JP2008004483A - 断路器の動作監視装置、断路器、断路器の動作監視方法 - Google Patents

断路器の動作監視装置、断路器、断路器の動作監視方法 Download PDF

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Abstract

【課題】断路器の一部分に異常が発生した場合にも、異常を検知することができ、また、異常の生じた部位を特定することのできる断路器の動作監視装置を提供する。
【解決手段】送電路の入状態と切状態とを切り替えるブレードと、入又は切の操作指令に応じて駆動される操作装置と、操作装置の回転駆動をブレードに伝達する回転シャフト150と、を有する断路器の動作監視装置1は、断路器の操作装置の回転をブレードに伝達する回転シャフト150の角速度の時系列変化を測定する測定部11と、測定した角速度の時系列変化を、基準となる回転シャフトの角速度の基準時系列変化と比較し、測定した角速度の時間変化と、角速度基準の時間変化との差に基づき、断路器の異常の有無を判定する判定部10とを備える。
【選択図】図4

Description

本発明は、発変電所などに設けられた電力開閉器の一つである断路器の動作を監視するための装置及び方法に関する。
発変電所の発変電機器には、遮断器、断路器、変圧器など、様々なものがある。かかる発変電機器の保守点検を行うにあたっては、各機器の動作状態を把握することが必要であり、従来、機器の巡視点検が行われている。しかしながら、運転中の機器の動作状態を巡視点検のみで精度良く把握することは必ずしも容易ではない。特に、電力開閉器である遮断器や断路器は、グリス固着などによって各部の動作時間が徐々に増加して最終的に故障に至るのであるが、巡視点検では、各部の動作時間を正確に判定することができないため、開閉器の不具合を初期段階で発見することは難しい。
広く用いられている断路器の動作を監視する方法として、断路器を作動する指令の入力から、操作機構のリミットスイッチが復帰するまでの、断路器の動作時間を管理することにより、障害の有無を判定する方法が用いられている。また、これに関連して、特許文献1には、断路器に入力される制御電流と操作電流の流れ始める時間差に基づき、断路器の動作状況を監視する方法が記載されている。
特開平11−273510号公報
ところで、断路器内の機構の動作は、動作速度の異なる各機構が順次動作することにより行われる。上記説明した方法では断路器全体の動作時間に基づき異常の有無を監視しているため、断路器の機構の一部に異常が発生しても、異常が大きく進行するまで動作時間は大きく変化せず、異常を検知することができない。また、異常を検知した場合にも異常の発生した部分を特定することができない。また、特許文献1記載の方法も、同様の理由から、異常を検知した場合にも異常の発生した部分を特定することができないという問題がある。
本発明は、以上の問題に鑑みなされたものであり、その目的は、断路器の一部分に異常が発生した場合にも、異常を検知することができ、また、異常の生じた部位を特定することのできる断路器の動作監視方法を提供することである。
本発明の動作監視装置は、送電路の入状態と切状態とを切り替えるブレードと、入又は切の操作指令に応じて駆動される操作装置と、前記操作装置の回転駆動を前記ブレードに伝達する回転シャフトと、を有する断路器の動作監視装置であって、前記断路器の操作装置の回転をブレードに伝達する回転シャフトの角速度の時間変化を測定する角速度測定手段と、前記測定した角速度の時間変化を、基準となる回転シャフトの角速度の時間変化との差異の傾向に基づき、断路器の異常の有無を判定する判定手段とを備えることを特徴とする。
ここで、前記角速度測定手段は、前記回転シャフトに取り付けられた振動型又は回転型のジャイロスコープを備えてもよい。また、前記角速度測定手段は、側面、上面、及び下面の少なくとも何れかの面に白黒の模様又はスリットが設けられ、前記駆動シャフトに取り付けられた円盤と、前記円盤の白黒の模様又はスリットが設けられた面に光を照射する発光ダイオードと、前記発光ダイオードより照射され、前記円盤の白黒の模様又はスリットが設けられた面で反射された光を受信する受光素子と、前記受光素子より出力された信号に基づき前記回転シャフトの回転の角速度を求める手段と、を備えてもよい。
また、前記判定手段は、前記測定した角速度の時間変化が、基準となる回転シャフトの角速度の時間変化に比べて低下している箇所に基づき異常の箇所を特定する手段と、前記測定した角速度の時間変化が、基準となる回転シャフトの角速度の時間変化に比べて上昇している箇所に基づき異常の箇所を特定する手段と、を備えてもよい。また、本発明は、断路器の動作監視装置が組み込まれたことを特徴とする断路器を含むものとする。
本発明の断路器の動作監視装置によれば、断路器のブレードに回転駆動を伝達する回転シャフトの角速度の時間変化を測定し、異常のない状態における角速度の時間変化と比較することにより、異常の有無を判定するため、断路器の動作機構の一部に異常が発生した場合にも、早期に異常を検知することができる。また、測定した回転シャフトの角速度の時間変化と、異常のない状態における角速度の時間変化との差異の位置及び傾向に基づき、異常の生じた部位を特定することができる。
また、本発明は、送電路の入状態と切状態とを切り替えるブレードと、入又は切の操作指令に応じて駆動される操作装置と、前記操作装置の回転駆動を前記ブレードに伝達する回転シャフトと、を有する断路器の動作監視方法であって、前記断路器の操作装置の回転をブレードに伝達する回転シャフトの角速度の時間変化を測定する角速度測定ステップと、前記測定した角速度の時間変化を、基準となる回転シャフトの角速度の時間変化との差異の傾向に基づき、断路器の異常の有無を判定するステップとを備えることを特徴とする断路器の動作監視方法を含むものとする。
本発明によれば、断路器の動作機構の一部に異常が発生した場合にも、早期に異常を検知することができ、さらに、異常の生じた部位を特定することができる。
以下、本発明の動作監視装置の一実施形態を図面を参照しながら説明する。
まず、本実施形態の動作監視装置の適用の対象となる断路器について説明する。
図1は、本実施形態の動作監視装置による動作の監視の対象となるロックアウト装置を備えた断路器を示す斜視図である。同図に示すように、断路器100は、送電路に接続される複数組(図では3組)の固定接触部110a,110bと、これら固定接触部110a,110bの間を開閉するブレード120と、固定接触部110a,110bを絶縁する碍子130と、操作装置140の内部に設けられた操作モータ(図1には示さず)の回転を一のブレード120に伝達するための操作ロッド150と、当該一のブレード120の回転を他のブレード120に伝達するための連動ロッド160とを備えて構成される。断路器100は、入又は切の操作指令に基づき、上記操作モータが回転駆動し、この回転駆動が操作ロッド150を介して伝達され、ブレード120が回転することにより、固定接触部110a,110b間が開閉されることにより、送電路の入切状態を切り替えるものである。
ここで、断路器100に入動作又は切動作させた際の断路器の各動作機構の動作速度は、以下のような特徴がある。まず、断路器内100動作機構の一部の動作負荷が大きくなるとその部分の動作速度が低下する。また、動作機構の一部に固渋部があると固渋箇所を通過した直後の動作速度は、その反動で一次的に大きくなる。また、動作機構の一部にガタがあると、ガタに入った部分で短時間に大きな速度上昇があり、直後に大きな速度低下がある。また、動作機構の一部に引掛りがあると固渋に近い状況となるが、引掛り部で大きな速度低下がある。
さらに、発明者らが、断路器100の各部と、動作速度及び速度変化との関係を調べたところ、操作方式(電動操作式,空気操作式など)や電圧階級,断路器種類により異なるものの、以下のような関係が得られた。
図2は断路器100の入操作時の標準的な角速度の時間変化の一例を示すグラフである。発明者らは、図2に示す入動作時の角速度の時間変化の傾向に基づき、角速度が上昇する部分(以下、入操作時の第1区間という)と、角速度が略一定となる部分(以下、入操作時の第2区間という)と、角速度が低下したのち、上昇する部分(以下、入操作時の第3区間という)と、角速度が大きく上昇した後、短時間で零となる部分(以下、入操作時の第4区間という)とに分類し、夫々の区間と断路器の駆動機構との関係を調べた。すると、入操作時の第1区間は動力伝達部のクランク支点部の影響を受け易く、第2区間はブレード回転部の影響を受け易く、第3区間は、ブレード捻回箇所の影響を受け易く、第4区間は動力伝達部のクランク支点部の影響を受け易いことがわかった。
また、同様に、切動作についても、以下のような関係が得られた。図3は、断路器の切操作時の標準的な角速度の時間変化の時間変化の一例を示すグラフである。同図に示すように、切操作時の角速度の時間変化の傾向に基づき、発明者らは、角速度が上昇する部分(以下、切操作時の第1区間という)と、角速度が低下した後、上昇する部分(以下、切操作時の第2区間という)と、速角度が略一定となる部分(以下、切操作時の第3区間という)と、角速度が大きく上昇した後、短時間で零となる部分(以下、切操作時の第4区間という)とに分類し、夫々の部分と断路器の駆動機構との関係を調べた。すると、切操作時の第1区間は動力伝達部のクランク支点部の影響を受け易く、第2区間はブレード捻回箇所の影響を受け易く、第3区間は、ブレード回転部の影響を受け易く、第4区間は動力伝達部のクランク支点部の影響を受け易いことがわかった。
本実施形態の断路器100の動作監視装置1は、上述した断路器100の各部の異常が回転シャフト150の回転の角速度へ与える影響に関する知見に基づいて、異常を検知するものであり、断路器100の入動作又は切動作時の回転シャフト150の角速度の時間変化を測定し、異常がない場合の回転シャフト150の角速度の時間変化と比較することにより、異常の有無を判定することを特徴とする。
図4は、本実施形態の動作監視装置1の構成を示す図である。
同図に示すように、本実施形態の動作管理装置1は、回転シャフト150の角速度の時間変化を測定するための測定器11と、測定器11により測定された角速度の時間変化に基づき、異常の有無を判定する判定器10と、を備える。
測定部11は、CPU2と、メモリ3と、記録部4と、回転シャフト150に取り付けられたジャイロスコープ5とを備える。ジャイロスコープ5としては、機械式又は振動式のジャイロスコープを用いることができる。ジャイロスコープ5は、回転シャフト150の角速度を測定すると、その角速度に応じた信号をCPU2に送信し、CPU2は入力された信号に対応する角速度をメモリ3に記録する。
判定部10は、CPU6と、メモリ7と、記録部8を備える。判定部10は、適宜な外部I/Fを備えており、外部I/Fを介して測定部11のメモリ3に記録された角速度の時間変化を読み込むことができる。また、記録部8には、予め、異常がない状態で測定された角速度の時間変化(以下、基準角速度時間変化という)が記録されている。
なお、本実施形態では、判定部10と、測定部11とを別の装置として記載しているが、これらを一体化してもよい。その場合、CPU2,6やメモリ3,7を共有化できる。また、判定部10と、測定部11を断路器100と一体化して、自己診断機能付き断路器としてもよい。
まず、図5に示すフローチャートを参照して、測定部11のCPU2が回転シャフト150の角速度の時間変化を測定すべく実行する処理の流れを説明する。なお、以下の説明において、COは記録時間を示すカウンタタイマである。
まず、ステップ400において、ジャイロスコープ5が回転シャフト150の回転を検知しない(すなわち、角速度がゼロ)場合には、回転を検知するまで待機している。また、ステップ400において、ジャイロスコープ5が回転シャフト150の回転を検知した場合には、ステップ402において、角速度を記録するためのメモリ3を初期化する。
そして、ステップ404において、ジャイロスコープ5の検知した角速度の値をメモリ3に記録する。
次に、ステップ406において、角速度を記録するメモリ3のアドレスを進める。
次に、ステップ408において、カウンタタイマ(CO)に測定単位時間を加える。
次に、ステップ410において、角速度が検知されている場合にはステップ404に戻り、ステップ404〜410を繰り返す。
また、ステップ410において、角速度が検知されなくなった場合には、断路器100の動作が終了したことになるため、ステップ412において、判定部10にメモリ3に記録された角速度の時間変化を送信する。
判定部10は、測定部11より角速度の時間変化を受信すると、記録部4に記録されている基準角速度時間変化を読み込む。そして、測定部11より受信した角速度の時間変化と、基準角速度時間変化とを比較し、入動作の場合、切動作の場合夫々について、以下に詳述するように異常の有無の判定を行う。
まず、入動作の場合の判定の処理の流れについて説明する。図6は、判定部10における断路器が入動作をした場合に異常の有無を判定すべく判定部10のCPU6が実行する処理の流れを示すフローチャートである。
まず、ステップ500において、測定された角速度の時間変化と基準角速度時間変化とを比較する。ステップ500において、測定された角速度の時間変化と、基準角速度時間変化が略同じであると判定された場合には、ステップ502において、異常がないと判定する。また、ステップ500において、測定された角速度の時間変化と、基準角速度時間変化とで差異があると判定された場合には、ステップ510において、基準角速度に比べて角速度が低下している期間の有無を判定する。
ステップ510において基準角速度に比べて角速度の低下している期間があると判定された場合には、次に、ステップ512において基準角速度に比べて角速度の低下している期間に基づき異常箇所の特定を行う。
図7は、ステップ512における基準角速度に比べて角速度の低下している期間に基づき異常箇所の特定を行う処理の流れを詳細に示すフローチャートである。
まず、ステップ600において、基準角速度に比べて角速度が全体的に低下しているかどうかを判定する。ステップ600において、図8に破線で示すように、基準角速度に比べて角速度が全体的に低下していると判定された場合には、ステップ602において、断路器を駆動する機構である操作モータの回転の低下したことにより、全体的に角速度が低下した可能性が高いため、操作装置の回転碍子などのベアリングにおいてグリス固化などが発生していると判定する。また、ステップ600において、全体的に角速度が低下していないと判定された場合には、ステップ610において、測定した角速度が基準角速度に比べて低下している期間を特定する。
ステップ610において、図9に破線で示すように、中間部までに角速度の低下が見られる場合には、ステッ612において、上述した入動作時の第1区間又は第2区間に影響を与える機構である動力伝達部のこじり、リンク機構の不具合などの可能性があると判定する。また、ステップ610において、図10に破線で示すように、後半部に角速度の低下が見られる場合には、ステップ614において、上述した入動作時の第3区間に影響を与える機構であるブレードの捻回部のこじり、錆、調整不良の可能性があると判定する。また、ステップ610において、図11に破線で示すように、動作最終部に角速度の低下が見られる場合には、ステップ616において、上述した入動作時の第4区間に影響を与える機構である動力伝達部のクランク支点部の調整不良の可能性があると判定する。
上記のように、ステップ600〜616において、角速度の低下した期間に基づき判定を行ったのち、ステップ620において、角速度の低下した期間の直後に速度上昇があるかどうかを判定する。ステップ620において、角速度の低下した期間の直後に速度上昇が見られる場合には、ステップ622において、角速度の低下した期間に影響を与える機構にひっかかりがある可能性があると判定する。
図6のステップ510において、基準角速度に比べて角速度の低下した期間が無いと判定された場合には、ステップ520にて、測定された角速度の時間変化において、基準角速度の時間変化に比べて角速度が上昇している期間があるかどうかを判定する。
ステップ520において、基準角速度に比べて測定された角速度が上昇している期間が見られる場合には、次に、ステップ522において、角速度が上昇している期間に基づき断路器の異常箇所の特定を行う。
図12は、ステップ522における基準角速度に比べて角速度が上昇している期間に基づき異常箇所の特定を行う処理の流れを詳細に示すフローチャートである。
まず、ステップ700において、図13に破線で示すように、全体的に基準角速度に比べて角速度が上昇している場合には、ステップ702において、空気操作式の断路器では、排圧関係の部位の不具合があると判定する。また、ステップ700において、全体的に角速度の上昇が見していない場合には、ステップ710において、角速度が上昇している期間を特定する。
ステップ710において、図14に破線で示すように、前半部において基準角速度に比べて角速度が上昇している場合には、ステップ712において、上述した入動作時の第1区間又は第2区間に影響を与える機構である動力伝達部のクランク支点部の調整不良の可能性があると判定する。また、ステップ710において、図15に破線で示すように後半部において、基準角速度に比べて角速度が上昇している場合には、ステップ714において、上述した入動作時の第3区間に影響を与える機構であるブレード捻回部におけるコンタクト部のスプリングが劣化しているため、スプリングの力が低下している可能性があると判定する。
図6に戻り、以上説明したように、ステップ510〜522において、角速度の低下又は上昇の有無及びその期間に基づき判定を行ったあと、ステップ530において、測定された角速度の時間変化に、基準角速度の時間変化にない、上昇と下降(以下、異常増減という)があるかどうかを判定する。
その結果、図16に破線で示すように角速度の時間変化に異常増減が見られた場合には、ステップ534において、この異常増減の発生した期間に影響を与える機構に不具合の可能性があると判定して、終了する。また、ステップ530において角速度の時間変化に異常増減が見られない場合には判定を終了する。
以上説明したように、判定部により測定された角速度の時間変化と、基準角速度の時間変化とを比較して、異常の有無及びその箇所を判定する。
次に、切動作時の判定の処理の流れについて説明する。
切動作時の判定の処理は、図6に示す入動作時の判定の処理と略同様であるが、ステップ512における、基準角速度に比べて角速度が低下している期間に基づき異常箇所の特定を行う処理が異なる。
図17は、切動作時における、基準角速度に比べて角速度が低下している期間に基づき異常箇所の特定を行う処理を示すフローチャートである。
まず、ステップ800において、基準角速度に比べて角速度が全体的に低下しているかどうかを判定する。ステップ800において、図18に破線で示すように全体的に角速度が低下していると判定された場合には、ステップ802において、断路器を駆動する機構である操作モータの回転の低下したことにより、全体的に角速度が低下した可能性が高いため、操作装置の回転碍子などのベアリングにおいてグリス固化などが発生していると判定する。また、ステップ800において、全体的に角速度が低下していないと判定された場合には、ステップ810において、基準角速度に比べて測定した角速度が低下している期間を特定する。
ステップ810において、図19に破線で示すように、前半部に角速度の低下が見られる場合には、ステップ814において、切動作時の第1区間及び第2区間に影響を与える機構であるブレード捻回部のこじり、錆、調整不良の可能性があると判定する。また、ステップ810において、図20に破線で示すように、切動作時の第4区間に影響を与える機構である動作最終部に角速度の低下が見られる場合には、ステップ812において、動力伝達部のクランク支点部の調整不良の可能性があると判定する。
上記のように、ステップ800〜814において、角速度が低下する箇所に基づき判定を行ったのち、ステップ820において、角速度の低下直後に速度上昇があるかどうかを判定する。ステップ820において、角速度の低下の直後に上昇が見られる場合には、ステップ822において、角速度の低下する期間に影響を与える機構にひっかかりがある可能性があると判定する。
切動作時の測定された角速度の時間変化に基づき判定を行う場合には、上記説明したステップ512における角速度が低下する期間に基づき、断路器における異常箇所の特定を行う工程以外は、図6を参照して説明した入動作時の判定の処理と同様の処理を行うことにより、異常箇所の有無及びその箇所を判定することができる。
以上説明したように、本実施形態の断路器の動作監視装置によれば、断路器のブレードに回転駆動を伝達する回転シャフトの角速度の時間変化を測定し、異常のない状態における角速度の時間変化と比較することにより、異常の有無を判定するため、断路器の動作機構の一部に異常が発生した場合にも、早期に異常を検知することができる。さらに、異常のない状態における角速度の時間変化との差異の位置及び傾向に基づき、異常の生じた部位を特定することができる。
なお、上述した実施形態において、回転シャフト150の角速度を測定する装置としてジャイロスコープを用いる構成としたが、これに限らず、図21に示すような、着脱可能な円盤22を回転シャフト150に取り付け、発光ダイオード20により円盤22に光を照射し、円盤22からの反射光を受光素子21で受信し、これに基づき角速度を検出する装置23を用いることができる。また、ロータリーエンコーダなども用いることもでき、要するに角速度を検出することができる装置であればよい。
本実施形態の動作監視装置による動作の監視の対象となるロックアウト装置を備えた断路器を示す斜視図である。 断路器の入操作時の標準的な角速度の時間変化の一例を示すグラフである。 断路器の切操作時の標準的な角速度の時間変化の一例を示すグラフである。 本実施形態の動作監視装置の構成を示す図である。 測定器による角速度を測定する処理の流れを示すフローチャートである。 判定部における断路器が入動作をした場合の異常の有無を判定する処理の流れを示すフローチャートである。 速度低下している位置に基づき異常箇所の特定を行う処理を詳細に示すフローチャートである。 入動作時における全体的に速度の低下が見られる場合の角速度の時間変化の一例を示すグラフである。 入動作時における前半部に速度の低下が見られる場合の角速度の時間変化の一例を示すグラフである。 入動作時における後半部に速度の低下が見られる場合の角速度の時間変化の一例を示すグラフである。 入動作時における動作最終部に速度の低下が見られる場合の角速度の時間変化の一例を示すグラフである。 速度上昇している位置に基づき異常箇所の特定を行う処理を詳細に示すフローチャートである。 入動作時における全体的に速度上昇が見られる場合の角速度の時間変化の一例を示すグラフである。 入動作時における前半部に速度上昇が見られる場合の角速度の時間変化の一例を示すグラフである。 入動作時における後半部に速度上昇が見られる場合の角速度の時間変化の一例を示すグラフである。 入動作時における新たな上昇及び下降が見られる場合の角速度の時間変化の一例を示すグラフである。 切動作時における速度低下の位置に基づき異常箇所の特定を行う処理を示すフローチャートである。 切動作時における全体的に角速度の低下が見られる場合の角速度の時間変化の一例を示すグラフである。 切動作時における前半部に角速度の低下が見られる場合の角速度の時間変化の一例を示すグラフである。 切動作時における動作最終部に角速度の低下が見られる場合の角速度の時間変化の一例を示すグラフである。 角速度を検出するための装置を示す図である。
符号の説明
1 動作監視装置 2 CPU
3 メモリ 4 記録部
6 CPU 7 メモリ
8 記録部 10 判定部
11 測定部 100 断路器
120 ブレード 130 碍子
140 操作装置 150 回転シャフト

Claims (6)

  1. 送電路の入状態と切状態とを切り替えるブレードと、入又は切の操作指令に応じて駆動される操作装置と、前記操作装置の回転駆動を前記ブレードに伝達する回転シャフトと、を有する断路器の動作監視装置であって、
    前記断路器の操作装置の回転をブレードに伝達する回転シャフトの角速度の時間変化を測定する角速度測定手段と、
    前記測定した角速度の時間変化を、基準となる回転シャフトの角速度の時間変化との差異の傾向に基づき、断路器の異常の有無を判定する判定手段とを備えることを特徴とする断路器の動作監視装置。
  2. 前記角速度測定手段は、
    前記回転シャフトに取り付けられた振動型又は回転型のジャイロスコープを備えることを特徴とする請求項1記載の断路器の動作異常監視装置
  3. 前記角速度測定手段は、
    側面、上面、及び下面の少なくとも何れかの面に白黒の模様又はスリットが設けられ、前記駆動シャフトに取り付けられた円盤と、
    前記円盤の白黒の模様又はスリットが設けられた面に向けて光を照射する発光ダイオードと、
    前記発光ダイオードより照射され、前記円盤の白黒の模様又はスリットが設けられた面で反射された光を受信する受光素子と、
    前記受光素子より出力された信号に基づき前記回転シャフトの回転の角速度を求める手段と、を備えることを特徴とする請求項1記載の動作異常監視装置。
  4. 前記判定手段は、
    前記測定した角速度の時間変化が、基準となる回転シャフトの角速度の時間変化に比べて低下している箇所に基づき異常の箇所を特定する手段と、
    前記測定した角速度の時間変化が、基準となる回転シャフトの角速度の時間変化に比べて上昇している箇所に基づき異常の箇所を特定する手段と、を備えることを特徴とする請求項1から3記載の動作異常監視装置。
  5. 請求項1から4何れかに記載の断路器の動作監視装置が組み込まれたことを特徴とする断路器。
  6. 送電路の入状態と切状態とを切り替えるブレードと、入又は切の操作指令に応じて駆動される操作装置と、前記操作装置の回転駆動を前記ブレードに伝達する回転シャフトと、を有する断路器の動作監視方法であって、
    前記断路器の操作装置の回転をブレードに伝達する回転シャフトの角速度の時間変化を測定する角速度測定ステップと、
    前記測定した角速度の時間変化を、基準となる回転シャフトの角速度の時間変化との差異の傾向に基づき、断路器の異常の有無を判定するステップとを備えることを特徴とする断路器の動作監視方法。

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