JP2007334043A - プロジェクタ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】プロジェクタ1は、環状の空気流通路を有する密閉構造内部に配置される光学部品と、空気流通路の空気を循環させる循環ファン72とを備える。密閉構造は、内部に空気を流入させるための流入口および外部に空気を流出させるための流出口を有する光学部品用筐体46と、光学部品用筐体46内部に空気を導くとともに、光学部品用筐体46内部から外部に流出した空気を再度、光学部品用筐体46内部に導く複数のダクト部材と、熱電変換素子を有する冷却装置71とを含んで構成される。空気流通路における空気の流通方向に沿って、冷却装置71、循環ファン72、および光学部品用筐体46の順に配設される。複数のダクト部材のうち流路前段側ダクト部材73は、熱伝導率が0.9W/(m・K)以下の材料で構成されている。
【選択図】図12
Description
このプロジェクタにおいて、光変調装置の表面に塵埃、油煙等が付着すると、投影画像の画質が劣化してしまう。また、液晶パネル等の光変調装置は、一般的に熱に弱いため、光源装置からの光束の照射による発熱により、熱劣化が生じる恐れがある。
そこで、投影画像の画質を安定に確保し、光変調装置を効率的に冷却するために、光変調装置を密閉構造内部に配置し、密閉構造内部の空気を循環ファンにて循環させつつ、ペルチェ素子等の熱電変換素子により密閉構造内部の空気の熱を密閉構造外部に放熱する構造が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、密閉構造内部において、熱電変換素子および循環ファンの間に光変調装置が介在された構成であるので、循環ファンが光変調装置近傍の空気を吸入して熱電変換素子の吸熱面にて冷却された空気を光変調装置に送風する際、前記冷却された空気が熱電変換素子および光変調装置の間に滞留しやすい。このため、熱電変換素子の吸熱面にて冷却された低い温度状態で光変調装置に空気を送風することが難しく、光変調装置を効率的に冷却することが難しい。そして、光変調装置を効率的に冷却するためには、例えば、循環ファンの回転数を増加させる、あるいは、熱電変換素子の消費電力を増加させる必要がある。
したがって、投影画像の画質を安定に確保し、かつ、光変調装置等の光学部品を効率的に冷却できる技術が要望されている。
また、密閉構造を構成する冷却装置、循環ファン、および光学部品用筐体は、密閉構造内部の空気流通路における空気の流通方向に沿って、冷却装置、循環ファン、および光学部品用筐体の順に配設されている。このことにより、循環ファンが冷却装置を構成する熱電変換素子の吸熱面にて冷却された空気を吸入して、光学部品用筐体内部に収納配置された光学部品に向けて吐出できる。すなわち、熱電変換素子の吸熱面にて冷却された低い温度状態で光学部品に空気を送風でき、光学部品を効率的に冷却できる。
特に、循環ファンとして、遠心力ファンであるシロッコファンを採用すれば、吐出圧および吐出された空気の風速を十分に確保でき、光学部品を効果的に冷却できる。
本発明によれば、複数のダクト部材のうち流路後段側ダクト部材は、上述したように熱伝導率の十分に高い材料で構成されているので、流路後段側ダクト部材を流通する空気の熱、すなわち、光学部品用筐体内部に収納配置された光学部品により温められた空気の熱を、流路後段側ダクト部材を介して、密閉構造外部に放熱できる。このため、密閉構造内部の空気流通路を辿る空気の温度を十分に低い温度に設定でき、光学部品をより効率的に冷却できる。
本発明では、複数のダクト部材のうち流路後段側ダクト部材は、流出口に平面的に干渉する位置に上述したような熱伝導率の十分に高い材料で構成された高熱伝導ダクト部を有している。すなわち、流路後段側ダクト部材において、光学部品用筐体内部に収納配置された光学部品により温められた空気が流出口を介して吹き付けられる部分に、高熱伝導ダクト部が設けられている。このことにより、流路後段側ダクト部材を流通する空気の熱、すなわち、光学部品用筐体内部に収納配置された光学部品により温められた空気の熱を、高熱伝導ダクト部を介して、密閉構造外部に放熱できる。このため、密閉構造内部の空気流通路を辿る空気の温度を十分に低い温度に設定でき、光学部品をより効率的に冷却できる。
本発明では、流路後段側ダクト部材は、上述した高熱伝導ダクト部と、上述したような熱伝導率の十分に低い材料で構成され光学部品用筐体に近接して配設される低熱伝導ダクト部との2体で構成されている。このことにより、光学部品等から光学部品用筐体に伝達された熱が低熱伝導ダクト部を介して流路後段側ダクト部材を流通する空気に伝達されることを防止できる。このため、流路後段側ダクト部材を高熱伝導ダクト部および低熱伝導ダクト部の2体で構成することで、密閉構造内部の空気流通路を辿る空気の温度を十分に低い温度に設定でき、光学部品をより効率的に冷却できるという効果を好適に図れる。
本発明によれば、冷却装置において、熱電変換素子の吸熱面および放熱面に吸熱側熱伝導性部材および放熱側熱伝導性部材が熱伝達可能に取り付けられているので、熱を吸収する吸熱側の表面積、および熱を放熱する放熱側の表面積を大きくすることが可能となる。また、冷却装置は、放熱側熱伝導性部材に空気を吐出する冷却ファンを備えている。このため、冷却装置において、熱の吸収および熱の放熱を良好に実施でき、密閉構造内部の空気流通路を辿る空気を十分に冷却できる。
また、プロジェクタは、外部側ダクト部材を備えているので、冷却ファンから吐出され放熱側熱伝導性部材を介した空気を、プロジェクタ内部における密閉構造外部の発熱部材に送風することができる。このため、プロジェクタにおいて、前記発熱部材を冷却する専用の冷却ファンを設ける必要がなく、冷却ファンの数量を低減できるとともに、密閉構造外部の発熱部材を冷却する冷却構造を簡素化できる。
本発明によれば、外部側ダクト部材は、冷却ファンから吐出され放熱側熱伝導性部材を介した空気を、流路後段側ダクト部材および制御基板の間に導くので、前記空気により、光学部品用筐体内部に収納配置された光学部品により温められた空気の熱により温度上昇した流路後段側ダクト部材、および制御基板に実装された回路素子等を冷却でき、流路後段側ダクト部材や制御基板の熱劣化を防止できる。
ところで、プロジェクタの駆動時、すなわち、熱電変換素子の駆動時において、熱電変換素子の吸熱面の温度が雰囲気温度に対して必要以上に低くなった場合には、冷却装置の吸熱側に結露が生じる。そして、冷却装置の吸熱側に結露が生じた場合には、冷却装置の動作不具合が生じる恐れがある。
ところで、熱電変換素子の駆動開始時において、通常駆動する際の通常電圧値を短時間で熱電変換素子に印加した場合には、冷却装置の吸熱側の温度下降の勾配が比較的大きく、冷却装置の放熱側の温度上昇の勾配が比較的大きい。このように温度変化の勾配が比較的大きい場合には、冷却装置を構成する各部材間の熱応力により、各部材間の接続状態が崩れ、冷却装置の動作不具合が生じる恐れがある。なお、熱電変換素子の駆動停止時において、熱電変換素子に印加する電圧値を通常電圧値から0Vに短時間に変更した場合にも、上記同様に、冷却装置の動作不具合が生じる恐れがある。
また、矩形制御部は、熱電変換素子の駆動停止時において、熱電変換素子に印加する電圧値を通常電圧値から0Vまで段階的に減少させる矩形制御を実施する。このことにより、上述した熱電変換素子に印加する電圧値を通常電圧値から0Vに短時間に変更した場合と比較して、冷却装置の吸熱側の温度上昇の勾配を小さくし、冷却装置の放熱側の温度下降の勾配を小さくできる。このため、冷却装置を構成する各部材間の熱応力を緩和し、冷却装置の動作不具合を防止できる。
ここで、デューティ比情報は、熱電変換素子を間欠駆動する際に、熱電変換素子に電圧を印加する単位時間当りの駆動時間と、熱電変換素子に電圧を印加しない単位時間当りの非駆動時間との比率(デューティ比)に関する情報である。
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
〔1.外観構成〕
図1は、第1実施形態におけるプロジェクタ1の外観を示す斜視図である。具体的に、図1は、プロジェクタ1を前面上方側から見た斜視図である。なお、図1では、説明の便宜上、光学像の投射方向をZ軸とし、該Z軸に直交する2軸をそれぞれX軸(水平軸)およびY軸(垂直軸)とする。以下の図面も同様である。
プロジェクタ1は、光源から射出された光束を画像情報に応じて変調して光学像を形成し、形成した光学像をスクリーン(図示略)上に拡大投射するものである。このプロジェクタ1は、図1に示すように、略直方体状の外装筺体2、およびこの外装筺体2から露出する投射光学装置としての投射レンズ3を備える。
投射レンズ3は、筒状の鏡筒内に複数のレンズが収納された組レンズとして構成され、プロジェクタ1の装置本体により画像情報に応じて変調された光学像を拡大投射する。この投射レンズ3は、複数のレンズの相対位置を変更するレバー3Aを備え、投射される光学像のフォーカス調整および倍率調整可能に構成されている。
また、アッパーケース21の上面部分において、平面視略中央部分には、図1に示すように、プロジェクタ1の起動・調整操作を実施する操作パネル212が左右方向に延びるように設けられている。操作パネル212の操作ボタン212Aを適宜押下すると、操作ボタン212A内部に配置される図示しない回路基板に実装されたタクトスイッチと接触し、所望の操作が可能となる。
なお、前述した操作パネル212の回路基板は、後述する制御基板と電気的に接続され、操作ボタン212Aの押下に伴う操作信号は、制御基板に出力される。
ロアーケース22の底面部分において、−X軸方向側には、図2に示すように、平面視矩形状の開口221が形成され、該開口221に着脱自在に平面視矩形板状の蓋体222が取り付けられている。
そして、具体的な図示は省略するが、蓋体222をロアーケース22から取り外した場合には、外装筺体2内部の装置本体を構成する後述する光源装置の一部が露出し、開口221を介して前記光源装置を交換可能とする。
また、ロアーケース22の底面部分において、開口221に対して−Z軸方向側(背面側)には、図2に示すように、外装筺体2の内外を連通する光源用吸気口223が形成されている。
この光源用吸気口223は、外装筺体2外部の冷却空気を外装筺体2内部に取り込むための開口であり、外装筺体2内部の装置本体を構成する後述する筐体内部冷却装置により、該光源用吸気口223を介して外装筺体2外部の冷却空気が内部に導入され、前記光源装置に送風される。
この冷却装置用吸気口224は、外装筺体2外部の冷却空気を外装筺体2内部に取り込むための開口であり、外装筺体2内部の装置本体を構成する後述する密閉循環空冷ユニットにより、該冷却装置用吸気口224を介して外装筺体2外部の冷却空気が内部に導入され、前記密閉循環空冷ユニットを構成するペルチェユニットの放熱側に送風される。
また、フロントケース23において、X軸方向略中央部分には、図1または図2に示すように、リモコン受光窓232が形成されている。そして、このリモコン受光窓232の内側には、図示しないリモートコントローラからの操作信号を受信する図示しないリモコン受光モジュールが配置されている。
なお、リモートコントローラには、前述した操作パネル212に設けられる起動スイッチ、調整スイッチ等と同様のものが設けられ、リモートコントローラを操作すると、この操作に応じた赤外線信号がリモートコントローラから出力され、赤外線信号は、リモコン受光窓232を介してリモコン受光モジュールで受光され、後述する制御基板で処理される。
図3ないし図6は、プロジェクタ1の内部構成を示す図である。具体的に、図3は、図1の状態からアッパーケース21を取り外した状態を示す図である。図4は、図3の状態から制御基板6を取り外した状態を示す図である。図5は、図4の状態を背面側から見た斜視図である。図6は、プロジェクタ1における制御基板6を除く装置本体を下方側から見た斜視図である。
外装筺体2の内部には、図3ないし図6に示すように、プロジェクタ1の装置本体が収容されており、この装置本体は、光学ユニット4と、電源ユニット5と、制御基板6(図3)と、密閉循環空冷ユニット7(図4〜図6)と、筺体内部冷却装置8とを備える。
図7ないし図9は、光学ユニット4の構成を示す図である。具体的に、図7は、図4の状態から筺体内部冷却装置8を構成するペルチェ放熱風排気ユニット81および密閉循環空冷ユニット7における流路後段側ダクト部材74を取り外した状態を示す図である。図8は、図6の状態から密閉循環空冷ユニット7における流路前段側ダクト部材73を取り外した状態を示す図である。図9は、光学ユニット4の光学系を模式的に示す平面図である。
光学ユニット4は、制御基板6による制御の下、画像情報に応じて画像光を形成するものであり、図7に示すように、外装筺体2の前面側から背面側に向けてZ軸方向に延出し、−Z軸方向端部が+X軸方向に屈曲して延出し、さらに、+Z軸方向に屈曲して延出する平面視略U字形状を有している。この光学ユニット4は、図9に示すように、光源装置41と、均一照明光学系42と、色分離光学系43と、リレー光学系44と、光学装置45と、光学部品用筐体46とを備える。
光源ランプ411としては、ハロゲンランプやメタルハライドランプ、または高圧水銀ランプが用いられることが多い。
リフレクタ412としては、光源ランプ411から射出された光束を略平行化して反射するパラボラリフレクタを用いている。なお、リフレクタ412としては、パラボラリフレクタの他、平行化レンズと組み合わせて、光源ランプ411から射出された光束を所定位置に収束するように反射する楕円面リフレクタを用いてもよい。
第1レンズアレイ421は、光源装置41から射出された光束を複数の部分光束に分割する光束分割光学素子としての機能を有し、照明光軸Aと直交する面内にマトリクス状に配列される複数の小レンズを備えて構成される。
第2レンズアレイ422は、上述した第1レンズアレイ421により分割された複数の部分光束を集光する光学素子であり、第1レンズアレイ421と同様に照明光軸Aに直交する面内にマトリクス状に配列される複数の小レンズを備えた構成を有している。
この偏光変換素子423は、図示を略したが、照明光軸Aに対して傾斜配置される偏光分離膜および反射膜を交互に配列した構成を具備する。偏光分離膜は、各部分光束に含まれるP偏光光束およびS偏光光束のうち、一方の偏光光束を透過し、他方の偏光光束を反射する。反射された他方の偏光光束は、反射膜によって曲折され、一方の偏光光束の射出方向、すなわち照明光軸Aに沿った方向に射出される。射出された偏光光束のいずれかは、偏光変換素子423の光束射出面に設けられる位相差板によって偏光変換され、略全ての偏光光束の偏光方向が揃えられる。このような偏光変換素子423を用いることにより、光源装置41から射出される光束を、略一方向の偏光光束に揃えることができるため、光学装置45で利用する光源光の利用率を向上することができる。
ダイクロイックミラー431,432は、基板上に所定の波長領域の光束を反射し、他の波長領域の光束を透過する波長選択膜が形成された光学素子である。そして、光路前段に配置されるダイクロイックミラー431は、青色光を反射し、その他の色光を透過するミラーである。また、光路後段に配置されるダイクロイックミラー432は、緑色光を反射し、赤色光を透過するミラーである。
リレー光学系44は、入射側レンズ441、リレーレンズ443、および反射ミラー442,444を備え、色分離光学系43のダイクロイックミラー431,432を透過した赤色光を光学装置45まで導く機能を有している。なお、赤色光の光路にこのようなリレー光学系44が設けられているのは、赤色光の光路の長さが他の色光の光路の長さよりも長いため、光の発散等による光の利用効率の低下を防止するためである。本実施形態においては赤色光の光路の長さが長いのでこのような構成とされているが、青色光の光路の長さを長くしてリレー光学系44を青色光の光路に用いる構成も考えられる。
クロスダイクロイックプリズム453は、射出側偏光板454から射出された色光毎に変調された光学像を合成してカラー画像を形成する光学素子である。このクロスダイクロイックプリズム453は、4つの直角プリズムを貼り合わせた平面視略正方形状をなし、直角プリズム同士を貼り合わせた界面には、誘電体多層膜が形成されている。略X字状の一方の誘電体多層膜は、赤色光を反射するものであり、他方の誘電体多層膜は、青色光を反射するものであり、これらの誘電体多層膜によって赤色光および青色光は曲折され、緑色光の進行方向と揃えられることにより、3つの色光が合成される。
部品収納部材461は、図8に示すように、光源装置収納部4611と、部品収納部本体4612とで構成される。
この光源装置収納部4611において、X軸方向に交差する各側面(光学部品用筐体46のU字形状内側および外側に面する側面)には、図8に示すように、開口部4611B(図8では、U字形状内側の側面に形成された開口部のみを図示)が形成されている。これら開口部4611Bにより、光源装置収納部4611内部に空気を流通可能とし、内部に配置される光源装置41を冷却可能とする。
この部品収納部本体4612において、−Y軸方向端面には、図8に示すように、光学装置45を構成する各液晶パネル451R,451G,451Bの配置位置に対応した位置にそれぞれ開口部4612R,4612G,4612Bが形成されている。
また、部品収納部本体4612において、−Y軸方向端面には、図8に示すように、偏光変換素子423の配置位置に対応した位置に開口部4612Pが形成されている。
これら各開口部4612R,4612G,4612B,4612Pは、光学部品用筐体46内部における光学装置45の配置位置の空間Ar1(図9)、および偏光変換素子423の配置位置の空間Ar2(図9)に空気を流入させる流入口として機能する。
この蓋状部材462には、図7に示すように、光学装置45の配置位置に対応して、光学装置45を平面的に囲うようにコ字状の切り欠き4621が形成されている。
また、蓋状部材462には、図7に示すように、偏光変換素子423の配置位置に対応して開口部4622が形成されている。
これら切り欠き4621および開口部4622は、上述した各開口部4612R,4612G,4612B,4612Pを介して光学部品用筐体46内部における空間Ar1,Ar2に流入された空気を光学部品用筐体46外部に排出するための流出口として機能する。
電源ユニット5は、プロジェクタ1の装置本体を構成する各構成部材に電力を供給する。この電源ユニット5は、図8に示すように、外装筺体2における−X軸方向側の側面に沿って、背面側から前面側にかけて延びるように配置されている。この電源ユニット5は、具体的な図示は省略したが、電源ケーブルを通して外部から供給された電力を前記各構成部材に供給する電源ブロックと、前記電源ブロックから供給された電力に基づいて光源ランプ411を点灯させるランプ駆動ブロックとを備える。これら電源ブロックおよびランプ駆動ブロックは、図7または図8に示すように、両端が開口されたアルミニウム等の金属性のシールド部材51によって周囲を覆われている。そして、このシールド部材51により背面側から流入された空気が前面側に誘導されるとともに、前記電源ブロックや前記ランプ駆動ブロックで発生する電磁ノイズが外部へ漏れないように構成されている。
図10ないし図14は、密閉循環空冷ユニット7の構成を示す図である。具体的に、図10は、図4の状態から筺体内部冷却装置8を構成するペルチェ放熱風排気ユニット81を取り外した状態を示す図である。図11は、図10の状態から高熱伝導ダクト部742を取り外した状態を示す図である。図12は、図6の状態からカバー部材7322を取り外した状態を示す図である。図13は、図12の状態からダクト本体732を取り外した状態を示す図である。図14は、図13の状態から循環ファン72を取り外した状態を示す図である。
密閉循環空冷ユニット7は、光学部品用筐体46とともに本発明に係る密閉構造を構成し、光学部品用筐体46における空間Ar1,Ar2を含む環状の空気流通路の空気を循環させ、空間Ar1,Ar2に配置される光学装置45や偏光変換素子423を冷却する。この密閉循環空冷ユニット7は、図10ないし図14に示すように、冷却装置71と、循環ファン72(図12、図13)と、流路前段側ダクト部材73(図12〜図14)と、流路後段側ダクト部材74(図10、図11)とを備える。
なお、以下では、空気流通路に沿って、空間Ar1,Ar2に対する上流側から順に説明する。また、循環ファン72の具体的な構成については、流路前段側ダクト部材73と同時に説明する。
図15は、冷却装置71の構成を示す斜視図である。具体的に、図15は、+Z軸方向側から冷却装置71を見た斜視図である。
冷却装置71は、図10ないし図14に示すように、投射レンズ3の+X軸方向側に隣接配置され、前記密閉構造内部の空気流通路を辿る空気の熱を吸収し、前記密閉構造外部に放熱する装置である。この冷却装置71は、図15に示すように、ペルチェユニット711と、吸熱側ダクト712と、放熱側ダクト713と、冷却ファン714とを備える。
ペルチェユニット711は、図16ないし図18に示すように、吸熱側熱伝導性部材7111と、段付ブロック7112と、熱電変換素子としてのペルチェ素子7113と、熱伝達抑制部材7114と、放熱側熱伝導性部材7115とが、投射レンズ3側から順に積層配置されたものである。
ペルチェ素子7113は、具体的な図示は省略するが、p型半導体とn型半導体とを金属片で接合して構成した接合対を複数有しており、これら複数の接合対は電気的に直列に接続されている。
このような構成を有するペルチェ素子7113において、制御基板6による制御の下、所定の電圧が印加されると、図16ないし図18に示すように、ペルチェ素子7113の一方の面が熱を吸収する吸熱面7113Aとなり、他方の面が熱を放熱する放熱面7113Bとなる。なお、本実施形態では、ペルチェ素子7113は、前記所定の電圧の極性を変更した場合、すなわち、電流の向きを変えた場合には、吸熱面7113Aと放熱面7113Bとの切替が可能に構成されている。
本実施形態では、段付ブロック7112は、厚み寸法(ブロック本体7112Aの厚み寸法および膨出部7112Bの厚み寸法を加えた厚み寸法)が15mm以上30mm以下に設定されている。
この熱伝達抑制部材7114には、図16ないし図18に示すように、+X軸方向側(冷却ファン714側)に窪み、段付ブロック7112のブロック本体7112Aを嵌合可能とする凹部7114Aが形成されている。この凹部7114Aの高さ寸法は、図18に示すように、ブロック本体7112Aの厚み寸法と略同一となるように設定されている。
また、熱伝達抑制部材7114において、凹部7114Aの底面部分には、図16ないし図18に示すように、段付ブロック7112の膨出部7112Bを嵌合可能とする開口部7114Bが形成されている。
さらに、熱伝達抑制部材7114には、開口部7114B周縁部分から+X軸方向側(冷却ファン714側)に突出する枠形状を有し、枠状内側部分にてペルチェ素子7113の外縁部分を保持する保持部7114Cが形成されている。この保持部7114Cにおいて、その突出寸法は、図18に示すように、膨出部7112Bの厚み寸法、およびペルチェ素子7113の厚み寸法を加えた寸法と略同一、または小さく設定されており、ペルチェ素子7113の両面7113A,7113Bが放熱側熱伝導性部材7115の板体7115Aと、段付ブロック7112の膨出部7112Bに確実に接触されている。
以上のような構成により、ペルチェユニット711を組み立てた状態では、図18に示すように、熱伝達抑制部材7114は、段付ブロック7112およびペルチェ素子7113の外縁を覆うように配置される。
流路前段側ダクト部材73は、低熱伝導材料(下記表1参照)で構成され、流路C1を辿って冷却装置71を介した空気を循環ファン72に導くとともに、循環ファン72から吐出された空気を空間Ar1,Ar2に導く部材である。この流路前段側ダクト部材73は、図6、図12ないし図14に示すように、ベース板731と、ダクト本体732(図6、図12)とを備える。
そして、ベース板731において、投射レンズ3の下方側に位置する部分は、図13または図14に示すように、循環ファン72を取り付けるための第1取付部7311として機能する。また、ベース板731において、光学装置45の配置位置に対応する位置から+X軸方向に延出した部分は、図13または図14に示すように、循環ファン72を取り付けるための第2取付部7312として機能する。
さらに、ベース板731において、偏光変換素子423の配置位置に対応する位置には、図13または図14に示すように、光学部品用筐体46に形成された開口部4612Pに対応した開口部7314Pが形成されている。
基体7321は、図12に示すように、ベース板731の平面形状と略同一の平面形状を有し、第1ダクト部7321Aと第2ダクト部7321Bとが一体的に形成されたものである。
この第1ダクト部7321Aにおいて、冷却装置71の吸熱側ダクト712に対応する位置には、図12に示すように、流路C1と連通する開口部7321A3が形成されている。
さらに、第1ダクト部7321Aにおいて、各開口部7321A4,7321A5の間には、図12に示すように、障壁部7321A1から開口部7321A3に向けて延出する整流リブ7321A6が形成されている。
さらにまた、第1ダクト部7321Aにおいて、冷却装置71の放熱側ダクト713に対応する位置には、図12に示すように、障壁部7321A1から+X軸方向に延出する平面視矩形形状の放熱風規制部7321A7が形成されている。すなわち、密閉循環空冷ユニット7を組み立てた状態では、放熱風規制部7321A7と冷却装置71の放熱側ダクト713とが接続する。そして、放熱風規制部7321A7および放熱側ダクト713により、冷却ファン714からフィン部材7115Bに吹き付けられる空気を−Z軸方向に導く。
さらに、第1ダクト部7321Aにおいて、開口部7321A5周縁部分は、図12に示すように、循環ファン72を構成する第2シロッコファン721を取り付けるための第2取付部7321A9として機能する。すなわち、第2シロッコファン722は、ベース板731の第2取付部7312、およびダクト本体732の第2取付部7321A9とで挟持固定される。
そして、第1ダクト部7321Aにカバー部材7322が取り付けられることで、図12に示すように、流路C1を辿った空気が開口部7321A3を介して第1ダクト部7321Aおよびカバー部材7322間に導入され、整流リブ7321A6により、前記空気を開口部7321A4(第1シロッコファン721)に導く流路C2と、前記空気を開口部7321A5(第2シロッコファン722)に導く流路C3とが形成される。これら流路C2,C3は、前記密閉構造内部の空気流通路の一部を構成する。
この第2ダクト部7321Bにおいて、具体的な図示は省略するが、容器状の側壁部分には、第1シロッコファン721の吐出口7212と接続する切り欠きと、第2シロッコファン722の吐出口7222と接続する切り欠きとが形成されている。
また、この第2ダクト部7321Bには、具体的な図示は省略するが、第1シロッコファン721および第2シロッコファン722から吐出された空気を所定位置に導くための整流リブが形成されている。
流路後段側ダクト部材74は、空間Ar1,Ar2内部から空間Ar1,Ar2外部に流出した空気を冷却装置71の吸熱側ダクト712(流路C1)に導く部材である。この流路後段側ダクト部材74は、図10または図11に示すように、低熱伝導ダクト部741と、高熱伝導ダクト部742(図10)とを備える。
低熱伝導ダクト部741は、低熱伝導材料(下記表1参照)で構成され、図10に示すように、冷却装置71を構成する吸熱側ダクト712の+Y軸方向側の開口部分、および光学部品用筐体46を構成する部品収納部本体4612を平面的に囲う障壁部7411を有し、+Y軸方向側に開口部7412を有する平面視略L字形状の容器状に形成されている。そして、この低熱伝導ダクト部741は、図11に示すように、吸熱側ダクト712の+Y軸方向端面および蓋状部材462の+Y軸方向端面に所定の間隔(例えば、5〜10mm程度)を空けて取り付けられる。
流路後段側ダクト部材74には、液晶パネル451と制御基板6を接続するFPCケーブル456を通すための孔が設けられている。そして、前記孔とFPCケーブル456との隙間は、流路後段側ダクト部材74内部の密閉性が損なわれないように、ゴム、スポンジ等により封止されている。
また、低熱伝導ダクト部741において、蓋状部材462の切り欠き4621に対応する位置には、図11に示すように、切り欠き4621を介して空間Ar1に連通する開口部7414が形成されている。
さらに、低熱伝導ダクト部741において、蓋状部材462の開口部4622に対応する位置には、図11に示すように、開口部4622を介して空間Ar2に連通する開口部7415が形成されている。
さらにまた、低熱伝導ダクト部741には、図11に示すように、障壁部7411から開口部7412に向けて延出し、各開口部7414,7415を隔離する整流リブ7416が形成されている。
そして、低熱伝導ダクト部741に高熱伝導ダクト部742が取り付けられることで、図11に示すように、空間Ar1内部から空間Ar1外部に流出した空気が切り欠き4621および開口部7414を介して流路後段側ダクト部材74内部に導入され、開口部7413を介して前記空気を吸熱側ダクト712(流路C1)に導く流路C7と、空間Ar2内部から空間Ar2外部に流出した空気が開口部4622および開口部7415を介して流路後段側ダクト部材74内部に導入され、開口部7413を介して前記空気を吸熱側ダクト712(流路C1)に導く流路C8とが形成される。これら流路C7,C8は、前記密閉構造内部の空気流通路の一部を構成する。
なお、具体的な図示は省略したが、光学部品用筐体46および密閉循環空冷ユニット7は、例えば、各部材間に弾性を有するシール部材等が介在されることで前記空気流通路と外部とが連通しない密閉構造を構成している。
筺体内部冷却装置8は、前記密閉構造外部の構成部材(制御基板6、流路後段側ダクト部材74、光源装置41、電源ユニット5等)を冷却する。この筺体内部冷却装置8は、図4ないし図6に示すように、ペルチェ放熱風排気ユニット81(図4、図5)と、光源冷却用ファン82(図6)と、電源冷却用ファン83と、排気ファン84とを備える。
ペルチェ放熱風排気ユニット81は、冷却ファン714から放熱側ダクト713のフィン部材7115Bに吹き付けられた空気を制御基板6および流路後段側ダクト部材74の間に流通させるものである。このペルチェ放熱風排気ユニット81は、図4または図5に示すように、外部側ダクト部材811と、通風ガイド部812とを備える。
外部側ダクト部材811は、図19に示すように、空気を内部に導入する導入口8111と、内部の空気を外部に排出する導出口8112とが略直交するように形成され、導入口8111を介して内部に導入した空気を+Y軸方向に屈曲させて流通させ、さらに、導出口8112に向けて屈曲させて流通させる。そして、この外部側ダクト部材811は、具体的な図示は省略するが、導入口8111が、放熱側ダクト713の背面側端部および放熱風規制部7321A7の背面側端部と接続するように配設される。また、この外部側ダクト部材811は、図4または図5に示すように、導出口8112が、制御基板6(図4では図示略)の+X軸方向端部と流路後段側ダクト部材74における+X軸方向端部との間に位置するように配設される。すなわち、外部側ダクト部材811は、冷却ファン714からフィン部材7115Bに吹き付けられ、放熱風規制部7321A7および放熱側ダクト713により、−Z軸方向に導かれた空気を、導入口8111を介して内部に導入し、導出口8112を介して制御基板6および流路後段側ダクト部材74の間に+X軸方向側から−X軸方向側に向けて排出する。
第1ガイド部8121は、図4または図5に示すように、板状部材で構成され、一端側が外部側ダクト部材811の導出口8112の−Z軸方向端部に接続し、流路後段側ダクト部材74を構成する高熱伝導ダクト部742における−Z軸方向端縁および−X軸方向端縁に沿って他端側が光源装置収納部4611近傍まで延出するように、高熱伝導ダクト部742に立設されている。
そして、通風ガイド部812を介して、流路後段側ダクト部材74の+Y軸方向側に制御基板6を配設することで、図4または図5に示すように、外部側ダクト部材811の導出口8112から排出された空気を空間Ar1に対向する部分から空間Ar2に対向する部分にかけて流通させる流路C11が形成される。
例えば、排気ファン84は、図4または図5に示すように、ペルチェ放熱風排気ユニット81により流路C11を辿って光源装置収納部4611近傍に流通した空気を吸入する。
さらに、例えば、排気ファン84は、図4ないし図6に示すように、シールド部材51における+Z軸方向側の開口部分を介してシールド部材51内部の空気を吸入する。すなわち、電源冷却用ファン83により流路C13を辿ってシールド部材51内部に導入され前記電源ブロックや前記ランプ駆動ブロックにて温められた空気が排気ファン84により吸入される。
そして、排気ファン84から吐出された空気は、外装筺体2の排気口233を介して、ルーバ234にて整流されて、外装筺体2外部に排出される。
制御基板6は、図3に示すように、CPU(Central Processing Unit)等の回路素子が実施された回路基板として構成され、流路後段側ダクト部材74および通風ガイド部812を介して光学ユニット4の上方側に配置される。そして、制御基板6は、光学ユニット4(光源ランプ411、液晶パネル451)、電源ユニット5、密閉循環空冷ユニット7(循環ファン72、ペルチェ素子7113、冷却ファン714)、筺体内部冷却装置8(光源冷却用ファン82、電源冷却用ファン83、排気ファン84)等を駆動制御する。なお、以下では、制御基板6の制御構造のうち、ペルチェ素子7113の制御構造のみを説明する。
制御基板6において、ペルチェ素子7113を駆動制御する制御装置としてのペルチェ制御部61は、図20に示すように、ペルチェ素子7113に所定の電圧を印加する駆動部62に所定の制御指令を出力してペルチェ素子7113の駆動状態を制御するものであり、矩形制御部611と、極性切替制御部612と、メモリ613とを備える。
矩形制御部611は、プロジェクタ1の起動時(ペルチェ素子7113の駆動開始時)および駆動停止時(ペルチェ素子7113の駆動停止時)に、駆動部62に所定の制御指令を出力して、ペルチェ素子7113の矩形制御を実施する。より具体的に、矩形制御部611は、プロジェクタ1の起動時に駆動部62に所定の制御指令を出力してペルチェ素子7113に印加する電圧値を通常電圧値まで段階的に増加させる矩形制御を実施する。また、矩形制御部611は、プロジェクタ1の駆動停止時に駆動部62に所定の制御指令を出力してペルチェ素子7113に印加する電圧値を通常電圧値から段階的に減少させる矩形制御を実施する。
設定温度差情報としては、冷却対象である光学装置45や偏光変換素子423を所望の温度まで冷却するための吸熱側熱伝導性部材7111の設定温度と、プロジェクタ1の使用される環境に応じて設定された前記密閉構造外部の設定雰囲気温度との差(設定温度差)に関する情報である。
なお、メモリ613は、例えば、プロジェクタ1の駆動状態を設定するためのメニュー画面において、操作パネル212やリモートコントローラの操作により、上述した設定温度差情報を、適宜、変更可能に構成されている。
吸熱側温度検出部63は、ペルチェ素子7113の吸熱面7113Aと接続し吸熱面7113Aの熱が伝わっている吸熱側熱伝導性部材7111の温度を検出する。吸熱側温度検出部63は、吸熱面7113Aに段付ブロック7112を介して吸熱側熱伝導性部材7111が熱伝達可能に接続しているため、吸熱面7113Aの温度を直接検出することはできない。しかしながら、吸熱側熱伝導性部材7111の温度が吸熱面7113Aの温度とほぼ同等であるため、吸熱側熱伝導性部材7111の温度を検出することで吸熱面7113Aの温度検出の代用としている。
次に、上述したペルチェ制御部61によるペルチェ素子7113の制御方法を説明する。
図21は、ペルチェ素子7113の制御方法を説明するフローチャートである。
先ず、制御基板6のペルチェ制御部61は、利用者により操作パネル212や図示しないリモートコントローラが操作され、「プロジェクタ1を起動する」旨の入力操作が実施されることにより、操作パネル212や図示しないリモコン受光モジュールからの電源ON信号を入力する(ステップS1)と、メモリ613に記憶された制御プログラムを読み出し、以下に示すように、ペルチェ素子7113の駆動制御を開始する。
ステップS1の後、矩形制御部611は、電源ON信号を入力すると、駆動部62に所定の制御指令を出力し、図22に示すように、ペルチェ素子7113への印加電圧が0V
の状態から通常電圧値VHまで段階的に電圧値を増加させる矩形制御を実施する(ステップS2)。
ステップS2の後、ペルチェ制御部61は、駆動部62に所定の制御指令を出力し、ペルチェ素子7113に通常電圧値VHを印加する通常駆動状態を維持する(ステップS3)。
一方、ステップS4において、ペルチェ制御部61は、「Y」と判定した場合、すなわち、吸熱側熱伝導性部材7111の温度(ペルチェ素子7113の吸熱面7113Aの温度)が雰囲気温度に対して必要以上に低くなったと判定した場合には、検出温度差が設定温度差未満となるまで極性切替制御を継続して実施する(ステップS5)。
具体的に、極性切替制御部612は、検出温度差が設定温度差以上である場合に、駆動部62に所定の制御指令を出力し、ペルチェ素子7113に印加する電圧の極性を切り替える極性切替制御を実施する。この極性切替制御により、ペルチェ素子7113の吸熱面7113Aは、熱を放熱する放熱面に切り替えられ、放熱面7113Bは、熱を吸収する吸熱面に切り替えられる。すなわち、極性切替制御を実施することで、雰囲気温度に対して必要以上に低くなった吸熱面7113Aの温度を増加させている。
具体的に、矩形制御部611は、電源OFF信号を入力すると、駆動部62に所定の制御指令を出力し、図22に示すように、ペルチェ素子7113への印加電圧が通常電圧値VHの状態から印加電圧が0Vの状態まで段階的に電圧値を減少させる矩形制御を実施する。
本実施形態によれば、密閉構造を構成する光学部品用筐体46内部の空間Ar1,Ar2に光学装置45および偏光変換素子423が収納配置されているので、各光学部品45,423に塵埃、油煙等が付着することを防止でき、プロジェクタ1から投射される投影画像の画質を安定に確保できる。
また、密閉構造を構成する冷却装置71、循環ファン72、および光学部品用筐体46は、密閉構造内部の空気流通路における空気の流通方向に沿って、冷却装置71、循環ファン72、および光学部品用筐体46の順に配設されている。このことにより、循環ファン72が冷却装置71の吸熱側(吸熱側熱伝導性部材7111、段付ブロック7112、ペルチェ素子7113の吸熱面7113A)にて冷却された空気を吸入して、光学部品用筐体46内部の空間Ar1,Ar2に収納配置された各光学部品45,423に向けて吐出できる。すなわち、冷却装置71の吸熱側にて冷却された低い温度状態で各光学部品45,423に空気を送風でき、各光学部品45,423を効率的に冷却できる。
ここで、循環ファン72は、2つのシロッコファン721,722で構成されているので、吐出圧および吐出された空気の風速を十分に確保でき、各光学部品45,423を効果的に冷却できる。
ここで、流路前段側ダクト部材73(ベース板731)は、光学部品用筐体46における部品収納部本体4612に所定の間隔(例えば、5〜10mm程度)を空けて取り付けられているので、流路前段側ダクト部材73および光学部品用筐体46間の空気層(断熱層)により、光源装置41等の光学部品から光学部品用筐体46に伝達された熱が、流路前段側ダクト部材73を介して、流路C2,C3〜流路C4,C5,C6の空気流通路を辿る空気に伝達されることを確実に防止できる。
また、流路後段側ダクト部材74(低熱伝導ダクト部741)は、光学部品用筐体46における蓋状部材462に所定の間隔(例えば、5〜10mm程度)を空けて取り付けられているので、流路後段側ダクト部材74および光学部品用筐体46間の空気層(断熱層)により、光源装置41等の光学部品から光学部品用筐体46に伝達された熱が、流路後段側ダクト部材74を介して、流路C7,C8の空気流通路を辿る空気に伝達されることを確実に防止できる。
また、プロジェクタ1は、外部側ダクト部材811を備えているので、冷却ファン714から吐出され放熱側熱伝導性部材7115を介した空気を、プロジェクタ1内部における密閉構造外部の制御基板6等の発熱部材に送風することができる。このため、プロジェクタ1において、前記発熱部材を冷却する専用の冷却ファンを設ける必要がなく、冷却ファンの数量を低減できるとともに、密閉構造外部の発熱部材を冷却する冷却構造を簡素化できる。
本実施形態では、ペルチェ制御部61を構成する極性切替制御部612は、吸熱側温度検出部63にて検出された吸熱側熱伝導性部材7111の検出温度TDと(ペルチェ素子7113の吸熱面7113Aの温度)、雰囲気温度検出部64にて検出された密閉構造外部の雰囲気温度TPとの検出温度差が、メモリ613に記憶された設定温度差情報に基づく設定温度差以上となった場合に、極性切替制御を実施する。このことにより、検出温度差が設定温度差以上となった場合、すなわち、吸熱側熱伝導性部材7111の温度(ペルチェ素子7113の吸熱面7113Aの温度)が雰囲気温度に対して必要以上に低くなった場合に、極性切替制御を実施することで、ペルチェ素子7113における密閉構造内部に面する面(吸熱面7113A)の温度を上昇させ、冷却装置の吸熱側に結露が生じることを防止し、結露による冷却装置71の動作不具合を防止できる。
また、矩形制御部611は、ペルチェ素子7113の駆動停止時において、ペルチェ素子7113に印加する電圧値を通常電圧値VHから0Vまで段階的に減少させる矩形制御を実施する。このことにより、上述したペルチェ素子7113に印加する電圧値を通常電圧値VHから0Vに短時間に変更した場合と比較して、冷却装置71の吸熱側の温度上昇の勾配を小さくし、冷却装置71の放熱側の温度下降の勾配を小さくできる。このため、冷却装置71のペルチェユニット711を構成する各部材7111〜7115間の熱応力を緩和し、冷却装置71の動作不具合を防止できる。
次に、本発明の第2実施形態を図面に基づいて説明する。
以下の説明では、前記第1実施形態と同様の構造および同一部材には同一符号を付して、その詳細な説明は省略または簡略化する。
図23は、第2実施形態におけるペルチェ素子7113の制御構造を模式的に示すブロック図である。
本実施形態は、前記第1実施形態に対して、図23に示すように、ペルチェ素子7113を制御する制御装置としてのペルチェ制御部61Aの構成、および吸熱側温度検出部63の代わりに、密閉構造内部を流通する空気の温度を検出する内部空気温度検出部65を備えていることが異なるのみである。その他の構成は、前記第1実施形態と同様のものである。なお、内部空気温度検出部65は、密閉構造内部を流通する空気の温度を検出可能な場所であれば、いずれの場所に配置しても構わない。
デューティ比制御部614は、内部空気温度検出部65の検出温度と、メモリ613Aに記憶された設定温度情報に基づく設定温度とを比較し、検出温度が設定温度以下になった場合に、駆動部62に所定の制御指令を出力して、ペルチェ素子7113をメモリ613Aに記憶されたデューティ比情報に基づくデューティ比で間欠駆動させるデューティ比制御を実施する。
メモリ613Aは、前記第1実施形態で説明したメモリ613と同様に、各制御部611,614にて処理を実行する際の制御プログラム、処理を実行するために必要な情報(設定温度情報、デューティ比情報等)を記憶する。すなわち、メモリ613Aは、本発明に係る設定温度情報記憶部およびデューティ比情報記憶部に相当する。
設定温度情報としては、冷却対象である光学装置45や偏光変換素子423を所望の温度まで冷却した時の密閉構造内部を流通する空気の設定温度に関する情報である。
デューティ比情報としては、デューティ比制御部614によるデューティ比制御でのペルチェ素子7113に電圧を印加する単位時間当りの駆動時間と、ペルチェ素子7113に電圧を印加しない単位時間当りの非駆動時間との比率(デューティ比)に関する情報である。
なお、メモリ613Aも前記第1実施形態で説明したメモリ613と同様に、例えば、メニュー画面において、操作パネル212やリモートコントローラの操作により、上述した設定温度情報、デューティ比情報を、適宜、変更可能に構成されている。
図24は、第2実施形態におけるペルチェ素子7113の制御方法を説明するフローチャートである。
なお、以下では、前記第1実施形態と同様の処理については、説明を簡略化する。
先ず、ペルチェ制御部61Aは、前記第1実施形態と同様に、電源ON信号を入力する(ステップS1)と、ペルチェ素子7113の矩形制御(ステップS2)、およびペルチェ素子7113の通常駆動(ステップS3)を実施する。
そして、ペルチェ制御部61Aは、ステップS3において通常駆動を実施している際、内部空気温度検出部65にて検出された検出温度TD(図25参照)を認識し、該検出温度TDと、メモリ613Aに記憶された設定温度情報に基づく設定温度TS(図25参照)とを比較し、検出温度TDが設定温度TS以下になったか否かを判定する(ステップS6)。
一方、ステップS6において、ペルチェ制御部61Aは、「Y」と判定した場合、すなわち、検出温度TDが設定温度TS以下となった場合に、デューティ比制御を実施する(ステップS7)。
なお、図25は、図22と同様に、印加電圧値V(上段)、および内部空気温度検出部65の検出温度TD(下段)の挙動を示す図である。
具体的に、ステップS7において、デューティ比制御部614は、図25に示すように、検出温度TDが設定温度TS以下となった場合に、駆動部62に所定の制御指令を出力し、ペルチェ素子7113に電圧を印加しない非駆動状態D1と、ペルチェ素子7113に通常電圧値VHを印加する駆動状態D2とをメモリ613Aに記憶されたデューティ比情報に基づくデューティ比で繰り返し実施してペルチェ素子7113を間欠駆動するデューティ比制御を実施する。
本実施形態では、ペルチェ制御部61Aを構成するデューティ比制御部614は、内部空気温度検出部65にて検出された密閉構造内部の空気の検出温度TDが、メモリ613Aに記憶された設定温度情報に基づく設定温度TS以下となった場合に、デューティ比制御を実施する。このことにより、検出温度TDが設定温度TS以下となった場合、すなわち、ペルチェ素子7113の駆動が安定した場合に、デューティ比制御を実施することで、例えば、ペルチェ素子7113の駆動が安定した後でも常時、一定の通常電圧値VHをペルチェ素子7113に印加する場合と比較して、ペルチェ素子7113の消費電力を低減でき、プロジェクタ1の省電力化が図れる。また、デューティ比制御は、ペルチェ素子7113の駆動が安定した後に実施されるので、冷却装置71において、密閉構造内部の空気流通路を辿る空気の冷却効率を十分に確保できる。
次に、本発明の第3実施形態を図面に基づいて説明する。
以下の説明では、前記第2実施形態と同様の構造および同一部材には同一符号を付して、その詳細な説明は省略または簡略化する。
図26は、第3実施形態におけるペルチェ素子7113の制御構造を模式的に示すブロック図である。
本実施形態は、前記第2実施形態に対して、図26に示すように、ペルチェ素子7113を制御する制御装置としてのペルチェ制御部61Bの構成が異なるのみである。その他の構成は、前記第2実施形態と同様のものである。
電圧切替制御部615は、内部空気温度検出部65の検出温度と、メモリ613Bに記憶された設定温度情報に基づく設定温度とを比較し、検出温度が設定温度以下になった場合に、駆動部62に所定の制御指令を出力して、ペルチェ素子7113をメモリ613Bに記憶された通常駆動時間情報および低電圧駆動時間情報に基づいて、通常駆動および低電圧駆動を繰り返し実施する電圧切替制御を実施する。
メモリ613Bは、前記第1実施形態で説明したメモリ613と同様に、各制御部611,615にて処理を実行する際の制御プログラム、処理を実行するために必要な情報(設定温度情報、通常駆動時間情報、低電圧駆動時間情報等)を記憶する。すなわち、メモリ613Bは、設定温度情報記憶部、および駆動時間情報記憶部に相当する。
設定温度情報は、前記第2実施形態で説明した情報と同様である。
通常駆動時間情報としては、電圧切替制御部615による電圧切替制御でのペルチェ素子7113を通常駆動する(通常電圧値を印加する)駆動時間に関する情報である。
低電圧駆動時間情報としては、電圧切替制御部615による電圧切替制御でのペルチェ素子7113を低電圧駆動する(通常電圧値よりも低い電圧値を印加する)駆動時間に関する情報である。
なお、メモリ613Bも前記第1実施形態で説明したメモリ613と同様に、例えば、メニュー画面において、操作パネル212やリモートコントローラの操作により、上述した設定温度情報、通常駆動時間情報、低電圧駆動時間情報を、適宜、変更可能に構成されている。
図27は、第3実施形態におけるペルチェ素子7113の制御方法を説明するフローチャートである。
なお、以下では、前記第1実施形態および前記第2実施形態と同様の処理については、説明を簡略化する。
先ず、ペルチェ制御部61Bは、前記第2実施形態と同様に、電源ON信号を入力する(ステップS1)と、ペルチェ素子7113の矩形制御(ステップS2)、ペルチェ素子7113の通常駆動(ステップS3)、および検出温度TD(図28参照)が設定温度TS(図28参照)以下になったか否かの判定(ステップS6)を実施する。
一方、ステップS6において、ペルチェ制御部61Bは、「Y」と判定した場合、すなわち、検出温度TDが設定温度TS以下となった場合に、電圧切替制御を実施する(ステップS8)。
なお、図28は、図22、図25と同様に、印加電圧値V(上段)、および内部空気温度検出部65の検出温度TD(下段)の挙動を示す図である。
具体的に、ステップS8において、電圧切替制御部615は、図28に示すように、検出温度TDが設定温度TS以下となった場合に、駆動部62に所定の制御指令を出力し、メモリ613Bに記憶された低電圧駆動時間情報に基づく駆動時間T1の間、通常電圧値VHよりも低い電圧値V1をペルチェ素子7113に印加する低電圧駆動と、メモリ613Bに記憶された通常駆動時間情報に基づく駆動時間T2の間、通常電圧値VHをペルチェ素子7113に印加する通常駆動とを繰り返し実施する電圧切替制御を実施する。
前記各実施形態では、密閉構造内部に配置される光学部品として、光学装置45および偏光変換素子423を採用したが、これに限らず、光学装置45および偏光変換素子423のいずれか一方のみを密閉構造内部に配置する構成としてもよく、あるいは、光学装置45および偏光変換素子423以外の他の光学部品を密閉構造内部に配置する構成としても構わない。
具体的に、図29は、第2実施形態で説明したデューティ比制御と、第3実施形態で説明した電圧切替制御を組み合わせた制御を示す図である。なお、図29は、図22、図25、図28と同様に、印加電圧値V(上段)、液晶パネル451近傍の温度TP(中段)、および吸熱側温度検出部63の検出温度TD(下段)の挙動を示す図である。
例えば、第2実施形態で説明したデューティ比制御と、第3実施形態で説明した電圧切替制御を組み合わせてペルチェ素子7113を制御する構造を採用しても構わない。すなわち、図29に示すように、ペルチェ素子7113の駆動が安定した後、ペルチェ素子7113に電圧を印加しない非駆動状態D1と、ペルチェ素子7113に通常電圧値VHを印加する駆動状態D2と、非駆動状態D1と、ペルチェ素子7113に電圧値V1を印加する駆動状態D3を繰り返す制御を実施する。このような制御によれば、ペルチェ素子7113の消費電力をより低減でき、プロジェクタ1の省電力化がより好適に図れる。
また、前記各実施形態では、光源装置41を1つのみ用い色分離光学系43にて3つの色光に分離していたが、色分離光学系43を省略し、3つの色光をそれぞれ射出する3つの前記固体発光素子を光源装置として構成してもよい。
前記各実施形態では、色合成光学装置としてクロスダイクロイックプリズム453を採用していたが、これに限らず、ダイクロイックミラーを複数用いることで各色光を合成する構成を採用してもよい。
前記各実施形態では、光入射面と光射出面とが異なる透過型の液晶パネルを用いていたが、光入射面と光射出面とが同一となる反射型の液晶パネルを用いてもよい。
前記各実施形態では、光変調装置として液晶パネルを用いていたが、液晶以外の光変調装置を用いてもよい。
前記各実施形態では、スクリーンを観察する方向から投射を行うフロントタイプのプロジェクタの例のみを挙げたが、本発明は、スクリーンを観察する方向とは反対側から投射を行うリアタイプのプロジェクタにも適用可能である。
したがって、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
Claims (10)
- 空気を流通可能とする環状の空気流通路を有する密閉構造内部に配置される光学部品と、前記環状の空気流通路の空気を循環させる循環ファンとを備えたプロジェクタであって、
前記密閉構造は、
前記光学部品を内部に収納配置するとともに、内部に空気を流入させるための流入口および外部に空気を流出させるための流出口を有する光学部品用筐体と、
前記流入口を介して前記光学部品用筐体内部に空気を導くとともに、前記流出口を介して前記光学部品用筐体内部から外部に流出した空気を再度、前記流入口を介して前記光学部品用筐体内部に導く複数のダクト部材と、
前記密閉構造内部に面する吸熱面および前記密閉構造外部に面する放熱面を備えた熱電変換素子を有する冷却装置とを含んで構成され、
前記冷却装置、前記循環ファン、および前記光学部品用筐体は、前記空気流通路における空気の流通方向に沿って、前記冷却装置、前記循環ファン、および前記光学部品用筐体の順に配設され、
前記複数のダクト部材のうち前記冷却装置から前記光学部品用筐体に空気を導く流路前段側ダクト部材は、熱伝導率が0.9W/(m・K)以下の材料で構成されていることを特徴とするプロジェクタ。 - 請求項1に記載のプロジェクタにおいて、
前記複数のダクト部材のうち前記光学部品用筐体から前記冷却装置に空気を導く流路後段側ダクト部材は、熱伝導率が42W/(m・K)以上の材料で構成されていることを特徴とするプロジェクタ。 - 請求項1に記載のプロジェクタにおいて、
前記複数のダクト部材のうち前記光学部品用筐体から前記冷却装置に空気を導く流路後段側ダクト部材は、前記流出口に平面的に干渉する位置に高熱伝導ダクト部を有し、
前記高熱伝導ダクト部は、熱伝導率が42W/(m・K)以上の材料で構成されていることを特徴とするプロジェクタ。 - 請求項3に記載のプロジェクタにおいて、
前記流路後段側ダクト部材は、前記高熱伝導ダクト部と、前記光学部品用筐体に近接して配設される低熱伝導ダクト部との2体で構成され、
前記低熱伝導ダクト部は、熱伝導率が0.9W/(m・K)以下の材料で構成されていることを特徴とするプロジェクタ。 - 請求項1から請求項4のいずれかに記載のプロジェクタにおいて、
前記冷却装置は、前記熱電変換素子の吸熱面および放熱面に熱伝達可能に取り付けられる吸熱側熱伝導性部材および放熱側熱伝導性部材と、当該プロジェクタ外部から内部に空気を導入し、前記放熱側熱伝導性部材に吐出する冷却ファンとを備え、
前記冷却ファンから吐出され前記放熱側熱伝導性部材を介した空気を、当該プロジェクタ内部における前記密閉構造外部の発熱部材に導く外部側ダクト部材を備えていることを特徴とするプロジェクタ。 - 請求項5に記載のプロジェクタにおいて、
当該プロジェクタの構成部材を制御する制御基板を備え、
前記光学部品用筐体、前記複数のダクト部材のうち前記光学部品用筐体から前記冷却装置に空気を導く流路後段側ダクト部材、および前記制御基板は、前記光学部品用筐体、前記流路後段側ダクト部材、および前記制御基板の順に積層配置され、
前記外部側ダクト部材は、前記冷却ファンから吐出され前記放熱側熱伝導性部材を介した空気を、前記流路後段側ダクト部材および前記制御基板の間に導くことを特徴とするプロジェクタ。 - 請求項1から請求項6のいずれかに記載のプロジェクタにおいて、
前記熱電変換素子に電圧を印加して前記熱電変換素子を駆動制御する制御装置と、前記熱電変換素子の吸熱面に熱伝達可能に取り付けられる吸熱側熱伝導性部材の温度を検出する吸熱側温度検出部と、前記密閉構造外部の雰囲気温度を検出する雰囲気温度検出部とを備え、
前記制御装置は、
前記吸熱側熱伝導性部材の設定温度と、前記密閉構造外部の設定雰囲気温度との設定温度差に関する設定温度差情報を記憶する設定温度差情報記憶部と、
前記吸熱側温度検出部にて検出された検出温度と、前記雰囲気温度検出部にて検出された雰囲気温度とを比較し、前記検出温度および前記雰囲気温度の検出温度差が前記設定温度差情報に基づく設定温度差以上になった場合に、前記熱電変換素子に印加する電圧の極性を切り替える極性切替制御を実施する極性切替制御部とを備えていることを特徴とするプロジェクタ。 - 請求項1から請求項7のいずれかに記載のプロジェクタにおいて、
前記熱電変換素子に電圧を印加して前記熱電変換素子を駆動制御する制御装置を備え、
前記制御装置は、
前記熱電変換素子の駆動開始時に前記熱電変換素子に印加する電圧値を通常電圧値まで段階的に増加させ、前記熱電変換素子の駆動停止時に前記熱電変換素子に印加する電圧値を前記通常電圧値から段階的に減少させる矩形制御を実施する矩形制御部を備えていることを特徴とするプロジェクタ。 - 請求項1から請求項8のいずれかに記載のプロジェクタにおいて、
前記熱電変換素子に電圧を印加して前記熱電変換素子を駆動制御する制御装置と、前記密閉構造内部の空気温度を検出する内部空気温度検出部とを備え、
前記制御装置は、
前記密閉構造内部の空気設定温度に関する設定温度情報を記憶する設定温度情報記憶部と、
所定のデューティ比に関するデューティ比情報を記憶するデューティ比情報記憶部と、
前記内部空気温度検出部にて検出された検出温度と、前記設定温度情報に基づく設定温度とを比較し、前記検出温度が前記設定温度以下になった場合に、前記熱電変換素子を前記デューティ比情報に基づくデューティ比で間欠駆動させるデューティ比制御を実施するデューティ比制御部とを備えていることを特徴とするプロジェクタ。 - 請求項1から請求項9のいずれかに記載のプロジェクタにおいて、
前記熱電変換素子に電圧を印加して前記熱電変換素子を駆動制御する制御装置と、前記密閉構造内部の空気温度を検出する内部空気温度検出部とを備え、
前記制御装置は、
前記密閉構造内部の空気設定温度に関する設定温度情報を記憶する設定温度情報記憶部と、
前記熱電変換素子を通常駆動する駆動時間に関する通常駆動時間情報、および前記通常駆動時に印加する通常電圧値よりも低い電圧値で前記熱電変換素子を低電圧駆動する駆動時間に関する低電圧駆動時間情報を記憶する駆動時間情報記憶部と、
前記内部空気温度検出部にて検出された検出温度と、前記設定温度情報に基づく設定温度とを比較し、前記検出温度が前記設定温度以下になった場合に、前記通常駆動時間情報および前記低電圧駆動時間情報に基づいて、前記通常駆動および前記低電圧駆動を繰り返す電圧切替制御を実施する電圧切替制御部とを備えていることを特徴とするプロジェクタ。
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