JP2007501812A - ペプチドのための結合剤として新しい構造上十分に定義された枝分れしたポリマーの合成および適用 - Google Patents

ペプチドのための結合剤として新しい構造上十分に定義された枝分れしたポリマーの合成および適用 Download PDF

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Abstract

本発明は、ペプチドおよびタンパク質のための延長剤としての新規な構造的に十分に定義された枝分れしたポリマーの合成および適用を提供する。

Description

発明の分野
本発明は、正確な数のモノマー単位を使用して調製された、新しい構造上十分に定義された枝分れしたポリマーの合成に関し、かつ薬学的ペプチドのための遅延剤としての前記枝分れしたポリマーの適用に関する。特に、本発明は、薬物動態学的性質を向上させる目的で、正確な数のモノマー単位から調製された構造上十分に定義された枝分れしたポリマーの共有結合によって、標的分子、例えば巨大分子、特に生物学的に重要なペプチドを化学的に修飾するための方法に関する。
発明の背景
治療学的に重要なペプチド、例えばホルモン、可溶な受容体、サイトカイン、酵素等は、タンパク質分解、腎臓または肝臓による浄化、場合によっては中和抗体の出現の結果として、体内において短い循環半減期を示す。これは、通常、ペプチドの治療学的な有用性を減少させる。
しかしながら、ペプチドの性質を、ペプチド上に有機鎖状の分子をグラフトさせることによって増強できることが良く知られている。このようなグラフト化は、薬学的性質、例えば血清中における半減期、タンパク質分解に対する安定性、および免疫原性の低下を向上させることができる。
しばしば性質を増強させるために使用される有機鎖状分子は、ポリエチレングリコールに基づいた鎖または「PEGに基づいた」鎖、即ち、反復単位CH2CH2O-に基づいた鎖である。
しかしながら、技術はPEGまたはPEGに基づいた鎖を調製するために使用される技術は、かなり低分子量のものであって、重合工程をあまり制御することができず、平均値について幅広い鎖長を示す製剤を導いてしまう。結果として、PEGグラフト化に基づいたペプチド結合体は、一般には広範な分子量分布によって特徴づけられる。
最近掲載されたKochendoefer他(Science 2003、299、884-887)均質なポリマーで修飾された赤血球生成タンパク質の設計および合成、およびWO02/20033は、十分に定義されたポリマーで修飾されたペプチドの合成のための一般的方法を考案した。この研究において使用された構成単位は、溶液または固相支持体における標準的なペプチド化学を使用して逐次的に付加することによって伸長させた、水溶性の直線状の長鎖である親水性ジアミンとコハク酸塩を交互に並べたものに基づいている。
最小の合成工程において大きな十分に定義されたポリマーを調製するための代替のより魅力的な戦略は、逐次的オリゴマー化工程の回数を制限して、2、3またはマルチ分岐したモノマーの使用である。この場合におけるポリマー塊の成長は、指数曲線に従い、指数は分岐数によって決定し、例えば2分岐のモノマーは2指数増大、3分岐のモノマーは3指数増大、等々を提供する。この手順によって得られるポリマーのタイプは、文献中に詳細に記載され(S.M.Grayson and J.M.J.Frechet, Chem.Rev. 2001,101,3819)、デンドリマーとして一般に知られている。
生体分解性の第4世代のポリエステルである、2,2-ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸に基づき、かつカルバメートの連結を介してポリエチレンオキシドでキャップされたデンドリマーが、最近報告されている(E.R.Gillies and J.M.J. Frechet in J.Am.Chem.Soc. 2002, 124, 14137-14146)。樹上部の構造は、キャップされたポリエチレンオキシドテイルのための結合点として機能するポリヒドロキシ骨格を生成するのに使用されるので、この系の構造は、上述したようにKochendoefer他に記載された系に対する緊密な類似性を有する。印象的な12kDの構造を調製できるが、エチレンオキシド部の構造の更なる伸長は不可能である。
バイオ医薬品に結合した十分に定義されたポリマーのための多くの潜在的適用(例えば、薬物動力学および薬力学を修飾)を考慮して、正確な十分に定義された方法で、正確な数のモノマー単位から十分に定義されたポリマーおよびコポリマーを調製するための技術向上の持続的必要性がある。
発明の概要
本発明は、新しいクラスの枝分れしたポリマーと、前記枝分れしたポリマーのポリペプチドに対する結合体を提供し、前記枝分れしたポリマーおよび結合体を生成する方法を提供する。また、標準的な固相ペプチド合成を、本発明のモノマーの樹脂オリゴマー化と組み合わせることによって、固相に結合したポリペプチドを枝分れしたポリマーで直接的に修飾する方法を提供する。本発明は、固相支持体上でポリペプチドを構築する方法を提供し、モノマー構成単位の数およびその種類(直鎖状かまたは枝分れしたモノマー)の観点で正確な大きさの枝分れしたポリマーを提供する。
従って、本発明は、ペプチドに共有結合した単分散の枝分れしたポリマーを含む結合体を提供する。
本発明はまた、薬学的に許容可能な担体および希釈剤と一緒に上記に記載された少なくとも一つの結合体を含む薬学的組成物を提供する。
本発明はまた、枝分れしたポリマーの1以上の反応性誘導体とペプチド上の結合基との結合によって上述した結合体を生成する方法を提供する。
本発明はまた、上述した結合体の薬物としての使用を提供する。本発明は、上述した結合体で構成された枝分れしたポリマーを提供する。本発明は、2つの異なる手法によって枝分れしたポリマーを生成する方法を提供する。
定義
用語「共有結合(covalent attachment)」とは、ポリマー分子とペプチドとが互いに直接的に共有結合するかまたは介在性の一または複数の基、例えば架橋、スペーサ、または連結基を介して互いに間接的に共有的結合することを意味する。
用語「結合体(conjugate)」または「結合体ペプチド(conjugate peptide)」とは、1以上のペプチドと1以上のポリマー分子との共有結合によって形成された異種(複合またはキメラという意味)分子を意味する。
用語「ペプチド」または「タンパク質」とは、少なくとも2残基のアミノ酸数からなる天然または合成起源の任意のペプチドを包含する。また、二以上のペプチド断片のライゲーション由来の生成物がこの内容において考慮され、ライゲーションのプロセスは、ナイーブなペプチド結合、オキシムのような合成化学的結合、またはペプチド擬態を生じる。また、非天然のアミノ酸残基を含むペプチド断片の使用が、この内容において考慮される。
ポリマーで修飾されたペプチドの「免疫原性」とは、ポリマーで修飾されたペプチドをヒトに投与したときに体液性、細胞性またはその両方の免疫反応を誘発する能力を意味する。
用語「結合基」とは、連結基を介して直接的または間接的にポリマー分子を結合できるペプチド上または連結基修飾ペプチド上の官能基を指す。有用な結合基は、例えばアミン、ヒドロキシル、カルボキシル、アルデヒド、ケトン、スルフヒドリル、スクシンイミジル、マレイミド、ビニルスルホンまたはハロアセテートである。
用語「枝分れしたポリマー」または「樹状ポリマー」または「樹状構造体」とは、枝分れを含むものもあるモノマー構成単位の選択から構築された有機ポリマーを意味する。
用語「反応性官能基」とは、制限のない例として、任意の遊離アミノ、カルボキシル、チオール、アルキル ハライド、アシル ハライド、クロロホルミエート、アリールオキシカルボナート、ヒドロキシ、またはアルデヒド基、カルボナート、例えばp-ニトロフェニル、またはスクシンイミジル; カルボニルイミダゾール、カルボニル塩化物;in situで活性化されたカルボン酸;カルボニルハライド、活性化エステル、例えばN-ヒドロキシスクシンイミドエステル、N-ヒドロキシベンゾトリアゾールエステル、1,2,3-ベンゾトリアジン-4(3H)-オンを含むエステルのようなエステル、ホスホラミダイトおよびH-ホスホネート、ホスホルトリエステルまたはホスホルジエステル活性体(in situでの)、イソシアネートまたはイソチオシアネートと、これに加えてNH2、OH、N3、NHR’、OR’、O-NH2、アルキン、または以下の任意の誘導体のような基とを意味する。
ヒドラジン誘導体 -NH-NH2,
ヒドラジンカルボキシラート誘導体 -O-C(O)-NH-NH2,
セミカルバジド誘導体 -NH-C(O)-NH-NH2,
チオセミカルバジド誘導体 -NH-C(S)-NH-NH2,
炭酸ジヒドラジド誘導体 -NHC(O)-NH-NH-C(O)-NH-NH2,
カルバジド誘導体 -NH-NH-C(O)-NH-NH2,
チオカルバジド誘導体 -NH-NH-C(S)-NH-NH2,
アリール ヒドラジン誘導体 NH-C(O)-C6H4-NH-NH2,
ヒドラジド誘導体 -C(O)-NH-NH2; および
オキシルアミン誘導体、例えば-C(O)-O-NH2、-NH-C(O)-O-NH2および-NH-C(S)-O-NH2
用語「保護された官能基」とは、官能基に必要な非反応性を付与する方法で保護された官能基を意味する。アミンのために使用された保護基の例は、tert-ブトキシカルボニル、9-フルオレニルメチルオキシカルボニル、アジド等を含むがこれに限定されない。カルボキシル基のためには、tert-ブチル、またはより一般的にはアルキル基のような他の基が関連する。適切な保護基は当業者において知られ、その例は、Green & Wuts “Protection groups in organic synthesis”, 3.ed. Wiley-interscience”に見出すことができる。
用語「開裂可能な基」とは、枝分れしたポリマーに基づいた連結基または枝分れしたポリマーの連結基に基づいたペプチドを固相支持体から遊離させるために選択的に開裂され得る基を意味する。
用語「世代」とは、有機分子上の一以上の同一の官能基を特定のモノマー構成単位と反応させることによって作られる一つの均一な層を意味する。理論上完全に二叉に分岐したモノマーから調製された枝分れしたポリマーでは、ある世代における反応基の数は式(2*(m-1))2(mは特定の世代を表わす1,2,3...8の整数である)によって与えられる。理論上完全に三叉に分岐したモノマーから調製された枝分れしたポリマーでは、反応基の数は式(3*(m-1))によって与えられ、理論上完全にn叉に分岐したモノマーから調製された枝分れしたポリマーでは、反応基の数は、(n*(m-1))nによって与えられる。枝分れしたポリマーでは、異なるモノマーが各世代ごとに使用され、特定の層または世代中の反応基の数は、個々のモノマーの層の位置と分岐数を帰納的に知ることによって計算され得る。
用語「機能性のin vivo での半減期」とは、通常の意味、すなわち、ペプチドまたは結合体の生物学的活性の50%が体/標的器官中に存在する時点かまたはペプチドまたは結合体の活性がその初期値の50%である時点を意味する。機能性のIn vivoでの半減期を決定する代わりに、「血清の半減期」、すなわち、ペプチドまたは結合体分子の50%が血漿中を循環している時点を決定してもよい。血清の半減期の決定は、機能性の半減期を決定するよりも単純なことが多く、血清の半減期の大きさは、通常は機能性のin vivoでの半減期の大きさの良好な指標である。血清の半減期の代替の用語は、血漿の半減期、循環半減期、循環性の半減期、血清クリアランス、血漿クリアランス、クリアランスの半減期を含む。ペプチドまたは結合体は、細網内皮系(RES)、腎臓、脾臓、または肝臓のうちの一以上の作用によって浄化される。また、組織因子、SEC受容体、または他の受容体仲介要素によっても浄化される。また、特定のまたは未特定のタンパク質分解によっても浄化される。通常、クリアランスは、大きさ(腎糸球体での遮断に比例)、電荷、結合した糖鎖、およびそのペプチドについての細胞受容体の存在に依存する。保持される機能性は通常、凝血原、タンパク質分解、共因子結合または受容体結合活性から選択される。機能性のin vivoでの半減期および血清の半減期は、当該技術において知られる任意の適切な方法によって決定され得る。
用語「増加した」とは、機能性のin vivoでの半減期または血漿の半減期について使用されるとき、ペプチドまたは結合体の半減期が、比較可能な条件下で決定されたリファレンスの分子{例えば、非結合性のFactor VIIa(例えば、野生型のFVIIa)}の半減期と比較して統計学的に顕著に増加することを示すために使用される。例えば、当該半減期は、少なくとも約10%、または少なくとも25%、例えば少なくとも約50%、例えば少なくとも約100%、150%、200%、250%、または500%増加し得る。
用語「ハロゲン」は、F、Cl、Br、またはIを意味する。
用語「アルキル」または「アルキレン」は、1〜6炭素原子数を有する飽和した枝分れまたは直鎖の炭化水素基を表わすC1-6アルキル、またはアルキレンを意味する。典型的なC1-6アルキル基には、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシルおよび相当する二価の基が含まれるがこれらに限定されない。
用語「アルケニル」または「アルケニレン」は、2〜6の炭素原子と少なくとも一つの二重結合を有する枝分れまたは直鎖の炭化水素基を表わすC2-6アルケニルまたはアルケニレンを意味する。典型的なC2-6アルケニル基には、エテニル、1-プロペニル、2-プロペニル、イソプロペニル、1,3 ブタジエニル、1-ブテニル、2-ブテニル、1-ペンテニル、2-ペンテニル、1-ヘキセニル、2-ヘキセニル、1-エチル-2-エニル、1,1-(ジメチル)プロプ-2-エニル、1-エチルブト-3-エニル、1,1-(ジメチル)ブト-2-エニル、および相当する二価の基が含まれるがこれらに限定されない。
用語「アルキニル」または「アルキニレン」は、2〜6の炭素原子と少なくとも一つの三重結合を有する枝分れまたは直鎖の炭化水素基を表わすC2-6アルキニル、またはアルキニレンを意味する。典型的なC2-6アルキニル基には、ビニル、1-プロピニル、2-プロピニル、イソプロピニル、1,3-ブタジニル、1-プチニル、2-プチニル、1-ペンチニル、2-ペンチニル、1-ヘキシニル、2-ヘキシニル、1-エチルプロプ-2-イニル、1,1-(ジメチル)プロプ-2-イニル、1-エチルブト-3-イニル、1,1-(ジメチル)ブト-2-イニル、および相当する二価の基を含むがこれらに限定されない。
用語「アルキレンオキシ」または「アルコキシ」は、-O-C1-6-アルキルまたは-O-C1-6-アルキレン基(式中、C1-6-アルキル(エン)は上記で定義した通りである)を表わす「C1-6アルコキシ」またはアルキレンオキシを意味する。代表的な例には、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ、ペントキシ、イソペントキシ、ヘキソキシ、イソヘキソキシおよびこれらに類するものがある。
用語「アルキレンチオ」、「アルケニレンチオ」、または「アルキニレンチオ」は、相当する上記に定義したオキシラジカルのチオ類似体を意味する。代表的例には、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、ブチルチオ、ペンチルチオ、ヘキシルチオ、ならびに上記に定義した相当する二価の基および相当するアルケニルおよびアルキニル誘導体がある。
本発明の内容の中では、用語「トリイル」が使用され、3つの結合点を有する、異なるアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、または芳香族基を意味する。
用語「シクロアルキル」は、3〜8の炭素原子を有する単環式、炭素環式の基を表わすC3-8シクロアルキルを意味する。代表的な例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルおよびこれらに類するものがある。
用語「シクロアルケニル」は、3〜8の炭素原子および少なくとも1つの二重結合を有する単環式、炭素環式、非芳香族基を表わすC3-8シクロアルケニルを意味する。代表的な例には、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロへプテニル、シクロオクテニルおよびこれらに類するものがある。
本明細書で使用される用語「アリール」には、炭素環式の芳香環系、例えばフェニル、ビフェニルイル、ナフチル、アントラセニル、フェナントレニル、フルオレニル、インデニル、ペンタレニル、アズレニルおよびこれらに類するものを含むことが意図される。アリールにはまた、上記に列挙された炭素環式系の部分的に水素化された誘導体を含むことが意図される。上記部分的に水素化された誘導体の限定されない例として、1,2,3,4-テトラヒドロナフチル、1,4-ジヒドロナフチルおよびこれらに類するものがある。
本明細書に使用される用語「ヘテロアリール」には、窒素、酸素および硫黄、例えばフリル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、1,2,3-トリアゾニル、1,2,4-トリアゾニル、ピラニル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピリジニル、1,2,3-トリアジニル、1,2,4-トリアジニル、1,3,5-トリアジニル、1,2,3-オキサジアゾリル、1,2,4-オキサジアゾリル、1,2,5-オキサジアゾリル、1,3,4-オキサジアゾリル、1,2,3-チアジアゾリル、1,2,4-チアジアゾリル、1,2,5-チアジアゾリル、1,3,4-チアジアゾリル、テトラゾリル、チアジアジニル、インドリル、イソインドリル、ベンゾフリル、ベンゾチエニル、ベンゾチオフェニル(チアナフテニル)、インダゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、ベンズイソチアゾリル、ベンズオキサゾリル、ベンズイソキサゾリル、プリニル、キナゾリニル、キノリジニル、キノリニル、イソキノリニル、キノキサリニル、ナフチリジニル、プテリジニル、カルバゾリル、アゼピニル、ジアゼピニル、アクリジニルおよびこれらに類するものから選択される1以上のヘテロ原子を含むヘテロ環式芳香環系が含まれることが意図される。また、ヘテロアリールには、上記に列挙した部分的に水素化された誘導体のヘテロ環式系が含まれることが意図される。上記部分的に水素化された誘導体の限定されない例として、2,3-ジヒドロベンゾフラニル、ピロリニル、ピラゾリニル、インドリニル、オキサゾリジニル、オキサゾリニル、オキサゼピニルおよびこれらに類するものがある。
本明細書で使用される用語「ヘテロアリール-C1-6-アルキル」は、上記に定義したヘテロアリールおよび上記に定義したC1-6-アルキルを意味する。
本明細書で使用される用語「アリール-C1-6-アルキル」および「アリール-C2-6-アルケニル」は、上記に定義したアリールおよび上記に定義したC1-6-アルキルおよびC2-6-アルケニルをそれぞれ意味する。
本明細書に使用される用語「アシル」は、-(C=O)-C1-6-アルキル(式中 C1-6-アルキルは上記に定義した通りである)を意味する。
特定の上記に定義された用語は、構造式中に何度も現れ、出現ごとに各用語を他のものとは独立して定義すべきであろう。
本明細書に使用される用語「任意的に置換された」は、問題になっている基が特定の1以上の置換基で置換されていてもいなくてもよいことを意味する。当該基が複数の置換基で置換されている場合、該置換基は同じものでも異なるものでもよい。
本明細書中で使用される用語「処理」は、疾病、疾患または状態に立ち向かうための、患者の予防、管理および治療を意味する。用語には、疾病、疾患または状態の進行の遅延、症状および合併症の軽減または除去、および/または疾病、疾患または状態の治療または除去が含まれる。治療対象は、好ましくは哺乳類、特にヒトである。
発明の説明
本発明は、適切なモノマー保護および活性化方法を使用しながら固体支持体または溶液中で任意の順序でオリゴマー化された正確な数のモノマー構成単位で構成されている、新しいクラスの枝分れしたポリマーに関する。
本発明の側面は、以下の一般式によって表わされる上述したような結合体を提供する。
((枝分れしたポリマー)−(L3)0-1z−(ペプチド)
式中、L3は、連結部分であり、zは、生物学的に活動的なペプチドに結合した枝分れしたポリマーの数を表わす1以上の整数である。Zは、任意的には1、2、3、4、または5である。本発明の一側面において、Zは、1または2である。L3は、L1およびL2によって以下のように定義される。
本発明のモノマー構成単位は、一般構造式A-L1-X-(L2-B)nの直鎖または枝分れした二叉、三叉または四叉のの構成単位である。式中、XはA-L1および枝分れした部分である数nのL2-Bのための結合部分として役立ち、L1およびL2は共に連結部分である
Figure 2007501812
AおよびBは、適切な条件下で一緒になった両者が共通結合を形成できるように選択される官能基である。新しく形成された共有結合の性質は、AおよびBの選択に依存し、その結合様式には、アミド結合、カルバメート結合、カルボナート結合、エステル結合、リン酸エステル結合、チオリン酸エステル結合、ホスホルアミデート、エーテル、およびチオエーテル結合が含まれるがこれらに限定されない。
本発明の一側面において、Aは、COOH、COOR、OCOOR、OP(NR2)OR、O=P(OR)2、S=P(OR)(OR´)、S=P(SR)(OR´)、S=P(SR)(SR´),COCl、COBr、OCOBr、CHO、Br、Cl、I、OTs、OMs、P(OR)3、アルキンおよびアジド、p-ニトロフェニルカルボナート、スクシンイミジルカルボナート、カルボニルイミダゾール、カルボニル塩化物、アゾラクトン、環状イミドチオン、イソシアネート、またはイソチオシアネートから選択される。式中、RおよびR’の表記は、C1-6-アルキル、アリール、または置換されたアリールである。
本発明の一側面において、Aは、式: COOH、COOR、OCOOR、O=P(NR2)OR、O=P(OR)2、S=P(OR)(OR´)、S=P(SR)(OR´)、S=P(SR)(SR´)、COCl、COBr、OCOCl、OCOBr、CHO、Br、Cl、I、OTs、OMs、アルキンおよびアジドの基である。式中、RおよびR’の表記は、C1-6-アルキル、アリール、または置換されたアリールである。
本発明の一側面において、一般式IのAの部分は、ペプチド上でまたはBタイプの求核試薬と反応することができる活性化部分を表わす。好ましくは、Aは、以下のようなアミノ基と反応することができる官能基の群から選択される:
a)カルボナート、例えばp-ニトロフェニルまたはスクシンイミジル;
b)カルボニルイミダゾールまたはカルボニル塩化物;
c)in situで活性化されるカルボン酸;
d)カルボニルハライド、活性化されたエステル、例えばN-ヒドロキシスクシンイミドエステル、N-ヒドロキシベンゾトリアゾールエステル、1,2,3-ベンゾトリアジン-4(3H)-オンのエステル
e)ホスホルアミドおよびH-ホスホナート
f)in situでのホスホルトリエステル、またはホスホルジエステルの活性体、または
g)イソシアネート、またはイソチオシアネート。
本発明の一側面において、Bは、NH2、OH、N3、NHR’、OR’、O-NH2、アルキン、または任意の以下の基から選択され得る。
ヒドラジン誘導体 -NH-NH2,
ヒドラジンカルボキシラート誘導体 -O-C(O)-NH-NH2,
セミカルバジド誘導体 -NH-C(O)-NH-NH2,
チオセミカルバジド誘導体 -NH-C(S)-NH-NH2,
炭酸ジヒドラジド誘導体 -NHC(O)-NH-NH-C(O)-NH-NH2,
カルバジド誘導体 -NH-NH-C(O)-NH-NH2,
チオカルバジド誘導体 -NH-NH-C(S)-NH-NH2,
アリールヒドラジン誘導体 -NH-C(O)-C6H4-NH-NH2、および
ヒドラジド誘導体 -C(O)-NH-NH2
オキシルアミン誘導体、例えば-C(O)-O-NH2、-NH-C(O)-O-NH2および-NH-C(S)-O-NH2
本発明の一側面において、R’は、以下の基を含む保護基であるがこれらに限定されない。
Figure 2007501812
適切な保護基の他の例は当業者に知られており、その示唆はGreen & Wuts “Protection groups in organic synthesis”, 3.ed. Wiley-interscience.に見出すことができる。
本発明の一側面において、一般式IのBの部分は、好ましくはAタイプの求電子試薬と反応することができる保護された求核試薬の部分を表わす。本発明の一側面において、Bは以下の群から選択される。
a)Fmoc 保護アミノ基
b)遊離アミノ基
c)アミノ基に還元され得るアジド
d)アルキンと一緒に関与してトリアゾールを形成し得るアジド
e)O-置換ヒドロキシルアミン
f)ヒドロキシル基
g)DMT、MMT、またはトリチル-保護ヒドロキシル基
本発明の一側面において、AおよびBの間に形成される共有結合は、アミド結合、オキシム結合、ヒドラゾン結合、セミカルボゾン結合、カルボナート結合、カルバメート結合、エステル結合、リン酸エステル結合、チオリン酸エステル結合、またはホスホルアミデートである。
本発明の一側面において、以下に記載の収束方法によって枝分れしたポリマーの組み立てを容易にするために、AおよびBの定義を交換してもよい。
本発明の一側面において、Xは直鎖(二価の有機基)または枝分かれした(多価の枝分れした有機基)連結基、好ましくは親水性性質である。本発明の一側面において、Xは、18まで、より好ましくは1〜10の炭素原子を含む多官能性アルキル基を含む。幾つかのヘテロ原子、例えば窒素、酸素または硫黄が、アルキル鎖内に含まれる。アルキル鎖はまた、炭素または窒素原子で枝分れしていてもよい。本発明の一側面において、Xは単一の窒素原子である。
本発明の一側面において、Xには、二価の有機基、例えばエチレン、アリーレン、プロピレン、エチレンオキシ、または多価の有機基、例えばプロパン-1,2,3-トリイル、ベンゼン-1,3,4,5-テトライル、1,1,1-窒素トリイル、または以下の任意の基
Figure 2007501812
または以下の構造を含むがこれらに限定されない多価の炭素環
Figure 2007501812
が含まれるがこれらに限定されない。
本発明の一側面において、Xは以下の構造である。
Figure 2007501812
本発明の一側面において、Xは、連結基L1およびL2によってAまたはBから分離され得、好ましくは親水性性質になる。このような連結基の例には、
1,2-エタンジイル、1,3-プロパンジイル、1,4-ブタンジイル、1,5-ペンタンジイル、1,6-ヘキサンジイル、(CH2CH2O-)n(nは0〜10の整数である)、
-(CR1R2-CR3R4-O)n-(nは、0〜10の整数であり、かつR1、R2、R3およびR4は独立して水素またはアルキルになり得る)、
((CH2mO)n-(mは、2、3、4、5、6であり、かつnは、0〜10の整数である)、またはサクシミジル4-マルイミドブタノエートまたは1,6-ビスマルイミドヘキサンがある。
本発明の一側面において、Xには対称性がある。
本発明の一側面において、L1、L2またはその両方は原子価結合である。
本発明の一側面において、L1およびL2は、水溶性有機二価基から選択される。本発明の一側面において、L1、L2またはその両方は、約1〜5 PEG(-CH2CH2O-)基を含む二価の有機基である。
本発明の一側面において、L1は-オキシ-、または-オキシメチル-であり、L2は(CH2CH2O-)2である:
Figure 2007501812
本発明の一側面において、Aはカルボキシル基であり、Bは、保護されたアミノ基であって、脱保護後にそのカルボキシ基を介して同じ種類の新しいモノマーとカップリングしてアミドを形成することができる。
本発明の一側面において、Aはホスホラミダイト、Bは適切に保護されたヒドロキシル基であり、脱保護後、同じ種類の他のモノマーとカップリングして亜リン酸トリエステルを形成することができる(該トリエステルは、次に適切なリン酸トリエステルまたはチオリン酸トリエステルを形成するために酸化される)。
本発明の一側面において、Aは反応性カルボナート、例えばニトロフェニルカルボナートであり、Bは好ましくはその保護された形態におけるアミノ基である。
本発明の一側面において、Aはアシルハライド、例えばCOClまたはCOBrであり、Bは、好ましくはその保護された形態におけるアミノ基である。
本発明の一側面において、A-L1-X-(L2-B)nは以下の構造を有する。
Figure 2007501812
本発明の一側面において、A-L1-X-(L2-B)nは以下の構造を有する。
Figure 2007501812
本発明の一側面において、A-L1-X-(L2-B)nは以下の構造を有する。
Figure 2007501812
枝分れしたポリマーは、一般に、発散方法(divergent approach)および収束方法(convergent approach)と呼ばれる二つの基本的に異なるオリゴマー化方法のうちの一つを使用して、上述したモノマーから構築され得る。
一つの側面において、該枝分れしたポリマーは、合成サイクルの反復プロセスによって構築され、各サイクルは、それ自体官能性末端基を含む、適切に活性化された、反応性2、3または多機能性モノマー構成単位を使用し、さらなる伸長(即ち、ポリマーの成長)が可能になる。官能性末端基は、通常は自己重合化を防止するために保護される必要性があり、脱保護工程は、このような場合において、さらなる伸長のために必要な官能性末端基を生成するために必要とされる。活性化(反応性)モノマーを加える工程と続く脱保護工程の1サイクルで、反復プロセスにおける一世代が完了する。発散方法は、液相化学を使用する図4と固相化学を使用する図3に図示した。
枝分れしたポリマーの収束的構築:
しかしながら、上記反復プロセスにおいて世代数が大きくなると、官能末端基のパッキング密度が頻繁に高くなり、世代の完了を導く正常な成長が妨げられる。実際、全ての系において、成長は多数の表面官能基の反応を必要とし、その全てが各成長工程において反応することを保証することは難しい。これは、正常な単分散の合成と、高度に組織化された枝分れした構造の合成において深刻な問題を提示する。未反応の官能末端基は、段階的な成長配列の後の工程で、不全配列(切断)または偽反応を導くおそれがあるからである。
本発明の一側面において、枝分れしたポリマーは、米国特許5,041,516に記載された収束方法によって構築される。巨大分子を構築する収束方法は、最終分子の構築を発散方法のようにその中心ではなく、その末端で開始する。この回避の問題、例えば共有結合の不完全な形成は、典型的には徐々により大きな数の部分での反応と関係する。
第2世代の枝分れしたポリマーを構築するための収束方法を、本発明のモノマー構成単位の一つを含む特定の例を使用して図1および図2において図示した。
最終の枝分れしたポリマーが、必要に応じて、各世代ごとに異なる種類のモノマー構成単位からなっていてもよいということに留意することが重要である。各層において異なるモノマーを使用することによって、適切な性質を有する枝分れしたポリマーが作製され得る。このようにしてポリマーの全体的性質、およびポリマー-ペプチド結合体を制御することができる。
本発明の一側面において、枝分れしたポリマーの全体的硬さ(rigidity)の調節が提供される。最初の層において二叉に分かれたモノマーを選択し、続いて1以上の層で直鎖モノマーが続いた場合、分岐数の少ない枝を有し、かつ全体的にだらりと垂れた構造を有するポリマーが作製され得る。本発明の一側面において、分岐数の少ない直鎖状の枝分れしたモノマーを使用せずに、より高度に枝分れしたモノマー、例えば三叉または四叉に分かれたモノマーを各層で繰り返し使用すると、高密度を全体的にコンパクトな構造をもつ高度に枝分れしたポリマーが得られる。硬さはまた、特定のモノマーの設計、例えば、硬い中心構造(X)または硬い連結基(L1、L2)を使用することによって制御され得る。本発明の一側面において、硬さの調節は、1以上の特定の層において硬いモノマーをよりフレキシブルな性質をもつモノマーと混ぜて使用することによって得られる。本発明の一側面において、ポリマーの全体的な親水性の性質は制御可能である。これは、より疎水性の中心構造(X)またはより疎水性の連結基(L1&L2)を有するモノマーを、1以上の樹枝状の層中において選択することによって達成される。
本発明の一側面において、最終的なペプチド結合体において周囲の環境にさらされるであろう、枝分れしたポリマーの外側の層において異なるモノマーが使用される。本発明中に記載されたモノマーの幾つかは、末端基(B)として保護されたアミン基を有する。これらは、脱保護工程後、生理学的条件下、すなわち中性の生理学的に緩衝された7.4付近のpHでプロトン化され、多カチオン的に荷電された全体的構造をとる。このような多カチオン構造は、動物の研究において毒性があることが証明されており、これらは、一般的には血液循環系から速やかに取り除かれるけれども、薬学的内容物においては避けるべきである。最終層を作製するのに使用される適切なモノマーの選択によって、多カチオン構造を避けることができる。図5に記載した一つの例は、最終層の樹枝状の構造をキャッピングするためにMe(Peg)2CH2COOH酸を使用し、さもなければアミンで終わらせている。
本発明の一側面において、天然に存在するグリコペプチドを模倣する生物ポリマーが提供される。該生物ポリマーは、一般には複数のアニオンで帯電したシアリン酸を、そのN-グリカンのアンテナ構造の末端基として有する。再度、本発明によれば、最終層を作製するのに使用されるモノマーの適切な選択によって、前記グリカンをポリアニオン性質に関して模倣することができる。このような例の一つを図6に示した。枝分れしたポリマーは、コハク酸モノtert-ブチルエステルでキャップされる。該エステルは、酸で脱保護されて生理学的条件下で負に帯電するポリマー表面を付与する。
モノマーのポリマーへの構築は、N.J.Wells、A。Basso and M.Bradley in Biopolymers 47, 381-396(1998)によって記載された固相支持体上かまたはFrechet et al. in U.S. Patent 5,041,516に記載された従来の液相化学による適切な有機溶媒中で行われ得る。
本発明の一側面において、枝分れしたポリマーは、上記に記載した反復性の発散プロセスにおいて、図3に示されたように、適切な連結基で誘導体化された固相支持体上で構築される。FmocまたはBocで保護されたアミノ基(B)と、反応性官能基のアシル化基(A)で設計されたモノマーでは、従来のペプチド合成にとって有用な固相プロトコルが都合良く適用され得る。文献(Fields、ed.、Solid phase peptide synthesis, in Meth Enzymol 289)に記載された適用可能な標準的固相技術は、適切なプログラム可能な装置(例えば、ABI 430A)を使用するかまたはこれに近い家庭用機の使用によって、あるいは支持体の分離および洗浄のための標準的なろ過技術を手動で使用して構築され得る。
例えば、DMTで保護されたアルコール基(B)と、反応性ホスホラミダイト(A)を有するモノマーでは、標準的なオリゴヌクレオチド合成について使用される固相装置、例えばApplied Biosystems Expidite 8909、およびM.Dubber and J.M.J. Frechet in Bioconjugate chem。2003、14、239-246によって最近記載されたような条件を、都合良く適用することができる。従来のホスホラミダイトの方法論に基づいたこのようなリン酸ジエステルの固相合成では、中間体の亜リン酸トリエステルがリン酸トリエステルに酸性化される必要がある。この種類の固相支持体の酸化は、典型的にはヨウ素/水または過酸化物(例えば、これらに限定されないが、tert-ブチル水素過酸化物および3-クロロペル安息香酸)で達成される。さらに、保護されたモノマーまたは保護されていないモノマーが酸化状態に耐える必要がある。ホスホラミダイトの方法論はまた、ピリジンまたは有機チオール化試薬、例えば3H-1,2-ベンゾジチオール-3-オン-1,1-ジオキシド中の硫黄元素でヨウ素を単純に置き換えることによってチオリン酸塩の簡便な合成を可能にする(例えば、M.Dubber and J.M.J. Frechet in Bioconjugate chem. 2003, 14, 239-246を参照)。
樹脂に結合した枝分れしたポリマーは、反応が完了後、適切な条件下で樹脂から切断することができる。成長するポリマーと固相支持体との間にある切断可能な連結基は、個々の合成サイクル中で使用される任意の脱保護工程、酸化または還元工程を含む、個々のモノマーのオリゴマー化プロセス中では完全性を保つが、一方、ある適切な条件下では切断されて最終的な枝分れしたポリマーを完全な状態で遊離させるものから選択されることが重要である。当業者は、適切な連結基および支持体を作製することができる。そして、オリゴマー化プロセスのための反応条件、脱保護プロセスおよび任意的には酸化プロセスは、対象のモノマーに依存する。本発明の一側面において、枝分れしたポリマーの固層オリゴマー化は、既に現存する固相に繋がれたペプチド上で行い、開始点として、ペプチドの保護されたN末端、あるいは任意のアミノ酸側鎖残基、例えばリシン残基のε-アミノ基、システインのチオール基またはセリン、スレオニンもしくはチロシン残基のヒドロキシル基を使用する。また、枝分れしたポリマーの固相オリゴマー化のための開始点として、唯一の化学手をもつペプチド配列内の非天然のアミノ酸を使用することができる。モノマー単位の結合が可能であり、かつ開裂基として機能し得る適切な官能基で誘導化された樹脂が商業的に利用可能である(f.ex the cataloge of Bachem and NovoBiochemを参照)。
本発明の一側面において、枝分れしたポリマーは、適切な連結基で樹脂上に合成される。該連結基は、切断後、以下に記載した後のペプチドとの液相結合プロセス中において、結合基として直接的に機能できる官能基を備えた枝分れしたポリマー生成物を産生するか、あるいは適切な化学的手段によってこのような結合基に転換され得る。
本発明の一側面において、あるサイズおよび組成の樹枝状に枝分れしたポリマーは、従来の液相技術を使用して合成される。
本発明の一側面において、枝分れしたポリマーは、適切な活性化されたモノマーの成長中のモノマーへの逐次添加によって、適切な溶媒中で構築される。各添加後、次の世代の構築を開始する前に脱保護工程が必要とされてもよい。完全な反応を行うために、過剰のモノマーを使用することが望ましいであろう。本発明の一側面において、過剰なモノマーの除去は、親水性ポリマーがジエチルエーテルまたは類似の溶媒中において低い溶解性を示す事実をうまく利用する。すなわち、成長中のポリマーは、溶液中の過剰なモノマー、カップリング試薬、副生成物などを遊離して沈殿し得る。その後、相分離は、単純に容器を傾けることによって、より好ましくはデカンテーション後の遠心分離によって行い得る。ポリマーはまた、例えばシリカゲル上での従来のクロマトグラフィー技術によって、あるいはP.R.Ashton et al. J.Org.Chem. 1998, 63, 3429-3437に記載されたような、通常または逆相条件下でのHPLCまたはMPLC系の使用によって副生成物から分離され得る。代わりに、比較的大きなポリマーを、E.R.Gillies and J.M.J.Frechet in J.Am.Chem.Soc. 2002, 124, 14137-14146に記載されたような、任意的に透析と組み合わせたサイズ排除クロマトグラフィーを使用して低分子成分、例えば過剰なモノマーおよび副生成物から分離することができる。
本発明の一側面において、収束性の液相合成が使用される。固相技術とは対照的に、液相は、S.M.Grayson and J.M.J.Frechet, Chem.Rev. 2001, 101, 3819-3867にレビューされた上述の枝分れしたポリマーの構築のための収束手法を使用することができる。この手法では、モノマーで合成を開始し、保護された官能末端基(B)を、最終的な枝分れしたポリマーの外側表面上に存在する基に最初に転換するのが望ましい。従って、大部分の場合において、一般式Iの官能基(A)は、適切な保護を必要とし、末端基(B)の段階的な化学操作を可能にする。官能基(A)のための保護基は、実際の官能基に依存する。例えば、一般式I中のAがカルボキシル基である場合、TFAによって除去され得るtert-ブチルエステル誘導体が適切な選択になるであろう。適切な保護基は当業者に周知であり、他の例は、Green & Wuts Protection groups in organic synthesis, 3.ed Wiley-interscienceに見出すことができる。枝分れしたポリマーの収束性構築は、図1および図2において図示される。図1の工程(i)において、tert-ブチルエステル官能基(A)は、t-ブチルα-ブロモアセタートと適切な前駆体との反応によって調製される。工程(ii)において、末端基(B)は、工程(iv)でアシルハライドに転換されるカルボン酸での工程(iii)のアシル化が可能なように処理される。工程(v)において、終端(B)でキャップされたモノマーを作製するt-ブチルエステル官能基(A)が取り除かれる。この終端でキャップされたモノマーは、図2の第2世代の生成物を調製するための開始物質として役立ち、2当量分が図1の工程(ii)の生成物とのアシル化反応中において使用される。この反応の生成物は、新規なt-ブチルエステルであり、脱保護後、より大きな世代物質を作製する図2の最初の工程において再投入可能である。
溶液中かまたは固体支持体上での枝分れしたポリマー分子とペプチドとの共有結合を効果的にするために、枝分れしたポリマーは、反応手、すなわち、カルボン酸、第一級アミノ基、ヒドラジド、O-アルキル化ヒドロキシルアミン、チオール、スクシナート、スクシンイミジルスクシナート、スクシミジルプロピオネート、スクシミジルカルボキシメチレート、ヒドラジドアリールカルボネーターおよびアリールカルバメーター、例えばニトロフェニルカルバメートおよびニトロフェニルカルボネート、クロロカルボネート、イソチオシアネート、イソシアネート、マレイミド、および活性化されたエステル、例えば:
Figure 2007501812
を含む反応性官能基の例を備えた反応手を提供しなければならない。
枝分れしたポリマーとポリペプチドとの結合は、当業者に周知の従来の方法を使用して行われる。当業者は、使用される活性化方法および/または結合化学(例えば、反応基の選択など)が、ペプチド上で選択される結合基(例えば、アミノ基、ヒドロキシル基、チオール基など)および枝分れしたポリマー上で選択された結合基(例えば、スクシミジルプロピオネート、ニトロフェニルカルボネート、マルイミド、ビニルスルホン、ハロアセテート等)に依存することに気づくであろう。本発明の一側面において、上述したような、枝分れしたポリマー上の適切な結合基は、枝分れしたポリマーが従来の液相化学を使用して構築された後に作製される。カルボン酸基を含む枝分れしたポリマー上に求核性および求電子性の結合基を作製する異なる方法を示す本発明の側面が、図7に挙げられている。
本発明の一側面において、1以上の活性化された枝分れしたポリマーは、標準的な化学反応によって生物学的に活性なポリペプチドに結合する。該結合体は、一般式IIによって表わされる。
Figure 2007501812
式中、(枝分れしたポリマー)は、一般式Iに記載されたモノマーからなる枝分れしたポリマーであり、L3は、一般式IのL1およびL2について本質的に定義された連結基である。(Z)は、生物学的に活性なペプチドに結合した多数の枝分れしたポリマーを表わす1以上の整数である。(Z)についての上限値は、ポリペプチド上の利用可能な結合部位の数、および枝分れしたポリマーの結合の好ましい程度によって決定される。
反応化学量論を変化させることによって修飾された結合の程度は、上述した通りである。ポリペプチドに結合した1以上の枝分れしたポリマーは、化学量論的過剰の活性化されたポリマーとポリペプチドとを反応させることによって得られる。
生物学的に活性なポリペプチドは、ポリペプチドのpH要求に応じて任意的に緩衝される水溶性反応溶媒中の活性化された枝分れしたポリマーと反応する。反応のための最適なpHは、大部分のポリペプチドでは一般的には約6.5〜8、好ましく約7.4である。
ポリペプチドの安定性のための最適な反応条件、反応効率等は、当該術分野における通常の能力の範囲内にある。好ましい温度範囲は4℃〜37℃である。反応溶媒の温度は、ポリペプチドが変性または分解する温度を越えることはできない。好ましくは、ポリペプチドは、過剰の活性化された枝分れしたポリマーと反応する。該反応後、該結合体は、回収されてダイアフィルトレーション、カラムクロマトグラフィー、例えば、サイズ排除クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニィティークロマトグラフィー、電気泳動、またはこれらの組み合わせ、あるいはこれらに類する手法によって精製される。
アミン、チオールまたはヒドロキシル基といった適切な結合基がペプチド上に既に存在しない場合、あるいはこれらの修飾がペプチドの生物学的機能を妨害する場合、適切な結合基が、従来の遺伝子工学、例えばDNA上での変異−ポリマーの修飾後の結合を可能にするアミノ酸を含む選択されたアミノ酸のレベル(例えば、翻訳領域のコドンの置換)によってナイーブペプチド上に作製される。変異するアミノ酸の選択は、特定のペプチドに依存する。一般には、「許容された変異」を選択するのが望ましく、例えばその天然のリガンドに対するペプチドの結合性に影響を与えない、あるいは酵素作用、基質結合等々といったペプチドの生物学的機能を阻害しないアミノ酸を選択するのが望ましい。
非天然のアミノ酸を受け入れるように選択されたtRNA合成酵素と組み合わせてナンセンスなアンバーコドンを使用するDNA配列の変異はまた、in vivoの発酵条件下で非天然のアミノ酸を含むペプチドを調製する方法である(Wang, L et al. PNAS U.S.A., 2003, 100, 56-61)。さらに、唯一の官能結合基をもつ新規なアミノ酸の導入、および糖擬態でのこれらの後修飾が行われる(Liu, H.; Wang, L.; Brock, A.; Wong, C.-H.; Schultz、P.G.; J. Am.Chem.Soc.;(Communication); 2003; 125; 1702-1703)。これらの遺伝子産物は、新規な非天然の化学選択的な結合基が枝分れしたポリマーでの修飾に利用可能になるので、本発明に基づいた適切なペプチドである。
本発明の一側面において、該ペプチドは、標準的な固相化学を使用して固相上で構築され、選択されたアミノ酸は、結合基として機能する適切な側鎖をもつアミノ基で置換される。このようなアミノ酸の置換の例には、例えばセリンのシステインでの置換、フェニルアラニンのチロシンでの置換、またはアルギニンのリシンでの置換がある。代わりに、結合基は、ペプチドのC末端またはN末端のいずれかに直接的に結合する酵素によって導入される。ポリマーの修飾後付加を可能にする適切なアミノ酸かまたは同じ目的に貢献する小有機分子で、本発明のこの側面を支持する酵素には、例えばカルボキシペプチダーゼ、および逆にプロテアーゼが含まれる。
哺乳類、昆虫または酵母細胞のような真核生物の発現系から得られた天然のペプチドは、グリコシル化された形態において頻繁に単離される。このようなペプチド上でグリカン基とも呼ばれるグリコシル基は、それ自体がポリアルコールであり、該ポリアルコールは、結合目的のために直接的に使用され得るかまたは適切な条件によって結合体にとって適切な結合基に転換され得る。
従って、本発明の一側面において、枝分れしたポリマーは、グリコシル化されたペプチド上に存在するグリカン基を使用して結合される。対象のグリカンには、グリカンがアミノ酸残基のセリンまたはスレオニンを介して連結されているO連結型グリカン、あるいはグリカン部位がペプチドのアスパラギン残基に連結されているN-グリカンがある。
本発明の一側面において、続いて枝分れしたポリマーに結合するために、グリカンの修飾が必要である。本発明の一側面において、ペプチド上に存在するN-グリカンは、Fu, Q. & Gowda, D.C. Bioconjugate Chem. 2001, 12, 271-279に記載されたようにガラクトースオキシダーゼを使用して酵素的に酸化されるので、本発明に基づいて作製された枝分れしたポリマーのための結合基として機能する遊離のアルデヒド官能基を生み出す。この特定の側面において、シアル酸付加されたペプチドは、ペプチドの表面上に遊離のガラクトース残基を露出させるために、ガラクトース酸化処理の前にシアリダーゼで任意的に処理される。
従って、本発明の一側面において、ペプチドはシアリダーゼで酵素的に処理され、続いてガラクトースオキシダーゼによって処理され、ペプチドの表面上に反応性アルデヒド官能基を生み出す。その後、これらは図7中で調製されたもののようにオキシム、ヒドラジンまたはヒドラジドのハンドルのうちいずれか一つを含む枝分れしたポリマーで反応と反応するので、結合プロセスを完了させる。本発明の一側面において、水溶性ポリマーは、WO03/031464(Neose)に記載された特定のグリコシルトランスフェラーゼのための活性化基質に転換される単糖と共有結合する。
N-およびO-グリカンは、化学的手段によってアルデヒド官能基に直接的に転換される。すなわち、本発明の一側面において、グリコシル化されたペプチドは、中性条件下で過ヨウ素酸塩処理を受け、それによって反応性アルデヒド官能基を生み出す。
すなわち、第一の側面において、本発明は、少なくとも一つの末端ガラクトース誘導体とこれに共有結合した延長基(protractor group)とを有するグリコペプチドを含むグリコペプチドの結合を生み出すための方法を提供する。
本発明は、以下の工程を含む。
(a)少なくとも一つの末端ガラクトース誘導体を有する糖ペプチドを、ガラクトースオキシダーゼと接触させて、反応性アルデヒド官能基を有する酸化された末端ガラクトース誘導体を含む糖タンパク質を生成する工程と、
(b)工程(a)で生成された糖ペプチド生成物を、アルデヒド基と反応することができる反応基X(Xは、式(グリコペプチド)−(延長基)によって表わされた結合体を生成するための延長基である)と接触させる工程。
第二の側面において、本発明は、結合していない糖ペプチドと比べてin vivoでの血漿半減期が長い糖ペプチドの結合体を生成する方法を提供する。該結合体は、少なくとも一つの末端ガラクトースまたはその誘導体を有するグリコペプチドを含み、延長基が連結基を介してこれに共有結合する。
前記方法は、以下の工程を含む。
(a)少なくとも一つの末端ガラクトースを有する糖ペプチドまたはその誘導体を、ガラクトースオキシダーゼと接触させ、反応性アルデヒド官能基を有する酸化された末端ガラクトースまたはその誘導体を含むグリコペプチドを生成する工程と、
(b)工程(a)で生成された糖ペプチド生成物を、アルデヒド基と反応し得る反応体X(Xは、糖ペプチドおよび連結基の結合体を生成するための任意的に保護された第2の反応基を含む連結基である)と接触させる工程と、
(c)工程(b)の生成物を、連結基の第2の反応基と反応し得る延長基と接触させ、式(糖ペプチド)−(連結基)−(延長基)によって表わされる結合体を生成する工程。
結合工程のための好ましい糖ペプチドは、少なくとも一つのガラクトース残基を露出するために十分なシアル酸を除去するシアリダーゼで処理され、かつ遊離の反応アルデヒド官能基を生成するために、例えばガラクトースオキシダーゼおよび西洋わさびペルオキシダーゼでさらに処理された糖ペプチドである。
アルデヒド基と反応し得る反応体Xを使用する好ましい反応順序を以下に示す。
Figure 2007501812
式中、Siaは、α-2,3-またはα-2,6-結合体中のガラクトースまたはガラクトース誘導体(Gal)に連結されたシアル酸を意味する。
一つの側面において、Gal-OHは、以下のガラクトースを表わす。
Figure 2007501812
一つの側面において、Gal-OHは、ガラクトース誘導体Nアセチルガラクトサミンを表わし、かつガラクトースオキシダーゼは、以下のアセチル化されたガラクトサミン残基を酸化する。
Figure 2007501812
Xは、アルデヒドと共有結合的に反応し得る化学官能基を含む任意の種類の分子であり、C-6位で修飾されたガラクトースまたはN-アセチルガラクトサミン残基を形成する(例えば、求核試薬)。
Lは、天然の単糖類、例えばフコース、マンノース、N-アセチルグリコサミン、キシロース、およびアラビノースからなる1以上の炭水化物基を含む(任意の順序で連結され、かつ任意の数の枝数を有する)二価の有機ラジカル連結基である。Lはまた原子価結合でもよい。
化学的結合は、内包された特定の反応物Xに応じて多数の方法で行うことができる。
一つの側面において、Xは、脱水して共有結合を形成し得る求核試薬である。制限のない例には、ヒドロキシルアミン、O-アルキル化ヒドロキシルアミン、アミン、安定化されたカルバニオン、安定化されたエノラート、ヒドラジド、アルキルヒドラジド、ヒドラジン、アシルヒドラジン、α-メルカプトアシルヒドラジド等が含まれる。他の側面では、環形成(例えば、チアゾリジン形成)求核試薬、例えば、チオエタンアミン、システインまたはシステイン誘導体が含まれる。
幾つかの場合(以下を参照)において、該反応の生成物を還元剤(還元体)とさらに反応させ、以下に示した還元された生成物を形成してもよい。
Figure 2007501812
このような場合において、還元剤(還元体)の好ましくかつ制限のない例には、ナトリウムシアノボロ水素化物、ピリジンボラン、およびナトリウムボロ水素化物が含まれ、かつxの好ましい例には、ヒドラジド、第一級および第二級アミンが含まれる。
一般には、O-アルキル化ヒドロキシルアミン誘導体は、アルデヒドと反応したときに自発的に安定なオキシム誘導体を形成する:
Figure 2007501812
より反応性であるけれども、対象のペプチドに対して直接的に破壊的である幾つかの場合において、アルキルヒドラジンはまた、アルデヒドと効果的に反応してヒドラゾンを生成する。ヒドラゾンは水溶液中で安定であるので、誘導体化のためのヒドロキシルアミンに代わるものとして考えてもよい。
Figure 2007501812
他方では、ヒドラジドは自発的にアルデヒドと反応するが、アシルヒドラゾン生成物は、水溶液中であまり安定ではない。ヒドラジド誘導化リガンドを使用すると、結果物のヒドラゾンは、マイルドな還元試薬、例えばナトリウムシアノボロ水素化物またはピリジンボランを使用してN-アルキルヒドラジドに頻繁に還元される。例えば、Butler T. et al. Chembiochem. 2001, 2(12)884-894を参照されたい。
Figure 2007501812
アミンとアルデヒドとの間のシッフ塩基の形成は、他の種類の化学結合方法論を提供する。ヒドラジドの場合にあるように、アミンを生成するイミンのマイルドな還元が、適切な結合体を得るために頻繁に必要とされる。
Figure 2007501812
マイルドな還元試薬が知られているけれども、ペプチド中の硫化物−硫化物(SS)架橋の還元を避けるのは難しいであろう。このような場合において、還元剤を使わない化学的結合原理は好ましい。
C6位で酸化されたガラクトース残基はまた、アミノチオール、例えばシステインまたはシステイン誘導体またはアミノエタンチオールと効果的に反応し、以下に示されたチアゾリジンを生成する。
Figure 2007501812
環式生成物を誘導する類似の種類の修飾は、α-メルカプトアシルヒドラジドを含む。
Figure 2007501812
C6位で酸化されたガラクトース残基はまた、Horner-Wadsworth-Emmons反応中でカルボアニオン有機リン試薬と反応し得る。該反応は、以下に示したアルケンを形成する。求核試薬の強度は、Wittig反応において使用された試薬のような、異なる有機リン酸試薬を使用することによって変化し得る。
Figure 2007501812
C6位で酸化されたガラクトース残基はまた、カルバニオン求核試薬と反応することができる。この例は、以下に示されたアルドール型反応になり得る。Z’およびZ’’基は、電子求引性基、例えばCOOEt, CN, NO2を表わし(March, Advanced Organic Chemistry, 3rd edition, John Wiley & Sons, N.Y. 1985)、メチレンプロトンの酸性を増加させる。本発明において、Z基の一つまたは両方がまた、R基(延長基)に結合され得、グリコペプチドの性質を向上させることができる。
Figure 2007501812
C6位で酸化されたガラクトースを修飾するために上記に列挙された例は、本発明の非制限的な例として役立つ。例えば、C6で酸化されたガラクトース上に存在するアルデヒド官能基を修飾する他の求核試薬および化学的手順が、当業者に知られている(March、Advanced Organic Chemistry, 3rd edition, John Wiley & Sons, N.Y. 1985を参照)。
連結分子
酸化された(アシアロ)グリコペプチドの修飾はまた、最終生成物に到達する前に、一以上の工程において行われ得る。すなわち、一側面において、C6で酸化されたガラクトース残基は、アルデヒド基のための特異性を有する連結分子と最初に反応する。追加の化学的ハンドル(二官能性)を含む連結分子それ自体は、他の分子(例えば延長基)と結合することによってさらに反応し、最終生成物を得る。
糖ペプチド-CHO → グリコペプチド-連結基-X → グリコペプチド-連結基-R
適切な二官能性連結基は当業者に周知であるかまたは容易に推考し得る。例には、マレイミド、スクシミジルエステル、チオールヒドロキシルアミン、アミン、ヒドラジドまたはこれらに類するものと組み合わせたヒドロキシル-アミン-、アミン-、またはヒドラジドを含む二官能性の連結基が含まれるがこれに限定されない。
上記反応スキーム1において段階的反応として記載されているが、幾つかの場合においては、求核試薬を反応混合物中に直接加えることが好ましいであろう。ガラクトースオキシダーゼ−カタラーゼまたはガラクトースオキシダーゼ西洋ワサビペルオキシダーゼ酵素結合体を使用して酸化を行うときに、このようなワンポットな条件は、一つのペプチド上にあるアルデヒド官能基とアミノ基(例えば、リシン残基中のイプシロンアミン)との分子内ペプチド反応を防ぐことができる。ペプチド間の分子内および分子間シッフ塩基(イミン)の形成は、求核試薬との反応を不完全に導くかまたは対象のペプチドの沈殿を導く。ワンポットな条件はまた、アルデヒド官能基がすぐに反応溶媒中に存在する求核試薬と反応し得るので、ガラクトースオキシダーゼによって仲介される過剰な酸化を防ぐ。求核試薬のペプチドに対する濃縮率は、接合体のために選択された対象のペプチドおよび求核試薬の種類(例えば、ヒドロキシルアミン、ヒドラジド、アミンなど)に依存する。最適な条件は、例えば求核試薬とペプチドとの濃度比の変化や、溶液中のペプチドの全体的濃度の変化を調べる実験などによって見出すことができる。
ガラクトースまたはN-アセチルガラクトサミン残基が、シアルダーゼでの処理後に露出している間に、本発明は、延長基とと任意の末端ガラクトース基とを共通結合するのに使用し得る。一つの例は、ガラクトシルトランスフェラーゼの使用によって末端ガラクトース残基のグリカンへの付加を可能にする。このような末端ガラクトース残基は、本発明によって記載された技術によって修飾され得る。
本発明の一側面において、枝分かれしたポリマーは、連結基を介してペプチドと結合する。適切な連結基は、当業者に周知である。例は、N-(4-アセチルフェニル)マレイミド、スクシミジルエステル活性化マレイミド誘導体、例えば商業的に利用可能なスクシミジル4-マレイミドブタノエート、1,6-ビスマレイミドヘキサンを含むがこれらに限定されない。他の連結基は、任意的にはヘテロ原子を含む二価のアルキル誘導体を含む。例は以下のものを含む:
1,2-エタンジイル、1,3-プロパンジイル、1,4-ブタンジイル、1,5-ペンタンジイル、1,6-ヘキサンジイル、(CH2CH2O-)n(nは、0〜10の整数である)
-(CR1R2-CR3R4-O)n-(nは、0〜10の整数である)
R1、R2、R3およびR4は、独立して水素またはアルキルになり得る。
((CH2mO)n-(mは、2、3、4、5、6であり、nは、0〜10の間の整数である)
枝分かれしたポリマーとペプチドとのモル比、ポリマーで誘導化されたペプチドの多様性の程度を含む状況、例えば、ペプチドのアミノ酸配列、その第二級および第三級構造およびペプチド上の結合基のアクセス可能性、結合する活性化した枝分かれしたポリマーの性質および特定の結合状態に応じて、活性化したポリマーとペプチドとのより高いモル比、より高い多様性の程度のポリマーで誘導化されたペプチドが得られることが理解されるであろう。このようなプロセスから得られるポリマーで誘導化されたペプチド(結合体)は、しかしながら、一般的には、ポリマー修飾のわずかに異なる程度をもつペプチド結合体の確率論的分布を含む。
本発明の一側面において、結合の方法は、以下の方法で行われる標準的な化学に基づいている。枝分かれしたポリマーは、例えば図7に示したジアミノアルキルで連結されたアミノオキシ酢酸のアシル化によって合成中に結合するアミノオキシアセチル基を有する。ペプチドは、末端にセリンまたはスレオニン残基を有し、Rose, J Am. Chem. Soc. 1994, 116, 30-33 and European Patent 0243929に基づいて過ヨウ素酸塩を含むマイルドな条件下でグリオキシルイル基に酸化される。枝分かれしたポリマーのアミノオキシ成分とペプチドのアルデヒド成分は、おおよそ等しい割合で水溶液中1〜10 mMの濃度、弱酸性pH(2〜5)、室温下で混合される。結合反応後(この場合においてはオキシム化)、逆相高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)およびエレクトロスプレーイオン化マススペクトロメトリー(ES-MS)を行う。反応速度は、濃度、pHおよび立体的要素に依存するが、通常は数時間内で平衡状態になり、平衡状態は、結合体に非常に有利になる(Rose, et al., Biacanjugate Chemistry 1996, 7,552-556)。わずかに過剰な(5倍までの)一つの成文は、完了に向けて結合反応を強いる。生成物は単離され、オキシムのために予め記載されたように特徴づけられる。ペプチド(例えば、インシュリン)は、例えば逆相HPLCによって精製される(Rose, J Am. Chem.Soc., supra and Rose, et al., Bioconjugate Chemistry, supra)。より大きなペプチドとして(例えば、抗体およびその断片)は、Werlen, et al., Cancer Research 1996, 56,809-815に記載されたイオン交換クロマトグラフィーまたはゲルろ過技術によって任意的に精製される。
本発明の一側面において、結合の方法は以下の手法において行われる。枝分かれしたポリマーは、図3に示されたSasrin, or Wang樹脂(Bachem)上に合成される。樹脂製造メーカー(Bachem)によって推奨された手順を使用して、枝分かれしたポリマーは、ジクロロメタン中のTFAでの繰り返しの処理によって樹脂から切断される。そして切断されたポリマーの溶液は、メタノール中のピリジンで中和される。室温(加熱を加えない)での溶媒の蒸発と、切断されたポリマーの精製後、樹脂に結合したカルボキシ基は、活性化され(例えば、HBTU、TSTUまたはHATUで)、ペプチド化学の標準的な技術によってペプチド上で求核性基(例えば、アミノ基、すなわちリシンの側鎖上のイプシロンアミノ基)と結合する。望ましくは、修飾された標的分子または物質は、例えば、サイズ排除クロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、調整用等電点電気泳動などの当業者に周知の多数の精製方法のうちの一つによって反応混合物から精製され得る。巨大分子精製(特に、ペプチド精製)のための一般的な方法および原理は、例えばProtein Purification: Principles and Practice by Seeres, 2nd ed., Springer-Verlag, New York, NY, (1987)(参照によって本明細書中に組み込まれる)に見出すことができる。
枝分かれしたポリマーと結合したペプチドは、「生物学的に活性」と表現される。しかしながら、この用語は、生理学的または薬学的活性体に制限されない。例えば免疫グロブリン、たんぱく質分解活性を有する酵素、およびこれらに類するペプチドを含む幾つかの本発明のポリマー結合体はまた、実験室的診断、すなわちインビボ研究等にとって有用である。全ての結合体の重要な特色は、活性の消失が本発明にとって有利であるかまたは得られた結合体の他の性質によって消失した活性を捕捉できる場合を除いて、未修飾の生物活性ペプチドに付随した少なくとも同じ活性が維持されることである。
従って、結合体は生物学的に活性であり、多数の治療学的用途を有する。生物学的に活性なペプチドを含む治療を必要とするヒトは、所望の生物活性ペプチドを含む有効量の枝分かれしたポリマー結合体を投与することによって治療され得る。例えば、酵素置換治療または血液因子の必要なヒトに、所望のペプチドを含む枝分かれしたポリマー結合体を与えることができる。
本発明の対象の生物学的に活性なペプチドには、ペプチドおよび酵素が含まれるがこれらに限定されない。対象の酵素には、特定の酵素に限定されずに、炭水化物特異的な酵素、タンパク質分解酵素、酸化還元酵素、転移酵素、加水分解酵素、リアーゼ、イソメラーゼおよびリガーゼが含まれる。対象の酵素の例には、アスパラギナーゼ、アルギナーゼ、アルギニンデアミナーゼ、アデノシンデアミナーゼ、スーパーオキシドジスムターゼ、内毒素酵素、カタイアーゼ、キモトリプシン、リパーゼ、ウリカーゼ、アデノシンジホスファターゼ、チラシナーゼ、ビリルビンオキシダーゼが含まれる。対象の炭水化物特異的酵素には、グルコースオキシダーゼ、グリコシダーゼ、ガラクトシダーゼ、グリコセレブロシダーゼ、グルコウロニダーゼなどが含まれる。
対象のペプチドには、ヘモグロビン、血清ペプチド、例えばFactor VII、VIII、およびIXを含む血液因子;免疫グロブリン、サイトカイン、例えばインターロイキン、α-、β-およびγ-インターフェロン、顆粒球コロニー刺激因子を含むコロニー刺激因子、血小板で誘導された成長因子およびホスホリパーゼ活性化ペプチド(PLAP)が含まれるがこれらに限定されない。一般の生物学的および治療学的対象の他のペプチドには、インシュリン、グルカゴン、グルカゴン様ペプチド1(GLP1)、グルカゴン様ペプチド2(GLP2)、オキシントモジュリン(グルカゴン1〜37)、ヒト成長因子、植物タンパク質、例えばレクチンおよびリシン、腫瘍ネクローシス因子および関連した対立因子、腫瘍ネクローシス因子受容体の可溶性形態、成長因子、例えば組織成長因子、例えばTGFαまたはTGFβおよび上皮性成長因子、ホルモン、ソマトメジン、エリスロポエチン、色素性ホルモン、視床下部放出因子、抗利尿ホルモン、プロラクチン、絨毛性ゴナドトロピン、ろ胞刺激ホルモン、甲状腺刺激ホルモン、組織プラスミノーゲン活性化因子、およびこれらに類するものが含まれる。対象の免疫グロブリンには、IgG、IgE、IgM、IgA、IgDおよびその断片が含まれる。
本発明の一側面において、ペプチドは、アプロチニン、組織因子経路阻害剤または他のプロテアーゼ阻害剤、インシュリン、インシュリン前駆体またはインシュリン類似体、ヒトまたはウシの成長ホルモン、インターロイキン、グルカゴン、GLP-1、GLP-2、IGF-I、IGF-II、組織プラスミノーゲン活性因子、トランスフォーミング成長因子αまたはβ、血小板誘導化成長因子、GRF(成長ホルモン放出因子)、免疫グロブリン、EPO、TPA、タンパク質C、血液凝固因子、例えばFVII、FVIII、FIVおよびFXIII、エキセンジン-3、エキセンジン-4、および酵素またはこれらの機能性類似体である。本発明の内容において、用語「機能性類似体」とは、天然のペプチドと類似の機能を有するペプチドを意味する。ペプチドは、天然ペプチドと構造的に類似していもよく、天然ペプチドのC末端および/またはN末端への一以上のアミノ酸の付加、天然アミノ酸配列中の一以上の異なる部位での一以上のアミノ酸の置換、天然ペプチドの末端および/またはアミノ酸配列中の一以上の部位での一以上のアミノ酸の欠損、または、天然のアミノ酸配列中の一以上の部位での一以上のアミノ酸の挿入によって天然のペプチドから誘導されてもよい。さらに、ペプチドは、一以上の位置でアシル化されてもよく(WO 98/08871を参照)、該文献にはGLP-1およびその類似体のアシル化が開示されている。また、WO 98/08872には、GLP-2およびその類似体のアシル化が開示されている。アシル化されたGLP-1の誘導体の例には、Lys26(Nε-テトラデカノイル)-GLP-1(7-37){26位のLys残基のε-アミノ基がテトラデカノイル化されているGLP-1(7-37)}がある。
インシュリン類似体は、ヒトインシュリン分子と比較して、Aおよび/またはBアミノ酸鎖に一以上の変異、置換、欠損および付加を受けたインシュリン分子である。インシュリン類似体は、一以上の天然に存在するアミノ酸残基、好ましくは1つ、2つまたは3つのアミノ酸残基が、他の暗号指定アミノ酸残基によって置換される。例えば、B鎖の28番目の位置が、天然のPro残基がAsp、Lys、またはIleの一つに修飾されもよい。他の側面において、位置B29のLysがProに修飾される;または、位置A21のAsnがAla, Gln, Glu, Gly, His, Ile, Leu, Met, Ser, Thr, Trp, TyrまたはVal、特にGly, Ala, SerまたはThr、さらに好ましくはGlyに修飾されてもよい。さらに、位置B3のAsnがLysに修飾されてもよい。インシュリン類似体のさらなる例には、des(B30)ヒトインシュリン、Phe(B1)が除去されたインシュリン類似体、A鎖および/またはB鎖がN末端の伸長を有するインシュリン類似体、およびA鎖および/またはB鎖がC末端の伸長を有するインシュリン類似体がある。1つまたは2つのArgが、位置B1に付加されてもよい。また、他のペプチドについての前駆体または中間体が本発明の方法によって処理されてもよい。このような前駆体の例には、アミノ酸配列B(1-29)-AlaAlaLys-A(1-21){式中A(1-21)はヒトインシュリンのA鎖であり、かつB(1-29)はThr(B30)が欠損しているヒトインシュリンのB鎖である}を含むインシュリン前駆体がある。最後に、インシュリン分子は、ヒトインシュリンのB29の位置等、一以上の位置でアシル化されてもいてもよく、あるいはdesB30ヒトインシュリンであってもよい。アシル化されたインシュリンの例には、NεB29-テトラデカノイルGlnB3 des(B30)ヒトインシュリン、NεB29-トリデカノイルヒトインシュリン、NεB29-テトラデカノイルヒトインシュリン、NεB29-デカノイルヒトインシュリン、およびNεB29-ドデカノイルヒトインシュリンがある。
インターロイキン、インターフェロンおよびコロニー刺激因子のような幾つかのペプチドはまた、組み換え技術を使用する結果として、非グリコシル化形態で存在する。非グリコシル化形態もまた、本発明の生物学的に活性なペプチドの中に含まれる。本発明の生物学的に活性なペプチドには、インビボ生物活性を発揮する任意のペプチド断片が含まれる。ここには、アミノ酸配列、抗体断片、単鎖結合抗体(例えば米国特許4,946,778を参照)、抗体または断片の融合体を含む結合分子、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、および触媒抗体が含まれる。
これらのペプチドまたは断片は、組織培養、動物源からの抽出のような当業者に知られた技術を使用することによって、あるいは組換えDNA方法論によって調製または単離され得る。また、ペプチドのトランスジェニック源が検討される。ペプチドは、トランスジェニック動物、すなわち、マウス、ブタ、ウシ等のミルク、血液または組織から得られる。トランスジェニック昆虫およびバキュロウイルス発現系もトランスジェニック源として検討される。さらに、ペプチドの変異形態、例えば変異TNFおよび/または変異インターフェロンも本発明の範囲内にある。本発明の他のペプチドには、アレルゲンペプチド、例えばブタクサ、抗原E、ミツバチ毒液、ダニアレルゲン、およびこれらに類するものがある。
上述したペプチドは、本発明のポリマーとの結合に適した生物学的に活性なペプチドの例である。具体的には言及していないが適切なペプチドを有する生物学的活性物質もまた、本発明の範囲内に含まれる。
本発明の一側面において、命題の水溶性ポリマーが提供される。これらはペプチドの性質を増強する薬剤として重要である。例えば、天然ペプチドが生理学的pHで不溶性または部分的にのみ水溶性である場合、ペプチドが水溶性ポリマーと結合すると、生理学的pHでの天然ペプチドと比較して、修飾されたペプチドの水溶性が増強される。枝分かれしたポリマーとペプチドとの結合は、天然ペプチドによって生み出される免疫反応と比較して減少した免疫反応、または増加した薬物動態学的プロファイル、増加した有効期限、および増加した生物学的半減期を示す結合体を提供する。本発明は、親水性の水溶性の本発明の枝分かれしたポリマーの結合によって修飾されたペプチドを、未修飾のペプチドの生物学的活性を実質的に減少または妨害されることなく提供する。
本発明は、構造的に十分に定義された本発明のポリマー(該ポリマーは、本質的に均質な化合物であり、枝分かれしたポリマーの世代数は十分に定義される)によって修飾されたペプチドを提供する。
本発明は、非結合ペプチドの生物学的活性を維持した結合体を提供する。本発明の一側面において、結合ペプチドは、非結合ペプチドと比較して向上した特性を有する。
本発明の一側面において、本発明により作製された枝分かれしたポリマーは、ポリペプチドのある部位に結合したとき、該ポリペプチドの生物学的有用性、潜在力、効果または活性が低下する。このような低下は、徐放性原理に基づいたドラッグデリバリー系において望ましい。本発明の一側面において、枝分かれしたポリマーが生理学的条件下で切断され、結果として生物活性ポリペプチドを枝分かれしたポリマーからゆるやかに解離し得る連結基と結びついて使用される徐放性原理は、本発明の範囲内に含まれる。この場合において、ポリペプチドは、枝分かれしたポリマーが除去されるまで生物学的活性を発揮しない。特別な側面において、切断可能な連結基には、血清中に存在するプロテアーゼ等の基質として機能し得る小さなペプチドがある。
本発明の一側面において、生物学的に活性なポリペプチドは、プロテアーゼ感受性の連結基を介して本発明によって作製された枝分かれしたポリマーに結合する。
本発明の一側面において、生物学的に活性なポリペプチドは、プロテアーゼ感受性の連結基を介して本発明によって調製された枝分かれしたポリマーに結合する。
ポリマー結合体は、結合したポリマー分子の数、該分子の大きさおよび組成(例えば、世代の数と各世代で使用される特定のモノマー)、ペプチド誘導体上の結合部位に関して最適な分子を生成するように設計される。使用されるポリマーの分子量は、達成すべき所望の効果に基づいて選択されてもよい。使用される枝分かれしたポリマーの特定の分子量は、達成すべき所望の効果に基づいて選択されてもよい。例えば、結合体の第一の目的が、高分子量の結合体を得ることである場合(例えば、腎臓のクリアランスを低下させるため)、所望の分子量を得るために、できるだけ高分子量の枝分れしたポリマー分子での結合体が望ましい。他の場合において、ペプチド上の免疫原性エピトープの特定または未特定のタンパク質分解性の切断または遮蔽に対する保護が望まれ、特定の低分子量の枝分かれしたポリマーが最適な選択になり得る。
すなわち、本発明の方法では、微調整された定義済みの質量をもつポリマーで誘導化されたペプチド(結合体)が得られる。
一側面において、特定の構造および良好に定義された質量をもつ、本発明によって合成された枝分かれしたポリマーは、FVIIaと結合し、ヒト血液および血清中において実質的に向上した薬力学および薬物動態学プロファイルを示す生成物を生み出す。
他の側面において、本発明によって合成された枝分れしたポリマーは、GLP1またはGLP2と結合する。この側面において、DPPIV媒介タンパク質分解性の切断を防ぐ。
本発明の他の側面において、本発明によって調製された枝分かれしたポリマーは、インシュリンと結合する。本発明の一側面において、これは肺性の生物学的利用能を増加させる結合体を生成する。
さらに他の側面において、本発明によって調製された枝分かれしたポリマーは、潜在的な免疫原性に対してリフォールドされたペプチド薬剤上の新エピトープを遮蔽するために使用される。このとき、枝分かれしたポリマーは、リフォールドされたペプチド上の結合基と結合する。
関連した側面において、本発明によって枝分かれしたポリマーは、ヒト以外から得られた生物薬学的ペプチド上の免疫原性エピトープを遮蔽するために使用される。
他の側面において、枝分かれしたポリマーは、小さいペプチドの分子量を実質的に増加させるために使用される。一側面において、これは腎臓のクリアランスを低下させる。
さらに他の側面において、本発明によって作製された枝分かれした水溶性ポリマーは、その未修飾状態および生理学的条件下で低い溶解性を示すペプチドと結合する。
一側面において、本発明のペプチド結合体のインビボでの半減期は、10%を上回るまで向上する。一側面において、ペプチド結合体のインビボでの半減期は、25%を上回るまで向上する。一側面において、ペプチド結合体のインビボでの半減期は、25%を上回るまで向上する。一側面において、ペプチド結合体のインビボでの半減期は、50%を上回るまで向上する。一側面において、ペプチド結合体のインビボでの半減期は、75%を上回るまで向上する。一側面において、ペプチド結合体のインビボでの半減期は、100%を上回るまで向上する。一側面において、ペプチドのインビボでの半減期は、枝分かれしたポリマーの結合体上では250%増加する。
一側面において、本発明のペプチド結合体の機能性インビボ半減期は、10%を上回るまで向上する。一側面において、ペプチド結合体の機能性インビボ半減期は、25%を上回るまで向上する。一側面において、ペプチド結合体の機能性インビボ半減期は、50%を上回るまで向上する。一側面において、ペプチド結合体の機能性インビボ半減期は、75%を上回るまで向上する。一側面において、ペプチド結合体の機能性インビボ半減期は、100%を上回るまで向上する。他の側面において、ペプチドの機能性半減期は、枝分かれしたポリマーの結合体上で250%増加する。
一般的には、溶液中のペプチドの安定性は非常に貧弱である。従って、本発明の一側面において、本明細書に記載された十分に定義された水溶性の枝分かれしたポリマーは、ペプチドと結合し、リフォールディングのような構造的な形質転換を最小化することによってペプチドを安定化させ、かつペプチドの活性を維持することができる。
関連した側面において、ペプチドの有効半減期は、本発明の枝分れしたポリマーとの結合によって向上する。
薬学的組成物
本発明はまた、活性成分として、少なくとも一つの本発明の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を含む薬学的組成物に関し、通常、このような組成物はまた、薬学的に許容可能なキャリア、界面活性剤または希釈剤を含む。本発明の薬学的組成物はまた、上述した他の化合物との組み合わせを含み得る。
本発明の化合物を含む薬学的組成物は、例えばRemington:The Science and Practise of Pharmacy, 19th Ed., 1995.に記載された従来技術によって調整され得る。組成物は、従来の形態、例えば、カプセル、錠剤、エアゾール、液体または懸濁液中に存在してもよい。
薬学的組成物はまた、任意の適切な経路、例えば経口、直腸、経鼻、肺、局所(頬側および舌下を含む)、経皮性、嚢内、腹腔内、腔口、および非経口(皮下、筋肉内、くも膜下腔内、静脈内、および皮内を含む)経路による投与のために特異的に処方され得る。好ましい経路は、一般的条件および治療される患者の年齢、処理される条件の性質、および選択された活性成分に依存することが認められるであろう。投与の経路は、作用する適切なまたは所望の部位に活性化合物を効果的に輸送する任意の経路であってもよい。
経口投与のための薬学的組成物は、固体投与形態、例えば、硬質または軟質カプセル、錠剤、トローチ、糖衣錠、丸薬、口内錠、粉末および顆粒を含む。適切な場合、これらは腸内被膜といった被膜で調製され得、あるいは、当業者に周知の方法による徐放性といった活性成分の制御された放出を提供するように処方され得る。
経口投与のための液体投与形態は、溶液、エマルジョン、水性または油性懸濁液、シロップおよびエリキシルを含む。
非経口的な投与のための薬学的組成物には、無菌の水溶性および非水溶性の注入可能な溶液、分散液、懸濁液またはエマルジョン、ならびに使用する前に無菌の注入可能な溶液または分散液中で再構築される無菌の粉末が含まれる。徐放性の注入可能な処方はまた、本発明の範囲内にあると考えられる。
他の適切な投与形態には、坐薬、スプレー、軟膏、クリーム、ゲル、吸入剤、真皮性パッチ、植込錠などが含まれる。
典型的な経口投与量は、約0.001〜100mg/kg体重/日、例えば、約0.01〜50mg/kg体重/日、または約0.05〜10mg/kg体重/日の範囲内であり、1回以上の投与回数、例えば1〜3回に分けて投与される。正確な投与は、ペプチドの性質、選択された組み合わせの薬剤、投与の回数および形態、治療患者の性別、年齢、体重および一般的状態、治療状態の性質および重症度、ならびに治療すべき任意の随伴性の疾患および当業者にとって明らかな他の要素に依存する。
当該処方は、当業者に周知の方法によって単位投与形態中に都合よく存在していてもよい。一日当たり一回以上(例えば1〜3回/日)の経口投与のための典型的な単位投与形態は、約0.05〜1000mg、例えば約0.1〜500mg、例えば約0.5〜200mgを含み得る。
非経口的な経路、例えば静脈内、くも膜下腔内、筋肉内および類似の投与について、典型的な投与量は、経口投与で使用された約半分の投与量である。
ポリペプチドまたは小分子の塩は、化合物が固体または結晶形態である場合、特に関連している。
非経口的な投与のために、本発明の化合物の溶液は、無菌の水溶液、水溶性プロピレングリコールまたはゴマ油またはピーナッツ油中の組み合わせの薬剤とともに使用されてもよい。該水溶液は、適切には緩衝液であり、必要に応じて十分な生理食塩水またはグルコースで最初に等張性を与えられた希釈液である。水溶液は、特に静脈内、筋肉内、皮下内、および腹腔内投与にとって特に適切である。使用された無菌の水溶性媒体は、当業者に周知の標準的な技術によって直ちに利用可能である。
適切な薬学的キャリアは、不活性な固体希釈液またはフィラー、無菌の水溶液および様々な有機溶媒を含む。固体キャリアの例には、ラクトース、石膏、スクロース、シクロデキストリン、タルク、ゼラチン、寒天、ペクチン、アカシア、マグネシウムステアリン酸塩、ステアリン酸、およびセルロースの低級アルキルエーテルがある。液体キャリアの例には、シロップ、ピーナッツ油、オリーブ油、リン脂質、脂肪酸、脂肪酸アミン、ポリオキシエチレンおよび水がある。同様に、キャリアや希釈液には、当業者に周知の任意の徐放性物質、例えばグリセリルモノステアレートまたはグリセリルジステアレートが、単独またはワックスとの混合形態で含まれる。
本発明の化合物と薬学的に許容可能なキャリアとを組み合わせることによって形成された薬学的組成物は、投与の開示された経路に適した種々の投与形態で容易に投与される。該処方は、薬学分野において知られた方法によって単位投与形態で表わすことができる。
鼻の投与について、該製剤は、エアゾール適用のために、液体キャリア、特に水性キャリア中に溶解または懸濁された本発明の化合物を含んでいてもよい。該キャリアは、以下の添加物:可溶化剤、例えばプロピレングリコール、界面活性剤、吸収増強剤、例えばレシチン(ホスファチジルコリン)またはシクロデキストリン、または保存剤、例えばパラベンを含んでいてもよい。
経口投与に適した本発明の化合物の処方は、各々が所定量の活性成分と任意的に適切な賦形剤とを含むカプセルまたは錠剤のような分離した単位として与えられてもよい。さらに、経口的に利用可能な処方は、粉末もしくは顆粒、溶液または水性もしくは非水性液体中の懸濁液、または水中油または油中水液体エマルジョンの形態であってもよい。
経口を目的とした組成物は、任意の公知の方法に基づいて調製されてもよいが、このような組成物は、甘味剤、香味剤、着色剤、および防腐剤からなる群から選択された一以上の薬剤を含み、薬学的に洗練された口当たりの良い製剤を提供する。錠剤は、錠剤の製造に適した無毒な薬学的に許容可能な賦形剤と混合した活性成分を含んでいてもよい。これらの賦形剤は、例えば不活性な希釈液、例えばカルシウムカルボナート、ナトリウムカルボナート、ラクトース、カルシウムホスフェートまたはナトリウムホスフェート;顆粒および崩壊剤、例えばコーンスターチまたはアルギン酸;結合剤、例えばスターチ、ゼラチンまたはアカシア;および潤滑剤、例えばマグネシウムステアラート、ステアリン酸またはタルクであってもよい。該錠剤は、コーティングされていなくてもよく、胃腸管内での分解および吸収を遅延させ、結果としてより長期間にわたる徐放性作用を提供する周知の技術によってコーティングされてもよい。例えば、時間遅延性物質であるグリセリルモノステアラートまたはグリセリルジステアラートが使用されてもよい。これらはまた、米国特許第4,356,108;4,166,452;および4,265,874に記載された技術(参照によって本明細書中に組み込まれる)によってコーティングされ、制御された放出のために浸透性治療学的錠剤を形成する。
経口使用のための処方はまた、活性成分が不活性な固形希釈剤、例えばカルシウムカルボナート、カルシウムホスフェートまたはカオリンと混合されている硬質なゼラチンカプセルとして与えられてもよいし、あるいは活性成分が水または油媒体、例えばピーナッツ油、液体パラフィン、またはオリーブ油と混合されている軟質なゼラチンカプセルとして与えられてもよい。
水溶性の懸濁液は、水性懸濁液の製造に適した賦形剤と混合した本発明の化合物を含んでもよい。このような賦形剤には、懸濁剤、例えばナトリウムカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ナトリウムアルギナート、ポリビニルピロリドン、トラガカントゴムおよびアカシアゴムがあり、分散または湿潤剤には、天然に生じるホスファチド、例えばレシチン、またはアルキレン酸化物と脂肪酸との濃縮生成物、例えばポリオキシエチレンステアレート、またはエチレン酸化物と長鎖脂肪族アルコールとの濃縮生成物、例えばヘプタデカエチル、エネオキシセタノール、あるいは、エチレン酸化物と、脂肪酸およびヘキシトール(例えばポリオキシエチレンソルビトールモノオレエート)から誘導された部分的エステルとの濃縮生成物、あるいは、エチレン酸化物と、脂肪酸およびヘキシトール無水物(例えばポリエチレンソルビタンモノオレエート)から誘導された部分的エステルとの濃縮生成物がある。また、水性懸濁液には、一以上の着色剤、一以上の香味剤、および一以上の甘味剤、例えばスクロースまたはサッカリンが含まれてもよい。
油性懸濁液は、植物油(例えばラッカセイ油、オリーブ油、ゴマ油またはココナッツ油)、または鉱油(例えば液体パラフィン)中の活性成分を懸濁することによって処方されてもよい。油性懸濁液は、肥厚剤、例えば、蜜蝋、硬質パラフィンまたはセチルアルコールを含んでいてもよい。上述したような甘味剤および香味剤が、口当たりの良い経口製剤を提供するために加えられてもよい。これらの組成物は、抗酸化剤、例えばアスコルビン酸を加えることによって保存されてもよい。
水を添加することによって水性懸濁液の調製に適した分散粉末および顆粒が、分散剤または湿潤剤、懸濁剤および一以上の防腐剤と混合した活性成分を提供する。適切な分散剤または湿潤剤および懸濁剤は、上述したものによって例証される。追加の賦形剤、例えば、甘味剤、香味剤、および着色剤が存在してもよい。
本発明の化合物の薬学的組成物はまた、水中油型エマルジョンの形態中に存在してもよい。油相は、植物油、例えば、オリーブ油またはピーナッツ油、または鉱油、例えば液体パラフィン、またはこれらの混合物であってもよい。適切な乳化剤は、天然ゴム、例えばアカシアゴムまたはトラガカントゴム、天然のホスファチド、例えば大豆、レシチン、および脂肪酸とヘキシトール無水物から誘導されたエステルまたは部分的エステル、例えば、ソルビタンモノオレエート、および前記部分的エステルとエチレンオキシドとの濃縮生成物、例えばポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートであってもよい。乳化剤はまた、甘味剤および香味剤を含んでいてもよい。
シロップおよびエリキシルは、甘味剤、例えばグリセロール、プロピレングリコール、ソルビトールまたはスクロースで処方されてもよい。このような処方はまた、鎮痛剤、防腐剤、香味剤および着色剤を含んでいてもよい。薬学的組成物は、無菌の注入可能な水性または油性の懸濁液の形態であってもよい。この懸濁液は上述した適切な分散または湿潤剤および懸濁剤を使用する既知の方法に基づいて処方されてもよい。無菌の注入可能な製剤はまた、無毒な非経口的に許容可能な希釈剤または溶剤中の無菌の注入可能な溶液または懸濁液(例えば、1,3-ブタンジオール中の溶液)であってもよい。使用される許容可能なビヒクルおよび溶媒の中には、水、Ringer溶液、および等張性塩化ナトリウム溶液がある。さらに、無毒で不揮発性の油を、溶剤または懸濁溶媒として使用することができる。この目的のために、口当たりの良い不揮発性の油は、合成モノまたはジグリセリドを用いて与えられる。さらに、オレイン酸のような脂肪酸は、注射可能な製剤中での用途を見出される。
前記組成物はまた、本発明の化合物の直腸投与のために坐薬の形態であってもよい。これらの組成物は、薬剤を、通常温度で固体であるが直腸温度で液体になり、直腸内で溶解して薬剤を放出する適切な無刺激の賦形剤と混合することによって調製され得る。このような物質には、例えばカカオバターおよびポリエチレングリコールが含まれる。
局所的使用のために、本発明の化合物を含むクリーム、軟膏、ゼリー、懸濁液の溶液などが含まれる。この適用の目的のために、局所的な適用には、口内洗浄およびうがい薬が含まれる。
本発明の化合物はまた、リポソーム送達系、例えば小さなユニラメラベシクル、大きなユニラメラベシクルおよびマルチラメラベシクルの形態において投与されてもよい。リポソームは、種々のリン脂質、例えばコレステロール、ステアリルアミン、またはホスファチジルコリンから形成されてもよい。
さらに、本発明の化合物の幾つかは、水または共通の有機溶媒で溶媒化合物を形成してもよい。このような溶媒はまた、本発明の範囲内に含まれる。
固体キャリアが経口投与のために使用される場合、製剤は、錠剤化されて、硬質のゼラチンカプセル中に粉末もしくはペレット形態で静置されてもよく、またはトローチもしくは口内錠の形態であってもよい。固体キャリアの量は大きく変化するが、通常約25mg〜約1gである。液体キャリアが使用される場合、製剤は、シロップ、エマルジョン、軟質ゼラチンカプセルまたは無菌の注入可能な液体、例えば水性または非水性の液体懸濁液または溶液の形態であってもよい。
本発明の化合物は、哺乳類、特に該治療を必要とするヒトに適用することができる。このような哺乳類には、家庭内動物、例えば家庭内ペットと、非家庭内動物、例えば野生動物の両方が含まれる。
本発明による化合物を含む薬学的組成物は、日または週当り一回以上、好ましくは食事の時間に投与され得る。有効量の薬学的組成物は、臨床的に顕著な効果を与える量である。当該量は、治療対象の特定の状態、年齢、体重、および患者の全体の健康、および当業者に明らかな他の要素に一部依存するであろう。
一つの側面において、本発明は、血管形成を促進するのに効果的な本発明の化合物の量を含む、本発明の薬学的組成物に関する。
他の側面において、本発明は、血管形成を阻害するのに効果的な本発明の化合物の量を含む、本発明の薬学的組成物に関する。
好ましい毎日の投与量は、1〜1000マイクログラム/kg/日の範囲にし得る。他の側面では5〜500マイクログラム/kg/日の範囲にし得る。患者の体重が治療中に変化する場合、化合物の投与量は、それに応じて調整しなければならないであろう。
本発明による疾病または疾患を治療するのに使用する組み合わせ薬剤と任意的に一緒な本発明の化合物は、単回または複数回投与のいずれかにおいて、単独で投与しても、薬学的に許容可能なキャリアまたは賦形剤と組み合わせて投与してもよい。前記組み合わせ薬剤の処方は、一投与単位として前記化合物を組み合わせてもよく、あるいは別々の投与として処方されてもよい。本発明による血管形成を治療するのに使用する組み合わせ薬剤と任意的に一緒な本発明の化合物を含む薬学的組成物は、薬学的に許容可能なキャリアもしくは希釈剤、または任意の他のアジュバントおよび上述した従来技術による賦形剤で処方されてもよい。
本発明の他の目的は、0.0001mg/ml〜1000mg/mlの濃度で存在する本発明による化合物を含む薬学的処方を提供することである。前記処方は2.0〜10.0のpHを有する。前記処方は、さらにバッファー系、防腐剤、強壮剤、キレート剤、安定剤および界面活性剤を含んでいてもよい。本発明の一側面において、薬学的処方は、水性処方、すなわち水を含む処方である。このような処方は、典型的には溶液または懸濁液である。本発明のさらなる側面において、薬学的処方は水性溶液である。用語「水性処方」は、少なくとも50%w/w水を含む処方として定義される。同様に、用語「水性溶液」は、少なくとも50%w/w水を含む溶液として定義され、用語「水性懸濁液」は、少なくとも50%w/w水を含む懸濁液として定義される。
他の側面において、該薬学的処方は凍結乾燥処方であり、医師または患者が使用前に溶媒および/または希釈液を加える。
他の側面において、該薬学的処方は、前溶解なしで使用可能な乾燥処方(例えば、凍結乾燥または噴霧乾燥)である。
さらなる側面において、本発明は、FVIIa-誘導体の水性溶液、およびバッファーを含む薬学的処方に関し、前記FVIIa-誘導体は、0.01mg/ml以上の濃度で存在し、前記処方は、約2.0〜10.0のpHを示す。
本発明の他の側面において、処方のpHは、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8.0、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9、9.0、9.1、9.2、9.3、9.4、9.5、9.6、9.7、9.8、9.9、および10.0からなるリストから選択される。
本発明のさらなる側面において、バッファーは、ナトリウムアセテート、炭酸ナトリウム、シトラート、グリシルグリシン、ヒスチジン、グリシン、リシン、アルギニン、ナトリウム二水素ホスフェート、二ナトリウム水素ホスフェート、ナトリウムホスフェート、およびトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、ビシン、トリシン、リンゴ酸、スクシナート、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、アスパラギン酸、またはこれらの混合物からなる群から選択される。これらの特定のバッファーの各々が本発明の代替の側面を構成する。
本発明のさらなる側面において、該処方は、さらに薬学的に許容可能な防腐剤を含む。本発明のさらなる側面において、該防腐剤は、フェノール、o-クレゾール、m-クレゾール、p-クレゾール、メチルp-ヒドロキシベンゾエート、プロピルp-ヒドロキシベンゾエート、2-フェノキシエタノール、ブチルp-ヒドロキシベンゾエート、2-フェニルエタノール、ベンジルアルコール、クロロブタノール、およびチオメロサール、ブロノポール、安息香酸、イミド尿素、クロロヘキシジン、ナトリウムジヒドロアセテート、クロロクレゾール、エチルp-ヒドロキシベンゾエート、ベンズエトニウム塩化物、クロルフェネシン(3p-クロルフェノキシプロパン-1,2-ジオール)またはこれらの混合物からなる群から選択される。本発明のさらなる側面において、防腐剤は、0.1mg/ml〜20mg/mlの濃度で存在する。本発明のさらなる側面において、防腐剤は、0.1mg/ml〜5mg/mlの濃度で存在する。本発明のさらなる側面において、防腐剤は、5mg/ml〜10mg/mlの濃度で存在する。本発明のさらなる側面において、防腐剤は、10mg/ml〜20mg/mlの濃度で存在する。これらの特定の防腐剤の各々が、本発明の代替の側面を構成する。薬学的組成物中の防腐剤の使用は、当業者に周知である。好ましくは、Remington:The Science and Practice of Pharmacy, 19th edition, 1995を参照されたい。
本発明のさらなる側面において、該処方は、等張性薬剤をさらに含む。本発明のさらなる側面において、等張性薬剤は、塩(例えば塩化ナトリウム)、糖または糖アルコール、アミノ酸(例えば、L-グリシン、L-ヒスチジン、アルギニン、リシン、イソロイシン、アスパラギン酸、トリプトファン、スレオニン)、アルジトール(例えば、グリセロール(グリセリン)、1,2-プロパンジオール(プロピレングリコール)、1,3-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール)ポリエチレングリコール(たとえば、PEG400),、またはこれらの混合物からなる群から選択される。任意の糖、例えば単糖類、二糖類、または多糖類、または水溶性グリカン、例えば、フルクトース、グルコース、マンノース、ソルボース、キシロース、マルトース、ラクトース、スクロース、トレハロース、デキストラン、プルラン、デキストリン、シクロデキストリン、可溶性スターチ、ヒドロキシエチルスターチおよびカルボキシメチルセルロース-Naが使用されてもよい。一側面において、糖添加物はスクロースである。糖アルコールは、少なくとも一つの-OH基を有するC4-C8炭化水素として定義され、例えば、マンニトール、ソルビトール、イノシトール、ガラクチトール、ダルシトール、キシリトール、およびアラビトールが含まれる。一側面において、前記糖アルコール添加物は、マンニトールである。上述した糖または糖アルコールは、別個または組み合わせて使用されてもよい。使用される量は、糖または糖アルコールが液体製剤中で可溶性であり、かつ本発明の方法を使用して達成される安定効果に悪影響を与えない限り、限定されない。一側面において、糖または糖アルコールの濃度は、約1 mg/ml〜約150 mg/mlである。本発明のさらなる側面において、等張性薬剤は、1 mg/ml〜50 mg/mlの濃度で存在する。本発明のさらなる側面において、等張性薬剤は、1 mg/ml〜7 mg/mlの濃度で存在する。本発明のさらなる側面において、等張性薬剤は、8 mg/ml〜24 mg/mlの濃度で存在する。本発明のさらなる側面において、等張性薬剤は、25 mg/ml〜50 mg/mlの濃度で存在する。これらの特定の等張性薬剤の各々が、本発明の代替の側面を構成する。薬学的組成物における等張性薬剤の使用は、当業者に周知である。好ましくは、参考文献Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 19th edition, 1995に基づいて行われる。
本発明のさらなる側面において、該処方はさらにキレート剤を含む。本発明のさらなる側面において、キレート剤は、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)、クエン酸、およびアスパラギン酸、およびこれらの混合物の塩から選択される。本発明のさらなる側面において、キレート剤は、0.1mg/ml〜5mg/mlの濃度で存在する。本発明のさらなる側面において、キレート剤は、0.1mg/ml〜2mg/mlの濃度で存在する。本発明のさらなる側面において、キレート剤は、2mg/ml〜5mg/mlの濃度で存在する。これらの特定のキレート剤の各々は、本発明の代替的側面を構成する。薬学的組成物におけるキレート薬剤の使用は、当業者に周知である。好ましくは、参照文献Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 19th edition, 1995に基づいて行われる。
本発明のさらなる側面において、該処方はさらに安定剤を含む。薬学的組成物における安定剤の使用は、当業者に周知である。好ましくは、参照文献Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 19th edition, 1995に基づいて行われる。
より好ましくは、本発明の組成物は、薬学的に活性な成分が、液状の薬学的処方において貯蔵中に凝集形成を示すおそれのあるポリペプチドを含む、液状の薬学的処方を安定化させる。凝集形成とは、水溶性状態のオリゴマーの形成で生じるポリペプチド分子間の物理的相互作用、あるいは溶液から沈殿する大きな可視的凝集を意味する。貯蔵中とは、一度調製され、患者にすぐには投与されない液体薬学的組成物または処方を意味する。さらに、調製後、貯蔵を目的として、液体形態、凍結状態でパッケージングされるか、あるいは液体形態もしくは患者に投与するのに適した他の形態での後の再構築のために、乾燥形態でパッケージングされる。乾燥形態とは、液体の薬学的組成物または処方が、凍結乾燥(例えばWilliams and Polli (1984) J. Parenteral Sci. Technol. 38:48-59を参照)、噴霧乾燥(Masters (1991) in Spray-Drying Handbook (5th ed; Longman Scientific and Technical, Essez, U.K.), pp. 491-676; Broadhead et al. (1992) Drug Devel. Ind. Pharm. 18:1169-1206; および Mumenthaler et al. (1994) Pharm. Res. 11:12-20を参照)、または空気乾燥(Carpenter and Crowe (1988) Cryobiology 25:459-470; and Roser (1991) Biopharm. 4:47-53)のいずれかによって乾燥されることを意味する。
液体の薬学的組成物の貯蔵中のポリペプチドによる凝集形成は、該ポリペプチドの生物学的活性に悪影響を与え、薬学的組成物の治療学的効果を消失させるおそれがある。さらに、ポリペプチド含有の薬学的組成物が注入系を使用して投与されるとき、凝集形成は、他の問題、例えば配管、膜、またはポンプの妨害を引き起こすおそれがある。
本発明の薬学的組成物は、さらに組成物の貯蔵中のポリペプチドによる凝集形成を減少させるのに十分な量の塩基性アミノ酸を含む。塩基性アミノ酸とは、遊離塩基形態またはその塩形態で存在するアミノ酸または複数のアミノ酸の組み合わせを意味する。アミノ酸の組み合わせが使用される場合、全てのアミノ酸がこれらの遊離塩基形態で存在していてもよく、全てがこれらの塩形態で存在していてもよく、あるいは幾つかのアミノ酸がこれらの遊離塩基形態で存在し、その他のアミノ酸がこれらの塩形態で存在していてもよい。一つの側面において、本発明の組成物を調製するのに使用するアミノ酸は、電荷をもった側鎖を有する(例えば、アルギニン、リシン、アスパラギン酸、およびグルタミン酸)。特定のアミノ酸(例えば、グリシン、メチオニン、ヒスチジン、イミダゾール、アルギニン、リシン、イソロイシン、アスパラギン酸、トリプトファン、スレオニンおよびこれらの混合物)の任意の立体異性体(すなわち、L, D, またはDL異性体)は、アミノ酸が遊離塩基形態またはその塩形態で存在する限りにおいて、本発明の薬学的組成物中に含まれてもよい。一つの側面において、L-立体異性体が使用される。本発明の組成物はまた、これらのアミノ酸の類似体で処方されてもよい。アミノ酸の類似体とは、本発明の液体薬学的組成物の貯蔵中に、ポリペプチドによる凝集形成を減少させる所望の効果をもたらす天然に生じるアミノ酸の誘導体を意味する。適切なアルギニン類似体は、例えば、アミノグアニジン、オルニチン、およびN-モノエチルL-アルギニンを含み、適切なメチオニン類似体は、エチオニンおよびブチオニンを含み、適切なシステイン類似体は、S-メチル-Lシステインを含む。他のアミノ酸では、アミノ酸類似体は、その遊離塩基形態またはその塩形態で組成物中に組み込まれる。本発明のさらなる側面において、アミノ酸またはアミノ酸類似体は濃縮して使用され、ペプチドの凝縮を十分に防止または遅延させる。
本発明のさらなる側面において、治療学的薬剤として機能するポリペプチドが、酸化を受け易い少なくとも一つのメチオニン残基を含むポリペプチドであるとき、メチオニン(または他の硫黄アミノ酸またはアミノ酸類似体)が、メチオニン残基のメチオニンスルホキシドへの酸化を阻害するために添加されてもよい。阻害とは、長期にわたるメチオニンで酸化された化学種の最小の蓄積を意味する。メチオニン酸化を阻害することは、その適切な分子形態におけるポリペプチドのより強い保持につながる。メチオニンの任意の立体異性体(L、D、またはDL異性体)またはこれらの組み合わせを使用することができる。添加する量は、メチオニンスルホキシドの量が通常の媒体に許容可能になるように、メチオニン残基の酸化を阻害するのに十分な量であるべきである。典型的には、該組成物が約10%〜30%のメチオニンスルホキシドしか含まないことを意味する。一般的には、添加されたメチオニンとメチオニン残基との比率が、約1:1〜1000:1、例えば10:1〜100:1の範囲に入るようにメチオニンを加えることによって達成され得る。
本発明のさらなる側面において、該処方は、さらに高分子重量のポリマーまたは低分子化合物の群から選択される安定剤をさらに含む。本発明のさらなる側面において、安定剤は、ポリエチレングリコール(例えば、PEG 3350)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン、カルボキシ/ヒドロキシセルロース、またはこれらの誘導体(例えば、HPC、HPC-SL、HPC-LおよびHPMC)、シクロデキストリン、イオウ含有物質、例えばモノチオグリセロール、チオグリコール酸および2-メチルチオエタノール、および異なる塩(例えば、塩化ナトリウム)から選択される。これらの特定の安定剤の各々が、本発明の代替的側面を構成する。
薬学的組成物はまた、薬学的に活性なポリペプチドの安定性をさらに増強する追加の安定剤を含んでいてもよい。本発明の特定の対象の安定剤には、メチオニン酸化物に対してポリペプチドを保護するメチオニンおよびEDTAと、凍結融解または機械的せん断と関係した凝集に対してポリペプチドを保護する非イオン性界面活性剤とが含まれるがこれらに限定されない。
本発明のさらなる側面において、処方はさらに界面活性剤を含む。本発明のさらなる側面において、界面活性剤は、洗浄剤、エトキシ化されたひまし油、ポリグリコール化されたグリセリド、アセチル化されたモノグリセリド、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシプロピレン-ポリオキシエチレン ブロックポリマー(例えば、ポロキサマー、例えばPluronic(登録商標)F68、ポロキサマー188および407、Triton X-100 )、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンおよびポリエチレン誘導体、例えばアルキル化およびアルコキシ化された誘導体(Twenn、例えばTween-20、Tween-40、Tween-80およびBrij-35)、モノグリセリドまたはエトキシ化された誘導体、ジグリセリド、またはポリオキシエチレン誘導体、アルコール、グリセロール、レクチンおよびリン脂質(例えば、ホスファチジルセリン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルイノシトール、ジホスファチジルグリセロールおよびスフィンゴミエリン)、リン脂質の誘導体(例えば、ジパルミトイルホスファチジン酸)およびリゾリン脂質(例えば、パルミトイル リゾホスファチジル-L-セリンおよびエタノールアミン、コリン、セリン、またはスレオニンの1-アシル-sn-グリセロ-3-ホスフェートエステル)およびリゾホスファチジルおよびホスファチジルコリンのアルキル、アルコキシ(アルキル エステル)、アルコキシ(アルキルエーテル)誘導体、例えば、リゾホスファチジルコリン、ジパルミトイルホスファチジルコリンのラウロイルおよびミリストイル誘導体、および極性ヘッドグループの修飾体、すなわち、コリン、エタノールアミン、ホスファチジン酸、セリン、スレオニン、グリセロール、イノシトール、および正に帯電したDODAC、DOTMA、DCP、BISHOP、リゾホスファチジルセリンおよびリゾホスファチジルスレオニン、およびグリセロリン脂質(例えば、セファリン)、グリセロ糖脂質(例えば、ガラクトピラノシド)、スフィンゴ糖脂質(例えば、セラミド、ガングリオシド)、ドデシルホスホコリン、鶏卵リゾレクチン、フシジン酸誘導体(例えば、ナトリウム tauro-ジヒドロフシジン酸塩など)、長鎖脂肪酸およびこれらの塩C6-C12(例えば、オレイン酸およびカプリル酸)、アシルカルニチンおよび誘導体、リジン、アルギニンまたはヒスチジンのNα-アシル化誘導体、またはリジンまたはアルギニンの側鎖アシル化誘導体、リジン、アルギニン、またはヒスチジンの任意の組み合わせを含むジペプチドのNα-アシル化誘導体、中性または酸性アミノ酸、中性アミノ酸と2つの帯電したアミノ酸の任意の組み合わせを含むトリペプチドのNα-アシル化誘導体、DDS(ドキュセートナトリウム、CAS登録番号[577-11-7])、ドキュセートカルシウム、CAS登録番号[128-49-4])、ドキュセートカリウム、CAS登録番号[7491-09-0])、SDS(ナトリウムドデシルサルフェート、またはナトリウムラウリルサルフェート)、ナトリウムカプリレート、コール酸、またはその誘導体、胆汁酸またはその塩、およびグリシンまたはタウリン結合体、ウルソデオキシコール酸、ナトリウムコール酸塩、ナトリウムデオキシコール酸塩、ナトリウムタウロコール酸塩、ナトリウムグリココール酸塩、N-ヘキサデシル-N,N-ジメチル-3-アンモニア-1-プロパンスルホネート、アニオン(アルキル-アリール-スルホネート)一価界面活性剤、両性イオン界面活性剤(例えば、N-アルキル-N,N-ジメチルアンモニオ-1-プロパンスルホネート、3-クロルアミド-1-プロピルジメチルアンモニオ-1-プロパンスルホネート、陽イオン界面活性剤(第4級アンモニウム塩基)(例えば、セチル-トリメチルアンモニウムブロミド、セチルピリジニウム塩化物)、非イオン性界面活性剤(例えば、ドデシルβ-D-グルコピラノシド)、ポロキサミン(例えば、Tetronic’s)、(これらは、エチレンジアミンに対するプロピレン酸化物およびエチレン酸化物の逐次付加から誘導される四官能性のブロックコポリマーである)から選択されるか、あるいは前記界面活性剤は、イミダゾリン誘導体の群、またはこれらの混合物から選択されてもよい。これらの特定の界面活性剤の各々は、本発明の代替の側面を構成する。
薬学的組成物中の界面活性剤の使用は、当業者に周知である。好ましくは、Remington: The Science and Practice of Pharmacy、19th edition、1995.を参照して作製する。
他の成分が、本発明のペプチド薬学的組成物中に存在し得る。該追加の成分には、湿潤剤、乳化剤、酸化防止剤、充填剤、張度調整剤、キレート剤、金属イオン、油性ビヒクル、ペプチド(例えば、ヒト血清アルブミン、ゼラチン)、および双性イオン(例えば、アミノ酸、例えばベタイン、タウリン、アルギニン、グリシン、リシンおよびヒスチジン)が含まれてもよい。このような追加の成分は、本発明の薬学的処方の全体的安定性に悪影響を与えるべきではない。
本発明によるFVIIa-誘導体を含む薬学的組成物は、複数の部位で治療が必要な患者に投与されてもよく、例えば、局所的部位(例えば皮膚、粘膜部位)、バイパス吸収(例えば、動脈、静脈、心臓投与)、間接吸収(例えば、皮膚内、皮膚下、筋肉内、腹部内投与)における投与が可能である。
本発明による薬学的組成物の投与は、幾つかの経路で投与してもよく、例えば、治療が必要な患者に対して、舌、舌下、頬側、口内、経口、胃および腸、鼻、肺、例えば気管支梢および肺胞またはこれらの組み合わせ、上皮、真皮、経皮、膣、直腸、眼球、例えば、結膜、尿管、および非経口における投与が可能である。
本発明の組成物は、幾つかの投与形態、例えば、溶液、懸濁液、エマルジョン、ミクロエマルジョン、多重エマルジョン、泡、軟膏(salve)、ペースト、プラスター、軟膏(ointment)、錠剤、被覆錠剤、リンス、カプセル、例えば、硬質ゼラチンカプセルおよび軟質ゼラチンカプセル、座薬、直腸カプセル、ドロップ、ゲル、スプレー、パウダー、エアロゾル、吸入剤、目薬、眼球用軟膏、眼球用リンス、腟坐薬、膣リンス、膣軟膏、注入溶液、in situ形質転換溶液、例えば、in situゲル化剤、in situ硬化剤、in situ沈降剤、in situ結晶化剤、注入溶液、およびインプラントとしての投与形態がある。
本発明の組成物はさらに、例えば、共有結合、疎水性および静電気的相互作用を介して、薬物キャリア、薬物送達系、および高度な薬物送達系に配合または結合されてもよく、さらに、FVIIa誘導体の安定性を増強し、生体利用効率を増加させ、溶解性を増加させ、悪影響を減少させ、当業者に周知の時間治療を達成させ、患者のコンプライアンスを高め、またはこれらの任意の組み合わせを高める。キャリア、薬物送達系および高度な薬物送達系の例には、ポリマー、例えば、セルロースおよびその誘導体、多糖類、例えば、デキストランおよびその誘導体、スターチおよびその誘導体、ポリ(ビニルアルコール)、アクリレートおよびメタクリレートポリマー、ポリ酢酸およびポリグリコール酸、およびそのブロックコポリマー、ポリエチレングリコール、キャリアタンパク質、例えば、アルブミン、ゲル、例えば、熱ゲル化系、例えば当業者に周知のブロックコポリマー系、ミセル、リポソーム、微粒子、ナノ粒子、液体結晶およびその分散体、L2相およびその分散体(脂質水系における相挙動は当業者に周知である)、重合ミセル、多重エマルジョン、自己乳化剤、自己乳化剤、シクロデキストリンおよびその誘導体、およびデンドリマーが含まれるがこれらに限定されない。
本発明の組成物には、例えば、計量式吸入器、乾燥粉末吸入器および噴霧器(これらの全ての装置は当業者に周知である)を使用する、化合物の肺性投与のための固体、半固体、粉末および溶液の処方が有用である。
本発明の組成物は、制御、徐放、遅延、遅滞および遅い放出薬剤送達系において得に有用である。より好ましくは、組成物は、当業者に周知の非経口的な制御された放出系および徐放性の放出系(両系は多数の投与において何倍もの徐放性を誘導する)の処方において有用であるがこれに限定されない。さらにより好ましくは、皮下に投与される制御された放出系および徐放性の放出系である。本発明の範囲を制限するものではないが、有用な制御された放出系および組み合わせの例には、ヒドロゲル、油性ゲル、液体結晶、重合体ミセル、微粒子、ナノ粒子がある。
本発明の組成物に有用な制御された放出系を生成する方法には、結晶化、凝集化、共結晶化、沈殿化、共沈殿化、エマルジョン化、分散化、高圧均質化、被包化、噴霧乾燥、マイクロカプセル化、コアセルベーション、相分離、溶媒蒸発(微粒子を生成するための)、押出しおよび超臨界流体プロセスが含まれるがこれらに限定されない。一般的な参考文献には以下の文献がある。Handbook of Pharmaceutical Controlled Release (Wise, D.L., ed. Marcel Dekker, New York, 2000) および Drug and the Pharmaceutical Sciences vol. 99: Protein Formulation and Delivery (MacNally, E.J., ed. Marcel Dekker, New York, 2000).
非経口的投与は、シリンジ、任意的にはペン型シリンジによる皮下、筋肉内、腹膜内、または静脈内注射によって行われてもよい。代わりに、非経口的投与は、注入ポンプによって行うことができる。更なるオプションは、鼻または肺噴霧の形態における化合物の投与のための溶液または懸濁液になり得る組成物である。更なるオプションとして、本発明の化合物を含む薬学的組成物はまた、例えば針無しの注入またはパッチ、任意的にはイオン注入パッチによる経皮投与、あるいは経粘膜(例えば頬側)投与に適合し得る。
用語「安定化された処方」とは、増加した物理的安定性、増加した化学的安定性、または増加した物理的および化学的安定性をいう。
本明細書中で使用されるタンパク質処方についての用語「物理的安定性」は、熱機械的ストレスに対するタンパク質の曝露、および/または不安定化する界面および表面(例えば、疎水性表面および界面)での相互作用の結果として、生物学的に不活性および/または不溶性の凝集体を形成するタンパク質の傾向を意味する。水溶性タンパク質処方の物理的安定性は、適切な容器内(例えば、カートリッジまたはバイアル)に充填された処方を、異なる時間、温度で機械的/物理的ストレス(例えば撹拌)に曝露した後、物理的検査および/または濁度測定によって評価される。処方の可視的検査は、暗いバックグラウンドではっきりと焦点を合せた光において行われる。処方の濁度は、濁度の程度を例えば0〜3のスケールでランク付けした可視スコアによって特徴づけられる(濁度なしは可視スコア0に相当し、日光のもとで可視的濁度を示す処方は可視スコア3に相当する)。処方が日光のもとで可視的濁度を示すとき、該処方は、タンパク質の凝集に関して物理的に不安定なグループに分類される。代わりに、処方の濁度は、当業者に周知の単純な濁度の測定によって評価され得る。水性タンパク質処方の物理的安定性はまた、高次構造状態のタンパク質の分光学的薬剤またはプローブを使用することによって評価され得る。プローブは、好ましくはタンパク質の非天然の配座異性体と優先的に結合する小分子である。タンパク質構造の小分子の分光学的プローブの一例には、チオフラビンTがある。チオフラビンTは、アミロイド原繊維の検出のために幅広く使用されている蛍光色素である。原繊維、あるいは似たような他のタンパク質の立体配置の存在下において、チオフラビンTは、約450nmでの新しい最大励起を生じ、原繊維のタンパク質形態に結合するとき、約482nmでの増強された励起を生じる。未結合のチオフラビンTは波長帯で実質的に非蛍光である。
他の小分子は、タンパク質構造の天然から非天然状態への変化のプローブとして使用され得る。例えば、「疎水性パッチ」プローブは、タンパク質の露出した疎水性パッチと優先的に結合する。疎水性パッチは、一般的には天然状態におけるタンパク質の四次構造内に埋め込まれるが、タンパク質の折り畳み構造が解かれ変性が始まると露出する。これらの小分子の分光学的プローブの例には、芳香族の疎水性色素、例えばアントラセン、アクリジン、フェナントロリンまたはこれらに類するものがある。他の分光学的プローブには、金属アミノ酸複合体、例えば疎水性アミノ酸(例えばフェニルアラニン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、およびバリン、またはこれらに類するもの)のコバルト金属複合体がある。
本明細書中に使用されたタンパク質処方の用語「化学的安定性」とは、天然のタンパク質構造と比較して潜在的に低い生物学的効力および/または潜在的に増加した免疫原性質をもつ化学的分解生成物の形成を導く、タンパク質構造における化学的共有状態の変化を意味する。様々な化学的分解生成物は、天然のタンパク質の種類と性質、およびタンパク質がさらされる環境に依存して形成され得る。化学的分解による脱離は、完全に回避することはできず、かつ当業者に周知なように、化学的分解生成物の量の増加が貯蔵中およびタンパク質処方の使用中に観察される。大半のタンパク質は、脱アミド化(グルタミニルまたはアスパラギニル残基中の側鎖アミド基が加水分解されて遊離カルボン酸を形成するプロセス)を起こし易い。他の分解経路は、高分子重量の形質転換生成物の形成を伴い、二以上のタンパク質分子が、共有結合ダイマー、オリゴマーおよびポリマー分解生成物の形成を導くアミド基転移および/またはジスルフィド相互作用を介して互いに共有結合する(Stability of Protein Pharmaceuticals, Ahern. T.J. & Manning M.C., Plenum Press, New York 1992)。酸化(例えば、メチオニン残基の)は、化学分解の他の形態ということができる。タンパク質処方の化学的安定性は、異なる環境条件(分解生成物の形成は、例えば温度を上昇させることによってしばしば加速され得る)にさらされた後の様々な時間点での化学的分解生成物の量を測定することによって評価され得る。個々の分解生成物の量は、しばしば様々なクロマトグラフィー技術(例えば、SEC-HPLCおよび/またはRP-HPLC)を使用して、分子サイズおよび/または電荷に依存する分解生成物の分離によって決定される。
従って、上記に示したように、「安定化された処方」とは、増加した物理的安定性、増加した化学的安定性または増加した物理的および化学的安定性をもつ処方を意味する。一般的には、処方は、有効期限が満了するまで使用中および貯蔵中(推奨された使用および貯蔵条件に従って)に安定でなければならない。
本発明の一つの側面において、組成物を含む薬学的処方は、6週間以上の使用および3年以上の貯蔵で安定である。
本発明の一つの側面において、化合物を含む薬学的処方は、4週間以上の使用および3年以上の貯蔵で安定である。
本発明の更なる側面において、化合物を含む薬学的処方は、4週間以上の使用および2年以上の貯蔵で安定である。
本発明の更なる側面において、化合物を含む薬学的処方は、2週間以上の使用および2年以上の貯蔵で安定である。
本発明に包含される安定な保護されたモノマーと構成単位の特定の例:
Figure 2007501812
Figure 2007501812
Figure 2007501812
以下の例および基本手順は、構造的詳細および合成スキームが同定された中間化合物および最終生成物である。本発明の化合物の調製は、以下の例を使用して詳細に説明されるが、記載された化学反応は、本発明の選択された枝分れしたポリマーの調製に対するその基本的適用の観点から開示される。時には、本発明の開示された範囲内に含まれる各化合物に記載された反応が適用されなくてもよい。これらの化合物についてのこの非適用は、当業者に容易に認識されるであろう。これらの場合において、該反応は、当業者に知られた従来の修飾によって、すなわち、妨害する基の適切な保護、他の従来の試薬への変更、または反応条件の通常の修飾によって首尾よく行われ得る。代わりに、本明細書に開示された、あるいは公知の他の反応が、本発明の対応する化合物の調製に適用可能であろう。全ての調製方法において、全ての開始物質は公知であるかまたは公知の開始物質から容易に調製できる。全ての温度は、特に示さない限り摂氏温度で示され、割合およびパーセンテージは、収量を表わすときは全て重量での割合およびパーセンテージであり、割合が溶媒および溶出剤を表わすときは全て容積での割合である。全ての試薬は、Aldrich、Sigmaなどから供給された標準的等級のものである。プロトン、炭素およびリンの核磁気共鳴(1H-,13C-および31P-NMR)を、Bruker NMR装置上でテトラメチルシランまたはリン酸からの低磁場で報告された化学シフト(δ)で記録した。LC-MS質量スペクトルを、以下に記載の装置および設定条件を使用して得た。
Hewlett Packard シリーズ 1100 G1312A Bin Pump
Hewlett Packard シリーズ 1100 Column compartment
Hewlett Packard シリーズ 1100 G13 15A DAD diode array detector
Hewlett Packard シリーズ 1100 MSD
前記装置は、HP Chemstationソフトウェアによって制御した。
前記HPLCポンプは、以下のものを含む二つの溶出リザーバと接続した。
A: 水中0.01% TFA
B: アセトニトリル中0.01% TFA
分析は、適切な容積のサンプル(好ましくは1μL)をカラム上に注入することによって40℃で行った。サンプルをアセトニトリルの勾配で溶出させた。
使用されたHPLCの条件、検出器の設定および質量スペクトルの設定を以下の表に示した。
Figure 2007501812
以下の例に示した幾つかのNMRデータは、選択されたデータのみである。
例において、以下の略語は、以下の一般的意味をもつものとする。
略語
Boc: tert-ブトキシカルボニル
CDI: カルボニルジイミダゾール
DCM: ジクロロメタン、メチレン塩化物
DIC: ジイソプロピルカルボジイミド
DIPEA: N,N-ジイソプロピルエチルアミン
DhbtOH: 3-ヒドロキシ-1,2,3-ベンゾトリアジン-4(3H)-オン
DMAP: 4-ジメチルアミノピリジン
DMF: N,N-ジメチルホルムアミド
DMSO: ジメチルスルホキシド
DTT: ジチオスレイトール
EtOH: エタノール
Fmoc: 9-フルオレニルメチルオキシカルボニル
HOBt: 1-ヒドロキシベンゾトリアゾール
MeOH: メタノール
NMP: N-メチル-2-ピロリジノン
NEt3: トリエチルアミン
THF: テトラヒドロフラン
TFA: トリフルオロ酢酸
TSTU: 2-スクシンイミド-1,1,3,3-テトラメチルウロニウム テトラフルオロボラート
以下の非制限的な例は、モノマーの合成と固相合成または液相合成を使用する重合技術を示す。
[モノマー構成単位および連結基の合成]
例1
2-[2-(2-クロロエトキシ)エトキシメチル]オキシラン
Figure 2007501812
2-(2-クロロエトキシ)エタノール(100.00g; 0.802 mol)を、ジクロロメタン(100 ml)および触媒量のホウ素トリフルリドエーテラート (2.28 g; 16mmol)中に溶解した。透明な溶液を0℃まで冷却し、エピブロムヒドリン(104.46 g; 0.762mol)を0℃に維持しながら滴下して加えた。透明な溶液をさらに3時間0℃で撹拌し、その後に溶媒を回転蒸発によって取り除いた。残留油をアセトニトリルからいったん蒸発させ、粗製の1-ブロモ-3-[2-(2-クロロエトキシ)エトキシ]プロパン-2-オールを得、これをTHF(500ml)中に再溶解した。その後、粉末状のカリウムtert-ブトキシド (85.0 g; 0.765mmol)を加え、該混合物を30分間還流しながら加熱した。不溶性塩をろ過によって取り除き、ろ液をin vacuoで濃縮し、透明な黄色の油を得た。この油を真空蒸留によってさらに精製し、56.13 g(41 %)の純粋な表題の物質を得た。
bp = 65-75℃(0.65 mbar). 1H-NMR(CDCl3): δ2.61 ppm(m、1H); 2.70(m、1H); 3.17(m、1H); 3.43(dd、1H); 3.60-3.85(m、9H). 13C-NMR(CDCl3): δ42.73 ppm; 44.18; 50.80; 70.64 & 70,69(may collaps); 71.37; 72.65.
例2
1,3-ビス[2-(2-クロロエトキシ)エトキシ]プロパン-2-オール
Figure 2007501812
2-[2-(2-クロロエトキシ)エトキシメチル]オキシラン(2.20g; 12.2 mmol)を、DCM(20 ml)中に溶解し、2-(2-クロロエトキシ)エタノール(1.52 g; 12.2 mol)を加えた。該混合物を0℃まで冷却し、ホウ素トリフルリドエーテラート(0.2 ml; 1.5 mmol)を加えた。該混合物を2時間にわたって0℃で撹拌し、溶媒を回転蒸発によって取り除いた。ホウ素トリフルリドエーテラートの残基を、アセトニトリルからの2回の共蒸発によって取り除いた。得られた油をkuglerohr蒸留によって精製した。表題の物質が透明な粘性のある油として得られた(収量2.10g(45%)。bp.=270℃, 0.25mbar)。
1H-NMR(CDCl3): δ3.31(bs、1H); 3.55 ppm(ddd、4H); 3.65-3.72(m、12H); 3.75(t、4H); 3.90(m、1H)。13C-NMR(CDCl3): δ43.12 ppm; 69.92; 70.95; 71.11; 71.69; 72.69.
例3
1,3-ビス[2-(2-アジドエトキシ)エトキシ]プロパン-2-オール
Figure 2007501812
1,3-ビス[2-(2-クロロエトキシ)エトキシ]プロパン-2-オール(250 mg; 0.81 mmol)を、DMF(2.5 ml)中に溶解し、ナトリウムアジド(200 mg; 3.10 mmol)とナトリウムヨウ化物(100 mg; 0.66 mmol)とを添加した。懸濁液を100℃(内部温度)で終夜加熱した。該混合物をその後に冷却してろ過した。ろ液を取り出して乾燥させ、半結晶油をDCM(5 ml)中に再懸濁した。不溶性の塩をろ過によって除去し、該ろ液を蒸発させて乾燥させ、純粋な表題の物質を無色の油として得た。収量:210 mg(84%)。1H-NMR(CDCl3): δ3.48 ppm(t、4H); 3.60-3.75(m、16H);4.08(m、1H)。13C-NMR(CDCl3): δ51.05 ppm; 69.10; 70.24; 70.53; 70.78; 71.37。LC-MS(any-one): m/e = 319(M+1)+; 341(M+Na)+; 291(M-N2+。Rt = 2.78 min.
例4
1,3-ビス[2-(2-アジドエトキシ)エトキシ]プロパン-2-イル-p-ニトロフェニルカルボナート
Figure 2007501812
1,3-ビス[2-(2-アジドエトキシ)エトキシ]プロパン-2-オール(2.00 g; 6.6 mmol)THF(50 ml)中に溶解し、ジイソプロピルエチルアミン(10 ml)を加えた。透明な黄色の溶液に、4-ジメチルアミノピリジン(1.60 g; 13.1 mmol)およびp-ニトロフェニルクロロホルミエート(2.64 g; 13.1 mmol)を加え、周囲温度で撹拌した。沈殿物を迅速に形成させた。懸濁液を室温で5時間にわたって撹拌し、その後にin vacuoで濃縮させた。残留物を、エチルアセテート-ヘプタン-トリエチルアミン(40/60/2)を溶出剤として使用してクロマトグラフィーによってさらに精製した。生成物は、透明な黄色の油として得られた(収量500mg(16%))。
1H-NMR(CDCl3): δ 3.38 ppm(t、4H); 3.60-3.72(m、12H); 3.76(m、4H); 5.12(q、1H); 7.41(d、2H); 8.28(d、2H)。LC-MS(any-オン): m/e = 506(M+Na)+; 456(M-N2+。Rt = 4.41分。
例5
1,3-ビス[2-(2-アジドエトキシ)エトキシ]プロパン-2-イル クロロホルミエート
Figure 2007501812
トリクロロアセチル塩化物(1,42 g、7.85 mmol)をTHF(10 ml)中に溶解し、該溶液を0℃まで冷却した。1,3-ビス[2-(2-アジドエトキシ)エトキシ]プロパン-2-オール(1.00 g; 3.3 mmol)およびトリエチルアミン(0,32 g、3.3 mmol)の溶液を、THF(5 ml)中に10分以上滴下しながらゆっくりと加えた。冷却を取り除き、得られた懸濁液を周囲温度で6時間にわたって撹拌した。混合物をろ過し、該ろ過液を蒸発させて明茶色の油を得た。該油を蒸発後にアセトニトリルで2回処理し、該生成物を更なる精製なく使用した。
1H-NMR(CDCl3):δ3.40(t、4H); 3,55-3,71(m、12H); 3,75(d、4H); 5.28(m、1H)。
例6
2-(1,3-ビス[2-(2-アジドエトキシ)エトキシ]プロパン-2-イルオキシ)酢酸
Figure 2007501812
ナトリウム水素化物(7.50 g; 80%油懸濁)をヘプタンで一瞬洗浄し、その後に乾燥THF(100 ml)中で再懸濁した。1,3-ビス[2-(2-アジドエトキシ)エトキシ]プロパン-2-オール(10.00 g; 33.0 mmol)の溶液を、室温で30分間にわたって乾燥THF(100 ml)中にゆっくりと加えた。その後、ブロモ酢酸(6.50mg; 47 mmol)の溶液をTHF(100 ml)中に20分間にわたって滴下しながらゆっくりと添加した(わずかに発熱した)。クリーム色の懸濁液が形成された。該混合物を周囲温度で終夜撹拌した。該混合物を冷却しながら過剰なナトリウム水素化物を、水(20ml)の添加によって慎重に破壊した。該懸濁液を取り出して回転蒸発によって乾燥させ、残留物をDCMと水に分けた。水相をDCMで2回抽出し、酢酸(25ml)の添加によって酸性化した。その後に水相をDCMで2回抽出し、混合された有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発乾燥させた。この時点の残油は、表題の物質とブロモ酢酸とを含む。後者は、DCM(50ml)含有ピペリジン(5ml)中に油を再溶解させることによって取り除き、30分間にわたって撹拌し、その後に1N Hclの水溶液(3×)で一瞬該有機溶液の洗浄を行った。溶媒の乾燥(Na2SO4)および蒸発後に純粋な表題の物質を得た。収量: 7.54 g(63%)。
1H-NMR(CDCl3): δ 3.48 ppm(t、4H); 3.55-3.80(m、16H); 4.28(s、2H); 4.30(m、1H); 8.50(bs、1H)。13C-NMR(CDCl3): δ51.04 ppm; 69.24; 70.50; 70.72; 71.39; 71.57; 80.76; 172.68。LC-MS(any-one): m/e = 399(M+Na)+; 349(M-N2)+。Rt = 2.34 分.
例7
イミダゾールe-1-カルボン酸 1,3-ビス(2-(2-アジドエトキシ)エトキシ)プロパン-2-イル エステル
Figure 2007501812
1,3-ビス[2-(2-アジドエトキシ)エトキシ]プロパン-2-オール(1.00 g; 3.3 mmol)を、DCM(5 ml)に溶解させ、カルボニルジイミダゾール(1.18 g 、6.3 mmol)を加えた。該混合物を2時間にわたって室温で撹拌した。溶媒を取り除き、残留物をメタノール(20 ml)に溶解させ、20分間にわたって撹拌した。溶媒を取り除き、得られた透明な油を、DCM 中2 % MeOHを溶出剤として使用してシリカのカラムクロマトグラフィーによってさらに精製した。収量: 372.4 mg(35%).
1H-NMR(CDCl3): δ3.33(t、4H); 3,60-3,75(m、12H); 3,80(d、4H); 5.35(m、1H); 7.06(s、1H); 7.43(s、1H); 8.16(s、1H)。
LC-MS(any-one): m/e = 413(M+1)+; Rt = 2.35 分.
例8
t-ブチル 2-(1,3-ビス[2-(2-アジドエトキシ)エトキシ]プロパン-2-イルオキシ)アセテート
Figure 2007501812
2-(1,3-ビス[2-(2-アジドエトキシ)エトキシ]プロパン-2-イルオキシ)酢酸(5.0 g; 13.28 mmol)を、トルエン(20 ml)に溶解させ、不活性雰囲気下で還流しながら加熱した。N,N-ジメチルホルムアミド-ジ-tert-ブチルアセタール(13 ml; 54.21 mmol)を、30分間かけて滴下した。還流を24時間の間継続した。暗茶色の溶液をセライトを通してろ過した。溶媒を真空下で取り除き、油状の残留物を、3% メタノールジクロロメタンを溶出剤として使用してシリカのフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。純粋な画分を貯留し、蒸発乾燥させた。表題の物質を黄色の透明な油として得た。収量:5.07g(88%)。
1H-NMR(CDCl3): δ 1.42 ppm(s、9H); 3.35(t、4H); 3.54-3.69(m、16H); 3.75-3.85(m、1H); 4.16(s、2H)。 13C-NMR(CDCl3、selected peaks): δ30.35 ppm.; 52.93; 70.65; 72.25; 73.12; 73.90; 80.44; 83.55; 172.28。Rf = 0.33 in エチル アセテート−ヘプタン(1:1)。
例9
t-ブチル 2-(1,3-ビス[2-(2-アミノエトキシ)エトキシ]プロパン-2-イルオキシ)アセテート
Figure 2007501812
t-ブチル 2-(1,3-ビス[2-(2-アジドエトキシ)エトキシ]プロパン-2-イルオキシ)アセテート(5.97 g、11.7 mmol)を、エタノール-水(25 ml; 2:1)に溶解させ、酢酸(5 ml)を加え、続いてRaney-Nickel(5 ml)の懸濁液を加えた。該混合物をParr装置を使用して3atmで16時間にわたって水素付加した。その後、触媒をろ過によって取り除き、該反応混合物を取り出して回転蒸発によって乾燥させた。油状残留物を水に溶解させ、凍結乾燥して多量の表題の物質を得た。
1H-NMR(CDCl3): δ 1.45 ppm(s、9H); 3.15(bs、4H); 3.48-3.89(broad m、17H); 4.15(s、2H)。 13C-NMR(CDCl3、selected peaks): δ28.44 ppm.; 39.81; 68.17; 70.58; 70.79; 70.99; 78.81; 82.31; 170.59.
例10
2-(1,3-ビス[2-(2-アミノエトキシ)エトキシ]プロパン-2-イルオキシ)酢酸
Figure 2007501812
2-(1,3-ビス[2-(2-アジドエトキシ)エトキシ]プロパン-2-イルオキシ)酢酸(1.00 g; 2.65 mmol)を、1N塩酸の水溶液(10 ml)に溶解させ、炭素(1 ml)上の5% パラジウムの50% 懸濁液を加えた。該混合物をParr装置を使用して3.5atmで水素付加した。1時間後に反応を停止させ、触媒をろ過によって取り除いた。溶媒を回転蒸発によって取り除き、残留物をアセトニトリルから2回蒸発させた。収量: 930 mg(88 %)。
1H-NMR(D2O): δ 3.11 ppm(t、4H); 3.53-3.68(m、16H); 3.80(m、1H); 4.25(s、2H)。13C-NMR(D2O): δ38.18 ppm.; 65.43; 66.09; 68.55: 69.13; 69.23; 77.18; 173.42。
例11
2-(1,3-ビス[2-(2-{9-フルオレニルメチルオキシカルボニルアミノ}エトキシ)エトキシ]プロパン-2-イルオキシ)酢酸
Figure 2007501812
2-(1,3-ビス[2-(2-アミノエトキシ)エトキシ]プロパン-2-イルオキシ)酢酸(9.35 g; 28.8 mmol)をDIPEA(10 ml; 57 mmol)に加えた。該反応混合物を氷冷バス上で冷却し、DCM(50 ml)中に溶解したクロロトリメチルシラン(15 ml; 118 mmol)を滴下して加え、続いてDIPEA(11 ml; 62.7 mmol)を加えた。ほぼ透明な溶液になるまで、Fmoc-Cl(15.0 g; 57 mmol)の溶液をDCM(50 ml)中に滴下して加えた。反応混合物を終夜滴下して加え、DCM(500 ml)で希釈し、0.01N水溶液(500 ml)に加えた。有機層を分離して水(3×200 ml)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を回転蒸発によって取り除いた。粗生成物を、エチルアセテート-ヘプタン(1:1)を溶出剤として使用し、シリカ上でフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。純粋な画分を収集し、乾燥させて9.20 g(42%)の表題の物質を得た。
1H-NMR(D2O): δ3.34 ppm(t、4H); 3.45-3.65(m、16H); 3.69(bs、1H); 4.20(t、2H); 4.26(s、2H); 4.38(d、4H); 5.60(t、2H); 7.30(t、4H); 3.35(t、4H); 7.58(d、4H); 7.72(d、4H)。13C-NMR(D2O; selected peaks): δ21.20 ppm.; 30.75; 34.64; 67.66; 68.90; 70.38; 70.51; 80.02; 120.37; 125.54; 127.48; 128.09; 128.67; 136.27; 141.69; 173.63; 176.80。
例12
2-[2-(2-アジドエトキシ)エトキシ]エタノール
Figure 2007501812
ジメチルホルムアミド(250ml)中の2-(2-(-2-クロロエトキシ)エトキシ)エタノール(25.0g、148 mmol)およびナトリウムアジド(14.5g、222mmol)のスラリーを、100℃で終夜静置させた。該反応混合物を氷冷バス上で冷却し、ろ過後に有機溶媒をin vacuoで蒸発させた。残留物をジクロロメタン(200ml)に溶解させ、水(75ml)で洗浄して、水相を追加のジクロロメタン(75ml)で抽出し、混合された有機相を硫酸マグネシウム(MgSO4)で乾燥させ、in vacuoでろ過および蒸発させて油を得、更なる精製無しで使用した。収量: 30.0g(100%)。
13C-NMR(CDCl3): δ72.53; 70.66-70.05; 61.74; 50.65
例13
(2-[2-(2-アジドエトキシ)エトキシ]エトキシ)酢酸
Figure 2007501812
2-[2-(2-アジドエトキシ)エトキシ]エタノール(26g,148mmol)を、テトラヒドロフラン(100ml)中に溶解させ、窒素雰囲気下で、テトラヒドロフラン(250ml)中の水素化ナトリウム(24 g、593 mmol、油中60%)(事前にヘプタン(2×100ml)で洗浄した)の氷冷スラリーにゆっくりと加えた。該反応混合物を40分間静置した。その後、氷例バス上で冷却し、テトラヒドロフラン(150ml)中に溶解したブロモ酢酸(31g、223mmol)をゆるやかに添加し、RTで約3時間静置した。有機溶媒をin vacuoで蒸発させた。残留物をジクロロメタン(400ml)中に懸濁させた。水(100ml)をゆるやかに加え、その後に機械的撹拌下で該混合物を30分間静置させた。水相を分離して塩酸塩(4N)で酸性化し、ジクロロメタン(2×75ml)で抽出した。全ての混合有機相をin vacuoで蒸発させ、黄色油を得た。ジクロロメタン(250ml)中のピぺリジンの溶液(37 ml、371 mmol)を該油にゆるやかに加え、該混合物を機械的撹拌下で1時間静置させた。透明な溶液をジクロロメタン(100ml)で希釈し、塩酸塩(4N、2×100ml)で洗浄した。水相を追加のジクロロメタン(2×75ml)で抽出し、混合有機相をin vacuoで蒸発させ、黄色油を得、更なる精製無しで使用した。収量: 27.0 g (66%)。
13C-NMR(CDCl3): δ173.30; 71.36; 70.66-70.05; 68.65; 50.65
例 14
(S)-2,6-ビス-(2-{2-[2-(2-アジドエトキシ)エトキシ]エトキシ}アセチルアミノ)ヘキサン酸メチルエステル
Figure 2007501812
上記(2-[2-(2-アジドエトキシ)エトキシ]エトキシ)酢酸(13g、46.9mol)をジクロロメタン(100ml)中に溶解させた。N-ヒドロキシスクシンイミド(6.5g、56.3mmol)および1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピルカルボジイミド塩酸塩(10.8g、56.3mmol)を加え、反応混合物を1時間にわたって撹拌した。ジイソプロピルエチルアミン(39ml、234mmol)およびL-リジンメチルエステルジ塩酸塩(6.0g、25.8mmol)を加え、反応混合物を16 時間にわたって静置した。反応混合物をジクロロメタン(300ml)で希釈し、水(100ml)、塩酸塩(2N、2x100ml)、水(100ml)、50% 飽和ナトリウム水素カルボナート(100ml)および水(2x100ml)で抽出した。有機相をマグネシウム硫酸塩で乾燥させ、in vacuoでろ過および蒸発させ油を得た。これをさらに精製せずに使用した。収量:11g(73 %)。 LCMS: m/z = 591。
13C-NMR(CDCl3):(selected)δ172.48; 169.87; 169.84; 71.093-70.02; 53.51; 52.34; 51.35; 50.64; 38.48; 36.48; 31.99; 31.40; 29.13; 22.82
例 15
(S)-2,6-ビス-(2-{2-[2-(2-t-ブチルオキシカルボニルアミノエトキシ)エトキシ]エトキシ}アセチルアミノ)ヘキサン酸 メチル エステル
Figure 2007501812
エチルアセテート(15ml)中の上記(S)-2,6-ビス-(2-{2-[2-(2-アジドエトキシ)エトキシ]エトキシ}アセチルアミノ)ヘキサン酸メチルエステル(1.0g、1.7mmol)の溶液に、ジ-tert-ジカルボナート(dicarbonat)(0.9g、4.24mmol)および10% Pd/C(0.35g)を加えた。その後、水素を3時間にわたって溶液を通して持続的に撹拌した。反応混合物をin vacuoでろ過して有機溶媒を除去した。残留物を、エチルアセテート/メタノール 9:1を溶出剤として使用してフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。生成物を含む画分を貯留し、有機溶媒をin vacuoで除去して油を得た。収量: 0.60g(50%)。LC-MS: m/z = 739(M+1).
例 16
(S)-2,6-ビス-(2-{2-[2-(2-アミノエトキシ)エトキシ]エトキシ}アセチルアミノ)ヘキサン酸 メチル エステル
Figure 2007501812
上記(S)-2,6-ビス-(2-{2-[2-(2-t-ブチルオキシカルボニルアミノエトキシ)エトキシ]エトキシ}アセチルアミノ)ヘキサン酸メチルエステル(0.6g、0.81mmol)をジクロロメタン(5ml)中に溶解させた。トリフルオロ酢酸(5ml)を加え、反応混合物を約1時間にわたって静置した。反応混合物をin vacuoで蒸発させて油を得た。これをさらなる精製を行わずに使用した。収量: 0.437 g(100%)。LC-MS m/z = 539(M+1)
例 17
(S)-2,6-ビス-(2-{2-[2-(2-アジドエトキシ)エトキシ]エトキシ}アセチルアミノ)ヘキサン酸
Figure 2007501812
メタノール(10ml)中の(S)-2,6-ビス-(2-{2-[2-(2-アジドエトキシ)エトキシ]エトキシ}アセチルアミノ)ヘキサン酸メチルエステル(2.0g、3.47mmol)の溶液に、水酸化ナトリウム(4N, 1.8ml、6.94mmol)を加え、反応混合物を2時間にわたって静置した。有機溶媒をin vacuoで蒸発させ、残留物を水中(45ml)に溶解させ、塩化水素(4N)で酸性化した。該混合物を、塩化ナトリウムの飽和水溶液(2×25ml)で洗浄されたジクロロメタン(150ml)で抽出した。有機相を硫酸マグネシウムを乾燥させ、in vacuoでろ過および蒸発させて油を得た。LC-MS m/z = 577(M+1)。
例 18
N-(tert-ブチルオキシカルボニルアミノキシブチル)フタルイミド
Figure 2007501812
N-(4-ブロモブチル)フタルイミド(18.9 g、67.0 mmol)、MeCN(14 ml)、およびN-Boc-ヒドロキシルアミン(12.7 g、95.4 mmol)の撹拌混合物に、DBU(15.0 ml、101 mmol)を分割して加えた。得られた混合物を、50℃で24時間にわたって撹拌した。水(300 ml)および12M HCl(10 ml)を加え、生成物をAcOEtで3回抽出した。混合抽出物をかん水で洗浄し、(MgSO4)で乾燥させ、減圧下で濃縮した。得られた油(28 g)をクロマトグラフィー(140 g SiO2、ヘプタン/AcOEtの勾配抽出液)によって精製した。17.9 g(80%)の表題の化合物を油として得た。
1H NMR(DMSO-d6)δ 1.36(s、9H)、1.50(m、2H)、1.67(m、2H)、3.58(t、J = 7 Hz、2H)、3.68(t、J = 7 Hz、2H)、7.85(m、4H)、9.90(s、1H).
例 19
4-(tert-ブチルオキシカルボニルアミノxy)ブチルアミン
Figure 2007501812
EtOH(10 ml)中のN-(tert-ブチルオキシカルボニルアミノxyブチル)フタルイミド(8.35 g、25.0 mmol)に、ヒドラジン水和物(20 ml)を加え、該混合物を、80 ℃で38時間にわたって撹拌した。この混合物を濃縮し、残留物をEtOHおよびPhMeとともに蒸発させた。残留物にEtOH(50 ml)を加え、沈殿したフタルヒドラジドをろ過し、EtOH(50 ml)で洗浄した。混合ろ過物の濃縮物を、5.08 gの油として得た。この油を水(20 ml)中K2CO3(10 g)の溶液と混合し、該生成物をCH2Cl2で抽出した。乾燥(MgSO4)および濃縮して、2.28 g(45%)の表題の化合物を油として得た。さらなる精製を行わずに使用した。
1H NMR(DMSO-d6)δ1.38(m、2H)、1.39(s、9H)、1.51(m、2H)、2.51(t、J = 7 Hz、2H)、3.66(t、J = 7 Hz、2H).
例 20
2-(2-トリチルオキシエトキシ)エタノール.
Figure 2007501812
トリチル塩化物(10g、35.8 mmol)を乾燥ピリジン中に溶解させ、ジエチレングリコール(3.43 mL、35.8 mmol)を加えて該混合物を窒素下で終夜撹拌した。溶媒をin vacuoで除去した。残留物をジクロロメタン(100 mL)に溶解させ、水で洗浄した。有機相をNa2SO4で乾燥させ、溶媒をin vacuoで除去した。粗生成物をヘプタン/トルエン(3:2)からの再結晶課によって精製し、表題の化合物を得た。
1H NMR(CDCl3): δ 7.46(m、6H)、7.28、(m、9H)、3.75(t、2H)、3.68(t、2H)、3.62(t、2H)、3.28(t、2H)。LC-MS: m/z = 371(M+Na); Rt = 2.13 min.
例 21
2-[2-(2-トリチルオキシエトキシ)エトキシメチル]oxirane
Figure 2007501812
2-(2-トリチルオキシエトキシ)エタノール(6.65 g、19 mmol)を乾燥THF(100 mL)中に溶解させた。60% NaH−油懸濁液(0.764 mg、19 mmol)をゆっくりと加えた。該懸濁液を15分間にわたって撹拌した。エピブロモヒドリン(1.58 mL、19 mmol)を加え、該混合物を窒素下で室温で終夜撹拌した。該反応物を氷で急冷し、ジエチルエーテル(300 mL)と水(300 mL)との間で分離した。水相をジクロロメタンで抽出した。有機相を収集して乾燥させ(Na2SO4)、溶媒をin vacuoで除去し、シリカゲルカラム上で精製した油をDCM/MeOH/Et3N(98:1:1)で溶出し、表題の化合物を得た。
1H NMR(CDCl3): δ 7.45(m、6H)、7.25、(m、9H)、3.82(dd、1H)、3.68(m、6H)、3.45(dd、1H)、3.25(t、2H)、3.15(m、1H )、2.78(t、1H)、2.59(m、1H)。LC-MS: m/z = 427(M+Na); Rt = 2.44 min.
例 22
−例2
1,3-ビス[2-(2-トリチルオキシエトキシ)エトキシ]プロパン-2-オール
Figure 2007501812
2-(2-トリチルオキシエトキシ)エタノール(1.14 g、3.28 mmol)を、乾燥DMF(5 mL)中に溶解させた。60 % NaH−油県濁液(144 mg、3.61 mmol)をゆっくりと加え、該混合物を窒素下室温で30分間にわたって撹拌した。該混合物を40℃に加熱した。2-[2-(2-トリチルオキシエトキシ)エトキシメチル]オキシラン(1.4 g、3.28 mmol)を乾燥DMF(5 mL)中に溶解させ、前記溶液に撹拌状態を維持しながら窒素下で滴下して加えた。該添加後、該混合物を窒素下40℃で終夜撹拌した。加熱を止めて室温まで冷却した後、該反応物を氷で急冷し、NaHCO3(100 mL)の飽和水溶液中に注いだ。該混合物をジエチルエーテル(3×75 mL)で抽出した。有機相を収集し、(Na2SO4)で乾燥させ、溶媒をin vacuoで除去し、シリカゲルカラム上で精製した油を、EtOAc/ヘプタン/Et3N(49:50:1)で溶出し、表題の化合物を得た。
1H NMR(CDCl3): δ 7.45(m、12H)、7.25、(m、18H)、3.95(m、1H)、3.78-3.45(m、16H)、3.22(t、4H)、LC-MS: m/z = 775(M+Na); Rt = 2.94 min.
例 23
1,3-ビス[2-(2-トリチルオキシエトキシ)エトキシ]プロパン-2-イルオキシβ-シアノエチル N,N-ジイソプロピルホスホラミダイト
Figure 2007501812
1,3-ビス[2-(2-トリチルオキシエトキシ)エトキシ]プロパン-2-オール(0.95 g、1.26 mmol)を、乾燥ピリジンから2回、乾燥アセトニトリルから1回蒸発させた。窒素下で撹拌しながら該残留物を乾燥THF(15 mL)中に溶解した。ジイソプロピルエチルアミン(1.2 mL、6.95 mmol)を加えた。該混合物を、氷冷バスで0℃に冷却し、2-シアノエチルジイソプロピルクロロホスホラミダイト(0.39 mL、1.77 mmol)を窒素下で加えた。該混合物を10 分間0℃で撹拌し、続いて室温で30分間撹拌した。NaHCO3の水溶液(50 mL)を加え、該混合物をDCM/Et3N(98:2)(3×30 mL)で抽出した。有機相を収集、乾燥させ(Na2SO4)、溶媒をin vacuoで取り除き、シリカゲルカラムで精製した油を、EtOAc/ヘプタン/Et3N(35:60:5)で溶出し、703 mgの表題の化合物を得た。31P-NMR(CDCl3): δ149.6 ppm.
例 24
2-(1,3-ビス[2-(2-ヒドロキシエトキシ)エトキシ]プロパン-2-イルオキシ)酢酸 tert-ブチル エステル
Figure 2007501812
1,3-ビス[2-(2-トリチルオキシエトキシ)エトキシ]プロパン-2-オール(0.3 g、0.40 mmol)を乾燥ピリジンで一回、乾燥アセトニトリルで一回蒸発させた。残留物を乾燥DMF(2 mL)中窒素下で溶解し、60% NaH-油懸濁液(24 mg、0.6 mmol)を加えた。該混合物を室温で15分間撹拌した。tert-ブチルブロモアセテート(0.07 mL、0.48 mmol)を加え、該混合物をさらに60分間撹拌した。該反応物を氷で急冷し、ジエチルエーテル(100 mL)と水(100 mL)との間で分けた。有機相を収集、乾燥し(Na2SO4)、in vacuoで溶媒を除去し、シリカゲルカラム上でEtOAc/ヘプタン/Et3N(49:50:1)で油を溶出した。主要な生成物を含む画分を収集した。溶媒をin vacuoで除去し、該残留物を80%酢酸水溶液(5ml)で溶解させ、室温で終夜撹拌した。溶媒をin vacuoで除去し、粗物質をジエチルエーテル(25 mL)中に溶解し、水で洗浄した(2×5mL)。水相を収集し、回転蒸発機(rotorvap)で水を除去し、63 mgの表題の化合物を得た。
1H NMR(CDCl3): δ4.19(s、2H)、3.78-3.55(m、21H)、1.49(s、9H).
例 25:
N,N-ビス(2-(2-phthalimidoエトキシ)エチル)-O-tert-ブチルカルバミン酸
Figure 2007501812
N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-O-tert-ブチルカルバミン酸を、極性、非プロトン性溶媒、例えばTHF、またはDMF中に溶解させた。ナトリウム水素化物(鉱油中60 % 懸濁液)を、溶液にゆるやかに加えた。該混合物を3時間撹拌した。N-(2-ブロモエチル)フタルイミドを加えた。該混合物を、反応が完了するまで撹拌した。メタノールのゆるやかな添加によって反応物を急冷した。エチルアセテートを加えた。該溶液を、ナトリウム水素カルボナートの水溶液で洗浄した。有機相を乾燥、ろ過し、可能な限り真空下で実質的に濃縮した。粗化合物を、標準カラムクロマトグラフィーによって精製した。
例 26:
N,N-ビス(2-(2-アミノエトキシ)エチル)-O-tert-ブチルカルバミン酸
Figure 2007501812
N,N-ビス(2-(2-phthalimidoエトキシ)エチル)-O-tert-ブチルカルバミン酸を、極性溶媒、例えばエタノール中に溶解させた。ヒドラジン(またはフタロイル保護基を除去する薬剤として知られた他の薬剤)を加えた。該混合物を、反応が完了するまで室温下(または必要があればそれ以上の温度)で撹拌した。該反応物を可能な限り真空下で濃縮した。粗化合物を、標準カラムクロマトグラフィーまたは化膿であれば真空蒸留によって精製した。
例 27:
N,N-ビス(2-(2-ベンジルオキシカルボニルアミノエトキシ)エチル)-O-tert-ブチルカルバミン酸
Figure 2007501812
N,N-ビス(2-(2-アミノエトキシ)エチル)-O-tert-ブチルカルバミン酸を、dissolved in a mixture of aqueous 水酸化ナトリウムとTHFの水溶液の混合物、または水酸化ナトリウムとアセトニトリルの水溶液の混合物中に溶解した。ベンジルオキシクロロホルメートを加えた。該混合物を反応が完了するまで室温下で撹拌した。必要に応じて、体積をin vacuoで減少させた。エチルアセテートを加えた。有機相をかん水で洗浄した。有機相を、乾燥、ろ過し、可能な限りin vacuoで濃縮した。粗化合物を標準カラムクロマトグラフィーによって精製した。
例 28
ビス(2-(2-フタルイミドエトキシ)エチル)アミン
Figure 2007501812
ビス(2-(2-フタルイミドエトキシ)エチル)-tert-ブチルカルバミン酸を、トリフルオロ酢酸中に溶解させた。該混合物を反応が完了するまで室温下で撹拌した。該混合物を可能な限りin vacuoで濃縮した。粗化合物を標準カラムクロマトグラフィーによって精製した。
例 29
11-オキソ-17-phthalimido-12-(2-(2-phthalimidoエトキシ)エチル)-3,6,9,15-テトラオキサ-12-アザヘプタデカン酸
Figure 2007501812
3,6,9-トリオキサウンデカン酸を、ジクロロメタン中に溶解させた。カルボジイミド(例えば、N,N-ジシクロヘキシルカルボジイミド、またはN,N-ジイソプロピルカルボジイミド)を加えた。該溶液を、室温で終夜撹拌した。該混合物をろ過した。該ろ過物を必要に応じてin vacuoで濃縮した。形成された分子内無水物でのアミンのアシル化は、公知である(例えば、Cook、R.M.; Adams、J.H; Hudson, D. Tetrahedron Lett., 1994, 35, 6777-6780またはStora、T.; Dienes, Z.; Vogel、H.; Duschl, C. Langmuir 2000, 16, 5471-5478)。該無水物を、非プロトン性溶媒、例えばジクロロメタンまたはN,N-ジメチルホルムアミド中でビス(2-(2-フタルイミドエトキシ)エチル)アミンの溶液と混合した。該混合物を反応が完了するまで撹拌した。粗化合物を抽出およびその後の標準カラムクロマトグラフィーによって精製した。
例 30
5-オキソ-11-フタルイミド-6-(2-(2-フタルイミドエトキシ)エチル)-3,9-ジオキサ-6-アザウンデカン酸
Figure 2007501812
非プロトン溶媒、例えばジクロロメタンまたはN,N-ジメチルホルムアミド中のジグリコール無水物の溶液を、非プロトン溶媒、例えばジクロロメタンまたはN,N-ジメチルホルムアミド中のビス(2-(2-フタルイミドエトキシ)エチル)アミンの溶液に滴下して加えた。該混合物を反応が完了するまで撹拌した。粗化合物を抽出およびその後の標準カラムクロマトグラフィーによって精製した。
例 31
1,2,3-ベンゾトリアジン-4(3H)-オン-3-イル2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]アセテート
Figure 2007501812
3-ヒドロキシ-1,2,3-ベンゾトリアジン-4(3H)-オン(10.0 g; 61.3 mmol)および2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]酢酸(10.9 g; 61.3 mmol)を、DCM(125 ml)中で懸濁し、DIC(7,7 g; 61.3 mmol)を加えた。該混合物を、乾燥雰囲気下、周囲温度で終夜撹拌した。ジイソプロピル尿素の沈殿が形成され、これをろ過した。有機溶液をナトリウム水素カルボナートの飽和溶液で頻繁に洗浄し、その後にin vacuoで乾燥(Na2SO4)および蒸発させ、表題の生成物を透明な黄色油として得た。収量は16.15g(81%)であった。
1H-NMR(CDCl3): δ 3.39 ppm(s、3H); 3.58(t、2H); 3.68(t、2H); 3.76(t、2H); 3.89(t、2H); 4.70(s、2H); 7.87(t、1H); 8.03(t、1H); 8.23(d、1H); 8.37(d、1H)。13C-NMR(CDCl3、selected peaks): δ 57.16 ppm; 64.96; 68.71; 68.79; 69.59; 69.99; 120.32; 123.87; 127.17; 130.96; 133.63; 142.40; 148.22; 164.97.
[オリゴマー生成物]
固相オリゴマー化:
以下に記載された反応は全て、Wang連結基で官能性を持たせたポリスチレン上で行われる。該反応は、一般には他の種類の固相支持体および他の種類の官能性付与連結基でも起こる。
固相アジド還元:
該反応は公知であり(Schneider、S.E. et al. Tetrahedron, 1998, 54(50)15063-15086)、THFと水の混合物中の過剰のトリメチルホスフィンで支持体結合のアジドを12〜24時間、室温で処理することによって行われ得る。代わりに、Chan, T.Y. et al Tetrahedron Lett. 1997, 38(16), 2821-2824に記載されたTHF水溶液中のトリメチルホスフィンが使用され得る。アジドの還元はまた、硫化物、例えばジチオスレイトール(Meldal, M, et al.Tetrahedron Lett. 1997, 38(14), 2531-2534)1,2-ジメルカプトエタンおよび1,3-ジメルカプトプロパン(Meinjohanns, E. et al. J. Chem. Soc, Perkin Trans 1, 1997,6, 871-884)またはスズ(II)塩、例えばスズ(II)塩化物(Kim, J.M. et al. Tetrahedron Lett, 1996, 37(30), 5305-5308)を使用して固相上で行われ得る。
固相カルバメート形成:
該反応は公知であり、通常、好ましくは塩基の存在中において、活性化カルボナート、またはハロホルミアート誘導体をアミンと反応させることによって通常行われる。
例 32
3-(1,3-ビス{2-[2-(1,3-ビス[2-(2-{2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]acetアミノ}エトキシ)エトキシ]プロパン-2-イルオキシ)アセチルアミノ]エトキシ])エトキシ}プロパン-2-イルオキシ)アセチルアミノ)プロパン酸
Figure 2007501812
この例は、例6で調製した2-(1,3-ビス[アジドエトキシエチル]プロパン-2-イルオキシ)酢酸モノマー構成単位を、2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]酢酸でキャップされた第2世代のアミドに基づいた枝分れポリマーの合成において使用する。カップリング化学は、標準的な固相ペプチド化学に基づき、保護方法論は、上述した固相アジド還元工程に基づいている。
工程1:Fmoc-βala-Wang樹脂(100 mg; loading 0.31 mmol/g BACHEM)を、ジクロロメタンで30分間にわたって懸濁し、DMFで2回洗浄した。DMF中20%ピペリジン溶液を加え、該混合物を15分間にわたって周囲温度で振盪した。この工程を繰り返し、該樹脂をDMF(3×)およびDCM(3×)で洗浄した。
工程2:モノマー構成単位のカップリング:2-(1,3-ビス[アジドエトキシエチル]プロパン-2-イルオキシ)酢酸(527 mg; 1,4 mmol、4×)およびDhbtOH(225mg; 1,4mmol, 4×)の溶液を、DMF(5ml)およびDIC(216ul, 1,4 mmol, 4×)に加えた。該混合物を10分間にわたって静置し(前活性化)、DIPEA(240 ul; 1,4 mmol、4×)と一緒に樹脂に加えた。該樹脂を90分間にわたって振盪させ、その後に取り出してDMF(3×)およびDCM(3×)で洗浄した。
工程3:無水酢酸でのキャッピング:無水酢酸、DIPEA、DMF(12:4:48)の溶液で室温で10分間にわたって樹脂を処理した。溶媒を取り除き、該樹脂をDMF(3×)およびDCM(3×)で洗浄した。
工程4:脱保護化(アジド基の還元):樹脂をDMF中DTT(2M)およびDIPEA(1M)の溶液で50℃で1時間にわたって処理した。次に、樹脂をDMF(3×)およびDCM(3×)で洗浄した。少量の樹脂を抜き取ってDMF中ベンゾイル塩化物(0.5 M)およびDIPEA(1 M)の溶液で1時間にわたって処理した。樹脂を50%TFA/DCMで切断し、ジベンゾイル化された生成物をNMRおよびLC-MSで分析した。
1H-NMR(CDCl3): 3.50-3.75(m、20H); 3.85(s、1H); 4.25(d、2H); 6.95(t、1H); 7.40-7.50(m、6H); 7.75(m、4H)。LC-MS(any-オン): m/e = 576(M+1)+; Rt = 2.63 min.
工程5〜7は、2倍のモル量の試薬と同量の溶媒を使用して工程2〜4と同じように行った。
工程8:2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]酢酸でのキャッピング: 2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]酢酸(樹脂搭載に関して997 mg; 5.6 mmol、16×)およびDhbtOH(900 mg; 5.6 mmol、16×)の溶液を、DMF(5 ml)中に溶解させ、DIC(864 ul、5.6 mmol、16×)を加えた。該混合物を10分間静置し(前活性化)、その後にDIPEA(960 ul; 5,6 mmol、16×)と一緒に樹脂に加えた。該樹脂を90分間にわたって振盪させ、その後に取り出してDMF(3×)およびDCM(3×)で洗浄した。
工程9:樹脂からの切断:樹脂を周囲温度で30分間にわたって50%TFA−DCM溶液で処理した。溶媒を収集し、樹脂をさらに時間をかけて50%TFA−DCMで洗浄した。混合ろ液を蒸発、乾燥させ、残留物をクロマトグラフィーによって精製した。
例 33
3-(1,3-ビス{2-[2-(1,3-ビス[2-(2-{2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]アセトアミノ}エトキシ)エトキシ]プロパン-2-イルオキシカルボニル)アミノ]エトキシ])エトキシ}プロパン-2-イルオキシカルボニル)アミノ)プロパン酸
Figure 2007501812
この例は、例4で調製された3-ビス[2-(2-アジドエトキシ)エトキシ]プロパン-2-イル-p-ニトロフェニルカルボナートモノマー構成単位を、2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]酢酸でキャップされた第2世代のカルバメートに基づいた枝分れしたポリマーの合成において使用する。カップリング化学は、標準的な固相カルバメート化学に基づき、保護方法論は、上述した固相アジド還元工程に基づいている。
工程1:Fmoc-βala-Wang樹脂(100 mg;0.31 mmol/g BACHEMを担持)をジクロロメタン中で30分間にわたって懸濁し、その後にDMFで2回洗浄した。DMF中の20%ピペリジン溶液を加え、該混合物を周囲温度で15分間にわたって振盪した。この工程を繰り返し、該樹脂をDMF(3×)およびDCM(3×)で洗浄した。
工程2:モノマー構成単位のカップリング:1,3-ビス[アジドエトキシエチル]プロパン-2-イル-p-ニトロフェニルカルバミン酸(527 mg; 1,4 mmol、4×)の溶液を、DIPEA(240 ul; 1,4 mmol、4×)と一緒に樹脂に加えた。該樹脂を90分間にわたって振盪させ、その後に取り出してDMF(3×)およびDCM(3×)で洗浄した。
工程3:無水酢酸でのキャッピング:無水酢酸、DIPEA、DMF(12:4:48)の溶液で周囲温度で10分間にわたって樹脂を処理した。溶媒を取り除き、該樹脂をDMF(3×)およびDCM(3×)で洗浄した。
工程4:脱保護化(アジド基の還元):樹脂をDMF中DTT(2M)およびDIPEA(1M)の溶液で50℃で1時間にわたって処理した。次に、樹脂をDMF(3×)およびDCM(3×)で洗浄した。少量の樹脂を抜き取ってDMF中ベンゾイル塩化物(0.5 M)およびDIPEA(1 M)の溶液で1時間にわたって処理した。樹脂を50%TFA/DCMで切断し、ジベンゾイル化された生成物をNMRおよびLC-MSで分析した。
1H-NMR(CDCl3): 3.50-3.75(m、20H); 3.85(s、1H); 4.25(d、2H); 6.95(t、1H); 7.40-7.50(m、6H); 7.75(m、4H). LC-MS(any-one): m/e = 576(M+1)+; Rt = 2.63 min.
工程5〜7は、2倍のモル量の試薬と同量の溶媒を使用して工程2〜4と同じように行った。
工程8:2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]酢酸でのキャッピング: 2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]酢酸(樹脂搭載に関して997 mg; 5.6 mmol、16×)およびDhbtOH(900 mg; 5.6 mmol、16×)の溶液を、DMF(5 ml)中に溶解させ、DIC(864 ul、5.6 mmol、16×)を加えた。該混合物を10分間静置し(前活性化)、その後にDIPEA(960 ul; 5,6 mmol、16×)と一緒に樹脂に加えた。該樹脂を90分間にわたって振盪させ、その後に取り出してDMF(3×)およびDCM(3×)で洗浄した。
工程9:樹脂からの切断:樹脂を周囲温度で30分間にわたって50%TFA−DCM溶液で処理した。溶媒を収集し、樹脂をさらに時間をかけて50%TFA−DCMで洗浄した。混合ろ液を蒸発、乾燥させ、残留物をクロマトグラフィーによって精製した。
例 34
3-[2-(1,3-ビス[2-(2-{2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]アセチルアミノ}エトキシ)エトキシ]プロパン-2-イルオキシ)アセチルアミノ]プロパン酸
Figure 2007501812
工程1: Fmoc-β-アラニン連結Wang樹脂(A22608、Nova Biochem、3.00 g;0.83 mmol/gを搭載)を20分間にわたってDCM中で膨潤(svelle)させ、その後にDCM(2×20 ml)およびNMP(2x20 ml)で洗浄した。その後、該樹脂をNMP中20%ピペリジンで2回処理した(2x15分)。該樹脂をNMP(3×20 ml)およびDCM(3×20 ml)で洗浄した。
工程2:2-(1,3-ビス[2-(2-アジドエトキシ)エトキシ]プロパン-2-イルオキシ)酢酸(3.70 g; 10 mmol)をNMP(30 ml)およびDhbtOH(1.60 g; 10 mmol)中で溶解させ、DIC(1.55 ml; 10 mmol)を加えた。該混合物を周囲温度で30分間にわたって撹拌し、その後に工程1で得られた樹脂にDIPEA(1.71 ml; 10 mmol)と一緒に加えた。該反応混合物を1.5時間にわたって振盪させ、取り出してNMP(5x20 ml)およびDCM(3×20 ml)で洗浄した。
工程3:NMP(15 ml)およびDCM(15 ml)中のSnCl2.2H2O(11.2 g; 49.8 mmol)の溶液を加えた。該反応混合物を1時間にわたって振盪させた。該樹脂を取り出してNMP:MeOH(5×20 ml; 1:1)で洗浄した。その後に該樹脂をin vacuoで乾燥させた。
工程4:NMP(10 ml)中の2-[2-(2-メトキシエチル)エトキシ]酢酸(1.20 g; 6.64 mmol)、DhbtOH(1.06 g; 6.60 mmol)およびDIC(1.05 ml; 6.60 mmol)の溶液を、10分間にわたって室温下で混合し、その後に工程3で得られた3-[2-(1,3-ビス[2-(2-アミノエトキシ)エトキシ]プロパン-2-イルオキシ)アセチルアミノ]プロパン酸と繋がれたwang樹脂(1.0 g; 0.83 mmol/g)に加えた。DIPEA(1.15 ml、6.60 mmol)を加え、該反応混合物を2.5時間にわたって振盪させた。溶媒を取り除き、該樹脂をNMP(5×20 ml)およびDCM(10×20 ml)で洗浄した。
工程5:工程4の樹脂生成物をTFA:DCM(10 ml, 1:1)で1時間にわたって処理した。該樹脂をろ過し、TFA:DCM(10 ml, 1:1)で一度だけ洗浄した。混合ろ液および洗浄物を取り出して乾燥させ、黄色油(711 mg)を得た。該油を10%アセトニトリル-水(20 ml)中に溶解させ、C18カラム、および15〜40%アセトニトリル−水の勾配を使用する調製用HPLC装置上の二つの通路で精製した。続いて画分をLC-MSによって分析した。生成物を含む画分を貯留し、取り出して乾燥した。収量:222 mg(37%). LC-MS: m/z = 716(m+1)、Rt = 1.97 min。1H-NMR(CDCl3): δ2.56 ppm(t、2H); 3.36(s、6H); 3.46-3.66(m、39H); 4.03(s、4H); 4.16(s、2H); 7.55(t、2H); 8.05(t、1H)。13C-NMR(CDCl3、selected peaks): δ 33.71 ppm; 34.90; 58.89; 68.94; 69.40; 69.98; 70.09; 70.33; 70.74; 70.91; 71.07; 71.74; 79.07; 171.62; 171.97; 173.63.
例 35
3-(1,3-ビス{2-(2-[2-(1,3-ビス[2-(2-{2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]acetアミノ}エトキシ)-エトキシ]プロパン-2-イルオキシ)アセチルアミノ]エトキシ)エトキシ}プロパン-2-イルオキシ)アセチルアミノ)プロパン酸
Figure 2007501812
該物質を、例 34の工程3で得られた3-[2-(1,3-ビス[2-(2-アミノエトキシ)エトキシ]プロパン-2-イルオキシ)アセチルアミノ]プロパン酸と繋がれたwang樹脂(1.0 g; 0.83 mmol/g)から、使用する試薬の量を二倍にして工程2〜5を繰り返すことによって調製した。収量: 460 mg(33%)。MALDI-MS(α-シアノヒドロキシシンナピティック酸マトリックス): m/z = 1670(M+Na+)。
1H-NMR(CDCl3): δ 2.57 ppm(t、2H); 3.38(s、12H); 3.50-3.73(m、85 H); 4.05(s、8H); 4.17(s、2H); 4.19(s、4H); 7.48(m、4H); 7.97(m、3H)。13C-NMR(CDCl3、selected peaks): δ 38.81 ppm; 58.92; 69.46; 69.92; 70.05; 70.05; 70.13; 70.40; 70.73; 70.97; 71.11; 71.88; 76.74; 77.06; 77.38; 171.33; 172.02.
例 36
3-(1,3-ビス{2-(2-[2-(1,3-ビス{2-(2-[2-(1,3-ビス[2-(2-{2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]-acetアミノ}エトキシ)エトキシ]プロパン-2-イルオキシ)アセチルアミノ]エトキシ)エトキシ}プロパン-2-イルオキシ)アセチルアミノ)エトキシ)エトキシ}プロパン-2-イルオキシ)アセチルアミノ)プロパン酸
Figure 2007501812
この物質を、例 34の工程3で得られた3-[2-(1,3-ビス[2-(2-アミノエトキシ)エトキシ]プロパン-2-イルオキシ)アセチルアミノ]プロパン酸と繋がれたwang樹脂(1.0 g; 0.83 mmol/g)から、二倍量の試薬を使用しながら工程2〜5を繰り返すことによって調製した。収量: 84 mg(4%)。LC-MS:(m/2)+1= 1758;(m/3)+1= 1172;(m/4)+1= 879;(m/5)+1= 704。Rt = 2.72 min。
1H-NMR(CDCl3): δ 2.51 ppm(t、2H); 3.33(s、24H); 3.44-3.70(m、213H); 3.93(s、16H); 4.08(s、14H); 7.25(m、8H); 7.69(m、7H)。13C-NMR(CDCl3、selected peaks): δ 38.94 ppm; 59.33; 69.78; 70.08; 70.37; 70.44; 70.56; 70.82; 71.10; 71.26; 71.51; 72.17; 79.24; 170.60; 171.22.
例 37
N-ヒドロキシスクシンimidyl 3-[2-(1,3-ビス[2-(2-{2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]アセチルアミノ}エトキシ)エトキシ]プロパン-2-イルオキシ)アセチルアミノ]プロパンノエート
Figure 2007501812
3-[2-(1,3-ビス[2-(2-{2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]アセチルアミノ}エトキシ)エトキシ]プロパン-2-イルオキシ)アセチルアミノ]プロパン酸(67 mg; 82 umol)をTHF(5 ml)中に溶解させた。反応混合物を氷冷バス中で冷却した。DIPEA(20 ul; 120 umol)およびTSTU(34 mg; 120 umol)を加えた。該混合物を、LC-MSに照らして反応が完了するその時間まで終夜室温下で撹拌した。LC-MS: m/z = 813(M+H)+; Rt = 2.22 min.
例 38
N-ヒドロキシスクシンimidyl 3-(1,3-ビス{2-(2-[2-(1,3-ビス[2-(2-{2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]acetアミノ}エトキシ)エトキシ]プロパン-2-イルオキシ)アセチルアミノ]エトキシ)エトキシ}プロパン-2-イルオキシ)アセチルアミノ)プロパンoate
Figure 2007501812
例37に記載された3-(1,3-ビス{2-(2-[2-(1,3-ビス[2-(2-{2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]-acetアミノ}エトキシ)エトキシ]プロパン-2-イルオキシ)アセチルアミノ]エトキシ)エトキシ}プロパン-2-イルオキシ)アセチルアミノ)プロパン酸およびTSTUから調製した。LC-MS:(m/2)+1= 873、Rt = 2.55 min.
例 39
N-ヒドロキシサクシミジル 3-(1,3-ビス{2-(2-[2-(1,3-ビス{2-(2-[2-(1,3-ビス[2-(2-{2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]-acetアミノ}エトキシ)エトキシ]プロパン-2-イルオキシ)アセチルアミノ]エトキシ)エトキシ}プロパン-2-イルオキシ)アセチルアミノ)エトキシ)エトキシ}プロパン-2-イルオキシ)アセチルアミノ)プロパンoate
Figure 2007501812
例37に記載されたN-ヒドロキシスクシンイミジルl 3-(1,3-ビス{2-(2-[2-(1,3-ビス{2-(2-[2-(1,3-ビス[2-(2-{2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]-acetアミノ}エトキシ)エトキシ]プロパン-2-イルオキシ)アセチルアミノ]エトキシ)エトキシ}プロパン-2-イルオキシ)アセチルアミノ)エトキシ)エトキシ}プロパン-2-イルオキシ)アセチルアミノ)プロパン酸およびTSTUから調製した。LC-MS:(m/4)+1= 903、Rt = 2.69 min.
例 40
N-(4-tert-ブトキシカルボニルアミノxyブチル)3-(1,3-ビス{2-(2-[2-(1,3-ビス[2-(2-{2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]acetアミノ}エトキシ)エトキシ]プロパン-2-イルオキシ)アセチルアミノ]エトキシ)エトキシ}プロパン-2-イルオキシ)アセチルアミノ)プロパンアミド
Figure 2007501812
N-ヒドロキシスクシンイミジル 3-(1,3-ビス{2-(2-[2-(1,3-ビス[2-(2-{2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]-acetアミノ}エトキシ)エトキシ]プロパン-2-イルオキシ)アセチルアミノ]エトキシ)エトキシ}プロパン-2-イルオキシ)アセチルアミノ)プロパノエート(105 mg; 0.06 mmol)をDCM(2 ml)中に溶解した。その後、4-(tert-ブチルオキシカルボニルアミノキシ)ブチルアミン(49 mg; 0.24 mmol)の溶液を加え、続けてDIPEA(13 ul; 0.07 mmol)を加えた。該混合物を1時間室温下で撹拌し、減圧下で濃縮した。残留物を20%アセトニトリル-水(4 ml)中に溶解し、C18カラムを使用し、アセトニトリル-水の0、10、20、30および40%(各10 mlの抽出液)の段階的勾配を使用する調製用HPLC装置上で精製した。純粋な生成物を含む画分を、真空オーブン中で16時間かけて濃縮および乾燥させ、黄色油を得た。収量:57 mg(51%)。LC-MS:(m/2)+1= 918、Rt = 2.75 min。
1H-NMR(CDCl3): δ 1.42 ppm(s、9H); 2.40(t、2H); 3.21(dd、2H); 3.33(s、12H); 3.38-3.72(m、99H); 3.80(m、2H); 3.95(s、8H); 4.08(s、6H); 6.99(m、1H); 7.23(m、4H); 7.69(m、2H); 7.85(m、1H); 8.00(m、1H)。13C-NMR(CDCl3、selected peaks): δ28.27 ppm; 38.58; 58.97; 69.42; 69.72; 70.01; 70.08; 70.20; 70.41; 70.46; 70.73; 70.91; 71.16; 71.22; 71.81; 78.89; 81.33; 170.27; 170.89。
例 41
N-(4-アミノxyブチル)3-(1,3-ビス{2-(2-[2-(1,3-ビス[2-(2-{2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]acetアミノ}エトキシ)エトキシ]プロパン-2-イルオキシ)アセチルアミノ]エトキシ)エトキシ}プロパン-2-イルオキシ)アセチルアミノ)プロパンアミド
Figure 2007501812
N-(4-tert-ブトキシカルボニルアミノxyブチル)3-(1,3-ビス{2-(2-[2-(1,3-ビス[2-(2-{2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]acetアミノ}エトキシ)エトキシ]プロパン-2-イルオキシ)アセチルアミノ]エトキシ)エトキシ}プロパン-2-イルオキシ)アセチルアミノ)プロパンアミド(19 mg; 10 umol)を50% TFA/DCM(10 ml)中に溶解させ、透明な溶液を30分間にわたって周囲温度で撹拌した。該溶媒を回転蒸発機によって取り除き、残留物をDCMから二回揮散させ、量的収量(19 mg)の表題の生成物を得た。LC-MS:(m/2)+1= 868、(m/3)+1= 579、Rt = 2,35 min.
例 42
t-ブチル 2-(1,3-ビス[2-(2-{2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]acetアミノ}エトキシ)-エトキシ]プロパン-2-イルオキシ)アセテート
Figure 2007501812
t-ブチル 2-(1,3-ビス[2-(2-アミノエトキシ)エトキシ]プロパン-2-イルオキシ)アセテート(1.74 g; 4.5 mmol)および1,2,3-ベンゾトリアジン-4(3H)-オン-3-イル 2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]アセテート(2.94 g; 9 mmol)をDCM(100 ml)中に溶解させた。DIPEA(3.85 ml; 22.3 mmol)を加え、透明な混合物(celar mixture)を90分間室温下で撹拌した。溶媒をin vacuoで除去し、残留物を、溶剤としてMeOH - DCM(1:16)を使用し、シリカ上のクロマトグラフィーによって精製した。純粋な画分を貯留し、取り出して乾燥させ、表題の物質を透明な油として得た。収量は、1.13 g(36 %)であった。
1H-NMR(CDCl3): δ 1.46 ppm(s、9H); 3.38(s、6H); 3.49-3.69(m、37H); 4.01(s、4H); 4.18(s、2H); 7.20(bs、2H).
例 43
2-(1,3-ビス[2-(2-{2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]acetアミノ}エトキシ)エトキシ]プロパン-2-イルオキシ)酢酸:
Figure 2007501812
t-ブチル 2-(1,3-ビス[2-(2-アミノエトキシ)エトキシ]プロパン-2-イルオキシ)アセテート(470 mg; 0.73 mmol)をDCM-TFA(25 ml、1:1)中に溶解さえ、該混合物を30分間にわたって周囲温度で撹拌した。溶媒をin vacuoで取り除き、残留物をDCM から2回揮散させた。LC-MS:(m+1)= 645、Rt = 2,26 min。1H-NMR(CDCl3): δ 3.45 ppm(s、6H); 3.54-3.72(m、37H); 4.15(s、4H); 4.36(s、2H)。
例 44
N-ヒドロキシサクシミジル 2-(1,3-ビス[2-(2-{2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]acetアミノ}エトキシ)エトキシ]プロパン-2-イルオキシ)アセテート
Figure 2007501812
2-(1,3-ビス[2-(2-{2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]acetアミノ}エトキシ)エトキシ]プロパン-2-イルオキシ)酢酸(115 mg; 0.18 mmol)をTHF(5 ml)中に溶解させた。該反応混合物を氷冷バス上に静置した。TSTU(65 mg、0.21 mmol)およびDIPEA(37 ul; 0.21 mmol)を加え、反応混合物を30分間にわたって0℃で撹拌し、その後に室温下で終夜撹拌した。該反応物を取り出して乾燥させ、130 mgの表題の化合物を透明な油として得た。LC-MS:(m+1)= 743、(m/2)+1= 372、Rt = 2,27 min.
例 45
t-ブチル 3-(1,3-ビス{2-(2-[2-(1,3-ビス{2-(2-[2-(1,3-ビス[2-(2-{2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]-acetアミノ}エトキシ)エトキシ]プロパン-2-イルオキシ)アセチルアミノ]エトキシ)エトキシ}プロパン-2-イルオキシ)アセチルアミノ)エトキシ)エトキシ}プロパン-2-イルオキシ)アセテート
Figure 2007501812
該物質を、例 42に記載されたプロトコルおよび精製方法を使用して、2当量のN-ヒドロキシサクシミジル 2-(1,3-ビス[2-(2-{2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]アセトアミノ}エトキシ)エトキシ]プロパン-2-イルオキシ)アセテートと、1当量のt-ブチル 2-(1,3-ビス[2-(2-アミノエトキシ)エトキシ]プロパン-2-イルオキシ)アセテートから調製した。次のt-ブチル基の除去を、例 43に記載されたように行い、N-ヒドロキシサクシミジルエステルの形成を、例 44に記載されたように行った。
例 46
(S)-2,6-ビス-(2-[2-(2-[2-(2,6-ビス-[2-(2-[2-(2-アジドエトキシ)エトキシ]エトキシ)アセチルアミノ]ヘキサノイルアミノ)エトキシ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)ヘキサン酸メチルエステル
Figure 2007501812
(S)-2,6-ビス-(2-{2-[2-(2-アジドエトキシ)エトキシ]エトキシ}アセチルアミノ)ヘキサン酸(1.8g、3.10mmol))を、ジメチルホルムアミド/ジクロロメタン 1:3(10ml)の混合物中で溶解させ、ジイソプロピルエチルアミンを使用する塩基性反応にpHを調整し、N-ヒドロキシベンゾトリアゾールおよび1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピルカルボジイミド塩酸塩を加え、該反応混合物を30分間にわたって静置した。その後、この反応混合物を、ジクロロメタン中の(S)-2,6-ビス-(2-{2-[2-(2-アミノエトキシ)エトキシ]エトキシ}アセチルアミノ)ヘキサン酸 メチル エステル(0.37g、0.70mmol)の溶液に加え、該反応混合物を終夜静置した。
該反応混合物をジクロロメタン(150ml)で希釈し、水(2×40ml)、50%飽和ナトリウム水素カルボナート(2×30ml)および水(3×40ml)で洗浄した。該有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、in vacuoでろ過および蒸発させて油を得た。収量: 1.6g(89%)。LC-MS: m/z = 1656(M+1)およびm/z = 828.8(M/2)+1and m/z = 553(M/3)+1。
例 47
(S)-2,6-ビス-(2-[2-(2-[2-((S)-2,6-ビス-[2-(2-[2-(2-tert-ブトキシカルボニルアミノエトキシ)エトキシ]エトキシ)アセチルアミノ]ヘキサノイルアミノ)エトキシ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)ヘキサン酸メチルエステル
Figure 2007501812
エチルアセテート(60ml)中の上記(S)-2,6-ビス-(2-[2-(2-[2-((S)-2,6-ビス-[2-(2-[2-(2-アジドエトキシ)エトキシ]エトキシ)アセチルアミノ]ヘキサノイルアミノ)エトキシ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)ヘキサン酸メチルエステル(1.6g、0.97mmol)の溶液に、di-tert-ブチルジカルボナート(1.0g、4.8mmol)およびPd/C (10%、1.1g)を加えた。水素を2時間にわたって反応混合物を通して継続的に泡立てた。該反応混合物をろ過し、該有機溶媒をin vacuoで除去して油を得、これをさらなる精製をしないで使用した。収量: 1.8g(98%)。LC-MS: m/z = 1953(M+1)およびm/z = 977 (M/2)+1.
例 48
(S)-2,6-ビス-(2-[2-(2-[2-((S)-2,6-ビス-[2-(2-[2(2アミノエトキシ)エトキシ]エトキシ)アセチルアミノ]ヘキサノイルアミノ)エトキシ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)ヘキサン酸 メチル エステル
Figure 2007501812
上記(S)-2,6-ビス-(2-[2-(2-[2-((S)-2,6-ビス-[2-(2-[2-(2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-エトキシ)エトキシ]エトキシ)アセチルアミノ]ヘキサノイルアミノ)エトキシ]エトキシ)エトキシ]-アセチルアミノ)ヘキサン酸メチルエステルを、ジクロロメタン(20ml)中に溶解させ、トリフルオロ酢酸(20ml)を加えた。該反応混合物を2時間にわたって静置した。該有機溶媒をin vacuoで蒸発させ、油を得た。
収量: 1.4g(100%)。LC-MS: m/z = 1552(M+1);777.3(M/2)+1; 518.5(M/3)+1and 389.1(M/4)+1.
例 49
(S)-2,6-ビス-(2-[2-(2-[2-((S)-2,6-ビス-[2-(2-[2-(2-(2-(2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ)アセチルアミノ)エトキシ)エトキシ]エトキシ)アセチルアミノ]ヘキサノイルアミノ)エトキシ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)ヘキサン酸 メチル エステル
Figure 2007501812
ジクロロメタンおよびジメチルホルムアミド 3:1(20ml)の混合物中の2-(2-(メトキシエトキシ)エトキシ)酢酸(1.3g、7.32mmol)の溶液に、N-ヒドロキシスクシンイミド(0.8g、7.32mmol)および1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピルカルボジイミド塩酸塩(1.4g、7.32mmol)を加えた。該反応混合物を1時間かけて静置し、ジクロロメタン(10ml)中の(S)-2,6-ビス-(2-[2-(2-[2-((S)-2,6-ビス-[2-(2-[2(2アミノエトキシ)エトキシ]エトキシ)アセチルアミノ]ヘキサノイルアミノ)エトキシ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)ヘキサン酸メチルエステル(1.42g、0.92mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(2.4ml、14.64mmol)の溶液に該混合物を加えた。該反応混合物を終夜静置した。反応混合物をジクロロメタン(100ml)で希釈し、水(3×25ml)で抽出した。混合水相を追加のジクロロメタン(2×75ml)で抽出した。混合有機相をマグネシウム硫酸塩で乾燥、ろ過し、in vacuoで蒸発させた。残留物を、500mlエチルアセテート、続いて500mlエチルアセテート/メタノール 9:1、最後にメタノールを抽出剤として使用するフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。生成物を含む画分を、in vacuoで蒸発させ、油を得た。収量: 0.75g(38%)。LC-MS: m/z = 1097(M/2)+1; 732(M/3)+1 および 549(M/4)+1。
(S)-2,6-ビス-(2-[2-(2-[2-((S)-2,6-ビス-[2-(2-[2-(2-(2-(2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ)アセチルアミノ)エトキシ)エトキシ]エトキシ)アセチルアミノ]ヘキサノイルアミノ)エトキシ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)ヘキサン酸メチルエステルを、遊離酸でけん化し、活性化エステルを介してペプチドおよびタンパク質のアミノ基に結合させた。該活性化エステルは、ジイソプロピルエチルアミンおよびN-ヒドロキシベンゾトリアゾール、または他の活性化条件といった当該技術において知られた標準的なカップリング方法によって産生され、ペプチドおよびタンパク質のアミノ基にカップリングされ得る。
例50
Figure 2007501812
2-(1,3-ビス[2-(2-ヒドロキシエトキシ)エトキシ]プロパン-2-オキシ)酢酸tert-ブチルエステル(63 mg、0.16 mmol)を、乾燥アセトニトリルから二回蒸発させた。1,3-ビス[2-(2-トリチルオキシエトキシ)エトキシ]プロパン-2-オキシβ-シアノエチルN,N-ジイソプロピルホスホルアミダイト(353 mg、0.37 mmol)を、乾燥アセトニトリルから2回蒸発させ、乾燥アセトニトリル(2 mL)上で溶解させて加えた。乾燥アセトニトリル(0.25 M、2.64 mL)中のテトラゾールの溶液を窒素下で加え、該混合物を、室温で1時間にわたって撹拌した。5.5 mLのI2-溶液(THF/ルチジン/H2O 7:2:1中0.1M)を加え、該混合物をさらに1時間撹拌した。該反応混合物をエチルアセテート(20 mL)で希釈し、ヨウ素の色が消えるまで2%硫酸ナトリウム水溶液で洗浄した。有機相を(Na2SO4)で乾燥させ、in vacuoで溶媒を除去した。残留物を80 %酢酸水溶液(5 mL)中に溶解させ、室温で終夜撹拌した。溶媒をin vacuoで取り除き、粗製物質をジエチルエーテル(25 mL)および水(10 mL)に加えた。水相を収集し、水をin vacuoで除去した。該生成物を、逆相調製用HPLC(C-18カラム、勾配0〜40 %アセトニトリル含有0.1 % TFA)で精製し、tert-ブチル-保護された第二世代の枝分れしたポリマー生成物を得た。HPLC-MS: m/z = 1171(M+Na); 1149(M+)、1093(lost of tert-ブチル in theMS) Rt = 2.76 min.
続いて、β-シアノエチル基の脱保護化およびtert-ブチルエステル基の除去を、当業者に知られた従来の塩基および酸の処理を使用して行った。
[ペプチドへの結合]
例 51
固相支持体に繋がれた、直交性Ddeで保護されたε-リシン残基を有するポリペプチドへの結合:
Figure 2007501812
ポリペプチドを、従来のFmoc保護アミノ酸と標準カップリング試薬とを含む標準的なFmocペプチド化学を使用して固相支持体上で構築する。直鎖配列中の適切な位置に、直交性Ddeε-保護されたリシン残基を導入する。第一次のペプチド配列が完了したとき、終端のFmoc保護基は残す。直交性Ddeε-保護されたリシン残基を、Novabiochem(2002-2003 catalogue、synthesis notes p.4.12)に記載されたようにDMF中2%ヒドラジンを使用して脱保護化する。第二世代の枝分れしたポリマーを、例11、工程2〜8に記載された手順を使用して構築した。さらに、最終の切断された生成物を調製用HPLCを使用して精製した。
例 52
溶液中のポリペプチドへの結合の一般的例:上記に記載された樹状ポリマーを、上記例に記載されたようにTSTUを使用し、そのN-ヒドロキシスクシンイミドエステルに転換した。N-ヒドロキシスクシンイミドエステルで活性化されたポリマーを、その後に誘導化されるポリペプチドを含む適切なバッファー溶液(例えば0.1 Mリン酸緩衝液 pH 7.0)に加えた。該反応混合物を、室温で1時間にわたって撹拌した。その後、該ポリペプチド結合体を、HPLC、イオン交換クロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、透析などを含むがこれに限定されない最適な技術によって精製した。続いて、MALDI-TOF、LC-MS、または等価な技術によって該生成物の特徴を決定し、ポリマーの結合の程度を決定した。
例 53
Figure 2007501812
L17K、K30R GLP-2(1-33)(36 mg; 10 umol)を水(2.3 ml)中に溶解し、氷冷バス上で4 ℃に冷却した。pHを1N NaOH溶液で12.1に調整した。その後、該溶液を2分間にわたって8℃で撹拌した。pHを1M酢酸水溶液を使用して9.5まで下げ、冷却されたNMP(5 ml)を加えた。次に、該ペプチド溶液を、pHがトリエチルアミンの追加によって11.5まで上昇するまで10℃で撹拌した。温度を15℃まで上昇させ、NMP(1 ml)中のN-ヒドロキシスクシンイミジル3-(1,3-ビス{2-(2-[2-(1,3-ビス[2-(2-{2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]-アセトアミノ}エトキシ)エトキシ]プロパン-2-イルオキシ)アセチルアミノ]エトキシ)エトキシ}プロパン-2-イルオキシ)アセチルアミノ)プロパノエート(19.8 mg; 11 umol)の溶液を加えた。該混合物を15 ℃で20分間にわたって撹拌した。その後、グリシンの溶液(0.47 ml、100 mg/ml)を加えた。pHを5Mの酢酸水溶液を使用して8.5に調整した。該反応混合物をろ過し、ろ液に総量が18mlになるまで水を加えた。該生成物を、アセトニトリル水の直線的勾配(30-> 55%)を使用するC18カラムを使用する調製用HPLC上で精製した。純粋なサンプルを貯留し、水で希釈して凍結乾燥させた。収量: 3.8%(8%). LC-MS:(m/4)+1= 1361;(m/5)+1= 1089;(m/6)+1= 907。Rt = 3.28 min.
例 54
13.5 ml TRISバッファー(10 mM CaCl2, 10 mM TRIS, 50 mM NaCl, 0.5% Tween 80, pH 7.4)中のAsialo rFVIIa(10.2 mg、0.2 umol)中のAsialo rFVIIa(10.2mg, 0.2umol)を氷冷バス上で冷却した。2.5 ml TRISバッファー中のN-(4-アミノキシブチル)3-(1,3-ビス{2-(2-[2-(1,3-ビス[2-(2-{2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]アセチルアミノ}エトキシ)エトキシ]-プロパン-2-イルオキシ)アセチルアミノ]エトキシ)エトキシ}プロパン-2-イルオキシ)アセチルアミノ)プロパンアミド(17 mg; 10.0 umol、50×)を加え、続いて2.5 ml TRISバッファー中のガラクトースオキシダーゼ(135 U)およびカタラーゼ(7500 U)を加えた。該反応混合物を、48時間にわたって4℃でゆるやかに振盪させた。次に、わずかに不透明な溶液を0.45 um フィルター(Sartorius Minisart(登録商標))を通してろ過した。そして、NAP-10 カラム(Amersham)を使用し、バッファーをMES(10 mM CaCl2、10 mM MES、50 mM NaCl、pH 6.0)と交換した。その後、該混合物を氷上で冷却し、EDTAの水溶液(3.5 ml、100 mM、pH 8.0、[Ca2+]に当量)を加えた。1M NaOH水溶液を加えてpHを7.6に調整し、サンプル(6.8 mS/cm)を10 mMトリス、50 mM NaCl、pH 7.4で平衡化した5ml HiTrap - Q HP イオン交換カラム(Amersham-Biosciences)上に搭載した。該カラムを10 mM トリス、50 mM NaCl、pH 7.4(10 vol、流速: 1 ml/min)で溶出した。その後、該溶出バッファーを、10mM トリス、50 mM NaCl、25 mM CaCl2、pH 7.4(10 vol、流速: 1 ml/min)で交換した。該溶出液をUVによってモニターし、タンパク質を含む各画分をSDS-PAGEゲルクロマトグラフィーによって分析した。N-グリカンで修飾されたrFVIIの純粋なサンプルを貯留し、-80℃で保管した。
溶液中の収束合成−キャップされた第一世代。 保護された中心をもつ第二世代。 第二世代の枝分れしたポリマーの固相合成。 溶液中の第二世代物質の発散合成。 Me(PEG)2CH2COOH酸を使用する第二世代ポリマーの終端キャッピングの図。 コハク酸モノtertブチルエステルを使用してポリアニオングリコ擬似ポリマーを作製する第二世代ポリマーの終端キャッピング。 ペプチド結合体のための適切な反応手の構成。第二世代ポリマー物質についての図。 一般式Iによって表わされたモノマーの収束オリゴマー化についての基本的スキーム。 収束合成(3世代のデンドリマーの合成について図示): 工程i)モノマーA*-L1-X-(L2-B)oの、モノマーA-L1-X-(L2-B*)mのB*への結合(式中、A*は活性化されたまたは脱保護されたAであり、B*は活性化されたまたは脱保護されたBである)。 工程ii)中心AのA*への活性化または脱保護化。 工程iii)モノマーA-L1-X-(L2-B*)nのB*への結合。 一般式Iによって表わされたモノマーの発散オリゴマー化についての基本的スキーム。 発散合成(3世代のデンドリマーの合成について図示): 工程i)モノマーA*-L1-X-(L2-B)mの、モノマーA-L1-X-(L2-B*)mのB*への結合(式中、A*は活性化されたまたは脱保護されたAであり、B*は活性化されたまたは脱保護されたBである)。 工程ii)終端BのB*への活性化または脱保護化。 工程iii)モノマーA*-L1-X-(L2-B)oの結合。 発散合成方法では、第一のモノマーは、任意的には固体支持体(SP)に結合してもよい。

Claims (75)

  1. ペプチドに共有結合した単分散の枝分れしたポリマーを含む結合体。
  2. 以下の一般式によって表わされる結合体。
    ((枝分れしたポリマー)−(L3)0−1−(ペプチド)
    式中、L3は連結部分であり、zは生物学的活性のあるペプチドに結合した枝分れしたポリマーの数を表わす1以上の整数である。
  3. 前記L3が、原子価結合または二価の基である請求項2に記載の結合体。
  4. 前記二価の基のL3が、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、二価の芳香族基、二価の部分的または完全に飽和したシクロアルキル基、硫黄、または酸素原子、アルキレンオキシ、アルキレンチオ、アルケニレンオキシ、アルケニレンチオ、アルキニレンオキシ、またはアルキニレンチオ;またはN-(4-アセチルフェニル)マルイミド、サクシミジルエステル活性化マルイミド誘導体、例えば、サクシミジル4-マルイミドブタノエート、または1,6-ビスマルイミドヘキサンである請求項3に記載の結合体。
  5. 前記L3が、1,2-エタンジイル、1,3-プロパンジイル、1,4-ブタンジイル、1,5-ペンタンジイル、1,6-ヘキサンジイル、(CH2CH2O-)(式中、nは0〜10の間の整数)、-(CR1R2-CR3R4-O)n-(式中、nは、0〜10の整数であり、R1、R2、R3およびR4は独立して水素またはC1-6-アルキルになり得る)、((CH2mO)n-(式中、mは2、3、4、5、6であり、かつnは0〜10の整数である)、またはサクシミジル4-マルイミドブタノエートまたは1,6-ビスマルイミドヘキサンである請求項1ないし4のいずれか1項に記載の結合体。
  6. 前記枝分れしたポリマーが、1以上の中心的枝分れ点を有する請求項1ないし5のいずれか1項に記載の結合体。
  7. 1 kDaを上回る分子量を有する枝分れしたポリマーを含む請求項1ないし6のいずれか1項に記載の結合体。
  8. 前記枝分れしたポリマーが、3 kDaを上回る分子量を有する請求項7に記載の結合体。
  9. 前記枝分れしたポリマーが、5 Kdaを上回る分子量を有する請求項8に記載の結合体。
  10. 前記枝分れしたポリマーが、10 kDaを下回る分子量を有する請求項1ないし9のいずれか1項に記載の結合体。
  11. 前記枝分れしたポリマーが、7 kDaを下回る分子量を有する請求項10に記載の結合体。
  12. 3〜7の等電点を示す請求項1ないし11のいずれか1項に記載の枝分れしたポリマーを含む結合体。
  13. 生理学的条件下で正味の負電荷を示す請求項1ないし12のいずれか1項に記載の枝分れしたポリマーを含む結合体。
  14. 前記枝分れしたポリマーが、アミノ酸側鎖を介しておよび/またはN-および/またはC-末端を介してペプチドに結合する請求項1ないし13のいずれか1項に記載の結合体。
  15. 前記枝分れしたポリマーが、誘導されたアミノ酸の側鎖を通してペプチドに結合する請求項1ないし14のいずれか1項に記載の結合体。
  16. 前記枝分れしたポリマーが、非天然のアミノ酸の側鎖を通してペプチドに結合する請求項1ないし15のいずれか1項に記載の結合体。
  17. 前記枝分れしたポリマーが、補正、付加、誘導化および/または置換された残基を介してペプチドに結合する請求項1ないし16のいずれか1項に記載の結合体。
  18. 前記枝分れしたポリマーが、グリカン部分を介してペプチドに結合する請求項14に記載の結合体。
  19. 前記枝分れしたポリマーが、修飾されたグリカン部分を介してペプチドに結合する請求項1ないし18のいずれか1項に記載の結合体。
  20. 前記枝分れしたポリマーが、グリカン部分の選択的酸化によって得られたアルデヒド官能基を介して糖タンパク質のグリカン部分に結合する請求項19に記載の結合体。
  21. 前記枝分れしたポリマーが、酸化されたN-またはO-グリカン部分を介してペプチドに結合する請求項20に記載の結合体。
  22. 前記枝分れしたポリマーが、ペプチド上の反応性アルデヒドと、該枝分れしたポリマー上のオキシム、ヒドラジンまたはヒドラジドを介して結合する請求項1ないし21のいずれか1項に記載の結合体。
  23. 任意の以下のペプチド: アプロチニン、組織因子経路阻害剤、または他のプロテアーゼ阻害剤、インスリン、またはインスリン前駆体、ヒトまたはウシ成長ホルモン、インターロイキン、グルカゴン、GLP-1、GLP-2、IGF-I、IGF-II、組織プラスミノーゲン活性化因子、トランスフォーミング成長因子αまたはβ、血小板誘成長因子、GRF(成長ホルモン放出因子)、免疫グロブリン、EPO、TPA、タンパク質C、血液凝固因子、例えば FVII、FVIII、FIVおよびFXIII、エキセンジン-3、エキセンジン-4、および酵素またはその機能性類似体と一緒に枝分れしたポリマーを含む請求項1ないし22のいずれか1項に記載の結合体。
  24. 前記ペプチドが、GLP-1またはFVIIである請求項23に記載の結合体。
  25. zが、1または2である請求項2に記載の結合体。
  26. 薬物として使用するための請求項1ないし25のいずれか1項に記載の結合体。
  27. 前記枝分れしたポリマーが、ペプチド中のN-および/またはC-末端、および/またはアミノ酸残基を介してペプチドと結合する請求項1ないし25のいずれか1項に記載の結合体を調製するための方法。
  28. 前記枝分れしたポリマーが、アミノ酸側鎖を通してペプチドに結合する請求項27に記載の方法。
  29. 前記枝分れしたポリマーが、補正、付加、誘導化および/または置換された残基を介してペプチドに結合する請求項27または28に記載の方法。
  30. 前記枝分れしたポリマーが、誘導されたアミノ酸の側鎖を介してペプチドに結合する請求項29に記載の方法。
  31. 前記側鎖が、ペプチド中の酸化されたOH基である請求項30に記載の方法。
  32. 前記枝分れしたポリマーが、非天然アミノ酸の側鎖を介してペプチドに結合する請求項27ないし30のいずれか1項に記載の方法。
  33. 前記枝分れしたポリマーが、グリカン部分を介してペプチドと結合する請求項27に記載の方法。
  34. 前記枝分れしたポリマーが、修飾されたグリカン部分を介してペプチドに結合する請求項33に記載の方法。
  35. 前記枝分れしたポリマーが、酸化されたN-グリカン部分を介してペプチドに結合する請求項34に記載の方法。
  36. 前記枝分れしたポリマーが、グリカン部分を露出し、その後にグリカン部分を酸化させることによってペプチドに結合する請求項35に記載の方法。
  37. 前記結合体が、前記枝分れしたポリマーをグリコシル転移酵素で活性化された糖基質と接触させ、かつ前記枝分れしたポリマーに結合した糖基質をグリコシル転移酵素の触媒作用を使用して適切な糖タンパク質と反応させることによって化学酵素学的に調製される請求項27に記載の方法。
  38. 以下の一般式のモノマーから調製された請求項1ないし37のいずれか1項に記載の枝分れしたポリマー。
    A−L−X−(L−B)
    式中、AおよびBは、結合部分であり、
    L1およびL2 は、任意の連結基を表わし、
    Xは、n本の枝をもつ枝分れ地点である。
  39. 前記枝分れしたポリマーが、単独のモノマーから構築される請求項38に記載の枝分れしたポリマー。
  40. 前記枝分れしたポリマーが、2以上の異なるモノマーから構築される請求項38に記載の枝分れしたポリマー。
  41. 前記枝分れしたポリマーが、末端を覆われる請求項38ないし40のいずれか1項に記載の枝分れしたポリマー。
  42. Xが、直鎖状である請求項38に記載の枝分れしたポリマー。
  43. Xが、二価の有機基、例えばアルキレン、アルケニレン、アルキニレン、二価の芳香族基、二価の部分的または完全に飽和したシクロアルキル基、硫黄、または酸素原子、アルキレンオキシ、アルキレンチオ、アルケニレンオキシ、アルケニレンチオ、アルキニレンオキシ、またはアルキニレンチオである請求項42に記載の枝分れしたポリマー。
  44. Xが、1以上のへテロ原子を任意的に含む多官能化されたアリール、アルキル、またはアリール-アルキル基である請求項38に記載の枝分れしたポリマー。
  45. Xが、1以上のへテロ原子を任意的に含む多官能化された18までの炭素原子を含むアリール、アルキル、またはアリール-アルキル基である請求項44に記載の枝分れしたポリマー。
  46. Xが、窒素、酸素または硫黄を任意的に含む多官能化された1〜10の炭素を含むアリール、アルキル、またはアリール-アルキル基である請求項45に記載の枝分れしたポリマー。
  47. Xが、多価の有機基、例えば、アルキル-トリイル、アルケニル-トリイル、アルキニル-トリイル、ベンゼン-トリイル、N,N-トリアルキレン、シクロアルキル-トリイル、ベンゼン-テトライル、シクロアルキル-テトライルによって表わされた多価の有機基連結基である請求項44ないし46のいずれか1項に記載の枝分れしたポリマー。
  48. Xが、多価の有機基、例えばプロパン-1,2,3-トリイル、ベンゼン-1,3,4,5-テトライル、1,1,1-窒素トリイルである請求項43に記載の枝分れしたポリマー。
  49. Xが、Nである請求項38に記載の枝分れしたポリマー。
  50. Xが、以下の構造体のいずれか1つである請求項42ないし49のいずれか1項に記載の枝分れしたポリマー。
    Figure 2007501812
  51. Xが、以下の構造体のいずれか1つである請求項50に記載の枝分れしたポリマー。
    Figure 2007501812
  52. Aが、共有結合の形成のために適切な基である請求項38〜51のいずれか1項に記載の枝分れしたポリマー。
  53. Aが、求核試薬と反応できる基であるかまたは求核試薬と反応するように活性化され得る基である請求項38ないし52のいずれか1項に記載の枝分れしたポリマー。
  54. Aが、アミド、カルバミン酸塩、エステル、リン酸エステル、チオリン酸エステル、ホスホラミデート、エーテル、チオエーテル、オキシム、ヒドラゾン、チアゾリジン、チオエステル、アルケニル、またはアルキル結合を形成するために適切な基である請求項38ないし53のいずれか1項に記載の枝分れしたポリマー。
  55. Aが、以下の式の基: COOH、COOR、OCOOR、OP(NR2)OR、O=P(OR)2、S=P(OR)(OR´)、S=P(SR)(OR´)、S=P(SR)(SR´),COCl、COBr、OCOBr、CHO、Br、Cl、I、OTs、OMs、P(OR)3、アルキンおよびアジド、p-ニトロフェニルカルボナート、スクシンイミジルカルボナート、カルボニルイミダゾール、塩化カルボニル、アゾラクトン、環状イミドチオン、イソシアネート、またはイソチオシアネートであって、RおよびR’の表記が、C1-6-アルキル、アリールまたは置換されたアリールである請求項38ないし54のいずれか1項に記載の枝分れしたポリマー。
  56. Aが、以下の式の基: COOH、COOR、OCOOR、O=P(NR2)OR、O=P(OR)2、S=P(OR)(OR´)、S=P(SR)(OR´)、S=P(SR)(SR´)、COCl、COBr、OCOCl、OCOBr、CHO、Br、Cl、I、OTs、OMs、アルキンおよびアジドであって、RおよびR’の表記が、C1-6-アルキル、アリール、または置換されたアリールである請求項55に記載の枝分れしたポリマー。
  57. ペプチドまたはB基に結合したときのAが、以下の式の基であるかまたは単結合である請求項38ないし56のいずれか1項に記載の枝分れしたポリマー。
    Figure 2007501812
    式中、Rは、アルキル、アリール、または置換されたアリールを表わす。
  58. AとBとの間に形成された共有結合が、アミド結合、カルバメート結合、カルボナート結合、エステル結合、リン酸塩エステル結合、チオホスフェートエステル結合、エーテル結合、チオエーテル結合、またはホスホルアミデートである請求項57に記載の枝分れしたポリマー。
  59. Bが、NH2、OH、N3、NHR’、OR’、O-NH2、アルキン、または任意の以下の式:
    -NH-NH2、-O-C(O)-NH-NH2、-NH-C(O)-NH-NH2、-NH-C(S)-NH-NH2、-NHC(O)-NH-NH-C(O)-、NH-NH2、-NH-NH-C(O)-NH-NH2、-NH-NH-C(S)-NH-NH2、-NH-C(O)-C6H4-NH-NH2
    -C(O)-NH-NH2、およびオキシルアミン誘導体、例えば-C(O)-O-NH2、-NH-C(O)-O-NH2および-NH-C(S)-O-NH2であり、かつR’がHまたは保護基を表わす請求項38ないし58のいずれか1項に記載の枝分れしたポリマー。
  60. Bが、-NH2、-OH、-N3、-NHR’、-OR’、-O-NH2、-Brであり、かつR’がH、または保護基を表わす請求項59に記載の枝分れしたポリマー。
  61. R’が、以下の式の保護基である請求項60に記載の枝分れしたポリマー。
    Figure 2007501812
  62. L1およびL2が、原子価結合または二価の基である請求項38ないし61のいずれか1項に記載の枝分れしたポリマー。
  63. L1およびL2が、二価の有機基アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、二価の芳香族基、二価の部分的または完全に飽和したシクロアルキル基、硫黄、または酸素原子、アルキレンオキシ、アルキレンチオ、アルケニレンオキシ、アルケニレンチオ、アルキニレンオキシ、またはアルキニレンチオから独立して選択される請求項62に記載の枝分れしたポリマー。
  64. 前記二価の基が、1,2-エタンジイル、1,3-プロパンジイル、1,4-ブタンジイル、1,5-ペンタンジイル、1,6-ヘキサンジイル、(CH2CH2O-)m(式中、mは0〜10の整数)、-(CR1R2-CR3R4-O)m-(式中、mは、0〜10の整数であり、R1、R2、R3およびR4は独立して水素またはC1-6-アルキルから独立して選択される)、((CH2O)(式中、nは2、3、4、5、6であり、かつmは0〜10の整数)から選択される請求項63に記載の枝分れしたポリマー。
  65. L1および/またはL2が、1〜5の(-CH2CH2O-)基を表わす請求項64に記載の枝分れしたポリマー。
  66. L1が、オキシまたはオキシメチルであり、L2が、
    Figure 2007501812
    である請求項62ないし65のいずれか1項に記載の枝分れしたポリマー。
  67. L1および/またはL2が、原子価結合である請求項63ないし65のいずれか1項に記載の枝分れしたポリマー。
  68. 前記枝分れしたポリマーが、以下のモノマー構成単位のいずれか1つから調製される請求項38に記載の枝分れしたポリマー。
    Figure 2007501812
  69. 前記枝分れしたポリマーが、以下のモノマー構成単位のいずれか1つから調製される請求項38に記載の枝分れしたポリマー。
    Figure 2007501812
    Figure 2007501812
  70. 前記枝分れしたポリマーが、以下のモノマー構成単位のいずれか1つから調製される請求項38に記載の枝分れしたポリマー。
    Figure 2007501812
  71. 前記枝分れしたポリマーが、連結基を含む請求項38ないし70のいずれか1項に記載の枝分れしたポリマー。
    Figure 2007501812
    この条件のもと、枝分れしたポリマー生成物は(CH2CH2O)(n>15)を含まない。
  72. 前記枝分れしたポリマーが、請求項38ないし71のいずれか1項に記載の枝分れしたポリマーである請求項1ないし25のいずれか1項に記載の結合体。
  73. 一般式A-L1-X-L2-B’のモノマー(B’は、保護化されたBを表わす)を1以上の工程において固相支持体に結合させる工程と、
    B’を脱保護化してBにする工程と、
    前記固相支持体に適切なA’-L1-X-L2-B’(B’は保護されたB、A’はAの任意的に活性化された形態)をカップリングさせる工程と、
    c)の後に脱保護工程を任意的に含む工程b)およびc)をn回繰り返し、請求項38に記載の枝分れしたポリマーを得る工程と
    を含む請求項38の枝分れしたポリマーの調製方法。
  74. A’-L1-X-L2-B(A’は保護化されたAを表わす)を、適切なモノマーA*-L1-X-L2-B’(A*はAの任意的に活性化された形態を表わし、B’は保護化されたBを表わす)と反応させる工程を含む請求項38に記載の枝分れしたポリマーを生成する方法。
  75. モノマーの構成単位が、請求項68ないし70のいずれか1項に記載のモノマーの構成単位のいずれか1つである請求項73または74に記載の方法。
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