JP2007521823A - プロテアーゼ変異型 - Google Patents

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Abstract

本発明は、RP-IIプロテアーゼの変異型を製造する方法および親RP-IIプロテアーゼに比較して変更された性質を有する変異型に関する。

Description

発明の分野
本発明は、RP-IIまたはC-成分型に属するプロテアーゼの変異型、および変更された性質、例えば、安定性 (例えば、熱安定性または貯蔵安定性) 、Ca2+依存性およびpH依存性活性を有する、このような変異型を構築する方法に関する。
発明の背景
酵素は、洗剤産業において30年以上の間洗浄配合物の一部分として使用されてきている。プロテアーゼは、商業的視野からこのような配合物において、最も関係する酵素であるが、リパーゼ、アミラーゼ、セルラーゼ、ヘミセルラーゼを包含する他の酵素または酵素の混合物がまたしばしば使用される。また、プロテアーゼは他の分野、例えば、酪農製品の製造、皮革の加工、飼料の加工、およびその他において使用される。
プロテアーゼのコストおよび/または性能を改良するために、変更された性質、例えば、低温において増加した活性、増加した熱安定性、所定のpHにおいて増加した比活性、変更されたCa2+依存性、他の洗剤成分 (例えば、漂白剤、界面活性剤、およびその他) の存在下に増加した安定性、基質に関する修飾された特異性、およびその他を有するプロテアーゼについて研究が進められている。
変更された性質を有するプロテアーゼについての研究は、天然に存在するプロテアーゼ、すなわち、いわゆる野生型プロテアーゼの発見を包含するが、また、例えば、前記プロテアーゼをコードする核酸配列の遺伝子操作による、よく知られているプロテアーゼの変更を包含する。タンパク質の三次元構造と機能との間の関係の知識は、タンパク質のどの領域がタンパク質の特異的性質に影響を与えるように変更するかを評価する能力を改良した。
プロテアーゼの1つのグループは、洗剤における使用、食物加工、飼料加工のために適用されてきており、プロテアーゼのファミリーS1B、グルタミン酸特異的エンドペプチダーゼに属するRP-IIプロテアーゼまたはC-成分プロテアーゼである。現在、このファミリーは比較的少ない注意を受けているだけであり、そして異なるサブグループにそれ以上グループ化されてきていない。しかしながら、単離されたRP-IIプロテアーゼのアミノ酸の同一性から、サブグループが存在することが明らかである。RP-II型のバシラス (Bacillus) プロテアーゼは、一次構造がキモトリプシンに類似するセリンプロテアーゼである。
バシラス (Bacillus) プロテアーゼのRP-IIファミリーのプロテアーゼは米国特許第4,266,031号 (Tang 他、Novo Industri A/S) に最初に記載され、ここでそれは成分Cとして表示され、そしてセリンプロテアーゼまたはメタロプロテアーゼではないとして仮に (そして不正確に) 特徴づけられた。成分Cはバシラス・リヘニフォルミス (Bacillus licheniformis) アルカリ性プロテアーゼ、スブチリシンCarisbergの製造において汚染物質として考えられた。
EP 369 817 (Omnigene Bioproducts, Inc.) において、RP-IIファミリーのバシラス・サチリス (B. subtilis) メンバーがそのアミノ酸配列およびDNA配列により同定された。この酵素は再びセリンプロテアーゼではないと記載され、そしてこのファミリー名RP-IIが表示された (残留プロテアーゼII (Residual Protease II)) 。この酵素はEP 369 817の発明者らによりメタロプロテアーゼとしてさらに特徴づけられ (Rufo 他、1990、J. Bacteriol. 2: 1019-1023、およびSloma 他、1990、J. Bacteriol. 172: 1024-1029) 、この酵素はmprと表示された。
WO 91/13553 (Novozymes A/S) において、C成分のアミノ酸配列が開示され、それはグルタミン酸およびアスパラギン酸に対して特異的なセリンプロテアーゼであると記載されているが、EP 482 879 (Shionogi & Co。 Ltd.) には、この酵素およびバシラス・リヘニフォルミス (B. licheniformis) ATCC No. 14580からのC成分をコードするDNA配列が開示されており、この酵素はBLaseと命名された。EP 482 879において、このプロテアーゼはグルタミン酸に対して特異的であるとして記載されている (また、下記の文献を参照のこと: Kakudo 他、“Purification, characterization, cloning, and expression of a glutamic acid-specific protease from Bacillus licheniformis ATCC No. 14580”、J. Biol. Chem. 267: 23782 (1992)) 。
1997年において、Okamoto 他 (Appl. Microbiol. Biotechnol. (1997) 48: 27-33) は、BLaseのバシラス・サチリス (B. subtilis) 相同体 (BSaseと命名された) が前述の酵素、mpr/RP-IIと同一であることを発見した。
1999年において、Rebrikov 他 (Journal of Protein Chemistry、Vol. 18、No. 1、1999) は、また、RP-IIファミリーに属するバシラス・インテルメジウス (B. intermedius) からのGlu特異的プロテアーゼを開示した。
WO 01/16285において、多数のそれ以上のRP-IIプロテアーゼがDNA配列およびアミノ酸配列とともに開示された。これらのRP-IIプロテアーゼはバシラス・ピュミルス (B. pumilus) 、バシラス・ハルマパルス (Bacillus halmapalus) およびバシラス・リヘニフォルミス (B. licheniformis) から単離された。また、WO 01/16285において、RP-IIプロテアーゼの多数の変異型が開示されている。これらの変異型は、RP-IIプロテアーゼの一次構造 (アミノ酸配列) に関する種々の概念に基づいた。
下記表1中の相同性マトリックスが明瞭に示すように、RP-IIプロテアーゼ1〜8はマトリックス中の他のGlu特異的プロテアーゼと明瞭に異なるGlu特異的プロテアーゼの独特のグループである。
Figure 2007521823
このマトリックスにおいて、配列は最初に発行された特許刊行物または配列データベースの受け入れ番号により識別されている。
1. バシラス (Bacillus) 種JA96グルタミン酸特異的エンドペプチダーゼ、JA96、WO 01/16285。
2. 1p3e バシラス・インテルメジウス (B. intermedius) グルタミン酸特異的エンドペプチダーゼ、BIP、EMBL No. Y5136、Rebrikov 他、Journal of Protein Chemistry、Vol. 18、No. 1、1999。
3. バシラス (Bacillus) 種BO32グルタミン酸特異的エンドペプチダーゼ、BO32、WO 01/16285。
4. バシラス・リヘニフォルミス (B. licheniformis) 、BLC、WO 01/16285 (参照: 米国特許第4,266,031号) 。
5. バシラス (Bacillus) 種CDJ31グルタミン酸特異的エンドペプチダーゼ、CDJ31、WO 01/16285。
6. バシラス (Bacillus) 種AC116グルタミン酸特異的エンドペプチダーゼ、AC116、WO 01/16285。
7. mpr_bacsu バシラス・サチリス (B. subtilis) セリンプロテアーゼ、MPR、EP 369 817。
8. バシラス (Bacillus) 種AA513グルタミン酸特異的エンドペプチダーゼ、AA513、WO 01/16285
9. eta_staau スタフィロコッカス・アウレウス (Staphylococcus aureus) 剥脱性トキシンA (Lee 他、スタフィロコッカス・アウレウス (Staphylococcus aureus) からの剥脱性トキシンAおよびトキシンB遺伝子の配列の決定および比較; J. Bacteriol. 169: 3904 (1987)) 。
10. etb_staau スタフィロコッカス・アウレウス (Staphylococcus aureus) 剥脱性トキシンB (Jackson M. P. 、Iandolo J. J.; スタフィロコッカス・アウレウス (Staphylococcus aureus) の剥脱性トキシンB遺伝子の配列; J. Bacteriol. 167: 726 (1986)) 。
11. q53781 スタフィロコッカス・アウレウス (Staphylococcus aureus) (株Mu50/ATCC 700699) (Rieneck 他、EMBL/GenBank/DDBJデータベースに提出された (JUN-1996)) 。
12. q53782 スタフィロコッカス・アウレウス (Staphylococcus aureus) (株Mu50/ATCC 700699) (Rieneck 他、“Molecular cloning and expression of a novel Staphylococcus aureus antigen”、 Biochem. Biophys. Acta 1350: 128 (1997)) 。
13. stsp_staau スタフィロコッカスのセリンプロテイナーゼV8 Glu-C (Gray、“Nucleotide sequence of the serine gene of Staphylococcus aureus, strain V8” Nucleic Acids Res. 15: 6757 (1987) 。
S1Bファミリーに属するスタフィロコッカス・アウレウス (Staphylococcus aureus) からのプロテアーゼトキシンAの三次元構造は、Cavarelli J. 他、Structure Vol. 5、p. 813 1997により決定された。
しかしながら、RP-IIプロテアーゼおよびスタフィロコッカス・アウレウス (Staphylococcus aureus) からのトキシンAに属するプロテアーゼ間の配列相同性にかかわらず、スタフィロコッカス・アウレウス (Staphylococcus aureus) からのトキシンAの三次元構造に基づくRP-IIプロテアーゼの三次元構造のモデル化は、構造的差のために、ことにRP-IIプロテアーゼに対する配列相同性における明確な差のために、正しくない三次元構造を生ずることがある。
本発明者らはバシラス・リヘニフォルミス (B. licheniformis) からのC成分プロテアーゼの三次元構造を解明し、そしてこの三次元構造と、またプロテアーゼのS1Bサブグループに属するスタフィロコッカス・アウレウス (Staphylococcus aureus) からのトキシンAの三次元構造との間に、いくつかの差が存在することを発見した。この構造における驚くべき差ために、RP-IIプロテアーゼの相同性モデル化の基準としてBLC構造を使用することが有利であり、次いでこのBLC構造はタンパク質操作による機能性を必要なように変化させる能力を改良する。
発明の簡単な説明
本発明者らは、C成分の三次元構造に基づいて、RP-IIプロテアーゼのアミノ酸配列を修飾して、改良された性質を有する変異型を構築した。変異型は、変更された性質、例えば、低温において増加した活性、増加した熱安定性、所定のpHにおいて増加した比活性、変更されたCa2+依存性、他の洗剤成分 (例えば、漂白剤、界面活性剤、およびその他) の存在下に増加した安定性およびその他を有するであろう。
したがって、本発明の目的は、変更された性質を有するRP-IIプロテアーゼを構築する方法を提供すること、特に前述したように変更された性質を有するRP-IIプロテアーゼを構築する方法を提供することである。
こうして、最も広い面において、本発明は、下記の工程を含んでなる、親RP-IIプロテアーゼと比較して少なくとも1つの変更された性質を有する親RP-IIプロテアーゼの変異型を構築する方法に関する:
i) 前記RP-IIプロテアーゼの三次元構造を分析して、構造的考察の評価に基づいて、前記性質の変更に関連する、前記RP-IIプロテアーゼの少なくも1つのアミノ酸残基または少なくとも1つの構造的領域を同定し、
ii) 親RP-IIプロテアーゼに比較して、i) において同定されたアミノ酸残基または構造的部分において修飾されたRP-IIプロテアーゼ変異型を構築し、そして
iii) 生ずるRP-IIプロテアーゼ変異型を前記性質について試験する。
下記においてある種の領域および/または位置における親RP-IIプロテアーゼの修飾が、こうして製造されたRP-IIプロテアーゼ変異型に特定の作用を与えることが期待されることを記載するが、このような領域のいずれかにおける親RP-IIプロテアーゼの修飾が前述した他の作用を生ずることもあることに注意すべきである。例えば、改良された熱安定性に関して特に興味あるものとして記載する領域および/または位置のいずれかは、また、例えば、より低いpHにおいてより高い活性、変更されたpH最適値または増加した特異性、例えば、増加したペプチダーゼ活性を生ずることがある。
本発明のそれ以上の面は、RP-IIプロテアーゼの変異型、このような変異型をコードするDNAおよび変異型を製造する方法に関する。本発明のなおそれ以上の面は、種々の工業的目的のための変異型の使用、特に洗剤組成物における添加物としての変異型の使用に関する。本発明の他の面は、下記の説明および添付された特許請求の範囲から明らかとなるであろう。
表の簡単な説明
表5〜表32は、BLC RP-IIプロテアーゼの解明された結晶三次元構造についての構造座標を標準的pdbフォーマットで提供する。残基は番号1〜217が付されており、カルシウムは番号301であり、そしてDAFE基質は番号401〜404である。
定義
本発明をさらに詳細に論ずる前に、下記の用語およびコンベンションを最初に定義する。
ポリペプチドまたはタンパク質、ことにRP-IIプロテアーゼ中に遺伝子操作により導入されたアミノ酸および核酸および修飾の命名法の詳細な説明のために、WO 01/16285、5〜15ページ (引用することによって本明細書の一部とされる) が言及される。
用語 「RP-IIプロテアーゼ」 は、プロテアーゼファミリーS1B、グルタミン酸特異的エンドペプチダーゼに属する、セリンプロテアーゼのサブグループを意味する。セリンプロテアーゼまたはセリンペプチダーゼは、基質と共有結合付加物を形成する活性部位に、セリンを有することによって特徴づけられるプロテアーゼのサブグループである。さらに、RP-IIプロテアーゼ (およびセリンプロテアーゼ) は、セリンを別として、2つの活性部位のアミノ酸残基、すなわち、ヒスチジン残基およびアスパラギン酸残基を有することによって特徴づけられる。
RP-IIプロテアーゼはS1Bプロテアーゼファミリーの残部に対して約50%の相同性 (UWGCGバージョン8ソフトウェアGAPプログラムを使用する) 、より好ましくは55%より高い相同性を有する。種々のS1Bプロテアーゼ間の相同性を表1に示す。表1において、RP-IIプロテアーゼNo. 1〜8はボールドフェースで示されており、他のS1BプロテアーゼNo. 9〜13はボールドフェースのイタリックで示されている。表1はRP-IIプロテアーゼが他のS1Bプロテアーゼと明瞭に区別されることを示すが、また明らかように、RP-IIプロテアーゼの間にサブグループが存在する。1つのサブグループはNo. 1、2および3を含んでなる; そして他のサブグループはNo. 4、5および6を含んでなる。列挙したRP-IIプロテアーゼの長さは215〜222アミノ酸間で変化し、そしてスブチラーゼのスブチリシンサブグループ内の経験は、このような長さの変動がこれらおよび他のRP-IIプロテアーゼサブグループの三次元構造にほんのわずかの作用を有するであろうことを示す。

用語 「親」 は、本発明の関係において、タンパク質変異型をつくるように修飾されるタンパク質として理解すべきである。親タンパク質は天然に存在する (野生型) ポリペプチドであることができるか、あるいは任意の適当な手段により製造されたその変異型であることができる。例えば、親タンパク質は、天然に存在するポリペプチドの、1または2以上のアミノ酸残基の置換、化学的修飾、欠失またはトランケーションにより、あるいはアミノ酸残基に対する1または2以上のアミノ酸残基の付加または挿入により、修飾された天然に存在するタンパク質の変異型であることができる。こうして、用語 「親RP-IIプロテアーゼ」 は、RP-IIプロテアーゼ変異型をつくるように修飾されるRP-IIプロテアーゼを意味する。
変異型
用語 「変異型」 は、本発明の関係において、親タンパク質に比較して1または2以上のアミノ酸残基において修飾されたタンパク質として理解すべきである。
修飾
用語 「1または2以上の修飾」 または「修飾された」は、本発明の関係において、タンパク質の化学的修飾ならびにタンパク質をコードするDNAの遺伝子操作を包含するとして理解すべきである。1または2以上の修飾は、1または2以上のアミノ酸側鎖の1または2以上の置換、問題の1または2以上のアミノ酸中のまたはそれらにおける1または2以上の置換、1または2以上の欠失および/または挿入であることができる。こうして、用語 「修飾されたタンパク質」 、例えば、「修飾されたRP-IIプロテアーゼ」は、親タンパク質、例えば、RP-IIプロテアーゼと比較して1または2以上の修飾を含有するタンパク質として理解すべきである。
相同性
用語 「相同性」 または「に対する相同性」は、本発明の関係において、その慣用の意味において理解すべきであり、そして2つのアミノ酸配列間の「相同性」は下記のGAPプログラムにより規定された「類似性」パラメーターを使用することによって決定されるべきである: University of Wisconsin Genetics Computer Group (UWGCG) パッケージ、ここでアラインメントパラメーター、比較マトリックス、ギャップおよびギャップエクステンションペナルティーについてデフォルトの設定を使用する。
GAPペナルティーについてのデフォルト値、すなわち、3.0のGAP発生ペナルティーおよび0.1のGAPエクステンションペナルティー (Program Manual for the Wisconsin Package、Version 8、1994年8月、Genetic Computer Group、米国53711ウィスコンシン州マディソン、サイエンスドライブ575) 。また、この方法は下記の文献に記載されている: S. B. NeedlemanおよびC. D. Wunsch、Journal of Molecular Biology 48: 443-445 (1970) 。
同一性は同一計算から抽出することができる。また、2つのアミノ酸配列間の相同性は、UWGCGパッケージバージョン9.1のGAPルーチンを使用して「同一性」または「類似性」により決定することができ、ここでアラインメントパラメーター、比較マトリックス、ギャップおよびギャップエクステンションペナルティーについてデフォルトの設定を、また、下記のパラメーターを使用して適用することができる: ギャップ発生ペナルティー = 8およびギャップエクステンションペナルティー = 8およびすべての他のパラメーターはそれらのデフォルト値に保持する。このルーチンからの出力は、アミノ酸のアラインメントのほかに、2つの配列間の「同一性%」および「類似性」である。UWGCGパッケージバージョン9.1を使用して計算した数値は、バージョン8とわずかに異なる。
RP-IIプロテアーゼの命名
本発明のRP-IIプロテアーゼを記載するとき、言及を容易とするために、下記の略号を使用する:
BLC = バシラス・リヘニフォルミス (Bacillus licheniformis) からのRP-IIプロテアーゼ (米国特許第4,266,031号) 。
AA513 = バシラス・ハルマパルス (Bacillus halmapalus) AA513からのRP-IIプロテアーゼ (WO 01/16285) 。
AC116 = バシラス・リヘニフォルミス (Bacillus licheniformis) AC116からのRP-IIプロテアーゼ (WO 01/16285) 。
BO32 = バシラス・ピュミルス (Bacillus pumilus) BO32からのRP-IIプロテアーゼ (WO 01/16285) 。
CDJ31 = バシラス・ハルマパルス (Bacillus halmapalus) CDJ31からのRP-IIプロテアーゼ (WO 01/16285) 。
JA96 = バシラス・ピュミルス (Bacillus pumilus) JA96からのRP-IIプロテアーゼ (WO 01/16285) 。
MPR = バシラス・サチリス (Bacillus subtilis) IS75からのRP-IIプロテアーゼ (EP 369 817 B1) 。
BIP = バシラス・インテルメジウス (B. intermedius) からのRP-IIプロテアーゼ (Rebrikov 他、Journal of Protein Chemistry、Vol. 18、No. 1、1999) 。
配列のリスト
添付された配列のリストにおいて、RP-IIプロテアーゼは次のように示される:
配列番号1 = BLC (DNA) 、配列番号2 = BLC (AA) 、
配列番号3 = AA513 (DNA) 、配列番号4 = AA513 (AA) 、
配列番号5 = AC116 (DNA) 、配列番号6 = AC116 (AA) 、
配列番号7 = BO32 (DNA) 、配列番号8 = BO32 (AA) 、
配列番号9 = CDJ31 (DNA) 、配列番号10 = CDJ31 (AA) 、
配列番号11 = JA96 (DNA) 、配列番号12 = JA96 (AA) 、
配列番号13 = BSMPR (DNA) 、配列番号14 = BSMPR (AA) 、
配列番号15 = BIP (DNA) 、配列番号16 = BIP (AA) 。
位置
用語 「位置」 は、本発明の関係において、ペプチド/ポリペプチドのN-末端から計数したとき、ペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質中のアミノ酸残基の数として理解すべきである。通常、本発明において使用する位置の数は異なるRP-IIプロテアーゼを直接言及する。
RP-IIプロテアーゼは、配列番号2、4、6、8、10、12、14および16の各々に従い個々に番号が付される。
対応する位置
しかしながら、本発明は、これら特定のRP-IIプロテアーゼの変異型に限定されず、バシラス・リヘニフォルミス (Bacillus licheniformis) RP-IIプロテアーゼ中の同定された残基と「同等」である位置にアミノ酸残基を含有する親プロテアーゼに拡張される。本発明のある好ましい態様において、親プロテアーゼはJA96またはBIP RP-IIプロテアーゼであり、そして置換は上に列挙したものに対応するJA96またはBIP中の同等のアミノ酸残基の位置においてなされる。
RP-IIプロテアーゼの残基 (アミノ酸) 位置は、それがバシラス・リヘニフォルミス (Bacillus licheniformis) RP-IIプロテアーゼ中の特異的残基またはその残基の部分に対して相同性 (すなわち、一次または三次構造における位置が対応する) または類似 (すなわち、化学的に結合、反応または相互作用する同一または類似の機能的能力を有する) である場合、バシラス・リヘニフォルミス (Bacillus licheniformis) RP-IIプロテアーゼの残基 (位置) と同等である。
一次構造に対する相同性を確立するために、参照フレームを規定する酵素の同一グループまたはクラスの適当なよく知られている酵素と、単離したまたは親野生型酵素のアミノ酸配列を整列させることによって、前駆体プロテアーゼのアミノ酸配列をバシラス・リヘニフォルミス (Bacillus licheniformis) RP-IIプロテアーゼ、BLC、一次配列と直接比較する。この型のナンバリングはWO 01/16285において使用された。その中に何も示されていない場合、本発明の例において、バシラス・リヘニフォルミス (Bacillus licheniformis) RP-IIプロテアーゼを、最初に成分Cと表示し、したがってここでBLCと略し、標準として選択した。
BLCの三次構造 (三次元構造) に対する相同性を確立するために、図2における三次元構造に基づくアラインメントが提供された。このアラインメントを使用することによって、前駆体RP-IIプロテアーゼのアミノ酸配列をバシラス・リヘニフォルミス (Bacillus licheniformis) RP-IIプロテアーゼ、BLC、一次配列に直接相関させることができる。新規なRP-IIプロテアーゼ配列について、BLC中のある位置に対応する (3D) 位置は、下記の工程により見出される:
i) 図2のアラインメントから新規な配列に対して最も相同性であるRP-IIプロテアーゼを同定し、
ii)新規な配列を同定された配列と整列させて、図2からRP-IIプロテアーゼ中の対応する位置を見出し、そして
iii) 図2からBLC中の対応する位置を確立する。
比較しかつ最も相同性の配列を見出すために、後述するようにGCGパッケージからのGAPプログラムを使用する。
アラインメントは、上に示したように、GCGパッケージバージョン8のGAPルーチンにより下記のパラメーターを使用して得ることができる: ギャップ発生ペナルティー = 3およびギャップエクステンションペナルティー = 0.1およびすべての他のパラメーターはそれらのデフォルト値に保持する。
図2のアラインメントは、BLCの配列に関して欠失および挿入の数を規定する。アラインメントにおいて、欠失は参照配列中の 星印 (*) により示され、そして参照された酵素は問題の位置にギャップを有することが考えられるであろう。挿入はBLC配列中の星印 (*) により示され、そして参照された酵素中の位置は最後のアミノ酸残基の位置番号として与えられ、ここで対応するアミノ酸残基は標準酵素中に存在し、ロワーケースの文字はアルファベットの順序、例えば、82a、82b、82c、82dで付加される、図2参照。
参照された酵素がBLCに比較してN-末端またはC-末端のエクステンションを含有する場合、N-末端のエクステンションは位置番号0a、0b、およびその他で記載され、そしてC-末端のエクステンションはBLCのC-末端のアミノ酸残基の位置番号で記載され、ここでロワーケースの文字はアルファベットの順序で付加されるか、あるいは単に連続番号で記載される。
こうして比較のために、RP-IIプロテアーゼは図2において提供されるようにBLC RP-IIプロテアーゼ (配列番号2) の位置を参照することによって番号を付される。次いで、位置は「BLCに対応する」として示される。
発明の詳細な説明
本発明者らは、BLCの三次元構造、配列番号2をX線結晶学により解明し、そして他のプロテアーゼ、例えば、RP-IIプロテアーゼの既知の構造と比較してこのプロテアーゼの構造中にいくつかの重要な特徴が存在することを発見した。これらの特徴は類似性および差の両方を包含する。
RP-IIプロテアーゼ
前述したように、RP-IIプロテアーゼは本発明の関係においてBLC (配列番号2) に対して少なくとも50%の相同性を有するプロテアーゼとして理解すべきである。特に、前記プロテアーゼはBLC、すなわち、配列番号2に対して少なくとも55%の相同性を有することができる。こうして、本発明は、BLCに対して少なくとも50%の相同性を有する変異型RP-IIプロテアーゼに関する。
詳しくは、本発明の変異型は、多数の修飾、すなわち、少なくとも1から50まで、または1〜45、または1〜40、または1〜35、または1〜30、または1〜25、または1〜20、または1〜15、または1〜14、または1〜13、または1〜12、または1〜11、または1〜10、または1〜9、または1〜8、または1〜7、または1〜6、または1〜5、または1〜4、または1〜3、または1〜2の修飾または位置の範囲の多数の位置において修飾を含んでなるRP-IIプロテアーゼを含んでなることができる。このような修飾は、示した数または番号の位置において置換、欠失および挿入を含んでなる。
本発明のRP-IIプロテアーゼ変異型は単離されたポリヌクレオチドによりコードされ、その核酸配列は配列番号1に示す核酸配列に対して少なくとも50%の相同性を有し、ここでポリヌクレオチドは親プロテアーゼに関して変異型RP-IIプロテアーゼをコードする。
本発明の第1態様において、本明細書に記載する目的に対して適当なRP-IIプロテアーゼはBLCの三次元構造に対して相同性のRP-IIプロテアーゼであることができる、すなわち、それは下に規定される構造的要素を比較することによって表5〜表32中の構造座標により規定される三次元構造に対して相同性であることができる。
この分野においてよく知られているように、タンパク質またはその一部分についての1組の構造座標は、形状を三次元で規定する点の相対的組である; 座標の完全に異なる組は同一または同様な形状を規定することができる。その上、個々の座標におけるわずかの変動は全体の形状に対して作用をほとんど、あるいはまったく与えないであろう。
座標におけるこれらの変動は、構造座標の数学的操作のために発生することがある。例えば、表5〜表32の構造座標 (BLCの構造) は、構造座標の結晶学的順列、構造座標の細分化、構造座標の組に対する整数の加法または減法、構造座標の反転または上記の任意の組合わせにより操作することができる。選択的に、前記変動は一次アミノ酸配列における差のためであることがある。
このような変動が表5〜表32の構造座標に比較して許容可能な標準誤差の範囲内であるとき、前記三次元構造は本発明の関係内において表5〜表32の構造に対して相同性であるとして理解すべきである。典型的には、標準誤差は、例えば、保存された主鎖残基の二乗平均平方根偏差として測定することができ、ここで用語「二乗平均平方根偏差」(RMS) は平均からの偏差の二乗の算術平均の平方根を意味する。
また、この分野においてよく知られているように、相同的構造を有するタンパク質のグループ内に、構造のある種の領域またはドメイン、例えば、ループにおいて三次元構造の変動が存在することがあり、これらは構造の機能的領域に対して重要性をもたないか、あるいは少なくとも小さい重要性のみを有するが、前記構造間の原子において保存された主鎖の大きい二乗平均平方根を生ずることがある。
こうして、よく知られているように、1組の構造座標は結晶化タンパク質に対して独特である。他の三次元構造は正確な同一の組の座標を持たず、それは相同的構造であるか、あるいは異なる方法で結晶化した同一タンパク質である。座標において自然のゆらぎが存在する。全体の構造および原子間の関係は同様であることを見出すことができる。類似性は、他の構造の各「相同的」原子からの、ある構造の各原子の二乗平均平方根偏差により論ずることができる。
しかしながら、同一タンパク質のみが正確に同一数の原子を有する。したがって、100%より低い類似性を有するタンパク質はしばしば異なる数の原子を有し、こうして二乗平均平方根偏差はすべての原子について計算することができず、「相同的」であると考えられるもののみについて計算することができる。こうして、座標に基づく類似性の正確な記載は、相同的タンパク質について記載が困難であり、そして計算が困難である。本発明に関すると、異なるRP-IIプロテアーゼの三次元構造における類似性は、相同的構造要素の含有率および/またはアミノ酸またはDNA配列における類似性により記載することができる。
BLC様RP-IIプロテアーゼの例は下記を包含する: BLC = バシラス・リヘニフォルミス (Bacillus licheniformis) からのRP-IIプロテアーゼ (参照: 米国特許第4,266,031号) 、AA513 = バシラス・ハルマパルス (Bacillus halmapalus) AA513からのRP-IIプロテアーゼ (NP 000368) 、AC116 = バシラス・リヘニフォルミス (Bacillus licheniformis) AC116からのRP-IIプロテアーゼ (NP 000364) 、BO32 = バシラス・ピュミルス (Bacillus pumilus) BO32からのRP-IIプロテアーゼ (NP 000366) 、CDJ31 = バシラス・ハルマパルス (Bacillus halmapalus) CDJ31からのRP-IIプロテアーゼ (NP 000365) 、JA96 = バシラス・ピュミルス (Bacillus pumilus) JA96からのRP-IIプロテアーゼ (NP 000367) 、MPR = バシラス・サチリス (Bacillus subtilis) IS75からのRP-IIプロテアーゼ (EP 369 817 B1) 、BIP = バシラス・インテルメジウス (B. intermedius) からのRP-IIプロテアーゼ (EMBL No. Y5136、Rebrikov 他 、Journal of Protein Chemistry、Vol. 18、No. 1、1999) 。
したがって、本発明の好ましい態様は、配列番号2の配列に対して少なくとも50%の相同性を有する、好ましくは配列番号2、4、6、8、10、12、14または16の配列に対して少なくとも55%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも74%、少なくとも80%、少なくとも83%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%の相同性を有する親RP-IIプロテアーゼの変異型またはRP-IIプロテアーゼ変異型である。
本発明のそれ以上の態様は、下記の構造的特性を含んでなるRP-IIプロテアーゼ変異型である:
a) 各々が逆平行の構成で6つの長いストランドを含んでなる、2つのβ-バレル、
b) 3つのα-ヘリックス、
c) 少なくとも1つのイオン結合部位、および
d) アミノ酸残基His、AspおよびSerを含んでなる活性部位。
潜在的イオン結合部位は、Ile 3カルボニル原子O、Ser 5カルボニル原子Oにより配位された1つのカルシウムイオンおよびAsp 161カルボン酸基による二座配位および水により作られたそれ以上の配位を有するBLCの三次元構造におけるように、座標の同様な配位および配置として規定される。カルシウムは構造中で水で置換されるが、次いで同一配位を有することができる。
本発明のRP-IIプロテアーゼ変異型は単離されたポリヌクレオチドによりコードされ、その核酸配列は配列番号1、3、5、7、9、11、13または15に示す核酸配列と少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%の相同性を有し、そしてここでポリヌクレオチドは親プロテアーゼに関して変異型RP-IIプロテアーゼをコードする。
さらに、本発明のRP-IIプロテアーゼ変異型をコードする単離された核酸配列は、配列番号1に示す核酸配列の相補的ストランドと、好ましくは低ストリンジェンシイ条件下に、少なくとも中程度のストリンジェンシイ条件下に、少なくとも中程度〜高いストリンジェンシイの条件下に、少なくとも高ストリンジェンシイ条件下に、少なくとも非常に高いストリンジェンシイの条件下にハイブリダイゼーションする。
ヌクレオチドプローブと相同DNAまたはRNA配列との間の低い、中程度のまたは高いストリンジェンシイにおけるハイブリダイゼーションを決定するために適当な実験条件は、5×SSC (塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム、Sambrook 他、1989) 中で10分間DNAフラグメントまたはRNAを含有するフィルターを前ソーキングしてハイブリダイゼーションさせ、そして5×SSC、5×デンハルト溶液 (Sambrook 他、1989) 、0.5%のSDSおよび100 μg/mlの変性超音波処理サケ精子DNA (Sambrook 他、1989) の溶液中でフィルターをプレハイブリダイゼーションさせ、次いで10 ng/mlのランダムプライムド (Feinberg A. P. およびVogelstein B. (1983) Anal. Biochem. 132: 6-13) 、32P-dCTP標識化 (比活性 > 1×109 cpm/μg) プローブを含有する同一溶液中で約45℃において12時間ハイブリダイゼーションすることを包含する。
フィルターを2×SSC、0。5 % SDS中で少なくとも55℃ (低いストリンジェンシイ) 、より好ましくは少なくとも60℃ (中程度のストリンジェンシイ) 、なおより好ましくは少なくとも65℃ (中程度の/高いストリンジェンシイ) 、さらにより好ましくは少なくとも70℃ (高いストリンジェンシイ) 、さらにより好ましくは少なくとも75℃ (非常に高いストリンジェンシイ) において30分間2回洗浄する。
RP-IIプロテアーゼの三次元構造
BLC RP-IIプロテアーゼを使用して、本発明の基準を形成する三次元構造を解明した。
BLCの構造はX線結晶学的方法、例えば、下記の文献に記載されている方法に従い解明した: X-Ray Structure Determination、Stout G. K. およびJensen L. H. 、John Wiley & Sons, Inc. NY、1989。
BLCの解明された結晶構造についての構造座標は、表5〜表32に示す標準PDBフォーマット (Protein Data Bank、Brookhaven National Laboratory、コネチカット州ブルックヘブン) に記載されている。表5〜表32は本願の一部分を形成することを理解すべきである。表5〜表32の関係において、下記の略号を使用する: CAはc-アルファ(炭素原子) またはカルシウムイオンを意味する (しかしながら、誤解を回避するために、通常本明細書において完全な名称「c-アルファ原子」、「カルシウム」、「Ca」または「イオン」を使用する) 。アミノ酸残基は標準的3文字コードで記載する。表5〜表32中の構造座標はプロテアーゼ構造を含有し、ここで活性セリンはアラニンで置換されており、そして複合体はペプチドDAFE (= Asp-Ala-Phe-Glu) ならびに水分子と形成されている。プロテアーゼ座標はAと呼ぶ連鎖識別を有するが、ペプチドはBと呼び、カルシウムはCと呼び、そして水はWである。下記において、述べた残基は配列番号2に開示するBLCの配列を意味する。
BLCの全体の構造はプロテアーゼのS1グループの中に入る (MEROPS: http://merops.sanger.ac.uk/) 。この構造は2つのβ-バレルドメインとフォールディングしたトリプシン型である。β-バレルの各々はβ-バレルにフォールディングした6つの逆平行β-シートから成る。このトポロジーは両方β-バレル中のストランドについてS1-S2-S3-S6-S5-S4と記載することができる。すべてのRP-IIプロテアーゼは同一の一般的全構造内に入ることが仮定される。
バシラス・リヘニフォルミス (Bacillus licheniformis) からのC成分セリンプロテアーゼの三次元構造は16ストランドを有し、それらのうちで12のより大きいストランドは2つのβ-バレル; および3つのヘリックスを構築する。4つの非常に短いストランドはN-末端からカウントしてNo. 1、5、6および10であり、そして残基No. 9〜10、50〜51、56〜57および114〜115から構成されている。他のストランドは残基No. 22〜26、31〜36、41〜44、62〜65、77〜83、99〜102、126〜131、142〜151、156〜159、171〜177、182〜192および201〜205である。1つの主要なヘリックスC成分の残基はNo. 208〜219である。2つの非常に小さいヘリックスは残基86〜90および106〜110から構成されている。
活性部位は位置167におけるSer、位置47におけるHisおよび位置96におけるAspを包含する三つ組から成る。
BLCの三次元構造は位置3におけるIleのカルボニル酸素原子、位置5におけるSerのカルボニル酸素原子が配位した1つのカルシウムイオン、および位置161におけるAspのカルボン酸基による二座配位を有する。それ以上の配位は水分子によりなされる。
カルシウムイオンは、後述するように活性部位のCA原子および位置168におけるGlyからある距離に配置されている:
Ser 167 Ca原子〜Caイオン: 16.07Å
His 47 Ca原子〜Caイオン: 24.27Å
Asp 96 Ca原子〜Caイオン: 23.72Å
Gly 168 Ca原子〜Caイオン: 19.20Å
イオン結合部位の位置は、コア構造中の4つの特定原子への距離により規定することができる。イオン結合部位から3つの活性部位残基のc-アルファ原子への距離を選択した。RP-IIプロテアーゼ全体を通して、活性部位における残基Ser、HisおよびAspは高度に保存される。BLCにおいて、それらはAsp96、His47およびSer167である。選択した第4距離は、配列中の活性部位のセリン残基後に最初に来るアミノ酸残基のc-アルファ原子への距離である (以後において「Serの次」と呼ぶ); BLCの三次元構造において、それはGly168である。
本発明の好ましい態様において、イオン結合部位とi) Aspのc-アルファ原子との間の距離は22.50〜24.00Åであり、ii) Hisのc-アルファ原子との間の距離は23.25〜25.25Åであり、iii) Serのc-アルファ原子との間の距離は15.00〜17.00Åであり、iv) Serの次のc-アルファ原子との間の距離は18.20〜20.20Åである。
しかしながら、これらの距離は1つのRP-IIプロテアーゼから他のRP-IIプロテアーゼにおいて変化することができ、そして前述したように、イオン結合部位もまたナトリウムイオンに結合することができる。現在の距離は構造中のカルシウムイオンで与えられている。ナトリウムイオンがその代わりに結合した場合、距離はほんの少しシフトするであろう。一般に、距離は±0.8Å、好ましくは±0.7Å、±0.6Å、±0.5Å、±0.4Å、または最も好ましくは±0.3Å変化することができる。
さらに、RP-IIプロテアーゼにおいて、イオン結合部位を区切るペプチド構造は位置1〜7、159〜162および143〜145に配置されたアミノ酸残基から構成されており、ここで配位する原子は残基I3、S5、D161の主鎖のカルボニル酸素および水分子である。
RP-IIプロテアーゼの三次元構造は、実施例1に示すように関係するプロテアーゼの既知構造および一般的モデル化ツールを使用してモデル化することができる。実際的な三次元モデル構造を得るための必要条件は、モデルが既知構造を有するプロテアーゼの配列に対して50%より高い、好ましくは55%より高い、さらにより好ましくは60%より高い、適切な配列相同性に基づくということである。RP-IIプロテアーゼのモデルは、図2におけるBLCに対する三次元誘導配列のアラインメントに基づいて構築することができる。
したがって、原理的には、RP-IIプロテアーゼの三次元構造のモデルは、モデル化ツールおよびプロテアーゼのExfファミリーのスタフィロコッカス・アウレウス (Staphylococcus aureus) に由来するトキシンAプロテアーゼの既知三次元構造を使用して作ることができる: Cavarelli 他 (1997) The Structure of Staphylococcus aureus Epidermolytic Toxin A, an atypic serine protease, at 1.7Å resolution, Structure, Vol. 5, p. 813 (pbd name 1ARP) 。
スタフィロコッカス・アウレウス (Staphylococcus aureus) に由来するトキシンAプロテアーゼの構造と比較する場合、BLCにより表されるRP-IIプロテアーゼの構造は、「普通プロテアーゼ」領域、「中間」領域および「非相同的」領域に分割することができる。
活性部位は普通プロテアーゼ領域において見出すことができ、この領域は構造的にトキシンA構造に密接に関係する。普通プロテアーゼ領域は残基58、70〜83から構成されている。普通プロテアーゼ領域は1.2より小さいRMSを有する。
普通プロテアーゼ領域の外側において、RP-IIプロテアーゼBLCの構造はトキシンA構造と大きい程度に異なる。
中間領域は残基14〜28、29〜51、94〜104および155〜175から成る。中間領域は1.2より大きくかつ1.8より小さいRMSを有する。スタフィロコッカス・アウレウス (S. aureus) 三次元構造からのモデル化に基づく三次元構造と機能性との間の関係は、RP-IIプロテアーゼのこの領域において予測することが潜在的に困難である。
普通領域および中間領域は大部分の2つの中央β-バレル、ことにβ-バレルのストランドから成る。
非相同的領域は残基1〜6、7〜13、52〜57、59〜69、84〜88、89〜93および105〜153から成る。非相同的領域は1.5より高いRMSを有する。スタフィロコッカス・アウレウス (S. aureus) 三次元構造からのモデル化に基づく三次元構造と機能性との間の関係は、RP-IIプロテアーゼのこの領域において予測することが非常に困難である。
こうして、スタフィロコッカス・アウレウス (S. aureus) トキシンAの三次元構造に対するRP-IIプロテアーゼ三次元構造のモデル構築に基づく赤外線構造-機能の関係は、非常に明らかでなくかつ純理的である。
RP-IIプロテアーゼの相同性の構築
RP-IIプロテアーゼのモデル構造は下記を使用して構築することができる: 表5〜表32中のBLC構造、または構造的要素 (a) 各々が逆平行の構成で6つの長いストランドを含んでなる2つのβ-バレルドメイン、(b) 3つのα-ヘリックス、(c) 少なくとも1つのアフィニティーイオン結合部位および (d) アミノ酸残基His、AspおよびSerを含んでなる活性部位を含んでなるBLC構造に類似する構造、または他のRP-IIプロテアーゼ構造、例えば、X線構造決定により確立された構造 (それらは将来商業的に入手可能となるであろう) 、およびHomologyTMプログラムまたは匹敵するプログラム、例えば、ModellerTM (両方はMolecular Simulation, Inc.、カリフォルニア州サンディゴから入手可能である) 。
この原理は、三次元構造が既知であるタンパク質のアミノ酸配列を、そのモデルの三次元構造を構築しなくてはならないタンパク質のアミノ酸配列と整列させることである。次いで、構造的に保存された領域をコンセンサス配列に基づいて構築することができる。相同性を欠如する領域において、ループ構造を挿入することができるか、あるいは配列を欠失させることができ、引き続いて、例えば、プログラムHomologyを使用して、必要な残基を結合させる。引き続いて、Homologyまたは他の分子のシミュレーションプログラム、例えば、CHARMmTM (Molecular Simulationから) を使用して、構造の緩和および最適化を実施すべきである。
BLCおよびRP-IIまたはS1Bファミリーのプロテアーゼ変異型を設計する方法
異なるタンパク質の分子力学を比較すると、どのドメインが重要であるか、あるいは各タンパク質が関係するある種の性質に関連づけられるかに関するヒントを得ることができる。
本発明は、下記の工程を含んでなる、親BLC様RP-IIプロテアーゼに比較して少なくとも1つの変更された性質を有する親BLC様RP-IIプロテアーゼの変異型を製造する方法に関する:
a) BLCの三次元構造に基づいて親BLC様RP-IIプロテアーゼのモデル構造を製造し、
b) 活性部位の残基のCA、CB、C、OおよびN原子の合致を通して構造を重ねることによって、BLC構造に対して親BLC様RP-IIプロテアーゼのモデルの三次元構造を比較し、
c) 工程a) における比較に基づいて親BLC様RP-IIプロテアーゼの少なくとも1つの構造的部分を同定し、ここで前記構造的部分における変更は変更された性質を生ずることが予測され、
d) 親BLC様RP-IIプロテアーゼをコードする核酸配列を修飾して、前記構造的部分に対応する位置における1または2以上のアミノ酸の欠失または置換、または前記構造的部分に対応する位置における1または2以上のアミノ酸の挿入をコードする核酸配列を製造し、
e) 宿主細胞中で修飾された核酸配列を発現させて、変異型RP-IIプロテアーゼを製造し、
f) 製造されたプロテアーゼを単離し、
g) 単離されたプロテアーゼを精製し、そして
h) 生成したRP-IIプロテアーゼ変異型を回収する。
安定性-イオン結合部位の変更
イオン結合部位は酵素の有意な特徴である。したがって、イオン結合部位に密接するアミノ酸残基の変更は、酵素の安定性の変更を生ずることが期待される。ことに、イオン結合部位におけるまたはその付近の電荷分布および/または静電場の強度に影響を与える修飾は、重要である。
改良された安定性
イオン結合部位に密接する位置における修飾により、RP-IIプロテアーゼのイオン結合部位を安定化することができる。
このような修飾は、イオン結合部位に密接する位置における正に帯電したアミノ酸残基の中性または負に帯電した残基による置換、または中性残基の負に帯電した残基による置換、または正に帯電したまたは中性の残基の欠失を含んでなる。
BLCのイオン結合部位に対して10Å以下の距離に存在する位置は次の通りである: 1、2、3、4、5、6、7、8、143、144、145、146、158、159、160、161、162、194、199、200および201。ことに、イオン結合部位から6Å以下の距離に存在する位置2、3、4、5、6、7、144、159、160および161は重要である。
他のRP-IIプロテアーゼにおける対応する位置は、本明細書中の図2を使用して同定できる。
BLC中の修飾D7EおよびD7Qは、これらの位置の1つにおいて適当な修飾の例である。
BLC中のイオン結合部位の除去
イオン結合部位を除去することによって、溶液中のカルシウムイオンまたは他のイオンに対する酵素の依存性を変更することができる。
BLC中のカルシウム部位の除去は、置換H114Rおよび/またはD161R、K + H144Q、N (配列番号2) により実施することができる。他のRP-IIプロテアーゼ中の構造的に対応する残基において、同様な修飾を行うことができる。
熱安定性の変更
改良された安定性 (典型的には増加した熱安定性) を有する変異型は下記により得ることができる: 同定された領域の運動性の修飾、例えば、1または2以上のジサルファイド結合の導入、プロリンによる置換、1または2以上の水素結合の変更、電荷分布の変更、1または2以上の塩架橋の導入、1または2以上のアミノ酸を有する内部キャビティ中のより大きい側基の充填 (例えば、構造的に移動性である領域における) 、ヒスチジン残基の他のアミノ酸による置換、脱アミド化部位の除去、またはヘリックスのキャップ成形。
運動性が増加した領域
BLCの下に示す領域は酵素の結晶構造において増加した運動性を有し、そしてこれらの領域はBLCおよび他のRP-IIプロテアーゼの安定性または活性の原因となることができると現在考えられる。ことに、高度に移動性の領域を変更することによって、熱安定性を得ることができる。一般に、これらの領域の運動性を低下させることによって、熱安定性を改良することができる。下に識別する領域および位置における修飾により、酵素を改良することができる。
例えば、より大きい残基または側鎖中により多い原子を有する残基を導入することによって、安定性を増加することができるか、あるいは、例えば、側鎖中により少ない原子を有する残基の導入は運動性のために重要であり、こうして酵素の活性プロファイルのために重要である。表5〜表32中の座標のファイルからおよび/または等方関数の分子力学的計算から得たB因子の分析により、領域を見出すことができる。これらは、MSI (Molecular Simulation Inc.) からのプログラムCHARMmを使用することによって得ることができる。
BLCの300Kまたは400Kにおける分子力学的シミュレーションにより、下記の高度に移動性の領域が明らかにされる: それぞれ26〜31、50〜55、89〜91および193〜198、および4〜5、11〜12、26〜31、50〜55、69〜70、89〜91、178〜183、195〜199および216〜221。
これらの領域における修飾は、RP-IIプロテアーゼの熱安定性に影響を及ぼすことが考えられる。修飾は好ましくは領域26〜31 (26、27、28、29、30および31); 89〜91 (89、90および91); 216〜221 (216、217、218、219、220および221) においてなされ、ことにBLCにおいて置換G30AおよびはG91Aである。同様な修飾は、他のRP-IIプロテアーゼ中の構造的に対応する残基において行うことができる。
また、結晶学的データからのB因子 (参照: “X-Ray Structure Determination、Stout G. K. およびJensen L. H.、John Wiley & Sons, Inc. NY、1989) は、下記のBLC (RP-IIプロテアーゼ) 構造におけるいっそう移動性の領域を示す:
51〜56 (すなわち、51、52、53、54、55、56) 、
88〜94 (すなわち88、89、90、91、92、93、94) 、
118〜122 (すなわち118、119、120、121、122) 、および
173〜183 (すなわち173、174、175、176、177、178、179、180、181、182、183) 。
これらの領域における修飾はRP-IIプロテアーゼの熱安定性に影響を及ぼすことが考えられる。修飾は領域51〜56および118〜122においてなされることが好ましい。
ジサルファイド結合:
親RP-IIプロテアーゼに比較して改良された安定性、例えば、熱安定性を有する本発明のRP-IIプロテアーゼ変異型は、新しいドメイン間またはドメイン内の結合を導入して、例えば、ドメイン間またはドメイン内のジサルファイド架橋を確立することによって、いっそう剛性または安定な構造を形成することができる。これはRP-II分子中の適当な位置に、1または2以上の置換または1または2以上の挿入により、システインを導入することによって実施することができる。
前述のガイドラインに従い、配列番号2のアミノ酸配列において同定された後述されるアミノ酸残基がシステイン置換に適当であると考えられる。システインで1または2以上の置換を実施することによって、BLCの変異型中にジサルファイド架橋を形成することができる。安定化性ジサルファイド架橋は置換S145CおよびT128Cを通して構築することができる。
表面電荷分布
親RP-IIプロテアーゼに比較して改良された安定性 (典型的には改良された熱安定性または貯蔵安定性) を有する変異型は、RP-IIプロテアーゼの表面電荷分布を変化させることによって得ることができる。例えば、pHが約5以下に低下されるとき、ヒスチジン残基は典型的には正に帯電するようになり、結局、タンパク質表面上に不都合な静電的相互作用が発生することがある。RP-IIプロテアーゼの表面電荷を操作することによって、このような不都合な静電的相互作用を回避し、引き続いてRP-IIプロテアーゼのより高い安定性に導くことができる。
帯電したアミノ酸残基は次の通りである: (a) 正に帯電した: Lys、Arg、His (pH < 5) 、Tyr (pH > 9) およびCys (pH > 10) および (b) 負に帯電した: AspおよびGlu。
表面電荷分布は次のようにして修飾することができる: (a) 帯電した残基の欠失または非帯電残基の帯電した残基による置換により表面から帯電した残基を除去する、(b) 帯電した残基の挿入または帯電した残基の非帯電残基による置換を通して帯電した残基を付加する、または (c) 正に帯電した残基を負に帯電した残基で置換するか、あるいは負に帯電した残基を正に帯電した残基で置換することによって残基における電荷を復帰させる。
したがって、本発明のそれ以上の面は、下記の工程を含んでなる、修飾された表面電荷分布を有する親RP-IIプロテアーゼの変異型を構築する方法に関する:
a) 親RP-IIプロテアーゼの表面上において、少なくとも1つの帯電したアミノ酸残基を同定し、
b) 工程a) において同定された帯電した残基を欠失または非帯電アミノ酸残基との置換により修飾し、
c) 必要に応じて工程a) およびb) を反復し、
d) 工程a) 〜c) から生ずる変異型を調製し、
e) 前記変異型の安定性を試験し、そして
f) 必要に応じて工程a) 〜e) を反復し、そして
g) 親RP-IIプロテアーゼに比較して増加した安定性を有するRP-IIプロテアーゼ変異型を選択する。
当業者は理解するように、また、ある場合において、電荷を支持するアミノ酸残基で非帯電アミノ酸残基を置換することが有利であることがあるか、あるいは、選択的に、ある場合において、ある電荷を支持するアミノ酸残基を反対符号の電荷を支持するアミノ酸残基で置換することが有利であることがある。こうして、前述の方法をこれらの目的に使用することもできる。電荷を支持するアミノ酸残基で非帯電アミノ酸残基を置換する場合、次のように工程a) およびb) を変化させて前述の方法を使用することができる:
a) 親RP-IIプロテアーゼの表面上において、非帯電アミノ酸残基により占有されている少なくと1つの位置を同定し、そして
b) 非帯電アミノ酸残基を帯電したアミノ酸残基で置換するか、あるいはその位置に帯電したアミノ酸残基を挿入することによって、その位置における電荷を修飾する。
また、RP-IIプロテアーゼの表面上に存在するアミノ酸残基の符号を変化させる場合、前述の方法を使用することができる。再び、前述の方法に比較して、この場合において、工程a) およびb) における唯一の差は次の通りである:
a) 親RP-IIプロテアーゼの表面上において、少なくと1つの帯電したアミノ酸残基を同定し、そして
b) 工程a) において同定された帯電したアミノ酸残基を反対電荷を有するアミノ酸残基で置換する。
酵素の表面上に存在するプロテアーゼのアミノ酸残基を決定するために、DSSPプログラム (KabshおよびSander、Biopolymers (1983) 22: 2577-2637) を使用して、表面のアクセス可能な区域を測定する。0、0.10、0.20、0.30、0.35、0.40、0.45、0.50、0.55または0.60より高い表面のアクセス可能性を有するすべての残基は表面残基と見なされる。
前述の方法を使用してBLCの表面上に見出されたアミノ酸残基はT109であり、そして置換T109R、K、Hは特に重要であることが考えられる。
同様な置換を他のRP-IIプロテアーゼの同等の位置に導入することができる。
改良された洗浄性能を示すRP-IIプロテアーゼを提供する目的で、WO 91/00345 (Novozymes A/S) および/またはWO 99/20771 (Genencor International Inc.) に示されているように、表面電荷の修飾によりRP-IIプロテアーゼを修飾することが可能である。
ことに、RP-IIプロテアーゼのpIを変化させることは重要である。
BLC中の変化:
T109R、K、H
Q143R、K、H
E209Q、N
D7N、S、T
Q174R、K、H
N216R、K、H
Y17R、K、H
Y95R、K、H.
対応する修飾を他のRP-IIプロテアーゼの対応する位置において実施することができる。
プロリン残基による置換
RP-IIプロテアーゼの改良された熱安定性は下記のようにして得ることができる: 問題のRP-IIプロテアーゼを二次構造について分析し、間隔 [-90°<φ<-40°および-180°<ψ<180°] 、好ましくは間隔 [-90°<φ<-40°および120°<ψ<180°] または [-90°<φ<-40°および-50°<ψ<10°] に制限される二面角φ (フィー) およびψ (プシー) を有するRP-IIプロテアーゼ中の残基を同定し、そしてRP-IIプロテアーゼがα-ヘリックスまたはβ-シート構造を有するにより特徴づけられる領域に位置する残基を排除する。
結晶質RP-IIプロテアーゼ中の原子構造に基づいて、アミノ酸についての二面角φ (フィー) およびψ (プシー) が計算された後、プロリン残基による置換に好適である二面フィーおよびプシー角を有する1または2以上の位置を選択することが可能である。プロリン残基の脂肪族側鎖をペプチド基の窒素原子に共有結合させる。結局、生ずる環状5員環はペプチド主鎖に結合したN-Cαの回りの回転に剛性定数を付与し、同時に主鎖のN原子に結合する水素結合の成形を防止する。
これらの構造的理由のために、プロリン残基は一般にα-ヘリックスおよびβ-シートの二次コンフォメーションと適合しない。
プロリン残基が1または2以上の同定された位置に既に存在しない場合、天然に存在するアミノ酸残基を、好ましくは問題のRP-IIプロテアーゼをコードする遺伝子に適用された位置指定突然変異誘発により、プロリン残基で置換する。BLC様プロテアーゼのグループにおいて、プロリン残基は位置18、115、185、269および293に導入することができる。したがって、好ましいBLC変異型は1または2以上の下記の置換を有する: T60P、S221P、G193PおよびV194P.
活性の変更
活性部位の残基から10Åより短い距離にあるアミノ酸残基はRP-IIプロテアーゼの特異性および活性に影響を及ぼす可能性がよりい強いことが期待され、したがって下記の位置に修飾を含んでなる変異型はRP-IIプロテアーゼ変異型の活性および/または特異性に変化を与えることができる: 1、8、22〜35 (22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35) 、42〜58 (42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58) 、82〜100 (82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100) 、129〜135 (129、130、131、132、133、134、135) 、141〜142、153〜156 (153、154、155、156) 、158、161〜171 (161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、171) 、188〜193 (188、189、190、191、192、193) 、195、201〜207 (201、202、203、204、205、206、207) 、210、213〜214、217。
基質結合性部位
基質結合性部位は、基質モデル、例えばDAFEと接触する残基により同定される。活性部位にDAFEが結合しているBLCプロテアーゼの三次元構造座標は、表5〜表32において見出すことができる。いかなる理論にも制限されないで、基質と酵素との間の結合は基質分子から10Åの球内、特に基質分子から6Åの球内に見出される好適な相互作用により支持されると現在考えられる。このような好適な結合の例は、水素結合、強い静電的相互作用および/または疎水性相互作用である。
BLCプロテアーゼ (配列番号1) の下記の残基はペプチドDAFEから10Åの距離内に存在し、こうして前記基質との相互作用に関係づけられると考えられる: 1、2、3、8、25、29、30、31、32、33、34、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、90、91、92、93、94、95、96、97、129、131、132、133、134、135、155、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、171、189、190、191、192、193、194、195、196、197、198、200および204。
BLCプロテアーゼ (配列番号1) の下記の残基はペプチドDAFEから6Åの距離内に存在し、こうして前記基質との相互作用に関係づけられると考えられる: 1、2、31、32、47、48、88、91、93、96、162、163、164、165、166、167、168、190、191、192、193、194、195および201。
ヘリックスのキャップ成形
RP-IIプロテアーゼについて、ヘリックスのキャップ成形はBLC中の位置221に構造的に対応する位置を修飾することによって、ことにBLCにおいて修飾A221N、Tにより得ることができる。
脱アミド化部位の除去
RP-IIプロテアーゼについて、脱アミド化部位はBLCの位置213、216および222に構造的に対応する位置を修飾することによって、ことにBLC中の下記の修飾により除去することができる:
N213A、C、D、E、F、G、H、I、K、L、P、Q、R、S、T、V、Y、M、W、好ましくはN213L、T、S
N216A、C、D、E、F、G、H、I、K、L、P、Q、R、S、T、V、Y、M、W、好ましくはN216L、T、S
N222A、C、D、E、F、G、H、I、K、L、P、Q、R、S、T、V、Y、M、W、好ましくはN222L、T、S
修飾の組合わせ
また、本発明は、前述のRP-IIプロテアーゼ変異型のいずれかと、それらのアミノ酸配列に対する任意の他の修飾との組合わせを包含する。特に、酵素に改良された性質を提供することがこの分野において知られている他の修飾との組合わせが考慮される。上に示した修飾のいずれかと組合わせるべき、このような修飾の例を下に例示する。
臨界的酸化部位の除去
RP-IIプロテアーゼの安定性を増加させるために、臨界的酸化部位、例えばメチオニンを、酸化に暴露されない他のアミノ酸残基で置換するか、あるいは欠失することが有利であることがある。
したがって、それ以上の態様において、本発明は、酸化を受けやすい1または2以上のアミノ酸残基、ことに分子の表面に暴露されるメチオニン残基が欠失されているか、あるいは酸化を受けにくい他のアミノ酸残基で置換されている、RP-IIプロテアーゼ変異型に関する。酸化を受けにくいアミノ酸残基は、例えば、A、E、N、Q、I、L、SおよびKから成る群から選択することができる。
特定のこのような変異型は少なくとも1つの下記の欠失または置換を含んでなる: M36 {*、S、A、N、Q、K}; BLCプロテアーゼのM160 {*、S、A、N、Q、K}; AC116およびCDJ31プロテアーゼのM144 {*、S、A、N、Q、K}; BO32、BIPおよびJA96プロテアーゼのM67 {*、S、A、N、Q、K} 、M79 {*、S、A、N、Q、K} 、M137 {*、S、A、N、Q、K} 、M144 {*、S、A、N、Q、K} およびM171 {*、S、A、N、Q、K}; BO32プロテアーゼのM159 {*、S、A、N、Q、K}; MPRプロテアーゼ中のM81 {*、S、A、N、Q、K} およびM141 {*、S、A、N、Q、K}; およびAA513プロテアーゼのM17 {*、S、A、N、Q、K} 、M67 {*、S、A、N、Q、K} 、M144 {*、S、A、N、Q、K} 、M160 {*、S、A、N、Q、K} 、M186 {*、S、A、N、Q、K} およびM217 {*、S、A、N、Q、K} (位置は図2に示されているBLCプロテアーゼに関して示されている) 。
プロテアーゼ中のAsn-Gly配列の修飾
アルカリ性pHにおいて、Asnの側鎖を配列的に隣接するアミノ酸のNHと相互作用させて、主鎖がAsp側鎖を通して進行しているisoAsp残基を形成できることが知られている。これはタンパク質分解に対していっそう受攻性である主鎖を残すであろう。後続する残基がGlyである場合、脱アミド化は非常にいっそう起こりやすい。Glyの前のAsnまたはGlyを変化させると、これが起こることが防止され、こうしてことに熱安定性および貯蔵安定性に関して、安定性が改良されるであろう。
結局、さらに、本発明は、親RP-IIプロテアーゼのアミノ酸配列中に出現するAsn-Gly配列のいずれかまたは両方が欠失されるか、あるいは異なるアミノ酸で置換されている、RP-IIプロテアーゼ変異型に関する。
Asnおよび/またはGly残基は、例えば、A、Q、S、P、TおよびYから成る群から選択されるアミノ酸の残基で置換することができる。
さらに詳しくは、下記の位置を占有するAsn-GlyのAsnまたはGly残基のいずれかを欠失させるか、あるいはA、Q、S、P、TおよびYから成る群から選択されるアミノ酸の残基で置換することができる: BLCプロテアーゼの位置68〜69、182〜183および/または192〜193; AC116およびCDJ31プロテアーゼの位置68〜69および/または192〜193; BO32、JA96およびBIPプロテアーゼの位置45〜46、74〜75、196〜197および/または201〜202; MPRプロテアーゼの位置68〜69、103〜104および/または192〜196; およびAA513プロテアーゼの位置90〜91および/または201〜202 (位置は図2に示されているBLCプロテアーゼに関して示されている) 。
BLCの特定の変異型は次の通りである:
N68 {*、A、Q、S、P、T、Y}; G69 {*、A、Q、S、P、T、Y}
N68 {*、A、Q、S、P、T、Y} + G69 {*、A、Q、S、P、T、Y}
N182 {*、A、Q、S、P、T、Y}; G183 {*、A、Q、S、P、T、Y}
N182 {*、A、Q、S、P、T、Y} + G183 {*、A、Q、S、P、T、Y}
N192 {*、A、Q、S、P、T、Y}; G193 {*、A、Q、S、P、T、Y}
N192 {*、A、Q、S、P、T、Y} + G193 {*、A、Q、S、P、T、Y}
およびそれらの組合わせ。
AC116およびCDJ31プロテアーゼの特定の変異型は次の通りである:
N68 {*、A、Q、S、P、T、Y}; G69 {*、A、Q、S、P、T、Y}
N68 {*、A、Q、S、P、T、Y} + G69 {*、A、Q、S、P、T、Y}
N192 {*、A、Q、S、P、T、Y}; G193 {*、A、Q、S、P、T、Y}
N192 {*、A、Q、S、P、T、Y} + G193 {*、A、Q、S、P、T、Y}
N68 {*、A、Q、S、P、T、Y} + N192 {*、A、Q、S、P、T、Y}
およびそれらの組合わせ。
BO32、JA96およびBIPプロテアーゼの特定の変異型は次の通りである:
N45 {*、A、Q、S、P、T、Y}; G46 {*、A、Q、S、P、T、Y}
N45 {*、A、Q、S、P、T、Y} + G46 {*、A、Q、S、P、T、Y}
N74 {*、A、Q、S、P、T、Y}; G75 {*、A、Q、S、P、T、Y}
N74 {*、A、Q、S、P、T、Y} + G75{*、A、Q、S、P、T、Y}
N196 {*、A、Q、S、P、T、Y}; G197 {*、A、Q、S、P、T、Y}
N196 {*、A、Q、S、P、T、Y} + G197 {*、A、Q、S、P、T、Y}
N201 {*、A、Q、S、P、T、Y}; G202 {*、A、Q、S、P、T、Y}
N201 {*、A、Q、S、P、T、Y} + G202 {*、A、Q、S、P、T、Y}
N45 {*、A、Q、S、P、T、Y} + N74 {*、A、Q、S、P、T、Y}
N45 {*、A、Q、S、P、T、Y} + N196 {*、A、Q、S、P、T、Y}
N45 {*、A、Q、S、P、T、Y} + N201 {*、A、Q、S、P、T、Y}
N74 {*、A、Q、S、P、T、Y} + N196{*、A、Q、S、P、T、Y}
N74 {*、A、Q、S、P、T、Y} + N201{*、A、Q、S、P、T、Y}
N196 {*、A、Q、S、P、T、Y} + N201 {*、A、Q、S、P、T、Y}
N45 {*、A、Q、S、P、T、Y} + N74 {*、A、Q、S、P、T、Y} + N196{*、A、Q、S、P、T、Y}
N45 {*、A、Q、S、P、T、Y} + N74 {*、A、Q、S、P、T、Y} + N201{*、A、Q、S、P、T、Y}
N45 {*、A、Q、S、P、T、Y} + N196 {*、A、Q、S、P、T、Y} + N201{*、A、Q、S、P、T、Y}
N74 {*、A、Q、S、P、T、Y} + N196 {*、A、Q、S、P、T、Y} + N201{*、A、Q、S、P、T、Y}
N45 {*、A、Q、S、P、T、Y} + N74 {*、A、Q、S、P、T、Y} + N196 {*、A、Q、S、P、T、Y} + N201{*、A、Q、S、P、T、Y}
およびそれらの組合わせ。
AA513の特定の変異型は次の通りである:
N90 {*、A、Q、S、P、T、Y}; G91 {*、A、Q、S、P、T、Y}
N90 {*、A、Q、S、P、T、Y} + G91 {*、A、Q、S、P、T、Y}
N201 {*、A、Q、S、P、T、Y}; G202 {*、A、Q、S、P、T、Y}
N201 {*、A、Q、S、P、T、Y} + G202 {*、A、Q、S、P、T、Y}
N90 {*、A、Q、S、P、T、Y} + N201 {*、A、Q、S、P、T、Y}
およびそれらの組合わせ。
MPRの特定の変異型は次の通りである:
N68 {*、A、Q、S、P、T、Y}; G69 {*、A、Q、S、P、T、Y}
N68 {*、A、Q、S、P、T、Y} + G69 {*、A、Q、S、P、T、Y}
N103 {*、A、Q、S、P、T、Y}; G104 {*、A、Q、S、P、T、Y}
N103 {*、A、Q、S、P、T、Y} + G104 {*、A、Q、S、P、T、Y}
N192{*、A、Q、S、P、T、Y}; G196 {*、A、Q、S、P、T、Y}
N192 {*、A、Q、S、P、T、Y} + G196 {*、A、Q、S、P、T、Y}
N68 {*、A、Q、S、P、T、Y} + N103 {*、A、Q、S、P、T、Y}
N68 {*、A、Q、S、P、T、Y} + N192 {*、A、Q、S、P、T、Y}
N103 {*、A、Q、S、P、T、Y} + N192 {*、A、Q、S、P、T、Y}
N68 {*、A、Q、S、P、T、Y} + N103 {*、A、Q、S、P、T、Y} + N192 {*、A、Q、S、P、T、Y}
およびそれらの組合わせ。
自己タンパク質分解部位の除去
本発明のそれ以上の面によれば、自己タンパク質分解部位におけるアミノ酸を変化させることによって、自己タンパク質分解部位を除去することができる。RP-IIプロテアーゼはGluおよびAsp残基において解裂するので、同一または同様な特異性を有する親RP-IIプロテアーゼのこのような残基を、好ましくはGlu以外の任意の他のアミノ酸で置換することによって、修飾することが好ましい。
親RP-IIプロテアーゼはGlu残基に対して主として特異的であり、そして小さい程度にAsp残基に対して特異的である。したがって、親 (トリプシン様) RP-IIプロテアーゼの修飾は、好ましくはGluを他のアミノ酸残基 (Aspを包含する) に変化させることによって行うことができる。AlaをGluまたはAspで置換すると、すぐれた結果が得られることが実験により示された。
GluおよびAsp残基はBLC、CDJ31およびAC116プロテアーゼ中の位置E101、E152、E173、E209、D6、D51、D96、D135、D161およびD212において見出される。BLCは位置E104にGluおよび位置D7にAspをさらに有する。
こうして、特異的BLC、CDJ31およびAC116変異型はE101A、E152A、E173A、E209A、D6A、D51A、D135A、D161A、D212A、およびそれらの二重、三重、四重、およびその他の組合わせである。さらに、特異的BLC変異型はE104AおよびD7Aである。
JA96、BO32およびBIPにおいて、GluおよびAspは位置E81、E143、E151、E209、D5、D6、D69、D96、D103、D135、D152、D161およびD173において見出される。
こうして、特異的JA96、BO32およびBIP変異型はE81A、E143A、E151A、E202A、D5A、D6A、D69A、D96A、D103A、D135A、D152A、D161A、D173A、およびそれらの二重、三重、四重、およびその他の組合わせである。
MPRにおいて、GluおよびAspは位置E7、E89a、E152、D6、D54、D92、D96、D135、D144、D161、D177およびD209において見出される。
こうして、特異的MPR変異型はE7A、E89aA、E152A、D6A、D54A、D92A、D96A、D135A、D144A、D161A、D177AおよびD209A、およびそれらの二重、三重、四重、およびその他の組合わせである。
AA513において、GluおよびAspは位置E26、E55、E94、E117、E123、E137b、E199、D40、D96、D103b、D103d、D135、D149、D154、D161、D184およびD209において見出される。
こうして、特異的AA513変異型はE26A、E55A、E94A、E117A、E123A、E137bA、E199A、D40A、D96A、D103bA、D103dA、D135A、D149A、D154A、D161A、D18A4およびD209A、およびそれらの二重、三重、四重、およびその他の組合わせである。
対応する変異型は、任意の他のRP-IIプロテアーゼにおいて容易に同定される。
選択的に、自己タンパク質分解は、問題のGluまたはAsp残基後の第1および/または第2 位置を占有するアミノ酸残基をProに変化させることによって、防止することができる。例えば、これは次のようにしてBLC、CDJ31およびAC116において位置174および/または175で実施することができる:
Q174P; S175P; Q174P + S175P
または同様な方法により、JA96、BO32またはBIPにおいて位置152および/または153でD152P; T153P; またはD152P + T153Pとして実施することができる。
対応する変異型は、これらおよび任意の他のRP-IIプロテアーゼにおいて容易に同定される。
トリプトファン残基の修飾
タンパク質を安定化するために、例えば、米国特許第5,118,623号に記載されているように、タンパク質表面におけるトリプトファン残基を置換または欠失することが有利であることがある。トリプトファン残基をF、T、QまたはGで好都合に置換することができる。こうして、本発明のそれ以上の態様において、本発明は1または2以上の下記の置換を含んでなるRP-IIプロテアーゼ変異型に関する:
BLCおよびAC116:
W35 {F、T、Q、G}; W88 {F、T、Q、G}; W142 {F、T、Q、G}; W217{F、T、Q、G}
CDJ31:
W142 {F、T、Q、G}; W217 {F、T、Q、G}
BO32、JA96およびBIP:
W142 {F、T、Q、G}
AA513:
W30 {F、T、Q、G}; W72 {F、T、Q、G}; W142 {F、T、Q、G}
MPR:
W57 {F、T、Q、G}; W88 {F、T、Q、G}; W112 {F、T、Q、G}; W142 {F、T、Q、G}; W217 {F、T、Q、G}
チロシンの修飾
洗浄性能に関して、ある種のチロシン残基をフェニルアラニンに修飾すると、洗浄性能が改良されることが発見された。いかなる特定の理論によっても拘束されないで、アルカリ性洗浄液中でこれらのTyr残基を滴定すると、マイナスの作用が生じ、これらの作用はTyr残基を他の残基、ことにPheまたはTrp、特にPheで置換することによって軽減されると考えられる。
BLC、AC116およびCDJ31親RP-IIプロテアーゼにおいて、下記のTyr残基を修飾することができる: 19、50、72、74、82、95、97、112、115、117、132、154、163、195、200.BLCおよびCDJ31において、位置17および158におけるチロシンをまた修飾することができ、そしてAC116およびCDJ31において、位置172におけるチロシンをまた修飾することができる。
特異的変異型の例は1または2以上の下記の置換を含んでなる: Y17 {F、W} 、Y19 {F、W} 、Y50 {F、W} 、Y72 {F、W} 、Y74 {F、W} 、Y82 {F、W} 、Y88 {F、W} 、Y95 {F、W} 、Y97 {F、W} 、Y112 {F、W} 、Y115 {F、W} 、Y117 {F、W} 、Y132 {F、W} 、Y154 {F、W} 、Y158 {F、W} 、Y163 {F、W} 、Y172 {F、W} 、Y195 {F、W} 、Y200 {F、W} 。
JA96、BO32およびBIP親RP-IIプロテアーゼにおいて、下記のチロシン残基を修飾することができる: 19、24、50、57、64、83、95、112、132、157、158、195、216。
特異的JA96、BO32およびBIP変異型の例は1または2以上の下記の置換を含んでなる: Y19 {F、W} 、Y24 {F、W} 、Y50 {F、W} 、Y57 {F、W} 、Y64 {F、W} 、Y83 {F、W} 、Y88 {F、W} 、Y95 {F、W} 、Y112 {F、W} 、Y132 {F、W} 、Y157 {F、W} 、Y158 {F、W} 、Y195 {F、W} およびY216 {F、W} 。
AA513親RP-IIプロテアーゼにおいて、下記のチロシン残基を修飾することができる: 24、74、77、84、88、97、130、132、158、163、193a。
特異的AA513変異型の例は1または2以上の下記の置換を含んでなる: Y24 {F、W} 、Y74 {F、W} 、Y77 {F、W} 、Y84 {F、W} 、Y88 {F、W} 、Y97 {F、W} 、Y130{F、W} 、Y132 {F、W} 、Y158 {F、W} 、Y163 {F、W} 、Y193A {F、W} 。
MPR親RP-IIプロテアーゼにおいて、下記のチロシン残基を修飾することができる: 19、28a、30、50、72、74、77、83、95、97、113、115、154、158、163、172、175、200、216。
特異的MPR変異型の例は1または2以上の下記の置換を含んでなる: Y19 {F、W} 、Y28Ad {F、W} 、Y30 {F、W} 、Y50 {F、W} 、Y72 {F、W} 、Y74 {F、W} 、Y77 {F、W} 、Y83 {F、W} 、Y95 {F、W} 、Y97 {F、W} 、Y113 {F、W} 、Y115 {F、W} 、Y154 {F、W} 、Y158 {F、W} 、Y163 {F、W} 、Y172 {F、W} 、Y175 {F、W} 、Y200 {F、W} 、Y216 {F、W} 。
組合わせについての他の修飾
特異的BLC変異型の例は1または2以上の下記の置換を含んでなる:
E152 {A、R、K、G}
E173A
E209A
E152G + G164R
RP-IIプロテアーゼ変異型を製造する方法
本発明のRP-IIプロテアーゼ変異型は、任意のこの分野において知られている方法により製造することができる。また、本発明は、本発明のRP-IIプロテアーゼ変異型をコードするポリヌクレオチド、このようなポリヌクレオチドを含んでなるDNA構築物およびこのような構築物またはポリヌクレオチドを含んでなる宿主細胞に関する。
一般に、天然に存在するタンパク質は、タンパク質を発現する生物を培養し、引き続いてタンパク質を精製するか、あるいは組換え的に、タンパク質をコードするポリヌクレオチド、例えば、ゲノムDNAまたはcDNAを発現ベクター中にクローニングし、前記発現ベクターを宿主細胞中に導入し、宿主細胞を培養し、そして発現されたタンパク質を精製するすることによって製造することができる。
位置指定突然変異誘発
典型的には、プロテアーゼ変異型は親タンパク質をコードする遺伝子を位置指定突然変異誘発させ、突然変異した遺伝子を発現ベクター、宿主細胞、およびその他の中に導入することによって製造することができる。親タンパク質をコードする遺伝子は、ポリペプチドを産生する株からまたは発現ライブラリーからクローニングすることができる、すなわち、それはゲノムDNAから単離するか、あるいはcDNAから製造するか、あるいはそれらの組合わせにより製造することができる。なお、遺伝子は完全に合成的に製造された遺伝子であることができる。
一般に、遺伝子をクローニングしおよび/または突然変異を前記遺伝子中に導入する (ランダムまたは位置指定) 標準的手順を使用して、親RP-IIプロテアーゼ、または本発明のRP-IIプロテアーゼ変異型を得ることができる。適当な技術は下記の文献にさらに記載されている: Molecular Cloning: A Laboratory Manual (Sambrook 他 (1989) 、Cold Spring Harbor Laboratory、Cold Spring Harbor、NY; Ausubel F. M. 他 (編者)); Current Protocols in Molecular Biology (John Wiley and Sons、1995; Harwood C. R. およびCutting S. M. (編者)); Molecular Biological Methods for Bacillus (John Wiley and Sons、1990); DNA Cloning: A Practical Approach Vol. IおよびII (D. N. Glover 編、1985); Oligonucleotide Synthesis (M. J. Galt 編、1984); Nucleic Acid Hybridization (B. D. Hames & S. J. Higgins 編 (1985)); Transcription And Translation (B. D. Hames & S. J. Higgins 編 (1984)); Animal Cell Culture (R. I. Freshney 編 (1986)); Immobilized Cell And Enzymes (IRL Press (1986)); A Practical Guide To Molecular Cloning (B. Perbal (1984)) およびWO 96/34946。
局在化および領域特異的ランダム突然変異誘発
ランダム突然変異誘発は、問題の示されるアミノ酸配列に移行する遺伝子の少なくとも3つの部分において、または全遺伝子内において、局在化されたまたは領域特異的ランダム突然変異誘発として適当に実施される。
親RP-IIプロテアーゼをコードするDNA配列のランダム突然変異誘発は、任意のこの分野において知られている方法を使用することによって好都合に実施することができる。
上記に関して、本発明のそれ以上の面は、下記の工程を含んでなる、親RP-IIプロテアーゼの変異型を発生させる方法に関し、ここで変異型は親RP-IIプロテアーゼに関して変更された性質、例えば、増加した熱安定性、低いpHおよび低いカルシウム濃度において増加した安定性を示す:
a) 親プロテアーゼをコードするDNA配列を局在化または領域特異的ランダム突然変異誘発に付し、
b) 工程a) において得られた突然変異したDNA配列を宿主細胞中で発現させ、そして
c) 親RP-IIプロテアーゼに関して変更された性質を有するRP-IIプロテアーゼを発現する宿主細胞についてスクリーニングする。
本発明の上記方法の工程a) は、ドープドプライマーを使用して実施することが好ましい。
オリゴヌクレオチドを使用して突然変異誘発を実施するとき、オリゴヌクレオチドの合成間に、オリゴヌクレオチドを変化すべき位置において3つの非親ヌクレオチドでドープまたはスパイクすることができる。ドーピングおよびスパイキングは、不必要なアミノ酸のコドンが回避されるように、実施することができる。適当であると思われる任意の発表された技術、例えば、PCR、LCRまたは任意のDNAポリメラーゼおよびリガーゼを使用して、RP-IIプロテアーゼをコードするDNAの中にドープドまたはスパイクドオリゴヌクレオチドを組込むことができる。
好ましくは、ドーピングは「一定ランダムドーピング」を使用して実施され、ここで各位置における野生型および修飾の百分率は前もって規定される。さらに、ドーピングはある種のヌクレオチドが優先的に導入され、これにより1または2以上の特定のアミノ酸残基が導入されるように操作することができる。ドーピングは、例えば、各位置における90%の野生型および10%の修飾の導入を可能とするように、実施することができる。ドーピングスキームの選択における追加の考察は、遺伝学的ならびにタンパク質構造的拘束に基づく。なかでも、停止コドンの導入を回避することを保証するDOPEプログラムを使用することによって、ドーピングスキームは作られる (L. J. Jensen 他、Nucleic Acids Research 26: 697-702 (1998)) 。
突然変異化すべきDNA配列は、親RP-IIプロテアーゼを発現する生物から調製されたゲノムまたはcDNAライブラリーの中に好都合に存在させることができる。選択的に、DNA配列は適当なベクター、例えば、プラスミドまたはバクテリオファージ上に存在することができ、ここでDNA配列はそれ自体突然変異化剤とインキュベートするか、あるいはそうでなければ突然変異化剤に暴露させることができる。また、突然変異化すべきDNA配列は、宿主細胞の中に組込むか、あるいは宿主細胞の中に収容されたベクター上に存在させることによって、宿主細胞の中に存在させることもできる。最後に、突然変異化すべきDNAは単離された形態であることができる。理解されるように、ランダム突然変異誘発に付すべきDNA配列はcDNAまたはゲノムDNA配列であることが好ましい。
ある場合において、発現工程b) またはスクリーニング工程c) を実施する前に、突然変異したDNA配列を増幅することが好都合であることがある。このような増幅はこの分野において知られている方法に従い実施することができ、現在好ましい方法は親酵素のDNAまたはアミノ酸配列に基づいて調製されたオリゴヌクレオチドプライマーを使用するPCR発生増幅である。
突然変異化剤とのインキュベーションまたはそれに対する暴露に引き続いて、発現を可能とする条件下にDNA配列を担持する適当な宿主細胞を培養することによって、突然変異したDNAを発現させる。この目的に使用する宿主細胞は、必要に応じてベクター上に存在する、突然変異したDNA配列で形質転換された宿主細胞であるか、あるいは突然変異誘発処理間に親酵素をコードするDNA配列を担体する宿主細胞であることができる。
適当な宿主細胞の例は次の通りである: グラム陰性細菌、例えば、バシラス・サチリス (Bacillus subtilis) 、バシラス・リヘニフォルミス (Bacillus licheniformis) 、バシラス・レンツス (Bacillus lentus) 、バシラス・ブレビス (Bacillus brevis) 、バシラス・ステアロサーモフィラス (Bacillus stearothermophilus) 、バシラス・アルカロフィラス (Bacillus alkalophillus) 、バシラス・アミロリクファシエンス (Bacillus amyloliquefaciens) 、バシラス・コアギュランス (Bacillus coagulans) 、バシラス・サーキュラン (Bacillus circulans) 、バシラス・ラウツス (Bacillus lautus) 、バシラス・メガテリウム (Bacillus megaterium) 、バシラス・スリンジェンシス (Bacillus thuringiensis) 、ストレプトマイセス・リビダンス (Streptomyces lividans) またはストレプトマイセス・ムリヌス (Streptomyces murinus) およびグラム陰性細菌、例えば、大腸菌 (E. coli) 。
突然変異したDNA配列は、突然変異したDNA配列の発現を可能とする機能をコードするDNA配列をさらに含んでなることができる。
局在化ランダム突然変異誘発
ランダム突然変異誘発は、問題の親RP-IIプロテアーゼの一部分に好都合に局在化させることができる。これは、例えば、酵素のある種の領域が酵素の所定の性質に特に重要であることが同定されたとき、および修飾されたとき、改良された性質を有する変異型を生ずることが期待されるとき、好都合である。このような領域は、通常、親酵素の三次構造が解明され、酵素の機能に関係づけられたとき、同定することができる。
局在化または領域特異的ランダム突然変異誘発は、前述したPCR発生突然変異誘発技術または任意の他の適当なこの分野において知られている技術を使用することによって、好都合に実施される。選択的に、修飾すべきDNA配列の部分をコードするDNA配列は、例えば、適当なベクターの中への挿入により、単離することができ、そして前記部分は引き続いて前述の任意の突然変異誘発法に付すことができる。
DOPEプログラムを使用する局在化ランダム突然変異誘発の一般的方法
局在化ランダム突然変異誘発は下記の工程により実施ことができる:
1. 親酵素における修飾に重要な領域を選択し、
2. 選択された領域における突然変異部位および非突然変異部位を決定し、
3. 例えば、構築すべき変異型の必要な安定性および/または性能に関して、どの種類の修飾を実施すべきであるかを決定し、
4. 構造的に基準となる突然変異を選択し、
5. 工程4に関して工程3において選択された残基を調節し、
6. 適当なトープアルゴリズムを使用することによって、ヌクレオチド分布を分析し、
7. 必要に応じて、例えば、遺伝暗号から生ずる拘束を考慮し、例えば、停止コドンの導入を回避するために、必要とする残基を遺伝暗号の実現に調節し; 当業者は気づくように、いくつかのコドンの組合わせは実際に使用できず、適合させることが必要であろう、
8. プライマーを作り、
9. プライマーを使用することによって局在化ランダム突然変異誘発を実施し、
10. 必要な改良された性質についてスクリーニングすることによって、生ずるRP-IIプロテアーゼ変異型を選択する。
工程6において使用するために適当なトープアルゴリズムは、この分野においてよく知られている。1つのこのようなアルゴリズムは下記の文献に記載されている: Tomandi D. 他、1997、Journal of Computer-Aided Molecular Design 11: 29-38。他のアルゴリズムはDOPEである (Jensen L. J.、Andersen K. V.、Svendsen A. およびKretzshnat T. (1998) Nucleic Acids Research 26: 697-702) 。
発現ベクター
本発明のRP-IIプロテアーゼ変異型をコードする核酸配列を含んでなる組換え発現ベクターは、組換えDNA手法に好都合に付すすることができ、かつ核酸配列を発現させることができる、任意のベクターであることができる。
ベクターの選択は導入すべき宿主細胞にしばしば依存するであろう。適当なベクターの例は、線形または閉じた円形のプラスミドまたはウイルスを包含する。ベクターは自律的に複製するベクター、すなわち、その複製は染色体の複製に対して独立である、染色体外実在物として存在するベクター、例えば、プラスミド、染色体外因子、ミニクロモソームまたは人工的染色体であることができる。ベクターは自己複製を保証する任意の手段を含有することができる。細菌の複製起点の例は、プラスミドpBR322、pUC19、pACYC177、pACYC184、pUB110、pE194、pTA1060およびpAMβ1の複製起点である。酵母宿主細胞において使用する複製起点の例は、2ミクロンの複製起点、CEN6とARS4との組み合わせ、およびCEN3とARS1との組み合わせである。複製起点は、宿主細胞においてその機能を温度感受性とする突然変異を有するものであることができる (例えば、下記の文献を参照のこと: Ehrlich、1978、Proceedings of the National Academy of Sciences USA 75: 1433)。
選択的に、ベクターは、宿主細胞の中に導入したとき、ゲノム中に組込まれ、それが組込まれた1または2以上の染色体と一緒に複製するベクターであることができる。宿主細胞の染色体中に組込まれるベクターは、ゲノム中への組込みを可能とする任意の核酸配列を含有することができる; 特にそれは相同的または非相同的組換えによりゲノム中への組込みを促進する核酸配列を含有することができる。ベクター系は単一のベクター、例えば、プラスミドまたはウイルスであるか、あるいは一緒になって宿主細胞のゲノム中に導入すべき全DNAを含有する2またはそれ以上のベクター、例えば、プラスミドまたはウイルスであるか、あるいはトランスポゾンであることができる。
特に、ベクターは、本発明のRP-IIプロテアーゼ変異型をコードするDNA配列がDNAの転写に必要な追加のセグメントまたは制御配列に作用可能に連鎖された発現ベクターであることができる。用語 「作用可能に連鎖された」 は、セグメントが共同してそれらの意図する目的に機能するように配置されていること、例えば、転写がプロモーター中で開始し、RP-IIプロテアーゼ変異型をコードするDNA配列を通して進行することを示す。追加のセグメントまたは制御配列は、プロモーター、ポリアデニル化配列、プロペプチド配列、シグナル配列および転写ターミネーターを包含する。最小において、制御配列はプロモーターおよび転写および翻訳停止シグナルを包含する。
プロモーターは、選択した宿主細胞において転写活性を示す任意のDNA配列であることができ、そして宿主細胞に対して相同的または異種的であるタンパク質をコードする遺伝子に由来することができる。
細菌宿主細胞において使用するために適当なプロモーターの例は下記から得られるプロモーターである: バシラス・サチリス (Bacillus subtilis) レバンスクラーゼ遺伝子 (sacB) 、バシラス・ステアロサーモフィルス (Bacillus stearothermophilus) マルトジェニックアミラーゼ遺伝子 (amyM) 、バシラス・リヘニフォルミス (B. licheniformis) アルファ-アミラーゼ遺伝子 (amyL) 、バシラス・アミロリクファシエンス (Bacillus amyloliquefaciens) アルファ-アミラーゼ遺伝子 (amyQ) 、バシラス・サチリス (Bacillus subtilis) アルカリ性プロテアーゼ遺伝子、またはバシラス・プミラス (Bacillus pumillus) キシロシダーゼ遺伝子、バシラス・アミロリクファシエンス (Bacillus amyloliquefaciens) BANアミラーゼ遺伝子、バシラス・リヘニフォルミス (Bacillus licheniformis) ペニシラーゼ遺伝子 (penP) 、バシラス・サチリス (Bacillus subtilis) xylAおよびxylB遺伝子、および原核生物ベータ-ラクタマーゼ遺伝子 (Villa-Kamaroff 他、1978、Proceedings of the National Academy of Sciences USA 75: 3727-3731) 。
他の例は、ファージラムダPRまたはPLプロモーターまたは大腸菌 (E. coli) lac、trpまたはtacプロモーターまたはストレプトマイセス・ケリコロル (Streptomyces coelicolor) アガラーゼ遺伝子 (dagA) を包含する。それ以上のプロモーターは下記の文献に記載されている: “Useful proteins from recombinant bacteria”、Scientific American、1980、242: 74-94; およびSambrook 他、1989、前掲。
フィラメント状真菌宿主細胞において適当なプロモーターの例は下記をコードする遺伝子から得られるプロモーターである: アスペルギルス・オリゼ (Aspergillus oryzae) TAKAアミラーゼ、リゾムコル・ミエヘイ (Rhizomucor miehei) アスパラギン酸プロテイナーゼ、アスペルギルス・ニガー (Aspergillus niger) 中性アルファ-アミラーゼ、アスペルギルス・ニガー (Aspergillus niger) 酸安定性アルファ-アミラーゼ、アスペルギルス・ニガー (Aspergillus niger) またはアスペルギルス・アワモリ (Aspergillus awamori) グルコアミラーゼ (glaA) 、リゾムコル・ミエヘイ (Rhizomucor miehei) リパーゼ、アスペルギルス・オリゼ (Aspergillus oryzae) アルカリ性プロテアーゼ、アスペルギルス・オリゼ (Aspergillus oryzae) トリオースリン酸イソメラーゼ、アスペルギルス・ニヅランス (Aspergillus nidulans) アセトアミダーゼ、フザリウム・オキシスポラム (Fusarium oxysporum) トリプシン様プロテアーゼ (米国特許第4,288,627号に記載されているような、これは引用することによって本明細書の一部とされる) 、およびそれらのハイブリッド。
フィラメント状真菌宿主細胞において使用するために特に好ましいプロモーターは、TAKAアミラーゼ、NA2-tpi (アスペルギルス・ニガー (Aspergillus niger) 中性アルファ-アミラーゼおよびアスペルギルス・オリゼ (Aspergillus oryzae) トリオースリン酸イソメラーゼをコードする遺伝子からのプロモーターのハイブリッド) 、およびglaAプロモーターである。フィラメント状真菌宿主細胞において使用するために適当なそれ以上のプロモーターは、ADH3プロモーター (McKnight 他、The EMBO J. 4 (1985) 、2093-2099) またはtpiAプロモーターである。
酵母宿主細胞において使用するために適当なプロモーターの例は次の通りである: 酵母グリコール酸遺伝子 (Hitezman 他、J. Biol. Chem. 255 (1980) 、12073-12080; AlberおよびKawasaki、J. Mol. Appl. Genet. 1 (1982) 、419-434) またはアルコールデヒドロゲナーゼ遺伝子 (Young 他、Genetic Engineering of Microorganisms for Chemicals、編者 Hollaender 他、Plenum Press、New York、1982) からのプロモーター、またはTPI1 (米国特許第4,599,311号) またはADH2-4c (Russell 他、Nature 304 (1983) 、652-654) プロモーター。
それ以上の有効なプロモーターは下記から得られる: サッカロマイセス・セレビシエ (Saccharomyces cerevisiae) エノラーゼ (ENO-1) 遺伝子、サッカロマイセス・セレビシエ (Saccharomyces cerevisiae) ガラクトキナーゼ遺伝子 (GAL1) 、サッカロマイセス・セレビシエ (Saccharomyces cerevisiae) アルコールデヒドロゲナーゼ/グリセルアルデヒド‐3-リン酸デヒドロゲナーゼ遺伝子 (ADH2/GAP) 、およびサッカロマイセス・セレビシエ (Saccharomyces cerevisiae) 3-ホスホグリセリン酸キナーゼ遺伝子。酵母宿主細胞のために有効な他のプロモーターは下記の文献に記載されている: Romanos 他、Yeast 8: 423-488。哺乳動物宿主細胞において有効なプロモーターはウイルスプロモーター、例えば、シミアンウイルス40 (SV40) 、ラウス肉腫ウイルス (RSV) 、アデノウイルス、およびウシ乳頭腫ウイルス (BPV) からのプロモーターを包含する。
哺乳動物細胞において使用するために適当なプロモーターの例は次の通りである: SV40プロモーター (Subramani 他、Mol. Cell. Biol. 1 (1981) 、854-864) 、MT-1 (メタロチオネイン遺伝子) プロモーター (Palmiter 他、Science 222 (1983) 、809-814) またはアデノウイルス2主要後期プロモーターである。
昆虫細胞において使用するために適当なプロモーターの例は次の通りである: ポリヘドリンプロモーター (米国特許第4,745,051号; Vasuvedan 他、FEBS Lett. 311 (1992) 7-11) 、P10プロモーター (J. M. Vlak 他、J. Gen. Virology 69、1989、pp. 765-776) 、オートグラファ・カリフォルニカ (Autographa californica) ポリヘドロシスウイルス塩基性タンパク質プロモーター (EP 397 485) 、バキュロウイルス前初期遺伝子1プロモーター (米国特許第5,155,037号、米国特許第5,162,222号) またはバキュロウイルス39K後初期遺伝子プロモーター (米国特許第5,155,037号、米国特許第5,162,222号) 。
また、本発明のRP-IIプロテアーゼ変異型をコードするDNA配列は、必要に応じて適当なターミネーターに作用可能に接続することができる。
さらに、本発明の組換えベクターは、問題の宿主細胞においてベクターを複製可能とするDNA配列を含んでなることができる。
また、ベクターは、選択可能なマーカー、例えば、その産物が宿主細胞における欠陥を補足する遺伝子、または、例えば、抗生物質に対する耐性、例えば、アンピシリン、カナマイシン、クロラムフェニコール、エリスロマイシン、テトラサイクリン、ネオマイシン、ヒグロマイシンまたはメトトレキセートに対する耐性、または重金属、ウイルスまたは除草剤に対する耐性をコードする遺伝子、またはプロトトロフィーまたは栄養要求性を提供する選択可能なマーカーを含んでなることができる。細菌の選択可能なマーカーの例は、バシラス・サチリス (Bacillus subtilis) またはバシラス・リヘニフォルミス (Bacillus licheniformis) からのdal遺伝子である。頻繁に使用される哺乳動物のマーカーはジヒドロ葉酸レダクターゼ遺伝子 (DHFR) である。
酵母宿主細胞に適当なマーカーは、ADE2、HIS3、LEU2、LYS2、MET3、TRP1およびURA3である。フィラメント状真菌宿主細胞において使用する選択可能なマーカーは、amdS (アセトアミダーゼ) 、argB (オルニチンカルバモイルトランスフェラーゼ) 、bar (ホスフィノトリシンアセチルトランスフェラーゼ) 、hygB (ヒグロマイシンホスホトランスフェラーゼ) 、niaD (硝酸レダクターゼ) 、pyrG (オロチジン-5’-リン酸デカルボキシラーゼ) 、sC (硫酸アデニルトランスフェラーゼ) 、trpC (アントラニル酸シンターゼ) 、およびグルフォシネート耐性マーカー、ならびに他の種からの同等マーカーを包含するが、これらに限定されない群から選択することができる。
アスペルギルス・ニヅランス (Aspergillus nidulans) またはアスペルギルス・オリゼ (A. oryzae) のamdSおよびpyrGマーカー、ストレプトマイセス・ヒグロスコピカス (Streptomyces hygroscopicus) のbarマーカーは、アスペルギルス (Aspergillus) 細胞において使用するために好ましい。さらに、選択は、例えば、下記の文献に記載されているように、共形質転換により達成することができる: WO 91/17243、ここで選択可能なマーカーは別のベクター上に存在する。
本発明のRP-IIプロテアーゼ変異型を宿主細胞の分泌経路の中に向けるために、分泌シグナル配列 (またリーダー配列、プレプ配列または前配列として知られている) を組換えベクターの中に設けることができる。分泌シグナル配列は、酵素をコードするDNA配列に正しいリーデイングフレームで接合する。分泌シグナル配列は、酵素をコードするDNA配列に対して通常5’に位置決定される。分泌シグナル配列は通常酵素に関連するか、あるいは他の分泌されたタンパク質をコードする遺伝子に由来することができる。
それぞれ、本発明の酵素をコードするDNA配列、プロモーターおよび必要に応じてターミネーターおよび/または分泌シグナル配列を連結すること、またはこれらの配列を適当なPCR増幅スキームにより組立てること、そして複製または組込みに必要な情報を含有する適当なベクターの中にそれらを挿入することは、当業者によく知られている (例えば、Sambrook 他、参照) 。
本発明の酵素をコードする核酸配列の2以上のコピーを宿主細胞の中に挿入して、核酸配列の発現を増幅することができる。この配列の少なくとも1つの追加のコピーをこの分野においてよく知られている方法に従い宿主細胞の中に挿入し、そして形質転換体について選択することによって、核酸配列を適当に増幅することができる。
また、本発明の核酸構築物は、ポリペプチドの発現において好都合である1または2以上の因子、例えば、アクチベーター (例えば、トランス作用性因子) 、シャペロンおよびプロセシングプロテアーゼをコードする1または2以上の核酸配列を含んでなることができる。選択した宿主細胞において機能的である任意の因子を、本発明において使用することができる。1または2以上のこれらの因子をコードする核酸は、ポリペプチドをコードする核酸配列と縦列である必要はない。
宿主細胞
本発明のRP-IIプロテアーゼ変異型をコードするDNA配列は、それを導入する宿主細胞に対して相同的または異種的であることができる。宿主細胞に対して相同的である場合、すなわち、天然の宿主細胞により産生される場合、それは典型的には他のプロモーター配列に作用可能に結合されるか、あるいは適用可能な場合、その天然の環境以外において他の分泌シグナル配列および/またはターミネーター配列に作用可能に結合されるであろう。用語「相同的」は、問題の宿主生物に対して自然である酵素をコードするDNA配列を包含することを意図する。用語「異種的」は、自然における宿主細胞により発現されないDNA配列を包含することを意図する。こうして、DNA配列は他の生物に由来するか、あるいは合成配列であることができる。
本発明のDNA構築物または組換えベクターが導入される宿主細胞は、本発明のRP-IIプロテアーゼ変異型を産生できる任意の細胞、例えば、原核生物、例えば、細菌または真核生物、例えば、真菌細胞、例えば、酵母またはフィラメント状真菌、昆虫細胞、植物細胞または哺乳動物細胞であることができる。
培養時に本発明のRP-IIプロテアーゼ変異型を産生することができる細菌宿主細胞の例は次の通りである: グラム陽性細菌、例えば、バシラス (Bacillus) 株、例えば、バシラス・サチリス (B. subtilis)、バシラス・リヘニフォルミス (B. licheniformis)、バシラス・レンツス (B. lentus)、バシラス・ブレビス (B. brevis)、バシラス・ステアロサーモフィラス (B. stearothermophilus)、バシラス・アルカロフィルス (B. alkalophilus)、バシラス・アミロリクファシエンス (B. amyloliquefaciens)、バシラス・コアギュランス (B. coagulans)、バシラス・サーキュランス (B. circulans)、バシラス・ラウツス (B. lautus)、バシラス・メガテリウム (B. megaterium) またはシラス・スリンジェンシス (B. thuringiensis)の株、またはストレプトマイセス (Streptomyces) の株、例えば、ストレプトマイセス・リビダンス (S. lividans) またはストレプトマイセス・ムリヌス (S. murinus) の株、またはグラム陰性細菌、例えば、大腸菌 (Escherichia coli) またはシュードモナス (Pseudomonas) 種の株。
細菌の形質転換は、プロトプラストの形質転換、エレクトロポレーション、接合により、またはそれ自体知られている方法 (例えば、Sambrook他、前掲、参照) においてコンピテント細胞を使用することによって実施することができる。
大腸菌 (E. coli) のような細菌中でRP-IIプロテアーゼ変異型を発現させるとき、この酵素を細胞質の中に、典型的には不溶性粒体 (封入体として知られている) として保持することができるか、あるいは細菌分泌経路により周辺腔に向けることができる。前者の場合において、細胞を溶解し、粒体を回収し、変性し、次いで変性剤を希釈することによって酵素をリフォルディングする。後者の場合において、例えば、超音波処理または浸透圧ショックにより、細胞を崩壊させることによって、周辺腔の内容物を解放し、酵素を回収することによって、酵素を周辺腔から回収することができる。
グラム陽性細菌、例えば、バシラス (Bacillus) 株またはストレプトマイセス (Streptomyces) 株中でRP-IIプロテアーゼ変異型を発現させるとき、この酵素を細胞質の中に保持することができるか、あるいは細菌分泌経路により細胞外媒質に向けることができる。後者の場合において、後述するように、酵素を培地から回収することができる。
宿主酵母細胞の例は、カンジダ (Candida) 、クライベロマイセス (Kluyveromyces) 、サッカロマイセス (Saccharomyces) 、シゾサッカロマイセス (Schizosaccharomyces) 、ピキア (Pichia) 、ハンゼヌラ (Hansenula) またはヤロウィア (Yarrowia) の種の細胞を包含する。特定の態様において、酵母宿主細胞は次の通りである: サッカロマイセス・カリスベルゲンシス (Saccharomyces carisbergensis) 、サッカロマイセス・セレビシエ (Saccharomyses cerevisae) 、サッカロマイセス・ジアスタチカス (Saccharomyces diastaticus) 、サッカロマイセス・ドウグレシイ (Saccharomyces douglesii) 、サッカロマイセス・ルルイベリ (Saccharomyces kluveri) 、サッカロマイセス・ノルベンシス (Saccharomyces norbensis) またはサッカロマイセス・オビフォルミス (Saccharomyces oviformis) の細胞。
他の有効な酵母宿主細胞は次の通りである: クライベロマイセス・ラクチス (Kluyveromayces lactis) 、クライベロマイセス・フラギリス (Kluyveromyces fragilis) 、ハンゼヌラ・ポリモルファ (Hansenula polymorpha) 、ピキア・パストリス (Pichia pastoris) 、ヤロウィア・リポリチカ (Yarrowia lipolytica) 、シゾサッカロマイセス・ポンベ (Schizosaccharomyces pombe) 、ウスチラゴ・マイリス (Ustilago maylis) 、カンジダ・マルトサ (Candida maltosa) 、ピキア・グイレスモディイ (Pichia gullermondii) およびピキア・メタノリオ (Pichia metanolio) 細胞 (下記の文献を参照のこと: Gleeson 他、J. Gen. Microbiol. 132、1986、pp. 3459-3465; 米国特許第4,882,279号および米国特許第4,879,231号) 。
酵母の分類は将来変化することがあるので、この出願の目的に対して、酵母は下記の文献に記載されているように定義すべきである: Biology and Activities of Yeast、Skinner F. A.、Passmore S. M. およびDavenport R. R. 編、Soc. App. Bacteriol. Symposium Series No. 9、1980。酵母の生物学および酵母遺伝学的操作はこの分野においてよく知られている (例えば、下記の文献を参照のこと: Biochemistry and Genetics of Yeast、Bacil M.、Horecker B. J. およびStopani A. O. M. 編、第2版、1987; The Yeasts、Rose A. H. およびHarison J. S. 編、第2版、1987; およびThe Molecular Biology of the Yeast Saccharomyces、Strathem 他、編、1981) 。
酵母は下記の文献に記載されている手順に従い形質転換することができる: BeckerおよびGuarente、編者: Albelson J. N. およびSimon M. I.、Guide to Yeast Genetics and Molecular Biology、Methods in Enzymology、Vol. 194、pp. 182-187、Academic Press, Inc.、New York; Ito 他、Journal of Bacteriology 153: 163; およびHinnen 他、Proceedings of the National Academy of Science USA 75: 1920。
フィラメント状真菌細胞の例は亜門真菌門 (Eumycota) および卵菌門 (Oomycota) (下記の文献において定義されている: Hawksworth 他、1995、前掲) を包含し、特にそれは下記の細胞であることができる: アクレモニウム (Acremonium) の種、例えば、アクレモニウム・クリソゲヌム (A. chrysogenum) 、アスペルギルス (Aspergillus) 、例えば、アスペルギルス・アワモリ (A. awamori) 、アスペルギルス・フェチヅス (A. foetidus) 、アスペルギルス・ジャポニカス (A. japonicus) 、アスペルギルス・ニガー (A. niger) 、アスペルギルス・ニヅランス (A. nidulanns) またはアスペルギルス・オリゼ (A. oryzae) 、フザリウム (Fusarium) 、例えば、フザリウム・バクトリジオイデス (F. bactridioides) 、フザリウム・セレアリス (F. cerealis) 、フザリウム・クロックウェレンセ (F. crookwellense) 、フザリウム・クルモルム (F. culmorum) 、フザリウム・グラミネアラム (F. graminearum) 、フザリウム・グラミヌム (F. graminum) 、フザリウム・ヘテロスポルム (F. heterosporum) 、フザリウム・ネグンジ (F. negundi) 、フザリウム・レチクラツム (F. reticulatum) 、フザリウム・ロセウム (F. roseum) 、フザリウム・サムブシヌム (F. sambucinum) 、フザリウム・サルコクロウム (F. sarcochroum) 、フザリウム・スルフリウム (F. sulphureum) 、
フザリウム・トリコテキオイデス (F. trichothecioides) またはフザリウム・オキシスポラム (F. oxysporum) 、フミコラ (Humicola) 、例えば、フミコラ・インソレンス (H. insolens) またはフミコラ・ラヌギノサ (H. lanuginosa) 、ケカビ (Mucor) 、例えば、ムコール・ミエヘイ (M. miehei) 、ミセリオフトラ (Myceliopthora) 、例えば、ミセリオフトラ・サーモフィリウム (M. themophilium) 、アカバンカビ (Neurospora) 、例えば、ニューロスポラ・クラッサ (N. crassa) 、ペニシリウム (Penicillium) 、例えば、ペニシリウム・パープロゲナム (P. purpurogenum) 、チエラビア (Thielavia) 、例えば、チエラビア・テレストリス (T. terrestris) 、トリポクラジウム (Tolypocladium) またはトリコデルマ (Trichoderma) 、例えば、トリコデルマ・ハルジアナム (T. harzianum) 、トリコデルマ・コニンギイ (T. koningii) 、トリコデルマ・ロンギブラキアツム (T. longibrachiatum) 、トリコデルマ・リーシエ (T. reesie) またはトリコデルマ・ビリデ (T. viride) 、またはそれらのテレオモルフまたはシノニム。タンパク質の発現のためにアスペルギルス (Aspergillus) 種を使用することは、例えば、EP 272 277およびEP 230 023に記載されている。
昆虫細胞の例は、燐翅類 (Lepidoptera) 細胞系統、例えば、スポドプテラ・フルギペルダ (Spodoptera frugiperda) またはトリコデルマ・ニ (Trichoderma ni) 細胞を包含する (参照: 米国特許第5,077,214号) 。適当な培養条件は下記の文献に記載されている: WO 89/01029またはWO 89/01028。昆虫細胞の形質転換およびその中の異種ポリペプチドの産生は、下記の文献に記載されているようにして実施することができる: 米国特許第4,745,051号; 米国特許第4,775,624号; 米国特許第4,879,236号; 米国特許第5,155,037号; 米国特許第5,162,222号; EP 397,485。
哺乳動物細胞の例は、チャイニーズハムスター卵巣 (CHO) 細胞、HeLa細胞、ベイビーハムスター腎 (BHK) 細胞、COS細胞または、例えば、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション (Amrican Type Culture Collection) から入手可能である、ある数の他の永久分裂能化細胞系統を包含する。哺乳動物細胞をトランスフェクトする方法および細胞中に導入されたDNA配列を発現させる方法は、例えば、下記の文献に記載されている: KaufmanおよびSharp、J. Mol. Biol. 159 (1982) 601-621; SouthernおよびBerg、J. Mol. Appl. Gent. 1 (1982) 327-341; Loyter 他、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 79 (1982) 422-426; Wigler 他、Cell 14 (1978) 725; CorsaroおよびPearson、Somatic Cell Genetics 7 (1981) 603; Ausubel他、Current Protocols in Molecular Biology、John Wiley & Sons, Inc.、N. Y.、1987; Hswley-Nelson 他、Focus 15 (1993) 73; Ciccarone 他、Focus 15 (1993) 80; Grahamおよびvan der Eb、Virology 52 (1973) 456; およびNeumann 他、EMBO J. 1 (1982) 81-845。哺乳動物細胞は、GrahamおよびVan der EB (1978、Virology 52 : 45) のリン酸カルシウム沈殿法に従い直接吸収により、トランスフェクトすることができる。
タンパク質を発現させ、単離する方法
本発明の酵素を発現させるために、本発明の酵素をコードする核酸配列を含んでなるベクターで形質転換またはトランスフェクトされた前述の宿主細胞を、典型的には、必要な分子の産生を可能とする条件下に適当な栄養培地中で培養し、次いでこれらを細胞または培養ブロスから回収する。
宿主細胞を培養するために使用する培地は、宿主細胞を増殖させるために適当な任意の慣用培地、例えば、適当な補助物質を含有する最小または複合培地である。適当な培地は商業的供給会社から入手可能であるか、あるいは発表されたレシピに従い調製することができる (例えば、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション (Amrican Type Culture Collection) のカタログ) 。培地はこの分野において知られている手順に従い調製することができる (例えば、下記の文献を参照のこと: 細菌および酵母に関する参考文献; Bennet J. W. およびLaSure L. 編、More Gene Manipulations in Fungi、Academic Press、カリフォルニア州、1991) 。
本発明の酵素が栄養培地の中に分泌される場合、本発明の酵素は培地から直接回収することができる。本発明の酵素が分泌されない場合、本発明の酵素は細胞ライゼイトから回収することができる。本発明の酵素は、問題の酵素に依存して下記を包含する慣用手順により培地から回収することができる: 濾過または遠心による培地からの宿主細胞の分離、塩、例えば、硫酸アンモニウムによる上清または濾液のタンパク質成分の沈降、種々のクロマトグラフィー手順、例えば、イオン交換クロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィーまたはその他による精製。
本発明の酵素は、これらのタンパク質に対して特異的である、この分野において知られている方法により検出することができる。これらの検出法は、特異的抗体の使用、産物の形成または基質の消失を包含する。例えば、酵素は分子の活性を測定するために使用できる。多数の種類の活性を測定する手順は、この分野において知られている。
本発明の酵素は、この分野において知られている種々の手順により精製することができ、このような手順は下記のものを包含するが、これらに限定されない:クロマトグラフィー (例えば、イオン交換、疎水性、クロマトフォーカシングおよびサイズ排除) 、電気泳動手順 (例えば、調製用等電点電気泳動(IEF)) 、溶解度の差 (例えば、硫酸アンモニウム沈降法) または抽出 (例えば、下記の文献を参照のこと: Protein Purification、J-C JansonおよびLars Ryden編、VCH Publishers、 New York、1989) 。
本発明の酵素をコードするDNA配列を含んでなる発現ベクターを異種宿主細胞の中に形質転換/トランスフェクトするとき、酵素の異種組換え産生を可能とすることができる。異種宿主細胞を使用して得られる利点は、高度に精製された酵素組成物を作ることができるということであり、この酵素組成物は、タンパク質またはペプチドが相同宿主細胞において発現されるとき、しばしば存在する相同不純物を含まないことにおいて特徴づけられる。これに関して、相同不純物は、本発明の酵素が本来得られる相同細胞に由来する、任意の不純物 (例えば、本発明の酵素以外の他のポリペプチド) を意味する。
洗剤の応用
本発明の酵素を洗剤組成物に添加し、こうしてクリーニングまたは洗剤組成物の1構成成分とすることができる。
本発明の洗剤組成物は、例えば、汚れた布帛の前処理に適当な洗濯添加剤組成物およびリンス添加布帛柔軟剤組成物を包含する手によるまたは機械的洗濯洗剤組成物として配合することができるか、あるいは一般的家庭用硬質表面クリーニング作業において使用する洗剤組成物として配合することができるか、あるいは手による皿洗浄作業または機械的皿洗浄作業のために配合することができる。
特定の面において、本発明は、本発明の酵素を含んでなる洗剤添加剤を提供する。洗剤添加剤ならびに洗剤組成物は、1種または2種以上の他の酵素、例えば、プロテアーゼ、リパーゼ、クチナーゼ、アミラーゼ、カルボヒドラーゼ、セルラーゼ、ペクチナーゼ、マンナナーゼ、アラビナーゼ、ガラクタナーゼ、キシラナーゼ、オキシダーゼ、例えば、ラッカーゼおよび/またはペルオキシダーゼを含んでなることができる。
一般に、1種または2種以上の選択した酵素は、選択した洗剤と適合性 (すなわち、pH最適値、他の酵素および非酵素成分、およびその他と適合性) であるべきであり、そして1種または2種以上の酵素は有効量で存在すべきである。
プロテアーゼ:
適当なプロテアーゼは、動物、植物または微生物由来のプロテアーゼを包含する。微生物由来は好ましい。化学的または遺伝的に修飾された突然変異体が包含される。プロテアーゼはセリンプロテアーゼまたはメタロプロテアーゼ、好ましくはアルカリ性微生物プロテアーゼまたはトリプシン様プロテアーゼであることができる。アルカリ性プロテアーゼの例は、スブチリシン、特にバシラス (Bacillus) に由来するもの、例えば、スブチリシンNovo、スブチリシンCarlsberg、スブチリシン309、スブチリシン147およびスブチリシン168 (WO 89/06279に記載されている) である。トリプシン様プロテアーゼの例はトリプシン (例えば、ブタまたはウシ由来) およびWO 89/06270およびWO 94/25583に記載されているフザリウム (Fusarium) プロテアーゼである。
有効なプロテアーゼの例はWO 92/19729、WO 98/20115、WO 98/20116およびWO 98/34946に記載されている変異型、特に下記の位置の1または2以上において置換を有する変異型である: 27、36、57、68、76、87、97、101、104、106、120、123、167、170、194、206、218、222、224、235、245、252および274。
好ましい商業的に入手可能なプロテアーゼ酵素は下記を包含する: AlcalaseTM、SavinaseTM、PrimaseTM、DuralaseTM、EsperaseTM、CoronaseTMおよびKannaseTM (Novozymes A/S) 、MaxataseTM、MaxacalTM、MaxapemTM、ProperaseTM、PurafectTM、Purafect OxPTM、FN2TMおよびFN3TM (Genencor International Inc.) 。
リパーゼ:
適当なリパーゼは細菌または真菌由来である。化学的に修飾されたまたはタンパク質操作された突然変異体が包含される。有効なリパーゼの例は下記由来のリパーゼを包含する: フミコラ (Humicola) (同義語Thermomyces) 、例えば、EP 258 068およびEP 305 216に記載されているフミコラ・ラヌギノサ (H. lanuginosa) (T. lanuginosa) またはWO 96/13580に記載されているフミコラ・インソレンス (H. insolens) 、シュードモナス (Pseudomonas) リパーゼ、例えば、シュードモナス・アルカリゲネス (P. alcaligenes) またはシュードモナス・シュードアルカリゲネス (P. pseudoalcaligenes) (EP 218 272) 、シュードモナス・セパシア (P. cepacia) (EP 331 376) 、シュードモナス・スツゼリ (P. stutzeri) (GB 1,372,034) 、シュードモナス・フルオレセンス (P. fluorescens) 、シュードモナス (Pseudomonas) 種株SD 705 (WO 95/06720およびWO 96/207002) 、シュードモナス・ウィスコンシネンシス (P. wisconsinensis) (WO 96/12012) 、バシラス (Bacillus) リパーゼ、例えば、バシラス・サチリス (B. subtilis) (Dartois 他 (1993) 、Biochimica et Biophysica Acta 1131、253-360) 、バシラス・ステアロサーモフィラス (B. stearothermophilus) (JP 64/744992) またはバシラス・ピュミルス (B. pumilus) (WO 91/16422) 。
他の例はリパーゼ変異型、例えば、下記の文献に記載されている変異型である: WO 92/05249、WO 94/01541、EP 407 225、EP 260 105、WO 95/35381、WO 96/00292、WO 95/30744、WO 94/25578、WO 95/14783、WO 95/22615、WO 97/04079およびWO 97/07202。
好ましい商業的に入手可能なリパーゼ酵素は、LipolaseTM、Lipolase UltraTMおよびLipexTM (Novozymes A/S) である。
アミラーゼ:
適当なアミラーゼ (α-および/またはβ-) は細菌または真菌由来のものを包含する。化学的に修飾されたまたはタンパク質操作された突然変異体が包含される。アミラーゼは、例えば、バシラス (Bacillus) 、例えば、バシラス・リヘニフォルミス (Bacillus licheniformis) の特別の株から得られるα-アミラーゼを包含する (GB 1,296,839にいっそう詳細に記載されている) 。
有効なアミラーゼの例は次の通りである: WO 94/02597、WO 94/18314、WO 96/23873およびWO 97/43424に記載されている変異型、特に下記の位置の1または2以上に置換をもつ変異型: 15、23、105、106、124、128、133、154、156、181、188、190、197、202、208、209、243、264、304、305、391、408および444。
商業的に入手可能なα-アミラーゼは下記のものを包含する: DuramlyTM、TermamylTM、FungamylTMおよびBANTM (Novozymes A/S) 、RapidaseTMおよびPurastarTM (Genencor International Inc.) 。
セルラーゼ:
適当なセルラーゼは細菌または真菌由来のものを包含する。化学的に修飾されたまたはタンパク質操作された突然変異体が包含される。適当なセルラーゼは下記由来のセルラーゼを包含する: 属バシラス (Bacillus) 、シュードモナス (Pseudomonas) 、フミコラ (Humicola) 、フザリウム (Fusarium) 、チエラビア (Thielavia) 、アクレモニウム (Acremonium) 、例えば、US 4,435,307、US 5,648,263、US 5,691,178、US 5,776,757およびWO 89/09259に開示されているフミコラ・インソレンス (Humicola insolens) 、ミセリオフトラ・サーモフィラ (Myceliophthora thermophila) およびフザリウム・オキシスポラム (Fusarium oxysporum) から産生された真菌セルラーゼ。
特に適当なセルラーゼは色ケアー利益を有するアルカリ性または中性のセルラーゼである。このようなセルラーゼの例は、EP 0 495 257、EP 0 531 372、WO 96/11262、WO 96/29397、WO 98/08940に記載されているセルラーゼである。他の例はセルラーゼ変異型、例えば、WO 94/07998、EP 0 531 315、US 5,457,046、US 5,686,593、US 5,763,254、WO 95/24471、WO 98/12307およびPCT/DK 98/00299に記載されている変異型である。
商業的に入手可能なセルラーゼは下記のものを包含する: RenozymeTM、CelluzymeTMおよびCarezymeTM (Novozymes A/S) 、ClazinaseTMおよびPuradax HATM (Genencor International Inc.) およびKAC-500(B)TM (Kao Corporation) 。
ペルオキシダーゼ/オキシダーゼ:
適当なペルオキシダーゼ/オキシダーゼは細菌または真菌由来のものを包含する。化学的に修飾されたまたはタンパク質操作された突然変異体が包含される。有効なペルオキシダーゼの例は、コプリヌス (Coprinus) 、例えば、コプリヌス・シネレウス (C. cinereus) からのペルオキシダーゼ、およびそれらの変異型、例えば、WO 93/24618、WO 95/10602およびWO 98/15257に記載されているものを包含する。
商業的に入手可能なペルオキシダーゼはGuardzymeTM (Novozymes A/S) を包含する。
1種または2種以上の洗剤酵素は、洗剤組成物の中に、1種または2種以上の酵素を含有する別々の添加剤を添加するか、あるいはこれらの酵素のすべてを含んでなる添加剤の組合わせを添加することによって添加することができる。本発明の洗剤添加剤、すなわち、別々の添加剤または添加剤の組合わせは、例えば、粒体、液体、スラリー、およびその他として配合することができる。好ましい洗剤添加剤配合物は、粒体、特に非ダスチング粒体、特に安定化された液体またはスラリーである。
非ダスチング粒体は、例えば、US 4,106,991およびUS 4,661,452に記載されているようにして製造することができ、そして必要に応じてこの分野において知られている方法により被覆することができる。蝋状被覆物質の例は次の通りである: 平均分子量1000〜20000のポリ(エチレンオキシド) 生成物 (ポリエチレングリコール、PEG); 16〜50エチレンオキシド単位を有するエトキシル化ノニルフェノール; 12〜20個の炭素原子を含有しかつ15〜80エチレンオキシド単位が存在するエトキシル化脂肪族アルコール; 脂肪族アルコール; 脂肪酸; および脂肪酸のモノ-およびジ-およびトリグリセリド。流動床技術による適用に適当な皮膜形成被覆物質の例はGB 1483591に記載されている。液状酵素調製物は、例えば、確立された方法に従い、ポリオール、例えば、ポリエチレングリコール、糖または糖アルコール、乳酸またはホウ酸の添加により安定化することができる。保護された酵素は、EP 238,216に開示されている方法に従い製造することができる。
本発明の洗剤組成物は、任意の便利な形態、例えば、棒、タブレット、粉末、粒体、ペーストまたは液体であることができる。液状洗剤は、典型的には70%までの水および0〜30%の有機溶媒を含有する水性であるか、あるいは非水性であることができる。
洗剤組成物は1種または2種以上の界面活性剤を含んでなることができ、これらの界面活性剤は非イオン性であることができ、半極性および/またはアニオン性および/または双生イオン性の界面活性剤を包含する。典型的には、界面活性剤は0.1〜60重量%のレベルで存在する。
その中に含めるとき、洗剤は通常約1%〜約40%のアニオン界面活性剤、例えば、線状アルキルベンゼンスルホネート、α-オレフィンスルホネート、アルキルサルフェート (脂肪族アルコールサルフェート) 、アルコールエトキシサルフェート、第二級アルカンスルホネート、α-スルホ脂肪酸メチルエステル、アルキル-またはアルケニルコハク酸または石鹸を含有するであろう。
その中に含めるとき、洗剤は通常約0.2%〜約40%の非イオン界面活性剤、例えば、アルコールエトキシレート、ノニルフェノールエトキシレート、アルキルポリグリコシド、アルキルジメチルアミンオキシド、エトキシル化脂肪酸モノエタノールアミド、脂肪酸モノエタノールアミド、ポリヒドロキシアルキル脂肪酸アミドまたはグルコサミンのN-アシルN-アルキル誘導体 (「グルコサミド」) を含有するであろう。
洗剤は0〜65%の洗剤ビルダーまたは錯化剤、例えば、ゼオライト、二リン酸塩、三リン酸塩、ホスホン酸塩、炭酸塩、クエン酸塩、ニトリロ三酢酸、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、アルキル-またはアルケニルコハク酸、可溶性ケイ酸塩または層状化ケイ酸塩 (例えば、SKS-6、Hoechst) を含有することができる。
洗剤は1種または2種以上のポリマーを含んでなることができる。それらの例は次の通りである: カルボキシメチルセルロース、ポリ (ビニルピロリドン) 、ポリ (エチレングリコール) 、ポリ (ビニルアルコール) 、ポリ (ビニルピリジン-N-オキシド) 、ポリ (ビニルイミダゾール) 、ポリカルボキシレート、例えば、ポリアクリレート、マレイン酸/アクリル酸コポリマーおよびラウリルメトアクリレート/アクリル酸コポリマー。
洗剤は漂白系を含有することができる。漂白系はH2O2源、例えば、過ホウ素酸塩または過炭酸塩を含んでなり、これらは過酸生成漂白アクチベーター、例えば、テトラアセチルエチレンジアミンまたはノナノイルオキシベンゼンスルホン酸塩と組合わせることができる。選択的に、漂白系は、例えば、アミド、イミドまたはスルホン型のペルオキシ酸を含んでなることができる。
本発明の洗剤組成物の1種または2種以上の酵素は、慣用の安定剤、例えば、ポリオール、例えば、プロピレングリコールまたはグリセロール、糖または糖アルコール、乳酸、ホウ酸またはホウ酸誘導体、例えば、芳香族ホウ酸エステル、またはフェニルホウ酸誘導体、例えば、4-ホルミルフェニルホウ酸を使用して安定化することができ、そして組成物はWO 92/19709およびWO 92/19708に記載されているようにして配合することができる。
また、洗剤は他の慣用の洗剤成分、例えば、布帛コンディショナー、例えば、粘土、発泡ブースター、泡抑制剤、腐蝕防止剤、汚れ懸濁剤、汚れ再付着防止剤、染料、殺菌剤、蛍光増白剤、ハイドロトープ、曇り抑制剤または香料を含有することができる。
現在、洗剤組成物において、酵素、特に本発明の酵素は0.01〜100 mgの酵素タンパク質/リットルの洗浄液、好ましくは0.05〜5 mgの酵素タンパク質/リットルの洗浄液、特に0.1〜1 mgの酵素タンパク質/リットルの洗浄液に相当する量で添加することができることが考えられる。
さらに、本発明の酵素は、WO 97/07202 (これは引用することによって本明細書の一部とされる) に開示されている洗剤配合物中に添加できる。
食物加工の用途
また、本発明のRP-IIプロテアーゼ変異型は、食物の加工において、例えば、酪農製品、例えば、乳、クリームおよびチーズの分野において、さらに食肉および蔬菜類の加工において使用することができる。
飼料加工の用途
また、本発明のRP-IIプロテアーゼ変異型は、畜牛、家禽およびブタの飼料の加工において、ことにペット食品のために使用することができる。
皮革の処理
また、本発明のRP-IIプロテアーゼ変異型は、皮革の処理において使用することができる。
感染している可能性がある物質の除染
また、本発明のRP-IIプロテアーゼ変異型は、器具、表面、および病院、クリニックおよび食肉加工プラント、およびその他における他の物質を除染して、例えば、プリオンまたは他の感染因子を分解する方法において利用することができる。
材料および方法
菌株:
バシラス・サチリス (B. subtilis) DN1855: WO 01/16285に開示されている。
プラスミド:
pNM1003: WO 01/16285に開示されている。
pSX222: WO 96/34946に開示されている。
pNM1008: 実施例2参照。
プロテアーゼ変異型を製造する方法
本発明は、本発明による単離された酵素を製造する方法を提供し、ここで酵素をコードするDNA配列で形質転換された適当な宿主細胞を酵素の産生を可能とする条件下に培養し、そして生ずる酵素を培養物から回収する。
酵素をコードするDNA配列を含んでなる発現ベクターを相同宿主細胞の中に形質転換するとき、本発明の酵素の異種組換え産生を可能とすることができる。これにより、相同不純物を含まないことを特徴とする、高度に精製されたRP-IIプロテアーゼ組成物を作ることが可能である。
形質転換された宿主細胞を培養するために使用する培地は、問題の宿主細胞の増殖のために適当な任意の慣用培地であることができる。発現されたRP-IIプロテアーゼを好都合に培地の中に分泌させ、下記の手段により培地からの細胞の分離を包含するよく知られている手順により、培地から回収することができる: 遠心または濾過、塩、例えば、硫酸アンモニウムによる培地からのタンパク質成分の沈降、クロマトグラフィー手順、例えば、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィーまたはその他。
タンパク質分解活性
酵素活性は、スクシニル-アラニン-アラニン-プロリン-グルタミン酸-パラニトロアニリンを基質として使用するPNAアッセイにより、測定することができる。PNAアッセイの原理は下記の文献に記載されている: Journal of American Oil Chemists Society、Rothgeb T. M.、Goodlander B. D.、Garrison P. H. およびSmith L. A. (1998) 。
繊維材料
標準繊維材料片は下記から入手した: EMPA St. Gallen、Lerchfeldstrasse 5、CH-9014 St. Gallen、Switzerland。ことにEMPA 116型 (血液、乳およびインキで汚した綿の繊維材料) およびEMPA 117型 (血液、乳およびインキで汚したポリエステル/綿の繊維材料) 。繊維材料を5×3 cmまたは13×3 cmの小片に切断することができる。
他の関係するプロテアーゼ株、例えば、C-03、C-05、C-10 (CFT、Center For Testmateerias、Viaardingen、netherlands) をその上使用することができる。
洗浄条件
Figure 2007521823
洗剤
本発明の酵素は、WO 97/07202に開示されている洗剤配合物中で、またはwfk testgewebe GmbHまたは同様な供給会社から購入した洗剤配合物中で試験することができる。
wfk testgewebeからの試験洗剤のリスト
・ IEC 60456 A型に基づく洗剤
・ IEC 60456 B型に基づく洗剤
・ IEC 60456 C型に基づく洗剤
・ リン酸塩を含むECE参照洗剤 (1977)
・ リン酸塩を含まないECE参照洗剤 (1998)
・ AHAM標準洗剤
・ EU ECOLABEL (洗剤) 軽質洗剤
・ EU ECOLABEL (洗剤) PVP
しかしながら、また、下記の商業的洗剤の1つを洗浄アッセイにおいて使用することができる、例えば、
・ Omo Multi Asco HDP (Uniliver、ブラジル)
・ Tide HDL (P & G、米国)
・ Wisk HDL (Uniliver、米国)
・ TOP HDP (ライオン、日本)
・ Attack HDP (花王、日本)
・ Ariel Regular HDP (P & G、ヨーロッパ)
・ Ariel Compact HDP (P & G、ヨーロッパ)
・ Prsil Megaeris (Henkel、ドイツ)
・ Persil (Unilever、英国)
さらに、上に特定した洗剤の商標名の拡張または色/コンパクトのバージョンをその上使用することができる。
洗剤が酵素を含有する場合、洗剤は使用前に不活性化して、洗剤中に既に存在する酵素活性を排除すべきである。これは洗剤貯蔵溶液を電子オーブン中で85℃に5分間加熱することによって実施される。電子オーブン中の洗剤貯蔵溶液の濃度は4〜20 g/lである。
実施例1BLCの三次元からのRP-IIプロテアーゼのモデル化
他のRP-IIプロテアーゼに対するバシラス・リヘニフォルミス (Bacillus licheniformis) プロテアーゼBLCの全体の相同性は高い。異なるRP-IIプロテアーゼ間の類似性は表1に記載されている。図2の配列アラインメントに従い、適当なモデル化ツール、例えば、AccellrysソフトウェアHomologyまたはModeller (また、Accellyrsから) またはNestのような他のソフトウェアを使用することによって、JA96プロテアーゼのモデルを構築することができる。これらのプログラムは最初の粗いモデルとして結果を提供し、ModellerおよびNestプログラムにおいていくらかの最適化が得られる。
最初の粗いモデルは、JA96プロテアーゼとBLCの三次元構造との間の密接な構造的相同性を提供する。なぜなら、モデル構造中にオーバーラップする側鎖が存在しないからである。構造を最適化するために、タンパク質を1箱の水中でin silicoソーキングし、エネルギー最小化に付し、さらに、例えばCHARMmTMソフトウェア (Accellryから) を使用して分子力学的シミュレーションにかけることができる。
水中におけるin silicoソーキングは、箱の大きさ75×75×75Å3を使用してInsight IIプログラム (Accelryから) により水を添加することによって、好都合に実施することができる。エネルギー最小化は、300 Steepest下降 (SD) およびさらに600 Conjugated 勾配 (CJ) の設定を使用して、実施することができる。分子力学的シミュレーションは、300 KにおいてVerletアルゴリズムおよび標準パラメーターを使用する1.2 nsのラン (CHARMmマニュアル参照) により好都合に実施することができる。
実施例2RP-IIプロテアーゼ変異型のライブラリーの構築
BLCの構築および発現
RP-IIプロテアーゼBLCおよびその突然変異体をコードする遺伝子に適合した、バシラス・サチリス (B. subtilis) -大腸菌(E. coli)シャトルベクター、pNM1003、を構築した。それはWO 01/16285に記載されているようなバシラス・サチリス (B. subtilis) 発現ベクターpSX222 (WO 96/34946に記載されている) に由来する。クローニングを促進するために、pNM1008を構築してkpnI制限部位をHindIII部位の下流に導入して、ベクター内部におけるフラグメントのクローニングを促進した。バシラス (Bacillus) 中の形質転換のために、pNM1008をHindIIIで制限し、そして4350 bpのDNAフラグメントを単離し、連結した。連結混合物を使用して、コンピテントバシラス・サチリス (B. subtilis) DN1885を形質転換し、プロテアーゼ活性について選択した (WO 01/16285に記載されているように) 。
位置指定突然変異誘発
必要な修飾を含有するオリゴヌクレオチドにより産生されたPCRフラグメントの伝統的クローニング (Sambrook 他、Molecular Cloning: A Laboratory Manual、第2版、Cold Spring Harbor) により、分子中に特異的置換、挿入または欠失を含んでなる本発明のBLC部位特異的変異型を作る。テンプレートとして、pNM1008を使用する。突然変異のプライマー (アンチセンス) を使用する第1 PCRにおいて、MluI部位の下流に適当な反対センスプライマー (例えば、5’-CTGTGCCCTTTAACCGCACAGC (配列番号17)) を使用する。第2 PCRにおいて、KpnI消化部位から上流において適当なアンチセンスプライマー (例えば、5’-GCATAAGCTTTTACAGGTACCGGC (配列番号18)) と一緒にセンスプライマーとして、生ずるDNAフラグメントを使用する。この生ずるPCR生成物をKpnIおよびMluIで消化し、制限酵素で消化したpNM1008中に連結した。
連結反応物をよく知られている技術により大腸菌 (E. coli) の中に形質転換し、5つの無作為に選択したコロニーを配列決定して設計された突然変異を確認した。
本発明のBLC変異型を発現させるために、変異型を含んでなるpNM1008由来プラスミドをHindIIIで消化し、連結し、成分バシラス・サチリス (B. subtilis) 株の中に形質転換し、プロテアーゼ活性について選択した。
実施例3酵素および変異型の精製
この手順は、バシラス (Bacillus) 宿主細胞中で本発明のRP-IIプロテアーゼを製造する2リットル規模の発酵物の精製に関する。
ほぼ1.6リットルの発酵ブロスを、1リットルのビーカー中で5000 rpmにおいて35分間遠心する。上清を10%の酢酸でpH 7に調節し、フィルタープレート (Seitz Supra S 100) に通して濾過する。
室温において、0.01 Mのジメチルグルタル酸、0.01 Mのホウ酸および0.002 Mの塩化カルシウム (水酸化ナトリウムでpH 7に調節した) (緩衝液A) と平衡化した10 mlのバシトラシン (Bacitracin) アフィニティーカラムに、濾液を適用する。カラムを緩衝液Aで洗浄して非結合タンパク質を除去した後、25%の2-プロパノールおよび1 Mの塩化ナトリウムを補充した緩衝液Aを使用して、プロテアーゼをバシトラシンカラムから溶離する。
バシトラシン精製工程からのプロテアーゼ活性を有する画分を一緒にし、緩衝液Aと平衡化した750 mlのセファデックス (Sephadex) G25に適用する。
セファデックスG25カラムからのタンパク質分解活性を有する画分を一緒にし、10%の酢酸でpH 6に調節し、0.01 Mのジメチルグルタル酸、0.01 Mのホウ酸および0.002 Mの塩化カルシウムを含有する緩衝液 (水酸化ナトリウムでpH 6に調節した) と平衡化した150 mlのCMセファローズ (Sepharose) CL 6Bカチオン交換カラム (直径5 cm) に適用した。
2リットルの同一緩衝液中の0〜0.2 Mの塩化ナトリウムの直線勾配を使用して、プロテアーゼを溶離する。
最後に、CMセファローズカラムからのプロテアーゼ含有画分を一緒にし、0.2 μのフィルターに通して濾過する。
変異型の構築および発酵のために実施例2の技術、および上記単離手順を使用することによって、下記のRP-IIプロテアーゼおよびそれらの変異型を製造し、単離することができる。
実施例4修飾された酵素を含んでなる洗剤組成物の洗浄性能
AMSA
自動機械的応力アッセイ(Automatic Mechanical Stess Assay) (AMSA) を使用して、本発明の酵素変異型を試験する。AMSA試験を使用して、大量の小体積の酵素-洗剤溶液の洗浄性能を検査することができる。AMSAプレートは多数の試験溶液用スロットを有し、そして蓋は洗浄すべき繊維材料スワッチをすべてのスロット開口に対して堅固に絞る。洗浄時間の間に、プレート、試験溶液、繊維材料および蓋を激しく震蘯させて、試験溶液を繊維材料と接触させ、機械的応力を加える。それ以上の説明については、WO 02/42740、ことに23〜24ページの節「特別の方法の態様」を参照のこと。
アッセイを下に特定する実験条件下に実施する。使用する洗剤に関して、上において「材料および方法」の下の表3に列挙したすべての洗剤を使用することができる:
Figure 2007521823
その特定の酵素変異型で洗浄した繊維材料の試料の色の輝度として、酵素変異型の性能を測定する。また、白色光で照明したとき、繊維材料の試料から反射する光の強度として、輝度を表すことができる。繊維材料が汚れているとき、反射光の強度はきれいな繊維材料よりも低い。したがって、反射光の強度を使用して、酵素変異型の洗浄性能を測定することができる。
色の測定はプロフェッショナル・フラットベッド・スキャナー (PFU DL2400pro) で実施し、このスキャナーを使用して洗浄した繊維材料試料の像を捕捉する。このスキャンは200 dpiの分解能および24 bitの出力色深さでなされる。正確な結果を得るために、スキャナーはKodak反射IT8ターゲットで頻繁に目盛定めされる。
走査した像から光強度値を抽出するために、特別の設計されたソフトウェアのアプリケーションを使用する (Novozymes Color Vector Analyzer) 。このプログラムは像から24 bitのpixel値を取出し、それらを赤、緑および青 (RGB) についての値に変換する。.0RGB値をベクトルとして一緒に加え、次いで生ずるベクトルの長さを取ることによって、強度値 (Int) を計算する:
Figure 2007521823
変異型の洗浄性能 (P) は下記式に従い計算する:
P = Int(v) - Int(r)
ここで
Int(v) は酵素変異型で洗浄した繊維材料表面の光強度値であり、そしてInt(r) は参照酵素BLCで洗浄した繊維材料表面の光強度値である。
性能のスコアは、定義に従いミニ洗浄 (miniwash) の結果として与えられる。
性能スコア (S) は、次のような試験した酵素変異型の性能 (C) の合計である:
S = 2 これは変異型の性能がすべての3つの濃度 (5、10および30 nM) において参照のそれよりもすぐれることを示し、そして
S = 1 これは変異型の性能が1つまたは2つの濃度において参照のそれよりもすぐれることを示す。
ある変異型が少なくとも1つの洗剤組成物において参照よりもすぐれた性能を示す場合、その変異型は改良された洗浄性能を示すと考えられる。
Figure 2007521823
洗浄後、繊維材料片を水道水中でフラッシし、空気乾燥し、そして試験材料からの規約反射率を460 nmにおいて分光光度計 (Zeiss 521 VIS) で測定する。測定は製造業者のプロトコルに従い実施する。
性能スコアを規定に従いミニ洗浄の結果として与える:
性能スコア (S) は、次のような試験した酵素変異型の性能 (C) の合計である:
S = 2 これは変異型の性能がすべての3つの濃度 (5、10および30 nM) において参照のそれよりもすぐれることを示し、そして
S = 1 これは変異型の性能が1つまたは2つの濃度において参照のそれよりもすぐれることを示す。
1より高い性能スコアは、よりすぐれた洗浄性能を示す。
ある変異型が少なくとも1つの洗剤組成物において参照よりもすぐれた性能を示す場合、その変異型は改良された洗浄性能を示すと考えられる。
下記のRP-II変異型を実施例2に示されているように構築し、実施例3に従い精製し、そして上に示したように試験した:
イオン結合性修飾:
D7E; D7Q; H144R; D161R; D161K;
H144Q + D161R
運動性修飾:
G30A; G91A
Cys架橋修飾:
S145C + T128C
表面変化修飾:
D7N、S、T; Y17R、K、H; Y95R、K、H; T109R、K、H; Q143R、K、H; Q174R、K、H; E209Q、N; N216R、K、H
プロリン安定性;
T60P; S221P; G193P; V194P
実施例5修飾された酵素の貯蔵安定性
親および変異型の「残留活性」を規則的時間間隔において測定することによって、本発明の変異型の貯蔵安定性を決定する。しばしば、貯蔵安定性は半減期T1/2として表し、活性までの経過時間は初期値の半分である。
残留活性 = (t=iにおける活性)/( t=0における活性)×100%
タンパク質分解活性を前述したように測定する (PNAアッセイ) 。
実施例6修飾された酵素の熱安定性
典型的には約2 mg/mlの変異型を含有する溶液中で0.5℃/分の加熱速度において、示差走査熱量測定 (DSC) により、本発明のプロテアーゼ変異型の熱安定性を決定する。
実施例7修飾された酵素の自己タンパク質分解安定性
比較発酵実験
発酵実験において、本発明のRP-II変異型を親RP-IIプロテアーゼと比較する。
変異型および親の両方をpNM1008発現ベクターの背景においてクローニングし、適当な培地中で発酵させる。
5日間の発酵後、1.5 mlの発酵培地を遠心し、前述したように、上清を使用してタンパク質分解活性 (KPNU) を測定する。
親の活性に比較してタンパク質分解活性を増加させる変異型は、親に関して改良された自己タンパク質分解安定性を有すると考えられる。
実施例8修飾された酵素の酸化安定性
50℃およびpH 7において20分後、変異型を0.01 Mの過酢酸中で酸化安定性について試験する。
酸化または加熱により未処理の試料に関係して、熱処理された試料における残留タンパク質分解活性により結果を表す。
Figure 2007521823
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図1は、バシラス・リヘニフォルミス (B. licheniformis) からのRP-IIプロテアーゼ、BLCの概略的構造を提供する。 図2は、表1の野生型RP-IIプロテアーゼ1〜8の三次元構造に基づくアラインメントを示す。 図3は、BLCプロテアーゼのリボン構造を黒色で示すと同時に、活性部位の残基、結合したペプチドおよびイオン結合部位を示す。カルシウムイオンはこの図面の下部における球形であり、活性部位の残基は薄い灰色であり、棒状モデルで示されており、そして結合したペプチドは中程度の灰色であり、棒状モデルで示されている。

Claims (36)

  1. 下記の工程を含んでなる、親RP-IIプロテアーゼと比較して少なくとも1つの変更された性質を有するRP-IIプロテアーゼ変異型を構築する方法:
    a) 前記RP-IIプロテアーゼの三次元構造を分析して、構造的考察の評価に基づいて、前記性質の変更に関連する、前記RP-IIプロテアーゼの少なくとも1つのアミノ酸残基または少なくとも1つの構造的領域を同定し、
    b) 前記親をコードするポリヌクレオチドのDNAを修飾して、変異型RP-IIプロテアーゼをコードするポリヌクレオチドを構築し、前記変異型RP-IIプロテアーゼは、親RP-IIプロテアーゼと比較して、前記性質を変更するためにi) において同定されたアミノ酸残基または構造的部分の欠失、置換または挿入により修飾されており、
    c) 適当な宿主において変異型RP-IIプロテアーゼを発現させ、そして
    d) 生ずるRP-IIプロテアーゼ変異型を前記性質について試験する。
  2. 下記の工程を含んでなる、親BLC様RP-IIプロテアーゼに比較して少なくとも1つの変更された性質を有するBLC様RP-IIプロテアーゼ変異型を構築する方法:
    a) BLCの三次元構造に基づいて親BLC様RP-IIプロテアーゼのモデル構造を製造し、
    b) 活性部位の残基のCA、CB、C、OおよびN原子の合致を通して構造を重ねることによって、BLC構造に対して親BLC様RP-IIプロテアーゼのモデルの三次元構造を比較し、
    c) 工程a) における比較に基づいて親BLC様RP-IIプロテアーゼの少なくとも1つの構造的部分を同定し、ここで前記構造的部分における変更は変更された性質を生ずることが予測され、
    d) 親BLC様RP-IIプロテアーゼをコードする核酸配列を修飾して、前記構造的部分に対応する位置における1または2以上のアミノ酸の少なくとも1つの欠失または置換、または前記構造的部分に対応する位置における1または2以上のアミノ酸の少なくとも1つの挿入をコードする核酸配列を製造し、
    e) 工程c) およびd) を繰返しN回実施し、ここでNは1または2以上の値を有する整数であり、
    f) 工程a) 〜e) から生ずる変異型を調製し、
    g) 前記変異型の安定性を試験し、そして
    h) 必要に応じて工程a) 〜g) を反復的に実施し、
    i) 親RP-IIプロテアーゼに比較して少なくとも1つの変更された性質を有するRP-IIプロテアーゼ変異型を選択し、
    j) 宿主細胞中で修飾された核酸配列を発現させて、変異型RP-IIプロテアーゼを製造し、
    k) 製造されたプロテアーゼを単離し、
    l) 単離されたプロテアーゼを精製し、そして
    m) 精製されたRP-IIプロテアーゼ変異型を回収する。
  3. 工程c) において親RP-IIプロテアーゼのイオン結合部位に対して10Å以下の距離に位置する、好ましくは6Å以下の距離に位置する、アミノ酸残基の位置を同定する、請求項2に記載の方法。
  4. 工程c) において親RP-IIプロテアーゼ中のアミノ酸残基の位置を同定し、前記位置の修飾は少なくとも1つの同定された位置の修飾によりイオン結合部位を除去する、請求項2に記載の方法。
  5. 工程c) において親RP-IIプロテアーゼの高度に移動性の領域中のアミノ酸残基の位置を同定する、請求項2に記載の方法。
  6. 工程c) において親RP-IIプロテアーゼの移動性領域中のアミノ酸残基の位置を同定する、請求項2に記載の方法。
  7. 工程c) において親RP-IIプロテアーゼ中のアミノ酸残基の位置を同定し、前記位置の修飾は少なくとも1つのCys残基の挿入またはそれとの置換により少なくとも1つのジサルファイド架橋をつくることができる、請求項2に記載の方法。
  8. 工程c) およびd) において、下記の工程により、修飾された表面電荷分布を有する親RP-IIプロテアーゼの変異型を構築する、請求項2に記載の方法:
    c’) 親RP-IIプロテアーゼの表面上において、少なくと1つの帯電したアミノ酸残基を同定し、そして
    d’) 非帯電アミノ酸残基の欠失または置換により、工程a) において同定された帯電残基を修飾する。
  9. 工程c) およびd) において、下記の工程により、修飾された表面電荷分布を有する親RP-IIプロテアーゼの変異型を構築する、請求項2に記載の方法:
    c”) 親RP-IIプロテアーゼの表面上において、非帯電アミノ酸残基により占有されている少なくと1つの位置を同定し、そして
    d”) 非帯電アミノ酸残基を帯電したアミノ酸残基で置換するか、あるいはその位置に帯電したアミノ酸残基を挿入することによって、その位置における電荷を修飾する。
  10. 工程c) およびd) において、下記の工程により、修飾された表面電荷分布を有する親RP-IIプロテアーゼの変異型を構築する、請求項2に記載の方法:
    c''') 親RP-IIプロテアーゼの表面上において、少なくと1つの帯電したアミノ酸残基を同定し、そして
    d''') 工程a) において同定された帯電したアミノ酸残基を反対電荷を有するアミノ酸残基で置換する。
  11. 工程c) において親RP-IIプロテアーゼ中のアミノ酸残基の位置を同定し、前記位置のProへの修飾は改良された安定性を有するRP-IIプロテアーゼ変異型をつくることができる、請求項2に記載の方法。
  12. 工程c) において活性部位の残基から10Åより短い距離における親RP-IIプロテアーゼ中のアミノ酸残基の位置を同定する、請求項2に記載の方法。
  13. 工程e) におけるNが1〜50、45、40、35、30、25、20、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3または2である、請求項2〜12のいずれかに記載の方法。
  14. イオン結合部位に対して10Å以下の距離に存在する位置、好ましくは6Å以下の距離に存在する位置にアミノ酸残基において少なくとも1つの修飾を含んでなるRP-IIプロテアーゼ変異型。
  15. 修飾が下記の位置: 1、2、3、4、5、6、7、8、143、144、145、146、158、159、160、161、162、194、199、200および201、好ましくは2、3、4、5、6、7、144、159、160および161の少なくとも1つにおいてなされており、そしてことにBLC (配列番号2) における修飾D7EおよびD7Qであり、ここで位置はBLCまたは対応する位置である、請求項14に記載の変異型。
  16. 修飾が正に帯電したアミノ酸残基の中性または負に帯電した残基による置換、または中性残基の負に帯電した残基による置換、または正に帯電した残基または中性の残基の欠失を含んでなる、請求項14または15に記載の変異型。
  17. BLCの位置144および161に対応する少なくとも1つの位置における修飾、ことにBLC (配列番号2) 中の修飾H114Rおよび/またはD161R、K + H144Q、Nにより、イオン結合部位が除去されている、請求項14に記載の変異型。
  18. BLCの位置26〜31 (26、27、28、29、30および31); 89〜91 (89、90および91); 216〜221 (216、217、218、219、220および221) に対応する少なくとも1つの位置における高度に移動性の領域中のアミノ酸残基に少なくとも1つの修飾を含んでなるRP-IIプロテアーゼ変異型。
  19. 親がBLCであり、そして修飾がG30Aおよび/またはG91Aを含んでなる、請求項18に記載の変異型。
  20. BLCの位置51〜56 (51、52、53、54、55、56) 、88〜94 (88、89、90、91、92、93、94) 、118〜122 (118、119、120、121、122) および173〜183 (173、174、175、176、177、178、179、180、181、182、183) 、好ましくは51〜56および118〜122に対応する少なくとも1つの位置において高度に移動性の領域中に作られた少なくとも1つの修飾を含んでなるRP-IIプロテアーゼ変異型。
  21. BLC中の位置128および145または対応する位置におけるアミノ酸残基のCysへの修飾、好ましくはBLCまたは対応する位置における置換S145CおよびT128Cにより提供された少なくとも1つのジサルファイド架橋を含んでなるRP-IIプロテアーゼ変異型。
  22. BLCの位置7、17、95、109、143、174、209、216に対応する少なくとも1つの位置に修飾、ことにBLC (配列番号1) 中の修飾:
    D7N、S、T
    Y17R、K、H
    Y95R、K、H、
    T109R、K、H
    Q143R、K、H
    Q174R、K、H
    E209Q、N
    N216R、K、H
    を含んでなる親RP-IIプロテアーゼに比較して修飾された表面電荷分布を有するRP-IIプロテアーゼ変異型。
  23. BLC中の位置18、115、185、269および293に対応する少なくとも1つの位置にProへの置換、ことにBLC (配列番号1) 中の1または2以上の置換: T60P、S221P、G193P、V194Pを含んでなる親RP-IIプロテアーゼに比較して改良された安定性を示すRP-IIプロテアーゼ変異型。
  24. 活性部位の残基から10Åより短い距離にあるBLC中の位置1、8、22〜35 (22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35) 、42〜58 (42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58) 、82〜100 (82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100) 、129〜135 (129、130、131、132、133、134、135) 、141〜142、153〜156 (153、154、155、156) 、158、161〜171 (161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、171) 、188〜193 (188、189、190、191、192、193) 、195、201〜207 (201、202、203、204、205、206、207) 、210、213〜214、217に対応する位置のアミノ酸残基中に修飾を含んでなるRP-IIプロテアーゼ変異型。
  25. 下記の修飾の少なくとも1つの修飾をさらに含んでなる、請求項14〜24のいずれかに記載のRP-IIプロテアーゼ変異型: (i) 欠失または置換、好ましくはAsp、Gln、Ser、Pro、ThrまたはTyrとの置換により修飾されているAsn-Gly配列の一部分を形成する位置におけるアミノ酸残基; (ii) Phe、Thr、GlnまたはGlyとの置換により修飾されているTrpにより占有された位置におけるアミノ酸残基; (iii) Alaとの置換により修飾されているGluまたはAspにより占有された位置におけるアミノ酸残基; (iv) Proとの置換により修飾されているGluまたはAsp残基により占有された位置後の第1または第2 位置である位置におけるアミノ酸残基; または (v) 欠失または置換、好ましくはSerまたはAlaとの置換により修飾されているMetにより占有された位置におけるアミノ酸残基。
  26. 少なくとも1つから50までの位置、または1〜45位置、または1〜40位置、または1〜35位置、または1〜30位置、または1〜25位置、または1〜20位置、または1〜15位置、または1〜14位置、または1〜13位置、または1〜12位置、または1〜11位置、または1〜10位置、または1〜9位置、または1〜8位置、または1〜7位置、または1〜6位置、または1〜5位置、または1〜4位置、または1〜3位置、または1〜2位置の範囲の多数の位置において修飾され、このような修飾が示した数の位置に置換、欠失、挿入およびそれらの組合わせを含んでなる、請求項14〜25のいずれかに記載のRP-IIプロテアーゼ変異型。
  27. 請求項1〜26のいずれかにおいて規定されまたは製造されたRP-IIプロテアーゼ変異型をコードする核酸配列を含んでなる単離されたポリヌクレオチド。
  28. 核酸配列が配列番号1、3、5、7、9、11、13または配列番号15に示す核酸配列と少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%の相同性を有する、請求項27に記載のポリヌクレオチド。
  29. 適当な発現宿主におけるポリペプチドの発現を指令することができる1または2以上の制御配列に作用可能に連鎖された、請求項27〜28のいずれかに記載の核酸配列を含んでなる単離された核酸構築物。
  30. 請求項29に記載の核酸構築物を含んでなる組換え宿主細胞。
  31. 下記の工程を含んでなる請求項1〜26のいずれかにおいて規定または製造されたRP-IIプロテアーゼ変異型を製造する方法:
    a) RP-IIプロテアーゼ変異型の製造を促進する条件下に請求項30に記載の組換え宿主細胞を培養し、そして
    b) 変異型を回収する。
  32. 請求項1〜26のいずれかにおいて規定または製造されたRP-IIプロテアーゼ変異型を含んでなる洗剤組成物。
  33. 洗浄またはクローニングプロセスのための請求項1〜26のいずれかにおいて規定または製造されたRP-IIプロテアーゼ変異型の使用。
  34. 食物を加工するための請求項1〜26のいずれかにおいて規定または製造されたRP-IIプロテアーゼ変異型の使用。
  35. 飼料を加工するための請求項1〜26のいずれかにおいて規定または製造されたRP-IIプロテアーゼ変異型の使用。
  36. 皮革を処理するための請求項1〜26のいずれかにおいて規定または製造されたRP-IIプロテアーゼ変異型の使用。
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