JP2007502765A - 巻管 - Google Patents
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Abstract
本発明は、ストリップ状の完成品あるいは半完成品を受容するための巻管(9)であって、ストリップ状の完成品あるいは半完成品上の非接触で読取可能なデータ保持手段が前面に配置されている内壁(11)を有する円筒形で長い本体(10)を具備する巻管に関する。本発明の多目的巻管(9)を低コストで製造し、それが優れた機能特性と再利用性を備えるために、データ保持手段が管本体の内壁から一定の距離を空けて配置されるようにして管状の保持要素(1)によって管本体内に保持されている。
Description
本発明は、ウェブ状の半完成品あるいは完成品を受容する巻管であって、内壁を有する円筒形で長い管本体を具備し、該管本体が非接触で読取可能であってウェブ状の半完成品あるいは完成品に関するデータおよび/または他のデータを保持するデータ保持手段を有し、該データ保持手段が管状の保持要素によって管本体の内部に保持されている巻管に関する。
概して、数メートル以下のウェブ幅のウェブ状の半完成品あるいは完成品は、工業的な製造プロセスの枠組みの中で多くの形状で知られており、好ましくは、数メートル以下の直径に巻くプロセスで利用可能とされている。実質的に可撓性のある半完成品あるいは完成品は、半完成品あるいは完成品の層が数層であったとしても、特に、巻付けの開始時点や巻出しの終わり頃に工業的なプロセスに必要な必須の安定性を与える巻管に巻かれる。さらなる処理のために、こうした巻管には、ウェブ状の半完成品あるいは完成品として、例えば、新聞や書籍を工業的に印刷する紙、衛生的な衣類やクリーンウェアを作製するためのセルロースの織物、終わりのない複数の金属の薄片(シート)、織布、編み物が利用可能とされる。
こうした複数のウェブ状の半完成品あるいは完成品は、微妙な差異の範囲ではあるが、製造工程において違いがあることが多く、特別なウェブ状の半完成品あるいは完成品の信頼性のある識別を困難にしている。書籍の印刷には、例えば、重さのみならず、表面の質や色合いや添加剤の異なる紙が利用可能であるが、一般的には、一つの製品において同一の紙を異なる一括処理で処理することは避けるべきである。
たばこの紙や濾過紙の製造におけるこうした問題を解決するために、特許文献1は、巻管とウェブ状の半完成品あるいは完成品とに関する非接触でチップから読取可能なデータを保持するデータ保持手段を巻管の壁内に一体化することを提案している。こうしたデータ保持手段や読取りや書込みをするための方法は、概して、無線周波数応答要素(いわゆるRFタグ)の形で知られている。データ保持手段を有するこれら巻管には、多くの欠点がある。
公知の巻管には、ウェブ状の半完成品あるいは完成品の巻付けや巻出し中、機械的に非常に大きな負荷がかかり、したがって、比較的大きな摩耗にさらされる。巻管に直接一体化されたデータ保持手段は、もはや再利用のために経済的に正当なコストで摩耗した巻管から分離することさえもできず、また、それは、巻管自体の再利用を妨げさえもする。
また、公知の巻管に一体化されたデータ保持手段は、隣接した巻管と実質的に同一の機械的な変形にさらされる。そして、巻き付けられるウェブ状の半完成品あるいは完成品による巻管の径方向の圧縮(座屈)と特に巻出しの終わり頃の巻管の動的な振動変形との両方がデータ保持手段に直接伝わる。公知の巻管において、この負荷は、データ保持手段やそこに収められている電子部品の大きな機械的な負荷となり、それゆえ、データ保持手段の不合格率を高くしている。
データ保持手段を備えた公知の巻管を生産するのに用いられる方法は、現在の巻管を修復し、巻管からデータ保持手段を取り外し、データ保持手段を別のデータ保持手段に置き換え不能であることを示している。したがって、異なる用途または異なる方法において、巻管とデータ保持手段とに対する潜在的な複数の要求は、原則的に、考えられるすべての用途で使用可能であることから非常に有用であるデータ保持手段を必要とする。特に、データ保持手段が望ましいものであってかなり遠い距離から読書可能なものである場合、概して、自前のエネルギー供給源を備えた能動伝達装置を有するデータ保持手段が必要である。この場合、構造的に必須の空間が非常に大きく、非常に高価なので、データ保持手段の再利用が適切である。
また、公知の巻管では、データ保持手段がその形状に適合する中空の空間内に挿入せしめられる。この中空の空間は、特に、振動でもって大きな負荷が巻管にかかった場合、分割型の巻管の機械的に弱い箇所や優先的に壊れてしまう箇所を提供してしまう。材料の破壊を避けるために、データ保持手段を備えた公知の巻管は、比較的質の高い材料から製造されるか、比較的厚い壁で製造されなければならない。
特許文献2は、巻かれた素材を受容し或いは運ぶスプールを示唆している。公知のスプールは、スプールおよび/または巻かれた素材に関する情報を収集可能なデータ保持手段を有する。このデータ保持手段は、応答機として構成され、スプール上の様々な箇所に配設可能である。一例として、それは、スプールの内壁に固定されている。また、これに代えて、円錐状の外面のところでスプール本体に別々に取り付けられるハブ形状のフランジ部分への取付が開示されている。さらに、巻管の径方向に延びる前面の内側に配設することも提案されている。
特許文献3は、データメモリを備えたコード保持手段として構成されたインタラクティブにコード化可能であって読取可能な情報保持手段を有する、例えば、紙ウェブ用のウェブ保管ロールを開示している。このコード保持手段は、例えば、管本体内に挿入可能なハブ、または、管本体の壁の内側に接着可能なハブ内の中央に配設可能である。しかしながら、これに代えて、前面に軸線方向に延びる穴の形で管本体の壁の内側に、あるいは、管本体の壁を径方向に貫通する穴の内側に配設可能であってもよい。
さらに、特許文献4は、内側ジャケット面に面する表面に粘着性のコーティングを備える紙からなる可撓性の保持手段要素を内側ジャケット面に備える巻管を開示している。そして、この粘着性のコーティングによって電子データ保持手段が保持手段要素に接着せしめられている。また、粘着性のコーティングは、巻管とデータ保持手段との間のしっかりした接続を確立するために、データ保持手段を備えた保持手段要素を管本体の内側ジャケット面に接着する働きもする。また、データ保持手段は、その一部として、非接触で外から巻管あるいは巻いてある素材に関する情報を照会可能にする役割を果たす。なお、管の周面に沿って見たときに管径の領域に不均一な部分を生じさせてしまうが、データ保持手段が同じ保持手段要素によって外から管本体の外側ジャケット面に接着可能であってもよい。最後に、データ保持手段が管状物体によって管内に固定され、該管状物体がその直径において実質的に管の内径に一致している。
本発明は、データ保持手段を備え、経済的に製造可能で様々な形態で使用可能であり、良好な機能特性を呈すると共に再利用性をも呈し、それゆえ、従来技術で公知の前述した欠点を解消する巻管を提案するときの問題点に基づくものである。
公知の巻管を発端として、本発明は、データ保持手段が管本体の内壁から距離を空けて管本体に接続せしめられる管状の保持要素を提案する。別体の保持要素によって保持するようにした結果、かなり大型のデータ保持手段であってもそれを壊さずに分解することが可能な程度に、製造・使用中に、データ保持手段が本発明の巻管から取り外されていることになる。
こうして、従来技術の前述の欠点が効果的に解消される。管本体の機械的な負荷がデータ保持手段に直接作用することも、データ保持手段の取付が管本体の材料を弱くすることを求めることもない。要望に応じて、使用中は、特別に適合せしめられたデータ保持手段が本発明の巻管内に挿入され、耐用年数の終わりでは、互いに独立して、管本体と保持要素とを有効に利用可能であり或いは使用可能である。
本発明によれば、管本体の内壁から距離を空けて配置されるようにしてデータ保持手段が保持要素に接続される。ここで、データ保持手段は、使用中、可能な限り管本体、そして、その変形とから機械的に切り離されている。上記距離を確実に維持するために、データ保持手段と管本体の壁との間に、例えば、発泡材料からなる中間層を導入してもよい。例えば、データ保持手段を管本体に接着するのであれば、中間層は必要ない。
本発明の巻管では、データ保持手段は、好ましくは、保持要素に接続される。また、データ保持手段は、例えば、接着ストリップまたは収縮ホースによって保持要素の外側ジャケット面に固定される。保持要素が射出成形法で製造されるのであれば、データ保持手段は、射出によってプラスチックで全体を覆われる。
データ保持手段を保持要素に一体化することによって、個々の構造部品数が減り、本発明の巻管の取扱いがシンプルなものになる。さらに、データ保持手段に適合させた特別な受容要素は必要ない。
これに代えて、本発明の巻管内のデータ保持手段が、保持要素の外側ジャケット面のトラフ内に挿入可能であってもよい。そして、このとき、保持要素が(トラフ内に嵌る)種々のデータ保持手段と共に最小の費用で使用可能である。
本発明の巻管は、好ましくは、端部のところで管本体内に受容せしめられるプラスチックからなる円筒形のアダプターを具備し、このアダプターによって、管本体の長手軸線回りの回転に関して巻管が巻装置にしっかりと保持され、保持要素がアダプターに接続されている。アダプターに保持要素を一体化することによって、構造部品数が減り、本発明の巻管の取扱いがシンプルなものとなる。
本発明の巻管におけるデータ保持手段として、好ましくは、無線周波数応答要素、いわゆる「RFタグ」が用いられる。これら概して公知のデータ保持手段は、経済的な大量生産品として非常に多様な要求に対して多くのデザインで市販されている。さらに、これらデータ保持手段が自前の電圧源を必要としないので、保持要素のサイズが最小化される。
これに代えて、本発明の巻管に、例えば、能動送信モジュールのような他のデータ保持手段が用いられてもよい。データ保持手段から読み取り或いはデータ保持手段へ書き込むための装置がデータ保持手段から数cmのところにまで近づくことができず或いは近づくべきでないのであれば、本発明の巻管を使用するときに、RFタグを使用することを要するので、特に、このようなデザインが用いられる。
本発明の巻管のデータ保持手段に保持されたデータが非接触で変更可能であることが特に好ましい。特に、データは、ウェブ状の素材の現時点での状態を示し、あるいは、例えば、巻物上のウェブ状の半完成品あるいは完成品の現在の長さのような処理の現在の状態に関する情報を含むようにして保持される。巻物を処理するために連続して使用される機械のコードの保管や、特定の処理の開始時刻と終了時刻の保管や、処理の文書化と品質保証のために使用される記憶領域の保管が考えられる。これに代えて、データ保持手段は、そのデータ、例えば、ウェブ状の素材の製品バッチのようなデータが使用中に読み取られることだけが可能であるようにも使用可能である。
本発明は、データ保持手段が本発明の巻管内に保持される管状の保持要素に関する問題も同様に解決する。
以下、二つの例示的な実施形態を用いて本発明を説明する。
図1は、射出成形法によってプラスチックから製造された管状の保持要素1を示す。保持要素1は、両端3で径方向に突出するカラー(フランジ)4を備えた円筒形で長い挿入管2からなる。保持要素1の外側ジャケット面5には、ウェブ6が取り付けられており、このウェブ6は、カラー4と同じ高さ7を有し、くぼみ状のトラフ8を完全に包囲している。なお、管の内径の寸法や形状に偏差があることを考慮し、弾性を増加させて信頼性のある固定または取付を確保する径方向に延びる複数のスロットをカラー4に設けてもよい。また、図2aから図2cに示すように、巻管9が中央に配置される保持要素に加えて両端に配置される二つのアダプターを備え、該アダプターが破壊せずに管本体10から取外し可能なものであってもよい。アダプターは、それが大きな負荷をかけることが可能で高品質(高等級)なプラスチックからなることによって、質的により低品質であるがゆえに経済的な材料から製造される管本体10を提供することができる。一方、アダプターによって巻管の内径と外径の標準的な寸法が維持され、それと同時に、巻管本体の内径をより小さくすることができ、これによって、プラスチックからの製造がよりいっそう経済的になる。
図2a、図2b、図2cは、円筒形で長い管本体10を備えた巻管9の三つの図を示しており、ここでは、データ保持手段(図示略)が図1の保持要素1によって保持されている。データ保持手段は、高温の接着剤か注型用樹脂によってトラフ8内に接着される無線応答要素(RFタグ)である。保持要素1は、カラー4とウェブ6との両方によって管本体10の内壁11にしっかりと嵌まっており、データ保持手段は、管本体10に接触していない。
図3は、射出成形法によってプラスチックから製造されたアダプター12を示す。アダプター12は、円筒形で長い挿入管13を有し、その外側ジャケット面14内にくぼみ状のトラフ15が設けられている。これら挿入管13とトラフ15とは、本発明の保持要素16を形成する。挿入管13の次には、円筒形で長く、直径18が挿入管13と比べて大きいテンション(クランプ)管17が続いている。
図4a、図4b、図4cは、取り除かれて(省略されて)示された円筒形で長い管本体20を有する第二の巻管19の三つの図を示しており、ここでは、図3のアダプター12に形成された保持要素16によってデータ保持手段(図示略)が管本体に保持されている。アダプター12は、管本体20の端部のところに受容され、保持要素16のジャケット面のところで管本体20の内壁21にしっかりと嵌まっている。
図5aに長手方向の断面図で示されている巻管29では、管本体30の外側ジャケット面32を越えて前面から短い長さ31だけ保持要素26が突出している。保持要素26は、データ保持手段(図示略)を保持して固定する機能に加え、例えば、特許文献5に記載されているように、テンション(クランプ)アダプターの機能をも担う。
保持要素26は、前面33から離れた側に保持領域34を有し、この保持領域では、内径35が小さくなっている。保持領域34における巻管本体30の内側ジャケット面36と保持要素26の外側ジャケット面37との間には、データ保持手段用の受容チャンバー38が配置されている。例えば、図5bの正面図から分かるように、保持領域34においてトラフとして構成された受容チャンバー38は、約70度の角度範囲に亘って延在し、受容チャンバー38の周方向の幅は、データ保持手段のサイズに適合する。
さらに、保持要素26は、特許文献5の例示的な実施形態に示されるように、その内側ジャケット面40に、例えば、120度の角度で互い違いにされて軸線方向に延びる三つの台形のカムを備えたテンション領域39も有している。これらカムは、巻装置の固定するあごと巻管29との間に積極的な、すなわち、トルクをもって締め付ける接続を形成する。
さらに、保持要素26は、トルクをもって締め付けられるようにして管本体30に連結される接続領域41を有する。この連結は、接続領域41における管本体30の内側ジャケット面36と保持要素26の外側ジャケット42との対応する噛合いによって生じる。こうして、巻装置から巻管29へ、そして、そこから摩擦を介してウェブ状の巻材への信頼性のあるトルクの伝達が確保される。受容チャンバー38の端部は、周方向に延びるウェブ状のカラー43によって制限される。また、受容チャンバー38は、約100mmの軸線方向の長さと、約25mmの周方向の幅と、約5mmの径方向の深さとを有する。管本体30の長さは、様々であり、その両端に保持要素26を備えてもよい
Claims (7)
- ウェブ状の半完成品あるいは完成品を受容可能な巻管(9、19、29)であって、内壁(11、21)を有する円筒形で長い管本体(10、20、30)を具備し、該管本体が非接触で読取可能であってウェブ状の半完成品あるいは完成品に関するデータを保持するデータ保持手段を有し、該データ保持手段が管状の保持要素(1、16、26)によって前記管本体(10、20、30)の内部に保持されている巻管において、前記データ保持手段が前記管本体(10、20、30)の前記内壁(11、21)から距離を空けて前記保持要素(1、16)に接続されていることを特徴とする巻管。
- 前記管本体(10、20、30)内にその端部のところで受容せしめられるプラスチックからなる円筒形のアダプター(12)を具備し、該アダプターによって当該巻管(19、20)が前記管本体(10、20、30)の長手軸線回りの回転に関して巻装置にしっかりと保持され、前記保持要素(16、26)が前記アダプター(12)に接続せしめられていることを特徴とする請求項1に記載の巻管(19、29)。
- 前記データ保持手段が無線周波数応答要素であることを特徴とする請求項1または2に記載の巻管(9、19、29)。
- 前記データ保持手段に保持されたデータが非接触で変更可能であることを特徴とする請求項1〜3の一つに記載の巻管(9、19)。
- 前記変更可能なデータが或る時点におけるウェブ状の素材の現在の状態を表していることを特徴とする請求項4に記載の巻管(9、19、29)。
- 前記保持要素(26)が接続領域(41)の外側ジャケット面(37)において前記管本体(30)の内側ジャケット面(36)にトルクをもって締め付けられるようにして接続されると共に、テンション領域(39)の内側ジャケット面(40)において巻装置のテンション(クランプ)本体にトルクをもって締め付けられるようにして接続されていることを特徴とする請求項1〜5の一つに記載の巻管(29)。
- 管状の保持要素(1、16)であって、該保持要素によって請求項1〜6のいずれか一つに記載の巻管(9、19)内に前記データ保持手段が保持可能である管状の保持要素。
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