JP2007503195A - リラクタンスモータ - Google Patents

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Abstract

【課題】リラクタンスモータを改良することを目的とする。
【解決手段】リラクタンスモータ(1)が回転子(3)と固定子(6)とを有する。固定子コア(12)は巻線コア(11)を有しかつ積層された固定子ラミネート片からなる。固定子ラミネート片(22)の少なくとも1枚が固定子コア(12)のベース領域の全面を占めておらず、それにより生じる欠落領域(25)が固定子コアの外周縁と連続している。
【選択図】図1

Description

本発明は、第1には回転子と固定子とを備えたリラクタンスモータに関し、固定子が巻線コアを有しかつ積層された固定子ラミネート片から形成されたものに関する。
課題とするこの形式のリラクタンスモータは公知である。これらに用いられる固定子は、固体部品、または積層された固定子パッケージのいずれかとして形成されている。後者の場合、個々の固定子ラミネート片は金属シート型抜き部品として形成される。
独国特許出願公開第100 35 540号公報
本発明が解決しようとする上述の従来技術に関する技術的問題点は、リラクタンスモータをさらに改良することであり、特に積層された固定子ラミネート片から形成される固定子構造を改良することである。
上記の問題点は、先ず、請求項1の構成により解決される。その構成は、固定子ラミネート片のうち少なくとも1枚が固定子コアのベース領域より小さい領域を占め、かつその延長部分に形成された欠落領域が固定子コアの外周縁に連続している。この構成としたことにより、固定子ラミネート片が型抜きされる金属シートをさらに有効に利用することが実現される。先ず、内側形状、すなわち固定子と相互作用する回転子側に対向する形状は、実質的にリラクタンスモータの動作のためにそのまま維持されている。これは、固定子コアのベース領域を完全に占めてはいない固定子ラミネート片の領域においても同様である。この結果、この本発明の手法は、リラクタンスモータの機能的特性に対して何ら影響を及ぼさない。そればかりでなく、その延長部分に形成された欠落領域は、第1に、モータ装着において固定子を固定する働きをする外周縁に連続している。固定子は固定されるので、すなわち回転しない部品であるので、形成される欠落領域もまた、不均衡等のいかなる影響も及ぼさない。
さらに、本発明による固定子ラミネート片の構成とする結果、この固定子ラミネート片が、積層された固定子パッケージの最上層ラミネート片または最下層ラミネート片として配置されたとき、カバー形態で固定子の平坦面側を覆うブリッジの外側形状に適応させることができる。さらに、積層された固定子コアにおける多数のラミネート片が、各々、積層された固定子ラミネート片により形成される固定子コアのベース領域より小さい領域を占め、その部分に形成された固定子ラミネート片の欠落領域がまた固定子コアの外周縁に連続することも可能である。
本発明の構成の発展形態として、固定子ラミネート片から形成される固定子コアが、巻線コア間に延在する固定子コアブリッジの領域と比較して、回転子に対向する巻線コアの領域において径方向に拡大されて形成された形態がある。このように形成された固定子は、特に、固定子の剛性において有利である。
本発明はさらに、回転子と固定子を備えたリラクタンスモータであって固定子が巻線コアを有するものに関する。課題とするこの形式のリラクタンスモータは、特許文献1から公知である。リラクタンスモータの作動中、巻線コアが、回転している回転子の回転子セグメントの真反対側に位置するとき、非常に大きな径方向内側に向かう力が発生する。この望ましくない状況に対処するために、本発明では、巻線コアの領域において固定子コアが、巻線コア間に延在する固定子コアブリッジに比べて径方向に広く形成されている。本発明のこの構成の結果、固定子の剛性が、特に巻線コアの領域おいて向上するため、回転している回転子コアの回転子セグメントの真反対に巻線コアが位置するときに生じる非常に強い径方向内側に向かう力を吸収することができる。剛性の向上の他にも、固定子の外周面がより大きくなるため、さらに好ましい冷却効果が得られる。この点に関して、さらに、固定子が積層された固定子ラミネート片から形成されかつ固定子ラミネート片の少なくとも1枚が固定子コアのベース領域より小さい領域を占め、そしてその延長部分に形成された欠落領域が固定子コアの外周縁に連続している。このことは、特に固定子ラミネート片の作製において有利であり、金属シートから型抜きにより切り出される。積層された固定子コアにおける1または多数の固定子ラミネート片の欠落領域は、好適には固定子の径方向の拡大部分から離れて配置され、より好適には固定子コアブリッジの領域に配置される。
本発明の次の特徴は、それ自体が重要であるばかりでなく、請求項1の構成および請求項3の構成に関連している。固定子ブリッジは、2つの巻線コア間の周方向途上において最小の径厚さをもつように設けられる。拡大部分における固定子の径方向厚さは、固定子ブリッジの領域における径方向厚さの約1.2〜1.7倍に相当し、好適には約1.5倍である。固定子コアにおける径方向の拡大部分は、好適には、巻線コアの反対側に径方向外側に突出して厚さを増すことにより形成される。この厚さの拡大部分は、固定子と一体化された部分、または、巻線コアを形成する積層された固定子ラミネート片と一体化された部分である。好適には、厚さ拡大部分が径方向に平行な対の側面を具備し、これらの側面の間の空間が、径方向内側に突出した対応する巻線コアの同じ方向に計測した幅よりも広くなるように選択される。平行な側面間で計測されたこの厚さ拡大部分の幅は、対応する巻線コアの幅の約1.2〜1.7倍に相当し、好適には約1.5倍である。この厚さ拡大部分は、輪郭においてほぼ長方形である径方向突起として形成してもよい。この点に関して、厚さ拡大部分はその自由端縁が凹面で形成されていることが好適であり、例えば、その半径が5〜15mm、好適には9mmである。
本発明のさらに好適な構成では、固定子コアを形成する固定子ラミネート片の各々が固定子コアのベース領域よりも小さい領域を占めているが、互いに同一となるように形成されている。これにより、特に、固定子ラミネート片の型抜きに関して有利となる。なぜなら、固定子を作製するために必要な全ての固定子ラミネート片を、同じ型抜き成型機を用いて型抜きできるからである。固定子コアのベース領域は多角形であることが好適であり、周方向において固定子ラミネート片が1つおきの角部を占めるとともに、それに続く角部において欠落領域をもつ。角部を占める固定子ラミネート片の部分は、それらが積層されたときに前述の厚み拡大部分を形成する。固定子コアの高さ方向においては、固定子ラミネート片の各々が、交互に角部を形成するかまたは欠落領域を設けるように角部において配置されることが好適である。これは、互いに同一の固定子ラミネート片を一層毎にかど部を周方向にずらすことにより好適に実現される。本発明のこの構成の結果、個々の固定子ラミネート片を積層することにより巻線コアの領域において径方向に拡大された固定子が得られる。この点に関し、型抜きに用いられる金属シートの幅をさらに広くして廃棄物の量が増すことを避けるために、各々において2つの対向する平行な辺上において対応する固定子輪郭の拡大部分を設けない、すなわち欠落領域とすることが好適である。しかしながら、固定子ラミネート片は、循環するように一層毎に交互に配置され、それにより究極的には、より狭い領域すなわち固定子コアブリッジにおいてさえ同じ剛性が得られる。より剛性の高い回転子は別として、より大きな外側表面が得られることにより、より好ましい冷却効果が得られる。
さらに、金属シートのロール厚さの違いもまた、この方法で相殺されるという利点がある。さらに、重量の節減という利点もある。固定子ラミネート片の層毎の循環的な交互配置および、欠落領域を具備する固定子ラミネート片の上および下に配置された2枚の固定子ラミネート片の角部を形成する2つの領域間において固定子ラミネート片の欠落領域が設けられることにより、自由に突出する金属シート舌状部としての厚い突起の形状を形成する効果があり、このような構成は1つおきの固定子ラミネート片により形成される。このことは、冷却に関しても特に有利であることが判明した。
各固定子ラミネート片の輪郭は、固定子コアブリッジの領域において、この金属シート突起状の固定子パッケージの構成もまた、少なくとも部分的には得られるように選択されることが好適である。
さらに、焼成ワニスでコーティングされた固定子ラミネート片により安定性の向上も得られる。同様にして形成された焼成ワニスラミネート片は、両面上の絶縁層に加えて、焼成ワニス層も具備し、これは温度上昇(焼成)に曝されると接着状態へ変移する。同様にして、固定子ラミネート片を接着剤により互いに結合してもよい。有利な方法においては、これにより共鳴特性における好ましい影響も得られる(ピークが減少する)。
さらに、固定子ラミネート片は、ネジ接続により互いに保持される。特に、接着による結合がなされていないとき、固定子ラミネート片は、ネジ接合を用いて非積極的な係合で互いに接合されてもよい。好適には、固定子ラミネート片が、周方向に均等に分布した4つのボルトを用いて固定される。しかしながら、固定子ラミネート片の好適な一体的構造および周方向における連続的な固定子ラミネート片のさらに好適な循環的交互配置は、ボルトを受容するための8個の孔が設けられることを意味する。
成型部分の安定性を増しかつ精確さを得るための更なる手段は、パックスタック型抜きにより形成される固定子ラミネート片により実現される。これは、固定子ラミネート片の好適な箇所にくぼみを形成する工程を含む。結果的に反対側に形成される突起が、下側の固定子ラミネート片のくぼみに嵌合する。このように固定子ラミネート片が互いにねじれないような方法で固定されること以外に、この構成によって、積層された固定子パッケージの製造中に固定子ラミネート片が互いに堅く結合される。
本発明の更なる構成においては、径方向外側に突出する厚さ拡大部分に緩衝部材を装着する。この緩衝部材により、固定子がさらに好適にモータ装着部に装着される。これにより、緩衝部材およびモータ装着部とともに作用する本発明による固定子の外周形状によってねじれ防止手段が形成される。緩衝部材は、好適には、例えばTPE等の軟質プラスチックからなる。この結果、振動ノイズの減衰効果が向上する。さらに、これらの緩衝部材はまた、輸送等の間における落下事故からの保護にもなる。
本発明の好適な構成では、緩衝部材が靴状に形成され、そして好適には、ストップ制止方式で厚さ拡大部分を超えて幅広側から押し込まれる。このような緩衝部材は、各厚さ拡大部分に取り付け可能であり、厚さ拡大部分の数は巻線コアの数に対応する。しかしながら、例えば緩衝部材を1つおきの厚さ拡大部分に取り付けてもよい。
ブリッジは固定子コアの上側および下側に配置され、ブリッジは周方向に好適には対称的に分布した部分を設けられ、その部分ではブリッジが固定子コアの周縁と同じラインに沿っている。これらの部分は、より好適には実質的にカップ状のブリッジから突出し、より好適にはブリッジを固定子上に固定する働きをもち、そのために、固定子ラミネート片を互いに保持するネジ接続を用いることが可能である。
上述のように、好適には周方向に均等に分布された4つのネジ接続が設けられ、固定子の厚さ拡大部分に設けられる。従って、ブリッジは、周方向に均等に分布した4つの部分を具備する。固定子コアの上側および下側に配置される1または2つのブリッジは同時に、固定子コア内で自由に回転する回転子の装着部の役割も果たす。
ブリッジの中心決めは、固定子の貫通孔およびブリッジの上記部分により行われる。これらは固定ボルトの直径に比べて大きい直径をもち、これらを固定ボルトが通過する。こうして実現されるブリッジの位置決めは、ボルトが締結冴える前に好適な許容範囲で行われる。例えば、ボルトの直径に対して孔の直径が10〜15%、好適には約12%ほど大きい。得られたブリッジの中心位置を固定するために、ブリッジは固定子コアに摩擦係合の形態で接続される。このために、この摩擦係合は、特殊な表面処理を用いて行われることが好適である。例えば、鋸歯状仕上げで仕上げることである。この本発明によるブリッジの精確な中心決め固定の結果、回転子のためのボールベアリングの台座の製造誤差を補償することができる。
この点において、ブリッジがさらに中心軸上の円筒部分を有し、これが軸の停止なしにボールベアリングを受容する。好適には、ボールベアリングが接着により軸上の円筒部分に固定される。固定子に対してブリッジをネジ接続する際に、固定子上に載置されるブリッジの周縁接触ラインに対する一定の力の伝達を確保するために、ブリッジの外周縁の断面が水平ラインに対して鋭角となるよう設けられる。つまり、回転子の回転軸に垂直な面である。製造技術の面から特に有利な構成は、双方のブリッジすなわち固定子コアの上側に配置されるブリッジと、固定子コアの下側に配置されるブリッジとが、実質的に同じ形状で形成される。
図1および図2を参照して、リラクタンスモータ1について説明する。リラクタンスモータ1は、実質的に回転子軸部材2上に装着可能な回転子3と、回転子軸部材2上に同様に装着可能でありかつ回転子3に回転可能な固定形態で回転子3に接続可能なセンサディスク4と、上記回転子に関して回転可能な固定形態でセンサディスク4から反対側で回転子3の側に設置可能なファン5と、固定子コイル(図示せず)を収容するための2部品の固定子被覆体7をもつ固定子6と、固定子6の両側に固定可能であり回転軸部材2の端部を軸支する2つのブリッジ8、9とを有する。
図示のリラクタンスモータ1は、いわゆる8/6リラクタンスモータであり、従って6個の回転子セグメント10と、固定子コイル(詳細には図示せず)をもつ8個の巻線コア11を具備する固定子6とを有する。
固定子6の固定子コア12は実質的に環形状で多角形の輪郭で形成され、図示の実施例では実質的に六角形形状で形成されている。2つの隣接する角部領域を接続する各コア部分には、径方向内側に向いたコア11がある。コア11は、固定子軸xの径方向において互いに平行な対の平坦面13をもつ。平坦面13同士の間隔が巻線コアの幅bを規定する。図示の実施例では幅bは約11mmである。
各巻線コア11の径方向内側端面14は、固定子軸xに対する半径をもつ円弧の形状をもつ。
平坦面13から端面14への移行領域において、固定子軸に平行な溝状凹部15が平坦面13内に設けられている。
巻線コア11に対し径方向において、固定子6は幅広となっており、そのために径方向外側に突出する厚さ拡大部分16が巻線コア11の反対側に形成されている。この厚さ拡大部分は径方向において互いに平行な対の平坦面17を具備し、その間隔は幅bである。図示の実施例では幅b2は約16mmであり、平坦面17同士の間の仮想的な中心線は、固定子軸xの方向の延長上に存在する。これは、巻線コア11に関係する平坦面13同士の間の中心配置と同様である。
図示の実施例では、厚さ拡大部分16の領域において径方向に計測した固定子コア12の厚さdは約14mmである。一方、これらの径方向に拡大した2つの領域同士を接続する固定子コアブリッジ18の領域においては、径方向厚さdは10mmである。これにより、固定子コアブリッジ18の領域に形成される固定子の外周縁に対して約4mmの厚さ拡大部分16の径方向突起を形成する。
図示の通り、固定子6は8個の巻線コア11を有し、それらは周方向に均等に分布配置されており、よって8個の均等に分布配置された厚さ拡大部分16も有する。従って、隣り合う2つの厚さ拡大部分16は周方向に45°の角度αをなしている。
厚さ拡大部分16の自由端面19は凹形状であり、図示の例では半径9mmで設けられている。
端面19から両平坦面17への移行部分並びに両平坦面17から隣接する固定子コアブリッジ18の外周縁への移行部分の双方は、丸められているかまたは面取りされている。
図7に示される固定子6の輪郭表示に関し、2つの巻線コアの間に延在する固定子コアブリッジ18の領域において、外周縁20が固定子軸xに対する仮想的な半径方向の線に対し垂直に延在し、この半径方向の線は固定子コアブリッジ18の外周縁の線の中央で交差している。なお、固定子コアブリッジ18は、固定子コア内壁上の固定子6の内側多角形の角領域を通っている。
各厚さ拡大部分16において、そして結果的には各巻線コア11において、貫通孔21が設けられている。この貫通孔は固定子軸xに平行に固定子6に設けられ、その軸は、巻線コア11および厚さ拡大部分16の中央を通るラインu上にある。さらに、貫通孔21は厚さ拡大部分16の脚部に設けられる。図示の実施例の貫通孔21の直径は、約6.5mmである。厚さ拡大部分16または巻線コア11の数に対応するように、8個の貫通孔21が設けられ、周方向に均等に分布配置されている。
固定子6は積層された互いに同一形状の固定子ラミネート片22から形成されている。このような固定子ラミネート片22は図5に示されている。固定子ラミネート片22は、金属シートから型抜きされ好適には約0.5mmの厚さである。
特に図5から明らかな通り、固定子ラミネート片22の外側形状は、破線で表された積層された固定子ラミネート片22により形成される固定子6の外側形状23とは一致しない。厚さ拡大部分16(以下、角部24と称する)は、その全てが1つの固定子ラミネート片22に形成されているのではない。その替わりに、固定子ラミネート片22は、その外周において、厚さ拡大部分16を形成するための充填角部24と、周方向において角部24に続く欠落領域25とを交互に有する。この欠落領域25も、完成した固定子6上では厚さ拡大部分16を同様に形成する。従って、この更なる角部24においては、厚さ拡大部分16が省略されている。その替わりにこの領域には角部領域外周縁26が設けられており、角部領域外周縁26は、対応する巻線コア11の両平坦面13の中央を通るラインuに対して垂直であり、角部領域外周縁26の両端は、両隣の固定子コアブリッジ18の外周縁上を通る。中央線uと角部領域外周縁26とが交差する領域においては、半円の切り欠き27が設けられ、これは前述の貫通孔21に適応しかつ揃えられている。
上述の配置に対応する方法においては、1枚の固定子ラミネート片22に対して4個の、厚さ拡大部分をもつ角部24が存在する。それらの角部24は円周上に均等に分布しており、それらの厚さ拡大部分をもつ角部の間には、欠落領域25をもつ角部24が存在する。
固定子コア12の所望するベース領域を得るために、図7に示すように、固定子ラミネート片が、各層毎に角部24の分だけ周方向にずらして配置されている。これにより、厚さ拡大部分16をもつ角部24はその下層の固定子ラミネート片22の欠落領域25上に配置され、そして上層の固定子ラミネート片22の欠落領域はその下層の固定子ラミネート片22の厚さ拡大部分16の角部24上に配置される(図7参照)。このように配置される結果、積層された固定子ラミネート片22が循環的に一定ベースで層毎に交互配置されることになり、その周方向およびベース領域に関して均一な固定子コア12が形成される。
積層された固定子ラミネート片22のずらし配置には、冷却フィンに類似した金属シート舌状部分を形成する効果がある。特に、厚さ拡大部分16の領域においてであるが、隣り合う固定子コアブリッジ18の領域もまたそうである。固定子ラミネート片22から形成されているこれらの部分は、関連する欠落領域25により上層および下層との間に空隙が設けられる。この構成とした結果、固定子コア12の安定性が向上すると同時にその冷却効果が改善された。
積層される固定子ラミネート片22は、互いに接着により結合するために一方の面に焼成ワニス層を具備する。
互いに回転するように固着させかつ互いに有限の連係をもつような方法で固定子ラミネート片22を配置するために、固定子ラミネート片22はパックスタック型抜きにより形成される。このために、固定子コアブリッジ18の領域の各々にくぼみ28が設けられる。その結果、固定子ラミネート片22の反対側に形成される突起が、下側の固定子ラミネート片22のくぼみ28に嵌合する(図9参照)。
形成された厚さ拡大部分16もまた、軟質プラスチックからなる緩衝部材29を受容する役割も果たす。このような緩衝部材29は、図3に概略的に示されている。これは、靴の要領で形成されており、厚さ延長部分16の断面にほぼ相当する開口断面を有する。緩衝部材29は、固定子軸xに平行に揃えられ、一方の側から押されて固定子コア12の上側または下側から厚さ延長部分16上に押し込まれる。好適には、全ての8個の厚さ延長部分16がこのような緩衝部材29を設けられ、このようにして、固定子6はモータ装着部(図示せず)内に装着される。
固定子コアの上側または下側に設けられるブリッジ8および9は、実質的にカップ状であり、固定子コア12の内周縁形状に抵抗する六角形の輪郭と、カップ壁上に周方向に対称的に分布して脚部が形成されている径方向外側への突出部分30とを有する。これらのラグ状部分30は、固定子コア12上にブリッジ8または9を固定するためのものである。
さらに、ラグ状部分30は、少なくとも部分的に固定子コアの関連する周縁と同じラインに沿って、特に、ブリッジ8または9と直接関係する最上部の固定子ラミネート片22の周縁と同じラインに沿って延在するような輪郭で形成される。
さらに、ラグ状部分30は中心孔32を具備し、これらの孔は固定子コア12の貫通孔21の直径に適応している。
ブリッジ8または9を摩擦係合にて固定子コア12に固定するために、ラグ状部分30の下側および、さらにはラグ状部分30同士の間に延在する鍔部32の下側が、鋸歯状仕上げで形成される。
さらに、ラグ状部分30とそれらの間に配置される鍔部32とで形成されるブリッジの外周縁33は、断面が矢の形状であり、それによりこの外周縁33は、固定子コア12の関連する面に対して断面において鋭角で延在する。従って、ブリッジの外周縁33は、固定子コア12の関連する面から径方向外側に向かって離れるように切り欠かれている。
ブリッジ8および9を固定し、かつ非積極的に係合した状態で固定子ラミネート片22を互いに接続するために、貫通孔21すなわちラグ状部分30の中心孔31の直径より小さい直径のクランプボルト34をブリッジ8および9の周方向に均等に分布した4つのラグ状部分30に通し、さらに固定子コア12の関連する4つの貫通孔21にも通す。このようにして、ブリッジ8および9の固定子12に対する精確な中心決めが可能となる。
やや矢の形状で上方に向かって延びるブリッジ8および9のラグ状部分30には、クランプボルト34を用いて固定する際に、カップ状のブリッジ8または9の内側ベースラインを介して力を伝達する効果がある。
さらに、各ブリッジ8、9が中心軸円筒35を具備し、これは、軸停止なしに回転子軸部材2を装着するためのボールベアリングを受容する。ボールベアリング(詳細には図示せず)は、円筒部分35に接着により固定される。
以上、本発明に関する全ての特徴が開示された。優先権書類(先の特許出願の複写)に関連しまたは添付された開示内容もまた、本願の特許請求の範囲にこれらの書類の特徴を包括させる目的を含めて本願の開示に全て包含されるものとする。
本発明のリラクタンスモータの組み立て斜視図である。 リラクタンスモータの斜視展開図である。 固定子自体の斜視図であり、固定子の厚さ拡大部分に取り付け可能な緩衝部材を概略的に示す図である。 図3のIV領域の拡大図である。 破線で示す固定子の外周縁形状をもつ固定子ラミネート片の平面図である。 同一に形成されるが層から層へと周方向にずれている4枚の固定子ラミネート片の積層の斜視展開図である。 固定子ラミネート片を積層することにより形成される固定子の平面図である。 ダンピング素子を連結した図7のVIII−VIIIラインに沿った断面図である。 図7のIX−IXラインに沿った拡大断面図である。

Claims (25)

  1. 回転子(3)および固定子(6)と、巻線コア(11)を具備しかつ積層された固定子ラミネート片(22)から形成される固定子コア(12)とを有するリラクタンスモータにおいて、前記固定子ラミネート片(22)の少なくとも1枚が前記固定子コア(12)のベース領域より小さい領域を占めかつその延長部分に形成される欠落領域(25)が前記固定子コアの外周縁に連続していることを特徴とするリラクタンスモータ。
  2. 前記固定子ラミネート片(22)から形成される前記固定子コア(12)が、前記巻線コア(11)の領域において該巻線コア(11)同士の間に延在する固定子コアブリッジ(18)に比べて拡大されて形成されていることを特徴とするリラクタンスモータ。
  3. 回転子(3)および固定子(6)と、巻線コア(11)を具備する固定子コア(12)とを有するリラクタンスモータにおいて、前記固定子コア(12)が、前記巻線コア(11)の領域において前記巻線コア(11)同士の間に延在する固定子コアブリッジ(18)に比べて径方向に拡大されて形成されていることを特徴とするリラクタンスモータ。
  4. 前記固定子コア(12)が積層された固定子ラミネート片(22)から形成され、かつ少なくとも1枚の前記固定子ラミネート片(22)が前記固定子コア(12)のベース領域より小さい領域を占めかつその延長部分に形成される欠落領域(25)が前記固定子コアの外周縁に連続していることを特徴とする請求項3に記載のリラクタンスモータ。
  5. 前記固定子コアブリッジ(18)が2つの巻線コア(11)の間の周方向途上において最小の径方向厚さ(d1)をもつことを特徴とする請求項2に記載のリラクタンスモータ。
  6. 径方向外側に突出する厚さ拡大部分(16)が巻線コア(11)の反対側に形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のリラクタンスモータ。
  7. 前記厚さ拡大部分(16)が径方向に平行な一対の側面(17)を有することを特徴とする請求項6に記載のリラクタンスモータ。
  8. 前記厚さ拡大部分(16)がその自由端(19)において凹形状であることを特徴とする請求項6または7に記載のリラクタンスモータ。
  9. 前記固定子コア(12)を形成する前記固定子ラミネート片(22)の各々が、固定子コア(12)のベース領域より小さい領域を占め、かつ互いに同一形状で形成されることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のリラクタンスモータ。
  10. 前記固定子コア(12)のベース領域が多角形であり、その周囲において固定子ラミネート片(22)が交互1つの角部(24)を充填しかつその次の角部(24)において欠落領域(25)となることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のリラクタンスモータ。
  11. 前記固定子コア(12)の高さ方向において、固定子ラミネート片(22)の各々が、交互に角部(24)を形成しまたは欠落領域(25)となるように角部(24)に配置されることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載のリラクタンスモータ。
  12. 前記固定子ラミネート片(22)が互いに同一形状でありかつ周方向において一層ずつ角部(24)だけ互いにずれていることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載のリラクタンスモータ。
  13. 前記固定子ラミネート片(22)が焼成ワニスで被覆されていることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載のリラクタンスモータ。
  14. 前記固定子ラミネート片(22)が互いに接着により接合されていることを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載のリラクタンスモータ。
  15. 前記固定子ラミネート片(22)がネジ接続により互いに保持されていることを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載のリラクタンスモータ。
  16. 前記固定子ラミネート片(22)がネジ接続により非積極的に接続されることを特徴とする請求項1〜15のいずれかに記載のリラクタンスモータ。
  17. 前記固定子ラミネート片(22)がスタックパック型抜きにより形成される請求項1〜16のいずれかに記載のリラクタンスモータ。
  18. 前記径方向外側に突出する厚さ拡大部分(16)がモータ装着部内において緩衝部材(29)を搭載することを特徴とする請求項6〜17のいずれかに記載のリラクタンスモータ。
  19. 前記固定子(6)がモータ装着部内において前記緩衝部材(29)を用いて装着されることを特徴とする請求項18に記載のリラクタンスモータ。
  20. 前記緩衝部材(29)が軟質プラスチックであることを特徴とする請求項18または19に記載のリラクタンスモータ。
  21. 前記緩衝部材(29)が靴形状で形成されることを特徴とする請求項18〜20ののいずれかに記載のリラクタンスモータ。
  22. ブリッジ(8,9)が前記固定子コア(12)の上側および下側に配置されかつ、前記ブリッジ(8,9)が周方向に分布された複数の部分(30)を具備し、その部分において前記ブリッジ(8,9)が前記固定子コア(12)の外周縁と同じラインに沿って延在することを特徴とする請求項1〜21のいずれかに記載のリラクタンスモータ。
  23. 前記ブリッジ(8,9)が摩擦係合により前記固定子コア(12)に接続されることを特徴とする請求項22に記載のリラクタンスモータ。
  24. 前記ブリッジ(8,9)が中心軸円筒部分(35)を有し、この中心軸円筒部分が軸停止なしにボールベアリングを受容することを特徴とする請求項22または23に記載のリラクタンスモータ。
  25. 前記ブリッジの外周縁(33)が断面において水平線に対して鋭角で延在することを特徴とする請求項22〜24のいずれかに記載のリラクタンスモータ。
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