における全固形成分に対して50質量%が好ましく、40質量%がより好ましい。両性イオン形成化合物の含有量を上記範囲することで、極性溶剤を適切に相分離させ、適切に空孔を形成することができる。
両性イオン形成化合物として三級アミノ基を有する光硬化性樹脂前駆体を使用する場合、光硬化性樹脂前駆体を硬化させるための助剤(開始剤)を上記カバーコート形成用塗液中に含有させることが好ましい。開始剤は、光硬化性樹脂前駆体の種類に応じて選択すればよいが、先に例示した光硬化性樹脂前駆体を使用する場合には、例えば1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ジフェニル(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド(慣用名:Lucirin TPO)等を用いることができる。1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンとしては、例えばBASFジャパン社の「Irgacure184」を好適に使用することができる。
開始剤の含有量の下限としては、光硬化性樹脂前駆体100質量部に対して5質量部が好ましく、10質量部がより好ましい。一方、開始剤の含有量の上限としては、光硬化性樹脂前駆体100質量部に対して35質量部が好ましく、30質量部がより好ましい。開始剤の含有量を上記範囲とすることで、極性溶剤を相分離させた後に光硬化性樹脂前駆体を適切に硬化させることができるため、安定した形状の空孔を形成することができる。
極性溶剤としては、例えばN,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド等の低分子溶剤を挙げることができる。
なお、両性イオン形成化合物と二酸化炭素の複合化は、水の存在により阻害され易い。そのため、極性溶剤としては、水分含有量が少ない脱水溶剤を使用することが好ましい。極性溶剤における水分含有量の上限としては、100ppmが好ましく、50ppmがより好ましく、30ppmがさらに好ましい。
極性溶剤の含有量は、例えば目的とするカバーコート形成用塗液の粘度、極性溶剤に対する固形成分の溶解性等によって適宜決定される。極性溶剤の含有量としては、通常上記カバーコート形成用塗液中の固形成分100質量部に対し50質量部以上400質量部以下である。
上記カバーコート形成用塗液には、本発明の効果を損なわず、かつ空孔の形成を阻害しない範囲で、種々の任意成分を含有させてもよい。任意成分としては、例えば硬化促進剤、粘度調整剤、難燃剤、有機及び無機フィラー等が挙げられる。
(予備乾燥工程)
予備乾燥工程は、極性溶剤の一部を蒸発させる工程であり、図7に示すように、チャンバー4内に収容されたステージ60上に塗膜50を形成した上記積層体を載置し、ホットプレート6で加熱することにより行われる。予備乾燥工程は、塗膜50中のポリイミド前駆体及び両性イオン形成化合物の体積含有率が大きくなるよう、言い換えると極性溶剤の体積含有率が小さくなるようにするために行われる。そのため、予備乾燥工程は、上記カバーコート形成用塗液中の極性溶剤の含有量が少ない場合には省略することができる。
予備乾燥工程は、極性溶剤の一部を蒸発させる工程であり、図7に示すように、チャンバー4内に収容されたステージ60上に塗膜50を形成した上記積層体を載置し、ホットプレート6で加熱することにより行われる。予備乾燥工程は、塗膜50中のポリイミド前駆体及び両性イオン形成化合物の体積含有率が大きくなるよう、言い換えると極性溶剤の体積含有率が小さくなるようにするために行われる。そのため、予備乾燥工程は、上記カバーコート形成用塗液中の極性溶剤の含有量が少ない場合には省略することができる。
予備乾燥工程の乾燥条件、例えば予備乾燥温度及び予備乾燥時間は、ポリアミド酸の種類、極性溶剤の種類、上記カバーコート形成用塗液中の極性溶剤の含有量、蒸発させるべき極性溶剤の量等により決定すればよい。
予備乾燥温度は、例えば30℃以上100℃以下とされる。予備乾燥時間は、得られるカバーコート3における空隙率、空孔の大きさ等に影響を与え、長くなるほど空隙率及び空孔の径が小さくなる傾向がある。このような観点から、予備乾燥時間は目的に応じて最適な時間を選定することが好ましく、例えば0.5分以上600分以下とすればよい。
(予備硬化工程)
予備硬化工程は、上記カバーコート形成用塗液に含有させる両性イオン形成化合物として光硬化性樹脂前駆体等の硬化性樹脂前駆体を含有させる場合にのみ必要な工程であり、省略可能な工程である。また、予備硬化工程は、予備乾燥工程と同時に行うこともでき、予備乾燥工程よりも先に行ってもよい。
予備硬化工程は、上記カバーコート形成用塗液に含有させる両性イオン形成化合物として光硬化性樹脂前駆体等の硬化性樹脂前駆体を含有させる場合にのみ必要な工程であり、省略可能な工程である。また、予備硬化工程は、予備乾燥工程と同時に行うこともでき、予備乾燥工程よりも先に行ってもよい。
この予備硬化工程は、光硬化性樹脂前駆体に紫外線等の光を照射し、光硬化性樹脂前駆体の一部を硬化(重合)させる工程であり、例えば図8に示すように、ホットプレート6に載置された上記積層体の一方の面に形成した塗膜50に投光窓41を介して紫外線発生装置30(図3参照)において発生させた紫外線を照射することにより行われる。予備硬化工程の光照射条件は、光硬化性樹脂前駆体及び開始剤の種類、これらの含有量、極性溶剤の種類、極性溶剤の含有量、達成すべき硬化の程度(重合度)、上記カバーコート形成用塗液の粘度等に応じて適宜決定される。
光硬化性樹脂前駆体として紫外線硬化性樹脂前駆体を上記カバーコート形成用塗液に含有させ、この紫外線硬化性樹脂前駆体に紫外線を照射して予備硬化工程を行う場合、紫外線の照射波長、照射強度及び照射時間は、それぞれ、例えば200nm以上400nm以下、100mW/cm2以上500mW/cm2以下、10秒以上1000秒以下である。また、紫外線の波長は、使用する光硬化性樹脂前駆体の種類に応じて適宜選択される。
(相分離工程)
相分離工程は、ポリイミド前駆体中において空孔となる極性溶剤を分離させるために行われる工程であり、図3及び図9に示すように、CO2ボンベ20から配管44を通じてチャンバー4内に二酸化炭素を加圧供給することにより行われる。二酸化炭素の加圧供給により、二酸化炭素が塗膜50中に溶ける。二酸化炭素は、光硬化性樹脂前駆体等の両性イオン形成化合物と複合化し、両性イオンを形成する。上述したように塗膜50中における極性溶剤の体積含有率が小さいので、両性イオンが極性溶剤の周囲に配置されることにより、極性溶剤が液滴として相分離される。
相分離工程は、ポリイミド前駆体中において空孔となる極性溶剤を分離させるために行われる工程であり、図3及び図9に示すように、CO2ボンベ20から配管44を通じてチャンバー4内に二酸化炭素を加圧供給することにより行われる。二酸化炭素の加圧供給により、二酸化炭素が塗膜50中に溶ける。二酸化炭素は、光硬化性樹脂前駆体等の両性イオン形成化合物と複合化し、両性イオンを形成する。上述したように塗膜50中における極性溶剤の体積含有率が小さいので、両性イオンが極性溶剤の周囲に配置されることにより、極性溶剤が液滴として相分離される。
相分離工程における二酸化炭素の供給圧力の下限としては、2MPaが好ましく、4MPaがより好ましい。一方、上記供給圧力の上限としては、10MPaが好ましく、6.5MPaがより好ましい。また、相分離工程における二酸化炭素の供給時間の下限としては、30秒が好ましく、75秒がより好ましい。一方、上記供給時間の上限としては、500秒が好ましく、200秒がより好ましい。二酸化炭素の供給圧力及び供給時間(供給量)が上記下限未満の場合、極性溶剤を適切に相分離できなくなるおそれがある。一方、二酸化炭素の供給圧力及び供給時間(供給量)が上記上限を超えると、製造コストが増大するおそれがある。
(紫外線照射工程)
紫外線照射工程は、上記カバーコート形成用塗液に両性イオン形成化合物として光硬化性樹脂前駆体を含有させる場合に行われる工程である。図10に示すように、紫外線照射工程は、紫外線の照射条件を除き、上記予備硬化工程と同様の方法で行われる。この紫外線照射工程により、光硬化性樹脂前駆体を硬化させることで極性溶剤を取り囲むことができる。さらに概念的に示せば、図11に示すように、ポリイミド前駆体中に極性溶剤が相分離され、その極性溶剤を光硬化性樹脂が取り囲む。
紫外線照射工程は、上記カバーコート形成用塗液に両性イオン形成化合物として光硬化性樹脂前駆体を含有させる場合に行われる工程である。図10に示すように、紫外線照射工程は、紫外線の照射条件を除き、上記予備硬化工程と同様の方法で行われる。この紫外線照射工程により、光硬化性樹脂前駆体を硬化させることで極性溶剤を取り囲むことができる。さらに概念的に示せば、図11に示すように、ポリイミド前駆体中に極性溶剤が相分離され、その極性溶剤を光硬化性樹脂が取り囲む。
紫外線照射工程における紫外線照射条件は、使用する光硬化性樹脂前駆体及び開始剤の種類、これらの含有量等に応じて決定すればよい。紫外線照射強度は、例えば100mW/cm2以上500mW/cm2以下である。紫外線照射時間は、例えば10秒以上300秒以下である。
(空孔形成工程)
空孔形成工程は、極性溶剤を蒸発させることにより複数の空孔を形成する工程である。図12に示すように、空孔形成工程は、ホットプレート6によって塗膜50を加熱して極性溶剤を蒸発させることで、図13に示すように相分離されて極性溶剤が存在していた部分に空孔が形成される。このとき、バルブ46(図3参照)を閉鎖すると共にバルブ47(図3参照)を開放した状態とすることで、二酸化炭素の供給を停止する一方で、チャンバー4内の圧力を常圧としておくことが好ましい。なお、空孔形成工程は、後述するカバーコート形成工程と同時に行うことで省略することもできる。
空孔形成工程は、極性溶剤を蒸発させることにより複数の空孔を形成する工程である。図12に示すように、空孔形成工程は、ホットプレート6によって塗膜50を加熱して極性溶剤を蒸発させることで、図13に示すように相分離されて極性溶剤が存在していた部分に空孔が形成される。このとき、バルブ46(図3参照)を閉鎖すると共にバルブ47(図3参照)を開放した状態とすることで、二酸化炭素の供給を停止する一方で、チャンバー4内の圧力を常圧としておくことが好ましい。なお、空孔形成工程は、後述するカバーコート形成工程と同時に行うことで省略することもできる。
空孔形成工程の加熱は、両性イオン形成化合物として光硬化性樹脂前駆体を使用する場合、極性溶剤の沸点よりも低い温度で行うのが好ましい。この空孔形成工程における加熱温度及び加熱時間は、使用する極性溶剤の種類、極性溶剤の含有量、両性イオン形成化合物の種類等に応じて決定されるが、例えば加熱温度が40℃以上120℃以下、加熱時間が60秒以上3600秒以下とされる。
なお、極性溶剤の蒸発は、チャンバー4内の圧力を徐々に下げて常圧とし、塗膜50を大気中に放置することにより行ってもよい。
(カバーコート形成工程)
カバーコート形成工程は、塗膜50の加熱によりポリイミド前駆体をイミド化することで、塗膜50を硬化させる工程であり、熱風循環炉、電熱炉、赤外線加熱炉、高周波加熱炉等の一般的な加熱炉により実施する。もちろん、図14に示すようにホットプレート6を用いて塗膜50を加熱することにより、塗膜50を硬化させてもよい。カバーコート形成工程により塗膜50が硬化され、図1に示すように複数の空孔3aを有するカバーコート3が導電パターン2の少なくとも一部の一方の面に直接形成される。これにより、図1に示すプリント配線板が得られる。なお、カバーコート形成工程において両性イオン形成化合物を同時に蒸発させるのが好ましい。
カバーコート形成工程は、塗膜50の加熱によりポリイミド前駆体をイミド化することで、塗膜50を硬化させる工程であり、熱風循環炉、電熱炉、赤外線加熱炉、高周波加熱炉等の一般的な加熱炉により実施する。もちろん、図14に示すようにホットプレート6を用いて塗膜50を加熱することにより、塗膜50を硬化させてもよい。カバーコート形成工程により塗膜50が硬化され、図1に示すように複数の空孔3aを有するカバーコート3が導電パターン2の少なくとも一部の一方の面に直接形成される。これにより、図1に示すプリント配線板が得られる。なお、カバーコート形成工程において両性イオン形成化合物を同時に蒸発させるのが好ましい。
カバーコート形成工程における加熱条件は、ポリイミド前駆体の種類等に応じて決定すればよい。加熱温度は、少なくともポリイミド前駆体のイミド化温度以上であり、例えば130℃以上350℃以下である。加熱時間は、例えば10分以上180分以下である。
また、カバーコート形成工程と空孔形成工程(極性溶剤の蒸発)を同時に行う場合、ポリイミド前駆体の硬化温度と極性溶剤の沸点との間に大きな隔たりがあるときには、カバーコート形成工程における加熱温度を段階的に上昇させ、又は連続的かつ徐々に温度を上昇させるようにしてもよい。このような加熱を行うことにより、極性溶剤の蒸発とポリイミド前駆体の硬化を適切に実行できる。
<第2の方法>
以下、第2の方法として、上記カバーコート形成用塗液が液晶ポリエステルを含む場合を例に説明する。なお、上記第1の方法と同様の内容については説明を省略する。
以下、第2の方法として、上記カバーコート形成用塗液が液晶ポリエステルを含む場合を例に説明する。なお、上記第1の方法と同様の内容については説明を省略する。
本方法で使用する液晶ポリエステルは、例えば芳香族ジカルボン酸と、芳香族ジオール、芳香族ヒドロキシアミン、芳香族ジアミン、芳香族ヒドロキシカルボン酸等のモノマーとを合成して得られる芳香族ポリエステルである。このような芳香族ポリエステルとしては、液晶性を示すものであれば特に限定されず、上記例示したモノマー以外のモノマーが50モル%未満の含有割合で共重合されていてもよい。また、液晶ポリエステルは液晶ポリエステルアミドであってもよいし、液晶ポリエステルエーテルであってもよいし、液晶ポリエステルカーボネートであってもよいし、液晶ポリエステルイミドであってもよい。
液晶ポリエステルの代表的なものとしては、パラヒドロキシ安息香酸(PHB)とテレフタル酸と4,4’−ビフェノールとから合成される下記式(1)、(2)及び(3)の構成単位を含む重合体、PHBと2,6−ヒドロキシナフトエ酸とから合成される下記式(3)及び(4)の構成単位を含む重合体、PHBとテレフタル酸とエチレングリコールとから合成される下記式(2)、(3)及び(5)の構成単位を含む重合体等を挙げることができる。
本方法で使用する液晶ポリエステルとしては、アミド結合を有する液晶ポリエステルが好ましく、例えば下記式(6)並びに上記式(2)及び(4)の構成単位を含む重合体を挙げることができる。
液晶ポリエステルは、それを構成する構成単位に対応するモノマーを溶融重合させ、得られた重合物(プレポリマー)を固相重合させることにより製造することが好ましい。これにより、耐熱性、強度及び剛性が高い高分子量の液晶ポリエステルを操作性良く製造することができる。溶融重合は、触媒の存在下に行ってもよく、この触媒の例としては、酢酸マグネシウム、酢酸第一錫、テトラブチルチタネート、酢酸鉛、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、三酸化アンチモン等の金属化合物、又は4−(ジメチルアミノ)ピリジン、1−メチルイミダゾール等の含窒素複素環式化合物が挙げられ、含窒素複素環式化合物が好ましく用いられる。
液晶ポリエステルは、その流動開始温度の下限としては、250℃が好ましく、260℃がより好ましい。一方、上記流動開始温度の上限としては、350℃が好ましく、330℃がより好ましい。流動開始温度が高いほど、耐熱性、強度及び剛性が向上し易いが、あまり高いと溶媒に対する溶解性が低くなるおそれや、カバーコート形成用塗液の粘度が高くなるおそれがある。
なお、流動開始温度は、フロー温度又は流動温度とも呼ばれ、毛細管レオメーターを用いて、9.8MPa(100kg/cm2)の荷重下、4℃/分の速度で昇温しながら液晶ポリエステルを溶融させ、内径1mm及び長さ10mmのノズルから押し出すときに4800Pa・s(48000ポイズ)の粘度を示す温度であり、液晶ポリエステルの分子量の目安となるものである(小出直之編、「液晶ポリマー−合成・成形・応用−」、株式会社シーエムシー、1987年6月5日、p.95参照)。
上記カバーコート形成用塗液は、液晶ポリエステルと溶媒とを含むものであり、溶媒としては、用いる液晶ポリエステルが溶解可能なもの、具体的には50℃にて1質量%以上の濃度([液晶ポリエステルの質量]/[(液晶ポリエステル+溶媒)の質量]×100)で溶解可能なものが適宜選択して用いられる。
(塗膜形成工程)
カバーコート形成用塗液は、例えば固相重合によって得られた液晶ポリエステル粉末をN−メチル−2−ピロリドン等の溶媒に溶解させることによって得られる。上記カバーコート形成用塗液中の液晶ポリエステルの含有量の下限としては、5質量%が好ましく、10質量%がより好ましい。一方、上記含有量の上限としては、60質量%が好ましく、50質量%がより好ましい。上記含有量が上記下限未満の場合、塗工が困難となるおそれがある。一方、上記含有量が上記上限を超えると、均一な厚みの塗膜の形成が困難となるおそれがある。
カバーコート形成用塗液は、例えば固相重合によって得られた液晶ポリエステル粉末をN−メチル−2−ピロリドン等の溶媒に溶解させることによって得られる。上記カバーコート形成用塗液中の液晶ポリエステルの含有量の下限としては、5質量%が好ましく、10質量%がより好ましい。一方、上記含有量の上限としては、60質量%が好ましく、50質量%がより好ましい。上記含有量が上記下限未満の場合、塗工が困難となるおそれがある。一方、上記含有量が上記上限を超えると、均一な厚みの塗膜の形成が困難となるおそれがある。
導電パターンへの上記カバーコート形成用塗液の塗布方法としては、特に限定はないが、例えばバーコート法、スピンコート法、ディップコート法、ブレードコート法、スプレー法、スクリーン印刷法、凸版印刷法、凹版印刷法、平板印刷法、ディスペンス法、インクジェット法等を挙げることができる。上記カバーコート形成用塗液の塗布により、導電パターンの少なくとも一部の一方の面に塗膜が形成される。
(カバーコート形成工程)
上記カバーコート形成用塗液の塗布により形成された塗膜は、適した加熱条件により加熱され、導電パターンの少なくとも一部の一方の面に直接積層されたカバーコートが形成される。これにより、図1のプリント配線板とは異なる実施形態のプリント配線板が得られる。
上記カバーコート形成用塗液の塗布により形成された塗膜は、適した加熱条件により加熱され、導電パターンの少なくとも一部の一方の面に直接積層されたカバーコートが形成される。これにより、図1のプリント配線板とは異なる実施形態のプリント配線板が得られる。
カバーコート形成工程における加熱条件は、用いる液晶ポリエステルの種類等に応じて決定すればよい。加熱温度は、例えば270℃以上350℃以下である。加熱時間は、例えば10分以上180分以下である。
[利点]
当該プリント配線板では、カバーコートが導電パターンの少なくとも一部の一方の面に直接形成されている。これにより、従来のプリント配線板のようにカバーコートと導電パターンとの間に接着剤層が介在していないため、接着剤層の誘電損失に起因する伝送損失を防止でき、かつ接着剤層の熱劣化に起因するプリント配線板の耐熱性の低下を防止できる。また、上記カバーコートの√εr×tanδが0.02未満であることにより、カバーコートの誘電損失に起因する伝送損失を抑制できる。また、上記カバーコートのTgが150℃以上、Eが1×107Pa以上であることにより、カバーコートの熱変形や熱劣化に起因するプリント配線板の耐熱性の低下を抑制できる。よって、当該プリント配線板によれば、高周波領域で用いた際の伝送損失を抑制でき、かつ半田リフロー時の熱変形や熱劣化を抑制できる。
当該プリント配線板では、カバーコートが導電パターンの少なくとも一部の一方の面に直接形成されている。これにより、従来のプリント配線板のようにカバーコートと導電パターンとの間に接着剤層が介在していないため、接着剤層の誘電損失に起因する伝送損失を防止でき、かつ接着剤層の熱劣化に起因するプリント配線板の耐熱性の低下を防止できる。また、上記カバーコートの√εr×tanδが0.02未満であることにより、カバーコートの誘電損失に起因する伝送損失を抑制できる。また、上記カバーコートのTgが150℃以上、Eが1×107Pa以上であることにより、カバーコートの熱変形や熱劣化に起因するプリント配線板の耐熱性の低下を抑制できる。よって、当該プリント配線板によれば、高周波領域で用いた際の伝送損失を抑制でき、かつ半田リフロー時の熱変形や熱劣化を抑制できる。
[その他の実施形態]
上記開示された実施形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
上記開示された実施形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
例えば当該プリント配線板は、上記実施形態のようにベースフィルムの一方の面に導電パターン及びカバーコートが形成されたプリント配線板であってもよい。また、ベースフィルムの両面に直接、あるいは金属膜を介して導電パターン及びカバーコートが順次形成されたプリント配線板であってもよく、この場合、一方のカバーコートが従来の接着剤付きのカバーフィルムであってもよい。
また、当該プリント配線板は、カバーコートが導電パターンの少なくとも一部の一方の面に直接形成されていればよい。よって、カバーコートが、ベースフィルム及び一部の導電パターンの一方の面に形成されていなくてもよい。
また、当該プリント配線板の一実施形態として、カバーコートが空孔を有する場合を例に説明したが、√εr×tanδが0.02未満、Tgが150℃以上、かつEが1×107Pa以上のカバーコートである限り、空孔を有しないカバーコートを用いてもよい。
また、当該プリント配線板の製造方法の一実施形態として、多孔質ポリイミド材料組成物及び液晶ポリエステル材料組成物を用いた場合を例に説明したが、√εr×tanδが0.02未満、Tgが150℃以上、かつEが1×107Pa以上のカバーコートが得られる高分子材料組成物であれば、上記実施形態の組成物以外の高分子材料組成物を用いてもよい。
また、カバーコートを形成する高分子材料組成物として、多孔質液晶ポリエステル材料組成物を用いてもよい。液晶ポリエステルの多孔化としては、例えば特開2008−308669号公報等に記載の方法が挙げられる。
以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[ポリイミド材料組成物を用いた実施例及び比較例]
<試験No.1>
(塗液の調製)
温度計、冷却管、塩化カルシウム充填管、攪拌器及び窒素吹込み管が取り付けられた容量1Lのフラスコ内に、極性溶剤としてN,N−ジメチルアセトアミド836.9gを入れ撹拌した。ここに、窒素吹込み管から毎分150mLの窒素ガスを流入させながら、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル36.42g及び1,4−フェニレンジアミン19.66gを添加し溶解させた。次いで、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物107.02gを30分かけて撹拌しながら添加し、その後撹拌しながら80℃で6時間加熱した。この溶液を放冷し、ポリイミド前駆体ワニスを得た。
<試験No.1>
(塗液の調製)
温度計、冷却管、塩化カルシウム充填管、攪拌器及び窒素吹込み管が取り付けられた容量1Lのフラスコ内に、極性溶剤としてN,N−ジメチルアセトアミド836.9gを入れ撹拌した。ここに、窒素吹込み管から毎分150mLの窒素ガスを流入させながら、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル36.42g及び1,4−フェニレンジアミン19.66gを添加し溶解させた。次いで、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物107.02gを30分かけて撹拌しながら添加し、その後撹拌しながら80℃で6時間加熱した。この溶液を放冷し、ポリイミド前駆体ワニスを得た。
上記合成したポリイミド前駆体ワニス(極性溶剤:ポリイミド前駆体=85質量%:15質量%)53.8質量%、アミノ基を有する光硬化性樹脂前駆体としてメタクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル25.0質量%、及び開始剤としてジフェニル(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド(Lucirin TPO)4.2質量%を混合して攪拌することでカバーコート形成用塗液を得た。
(塗膜形成工程)
平均厚さ25μmのポリイミドフィルムの一方の面に平均厚さ18μmの銅箔が貼り合わせられ、他方の面に長さ30〜80mm、平均幅120μm、平均高さ18μmのマイクロストリップラインが形成された試験片を準備し、この試験片のマイクロストリップラインの表面に得られたカバーコート形成用塗液をバーコート法により塗布し、塗膜を形成した。
平均厚さ25μmのポリイミドフィルムの一方の面に平均厚さ18μmの銅箔が貼り合わせられ、他方の面に長さ30〜80mm、平均幅120μm、平均高さ18μmのマイクロストリップラインが形成された試験片を準備し、この試験片のマイクロストリップラインの表面に得られたカバーコート形成用塗液をバーコート法により塗布し、塗膜を形成した。
(予備乾燥工程)
予備乾燥は、塗膜を形成した試験片をチャンバー内のホットプレート上に載置し、加熱温度90℃、加熱時間150秒間の条件で行った。
予備乾燥は、塗膜を形成した試験片をチャンバー内のホットプレート上に載置し、加熱温度90℃、加熱時間150秒間の条件で行った。
(相分離工程)
相分離工程は、ホットプレートを40℃に加熱した状態で、6.5MPaの圧力で二酸化炭素を120秒間導入することにより行った。
相分離工程は、ホットプレートを40℃に加熱した状態で、6.5MPaの圧力で二酸化炭素を120秒間導入することにより行った。
(紫外線照射工程)
紫外線照射工程は、二酸化炭素による加圧下において、照射強度187mW/cm2の紫外線を180秒間照射することで行った。
紫外線照射工程は、二酸化炭素による加圧下において、照射強度187mW/cm2の紫外線を180秒間照射することで行った。
(空孔形成工程)
空孔形成工程は、チャンバー内の圧力を徐々に下げて常圧とし、チャンバーから塗膜を形成した試験片を取り出して大気中に放置することにより、極性溶剤を蒸発させることで行った。
空孔形成工程は、チャンバー内の圧力を徐々に下げて常圧とし、チャンバーから塗膜を形成した試験片を取り出して大気中に放置することにより、極性溶剤を蒸発させることで行った。
(カバーコート形成工程)
カバーコート形成工程は、窒素雰囲気下において塗膜を110℃で60分間熱処理した後に、さらに320℃で60分間熱処理することにより、ポリアミド酸をイミド化すると共に、光硬化性樹脂及び開始剤を気化させることで行った。これにより、多孔質ポリイミド材料組成物からなるカバーコートがマイクロストリップラインの表面に直接形成されたプリント配線板を得た。
カバーコート形成工程は、窒素雰囲気下において塗膜を110℃で60分間熱処理した後に、さらに320℃で60分間熱処理することにより、ポリアミド酸をイミド化すると共に、光硬化性樹脂及び開始剤を気化させることで行った。これにより、多孔質ポリイミド材料組成物からなるカバーコートがマイクロストリップラインの表面に直接形成されたプリント配線板を得た。
<試験No.2>
相分離工程、紫外線照射工程及び空孔形成工程を行わないこと以外は、上記試験No.1のプリント配線板と同様の操作を行い、試験No.2のプリント配線板を得た。
相分離工程、紫外線照射工程及び空孔形成工程を行わないこと以外は、上記試験No.1のプリント配線板と同様の操作を行い、試験No.2のプリント配線板を得た。
<試験No.3>
温度計、冷却管、塩化カルシウム充填管、攪拌器及び窒素吹込み管が取り付けられた容量1Lのフラスコ内に、溶媒としてN,N−ジメチルアセトアミド685.17gを入れ撹拌した。ここに、窒素吹込み管から毎分150mLの窒素ガスを流入させながら、2,2′−ビス(トリフルオロメチル)−4,4′−ジアミノビフェニル131.88gを添加し溶解させた。次いで、4,4′−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物182.95gを1時間かけて撹拌しながら添加し、その後撹拌しながら80℃で2時間加熱した。この溶液を放冷し、ポリイミド前駆体ワニスを得た。
温度計、冷却管、塩化カルシウム充填管、攪拌器及び窒素吹込み管が取り付けられた容量1Lのフラスコ内に、溶媒としてN,N−ジメチルアセトアミド685.17gを入れ撹拌した。ここに、窒素吹込み管から毎分150mLの窒素ガスを流入させながら、2,2′−ビス(トリフルオロメチル)−4,4′−ジアミノビフェニル131.88gを添加し溶解させた。次いで、4,4′−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物182.95gを1時間かけて撹拌しながら添加し、その後撹拌しながら80℃で2時間加熱した。この溶液を放冷し、ポリイミド前駆体ワニスを得た。
得られたポリイミド前駆体ワニスをカバーコート形成用塗液として用いたこと、並びに相分離工程、紫外線照射工程及び空孔形成工程を行わないこと以外は、上記試験No.1のプリント配線板と同様の操作を行い、試験No.3のプリント配線板を得た。
<試験No.4>
温度計、冷却管、塩化カルシウム充填管、攪拌器及び窒素吹込み管が取り付けられた容量1Lのフラスコ内に、溶媒としてN,N−ジメチルアセトアミド833.94gを入れ撹拌した。ここに、窒素吹込み管から毎分150mLの窒素ガスを流入させながら、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル89.32gを添加し溶解させた。その後、ピロメリット酸二無水物97.29gを30分かけて撹拌しながら添加し、その後撹拌しながら80℃で6時間加熱した。この溶液を放冷し、ポリイミド前駆体ワニスを得た。
温度計、冷却管、塩化カルシウム充填管、攪拌器及び窒素吹込み管が取り付けられた容量1Lのフラスコ内に、溶媒としてN,N−ジメチルアセトアミド833.94gを入れ撹拌した。ここに、窒素吹込み管から毎分150mLの窒素ガスを流入させながら、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル89.32gを添加し溶解させた。その後、ピロメリット酸二無水物97.29gを30分かけて撹拌しながら添加し、その後撹拌しながら80℃で6時間加熱した。この溶液を放冷し、ポリイミド前駆体ワニスを得た。
得られたポリイミド前駆体ワニスをカバーコート形成用塗液として用いたこと、並びに相分離工程、紫外線照射工程及び空孔形成工程を行わないこと以外は、上記試験No.1のプリント配線板と同様の操作を行い、試験No.4のプリント配線板を得た。
<試験No.5>
温度計、冷却管、塩化カルシウム充填管、攪拌器及び窒素吹込み管が取り付けられた容量1Lのフラスコ内に、溶媒としてN,N−ジメチルアセトアミド833.94gを入れ撹拌した。ここに、窒素吹込み管から毎分150mLの窒素ガスを流入させながら、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル44.66g及び1,4−フェニレンジアミン24.11gを添加し溶解させた。次いで、ピロメリット酸二無水物97.29gを30分かけて撹拌しながら添加し、その後撹拌しながら80℃で6時間加熱した。この溶液を放冷し、ポリイミド前駆体ワニスを得た。
温度計、冷却管、塩化カルシウム充填管、攪拌器及び窒素吹込み管が取り付けられた容量1Lのフラスコ内に、溶媒としてN,N−ジメチルアセトアミド833.94gを入れ撹拌した。ここに、窒素吹込み管から毎分150mLの窒素ガスを流入させながら、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル44.66g及び1,4−フェニレンジアミン24.11gを添加し溶解させた。次いで、ピロメリット酸二無水物97.29gを30分かけて撹拌しながら添加し、その後撹拌しながら80℃で6時間加熱した。この溶液を放冷し、ポリイミド前駆体ワニスを得た。
得られたポリイミド前駆体ワニスをカバーコート形成用塗液として用いたこと、並びに相分離工程、紫外線照射工程及び空孔形成工程を行わないこと以外は、上記試験No.1のプリント配線板と同様の操作を行い、試験No.5のプリント配線板を得た。
<試験No.6>
上記試験No.2のプリント配線板の形成方法において、上記試験片の代わりに平均厚さ35μmの電解銅箔の光沢面上にカバーコート形成用塗液を塗布したこと以外は、上記試験No.2のプリント配線板と同様の操作により電解銅箔上にカバーコートを形成した後、電解銅箔からカバーコートを剥がしてカバーコートフィルムを得た。次いで、上記試験片を準備し、この試験片のマイクロストリップラインの表面に接着剤(誘電率3.42、誘電正接0.017)を介して上記カバーコートフィルムを貼り合わせた後、加熱温度160℃、加熱時間30分の条件で上記接着剤を硬化させ、ポリイミド膜からなるカバーコートフィルムがマイクロストリップラインの表面に接着剤を介して形成された試験No.6のプリント配線板を得た。
上記試験No.2のプリント配線板の形成方法において、上記試験片の代わりに平均厚さ35μmの電解銅箔の光沢面上にカバーコート形成用塗液を塗布したこと以外は、上記試験No.2のプリント配線板と同様の操作により電解銅箔上にカバーコートを形成した後、電解銅箔からカバーコートを剥がしてカバーコートフィルムを得た。次いで、上記試験片を準備し、この試験片のマイクロストリップラインの表面に接着剤(誘電率3.42、誘電正接0.017)を介して上記カバーコートフィルムを貼り合わせた後、加熱温度160℃、加熱時間30分の条件で上記接着剤を硬化させ、ポリイミド膜からなるカバーコートフィルムがマイクロストリップラインの表面に接着剤を介して形成された試験No.6のプリント配線板を得た。
<評価>
試験No.1〜6のプリント配線板について、下記に示す方法により空隙率、空孔の平均孔径、比誘電率、誘電正接、ガラス転移温度、貯蔵弾性率、伝送損失及び半田耐熱性を評価した。結果を表1に示す。なお、空隙率、空孔の平均孔径、比誘電率、誘電正接、ガラス転移温度及び貯蔵弾性率については、各プリント配線板のカバーコートの成形条件に相当する条件で製膜したサンプルを用いて評価した。
試験No.1〜6のプリント配線板について、下記に示す方法により空隙率、空孔の平均孔径、比誘電率、誘電正接、ガラス転移温度、貯蔵弾性率、伝送損失及び半田耐熱性を評価した。結果を表1に示す。なお、空隙率、空孔の平均孔径、比誘電率、誘電正接、ガラス転移温度及び貯蔵弾性率については、各プリント配線板のカバーコートの成形条件に相当する条件で製膜したサンプルを用いて評価した。
(空隙率)
空隙率は、寸法法により測定した密度から下記式を用いて算出した。なお、下記式中、無孔ポリイミド膜は、光硬化性樹脂前駆体及び開始剤を含まないこと以外は測定対象のカバーコートの形成用塗液と同じものを用い、相分離工程、紫外線照射工程及び空孔形成工程を行わないこと以外は、測定対象のカバーコートの形成方法と同様に形成した。よって、上記試験No.2〜6については、測定対象のカバーコートの密度と無孔ポリイミド膜の密度が同じなので、空隙率は0%となる。
空隙率は、寸法法により測定した密度から下記式を用いて算出した。なお、下記式中、無孔ポリイミド膜は、光硬化性樹脂前駆体及び開始剤を含まないこと以外は測定対象のカバーコートの形成用塗液と同じものを用い、相分離工程、紫外線照射工程及び空孔形成工程を行わないこと以外は、測定対象のカバーコートの形成方法と同様に形成した。よって、上記試験No.2〜6については、測定対象のカバーコートの密度と無孔ポリイミド膜の密度が同じなので、空隙率は0%となる。
空隙率=[1−(測定対象のカバーコートの密度/無孔ポリイミド膜の密度)]×100
(空孔の平均孔径)
空孔の平均孔径(平均直径)は、走査型電子顕微鏡(Carl Zeiss社の「Ultra55」)によりカバーコートの断面写真(30μm×30μm)を撮像し、画像解析ソフト(National Institute of Health社の「Image J」)を用いて上記断面写真内の空孔の平均断面積を算出し、得られた平均断面積から下記式を用いて算出した。
空孔の平均孔径(平均直径)は、走査型電子顕微鏡(Carl Zeiss社の「Ultra55」)によりカバーコートの断面写真(30μm×30μm)を撮像し、画像解析ソフト(National Institute of Health社の「Image J」)を用いて上記断面写真内の空孔の平均断面積を算出し、得られた平均断面積から下記式を用いて算出した。
平均孔径=2×(空孔の平均断面積/3.141)0.5
(比誘電率及び誘電正接)
比誘電率(εr)及び誘電正接(tanδ)は、空洞共振器法誘電率測定装置を用いて、周波数1GHz、温度25℃、相対湿度50%の条件で測定した。
比誘電率(εr)及び誘電正接(tanδ)は、空洞共振器法誘電率測定装置を用いて、周波数1GHz、温度25℃、相対湿度50%の条件で測定した。
(ガラス転移温度)
ガラス転移温度(Tg)は、動的熱機械測定装置(日立ハイテクサイエンス社の「DMS6100」)を用いて、周波数1Hz、昇温速度10℃/分で測定したtanδのピーク値とした。
ガラス転移温度(Tg)は、動的熱機械測定装置(日立ハイテクサイエンス社の「DMS6100」)を用いて、周波数1Hz、昇温速度10℃/分で測定したtanδのピーク値とした。
(貯蔵弾性率)
貯蔵弾性率(E)は、動的熱機械測定装置(日立ハイテクサイエンス社の「DMS6100」)を用いて、周波数1Hz、昇温速度10℃/分で測定した貯蔵弾性率の320℃における値とした。
貯蔵弾性率(E)は、動的熱機械測定装置(日立ハイテクサイエンス社の「DMS6100」)を用いて、周波数1Hz、昇温速度10℃/分で測定した貯蔵弾性率の320℃における値とした。
(伝送損失)
伝送損失は、ネットワークアナライザ(Agilent社の「E8361A」)に試験No.1〜6のプリント配線板を各々接続し、周波数10GHz、温度25℃、相対湿度50%の条件で測定し、以下の基準で評価した。
伝送損失は、ネットワークアナライザ(Agilent社の「E8361A」)に試験No.1〜6のプリント配線板を各々接続し、周波数10GHz、温度25℃、相対湿度50%の条件で測定し、以下の基準で評価した。
A:試験No.6のプリント配線板よりも優れる。
B:試験No.6のプリント配線板よりもやや優れる。
C:試験No.6のプリント配線板と同等である。
B:試験No.6のプリント配線板よりもやや優れる。
C:試験No.6のプリント配線板と同等である。
(半田耐熱性)
半田耐熱性は、試験No.1〜6のプリント配線板について、JIS−C−6471(1995年)に準じ、半田浴温度320℃、浸漬時間60秒間の条件で耐熱試験を行い、膨れが全く見られなかったものを「A」、最大径が1mm未満の膨れがあったものを「B」、最大径が1mm以上の膨れがあったものを「C」とし、A及びBの場合、半田耐熱性は良好と評価し、Cの場合、不良と評価した。
半田耐熱性は、試験No.1〜6のプリント配線板について、JIS−C−6471(1995年)に準じ、半田浴温度320℃、浸漬時間60秒間の条件で耐熱試験を行い、膨れが全く見られなかったものを「A」、最大径が1mm未満の膨れがあったものを「B」、最大径が1mm以上の膨れがあったものを「C」とし、A及びBの場合、半田耐熱性は良好と評価し、Cの場合、不良と評価した。
表1に示すように、カバーコートがマイクロストリップラインの表面に直接形成され、かつ√εr×tanδが0.02未満、Tgが150℃以上、Eが1×107Pa以上のカバーコートを用いた試験No.1〜3のプリント配線板については、伝送損失及び半田耐熱性のいずれも評価が良好であった。一方、√εr×tanδが0.02以上のカバーコートを用いた試験No.4及び5のプリント配線板については、試験No.1〜3に比べ伝送損失が劣っていた。また、試験No.2と同じポリイミド材料組成物を用いたカバーコートフィルムがマイクロストリップラインの表面に接着剤を介して形成された試験No.6のプリント配線板については、試験No.1〜3に比べ伝送損失及び半田耐熱性が劣っていた。
[液晶ポリエステル材料組成物を用いた実施例及び比較例]
<試験No.7>
(塗液の調製)
攪拌装置、トルクメータ、窒素ガス導入管、温度計及び還流冷却器を備えた反応器に、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸941g、4−アミノフェノール273g、イソフタル酸415.3g及び無水酢酸1123gを仕込んだ。反応器内を十分に窒素ガスで置換した後、窒素ガス気流下で15分かけて150℃まで昇温し、温度を保持して3時間還流させた。次いで、副生酢酸及び未反応の無水酢酸を留去しながら、150℃から290℃まで4時間15分かけて昇温し、290℃で30分保持した後に反応器から内容物を取り出し、室温まで冷却した。得られた固形物を粉砕機で粉砕し、粉末状のプレポリマーを得た。次いで、このプレポリマーを、窒素雰囲気下、室温から250℃まで6時間かけて昇温し、250℃で10時間保持することにより、固相重合させた後、冷却して、固形状の液晶ポリエステルを得た。得られた固形物を粉砕機で粉砕して、粉末状の液晶ポリエステルを得た。この液晶ポリエステルを窒素雰囲気下、室温から255℃まで6時間かけて昇温し、255℃で3時間保持することにより、固相重合させた後、冷却して、再び粉末状の液晶ポリエステルを得た。この液晶ポリエステルの粉末8gをN−メチル−2−ピロリドン92gに加え、140℃に加熱することで液晶ポリエステルを溶解させ褐色透明な溶液を得た。この溶液を攪拌及び脱泡し、液晶ポリエステル液状組成物からなるカバーコート形成用塗液を得た。
<試験No.7>
(塗液の調製)
攪拌装置、トルクメータ、窒素ガス導入管、温度計及び還流冷却器を備えた反応器に、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸941g、4−アミノフェノール273g、イソフタル酸415.3g及び無水酢酸1123gを仕込んだ。反応器内を十分に窒素ガスで置換した後、窒素ガス気流下で15分かけて150℃まで昇温し、温度を保持して3時間還流させた。次いで、副生酢酸及び未反応の無水酢酸を留去しながら、150℃から290℃まで4時間15分かけて昇温し、290℃で30分保持した後に反応器から内容物を取り出し、室温まで冷却した。得られた固形物を粉砕機で粉砕し、粉末状のプレポリマーを得た。次いで、このプレポリマーを、窒素雰囲気下、室温から250℃まで6時間かけて昇温し、250℃で10時間保持することにより、固相重合させた後、冷却して、固形状の液晶ポリエステルを得た。得られた固形物を粉砕機で粉砕して、粉末状の液晶ポリエステルを得た。この液晶ポリエステルを窒素雰囲気下、室温から255℃まで6時間かけて昇温し、255℃で3時間保持することにより、固相重合させた後、冷却して、再び粉末状の液晶ポリエステルを得た。この液晶ポリエステルの粉末8gをN−メチル−2−ピロリドン92gに加え、140℃に加熱することで液晶ポリエステルを溶解させ褐色透明な溶液を得た。この溶液を攪拌及び脱泡し、液晶ポリエステル液状組成物からなるカバーコート形成用塗液を得た。
(塗膜形成工程)
上記試験No.1で用いた試験片と同様の試験片を準備し、この試験片のマイクロストリップラインの表面に得られたカバーコート形成用塗液をバーコート法により塗布し、塗膜を形成した。
上記試験No.1で用いた試験片と同様の試験片を準備し、この試験片のマイクロストリップラインの表面に得られたカバーコート形成用塗液をバーコート法により塗布し、塗膜を形成した。
(カバーコート形成工程)
カバーコート形成工程は、窒素雰囲気下において塗膜を120℃で60分間熱処理した後に、さらに300℃で60分間熱処理することにより行った。これにより、液晶ポリエステル材料組成物からなるカバーコートがマイクロストリップラインの表面に直接形成された試験No.7のプリント配線板を得た。
カバーコート形成工程は、窒素雰囲気下において塗膜を120℃で60分間熱処理した後に、さらに300℃で60分間熱処理することにより行った。これにより、液晶ポリエステル材料組成物からなるカバーコートがマイクロストリップラインの表面に直接形成された試験No.7のプリント配線板を得た。
<試験No.8>
上記試験No.7のプリント配線板の形成方法において、上記試験片の代わりに平均厚さ35μmの電解銅箔の光沢面上にカバーコート形成用塗液を塗布したこと以外は、上記試験No.7のプリント配線板と同様の操作により電解銅箔上にカバーコートを形成した後、電解銅箔からカバーコートを剥がしてカバーコートフィルムを得た。次いで、上記試験片を準備し、この試験片のマイクロストリップラインの表面に接着剤(誘電率3.42、誘電正接0.017)を介して上記カバーコートフィルムを貼り合わせた後、加熱温度160℃、加熱時間30分の条件で上記接着剤を硬化させ、液晶ポリエステル膜からなるカバーコートフィルムがマイクロストリップラインの表面に接着剤を介して形成された試験No.8のプリント配線板を得た。
上記試験No.7のプリント配線板の形成方法において、上記試験片の代わりに平均厚さ35μmの電解銅箔の光沢面上にカバーコート形成用塗液を塗布したこと以外は、上記試験No.7のプリント配線板と同様の操作により電解銅箔上にカバーコートを形成した後、電解銅箔からカバーコートを剥がしてカバーコートフィルムを得た。次いで、上記試験片を準備し、この試験片のマイクロストリップラインの表面に接着剤(誘電率3.42、誘電正接0.017)を介して上記カバーコートフィルムを貼り合わせた後、加熱温度160℃、加熱時間30分の条件で上記接着剤を硬化させ、液晶ポリエステル膜からなるカバーコートフィルムがマイクロストリップラインの表面に接着剤を介して形成された試験No.8のプリント配線板を得た。
<評価>
試験No.7及び8のプリント配線板について、上述した方法により空隙率、比誘電率、誘電正接、ガラス転移温度、貯蔵弾性率、伝送損失及び半田耐熱性を評価した。結果を表2に示す。なお、伝送損失の評価基準は、以下の通りとした。
試験No.7及び8のプリント配線板について、上述した方法により空隙率、比誘電率、誘電正接、ガラス転移温度、貯蔵弾性率、伝送損失及び半田耐熱性を評価した。結果を表2に示す。なお、伝送損失の評価基準は、以下の通りとした。
A:試験No.8のプリント配線板よりも優れる。
B:試験No.8のプリント配線板よりもやや優れる。
C:試験No.8のプリント配線板と同等である。
B:試験No.8のプリント配線板よりもやや優れる。
C:試験No.8のプリント配線板と同等である。
表2に示すように、カバーコートがマイクロストリップラインの表面に直接形成され、かつ√εr×tanδが0.02未満、Tgが150℃以上、Eが1×107Pa以上のカバーコートを用いた試験No.7のプリント配線板については、伝送損失及び半田耐熱性のいずれも評価が良好であった。一方、試験No.7と同じ液晶ポリエステル材料組成物を用いたカバーコートフィルムがマイクロストリップラインの表面に接着剤を介して形成された試験No.8のプリント配線板については、試験No.7に比べ伝送損失及び半田耐熱性が劣っていた。
本発明は、電子機器に使用されるプリント配線板に広く適用可能である。
1 ベースフィルム
2 導電パターン
3 カバーコート
3a 空孔
4 チャンバー
6 ホットプレート
10 処理装置
20 CO2ボンベ
30 紫外線発生装置
40 上壁
41 投光窓
42,43 側壁
44,45 配管
46,47 バルブ
50 塗膜
60 ステージ
61 ヒータ
2 導電パターン
3 カバーコート
3a 空孔
4 チャンバー
6 ホットプレート
10 処理装置
20 CO2ボンベ
30 紫外線発生装置
40 上壁
41 投光窓
42,43 側壁
44,45 配管
46,47 バルブ
50 塗膜
60 ステージ
61 ヒータ
Claims (14)
- 絶縁性を有するベースフィルムと、
このベースフィルムに形成される導電パターンと、
この導電パターンの少なくとも一部の一方の面に直接形成されるカバーコートと
を備え、
上記カバーコートの1GHzにおける比誘電率の平方根と1GHzにおける誘電正接との積が0.02未満、ガラス転移温度が150℃以上、320℃における貯蔵弾性率が1×107Pa以上であるプリント配線板。 - 上記カバーコートの1GHzにおける比誘電率が1.2以上3.7以下である請求項1に記載のプリント配線板。
- 上記カバーコートの1GHzにおける比誘電率が3.0未満である請求項2に記載のプリント配線板。
- 上記カバーコートの1GHzにおける誘電正接が0.001以上0.010以下である請求項1、請求項2又は請求項3に記載のプリント配線板。
- 上記カバーコートが、芳香環を有する縮合系高分子を含有する請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のプリント配線板。
- 上記芳香環を有する縮合系高分子が、芳香環を有するポリイミド又は芳香環を有する液晶ポリエステルである請求項5に記載のプリント配線板。
- 上記カバーコートが、フッ素原子を有する縮合系高分子を含有する請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のプリント配線板。
- 上記カバーコートが、複数の空孔を有する請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のプリント配線板。
- 上記空孔の平均孔径が0.01μm以上20μm以下である請求項8に記載のプリント配線板。
- 上記カバーコートの空隙率が1%以上70%以下である請求項8又は請求項9に記載のプリント配線板。
- 絶縁性を有するベースフィルムと、このベースフィルムに形成される導電パターンと、この導電パターンの少なくとも一部の一方の面に形成されるカバーコートとを備えるプリント配線板の製造方法であって、
上記導電パターンの少なくとも一部の一方の面に、カバーコート形成用塗液の塗布により塗膜を形成する工程と、
上記塗膜の加熱により上記カバーコートを形成する工程と
を備え、
上記カバーコートの1GHzにおける比誘電率の平方根と1GHzにおける誘電正接との積が0.02未満、ガラス転移温度が150℃以上、320℃における貯蔵弾性率が1×107Pa以上であるプリント配線板の製造方法。 - 上記カバーコート形成用塗液が、ポリイミド前駆体、二酸化炭素との複合化により両性イオンを形成する化合物及び極性溶剤を含み、
上記塗膜形成工程と上記カバーコート形成工程との間に、
上記塗膜への二酸化炭素の加圧供給により上記極性溶剤を液滴として相分離させる工程と、
上記極性溶剤の蒸発により上記塗膜中に複数の空孔を形成する工程と
をさらに備える請求項11に記載のプリント配線板の製造方法。 - 上記カバーコート形成工程において、上記塗膜の加熱により上記ポリイミド前駆体をイミド化する請求項12に記載のプリント配線板の製造方法。
- 上記カバーコート形成用塗液が、液晶ポリエステルを含む請求項11に記載のプリント配線板の製造方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014176539A JP2016051820A (ja) | 2014-08-29 | 2014-08-29 | プリント配線板、及びプリント配線板の製造方法 |
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---|---|
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Country | Link |
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JP (1) | JP2016051820A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020119964A (ja) * | 2019-01-22 | 2020-08-06 | 東洋インキScホールディングス株式会社 | 電磁波シールドシート付きプリント配線板 |
WO2022260087A1 (ja) * | 2021-06-09 | 2022-12-15 | 株式会社村田製作所 | 多孔質液晶ポリマーシート、金属層付き多孔質液晶ポリマーシート、及び、電子回路基板 |
-
2014
- 2014-08-29 JP JP2014176539A patent/JP2016051820A/ja active Pending
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