JP2007332684A - 保水性セメント組成物、舗装用ブロック及び舗装構造 - Google Patents

保水性セメント組成物、舗装用ブロック及び舗装構造 Download PDF

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Abstract

【課題】舗装用硬化体を構成する多孔質硬化体の連続空隙内に充填するための保水性セメント組成物であって、舗装用硬化体における夏季の直射日光による路面温度の上昇の抑制効果を高めることができ、かつ、この効果の持続時間を長くすることのできる保水性セメント組成物を提供する。
【解決手段】セメント、セピオライト及び水を含む保水性セメント組成物であって、水の配合量が、セメントとセピオライトの合計量100質量部に対して180質量部以上である保水性セメント組成物。保水性セメント組成物中の水の割合は、好ましくは55質量%以上である。保水性セメント組成物は、舗装用ブロック3の連続空隙の充填材、及び目地部4の材料として用いられる。舗装構造1は、舗装用ブロック3と、目地部4と、砂層5と、クラッシャランからなる路盤6と、既存の地盤からなる路床7とからなる。
【選択図】図1

Description

本発明は、車道、歩道、駐車場等の舗装構造、及び、該舗装構造を構成する舗装用ブロック、並びに、該舗装用ブロックの連続空隙内の充填材として用いられる保水性セメント組成物に関し、特に、夏季に表面の温度上昇を抑制することができる舗装構造、舗装用ブロック及び保水性セメント組成物に関する。
近年、セメントと、セピオライト等の保水性材料と、水等を混合して、未硬化の保水性セメント組成物を調製し、この未硬化の保水性セメント組成物を、連続空隙を有する舗装体の当該連続空隙の中に充填して硬化させて、保水性舗装体を作製する技術が、開発されている。
一例として、連続空隙を有する多孔質硬化体と、該連続空隙内に充填された保水性硬化材とからなる保水性硬化体であって、前記保水性硬化材が、セメント100質量部と、200%以上の保水率を有する繊維状のセピオライト20〜120質量部と、水とを含む混練物を硬化させてなる、1.2N/mm2以上の圧縮強度、及び0.6N/mm2以上の曲げ強度を有する材料であることを特徴とする保水性硬化体が、提案されている(特許文献1)。
他の例として、水分若しくは空気のいずれか一方または両方の流通能力を備え、容積百分率で15〜35%の空隙を有する透水性セメントコンクリート等を用いた多孔質成形ブロック等の有孔表層において、保水性を有するとともに透水性を有するシルト系充填材を有孔表層中の空隙に充填したことを特徴とする、シルト系充填材を充填した路面温度の上昇抑制機能を備える舗装体の有孔表層が、提案されている(特許文献2)。この文献には、前記シルト系充填材として、特定のシルト系粉末20〜60重量%と、セメント系の固化材5〜50重量%と、水25〜50重量%とからなる混合物が、記載されている。
特許第3723178号公報 特許第3156151号公報
多孔質硬化体の連続空隙内に保水性硬化材を充填してなる従来の保水性硬化体は、降雨や散水によって水を吸収した後、この水分を徐々に放出することによって、夏季の直射日光による路面温度の上昇の抑制効果を発揮することができる。
しかし、この効果は、時間の経過とともに小さくなっていく。そのため、保水性硬化体による路面温度の上昇の抑制効果の持続時間を長くすることのできる技術が求められている。また、路面温度の上昇の抑制効果を、従来よりもさらに大きくすることも求められている。
そこで、本発明は、舗装用硬化体を構成する多孔質硬化体の連続空隙内に充填するための保水性セメント組成物であって、舗装用硬化体における夏季の直射日光による路面温度の上昇の抑制効果を高めることができ、かつ、この効果の持続時間を長くすることのできる保水性セメント組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、少なくともセメント、セピオライト及び水を含む保水性セメント組成物であって、水の配合量を、セメントとセピオライトの合計量100質量部に対して180質量部以上に定め、かつ、保水性セメント組成物中の水の割合を60質量%以上に定めた保水性セメント組成物を調製した後、この保水性セメント組成物を、舗装体(例えば、舗装用ブロックや、舗装構造の表層等)の本体を構成する多孔質硬化体の連続空隙の充填材として用いれば、舗装体における夏季の直射日光による路面温度の上昇の抑制効果を、従来よりも高めることができ、かつ、この効果の持続時間を従来よりも長くすることができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[9]を提供するものである。
[1]セメント、セピオライト及び水を含む保水性セメント組成物であって、上記水の配合量が、上記セメントと上記セピオライトの合計量100質量部に対して180質量部以上であることを特徴とする保水性セメント組成物。
[2]上記保水性セメント組成物中の上記水の割合が55質量%以上である上記[1]に記載の保水性セメント組成物。
[3]上記水の配合量が、上記セメントと上記セピオライトの合計量100質量部に対して500質量部以下であり、かつ、上記保水性セメント組成物中の上記水の割合が85質量%以下である上記[1]又は[2]に記載の保水性セメント組成物。
[4]上記保水性セメント組成物中、上記セメントの割合が5〜20質量%であり、かつ、上記セピオライトの割合が5〜15質量%である上記[1]〜[3]のいずれかに記載の保水性セメント組成物。
[5]上記セピオライトは、保水率が200質量%以上のセピオライトである上記[1]〜[4]のいずれかに記載の保水性セメント組成物。
[6]多数の連続空隙を有する多孔質硬化体(例えば、舗装用ブロック本体や、現場で打設された舗装構造の表層等)と、該多孔質硬化体の連続空隙の中に充填された、上記[1]〜[5]のいずれかに記載の保水性セメント組成物とからなることを特徴とする舗装体。
[7]多数の連続空隙を有する舗装用ブロック本体と、該舗装用ブロック本体の連続空隙の中に充填された、上記[1]〜[5]のいずれかに記載の保水性セメント組成物とからなることを特徴とする舗装用ブロック。
[8]水平方向に複数敷設された上記[7]に記載の舗装用ブロックと、該舗装用ブロックの相互間の空隙に目地材を充填してなる目地部と、上記舗装用ブロック及び上記目地部の下方に位置する砂層とを含むことを特徴とする舗装構造。
[9]上記目地材が、上記舗装用ブロックの構成材料である上記保水性セメント組成物と同様の保水性セメント組成物を含む上記[8]に記載の舗装構造。
本発明の保水性セメント組成物は、舗装体を構成する多孔質硬化体の連続空隙の充填材として用いた場合に、舗装体における夏季の直射日光による路面温度の上昇の抑制効果を、従来よりも高めることができると共に、当該効果の持続時間を、従来よりも長くすることができる。
本発明の保水性セメント組成物は、セメント、セピオライト、水、及び必要に応じて配合される他の材料を含むものである。
セメントの種類としては、特に限定されるものではなく、例えば、超速硬ポルトランドセメント、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント等の各種ポルトランドセメントや、高炉セメント、フライアッシュセメント等の混合セメント等を使用することができる。中でも、超速硬ポルトランドセメントは、舗装用ブロック等の舗装体を効率良く作製することができる点で好ましく用いられる。
保水性セメント組成物中のセメントの質量割合は、好ましくは5〜20質量%、より好ましくは7〜18質量%、特に好ましくは8〜16質量%である。該割合が5質量%未満では、舗装用ブロック本体の連続空隙の内部における硬化後の保水性セメント組成物の付着性(定着性)が低下することがある。該割合が20質量%を超えると、セピオライトの周囲にセメントが被覆して、十分な保水性が得られず、路面の温度上昇の抑制効果が不十分となることがある。
セピオライトは、ホルマイト系粘土鉱物の一種であり、乾燥固結性(水で練って乾燥すると固まる性質)を有するとともに、内部に微細な連続空隙を有することから、優れた吸水性および保水性を有するものである。なお、セピオライトの主成分は、含水マグネシウムシリケート(化学式:Mg4Si6O15(OH)2・6H2O)である。
セピオライトの形態としては、次の理由により、繊維状のものが好ましい。
第一に、繊維状のセピオライトを含む保水性セメント組成物は、チキソトロピー性(揺変性)を有するため、優れた流動性(施工作業の容易性)、材料分離抵抗性(ブリーディングの防止)、および付着性(施工後の連続空隙内での定着性)を示す。ここで、チキソトロピー性(揺変性)とは、剪断抵抗力を大きくすると粘度が小さくなり、逆に、剪断抵抗力を小さくすると粘度が大きくなる性質をいう。
第二に、繊維状のセピオライトの内部の結晶構造が、蜂の巣のようなチャンネル構造になっており、このチャンネル構造中の多数の細長い細孔が、高い吸水力および保水力を発揮するため、繊維状のセピオライトを含む保水性セメント組成物は、吸水性および保水性に優れる。
第三に、繊維状のセピオライトが吸水しても、当該セピオライトを含む保水性セメント組成物の膨張率が小さいことから、舗装用ブロック本体の連続空隙内で保水性セメント組成物が膨張して応力が発生したり、透水性が低下するおそれが少なく、舗装用ブロック本体に保水性セメント組成物を充填してなる舗装用ブロックの耐久性等を向上させることができる。
繊維状のセピオライトを調製する方法は、次のとおりである。
まず、天然鉱物であるセピオライト原石を粗砕機で粉砕する。
次いで、粉砕したセピオライトを微粉砕機で粉砕し解繊する。ここで、微粉砕機の種類としては、例えば、レイモンドミル、竪型ローラミル、ハンマーミル、ボールミル等が挙げられる。中でも、レイモンドミル、竪型ローラミルは、セピオライトが過度に粉砕されることなく良好に解繊され、大きな保水性を容易に得られる点で好ましく用いられる。これら微粉砕機による粉砕方法に代えて、水中で長時間かけて解繊する方法を採ることもできる。水中で解繊する方法は、具体的には、攪拌羽根付き容器を用いて、比較的低濃度スラリーとして、長時間攪拌処理を施して、解繊を行なう方法である。
解繊後、必要に応じて、水簸、篩い分け、および分級の操作のいずれかを単独でまたはこれらの2つ以上の操作の組み合わせによって、繊維形状を有するものの純度を高めるような処理を行なえば、目的とする繊維状のセピオライトが得られる。
繊維状のセピオライトの保水率は、好ましくは200質量%以上、より好ましくは250質量%以上である。
ここで、保水率とは、一定量のセピオライトを秤量し、大型濾紙上に載置した後、セピオライトがブリーディングを発生し始める時点まで水を加えて、その時点における質量の増加量を測定した場合において、この増加量(セピオライトに保持された水の質量)を、当初のセピオライトの質量で除することによって得られる値をいう。なお、水を加える際、濾紙上に挟持する形でセピオライトを支持し、ブリーディングによって発生した水は、一定の圧力を加えて、保持の不完全な水とともに濾紙に沁み込ませることによって除去する。
繊維状のセピオライトの長さ(繊維長)は、好ましくは1μm以上、より好ましくは5μm以上である。該繊維長の上限は、好ましくは1,000μm以下、より好ましくは200μm以下である。該繊維長が1μm未満では、吸水時の粘性が低下するとともに保水性能が低下し、該繊維長が1,000μmを超えると、他の材料との混合が不均一となり、保水性セメント組成物が硬化不良を生じる恐れがある。
繊維状のセピオライトを10質量%のスラリーとし、その粘度をB型粘度計で測定すると、ロータが回転し始めて3回転目の粘度は、1,500cps(センチポイズ)以上である。このように1,500cps以上の粘度を有するスラリーは、保水性能が高いことを意味する。
保水性セメント組成物中のセピオライトの質量割合は、好ましくは5〜15質量%、より好ましくは6〜13質量%である。該割合が5質量%未満では、十分な保水性が得られず、路面の温度上昇の抑制効果が不十分となることがある。該割合が15質量%を超えると、セメントまたは水の質量割合が低下し、舗装用ブロック本体の連続空隙の内部における硬化後の保水性セメント組成物の付着性の低下や、路面の温度上昇の抑制効果の長時間に亘る持続を達成することができないことがある。
セメント100質量部に対するセピオライトの配合量は、好ましくは30〜150質量部、より好ましくは50〜120質量部である。該配合量が30質量%未満では、十分な保水性が得られず、路面の温度上昇の抑制効果が不十分となることがある。該配合量が150質量%を超えると、舗装用ブロック本体の連続空隙の内部における硬化後の保水性セメント組成物の付着性が低下することがある。
水の配合量は、セメントとセピオライトの合計量100質量部に対して180質量部以上、好ましくは210質量部以上、より好ましくは240質量部以上、特に好ましくは270質量部以上である。該配合量が180質量部未満では、路面の温度上昇の抑制効果の長時間に亘る持続を達成することができないことがある。
また、該配合量を180質量部以上に定めることによって、多孔質硬化体の連続空隙内への保水性セメント組成物の充填率をほぼ100%にすることができる。該配合量が180質量部未満の場合には、多孔質硬化体の連続空隙内への保水性セメント組成物の充填率が低下する傾向がある。例えば、該充填率は、水の配合量を120〜150質量部にすると、70%程度にまで低下することがある。
水の配合量の上限値は、セメントとセピオライトの合計量100質量部に対して、好ましくは500質量部以下、より好ましくは450質量部以下である。該値が500質量部を超えると、舗装用ブロック本体の連続空隙の内部における硬化後の保水性セメント組成物の付着性が低下することがある。
保水性セメント組成物中の水の質量割合は、好ましくは55質量%以上、より好ましくは57質量%以上、特に好ましくは59質量%以上である。該割合が55質量%未満では、路面の温度上昇の抑制効果の長時間に亘る持続を達成することができないことがある。
なお、保水性セメント組成物を構成するセメント、セピオライト以外の固体材料の配合量は、保水性セメント組成物中の水の質量割合が55質量%以上となる範囲内で定めることが好ましい。
保水性セメント組成物中の水の質量割合の上限値は、好ましくは85質量%以下、より好ましくは80質量%以下である。該値が85質量%を超えると、舗装用ブロック本体の連続空隙の内部における硬化後の保水性セメント組成物の付着性が低下することがある。
本発明の保水性セメント組成物の材料として使用可能な他の材料として、無機質微粒子、消泡剤、硬化遅延剤、有機質保水剤、減水剤等が挙げられる。
無機質微粒子としては、例えば、炭酸カルシウム、シリカフューム、シリカダスト、フライアッシュ、高炉スラグ等が挙げられる。
炭酸カルシウムの配合量は、セメント100質量部に対して、好ましくは200質量部以下、より好ましくは50〜150質量部である。
消泡剤としては、例えば、鉱物油系、シリコン系、ポリエーテル系等の消泡剤が挙げられる。消泡剤の市販品としては、例えば、「SNデフォーマー 14HP」(サンノプコ社製)等が挙げられる。
保水性セメント組成物中の消泡剤の配合割合は、通常、0〜0.6質量%である。
硬化遅延剤としては、例えば、オキシカルボン酸系、リグニンスルホン酸系、芳香族スルホン酸系等の硬化遅延剤が挙げられる。硬化遅延剤の具体例としては、例えば、クエン酸、酒石酸等が挙げられる。
保水性セメント組成物中の硬化遅延剤の配合割合は、通常、0〜2.5質量%である。
有機質保水剤としては、例えば、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース等が挙げられる。有機質保水剤の市販品としては、例えば、「hiメトローズ4000」(信越化学工業社製)等が挙げられる。
保水性セメント組成物中の有機質保水剤の配合割合は、通常、0〜0.6質量%である。
減水剤としては、例えば、リグニン系、ナフタレンスルホン酸系、メラミン系、ポリカルボン酸系等の減水剤、AE減水剤、高性能減水剤または高性能AE減水剤が挙げられる。減水剤の形態は、液体でも粉末状でもよい。
減水剤の配合量は、減水剤の種類によっても異なるが、通常、セメント100質量部に対して、固形分換算で0.1〜9質量部である。
本発明の保水性セメント組成物を調製するには、二軸練りミキサ、パンタイプミキサ、揺動型ミキサ等のミキサに、保水性セメント組成物を構成する上述の各材料を投入して混練すればよい。
この際、各材料の投入方法としては、セメント、セピオライト、水、及び必要に応じて配合される他の材料を一括して投入する方法や、水以外の材料(具体的には、セメント、セピオライト、及び必要に応じて配合される他の固体材料)を予め混合してプレミックス材を調製した後、このプレミックス材を、水及び必要に応じて配合される他の液体材料と共にミキサに投入する方法等が挙げられる。
硬化前の保水性セメント組成物の流動性は、土木学会規準「プレパックドコンクリートの注入モルタルの流動性試験方法(Pロート法)」に準拠して測定される。本試験によるフロー値は、好ましくは11秒未満である。該フロー値が11秒以上では、舗装用ブロック本体の連続空隙内に保水性セメント組成物を充填することが困難となる。
硬化後の保水性セメント組成物の圧縮強度は、好ましくは0.5N/mm以上である。圧縮強度が0.5N/mm未満では、水中で崩壊する恐れがある。
硬化後の保水性セメント組成物の曲げ強度は、好ましくは0.1N/mm以上である。曲げ強度が0.1N/mm未満では、水中で崩壊する恐れがある。
硬化後の保水性セメント組成物の吸水率は、好ましくは40体積%以上である。吸水率が40体積%未満では、十分な保水性が得られず、路面の温度上昇の抑制効果が不十分となることがある。
次に、図面を参照しつつ、本発明の保水性セメント組成物を用いて作製した舗装構造の一例を説明する。
図1は、本発明の保水性セメント組成物を用いて作製した舗装構造を示す断面図である。
図1中、舗装構造1は、表層2(舗装用ブロック3及び目地部4)と、砂層5と、路盤6と、路床7とが積層して形成されている。
表層2は、路面を形成すべく水平方向に敷設された複数の舗装用ブロック3と、舗装用ブロック3の相互間に介在する目地部4とから構成されている。
表層2の厚さは、通常、6〜8cmである。
舗装用ブロック3は、多数の連続空隙を有する舗装用ブロック本体と、該舗装用ブロック本体の連続空隙の中に充填された保水性セメント組成物とから構成されている。
舗装用ブロック本体は、多数の連続空隙を有する成形体であればよく、例えば、コンクリート、モルタル等を用いて作製することができる。
舗装用ブロック本体がモルタルからなる場合、その材料組成としては、例えば、舗装用ブロック本体の単位体積当たりの組成として、セメント400〜600kg/m3、細骨材1,200〜1,400kg/m3、水130〜150kg/m3、減水剤0.1〜2.0質量%(ただし、減水剤の配合量はセメント量に対する質量割合である。)が挙げられる。
舗装用ブロック本体がコンクリートからなる場合、その材料組成としては、例えば、舗装用ブロック本体の単位体積当たりの組成として、セメント350〜500kg/m3、粗骨材800〜1,500kg/m3、細骨材0〜600kg/m3、水85〜150kg/m3、減水剤0.1〜2.0質量%(ただし、減水剤の配合量はセメント量に対する質量割合である。)が挙げられる。
舗装用ブロック本体を作製するには、例えば、セメント、骨材、水、減水剤等の材料を混練した後、この混練物を所定の型枠内に投入し、次いで、型枠バイブレータ等によって外部から振動を与えて締め固めた後、養生し硬化させればよい。
舗装用ブロック本体中の連続空隙の体積割合は、通常、15〜30%、好ましくは17〜25%である。
目地部4は、舗装用ブロック3の相互間の空隙(目地)内に、舗装用ブロック3の構成材料(連続空隙への充填材)である保水性セメント組成物と同様の材料を充填することによって形成されている。目地部4の材料として保水性セメント組成物を用いることによって、目地砂を用いる場合と比べて、路面温度の上昇の抑制効果を高め、かつその効果の持続時間を長くすることができる。
なお、目地部4は、舗装用ブロック3相互のかみ合わせを良好にするとともに、一定の目地幅を確保して舗装用ブロック3の角欠けを防止するために設けられる。
砂層(クッション層)5を形成する砂としては、例えば、最大粒径が4.75mm以下であり、かつ75μm篩通過分が5質量%以下のものが用いられる。
砂層の厚さは、通常、2〜4cmである。
路盤6は、クラッシャラン等の砕石を主な材料として形成される。路盤6の厚さは、通常、10〜20cmである。
路床7は、既存の地盤である。
[実施例1]
(1)保水性セメント組成物の材料
保水性セメント組成物の材料として表1に示すものを用いた。
Figure 2007332684
(2)保水性セメント組成物の調製
超速硬セメント、セピオライト、炭酸カルシウム、消泡剤、硬化遅延剤、有機質保水剤の各材料を混練り容器に入れ、高速ハンドミキサを用いて予め空練りし、プレミックス材を得た。次いで、プレミックス材に水を加えて、再度、高速ハンドミキサで混練し、保水性セメント組成物を調製した。
(3)舗装用ブロック本体の製造
(a)材料
セメント;普通ポルトランドセメント100質量部
粗骨材;粒径2.5〜13mmの砕石(道路用砕石7号)343質量部
減水剤;ポリカルボン酸系減水剤(商品名:コアフローNP−55、太平洋マテリアル社製)1質量部
(b)製造方法
前記の材料を2軸強制練りミキサを用いて3分間混練した後、所定の型枠内に投入し、即時脱型振動締め固めを行なって、10cm×20cm×6cm(厚さ)の寸法を有する舗装用ブロック本体を製造した。得られた舗装用ブロック本体の連続空隙の体積割合は、23%であった。
(4)夏季における路面からの水分蒸発量及び路面の最高温度の測定
(a)試験用舗装構造の作製
路床の上に、厚さ10cmのクラッシャラン(C−40)を敷き詰め、路盤を形成した後、路盤の上に、粒径2.5mm未満の砕砂を用いて、厚さ30mmの砂層を形成した。この砂層の上に、3mmの空隙(目地部)が生じるように舗装用ブロック本体をストレッチャーボンドパターンの形態で5個×10個(合計50個)、敷設した。次いで、舗装用ブロック本体の連続空隙、及び、舗装用ブロック本体の相互間の空隙(目地部)に、前記の保水性セメント組成物を充填し、3時間放置して硬化させ、試験用舗装構造(100cm×100cm)を完成した。なお、この試験用舗装構造の周縁の舗装用ブロックの外方には、断熱材(発泡スチロール製、幅10cm、厚さ10cm)を配設した。
試験用舗装構造に散水した後、24時間後の時点(正午)及び97時間後の時点(午後1時)における水分蒸発量及び路面の温度を、次のように測定した。なお、24時間後の気温は30℃であった。97時間後の気温は33℃であった。また、試験期間中、天気は晴れであった。
(b)水分蒸発量の測定
密閉式水分蒸発量測定器(日機装ワイエスアイ社製;品番:H4300)を用いて、路面からの単位時間・単位面積当たりの水分蒸発量(g/m2・h)を測定した。結果を表4に示す。
(c)路面の温度の測定
舗装用ブロックの上面の近傍の温度を温度計で測定した。結果を表4に示す。
[実施例2]
保水性セメント組成物の材料として表2に示すものを用いた以外は、実施例1と同様にして実験した。
Figure 2007332684
[実施例3]
保水性セメント組成物の材料として表3に示すものを用いた以外は、実施例1と同様にして実験した。
Figure 2007332684
[比較例1]
保水性セメント組成物の材料として表4に示すものを用いた以外は、実施例1と同様にして実験した。
Figure 2007332684
[比較例2]
舗装用ブロックとして普通インターロッキングブロックを用い、かつ目地部の材料として砂を用いた以外は、実施例1と同様にして実験した。
[比較例3]
舗装用ブロックとして透水性インターロッキングブロックを用い、かつ目地部の材料として砂を用いた以外は、実施例1と同様にして実験した。
[比較例4]
舗装用ブロックとして保水性ブロック(市販品その1)を用い、かつ目地部の材料として砂を用いた以外は、実施例1と同様にして実験した。
[比較例5]
舗装用ブロックとして保水性ブロック(市販品その2)を用い、かつ目地部の材料として砂を用いた以外は、実施例1と同様にして実験した。
[比較例6]
舗装用ブロックとして保水性ブロック(市販品その3)を用い、かつ目地部の材料として砂を用いた以外は、実施例1と同様にして実験した。
以上の結果を表5に示す。
Figure 2007332684
表5から、本発明の保水性セメント組成物を用いて作製した舗装構造(実施例1〜3)は、他の舗装構造(比較例1〜6)と比べて、24時間後及び97時間後の路面温度の上昇抑制効果が大きく、しかも、24時間後の温度と97時間後の温度の差が小さいことから前記効果の持続性に優れることがわかる。
また、実施例1〜3では、多孔質硬化体の連続空隙内への保水性セメント組成物の充填率が100%であったのに対し、比較例1では、該充填率が70%であった。
本発明の保水性セメント組成物を用いて作製した舗装構造を示す断面図である。
符号の説明
1 舗装構造
2 表層
3 舗装用ブロック
4 目地部
5 砂層
6 路盤
7 路床

Claims (9)

  1. セメント、セピオライト及び水を含む保水性セメント組成物であって、上記水の配合量が、上記セメントと上記セピオライトの合計量100質量部に対して180質量部以上であることを特徴とする保水性セメント組成物。
  2. 上記保水性セメント組成物中の上記水の割合が55質量%以上である請求項1に記載の保水性セメント組成物。
  3. 上記水の配合量が、上記セメントと上記セピオライトの合計量100質量部に対して500質量部以下であり、かつ、上記保水性セメント組成物中の上記水の割合が85質量%以下である請求項1又は2に記載の保水性セメント組成物。
  4. 上記保水性セメント組成物中、上記セメントの割合が5〜20質量%であり、かつ、上記セピオライトの割合が5〜15質量%である請求項1〜3のいずれか1項に記載の保水性セメント組成物。
  5. 上記セピオライトは、保水率が200質量%以上のセピオライトである請求項1〜4のいずれか1項に記載の保水性セメント組成物。
  6. 多数の連続空隙を有する多孔質硬化体と、該多孔質硬化体の連続空隙の中に充填された、請求項1〜5のいずれか1項に記載の保水性セメント組成物とからなることを特徴とする舗装体。
  7. 多数の連続空隙を有する舗装用ブロック本体と、該舗装用ブロック本体の連続空隙の中に充填された、請求項1〜5のいずれか1項に記載の保水性セメント組成物とからなることを特徴とする舗装用ブロック。
  8. 水平方向に複数敷設された請求項7に記載の舗装用ブロックと、該舗装用ブロックの相互間の空隙に目地材を充填してなる目地部と、上記舗装用ブロック及び上記目地部の下方に位置する砂層とを含むことを特徴とする舗装構造。
  9. 上記目地材が、上記舗装用ブロックの構成材料である上記保水性セメント組成物と同様の保水性セメント組成物を含む請求項8に記載の舗装構造。
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