JP2008005679A - 回転操作工具 - Google Patents

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Abstract

【課題】作業者の肉体的負担を軽減し、しかも安定した状態で架空電線の工事をすることができるようにした回転操作工具を提供する。
【解決手段】本回転操作工具は、先端工具110の基端部111を固定する筒状の固定部10と、絶縁操作棒120を固定する回転部20とが周方向に回転自在に連繋されている。先端工具110は、基端部111に貫通穴が形成され、この貫通穴から操作軸112が突出している。そして、回転部20は、操作軸112を固定するコネクタ22と、絶縁操作棒120を固定するホルダ21とを同軸に一体に設けたもので、コネクタ22が固定部10内に位置している。固定部10の基端側端面と回転部20のホルダ21とは、ベアリングやラチェット機構を備えた継手30によって連繋されている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、電柱などに架設された架空電線を工事するときに使用する先端工具と作業者が架空電線から離隔して操作することができるようにするための縁操作棒(ホットスティック)とを接続する回転操作工具に関し、詳しくは、先端工具の基端部を固定する固定部と絶縁操作棒を固定する回転部とが備えられている回転操作工具に関する。
電柱などに架設された架空電線を、停電しない状態すなわち活線状態で工事するには、作業者は架空電線から離隔して作業しなければならず、そのため絶縁操作棒が使用されている。このような絶縁操作棒に取り付けられる共用絶縁操作棒回転用工具が特許文献1に開示されている。
この共用絶縁操作棒回転用工具は、絶縁操作棒の回転トルクや回転スピードを加減できるようにするため、短尺の筒体とハンドル部材と握り部材とが備えられている。短尺の筒体の上端部には、絶縁操作棒の口金に結合される連結金具が設けられている。短尺の筒体の下端部には、ハンドル部材が水平方向に進退可能に固定されている。そして、握り部材が短尺の筒体を空回り可能に外嵌している。この共用絶縁操作棒回転用工具は、短尺の筒体の上端部に設けられた連結金具に絶縁操作棒の口金が結合された状態で、作業者が握り部材を握り、ハンドル部材を回転させることにより、絶縁操作棒が適正なトルク及び回転スピードをもって回転する。
また、電柱上に設けられた把持金具のボルトを締め付けるための間接作業装置(ボルト回し操作具)が特許文献2に開示されている。このボルト回し操作具は、2軸回転操作棒であり、絶縁操作棒とボルト回し工具とを備えている。
絶縁操作棒には、操作棒本体、駆動軸そしてハンドルが備えられている。操作棒本体には、軸受部材と把持部材とが備えられている。軸受部材は、同軸に離隔した基部側軸受部及び先部側軸受部と、両軸受部を連結するコ字形の連結体とを一体成形したもので、両軸受部材には、前記駆動軸を貫通させる係合穴が設けられている。そして、前記把持部材は、前記基部側軸受部に接続されている。
この把持部材が基部側軸受部に接続される先端部には、ギヤ収納部が設けられている。このギヤ収納部内には、係合穴を貫通している駆動軸の基端部と前記ハンドルの先端部が位置している。この駆動軸の基端部とハンドルの先端部には、噛合する傘歯車が設けられ、ハンドルが回転されることにより、駆動軸が周方向に回転するようにされている。
また、前記軸受部材の先部側軸受部には、ケース本体が取り付けられている。ケース本体内には、従動軸と作業軸とが直角方向に収納され、この従動軸と作業軸の両内端部は、噛合する傘歯車によって連結されている。また、作業軸の外端部には、ボルトのボルトヘッドに嵌合するボックススパナが設けられている。
このようなボルト回し操作具を使用するには、作業者がボルトのボルトヘッドをボックススパナに嵌め込み、片手で把持部を持ちながら、もう片手でハンドルを回す。すると、駆動軸が周方向に回転し、ボルトが締め付けられることによって、架空電線が腕金に固定される。また、作業者は、絶縁操作棒によって架空電線から離隔しているため、感電することなく安全に作業することができる。
特開2005−245111号公報 特開2000−175321号公報
特許文献2に開示されたボルト回し操作具のような2軸回転操作棒は、操作棒本体、駆動軸、そしてハンドルが備えられ、重量があるだけでなく、長尺であるため、ボルトを架空電線の腕金に固定する作業が容易でなく、作業者の肉体的負担が大きい。このことは、ボルト回し操作具に限らず、操作棒本体の先部側軸受部にPDC端末皮剥器や電線皮剥工具、電線切断工具、絶縁テープ巻回工具、電線把持工具あるいは電気抵抗測定器その他の先端工具が取り付けられた2軸回転操作棒も同じである。
また、特許文献1に開示された共用絶縁操作棒回転用工具は、操作棒本体や駆動軸が備えられず、2軸回転操作棒よりも軽量化が図られているが、短尺の筒体に設けられた連結金具を絶縁操作棒の基端部に結合し、作業者が握り部材を握りながらハンドル部材を回転させることによって使用する。絶縁操作棒の先端側が架空電線に掛止されているとしても、共用絶縁操作棒回転用工具は絶縁操作棒に継ぎ足されているため、作業者が操作するハンドル部材は架空電線から遠くなり、不安定な作業となる。
そこで、本発明は、作業者の肉体的負担を軽減し、しかも安定した状態で架空電線の工事をすることができるようにした回転操作工具を提供することを課題とする。
本発明に係る回転操作工具は、貫通穴を形成した基端部内を操作軸が貫通している先端工具と、絶縁操作棒とを接続する回転操作工具であって、前記先端工具の基端部を固定する筒状の固定部と、該固定部内に挿入されて前記操作軸を固定するコネクタを先端に設け、かつ、前記絶縁操作棒を固定するホルダを基端に設けた軸状の回転部とが周方向に回転自在に連繋されていることを特徴としている。
この回転操作工具によれば、固定部と回転部とが周方向に回転自在に連繋され、固定部が先端工具の基端部を固定することにより、先端工具の基端部は固定された状態を維持し、回転部のコネクタが先端工具の操作軸を固定し、回転部のホルダが絶縁操作棒を固定することにより、絶縁操作棒の周方向の回転に連動して先端工具の操作軸が周方向に回転する。したがって、作業者は、絶縁操作棒を周方向に回転することによって、回転操作工具に接続された先端工具を操作することができる。
また、前記本発明に係る回転操作工具において、前記固定部と回転部との接合面にベアリングが介在していることが好ましい。
この回転操作工具によれば、固定部と回転部との接合面にベアリングが介在していることにより、固定部と回転部との間に摩擦力が生じることなく、回転部がスムーズに回転するようにすることができる。なお、固定部の基端側端面と回転部のホルダーの先端側端面とが向き合う回転操作工具にあっては、両端面間にスラストベアリングが介在する。
また、前記本発明に係る回転操作工具において、前記固定部と回転部とは、ラチェット機構によって連繋されていることが好ましい。
この回転操作工具によれば、固定部と回転部とがラチェット機構によって連繋されていることにより、回転部は一方向にのみ回転し、回転部に固定された操作軸も一方向にのみ回転する。したがって、この回転操作工具は、操作軸を一方向にのみ回転させるように操作する先端工具の使い勝手を向上させることができる。
また、前記本発明に係る回転操作工具において、前記コネクタは、前記操作軸を挿入する結合孔が形成されていることが好ましい。
この回転操作工具によれば、コネクタに操作軸を挿入する結合孔が形成されていることにより、外径寸法が規格化されている操作軸をコネクタに容易に固定することができ、取り付けの作業性を向上させることができる。
また、前記本発明に係る回転操作工具において、前記先端工具は、電線皮剥工具、電線切断工具、絶縁テープ巻回工具、電線把持工具、ボルト回し操作具あるいは電気抵抗測定器であってもよい。
本発明に係る回転操作工具は、多種多様の先端工具を取り付けることできるが、貫通穴を形成して固定される基端部と、回転する操作軸を備えた先端工具として、電線皮剥工具、電線切断工具、電線把持工具、ボルト回し操作具あるいは電気抵抗測定器を使用することができる。
本発明によれば、先端工具の基端部を固定する固定部と、先端工具の操作軸及び絶縁操作棒を固定する回転体とが周方向に回転自在に連繋されていることにより、軽量化が図られ、架空電線を工事する作業者の肉体的負荷が軽減されるだけでなく、操作を簡略化することができる。したがって、本発明に係る回転操作工具を使用することにより、作業効率を向上させることができる。
本発明に係る回転操作工具の一実施形態について図1ないし図3を参照しながら説明する。この回転操作工具は、先端工具110と絶縁操作棒120とを接続するため、固定部10と回転部20とが直列に連繋されている。
先端工具110は、電線皮剥工具、電線切断工具、絶縁テープ巻回工具、電線把持工具、ボルト回し操作具あるいは電気抵抗測定器など、限定するものではないが、貫通穴を形成した基端部111内を操作軸112が貫通している。基端部111の先側には、架空電線に掛止するヘッド113が取り付けられている。また、操作軸112の先端部には、操作軸112の回転によって方向転換する回転部材114が取り付けられている。回転部材114は、先端工具110が電線皮剥工具や電線切断工具であればカッターなどであり、絶縁テープ巻回工具であればテープホルダであり、ボルト回し操作具であればボルトヘッドであり、電気抵抗測定器であれば測定端子である。また、先端工具110の操作軸112は、所定の寸法に規格化された四角柱状に形成され、基端部111から突出している。
そして、先端工具110の基端部111が本回転操作工具の固定部10に固定され、先端工具110の操作軸112が本回転操作工具の回転部20に固定される。固定部10は、先端工具110の基端部111が挿入される筒状で、先端部にロックネジ11が取り付けられている。すなわち、ロックネジ11の先端部が筒状の固定部10の内周面から突出し、固定部10内に挿入されている先端工具110の基端部111を押圧する。なお、先端工具110の基端部111が円筒状であれば、回転操作工具の固定部10も円筒状に形成され、先端工具110の基端部111が角筒状であれば、回転操作工具の固定部10も角筒状に形成される。
一方、回転部20は、有底縁筒状のホルダ21と、このホルダ21の底部から同軸に突出したコネクタ22とを一体に形成したもので、コネクタ22が前記固定部10内に挿入されている。このコネクタ22には、前記操作軸112を挿入する結合孔22aが形成されている。操作軸112が四角柱状であれば、結合孔22aも断面四角形に形成されている。
そして、ホルダ21は、絶縁操作棒120の先端部を挿入する有底円筒状に形成されている。絶縁操作棒120の先端部には、係合突起121が突設されているため、ホルダ21には、この係合突起121を係止する鉤形状の溝21aが形成されている。
このようなホルダ21の外周と前記固定部10の基端側の外周は、同じ外径とされ、ホルダ21の底部と固定部10の基端側端面とが継手30によって連繋されている。この継手30は、ホルダ21の底部を固定する連結板31と、固定部10の基端側端面を固定する連結板31とを有し、図示しないスラストベアリングとラチェット機構とを備えている。スラストベアリングにより、固定部10が回転しない状態で回転部20がスムーズに回転するようにすることができる。また、ラチェット機構により、回転部20が一定方向にのみ回転するようにすることができる。
本回転操作工具は、以上のように構成され、次に、使用方法について説明する。作業者は、回転操作工具の固定部10に固定された先端工具110のヘッド113を、図3に示すように架空電線100に掛止する。回転操作工具は、特許文献2に開示されたような2軸回転操作棒よりも軽量化されているため、作業者はヘッド113を容易に架空電線100に掛止することができる。そして、作業者は、特許文献1に開示された共用絶縁操作棒回転用工具と異なり、絶縁操作棒120の基端部と中間部とを把持し、絶縁操作棒120を周方向に回転する。
すると、先端工具110のヘッド113が架空電線100に掛止されていることから、ヘッド113を取り付けている基端部111及び本回転操作工具の固定部10が回転することなく、絶縁操作棒120を固定した本回転操作工具の回転部20が回転する。したがって、回転部20のコネクタ22に固定された先端工具110の操作軸112が周方向に回転する。
回転部20と固定部10は、スラストベアリングを備えた継手30を介して周方向に回転自在に連繋されているため、回転部20はスムーズに周方向に回転する。また、継手30にラチェット機構が備えられることにより、操作軸112は一方向にのみ回転する。操作軸112が周方向に回転することにより、回転部材114が作動し、架空電線100の工事が進行する。
そして、作業が終了すると、先端工具110を架空電線100から外す。本回転操作工具は、軽量化が図られているため、先端工具110のヘッド113を架空電線100から容易に外すことができる。
なお、本発明は、前記の実施形態に限定することなく、特許請求の範囲に記載された発明特定事項の範囲内において種々変更することができる。例えば、先端工具110が電気抵抗測定器のように操作軸112がいずれの方向に回転してもよい場合は、ラチェット機構を備えなくてもよい。
また、操作軸112にピンを突設した場合にあっては、回転部20に設けられたコネクタ22は、結合孔22aではなく、このピンを係入する溝を形成したものとしてもよい。さらに、筒状の固定部10の内径が回転部20のホルダ21の外径よりも大きく、回転部20が固定部10内に挿入されるようにしてもよく、この場合は、固定部10と回転部20との間にラジアルベアリングを介在させることが好ましい。
本発明に係る回転操作工具の一実施形態を示す正面図である。 本発明に係る回転操作工具に先端工具と絶縁操作棒とを固定した一実施形態を示す断面正面図である。 本発明に係る回転操作工具を使用していている状態を示す概略図である。
符号の説明
10…固定部
20…回転部
21…ホルダ
22…コネクタ
22a…結合孔
110…先端工具
111…基端部
112…操作軸
120…絶縁操作棒

Claims (5)

  1. 貫通穴を形成した基端部内を操作軸が貫通している先端工具と、絶縁操作棒とを接続する回転操作工具であって、
    前記先端工具の基端部を固定する筒状の固定部と、該固定部内に挿入されて前記操作軸を固定するコネクタを先端に設け、かつ、前記絶縁操作棒を固定するホルダを基端に設けた軸状の回転部とが周方向に回転自在に連繋されていることを特徴とする回転操作工具。
  2. 前記固定部と回転部との接合面にベアリングが介在していることを特徴とする請求項1に記載の回転操作工具。
  3. 前記固定部と回転部とは、ラチェット機構によって連繋されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の回転操作工具。
  4. 前記コネクタは、前記操作軸を挿入する結合孔が形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の回転操作工具。
  5. 前記先端工具は、電線皮剥工具、電線切断工具、絶縁テープ巻回工具、電線把持工具、ボルト回し操作具あるいは電気抵抗測定器であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載の回転操作工具。
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