JP4568983B2 - 電動機の回転子およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電動機の回転子に係わり、より詳細には、回転子の振動を抑制するようにした回転子と、同回転子に備えられた回転軸に装着される軸受の内輪と回転軸とのクリープを防止するクリープ防止部材とを備えた電動機の回転子とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電動機の回転子は、例えば図5および図6に示すように、回転中心となる回転軸61に固定した回転支持体(コア)62と同コア62の外周側に配置した永久磁石63との間に回転軸61の軸方向から緩衝部材(ゴム)64、65を挿入し、回転軸61の軸方向から鉄板66、67を添えるとともに、ピン68を鉄板66、67およびゴム64、65に貫通してストッパ69で止めている。
【0003】
このため、鉄板66、67がゴム64、65を内部に押し込むことから、ゴム64、65が膨らみ永久磁石63がコア62に保持される。また、ゴム64、65によって永久磁石63の両端部(図5の左右方向)が押さえ込まれる。
上記回転子の構成によれば、ゴム64、65によって永久磁石63をコア62に保持することが出来る。しかもこの場合、永久磁石63の回転による振動がゴム64、65によって吸収されることになり、その振動がコア62および回転軸61に伝わらず、防振効果や偏心防止効果が発揮される。
【0004】
具体的には、特開平7−32841の公報を参照されたい。
その公報によれば、ゴム64、65の緩衝部材を回転軸61の軸方向から挿入するために同緩衝部材を2分割し、同緩衝部材の挿入を容易にしている。しかも、2分割した緩衝部材の形状によって同緩衝部材と永久磁石63との接触部、同緩衝部材とコア62との接触部のずれによる回転子の偏心、傾きを防止するようにしている。
【0005】
しかしながら、上記電動機の回転子においては、永久磁石63をコア62および回転軸61に保持し、また回転子の防振、偏心や傾きを防止するために、2つのゴム64、65、2枚の鉄板66、67、ピン68およびストッパ69が必要とされ、部品点数の多い複雑な構造になっているため、製造コストがかさむという欠点があった。
【0006】
さらに回転軸61に取付られるファンやポンププランナー等を負荷とした場合には、その負荷の固有振動数が同回転軸61のねじれ固有振動数と一致し、同固有振動数が共振振動数となるのを避ける必要があるときには、大きな設計変更を伴うことがあり、最悪電動機の設計をやり直す必要に迫られることがある。
【0007】
また従来の回転子は、同回転軸61を軸支するために回転軸61両端方向から転がり軸受83が挿入され、同転がり軸受83の内輪83aと回転軸61とのクリープを防止するため、Oリング84を装着する場合が多い。その構造と製造方法を図7の斜視図を用いて説明する。
Oリング84は予め可塑状態のゴムを金型により成形して一つの部品として製造され、回転軸61は予め切削などの方法で溝61aが形成されている。最初に回転軸61の端面側よりOリング84を回転軸61に挿入して溝61aに嵌着させる。Oリング84の内径は溝61aの内径とほぼ一致し、Oリング84の外径は転がり軸受の内輪83aの内径よりやや大きくなっている。
次に内輪83aを回転軸61の端面側よりOリング84の位置まで挿入すると、Oリング84の外径が内輪83aの内径の大きさに収縮し、反発力で内輪83aと回転軸61との摩擦を増加させてクリープを防止する。
【0008】
しかしながら、機械によるOリング84の自動装着は非常に困難であり、人手による作業は手間がかかりコストアップとなっていた。そこで、回転子の成形と同時にOリングのようなクリープ防止部材を成形する製造方法が望まれていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は以上述べた問題点を解決し、回転子の防振等を少ない部品で実現して電動機の低コスト化を図ると共に、負荷に伴う回転軸のねじれ振動の共振を容易に避け、種々の製品への適応に優れ、信頼性を向上させることができるようにするとともに、回転軸とクリープ防止部材とを一体成形する電動機の回転子およびその製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記問題点を解決するため、回転磁界を発生する固定子の内側に配置され、中心に回転軸と外周部に永久磁石とを備えた回転子の、前記回転軸を軸支する転がり軸受の内輪と前記回転軸の外周に形成された環状の溝との間にクリープ防止部材が配設された電動機の回転子において、
外周をリング状の永久磁石とし、同永久磁石の回転中心と同心に円柱状の回転軸を配置し、同回転軸と前記永久磁石との間の空間、および前記溝内に所定硬度の特殊ゴムを充填して加硫接着し、同特殊ゴムの成形により前記永久磁石、前記回転軸および前記特殊ゴムからなる緩衝部材とを一体成形するとともに、前記回転軸と前記特殊ゴムからなる前記クリープ防止部材とを一体成形する。
【0011】
前記回転軸と前記永久磁石との間の空間および前記回転軸の前記溝内に前記特殊ゴムを充填して加硫接着する際、前記緩衝部材と接触する前記永久磁石および前記回転軸の所定箇所と前記溝に接着剤を塗布し、あるいは前記永久磁石のみに接着剤を塗布し、前記回転軸側については焼付けとし、前記緩衝部材を介して前記永久磁石と前記回転軸、および前記クリープ防止部材と前記溝とを固定する。
【0012】
前記永久磁石の内周には前記回転中心に向けた凸部を円周方向に等間隔に複数個形成し、あるいはその凸部を1周全体の鍔状に形成する。
【0013】
前記特殊ゴムはクロロプレンゴムであり、同特殊ゴムからなる前記緩衝部材には、前記回転軸に平行な孔あるいは前記回転子の両端側にくぼみを成形する。
【0014】
前記クリープ防止部材の前記回転軸方向の厚みを、前記転がり軸受の厚みのおおよそ1/2以下にする。
【0015】
前記クリープ防止部材の外径を、前記転がり軸受の内周より若干大きくする。
【0016】
前記クリープ防止部材の前記回転軸の端面方向側角部に面取を施す。
【0017】
回転磁界を発生する固定子の内側に配置され、中心に回転軸と外周部に永久磁石とを備えた回転子の、前記回転軸を軸支する転がり軸受の内輪と前記回転軸の外周に形成された環状の溝との間にクリープ防止部材が配設された電動機の回転子において、
予め外周に位置する永久磁石をリング形状に成形し、同永久磁石と回転中心に位置する円柱状の回転軸とを金型内に同心状に配置し、かつ、前記金型について前記永久磁石と前記回転軸との間を第一の空間としてなり、
予め設けられた前記溝と、前記回転軸とを円柱形に取り囲む前記金型との間を、前記転がり軸受の内径より若干大きい径を有する、前記クリープ防止部材が成形される第二の空間としてなり、
同空間と、前記第一の空間とをつなぐ通路を設け、前記第一の空間に所定硬度の特殊ゴムを充填して加硫接着し、前記特殊ゴムの成形により前記永久磁石、前記回転軸および前記特殊ゴムを一体成形するとともに、前記回転軸と前記クリープ防止部材とを一体成形する。
【0018】
前記第一の空間に前記特殊ゴムを注入して加硫接着する際に、前記金型の温度、成形材(クロロピレンゴム)の射出温度が前記永久磁石の変形温度に達しないようにする一方、予め前記永久磁石および前記回転軸に接着剤を塗布して前記永久磁石と前記回転軸とを前記特殊ゴムを介して固定し、あるいは予め前記永久磁石に接着剤を塗布して前記永久磁石と前記特殊ゴムとを固定し、かつ、前記回転軸と特殊ゴムとの間を焼付けして前記回転軸と前記特殊ゴムとを固定する。
【0019】
前記永久磁石の内周には回転中心に向けた凸部を円周方向に等間隔に複数個形成し、あるいは前記凸部を1周全体の鍔状に形成する。
【0020】
前記特殊ゴムはクロロプレンゴムであり、同特殊ゴムからなる前記緩衝部材には、前記回転軸に平行な孔あるいは前記回転子の両端側にくぼみを成形する。
【0021】
前記クリープ防止部材を前記回転軸と一体成形した後、前記通路部分の前記特殊ゴムを切り取る。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明による電動機の回転子およびその製造方法を詳細に説明する。
図1は本発明による電動機の回転子の一実施例を示す断面図である。
本発明の電動機の回転子10は、回転磁界を発生する固定子の内側に位置し、周囲にリング状の永久磁石(プラスチックマグネット)11を備えており、同永久磁石11の回転中心と同心に、円柱状の回転軸12を配置し、同回転軸12と永久磁石11との間の空間に所定硬度のクロロプレンゴムからなる特殊ゴムの緩衝部材13を充填し加硫接着し、同緩衝部材13の成形により永久磁石11、回転軸12および緩衝部材13とが一体成形されている。
【0023】
さらにこの回転子10には、電動機を組立てる時に回転軸12に装着される転がり軸受15の内輪15aと、回転軸12とのクリープを防止するクリープ防止部材16を形成するため、回転軸12に転がり軸受15の内面と対応する回転軸12の外周に環状の溝12aが設けられており、回転子10の形成と同時に、溝12a内に所定硬度の特殊ゴムを充填して加硫接着したクリープ防止部材16と回転軸12とが一体成形されている。
クリープ防止部材16は、回転軸12に装着される転がり軸受15の内輪15aと、回転軸12の溝12aとの間の位置となるように形成されており、摩擦によって内輪15aと回転軸12とのクリープを防止する機能を有している。
【0024】
永久磁石11は、内周に回転中心方向にのびた凸部11aが形成されている。
またこの凸部11aは、円周方向に等間隔に複数個(4個)形成され、あるいはその凸部11aは、1周全体の鍔状に形成されている。
【0025】
特殊ゴムからなる緩衝部材13は、例えばクロロプレンゴム(CR)等であり、永久磁石11および回転軸12の間の空間と、回転軸12の溝12aとの空間にそのクロロプレンゴムを充填し、加硫接着して回転子10を一体化する。
【0026】
また特殊ゴムからなる緩衝部材13には、回転軸12に平行な孔13aを形成し、この孔13aは円周方向に複数個(4個)形成する。なおその孔13aの代わりとして、複数個のくぼみを回転子10の両端面側に成形するようにしてもよい。
【0027】
さらに回転軸12と永久磁石11との間の空間および回転軸12の溝12a内に、後述する金型内での成形時において特殊ゴムを充填してから加硫接着(いわゆる間加硫接着)する際に、緩衝部材13と接触する永久磁石11の内側および回転軸12外側の所定箇所に接着剤14を塗布して、永久磁石11と回転軸12とを緩衝部材13を介して固定する。または永久磁石11の内側のみに接着剤14を塗布して、回転軸12側については焼付として固定してもよい。
さらに上記と同じ工程で回転軸12の溝12a内に接着剤14を塗布し、クリープ防止部材16を回転軸12に固定する。または回転軸12側については焼付けとして固定してもよい。
これにより、回転トルクに耐え得る強度が得られる。
【0028】
クリープ防止部材16は、転がり軸受15の回転軸12方向の厚みのおおよそ1/2以下であり、かつ転がり軸受15の内周径よりやや大きい径となっている。回転軸12に転がり軸受15を挿入すると、クリープ防止部材16の外径が転がり軸受15の内周と同じ径に収縮し、反発力で転がり軸受15の内輪15aと回転軸12との摩擦を増加させてクリープを防止している。この構造により、転がり軸受15の回転軸12方向の厚みのおおよそ1/2以下のクリープ防止部材16が、内輪15aと回転軸12とのクリープを防止し、転がり軸受15の残り1/2の厚みの部分が回転軸12の正確な軸芯を保持している。
【0029】
つぎに回転子とクリープ防止部材とを回転軸と一体成形する製造方法を図3の金型の断面図を用いて説明する。
まず予め成形したリング状の永久磁石11および円柱状の回転軸12を金型20内にセットする。
このとき、永久磁石11の内側(内周面)および回転軸12の外側(表面)には接着剤14を塗布しておく。また、回転軸12の中心と永久磁石11の中心とを合わせ、回転軸12と永久磁石11とは同心状としている。なおその接着剤14の塗布は緩衝部材13と接する箇所だけでよい。
また転がり軸受が装着される位置に予め設けられた回転軸12の外周の環状の溝12aと、回転軸12を円柱形に取り囲む金型20との間に、転がり軸受の内径より若干大きい径を有する第二の空間を設けている。さらに同空間と、永久磁石11と回転軸12との間の第一の空間とをつなぐ通路21を設けてある。
【0030】
つぎに緩衝部材13の材料であるクロロプレンゴムを注入口20aから内部に、つまり、第一の空間と、通路21を経由してクリープ防止部材16が形成される第二の空間に注入し、加硫接着して緩衝部材13を形成するとともに、永久磁石11および回転軸12とを一体成形すると同時に、回転軸12とクリープ防止部材16とを一体成形する。
このゴムの成形に関しては、金型20の温度、成形材(クロロプレンゴム)の射出温度が永久磁石11の材質であるプラスチックマグネットの変形温度に達することのないようにする。
【0031】
なお、図3には、孔13aが現れていないが、金型20にはその孔13aに相当する部分が設けられており、上記緩衝部材13の成形によってその孔13aが形成される。
【0032】
こうして一体成形された回転子10の断面図が図4(A)である。この状態ではまだ回転子10の緩衝部材13とクリープ防止部材16が一体となっている。
またクリープ防止部材16の回転軸12の端面方向には金型を用いた面取22が施されている。この面取22により、転がり軸受の内輪を回転軸12に挿入したときに、スムースに挿入可能となる。
【0033】
つぎに図4(B)に示す断面図のように、点線で示す不要な部分23(クロロプレンゴムが流れるための通路部分)を切り取ると、回転子10とクリープ防止部材16と回転軸12とを一体成形した回転子が完成する。
【0034】
このように、永久磁石11と回転軸12との間にクロロプレンゴム等の緩衝部材13が介在することから、永久磁石11の回転による振動、偏心や傾きがその緩衝部材13で防止し、緩衝部材13の孔13aあるいはくぼみによりプロロプレンゴムの変位がとれ、その部振効果を高めることができる。
また回転子10がリング状の永久磁石11、空転構造を持たない円柱状の回転軸12、緩衝部材13および接着剤14だけからなるため、従来のように多数の部品を使用しないことから、電動機の低コスト化が図れる。
さらに、上述した製造方法によりロータ外形(永久磁石11の外形)切削等の追加加工を施す必要もなく、回転子の組立が容易で有る。従って、製造工数が極めて少なくてすみ、製造コストの低下を図ることができる。
また、回転子10と回転軸12とクリープ防止部材16とを同時に一体成形することにより、機械によるクリープ防止部材の製造を行い、人手による作業を廃止することによりコストダウンを図ることもできる。
【0035】
ところで、上記緩衝部材13のクロロプレンゴムの硬度としては、永久磁石11の回転による振動等を考慮して決定する。つまり、その振動等を最も吸収する硬度を経験的に求めて選択する。
また、上述した回転子10を用いた電動機の負荷が例えばファン等である場合、その回転子10とファンとにより回転軸12のねじり振動数が決まるが、その構造的な共振周波数については、クロロプレンゴムの硬度を変える。この場合、その共振周波数を回避できるように、クロロプレンゴムの硬度を経験的に求めて選択する。
【0036】
このように、クロロプレンゴムの硬度を変えるだけで負荷との共振を回避することができ、種々の機器に対しての汎用性が得られることにより、電動機の適応性の向上を図ることができる。
なお、上記実施例では、永久磁石11の内側に凸部11aが設けられているが、接着剤14を用いることから、凸部11aを省いた形状としてもよい。
【0037】
凸部11aが設けられている場合、接着剤14を用いずにクロロプレンゴムを加硫接着で成形するようにしてもよい。
すなわち、この直接加硫接着にあたってはクロロプレンゴムが永久磁石11の内側および回転軸12の外側(表面)に対して多少の接着力が発揮できるからである。
【0038】
また、接着剤14を用いる代わりに、焼付けを行なうようにしてもよい。この場合、回転軸12には接着剤14を塗布せず、例えば高周波による方法によりクロロプレンゴムを回転軸12に焼付けするとよい。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば以下に述べる効果を奏する。
本発明の電動機の回転子は、回転磁界を発生する固定子の内側に配置され、中心に回転軸と外周部に永久磁石とを備えた回転子の、回転軸を軸支する転がり軸受の内輪と回転軸の外周に形成された環状の溝との間にクリープ防止部材が配設された電動機の回転子において、
外周をリング状の永久磁石とし、同永久磁石の回転中心と同心に円柱状の回転軸を配置し、同回転軸と永久磁石との間の空間、および溝内に所定硬度の特殊ゴムを充填して加硫接着し、特殊ゴムの成形により永久磁石、回転軸および特殊ゴムからなる緩衝部材とを一体成形するとともに、回転軸と特殊ゴムからなるクリープ防止部材とを一体成形していることから、
永久磁石と回転軸との間の緩衝部材の特殊ゴムによって、回転子の回転時の振動防止、偏心防止や傾き防止、電動機の低コスト化を図る一方、その特殊ゴムの硬度を変えるだけで、振動周波数の共振を回避し、種々の製品への適応性に優れ、信頼性の向上を図るとともに、クリープ防止部材を回転軸に装着する工程が省略できるため、低コスト化を図ることができるという効果がある。
【0040】
本発明による電動機の回転子の製造方法は、回転磁界を発生する固定子の内側に配置され、中心に回転軸と外周部に永久磁石とを備えた回転子の、回転軸を軸支する転がり軸受の内輪と回転軸の外周に形成された環状の溝との間にクリープ防止部材が配設された電動機の回転子において、
予め外周に位置する永久磁石をリング形状に成形し、同永久磁石と回転中心に位置する円柱状の回転軸とを金型内に同心状に配置し、かつ、金型について永久磁石と回転軸との間を第一の空間としてなり、
予め設けられた溝と、回転軸とを円柱形に取り囲む金型との間を、転がり軸受の内径より若干大きい径を有する、クリープ防止部材が成形される第二の空間としてなり、
同空間と、第一の空間とをつなぐ通路を設け、第一の空間に所定硬度の特殊ゴムを充填して加硫接着し、特殊ゴムの成形により永久磁石、回転軸および特殊ゴムを一体成形するとともに、回転軸とクリープ防止部材とを一体成形していることから、
上述した効果を奏することができるほか、1度金型を製作すれば、永久磁石、回転軸、および特殊ゴムだけで回転子と軸受のクリープ防止部材とを製造することができ、製造コストが安価となり、電動機の低コスト化を現実的に実現することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による電動機の回転子の一実施例を示す断面図である。
【図2】図1に示した回転子を説明するための平面図である。
【図3】図1に示した回転子の製造方法を説明するための金型の断面図である。
【図4】図1に示した回転子の製造方法を説明するための、回転子の製造途中の断面図である。
【図5】従来の電動機の回転子を示す断面図である。
【図6】図5に示した回転子を説明するための平面図である。
【図7】従来のクリープ防止部材を説明した斜視図である。
【符号の説明】
10 回転子
11 永久磁石
11a 凸部
12 回転軸
12a 溝
13 緩衝部材
13a 孔
14 接着剤
15 軸受
15a 内輪
16 クリープ防止部材
20 金型
20a 注入口
21 通路
22 面取
23 不要な部分
Claims (12)
- 回転磁界を発生する固定子の内側に配置され、中心に回転軸と外周部に永久磁石とを備えた回転子の、前記回転軸を軸支する転がり軸受の内輪と前記回転軸の外周に形成された環状の溝との間にクリープ防止部材が配設された電動機の回転子において、
外周をリング状の永久磁石とし、同永久磁石の回転中心と同心に円柱状の回転軸を配置し、同回転軸と前記永久磁石との間の空間、および前記溝内に所定硬度の特殊ゴムを充填して加硫接着し、同特殊ゴムの成形により前記永久磁石、前記回転軸および前記特殊ゴムからなる緩衝部材とを一体成形するとともに、前記回転軸と前記特殊ゴムからなる前記クリープ防止部材とを一体成形してなることを特徴とする電動機の回転子。 - 前記回転軸と前記永久磁石との間の空間および前記回転軸の前記溝内に前記特殊ゴムを充填して加硫接着する際、前記緩衝部材と接触する前記永久磁石および前記回転軸の所定箇所と前記溝に接着剤を塗布し、あるいは前記永久磁石のみに接着剤を塗布し、前記回転軸側については焼付けとし、前記緩衝部材を介して前記永久磁石と前記回転軸、および前記クリープ防止部材と前記溝とを固定してなることを特徴とする請求項1記載の電動機の回転子。
- 前記永久磁石の内周には前記回転中心に向けた凸部を円周方向に等間隔に複数個形成し、あるいはその凸部を1周全体の鍔状に形成してなることを特徴とする請求項1ないし2記載の電動機の回転子。
- 前記特殊ゴムはクロロプレンゴムであり、同特殊ゴムからなる前記緩衝部材には、前記回転軸に平行な孔あるいは前記回転子の両端側にくぼみを成形してなることを特徴とする請求項1ないし3記載の電動機の回転子。
- 前記クリープ防止部材の前記回転軸方向の厚みを、前記転がり軸受の厚みのおおよそ1/2以下にしてなることを特徴とする請求項1ないし4記載の電動機の回転子。
- 前記クリープ防止部材の外径を、前記転がり軸受の内周より若干大きくしてなることを特徴とする請求項1ないし5記載の電動機の回転子。
- 前記クリープ防止部材の前記回転軸の端面方向側角部に、面取を施すことを特徴とする請求項1ないし6記載の電動機の回転子。
- 回転磁界を発生する固定子の内側に配置され、中心に回転軸と外周部に永久磁石とを備えた回転子の、前記回転軸を軸支する転がり軸受の内輪と前記回転軸の外周に形成された環状の溝との間にクリープ防止部材が配設された電動機の回転子において、
予め外周に位置する永久磁石をリング形状に成形し、同永久磁石と回転中心に位置する円柱状の回転軸とを金型内に同心状に配置し、かつ、前記金型について前記永久磁石と前記回転軸との間を第一の空間としてなり、
予め設けられた前記溝と、前記回転軸とを円柱形に取り囲む前記金型との間を、前記転がり軸受の内径より若干大きい径を有する、前記クリープ防止部材が成形される第二の空間としてなり、
同空間と、前記第一の空間とをつなぐ通路を設け、前記第一の空間に所定硬度の特殊ゴムを充填して加硫接着し、前記特殊ゴムの成形により前記永久磁石、前記回転軸および前記特殊ゴムを一体成形するとともに、前記回転軸と前記クリープ防止部材とを一体成形してなることを特徴とする電動機の回転子の製造方法。 - 前記第一の空間に前記特殊ゴムを注入して加硫接着する際に、前記金型の温度、成形材(クロロピレンゴム)の射出温度が前記永久磁石の変形温度に達しないようにする一方、予め前記永久磁石および前記回転軸に接着剤を塗布して前記永久磁石と前記回転軸とを前記特殊ゴムを介して固定し、あるいは予め前記永久磁石に接着剤を塗布して前記永久磁石と前記特殊ゴムとを固定し、かつ、前記回転軸と特殊ゴムとの間を焼付けして前記回転軸と前記特殊ゴムとを固定してなることを特徴とする請求項8記載の電動機の回転子の製造方法。
- 前記永久磁石の内周には回転中心に向けた凸部を円周方向に等間隔に複数個形成し、あるいは前記凸部を1周全体の鍔状に形成してなることを特徴とする請求項8ないし9記載の電動機の回転子の製造方法。
- 前記特殊ゴムはクロロプレンゴムであり、同特殊ゴムからなる前記緩衝部材には、前記回転軸に平行な孔あるいは前記回転子の両端側にくぼみを成形してなることを特徴とする請求項8ないし10記載の電動機の回転子の製造方法。
- 前記クリープ防止部材を前記回転軸と一体成形した後、前記通路部分の前記特殊ゴムを切り取ってなることを特徴とする請求項8ないし11記載の電動機の回転子の製造方法。
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