JP2008002759A - 二元冷凍システムおよび保冷庫 - Google Patents

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Kenji Kaneshiro
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Abstract

【課題】冷蔵あるいは冷凍に利用する比較的蒸発温度が低い二元冷凍システムにおいて、簡易な構成と高元圧縮機の能力制御で、可燃性冷媒などを使用した高元側冷凍システムの冷媒量を抑制しながら効率向上と耐久性向上を図る。
【解決手段】空冷により高元側冷凍システムの放熱を行う凝縮器32と、高元側冷凍システムの吸熱を行う蒸発器34と、空冷により低元側冷凍システムの放熱を行う前段放熱器21と、蒸発器34と熱交換することにより低元側冷凍システムの放熱を行う後段放熱器22と、空冷を促進するために外気を導入する放熱器ファン7とを備え、放熱器ファン7が形成する風路35内において前段放熱器21を凝縮器32よりも下流に配置することによって、凝縮器32の放熱能力の低下を抑制することができ、高元側冷凍システムの冷媒量を抑制する二元冷凍システムの効率向上を図ることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、冷媒として二酸化炭素を使用した冷凍システムにおいて、冷蔵あるいは冷凍に利用する比較的蒸発温度が低い冷凍システムおよび、この冷凍システムを搭載する保冷庫に関するものである。
近年、冷凍システムに使用される冷媒の地球温暖化に対する影響を削減する要求が高まっており、地球温暖化に対する影響が小さい自然冷媒として、二酸化炭素を使用した冷凍システムが提案されている。また、二酸化炭素を使用した冷凍システムは、遷臨界サイクルである点を利用して高い出湯温度を得る給湯機に適用され、また不燃性である点を利用して使用時の冷媒漏洩量が大きいカーエアコンに適用されている。
一方、冷蔵あるいは冷凍に利用する比較的蒸発温度が低い冷凍システムにおいては、高外気温度条件において効率が著しく低下するとともに、蒸発温度の低下に伴って吐出ガス温度が非常に高くなるという問題があり、適用が進んでいない。
そこで、冷媒として二酸化炭素を使用した冷凍システムの放熱器を、他の冷媒を使用した冷凍システムで冷却する二元冷凍システムが提案されている(例えば、非特許文献1参照)。
さらに、二元冷凍システムにおいて、高元冷媒として高外気温度条件での冷凍効率に優れる炭化水素やアンモニア等の可燃性冷媒を用いた場合、高元冷媒の使用量を削減するために低元冷媒として二酸化炭素を使用した冷凍システムの放熱器の一部を空冷して、高元側冷凍システムの能力を低減する工夫も提案されている(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。
以下、図面を参照しながら従来の二元冷凍システムについて説明する。
図5は、従来の二元冷凍システムの回路構成図、図6は、従来の二元冷凍システムの低元冷媒のモリエル線図である。
図5に示すように、従来の二元冷凍システムは、冷媒として二酸化炭素を使用し、低元圧縮機1、前段放熱器2、後段放熱器3、低元膨張弁4、冷却器5、アキュームレータ6の主回路からなる低元側冷凍システムと、冷媒としてプロパンを主成分とする炭化水素を使用し、高元圧縮機11、凝縮器12、高元膨張弁13、蒸発器14の主回路からなる高元側冷凍システムとを具備している。ここで、前段放熱器2と凝縮器12は一体に形成され、放熱器ファン7により外気で空冷されるとともに、後段放熱器3と蒸発器14は、直接接触により熱交換される。
また、前段放熱器2から低元膨張弁4へ向かうガス冷媒と、アキュームレータ6から低元圧縮機1へ向かうガス冷媒の熱交換を行う内部熱交換器8、冷却器5で生成した冷気を保冷庫の庫内(図示せず)へ循環する蒸発器ファン9、前段放熱器2の出口の冷媒圧力と温度を検知するセンサー10を備えている。
以上のように構成された従来の二元冷凍システムについて、以下その動作を説明する。
低元圧縮機1で圧縮されて吐出された冷媒は、前段放熱器2で外気温度近傍まで冷却され、さらに後段放熱器3と内部熱交換器8で冷却された後、低元膨張弁4で減圧されて、冷却器5で蒸発する。そして、冷却器5で蒸発できなかった液冷媒をアキュームレータ6内部に貯留しながら、アキュームレータ6からガス冷媒のみが内部熱交換器8を介して低元圧縮機1へ還流する。また、高元圧縮機11で圧縮され、吐出された冷媒は、凝縮器12で凝縮された後、高元膨張弁13で減圧されて蒸発器14で後段放熱器3と熱交換しながら蒸発し、高元圧縮機11へ還流する。
ここで、外気温度が高い場合、センサー10で検知される前段放熱器2の出口の冷媒温度が高くなり、膨張弁制御装置(図示せず)によって前段放熱器2の出口の冷媒圧力が最適な所定量まで高くなるように低元膨張弁4の開度が絞られる。この制御は、超臨界領域において前段放熱器2の出口の冷媒温度が高くなると、低い冷媒圧力ではエンタルピー変化が小さくなり、放熱量が低下するために、冷媒圧力を上げて放熱量を増大するものである。
このとき、低元膨張弁4の開度を絞ることで前段放熱器2の出口の冷媒圧力が増大するのは、低元膨張弁4の開度を絞ることによって蒸発温度が低下して、冷却器5での熱交換量が大きくなるとともに冷媒循環量が低下する結果、冷却器5の出口における冷媒の乾き度が増大してアキュームレータ6内部に貯留される冷媒量が減少するためである。
また、外気温度が低い場合、センサー10で検知される前段放熱器2の出口の冷媒温度が低くなり、膨張弁制御装置(図示せず)によって前段放熱器2の出口の冷媒圧力が最適な所定量まで低くなるように低元膨張弁4の開度が開けられる。
この制御は、超臨界領域において前段放熱器2の出口の冷媒温度が低くなると、低い冷媒圧力でもエンタルピー変化が大きく、放熱量が確保できるので、冷媒圧力を下げて圧縮動力を削減するものである。このとき、低元膨張弁4の開度を開けることで前段放熱器2の出口の冷媒圧力が低下するのは、低元膨張弁4の開度を開けることによって蒸発温度が上昇して、冷却器5での熱交換量が小さくなるとともに、冷媒循環量が増大する結果、冷却器5における出口の冷媒の乾き度が減少してアキュームレータ6内部に貯留される冷媒量が増加するためである。
次に、従来の二元冷凍システムの低元冷媒の状態変化について、図6を用いて詳細に説明する。
図6は、横軸を冷媒のエンタルピーh、縦軸を冷媒の圧力Pとするモリエル線図であり、a、b、c、d、e、f、gの各点は、保冷庫の庫内(図示せず)が所定温度まで低下した定常状態にある安定時の冷媒の状態変化を示す。
安定時において、低元圧縮機1から吐出された冷媒は、温度Taのa点にあり、前段放熱器2で冷却されて温度T1のb点となり、さらに後段放熱器3で冷却されて温度T2のc点となり、さらに内部熱交換器8で冷却されて温度T3のd点となる。b点、c点、d点において冷媒は超臨界状態にあり、液化しないことが遷臨界サイクルの特長である。
次に、低元膨張弁4で減圧されて気液混合状態のe点となり、冷却器5に供給される。冷却器5で蒸発した冷媒はf点となり、液冷媒が滞留するアキュームレータ6をそのまま通過した後、内部熱交換器8等で加熱されて温度T2のg点となって低元圧縮機1に還流する。
ここで、a点とb点のエンタルピー差は、前段放熱器2での放熱量を示し、b点とc点のエンタルピー差は、後段放熱器3での放熱量を示し、c点とd点のエンタルピー差は、内部熱交換器8での放熱量を示す。また、b点とc点のエンタルピー差で示される後段放熱器3での放熱量は、高元側冷凍システムの蒸発器14での冷却量とほぼ一致する。
したがって、前段放熱器2を空冷し、内部熱交換器8を設けることで、比較的小さな高元側冷凍システムで後段放熱器3での放熱量のみを冷却することができ、高元側冷凍システムで使用される可燃性の炭化水素冷媒の使用量を抑制することができる。
しかし、a、b、c、dの各点で示される高圧圧力が小さくなると、外気温度の近傍にあるb点は、温度T1の破線に沿って変化し、エンタルピーが大きくなるとともに、圧縮比が小さくなるため、a点のエンタルピーが小さくなり、a点とb点のエンタルピー差で示される前段放熱器2での放熱量が著しく小さくなる。その結果、高元側冷凍システムで使用される可燃性の炭化水素冷媒の使用量を抑制する効果が期待できなくなる。
したがって、前述の如く外気温度が比較的高い場合、低元膨張弁4の開度を絞ることで、前段放熱器2の出口の冷媒圧力である高圧圧力を高く維持する制御が必要となる。
一方、内部熱交換器8は、高元側冷凍システムで使用される可燃性の炭化水素冷媒の使用量を抑制する効果が期待できるが、低元圧縮機1に還流するg点の冷媒温度T2が高くなるので、低元圧縮機1から吐出されたa点の冷媒温度Taを下げることが困難となり、保冷庫の庫内(図示せず)の温度が低い冷凍領域では、低元圧縮機1の耐久性が低下する可能性がある。したがって、特に保冷庫の庫内(図示せず)の温度が低い冷凍領域では、内部熱交換器8の熱交換量を抑制する必要がある。
特開平11−182953号公報 特開2001−91074号公報 Effic Energ Refrig Impact Effect Serre JN;PAGE317−325(1993)
しかしながら、上記従来の構成では、空冷する前段放熱器2と凝縮器12を一体として形成するため、冷媒の平均温度が比較的高い前段放熱器2の熱影響を受けて、凝縮器12の放熱能力が低下し、高元側冷凍システムの効率が低下する恐れがあった。
これは、空冷される凝縮器12が通常、外気温度より5〜10℃高い凝縮温度で使用されるのに対して、超臨界状態にある前段放熱器2は通常、入口温度100〜120℃から、外気温度より5〜10℃高い出口温度まで大きく温度変化する状態で使用されるためである。
さらに、上記従来の構成では、アキュームレータ6内の冷媒量を調整して、前段放熱器2内の冷媒を超臨界状態に維持するため、アキュームレータ6内で飽和状態にある液冷媒が低元圧縮機1に帰還しないように内部熱交換を行う必要があるが、内部熱交換8によって低元圧縮機1の吐出ガス温度が異常に上昇し、低元圧縮機1の耐久性を損なう恐れがあった。
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、二酸化炭素を主成分とする低元側冷媒を用いた二元冷凍システムにおいて、凝縮器の放熱能力を低下させることなく、また、低元圧縮機の耐久性を損なうことなく、高元側冷凍システムの冷媒量を抑制する効率の高い二元冷凍システムを提供することを目的とする。
上記従来の課題を解決するために、本発明は、空冷により高元側冷凍システムの放熱を行う凝縮器と、高元側冷凍システムの吸熱を行う蒸発器と、空冷により低元側冷凍システムの放熱を行う前段放熱器と、前記蒸発器と熱交換することにより低元側冷凍システムの放熱を行う後段放熱器と、空冷を促進するために空気を導入する送風手段を備え、前記送風手段が形成する風路内において、前記前段放熱器を前記凝縮器よりも下流側に配置したものである。
これによって、前記凝縮器の放熱能力の低下を抑制することができ、高元側冷凍システムの冷媒量を抑制する二元冷凍システムの効率向上を図ることができる。
また、本発明は、低元側冷凍システムを略遷臨界サイクルとして動作させるために、低外気温条件で高元側冷凍システムの能力を低下するものである。
これによって、低元圧縮機の吐出ガス温度の上昇を抑制しながら、低元側冷凍システムを略遷臨界サイクルとして動作させることができ、高元側冷凍システムの冷媒量を抑制する二元冷凍システムの低元圧縮機の耐久性向上を図ることができる。
本発明の二元冷凍システムおよびこれを備えた保冷庫は、簡易な構成と高元圧縮機の能力制御で、二酸化炭素を主成分とする低元側冷媒を用いた二元冷凍システムにおいて、凝縮器の放熱能力の低下を抑制するとともに、低元圧縮機の耐久性を確保することができ、高元側冷凍システムの冷媒量を抑制する二元冷凍システムの効率向上と耐久性向上を図ることができる。
本発明の請求項1に記載の発明は、二酸化炭素を主成分とする冷媒を用いた低元側冷凍システムと、前記低元側冷凍システムの放熱を補助する高元側冷凍システムを具備した二元冷凍システムにおいて、空冷により前記高元側冷凍システムの放熱を行う凝縮器と、前記高元側冷凍システムの吸熱を行う蒸発器と、空冷により前記低元側冷凍システムの放熱を行う前段放熱器と、前記蒸発器と熱交換することにより前記低元側冷凍システムの放熱を行う後段放熱器と、空冷を促進するために空気を導入する送風手段を備え、前記送風手段が形成する風路内において、前記前段放熱器を前記凝縮器よりも下流側に配置したものである。
かかる構成とすることにより、前記凝縮器の放熱能力の低下を抑制することができ、高元側冷凍システムの冷媒量を抑制する二元冷凍システムの効率向上を図ることができる。
本発明の請求項2に記載の発明は、前記前段放熱器を、スパイラルフィンチューブ型熱交換器を用いて構成したものである。
かかる構成とすることにより、冷媒の温度変化が比較的大きい前段放熱器において、入口近傍の高温冷媒と出口近傍の低温冷媒が直接熱交換することがなく、温度の異なる冷媒間の伝熱を抑制することで、前段放熱器の放熱能力を向上することができ、高元側冷凍システムの冷媒量を抑制する二元冷凍システムの効率向上を図ることができる。
本発明の請求項3に記載の発明は、前記送風手段が形成する風路内において、前記前段放熱器を前記送風手段の下流側に配置し、前記凝縮器を前記送風手段の上流に配置したものである。
かかる構成とすることにより、前記凝縮器の放熱能力の低下を抑制することができ、比較的高温となる前段放熱器の影響を防止して送風ファンの温度上昇を抑制し、高元側冷凍システムの冷媒量を抑制する二元冷凍システムの効率向上と送風ファンの耐久性向上を図ることができる。
本発明の請求項4に記載の発明は、前記凝縮器と蒸発器と後段放熱器を、フィンチューブ型熱交換器を用いて一体化構成としたものである。
かかる構成とすることにより、高元側冷凍システムの冷媒量を抑制する二元冷凍システムにおいて、前記凝縮器の廃熱を用いて前記蒸発器あるいは前記後段放熱器の近傍で生じる結露を防止することができる。
本発明の請求項5に記載の発明は、前記低元側冷凍システムを略遷臨界サイクルとして動作させるために、低外気温条件で前記高元側冷凍システムの能力を低下するようにしたものである。
かかる構成とすることにより、前記低元圧縮機の吐出ガス温度の上昇を抑制しながら、低元側冷凍システムを略遷臨界サイクルとして動作させることができ、高元側冷凍システムの冷媒量を抑制する二元冷凍システムの低元圧縮機の耐久性向上を図ることができる。
本発明の請求項6に記載の発明は、前記後段放熱器の出口温度を0〜30℃の範囲とするもので、高効率な高元側冷凍システムが実現でき、高元側冷凍システムの冷媒量を抑制する二元冷凍システムの効率向上を図ることができる。
本発明の請求項7に記載の発明は、前記低元側冷凍システムの起動を、前記高元側冷凍システムの起動後に遅延して起動するものである。
かかることにより、高元側冷凍システムの蒸発器の冷却熱で低元側冷凍システムの後段放熱器内に滞留する冷媒を冷却し、減圧させることができる。その結果、低元側冷凍システムの起動後において、前記冷却・減圧された冷媒を冷却器へ循環させるため、前記低元側冷凍システムの冷却作用において良好な立ち上り特性を得ることができる。
本発明の請求項8に記載の発明は、前記高元側冷凍システムの停止を、前記低元側冷凍システムの停止後に遅延して停止するものである。
かかることにより、低元側冷凍システムの停止後においても、低元側冷凍システムの後段放熱器において高元側冷凍システムの蒸発器と熱交換が継続され、その結果、低元側冷凍システムにおける冷却器の温度上昇が抑制でき、良好な冷却特性を得ることができる。
本発明の請求項9に記載の発明は、請求項1から8のいずれか一項に記載の二元冷凍システムを搭載して、食品を冷蔵あるいは冷凍温度で保存する保冷庫とするもので、高元冷媒として高外気温度条件での冷凍効率に優れる炭化水素やアンモニア等の可燃性冷媒を用いた場合に、高元冷媒の使用量を削減することができ、高外気温度条件での省エネルギーを実現しながら、高元冷媒の漏洩に対する安全性を確保することができる。
また、高元冷媒として高外気温度条件での冷凍効率に優れるフロン冷媒を用いた場合に、高元冷媒の使用量を削減することができ、高外気温度条件での省エネルギーを実現しながら、高元冷媒による地球温暖化の影響を抑制することができる。
以下、本発明による冷凍システムの実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、従来と同一構成については、同一符号を付して詳細な説明を省略する。また、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1における二元冷凍システムの冷媒回路図、図2は、同実施の形態1における二元冷凍システムの一体型熱交換器の模式図、図3は、同実施の形態1における二元冷凍システムの低元冷媒のモリエル線図である。
図1および図2に示すように、実施の形態1の二元冷凍システムは、冷媒として二酸化炭素を使用し、低元圧縮機1、前段放熱器21、後段放熱器22、低元膨張弁4、冷却器5の主回路からなる低元側冷凍システムと、冷媒としてイソブタンを主成分とする炭化水素を使用し、能力可変圧縮機31、凝縮器32、高元膨張弁33、蒸発器34の主回路からなる高元側冷凍システムとを有する二元冷凍システムである。
この二元冷凍システムの構成は、高元側冷凍システムで後段放熱器22を冷却し、低元側冷凍システムの冷凍能力と効率を向上するとともに、前段放熱器21を空冷して高元側冷凍システムの冷凍能力および冷媒量の削減を図ることを目的としている。
ここで、前段放熱器21は、周知の構成からなるスパイラルフィンチューブ型熱交換器で形成されている。
また、後段放熱器22と凝縮器32と蒸発器34は、それぞれ周知の構成を基本とするフィンチューブ型熱交換器で構成され、各フィンあるいは端版を共有する一体型熱交換器24として配置されている。
一体型熱交換器24について詳述すると、図2に示す如く、後段放熱器22の冷媒配管は二重管となっており、前記低元側冷凍システムの高温の低元冷媒が外管22aを流れ、蒸発器34として機能する内管22bを前記高元側冷凍システムの低温の高元冷媒が流れて互いに熱交換するものである。また、後段放熱器22と凝縮器32は、前述の如く共通のフィン34aを有し、そのフィン34aを介してわずかに熱交換するものである。
送風手段である放熱器ファン7は、図1の矢印aで示すように外気を導入して一体型熱交換器24と前段放熱器21と低元圧縮機1の空冷を促進するものであり、放熱器ファン7が形成する風路35内において上流側に一体型熱交換器24を配置し、下流側に前段放熱器21と低元圧縮機1を配置している。
また、マイクロプロセッサを含む能力制御装置36によって低元膨張弁4の開度を制御するために、冷却器5の蒸発温度を検知する蒸発温度検知センサー26と、冷却器5から低元圧縮機1に還流する吸入管27の入口温度を検知する吸入配管入口温度検知センサー28を備え、能力可変圧縮機31の能力を制御するために、後段放熱器22と低元膨張弁4を繋ぐ放熱器出口配管29の温度を検知する放熱器出口温度検知センサー30とを備えている。さらに、能力制御装置36は、低元圧縮機1の運転制御および高元膨張弁33の開閉動作制御も行うものである。
以上のように構成された実施の形態1の二元冷凍システムについて、以下その動作を説明する。本システムは、高元側冷凍システムと低元側冷凍システムを運転することによって所定の機能が発揮されるもので、通常は、両システムが並行して運転されるものとして説明する。
低元圧縮機1で圧縮されて吐出された冷媒は、前段放熱器21で外気温度近傍まで冷却され、さらに後段放熱器22で冷却された後、低元膨張弁4で減圧されて、冷却器5で蒸発し、吸入管27を介して低元圧縮機1へ還流する。
また、能力可変圧縮機31で圧縮されて吐出された冷媒は、凝縮器32で凝縮された後、高元膨張弁33で減圧されて蒸発器34で後段放熱器22と熱交換しながら蒸発し、能力可変圧縮機31へ還流する。
ここで、凝縮器32に比べて平均温度が高い前段放熱器21は、放熱器ファン7の下流側に設置されているので、凝縮器32の放熱能力や放熱器ファン7の耐久性に悪影響を与えることがない。
例えば、外気温度30℃においては、凝縮器32の凝縮温度が35℃程度であるに対して、前段放熱器21の冷媒温度は、入口付近で100℃程度、出口付近で35℃程度になり、平均温度では50℃程度と高温となる。これは、高元側の冷却負荷となる後段放熱器22での放熱量を抑制するために、低元側の冷凍サイクルを超臨界状態に維持して前段放熱器21で放熱する必要があるためである。
また、前段放熱器21は、周知の如く、1枚のフィンを冷媒配管に螺旋状に巻きつけてなるスパイラルフィンチューブ熱交換器で形成されているため、超臨界状態に維持しながら前段放熱器21で放熱した場合においても、入口近傍の高温冷媒と出口近傍の低温冷媒が直接熱交換することがなく、効率よく放熱することができる。
また、一体型熱交換器24は、後段放熱器22と蒸発器34の熱交換を、それぞれの冷媒が二重管内を流れる構造とすることで、直接熱交換することができ、また、外気温度よりも低い温度となる後段放熱器22の周辺、例えばフィン34a部に発生する結露を、凝縮器32からの伝熱によって抑制することができる。
さらに、後段放熱器22は、空冷するフィン34a部を備えているので、外気温度が低下した場合に、高元側冷凍サイクルを停止して低元側冷凍サイクルのみを稼動しても、十分な放熱能力を確保することができる。
なお、熱交換効率を高めるため、後段放熱器22と蒸発器34の冷媒の流れ方向は対向流とすることが望ましい。
また、低元側の冷凍サイクルの前段放熱器21を超臨界状態に維持するために、放熱器出口温度検知センサー30の検知する温度が所定値を下回ると、能力制御装置36によって能力可変圧縮機31の冷却能力を所定量低下させる。また、逆に放熱器出口温度検知センサー30の検知する温度が所定値を上回ると、能力制御装置36によって能力可変圧縮機31の冷却能力を所定量増加させる。
この制御により、外気温度が変化して前段放熱器21の出口近傍の冷媒温度が変化しても、後段放熱器22の出口近傍の冷媒温度を略一定に保つことができ、低元側の冷凍サイクルの前段放熱器21での冷媒圧力を略一定に保って超臨界状態を維持することができる。
特に、前段放熱器21を空冷して高元側の冷凍システムの冷却量を抑制する二元冷凍システムにおいては、後段放熱器22の出口近傍の冷媒温度は0〜30℃の範囲内でできるだけ一定に保つことが望ましい。
すなわち、後段放熱器22の出口近傍の冷媒温度が30℃を越えると、高元側の冷凍サイクルを用いて後段放熱器22を冷却する効果がほとんどなくなり、また逆に後段放熱器22の出口近傍の冷媒温度が0℃未満では、高元側の冷凍サイクルの蒸発温度を低く保つため、高元側の冷凍サイクルの冷凍効率が低下するので好ましくない。
また、後段放熱器22の出口近傍の冷媒温度を0〜30℃の範囲内で動作させる場合、高元側の冷凍サイクルの蒸発温度が冷凍用途よりも比較的高い温度、例えば−10℃〜10℃程度となるため、高元側冷媒としては蒸発温度に合った高沸点冷媒、例えばイソブタンあるいはブタンを主成分とする炭化水素冷媒を使用することが望ましい。
一方、能力可変圧縮機31の冷却能力を調整しない場合、外気温度が低下することによって、温度に対する密度変化が大きい後段放熱器22の出口温度が下がりすぎ、その結果、後段放熱器22に滞留する冷媒重量が増加し、低元側の冷凍サイクルの高圧圧力が低下して超臨界状態を維持できなくなる問題が発生する。
また、低元側の冷凍サイクルにおける低元圧縮機1の吐出ガス温度を抑制するために、蒸発温度検知センサー26で検知された蒸発温度から決定される目標温度よりも、吸入配管入口温度検知センサー28で検知された吸入管27の入口温度が所定量高い場合は、低元膨張弁制御装置(図示せず)によって低元膨張弁4の開度を所定量開ける。
また、蒸発温度検知センサー26で検知された蒸発温度から決定される目標温度よりも、吸入配管入口温度検知センサー28で検知された吸入管27の入口温度が所定量低い場合は、前記能力制御装置(図示せず)によって低元膨張弁4の開度を所定量閉じる。
かかる低元膨張弁4の制御によって、冷却器5の出口冷媒の乾き度を略一定に安定して調整することができ、低元圧縮機1の吐出ガス温度が異常に上昇することを抑制することができる。特に、冷蔵あるいは冷凍に利用する比較的蒸発温度が低い二元冷凍システムにおいては、低元圧縮機1の吐出ガス温度が比較的高いので、冷却器5の出口冷媒の乾き度は比較的小さい0〜10℃が望ましい。
すなわち、乾き度が10℃を越えると、低元圧縮機1の吐出ガス温度を一般的な圧縮機の耐熱温度である120℃以下に抑えることが困難となり、また乾き度が0℃未満では、低元圧縮機1に液冷媒が還流する可能性が高くなるので好ましくない。
また、本実施の形態1においては、通常高元側冷凍システムおよび低元側冷凍システムを並行して運転しているが、両冷凍システムの起動と停止については、以下の関係となるように能力制御装置36によって制御される。
起動時は、能力可変圧縮機1が先に起動され、高元側冷凍サイクルが所定の放熱作用と吸熱作用を行う。これにより、後段放熱器22内では、高元側冷凍サイクルの蒸発器34によって冷却が進んでいる状態となる。
そして、所定時間経過後に、低元圧縮機1を起動し、低元側冷凍システムを駆動する。この状態においては、既に後段放熱器22がある程度冷却されているため、この後段放熱器22での熱交換は、高元側、低元側両冷凍システムの同時起動の場合と比較して速やかに行われており、冷却器5へ流れる冷媒は、冷却された状態にある。
したがって、初期のシステム起動時においては、冷却器5による急速な冷却作用が行われる。
また、温度制御等の関係で低元圧縮機1および能力可変圧縮機31が断続運転されている場合の運転休止時においては、先に低元圧縮機1を停止し、所定時間経過後に能力可変圧縮機31を停止する。
これにより、前記低元側冷凍システムを構成する後段放熱器22内の冷媒は、前記高元側冷凍システムの蒸発器34によって冷却されるため、低元膨張弁4を介して冷却器5へ流入しても、冷却器5の加温が抑制でき、冷却器5による被冷却物(図示せず)の温度上昇も抑制できる。
さらに、前記温度制御等の関係で二元冷凍システムを再起動する場合は、前記高元側冷凍システム(能力可変圧縮機31)を先に起動し、所定時間経過後に低元圧縮機1を起動する。
その結果、低元圧縮機1が起動されるまでの間、後段放熱器22では、冷媒が冷却されているため、起動に伴って冷却器5に流れる冷媒は、後段放熱器22によって冷却され、減圧された状態にあるため、再起動時における冷却器5の加温が抑制できるものである。
なお、前記所定時間は、上述の作用効果が期待できるように、冷却器5の冷却負荷、あるいは後段熱交換器22の容量等に応じて適宜設定すればよいものである。
次に、本実施の形態1における二元冷凍システムの低元冷媒の状態変化について図3を用いて詳細に説明する。なお、ここでは説明の便宜上保冷庫の冷却システムに本二元冷凍システムを用い、保冷庫の温度状態に基づく状態変化として説明する。
図3は、横軸を冷媒のエンタルピー、縦軸を冷媒の圧力とするモリエル線図であり、p、q、r、s、t、uの各点は、保冷庫の庫内(図示せず)が所定温度まで低下した定常状態にある安定時の冷媒の状態変化を示す。
安定時において、低元圧縮機1から吐出された冷媒は温度Tbのp点にあり、前段放熱器21で冷却されて外気温度の近傍にある温度T2のq点となり、さらに後段放熱器22で冷却されて温度T4のr点となる。
p点、q点、r点において、冷媒は超臨界状態にあり、液化しないことが遷臨界サイクルの特長である。
次に、低元膨張弁4で減圧されて気液混合状態のs点となり、冷却器5に供給される。冷却器5で蒸発した冷媒はt点となり、吸入管27の入口近傍で若干の乾き度が生じてu点となり、低元圧縮機1に還流する。
ここで、p点とq点のエンタルピー差は、前段放熱器21での放熱量を示し、q点とr点のエンタルピー差は、後段放熱器22での放熱量を示す。また、q点とr点のエンタルピー差で示される後段放熱器22での放熱量は、高元側冷凍システムの蒸発器34での冷却量とほぼ一致する。
したがって、前段放熱器21を空冷することで、比較的小さな高元側冷凍システムで後段放熱器22での放熱量のみを冷却することができ、高元側冷凍システムで使用される可燃性の炭化水素冷媒の使用量を抑制することができる。
なお、前段放熱器21と後段放熱器22の放熱量の割合は、外気温度とp、q、rの各点で示される高圧圧力でほぼ決定されるので、本実施の形態1の二元冷凍システムを搭載する保冷庫(図示せず)が使用される外気温度条件に合わせて高圧圧力を設定することが望ましい。
前記外気温度が低元側の冷媒である二酸化炭素の臨界温度31℃近傍より低い場合は、本実施の形態と同じ高圧圧力を8MPa前後に設定して設計すれば、前段放熱器21の放熱量の割合をある程度確保することができ、比較的小さな高元側冷凍システムで後段放熱器22を冷却することにより、高元側冷凍システムで使用される可燃性の炭化水素冷媒の使用量を抑制する効果が期待できる。
さらに、外気温度が想定した設定温度より低下した場合は、前記したように能力可変圧縮機31の冷却能力を調整すれば高圧圧力を超臨界圧力に保つことができ、前段放熱器21の放熱量の割合を確保することができる。
一方、想定される外気温度が臨界温度31℃近傍よりさらに高い場合は、高圧圧力を若干高い8〜12MPa程度に設定し、設計すれば、前段放熱器21の放熱量の割合を確保することができる。特に、上限値については、低元圧縮機1の吐出ガス温度が異常に上昇する可能性があるので、高圧圧力を12MPa以上に上げることは望ましくない。
以上のように、本実施の形態1においては、凝縮器32に比べて平均温度が高い前段放熱器21を放熱器ファン7の下流側に設置したので、凝縮器32の放熱能力や放熱器ファン7の耐久性に悪影響を与えることがなく、高元側冷凍システムの冷媒量を抑制する二元冷凍システムの効率向上と耐久性向上を図ることができる。
また、外気温度が想定した設定温度より低下した場合に、能力可変圧縮機31の冷却能力を調整することで、低元圧縮機1の吐出ガス温度の上昇を抑制しながら、低元側冷凍システムを略遷臨界サイクルとして動作させることができ、高元側冷凍システムの冷媒量を抑制する二元冷凍システムの低元圧縮機1の耐久性向上を図ることができる。
なお、本実施の形態1においては、低元側の冷凍システムの減圧手段として膨張弁を用いたが、エジェクタを利用して膨張エネルギーを回収しながら減圧してもよい。すなわち、低元側の冷凍システムを略遷臨界サイクルとして動作させる場合、比較的大きな膨張エネルギーが回収できるので、エジェクタを用いる効果が期待できる。
(実施の形態2)
図4は、本発明の実施の形態2における保冷庫の冷媒回路図である。なお、実施の形態1の二元冷凍システムと同一の構成要素については同一番号を付して、詳細な説明は省略する。
図4に示すように、実施の形態2における保冷庫の二元冷凍システムは、実施の形態1と同様に、冷媒として二酸化炭素を使用し、低元圧縮機1、前段放熱器21、後段放熱器22、低元膨張弁4、冷却器5の主回路を具備した低元側冷凍システムと、冷媒としてイソブタンを主成分とする炭化水素を使用し、能力可変圧縮機31、凝縮器32、高元膨張弁33、蒸発器34の主回路を具備した高元側冷凍システムを備えている。
この二元冷凍システムの構成は、高元側冷凍システムで後段放熱器22を冷却して低元側冷凍システムの冷凍能力と効率を向上するとともに、前段放熱器21を空冷して高元側冷凍システムの冷凍能力および冷媒量の削減を図るものである。
送風手段である放熱器ファン7は、矢印aで示すように外気を導入して、一体型熱交換器24と前段放熱器21と低元圧縮機1の空冷を促進するものであり、放熱器ファン7が形成する風路35内において上流側に一体型熱交換器24を、下流側に前段放熱器21と低元圧縮機1をそれぞれ配置している。
また、低元膨張弁4の開度を制御するために、冷却器5の蒸発温度を検知する蒸発温度検知センサー26と、冷却器5から圧縮機1に還流する吸入管27の入口温度を検知する吸入配管入口温度検知センサー28を備え、能力可変圧縮機31の能力を制御するために、後段放熱器22と、低元膨張弁4を繋ぐ放熱器出口配管29の温度を検知する放熱器出口温度検知センサー30を備えている。
また、図4に示すように、実施の形態2の保冷庫45は、食品等の熱負荷を冷蔵する貯蔵室40の上部に機械室41を設け、低元圧縮機1、前段放熱器21、後段放熱器22、能力可変圧縮機31、凝縮器32、高元膨張弁33、蒸発器34等を配置するとともに、貯蔵室40と機械室41の間に設けた断熱壁42の中に、低元膨張弁4、冷却器5等を配置している。
また、貯蔵室40の温度調整を行うため、貯蔵室40内の空気温度を検知する室内温度センサー43を備えている。
一般に、可燃性冷媒を冷媒とする冷凍システムにおいては、可燃性冷媒が漏洩した場合に、屋内である周囲に拡散する可能性があるため、かかる冷凍システムにおいて、冷媒使用量を削減することは安全性を高める上で特に有効である。
本実施の形態2における保冷庫45は、上部に機械室41を配置して、冷媒循環回路の配管長を短くし、封入する可燃性冷媒量を少なくして安全性を高めることができ、また比較的高温となる天井付近の外気で熱交換の空冷を行うため、前段放熱器21のみでは十分な冷却を行うことはできないが、高元側冷凍システムを用いて後段放熱器22を冷却する二元冷凍システムは、能力と効率を確保する上で特に有効である。
以上のように構成された実施の形態2の保冷庫について、以下にその動作を説明する。
低元圧縮機1により圧縮されて吐出された冷媒は、前段放熱器21で外気温度近傍まで冷却され、さらに後段放熱器22で冷却された後、低元膨張弁4で減圧されて、冷却器5で蒸発し、吸入管27を介して低元圧縮機1へ還流する。
また、能力可変圧縮機31により圧縮されて吐出された冷媒は、凝縮器32で凝縮された後、高元膨張弁33で減圧され、蒸発器34で後段放熱器22と熱交換しながら蒸発し、能力可変圧縮機31へ還流する。
ここで、凝縮器32に比べて平均温度が高い前段放熱器21は、放熱器ファン7の下流側に設置されているので、凝縮器32の放熱能力や放熱器ファン7の耐久性に悪影響を与えることがない。
例えば、外気温度30℃においては、凝縮器32の凝縮温度が35℃程度であるに対して、前段放熱器21の冷媒温度は、入口付近で100℃程度、出口付近で35℃程度になり、平均温度では50℃程度と高温となる。これは、高元側の冷却負荷となる後段放熱器22での放熱量を抑制するために、低元側の冷凍サイクルを超臨界状態に維持して前段放熱器21で放熱する必要があるためである。
また、低元側の冷凍サイクルの前段放熱器21を超臨界状態に維持するために、放熱器出口温度検知センサー30の検知する温度が所定値を下回ると、図示していないが高元能力制御装置(実施の形態1における能力制御装置36に相当)によって能力可変圧縮機31の冷却能力を所定量低下させる。
さらに、放熱器出口温度検知センサー30の検知する温度が所定値を上回ると、前記高元能力制御装置によって能力可変圧縮機31の冷却能力を所定量増加させる。
これによって、外気温度が変化して前段放熱器21の出口近傍の冷媒温度が変化しても、後段放熱器22の出口近傍の冷媒温度を略一定に保つことができ、低元側の冷凍サイクルの前段放熱器21での冷媒圧力を略一定に保ち、超臨界状態を維持することができる。
また、貯蔵室40の温度調整制御において、室内温度センサー43の検知する温度が所定値を下回れば、低元圧縮機1と能力可変圧縮機31を停止し、そして、停止中に室内温度センサー43の検知する温度が所定値を上回れば、低元圧縮機1と能力可変圧縮機31を起動する。
ここで、低元圧縮機1と能力可変圧縮機31を停止する際は、能力可変圧縮機31の停止を所定時間遅らせることが望ましい。これは、低元圧縮機1が停止した際に、後段放熱器22に滞留する高温の冷媒が十分減圧されないまま低元膨張弁4を介して冷却器5に供給され、貯蔵室40内を加温してしまうことを抑制するためである。
また、低元圧縮機1と能力可変圧縮機31を起動する際も、同様に能力可変圧縮機31を所定時間先行して起動することが望ましい。これは、低元圧縮機1が起動した際に後段放熱器22に滞留する高温の冷媒が十分減圧されないまま低元膨張弁4を介して冷却器5に供給され、貯蔵室40内を加温してしまうことを抑制するためである。
以上のように、本実施の形態2においては、高元側冷凍システムの可燃性冷媒が漏洩した場合に屋内である周囲に拡散する漏洩量を削減することができ、安全性を高めることができるとともに、比較的高温となる天井付近の外気で空冷を行っても、高元側冷凍システムを用いて後段放熱器22を冷却することで、十分な冷凍能力と効率を確保することができる。
また、実施の形態1の二元冷凍システムと同様に、凝縮器32に比べて平均温度が高い前段放熱器21を放熱器ファン7の下流側に設置したので、凝縮器32の放熱能力や放熱器ファン7の耐久性に悪影響を与えることがなく、高元側冷凍システムの冷媒量を抑制する二元冷凍システムの効率向上と耐久性向上を図ることができる。
なお、本実施の形態2においては、低元圧縮機1を固定能力の圧縮機としたが、能力可変式の低元圧縮機を用いて室内温度センサー43の検知する温度が目標温度に近づいた場合に、その低元圧縮機1の能力を低下させてさらに省エネルギー化を図ってもよい。前述の如く低元圧縮機1の能力を低下させた場合は、外気温度が低下した場合と同様に後段放熱器22の出口温度が下がり始めるが、放熱器出口温度検知センサー30の検知する温度が所定値を下回ると、高元能力制御装置が能力可変圧縮機31の冷却能力を所定量低下させることにより、低元側の冷凍サイクルの前段放熱器21を超臨界状態に維持することができる。
以上のように、本発明にかかる二元冷凍システムおよびこれを備えた保冷庫は、簡易な構成と高元圧縮機の能力制御により、二酸化炭素を主成分とする低元側冷媒を用いた二元冷凍システムにおいて、可燃性冷媒等を使用した高元側冷凍システムの冷媒量を抑制しながら効率向上と耐久性向上を図ることができ、冷媒のノンフロン化やフロン冷媒の削減、機器の省エネルギー化が要求されるショーケースや業務用冷凍冷蔵庫、自動販売機等の冷蔵あるいは冷凍機器にも広く適用できる。
本発明の実施の形態1における二元冷凍システムの冷媒回路図 同実施の形態1における二元冷凍システムを構成する一体型熱交換器の模式図 同実施の形態1における二元冷凍システムのモリエル線図 本発明の実施の形態2における保冷庫の冷媒回路図 従来の二元冷凍システムの冷媒回路図 従来の二元冷凍システムのモリエル線図
符号の説明
7 放熱器ファン(送風手段)
21 前段放熱器
22 後段放熱器
24 一体型熱交換器
31 能力可変圧縮機
32 凝縮器
34 蒸発器
35 風路

Claims (9)

  1. 二酸化炭素を主成分とする冷媒を用いた低元側冷凍システムと、前記低元側冷凍システムの放熱を補助する高元側冷凍システムを具備した二元冷凍システムにおいて、空冷により前記高元側冷凍システムの放熱を行う凝縮器と、前記高元側冷凍システムの吸熱を行う蒸発器と、空冷により前記低元側冷凍システムの放熱を行う前段放熱器と、前記蒸発器と熱交換することにより前記低元側冷凍システムの放熱を行う後段放熱器と、空冷を促進するために空気を導入する送風手段を備え、前記送風手段が形成する風路内において、前記前段放熱器を前記凝縮器よりも下流側に配置した二元冷凍システム。
  2. 前記前段放熱器を、スパイラルフィンチューブ型熱交換器を用いて構成した請求項1に記載の二元冷凍システム。
  3. 前記送風手段が形成する風路内において、前記前段放熱器を、前記送風手段の下流側に配置し、前記凝縮器を前記送風手段の上流に配置した請求項1または2に記載の二元冷凍システム。
  4. 前記凝縮器と蒸発器と後段放熱器を、フィンチューブ型熱交換器を用いて一体化構成とした請求項1から3のいずれか一項に記載の二元冷凍システム。
  5. 前記低元側冷凍システムを略遷臨界サイクルとして動作させるために、低外気温条件で前記高元側冷凍システムの能力を低下するようにした請求項1から4のいずれか一項に記載の二元冷凍システム。
  6. 前記後段放熱器の出口温度を0〜30℃の範囲とする請求項1から5のいずれか一項に記載の二元冷凍システム。
  7. 前記低元側冷凍システムの起動を、前記高元側冷凍システムの起動後に遅延して起動する請求項1から6のいずれか一項に記載の二元冷凍システム。
  8. 前記低元側冷凍システムの停止を、前記高元側冷凍システムの停止後に遅延して停止する請求項1から7のいずれか一項に記載の二元冷凍システム。
  9. 請求項1から8のいずれか一項に記載の二元冷凍システムを搭載し、食品を冷蔵あるいは冷凍温度で保存する保冷庫。
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