JP2007534837A - 優れた反応速度、容量、及びサイクル安定性を有する水素貯蔵材料 - Google Patents
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Abstract
110℃までの温度において、約4.0重量%水素を貯蔵し、3.0重量%水素まで可逆的に放出するする能力のある、体心立方相の水素貯蔵合金。この水素貯蔵合金は、水素貯蔵合金の水素貯蔵容量の80%まで30秒で到達でき、全水素貯蔵容量の80%が90秒で水素貯蔵合金から脱着できる優れた速度論的性質も備えている。更に、この水素貯蔵合金は、長いサイクル寿命をもたらす優れた安定性を持っている。
Description
本発明は、水素の可逆的貯蔵に利用される水素貯蔵合金に関する。特に本発明は、優れた吸収と脱着の反応速度を有する水素貯蔵合金に関する。
(背景)
水素貯蔵は、多様な応用製品に対して重要な技術であり、最も普及しているものは燃料電池、携帯用電源、及び水素燃焼エンジンである。このような応用製品は、今日市場で入手できる水素貯蔵合金に比べてより多量の水素を吸収し脱着できる水素貯蔵合金があれば、実質的な利益を得る。本発明の水素吸収及び脱着特性を有する水素貯蔵合金は、水素電源、燃料電池、及び水素内燃機関により長い動作寿命及び/又は一回の充電での長い走行範囲を達成することによって、このような応用製品を益することになる。
水素貯蔵は、多様な応用製品に対して重要な技術であり、最も普及しているものは燃料電池、携帯用電源、及び水素燃焼エンジンである。このような応用製品は、今日市場で入手できる水素貯蔵合金に比べてより多量の水素を吸収し脱着できる水素貯蔵合金があれば、実質的な利益を得る。本発明の水素吸収及び脱着特性を有する水素貯蔵合金は、水素電源、燃料電池、及び水素内燃機関により長い動作寿命及び/又は一回の充電での長い走行範囲を達成することによって、このような応用製品を益することになる。
過去において、燃料又は補助燃料としての水素の利用がかなり注目されてきた。世界の石油備蓄が急速に枯渇している一方で、水素の供給は事実上無制限である。水素は石炭、天然ガス、及びその他の炭化水素から生産され、又は水の電気分解によって生成することができる。更に、水素は、原子力又は太陽エネルギーを用いた水の電気分解によって、化石燃料を使用することなく生産できる。その上更に、水素は、現在は石油より高価であるけれども、比較的低価格燃料である。水素は、全ての化学燃料の中で単位重量当たりのエネルギー密度が最も高く、且つ水素燃焼の主な副産物が水であるから殆ど環境汚染が無い。
水素は燃料としての広い潜在的適用性を持っているが、その利用、特に車両の動力供給など移動用の用途における欠点は、満足できる軽量の水素貯蔵媒体が無いことであった。従来、水素は、高圧下で耐圧容器中に貯蔵されるか、極低温まで冷却された低温液体として貯蔵されてきた。圧縮気体としての水素貯蔵は、大きくて重い容器の使用を必要とする。普通の設計の鋼製容器又はタンクにおいては、通常の136気圧の圧力でタンク内に貯蔵された場合、全重量の約1%だけが水素ガスから構成されている。同じ量のエネルギーを得るためには、水素ガス容器の重量はガソリン容器重量の約30倍の重さになる。加えて、水素が大きな寸法の容器に貯蔵されるので、移動が非常に困難である。その上、液体としての貯蔵は、水素が極度に可燃性であるため、自動車用燃料として使用される場合に重大な安全上の問題が提起される。液体水素は−253℃未満の極低温に保たれなければならず、こぼした場合非常に揮発性である。更に、液体水素は生産するのに費用が掛かり、液化過程に要するエネルギーが、水素の燃焼で発生できるエネルギーの主な割合を占める。
別法として、ある金属又は合金は水素の可逆的な貯蔵と放出が可能であることが知られていた。そのために、それらの高い水素貯蔵効率から、それらが優れた水素貯蔵材料であると考えられてきた。固体水素化物としての水素の貯蔵は、圧縮気体又は圧力タンク内の液体としての貯蔵に比べて、より大きな単位容積あたりの貯蔵密度をもたらす。又、固体水素化物中での水素貯蔵は、気体又は液体として水素を容器内に貯蔵する場合よりも安全上の問題が少ない。固相金属又は合金系は、高密度で水素を吸収することにより、又特殊な温度/圧力又は電気化学的条件下で金属水素化物を生成することによって、大量の水素を貯蔵することができ、且つ、条件を変化させることによって水素を放出することが出来る。金属水素化物系は、金属の結晶格子への水素原子の侵入によって生成されるので、長期間に亘る高密度水素貯蔵が出来るという利点を備えている。望ましい水素貯蔵材料は、材料の重量に対し相対的に大きな貯蔵容量、適切な脱着温度/圧力、良い反応速度、良好な可逆性、水素ガス中に存在するものを含む汚染物質による触媒毒作用に対する耐性を有し、且つ割合に低価格でなければならない。もし材料がこれらの特性の一つでも備えていないと、大規模な商業用途には採用されないことになる。
材料の単位重量当たりの水素貯蔵容量は、多くの応用製品、特に水素化物が静止したままでいない場合に、重要な考慮すべき事項である。材料の重量に比べて低い水素貯蔵容量は、走行距離を減らし、従ってこれらの材料を使用する水素燃料車両の走行範囲を低下させる。低い脱着温度は、水素を放出するのに必要なエネルギーの量を減らすのに望ましいことである。更にその上、貯蔵された水素を放出するための比較的低い脱着温度が、車両、機械、燃料電池、又はその他類似の装置から利用できる廃熱を効率的に使用するのに必要である。
良好な可逆性は、水素貯蔵能力を著しく失うことなく、水素貯蔵材料に繰り返し吸収/脱着サイクル能力を持たせるのに必要である。良い反応速度は、水素を比較的短い時間で吸収したり脱着したりするのに必要である。製造又は使用時に材料が曝されることがある汚染物質に対する耐性は、満足な性能の喪失を避けるために必要である。
先行技術による水素貯蔵材料は、多様な水素貯蔵用の金属材料、例えば、Mg、Mg−Ni、Mg−Cu、Ti−Fe、Ti−Mn、Ti−Ni、Mm−Ni、及びMm−Co合金系(ここでMmはミッシュメタルであり、希土類金属又は希土類金属の混合物/合金である)を含む。しかし、これらの先行技術材料には、広範な商業用途を有する貯蔵媒体に対して要求される全ての特性を備えているものは無かった。
これらの材料の中で、マグネシウム合金系は貯蔵材料の単位重量当たり、比較的多量の水素を貯蔵することができる。しかし、室温における低い水素解離平衡圧のために、合金中に貯蔵されている水素を放出するためには熱エネルギーを供給しなければならない。更に、水素の放出は、大量のエネルギー消費を伴う250℃を超える高温においてのみ、可能である。
希土類(ミッシュメタル)合金にもまた問題がある。それらは、室温で数気圧の程度の水素解離平衡圧有するという事実に基づいて、一般に室温で効率よく水素を吸収し放出することができるけれども、それらの単位重量当たりの水素貯蔵容量は約1.2重量パーセントに過ぎない。
チタン合金系の中で代表的であり且つ優れた材料であると考えられてきたTi−Fe材料は、比較的低価で、室温で水素の水素解離平衡圧は数気圧であるという利点がある。しかし、初期水素化のために約350℃という高温と30気圧を超える高圧とを必要とするので、この合金系は比較的低い水素吸収/脱着速度をもたらす。更に、その中に貯蔵されている水素の完全な放出を妨げる、ヒステリシス問題を抱えている。
水素貯蔵合金は種々の結晶構造を有し、それらは合金の水素を吸収し脱着する能力において、重要な役割を果たす。結晶構造の種類としては、体心立方(BCC)、面心立方(FCC)、又はC−14ラベス相を含む。水素貯蔵合金は、水素の吸収/脱着に際して、結晶構造を変えることがある。BCC相水素貯蔵合金の結晶構造は、水素を吸収してFCC結晶構造へ変わることがある。この結晶構造の変化が起ると、合金内に貯蔵されている水素を脱着させるのに多量のエネルギー(熱)が必要とされることがある。結晶構造の変化の結果として生ずる合金の劣化のために、サイクルの減少が起り得る。結晶構造の変化における別の欠点は、水素の脱着に際し構造が完全にBCC結晶構造へ戻らないという点である。水素の脱着に際して、この合金はBCC/FCCの組合せ結晶構造を有する。このことは合金の水素貯蔵特性に悪影響を及ぼすが、それはBCC合金を有することの利点のうちの全てを達成するわけではないからである。合金を加熱することによって元来のBCC結晶構造を回復するけれども、このことは低温度用に設計されているため、BCC合金を利用するほとんどの系では実用性が無い。
BCC合金は水素貯蔵に広く用いられており、複数の特許の主題となってきた。Iba氏他(米国特許番号第5,968,291号)は、スピノーダル分解によって形成された周期的構造を有する2種の固溶体を含むTi−V系に基づくBCC相水素貯蔵合金を開示している。Iba氏他において開示された合金は、約3.5重量パーセント水素の水素貯蔵容量を達成することができるけれども、約2.0重量パーセントの可逆的貯蔵を達成できるにすぎないので、多くの応用製品に対して適用できないものとなる。例えば、車両応用製品においては、低い可逆的水素貯蔵容量を有する合金は、車両の走行範囲に不利な作用をする、乃至は搭載金属水酸化物貯蔵が最短走行範囲の必要条件を満たすため重量と空間の追加を考慮することが必要となる。これは携帯用電源応用製品においても同じ事情である。
Sapru氏他は、4.0重量パーセント水素まで吸収でき、一方2.8重量パーセント水素まで脱着可能なBCC相水素貯蔵合金を開示している。しかし、Sapru氏他は、これらの水素貯蔵特性を150℃という温度においてのみ達成できている。Sapru氏他によって開示された合金は、Ti−V系に基づいたものであり、水素貯蔵合金の可逆性を改善する多様な変性剤元素が添加されている。Sapru氏他に開示された合金は150℃までの温度で優れた水素吸収/脱着特性を示しているが、まだこのような特性を更に低い温度で実現するという必要性が存在する。低い温度で動作する能力は、非常に多様な応用製品に対し水素が燃料として選択される機会を更に増やすことになる。
先行技術によるBCC合金に伴う別の問題点は、初期的には良好な水素貯蔵容量を持っているにもかかわらず、これらの合金が非常に安定性が悪いことである。サイクルを増すと、BCC水素貯蔵合金の不安定性は、合金の水素貯蔵容量の著しい低下を生じさせ、BCC合金が、非常に多様な水素貯蔵応用製品としては無視されてしまう結果をもたらしている。
このような状況下で、先行技術の問題点を解決し、且つ、優れた可逆性を有する高い水素貯蔵効率と、適正な水素解離平衡圧と、高い吸収/脱着速度と、サイクル寿命の増加をもたらすような優れた相安定性とを備えた改良材料を開発するために、多様な取組みが為されてきた。水素貯蔵合金においてこのような改良をすることによって、水素
(発明の要約)
本発明は、180秒以内にその水素貯蔵容量の少なくとも80%を吸収し、180秒以内にその全水素貯蔵容量の少なくとも80%を脱着し、110℃又はそれ以下の温度において少なくとも2.2重量パーセントの水素を可逆的に貯蔵する、水素貯蔵合金を開示する。水素貯蔵合金は、110℃又はそれ以下の温度において、30秒以内にその水素貯蔵容量の少なくとも80%を吸収し、90秒以内にその全水素貯蔵容量の少なくとも80%を脱着することができる。水素貯蔵合金から水素が脱着する際に、水素貯蔵合金の少なくとも85%が、FCC結晶構造からBCC又はBCT結晶構造へ復帰する。
本発明は、180秒以内にその水素貯蔵容量の少なくとも80%を吸収し、180秒以内にその全水素貯蔵容量の少なくとも80%を脱着し、110℃又はそれ以下の温度において少なくとも2.2重量パーセントの水素を可逆的に貯蔵する、水素貯蔵合金を開示する。水素貯蔵合金は、110℃又はそれ以下の温度において、30秒以内にその水素貯蔵容量の少なくとも80%を吸収し、90秒以内にその全水素貯蔵容量の少なくとも80%を脱着することができる。水素貯蔵合金から水素が脱着する際に、水素貯蔵合金の少なくとも85%が、FCC結晶構造からBCC又はBCT結晶構造へ復帰する。
水素貯蔵合金の格子定数は、3.015から3.045オングストロームの範囲内にある。高圧応用製品では、水素貯蔵合金の格子定数は3.015から3.028オングストロームの範囲内にあることが好ましい。低圧応用製品では、前記水素貯蔵合金の格子定数は3.028から3.045オングストロームの範囲内にある。前記水素貯蔵合金の表面は、実質的に如何なる酸化物も存在しない。水素貯蔵合金は、700サイクルを越えるサイクル寿命を有することができる。水素貯蔵合金は、90℃において2.83重量パーセントまでの水素を、110℃で3.01重量パーセントまでの水素を、可逆的に貯蔵する。
水素貯蔵合金は、8.0から45原子パーセントのチタン、5.0から75原子パーセントのバナジウム、および10から65原子パーセントのクロムを含む。水素貯蔵合金は、更に、ニッケル、マンガン、モリブデン、アルミニウム、鉄、シリコン、マグネシウム、ルテニウム、又はコバルトから選ばれた一つ又はそれ以上の変性剤元素を含むことができ、変性剤元素は0以上16原子パーセントまでの量で存在する。水素貯蔵合金は、単一相BCC構造を持つことができ、102から103℃/秒の範囲の急冷速度で冷却することにより生成できる。
本発明は、更に、水素貯蔵合金を生産する方法を開示したが、この方法は、1)2つ又はそれ以上の元素を有する水素貯蔵合金を生成する工程、2)水素貯蔵合金を焼鈍して実質的に単一相のBCC構造を生成する工程、3)焼鈍した水素貯蔵合金を102から103℃/秒の範囲の冷却速度で急冷する工程、並びに4)急冷時に水素貯蔵合金の表面に酸化物が生成するのを妨げる工程、及び/又は急冷後に水素貯蔵合金の表面から前記酸化物を除去する工程、を含む。
水素貯蔵合金は、アーク溶融、冷却壁誘導溶融、又はレビテーション溶融技術によって生成することができる。水素貯蔵合金は、1350℃から1450℃の範囲の温度で焼鈍でき、液体アルゴン、液体窒素、又は油中において急冷できる。水素貯蔵合金の表面の酸化物は、エッチング又は機械的研削によって除去できる。
(発明の詳細な説明)
本発明は、一つ以上の体心立方(BCC)相が存在していても良いが、通常は単一相BCC構造を有する水素貯蔵合金開示している。これらの合金は、90℃から110℃の範囲の温度において、約4.0重量%の水素を貯蔵し、3.0重量%までの水素を可逆的に供給することができる。水素貯蔵合金は、更に、水素貯蔵合金の水素貯蔵容量の80%までが30秒で到達でき、全水素貯蔵容量の80%が90秒で水素貯蔵合金から脱着できるという優れた反応速度を有している。水素貯蔵合金は、長いサイクル寿命をもたらすような優れた安定性を備えている。
本発明は、一つ以上の体心立方(BCC)相が存在していても良いが、通常は単一相BCC構造を有する水素貯蔵合金開示している。これらの合金は、90℃から110℃の範囲の温度において、約4.0重量%の水素を貯蔵し、3.0重量%までの水素を可逆的に供給することができる。水素貯蔵合金は、更に、水素貯蔵合金の水素貯蔵容量の80%までが30秒で到達でき、全水素貯蔵容量の80%が90秒で水素貯蔵合金から脱着できるという優れた反応速度を有している。水素貯蔵合金は、長いサイクル寿命をもたらすような優れた安定性を備えている。
水素貯蔵合金は、一般にチタン、バナジウム、及びクロムから構成することが出来る。合金は、通常8.0から45原子パーセントのチタン、5.0から75原子パーセントのバナジウム、および10から65原子パーセントのクロムを含む。水素貯蔵合金は、1)高バナジウム含有量、2)低バナジウム含有量、又は2)中バナジウム含有量に分類される。高バナジウム含有量合金は、溶融及び冷却の後でBCC構造を持つ。しかしこの群の合金は、低バナジウム含有量及び中バナジウム含有量合金に比べて、最も低い可逆的容量を有している。普通、低バナジウム含有量合金は、変性剤元素を添加しないで溶融した後に室温まで冷却したとき、安定したラベス相を有する。これらの合金のBCC結晶構造は、1370℃より高くて狭い温度領域にしか存在しない。従って焼鈍/急冷工程を、この材料のBCC形態を得るのに用いることができる。制御された溶融法を用いて適正量の変性剤元素を添加することによって、完全なBCC構造を溶融工程から直接得ることができるけれども、後工程での焼鈍/急冷がそれでもなお望ましい。低バナジウム含有量合金は、高バナジウム及び中バナジウム含有量合金に比べると、より一層良好なサイクル寿命を有している。中バナジウム含有量合金は、高バナジウム含有量及び低バナジウム含有量合金に比べると、より一層良好な可逆的貯蔵容量を有する。低バナジウム含有量合金と同様、中含有量合金は、BCC構造を得るため溶融後に焼鈍し急冷されるのが好ましい。しかし、これらの工程は、特定の変性剤元素を制御された溶融方法を用いて含有させることにより、省略することができる。
本発明の水素貯蔵合金は、ニッケル、マンガン、モリブデン、アルミニウム、鉄、シリコン、マグネシウム、ルテニウム、及びコバルトから選ばれた一つ又はそれ以上の変性剤元素を含むことができる。これらの元素は0から16原子パーセントの範囲で水素貯蔵合金中に含まれるのがよい。変性剤元素の幾つかは、バナジウム中に不純物として得られることがある。このような不純物を含有するバナジウムは、価格が安く、このような合金を生産するとき結果として原価低減が出来る。本発明の好ましい合金が、表1に原子パーセントで表示されている。
本発明の合金の吸収/脱着サイクルを行う際に、合金の結晶構造はBCC相とFCC相の間で変化する。水素が合金に吸収されたり脱着されたりするときの結晶構造の変化を示す、本発明による中バナジウム含有量合金10号(V26Ti32.7Cr25.9Mn14.8Mo0.6)のPCTプロットが、図1に示されている。典型的なBCC相水素貯蔵合金において、BCC結晶構造は、水素の吸収時にFCC結晶構造に転移し、FCC結晶構造は、貯蔵された水素の脱着後にBCCとFCC結晶構造を加えたものへと転移する。FCC相は高い水素貯蔵が可能であるが、一方貯蔵された水素は便利な温度で放出されることが出来ないので、合金の可逆性が悪い影響を受け結果としてサイクルの減少を来たす。しかし、合金を300℃より高く加熱することによって、結晶構造をBCCプラスFCCから元のBCCへ転換することができるが、これは低温で作動する大部分の製品においては実用的でない。
本発明の合金は、もとの体心立方(BCC)結晶構造(体心正方(BCT)結晶構造と組合わされることもある)と面心立方(FCC)結晶構造の間で、貯蔵された水素が合金から脱着し終わった時実質的にFCC構造の名残を後に残さないで、前者と後者間を循環することができる。水素の脱着時に、本発明の水素貯蔵合金は、合金の15%未満をFCC相のままで残して、BCC及び/又はBCT相へ戻ることができる。好ましくは、本発明の水素貯蔵合金は、合金の10%未満をFCC相のままで残して、BCC及び/又はBCT相へ戻ることができる。最も好ましい場合、本発明の水素貯蔵合金は、合金の5%未満をFCC相のままで残して、BCC及び/又はBCT相へ戻ることができる。
本発明の水素貯蔵合金におけるBCC/BCTとFCC結晶構造の間で前者と後者間を循環できる能力が、本発明合金のサイクル寿命を増大させるのを実現する。理論によって縛られることは望んでいないが、本発明者等は、原子レベル処理の原理による変性剤元素の介在が、水素貯蔵合金からの水素の脱着時にFCC結晶構造からFCCプラスBCC/BCT結晶構造への転移を妨げて、結果として合金のサイクル寿命の増大が得られたと信じている。変性剤元素は、BCC/BCT結晶構造に低いエネルギー状態を与えて、その結晶構造を安定化することが出来る。通常は、FCC結晶構造はBCC/BCT結晶構造よりも熱力学的に安定であるが、BCC/BCT結晶構造のエネルギー状態を下げる変性剤元素の介在により、BCC/BCT結晶構造がより望ましいものとなり、結果として貯蔵された水素の脱着時にFCC結晶構造が元のBCC/BCT結晶構造へ戻る能力が得られる。FCC相からBCC/BCT相へ戻る能力は、結果として優れたサイクル寿命を与える長期間のサイクルの初めから終りまで、本発明の水素貯蔵合金が水素貯蔵容量を維持できるようにする。本発明の合金は、700+サイクルの間サイクル安定性を呈することができる。図2は、低バナジウム含有量合金16号(V10Ti40Cr50)のサイクル安定性を示し、図3は、低バナジウム含有量合金16号(V10Ti40Cr50)と比較した中バナジウム含有量合金10号(V26Ti32.7Cr25.9Mn14.8Mo0.6)のサイクル安定性を示す。可逆的容量の10%初期低下の後は、低バナジウム含有量合金16号について、全容量及び可逆的容量の両者とも800サイクルを越えて一定に保たれた。しかし、中バナジウム含有量合金10号は、はるかに劣ったサイクル性能を示した。サイクル性能の低下は、サイクルが進むとと共にFCC−BCC相転移に可逆性が無くなることに帰すことができると信じられている。中バナジウム含有量合金の群は、大きな貯蔵容量を与えるけれども、低バナジウム含有量合金よりも短いサイクル寿命を有している。
格子定数は、本発明の水素貯蔵合金の水素貯蔵特性に直接関係するもう一つの重要な考慮すべき点である。本発明による水素貯蔵合金の90℃における可逆的水素貯蔵容量が、それらのそれぞれのBCC格子定数に対して、図4にプロットされている。BCC格子が大きくなるにつれて、合金中で水素の占める部位がより安定化し、従って合金体積内から水素を移動させることに対する抵抗が大きくなり、結果として可逆的容量が小さくなる。好ましいのは、本発明の水素貯蔵合金が、3.015オングストロームから3.045オングストロームの範囲の格子定数を有することである。この範囲の格子定数を有する水素貯蔵合金は、水素貯蔵合金内の結合部位へ及びそれからの水素の出入を容易にすることによって、一層大きな水素貯蔵容量とより高い可逆性とを可能にする。この範囲外の格子定数を有する水素貯蔵合金は平衡圧が増大する。より小さな格子定数では、水素は水素貯蔵合金内の多くの結合部位へ接近することができず、結果として水素貯蔵容量と可逆性が低下する。より大きな格子定数では、貯蔵部位間の量子トンネル効果がより起りやすくなり、水素は濃度勾配の存在下で容易に除去され、結果として水素貯蔵容量が低下する。図5に示すように、3.015オングストロームから3.028オングストロームの範囲の格子定数を有する水素貯蔵合金は、高圧応用製品として好ましく、3.028オングストロームから3.045オングストロームの範囲の格子定数を有する水素貯蔵合金は、低圧応用製品として好ましいものである。
本発明の合金は、アーク溶融、レビテーション溶融、冷却壁誘導溶融、溶融スピニング又はガス噴霧化、の諸技術を用いて生産することができる。好ましいのは、本発明の合金がアーク溶融、冷却壁誘導溶融、又はレビテーション溶融技術によって生産されることである。冷却壁誘導溶融とレビテーション誘導溶融に関しては、冷却壁誘導溶融は、少ないエネルギーでより多くの材料を処理できるが、一方レビテーション誘導溶融は、酸化物などの不純物が少ない材料を生産することができる。大水素貯蔵容量及び可逆性を生じさせるような微小−構造的又は微小−化学的変化を、水素貯蔵合金内に生成させるのに必要な急冷速度をもたらす限りにおいて、その他の方法も使用することができる。種々の溶融技術を介して合金を生成した後で、合金は焼鈍されて合金の充填密度を上げ、合金構造内の空隙を除去する。合金を焼鈍することによって、水素貯蔵合金の水素貯蔵容量と可逆性は増大する。水素貯蔵合金は、1300℃から1500℃の範囲、好ましくは1350℃から1450℃の範囲の温度で、少なくとも5分間で焼鈍する。
焼鈍後、水素貯蔵特性と前に述べた速い反応速度とを得るために、本発明の水素貯蔵合金は、102から103℃/秒の速度で急冷されて、望みの微細構造を凍結させる。好ましくは、合金は低酸素の高速急冷を用いて冷却される。本発明の合金を急冷した場合、速い急冷速度で生成された合金は、遅い急冷速度を用いて生成された合金に比べて、改善された水素貯蔵特性を有することを見出した。速い急冷速度を用いると、水素貯蔵合金は殆ど均一な単一相BCC結晶構造が得られる。
水素貯蔵合金を溶融又は急冷する際に、合金粒子の外面に酸化物被膜が生成することがある。理論によって縛られることを望んではいないが、本発明者等は、酸化物被膜の生成が、合金の可逆性にはほとんどあるいは全く影響が無いけれども、全水素貯蔵容量には悪い影響を与えると信じている。合金の水素貯蔵容量の低下を防ぐために、酸化物被膜を合金粒子から除去したり、生成することを全く阻止したりすることもできる。酸化物被膜が溶融時に生成するのを妨げるためには、坩堝材料から高温で酸素を合金中に入らせる酸化アルミニウム坩堝など別の多様な坩堝の代りに、銅坩堝の中で合金を溶融することもできる。銅以外の材料から成る坩堝も、坩堝材料内に含有される酸素と溶融合金とを反応させない限りにおいて、使用することができる。急冷時の酸化物被膜の生成を妨げるために、合金を低酸素環境で急冷することもできる。合金を水中で急冷する代りに、合金を液体窒素、液体アルゴン、油、又はそれ以外の低酸素含有量を有する媒体中で急冷することもできる。これらの低酸素含有量媒体の使用は、合金粒子の表面における酸化物生成を防ぐあるいはは阻止するけれども、各種媒体により急冷速度が違うことの結果によっては、合金の水素貯蔵特性に有害であり得る。合金粒子表面に酸化物被膜を生成させるような急冷媒体を用いる場合は、酸化物被膜は粒子からエッチング工程又は機械的研削工程を介して除去することもできる。これらの方法は、低酸素含有量急冷媒体では得られないような特定の急冷速度が望まれる場合に、選択することができる。
(実施例1)
本発明の合金に及ぼす溶融手法の影響を測定することを目的に、本発明による合金16号(V10Ti40Cr50)について数個の5gの試料を異なる溶融手法により調製し、引き続いて水素貯蔵特性を試験した。試料は、水冷銅湯溜まり(basin)を用いたアーク溶融(a)、MgO坩堝を用いた誘導炉(b)、窒化ボロン坩堝を用いた溶融スピニング装置(c)を使用して調製した。アーク溶融と誘導溶融で調製した試料は、アルゴンガス中において、5分間、1400℃で焼鈍し、水中で迅速に急冷した。溶融スピニングした試料は、焼鈍しなかった。PCTデータを比較する目的で、追加試料(b1)が、MgO坩堝中の誘導加熱により作製され、20分間、1400℃で焼鈍され、続いて水中で迅速急冷した。試料は、続いて2%HF+10%HCl(50%)溶液中で、10分間、超音波槽内においてエッチングされ、インゴットの表面に生成した殆ど全ての酸化物が除去された。諸試料について、試料のX線回折分析を図6に示し、PCTプロットを図7に示してある。アーク溶融によって作製された試料は最も純粋なBCC構造を示し、一方その他の試料は、BCC相と一緒にラベス相やチタン相などの二次的な相を示している。アーク溶解で作製した試料は、より大きな全貯蔵容量及び可逆的水素貯蔵容量を示す。誘導溶融試料は、より高いプラトー圧とより劣った水素貯蔵容量とを示している。溶融スピニング試料は、全4種の試料の中で最も悪い貯蔵容量を示す。
本発明の合金に及ぼす溶融手法の影響を測定することを目的に、本発明による合金16号(V10Ti40Cr50)について数個の5gの試料を異なる溶融手法により調製し、引き続いて水素貯蔵特性を試験した。試料は、水冷銅湯溜まり(basin)を用いたアーク溶融(a)、MgO坩堝を用いた誘導炉(b)、窒化ボロン坩堝を用いた溶融スピニング装置(c)を使用して調製した。アーク溶融と誘導溶融で調製した試料は、アルゴンガス中において、5分間、1400℃で焼鈍し、水中で迅速に急冷した。溶融スピニングした試料は、焼鈍しなかった。PCTデータを比較する目的で、追加試料(b1)が、MgO坩堝中の誘導加熱により作製され、20分間、1400℃で焼鈍され、続いて水中で迅速急冷した。試料は、続いて2%HF+10%HCl(50%)溶液中で、10分間、超音波槽内においてエッチングされ、インゴットの表面に生成した殆ど全ての酸化物が除去された。諸試料について、試料のX線回折分析を図6に示し、PCTプロットを図7に示してある。アーク溶融によって作製された試料は最も純粋なBCC構造を示し、一方その他の試料は、BCC相と一緒にラベス相やチタン相などの二次的な相を示している。アーク溶解で作製した試料は、より大きな全貯蔵容量及び可逆的水素貯蔵容量を示す。誘導溶融試料は、より高いプラトー圧とより劣った水素貯蔵容量とを示している。溶融スピニング試料は、全4種の試料の中で最も悪い貯蔵容量を示す。
アーク溶融試料は、Discovery201Tアーク溶融装置を用いて調製した。この装置は、水冷タングステン陽極、陰極としての水冷銅鋳型、及び機械ポンプを備えた真空室から構成される。合金調合に用いられた全ての元素は、高純度で且つ表面汚染が無いものであった。予め秤量した元素を、真空室内のアーク溶融装置の水冷銅鋳型の頂部に装入し、アーク溶融装置は、20ミクロンまで排気して、3回アルゴンガスで洗浄し酸素の無い環境を得た。アーク溶融装置の室内を更に清浄にするため、15gのチタン片を酸素ゲッターとして3回溶融して冷却した。
合金化処理における溶融温度設定は、最高融点を有する元素に基づいて為された。試料の合金化処理は、均質な試料を得るための、5回におよぶ連続20秒間の溶融工程及び転換工程から構成されている。溶融工程時及びその後に、合金試料は水冷銅鋳型内で冷却した。合金が調製された後、合金試料は焼鈍され急冷された。
合金を焼鈍/急冷する装置を、図8に示す。装置は、加熱領域1として59300型高温管状炉を利用する。十字石英管の水平アーム部は管状炉を通して挿入され、その中をアルゴンガス2が連続的に流れる。磁気的に結合している棒3を、加熱領域1の中へ又はそれから外へ合金インゴット4を移動させるのに用いる。合金インゴット4は、取外し可能な蓋6を取外すと現われる通路を通して、装置の頂部端5を通して、最初に装入される。装置の底部端は、水、液体アルゴン、液体窒素、又は他の急冷剤が満たされた急冷領域7に浸漬されている。合金インゴット4は、1673℃で5〜20分間アルゴン雰囲気中において熱処理され、素早く加熱領域1から排出される。次いで、ボートが直ちに反転され合金インゴットを急冷領域7の中へ落とす。
(実施例2)
本発明合金への焼鈍温度の影響を測定するため、合金28号(V23Ti30Cr42Mn3Fe2)の数個の試料をアーク溶融により(先に述べたように)調製した。図9に示すのは、1200℃(a)、1300℃(b)、1400℃(c)、及び1450℃(d)で焼鈍された合金28の走査型電子顕微鏡写真である。1400℃での焼鈍は、空隙の殆ど無い良く充填された微細構造を持つ合金をもたらす。1200℃と1300℃で焼鈍した試料は、相偏析を起こし、1450℃で焼鈍した試料は、二次的な相が生成するのを示している。これらの合金の吸収及び脱着特性は下の表2に要約されている。
本発明合金への焼鈍温度の影響を測定するため、合金28号(V23Ti30Cr42Mn3Fe2)の数個の試料をアーク溶融により(先に述べたように)調製した。図9に示すのは、1200℃(a)、1300℃(b)、1400℃(c)、及び1450℃(d)で焼鈍された合金28の走査型電子顕微鏡写真である。1400℃での焼鈍は、空隙の殆ど無い良く充填された微細構造を持つ合金をもたらす。1200℃と1300℃で焼鈍した試料は、相偏析を起こし、1450℃で焼鈍した試料は、二次的な相が生成するのを示している。これらの合金の吸収及び脱着特性は下の表2に要約されている。
(実施例3)
本発明合金への焼鈍時間の影響を測定するため、合金28号(V23Ti30Cr42Mn3Fe2)の数個の試料をアーク溶融によって(先に述べたように)調製した。5分、10分、及び20分の焼鈍時間を1400℃で合金試料に実施した。試験を行なって、焼鈍の長さは、焼鈍温度のようには、水素貯蔵合金の水素貯蔵容量に劇的な影響を与えないことが分かった。これらの合金の吸収及び脱着特性は下の表3に要約されている。
本発明合金への焼鈍時間の影響を測定するため、合金28号(V23Ti30Cr42Mn3Fe2)の数個の試料をアーク溶融によって(先に述べたように)調製した。5分、10分、及び20分の焼鈍時間を1400℃で合金試料に実施した。試験を行なって、焼鈍の長さは、焼鈍温度のようには、水素貯蔵合金の水素貯蔵容量に劇的な影響を与えないことが分かった。これらの合金の吸収及び脱着特性は下の表3に要約されている。
(実施例4)
本発明合金に及ぼす急冷媒体の影響を測定するため、合金16号(V10Ti40Cr50)の数個の試料をアーク溶融によって(先に述べたように)調製し、異なる急冷媒体を用いて急冷した。合金は、水、液体窒素、液体アルゴン、及び油中で急冷した。急冷後、各試料はHF/HCl溶液を用いて清浄化した。水素貯蔵測定結果は、油急冷試料が、オージェ電子分光分析の深さ方向断面から分かるように、炭素取り込みに悩まされることを除けば、急冷媒体の差に基づく水素吸収及び脱着特性における重大な差は示さなかった。これらの合金の吸収及び脱着特性は下の表4に要約されている。
本発明合金に及ぼす急冷媒体の影響を測定するため、合金16号(V10Ti40Cr50)の数個の試料をアーク溶融によって(先に述べたように)調製し、異なる急冷媒体を用いて急冷した。合金は、水、液体窒素、液体アルゴン、及び油中で急冷した。急冷後、各試料はHF/HCl溶液を用いて清浄化した。水素貯蔵測定結果は、油急冷試料が、オージェ電子分光分析の深さ方向断面から分かるように、炭素取り込みに悩まされることを除けば、急冷媒体の差に基づく水素吸収及び脱着特性における重大な差は示さなかった。これらの合金の吸収及び脱着特性は下の表4に要約されている。
(実施例5)
本発明合金に及ぼす急冷速度の影響を測定するため、合金16号(V10Ti40Cr50)の3個の試料をアーク溶融によって(先に述べたように)調製し、1400℃で5分間焼鈍して、異なる速度で冷却した。3個の試料は、比較標準試料(a)、低速冷却試料(b)、及び急冷試料(c)を含む。比較標準試料は、10gのインゴットで、1400℃において5分間焼鈍し水中で急冷した。急冷試料は、10gのインゴットを比較標準試料より小さな数片に破砕し、比較標準試料に比べて水中でより速く急冷されるようにした。低速冷却試料は、10gのインゴットで、焼鈍後に室温で冷却させた。3個の試料に対するX線回折像が図10にプロットされている。比較標準試料(a)と急冷試料(c)は両者とも、完全なBCC相を示しているが、低速冷却試料(b)は典型的なラベス相構造を呈している。急冷試料は比較標準試料と同じ格子定数(3.051Å)を有しているが、微結晶寸法はそれより大きい(196Å対169Å)。全3個の試料(a、b、c)について測定したPCT等温線を図11に示す。急冷試料は、3個の試料の中で最良の水素貯蔵容量と可逆性を示しているが、ラベス相を有する低速冷却試料は、3個の試料の中で最悪の水素貯蔵容量と可逆性を示している。
本発明合金に及ぼす急冷速度の影響を測定するため、合金16号(V10Ti40Cr50)の3個の試料をアーク溶融によって(先に述べたように)調製し、1400℃で5分間焼鈍して、異なる速度で冷却した。3個の試料は、比較標準試料(a)、低速冷却試料(b)、及び急冷試料(c)を含む。比較標準試料は、10gのインゴットで、1400℃において5分間焼鈍し水中で急冷した。急冷試料は、10gのインゴットを比較標準試料より小さな数片に破砕し、比較標準試料に比べて水中でより速く急冷されるようにした。低速冷却試料は、10gのインゴットで、焼鈍後に室温で冷却させた。3個の試料に対するX線回折像が図10にプロットされている。比較標準試料(a)と急冷試料(c)は両者とも、完全なBCC相を示しているが、低速冷却試料(b)は典型的なラベス相構造を呈している。急冷試料は比較標準試料と同じ格子定数(3.051Å)を有しているが、微結晶寸法はそれより大きい(196Å対169Å)。全3個の試料(a、b、c)について測定したPCT等温線を図11に示す。急冷試料は、3個の試料の中で最良の水素貯蔵容量と可逆性を示しているが、ラベス相を有する低速冷却試料は、3個の試料の中で最悪の水素貯蔵容量と可逆性を示している。
(実施例6)
本発明合金をエッチングする影響を測定するため、合金16号(V10Ti40Cr50)の4個の試料をアーク溶融によって(先に述べたように)調製した。試料1は、後処理(焼鈍又は急冷)を全くしない鋳造したままのインゴットである。試料2は、1400℃で焼鈍し、表面清浄化しないで急冷した。試料3は、1400℃で5分間焼鈍して水で急冷した後、機械的やすり掛けをしてインゴットから表面酸化物を除去した。試料4は、1400℃で5分間焼鈍し、水で急冷した後引き続いてHF+HClでエッチングして、機械的やすり掛けよりも多くの表面酸化物が除去できた。調製後、試料は水素吸収及び脱着特性について試験した。インゴットの表面酸化物の除去は、可逆的水素貯蔵容量において重要な差を生じないが、インゴットの表面から除去される表面酸化物の量が多いほど、合金の全水素貯蔵容量は改善される。各試料の水素貯蔵測定結果は下の表5に要約されている。
本発明合金をエッチングする影響を測定するため、合金16号(V10Ti40Cr50)の4個の試料をアーク溶融によって(先に述べたように)調製した。試料1は、後処理(焼鈍又は急冷)を全くしない鋳造したままのインゴットである。試料2は、1400℃で焼鈍し、表面清浄化しないで急冷した。試料3は、1400℃で5分間焼鈍して水で急冷した後、機械的やすり掛けをしてインゴットから表面酸化物を除去した。試料4は、1400℃で5分間焼鈍し、水で急冷した後引き続いてHF+HClでエッチングして、機械的やすり掛けよりも多くの表面酸化物が除去できた。調製後、試料は水素吸収及び脱着特性について試験した。インゴットの表面酸化物の除去は、可逆的水素貯蔵容量において重要な差を生じないが、インゴットの表面から除去される表面酸化物の量が多いほど、合金の全水素貯蔵容量は改善される。各試料の水素貯蔵測定結果は下の表5に要約されている。
(実施例7)
本発明の合金間におけるバナジウム含有量に基づいた水素貯蔵容量の比較を行なうために、各群(低バナジウム、中バナジウム、高バナジウム)から一つの合金を選択して、水素貯蔵能力について試験した。選択した試料は、V10Ti40Cr50(低バナジウム含有量)、V80Ti10Cr10(高バナジウム含有量)、及びV23Ti30Cr41Mn3Fe3(中バナジウム含有量)である。試料はアーク溶融によって(先に述べたように)調製し、1400℃で5分間焼鈍して、水で急冷してから、酸エッチングをした。試料は、先ず3MPaの水素中において300℃から30℃までの冷却を伴う活性化を行って、水素圧力を3MPaから10MPaまで増大させ、次いで10℃まで冷却して全水素貯蔵容量を測定した。水素を脱着させるために、試料は90℃まで加熱してPCT測定を行ない、引き続いて110℃で二回目の測定を行なった。諸合金の水素貯蔵容量は下の表6に示す。
本発明の合金間におけるバナジウム含有量に基づいた水素貯蔵容量の比較を行なうために、各群(低バナジウム、中バナジウム、高バナジウム)から一つの合金を選択して、水素貯蔵能力について試験した。選択した試料は、V10Ti40Cr50(低バナジウム含有量)、V80Ti10Cr10(高バナジウム含有量)、及びV23Ti30Cr41Mn3Fe3(中バナジウム含有量)である。試料はアーク溶融によって(先に述べたように)調製し、1400℃で5分間焼鈍して、水で急冷してから、酸エッチングをした。試料は、先ず3MPaの水素中において300℃から30℃までの冷却を伴う活性化を行って、水素圧力を3MPaから10MPaまで増大させ、次いで10℃まで冷却して全水素貯蔵容量を測定した。水素を脱着させるために、試料は90℃まで加熱してPCT測定を行ない、引き続いて110℃で二回目の測定を行なった。諸合金の水素貯蔵容量は下の表6に示す。
(実施例8)
本発明合金の吸収/脱着速度を比較するために、低バナジウム合金(V10Ti40Cr50)の試料と中バナジウム合金(V23Ti30Cr41Mn3Fe3)の試料を、アーク溶融によって(先に述べたように)調製し、1400℃で5分間焼鈍して、水で急冷した。低バナジウム合金についての吸収/脱着速度は図12に示し、中バナジウム合金についての吸収/脱着速度は図13に示してある。低バナジウム合金の吸収/脱着速度は、中バナジウム合金の吸収/脱着速度より良好であるが、いずれの場合も、両合金の80%吸収/脱着が3分以内に得られる。
本発明合金の吸収/脱着速度を比較するために、低バナジウム合金(V10Ti40Cr50)の試料と中バナジウム合金(V23Ti30Cr41Mn3Fe3)の試料を、アーク溶融によって(先に述べたように)調製し、1400℃で5分間焼鈍して、水で急冷した。低バナジウム合金についての吸収/脱着速度は図12に示し、中バナジウム合金についての吸収/脱着速度は図13に示してある。低バナジウム合金の吸収/脱着速度は、中バナジウム合金の吸収/脱着速度より良好であるが、いずれの場合も、両合金の80%吸収/脱着が3分以内に得られる。
本発明の好ましい実施形態と信じられるものに付いて記述して来たが、当業者は、発明の精神から逸脱することなく、それらに他の更なる変更や修正ができることを認めるであろうし、これら全ての変更や修正は発明の正当な範囲内に含まれる、ということを請求するものである。
Claims (7)
- 体心立方(BCC)構造を有する、大容量で遷移金属をもとにする水素貯蔵合金の生産方法であって、
1)二つ又はそれ以上の遷移金属元素を溶融して、相/組成偏析を防ぐ鋳造速度で水素貯蔵合金を生成する工程と、
2)前記水素貯蔵合金を焼鈍して均一な単一相体心立方構造を生成する工程と、
3)前記水素貯蔵合金を102から103℃/秒の範囲の冷却速度で急冷することにより、体心立方構造を安定化させる工程と、
4)急冷時に前記水素貯蔵合金の表面に前記酸化物が生成するのを阻止する工程、及び/又は急冷後に前記水素貯蔵合金の表面から前記酸化物を除去する工程とを、
含む前記の方法。 - 前記水素貯蔵合金は、アーク溶融、冷却壁誘導溶融、又はレビテーション溶融技術によって生成されることを特徴とする、請求項1による方法。
- 前記水素貯蔵合金は、1350℃から1450℃の範囲の温度で焼鈍されることを特徴とする、請求項1による方法。
- 前記水素貯蔵合金は、低酸素環境において急冷されることを特徴とする、請求項1による方法。
- 前記水素貯蔵合金は、液体アルゴン、液体窒素、又は油中において急冷されることを特徴とする、請求項4による方法。
- 前記水素貯蔵合金の表面の前記酸化物は、エッチングによって除去されることを特徴とする、請求項1による方法。
- 前記水素貯蔵合金の表面の前記酸化物は、機械的研削によって除去されることを特徴とする、請求項1による方法。
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