JP2007517086A - シラン架橋したポリエチレンの改良した製造方法 - Google Patents

シラン架橋したポリエチレンの改良した製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明はシラン架橋した(硬化した)ポリエチレンの製造方法に向けられており、該方法において、ポリエチレンは少なくとも一つのエチレン二重結合を含むシランでグラフトされ、シラン架橋可能なポリエチレンとなり、次いで架橋(硬化)処理され、以下の処理工程を含むことを特徴としている:
a)硬化工程の前に、試料をシラン架橋可能なポリエチレンから取り、
b)該試料をフィルムに加工処理し、
c)該フィルムを赤外分光法により分析し、
d)IRスペクトルのあらかじめ定めた領域を決定し、次いで
e)工程d)において決定した領域を、あらかじめ決定した回帰曲線を用いて、硬化処理後のシラン架橋したポリエチレンにおけるゲル含量と相関させる。
【選択図】図1

Description

発明の詳細な説明
本発明は、シラン架橋したポリエチレンの改良した製造方法、特にシラン架橋可能なポリエチレンの三次元物品、特にパイプの製造に向けられている。最終的に硬化させる前に、シラン架橋可能なポリエチレンの品質を評価することを許容するある手順が、IR測定に基づいて使用される。
ポリエチレンの架橋は周知であり、及び本ポリマーの応用可能な範囲を広げるために使用される。架橋により、熱可塑性ポリエチレンの機械特性が向上し、特に架橋されたポリエチレンは、架橋されていないポリエチレンよりも優れた、高温に対する抵抗性、ゆっくりとしたクラックの成長に対する抵抗性及び化学的な抵抗性を有する。過酸化物による、及び照射による架橋に加えて、シラン架橋が重要性を増している。シラン架橋したポリエチレンは広く使用されており、特にケーブル工業において及び絶縁目的で、おそらくよりいっそう重要には、冷水、熱水、石油製品及び天然ガスの搬送用のパイプ工業において使用されている。
シラン架橋したポリエチレンは、二工程法において、ポリエチレンから製造される。この方法の第一の反応工程において、シランはポリマー鎖にグラフトされる。この反応のため、ポリエチレンはフリーラジカル源、通常は過酸化物、例えばジアラルキル又はジアルキルペルオキシド、例えばジクミルペルオキシド(DCUP)又は2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジ−tert.−ブチルペルオキシド(DHBP)で処理される。該過酸化物は熱により分解し、ラジカルが形成され、該ラジカルがポリエチレン鎖から水素原子を引き離す。該活性化されたポリエチレン鎖は、その後ビニルシラン類のビニル基と反応し、それによるビニルトリメトキシシラン(VTMOS)が現在工業界において最も広く使用される。従って、該シラン分子は、ポリエチレン鎖と化学的に結合し、シラン架橋可能なポリエチレンを形成する。
第二の反応工程において、シラン架橋可能なポリエチレンから成形され、かつ適切な触媒を通常含む物品が、水性媒体、好ましくは熱水又は蒸気中において加熱され、それによりSi−O−Si結合が形成されかつ硬化(又は架橋)がおこる。
シラン架橋したポリエチレンの成形物品を製造するための、主として二つの異なる種類の方法、単一段階の方法及び二段階の方法が存在する。該単一段階の方法において、全ての成分である、ポリエチレン、ビニルシラン、過酸化物及び硬化触媒が、押し出し成型器において単一の操作で加工処理され、半仕上げの製品、通常は既にシラン架橋可能なポリエチレンの三次元物品、例えばパイプの形状にある製品として押し出し成形される。既に硬化触媒を含むこの押し出し成型品は、その後、熱水又は蒸気中で加熱処理され、シラン架橋可能なポリエチレンを架橋する。
該二段階の方法において、グラフト重合反応及び半仕上げの製品の製造は、別々に行われる。最初の混合工程において、ポリエチレンは、過酸化物及び該鎖ラジカルにグラフトされるビニルシランと反応し、シラン架橋可能なポリエチレンが通常は粒子の形態で得られ、該粒子はさらなる加工処理がされる前に、水の排除の下に貯蔵され得る。該粒子は、その後触媒(必要であれば)と混合され、最終的な形状、例えばパイプに押し出し成形され、熱と水を加えることにより硬化する。
シラン架橋したポリエチレンの成形物品の調製に関する良好な概要を、例えば、“Plastics and Rubber Processing and Applications,13(1990)81−91”に見出すことができる。
本発明は、該一段階の方法及び該二段階の方法に適用できるが、好ましいのは二段階の方法であり、ここで第一にシラン架橋可能なポリエチレンの粒子が製造され、該粒子は第二段階においてさらに成形物品に加工処理され、かつ硬化される。
シラン架橋したポリエチレンの成形物品を調製する方法の品質制御は非常に困難であり、なぜならば、最終製品の品質は、該物品が高い温度及び湿度の下で硬化する時である、成形物品の製造の最終段階において生じる架橋(すなわち、ゲルの形成)の量に顕著に依存するためである。通常は、成形物品の品質は、架橋された物品から薄片を取得し、続いて該薄片をポリエチレンに対する溶媒、通常はキシレンで処理することにより測定される。キシレンに溶解しない試料の量が測定され、該量が、硬化した成形物品の量に対応する(なぜならば硬化したポリエチレンもはやキシレンに溶解しないためである)。この方法は、いくつかの規格、例えばDIN16892において記載されている。
この方法は長時間かかり、なぜならば、成形物品の硬化は数時間又は数日すらかかることがあるからであり、また、炎症性かつ毒性の溶媒、例えばキシレンを要する。さらに、硬化した成形物品の品質の情報が、この方法により入手できる前に、通常はいくつかのさらなる物品が、同様の不満足な硬化を既にしている。一般的に、硬化した物品の再利用は不可能である。
硬化工程の前に、シラン架橋可能なポリエチレンを評価する方法を得ることは、高い利点となり得る。この方法が、シラン架橋可能なポリエチレンのある負荷が、硬化に不適である(及び満足に硬化した物品を生成しない)ことを示す場合には、すぐに該シラン架橋可能なポリエチレンを排出でき、及び硬化後には不可能であったシラン架橋可能なポリエチレンを頻繁に再利用できる。当然のことながら、該方法は容易で、速く、信頼でき、再現できかつ危険な化学物質、例えばキシレンの使用を含まないものでなければならない。
成形物品が硬化するときに生じる架橋の量は、ポリエチレン鎖に化学的に結合した架橋可能なシランの量に強く依存する。この量は、多くのパラメーター、例えば、ポリエチレンと混合されるビニルシラン及び過酸化物の量だけでなく、反応条件、例えばポリエチレン上へのビニルシランのグラフトが通常行われる押し出し成型器における温度、圧力及び混合時間により影響を受ける。
赤外スペクトルにより、架橋可能なポリエチレンにおける架橋可能なシラン基の量の測定を、主として可能とすべきであり、IR−分光法と同様に他の方法を用いたグラフト方法に関する非常に多くの科学的研究が存在する。これらの文献に言及すると、例えば以下のものが参照できる:“Journal of Applied Polymer Science,Vol.48,1579−1585(1993)”,“KGK Kautschuk Gummi Kunststoffe(49)1/96,22−27”,“Jiangsu Shiyou Huagong Xueyuan Xuebao,9(4),10−14,1997”,“Jiangsu Shiyou Huagong Xueyuan Xuebao,10(4),17−19,1998”,“Sichuan Daxue Xuebao,Gongcheng Kexueban,34(1),6−10,(2000)”,“Huaxue Yu Nianhe,(3),113−116,139,(2000)”,“Polymer Preprints,Vol.39,No.2,(1998),697−698”,及び“Journal of Applied Polymer Science,Vol.69,(1998),255−261”。これらの文献が、シラン架橋可能なポリエチレンの解析にIR−分光法を使用している限りは、これらの大半がIR−スペクトルにおいてSi−O−Cピークを測定し、シラン架橋可能なポリエチレンにおいて存在するビニルシランの量をこのピークから結論づけている。
しかしながら、これらの科学的な論文のいずれもが、シラン架橋可能なポリエチレンのIR−スペクトルから、硬化した物品の品質を測定する信頼できる方法を提供しない。さらに、Si−O−C結合のIR−ピークは、硬化した物品の品質に影響し得る、該ビニルシランが実際に該ポリエチレン鎖に化学的に結合しているか(そうでなければ、ビニルシランはシラン架橋可能なポリエチレンを貯蔵する間に蒸発し得る)、又は遊離の過酸化物が該シラン架橋可能なポリエチレン中に未だ残存しているかどうかの情報を提供しない。
硬化した物品の試料の赤外スペクトル測定により、シラン架橋したポリエチレンの成形物品の品質を評価する試みがなされてきた。しかしながら、これは若干の問題を解決したのみであり、なぜならばこの方法は、有害な化学物質の使用を避け、かつ迅速であるが、上述したような不利な点である硬化の後に行われる。さらに、赤外分光法をシラン架橋したポリエチレンの試料の測定に使用した場合、通常はSi−O−Si結合(架橋結合である)に対応するピークの強度が測定される。このピークは、硬化していない製品中に存在するSi−O−C結合に対応するピークと重なり、そのため、図1に明示するように、シラン硬化したポリエチレンのIRスペクトルは、成形物品中のシラン硬化したポリエチレンの量を測定するために十分に信頼できるものではない。
赤外分光法を用いたシラン架橋可能なポリエチレンの品質及び架橋可能性の評価方法を開発する試みも存在し、例えば以下のものがあげられる:“Kunststoffe 79 (1989) 11,1165−1167”,“Kunststoffe 79(1989)10,1051−1056”,“Plastics and Rubber Processing and Applications,Vol.13,No.2,1990,81−91”及び“Non−destructive Characterization of Materials IV edited by C.O.Ruud et al. Plenum Press,New York,1991,121−133”。上の文献において開示されている方法は、シラン架橋可能なポリエチレンの架橋可能性は、IR−スペクトルにおけるSi−O−Cのピークのみに基づいて合理的に予測することができず、なぜならば、このピークはシランがポリエチレン鎖に化学的に結合しているかどうかの情報を提供しないためである、と言う上記の仮説に基づいている。従って、これらの文献は、IR−スペクトルにおけるSi−O−C結合に対応するピークがポリエチレン中のシランの量を示すものとして測定され、かつシランのCH2=CH結合に対応するピークがポリエチレンに対して化学的に結合しているシラン基の数を示すものとして測定される方法を示唆する。これら二つの値から、いくつのシラン架橋可能な基が架橋反応に利用可能であるかという結論が引き出される。シラン架橋可能なポリエチレンの品質に関する信頼できる情報を得るために、シラン架橋可能なポリエチレンにおける過酸化物含有量を測定する必要があることは、例えば“Nondestructive characterization of Materials IV,edited by C.O.Ruud et al.,Plenum Press,New York,1991,121−133”のページ125においても同様に認められている。しかしながら、シラン架橋可能なポリエチレン中に未だ存在する過酸化物は、通常非常に少なく、かつ莫大な問題の下でのみIR−分光法により検出できる。過酸化物の含有量を測定するために、該文献は、例えばオンラインレオメーターの使用により流体力学的なデータが得られることを示唆する。
上記文献において開示された該方法は、多数の不利な点を有する。IR−スペクトルにおけるビニルシランのCH2=CH結合に対応するピークは非常に小さく、かつ充分な精度を持ってこれらのピークにおける変化を分析することが困難である。シラン架橋可能なポリエチレンの溶融物においてIR−スペクトルをオンラインで取らず(これら全ての文献において示唆されているように)、固体製品、例えばポリエチレン、ビニルシラン及び過酸化物の押し出し成形によって得られた粒子の試料から取った場合、この問題はよりいっそう深刻となる。IRスペクトルが溶融物で取られた場合、該シランピークは幾分小さくなり、かつより詳細となる傾向にある。該シラン架橋可能なポリエチレンが押し出し成型器を離れ、大気との接触に入った後に、いくらかの量の架橋が起こり、該架橋がIR−スペクトル中のピークを広げ(結果として得られるSi−O−Si結合のピークがSi−O−C結合のピークと重なるためである)、先行技術で述べられた分析を溶融物における場合よりもよりいっそう不正確とする。その結果、上記先行技術文献に記載された該方法は、ポリエチレン溶融物のIRスペクトルの測定に主として限られる。このような測定のためには、高価で使用が困難である精巧な装置、例えばオンラインIR分光器が必要とされる。シラン架橋可能なポリエチレンのための現行の生産ラインを、オンラインIR分光器及び/又はオンラインレオメーターに対応させることは、不可能であるか又は少なくとも経済的ではない。
上記参照した先行技術文献に開示されている方法で、HDPE(高密度ポリエチレン)を分析しようとする場合には、さらなる問題が生じる。HDPEの密度は、上記参照した先行技術文献で述べられている方法を開発するために用いられた、LLDPE及びVLDPE(低密度ポリエチレン)の密度よりも高い。HDPEのIRスペクトルの分析をすることはより困難となり、なぜならばスペクトルの分解能がより低くなるためである。従って、先行技術の方法の信頼性は、LLDPE又はVLDPEよりもHDPEの方がより低下する。
先行技術において開示された方法に関する上記の欠陥、及び特に低い精度かつ高い投資コストは、工業において実際に使用されている赤外分光法によるシラン架橋されたポリエチレンの品質制御を妨げた。実際、現在のところは、最終的に硬化した成形物品を溶解することに基づいた、規格技術のみが使用されている。
溶融物における測定に制限されないだけでなく、シラン架橋可能なポリエチレンを製造するための現存する生産ラインで用いることもでき、かつ凝固したシラン架橋可能なポリエチレン、例えば成形したシラン架橋可能なポリエチレンの粒子又は薄片に、例えば硬化の直前に使用することもできる、シラン架橋したポリエチレンの硬化した成形物品の品質を測定する方法を有することが好ましいであろう。
さらに、正確でかつ付加的なレオメトリーデータの測定を必要とせず、IR−スペクトルの測定のみを必要とする、シラン架橋したポリエチレンの成形物品の品質を予測する方法を有することは有利であろう。
本発明は、ある種類の分析が行われた場合、硬化前のシラン架橋可能なポリエチレンに関するIR−スペクトルのいくらかの部分の分析が、シラン架橋したポリエチレンの最終的に硬化した成形物品の品質の評価に使用できるという、予想外の発見に基づいている。
従って、本発明は、シラン架橋した(硬化した)ポリエチレンの製造方法を提供し、該方法においては、ポリエチレンは少なくとも一つのエチレン二重結合を含むシランでグラフトされ、シラン架橋可能なポリエチレンとなり、次いで架橋(硬化)処理され、以下の処理工程を含むことを特徴とする:
a)硬化工程の前に、試料をシラン架橋可能なポリエチレンから取り、
b)該試料をフィルムに加工処理し、
c)該フィルムを赤外スペクトルにより分析し、
d)IRスペクトルのあらかじめ定めた領域を決定し、次いで
e)工程d)で決定した領域を、あらかじめ決定した回帰曲線を用いて、硬化工程後のシラン架橋したポリエチレン中のゲル含量と相関させる。
硬化の前に架橋可能な材料のIRスペクトルから、シラン架橋した又は硬化したポリエチレンの品質評価を可能とする本発明の新規な方法は、非常に広く適用できる。該方法は、シラン分子がグラフトされたエチレンホモポリマーだけでなく、エチレンベースのコポリマーに対しても適用できる。コモノマーの種類は特に制限されず、かつ用語“コポリマー”は、3つ以上の異なる種類のモノマーから構築されたコポリマーも含む。従って、本明細書においてポリエチレンという場合には、この用語がポリエチレンホモポリマーだけでなく、エチレン及び一以上のコモノマーにより構成されるポリマー、例えばエチレンとC3−C8のアルケン類のコポリマー、例えばエチレンと一以上のプロピレン、ブテン及びオクテンとのコポリマーも含むことが理解されなければならない。エチレンと他のオレフィン類、例えばアクリレート、メタクリレート、スチレン、ビニルシラン、例えばビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン及びビニルメチルジエトキシシラン、又は酢酸ビニルのコポリマーも含まれる。好ましくは、50%以上のポリエチレンのモノマー単位が、エチレンモノマーから誘導される。さらに好ましくは75%以上、特に好ましくは90%以上のポリエチレンのモノマー単位が、エチレンモノマーから誘導される。コポリマーについては、プロピレン及びブテンとのコポリマーが好ましい。最も好ましいのは、エチレンのホモポリマーであり、かつ本明細書で使用するものとして用語“ポリエチレン”は、好ましくはエチレンホモポリマーを意味する。
本発明は、全ての種類のエチレンホモポリマー、特にHDPE、LDPE、LLDPE及びVLDPEに適用可能である。
本明細書に従って、用語“シラン架橋した又は硬化したポリエチレン”は、硬化処理され、これによりSi−O−Si結合の形成の下に架橋が生じたポリエチレンを意味する。これに対して、用語“シラン架橋可能なポリエチレン”は、未だ硬化処理をされていないが、硬化処理することを意図されているポリエチレンを意味する。シラン架橋可能なポリエチレンの製造方法の条件、並びに最終的には、シラン架橋可能なポリエチレンを硬化又は架橋処理する前のシラン架橋可能なポリエチレンの貯蔵条件及び貯蔵時間に依存して、いくらかの架橋がシラン架橋可能なポリエチレンにおいて生じ、従ってシラン架橋可能なポリエチレンは、既にいくらかのSi−O−Si結合を含み得ることが理解される。当業者は、本明細書中で使用するものとして、用語“シラン架橋可能なポリエチレン”及び“シラン架橋した又は硬化したポリエチレン”の意味を認識する:一の用語(“シラン架橋可能なポリエチレン”)は、硬化することが意図されているが、未だ硬化していない製品を意味し、他の用語(“シラン架橋した(硬化した)ポリエチレン”)は既に硬化処理され、かつ最終用途が意図された最終的に硬化した製品を意味する。該硬化工程は通常、シラン架橋可能なポリエチレンを水の存在下で数時間から数日間熱処理することからなり、従って、用語“シラン架橋した(硬化した)ポリエチレン”が、そのような硬化処理された製品を意味する一方で、用語“シラン架橋可能なポリエチレン”は、そのような硬化処理がされていない製品を意味する。
本発明は、通常少なくとも一つのエチレン二重結合を含むシランであり、ポリエチレンにグラフトできる全ての種類のシランに対しても適用可能である。実際には、該少なくとも一つのエチレン二重結合を含むシランは、好ましくはビニルシランであり、かつ本発明の方法において使用できる架橋ポリエチレンに対して使用可能な、全ての種類のビニルシランである。最も普通に使用されるのは、2つ又は3つのアルコキシ基を含むビニルシランであり、好ましくは2つ又は3つのC1−C6アルコキシ基を含むビニルシランであり、より好ましくは2つ又は3つのC1−C3アルコキシ基、特にメトキシ基又はエトキシ基を含むビニルシランである。3つのアルコキシ基を含むビニルシランが特に好ましく、なぜならばそれらは高密度の架橋を提供するためである。適切なビニルシランの例は、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルジメトキシエトキシシラン及びビニルジエトキシメトキシシランである。最も好ましいのは、ビニルトリメトキシシラン及びビニルトリエトキシシランであり、ビニルトリメトキシシランが現在最も広く使用でき、かつ本発明に従って特に好ましい。
本方法において適切なシランの濃度は、0.1から5、好ましくは0.5から2.5、例えば1.1又は1.5である。
本発明はシラン架橋した(硬化した)ポリエチレンを製造する全ての方法に有用であると同時に、その最も広い適用は、シラン架橋した(硬化した)ポリエチレンを含む成形物品及び成形物品の一部の製造方法におけるものであり得る。最も好ましいのは、シラン架橋した(硬化した)ポリエチレンの成形物品の製造方法である。
シラン架橋可能なポリエチレンの成型及びその硬化は、当業者にとって周知である。いくつかの方法が商業上使用され、詳細には、例えば本明細書の導入部分において引用する文献、及び商業方法のため公然と入手可能な文献を参照できる。本発明に従って、シラン架橋した(硬化した)ポリエチレンの二段階の調製方法が、上述の一段階の方法よりも好ましい。
通常、硬化は、任意に適切な硬化触媒の存在下において、熱及び湿度を有意な時間かけることで達成される。例えば、二段階方法において、第一の段階でシラン架橋可能なポリエチレンが、例えば貯蔵可能な粒子の形態で製造される。該粒子は、その後任意に適切な硬化触媒、例えばジアルキルスズマルカプチド、ジアルキルスズジラウレート特にジブチルスズジラウレート、及び第一スズオクトアートと混合され、所望の形状、例えばパイプに成形され、架橋は熱及び湿度をかけること、例えば沸騰水中に数時間から数日間、例えば1時間から4日、例えば6時間から2日間置くことにより達成される。その特定の処理工程及び可能な変形は当業者に周知である。
本発明の方法により好ましく得られる成形された製品は、最も好ましくはパイプである。
ポリエチレンに対するシランのグラフトは、通常フリーラジカル源の存在下において行われる。該フリーラジカル源は、ポリエチレン鎖にフリーラジカルを生成し、次いでシラン化合物のエチレン二重結合との反応を可能とする化合物又はある種類の照射であり得る。本明細書において“フリーラジカル源の濃度”と言う場合、これはポリエチレンとシラン化合物の混合物中にラジカルを形成できる化合物の濃度、又はポリエチレン鎖にラジカルを形成できる照射の量を意味する。好ましくは、該フリーラジカル源は化学物質、例えばジアゾ化合物又は過酸化物であり、適切な過酸化物は、ジアラルキル及びジアルキルペルオキシド、例えばジクミルペルオキシド(DCUP)及び2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジ−t−ブチルペルオキシド(DHBP)である。他適切な過酸化物は、当業者に周知であり、例えばtert−ブチルアミルペルオキシド(BCUP)又はジ−(tert−ブチル)−ペルオキシド(DTBP)である。
フリーラジカル源、特に過酸化物の適切な濃度は、本方法においては、0.001から1、好ましくは0.005から0.5、例えば0.05又は0.25である。
適切な照射は、例えば電子線、ガンマ線又はUV光による照射である。適切な照射の量は、当業者に周知である。
本発明の方法において、試料は、硬化工程の前にシラン架橋可能なポリエチレンから取られる。該試料は、硬化する前に、生産ラインのどこからでも取ることができる。上述の及び本明細書の導入部で記載した、本発明の好ましい方法である二段階方法において、該試料は、通常本方法の第一段階で製造された粒子から取られる。成形物品がシラン架橋可能なポリエチレンから形作られるこれらの方法において(好ましい方法)、むろん、シラン架橋可能なポリエチレンの成形された製品から直接試料を得ることも可能である。グラフト方法の後直ちに、又はグラフト方法の間の溶融物から、いくらかの架橋可能なポリエチレンを得ることも可能である。しかしながら、グラフト方法の後に凝固した製品から該試料を取ることが好ましい。
自体公知の方法で該試料がフィルムに加工処理される。好ましくは、該試料は、赤外分光法のための試料を調製する通常の装置中で、フィルムに圧縮加工される。該試料は、例えば、任意に圧力をかけることに加えて、熱をかけることによりフィルムに加工処理され、及び該試料を溶融し、かつ自体公知の方法でフィルムを調製することが可能である。試料がシラン架橋可能なポリエチレンの生産ラインから取られる場合、該試料は、通常は溶融形態(好ましくはない)であり、IR分光法に適したフィルムへ直接加工処理できる。
該フィルムは赤外分光法により分析され、かついずれの公知かつ商業上入手可能なIR分光計が使用できることは、本発明の方法の顕著な利点である。好ましくは、該分析は商業上入手可能なFTIR分光計を用いた、フーリエ変換赤外分光法(FTIR)により行われる。FTIR分光計は、例えばパーキンエルマー社から入手可能である。本発明に従えば、上記で参照したいくつかの先行技術において使用されてきた、特定のオンライン分光計を使用する必要はない。
IR測定は、好ましくは透過技術により行われるものであってよく、又は減衰全反射法(ATR)技術により行われるものであって良い。ATR技術に適した分光計は、例えばパーキンエルマー製のTravelIRである。他のIR技術も使用できる。
一方、好ましくはないが、当然のことながら、シラン架橋可能なポリエチレンの生産ラインと分光計を組み合わせて、シラン架橋可能なポリエチレンの試料をある期間の後に自動的に取り、フィルムに加工処理し、IR分光計、特にFTIR分光計で分析することも可能である。
本発明で重要であるのは、IRスペクトルのあらかじめ定められた領域が決定されることである。IRスペクトルの予定された領域は、ケイ素原子とシラン分子のアルコキシ基との間の結合に対応したSi−O−Cピークの領域におおよそ対応する。このピークは、他のピーク、例えばSi−O−Siピーク又はSi−OHピークと重なるが、ピーク間の重なりは、本発明の方法に悪影響を及ぼすものではないことが見出された。通常、IRスペクトル(又はFTIRスペクトル)の領域は、1150cm-1から1205cm-1の範囲の波数で開始し、かつ1000cm-1から1085cm-1の範囲の波数で終了して測定される。好ましくは、該領域は、1150cm-1から1185cm-1の範囲で開始し、かつ1020cm-1から1060cm-1の範囲で終了して測定される。ピークの領域を取るための典型的な範囲は、1155−1041、又は1155−1042、又は1155−1043、又は1155−1144、又は1156−1041、又は1156−1042、又は1156−1043、又は1156−1044、又は1157−1041、又は1157−1042、又は1157−1043、又は1157−1044、又は1158−1041、又は1158−1042、又は1158−1043、又は1158−1044、又は1159−1041、又は1159−1042、又は1159−1043、又は1159−1044である。
該領域は、通常、IR分光計と共に提供されるソフトウェアにより電子的に決定されるが、他の方法、例えば図表を用いて、又は分離したコンピューターシステムにより決定することも可能である。通常、該領域を電子的に決定するためには、いかなるシランも含まないポリエチレンのIRスペクトルが、シラン架橋可能なポリエチレンのIRスペクトルから引かれ、かつ該領域は異なるスペクトルで測定される。
意外にも、あらかじめ決定した回帰曲線を用いることにより、そのように決定した領域と、シラン架橋した(硬化した)製品のゲル含量とを相関させることが可能であることが見出された。該回帰曲線は、該方法で使用したシランの量及び該方法で使用したフリーラジカル源の量と、硬化方法の間に生じた架橋の量、従って最終製品の品質を相関させる。
該回帰曲線は、好ましくは以下のように得られる。
まず最初に、ある量のシラン架橋可能なポリエチレン試料、通常は4以上、好ましくは5以上、より好ましくは6以上を、基準濃度のフリーラジカル源、例えば0.005、0.1、0.15、0.2、0.25又は0.3%と共に、シランの濃度を変化させて調製する。変化させたシランの濃度は、以下のものでよい:0%、1%、1.3%、1.5%、1.8%、2.2%。当然のことながら、上記特定の濃度は具体例に過ぎず、かつ他のパーセンテージを使用することが可能である。一の測定は、0%のシラン濃度についてでなければならない。上記シラン濃度について、優れた結果が達成された。本方法のより高い精度が要求される場合には、シラン濃度の変化と共に、試料の数を増やすことも可能であり、例えば9以上、好ましくは10以上、より好ましくは11以上、及び例えば以下のシラン濃度を選択することも可能である:0%、1%、1,2%、1.3%、1,4%、1.5%、1.7%、1.8%、2.0%、2.2%及び2.4%又は同様の濃度。
次いで、ある量のシラン架橋可能なポリエチレンの試料、通常は4以上、好ましくは5以上、より好ましくは6以上の試料が、基準濃度のシラン、例えば上述のシラン濃度の一のシランと共に、過酸化物の濃度を変化させて製造する。適切な過酸化物の濃度は、例えば0.04%、0.06%、0.1%及び0.25%である。本方法のより高い精度が要求される場合には、過酸化物の濃度を変化させた試料の数を増やすことができ、例えば8以上、好ましくは9以上、より好ましくは10以上であり、及び、例えば以下の過酸化物濃度を使用することができる:0.04%、0.06%、0.07%、0.08%、0.15%、0.18%、0.2%、0.21%、0.25%及び0,3%。再度、これら特定の数は具体例に過ぎず、かつ他の数が等しく使用できる。上記の数について、優れた結果が達成された。
任意に、さらなる試料、好ましくは4以上、より好ましくは5以上又は6以上が調製され、上記シラン濃度及び過酸化物濃度の無作為な組み合わせが使用される。
上記試料の調製のために使用されるシラン化合物及び過酸化化合物の濃度は、好ましくは、本発明の方法により制御されるべきである、シラン架橋した(硬化した)ポリエチレンの商業的な製造方法において使用される過酸化物濃度及びシラン濃度と同じ範囲内にある。
上記生産された各試料に関して、制御された膜厚(例えば0.1から5mm、好ましくは0.5から3mm、例えば約2mm)のフィルムが、自体公知の方法、例えば通常の加熱圧縮で得られ、かつ各試料のIRスペクトルが測定される。各スペクトルから、0%シランの試料のスペクトルが引かれ、かつ全てのスペクトルがCH3ピークを用いて標準化される。各試料に関するIRスペクトルのあらかじめ定めた領域が、上述の範囲、例えば1200cm-1から1000cm-1の範囲で決定される。
上記各試料のシラン架橋可能なポリエチレンから、物品、特に成形物品、例えばパイプが製造され、かつ本発明により制御されるべき最終的な商業的方法、例えば(成形された)物品を95℃を超える水に、充分な時間、例えば2時間以上入れる方法と同じ方法で硬化させる。従来から確立した方法、例えば溶媒としてキシレンを用いるDIN16829又はASTMD2765に従って、各(成形された)物品のゲル含量が測定され、かつ該ゲル含量が、上記説明した各試料に関して決定されたIRスペクトルのピークの領域に対してプロットされる。該データポイントは、グラフ上で決定するか、又は通常の機械的方法、例えばシンプレックス法又は他の適切な回帰方法によって決定できる回帰曲線によって連結される。良好な結果が、シンプレックス法を用いて該データポイントに対して対数曲線を適合させることにより得られた。次いで、該回帰曲線は、高い精度でもって、製造する間のシラン架橋可能なポリエチレンの分析、及び最終的なシラン架橋した(硬化した)物品のゲル含量の予測に使用できる。無論、当業者に理解されるように、上記回帰曲線を得るための方法は、一回以上、好ましくは数日又は数週間の間隔で繰り返して該方法の精度を高めることができる。付加的なデータポイントを使用して、回帰曲線を向上させることもできる。
シラン架橋した(硬化した)ポリエチレンを製造する間に、あらかじめ規定した時間、例えば1時間ごと若しくは2時間ごとの後に、又はいくつかの方法の設定を変更した後に、試料は生産ラインから、例えばシラン架橋可能なポリエチレンの粒子から、又は硬化前の成形物品から、又は生産ラインの他の箇所から取られ、及び該試料は、例えば圧縮、押し出し又は他の適切な方法により、IR分光法で使用できる上記で説明したような膜厚を有する、薄いフィルムに加工処理される。次いで、このフィルムは、IR分光法により測定され、上で考察したように分析される。IRスペクトルにおいて測定された該領域から、最終製品のゲル含量を直接的に結論づけることができ、これにより優れた方法制御が可能となる。最終的に硬化した製品のゲル含量が、あらかじめ定めた許容範囲を、例えば±20%、好ましくは±10%、より好ましくは±5%外れていることを、該方法が示した場合、シラン架橋可能なポリエチレンは再利用でき、かつこれを硬化させて所望のゲル含量を見出す必要がない。さらには、該方法の特定の条件、例えばシランの濃度、フリーラジカル源、温度、処理時間等を調整し、シラン架橋可能なポリエチレンを修飾して、最終的に硬化した製品の所望のゲル含量を達成することが可能である。
回帰曲線を得るための方法を、シラン濃度及び過酸化物濃度の例示的な数を用いて説明してきたが、これらの数は制限されず、適切な濃度の例に過ぎないことを理解しなければならない。さらに、回帰曲線を得るための該測定を、フリーラジカル源としての過酸化物に関して説明してきたが、一方で、該方法はもちろん、本明細書の一般部において開示したような他のフリーラジカル源にも等しく適用できる。
本明細書において他に言及がない場合、パーセンテージ及び部はw/wに基づく。
本発明は、以下の例に関してより詳細に説明されるが、しかしながら以下の例は本発明を何ら制限することを意図しない。

商業的に、例えばBUSS AG社から入手可能である、シラン架橋可能なポリエチレンを調製するためのシングルスクリュー押し出し成型器中に、商標Eltexのもと、BP−ソルベイポリエチレン社から入手した高密度ポリエチレン(HDPE)を供給する。該HDPEは以下の特性を有していた:密度:0.940−0.945kg/m3;MFI2.16=3−5g/10’。
処理条件は、約50分のシラングラフトに対する反応時間が許容されるように設定された。ニーダー中の温度は160から200℃、かつ処理量は14kg/時間であった。
グラフト反応は、ビニルトリメトキシシラン及びフリーラジカル源としてジ−tert−ブチルペルオキシドを用いて行われた。
試料は、以下のシラン/過酸化物混合物の濃度の増加量を伴って製造された:
1.基準濃度(上述のものとして)
2.濃度増加量:+12%
3.濃度増加量:+38%
4.濃度増加量:+50%。
各試料から、Amut Extruder25L/D中で、6m/分の速度で、通常の架橋促進剤を含んだ高密度ポリエチレンマスターバッチ、例えばパダナプラスト(Padanaplast)により製造された商業上入手可能な触媒マスターバッチPOLIDAN Catalyst PSを5%使用して、パイプが製造された。
各パイプは、95℃の水のプールに48時間浸漬することにより架橋され、かつ架橋の分析がDIN16892に従って行われた。それにより、各試料についてゲル含量が測定された。
粒子がシラン架橋可能なポリエチレンの各試料から取られ、2mm厚のフィルムが通常のIR圧縮により製造された。透過スペクトルが、Perkin Elmer FTIR分光計を用いて各試料から得られた。標準的なFTIRソフトウェアを用いて、各スペクトルから、シラン0%の化合物に関するスペクトルが引かれ、かつ各スペクトルが、基準としてのCH3ピークを用いて標準化された。1200から1000cm-1の範囲における領域が測定された。
上記の4試料の標準化されたFTIRスペクトルが、図2に示されている。
各試料に関して、IRスペクトルの領域が決定され、かつゲル含量と相関された。以下の表は、各試料のゲル含量及び領域を要約する:
Figure 2007517086
回帰曲線として以下の関数が用いられた:
ゲル含量(%)=AxLN(IRスペクトルの領域)+B。
以下の生産において、シラン架橋可能なポリエチレンの品質が、上記回帰曲線を用いて決定され、回帰曲線からの逸脱が10%を超えない全てのシラン架橋なポリエチレンが許容されるものと考えられ、一方で、この範囲を外れたシラン架橋可能なポリエチレンは許容されないものと考えられ、かつ架橋された成形物品の調製に使用されなかった。これら許容されない生成物は、再利用可能であった。
95℃での、種々の硬化時間後のシラン硬化したポリエチレンのIRスペクトル。 シラン/過酸化物混合物の濃度の種々の増加量から得られた、シラン架橋可能なポリエチレンの標準化されたFTIRスペクトル。
符号の説明
1.基準濃度
2.濃度増加量:+12%
3.濃度増加量:+38%
4.濃度増加量:+50%

Claims (16)

  1. ポリエチレンが少なくとも一つのエチレン二重結合を含むシランでグラフトされ、シラン架橋可能なポリエチレンとなり、次いで該シラン架橋可能なポリエチレンが架橋(硬化)処理される、シラン架橋した(硬化した)ポリエチレンの製造方法であって、以下の処理工程を含むことを特徴とする方法:
    a)硬化工程の前に、試料をシラン架橋可能なポリエチレンから取り、
    b)該試料をフィルムに加工処理し、
    c)該フィルムを赤外分光法により分析し、
    d)IRスペクトルのあらかじめ定めた領域を決定し、次いで
    e)工程d)で決定した領域を、あらかじめ決定した回帰曲線を用いて、硬化工程後のシラン架橋したポリエチレン中のゲル含量と相関させる。
  2. 該ポリエチレンがポリエチレンホモポリマー又はエチレンと少なくとも一つの他のオレフィンとのコポリマーである、請求項1に記載の方法。
  3. 該他のオレフィンが、プロピレン、ブテン、オクテン、酢酸ビニル、(メタ)アクリレート及びこれらの混合物から選択される、請求項2に記載の方法。
  4. 少なくとも一つのエチレン二重結合を含むシランがビニルシランである、請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 該シランが、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン及びビニルメチルジエトキシシランから選択される、請求項4に記載の方法。
  6. 該IRスペクトルのあらかじめ定められた領域が、1150cm-1から1205cm-1の範囲における波数で開始し、かつ1000cm-1から1085cm-1の範囲における波数で終了する領域である、請求項1から5のいずれか1項に記載の方法。
  7. ポリエチレンを少なくとも一つのエチレン二重結合を含むシランとグラフトしてシラン架橋可能なポリエチレンとする方法が、フリーラジカル源の存在下で行われる、請求項1から6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 該フリーラジカル源が、過酸化物、ジアゾ化合物又はラジカルを生成する照射である、請求項7に記載の方法。
  9. 該シラン架橋した(硬化した)ポリエチレンが、少なくとも成形された製品の部分である、請求項1から8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 第一の段階において、ポリエチレンをフリーラジカル源及びシランと反応させ、シラン架橋可能なポリエチレンの粒子を得て、第二の段階において、シラン架橋可能なポリエチレンの粒子を任意に触媒と混合し、成形された製品に形成し、次いで熱と水を適用して硬化させる、請求項9に記載の方法。
  11. 工程a)における試料が、シラン架橋可能なポリエチレンの粒子から取られる、請求項10に記載の方法。
  12. 工程e)において使用される回帰曲線が、以下の手順に従って得られる、請求項7から11のいずれか1項に記載の方法:
    A)シラン架橋可能なポリエチレンの試料が、基準となる濃度のフリーラジカル源と変化させた濃度のシランを含むポリエチレンから製造され、
    B)シラン架橋可能なポリエチレンの試料が、基準となる濃度のシラン及び変化させた濃度のフリーラジカル源を含むポリエチレンから製造され、
    C)任意にシラン架橋可能なポリエチレンの試料が、変化させた濃度のフリーラジカル源及び変化させた濃度のシランを含むポリエチレンから製造され、
    D)上記A)、B)及び任意にC)で製造された各試料が硬化され、次いで硬化された製品のゲル含量が測定され、
    E)上記A)、B)及び任意にC)で製造された各試料について、制御された膜厚のフィルムが得られ、かつIR分光法が行われ、
    F)上記工程E)において得られた各スペクトルから、シランを用いずに製造した試料のスペクトルが引かれ、かつ得られたスペクトルが標準化され、
    G)各標準化されたスペクトルのあらかじめ定められた領域が決定され、
    H)工程G)の領域が、工程D)で得られた対応する硬化した製品のゲル含量と相関され、かつ回帰曲線がこれらのデータに基づいて計算される。
  13. 工程A)において、シラン濃度が0%の1つの試料及び変化させたシラン濃度を有する5以上の試料が製造される、請求項12に記載の方法。
  14. 工程B)において、変化させた濃度のフリーラジカル源を有する5以上の試料が製造される、請求項12又は13に記載の方法。
  15. 工程C)が行われ、かつ変化させた濃度のシラン及びフリーラジカル源を有する5以上の試料が製造される、請求項12から14のいずれか1項に記載の方法。
  16. ポリエチレンが過酸化物及びビニルシランと高い温度で反応して、シラン架橋可能なポリエチレンとなる方法において、シラン架橋したポリエチレンの成形された製品の品質を制御するための以下の手順の使用:
    a)試料をシラン架橋可能なポリエチレンから取り、
    b)該試料をフィルムに加工処理し、
    c)該フィルムを赤外分光法により分析し、
    d)IRスペクトルのあらかじめ定めた領域を決定し、次いで
    e)工程d)で決定した領域を、あらかじめ決定した回帰曲線を用いて、シラン架橋したポリエチレンの成形した製品のゲル含量と相関させる。
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