JP4217133B2 - 保水性舗装構造 - Google Patents

保水性舗装構造 Download PDF

Info

Publication number
JP4217133B2
JP4217133B2 JP2003302548A JP2003302548A JP4217133B2 JP 4217133 B2 JP4217133 B2 JP 4217133B2 JP 2003302548 A JP2003302548 A JP 2003302548A JP 2003302548 A JP2003302548 A JP 2003302548A JP 4217133 B2 JP4217133 B2 JP 4217133B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
retaining
pavement structure
hygroscopic
grout
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2003302548A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005068900A (ja
Inventor
豪 辻井
広志 藤田
直幸 小栗
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Taisei Rotec Corp
Original Assignee
Taisei Rotec Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Taisei Rotec Corp filed Critical Taisei Rotec Corp
Priority to JP2003302548A priority Critical patent/JP4217133B2/ja
Publication of JP2005068900A publication Critical patent/JP2005068900A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4217133B2 publication Critical patent/JP4217133B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Road Paving Structures (AREA)

Description

本発明は、保水性舗装構造に関するものである。
真夏の炎天下におけるアスファルト舗装の表面温度は、アスファルトの色調が黒であるため太陽光を吸収しやすく、60℃以上に達することがある。特に、道路舗装比率の高い都市部では、ヒートアイランド現象の発生要因の一つとなっている。したがって、アスファルト舗装の表面温度を如何にして下げるかは、ヒートアイランド現象を緩和する上で重要な課題とされている。
従来、このような課題を解決するために、保水機能を有する保水性舗装構造が提案されている。このような保水性舗装構造によれば、外気の温度上昇または直射日光等により、表面温度が上昇すると、保水された水分が気化する。この水分の気化にともなって、保水性舗装構造の表面近傍における外気の熱または保水性舗装構造自体の熱が奪われることにより、保水性舗装構造の表面の上昇は抑制される。
このような技術に関連して、本出願人により、内部の空隙に保水性及び透水性を有するシルト系充填材(保水性グラウト)が充填された有孔表層(保水性舗装構造)が提案されている(特許文献1参照)。
特許第3156151号公報(第3−14頁、第1−3図)
しかしながら、従来の保水性舗装構造では、人為的な散水、降雨等によらねば保水できないという問題があった。
そこで、本発明は、外気中の水分を吸収して保水可能な保水性舗装構造を提供することを課題とする。
前記課題を解決するための手段として、発明は、内部に連続空隙を有する開粒度混合物層と、前記連続空隙に充填された、保水性グラウト及び吸湿材を混合してなる保水性・吸湿性充填材と、を有し、前記吸湿材により外気中の水分を吸湿させるとともに、その水分を前記保水性グラウトで保水可能としたことを特徴とする保水性舗装構造である。
ここで、開粒度混合物層は、内部に連続空隙を有すれば、混合物の種類、態様は特に限定されず、例えば、開粒度アスファルト混合物層、開粒度セメント混合物層、開粒度樹脂混合物層等が挙げられる。
また、開粒度混合物層が、開粒度アスファルト混合物層である場合、骨材、アスファルトバインダ量等の配合比、空隙率、密度等はどのようであってもよい。また、開粒度アスファルト混合物層は、一回で施工されたものであってよいし、複数回で施工されたものであってもよい。さらに、複数回で施工された開粒度アスファルト混合物層の場合、この開粒度アスファルト混合物層を形成する各開粒度アスファルト混合物の種類は異なってもよい。
このような保水性舗装構造によれば、吸湿材は外気中の水分を吸収し、この吸収した水分は保水性グラウトで保水される。したがって、降雨等の散水によらなくても、保水性グラウトで保水可能となる。
また、吸湿材は、保水性グラウトと混合された保水性且つ吸湿性を有する保水性・吸湿性充填材として、開粒度混合物の連続空隙に充填されている。したがって、吸湿材は、保水性グラウトに固着すると共に、開粒度混合物にも固着しており、吸湿材が溶出することを、好適に防止可能である。
また、内部に連続空隙を有する開粒度混合物層の表面から、保水性グラウト及び吸湿材を混合してなる保水性・吸湿性充填材を充填する保水性・吸湿性充填材充填工程を含むことを特徴とする保水性舗装構造の施工方法である。
このような保水性舗装構造の施工方法によれば、保水性グラウト及び吸湿材を混合してなる保水性・吸湿性充填材を、開粒度混合物層の連続空隙に充填することにより(保水性・吸湿性充填材充填工程)、保水性グラウト及び吸湿材を開粒度混合物に固着することができる。したがって、吸湿材の溶出を防止可能な保水性舗装構造を施工することが可能となる。
また、内部に連続空隙を有する開粒度混合物層の表面から、(a)吸湿材及び吸湿材が溶解した吸湿材溶液の少なくとも一方を散布する吸湿材散布工程と、(b)前記連続空隙に保水性グラウトを充填する保水性グラウト充填工程と、を含むことを特徴とする保水性舗装構造の施工方法である。
このような保水性舗装構造の施工方法によれば、開粒度混合物の表面から吸湿材及び吸湿材が溶解した吸湿材溶液の少なくとも一方を散布した後に(吸湿材散布工程)、保水性グラウトを充填することにより(保水性グラウト充填工程)、吸湿材及び吸湿材溶液の少なくとも一方と、保水性グラウトが混合されて保水性・吸湿性充填材が生成すると共に、この保水性・吸湿性充填材が開粒度混合物の連続空隙に充填される。したがって、吸湿材の溶出を防止可能な保水性舗装構造を施工することが可能となる。
また、内部の連続空隙に保水性グラウトが充填された保水性舗装構造に、吸湿材及び吸湿材が溶解した吸湿材溶液の少なくとも一方を散布し、吸湿材を前記保水性グラウトに固着させる吸湿材固着工程を含み、吸湿性を回復させて、前記保水性グラウトの保水機能を維持することを特徴とする保水性舗装構造の保水機能維持方法である。
このような保水性舗装構造の保水機能維持方法によれば、保水性グラウトが充填された保水性舗装構造に、吸湿材及び吸湿材溶液の少なくとも一方を散布することにより、吸湿材が保水性グラウトに固着する。したがって、吸湿性が回復する共に、保水性グラウトの保水機能を維持することが可能となる。
本発明によれば、外気中の水分を吸収して保水可能な保水性舗装構造を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について、図面を適宜参照して、詳細に説明する。
なお、各実施形態の説明において、同一の構成要素に関しては同一の符号を付し、重複した説明は省略するものとする。
[第1実施形態]
まず、第1実施形態に係る保水性舗装構造について、図1及び図2を参照して説明する。参照する図面において、図1は、第1実施形態に係る保水性舗装構造を模式的に示す側断面図である。図2は、第1実施形態に係る保水性舗装構造の施工方法を模式的に示す側断面図である。
(保水性舗装構造の構成)
図1に示すように、保水性舗装構造1は、クラッシャラン、鉄鋼スラグ、砂利あるいは砂等を含む粒状系路盤、ストレートアスファルト等で処理された瀝青安定処理路盤、セメント・石灰安定処理路盤等の路盤51の上に積層した密粒度アスファルト混合物からなる遮水層52の上に構築されており、母体となる開粒度アスファルト混合物層5(開粒度混合物層)と、開粒度アスファルト混合物層5の連続空隙6(図2参照)に充填された固化状態の保水性・吸湿性充填材10とを備えて構成されている。なお、本実施形態における保水性舗装構造1全体の空隙率は、水分の保水性及び透過性を考慮し、5%〜14%に設定している。
開粒度アスファルト混合物層5は、骨格となる粗骨材、細骨材及びフィラー(以下、「骨材」と総称し、符号5aで示す)と、これらを結合するアスファルトバインダ5bを含んで形成されている。骨材5aの配合及び合成粒度、アスファルトバインダ5bの添加量は、締め固め後の開粒度アスファルト混合物層5が、内部に連続する連続空隙6及び施工箇所に応じた耐流動性等を有すれば、どのような配合であってもよい。
粗骨材および細骨材としては、例えば、砕石、砂利、鉄鋼スラグ、砂および再生骨材等が適宜使用可能であり、また、フィラーとしては、石灰岩やその他の岩石を粉砕した石粉、消石灰、セメント、回収ダスト、フライアッシュ等が使用可能である。
骨材5aの合成粒度は、例えば、使用する骨材5aの最大粒径が13mm(つまり、使用する最大粒径の粗骨材が6号砕石)の場合、次の表1に示す粒度範囲であると設定空隙率が15〜35%となり、保水性・吸湿性充填材10を十分に充填可能となるので好ましい。
Figure 0004217133
アスファルトバインダ5bは、水に対する剥離抵抗性、骨材5aの飛散抵抗性等を考慮し、アミン等の剥離防止剤が添加された高粘度改質アスファルトバインダであることが好ましい。
固化状態の保水性・吸湿性充填材10は、吸湿性及び保水性を有しており、保水性グラウト11と吸湿材12が、所定配合で混合され、連続空隙6に充填後、硬化・乾燥されたものであり、多数の保水可能な微細空隙(図示しない)を有している。
また、第1実施形態では、保水性・吸湿性充填材10が、開粒度アスファルト混合物層5の表面付近の高さ位置まで充填されたとしたが、これに限定されず適宜変更してもよい。
保水性グラウト11は、透水性及び保水性を有し、例えば、本願出願人による特許第3156151号公報(特許文献1)に記載された「シルト系充填材」を使用可能である。さらに説明すると、保水性グラウト11は、水、セメント系固化材、シルト系粉末、添加剤として減水剤、凝結遅延剤を所定配合で混合し、硬化・乾燥させたものである。
ここで、シルト系粉末とは、岩石をクラッキングし、集塵したものである。
また、セメント系固化材としては、超速硬性セメント、普通ポルトランドセメント、超早強セメント、早強セメント、高炉セメント等から、施工条件等を考慮し適宜選択して使用してよい。
さらに、添加剤について、減水剤としては、カルボン酸系またはメラニン系等の減水剤が適しており、凝結遅延剤としては、SBR系、アクリル系、酢酸ビニル系のポリマーエマルジョンが好適に使用可能である。
また、保水性グラウト11の配合は、粒径5μm〜75μmのシルト分の含有量が質量百分率で50%以上のシルト系粉末を質量百分率で20%〜60%、セメント系固化材を質量百分率で5%〜50%、水を質量百分率で25%〜50%、さらに減水剤または凝結遅延剤を質量百分率で0.1%〜5%、で混合されたものであることが好ましく、このような配合であると固化後の保水性グラウト11には、前記した微細空隙(図示しない)が好適に形成され、良好な保水性を奏することができる。
吸湿材12は、水分を吸収する吸湿性を有しており、例えば、吸湿性を有する塩化カルシウム、シリカゲル、活性アルミナ、ゼオライト等の吸湿性材料から形成されている。
また、吸湿材12は、保水性グラウト11に添着・結合すると共に、保水性グラウト11を介して開粒度アスファルト混合物層5に固着している。したがって、吸湿材12は、降雨等の散水により溶出しにくくなっている。
吸湿材12の添加量(吸湿材添加率)は、前記した保水性グラウト11を構成する水の質量と減水剤の質量の和に対し、5〜40質量%の範囲内であることが好ましい。吸湿材12の添加量が5質量%未満であると、十分な吸湿量が得られにくく、一方40質量%より高くなると、コストが高くなるにも関わらす効果的に吸湿量が増加しない傾向だからである。
また、吸湿材12は、その密度が保水性舗装構造1の表面側で高くなるように分布していることが好ましい。このように吸湿材12が分布していると、表面側の吸湿材12により、外気中の水分を、より効率的に吸湿可能となる。このような吸湿材12の分布は、例えば、吸湿材12の添加量を変化させた数種類の保水性・吸湿性充填材10を調製し、添加量の少ない保水性・吸湿性充填材10から順番に充填させることで実施可能である。
また、吸湿材12は、その半分が保水性グラウト11に固着されると共に、残り半分が露出した状態であることが好ましい。このような状態であると、外気中の水分は、吸湿材12の露出した部分から吸湿され、吸湿された水分は、逐次保水性グラウト11で保水され易くなる。
次に、保水性舗装構造1における水の移動状況について説明する。
保水性グラウト11に水が保水されている場合、晴天等により外気温が上昇し、保水性舗装構造1の温度が上昇すると、保水性舗装構造1の表面から、保水性グラウト11に保水された水が気化する。この気化にともなう水の気化潜熱が、保水性舗装構造1及び外気中から奪われるため、保水性舗装構造1の路面温度の上昇は抑制される。
一方、保水性グラウト11に水が保水されておらず、且つ、外気の湿度が高い場合、吸湿材12が、外気中の水分を吸収する。そして、吸湿材12に吸収された水分は、保水性グラウト11に保水される。よって、保水性舗装構造1は、散水等によらず、自発的に保水機能を維持することができる。
(保水性舗装構造の施工方法)
続いて、第1実施形態に係る保水性舗装構造の施工方法について、図2を参照して説明する。
保水性舗装構造1の施工方法は、母体となる開粒度アスファルト混合物層5を構築する開粒度アスファルト混合物層構築工程と、開粒度アスファルト混合物層5の連続空隙6に保水性・吸湿性充填材10を充填する保水性・吸湿性充填材充填工程を含んで構成されている。
(開粒度アスファルト混合物層構築工程)
図2(a)に示すように、遮水層52の上に、アスファルトフィニッシャ等を使用して、所定配合の開粒度アスファルト混合物を敷き均した後、ロードローラ、振動ローラ、タンパ等(以下「締め固め機械」と総称する)で締め固め、所定密度、所定厚さ、所定空隙率の開粒度アスファルト混合物層5を構築する。
遮水層52及び路肩等の周辺部が、十分な遮水性を有さない場合には、開粒度アスファルト混合物を敷き均す前に、高濃度のゴム入りアスファルト乳剤を散布する等の止水処理を施すことが好ましい。
(保水性・吸湿性充填材充填工程)
グラウトミキサ等(図示しない)の適宜な混合手段で、保水性グラウト11と吸湿材12を注入前に撹拌、混合して、流動性を有する液状の保水性・吸湿性充填材10を製造する。保水性・吸湿性充填材10の粘度は、Pロート試験で9〜15秒の流下時間であると好ましく、このような粘度であると開粒度アスファルト混合物層5の連続空隙6に好適に充填可能である。
その後、保水性・吸湿性充填材10を、例えば、ロート状のホッパ部を有する注入ホッパ(図示しない)を使用して、図2(b)に示すように、開粒度アスファルト混合物層5の連続空隙6に注入する。そうすると、流動性を有する保水性・吸湿性充填材10は、連続空隙6の下部から徐々に充填される。
また、保水性・吸湿性充填材10を注入しながら、振動ローラ等を使用して、振動を開粒度アスファルト混合物層5に付与すると、連続空隙6に隙間を形成せずに充填可能となるので好ましい。
このように保水性グラウト11と吸湿材12を混合した保水性・吸湿性充填材10を注入することにより、吸湿材12を連続空隙6の全体に分散した状態で充填しやすくなる。
保水性・吸湿性充填材10を注入後、所定時間養生した後、保水性グラウト11は、乾燥して固化状態となり、保水性舗装構造1が構築される(図2(c)参照)。
[第2実施形態]
続いて、本発明の第2実施形態に係る保水性舗装構造の施工方法について、図3を参照して説明する。図3は、第2実施形態に係る保水性舗装構造の施工方法を示す側断面図である。
ここで、第2実施形態に係る保水性舗装構造の施工方法により構築される保水性舗装構造1は、第1実施形態に係る保水性舗装構造1と同様であるため、その説明は省略する。
第2実施形態に係る保水性舗装構造の施工方法は、図3に示すように、開粒度アスファルト混合物層構築工程(図3(a)参照)と、吸湿材散布工程と、保水性グラウト充填工程を含んで構成されている。
(吸湿材散布工程)
第1実施形態と同様、開粒度アスファルト混合物層5を構築した後、図3(b)に示すように、開粒度アスファルト混合物層5の表面に適宜な手段(例えば、スコップ、竹ほうき等)を使用して、分散性を考慮し粉末状の吸湿材12を所定量散布する。散布された吸湿材12は、連続空隙6に侵入すると共に分散する。
(保水性グラウト充填工程)
その後、図3(c)に示すように、開粒度アスファルト混合物層5の表面から、所定量の保水性グラウト11を注入する。注入された保水性グラウト11は、連続空隙6内を流動すると共に吸湿材12と混合されて、保水性・吸湿性充填材10が生成する。そして、保水性・吸湿性充填材10は、さらに連続空隙6の下方へと流動し充填される。
このように、第2実施形態では、第1実施形態と異なり、吸湿材12を別途に散布可能であるので、施工箇所に応じて、吸湿材12の量を容易に変更可能である。すなわち、例えば、施工箇所、日照条件、湿度条件(例えば、周囲に噴水がある)等に応じて、吸湿材12の散布量を変更し、吸湿性を自由に設定可能である。
その後、所定時間養生した後、保水性・吸湿性充填材10は、乾燥して固化状態となり、保水性舗装構造1が構築される。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態に係る保水性舗装構造の施工方法について、図4を参照して説明する。
第3実施形態に係る保水性舗装構造の施工方法は、第2実施形態における粉末状の吸湿材12を散布する吸湿材散布工程を、図4に示すように、予め吸湿材12を水に溶解した所定濃度の吸湿材溶液13を散布する吸湿材溶液散布工程に置き換えた施工方法である。
このように吸湿材溶液13を使用することにより、希薄な濃度の吸湿材溶液13であっても、広範囲で散布することができる。また、吸湿材溶液13を散布する際には、噴霧器20のノズル21等を使用することにより、さらに広範囲で散布可能となる。
[第4実施形態]
(保水性舗装構造の保水機能維持方法)
次に、第4実施形態に係る保水性舗装構造の保水機能維持方法(以下、「保水機能維持方法」と略称する)について説明する。
保水機能維持方法は、連続空隙6に保水性グラウト11または保水性・吸湿性充填材10が充填された保水性舗装構造1に、吸湿材12及び吸湿材12が水に溶解した吸湿材溶液13(図4参照)の少なくとも一方を散布し、吸湿材12を保水性グラウト11に固着させる吸湿材固着工程を含んで構成されている。
このように吸湿材12を保水性グラウト11に固着することにより、吸湿性が回復し、保水性グラウト11の保水機能を維持することが可能となる。
また、吸湿材12及び吸湿材溶液13を散布する前に、透水性を有する液状のバインダ等を散布して、吸湿材12の保水性グラウト11への固着力を高めてもよい。
以下、実施例に基づいて、本発明をさらに具体的に説明する。
(実施例1)
母体開粒度アスファルト混合物層として、室内的に混合した開粒度アスファルト混合物で作製した空隙率25%の直径10cm×高さ20cmの円柱状の供試体を使用した。
また、後記する表1に示す配合比で、水、セメント系固化材、シルト系充填材を混合し、さらに減水剤、凝結遅延剤を添加して混合し、保水性グラウトを調製した。
そして、この保水性グラウトに、水の質量と減水剤の質量の和に対して、吸湿材添加率が5質量%となる吸湿材((645kg+18.8kg)×0.05=33kg)を添加後、混合して、保水性・吸湿性充填材を調製した。
ここで、セメント系固化材としてはコスミックRD(R)(電気化学工業社製)、シルト系粉末としては土屋カオリン工業社製の鉱物質微粉末、減水剤としてはデンカFT−80(R)(電気化学工業社製)、凝結遅延剤としてはデンカセッターD−200(R)(電気化学工業社製)、吸湿材としては市販されている粒状の塩化カルシウムを使用した。
そして、供試体の空隙に、保水性・吸湿性充填材を充填し、乾燥させた後、実施例1とした。すなわち、この工程は第1実施形態における保水性・吸湿性充填材充填工程に相当するとした。
(評価方法)
実施例1を、60℃の乾燥機で2日間乾燥した後、室温20℃、湿度95%の室内に静置して吸湿量の変化を測定した。吸湿量は、次の式(1)により算出した。そして、図5に吸湿量の経時変化を示す。
Figure 0004217133
(実施例2〜実施例4、比較例1)
前記した吸湿材添加率が10質量%、20質量%、40質量%となるように、吸湿材を保水性グラウトに添加したものを、それぞれ、実施例2、実施例3、実施例4とした。吸湿材添加率が0質量%(吸湿材を添加しない)ものを比較例1とした。そして、実施例1と同様の評価試験を行い、図5に吸湿量の経時変化を示す。
ここで、実施例1〜4及び比較例1の配合比を、表2にまとめて示す。
Figure 0004217133
(比較例2、比較例3)
実施例1で使用した直径10cm×高さ20cmの供試体を、2日間、60℃の乾燥機で乾燥した後、吸湿材(塩化カルシウム)を水に溶解して調製した20質量%の塩化カルシウム水溶液(吸湿材溶液)に24時間含浸した後、保水性グラウトを充填せず、そのまま乾燥したものを比較例2とした。なお、供試体を塩化カルシウム水溶液に含浸させる工程が、第3実施形態における吸湿材溶液散布工程に相当するとした。また、比較例2の作製時において、比較例2は、実施例4相当の吸湿材添加率(40質量%)を有すると仮定した。
また、塩化カルシウム水溶液(吸湿材溶液)に含浸せず、水に含浸したものを比較例3とした。
そして、比較例2及び比較例3についても、実施例1と同様の評価試験を行った。その結果を図5に示す。
(評価結果)
図5より明らかなように、吸湿材を添加していない比較例1に比して、吸湿材を添加した実施例1〜実施例4は、吸湿量が大きくなることがわかった。また、吸湿材添加量が高くなるにともない、吸湿量が大きくなることがわかった。さらに、吸湿材添加率が5〜40質量%の範囲(実施例1〜実施例4)では、例えば1400分経過後に、吸湿量が3〜5.5%の範囲内となり良好であることがわかった。
吸湿材溶液に含浸した比較例2は、水に含浸した比較例3に比して、吸湿量は高くなったが、実施例1〜4の吸湿量より低い結果となった。これは、比較例2が保水性グラウトを有しないため吸湿材が供試体に固着されず、時間の経過と共に吸湿材自体が溶出したためと思われる。
したがって、保水性グラウトに吸湿材を添加して混合し、一旦、保水性・吸湿性充填材を調製した後、これを供試体(開粒度アスファルト混合物層)に充填して、保水性舗装構造を作製(構築)することにより、より高い吸湿性を奏すことが明らかとなった。これは、吸湿材が供試体の連続空隙の全体に亘って充填される共に保水性グラウトを介して供試体に固着したため、吸湿材が溶出にしくく、吸湿した水分が逐次保水性グラウトで保水されるためと考えられる。
以上、本発明の好適な実施形態について一例を説明したが、本発明は前記実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変更が可能である。
前記した第1実施形態では、保水性舗装構造1は、図1に示すように、保水性・吸湿性充填材10が、開粒度アスファルト混合物層5の略表面付近の高さ位置まで充填されたとしたが、その他に例えば、図6に示すように、保水性・吸湿性充填材10は、開粒度アスファルト混合物層5の略中間高さ位置まで充填されると共に、その中間高さより上方では、開粒度アスファルト混合物の表面に保水性・吸湿性充填材10の被膜が形成された保水性舗装構造2であってもよい。
すなわち、このような保水性・吸湿性充填材10が略中間高さ位置まで充填された保水性舗装構造2は、見かけ上、空隙率の大きい上層2aと空隙率の小さい下層2bを有している。このような保水性舗装構造2によれば、上層2aにおける連続空隙6aの空隙率が大きいため、車両の走行時における騒音低下機能や、降雨時における路面排水機能を有する。
また、このような保水性舗装構造2の場合、骨材5aの合成粒度及び保水性・吸湿性充填材10の充填量は、適宜変更し、例えば、上層2aの空隙率が15%〜35%の範囲内であると、好適に騒音低下機能及び路面排水機能を発揮することができる。また、下層2bの空隙率が5%〜14%の範囲内であると、さらに好適な剛性を有することとなり、保水性舗装構造2全体としての耐流動性が向上するので好ましい。
前記した実施形態では、開粒度混合物層は、開粒度アスファルト混合物が締め固められた開粒度アスファルト混合物層5としたが、その他に例えば、開粒度セメント混合物が硬化してなる開粒度セメント混合物層(ポーラスコンクリート)や、エポキシ樹脂、アクリル樹脂等をバインダとして形成された開粒度樹脂混合物層であってもよい。
前記した実施形態では、新規に開粒度アスファルト混合物層5を構築した後、保水性・吸湿性充填材10を充填するとしたが、既存の開粒度アスファルト混合物層について、連続空隙に堆積した埃・塵などを水、空気で清掃する空隙清掃処理等を適宜行った後に、保水性・吸湿性充填材10を充填して、保水性舗装構造を構築してもよい。
第1実施形態に係る保水性舗装構造を示す側断面図である。 (a)〜(c)ともに、第1実施形態に係る保水性舗装構造の施工方法を示す側断面図である。 (a)〜(c)ともに、第2実施形態に係る保水性舗装構造の施工方法を示す側断面図である。 第3実施形態に係る吸湿材溶液散布工程を示す側断面図である。 吸湿量の経時変化を示すグラフである。 第1実施形態に係る保水性舗装構造の変形例を示す側断面図である。
符号の説明
1、2 保水性舗装構造
5 開粒度アスファルト混合物層(開粒度混合物層)
5a 骨材
5b アスファルトバインダ
6、6a 連続空隙
10 保水性・吸湿性充填材
11 保水性グラウト
12 吸湿材
13 吸湿材溶液
20 噴霧器
21 ノズル

Claims (1)

  1. 内部に連続空隙を有する開粒度混合物層と、
    前記連続空隙に充填された、保水性グラウト及び吸湿材を混合してなる保水性・吸湿性充填材と、を有し、
    前記吸湿材により外気中の水分を吸湿させるとともに、その水分を前記保水性グラウトで保水可能とし、
    前記吸湿材の密度は表面側で高いことを特徴とする保水性舗装構造。
JP2003302548A 2003-08-27 2003-08-27 保水性舗装構造 Expired - Lifetime JP4217133B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003302548A JP4217133B2 (ja) 2003-08-27 2003-08-27 保水性舗装構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003302548A JP4217133B2 (ja) 2003-08-27 2003-08-27 保水性舗装構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005068900A JP2005068900A (ja) 2005-03-17
JP4217133B2 true JP4217133B2 (ja) 2009-01-28

Family

ID=34406791

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003302548A Expired - Lifetime JP4217133B2 (ja) 2003-08-27 2003-08-27 保水性舗装構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4217133B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4599233B2 (ja) * 2005-06-09 2010-12-15 国立大学法人埼玉大学 保水性舗装の下部構造
JP4692830B2 (ja) * 2006-03-24 2011-06-01 東京電力株式会社 保水性舗装のための充填保水材
JP4769139B2 (ja) * 2006-07-27 2011-09-07 ヤハギ道路株式会社 路面温度の上昇抑制機能を備えたアスファルト舗装体およびアスファルト舗装路面構造
JP2008121223A (ja) * 2006-11-09 2008-05-29 Sumitomo Osaka Cement Co Ltd 保水性硬化体用セメント組成物、セメントミルク、保水性硬化体及び保水性硬化体の製造方法
JP4999205B2 (ja) * 2008-12-12 2012-08-15 環境資材株式会社 コンクリート又はモルタル
JP6902820B2 (ja) * 2019-12-12 2021-07-14 大林道路株式会社 保水性舗装の強化方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005068900A (ja) 2005-03-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR19980027663A (ko) 배수성 콘크리트 포장공법
JP4217133B2 (ja) 保水性舗装構造
JP2009155939A (ja) 透水型保水性舗装およびその施工方法
DE19522091C2 (de) Wasser- und gasdurchlässige Wege- und Flächenbefestigung hergestellt aus einer Mischung aus körnigen Zuschlagstoffen, Bindemitteln und faserförmigen Materialien bestehenden Mischung und Verfahren zur Herstellung dieser Flächenbefestigung
JP4133594B2 (ja) 保水性舗装構造及びその施工方法
JP4255802B2 (ja) 舗装体
JP5308967B2 (ja) 舗装構造物および舗装施工方法
JP4246940B2 (ja) 舗装方法
JP2006214147A (ja) 給水型保水性舗装構造及びその施工方法
JP4130596B2 (ja) 路面温度上昇抑制舗装体
JP4005759B2 (ja) 保水性舗装体の形成方法及び保水性舗装体
JP2007277990A (ja) 舗装材、およびそれを用いた舗装体
JP4572079B2 (ja) 舗装用保水材組成物及び保水性舗装の施工方法
JP6950991B1 (ja) 充填材および舗装体
JP4572437B2 (ja) 遮水性舗装材料及び舗装方法
JP4867501B2 (ja) 保水性ブロック及びその製造方法
EP2657302B1 (de) Schaumglasprodukt für Baukonstruktionen und Herstellungsverfahren
WO2007023570A1 (ja) 舗装用保水材組成物及び保水性舗装の施工方法
JP2657972B2 (ja) セメント系透水性舗装材
JPH0830321B2 (ja) 舗装材
JP2008008041A (ja) 建築又は土木施工物
JP3065294B2 (ja) 排水性コンクリートの道路舗装工法
JP4931487B2 (ja) 舗装体、舗装用ブロック及び舗装構造
JP2005194117A (ja) 凍結防止硬化材およびそれを含む凍結防止硬化体
JP2006104012A (ja) グラウト系保水材及び当該保水材を用いた保水舗装の施工方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060404

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080214

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080219

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080417

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080617

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080627

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20081028

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20081107

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4217133

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111114

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121114

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131114

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term