発明の技術分野
本発明は、遅延分子の選択的な化学的接合のための、末端ガラクトース含有糖タンパク質(例えば、シアリダーゼ処理した糖タンパク質(アシアロ糖タンパク質)など)と組み合わせたガラクトースオキシダーゼの使用に関する。天然の糖タンパク質のシアリダーゼおよびガラクトースオキシダーゼでの連続的な酵素処理により、求核接合剤と化学的に反応を起こすことができる反応性アルデヒド官能基を生じ、循環半減期の増大または分布量の増大などの増強された薬理学的性質をもった新規の修飾された糖タンパク質を生じる。
発明の背景
生物起源のタンパク質は、それらの天然リガンドに対して高い有効性および高い選択性を有することが多いので、これらタンパク質は、治療的薬剤として多大な将来性を有している。これらタンパク質が生物起源であることにより、生物体は、これらを処理排泄するために既に十分に定義されたクリアランス機構、並びに代謝経路を有しているので、これらタンパク質は従来の小さな分子薬物よりも無毒であり、従って使用するのが安全となる。これにより、現在、大規模産生が可能な種々の異なる発現系において組換えDNA技術によりタンパク質を産生できるという事実と合わせて、タンパク質は、理想的な候補薬となる。しかしなから、ホルモン類、可溶性受容体、サイトカイン、酵素、その他の治療的に興味のある殆どのタンパク質は、体内における短い循環半減期をもっているため、一般にはこれら治療的有用性が減少してしまう。
治療的タンパク質は、多くの経路によって循環から除去される可能性がある。幾つかの薬理学的に活性なタンパク質については、循環系からの除去を媒介する特異的受容体が存在する。グリコシル化されたタンパク質は、肝臓において、これらの分子の糖鎖部分に対してのみ特異性を示すレクチン様受容体によってクリアされる。約50KDaの以下のタンパク質およびペプチド(特に非グリコシル化タンパク質およびペプチド)の腎臓による非特異的クリアランスも文献に記載されている。アシアロ糖タンパク質は、グリコシル化を欠いた天然の糖タンパク質またはタンパク質よりも迅速に、肝臓によってクリアされる点が注目されてきた(Bocci(1990)Advanced Drug Delivery Reviews4:149)。
発明の概要
本発明によって解決される問題は、可溶性糖タンパク質誘導体の循環半減期を延長させ、従って、治療または予防のための循環糖タンパク質の治療的有効レベルを維持するために必要とされる、注射される物質の量および注射頻度を減少させることである。一定の治療的糖タンパク質の短いインビボ血漿半減期は、治療または予防に必要とされる可溶性タンパク質の頻度および量の観点から望ましくない。本発明は、糖タンパク質構造に対して保存的であるが更に有効な変化をもち、かつ生物活性を実質的に維持しつつ、このような糖タンパク質の循環半減期を延長する手段を提供する。
より具体的には、本発明は、糖タンパク質のグリカン(特に、アスパラギンまたはN結合グリカン)の薬学的性質を改善し、または増強するための、これらを修飾するための一般的な化学酵素的方法を提供する。本方法は、任意の末端シアル酸を除去するために、シアリダーゼ(ノイラミニダーゼ)で糖タンパク質を任意に処理すること、および例えばカタラーゼまたは西洋ワサビペルオキシダーゼなどの過酸化水素スカベンジャーの存在下において、ガラクトースオキシダーゼで糖タンパク質上の露出されたガラクトース残基を酸化することを含む。適切な条件下で予め形成(preformed)たときは、ガラクトースオキシダーゼ処理により、グリカン末端上に反応性アルデヒド官能基を持つ糖タンパク質を与え、その後にこれを求核試薬と化学的に反応させて糖接合体を生成することができる。末端ガラクトース残基を備えたグリカン含量の高い糖タンパク質では、シアリダーゼを用いた任意の処理を省略することができる。
従って、第1の側面において、本発明は、非接合体糖タンパク質と比較して増大したインビボ血漿半減期を有し、且つ少なくとも1つの末端ガラクトースまたはこれらの誘導体と、これに対して共有結合した遅延基とを有する糖タンパク質を含んでなる糖タンパク質接合体を製造するための方法であって:
(a)少なくとも1つの末端ガラクトースまたはこれらの誘導体を有する糖タンパク質をガラクトースオキシダーゼと接触させて、反応性アルデヒド官能基を有する酸化された末端ガラクトースまたはこれらの誘導体を含む糖タンパク質を形成する工程と;
(b)工程(a)で生成された糖タンパク質生成物を、アルデヒド基と反応することができ且つ遅延基を含む反応体Xと接触させて、式(糖タンパク質)-(遅延基)によって表される接合体を形成する工程と;
を含んでなる方法を提供する。
第2の側面において、本発明は、非接合体糖タンパク質と比較して増大したインビボ血漿半減期を有し、且つ少なくとも1つの末端ガラクトースまたはこれらの誘導体と、これに対して共有結合した遅延基とを有する糖タンパク質を含んでなる糖タンパク質接合体を製造するための方法であって:
(a)少なくとも1つの末端ガラクトースまたはこれらの誘導体を有する糖タンパク質をガラクトースオキシダーゼと接触させて、反応性アルデヒド官能基を有する酸化された末端ガラクトースまたはこれらの誘導体を含む糖タンパク質を形成する工程と;
(b)工程(a)で生成された糖タンパク質生成物を、アルデヒド基と反応することができ、且つ任意に保護された第二の反応性基を更に含む連結部分を含んでなる反応体Xと接触させて、糖タンパク質と連結部分との接合体を形成する工程と;
(c)工程(b)の生成物を、連結部分の第2の反応基と反応することができる遅延基と接触させて、式(糖タンパク質)-(連結部分)-(遅延基)によって表される接合体を形成する工程と;
を含んでなる方法を提供する。
本発明の一つの実施形態において、この方法は、それぞれ工程(a)または工程(c)の前に行われる工程(a1)および工程(a2)をさらに含むものである:
(a1) 糖タンパク質を、シアリダーゼ、ガラクトシダーゼ(galacosidases)、N-アセチルヘキソサミニダーゼ、フコシダーゼ(fucosidases)、マンノシダーゼ、エンドH、およびエンドF3の一以上と接触させて、グリカン構造の一部が除去されている糖タンパク質を形成する工程;
(a2) 工程(a1)の生成物をガラクトシルトランスフェラーゼおよびガラクトース基質と接触させて、少なくとも一つの末端ガラクトースまたはその誘導体を備えた糖タンパク質を形成する工程。
本発明の一つの実施形態において、本方法は、工程(a)の前に行われる第1の工程(a3)をさらに含むものである:
(a3) 少なくとも1つの末端シアル酸残基を有する糖タンパク質を、グリカンからシアル酸を除去できるシアリダーゼまたは別の試薬と接触させて、少なくとも1つの末端ガラクトースまたはその誘導体を含むアシアロ糖タンパク質を形成する工程。
第3の側面において、本発明は、非接合体糖タンパク質と比較して、増大したインビボ血漿半減期を有する糖タンパク質の接合体であって、少なくとも1つの末端ガラクトースまたはこれらの誘導体と、任意に連結部分を介して、これに対して共有結合した遅延基とを有する糖タンパク質を含む接合体を提供する。
更なる側面において、本発明は、非接合体糖タンパク質と比較して、増大したインビボ血漿半減期を有する糖タンパク質の接合体を製造するための方法であって、該接合体は、少なくとも1つの末端ガラクトースまたはこれらの誘導体と、これに対して共有結合した遅延基を有する糖タンパク質を含み、
以下の工程を含む方法によって得られる糖タンパク接合体を提供する:
(a)少なくとも1つの末端ガラクトースまたはこれらの誘導体を有する糖タンパク質をガラクトースオキシダーゼと接触させて、反応性アルデヒド官能基を有する酸化された末端ガラクトースまたはこれらの誘導体を含む糖タンパク質を形成する工程;および
(b)工程(a)で生成された糖タンパク質生成物を、アルデヒド基と反応することができ且つ遅延基を含む反応体Xと接触させて、式(糖タンパク質)-(遅延基)によって表される接合体を形成する工程。
更なる側面において、本発明は、非接合体糖タンパク質と比較して、増大したインビボ血漿半減期を有する糖タンパク質の接合体を製造するための方法であって、該接合体は、少なくとも1つの末端ガラクトースまたはこれらの誘導体と、これに対して連結部分を介して共有結合した遅延基を有する糖タンパク質を含み、
以下の工程を含む方法によって得られる糖タンパク質接合体を提供する:
(a)少なくとも1つの末端ガラクトースまたはこれらの誘導体を有する糖タンパク質をガラクトースオキシダーゼと接触させて、反応性アルデヒド官能基を有する酸化された末端ガラクトースまたはこれらの誘導体を含む糖タンパク質を形成する工程;
(b)工程(a)で生成された糖タンパク質生成物を、アルデヒド基と反応することができ、且つ任意に保護された第二の反応性基を更に含む連結部分を含んでなる反応体Xと接触させて、糖タンパク質と連結部分との接合体を形成する工程;および
(c)工程(b)の生成物を、連結部分の第2の反応基と反応することができる遅延基と接触させて、式(糖タンパク質)-(連結部分)-(遅延基)によって表される接合体を形成する工程;
更なる側面において、本発明は、本発明に従った糖タンパク質接合体を含む薬学的組成物を提供する。
定義
哺乳類、昆虫、または酵母細胞などの真核生物発現系から得られた天然のペプチドは、これらのグリコシル化された形態で単離されることが多い。また、グリコシル部分は、このようなペプチド上のグリカン部分とも呼ばれ、それ自体が接合目的のために直接使用することができるか、または適切な条件により、接合のために適した付着部分に変換できる多価アルコールである。関心対象のグリカンは、O-連結されたグリカン、即ちグリカンがアミノ酸残基セリンまたはスレオニンを介して連結された糖タンパク質か;またはグリカン部分がペプチドのアスパラギン残基に連結されたN-グリカンの何れかである。
「糖タンパク質」という用語は、「骨格」アミノ酸配列の1以上のアミノ酸残基に付着された1以上の糖残基(グリカン)を含むペプチド、オリゴペプチド、およびポリペプチドを包含するものである。グリカンは、N-連結型、またはO-連結型であってもよい。
本明細書に使用される「グリカン」または互換可能に「少糖鎖」の用語は、単一のアミノ酸残基に共有結合で連結された完全なオリゴ糖構造をいう。グリカンは、通常N-連結型またはO-連結型であり、例えばグリカンは、アスパラギン残基(N-連結グリコシル化)またはセリンまたはスレオニン残基(O-連結グリコシル化)に対して連結される。N-連結少糖鎖は、例えば二、三、またはアンテナ型(antennary)などの多アンテナ型であってよく、殆どは、GlcNAc-GlcNAc-Man3のコア構造を含むことが多い。
幾つかの糖タンパク質は、インサイチューでヒトにおいて産生されるときに、末端または「キャッピング」シアル酸残基をもつグリカン構造を有する。即ち、それぞれのアンテナの末端糖は、α2→3またはα2→6結合を経てガラクトースに連結されたN-アセチルノイラミン酸である。その他の糖タンパク質は、その他の糖残基に末端キャップされたグリカンを有する。しかし、その他の状況で産生されたときは、糖タンパク質は、これらのアンテナの1つまたは複数に、例えばシアル酸残基の欠如;N-グリコリルノイラミン酸(Neu5Gc)残基の含有;ガラクトースの代わりに末端N-アセチルガラクトサミン(GalNAc)残基の含有等;などの、異なる末端構造を有する少糖鎖を含む可能性がある。N連結および/またはO連結されたオリゴ糖のパターンは、限定されないが、高性能液体クロマトグラフィー(HPLC);キャピラリー電気泳動法(CE);核磁気共鳴(NMR);高速原子衝撃、エレクトロスプレー、またはマトリックス支援レーザ脱離(MALDI)などのイオン化技術を使用する質量分析(MS);ガスクロマトグラフィー(GC);および陰イオン交換(AIE)HPLC、サイズ除外クロマトグラフィー(SEC)、質量分析(MS)、ゲル電気泳動(SDS-PAGE、CE-PAGE)、等電点電気泳動ゲル、または等電点電気泳動キャピラリー電気泳動法(CE-IEF)と組み合わせたエキソグリコシダーゼでの処理を含む、当技術分野において公知の任意の方法を使用して決定してもよい。例えば、Weber et al., Anal. Biochem. 225:135(1995); Klausen et al., J. Chromatog. 718:195(1995); Morris et al., in Mass Spectrometry of Biological Materials, McEwen et al., eds., Marcel Dekker,(1990), pp 137-167; Conboy et al., Biol. Mass Spectrom. 21:397, 1992; Hellerqvist, Meth. Enzymol. 193:554(1990); Sutton et al., Anal. Biohcem. 318:34(1994); Harvey et al., Organic Mass Spectrometry 29:752(1994)を参照されたい。
従って、「末端シアル酸」または互換可能に「末端ノイラミン酸」との用語は、グリカンまたは少糖鎖内の末端糖残基として連結されたシアル酸残基を包含すること、即ち、それぞれのアンテナの末端糖が2→3または2→6結合を経てガラクトースに連結されたN-アセチルノイラミン酸であることが意図される。
「ガラクトースまたはこれらの誘導体」という用語は、N-アセチルガラクトサミン残基などの、天然のD-ガラクトースまたはこれらの誘導体などのガラクトース残基を意味する。一つの実施形態において、ガラクトース誘導体は、N-アセチルガラクトサミンである。
「末端ガラクトースまたはこれらの誘導体」という用語は、グリカンまたは少糖鎖内の末端糖残基として連結されたガラクトースまたはこれらの誘導体を意味し、例えばそれぞれのアンテナの末端糖は、ガラクトースまたはN-アセチルガラクトサミンである。
「アシアロ糖タンパク質」という用語は、1以上の末端シアル酸残基が、例えばシアリダーゼ処理によって、または化学的処理によって除去されて、ガラクトースまたはN-アセチルガラクトサミンの下地「層」に由来する少なくとも1つのガラクトースまたはN-アセチルガラクトサミン残基を露出している糖タンパク質(「露出されたガラクトース残基」)を含むことが意図される。
「酸化されたシアロ糖タンパク質」という用語は、ガラクトースオキシダーゼによって、任意に、例えばカタラーゼまたは西洋ワサビペルオキシダーゼなどの過酸化水素スカベンジャーと組み合わせて酸化され、従って末端ガラクトース残基上に位置する反応性アルデヒド官能基または部分を生じるアシアロ糖タンパク質を包含することを意図する。
「過酸化水素スカベンジャー」という用語は、過酸化水素と反応するか、吸収するか、または中和することができる化合物または物質を含むことが意図される。
「アルデヒド基と反応することができる反応体X」という用語は、求核剤または求核試薬、並びに糖タンパク質の酸化型末端ガラクトース残基に位置するアルデヒド基と反応し、末端ガラクトース残基と反応物(X)との間に共有結合を生じることができるその他の薬剤を意味する。反応物は、本発明の幾つかの実施形態において、ポリマー基を含んでいてもしてもよい。反応体Xの非限定の例は、ヒドロキシルアミン誘導体、O-アルキル化されたヒドロキシルアミン誘導体、アミン、安定化されたカルボアニオン、安定化されたエノラート、ヒドラジド、アルキルヒドラジド、ヒドラジン、アシルヒドラジン、並びにチオエタンアミン、システイン、またはシステイン誘導体などの環形成性(例えばチアゾリジン形成性)求核試薬である。
本明細書に使用される「遅延基」という用語は、無修飾タンパク質またはペプチドと比較したときに、タンパク質またはペプチドに対する接合によって、前記タンパク質またはペプチドの循環半減期を増大する基を意味する。遅延効果の背景にある具体的原理は、サイズが増大されたこと、ペプチダーゼまたは抗体によって認識することができるペプチド配列を遮蔽すること、またはこれらが、例えば肝臓またはマクロファージに存在するグリカン特異的な受容体によって認識されないような方法でグリカンをマスキングし、クリアランスを防止または減少させることによって生じてもよい。また、遅延基の遅延効果は、例えばアルブミンなどの血液成分に対する結合、または維管束組織に対する非特異的な接着によって生じさせることができる。接合された糖タンパク質は、実質的にその生物活性を保存するべきである。
「電子吸引基」という用語は、March, Advanced Organic Chemistry, 3rd edition, John Wiley & Sons, N.Y. 1985において定義されたとおりに使用される。
本発明の一つの実施形態において、遅延基は、以下からなる群より選択される:
(a) 1以上のカルボン酸、アミンスルホン酸、ホスホン酸、またはこれらの組み合わせを含んでもよい低分子(15〜1000da)有機荷電ラジカル。
(b) シクロデキストリンまたは分岐していてもよいポリエチレン鎖などの低分子(15〜1000da)中性親水性分子。
(c) 脂肪酸もしくはコール酸またはこれらの誘導体などの低分子(15〜1000da)疎水性分子。
(d) 2〜40kDaの平均分子量をもつポリエチレングリコール
(e) 700〜20.000daまで、またはより好ましくは700〜10.000daの間の範囲の正確な分子量をもつデンドリマーなどの十分に定義された正確な重合体。
(f) アルブミンまたは抗体もしくは任意にFc-ドメインを含む抗体の部分などの実質的に非免疫源性のポリペプチド。
(g) デキストランなどの高分子量有機重合体。
「求核剤」という用語は、「求核試薬」および「求核接合剤」と互換可能である。
本状況に使用される「共有結合」という用語は、オリゴ糖部分(グリカン)および反応体Xが、互いに直接共有結合性に連結されるか、そうでなければ介在部分またはブリッジ、スペーサー、もしくは連結部分などの部分を介して互いに間接的に共有結合性に連結されることを包含することを意味する。
「糖質接合体」、または互換可能に「接合体」もしくは「タンパク質接合体」という用語は、1以上の求核剤(反応体X)に対する、糖タンパク質の1以上の末端ガラクトース残基の共有結合によって形成される不均一な(複合体またはキメラという意味で)分子を示すことが意図される。本状況において、「タンパク質」という用語は、少なくとも4アミノ酸残基の配列を有し、好ましく4〜約1000残基の間を有するペプチド、オリゴペプチド、およびポリペプチドを含むことが意図される。
本発明の一つの実施形態において、遅延基は、重合体分子である。
本明細書に使用される「重合体分子」という用語は、いずれの単量体もアミノ酸残基ではない二つ以上の単量体の共有結合によって形成される分子を意味する。
本発明の一つの実施形態において、重合体分子は、デンドリマー、ポリエチレングリコール(PEG)およびポリプロピレングリコール(PPG)などのポリアルキレングリコール(PAG)を含むポリアルキレンオキシド(PAO)、分枝のPEG、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリカルボキシレート、ポリビニルピロリドン、ポリエチレン-co-マレイン酸無水物、ポリスチレン-co-マレイン酸無水物、並びにカルボキシメチルデキストランを含むデキストランなどのからなる群より選択される。本発明の一つの実施形態において、重合体分子は、PEG基である。本発明の一つの実施形態において、重合体分子は、デンドリマーである。本発明の一つの実施形態において、重合体分子は、700〜10.000 Daの範囲の分子量をもつデンドリマーである。
重合体分子は、糖ペプチドに位置する酸化型ガラクトース残基のアルデヒド基と反応することができる反応物 Xの一部であるか、またはこれに付着されている。
重合体上に存在する基は、上記したとおり、オリゴ糖部分またはグリカンとの反応の前に、反応体Xを生じさせるために活性化してもよい。活性化された基は、オリゴ糖部分または重合体部分に存在するかにかかわらず、活性化された脱離基の形態であってもよい。重合体の活性化のための方法および化学は、文献に記載されている。重合体の活性化のための一般に使用される方法は、臭化シアン、過ヨウ素酸塩、グルタルアルデヒド、ビエポキシド(biepoxides)、エピクロロヒドリン、ジビニルスルホン、カルボジイミド、スルホニルハライド、トリクロロトリアジン、その他での官能基の活性化を含む。(例えば、Taylor(1991). Such electrophilic activated polymers can then be converted to reagents of type reagent X by reaction with e.g. binucleophilic linker moieties. Protein Immobilization, Fundamentals and Applications, Marcel Dekker, N.Y.; Wong(1992), Chemistry of protein Conjugation and Crosslinking, CRC Press, Boca Raton; Hermanson et al.,(1993), Immobilized Affinity Ligand Techniques, Academic Press, N.Y.; Dunn et al., Eds. Polymeric Drugs and Drug Delivery Systems, ACS Symposium Series Vol. 469, American Chemical Society, 1991を参照されたい)。
「分枝重合体」、または互換可能に「樹状重合体」、「デンドリマー」、もしくは「樹状構造」という用語は、そのいくつかが分枝を含む単量体ビルディングブロックの選択により構築された有機ポリマーを意味する。
「ジェネレーション」という用語は、有機分子上の1以上の同一の官能基を特定の単量体ビルディングブロックと反応することによって作製される単一の均一層を意味する。二股の単量体だけから作製される分枝重合体では、ジェネレーション内の反応基の数は、式(2*(m-1))2によってを与えられる(式中、mは、1,2,3...8の整数であり、特定のジェネレーションを表す)。三股の単量体から作製される分枝重合体については、反応基の数は、式(3*(m-1))3によって与えられ、n又の分枝をもつ多又の単量体から作製される分枝重合体については、反応基の数は、(n*(m-1))nによって与えられる。異なる単量体がそれぞれの個々のジェネレーションに使用される分枝重合体については、特定の層またはジェネレーションにおける反応基の数を算出して、樹状構造のそれぞれの個々の単量体の層の位置および分枝数を再帰的に知ることができる。
本発明の一つの実施形態において、遅延基は、アルブミン、脂肪酸様、C5-C24脂肪酸、脂肪族二酸(例えばC5-C24)と結合する化合物などの血清タンパク結合性リガンドからなる群より選択される。遅延基のその他の例は、カルボン酸もしくはアミンなどの生理学的条件下で電荷特性が変化する部分、またはより小さなアルキル置換基(例えば、C1-C5アルキル)などのグリカン特異的な認識を防げる中性置換基を含む小有機分子を含む。
本発明の一つの実施形態において、遅延基は、アルブミンである。本発明の一つの実施形態において、遅延基は、以下からなる群より選択される:デンドリマー、ポリアルキレンオキシド(PAO)、ポリアルキレングリコール(PAG)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール(PPG)、分枝のPEG、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリカルボキシレート、ポリビニルピロリドン、ポリエチレン-co-マレイン酸無水物、ポリスチレン-co-マレイン酸無水物、デキストラン、カルボキシメチルデキストラン;脂肪酸、C5-C24脂肪酸、脂肪族二酸(例えばC5-C24)などの、アルブミンに結合する化合物などの血清タンパク結合性リガンド、グリカンが受容体(例えばアシアロ糖タンパク質受容体およびマンノース受容体)に結合するのを阻害する構造(例えばシアル酸誘導体または擬態)、カルボン酸またはアミンなどの生理学的条件下で電荷特性を変更する部分か、または小さなアルキル置換基(例えば、C1-C5アルキル)などのグリカン特異的な認識を防げる中性置換基を含む小有機分子、1以上のカルボン酸、スルホ基のアミン、ホスホン酸、またはこれらの組み合わせを含んでもよい低分子有機荷電ラジカル(例えばC1-C25);シクロデキストリンなどの低分子中性親水性分子(例えばC1-C25)、または任意に分枝していてもよいポリエチレン鎖;2〜40 KDaの平均分子量をもつポリエチレングリコール;700〜20.000 Da、またはより好ましくは700〜10.000 Daの間の範囲の正確な分子量をもつデンドリマーなどの十分に定義された正確な重合体;並びにアルブミンまたは抗体もしくは任意にFc-ドメインを含む抗体の部分などの実質的に非免疫原性(non-imunogenic)ポリペプチド。
「活性化された脱離基」という用語は、有機物または酵素で制御される置換反応において容易に置換される部分を含む。活性化された脱離基は、当技術分野において公知であり、例えば、Vocadlo et al., In Carbohydrate Chemistry and Biology, Vol 2, Wiley-VCH Verlag, Germany(2000); Kodama et al., Tetrahedron Letters 34:6419(1993); Lougheed et al., J.Biol. Chem. 274:37717(1999)を参照されたい。
本発明を実施する際に有用な反応の反応性基およびクラスは、一般に比較的穏やかな条件下で進行するものである。これらは、求核置換(例えば、アミンおよびアルコールのハロゲン化アシル、活性エステルとの反応)を含むが、これらに限定されない。これらの反応および他の有用な反応は、例えば、arch, Advanced Organic Chemistry, 3rd edition, John Wiley & Sons, N.Y. 1985; Hermanson, Bioconjugate Techniques, Academic Press, San Diego, 1996; Feeney et al, Modifications of Proteins, Advances in Chemistry Series, Vol. 198, American Chemical Society, 1982に記載されている。
反応性官能基は、これらが、オリゴ糖および重合体部分を構築するために必要な反応に関与しないか、または妨害しないように選択することができる。あるいは、反応性官能基は、保護基の存在下で、反応に関与することから保護されていることができる。有用な保護基の例については、例えば、Greene et al., Protective groups in Organic Synthesis, John Wiley & Sons, N.Y., 1991を参照されたい。
「FVIIに天然に存在するグリコシル化部位」という用語は、図3に示したとおりのアミノ酸配列のうちの位置Asn145(N145)、Asn322(N322)、Ser-52(S52)、およびSer-60(S60)のグリコシル化部位を示すことが意図される。同様の方法で、「天然に存在するインビボO-グリコシル化部位」という用語は、位置S52およびS60を含み、一方、「天然に存在するインビボN-グリコシル化部位」という用語は、位置N145およびN322を含む。「図:3(FVII wt.)のアミノ酸残基S52、S60、N145、N322に対応するアミノ酸残基」という用語は、配列を整列させたときに、野生型第VII因子の配列(図:3)に対応するAsnおよびSerアミノ酸残基を示すことが意図される。アミノ酸配列の相同性/同一性は、便利には、例えばthe ClustalW program, version 1.8, 1999(Thompson et al., 1994, Nucleic Acid Research, 22:4673-4680)などの配列整列のための適切なコンピュータプログラムを使用して整列した配列から決定される。
「機能的インビボ半減期」という用語は、その通常の意味で、即ち、ポリペプチドまたは接合体の生物活性の50%がなおも体/標的器官に存在する時間、またはポリペプチドまたは接合体の活性が、その初期値の50%である時間に使用される。機能的なインビボ半減期を決定する代わりとして、「インビボ血漿半減期」、即ち50%のポリペプチドまたは接合体分子が、クリアされる前に血漿または血流中を循環する時間を決定してもよい。血漿半減期の決定は、機能的半減期を決定するよりも単純であることが多く、血漿半減期の大きさの決定は、通常機能的インビボ半減期の大きさの優れた指標である。血漿半減期についての代わりの用語は、血清半減期、循環半減期、循環半減期、血清クリアランス、血漿クリアランス、およびクリアランス半減期を含む。保持される機能性は、通常、凝血原、タンパク分解性、補因子結合、受容体結合活性、または特定のタンパク質と関連するその他のタイプの生物活性から選択される。
機能的インビボ半減期または血漿半減期について使用される「増大される」という用語は、ポリペプチドまたは接合体の相対的半減期が、相当する条件下で決定される非接合体糖タンパク質などの参照分子のものと比較して、統計学的に優位に増大されることを示すために使用される。例えば、相対的半減期は、少なくとも約50%までなど、少なくとも約25%まで、例えば少なくとも約100%、150%、200%、250%、または500%まで増大してもよい。一部の実施形態において、本発明の製剤は、参照製剤の半減期と比較して少なくとも約0.25h、好ましくは少なくとも0.5h、より好ましくは少なくとも約1h、および最も好ましくは少なくとも約2hの半減期の増大を示す。
製剤の「免疫原性」は、ヒトに投与したときに、体液性に、細胞性に、または両方であるかにかかわらず、製剤が有害な免疫応答を誘発する能力をいう。任意のヒト亜集団には、特定の投与されたタンパク質に対して感受性を示す個体が存在するかもしれない。免疫原性は、当技術分野において公知の従来法を使用して、感受性の個体における抗糖タンパク質抗体および/または糖タンパク質応答性T細胞の存在を定量することによって測定してもよい。幾つかの実施形態において、本発明の製剤は、参照製剤の感受性の個体に対する免疫原性と比較して、少なくとも約10%、好ましくは少なくとも25%、より好ましくは少なくとも約40%、および最も好ましくは少なくとも約50%のその個体における免疫原性の減少を示す。
「リンカー部分」または「L1」は、アルデヒド基と反応することができ、「反応体X」に対して遅延基を連結する手段として機能する任意の生体適合性分子を意味する。これは、糖タンパク質の最終接合体において、「リンカー部分」が、化学結合を経て糖タンパク質を遅延基に連結していることが理解される。リンカー部分は、共有結合性および非共有結合性の化学結合、またはこれらの混合を含んでもよいことが十分に理解されている。
適切なリンカー部分は、ペプチド;ポリヌクレオチド;単糖、二糖、およびオリゴ糖、シクロデキストリン、並びにデキストランを含む糖類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリビニルアルコール、炭化水素、ポリアクリラート、およびアミノ、ヒドロキシ、チオ、またはカルボキシ官能性を持たせたシリコン、その他の生体適合材料ユニットを含む重合体;並びにこれらの組み合わせなどの基を含むが、限定されない。上記したこのようなリンカー部分材料は、広く商業的に入手可能であるか、または一般に当業者に公知の合成有機法を経て入手することができる。リンカー部分は、例えば、以下の構造の中から選択してもよい:直鎖または分枝のC1-50アルキル、直鎖または分枝のC2-50-アルケニル、直鎖または分枝のC2-50-アルキニル、鎖に炭素と少なくとも1つのN、O、またはS原子とを含む1〜50員の直鎖または分岐鎖、C3-8シクロアルキル、環に炭素と少なくとも1つのN、OまたはS原子とを含む3〜8員の環状環、アリール、ヘテロアリール、アミノ酸、以下の基の1つまたは複数で置換されていてもよい構造:H、ヒドロキシ、フェニル、フェノキシ、ベンジル、チエニル、オキソ、アミノ、C1-4-アルキル、CONH2、CSNH2、C1-4 モノアルキルアミノ、C1-4ジアルキルアミノ、アシルアミノ、スルホニル、カルボキシ、カルボキシアミド、ハロゲノ、C1-6アルコキシ、C1-6アルキルチオ、トリフルオロアルコキシ、アルコキシカルボニル、ハロアルキル。リンカー部分は、直鎖でも、または分枝であってもよく、1以上の二重または三重結合を含んでいてもよい。リンカー部分は、1以上のヘテロ原子様のN、O、またはSを含んでいてもよい。リンカー部分は、上記されている基の複数のクラスを含むことができること、並びにクラス内の複数のメンバーを含むことができるが十分に理解される。リンカー部分が、基の複数のクラスを含む場合、このようなリンカー部分は、好ましくはこれらの官能基を介して異なるユニットに連結することによって得られる。このような結合を形成するための方法は、標準的な有機合成を含み、当業者に周知である。
「アルキル」または「アルキレン」という用語は、1〜6炭素原子を有する飽和した、分枝または直鎖の炭化水素基を表すC1-6アルキルまたはアルキレンをいう。典型的には、C1 6アルキル基は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシル、および対応する二価のラジカルを含むが、これらに限定されない。
「アルケニル」または「アルケニレン」という用語は、2〜6炭素原子で、少なくとも1つの二重結合を有する分枝または直鎖の炭化水素基を表す、C2-6アルケニルまたはアルケニレンをいう。典型的には、C2-6アルケニル基は、エテニル、1-プロペニル、2-プロペニル、イソプロペニル、1,3ブタジエニル、1-ブテニル、2-ブテニル、1-ペンテニル、2-ペンテニル、1-ヘキセニル、2-ヘキセニル、1-エチルプロプ-2-エニル、1,1-(ジメチル)プロプ-2-エニル、1-エチルブト-3-エニル、1,1-(ジメチル)ブト-2-エニル、および対応する二価のラジカルを含むが、これらに限定されない。
「アルキニル」または「アルキニレン」という用語は、2〜6炭素原子で、少なくとも1つの三重結合を有する分枝または直鎖の炭化水素基を表す、C2-6アルキニルまたはアルキニレンをいう。典型的には、アルキニル基は、ビニル、1-プロピニル、2-プロピニル、イソプロピニル、1,3-ブタジニル、1-ブチニル、2-ブチニル、1-ペンチニル、2-ペンチニル、1-ヘキシニル、2-ヘキシニル、1-エチルプロプ-2-イニル、1,1-(ジメチル)プロプ-2-イニル、1-エチルブト-3-イニル、1,1-(ジメチル)ブト-2-イニル、および対応する二価のラジカルを含むが、これらに限定されない。
「アルキレンオキシ」または「アルコキシ」という用語は、ラジカル-O-C1-6-アルキルまたは-O-C1-6-アルキレン(式中、C1-6アルキル(エン)は、上記記載の通りある)を表す「C1-6-アルコキシ」またはアルキレンオキシをいう。代表例は、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ、ペントキシ、イソペントキシ、ヘキソキシ、イソヘキソキシなどである。
本明細書に使用される「ヘテロアリール」という用語は、以下のものなどの窒素、酸素、および硫黄から選択される1以上のヘテロ原子を含む複素環式芳香環系を含むことが意図される:フリル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、1,2,3-トリアゾイル、1,2,4-トリアゾイル、ピラニル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、1,2,3-トリアジニル、1,2,4-トリアジニル、1,3,5-トリアジニル、1,2,3-オキサジアゾリル、1,2,4-オキサジアゾリル、1,2,5-オキサジアゾリル、1,3,4-オキサジアゾリル、1,2,3-チアジアゾリル、1,2,4-チアジアゾリル、1,2,5-チアジアゾリル、1,3,4-チアジアゾリル、テトラゾリル、チアジアジニル、インドリル、イソインドリル、ベンゾフリル、ベンゾ・チエニル、ベンゾ・チオフェニル(チアナフテニル)、インダゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、ベンズイソチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンズイソオキサゾリル、プリニル、キナゾリニル、キノリジニル、キノリニル、イソキノリニル、キノキサリニル、ナフチリジニル、プテリジニル、カルバゾリル、アゼピニル、ジアゼピニル、アクリジニル。また、ヘテロアリールは、上に列挙した複素環式系の部分的に水素化された誘導体を含むことが意図される。このような部分的に水素化された誘導体の非限定の例は、2,3-ジヒドロベンゾフラニル、ピロリニル、ピラゾリニル、インドリニル、オキサゾリジニル、オキサゾリニル、オキサゼピニルなどである。
発明の詳細な説明
本発明の目的は、タンパク質のグリコシル化が、クリアランスのための一次決定因子を提供するときに、およびグリカン部分に関連しないその他のクリアランス経路が活動中のときに、循環していて糖タンパク質を安定化するための手段を提供する。
前者の場合、このような糖タンパク質では、肝臓におけるガラクトースおよびマンノース受容体などの糖特異的受容体によるタンパク質の除去をブロックするか、または阻害する処置によって、半減期の増大が達成される。特に、循環において可溶性糖タンパク質誘導体を延長することを記載してある。後者の場合において、例えば、半減期の増大は、例えばアルブミン結合性リガンドなどの血清タンパク結合性リガンドまたはPEGなどの大きな重合体などの「プロトラクター」部分を付着することによって達成することができる。いずれの場合においても、半減期がより長いときに用量の頻度および/またはサイズを減らすことができるので、循環半減期の延長は、治療的タンパク質において望ましい。
ガラクトースオキシダーゼ(GO)は、多数の一級アルコールのこれらの対応するアルデヒドへの2電子酸化を、二原子酸素の過酸化水素への還元と組み合わせて触媒する銅酵素である:RCH2OH + O2→RCHO + H2O2。本酵素は、還元体、および置換されたベンジルアルコールを含む、有効な基質として役立つ多種多様な一級アルコールに対して広い特異性を示す。ガラクトースオキシダーゼは、カタラーゼまたは西洋ワサビペルオキシダーゼと共に、糖タンパク質にアルデヒド官能性を導入するための軽度および高度に選択的な方法を提供し、精製された糖タンパク質、並びに、完全な細胞系の脂質膜に包埋された糖タンパク質の放射または蛍光ラベリングのために広範に使用されてきた(例えば、BBaumann H. and Doyle D., J. Biol. Chem. 1979, 254(7)2542-2550 and Wilchek M.; Spiegel S. and Spiegel Y., Biochem. Biophys Res. Commun, 1980, 92(4)1215-1222を参照されたい)。ガラクトースオキシダーゼは、ガラクトース(Gal)およびアセチル化されたガラクトサミン(Gal-NAc)を選択的に酸化する。
ノイラミニダーゼおよびガラクトースオキシダーゼは両方とも、費用効率の高い貯蔵および操作上安定な酵素反応器を作製するために、ビーズに固定された。例えばBilkova Z. et. al., J. Chromatography B. 2002、770/1-2(177-181)を参照されたい。過酸化水素副生成物を除去するめの、このような固定化酵素の、任意に西洋ワサビペルオキシダーゼの同様の固定された酵素様カタラーゼと連動した適用は、本発明の範囲内である。これらは単純な濾過によって容易に除去されるので、固定された酵素は、その後の精製プロセスにおいて、安定性の増大意外にも利点を提供する。従って、本発明の一つの実施形態において、本プロセスに関与する酵素の一つまたは複数が支持体上に固定される。
シアリダーゼ処理
幾つかの糖タンパク質は、末端シアル酸残基を含む。このような場合、ガラクトース残基の内層から少なくとも1つのガラクトース残基を露出するために、糖タンパク質(これは、天然の供与源から、またはCOS、BHK-またはCHO細胞などの遺伝的に修飾哺乳動物細胞から、または酵母細胞から得ることができる再構築されたタンパク質から得ることができる)を、まずシアリダーゼで処理する。幾つかの糖タンパク質は、本来、末端シアル酸付加されておらず(末端シアル酸残基を含まず)、このような場合、シアリダーゼ処理は、使用されない。酵素の脱シアル酸化は、市販元の可溶性シアリダーゼを使用することによって、組換えの遺伝子改変されたシアリダーゼを使用することによって、または固体支持体、例えばアガロースに結合されたシアリダーゼを使用することによって、何れかで行うことができる。反応の進行は、便利には、国際公開公報第2003031464号(Neose)に記載されているようにIEF-ゲルのモニター(monitoration)によって、またはN.K. Klausen and T. Kornfelt, J. Chromatography A, 718, 195-202(1995)に記載されているものなどのキャピラリー電気泳動技術によってモニターすることができる。可溶性シアリダーゼを反応のために使用する場合、精製工程が必要であり得る。適切な精製技術は、当業者に公知であり、例えばイオン交換クロマトグラフィーまたはその他の同様の技術を含むことができる。
ガラクトースオキシダーゼ
糖タンパク質またはシアリダーゼ処理によって得られたアシアロ糖タンパク質は、その後、オキシダントとして分子状酸素を使用するガラクトースオキシダーゼで処理する。反応の副生成物は、過酸化水素であるため、その破壊力(例えば、メチオニン残基の酸化、その他)を回避するために、幾つかの測定は、例えば過酸化水素スカベンジャーを添加することが一般になされる。カタラーゼおよび西洋ワサビペルオキシダーゼは、両者とも適しているが、その他のスカベンジャーも当業者に公知である。糖タンパク質の構造および機能の全体的変化は、この反応段階においてすぐになされるため、反応をモニターすることがさらに困難である。ダンシルヒドラジドなどのリポーター分子との化学物質接合体も選択肢となる。あるいは、西洋ワサビペルオキシダーゼまたはカタラーゼが除く場合、反応の進行は、Molecular ProbesからのAmplex Redなどの商業的に入手可能なキットを使用して比色で推定することができる。
化学的接合工程
本発明の一つの実施形態において、化学的接合工程のための糖タンパク質は、少なくとも1つのガラクトース残基を露出するために十分なシアル酸を除去するように、シアリダーゼで処理し、さらに例えば、反応性アルデヒド官能性を生じさせるためにガラクトースオキシダーゼおよび西洋ワサビペルオキシダーゼで処理された糖タンパク質である。
1つの反応順序は、アルデヒド基と反応することができる反応体Xを使用して、下記に示してある:
反応スキーム1
式中、Siaは、アルファ-2,3-またはアルファ-2,6-配置の何れかでガラクトースまたはガラクトース誘導体(Gal)に連結されたシアル酸を意味する。
一つの実施形態において、Gal-OHは、ガラクトースを表し、その場合、
一つの実施形態において、Gal-OHは、ガラクトース誘導体N-アセチルガラクトサミンを表し、ガラクトースオキシダーゼは、アセチル化されたガラクトサミン残基を酸化させ、その場合、
Xはアルデヒドと共有結合性に反応して、C-6修飾されたガラクトースまたはN-アセチルガラクトサミン残基を形成することができる化学官能性を含む何れかのタイプの分子(例えば、求核剤など)である。
Lは、二価の有機ラジカル・リンカーであり、フコース、マンノース、N-アセチル・グリコサミン、キシロース、およびアラビノースなどの天然の単糖からなる、任意の順序で連結された、かつ多くの分枝を持つ1以上の炭化水素部分を含むものを含むいずれの有機ジラジカルであってもよい。Lは、また原子価結合であってもよい。
化学的接合は、含まれる特定の反応体Xに応じて、多くの方法で行ってもよい。
本発明の一つの実施形態において、反応体Xは、式nuc-Rを有し、式中、nucは、アルデヒドと反応して共有結合を形成することができる官能基であり、Rは、遅延基である。
本発明の一つの実施形態において、反応体Xは、式nuc-L1-Rを有し、式中nucは、アルデヒドと反応し、共有結合を形成することができる官能基であり、Rは、遅延基であり、L1は、連結部分である。
本発明の一つの実施形態において、反応体Xは、H2N-R、HR1N-R、H2N-O-R、HR1N-O-R、H2N-NH-COR、H2N-CHR1-CHR-SH、H2N-CHR-CHR1-SH、H2N-NH-SO2R、およびZ'-CH2-Z''-Rからなる群より選択され;式中、Rは、遅延基であり;R1は、Hまたは第2の遅延基であり;Z'およびZ''は、例えば、COOEt、CN、NO2などの電子吸引基を表し、およびZ基の一方または両方は、R基に接続することができる。
本発明の一つの実施形態において、反応体Xは、H2N-L1-R、HR1N-L1-R、H2N-O-L1-R、HR1N-O-L1-R、H2N-NH-CO-L1-R、H2N-CHR1-CH(L1-R)-SH、H2N-CH(L1-R)-CHR1-SH、H2N-NH-SO2-L1-R、Z'-CH2-Z''-L1-Rからなる群より選択され;式中、L1は、連結部分であり、Rは、遅延基であり、R1は、Hまたは第2の遅延基であり;Z'およびZ''は、例えば、COOEt、CN、NO2などの電子吸引基を表し、およびZ基の一方または両方は、R基に接続することができる。
本発明の一つの実施形態において、反応体Xは、式nuc-L1-Rnを有し、式中、nucは、アルデヒドと反応し、共有結合を形成することができる官能基であり、Rは、遅延基であり、L1は、1以上の遅延基(R)を反応性官能基(nuc)に接続する多官能性連結部分であり、並びにL1は、遅延に寄与してもよく、または寄与しなくてもよく;nは、整数、n=1〜10などの1〜25を表す。
特定の実施形態において、反応体Xは、以下の一般式によって与えられる:
nuc-R
式中、nucは、アルデヒド基と反応することができる基である。説明のための非限定の例は、ヒドロキシルアミン、Oアルキル化されたヒドロキシルアミン、アミン、安定化されたカルボアニオン、安定化されたエノラート、ヒドラジド、アルキルヒドラジド、ヒドラジン、アシルヒドラジンなどを含む。その他の実施形態は、例えば、チオエタンアミン、システイン、またはシステイン誘導体、α-メルカプトアシルヒドラジドなどの環を形成する(例えば、チアゾリジンを形成する)求核試薬を含む。
特に、nucは、以下であることができる:
ヒドラジン誘導体 -NH-NH2、
ヒドラジンカルボキシラート誘導体 -O-C(O)-nH-NH2、
セミカルバジド誘導体 -NH-C(O)-nH-NH2、
チオセミカルバジド誘導体 -NH-C(S)-nH-NH2、
炭酸ジヒドラジド誘導体 -NHC(O)-NH-NH-C(O)-nH-NH2、
カルバジド誘導体 -NH-NH-C(O)-nH-NH2、
チオカルバジド誘導体 -NH-NH-C(S)-nH-NH2、
アリールヒドラジン誘導体 -NH-C(O)-C6H4-nH-NH2、
ヒドラジド誘導体 -C(O)-nH-NH2、および、
-O-NH2-、C(O)-O-NH2、-NHC(O)-O-NH2、および-NH-C(S)-O-NH2などのオキシルアミン誘導体。
一般式nuc-RのRは、下記の群のうちの1つから選択される有機ラジカルであってもよい:
a) 直鎖状、分枝の、および/または環状のC1-30アルキル、C2-30アルケニル、C2-30アルキニル、C1-30ヘテロ・アルキル、C2-30ヘテロ・アルケニル、C2-30ヘテロ・アルキニルであって、式中、1以上の同素環式の芳香族化合物ビラジカルまたは複素環化合物ビラジカルが挿入されていてもよく、前記C1-30またはC2-30ラジカルは、-CO2H、-SO3H、-PO2OH、-SO2NH2、-NH2、-OH、-SH、ハロゲン、またはアリールから選択される1以上の置換基で置換されていてもよく、前記アリールは、任意に-CO2H、-SO3H、-PO2OH、-SO2NH2、-NH2、-OH、-SH、またはハロゲンで置換されている;ステロイドラジカル;脂質ラジカル;
b) 多糖体ラジカル(例えばデキストラン);またはシクロデキストリン(ポリアミドラジカル例えばポリアミノ酸ラジカル);PVPラジカル;PVAラジカル;ポリ(1-3-ジオキサン);ポリ(1,3,6-トリオキサン);エチレン/無水マレイン酸重合体;
c) シバクロンブルー3GAなどのシバクロン色素および国際公開公報第00/12587号(これは、参照として本明細書に援用される)に開示されたとおりの、指定された長さのポリアミド鎖。
d) Kan, SK et al in The Journal of Immunology 2001, 166(2), 1320-1326 or in Stevenson, GT, The Journal of Immunology 1997, 158, 2242-2250に記載されているとおりの、アルブミニル誘導体様の血液成分または抗体もしくはヒト正常IgG1由来のFcドメインなどのこれらのドメインなどの実質的に非免疫原性のタンパク質残基。
e) ポリエチレングリコール(PEG)またはメトキシポリエチレングリコール(MPEG)ラジカルおよびこれらのアミノ誘導体であって、平均分子量は、500〜100,000 Daの間、500〜60,000 Daの間など、1000〜40,000 Daの間など、5000〜40,000 Daの間などであってもよい。
f) Rは、また-C(R5)3を表してもよく、それぞれのR1は、独立して水素また-D-((CH2)qO)r-OR6、-D-CH2-O-((CH2)qO)r-OR6、-DO((CH2)qO)r-OR6の中から選択される部分を表し;式中、qは1-6を表し、rは10〜500を表し、R6は水素またはC1-C6-アルキルを表し;およびDは、結合またはC1-8アルキルもしくはC1-8ヘテロアルキルを表す;
g) 例えば、アルブミンなどの血漿タンパクと結合することが知られる部分(アルブミン結合特性は、J.Med.Chem, 43, 2000, 1986-1992(これは、参照により本明細書に援用される)に記載されているように決定してもよい)またはペプチドなどのアルブミン結合部分がJ. Biol Chem. 277, 38(2002)35035-35043(これは、参照により本明細書に援用される)に開示された部分などの40未満のアミノ酸残基を含む。
h) C1-C18-アルキルなどのC1-C20-アルキル。特に荷電された基、極性基、および/またはハロゲンで置換されていてもよいC14-、C16-およびC18-アルキルについて特に言及する。このような置換基の例は、-CO2Hおよびハロゲンを含む。特定の実施形態において、C1-C20-アルキルの全ての水素は、フルオロで置換されてペルフルオロアルキルを形成する。
特定の実施形態:
PEG−2-40K誘導体であるR-nucの特定の実施形態は、以下において例示により示してあり、限定ではない:
本発明の一つの実施形態において、反応体Xは、式nuc-Rを有し、式中nucは、アルデヒドと反応して共有結合を形成することができる官能基であり、RはPEG基である。本発明の一つの実施形態において、nuc-Rは、以下からなる群より選択される:
式中、mPEGは、10kDaの分子量を有する。
本発明の一つの実施形態において、遅延基は、アルブミンと結合する化合物である。
「アルブミンと結合する化合物」という句は、本明細書において「アルブミン結合剤」と互換可能に使用される。
本発明の一つの実施形態において、反応体Xは、式nuc-Rを有し、式中nucは、アルデヒドと反応して共有結合を形成することができる官能基であり、Rはアルブミンと結合する化合物である。本発明の一つの実施形態において、nuc-Rは、成ることを群より選択される:
式中kは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10などの、0〜10の間の整数である。
式中、tは、10〜24の間の整数であり、vは、1〜10の間の整数であり、vは、2〜16の間の整数か、または平均分子量が1〜40kDa間、例えばPEG3400、PEG5000、PEG10000、PEG20000およびPEG40000であるように多分散系PEG重合体を記載する範囲数である。
一つの実施形態において、反応体Xは、求核試薬であり、これは脱水により、共有結合性の結合を形成することができる。例示のための非限定の例は、ヒドロキシルアミン、O-アルキル化されたヒドロキシルアミン、アミン、安定化されたカルボアニオン、安定化されたエノラート、ヒドラジド、アルキルヒドラジド、ヒドラジン、アシルヒドラジン、α-メルカプトアシルヒドラジド、その他を含む。その他の実施形態は、例えば、チオエタンアミン、システイン、またはシステイン誘導体などの環形成性(例えば、チアゾリジン形成性)求核試薬を含む。
幾つかの場合(下記参照)において、反応の生成物は、下記に示したように、還元剤(還元体)とさらに反応させて、還元された生成物を形成してもよい:
そのような場合、および非限定で、還元剤(還元体)の例は、ナトリウムシアノボロハイドライド、ピリジンボラン、および水素化ホウ素ナトリウムを含み、×の例は、ヒドラジド、一級、および二級アミンを含む。
一般的に、O-アルキル化されたヒドロキシルアミン誘導体は、アルデヒドと反応したときに、自発的に安定なオキシム誘導体を形成する:
より反応性で、場合によっては、問題のタンパク質に直接的に有害であるが、アルキルヒドラジンは、またアルデヒドと効率的に反応してヒドラゾンを生成する。ヒドラゾンは、水溶液中で安定であり、従って、誘導体化のためにヒドロキシルアミンの変形例と考えてもよい:
ヒドラジドは、一方ではまた、アルデヒドと自発的に反応するが、アシルヒドラゾン生成物は、水溶液中のほうが安定ではない。従って、ヒドラジド誘導体化されたリガンドを使用するときに、生じるヒドラゾンは、ナトリウムシアノボロハイドライドまたはピリジンボランなどの穏やかな還元試薬を使用してN-アルキルヒドラジドに還元されることが多い。例えばButler T. et al. Chembiochem. 2001, 2(12)884-894を参照されたい。
アミンとアルデヒドとの間のシッフ塩基の形成は、もう一つのタイプの化学物質接合法を提供する。ヒドラジドの場合と同様に、安定な接合体を得るためには、イミンを穏やかに還元してアミンを生成することが、必要とされることが多い。
穏やかな減少試薬は、公知であるが、タンパク質におけるスルフィド-スルフィド(SS)橋の還元を回避する際に、幾つかの問題点を予知することができる。このような場合、化学的に、薬剤の還元を回避する接合原理が好ましい。
また、C6-酸化されたガラクトース残基は、以下に示したとおり、システインもしくはシステイン誘導体またはアミノエタンチオールなどのアミノチオールと効率的に反応してチアゾリジンを生成する:
また、環状生成物を生じる同タイプの修飾は、α-メルカプトアシルヒドラジドを含む:
また、C6酸化されたガラクトース残基は、Horner-Wadsworth-Emmons反応においてカルボアニオン有機リン試薬と反応させることができる。本反応により、以下に示したようにアルケンを形成する。求核試薬の強度は、ウィッティヒ反応に使用されるもののような、異なる有機リン試薬を使用することによって変更することができる。
また、C6酸化されたガラクトース残基は、カルボアニオン求核試薬と反応させることができる。この例は、下記に図示したとおり、アルドール型の反応であり得る。Z'およびZ''基は、COOEt、CN、NO2などの電子吸引基を表し(March, Advanced Organic Chemistry, 3rd edition, John Wiley & Sons, N.Y. 1985を参照されたい)、これはメチレンプロトンの酸性度を増大する。本発明において、また、Z基の一方または両方をR基(プロトラクター)に接続し、これにより糖タンパク質の性質を改善することができるであろう。
上に一覧を記載したC6-位が酸化されたガラクトースを修飾するための例は、本発明の非限定の例として役立つ。その他の求核試薬およびC6-酸化されたガラクトースに存在するものなどの、アルデヒド機能を修飾するための化学物質手順は、当業者に公知である(March, Advanced Organic Chemistry, 3rd edition, John Wiley & Sons, N.Y. 1985を参照されたい)。
リンカー分子
また、酸化型(アシアロ)糖タンパク質の修飾は、最終生成物に達する前に、複数の工程で進めてもよい。従って、一つの実施形態において、まず、C6酸化型ガラクトース残基をアルデヒド部分に対して特異性を有するリンカー分子と反応させる。次いで、それ自体が更なる化学的ハンドル(二機能性のもの)を含むリンカー分子を、さらにもう一つの分子(例えば、遅延基)を付着することによって反応させて、最終生成物を与える:
糖タンパク質-CHO→糖タンパク質-リンカー-X→糖タンパク質-リンカー-R
適切な二機能性リンカーは、当業者に周知であるか、または容易に考えることができる。例には、マリミド(malimides)と組み合わせたヒドロキシルアミン、アミン、またはヒドラジドを含む二機能性リンカー、スクシミジルエステル、チオールヒドロキシルアミン、アミン、ヒドラジド等を含むが、これらに限定されない。
上記の反応スキーム1では段階的反応として書かれるが、場合によっては、ガラクトースオキシダーゼ−カタラーゼまたはガラクトースオキシダーゼ西洋ワサビペルオキシダーゼ酵素対を使用して酸化を行うときに、反応混合物に直接求核試薬を添加することが好ましい。このようなワンポット条件により、一方のタンパク質上のアルデヒド官能基の、他方のもののアミノ基(例えば、リジン残基中のイプシロンアミン)とのいずれの分子間のタンパク質タンパク質反応をも防止することができる。タンパク質間の分子内および分子間シッフ塩基(イミン)形成は、求核試薬との不完全な反応または問題のタンパク質の沈澱を生じ得る。また、アルデヒド官能性は、反応媒体に存在する求核試薬とすぐに反応することができるので、ワンポット条件により、ガラクトースオキシダーゼによって媒介されるいずれの過剰酸化の可能性も防げられる。タンパク質に対する求核試薬の濃度比は、問題のタンパク質および接合のために選択される求核試薬の型(例えば、ヒドロキシルアミン、ヒドラジド、アミン、その他)に依存し得る。最適条件は、実験によって見いだしてもよく、例えばタンパク質に対する求核試薬の濃度比のバリエーションを行ってもよく、溶液中などのタンパク質の全体的濃度のバリエーションを行ってもよい。
ガラクトースまたはN-アセチルガラクトサミン残基は、一般にシアリダーゼ(sialadase)で処理後に露出されるが、本発明は、任意の末端ガラクトース部分に対して、共有結合性に遅延基を結合するために使用することができる。1つの例は、ガラクトシルトランスフェラーゼの使用によって、グリカンに対して末端ガラクトース残基を付加することができ、このような末端ガラクトース残基を本発明によって記載されている技術によって修飾することができる。
遷延原理
本発明に記載されている方法により、特にタンパク質および糖タンパク質に対する広範な公知のクリアランス機構の選択に対処することができる。糖タンパク質のためのクリアランス法は、糸球体ろ過および腎クリアランス、血漿中に存在するプロテアーゼによるタンパク質分解性の分解、例えば肝臓におけるグリカン特異的受容体による認識、および抗体を媒介した免疫中和を含むが、これらに限定されない。
糸球体ろ過および腎クリアランス:
糸球体ろ過は、タンパク質のための重要なクリアランス経路である。糸球体ろ過は、一般にタンパク質のサイズおよび全体の荷電特性に関連があると考えられる。糸球体係蹄壁の基底膜は、負に荷電したプロテオグリカンで構成されるイオンフィルターであり、これは、中性血液成分、即ち水および尿素と、塩、ペプチド、およびタンパク質などの荷電した血液成分との間を区別することができる。
タンパク質表面上の電荷は、固定された、糸球体基底膜の負に荷電したヘパリン硫酸プロテオグリカンと相互作用することができる。負の表面電荷をもつタンパク質は、糸球体基底膜を構成する固定された負に荷電したヘパリン硫酸プロテオグリカンによって退けられる傾向があり、従って尿中に通過する可能性は少ない。例えば、負に荷電した西洋ワサビペルオキシダーゼの微小クリアランスは、0.061と推定される中性西洋ワサビペルオキシダーゼの微小クリアランスと比較して、0.007と推定された、(H.G. Rennke, Y. Patel, and M.A. Venkatachalam, Kidney Int. 13 1978 278-288)。
従って、表面電荷の変化は、糸球体ろ過の方にタンパク質感受性を向ける顕著な効果を有し得る。従って、一つの実施形態において、本発明に従って、タンパク質をノイラミニダーゼおよびガラクトースオキシダーゼで処理し、次いで1以上の正または負に荷電した部分を含む分子リガンドと反応させて、変更された表面電荷性質をもつタンパク質が生成される。
言及したとおり、タンパク質のサイズは、これが糸球体係蹄壁を通過する能力も決定する。より大きなタンパク質(例えば、50KDa以上の分子量をもつタンパク質)は、より小さなタンパク質と比較して腎クリアランスの傾向が低い。従って、所与のタンパク質サイズを増大することによって、腎臓クリアランスを最小化することによる循環半減期を増大してもよい。
従って、もう1つの実施形態において、本発明に従って、腎クリアランスを防止するために、タンパク質をノイラミニダーゼおよびガラクトースオキシダーゼで処理し、次いで反応体X、例えばPEGまたは1以上のデンドリマーなどの遅延基を含む、例えば求核試薬の形態と反応させ、かなりサイズが増大されたタンパク質が生成される。
デンドリマー:
以下の節には、適切な単量体保護および活性化ストラテジーを使用した、正確な数の単量体ビルディングブロックから成り立ち、固体支持体上または溶液中の何れかで任意の順位でオリゴマー形成された分枝重合体の新たなクラスを記載してある。
単量体の一般的構造
デンドリマーの単量体は、一般に、一般構造A-L2-C-(L3-B)
n(一般式I)の直鎖状または分枝の2、3、または4分岐したビルディングブロックであって、式中、Cは、A-L2のための付着部分として、並びにn数のL3-Bのための分子部分としての役割を果たし、式中L2およびL3は、両方ともリンカー部分である:
AおよびBは、両方とも、このような方法において選択される官能基であり、これらは共に、適切な条件下で共有結合を形成することができる。新たに形成された共有結合の性質は、AおよびBの選択に依存しており、以下を含むが、これらに限定されない:アミド結合、カルバメート結合、エステル結合、リン酸エステル結合、チオリン酸エステル・エステル結合、ホスホロアミダート、エーテル、およびチオエーテル結合。
Aは、以下から選択される(しかし、限定されない):COOH、COOR、OCOOR、OP(NR2)OR、OP(OR)2、COCl、COBr、OCOCl、OCOBr、CHO、Br、Cl、I、OTs、OMs、アルキン、
式中、Rは、アルキル、アリール、または置換されたアリールであり、
好ましくは、一般式Iの部分Aは、ペプチド上の、またはB型の何れかの求核試薬と反応するができる活性化された部分を表す。好ましくは、Aは、以下の基より選択される:
以下のものなどのアミノおよびヒドロキシ基と反応することができる官能基:
a) p-ニトロフェニルなどのカルボナート、またはスクシンイミジル;
b) カルボニルイミダゾールまたは塩化カルボニル;
c) インサイチューで活性化されるカルボン酸;
d) カルボニルハライド、N-ヒドロキシスクシンイミドエステルなどの活性化されたエステル、N-ヒドロキシベンゾトリアゾールエステル、1,2,3-ベンゾトリアジン-4(3H)-オンのエステル、
e) ホスホラミダイトおよびH-ホスホナート、または、
f) イソシアネートまたはイソチオシアナート。
Bは、NH2、OH、N3、NHR'、OR'、O-NH2、O-NHR'から選択してもよく、
式中R'は、以下を含む保護群であるが、これらに限定されない:
適切な(appripriate)保護基のその他の例は、当業者に公知であり、Green & Wuts “Protection groups in organic synthesis”, 3.ed. Wiley-interscienceに示唆が見いだされる。
好ましくは、一般式Iの部分Bは、好ましくはA型の求電子試薬と反応することができる保護された求核試薬部分を表す。好ましくは、Bは以下の群より選択される:
a) Fmoc保護アミノ基、
b) 遊離アミノ基、
c) アミノ基に還元することができるアジ化物、
d) アルキンと共に加わってトリアゾールを形成してもよいアジ化物、
e) O置換されたヒドロキシルアミン、
f) ヒドロキシル基、
g) DMT、MMT、またはトリチル保護されたヒドロキシル基。
本発明のその他の実施形態において、AおよびBの定義を交換して、下記参照に記載されているように、収束性アプローチによって分枝重合体構築を容易にしてもよい。
Cは、好ましくは親水性の、直鎖状(二価の有機ラジカル)または分枝の(多価の分枝有機ラジカル)リンカーの何れかである。これは、好ましくは、18まで、より好ましくは1〜10の間の炭素原子を含む多様に官能性をもたせたアルキル基を含む。幾つかの窒素、酸素、または硫黄などのヘテロ原子が、アルキル鎖に含まれていてもよい。また、アルキル鎖は、炭素、または窒素原子で分枝していてもよい。本発明の一実施形態において、Cは、単一の窒素原子である。
Cの例は、以下を含むが、限定されない:エチレン、アリーレン、プロピレン、エチレンオキシなどの二価の有機ラジカル、
またはプロパン-1,2,3-トリイル、ベンゼン-1,3,4,5-テトライル、1,1,1-窒素トリイル、または以下の構造を含むが、これらに限定されない多価の環状炭素などの多価の有機ラジカル:
である。
CはリンカーL2およびL3によってAまたはBから分離されていてもよく、これは好ましくは親水性である。このようなリンカーの例は、以下を含むがこれらに限定されない:
1,2-エタンジイル、1,3-プロパンジイル、1,4-ブタンジイル、1,5-ペンタンジイル、1,6-ヘキサンジイル、(CH2CH2O-)n、式中nは、0〜10の間の整数である、
-(CR1R2-CR3R4-O)n-、式中nは、0〜10の間の整数であり、R1、R2、R3、およびR4は、独立してH、Me、Et、Prであることができる。
((CH2)mO)n-、式中mは、..2、3、4、5、6であり、nは、0〜10の間の整数である。
しかし、Cは、対称(symetrically)であることは必要でない。
また、L2、T3、または両方とも、原子価結合であることができる。
好ましくは、L2およびT3は、水溶性有機二価ラジカルから選択される。従って1つの実施形態において、L2またはL3、または両方とも、約1〜5個のPEG(-CH2CH2O-)基を含む二価の有機ラジカルである。
一つの実施形態において、L2は、-オキシ-または-オキシメチル、およびL3は、(CH
2CH
2O-)
2である:
従って、1つの実施形態において、Aは、カルボキシル基であり、Bは、保護されたアミノ基であって、脱保護後に、そのカルボキシ基を経て同一形式の新たな単量体に結合してもよいはアミドである。
もう一つの実施形態において、Aは、ホスホラミダイトであり、Bは、適切な保護されたヒドロキシル基であり、これは、脱保護により、同一形式のその他の単量体に結合して亜リン酸三エステルを形成し、その後に酸化して安定なリン酸三エステルまたはチオリン酸三エステルを形成することができる。
さらにもう一つの実施形態において、Aはニトロフェニルカルバメートなどの反応性のカルボナートであり、Bは、好ましくはその保護型のアミノ基である。
さらにもう一つの実施形態において、Aは、COClまたはCOBrなどのハロゲン化アシルであり、Bは、好ましくはその保護型のアミノ基である。
特定の実施形態において、A-L2-C-(L3-B)
nは、
である。
特定の実施形態において、A-L2-C-(L3-B)
nは、
である。
特定の実施形態において、A-L2-C-(L3-B)
nは、
である。
特定の実施形態において、A-L2-C-(L3-B)
nは、
である。
樹状構造をもつ重合体の合成
分枝重合体は、一般に、発散アプローチおよび収束性アプローチと呼ばれる2つの基本的に異なるオリゴマー形成ストラテジーのうちの1つを使用して、上記した単量体から構築することができる。
発散アプローチによって分枝重合体の構築:
一つの実施形態において、分枝重合体は、合成サイクルの反復プロセスによって構築され、この場合、それぞれのサイクルでは、それ自体がさらに伸長(即ち、重合体増殖)することができる官能性末端基を含む適切に活性化された反応性の2、3、または複数分岐された単量体を使用する。官能性末端基は、通常、自己重合を防止するために保護する必要があり、このような場合は、更なる伸長に必要な官能性末端基を生じさせるために脱保護工程が必要とされる。反復プロセスにおいて、このような活性化された(反応性の)単量体を付加およびその後の脱保護のサイクルによってジェネレーションを完了する。発散アプローチは、図13を使用する溶液相化学において、および図12を使用する固相化学において、図示してある。
分枝重合体の収束性構築:
しかし、このような反復(itterative)プロセスにおいてより高い生成物質を達成するときには、官能性末端基の高充填密度が頻繁にあらわれ、これが更なる規則的な成長を妨げて、不完全な生成に至る。実際のところ、成長に多数の表面官能基の反応を必要とする全ての系では、それぞれの成長階段において全てが反応することを保証することは、困難である。反応していない官能性末端基は、段階的な成長配列の後期段階で不全配列(切断)または疑似反応性を生じる可能性があるので、これは、規則的モノ分散型および高度に組織化された分枝構造の合成において有意な問題を提起する。
従って、本発明の一つの実施形態において、分枝(樹状)重合体は、米国特許5,041,516号に記載されている収束性アプローチによって構築される。巨大分子を構築するための収束性アプローチは、発散アプローチと同様にそのコアで開始するのではなく、その周辺で最終分子を構築することを含む。これにより、典型的には累積的に多数の部位における反応と関連した不完全な共有結合の形成などの問題を回避する。
構築のための収束性アプローチ2ジェネレーション樹状材料を、本発明の単量体のうちの1つを使用する具体例を使用して、図10および図11において図示される。
個々の層におけるバリエーション
最終的な分枝重合体は、必要に応じて、その層またはジェネレーションの各々において、異なるタイプの単量体ビルディングブロックから成ってもよいことに留意することが重要である。それぞれの層に異なる単量体を使用して、注文通りの性質をもつ分枝重合体を作製することができる。その方法により、重合体および重合体-ペプチド接合体の全体的性質を制御することができる。
例えば、分枝重合体の全体的剛性を制御することに関心をもつことができる。最初の層に分岐した単量体に選択し、続いて1つまたは幾つかの層に直鎖状の単量体によって、少数の分枝および全体的に柔軟な構造をもつ重合体構造を作製することができる。他方で、それぞれの層に、3または4分岐したなどの高度に枝分れした単量体を繰り返し使用し、一方で直鎖状のあまり分枝していない任意の単量体を取り除いて、高密度かつ全体的に緻密な構造をもつ高分枝重合体を得ることができる。また、剛性は、特定の単量体のデザインによって、例えば強固なコア構造(C)を使用することによって、または強固なリンカー部分(L2、L3)を使用することによって、制御することができる。次いで、剛性の微調整または調整により、柔軟な性質の単量体と共に混在する1以上の特定の層に強固な単量体を使用することによって得ることができる。また、重合体の全体的親水性の性質を微調整することにも関心がもたれ得る。これは、1以上の樹状層において、より疎水性のコア構造(C)またはより疎水性のリンカー部分(L2およびL3)をもつ単量体を選択することによって実現化することができる。
また、最終ペプチド接合体が周囲環境に露出される分枝重合体の外層に異なる単量体を使用することが望ましいことが多い。本発明に記載されたくつかの単量体は、末端基(B)として保護されたアミン官能基を有し、脱保護工程後に、および生理的条件、即ち中性の生理的に緩衝されたpH約7.4下で、プロトン化されて、ポリカチオン的に荷電された全体構造を生じる。このようなポリカチオン構造は、動物試験において有毒であることが証明されており、これらは、一般に血液循環系から迅速にクリアされるにもかかわらず、これらは、いずれの薬学的状況においても回避されるべきである。最終層を作製するために使用される単量体を慎重に選択することによって、ポリカチオン構造を回避することができる。図14に図示したとおりの1つの例は、樹状構造の最終層を被覆するためにMe(Peg)2CH2COOH酸を使用し、さもなければアミンで終了する。
一方では、ポリ陰イオン性生体高分子は、例えば天然に存在する糖タンパク質において周知であり、これは、一般にこれらのN-グルカンのアンテナ構造上の終結基として複数の陰イオン性の荷電したシアル酸を有する。さらに、本発明に従って、および最終層を作製するために使用する単量体の適当な選択によって、このようなグルカンは、これらのポリ陰イオン性の性質に関して真似ることができる。一つのそのような例を図15に示してあり、この場合、樹状層がコハク酸モノtertブチルエステル(estes)で被覆されており、酸での脱保護により、生理学的条件下で負に荷電した重合体表面を与える。
固相オリゴマー形成
単量体の重合体への構築は、N.J. Wells, A. Basso and M. Bradley in Biopolymers 47, 381-396によって記載されたとおりの固体支持体上か、または米国特許第5,041,516号にFrechet et al.によって記載されたとおりに、古典的な溶液相化学によって適切な有機溶媒中か、何れかで行ってもよい。
従って、本発明の一つの実施形態において、分枝重合体は、上記および図12に例示したとおりに、反復性発散プロセスにおいて、適切な結合で誘導体化された固体支持体上で構築される。FmocまたはBoc保護アミノ基(B)および反応性の官能基のアシル化部分(A)でデザインした単量体については、便利には、従来のペプチド合成のために有用な固相プロトコルを適応することができる。文献に記載されたものなどの、適切な標準的固相法(Fields, ed., Solid phase peptide synthesis, in Meth Enzymol 289を参照されたい)を適切なプログラム可能な装置(例えばABI 430A)もしくは同様のホーム構築機(home build machines)を使用することによって、または手動で支持体の分離および洗浄をするための標準的な濾過技術を使用して、何れかで行うことができる。
例えばDMT保護されたアルコール基(B)、および例えば反応性ホスホラミダイト(A)をもつ単量体については、便利には、Applied Biosystems Expidite 8909などの標準的なオリゴヌクレオチド合成のために使用される固相装置およびM. Dubber and J.M.J. Frechet in Bioconjugate chem. 2003, 14, 239-246によって最近記載されているものなどの条件を適用することができる。従来のホスホラミダイト法に従ったこのようなリン酸ジエステルの固相合成では、中間体亜リン酸三エステルがリン酸三エステルに酸化されることが必要である。この種の固体支持体酸化は、便利には、不活性な有機溶媒中でヨウ素を使用して達成され、保護基の有無にかかわらず、単量体がヨウ素酸化に耐性であることが必要である。また、ホスホラミダイト法は、元素硫黄のピリジンまたは3H-1,2-ベンゾジチオール-3-オン-1,1-ジオキシドなどの有機チオール化試薬溶液中でのヨウ素の単純な置換によって、チオリン酸エステルの簡便な合成ができる(例えばM. Dubber and J.M.J. Frechet in Bioconjugate chem. 2003, 14, 239-246を参照されたい)。
樹脂に付着された分枝重合体は、完全なときには、適切な条件下で樹脂から隔離することができる。成長する重合体と固体支持体との間を切断できるリンカーは、これが、個々の合成サイクルに使用されるいずれの脱保護工程、酸化、または減少工程をも含む個々の単量体のオリゴマー形成プロセスの間に無傷のままであるが、望まれるときに適切な条件下で最終分枝重合体を無傷のままで切断して話す離すことができるような方法で選択することが重要である。当業者であれば、問題の単量体に応じて、リンカーおよび支持体、並びにオリゴマー形成プロセスのための反応条件、脱保護プロセス、および任意に酸化プロセスの適切な選択を行うことができる。単量体ユニットを付着させることができ、かつそれ以後に切断可能な部分として作用する適切な官能基で誘導体化された樹脂は、商業的に入手可能である(例えば、Bachem and NovoBiochemのカタログを参照されたい)。
その他の本発明の実施形態において、分枝重合体は、後述するように、切断によって、その後の溶液相接合プロセスにおいて付着基としてペプチドに対して直接作用することができる官能基と共に供給される分枝重合体生成物を生じるか、または代わりに適切な化学的手段によって、このような付着基に変換することができる適切なリンカーをもつ樹脂上で合成される。
溶液相オリゴマー形成
場合によっては、古典的な溶液相技術を使用して、一定のサイズおよび組成物の樹状分枝重合体を合成することも有利であり得る。
従って、本発明のもう一つの実施形態において、成長する重合体に対して適切な活性化された単量体を経時的に付加することによって、分枝重合体が適切な溶媒中で構築される。それぞれの添加の後、次の層またはジェネレーションの構築を開始し得る前に脱保護工程が必要であってもよい。完全な反応を達成するためには、過剰の単量体を使用することが望ましい。本発明の一つの実施形態において、過剰な単量体の除去は、ジエチルエーテルまたは同タイプの溶媒に親水性ポリマーが難溶解性であるという事実を利用する。従って、成長する重合体が沈殿されて、過剰の単量体、カップリング試薬、バイプロダクト(biproducts)その他が溶液に残る。次いで、単純なデカンテーションによって、より好ましくは遠心分離に続くデカンテーションによって、相分離を行うことができる。また、重合体は、例えばシリカゲル上での従来のクロマトグラフィー技術によって、またはP.R. Ashton et al. J.Org.Chem. 1998, 63, 3429-3437に記載されているように正常または逆相条件の何れかの下でHPLCもしくはMPLC系を使用することによって、バイプロダクトから分離することができる。あるいは、想到に(considerbly)大きな重合体は、サイズ排除クロマトグラフィーを使用して、任意にE.R.Gillies and J.M.J. Frechet in J.Am.Chem.Soc. 2002, 124, 14137-14146に記載されているように透析と組み合わせて、過剰な単量体およびバイプロダクトなどの低分子成分から分離することができる。
固相法とは対照的に、溶液相でも、これを上記およびさらにS.M.Grayson and J.M.J.Frechet, Chem.Rev. 2001,101,3819-3867に概説されたとおり、分枝重合体の構築のための収束性アプローチに使用することができる。このアプローチでは、単量体で合成を開始することが望ましく、この場合、最初に保護された官能性末端基(B)が、最終的に最終分枝重合体の外面に存在する部分に変換される。従って、一般式Iの官能性部分(A)は、殆どの場合、末端基(B)の段階的な化学物質操作が可能な適切な保護を必要とする。官能性部分(A)のための保護基は、実際の官能基に依存する。例えば、一般式IのAが、カルボキシル基である場合、TFAによって除去することができるtert-ブチルエステル誘導体が、適切な選択肢となるであろう。適切な保護基は、当業者に公知であり、その他の例は、Green & Wuts “Protection groups in organic synthesis”, 3.ed. Wiley-interscienceに見いだされる。分枝重合体の収束性構築は、図10および図11に例示してある。図10の工程(i)において、tert-ブチルエステル官能性(A)は、t-ブチルα-ブロモ酢酸と適切な前駆体の反応によって調製される。工程(ii)では、末端基(B)を、カルボン酸でこれらを工程(iii)のアシル化が可能にして、工程(iv)においてハロゲン化アシルに変換されるような方法で操作する。工程(v)では、t-ブチルエステル官能性(A)を除去して末端(B)キャップされた単量体を作製する。この末端キャップされた単量体は、図11の第二ジェネレーションの生成物を調製するための出発原料として役立ち、この場合、2つの同等物が、図10の工程(ii)の生成物とのアシル化反応に使用される。この反応の生成物は、新たなt-ブチルエステルであり、脱保護後に、反復(itterative)法で図11の初期工程に再び戻ってより高いジェネレーション材料を生じることができる。
ペプチドおよびタンパク質に対する接合
分枝重合体に対する付着部分
溶液中のペプチドに対してポリマー分子の共有結合を行うためには、重合体を反応性のハンドルと共に提供されなければならない、即ち、反応性の官能基(その例は、一級アミノ基、ヒドラジド、ヒドラジド、βおよびγアミノチオール、またはヒドロキシルアミンを含み、例示によるものであり、限定されない)と共に供給されなければならない。
前述のものなどの分枝重合体上の適切な付着部分は、重合体を従来の溶液相化学または固相化学を使用して構築した後に作製してもよい。カルボン酸基を含む分枝重合体上の求核性付着部分を作製する方法についての非限定の例を、図16に一覧を記載されたである。
活性化された分枝重合体の一つまたは複数を、本発明による標準的な化学反応によって生物学的に活性なポリペプチドに付着することができる。接合体は、一般式IIによって表される:
(分枝重合体)z−L4 (ポリペプチド)
(式II)
式中、(分枝重合体)は、水溶性の、実質的に一般式Iに従った単量体からなる非抗原性の重合体であり、L4は、本質的に一般式IのL2およびL3に関して定義された連結部分であり、(z)は、整数≧1であり、生物学的に活性なポリペプチドに接合された分枝重合体の数を表す。(z)の上限は、ポリペプチド上の利用できる付着点の数、および当業者によって調査された重合体付着の程度によって決定される。
接合の程度は、前述のように、周知の技術を使用して反応化学量論(stoiehiometry)を変化させることによって修飾することができる。ポリペプチドに接合された複数の分枝重合体は、化学量論的に過剰な活性化された重合体をポリペプチドと反応させることによって得ることができる。
生物学的に活性なポリペプチドは、ポリペプチドのpH要求に応じて、緩衝化することができる水性反応媒体中で活性化された分枝重合体と反応させることができる。反応のための最適pHは、大部分のポリペプチドについては一般に約6.5〜約8の間、好ましくは約7.4である。
ポリペプチド安定性、反応効率、その他についての最適反応条件は、当該技術分野の当業者のレベルの範囲内にある。好ましい温度領域は、4℃〜37℃の間である。反応培地の温度は、ポリペプチドが変性するか、または分解する可能性のある温度を上回ることができない。ポリペプチドは、過剰の活性化された分枝重合体と反応させることが好ましい。反応に続いて、接合体を、ダイアフィルトレーション、サイズ排除クロマトグラフィーを含むカラムクロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、親和性クロマトグラフィー、電気泳動法、またはこれらの組み合わせ等によって回収し、精製した。
本発明に含まれる適切な保護された単量体の具体例は:
一般式Ia−直鎖状単量体(A-L2-C-L3-B):
一般式Ib−二分基単量体(A-L2-C-(L3-B)
2):
一般式Ic−Trifurcated単量体(A-L2-C-(L3-B)
3):
タンパク分解性遮蔽:
治療薬としてタンパク質およびペプチドを使用するときの重大な問題は、これらが血漿中に存在するプロテアーゼによるタンパク分解性分解に対して感受性なことである。分解は、傷害性または異常なポリペプチドの除去において明らかな役割を果たすだけでなく、正常タンパク質およびペプチドの半減期にも影響を及ぼし、個体の代謝回転速度は、ペプチド配列、構造、および、タンパク質の場合には表面特性に強く依存し得る。
タンパク質分解に対する遮蔽効果は、構造的または経時的な因子だけではなく、全体の疎水性または全体の電荷特性などの全体的な生物物理学的因子に依存する。
従って、タンパク質の全体の電荷特性のわずかな変化さえも、血清中のプロテアーゼを媒介したタンパク質分解に対して効果を有し得る。例えば、生理的条件下で荷電されている部分を組み込むことによる、糖タンパク質のグリカン部分におけるこのような変化も本発明に含まれる。
生理学的条件下で負に荷電される部分の非限定の例は、カルボン酸、スルホン酸、ホスホン酸、リン酸、ホスホロアミダート等を含む。生理学的条件下で正に荷電される部分の非限定の例は、一級、二級、三級、および四級アミノ基、グアニジン、およびピリジン、イミダゾール、キノリン、その他などの複素環を含む。
従って、本発明の一つの実施形態において、血清プロテアーゼに対して増強された安定性をもつ修飾された糖タンパク質を作製するために、本発明に従ってシアリダーゼ(任意に)およびガラクトースオキシダーゼで処理した糖タンパク質を、生理学的条件下で正または負に荷電した部分を含む求核試薬と反応させる。タンパク質分解性分解に対する安定性を増大することができるその他の変形例は、長鎖アルカンおよびポリ芳香族(polyaromates)などの疎水性側鎖の付着または例えばポリエチレングリコール(PEG)などの大きな親水性ポリマーの付着を含む。
アルブミン結合材の付着
あるいは、アルブミンなどの血清タンパクと結合するリガンドを、本発明に記載されている手順を使用して治療的糖タンパク質のグリカン部分に接合してもよい。これにより、糖タンパク質は、このような方法で修飾されたときに、例えばアルブミンに特異的な非共有結合型複合体を形成することができ、これは、全体のサイズにより、糸球体ろ過を逃れることができる。従って、非共有結合型複合体は、糖タンパク質対応物の生物活性を減少させる可能性があり;生物活性を保持するために、リガンドの親和性を、選択される特定の血清タンパクに合わせることが望ましい。
従って、本発明の別の実施形態において、本発明によるガラクトースオキシダーゼで処理した糖タンパク質を、ヒト血清アルブミンまたは二酸またはリトコール酸と結合することができる長鎖脂肪酸残基(例えば、C12、C14、C16、またはC18)を含む反応体X(例えば求核試薬の形態のもの)と反応させる。
本発明の他の実施形態では、本発明によるガラクトースオキシダーゼで処理した糖タンパク質を、免疫グロブリンなどの長い循環半減期を有するタンパク質の一部を含む反応体X(例えば求核試薬の形態のもの)と反応させる。特定の実施形態において、糖タンパク質をIgGのFcドメインを含む反応体X(例えば求核試薬の形態のもの)と処理する。
エピトープの遮蔽−糖特異的な認識プロセス阻害:
哺乳類糖タンパク質は、少糖鎖の外部(末端)残基として、N-アセチルノイラミン酸(シアル酸)を有することが多く、これは、N連結されていてもよく、またはOを連結されていてもよい(Osawa and Tsuji(1987)Ann. Rev. Biochem. 56:21を参照されたい)。オリゴ糖の性質が、循環からのクリアランスの一次決定因子である場合には、一般に、除去される末端シアル酸残基をもつ糖タンパク質(アシアロ糖タンパク質)は、これらの無処理の対応物よりも急速にクリアされる。循環糖タンパク質は、末端シアル酸残基を除去することができるシアリダーゼ(またはノイラミニダーゼ)に露出される。典型的には、シアル酸の除去により、ガラクトース残基が露出し、これらの残基が認識されて、肝細胞のガラクトース特異的な受容体によって結合される(Ashwell and Harford(1982)Ann. Rev. Biochem. 51:531に概説されている)。また、肝臓は、循環からの糖タンパク質の除去を媒介するその他の糖特異的受容体を含む。また、このような受容体の特異性は、Nアセチルグルコサミン、マンノース、フコース、およびホスホマンノースを含む。肝細胞のガラクトース受容体によってクリアされる糖タンパク質は、実質的に分解を受け、次いで胆汁に入り;星細胞のマンノース受容器によってクリアされる糖タンパク質は、網内系に入る(Ashwell and Harford 10(1982)Ann. Rev. Biochem. 51:53に概説されている)。アシアロ-セルロプラスミンおよび誘導体での研究は、ガラクトース残基がガラクトースオキシダーゼおよび西洋ワサビペルオキシダーゼおよびアシアロガラクト-セルロプラスミンでの処理によって酸化されたアシアロ-セルロプラスミンが、アシアロ-セルロプラスミンと比較して延長された循環半減期を示したことを示した(Morell et al.(1968)J. Biol. Chem. 243:155)。ガラクトース受容体による効率的な除去は、少なくとも2つの露出されたガラクトース残基で必要なように見える。シアル酸付加が循環からのクリアランスの重要な決定因子である糖タンパク質、およびシアル酸付加がクリアランスに対して役割を分担していないか、またはオリゴ糖がクリアランスにおいて比較的微々たる役割を果たす糖タンパク質の前述の引用例から、循環している特定の糖タンパク質の運命およびクリアランスのためのその明らかな機構は、殆どが経験的に決定されるものと結論づけることができる。
半減期の増大を生じる修飾は、ガラクトース受容体に対する修飾された糖タンパク質の結合が阻害またはブロックされるように、ガラクトース残基の露出、続くガラクトースの酸化または誘導体化によるものを含むが、これらに限定されない。従って、本発明の一つの実施形態において、本発明に従ったガラクトースオキシダーゼ処理した糖タンパク質が、グリカン特異的受容体認識を防げる立体部分を含む求核試薬と反応される。
一つの実施形態は、可溶性タンパク質または可溶性タンパク質誘導体のオリゴ糖側鎖の末端シアル酸残基が、ノイラミニダーゼ処理で除去され、次いで露出されたガラクトース残基が、ガラクトースオキシダーゼ(任意に西洋ワサビペルオキシダーゼ処理も)によって酸化されたものである。露出されたガラクトース残基の酸化は、肝臓の特異的ガラクトース受容体による循環からの修飾された糖タンパク質の迅速なクリアランスを防げる効果を有する。末端ガラクトース残基のその他の構造修飾(官能基もしくは小分子の付加、またはブロッキングの効果を有する軽度の酸化処理、生物活性を破壊することなく末端ガラクトース残基の認識を阻害または防止することを含むが、これらに限定されない)は、機能的に同等であることが理解される。
本発明に従って作製される修飾された糖タンパク質は、肝臓の糖特異的受容体を介したクリアランスをブロックまたは阻害することによって、腎クリアランスを減少させることによって、またはタンパク質加水分解性の分解を最小にすることによって、循環半減期の延長を生じる、糖タンパク質のオリゴ糖部分の構造的な変化(修飾)を含む。糖タンパク質の生物活性を実質的に減少させる修飾は、回避される。
好ましくは、糖タンパク質は、組換え哺乳類宿主において合成される。オリゴ糖の構造変更を生じる化学物質および酵素処理により、その生物学的標的タンパク質に対する糖タンパク質の結合反応を実質的に変更するべきではない。本発明の修飾された糖タンパク質の循環半減期は、ヒトにおいて少なくとも24時間などの4〜48時間(または、ラット動物モデルでの測定により、少なくとも約6時間などの少なくとも約2〜12時間)であることが好ましい。循環半減期を延長するためのオリゴ糖の構造修飾は、目的を達成する最も保存的な構造変化であることが最も好ましい。当該技術分野において理解される多様な化学的誘導体化手順または化学的および/または酵素的手順性を、本発明の修飾された糖タンパク質を生成するために使用してもよい。
本発明に従って作製されるいずれの修飾された糖タンパク質も、修飾された糖タンパク質に露出されたヒト患者において免疫応答が誘導されないことが最も望ましい。また、生物学的活性は、その活性が有意に減少されて、循環の延長を与えるために使用される構造修飾による糖タンパク質の治療的機能に対して有害な影響を及ぼさないことが必要である。また、糖タンパク質のいずれの構造修飾も、その修飾された糖タンパク質が投与される患者において毒性を生じないことが最も望ましい。明らかであるが、治療に使用するための修飾された糖タンパク質は、ヒトに投与することによる中毒性、刺激性、またはその他の副作用を最小にすべきである。従って、特定の糖タンパク質の循環を延長するためのストラテジーは、個別に評価しなければならない。
ガラクトースのC6位の化学修飾または誘導体化により、半減期を最大にし、生物学的機能に有意な影響を及ぼすことなく、かつネガティブな生理的反応を誘導することのなく、クリアランスを最小化することが好ましく;最小かつ穏やかな処置が好ましい。本発明に従って糖タンパク質のオリゴ糖部分に付加してもよい官能基またはその他の構造修飾分子は、単一のメチル基から、例えばポリエチレングリコールなどのより大きな重合体の基までのサイズの任意の化学基を含む。糖タンパク質の生物活性を実質的に減少させる修飾は、回避される。
一般に、最も評価されているクリアランスのための機構、またはクリアランスを緩徐化または回避するためのストラテジーは、所望の生物活性または機能の維持、潜在毒性、潜在的免疫原性、および費用を考慮しなければならない。
所望の治療作用がこれらの分子によって達成される限り、およびタンパク質分解によるか、または腎クリアランスによる糖特異的受容体を媒介するクリアランスによるクリアランスが、前記糖タンパク質になされる修飾によって阻害されるか、もしくは防げられる限り、均一に修飾された糖タンパク質は、治療的組成物に組み込んでもよく、または修飾された糖タンパク質の混合物はこのような組成物中に処方してもよい。従って、本方法論は、一般に腎クリアランス、糖特異的受容体、または血清中に存在するプロテアーゼによって循環から消去される治療的糖タンパク質に適用できる。当業者であれば、同じかまたは同等の結果を得るために、および本明細書に記載されている目標を達成するために、本明細書に具体的に記載されているもの以外のアッセイ法、試薬、手順、および技術を使用することができることが直ちに明らかであろう。例えば、シアル酸の除去による酸化の化学的手段は、具体的に記載されている酵素の手段と容易に置き換えることができる。全てのこのような変形例は、本発明の趣旨および範囲内に包含される。
本発明の一つの実施形態において、無修飾誘導体と比較して増大された血漿半減期をもつ修飾された可溶性糖タンパク質誘導体が生成される。糖タンパク質の循環半減期の増大は、一般にガラクトース、マンノース、もしくはその他の糖特異的受容体によって、もしくは腎クリアランス、タンパク質分解性の分解、もしくは免疫学的中和を阻害する手段によって糖タンパク質の除去をブロックまたは阻害する手段によって達成される。
従って、もう一つの実施形態において、双アンテナの(antennary)N-グルカンを含むタンパク質を本発明に従ってシアリダーゼ、ガラクトースオキシダーゼおよび過酸化水素スカベンジャ(例えば、カタラーゼ)と反応させて、生じるタンパク質生成物をO-ペグ化されたヒドロキシルアミンで処理して腎臓クリアランスが減少されたグリコール-糖接合体が生成される。
もう一つの実施形態において、本発明に従って調整されたガラクトース酸化された糖タンパク質をO-カルボキシメチル・ヒドロキシルアミンで反応させて、いずれのシアリダーゼ易動性ノイラミン酸も伴わずに、野生型糖タンパク質と同様の等電点特性を持つ糖タンパク質が生成される。
さらにもう一つの実施形態において、本発明に従って調製されたガラクトース酸化された糖タンパク質をO-ジエチルアミノエチルヒドロキシルアミンと反応させて、肝臓のレクチン受容体に対して変更された結合特性をもつ糖タンパク質が生成される。
一つの実施形態において、糖タンパク質をシアリダーゼと、続いて任意にガラクトースオキシダーゼおよび求核試薬によって反応させて、無修飾糖タンパク質と比較して腎クリアランスが減少された糖接合体が生成される。これらの一つの実施形態において、生成された糖接合体は、無修飾糖タンパク質と比較して、少なくとも50%の腎クリアランスの減少を有する。これらのもう一つの実施形態において、生成された糖接合体は、無修飾糖タンパク質と比較して少なくとも100%の腎クリアランスの減少を有する。
もう一つの実施形態において、糖タンパク質をシアリダーゼと、続いて任意にガラクトースオキシダーゼおよび求核試薬によって反応させて、無修飾糖タンパク質と比較して、アシアロ糖蛋白レセプタに対する結合が減少した糖接合体が生成される。
もう一つの実施形態において、糖タンパク質をシアリダーゼと、続いて任意にガラクトースオキシダーゼおよび求核試薬によって反応させて、無修飾糖タンパク質と比較して、マンノース受容体に対する結合が減少した糖接合体が生成される。
もう一つの実施形態において、糖タンパク質をシアリダーゼと、続いて任意にガラクトースオキシダーゼおよび求核試薬によって反応させて、無修飾糖タンパク質と比較して、肝臓におけるクリアランスが減少した糖接合体が生成される。これらの一つの実施形態において、生成された糖接合体は、無修飾糖タンパク質と比較して、少なくとも50%の肝臓クリアランスの減少を有する。これらのもう一つの実施形態において、生成された糖接合体は、無修飾糖タンパク質と比較して、少なくとも100%の肝臓クリアランスの減少を有する。
もう一つの実施形態において、糖タンパク質は、無修飾糖タンパク質と比較して増大された血清安定性で糖接合体を生成するためにガラクトースオキシダーゼおよび求核試薬によって続かれるシアリダーゼで、任意に反応を起こす。
もう一つの実施形態において、糖タンパク質をシアリダーゼと、続いて任意にガラクトースオキシダーゼおよび求核試薬によって反応させて、無修飾糖タンパク質と比較して、動物モデルにおける循環半減期か増大された糖接合体が生成される。これらの一つの実施形態において、生成された糖接合体は、無修飾糖タンパク質と比較して、動物モデルにおいて100%の増大された循環半減期を有する。
一つの一連の実施形態において、本発明に従って調製されたガラクトース酸化された糖タンパク質が、脂肪酸(例えば、C5-C24)に接続された求核試薬と反応される。脂肪酸は、リンカー部分を介して求核試薬に接続することができる。リンカー部分は、求核試薬に対して脂肪酸を接続するようにデザインされた単純な構造か、またはこれは、本実施形態のインビボ特性を増強する官能基を含んでいてもよい(例えば、カルボン酸、アミン、アルコール、その他)。
もう一つの一連の実施形態において、本発明に従って調製されたガラクトース酸化された糖タンパク質が、脂肪族二酸(例えば、C5-C24)に接続された求核試薬と反応される。脂肪族二酸は、リンカー部分を介して求核試薬に接続することができる。リンカー部分は、求核試薬に対して脂肪族二酸を接続するようにデザインされた単純な構造か、またはこれは、本実施形態のインビボ特性を増強する官能基を含んでいてもよい(例えば、カルボン酸、アミン、アルコール、その他)。
もう一つの一連の実施形態において、本発明に従って調製されたガラクトース酸化された糖タンパク質が反応体X(例えば求核試薬の形態のもの)と反応されて、これがアルブミン様の血清タンパクと結合する建造物に対して接続される。血清タンパクと結合する建造物は、リンカー部分を介して求核試薬に接続することができる。リンカー部分は、求核試薬に対して脂肪族二酸を接続するようにデザインされた単純な構造か、またはこれは、本実施形態のインビボ特性を増強する官能基を含んでいてもよい(例えば、カルボン酸、アミン、アルコール、その他)。
もう一つの一連の実施形態において、本発明に従って調製されたガラクトース酸化された糖タンパク質が反応体X(例えば求核試薬の形態のもの)と反応されて、これが循環から糖タンパク質を除去し得る受容体(例えば、アシアロ糖タンパク質受容体およびマンノース受容体)に対する結合からグリカンを阻害する構造(例えば、シアル酸誘導体)に接続される。
もう一つの一連の実施形態において、糖タンパク質が、最初に一連の酵素、例えばノイミダーゼ(neuramidases)、ガラクトシダーゼ、マンノシダーゼ、エンドH、およびエンドF3で連続的に、またはエンドHまたはエンドF3によって直接処理されて、グリカン構造の一部が除去される(例えばK. Witte et al. J. Am. Chem. Soc., 119, 2114(1997)を参照されたい)。次いで、ガラクトシルトランスフェラーゼおよび適切なガラクトース基質を使用することによって、新たな末端にガラクトース部分を付加することができ、またはガラクトシルトランスフェラーゼを使用する前に、種々の糖鎖基質をもつ一連のトランスフェラーゼを使用してもよい。次いで、新たなグリカン構造を酸化して、発明によって記載されている求核試薬と反応させることができ、こうして、代わりのグリカン構造とその治療的な性質を改善するガラクトース修飾とをもつ糖タンパク質が生じる。
本発明に従った接合に適した糖タンパク質
遅延基と接合されたペプチドは、「生物学的に活性」なものとして記載されている。しかし、本用語は、生理的または薬理学的に活性であることに限定されない。例えば、免疫グロブリン、タンパク質分解性の活性をもつ酵素などのタンパク質を含む幾つかの本発明の重合体の接合体は、また、研究室診断法として、即ちインビボ研究などのために有用である。全ての接合体の重要な特徴は、無修飾の生物活性なペプチドと関連した活性の少なくとも同じ一部が維持されていることである。
従って、接合体は、生物学的に活性で、多数の治療的適用がある。生物活性ペプチドを含む治療を必要とするヒトは、所望の生理活性ペプチドを含む分枝重合体接合体の有効な量を投与することによって治療することができることをする。例えば、酵素補充療法または血液因子を必要とするヒトは、所望のペプチドを含む分枝重合体接合体を与えることができる。
本発明の関心対象の生物活性ペプチドは、タンパク質、ペプチド、ペプチド、および酵素を含むが、これらに限定されない。関心対象の酵素は、糖鎖特異的酵素、タンパク質分解酵素、オキシドレダクターゼ、トランスフェラーゼ、加水分解酵素、リアーゼ、イソメラーゼ、およびリガーゼを含む。特定の酵素に限定されないが、関心対象の酵素の例は、アスパラギナーゼ、アルギナーゼ、アルギニン・デアミナーゼ、アデノシンデアミナーゼ、スーパーオキシドジスムターゼ、エンドトキシダーゼ(endotoxinases)、カタラーゼ(cataiases)、キモトリプシン、リパーゼ、ウリカーゼ、アデノシンジホスファターゼ、チロシナーゼ(tyrasinases)、およびビリルビンオキシダーゼを含む。関心対象の糖鎖特異的酵素は、グルコースオキシダーゼ、グリコシダーゼ、グルコセレブロシダーゼ、グルコウロニダーゼ(glucouronidases)などを含む。
グリコシルトランスフェラーゼを使用してLi Shao et all. Glycobiology 12(11)762-770(2002)に記載されているように酵素的に、または例えば標準的なペプチド化学およびNガラクトシル化されたアスパラギンなどのグリコシル化されたアミノ酸成分を使用することによって化学的に合成された、グリカン部分を含まないペプチドおよびタンパク質をグリコシル化することができる。
あるいは、グリコシル化部位は、通常インビボでこれらの非グリコシル化形態で生成されるタンパク質またはペプチド内に設計してもよい。例えば、EGFリピート内のコンセンサス配列Cys-XXX-Ser-XXX-Pro-Cysの挿入により、UDP-グルコースおよびグルコシルトランスフェラーゼを使用して、選択的なセリンのO-グリコシル化が可能でありLi Shao et all. Glycobiology 12(11)762-770(2002)、一方で、コンセンサス配列Asn-XXX-Ser/Thrでは、N-グリコシル化が可能である R.A. Dwek、Chem. Rev. 1996、96、683-720。また、スレオニンまたはセリンを含むペプチド配列は、UDP-GalNAc:ポリペプチドN-アセチルガラクトサミニルトランスフェラーゼ、およびUDP-GalNAcの存在下において、配列依存的な様式でグリコシル化を受ける(例えばB.C. O’Connell, F.K.Hagen and L.A. Tabak in J. Biol. Chem. 267(35), 25010-25018(1992)を参照されたい)。あるいは、D.P. Gamblin et al. in Angew. Chem.Int. Ed., 43, 828(2004)によって記載されているように、混合されたジスルフィド形成を経て糖構造を含むガラクトースまたはガラクトースを導入するのために、システイン突然変異を導入する部位定方向突然変異誘発を使用することができる。また、ガラクトースまたはN-アセチルガラクトサミンを含むペプチドおよびタンパク質は、P.G. Schultz in J.Am.Chem.Soc, 125, 1702(2003)によって記載されている方法などの非生体(non-biogenical)処理を含むタンパク質またはペプチドに対して接合することによって、または非特異的に、トリクロロアセトアミジルガラクトシドなどのグリコシル供与体基質を使用するペプチドの直接のグリコシル化によって作製することができる。また、ガラクトースまたはN-アセチルガラクトサミンを含むタンパク質を得るため、並びにTGaseを使用するグルタミン残基の酵素修飾のために、米国4925796A/米国5272066A1に記載されているように、発酵培養に対してグリコシダーゼ阻害剤を添加することにより、切断型のグリカン構造をもつ糖タンパク質を生成することもできる(例えばM. Sato et al. Angew. Chem. Int. Ed. 43、1516-1520、(2004)を参照されたい)。Nグリコシル化されたタンパク質の生成は、CHOまたはBHK細胞などの哺乳動物宿主細胞の使用に限定されず、M. Wacker et al. in Science, 298, 1790-1793(2002)によって記載されている細菌細胞を使用して行うこともできる。
関心対象のタンパク質およびペプチドは、ヘモグロビン、第VII、FX、FII、FV因子、プロテインC、プロテインS、tPA、PAI-1、組織因子、FXI、FXII、およびFXIII、並びに配列FVIII、FIX、これらの変異体を含む血液因子などの血清タンパク;免疫グロブリン、インターロイキン、α-、β-、およびγ-インターフェロンなどのサイトカイン、顆粒球コロニー刺激因子を含むコロニー刺激因子、血小板由来成長因子、およびホスホリパーゼ活性化タンパク質(PUP)を含むが、これらに限定されない。一般的な生物学的および治療的な関心対象のその他のタンパク質およびペプチドは、インスリン、レクチンおよびリシンなどの植物タンパク質、腫瘍壊死因子および関連した対立遺伝子、腫瘍壊死因子受容体の可溶性形態、インターロイキンレセプタおよびインターロイキン受容体の可溶性形態、TGFaまたはTGFps、および上皮細胞成長因子などの組織成長因子などの成長因子、ホルモン、ソマトメジン、エリスロポエチン、色素ホルモン、視床下部放出因子、抗利尿ホルモン、プロラクチン、絨毛性腺刺激ホルモン、卵胞刺激ホルモン、甲状腺刺激ホルモン、組織プラスミノーゲンアクティベーターなどを含む。関心対象の免疫グロブリンは、IgG、IgE、IgM、IgA、IgD、およびこれらの断片を含む。
本発明の一つの実施形態において、糖タンパク質は、以下からなる群より選択される:アプロチニン、組織因子経路阻害剤、もしくはその他のプロテアーゼ阻害剤、インスリンもしくはインスリン前駆体、ヒトもしくはウシ成長ホルモン、インターロイキン、グルカゴン、オキシントモジュリン(oxyntomodulin)、GLP-1、GLP-2、IGF-I、IGF-II、組織プラスミノーゲンアクティベーター、トランスフォーミング成長因子γもしくはβ、血小板由来増殖因子、GRF(成長ホルモン放出因子)、ヒト成長因子、免疫グロブリン、EPO、TPA、プロテインC、FVII、FVIII、FIX、FX、FII、FVなどの血液凝固因子、プロテインC、プロテインS、PAI-1、組織因子、FXI、FXII、およびFXIII、exendin-3、exentidin-4、並びに酵素またはこれらの機能的な類似体。本状況において、「機能的な類似体」という用語は、天然のタンパク質と同様の機能をもつタンパク質を示すことを意味する。タンパク質は、天然のタンパク質と構造的に同様でもよく、天然のタンパク質のCおよびN末端の何れかもしくは両方に対する1以上のアミノ酸の付加、天然のアミノ酸の1つまたは多くの異なる部位での1以上のアミノ酸の置換、天然のタンパク質の何れかもしくは両方か、またはアミノ酸配列の1つもしくは幾つかの部位での1以上のアミノ酸の欠失、または天然のアミノ酸配列の1つもしくは複数の部位での1以上のアミノ酸の挿入によって天然のタンパク質から誘導してもよい。さらに、タンパク質は、1以上の位置においてアシル化してもよく、国際公開公報第98/08871号(これはGLP-1およびこれらの類似体のアシル化を開示する)および国際公開公報第98/08872(これは、GLP-2およびこれらの類似体のアシル化を開示する)を参照されたい。アシル化されたGLP-1誘導体の例は、位置26のLys残基のイプシロン-アミノ基がテトラデカノイル化されたGLP-1(7-37)であるLys26(Nイプシロン-テトラデカノイル)-GLP-1(7-37)である。
本発明の一つの実施形態において、糖タンパク質は、以下からなる群より選択される:FVII、FVIII、FIX、FX、FII、FV、プロテインC、プロテインS、tPA、PAI-1、組織因子、FXI、FXII、FXIII、並びにこれらの配列変異体;免疫グロブリン、インターロイキンなどのサイトカイン、α-、β-、およびγ-インターフェロン、顆粒球コロニー刺激因子を含むコロニー刺激因子、血小板由来成長因子、およびホスホリパーゼ活性化タンパク質(PUP)。一般的な生物学的および治療的な関心対象のその他のタンパク質およびペプチドは、インスリン、レクチンおよびリシンなどの植物タンパク質、腫瘍壊死因子および関連した対立遺伝子、腫瘍壊死因子受容体の可溶性形態、インターロイキンレセプタおよびインターロイキン受容体の可溶性形態、TGFaまたはTGFps、および上皮細胞成長因子などの組織成長因子などの成長因子、ホルモン、ソマトメジン、エリスロポエチン、色素ホルモン、視床下部放出因子、抗利尿ホルモン、プロラクチン、絨毛性腺刺激ホルモン、卵胞刺激ホルモン、甲状腺刺激ホルモン、組織プラスミノーゲンアクティベーターなどを含む。関心対象の免疫グロブリンは、IgG、IgE、IgM、IgA、IgD、およびこれらの断片を含む。
本発明の一つの実施形態において、糖タンパク質は、FVIIである。本発明の一つの実施形態において、糖タンパク質は、FVIIIである。本発明の一つの実施形態において、糖タンパク質は、FIXである。本発明の一つの実施形態において、糖タンパク質は、FXIIIである。
タンパク質またはこれらの部分は、組織培養、動物源からの抽出、または組換えDNA法によってなどの当業者に公知の技術を用いて調製すること、または単離することができる。また、タンパク質、ペプチド、アミノ酸配列などのトランスジェニック供与源も想定される。このような材料は、タンパク質がミルク、血液、または組織に発現される、トランスジェニック動物、即ちマウス、ブタ、ウシ、その他から得られる。トランスジェニック昆虫およびバキュロウイルス発現系も供与源として想定される。さらに、変異体TNFおよび/または変異体インターフェロンなどのタンパク質の変異体バージョンも本発明の範囲内である。関心対象のその他のタンパク質は、ブタクサ、抗原E、ミツバチ毒、ダニアレルゲン、等のアレルギーを起こすタンパク質である。
前述のものは、本発明に従って遅延基をもつ接合体に適した生物活性ペプチドを例示である。具体的に述べられていないが、適切なペプチドを有する生物学的に活性な物質も意図され、本発明の範囲内であることが理解される。
本発明の一つの実施形態において、タンパク質は、CD4タンパク質ではなく;もう1つの実施形態において、タンパク質は、可溶性CD4タンパク質ではない。
一つの実施形態において、糖タンパク質は、野生型第VII因子のアミノ酸配列を有するFVIIである(図9)。一つの実施形態において、ポリペプチドは、野生型第VIIa因子である。
本発明の一つの実施形態において、糖タンパク質は、第VII因子ポリペプチドである。
一つの実施形態において、第VII因子ポリペプチドは、実質的に以下を含む野生型第VII因子と同じ生物活性を有する第VII因子変異体である:S52A-FVIIa(S60A-FVIIa(Lino et al., Arch. Biochem. Biophys. 352:182-192、1998);米国特許第5,580,560号にて開示したとおりの増大されたタンパク分解性の安定性を示すFVIIa変異体;残基290と291の間または残基315と316の間でタンパク質加水分解で切断された第VIIa因子(Mollerup et al., Biotechnol.Bioeng.48:501-505, 1995);第VIIa因子の酸化型(Kornfelt et al., Arch. Biochem. Biophys. 363:43-54, 1999);PCT/DK02/00189にて開示したとおりのFVII変異体;並びに国際公開公報第02/38162(スクリップス研究所)にて開示したとおりの、増大されたタンパク分解性の安定性を示すFVII変異体;国際公開公報第99/20767(ミネソタ大学)に開示された、修飾されたGla-ドメインを有し、かつ増強された膜結合を示すFVII変異体;並びに国際公開公報第01/58935(Maxygen ApS)および国際公開公報第04/029091(Maxygen ApS)に開示したとおりのFVII変異体。
一つの実施形態において、第VII因子ポリペプチドは、国際公開公報第01/83725、国際公開公報第02/22776、国際公開公報第02/077218、PCT/DK02/00635、デンマーク特許出願第PA 2002 01423号、デンマーク特許出願第PA 2001 01627号に開示されたFVII変異体;国際公開公報第02/38162号(Scripps研究所);並びにJP 2001061479(Chemo-Sero-Therapeutic Res Inst.)に開示された増強された活性をもつFVIIa変異体を含む、野生型FVIIaと比較して増大された生物活性を有するFVII変異体である。
一つの実施形態において、第VII因子ポリペプチドは、以下からなる群より選択される:L305V-FVII、L305V/M306D/D309S-FVII、L305I-FVII、L305T-FVII、F374P-FVII、V158T/M298Q-FVII、V158D/E296V/M298Q-FVII、K337A-FVII、M298Q-FVII、V158D/M298Q-FVII、L305V/K337A-FVII、V158D/E296V/M298Q/L305V-FVII、V158D/E296V/M298Q/K337A-FVII、V158D/E296V/M298Q/L305V/K337A-FVII、K157A-FVII、E296V-FVII、E296V/M298Q-FVII、V158D/E296V-FVII、V158D/M298K-FVII、S336G-FVII;位置290および/または291、好ましくは290のアミノ酸残基が置換された第VII因子配列変異体;並びに位置315および/または316、好ましくは31のアミノ酸残基が置換された第VII因子配列変異体。もう一つの実施形態において、第VII因子ポリペプチドは、以下からなる一覧から選択される:国際公開公報第01/83725、国際公開公報第02/22776、国際公開公報第02/77218、国際公開公報第03/27147および国際公開公報第03/37932に開示したとおりの、野生型FVIIaと比較して増大された生物活性を有する第VII因子変異体;L305V/K337A-FVII、L305V/V158D-FVII、L305V/E296V-FVII、L305V/M298Q-FVII、L305V/V158T-FVII、L305V/K337A/V158T-FVII、L305V/K337A/M298Q-FVII、L305V/K337A/E296V-FVII、L305V/K337A/V158D-FVII、L305V/V158D/M298Q-FVII、L305V/V158D/E296V-FVII、L305V/V158T/M298Q-FVII、L305V/V158T/E296V-FVII、L305V/E296V/M298Q-FVII、L305V/V158D/E296V/M298Q-FVII、L305V/V158T/E296V/M298Q-FVII、L305V/V158T/K337A/M298Q-FVII、L305V/V158T/E296V/K337A-FVII、L305V/V158D/K337A/M298Q-FVII、L305V/V158D/E296V/K337A-FVII、L305V/V158D/E296V/M298Q/K337A-FVII(L305V/V158T/E296V/M298Q/K337A-FVII、S314E/K316H-FVII、S314E/K316Q-FVII、S314E/L305V-FVII、S314E/K337A-FVII、S314E/V158D-FVII、S314E/E296V-FVII、S314E/M298Q-FVII、S314E/V158T-FVII、K316H/L305V-FVII、K316H/K337A-FVII、K316H/V158D-FVII、K316H/E296V-FVII、K316H/M298Q-FVII、K316H/V158T-FVII、K316Q/L305V-FVII、K316Q/K337A-FVII、K316Q/V158D-FVII、K316Q/E296V-FVII、K316Q/M298Q-FVII、K316Q/V158T-FVII、S314E/L305V/K337A-FVII、S314E/L305V/V158D-FVII、S314E/L305V/E296V-FVII、S314E/L305V/M298Q-FVII、S314E/)
L305V/V158T-FVII、S314E/L305V/K337A/V158T-FVII、S314E/L305V/K337A/M298Q-FVII、S314E/L305V/K337A/E296V-FVII、S314E/L305V/K337A/V158D-FVII、S314E/L305V/V158D/M298Q-FVII、S314E/L305V/V158D/E296V-FVII、S314E/L305V/V158T/M298Q-FVII、S314E/L305V/V158T/E296V-FVII、S314E/L305V/E296V/M298Q-FVII、S314E/L305V/V158D/E296V/M298Q-FVII、S314E/L305V/V158T/E296V/M298Q-FVII、S314E/L305V/V158T/K337A/M298Q-FVII、S314E/L305V/V158T/E296V/K337A-FVII、S314E/L305V/V158D/K337A/M298Q-FVII、S314E/L305V/V158D/E296V/K337A-FVII、S314E/L305V/V158D/E296V/M298Q/K337A-FVII、S314E/L305V/V158T/E296V/M298Q/K337A-FVII、K316H/L305V/K337A-FVII、K316H/L305V/V158D-FVII、K316H/L305V/E296V-FVII、K316H/L305V/M298Q-FVII、K316H/L305V/V158T-FVII、K316H/L305V/K337A/V158T-FVII、K316H/L305V/K337A/M298Q-FVII、K316H/L305V/K337A/E296V-FVII、K316H/L305V/K337A/V158D-FVII、K316H/L305V/V158D/M298Q-FVII、K316H/L305V/V158D/E296V-FVII、K316H/L305V/V158T/M298Q-FVII、K316H/L305V/V158T/E296V-FVII、K316H/L305V/E296V/M298Q-FVII、K316H/L305V/V158D/E296V/M298Q-FVII、K316H/
L305V/V158T/E296V/M298Q-FVII、K316H/L305V/V158T/K337A/M298Q-FVII、K316H/L305V/V158T/E296V/K337A-FVII、K316H/L305V/V158D/K337A/M298Q-FVII、K316H/L305V/V158D/E296V/K337A-FVII、K316H/L305V/V158D/E296V/M298Q/K337A-FVII、K316H/L305V/V158T/E296V/M298Q/K337A-FVII、K316Q/L305V/K337A-FVII、K316Q/L305V/V158D-FVII、K316Q/L305V/E296V-FVII、K316Q/L305V/M298Q-FVII、K316Q/L305V/V158T-FVII、K316Q/L305V/K337A/V158T-FVII、K316Q/L305V/K337A/M298Q-FVII、K316Q/L305V/K337A/E296V-FVII、K316Q/L305V/K337A/V158D-FVII、K316Q/L305V/V158D/M298Q-FVII、K316Q/L305V/V158D/E296V-FVII、K316Q/L305V/V158T/M298Q-FVII、K316Q/L305V/V158T/E296V-FVII、K316Q/L305V/E296V/M298Q-FVII、K316Q/L305V/V158D/E296V/M298Q-FVII、K316Q/L305V/V158T/E296V/M298Q-FVII、K316Q/L305V/V158T/K337A/M298Q-FVII、K316Q/L305V/V158T/E296V/K337A-FVII、K316Q/L305V/V158D/K337A/M298Q-FVII、K316Q/L305V/V158D/E296V/K337A-FVII、K316Q/L305V/V158D/E296V/M298Q/K337A-FVII、K316Q/L305V/V158T/E296V/M298Q/K337A-FVII、F374Y/K337A-FVII、F374Y/V158D-FVII、F374Y/E296V-FVII、F374Y/M298Q-FVII、F374Y/V158T-FVII、F374Y/S314E-FVII、F374Y/L305V-FVII、F374Y/L305V/K337A-FVII、F374Y/L305V/V158D-FVII、F374Y/L305V/E296V-FVII、F374Y/L305V/M298Q-FVII、F374Y/L305V/V158T-FVII、F374Y/L305V/S314E-FVII、F374Y/K337A/S314E-FVII、F374Y/K337A/V158T-FVII、F374Y/K337A/M298Q-FVII、F374Y/K337A/E296V-FVII、F374Y/K337A/V158D-FVII、F374Y/V158D/S314E-FVII、F374Y/V158D/M298Q-FVII、F374Y/V158D/E296V-FVII、F374Y/V158T/S314E-FVII、F374Y/V158T/M298Q-FVII、F374Y/V158T/E296V-FVII、F374Y/E296V/S314E-FVII、F374Y/S314E/M298Q-FVII、F374Y/E296V/M298Q-FVII、F374Y/L305V/K337A/V158D-FVII、F374Y/L305V/K337A/E296V-FVII、F374Y/L305V/K337A/M298Q-FVII、F374Y/L305V/K337A/V158T-FVII、F374Y/L305V/K337A/S314E-FVII、F374Y/L305V/V158D/E296V-FVII、F374Y/L305V/V158D/M298Q-FVII、F374Y/L305V/V158D/S314E-FVII、F374Y/L305V/E296V/M298Q-FVII、F374Y/L305V/E296V/V158T-FVII、F374Y/L305V/E296V/S314E-FVII、F374Y/L305V/M298Q/V158T-FVII、F374Y/L305V/M298Q/S314E-FVII、F374Y/L305V/V158T/S314E-FVII、F374Y/K337A/S314E/V158T-FVII、F374Y/K337A/S314E/M298Q-FVII、F374Y/K337A/S314E/E296V-FVII、F374Y/K337A/S314E/V158D-FVII、F374Y/K337A/V158T/M298Q-FVII、F374Y/K337A/V158T/E296V-FVII、F374Y/K337A/M298Q/E296V-FVII、F374Y/K337A/M298Q/V158D-FVII、F374Y/K337A/E296V/V158D-FVII、F374Y/V158D/S314E/M298Q-FVII、F374Y/V158D/S314E/E296V-FVII、F374Y/V158D/M298Q/E296V-FVII、F374Y/V158T/S314E/E296V-FVII、F374Y/V158T/S314E/M298Q-FVII、F374Y/V158T/M298Q/E296V-FVII、F374Y/E296V/S314E/M298Q-FVII、F374Y/L305V/M298Q/K337A/S314E-FVII、F374Y/L305V/E296V/K337A/S314E-FVII、F374Y/E296V/M298Q/K337A/S314E-FVII、F374Y/L305V/E296V/M298Q/K337A-FVII、F374Y/L305V/E296V/M298Q/S314E-FVII、F374Y/V158D/E296V/M298Q/K337A-FVII、F374Y/V158D/E296V/M298Q/S314E-FVII、F374Y/L305V/V158D/K337A/S314E-FVII、F374Y/V158D/M298Q/K337A/S314E-FVII、F374Y/V158D/E296V/K337A/S314E-FVII、F374Y/L305V/V158D/E296V/M298Q-FVII、F374Y/L305V/V158D/M298Q/K337A-FVII、F374Y/L305V/V158D/E296V/K337A-FVII、F374Y/L305V/V158D/M298Q/S314E-FVII、F374Y/L305V/V158D/E296V/S314E-FVII、F374Y/V158T/E296V/M298Q/K337A-FVII、F374Y/V158T/E296V/M298Q/S314E-FVII、F374Y/L305V/V158T/K337A/S314E-FVII、F374Y/V158T/M298Q/K337A/S314E-FVII、F374Y/V158T/E296V/K337A/S314E-FVII、F374Y/L305V/V158T/E296V/M298Q-FVII、F374Y/L305V/V158T/M298Q/K337A-FVII、F374Y/L305V/V158T/E296V/K337A-FVII、F374Y/L305V/V158T/M298Q/S314E-FVII、F374Y/L305V/V158T/E296V/S314E-FVII、F374Y/E296V/M298Q/K337A/V158T/S314E-FVII、F374Y/V158D/E296V/M298Q/K337A/S314E-FVII、F374Y/L305V/V158D/E296V/M298Q/S314E-FVII、F374Y/L305V/E296V/M298Q/V158T/S314E-FVII、F374Y/L305V/E296V/M298Q/K337A/V158T-FVII、F374Y/L305V/E296V/K337A/V158T/S314E-FVII、F374Y/L305V/M298Q/K337A/V158T/S314E-FVII、F374Y/L305V/V158D/E296V/M298Q/K337A-FVII、F374Y/L305V/V158D/E296V/K337A/S314E-FVII、F374Y/L305V/V158D/M298Q/K337A/S314E-FVII、F374Y/L305V/E296V/M298Q/K337A/V158T/S314E-FVII、F374Y/L305V/V158D/E296V/M298Q/K337A/S314E-FVII、S52A-第VII因子、S60A-第VII因子;並びにP11Q/K33E-FVII、T106N-FVII、K143N/N145T-FVII、V253N-FVII、R290N/A292T-FVII、G291N-FVII、R315N/V317T-FVII、K143N/N145T/R315N/V317T-FVII;アミノ酸配列233Thr〜240Asnに置換、添加、または欠失を有するFVII、アミノ酸配列304Arg〜329Cysに置換、添加、または欠失を有するFVII、並びにアミノ酸配列Ile153〜Ar
g223に置換、添加、または欠失を有するFVII。
一つの実施形態において、第VII因子関連ポリペプチドは、以下からなる群より選択される:R152E-第VII因子、S344A-第VII因子、FFR-第VII因子、およびGlaドメインを欠いている第VIIa因子。
一つの実施形態において、第VII因子関連ポリペプチドは、本願明細書に記載されているように加水分解アッセイ法またはタンパク質分解アッセイ法の一方または両方において試験したときに、同じ細胞型で生成される野生型第VIIa因子の比活性の少なくとも約25%、好ましくは少なくとも50%、より好ましくは少なくとも約75、および最も好ましくは少なくとも約90%を示す。
一つの実施形態において、第VII因子関連ポリペプチドは、本願明細書に記載されているように凝固アッセイ法、タンパク質分解アッセイ法、またはTFアッセイの1つまたは複数で試験したときに、同じ細胞型において生成される野生型第VIIa因子の比活性の少なくとも約25%未満、好ましくは約10%未満、より好ましくは約5%未満、および最も好ましくは約1%未満を示す。
異なる実施形態において、接合されたポリペプチドは、参照標品の生物学的利用能の少なくとも約110%(参照標品の生物学的利用能の少なくとも少なくとも約120%、または少なくとも約130%、または少なくとも約140%など)を示す。
一つの実施形態において、接合されたポリペプチドは、参照標品の半減期の少なくとも約125%(参照標品の半減期の少なくとも約150%、または少なくとも約200%、または約250%)である血清半減期を示す。
糖タンパク質接合体の機能的な特性
本発明に従って調製される糖接合体は、参照標品と比較して改良された機能的特性を示す。例えば、改善された機能的特性は、a)貯蔵安定性などの物性;b)薬物動態学的な性質(例えば、生物学的利用能および半減期など);およびc)ヒトにおける免疫原性を含んでもよいが、これらに限定されない。
参照標品とは、これが比較される本発明の標品に含まれているもの(例えば、野生型第VII因子または特定の変異体もしくは化学的に修飾された形態の非接合の形態など)と同一のアミノ酸配列を有するが、本発明の標品において見いだされるいずれのポリマー分子にも接合されていないポリペプチドを含む標品をいう。例えば、参照標品は、典型的には非接合体糖タンパク質を含む。
糖タンパク質(例えば、第VII因子標品など)の貯蔵安定性は、(a)25℃で乾燥粉末として貯蔵したときに標品の生理活性の20%が壊変するために必要な時間、および/または(b)標品において、例えば凝集体などの予め定められた分解生成物の比率が倍加するために必要な時間を測定することによって評価してもよい。
一部の実施形態において、本発明の標品は、両標品が25℃で乾燥粉末として貯蔵されているときに、参照標品での同じ現象のために必要とされる時間と比較して、生理活性の20%が壊変するために必要な時間の少なくとも約30%、好ましくは少なくとも60%、およびより好ましくは少なくとも約100%の増大を示す。
生理活性測定は、特定のタンパク質に関連した生物活性の種類に従って行われてもよく;例えばFVIIの場合には、生理活性は、凝固アッセイ法、タンパク質分解アッセイ法、TF結合アッセイ法、またはTF非依存的トロンビン生成アッセイ法のいずれを使用して測定してもよい。
一部の実施形態において、本発明の調製は、両標品が25℃で乾燥粉末として貯蔵されているときに、参照標品と比較して、例えば凝集体などの予め定められた分解生成物の倍加に必要な時間の少なくとも約30%、好ましくは少なくとも60%、およびより好ましくは少なくとも約100%の増大を示す。凝集体の含量は、例えば、ゲルパーミエーションHPLCまたは周知のクロマトグラフィー法の別のタイプによって決定してもよい。FVIIの場合には、凝集体は、以下の通りにProtein Pak 300 SWカラム(7.5×300mm)(Waters、80013)でのゲルパーミエーションHPLCによって決定してもよい。カラムは、溶出剤A(0.2Mの硫酸アンモニウム、5%のイソプロパノール、pHはリン酸で2.5に合わせ、およびその後にpHは、トリエチルアミンで7.0に合わせる)で平衡化し、その後、25gの試料をカラムに適用する。溶出は、溶出剤Aで0.5ml/分の流速で30分間とし、検出は、215nmでの吸光度を測定することによって達成される。凝集体の含量は、第VII因子凝集体のピーク面積/第VII因子ピーク(単量体および凝集体)の総面積として算出される。
「生物学的利用能」は、投与後の所定時間における結晶中で検出することができる接合体の投与された用量の割合をいう。典型的には、生物学的利用能は、試験動物において、標品の約25〜250g/kgの間の用量を投与すること;投与後の所定時間に血漿試料を得ること;および適切な生物検定法または免疫アッセイ法を使用して試料または同等物中の糖タンパク質の含量を決定することによって測定される。データは、典型的には[糖タンパク質] v.時間として視覚的に示され、生物学的利用能は、曲線下面積(AUC)のとして表される。試験標品の相対的生物学的利用能は、試験標品のAUCと参照標品のものとの間の比をいう。
一部の実施形態において、本発明の標品は、参照標品の生物学的利用能の少なくとも約110%、好ましくは少なくとも120%、より好ましくは少なくとも約130%、および最も好ましくは少なくとも約140%の相対的生物学的利用能を示す。生物学的利用能は、任意の哺乳類種、好ましくはイヌにおいて測定してもよく、AUCを算出するために使用される所定時間は、10分〜8時間の異なる増分を包含してもよい。
アッセイ法
材料:
アンスロバクター・ウレファシエンス(Anthrobacter urefaciens)由来のα2-3,6,8,9-ノイラミニダーゼ(E.C. 3.2.1.18)は、Calbiochem、CA、USAから得て、コレラ菌(Vibreo cholerae)由来のアガロース支持可溶性ノイラミニダーゼおよびウェルシュ菌(Clostridium perfringens)由来のノイラミニダーゼ、およびウシ(bovin)カタラーゼ(E.C. 1.11.1.6)は、Sigma-Aldrichから得た。ガラクトースオキシダーゼ(E.C. 1.1.3.9)は、Worthington Biochemical Corporation, USAから得た。PNGase Fは、New England Biolabs Inc. MA(USA)からのものであった。他の全ての化学物質は、標準的な等級のものであり、Sigma-Aldrich、Bachem、またはFlukaから得た。ガラクトースオキシダーゼ・キットA22179は、Molecular Probes、OR、USAから得た。プロトンおよび炭素核磁気共鳴(1Hおよび13C NMR)は、300MHz Brukerまたは400MHzのNMR装置で記録してあり、報告した化学シフト(δ)は、テトラメチルシランまたはリン酸からの低磁場のものである。MALDI-TOFスペクトルは、Spectra Bruker Daltonics Inc.からのAutoflex MALDI-TOF質量分光光度計を使用して得た。スペクトルは、マトリックスとしてα-シアノ-4-ヒドロキシケイ皮酸を使用してリニアモードで記録した。
薬理学的方法
以下のアッセイ法は、第VII因子および第VII因子関連ポリペプチドの生物活性、半減期、および生物利用能を決定するために有用であった。
アッセイ法(I)
インビトロでの加水分解アッセイ法
以下の方法は、第VIIa因子生理活性をアッセイするために使用することができる。本アッセイ法は、マイクロタイタープレート(MaxiSorp、Nunc、Denmark)で行われる。色素生産性基質D-Ile-Pro-Arg-p-ニトロアニリド(S-2288、Chromogenix、Sweden)を1mM 終濃度で、0.1MのNaCl、5mM CaCl2、および1mg/mlのウシ血清アルブミンを含む50mM Hepes、pH 7.4溶液中の第VIIa因子(終濃度100nM)に添加する。405nm吸光度をSpectraMax 340プレートリーダー(Molecular Devices, USA)で連続的に測定する。20分のインキュベーションの間に発色される吸光度を使用して、酵素を含んでいない空のウェルにおける吸光度を減算後に、試験および参照第VIIa因子の活性の間の比率を算出する。
アッセイ法(II)
インビトロでのタンパク質分解アッセイ法
以下の方法は、第VIIa因子生理活性をアッセイするために使用することができる。アッセイ法は、マイクロタイタープレート(MaxiSorp、Nunc、Denmark)で行われる。0.1MのNaCl、5mM CaCl2および1mg/mlのウシ血清アルブミンを含む50mM Hepes(pH 7.4)溶液中の100μlの第VIIa因子(10nM)および第X因子(0.8μM)を15分間インキュベートする。次いで、50μlの0.1M NaCl、20mM EDTA、および1mg/mlのウシ血清アルブミンを含む50mM Hepes、pH 7.4を添加することによって第X因子切断を停止する。生成した第Xa因子の量を色素生産性基質Z-D-Arg-Gly-Arg-p-ニトロアニリド(S-2765、Chromogenix、Sweden)(終濃度0.5mM)を添加することによって測定する。405nm吸光度をSpectraMax 340プレート読者(Molecular Devices, USA)で連続的に測定する。10分の間に発色された吸光度を使用して、FVIIaを含まない空のウェルにおける吸光度を減算後に、試験および参照第VIIa因子のタンパク分解性の活性の間の比率を算出する。
アッセイ法(III)
機能的なインビボ半減期の測定
インビボにおける生物学的半減期の測定は、文献に記載されている多くの方法で行うことができる。rFVIIaおよびこれらの変異体のインビボ半減期を測定するためのアッセイ法の例は、FDA文献番号96-0597に記載されている。簡潔には、FVIIa凝固活性を、接合体、ポリペプチド、または組成物の投与の前に、および投与後24時間の期間の間に、抜いた血漿中で測定する。定常状態における分布の中央値の明らかな量を測定し、中央値クリアランスを決定する。
アッセイ法(IV)
第VII因子ポリペプチドの生物学的利用能
生物学的利用能は、例えば以下の通りにイヌ・モデルにおいて測定してもよい:4群に分けた12匹のビーグル犬において、4脚交錯として行われる実験(experimentis)を研究する。全ての動物には、約90μg/kgの用量の、塩化ナトリウム(2.92mg/ml)、塩化カルシウム二水和物(1.47mg/ml)、マンニトール(30mg/ml)、およびポリソルベート80を含むグリシルグリシン緩衝液(pH 5.5)溶液を試験標品Aおよび参照標品Bを与える。最初の投与に続いて、10、30、および60分、並びに2、3、4、6、および8時間において、血液試料を抜く。血漿を試料から得て、第VII因子をELISAによって定量化する。
分析法:
CE-解析:キャピラリー電気泳動法は、UV-VIS DADを備えたHewlett-Packard HP 3DCE システムで、200〜600nmの範囲で、およびキャピラリーの自動洗浄および緩衝液バイアルの補充が可能な完全空気圧駆動式のシステムで行った。計測器は80〜100μA、+7.0〜7.5kV/+で通常の極性モードで操作して、検出は、参照波長として280nmの214nmでカラムにおいて行った。CE解析は、64,5 cm(55,5 cm有効長さ)×75μm I.D.の溶融シリカキャピラリーを使用して行われた。キャピラリーをサーモスタットで30℃にした。試料をキャピラリーの末端に注射し、10s間+50mbarを使用してさらに検出器(long end injection)から離した。各測定制御、データ収集、およびデータ分析のために、HP Kayak XAコンピューター(Hewlett-Packard)上で操作されるHP Chemstationソフトウェア(Hewlett-Packard)を使用した。電気泳動データは、10Hzの割合で収集した。電解質は、既知量の腐敗性(putrescein)二塩化水素化物を100mM リン酸緩衝液(pH 8.0)に溶解し、その後に1Nナトリウム水酸化物溶液でpH 8.0に合わせることによって調製した(N.K. Klausen and T. Kornfelt, J. Chromatography A, 718, 195-202(1995)を参照されたい)。
LCMS解析:
LC-MS質量スペクトルは、Hewlett Packard series 1100 G1312A Bin Pump、Hewlett Packard series 1100 Columnコンパートメント、Hewlett Packard series 1100 G13 15A DADダイオードアレイ検出器、およびHewlett Packard series 1100 MSDからなる装置を使用して得た。計測器は、HP Chemstationソフトウェアによって制御した。HPLCポンプは、0.01%のTFA水溶液(A)および0.01%のTFAのアセトニトリル溶液(B)を含む2つの溶出剤貯蔵所に接続した。解析は、適切な量(好ましくは、1μL)のカラム上に試料を注射することによって40℃で行い、これをアセトニトリル勾配で溶出した。使用したHPLC条件、検出器設定、および質量分析計設定は、以下の通りである:
カラム Waters Xterra MS C-18 、50×3 mm id
勾配 10%〜100%のアセトニトリルをリニアに、1.0ml/分で7.5分間
検出 UV:210nm(DADからのアナログ出力)
MS イオン化モード:API-ES
Scan 100〜1000 amu 0.1 amuステップ
天然および修飾されたN-グリカンの解析:
N-グリカン解析手順は、D.I. Papac et al. Glycobiology 8(5), 445-454(1998)からのものを修飾してあり、FVIIaについては、以下の通りに示される:FVIIa溶液(1mg/mlの、10mM グリシルグリシン、10mM CaCl2、50mM NaCl、pH 6.5)(50μl)のpHを50mM NaOHを添加することによって8.3に合わせる。PNGase F(500U/mlの10mM トリス酢酸緩衝液、pH8.3)を、続いて(20μl、10U)、トリス・アセテートpH8.3緩衝液を添加した(反応混合物の総容積:80μl)。反応混合を37℃で一晩インキュベートした。PVDF膜(Millipore、Millipore Corporation、Bedford、Ma、USAからのイモビロン-P)(1.5cm2)を添加して、バイアルを10分間活発に振盪し、膜を取り出す。酢酸10%を添加し(10μl)、反応混合物をRTで2時間振盪する。次いで、反応混合物を樹脂(ダウエックス50W-X8、H型)(0.3ml)に添加する。水(280μl)を添加して、混合物をボルテックスする。上清を外にだし、蒸発する、水(20μl)に再融解し、Papac et al.によって記載されているとおりにMALDI-TOFによって解析する。
露出されたガラクトース残基の決定:
糖タンパク質上に存在する遊離の(露出された)ガラクトース残基の量は、Molecular Probesからのガラクトース・アッセイ法キットA22179およびプロトコルを使用して決定した。アッセイ法は、マイクロタイタープレート形式(MaxiSorp、Nunc、Denmarkで行い、データは、Spectra Plus 384プレートリーダー(Molecular Device, USA)で、560nm の励起波長および590nmの発光波長で記録した。図1は、標準的なガラクトースオキシダーゼ列(60、30、および15μM)およびそれぞれFVIIaおよびアシアロFVIIaの14.9μM溶液に由来する相当する結果を示す。3.70〜3.90μmolガラクトース/μmolアシアロFVIIaの比は、2つのN-連結された(N145/322)双アンテナ構造を想定するときには、FVIIaからの全てのシアル酸の完全な除去に相当する。
実施例1〜4は、本発明に従ってガラクトース酸化されたグリカンに対して接合するための適切な代表的なO-置換されたヒドロキシルアミン求核試薬の合成を示す。
実施例1:O-(N,N-ジエチルアミノエチル)ヒドロキシルアミン
N-ヒドロキシフタルイミド(10.0g、2.5mmol)をTHF(100ml)に溶解し、炭酸カリウム(18.63g;0.134 mol)を添加した。ジエチルアミノエチルクロライド(10.54g;61.5 mmol)を添加し、混合物を加熱して4時間還流した。混合物を冷却して、水(100ml)を添加し、固体の全てが溶解されるまで撹拌した。次いで、混合物をDCMで2回抽出した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発して透明な黄色の油として8.63g(53%)のN-(N,N-ジエチルアミノエトキシ)フタルイミドを得た。油を最小限のアセトニトリルに溶解し、1.1規定の1N HClの酢酸エチル溶液を添加して、N-(N,N-ジエチルアミノエトキシ)フタルイミドハイドロクロライドを沈殿させた。1H-NMR(D2O):δ 1.24 ppm(t, 6H); 3.28(m, 4H); 3.56(t, 2H); 4.45(t, 2H); 7.72(s, 4H). 13C-NMR(D2O):δ 8.25 ppm; 47.93; 50.46; 72.10; 124.27; 128.34; 135.81; 165.82。
N-(N,N-ジエチルアミノエトキシ)フタルイミドハイドロクロライド(2,50 g;8.37 mmol)をエタノール(20ml)に溶解し、ヒドラジン一水和物(1ml;20.6 mmol)を添加した。混合物を30分間還流した。沈殿が急速に形成された。混合物を氷浴上で冷却した。結晶質の材料を濾過することによって除去して、濾液を乾燥させた。半結晶質の残渣が得られた。これを冷却エタノール(10ml)に再懸濁して、濾過した。濾液を再び乾燥させて、0.9gの透明な黄色の油を得た。1H-NMR(CDCl3):δ 1.05 ppm(t, 6H); 2.58(m, 4H); 2.65(t, 2H); 3.75(t, 2H); 5.12(bs, 2H)。
実施例2:
3-[(2-アミノオキシアセチル)-(2-カルボキシエチル)アミノ]プロピオン酸
3-アミノプロピオン酸tert-ブチルエステルハイドロクロライド(7.27g、40mmol)をDMF(40ml)に溶解した。トリエチルアミンを添加した(4.05g、40mmol)。tert-ブチルアクリラート(5.13 g、40 mmol)のDMF(40ml)溶液を不活性雰囲気下で溶液に添加した。16時間rtで撹拌した後に、沈殿を濾過して、濾液を濃縮し、酢酸エチル(100ml)に溶解し、sar.NaHCO3で洗浄し(2×50ml)、MgSO4を通して乾燥して濃縮した。油を減圧蒸留(0.02torr、103〜107℃)によって精製し、無色油状物(4.7g、43%収率)として3-(2-tert-ブトキシカルボニルエチルアミノ)プロピオン酸tert-ブチルエステルを得た。1H-NMR(CDCl3):δ 1.45 ppm(s, 18 H), 2.41(t, J=6.4 Hz, 4 H), 2.84(t, J=6.5 Hz, 4 H). LCMS:m/z=274(M+1), Rt=2.41 min。
3-(2-tert-ブトキシカルボニルエチルアミノ)プロピオン酸tert-ブチルエステル(0.63g、3.07mmol)、N-tert-ブトキシカルボニルアミノオキシ酢酸(1.07g 5.27mmol)、および1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(0.50g、3.68mmol)をDMF(20ml)に溶解し、DIEA(0.48g、3.68mmol)および(3-ジメチルアミノプロピル)-エチルカルボジイミドハイドロクロライド(0.71 g、3.68 mmol)を添加した。溶液を不活性雰囲気下で一晩撹拌した。試料を濃縮した後に、これを酢酸エチル(50ml)に溶解し、5%の酢酸、sat.NaHCO3、および水(それぞれ2×20ml)で洗浄した。試料をMgSO4を通して乾燥し、淡黄色油3-[(2-tert-ブトキシカルボニルアミノオキシアセチル)-(2-tert-ブトキシカルボニルエチル)アミノ]プロピオン酸tert-ブチルエステルに濃縮した(1.05g、77%収率)。
1H-NMR(CDCl3):δ 1.44 ppm(s, 18 H), 1.47(s, 9 H), 2.47-2.57(m, 4 H), 3.48(t, J=7.1 Hz, 2 H), 3.56(t, J=7.1 Hz, 2 H), 4.60(s, 2 H), 8.16(s, 1 H). LCMS:m/z=469(M+23), Rt=4.30 min。
3-[(2-tert-ブトキシカルボニルアミノオキシアセチル)-(2-tert-ブトキシカルボニルエチル)アミノ]プロピオン酸tert-ブチルエステル(0.50 g、1.1 mmol)を不活性雰囲気下においてrtで1時間トリフルオロ酢酸(5ml)と共に撹拌した。濃塩酸(2ml)を添加し、試料を濃縮した。試料を、10mlのトルエンを添加すること、および試料(2回)を濃縮することによって乾燥した。残渣をエタノール(2ml)に溶解し、冷却ジエチルエーテルに滴下した。生じる沈殿をフラスコに固着させ、および溶媒をデカントですてることができる。残渣を乾燥減圧下で乾燥させて、粘着性の白い残渣3-[(2-アミノオキシアセチル)-(2-カルボキシエチル)アミノ]プロピオン酸を得た。1H-NMR(D2O):δ 2.67 ppm(t, J=6.8 Hz, 2 H), 2.74(t, J=6.8 Hz, 2 H), 3.56(t, J=6.8 Hz, 2 H), 3.65(t, J=7.2 Hz, 2 H), 4.98(s, 2 H)。
実施例3:
mPEG5000-(CH
2)
2-CONH-(CH
2)
4-O-NH
2
工程1:O-(4-アミノブチル)-N-(tert-ブトキシカルボニル)ヒドロキシルアミン(120 mg、0.584 mmol)を窒素下でDCM(25ml)に溶解した。mPEG(5000)-スクシンイミジルプロピオン酸(1g、0.195mmol)を添加して、溶液を16時間撹拌した。ジエチルエーテル(150ml)を添加して、生じるも沈殿を濾過して、ジエチルエーテル(2×60ml)で洗浄した。沈殿を乾燥減圧下で16時間乾燥させて、白色固体(911mg)を得た。
mmPEG(5000)-(CH2)2-CONH-(CH2)4-O-NH-Boc:1H-NMR(DMSO-d6、400 MHz):δAmong other signals was observed:1.40(s、9H)、2.29(t、2H)、3.03(m、2H)、3.51(s、454H)、3.68(m、4H)、7.80(t、1H)、9.91(s、1H)。
工程2:mPEG5000-(CH2)2-CONH-(CH2)4-O-NH-Boc(911mg、0.174mmol)をTFA(8ml)に溶解した。溶液をrtで窒素下において30分間撹拌した。ジエチルエーテル(150ml)を添加して、30分間撹拌した後に、生じる沈殿を濾過して、ジエチルエーテル(2×50ml)で洗浄した。固体を35℃において真空オーブン中で16時間乾燥し、白色固体(800mg、90%収率)を得た。mPEG5000-(CH2)2-CONH-(CH2)4-O-NH2: 1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz): δ Among other signals was observed: 1.43 (m, 2H), 1.55 (m, 2H), 2.29 (t, 2H), 3. 05 (m, 2H), 3.24 (s, 3H), 3.51 (s, 454H), 3.68 (t, 2H), 3.90 (t, 2H), 7.83 (t, 1H), 10.23 (br, 1H)。
工程1:16-ブロモ-ヘキサデカン酸メチルエステル(1.05g、3mmol)およびN-tert-ブトキシカルボニルヒドロキシルアミン(1g、7.5mmol)をフラスコ内に配置し、DBU(2.25ml)に溶解した。溶液を3時間窒素下で撹拌した。DCM(100ml)を添加して、相分離を援助するために、溶液を数回のブラインおよびメタノールを使用して1N HCl(3×25ml)で洗浄した。溶液をMgSO4を通して乾燥し、濃縮して油性結晶質の残渣(1.09g、90%収率)を得た。
16-(N-tert-ブトキシカルボニルアミノオキシ)ヘキサデカン酸メチルエステル:1H-NMR (CDCl3, 300 MHz): δ 1.25 (s, 20H, 1.48 (s, 9H), 1.62 (m, 4 H), 2.30 (t, 2H), 3.67 (s, 3H), 3.84 (t, 2H), 7.16 (s,1H)。
LCMS: m/z=425 (M+23), Rt=6.17。
工程2:16-(N-tert-ブトキシカルボニルアミノオキシ)ヘキサデカン酸メチルエステル(1.05 g、2.62 mmol)をTHF(100ml)中に置き、1N NaOH(2.75ml)を添加した。試料をrtで16時間撹拌し、次いで2時間還流した。rtに冷却した後に、4N NaOH(20ml)およびメタノール(50ml)を添加して、溶液をrtで45分間撹拌した。溶液を濃HClで中和して、氷浴中で冷却した。沈殿を濾過して、濾液を減圧下で濃縮して白色固体を得て、相分離において援助するために、これを10mlのブラインを使用してDCM(100ml)と0.33N HCl(150ml)とに分けた。有機相をMgSO4を通して乾燥し、濃縮してオフホワイトの残渣(730mg、72%収率)を得た。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(二酸化ケイ素、AcOEt/ヘプタン3:7(400ml)、次いで1:1(200ml))を経て精製し、白色固体を得た(150mg、15%収率)。
16-(N-tert-ブトキシカルボニルアミノオキシ)ヘキサデカン酸:1H-NMR (CDCl3, 400 MHz): δ 1.25 (s, 20 H), 1.49 (s, 9H), 1.62 (m, 4H), 2.35 (t, 2H), 3.84 (t, 2H), 7.23 (s, 1H). LCMS: m/z=410 (M+23), Rt=5.53。
工程3:16-(N-tert-ブトキシカルボニルアミノオキシ)ヘキサデカン酸(110mg、.28mmol)をTFA(2ml)に溶解し、rtで30分間に撹拌した。ジエチルエーテル(20ml)を添加し、沈殿を濾過して、乾燥減圧下で乾燥し、白色固体(0.11g)を得た。
16-アミノオキシヘキサデカン酸:δ 1.24 (s, 20 H), 1.49 (t, 2H), 1.55 (t, 2H), 2.18 (t, 2H), 3.90 (t, 2H), 10.50 (br-m, 2H), 11.65 (br, 1H). LCMS: m/z=288 (M+1), Rt=3.58。
実施例5〜15は、本発明による修飾されたグリカン構造をもつ糖タンパク質を得るための、酵素プロトコルおよび化学物質接合法を示す。
rFVIIaの脱シアリル化(アシアロrFVIIaの調製)
実施例5:バンテロバクター・ウレファシエンス由来の可溶性ノイラミニダーゼを使用する方法。
250μlのrFVIIa(1.24mg/ml、24μM)の、10mM CaCl2および50mM NaClを含む10mM グリシルグリシン緩衝液(pH 6.0)溶液を25mU α2-3,6,8,9-ノイラミニダーゼに添加し、反応混合物を4℃で32時間インキュベートした。反応をモニターするために、反応の少量の一定分量は、Invitrogenの手順(図2を参照されたい)に従って行われる適切な緩衝液およびIEFゲルで希釈した。また、試料をα-シアノ4-ヒドロキシケイ皮酸マトリックス(図3を参照されたい)を使用して、MALDI-TOF分光法によって解析した。700 Daの分子量の平均減少が観察された。
実施例6:コレラ菌由来の可溶性ノイラミニダーゼを使用する方法。
5mlのFVIIa溶液(1.4mg/mlの10mM グリシルグリシン、10mM CaCl2、50mM NaCl、pH 6)をノイラミニダーゼ(20μl、300mU、コレラ菌、II型、Sigma N 6514)に添加して、混合物を24時間室温で振盪した。シアル酸の除去は、Invitrogenによって発明されたプロトコルを使用するIEF-ゲル電気泳動によって確認した(Novexミニ・ゲル(pI 5.85)→6.55、図4、レーン4)。次いで、混合物を氷上で冷却して、50mM NaOH水溶液を添加することによってpHを8.0に合わせた。EDTA(450μl、100mM、pH 8.0、[Ca2+]と同等)の水溶液を添加して、試料(5.1mS/cm)を5mlのHiTrap Q HPイオン交換カラム(Amersham-Biosciences)に充填し、10mM トリス、50mM NaCl、pH 8.0で平衡化した。カラムを10mM トリス、50mM NaCl、pH 8.0(10vol、流束:1ml/分)で溶出した。次いで、溶離緩衝液を10mM トリス、50mM NaCl、25mM CaCl2、pH 8.0に変えた(10vol、流束:1ml/分)。純粋なFVIIa試料をプールした。次いで、NAP-10カラム(Amersham)を使用して、緩衝液を10mM グリシルグリシン、10mM CaCl2、50mM NaCl、pH 6に交換し、後に使用するまで試料を-80℃に貯蔵した。ペプチド基質S2288に対するアミド分解活性(インビトロでの加水分解アッセイ法の節を参照されたい)は、修飾されていないrFVIIaと同一であることが測定された。タンパク質上に暴露されたガラクトース残基の量を定量化するために使用される(解析手順の節を参照されたい)、Molecular Probes(A22179)からのガラクトース・アッセイ法キットは、2つのN-連結された(N145/322)双アンテナ構造の存在を想定するときに、FVIIaからの全てのシアル酸の完全な除去に相当する3.70μmolガラクトース/μmol FVIIa(図1)定量を与えた。
実施例7:
アガロース支持されたウェルシュ菌由来のノイラミニダーゼを使用する方法。
硫酸アンモニウム懸濁液(2ml)としてのノイラミニダーゼ-アガロース樹脂(ウェルシュ菌、Type VI-A、Sigma N 5254)をMilliQ水で広範に洗浄し、次いで排液して、5mlのFVIIa溶液(1.4mg/mlの10mM グリシルグリシン、10mM CaCl2、50mM NaCl、pH 6)に添加した。混合物を48時間室温で穏やかに振盪し、ノイラミニダーゼ-アガロース樹脂を濾過した。シアル酸の除去は、Invitrogenによって発明されたプロトコルを使用するIEF-ゲル電気泳動(Novexミニ・ゲル(pI 5.85)→6.55、図4、レーン8)によって確認した。ペプチド基質S2288に対するアミド分解活性(インビトロでの加水分解アッセイ法の節を参照されたい)は、修飾され廷内rFVIIaと同一であることが測定された。後に使用するまで試料を-80℃に貯蔵した。タンパク質上に暴露されたガラクトース残基の量を定量化するために使用される(解析手順の節を参照されたい)、Molecular Probes(A22179)からのガラクトース・アッセイ法キットは、2つのN-連結された(N145/322)双アンテナ構造の存在を想定するときに、FVIIaからの全てのシアル酸の完全な除去に相当する3.90μmolガラクトース/μmol FVIIa(図1)の比を与えた。あるいは、シアル酸の除去は、解析の節に記載されているようにCE-プロトコルによって解析することができる。
実施例8:
ガラクトシル誘導体化されたFVIIa類似体の調製のための一般的なワンステップ手順:
工程A(緩衝液交換):FVIIa(1ml、28nmol、1.4mg/ml)の10mM CaCl2および50mM NaClを含む10mM グリシルグリシン緩衝液(pH 6.0)溶液を10mM CaCl2および50mM NaClを含む15mlの10mM MES緩衝液(pH 6.0)で事前にキャリブレートした(callibrated)1mlのNAP-10カラム(Amersham Bioscience)に添加する。溶液を、カラム層を通過させ、次いで、10mM CaCl2および50mM NaClを含む1.5mlの10mM MES緩衝液(pH 6.0)を添加し、その一方で、1.5mlの溶出液を収集する。
工程B(ノイラミニダーゼ処理):溶出液を75mUノイラミニダーゼ(コレラ菌由来EC 3.2.1.18)に添加し、混合物を24時間室温でインキュベートする。
工程C(ガラクトースオキシダーゼ+求核試薬との反応):中の12Uガラクトースオキシダーゼ(EC。1.1.3.9)および240Uカタラーゼ(EC.1.11.1.6)およびO置換されたヒドロキシルアミン誘導体(500nmolまたは酸化されたガラクトース残基あたり約5当量)の新たに調製した200μlのMES緩衝液(10mM MES、10mM CaCl2、および50mM NaCl、pH 6.0)溶液を添加する。修飾の程度は、問題の特定の修飾のために適した解析技術(例えば、荷電した部分については、IEFゲル、またはより大きなサイズのヒドロキシルアミンについては還元/非還元SDS-PAGEゲル)によって行うが、転換を得るためには、典型的には室温において8〜24時間の間である。少量の一定分量からのN-グリカンを、その後にPNGase Fプロトコルを使用して切断し、解析の節に記載されている手順を使用して解析し、次いで、FVIIa修飾された最終生成物を実施例6に記載されているように精製して、その後に使用するまでの-80℃に貯蔵した。
実施例9:アシアロrFVIIaのワンポット・ガラクトース酸化およびヒドロキシルアミン(R-O-NH2)との反応についての一般的な手順:
250μlの脱シアリル化したrFVIIa(24μM)の、10mM CaCl2および50mM NaClを含む10mM MES緩衝液(pH 6.0)溶液(上記の通りに調製した)を、930mUのガラクトースオキシダーゼおよびカタラーゼ(145U)の、1.20mM(50×)のO誘導体化されたヒドロキシルアミンを含む10mM MES緩衝液(pH 6.0)溶液と反応させる。反応を4℃で24〜72時間置く。反応の進行は、Invitrogenの手順に従って少量の一定分量に対して、材料の節に明記した方法を使用するキャピラリー電気泳動法によって、またはIEFゲル(またはヒドロキシルアミンの型に応じてSDS-PAGEゲル)を行うことによって、何れかでモニターする。反応が完了に達したときに、グリカン誘導体化されたFVIIa類似体をL. Thim et al. Biochemistry, 1988, 27, 7785-7793に従ってイオン交換クロマトグラフィによって、または実施例6に記載されているように精製する。生成物を、最終的にタンパク質解析のための解析の節に記載されているとおりのキャピラリー電気泳動法、MALDI-TOF、またはその他の適切な方法によって特徴づける。修飾されたN-グリカンをPNGase Fプロトコルを使用して切断し、解析の節に記載されているMALDI-飛行時間法によって解析する。
実施例10:
アシアロ糖タンパク質のワンポット・ガラクトース酸化および求核試薬(例えば、R-CO-NHNH2、R-NHNH2またはR-O-NH2)との反応のための一般的な手順:
250μlのアシアログリコプロテイン(24μM)の10mM MES緩衝液(pH 6.0)溶液を、1.20mM(50×)の求核試薬(例えば、R-CO-NHNH2、R-NHNH2またはR-O-NH2)を含む10mM MES緩衝液(pH 6.0)の中のガラクトースオキシダーゼおよびカタラーゼと反応させる。反応を4℃で24〜72時間置く。反応の進行は、Invitrogenの手順に従って少量の一定分量に対して、材料の節に明記した方法を使用するキャピラリー電気泳動法によって、またはIEFゲル(またはヒドロキシルアミンの型に応じてSDS-PAGEゲル)を行うことによって、何れかでモニターする。反応が完了に達したときに、グリカン誘導体化された糖タンパク質を適切なクロマトグラフ的技術によって精製する。生成物を、最終的にタンパク質解析のための解析の節に記載されているとおりのキャピラリー電気泳動法、MALDI-TOF、またはその他の適切な方法によって特徴づける。修飾されたN-グリカンをPNGase Fプロトコルを使用して切断し、解析の節に記載されているMALDI-飛行時間法によって解析する。
実施例11:
アシアロ糖タンパク質のワンポット・ガラクトース酸化およびビーズに支持された酵素を使用する、求核試薬(例えばR-CO-NHNH2、R-NHNH2、またはR-O-NH2)との反応のための一般的手順:
250μlのアシアログリコプロテイン(24μM)の10mM MES緩衝液(pH 6.0)溶液を、アガロース固定されたガラクトースオキシダーゼ(100mg、典型的には70U/g支持体の活性をもつ)およびアガロース固定されたカタラーゼ(100mg、典型的には3000U/g支持体の活性をもつ)と、1.20mM(50×)の求核試薬(例えば、R-CO-NHNH2、R-NHNH2またはR-O-NH2)を含むMES緩衝液(pH 6.0)中で反応させる。反応を4℃で24〜72時間置く。反応の進行は、Invitrogenの手順に従って少量の一定分量に対して、材料の節に明記した方法を使用するキャピラリー電気泳動法によって、またはIEFゲル(またはヒドロキシルアミンの型に応じてSDS-PAGEゲル)を行うことによって、何れかでモニターする。反応が完了に達したときに、グリカン誘導体化された糖タンパク質を適切なクロマトグラフ的技術によって精製する。生成物を、最終的にタンパク質解析のための解析の節に記載されているとおりのキャピラリー電気泳動法、MALDI-TOF、またはその他の適切な方法によって特徴づける。修飾されたN-グリカンをPNGase Fプロトコルを使用して切断し、解析の節に記載されているMALDI-飛行時間法によって解析する。
実施例12:
FVIIaに対するmPEG5000-(CH2)2-CONH-(CH2)4-O-NH2のライゲーション
工程1(アシアロFVIIaの調製):ノイラミニダーゼ(アガロース上ウェルシュ菌、Sigma N5254)をmilli-Q水(3×15ml)で洗浄し、FVIIa(11ml、1.4mg/ml、Gly-gly緩衝液中)の溶液に添加した。試料を16時間穏やかに振盪した。ノイラミニダーゼを濾過して、緩衝液を、NAP-25カラムおよびNAP-10カラム(Amersham biosciences)を使用してMES緩衝液(10mM MES、10mM CaCl2、50mM NaCl、pH 6)に交換し、アシアロFVIIaのMES緩衝液を得た。IEF-ゲルを使用する解析は、タンパク質pIの中の変化を示す。
工程2(mPEG(5000)-(CH2)2-CONH-(CH2)4-O-NH2でのワンスポット・ガラクトース酸化およびオキシム形成):上記からのいくらかのアシアロFVIIa(5ml)をガラクトース酸化酵素(1.28mgの51U/mg)、カタラーゼ(1183U/mgの9.24mg)、およびmPEG(5000)-(CH2)2-CONH-(CH2)4-O-NH2に添加した。試料を20時間rtで静置させた。pHを50mM NaOHで8に合わせて、100mM EDTA(500μl)を添加し、その後、再びpHを8に合わせた。試料を5mlのHi-Trap Qカラム(Amersham Biosciences)、スタート緩衝液(10mM TRIS、50mM NaCl、pH 8.0)、および溶出緩衝液(10mM TRIS、50mM NaCl、25mM CaCl2、pH 8.0)を使用して精製した。FVIIaを含む画分を収集して、SDS-PAGEによって解析した。生成物の質量の増大が、SDS-PAGEによって見えた(図5)。
実施例13:
アミノキシ酢酸誘導体化されたFVIIaを調製するための大規模法。
実施例2または3において調製したアシアロFVIIa(10.5mg、Gly-Gly緩衝液pH 6.0(7.5ml)溶液)を、10mM MES、10mM CaCl2、50mM NaCl、pH 6.0で事前に平衡化した3つのNAP-25(Amersham)カラムを用いて、10mM MES、10mM CaCl2、50mM NaCl、pH 6.0緩衝液への緩衝液交換に供した。次いで、2.25mlの10mM アミノキシ酢酸の10mM MES、10mM CaCl2、50mM NaCl、pH 6.0溶液を添加し、続いて135Uのガラクトースオキシダーゼ(1.93mg、78U/mg)および6039Uのカタラーゼ(2.57mg、2350U/mg)の2.25mlの10mM MES、10mM CaCl2、50mM NaCl、pH 6.0溶液を添加した。混合物を時々振盪しながら4℃で48時間インキュベートした。50mM NaOHを使用してpHを8.0まで上げた。pH 8.0(1.7ml)の100mM EDTA溶液を添加することによって、溶液からカルシウムイオンを除去した。溶液の伝導率は、8.3mS/cmに測定された。次いで、溶液を10mM トリス、50mM NaCl、pH 8.0で平衡化した5mlのHiTrap Q HPイオン交換カラム(Amersham-Biosciences)に充填した。カラムを10mM トリス(50mM NaCl)で溶出されたpH 8.0(10vol、流束:1ml/分)。次いで、溶離緩衝液を10mM トリス、50mM NaCl、25mM CaCl2、pH 8.0に変えた(10vol流束:1ml/min)。画分はIEFゲルによって解析して(図6)、純粋なアミノキシ酢酸修飾されたFVIIa試料(ゲル上で約5.8pIを有する)をプールした。次いで、緩衝液を、NAP-10カラム(Amersham)を使用して10mM Gly-Gly、10mM CaCl2、50mM NaCl、pH 7に交換し、その後に使用するまで試料を-80℃に貯蔵した。ペプチド分解性(peptidolytical)活性は、S2288ペプチド基質を使用して(インビトロでのアッセイ法の節を参照されたい)、出発原料の54%と測定された。
実施例14:
p-ニトロベンジルオキシアミンでの誘導体化のためのワンポット法。
工程A(緩衝液交換):FVIIa(1ml、28nmol、1.4mg/ml)の10mM CaCl2および50mM NaClを含む10mM グリシルグリシン緩衝液(pH 6.0)溶液を10mM CaCl2および50mM NaClを含む15mlの10mM MES緩衝液(pH 6.0)で事前にキャリブレートした(callibrated)1mlのNAP-10カラム(Amersham Bioscience)に添加する。溶液を、カラム層を通過させ、次いで、10mM CaCl2および50mM NaClを含む1.5mlの10mM MES緩衝液(pH 6.0)を添加し、その一方で、1.5mlの溶出液を収集する。
工程B(ノイラミニダーゼ処理):溶出液を75mUノイラミニダーゼ(コレラ菌由来EC 3.2.1.18)に添加し、混合物を24時間室温でインキュベートする。
工程C(ガラクトースオキシダーゼ+求核試薬との反応):12Uガラクトースオキシダーゼ(EC.1.1.3.9)および240Uカタラーゼ(EC.1.11.1.6)およびO置換されたヒドロキシルアミン誘導体(500nmolまたは酸化されたガラクトース残基あたり約5当量)の新たに調製した200μlのMES緩衝液(10mM MES、10mM CaCl2、および50mM NaCl、pH 6.0)溶液を添加する。混合物をrtで24時間反応させた。
工程D(誘導体化されたN-グリカンの解析):全ての試料を解析のために使用した。N-グリカンをPNGase Fを使用して切断し、解析の節に記載されている方法を使用してMALDI-TOF分光法によって放出されたN-グリカンを同定した。2つの誘導体化グリカン構造が、それぞれGalおよびGalNAc修飾で修飾された双アンテナに対応することが同定された(図7)た。
実施例15:
アミノキシ酢酸でのワンポット誘導体化。
工程A(緩衝液交換):FVIIa(1ml、28nmol、1.4mg/ml)の10mM CaCl2および50mM NaClを含む10mM グリシルグリシン緩衝液(pH 6.0)溶液を10mM CaCl2および50mM NaClを含む15mlの10mM MES緩衝液(pH 6.0)で事前にキャリブレートした(callibrated)1mlのNAP-10カラム(Amersham Bioscience)に添加する。溶液を、カラム層を通過させ、次いで、10mM CaCl2および50mM NaClを含む1.5mlの10mM MES緩衝液(pH 6.0)を添加し、その一方で、1.5mlの溶出液を収集する。
工程B(ノイラミニダーゼ処理):溶出液を150mUノイラミニダーゼ(コレラ菌由来EC 3.2.1.18)に添加し、混合物を24時間室温でインキュベートする。
工程C(ガラクトースオキシダーゼ+求核試薬との反応):12Uガラクトースオキシダーゼ(EC.1.1.3.9)および240Uカタラーゼ(EC.1.11.1.6)およびO置換されたヒドロキシルアミン誘導体(500nmolまたは酸化されたガラクトース残基あたり約5当量)の新たに調製した200μlのMES緩衝液(10mM MES、10mM CaCl2、および50mM NaCl、pH 6.0)溶液を添加する。混合物をrtで24時間反応させた。それぞれの工程から採取した一定分量をIEF-ゲル解析(図8)によって解析した。また、30mUガラクトースオキシダーゼを使用して工程Cを行った。
実施例16:
固体に支持されたノイラミニダーゼを使用する、シアル化された糖タンパク質の脱シアリル化(アシアロ糖タンパク質の調製):
250μlのrFVIIa(1.24mg/ml、24μM)の、10mM CaCl2および50mM NaClを含む10mM グリシルグリシン緩衝液(pH 6.0)溶液を25mU α2-3,6,8,9-ノイラミニダーゼに添加し、反応混合物を4℃で32時間インキュベートした。反応をモニターするために、反応の少量の一定分量は、Invitrogenの手順に従って行われる適切な緩衝液およびIEFゲルで希釈した。また、試料を材料の節に記載されている方法に従ってキャピラリー電気泳動法によって解析した。
実施例17:
以下の例は、デンドリマー化合物の合成に関する。
実施例および一般的な手順は、構造の詳細において、および合成スキームにおいて同定される中間化合物および終末生成物をいう。本発明のデンドリマー化合物の調製は、以下の実施例を使用して詳述してあるが、記載されている化学反応は、選択された本発明の分枝重合体の調製に対してこれらを一般的に適用できることに関して、開示している。時々、本発明の開示された範囲内に含まれるそれぞれの化合物について記載されている反応を適用できないかもしれない。これが生じる化合物は、当業者によって容易に認識される。これらの場合、反応は、当業者に公知の従来の修飾によって、即ち干渉する基の適切な保護によって、その他の従来の試薬に変更することによって、または反応条件のルーチンな修飾によって、首尾よく行うことができる。あるいは、本明細書に開示したか、またはさもなければ従来のその他の反応を、対応する本発明の化合物の調製にも適用できるであろう。全ての調製的方法において、全ての開始材料が公知であるか、または公知の開始材料から容易に調製してもよい。全ての温度は、摂氏度で記載されており、特に明記しない限り、全ての部および割合は、収率に関して記載してきるときは重量によるものであり、溶媒および溶出剤をいうときは、全ての部が体積によるものである。全ての試薬は、Aldrich, Sigmaなどから供給される標準的な等級のものであった。プロトン、炭素、およびリンの核磁気共鳴(1H-、13C-、および31P NMR)は、Bruker NMR装置で記録してあり、報告した化学シフト(δ)は、テトラメチルシランまたはリン酸からの低磁場のものである。LC-MS質量スペクトルは、以下の通りの装置および準備条件を使用して得た:"
・Hewlett Packardシリーズ1100 G1312A Bin Pump
・Hewlett Packardシリーズ1100 Columnコンパートメント
・Hewlett Packardシリーズ1100 G13 15A DADダイオードアレイ検出器
・Hewlett Packardシリーズ1100 MSD
計測器は、HP Chemstationソフトウェアによって制御した。
HPLCポンプは、以下を含む2つの溶出剤貯蔵所に接続した:
A:0.01% TFAの水溶液
B:0.01% TFAのアセトニトリル溶液。
解析は、適切な量(好ましくは、1μL)のカラム上に試料を注射することによって40℃で行い、これをアセトニトリル勾配で溶出した。使用したHPLC条件、検出器設定、および質量分析計設定は、以下の通りである:
カラム Waters Xterra MS C-18 、50×3 mm id
勾配 10%〜100%のアセトニトリルをリニアに、1.0ml/分で7.5分間
検出 UV:210nm(DADからのアナログ出力)
MS イオン化モード:API-ES
Scan 100〜1000 amu 0.1 amuステップ
以下の実施例に示したくつかのNMRデータは、選択したデータだけである。実施例において、以下の用語は、以下の一般的な意味を有することが意図される:
略語
Boc:tert-ブトキシカルボニル
CDI:カルボニルジイミダゾール
DCM:ジクロロメタン、メチレンクロライド
DIC:ジイソプロピルカルボジイミド
DIPEA:N,N-ジイソプロピルエチルアミン
DhbtOH:3-ヒドロキシ-1,2,3-ベンゾトリアジン-4(3H)-オン
DMAP:4-ジメチルアミノピリジン
DMF:N,N-ジメチルホルムアミド
DMSO:ジメチルスルホキシド
DTT:ジチオスレイトール
EtOH:エタノール
Fmoc:9-フルオレニルメチルオキシカルボニル
HOBt:1-ヒドロキシベンゾトリアゾール
MeOH:メタノール
NMP:Nメチル-2-ピロリドン
NEt3:トリエチルアミン
THF:テトラヒドロフラン
TFA:トリフルオロ酢酸
TSTU:2-スクシンイミド-1,1,3,3-テトラメチルウロニウムテトラフルオロボラート 。
以下の非限定の実施例は、固相合成または溶液相合成を使用する単量体の合成および重合技術を示す。
単量体ビルディングブロックおよびリンカーの合成
実施例17
2-[2-(2-クロロエトキシ)エトキシメチル]オキシラン
2(2-クロロエトキシ)エタノール(100.00g;0.802 mol)をジクロロメタン(100ml)およびボラントリフルリドエーテラート(boron trifluride etherate)の触媒量(2.28g;16mmol)に溶解した。透明な溶液を0℃に冷却し、エピブロミドリン(epibromhydrin)(104.46g;0.762 mol)を滴下して添加し、温度を0℃に維持した。透明溶液を0℃でさらに3時間撹拌し、溶媒を回転式蒸発によって除去した。残油を一旦アセトニトリルから蒸発して、粗製1-ブロモ-3-[2-(2-クロロエトキシ)エトキシ]プロパン-2-オールを得て、これをTHF(500ml)に再融解した。次いで、粉末状のカリウムtert-ブトキシド(85.0g;0.765 mmol)添加し、混合物を30分間加熱して還流した。不溶性塩を濾過によって除去して、真空中で濾液を濃縮し、透明な黄色の油を得た。油を真空蒸留することによってさらに精製し、56.13g(41%)の純粋な表題材料を得た。
bp=65-75℃(0.65 mbar). 1H-NMR(CDCl3):δ2.61 ppm(m, 1H); 2.70(m, 1H); 3.17(m, 1H); 3.43(dd, 1H); 3.60-3.85(m, 9H).13C-NMR(CDCl3):δ42.73 ppm; 44.18; 50.80; 70.64 & 70,69(may collaps); 71.37; 72.65。
実施例18
1,3-ビス[2-(2-クロロエトキシ)エトキシ]プロパン-2-オール
2-[2-(2-クロロエトキシ)エトキシメチル]オキシラン(2.20g;12.2 mmol)をDCM(20ml)に溶解し、2-(2-クロロエトキシ)エタノール(1.52g;12.2 mol)を添加した。混合物を0℃に冷却し、ボラントリフルリドエーテラート(boron trifluride etherate)の触媒量(0.2ml;1.5 mmol)を添加した。混合物を2時間0℃で撹拌し、溶媒を回転式蒸発によって除去した。残りのボラントリフルリドエーテラートをアセトニトリルから2回共蒸発することによって除去した。こうして得られた油をクーグラー蒸留(kuglerohr destilation)によって精製した。表題材料は、透明な粘りけがある油として、2.10g(45%)の収率で得られた。bp.=270℃, 0.25 mbar. 1H-NMR(CDCl3):δ3.31(bs, 1H); 3.55 ppm(ddd, 4H); 3.65-3.72(m, 12H); 3.75(t, 4H); 3.90(m, 1H). 13C-NMR(CDCl3):δ43.12 ppm; 69.92; 70.95; 71.11; 71.69; 72.69.
。
実施例19
1,3-ビス[2-(2-アジドエトキシ)エトキシ]プロパン-2-オール
1,3-ビス[2-(2-クロロエトキシ)エトキシ]プロパン-2-オール(250mg;0.81 mmol)をDMF(2.5ml)に溶解し、アジ化ナトリウム(200mg;3.10 mmol)およびヨウ化ナトリウム(100mg; 0.66mmol)を添加した。懸濁液を100℃(内部温度)まで一晩加熱した。次いで、混合物を冷却して、濾過した。濾液を乾燥させ、半結晶質の油をDCM(5ml)に再懸濁した。非可溶性塩を濾過によって除去し;濾液を乾燥まで蒸発して、無色油状物として純粋な表記物質を得た。収率:210mg(84%)。 1H-NMR(CDCl3):δ3.48 ppm(t, 4H); 3.60-3.75(m, 16H);4.08(m, 1H). 13C-NMR(CDCl3):δ51.05 ppm; 69.10; 70.24; 70.53; 70.78; 71.37. LC-MS(any-one):m/e=319(M+1)+; 341(M+Na)+; 291(M-N2)+. Rt=2.78 min。
実施例20
1,3-ビス[2-(2-アジドエトキシ)エトキシ]プロパン-2-イル-p-ニトロフェニルカルボナート
1,3-ビス[2-(2-アジドエトキシ)エトキシ]プロパン-2-オール(2.00g;6.6 mmol)をTHF(50ml)に溶解し、ジイソプロピルエチルアミン(10ml)に添加した。次いで、透明な黄色溶液を4-ジメチルアミノピリジン(1.60g;13.1 mmol)およびp-ニトロフェニルクロロホルミアート(p-nitorphenylchloroformiate)(2.64g;13.1 mmol)に添加し、外界温度で撹拌した。沈殿が迅速に形成された。懸濁液を室温で5時間撹拌し、次いで濾過して、真空中で濃縮した。残渣を、溶出剤として酢酸エチル-ヘプタン-トリエチルアミン(40/60/2)を使用するクロマトグラフィーによってさらに精製した。生成物は、透明な黄色の油として、500mg(16%)の収率で得られた。 1H-NMR(CDCl3):δ 3.38 ppm(t, 4H); 3.60-3.72(m, 12H); 3.76(m, 4H); 5.12(q, 1H); 7.41(d, 2H); 8.28(d, 2H). LC-MS(any-one):m/e=506(M+Na)+; 456(M-N2)+. Rt=4.41 min。
実施例21
1,3-ビス[2-(2-アジドエトキシ)エトキシ]プロパン-2-イルクロロホルミアート
トリクロロアセチルクロライド(1,42 g、7.85mmol)をTHF(10ml)に溶解し、溶液を0℃い冷却した。1,3-ビス[2-(2-アジドエトキシ)エトキシ]プロパン-2-オール(1.00g;3.3 mmol)およびトリエチルアミン(0,32 g、3.3mmol)のTHF(5ml)溶液を10分間にわたってゆっくりと滴下して添加した。冷却(cooling)を除去し、生じる懸濁液を外界温度で6時間撹拌した。混合物を濾過して、濾液を蒸発させて、明るい茶色の油を得た。蒸発後に油をアセトニトリルで2回処理して、生成物をさらに精製することなく使用した。
1H-NMR(CDCl3): δ 3.40(t, 4H); 3,55-3,71(m, 12H); 3,75(d, 4H); 5.28(m, 1H).。
実施例22
2-(1,3-ビス[2-(2-アジドエトキシ)エトキシ]プロパン-2-イルオキシ)酢酸
水素化ナトリウム(7.50g;80%の油懸濁液)をヘプタンで2回洗浄し、乾燥THF(100ml)に再懸濁した。次いで、1,3-ビス[2-(2-アジドエトキシ)エトキシ]プロパン-2-オール(10.00g;33.0 mmol)の乾燥THF(100ml)溶液を室温で30分間にわたってゆっくりと滴下して添加した。次いで、ブロモ酢酸(6.50mg;47mmol)のTHF(100ml)溶液を20分間にわたって滴下して添加した→わずかに発熱。クリーム色の懸濁液を形成した。混合物を外界温度で一晩撹拌した。混合物を冷却すると共に、過剰な水素化ナトリウムを加水(20ml)によって慎重に破壊した。懸濁液を回転式蒸発によって乾燥し、残渣をDCMと水に分けた。次いで、水相をDCMで2回抽出し、酢酸(25ml)を添加することによって酸性化した。次いで、水相をDCMで瞬間抽出して、有機相を組み合わせて硫酸ナトリウムを通して乾燥し、乾燥するまで蒸発した。この時点の残油は、表題材料並びにブロモ酢酸を含んだ。後者のものを、ピペリジン(5ml)を含むDCM(50ml)溶液に油を再融解することによって除去し;30分間撹拌し、次いで、有機溶液を1N HCl水溶液で(3×)瞬間洗浄した。次いで、溶媒の乾燥(Na
2SO
4)および蒸発の後に、純粋な表題物質が得られた。収率:7.54 g(63%)。
1H-NMR (D
2O):δ 3.11 ppm (t, 4H); 3.53-3.68 (m, 16H); 3.80 (m, 1H); 4.25 (s, 2H).
13C-NMR (D
2O): δ 38.18 ppm.; 65.43; 66.09; 68.55: 69.13; 69.23; 77.18; 173.42.
実施例23
イミダゾール-1-カルボン酸1,3-ビス(2-(2-アジドエトキシ)エトキシ)プロパン-2-イルエステル
1,3-ビス[2-(2-アジドエトキシ)エトキシ]プロパン-2-オール(1.00g;3.3 mmol)をたDCM(5ml)に溶解しカルボニルジイミダゾール(1.18g、6.3mmol)を添加した。混合物を室温で2時間撹拌した。溶媒を除去して、残渣をメタノール(20ml)に溶解し、20分間撹拌した。溶媒を除去し、こうして得られた透明な油を、溶出剤として2%のMeOHのDCM溶液を使用してシリカでのカラムクロマトグラフィーによってさらに精製した。収率:372.4 mg(35%)。1H-NMR(CDCl3):δ 3.33(t, 4H); 3,60-3,75(m, 12H); 3,80(d, 4H); 5.35(m, 1H); 7.06(s, 1H); 7.43(s, 1H); 8.16(s, 1H).
LC-MS(any-one):m/e=413(M+1)+; Rt=2.35 min。
実施例24
t-ブチル2-(1,3-ビス[2-(2-アジドエトキシ)エトキシ]プロパン-2-イルオキシ)アセテート
2-(1,3-ビス[2-(2-アジドエトキシ)エトキシ]プロパン-2-イルオキシ)酢酸(5.0g;13.28 mmol)をトルエン(20ml)に溶解し、反応混合物を不活性雰囲気下で加熱して還流した。次いで、N,N-ジメチルホルムアミド-ジ-tert-ブチルアセタール(13ml;54.21 mmol)を30分にわたって滴状に添加した。還流を24時間続けた。次いで、濃褐色の溶液をセライトを介して濾過した。溶媒を減圧下で除去し、油性残渣を、溶出剤として3%のメタノールジクロロメタンを使用するシリカでのフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。純粋な画分をプールして、乾燥するまで蒸発した。黄色の透明な油のとして表題物質が得られた。収率:5.07 g(88%)。1H-NMR(CDCl3): δ 1.42 ppm(s, 9H); 3.35(t, 4H); 3.54-3.69(m, 16H); 3.75-3.85(m, 1H); 4.16(s, 2H). 13C-NMR(CDCl3, selected peaks):δ 30.35 ppm.; 52.93; 70.65; 72.25; 73.12; 73.90; 80.44; 83.55; 172.28. Rf=0.33 in ethyl acetate−heptane(1:1).。
実施例25
t-ブチル2-(1,3-ビス[2-(2-アミノエトキシ)エトキシ]プロパン-2-イルオキシ)アセテート
t-ブチル2-(1,3-ビス[2-(2-アジドエトキシ)エトキシ]プロパン-2-イルオキシ)アセテート(5.97g、11.7mmol)をエタノール-水(25ml;2:1)に溶解し、酢酸(5ml)、続いてラネーニッケル(5ml)の水性懸濁液を添加した。次いで、混合物を、Parr装置を使用して16時間3気圧で水素付加した。次いで、触媒を濾過することによって除去して、反応混合物を回転式蒸発によって乾燥させた。油状残渣を水に溶解し、凍結乾燥して、表題材料の定量的収率を得た。1H-NMR(CDCl3):δ 1.45 ppm(s, 9H); 3.15(bs, 4H); 3.48-3.89(broad m, 17H); 4.15(s, 2H). 13C-NMR(CDCl3, selected peaks):δ 28.44 ppm.; 39.81; 68.17; 70.58; 70.79; 70.99; 78.81; 82.31; 170.59。
実施例26
2-(1,3-ビス[2-(2-アミノエトキシ)エトキシ]プロパン-2-イルオキシ)酢酸
2-(1,3-ビス[2-(2-アジドエトキシ)エトキシ]プロパン-2-イルオキシ)酢酸(1.00g;2.65 mmol)を1N水性塩酸(10ml)に溶解し、炭素(1ml)上で5%パラジウムの50%水性懸濁液を添加した。混合物をParr装置を使用して3.5気圧で水素付加した。1時間後に、反応を停止し、触媒を濾過することによって除去した。溶媒を回転式蒸発によって除去して、残渣をアセトニトリルから2回蒸発した。収率:930mg(88%)。 1H-NMR(D2O):δ 3.11 ppm(t, 4H); 3.53-3.68(m, 16H); 3.80(m, 1H); 4.25(s, 2H). 13C-NMR(D2O):δ 38.18 ppm.; 65.43; 66.09; 68.55:69.13; 69.23; 77.18; 173.42。
実施例27:
2-(1,3-ビス[2-(2-{9-フルオレニルメチルオキシカルボニルアミノ}エトキシ)エトキシ]プロパン-2-イルオキシ)酢酸
2-(1,3-ビス[2-(2-アミノエトキシ)エトキシ]プロパン-2-イルオキシ)酢酸(9.35g;28.8 mmol)をDIPEA(10ml;57mmol)に添加した。反応混合物を氷浴上で冷却して、DCM(50ml)に溶解したクロロトリメチルシラン(15ml;118mmol)を、続いてDIPEAによって(11ml;62.7 mmol)を液滴で添加した。ほぼ透明な溶液に、Fmoc-Cl(15.0g;57mmol)のDCM(50ml)溶液を滴下して添加した。反応混合物を一晩撹拌し、次いでDCM(500ml)で希釈して、0.01N水性溶液(500ml)に添加した。有機層を分離して;水(3×200ml)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを通して乾燥させた。溶媒を回転式蒸発によって除去した。
粗生成物を、溶出剤として酢酸エチル-ヘプタン(1:1)を使用するシリカでのフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。純粋な画分を収集し、乾燥して9.20g(42%)の表題物質を得た。
1H-NMR(D2O):δ 3.34 ppm(t, 4H); 3.45-3.65(m, 16H); 3.69(bs, 1H); 4.20(t, 2H); 4.26(s, 2H); 4.38(d, 4H); 5.60(t, 2H); 7.30(t, 4H); 3.35(t, 4H); 7.58(d, 4H); 7.72(d, 4H). 13C-NMR(D2O; selected peaks):δ 21.20 ppm.; 30.75; 34.64; 67.66; 68.90; 70.38; 70.51; 80.02; 120.37; 125.54; 127.48; 128.09; 128.67; 136.27; 141.69; 173.63; 176.80。
実施例28
2-[2-(2-アジドエトキシ)エトキシ]エタノール
2-(2-(-2-クロロエトキシ)エトキシ)エタノール(25.0g、148 mmol)およびナトリウムアジド(14.5g、222mmol)のジメチルホルムアミド(250ml)溶液のスラリーを100℃で一晩静置した。反応混合物を氷浴で冷却し、濾過して、有機溶媒を真空中で蒸発した。残渣をジクロロメタン(200ml)に溶解し、水(75ml)で洗浄して、水相をさらにジクロロメタン(75ml)で抽出して、合わせた有機相を硫酸マグネシウム(MgSO4)で乾燥し、濾過して、真空中で蒸発し、油を得て、さらに精製することなく使用した。収率:30.0g(100%)。 13C-NMR(CDCl3):δ 72.53; 70.66-70.05; 61.74; 50.65。
実施例29
(2-[2-(2-アジドエトキシ)エトキシ]エトキシ)酢酸
2-[2-(2-アジドエトキシ)エトキシ]エタノール(26g,148mmol)をテトラヒドロフラン(100ml)に溶解し、窒素雰囲気下でゆっくりと、氷冷水素化ナトリウム(24g、593mmol、60%の油中)のスラリーに添加した(これは、ヘプタン(2×100ml)のテトラヒドロフラン(250ml)溶液で前もって洗浄した)。反応混合物を40分間静置し、次いで氷浴で次冷却して、続いてゆっくりとテトラヒドロフラン(150ml)に溶解したブロモ酢酸(31g、223mmol)を添加して、RTで約3時間静置した。有機溶媒を真空中で蒸発した。残渣をジクロロメタン(400ml)に懸濁した。水(100ml)をゆっくりと添加し、その後、混合物を機械での攪拌下で30分間静置した。水相を分離し、ハイドロクロライド(4N)で酸性化して、ジクロロメタン(2×75ml)で抽出した。全ての合わせた有機相を真空中で蒸発し、黄色の油を得た。ピペリジン(37ml、371mmol)のジクロロメタン(250ml)溶液をゆっくりと油に添加し、混合物を機械での攪拌下で1時間静置した。透明溶液をジクロロメタン(100ml)で希釈して、ハイドロクロライド(4N、2×100ml)で洗浄した。水相をさらにジクロロメタン(2×75ml)で抽出して、合わせられた有機相を真空中で蒸発し、黄色の油を得て、さらに精製することなく使用した。収率:27.0 g(66%)。13C-NMR(CDCl3):δ 173.30; 71.36; 70.66-70.05; 68.65; 50.65。
実施例30
(S)-2,6-ビス-(2-{2-[2-(2-アジドエトキシ)エトキシ]エトキシ}アセチルアミノ)ヘキサン酸メチルエステル
上記の(2-[2-(2-アジドエトキシ)エトキシ]エトキシ)酢酸(13g、46.9mol)をジクロロメタン(100ml)に溶解した。N-ヒドロキシスクシンイミド(6.5g、56.3mmol)および1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピルカルボジイミドハイドロクロライド(10.8g、56.3mmol)を添加し、反応混合物を1時間静置した。ジイソプロピルエチルアミン(39ml、234mmol)およびL-リジンメチルエステルジハイドロクロライド(6.0g、25.8mmol)を添加して、反応混合物を16時間静置した。反応混合物をジクロロメタン(300ml)で希釈し、水(100ml)、ハイドロクロライド(2N、2×100ml)、水(100ml)、50%の飽和したナトリウム水素カルボナート(100ml)、および水(2×100ml)で抽出した。有機相を硫酸マグネシウムを通して乾燥し、濾過して、真空中で蒸発し、油を与えて、これはさらに精製することなく使用した。収率:11g(73%)。LCMS:m/z=591. 13C-NMR(CDCl3):(selected)δ 172.48; 169.87; 169.84; 71.093-70.02; 53.51; 52.34; 51.35; 50.64; 38.48; 36.48; 31.99; 31.40; 29.13; 22.82。
実施例31
((S)-2,6-ビス-(2-{2-[2-(2-t-ブチルオキシカルボニルアミノエトキシ)エトキシ]エトキシ}アセチルアミノ)ヘキサン酸メチルエステル
上記の(S)-2,6-ビス-(2-{2-[2-(2-アジドエトキシ)エトキシ]エトキシ}アセチルアミノ)ヘキサン酸メチルエステル(1.0g、1.7mmol)のエチルアセテート(15ml)溶液をジ-tert-ブチル二炭素at(0.9g、4.24mmol)および10%Pd/C(0.35g)に添加した。次いで、水素を、溶液を通して3時間常に泡立てた。反応混合物を濾過して、有機溶媒を真空中で除去した。残渣を溶出剤として酢酸エチル/メタノール9:1を使用するフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。生成物を含む画分をプールして、有機溶媒を真空中で除去し、油を得た。収率:0.60g(50%)。LC-MS:m/z=739(M+1)。
実施例32
(S)-2,6-ビス-(2-{2-[2-(2-アミノエトキシ)エトキシ]エトキシ}アセチルアミノ)ヘキサン酸メチルエステル
上記(S)-2,6-ビス-(2-{2-[2-(2-t-ブチルオキシカルボニルアミノエトキシ)エトキシ]エトキシ}アセチルアミノ)ヘキサン酸メチルエステル(0.6g、0.81mmol)をジクロロメタン(5ml)に溶解した。トリフルオロ酢酸(5ml)を添加して、反応混合物を約1時間静置した。反応混合物を真空中で蒸発し、油を得て、これはさらに精製することなく使用した収率:0.437 g(100%)。LC-MS m/z=539(M+1)。
実施例33
(S)-2,6-ビス-(2-{2-[2-(2-アジドエトキシ)エトキシ]エトキシ}アセチルアミノ)ヘキサン酸
(S)-2,6-ビス-(2-{2-[2-(2-アジドエトキシ)エトキシ]エトキシ}アセチルアミノ)ヘキサン酸メチルエステル(2.0g、3.47mmol)のメタノール(10ml)溶液にナトリウムヒドロキシド(水酸化物)(4N,1.8ml、6.94mmol)を添加し、反応混合物を2時間静置した。有機溶媒を真空中で蒸発し、残渣を水(45ml)に溶解し、水素クロライド(4N)で酸性化した。混合物をジクロロメタン(150ml)で抽出し、これを飽和した塩化ナトリウム水溶液(2×25ml)で洗浄した。有機相を硫酸マグネシウムを通して乾燥して、濾過し、真空中で蒸発して、油を得た。LC-MS m/z=577(M+1)。
実施例34
N-(tert-ブチルオキシカルボニルアミノキシブチル)フタルイミド
N-(4-ブロモブチル)フタルイミド(18.9 g、67.0 mmol)、MeCN(14ml),およびN-Boc-ヒドロキシルアミン(12.7 g、95.4 mmol)の撹拌混合物に、一部にDBU(15.0ml、101mmol)を添加した。生じる混合物を50℃で24時間撹拌した。水(300ml)および12MのHCl(10ml)を添加して、生成物をAcOEtで3回抽出した。合わせられた抽出物をブラインで洗浄し、乾燥して(MgSO4)、減圧下で濃縮した。生じる油(28g)をクロマトグラフィー(ヘプタン/AcOEtで140 g SiO2、勾配溶出)によって精製した。
17.9 g(80%)の標記化合物が油として得られた。1H NMR(DMSO-d6)δ 1.36(s, 9H), 1.50(m, 2H), 1.67(m, 2H), 3.58(t, J=7 Hz, 2H), 3.68(t, J=7 Hz, 2H), 7.85(m, 4H), 9.90(s, 1H)。
実施例35
4-(tert-ブチルオキシカルボニルアミノキシ)ブチルアミン
N-(tert-ブチルオキシカルボニルアミノキシブチル)フタルイミド(8.35 g、25.0 mmol)の、EtOH(10ml)溶液にヒドラジン水和物(20ml)を添加し、混合物を38時間80℃で撹拌した。混合物を濃縮して、残渣をEtOHおよびPhMeで共蒸発させた。残渣にEtOH(50ml)を添加して、沈殿するフタルヒドラジド(phthalhydrazide)を濾過して、EtOH(50ml)で洗浄した。合わせた濾液の濃縮により、5.08gの油を得た。この油をK2CO3(10g)水溶液(20ml)と混合して、生成物をH2Cl2で抽出した。乾燥(MgSO4)および濃縮により、2.28g(45%)の標記化合物を油として得て、これをさらに精製することなく使用した。1H NMR(DMSO-d6)δ 1.38(m, 2H), 1.39(s, 9H), 1.51(m, 2H), 2.51(t, J=7 Hz, 2H), 3.66(t, J=7 Hz, 2H)。
実施例36
2-(2-トリチルオキシエトキシ)エタノール
トリチル塩化物(10g、35.8 mmol)を乾燥ピリジンに溶解し、ジエチレングリコール(3.43 mL、35.8 mmol)を添加して、混合物を窒素下で一晩撹拌した。溶媒を真空中で除去した。残渣をジクロロメタン(100mL)に溶解し、水で洗浄した。有機相を、Na2SO4を通して乾燥し、溶媒を真空中で除去した。粗生成物をヘプタン/トルエン(3:2)からの再結晶によって精製し、標記化合物を得た。1H NMR(CDCl3):δ 7.46(m, 6H), 7.28,(m, 9H), 3.75(t, 2H), 3.68(t, 2H), 3.62(t, 2H), 3.28(t, 2H). LC-MS:m/z=371(M+Na); Rt=2.13 min。
実施例37
2-[2-(2-トリチルオキシエトキシ)エトキシメチル]オキシラン
2-(2-トリチルオキシエトキシ)エタノール(6.65 g、19 mmol)を乾燥THF(100mL)に溶解した。60%のNaH−油懸濁液(0.764mg、19mmol)をゆっくりと添加した。懸濁液を15分間撹拌した。エピブロモヒドリン(1.58mL、19mmol)を添加して、混合物を室温において窒素下で一晩撹拌した。反応を氷でクエンチし、ジエチルエーテル(300mL)と水(300mL)とに分けた。水相をジクロロメタンで抽出した。有機相を集めて、乾燥させ(Na2SO4)、溶媒を進級中で除去して油を得て、DCM/MeOH/Et3N(98:1:1)で溶出するシリカゲル・カラムで精製し、標記化合物を得た。 1H NMR(CDCl3):δ 7.45(m, 6H), 7.25,(m, 9H), 3.82(dd, 1H), 3.68(m, 6H), 3.45(dd, 1H), 3.25(t, 2H), 3.15(m, 1H ), 2.78(t, 1H), 2.59(m, 1H). LC-MS:m/z=427(M+Na); Rt=2.44 min。
実施例38
1,3-ビス[2-(2-トリチルオキシエトキシ)エトキシ]プロパン-2-オール
2-(2-トリチルオキシエトキシ)エタノール(1.14 g、3.28 mmol)を乾燥DMF(5mL)に溶解した。60%のNaH−油懸濁液(144mg、3.61mmol)をゆっくり添加して、混合物を30分間に室温において窒素下で撹拌した。混合物を40℃まで加熱した。2-[2-(2-トリチルオキシエトキシ)エトキシメチル]オキシラン(1.4 g、3.28 mmol)を乾燥DMF(5mL)に溶解し、一方で撹拌して、窒素下で溶液に滴下して添加した。添加終了後、混合物を40℃において一晩窒素下で撹拌した。加熱をやめて室温に冷却した後に、反応を氷でクエンチして、飽和したNaHCO3水溶液(100mL)に注いだ。混合物をジエチルエーテル(3×75 mL)で抽出した。有機相を集めて乾燥し(Na2SO4)、溶媒を真空中で除去して、油を得て、EtOAc/Heptane/Et3N(49:50:1)で溶出するシリカゲル・カラムで精製して標記化合物を得た。
1H NMR(CDCl3):δ 7.45(m, 12H), 7.25,(m, 18H), 3.95(m, 1H), 3.78-3.45(m, 16H), 3.22(t, 4H), LC-MS:m/z=775(M+Na); Rt=2.94 min。
実施例39
1,3-ビス[2-(2-トリチルオキシエトキシ)エトキシ]プロパン-2-イルオキシβ-シアノエチルN,N-ジイソプロピルホスホラミダイト
1,3-ビス[2-(2-トリチルオキシエトキシ)エトキシ]プロパン-2-オール(0.95 g、1.26 mmol)を乾燥ピリジンから2回および乾燥アセトニトリルから一度蒸発した。残渣を乾燥THF(15mL)に溶解し、その一方で、窒素下で撹拌した。ジイソプロピルエチルアミン(1.2mL、6.95mmol)を添加した。混合物を氷浴で0℃に冷却し、2-シアノエチルジイソプロピルクロロ-ホスホラミダイト(0.39mL、1.77mmol)を窒素下で添加した。混合物を0℃で10分間、続いて室温で30分間撹拌した。NaHCO3水溶液(50mL)を添加して、混合物をDCM/Et3N(98:2)(3×30 mL)で抽出した。有機相を集めて、乾燥し(Na2SO4)、溶媒を真空中で除去して油を得て、EtOAc/Heptane/Et3N(35:60:5)で溶出するシリカゲル・カラムの上で精製して703mgの標記化合物を得た。31P-NMR(CDCl3):δ149.6 ppm。
実施例40
2-(1,3-ビス[2-(2-ヒドロキシエトキシ)エトキシ]プロパン-2-イルオキシ)酢酸tert-ブチルエステル
1,3-ビス[2-(2-トリチルオキシエトキシ)エトキシ]プロパン-2-オール(0.3 g、0.40 mmol)を乾燥ピリジンから一度および乾燥アセトニトリルから一度蒸発させた。窒素(60%のNaH)下で、残渣を乾燥DMF(2mL)に溶解し−油懸濁液(24mg、0.6mmol)を添加した。混合物を15分間室温で撹拌した。tert-ブチルブロモアセテート(0.07mL、0.48mmol)を添加して、混合物をさらに60分間撹拌した。反応を氷でクエンチし、ジエチルエーテル(100mL)と水(100mL)とに分けた。有機相を集めて、乾燥し(Na2SO4)、溶媒を真空中で除去して油を得て、これをEtOAc/Heptane/Et3N(49:50:1)によりシリカゲル・カラム上で溶出した。主な生成物を含む画分を収集した。溶媒を真空中で除去して、残渣を80%の水性酢酸(5mL)に溶解し、室温で一晩撹拌した。溶媒を真空下で除去し、粗製物質をジエチルエーテル(25mL)に溶解し、水(2×5mL)で洗浄した。水相を集めて、水を回転式蒸発で除去して63mgの標記化合物を得た。1H NMR(CDCl3):δ 4.19(s, 2H), 3.78-3.55(m, 21H), 1.49(s, 9H)。
実施例41:
N,N-ビス(2-(2-フタルイミドエトキシ)エチル)-O-tert-ブチルカルバミン酸
N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-O-tert-ブチルカルバミン酸をTHFまたはDMFなどの極性の非プロトン性溶媒に溶解する。水素化ナトリウム(60%の鉱油懸濁液)をゆっくり溶液に添加する。混合物を3時間撹拌する。N-(2-ブロモエチル)フタルイミドを添加する。反応が完全になるまで、混合物を撹拌する。反応は、メタノールをゆっくりと添加することによってクエンチする。酢酸エチルを添加する。溶液を水性炭酸水素ナトリウムで洗浄する。有機相を濾過し、乾燥して、その後に可能な限り減圧下で濃縮する。粗製化合物を標準的なカラムクロマトグラフィーによって精製する。
実施例42:
N,N-ビス(2-(2-アミノエトキシ)エチル)-O-tert-ブチルカルバミン酸
N,N-ビス(2-(2-フタルイミドエトキシ)エチル)-O-tert-ブチルカルバミン酸をエタノールなどの極性溶媒に溶解する。ヒドラジン(またはフタロイル保護基を除去するための公知の別の薬剤)を添加する。反応が完了するまで、混合物を室温(または必要に応じて昇温状態)で撹拌する。混合物を減圧下で可能な限り濃縮する。粗製化合物を標準的なカラムクロマトグラフィーによって、または可能ならば真空蒸留(destillation)によって精製する。
実施例43:
N,N-ビス(2-(2-ベンジルオキシカルボニルアミノエトキシ)エチル)-O-tert-ブチルカルバミン酸
N,N-ビス(2-(2-アミノエトキシ)エチル)-O-tert-ブチルカルバミン酸を水酸化ナトリウム水溶液とTHFとの混合物に、または水酸化ナトリウム水溶液とアセトニトリルとの混合物に溶解する。ベンジル基を含むクロロ炭酸塩を添加する。反応が完了するまで、混合物を部屋温度で撹拌する。必要に応じて、真空中で体積を減少させる。酢酸エチルを添加する。有機相をブラインで洗浄する。有機相を乾燥し、濾過し、その後可能な限り真空中で濃縮する。粗製化合物を標準的なカラムクロマトグラフィーによって精製する。
実施例44:
ビス(2-(2-フタルイミドエトキシ)エチル)アミン
ビス(2-(2-フタルイミドエトキシ)エチル)-tert-ブチルカルバミン酸をトリフルオロ酢酸に溶解する。反応が完了するまで、混合物を室温で撹拌する。混合物を可能な限り真空濃縮する。粗製化合物を標準的なカラムクロマトグラフィーによって精製する。
実施例45:
11-オキソ-17-フタルイミド-12-(2-(2-フタルイミドエトキシ)エチル)-3,6,9,15-テトラオキサ-12-アザヘプタデカン酸
3,6,9-トリオキサウンデカン酸をジクロロメタンに溶解する。カルボジイミド(例えば、N,N-ジシクロヘキシルカルボジイミドまたはN,N-ジイソプロピルカルボジイミド)を添加する。溶液を室温で一晩撹拌する。混合物を濾過する。濾液を、必要に応じて真空濃縮することができる。形成された分子内無水物をもつアミンのアシル化は、文献から公知である(例えば、Cook, R. M.; Adams, J. H.; Hudson, D. Tetrahedron Lett., 1994, 35, 6777-6780 or Stora, T.; Dienes, Z.; Vogel, H.; Duschl, C. Langmuir 2000, 16, 5471-5478)。無水物をビス(2-(2-フタルイミドエトキシ)エチル)アミンの、ジクロロメタンまたはN,N-ジメチルホルムアミドなどの非プロトン溶媒溶液と混合する。反応が完了するまで混合物を撹拌する。粗製化合物を抽出およびその後の標準的なカラムクロマトグラフィーによって精製する。
実施例46:
5-オキソ-11-フタルイミド-6-(2-(2-フタルイミドエトキシ)エチル)-3,9-ジオキサ-6-アザウンデカン酸
ジグリコール酸の無水物の、ジクロロメタンまたはN,N-ジメチルホルムアミドなどの非プロトン溶媒溶液を、ビス(2-(2-フタルイミドエトキシ)エチル)アミンの、ジクロロメタンまたはN,N-ジメチルホルムアミドなどの非プロトン溶媒溶液に滴下する。反応が完了するまで、混合物を撹拌する。粗製化合物を抽出およびその後の標準的なカラムクロマトグラフィーによって精製する。
実施例47
1,2,3-ベンゾトリアジン-4(3H)-オン-3-イル2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]アセテート
3-ヒドロキシ-1,2,3-ベンゾトリアジン-4(3H)-オン(10.0 g;61.3 mmol)および2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]酢酸(10.9 g;61.3 mmol)をDCM(125ml)に懸濁し、DIC(7,7 g;61.3 mmol)を添加した。混合物を一晩、外界温度で乾燥雰囲気下で撹拌した。ジイソプロピル尿素沈殿を形成させて、濾過した。有機溶液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で広範に洗浄し、次いで乾燥し(Na2SO4)、真空中で蒸発させ、透明な黄色の油として標記生成物を得た。収率は、16.15g(81%)であった。1H-NMR (CDCl3): δ 3.39 ppm (s, 3H); 3.58 (t, 2H); 3.68 (t, 2H); 3.76 (t, 2H); 3.89 (t, 2H); 4.70 (s, 2H); 7.87 (t, 1H); 8.03 (t, 1H); 8.23 (d, 1H); 8.37 (d, 1H). 13C-NMR (CDCl3, selected peaks): δ 57.16 ppm; 64.96; 68.71; 68.79; 69.59; 69.99; 120.32; 123.87; 127.17; 130.96; 133.63; 142.40; 148.22; 164.97。
オリゴマー生成物
固相オリゴマー形成:下記に記載されている反応の全ては、Wangリンカーで官能性をもたせたポリスチレン上で行われる。また、反応は、一般にその他のタイプの固体支持体上で、並びにその他のタイプの官能性をもたせたリンカーでも作用する。
固相アジ化物の還元:
反応は、公知であり(Schneider, S.E. et al. Tetrahedron, 1998, 54(50)15063-15086)、過剰のトリフェニルホスフィンのTHFと水との混合物溶液で、室温において12〜24時間支持体に結合したアジ化物を処理することによって行うことができる。あるいは、Chan, T.Y. et al Tetrahedron Lett. 1997, 38(16), 2821-2824によって記載されているように、トリメチルホスフィンのTHF水溶液を使用することもできる。また、アジ化物の還元は、ジチオスレイトールなどの硫化物(Meldal, M. et al. Tetrahedron Lett. 1997, 38(14), 2531-2534)、1,2-ジメルカプトエタンおよび1,3-ジメルカプトプロパン(Meinjohanns, E. et al. J. Chem. Soc, Perkin Trans 1, 1997,6, 871-884)、または塩化スズ(II)などのスズ(II)塩(Kim, J.M. et al. Tetrahedron Lett, 1996, 37(30), 5305-5308)を使用して固相上で行うこともできる。
固相カルバメート形成:
反応は公知であり、通常、活性化されたカルボナートまたはハロギ酸誘導体をアミンと、好ましくは塩基の存在下において反応させることによって行われる。
実施例48
3-(1,3-ビス{2-[2-(1,3-ビス[2-(2-{2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]アセトアミノ}エトキシ)エトキシ]プロパン-2-イルオキシ)アセチルアミノ]エトキシ])エトキシ}プロパン-2-イルオキシ)アセチルアミノ)プロパン酸
本実施例は、2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]酢酸でキャップされたデンドリマーに基づいた第二ジェネレーションのアミドの合成において、実施例6で調製した2-(1,3-ビス[アジドエトキシエチル]プロパン-2-イルオキシ)酢酸単量体ビルディングブロックを使用する。カップリング化学は、標準的な固相ペプチド化学に基づいており、保護法は、上記の通りに固相アジ化物還元工程に基づいている。
工程1:Fmoc-βala-Wang樹脂(100mg;充填0.31mmol/g BACHEM)をジクロロメタンに30分間懸濁し、DMFで2回洗浄した。20%のピペリジンのDMF溶液を添加して、混合物を周囲温度で15分間に振盪した。この工程を繰り返して、樹脂をDMF(3×)およびDCM(3×)で洗浄した。
工程2:単量体ビルディングブロックのカップリング:2-(1,3-ビス[アジドエトキシエチル]プロパン-2-イルオキシ)酢酸(527 mg;1,4 mmol、4×)およびDhbtOH(225 mg;1,4 mmol、4×)の溶液をDMF(5ml)に溶解し、DhbtOH(225mg;1,4mmol、4×)を添加した。混合物を10分間放置し(プレ活性化)、次いで、DIPEA(240μl;1,4mmol、4×)と共に樹脂に添加した。樹脂を90分間振盪し、次いで排液し、DMF(3×)およびDCM(3×)で洗浄した。
工程3:無水酢酸でのキャップ形成:次いで、樹脂を酢酸無水物、DIPEA、DMF(12:4:48)の溶液で外界温度において10分間処理した。溶媒を除去して、樹脂をDMF(3×)およびDCM(3×)で洗浄した。
工程4:脱保護(アジド基の還元):樹脂を、DTT(2M)およびDMFのDIPEA(1M)溶液で50℃において1時間処理した。次いで、樹脂をDMF(3×)およびDCM(3×)で洗浄した。少量の樹脂を再び吸い込んで、1時間ベンジルクロライド(0.5M)およびDMFのDIPEA(1M)溶液で処理した。樹脂を50%のTFA/DCMで切断し、ジベンジル化された生成物をNMRおよびLC-MSで解析した。1H-NMR(CDCl3): 3.50-3.75(m, 20H); 3.85(s, 1H); 4.25(d, 2H); 6.95(t, 1H); 7.40-7.50(m, 6H); 7.75(m, 4H). LC-MS(any-one):m/e=576(M+1)+; Rt=2.63 min。
工程5〜7は、2倍量の試薬を使用して、しかし同じ量の溶媒を使用して、工程2〜4のように行った。
工程8:2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]酢酸でのキャップ形成:2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]酢酸(997 mg;5.6 mmol、樹脂充填に関して16×)およびDhbtOH(900mg;5.6 mmol、16×)をDMF(5ml)に溶解し、DIC(864μl、5.6mmol、16×)を添加する。混合物を10分間放置し(プレ活性化)、次いでDIPEAと共に樹脂に添加する(960μl;5.6 mmol、16×)。樹脂は90分間振盪し、次いで排液して、DMF(3×)およびDCM(3×)で洗浄する。
工程9:樹脂からの切断:樹脂を50%のTFA-DCM溶液で外界温度において30分間処理する。溶媒を集め、樹脂を50%のTFA-DCMで更なる回数洗浄する。合わせた濾液を乾燥するまで蒸発させ、残渣をクロマトグラフィーによって精製する。
実施例49
3-(1,3-ビス{2-[2-(1,3-ビス[2-(2-{2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]アセトアミノ}エトキシ)エトキシ]プロパン-2-イルオキシカルボニル)アミノ]エトキシ])エトキシ}プロパン-2-イルオキシカルボニル)アミノ)プロパン酸
本実施例は、2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]酢酸でキャップされた第二ジェネレーションのカルバメートの合成において、実施例4で調製された1,3-ビス[2-(2-アジドエトキシ)エトキシ]プロパン-2-イル-p-ニトロフェニルカルボナート単量体ビルディングブロックを使用する。カップリング化学は、標準的な固相カルバメート化学に基づいており、保護法は、上記の通りの固相アジ化物還元工程に基づいている。
工程1:Fmoc-βala-Wang樹脂(100mg;充填0.31mmol/g BACHEM)をジクロロメタンに30分間懸濁し、DMFで2回洗浄した。20%のピペリジンのDMF溶液を添加して、混合物を周囲温度で15分間に振盪した。この工程を繰り返して、樹脂をDMF(3×)およびDCM(3×)で洗浄した。
工程2:単量体ビルディングブロックのカップリング:1,3-ビス[アジドエトキシエチル]プロパン-2-イル-p-ニトロフェニルカルバミン酸(527 mg;1,4 mmol、4×)の溶液をDIPEA(240μl;1,4mmol、4×)と共に樹脂に添加した。樹脂を90分間振盪し、次いで排液し、DMF(3×)およびDCM(3×)で洗浄した。
工程3:無水酢酸でのキャップ形成:次いで、樹脂を酢酸無水物、DIPEA、DMF(12:4:48)の溶液で外界温度において10分間処理した。溶媒を除去して、樹脂をDMF(3×)およびDCM(3×)で洗浄した。
工程4:脱保護(アジド基の還元):樹脂を、DTT(2M)およびDMFのDIPEA(1M)溶液で50℃において1時間処理した。次いで、樹脂をDMF(3×)およびDCM(3×)で洗浄した。少量の樹脂を再び吸い込んで、1時間ベンジルクロライド(0.5M)およびDMFのDIPEA(1M)溶液で処理した。樹脂を50%のTFA/DCMで切断し、ジベンジル化された生成物をNMRおよびLC-MSで解析した。1H-NMR (CDCl3): 3.50-3.75 (m, 20H); 3.85 (s, 1H); 4.25 (d, 2H); 6.95 (t, 1H); 7.40-7.50 (m, 6H); 7.75 (m, 4H). LC-MS (any-one): m/e=576 (M+1)+; Rt=2.63 min。
工程5〜7は、2倍量の試薬を使用して、しかし同じ量の溶媒を使用して、工程2〜4のように行った。
工程8:2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]酢酸でのキャップ形成:2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]酢酸(997 mg;5.6 mmol、樹脂充填に関して16×)およびDhbtOH(900mg;5.6 mmol、16×)をDMF(5ml)に溶解し、DIC(864μl、5.6mmol、16×)を添加する。混合物を10分間放置し(プレ活性化)、次いでDIPEAと共に樹脂に添加する(960μl;5.6 mmol、16×)。樹脂は90分間振盪し、次いで排液して、DMF(3×)およびDCM(3×)で洗浄する。
工程9:樹脂からの切断:樹脂を50%のTFA-DCM溶液で外界温度において30分間処理する。溶媒を集め、樹脂を50%のTFA-DCMで更なる回数洗浄する。合わせた濾液を乾燥するまで蒸発させ、残渣をクロマトグラフィーによって精製する。
実施例50
3-[2-(1,3-ビス[2-(2-{2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]アセチルアミノ}エトキシ)エトキシ]プロパン-2-イルオキシ)アセチルアミノ]プロパン酸
工程1:Fmoc-β-アラニン連結Wang樹脂(A22608、A22608、NovaBiochem、3.00g;充填、0.83mmol/g)をDCMに20分間溶解し、次いで、DCM(2×20ml)およびNMP(2×20ml)で洗浄した。次いで、樹脂を20%ピペリジンのNMP(2×15分)溶液で2回処理した。樹脂をNMP(3×20ml)およびDCM(3×20ml)で洗浄した。
工程22-(1,3-ビス[2-(2-アジドエトキシ)エトキシ]プロパン-2-イルオキシ)酢酸(3.70 g;10 mmol)をNMP(30ml)およびDhbtOH(1.60g;10mmol)に溶解し、DIC(1.55ml;10mmol)を添加した。混合物を外界温度で30分間撹拌し、次いでDIPEAと共に工程1で得られた樹脂に添加する(1.71ml;10mmol)。反応混合物を1.5時間振盪し、次いで排液し、NMP(5×20ml)およびDCM(3×20ml)で洗浄した。
工程3:次いで、SnCl2.2H2O(11.2g;49.8 mmol)のNMP(15ml)およびDCM(15ml)溶液を添加した。反応混合物を1時間振盪した。樹脂を排出して、NMP:MeOH(5×20 ml;1:1)で洗浄した。次いで、樹脂を真空中で乾燥させた。
工程4:2-[2-(2-メトキシエチル)エトキシ]酢酸(1.20 g;6.64 mmol)、DhbtOH(1.06 g;6.60 mmol)およびDIC(1.05 ml;6.60 mmol)のNMP(10ml)溶液を、室温で10分間に混合し、次いで工程3で得られた3-[2-(1,3-ビス[2-(2-アミノエトキシ)エトキシ]プロパン-2-イルオキシ)アセチルアミノ]プロパン酸につながれたwang樹脂(1.0g;0.83 mmol/g)を添加した。DIPEA(1.15ml、6.60mmol)を添加して、反応混合物を2.5時間振盪した。溶媒を除去して、樹脂をNMP(5×20ml)およびDCM(10×20ml)で洗浄した。
工程5:工程4の樹脂生成物をTFA:DCM(10ml、1:1)で1時間処理した。樹脂を濾過して、TFA:DCM(10ml、1:1)で一度洗浄した。合わせられた濾液および洗浄し、次いで乾燥させ、黄色の油(711mg)を得た。油を10%のアセトニトリル-水(20ml)に溶解し、C18カラムおよび15〜40%のアセトニトリル-水の勾配を使用する調製用HPLC装置での2回の実施にわたって精製した。その後、画分をLC-MSによって解析した。生成物を含む画分をプールして、乾燥させた。収率:222mg(37%)。1H-NMR(CDCl3):δ 2.56 ppm(t, 2H); 3.36(s, 6H); 3.46-3.66(m, 39H); 4.03(s, 4H); 4.16(s, 2H); 7.55(t, 2H); 8.05(t, 1H). 13C-NMR(CDCl3, selected peaks):δ 33.71 ppm; 34.90; 58.89; 68.94; 69.40; 69.98; 70.09; 70.33; 70.74; 70.91; 71.07; 71.74; 79.07; 171.62; 171.97; 173.63。
実施例51
3-(1,3-ビス{2-(2-[2-(1,3-ビス[2-(2-{2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]アセトアミノ}エトキシ)-エトキシ]プロパン-2-イルオキシ)アセチルアミノ]エトキシ)エトキシ}プロパン-2-イルオキシ)アセチルアミノ)プロパン酸
この材料は、使用する試薬の量を2倍にして工程2〜5を繰り返すことによって、実施例50の工程3で得られる3-[2-(1,3-ビス[2-(2-アミノエトキシ)エトキシ]プロパン-2-イルオキシ)アセチルアミノ]プロパン酸につながれたwang樹脂(1.0g;0.83 mmol/g)から調製した。収率:460mg(33%)。MALDI-MS(-シアノヒドロキシシナピン酸マトリックス):m/z=1670(M+Na+). 1H-NMR(CDCl3):δ 2.57 ppm(t, 2H); 3.38(s, 12H); 3.50-3.73(m, 85 H); 4.05(s, 8H); 4.17(s, 2H); 4.19(s, 4H); 7.48(m, 4H); 7.97(m, 3H). 13C-NMR(CDCl3, selected peaks):δ 38.81 ppm; 58.92; 69.46; 69.92; 70.05; 70.05; 70.13; 70.40; 70.73; 70.97; 71.11; 71.88; 76.74; 77.06; 77.38; 171.33; 172.02。
実施例52
3(1,3-Bis{2(2[2(1,3-ビス{2(2[2(1,3-ビス[2(2{エトキシ2[2(2-メトキシエトキシ)]-アセトアミノ}エトキシ)エトキシ]プロパン-2-イルoxy)アセチルアミノ]エトキシ)エトキシ}プロパン-2-イルオキシ)アセチルアミノ)エトキシ)エトキシ}プロパン-2-イルオキシ)アセチルアミノ)プロパン酸
この材料は、使用する試薬の量を2倍にして工程2〜3を繰り返し、次いで使用する試薬の量を2倍にして工程2〜5を繰り返すことによって、実施例50の工程3で得られる3-[2-(1,3-ビス[2-(2-アミノエトキシ)エトキシ]プロパン-2-イルオキシ)アセチルアミノ]プロパン酸につながれたwang樹脂(1.0g;0.83 mmol/g)から調製した。収率:84mg(4%)。LC-MS:(m/2)+1=1758;(m/3)+1=1172;(m/4)+1=879;(m/5)+1=704. Rt=2.72 min. 1H-NMR(CDCl3):δ 2.51 ppm(t, 2H); 3.33(s, 24H); 3.44-3.70(m, 213H); 3.93(s, 16H); 4.08(s, 14H); 7.25(m, 8H); 7.69(m, 7H). 13C-NMR(CDCl3, selected peaks):δ 38.94 ppm; 59.33; 69.78; 70.08; 70.37; 70.44; 70.56; 70.82; 71.10; 71.26; 71.51; 72.17; 79.24; 170.60; 171.22。
実施例53
N-ヒドロキシスクシンイミジル3-[2-(1,3-ビス[2-(2-{2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]アセチルアミノ}エトキシ)エトキシ]プロパン-2-イルオキシ)アセチルアミノ]プロパノアート
3-[2-(1,3-ビス[2-(2-{2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]アセチルアミノ}エトキシ)エトキシ]プロパン-2-イルオキシ)アセチルアミノ]プロパン酸(67 mg;82 μmol)をTHF(5ml)に溶解した。反応混合物を氷浴上で冷却した。DIPEA(20μl;120μmol)およびTSTU(34mg;120μmol)を添加した。混合物を外界温度で一晩で撹拌し、その時に、反応をLC-MSに従って完了させた。LC-MS:m/z=813(M+H)+;Rt=2.22分。
実施例54
N-ヒドロキシスクシンイミジル3-(1,3-ビス{2-(2-[2-(1,3-ビス[2-(2-{2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]アセトアミノ}エトキシ)エトキシ]プロパン-2-イルオキシ)アセチルアミノ]エトキシ)エトキシ}プロパン-2-イルオキシ)アセチルアミノ)プロパノアート
実施例53に記載されているように、3-(1,3-ビス{2-(2-[2-(1,3-ビス[2-(2-{2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]-アセトアミノ}エトキシ)エトキシ]プロパン-2-イルオキシ)アセチルアミノ]エトキシ)エトキシ}プロパン-2-イルオキシ)アセチルアミノ)プロパン酸およびTSTUから調整した。LC-MS:(m/2)+1 =873、Rt =2.55 min。
実施例55
N-ヒドロキシスクシミジル3-(1,3-ビス{2-(2-[2-(1,3-ビス{2-(2-[2-(1,3-ビス[2-(2-{2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]-アセトアミノ}エトキシ)エトキシ]プロパン-2-イルオキシ)アセチルアミノ]エトキシ)エトキシ}プロパン-2-イルオキシ)アセチルアミノ)エトキシ)エトキシ}プロパン-2-イルオキシ)アセチルアミノ)プロパノアート
実施例53に記載されているように、N-ヒドロキシスクシンイミジル3-(1,3-ビス{2-(2-[2-(1,3-ビス{2-(2-[2-(1,3-ビス[2-(2-{2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]-アセトアミノ}エトキシ)エトキシ]プロパン-2-イルオキシ)アセチルアミノ]エトキシ)エトキシ}プロパン-2-イルオキシ)アセチルアミノ)エトキシ)エトキシ}プロパン-2-イルオキシ)アセチルアミノ)プロパン酸およびTSTUから調製した。LC-MS:(m/4)+1 =903、Rt =2.69 min。
実施例56
N-(4-tert-ブトキシカルボニルアミノキシブチル)3-(1,3-ビス{2-(2-[2-(1,3-ビス[2-(2-{2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]アセトアミノ}エトキシ)エトキシ]プロパン-2-イルオキシ)アセチルアミノ]エトキシ)エトキシ}プロパン-2-イルオキシ)アセチルアミノ)プロパンアミド
N-ヒドロキシスクシンイミジル3-(1,3-ビス{2-(2-[2-(1,3-ビス[2-(2-{2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]-アセトアミノ}エトキシ)エトキシ]プロパン-2-イルオキシ)アセチルアミノ]エトキシ)エトキシ}プロパン-2-イルオキシ)アセチルアミノ)プロパノアート(105 mg;0.06 mmol)をDCM(2ml)に溶解した。次いで、4-(tert-ブチルオキシカルボニルアミノキシ)ブチルアミン(49 mg;0.24 mmol)の溶液(49mg;0.24 mmol)を、続いてDIPEAを添加した(13μl;0.07 mmol)。混合物を1時間の外界温度で撹拌し、次いで減圧下で濃縮した。残渣を20%のアセトニトリル-水(4ml)に溶解し、C18カラムおよびアセトニトリル-水の0、10、20、30、および40%(それぞれ、10mlの溶出)の段階的勾配を使用して調製用HPLC装置で精製した。純粋な生成物を含む画分を濃縮して、真空オーブン中で16時間乾燥し、黄色の油を得た。収率:57mg(51%)。LC-MS:(m/2)+1=918, Rt=2.75 min. 1H-NMR(CDCl3):δ 1.42 ppm(s, 9H); 2.40(t, 2H); 3.21(dd, 2H); 3.33(s, 12H); 3.38-3.72(m, 99H); 3.80(m, 2H); 3.95(s, 8H); 4.08(s, 6H); 6.99(m, 1H); 7.23(m, 4H); 7.69(m, 2H); 7.85(m, 1H); 8.00(m, 1H). 13C-NMR(CDCl3, selected peaks):δ 28.27 ppm; 38.58; 58.97; 69.42; 69.72; 70.01; 70.08; 70.20; 70.41; 70.46; 70.73; 70.91; 71.16; 71.22; 71.81; 78.89; 81.33; 170.27; 170.89。
実施例57
N-(4-アミノキシブチル)3-(1,3-ビス{2-(2-[2-(1,3-ビス[2-(2-{2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]アセトアミノ}エトキシ)エトキシ]プロパン-2-イルオキシ)アセチルアミノ]エトキシ)エトキシ}プロパン-2-イルオキシ)アセチルアミノ)プロパンアミド
N-(4-tert-ブトキシカルボニルアミノキシブチル)3-(1,3-ビス{2-(2-[2-(1,3-ビス[2-(2-{2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]アセトアミノ}エトキシ)エトキシ]プロパン-2-イルオキシ)アセチルアミノ]エトキシ)エトキシ}プロパン-2-イルオキシ)アセチルアミノ)プロパンアミド(19 mg;10 μmol)を50%のTFA/DCM(10ml)に溶解し、透明な溶液を30分間外界温度で撹拌した。溶媒を回転式蒸発によって除去して、残渣をDCMから2回取り除き、標記生成物の定量的収率(19mg)を得た。LC-MS:(m/2)+1=868、(m/3)+1=579、Rt=2,35 min。
以下の実施例は、ペプチドまたはタンパク質に対する溶液相接合を示す。
実施例58
t-ブチル2-(1,3-ビス[2-(2-{2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]アセトアミノ}エトキシ)-エトキシ]プロパン-2-イルオキシ)アセテート
t-ブチル2-(1,3-ビス[2-(2-アミノエトキシ)エトキシ]プロパン-2-イルオキシ)アセテート(1.74 g;4.5 mmol)および1,2,3-ベンゾトリアジン-4(3H)-オン-3-イル2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]アセテート(2.94 g;9 mmol)をDCM(100ml)に溶解した。DIPEA(3.85ml;22.3 mmol)を添加し、セラー(celar)混合物を室温で90分間撹拌した。溶媒を真空中で除去して、溶出剤として残渣をMeOH-DCM(1:16)を使用するシリカでのクロマトグラフィーによって精製した。純粋な画分をプールして、乾燥させて、透明な油として表題物質を得た。収率は、1.13g(36%)であった。1H-NMR(CDCl3):δ 1.46 ppm(s, 9H); 3.38(s, 6H); 3.49-3.69(m, 37H); 4.01(s, 4H); 4.18(s, 2H); 7.20(bs, 2H)。
実施例59
2-(1,3-ビス[2-(2-{2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]アセトアミノ}エトキシ)エトキシ]プロパン-2-イルオキシ)酢酸:
t-ブチル2-(1,3-ビス[2-(2-アミノエトキシ)エトキシ]プロパン-2-イルオキシ)アセテート(470 mg;0.73 mmol)をDCM-TFA(25ml、1:1)に溶解し、混合物を外界温度で30分間撹拌した。真空中で溶媒を除去して、残渣を2回DCMから取り除いた。LC-MS:(m+1)=645, Rt=2,26 min. 1H-NMR(CDCl3):δ 3.45 ppm(s, 6H); 3.54-3.72(m, 37H); 4.15(s, 4H); 4.36(s, 2H)。
実施例60
N-ヒドロキシスクシミジル2-(1,3-ビス[2-(2-{2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]アセトアミノ}エトキシ)エトキシ]プロパン-2-イルオキシ)アセテート
2-(1,3-ビス[2-(2-{2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]アセトアミノ}エトキシ)エトキシ]プロパン-2-イルオキシ)酢酸(115 mg;0.18 mmol)をTHF(5ml)に溶解した。反応混合物を氷浴上に置いた。TSTU(65mg、0.21mmol)およびDIPEA(37μl;0.21 mmol)を添加し、反応混合物を0℃で30分間、次いで室温で一晩撹拌した。次いで、反応を乾燥させて、透明な油のとして130mgの表題物質を得た。 LC-MS:(m+1)=743,(m/2)+1=372, Rt=2,27 min。
実施例61
tブチル3-(1,3-ビス{2-(2-[2-(1,3-ビス{2-(2-[2-(1,3-ビス[2-(2-{2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]-アセトアミノ}エトキシ)エトキシ]プロパン-2-イルオキシ)アセチルアミノ]エトキシ)エトキシ}プロパン-2-イルオキシ)アセチルアミノ)エトキシ)エトキシ}プロパン-2-イルオキシ)アセテート
材料は、2当量のN-ヒドロキシスクシミジル2-(1,3-ビス[2-(2-{2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]アセトアミノ}エトキシ)エトキシ]プロパン-2-イルオキシ)アセテートおよび1当量のt-ブチル2-(1,3-ビス[2-(2-アミノエトキシ)エトキシ]プロパン-2-イルオキシ)アセテートから実施例58に記載されているプロトコルおよび精製法を使用して調整する。その後のt-ブチル基の除去は、実施例59に記載されているように行い、N-ヒドロキシスクシミジルエステル形成は、実施例60に記載されているように行う。
実施例62
(S)-2,6-ビス-(2-[2-(2-[2-(2,6-ビス-[2-(2-[2-(2-アジドエトキシ)エトキシ]エトキシ)アセチルアミノ]ヘキサノイルアミノ)エトキシ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)ヘキサン酸メチルエステル
(S)-2,6-ビス-(2-{2-[2-(2-アジドエトキシ)エトキシ]エトキシ}アセチルアミノ)ヘキサン酸(1.8g、3.10mmol)を1:3(10ml)ジメチルホルムアミド/ジクロロメタンの混合物に溶解し、ジイソプロピルエチルアミンを使用してpHを塩基性反応液に合わせ、N-ヒドロキシベンゾトリアゾールおよび1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピルカルボジイミドハイドロクロライドを添加して、反応混合物を30分間静置した。次いで、この反応混合物を(S)-2,6-ビス-(2-{2-[2-(2-アミノエトキシ)エトキシ]エトキシ}アセチルアミノ)ヘキサン酸メチルエステル(0.37g、0.70mmol)のジクロロメタン溶液に添加し、反応混合物を一晩静置した。反応混合物をジクロロメタン(150ml)で希釈し、水(2×40ml)、50%の飽和炭酸水素ナトリウム(2×30ml)、および水(3×40ml)で洗浄した。有機相を硫酸マグネシウムを通して乾燥し、濾過して、真空中で蒸発して油を得た。収率:1.6g(89%)。LC-MS:m/z=1656(M+1)and m/z=828.8(M/2)+1 and m/z=553(M/3)+1。
実施例63
((S)-2,6-ビス-(2-[2-(2-[2-((S)-2,6-ビス-[2-(2-[2-(2-tert-ブトキシカルボニルアミノエトキシ)エトキシ]エトキシ)アセチルアミノ]ヘキサノイルアミノ)エトキシ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)ヘキサン酸メチルエステル
上記(S)-2,6-ビス-(2-[2-(2-[2-((S)-2,6-ビス-[2-(2-[2-(2-アジドエトキシ)エトキシ]エトキシ)アセチルアミノ]ヘキサノイルアミノ)エトキシ]エトキシ)エトキシ]
アセチルアミノ)ヘキサン酸メチルエステル(1.6g、0.97mmol)の酢酸エチル(60ml)溶液には、ジ-tert-ブチルジカルボナート(1.0g、4.8mmol)およびPd/C(10%、1.1g)を添加した。水素を、反応混合物を通して2時間常に泡立てた。反応混合物を濾過して、有機溶媒を真空中で除去し、油を得て、さらに精製することなく使用した。収率:1.8g(98%)。LC-MS:m/z=1953(M+1)、およびm/z=977(M/2)+1。
実施例64
(S)-2,6-ビス-(2-[2-(2-[2-((S)-2,6-ビス-[2-(2-[2(2アミノエトキシ)エトキシ]エトキシ)アセチルアミノ]ヘキサノイルアミノ)エトキシ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)ヘキサン酸メチルエステル
上記(S)-2,6-ビス-(2-[2-(2-[2-((S)-2,6-ビス-[2-(2-[2-(2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-エトキシ)エトキシ]エトキシ)アセチルアミノ]ヘキサノイルアミノ)エトキシ]エトキシ)エトキシ]-アセチルアミノ)ヘキサン酸メチルエステルをジクロロメタン(20ml)に溶解し、トリフルオロ酢酸(20ml)を添加した。反応混合物を2時間静置した。有機溶媒を真空中で蒸発し、油を得た。収率:1.4g(100%)。LC-MS:m/z=1552(M+1);777.3(M/2)+1; 518.5(M/3)+1 and 389.1(M/4)+1。
実施例65
(S)-2,6-ビス-(2-[2-(2-[2-((S)-2,6-ビス-[2-(2-[2-(2-(2-(2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ)アセチルアミノ)エトキシ)エトキシ]エトキシ)アセチルアミノ]ヘキサノイルアミノ)エトキシ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)ヘキサン酸メチルエステル
2-(2-(メトキシエトキシ)エトキシ)酢酸(1.3g、7.32mmol)のジクロロメタンとジメチルホルムアミド3:1(20ml)の混合物の溶液に、N-ヒドロキシスクシンイミド(0.8g、7.32mmol)および1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピルカルボジイミドハイドロクロライド(1.4g、7.32mmol)を添加した。反応混合物を1時間静置し、その後、混合物を(S)-2,6-ビス-(2-[2-(2-[2-((S)-2,6-ビス-[2-(2-[2(2アミノエトキシ)エトキシ]エトキシ)アセチルアミノ]ヘキサノイルアミノ)エトキシ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)ヘキサン酸メチルエステル(1.42g、0.92mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(2.4ml、14.64mmol)のジクロロメタン(10ml)溶液に添加した。反応混合物を一晩静置した。反応混合物をジクロロメタン(100ml)で希釈して、水(3×25ml)で抽出した。合わせた水相をさらにジクロロメタン(2×75ml)で抽出した。残渣を、溶出剤として500mlの酢酸エチル、続いて500mlの酢酸エチル/メタノール9:1、および最後にメタノールを使用するフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。生成物を含む画分を真空中で蒸発させて、油を得た。収率:0.75g(38%)。LC-MS:m/z=1097(M/2)+1; 732(M/3)+1 and 549(M/4)+1。
(S)-2,6-ビス-(2-[2-(2-[2-((S)-2,6-ビス-[2-(2-[2-(2-(2-(2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ)アセチルアミノ)エトキシ)エトキシ]エトキシ)アセチルアミノ]ヘキサノイルアミノ)エトキシ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)ヘキサン酸メチルエステルは、遊離酸にけん化することができ、活性化されたエステルを経て使用してペプチドまたはタンパク質のアミノ基に付着することができる。活性化エステルは、ジイソプロピルエチルアミンおよびN-ヒドロキシベンゾトリアゾールまたはその他の活性化条件などの、当技術分野に公知の標準的なカップリング法によって、作製し、およびペプチドまたはタンパク質のアミノ基に結合してもよい。
従って、図16、または実施例53、並びに実施例56および57の類似体に従った更なる変換により、本発明に従った接合体を調製するために使用することができる樹状物質がもたらされる。
2-(1,3-ビス[2-(2-ヒドロキシエトキシ)エトキシ]プロパン-2-オキシ)酢酸tert-ブチルエステル(63 mg、0.16 mmol)を乾燥アセトニトリルから2回蒸発させた。1,3-ビス[2-(2-トリチルオキシエトキシ)エトキシ]プロパン-2-オキシβ-シアノエチルN,N-ジイソプロピルホスホラミダイト(353 mg、0.37 mmol)を乾燥アセトニトリルから2回蒸発させ、乾燥アセトニトリル(2mL)に溶解して添加した。テトラゾールの乾燥アセトニトリル(0.25M、2.64mL)溶液を窒素下で添加して、混合物を1時間室温で撹拌した。
5.5mLのI2溶液(0.1Mの7:2:1 THF/ルチジン/水)を添加し、混合物をさらに1時間撹拌した。ヨウ素色が消えるまで、反応混合物を酢酸エチル(20mL)で希釈して、2%の亜硫酸ナトリウム水溶液で洗浄した。有機相を乾燥し(Na2SO4)、溶媒を真空中で除去した。残渣を80%の酢酸(5mL)水溶液に溶解し、室温で一晩撹拌した。溶媒を真空中で除去して、粗製物質には、ジエチルエーテル(25mL)および水(10mL)を添加した。水相を集めて、水を真空中で除去した。生成物を逆相調製用HPLC C-18カラム、0.1%のTFAを含む0〜40%のアセトニトリル勾配で精製し、tert-ブチル保護された第二ジェネレーションデンドリマー生成物を得た。HPLC-MS:m/z=1171(M+Na); 1149(M+), 1093(lost of tert-butyl in the MS) Rt=2.76 min。
その後、当業者に公知の従来の塩基および酸処理を使用して、β-シアノエチル基の脱保護、およびtert-ブチルエステル基の除去を行った。
従って、図16、または実施例53、並びに実施例56および57の類似体に従った更なる変換により、本発明に従った接合体を調製するために使用することができる樹状物質がもたらされる。
実施例67
アシアロrFVIIa(10.2mg、0.2μmol)の13.5ml TRIS緩衝液(10mM Cacl2、10mM TRIS、50mM NaCl、0.5% Tween 80、pH 7.4)溶液を氷浴で冷却した。N-(4-アミノキシブチル)3-(1,3-ビス{2-(2-[2-(1,3-ビス[2-(2-{2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]アセトアミノ}エトキシ)エトキシ]-プロパン-2-イルオキシ)アセチルアミノ]エトキシ)エトキシ}プロパン-2-イルオキシ)アセチルアミノ)プロパンアミド(17 mg;10.0 μmol、50×)のリス緩衝液溶液を、続いて2.5mlのガラクトース酸化酵素(135U)およびカタラーゼ(7500U)のトリス緩衝液溶液を添加した。反応混合物を4℃で48時間穏やかに振盪した。次いで、わずかに不透明な溶液を0.45μmフィルタ(Sartorius Minisart(登録商標))を通して濾過した。次いで、NAP-10カラム(Amersham)を使用して、緩衝液をMES(10mM CaCl2、10mM MES、50mM NaCl、pH 6.0)に交換した。次いで、混合物を氷上で冷却して、EDTAの水溶液(3.5ml、100mM、pH 8.0、[Ca2+]に相当)を添加した。1MのNaOH水溶液を添加することによってpHを7.6に合わせて、試料(6.8mS/cm)を5mlのHiTrap Q HPイオン交換カラム(Amersham-Biosciences)(10mM トリス、50mM NaCl、pH 7.4で平衡化される)に充填した。カラムを10mM トリス、50mM NaCl、pH 7.4(10vol、流束:1ml/分)で溶出した。次いで、溶離緩衝液を10mM トリス、50mM NaCl、25mM CaCl2、pH 7.4(10vol、流束:1ml/分)に変えた。溶出液をUVによってモニターし、タンパク質を含むそれぞれの画分をSDS-PAGEゲル電気泳動によって解析した。N-グリカン修飾されたrFVIIの純粋な試料をプールし-80℃に貯蔵した。
Molecular Probes(A-22179)からのガラクトースオキシダーゼ/amplex赤いアッセイ法によって定まる、ノイラミニダーゼ処理後にFVIIa上に露出されたガラクトース残渣の量(アガロース上のコレラ菌(Vibro cholerae)およびウェルシュ菌(Clostridium perfringens))を示す。
FVIIaおよびアシアロ-FVIIaを生成するためにノイラミニダーゼ(neuramidase)で処理したFVIIaのIEF-Gel解析を示す。
FVIIaおよびアシアロ-FVIIaのMALDI-TOFスペクトルを示す。
以下の設定でのIEF-ゲル解析(Invitrogen法、pH 3〜7)を示す:レーン1:標準的pI、レーン2:MES緩衝液中のCP FVIIa、レーン3:CP FVIIa +アガロース結合ノイラミニダーゼ コレラ菌、16h、rt.、レーン4:CP FVIIa +アガロース結合ノイラミニダーゼ コレラ菌、36h、rt、レーン5:アシアロCP FVIIa + ガラクトース酸化酵素+アミノキシ酢酸(aminoxyacetic acid)、レーン6:MES緩衝液中のCP FVIIa、レーン7:CP FVIIa +アガロース結合ノイラミニダーゼ ウェルシュ菌(Clostridium perfringens)、16h、rt、レーン8:CP FVIIa +アガロース結合ノイラミニダーゼ ウェルシュ菌(Clostridium perfringens)、36h、rt、レーン9:標準的pI、レーン10:MES緩衝液中のCP FVIIa。
アシアロFVIIa、およびガラクトースオキシダーゼ-カタラーゼおよびPEG-5000誘導体化ヒドロキシルアミンとのその後の反応の後に得られたPEG-5000誘導体化FVIIaの2つの画分でのSDS-PAGEゲル(Invitrogen法、非還元条件)を示す。
以下の設定でのIEF-ゲル解析(Invitrogen法、pH 3〜7)を示す:レーン1、標準的pI;レーン2:FVIIa;レーン3:アシアロFVIIa;レーン4-12、HiTrapイオン交換精製後のアミノキシ酢酸誘導体化FVIIaの画分。
FVIIaのPNGase F処理によって放出される、ニトロベンジルオキシアミンでのプロセスによって誘導体化した誘導体化されたN-グリカンのMALDI-TOFスペクトルを示す。
以下の設定でのIEFゲル解析(Invitrogen法、pH 3〜7)を示す:レーン1:標準的pI、レーン2:FVIIa、レーン3:MES緩衝液との緩衝液交換後のFVIIa、レーン4、アシアロFVIIa(コレラ菌処理);レーン5:空白;レーン6:30mUガラクトース酸化酵素で行ったガラクトースオキシダーゼ/カタラーゼ/アミノキシ酢酸処理;レーン7:300mUガラクトースオキシダーゼで行ったガラクトースオキシダーゼ/カタラーゼ/アミノキシ酢酸処理。
野生型ヒト血液凝固VII因子のアミノ酸配列を示す。
野生型ヒト血液凝固VII因子のアミノ酸配列を示す。
エトキシ2-(2-[2-メトキシエトキシ]エトキシ)酢酸でキャップされた第一ジェネレーション・デンドリマーの収束性溶液相合成を図示する。
中心においてt-ブチル被保護カルボン酸でキャップされた第二ジェネレーション・デンドリマーの溶液相合成を図示する。
第二ジェネレーション・デンドリマーの固相合成を図示する。
心において遊離のアミノ末端およびt-ブチル保護されたカルボン酸をもつ第二ジェネレーション・デンドリマーの多岐にわたる溶液相合成を図示する。
図12または13に図示したように、作製された第二ジェネレーション・デンドリマーの溶液相末端キャッピングを図示する。
ポリ陰イオン性糖擬態重合体を作製するための、コハク酸モノtert-ブチルエステルを使用する第二ジェネレーション・デンドリマーの末端キャッピングおよびその後の酸媒介される脱保護を図示する。
本発明によって得られるアルデヒド官能性と適合するハンドルを作製するための、第二ジェネレーション・デンドリマーの溶液相官能性付与を図示する。
SDS-PAGE電気泳動ゲル(非変性)。レーン1:Mark-12 Mw標準(Invitrogen);レーン2:rFVIIa、レーン3:アシアロrFVIIa、レーン4〜10:50 KDaのバンド+幾つかの1.7 KDaバンド付加をもつ修飾されたrFVIIa を含む画分。