JP2006104012A - グラウト系保水材及び当該保水材を用いた保水舗装の施工方法 - Google Patents
グラウト系保水材及び当該保水材を用いた保水舗装の施工方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】 舗装面の温度低減化を大幅に改良できるとともに、優れた保水機能を有し、また透水性能にも優れたグラウト系保水材料及び当該グラウト系保水材を用いた保水性舗装の簡便な施工方法を提供する。
【課題を解決するための手段】 グラウト系保水材は、セメント、粘土系材料、吸水性樹脂を含有すし、好適にはセメントを20〜40重量%、粘土系材料を乾燥状態で5〜30重量%、吸水性樹脂を0.01〜0.5重量%含有する。更に粘土系材料は、有効成分としての粘土分を50重量%以上含有することが望ましい。保水舗装の施工方法は、当該グラウト系保水材に水を水セメント比が50〜300%となるように添加して混練し、得られたスラリーを、予め施工したコンクリート舗装体またはアスファルト舗装体の舗装面に散布して、舗装体の間隙内で当該スラリーを硬化させる。
【選択図】 なし
【課題を解決するための手段】 グラウト系保水材は、セメント、粘土系材料、吸水性樹脂を含有すし、好適にはセメントを20〜40重量%、粘土系材料を乾燥状態で5〜30重量%、吸水性樹脂を0.01〜0.5重量%含有する。更に粘土系材料は、有効成分としての粘土分を50重量%以上含有することが望ましい。保水舗装の施工方法は、当該グラウト系保水材に水を水セメント比が50〜300%となるように添加して混練し、得られたスラリーを、予め施工したコンクリート舗装体またはアスファルト舗装体の舗装面に散布して、舗装体の間隙内で当該スラリーを硬化させる。
【選択図】 なし
Description
本発明は、グラウト系保水材及び当該保水材を用いた保水性舗装の施工方法に関し、特に、開粒度アスファルトやポーラスコンクリート等のアスファルトやコンクリート等への注入材として用いることができ、舗装体に保水機能を付与して舗装体の温度低減効果を有効に発現することができる、グラウト系保水材及び当該保水材を用いた保水性舗装の施工方法に関する。
近年、アスファルト舗装やコンクリート舗装等の舗装体は蓄熱されやすいため、特に夏場の日中において、それ自体の温度が高温に上昇してしまい、ヒートアイランド現象を呈し、環境の悪化を招いている。
都市部においては、舗装体の占有率が高いため、特に顕著にヒートアイランド現象が発生し、重大な環境問題となっている。
都市部においては、舗装体の占有率が高いため、特に顕著にヒートアイランド現象が発生し、重大な環境問題となっている。
ヒートアイランド現象の発生原因の1つである、舗装体の温度を低減させるため、舗装体を施工するのに用いられる材料に、水の気化熱を利用してその冷却効果を奏するように設計された種々の材料が提案されている。
これらの従来の材料は大別して、吸水性ポリマー等の有機系の材料を含有させて、舗装体の空隙に浸透させ、浸透した吸水性ポリマーに、水を保持させて徐々に気化させることにより、舗装体の温度低減化を図る材料と、無機系材料をもちいて、微細構造を調整することで毛細管力によって水を保水させ、保水された水を徐々に気化させることにより、舗装体の温度低減化を図る材料とがある。
これらの従来提案された材料として、特開平10−46513号公報には、路面温度の上昇抑制機能を備える舗装体に用いる、保水性及び透水性を有するシルト系充填材であって、該充填材は、粒径5乃至75μmのシルト分が50重量%以上で含有されるシルト系粉末を20乃至60重量%、セメント系の固化材を5乃至50重量%、水を25乃至50重量%、セメント添加用混和剤またはポリマーエマルジョンを0.1乃至5重量%混合したシルト系充填材が開示されている。かかるシルト系充填材は、空隙15〜35%の透水性アスファルトもしくはコンクリートの空隙に充填されるものである。
また、特開2000−104214号公報には、セメントと吸水性樹脂とを含む処理剤をスラリー状で、開粒度アスファルト舗装面やポーラスコンクリート舗装面に散布し、その後散水することで水を前記吸水性樹脂に保持し、その水が徐々に気化することにより、舗装面を低温状態に維持する材料が開示されている。また、舗装面の温度低減を図るために水を保持する吸水性樹脂としては、ポリN−ビニルカルボン酸アミド系、ポリアクリルアミド系、ポリビニルアルコール系及びポリエチレンオキサイド系のポリマーが、例示されている。
更に、特開2003−165760号公報には、高炉スラグ微粉末とアルカリ刺激剤、あるいは高炉スラグ微粉末と非晶質SiO2を50質量%以上含有する100μm以下の無機粉末及び/又は150μm以下に粉砕した高炉水砕スラグとアルカリ刺激剤を混合した原料に、例えば、ポリN−ビニルカルボン酸アミド系、ポリアクリルアミド系、ポリビニルアルコール系及びポリエチレンオキサイド系の吸水性ポリマーを混合した保水性水硬固化体用材料が開示されている。
しかし、上記したような現在まで提案されている材料は、その保水量、吸い上げ性能、保水保持性能等の保水機能が全般に小さく、舗装表面温度の低下が充分なものではなく、満足できる舗装体の温度低減効果が図られていない。
また、保水材料が舗装体の空隙に充填されることで、その透水性能が失われてしまい、また、保水材料自体の浸透性能(速度)が低いため、排水性能が劣り、大量の降雨時には排水設備の負荷が著しく大きくなって処理できなくなることによる都市型洪水等の問題を発生させる原因となってしまっている。
特開平10−46513号公報
特開2000−104214号公報
特開2003−165760号公報
また、保水材料が舗装体の空隙に充填されることで、その透水性能が失われてしまい、また、保水材料自体の浸透性能(速度)が低いため、排水性能が劣り、大量の降雨時には排水設備の負荷が著しく大きくなって処理できなくなることによる都市型洪水等の問題を発生させる原因となってしまっている。
従って、本発明の目的は、上記課題を解決し、舗装面の温度低減化を大幅に改良できるとともに、優れた保水機能を有し、また透水性能にも優れたグラウト系保水材料を提供することである。
更に本発明の他の目的は、前記本発明のグラウト系保水材を用いて、舗装体の温度低減化を有効に実施できるとともにその効果を持続させることができる、本発明のグラウト系保水材を用いた保水性舗装の簡便な施工方法を提供するものである。
更に本発明の他の目的は、前記本発明のグラウト系保水材を用いて、舗装体の温度低減化を有効に実施できるとともにその効果を持続させることができる、本発明のグラウト系保水材を用いた保水性舗装の簡便な施工方法を提供するものである。
本発明者らは上記課題を解決するために研究した結果、吸水性樹脂と粘土系材料とセメントを含有させることにより、保水性が向上し、舗装体の温度低減効果が改善されることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のグラウト系保水材は、セメント、粘土系材料、吸水性樹脂を含有することを特徴とする。
好適には、本発明のグラウト系保水材は、上記グラウト系保水材において、ポルトランドセメントまたは超速硬セメントを20〜40重量%、粘土系材料を乾燥状態で5〜30重量%、吸水性樹脂を0.01〜0.5重量%含有することを特徴とするものであり、特に好適には、前記粘土系材料は、有効成分としての粘土分を50重量%以上含有することを特徴とする。
更に好適には、上記本発明のグラウト系保水材において、更に高性能減水材を0.1〜10重量%含有することを特徴とする。
すなわち、本発明のグラウト系保水材は、セメント、粘土系材料、吸水性樹脂を含有することを特徴とする。
好適には、本発明のグラウト系保水材は、上記グラウト系保水材において、ポルトランドセメントまたは超速硬セメントを20〜40重量%、粘土系材料を乾燥状態で5〜30重量%、吸水性樹脂を0.01〜0.5重量%含有することを特徴とするものであり、特に好適には、前記粘土系材料は、有効成分としての粘土分を50重量%以上含有することを特徴とする。
更に好適には、上記本発明のグラウト系保水材において、更に高性能減水材を0.1〜10重量%含有することを特徴とする。
本発明の保水舗装の施工方法は、上記本発明のグラウト系保水材に水を添加して混練し、得られたスラリーを、予め施工したコンクリート舗装体またはアスファルト舗装体の舗装面に散布または注入して、舗装体の間隙内で当該スラリーを硬化させることを特徴とするものである。
好適には、前記本発明の施工方法において、グラウト系保水材に添加する水は、グラウト材中に含有されるセメントに対し、水セメント比が50〜300%となるように添加されることを特徴とする。
更に好適には、前記本発明の施工方法において、コンクリート舗装体またはアスファルト舗装体は開粒度アスファルトまたはポーラスコンクリートであることを特徴とする。
好適には、前記本発明の施工方法において、グラウト系保水材に添加する水は、グラウト材中に含有されるセメントに対し、水セメント比が50〜300%となるように添加されることを特徴とする。
更に好適には、前記本発明の施工方法において、コンクリート舗装体またはアスファルト舗装体は開粒度アスファルトまたはポーラスコンクリートであることを特徴とする。
本発明のグラウト系保水材料は、吸水速度を向上させ、保水材料自体の浸透性能を向上させることができ、従って保水材料が舗装体の空隙に充填されても、必要な透水性を確保することができる。
また、更に、本発明のグラウト系保水材料は、優れた保水量及び保水保持能力を有し、数日降雨のない状態がつづいても、路面温度低減効果が保持され、また一方、集中豪雨等による雨水の一時貯水の役割も期待でき、透水性にも優れるものである。
本発明のグラウト系保水材を用いた保水性舗装の施工方法により、保水性能を有効に発現することができ、舗装体の温度低減効果を大幅に改善することができる。
また、更に、本発明のグラウト系保水材料は、優れた保水量及び保水保持能力を有し、数日降雨のない状態がつづいても、路面温度低減効果が保持され、また一方、集中豪雨等による雨水の一時貯水の役割も期待でき、透水性にも優れるものである。
本発明のグラウト系保水材を用いた保水性舗装の施工方法により、保水性能を有効に発現することができ、舗装体の温度低減効果を大幅に改善することができる。
本発明を好適例により説明するがこれらに限定されるものではない。
本発明のグラウト系保水材は、セメント、粘土系材料及び吸水性樹脂を含有するものである。
このように、本発明のグラウト系保水材は吸水性樹脂と粘土系材料とセメント材料とを併用することにより、余剰水分を大量に含んだ状態でグラウト材としての基本性能を満足させることができ、これにより、従来と比較して保水量(最大吸水率)を大幅に向上させることが可能となる。
本発明のグラウト系保水材は、セメント、粘土系材料及び吸水性樹脂を含有するものである。
このように、本発明のグラウト系保水材は吸水性樹脂と粘土系材料とセメント材料とを併用することにより、余剰水分を大量に含んだ状態でグラウト材としての基本性能を満足させることができ、これにより、従来と比較して保水量(最大吸水率)を大幅に向上させることが可能となる。
本発明のグラウト系保水材に用いられるセメントとしては、現場の施工条件等を考慮して選定することができ、特に限定されず、例えばポルトランドセメント、早強セメント、超速硬セメント、高炉セメント等を用いることができる。舗装を早期に使用するためには、超速硬セメントを用いることが好ましい。超速硬セメントを用いることで、余剰水分を大量に含んだ状態でもブリーディングがなく、早期に硬化させることができる。
上記ポルトランドセメントまたは超速硬セメント等のセメントは、グラウト系保水材中、20〜40重量%、好ましくは25〜35重量%の量で含有される。
かかる含有量で用いることにより、適度な硬化性状が得られる。
上記ポルトランドセメントまたは超速硬セメント等のセメントは、グラウト系保水材中、20〜40重量%、好ましくは25〜35重量%の量で含有される。
かかる含有量で用いることにより、適度な硬化性状が得られる。
また、本発明のグラウト系保水材に用いられる粘土系材料とは粒径75μm以下の、有効成分としての粘土分が50重量%以上含まれているものを示す。
好適には、粘土系材料には、粒径5μm以下の粘土分が20重量%以上含有されていることが、良好な保水性を維持する点から望ましく、該粘土系材料の形態は、含水状態であっても粉末乾燥状態であってもかまわない。
上記粘土系材料は、グラウト系保水材中、乾燥状態で5〜30重量%、好ましくは10〜20重量%の量で含有される。
かかる含有量で用いることにより、適度な硬化性状と有効な保水性状が得られる。
粘土系材料は、その連続した微細構造において保水性能を有し、舗装体表面の気化に伴い、毛細管現象を通して舗装体表面へ水を供給することを可能とする。
好適には、粘土系材料には、粒径5μm以下の粘土分が20重量%以上含有されていることが、良好な保水性を維持する点から望ましく、該粘土系材料の形態は、含水状態であっても粉末乾燥状態であってもかまわない。
上記粘土系材料は、グラウト系保水材中、乾燥状態で5〜30重量%、好ましくは10〜20重量%の量で含有される。
かかる含有量で用いることにより、適度な硬化性状と有効な保水性状が得られる。
粘土系材料は、その連続した微細構造において保水性能を有し、舗装体表面の気化に伴い、毛細管現象を通して舗装体表面へ水を供給することを可能とする。
本発明においては、吸水性樹脂は、適度な吸水能力、保水能力があれば樹脂の種類が特に限定されるものではなく、一般に吸水性ポリマーとして使用されているものは利用することができる。例えば、ポリアクリル酸ソーダ系、セルロース系、ポリビニルアルコール系、ポリエチレンオキサイド系、ポリアクリルアミド系、ポリN−ビニルカルボン酸系等の吸水性樹脂を少なくとも1種使用することができる。当該吸水性樹脂の形態は、液体、ゼリー状、粒状、粉末状のいずれの形態のものも使用することができる。吸水性樹脂を用いることで、保水持続能力が大幅に改善される。
かかる吸水性樹脂は、グラウト系保水材料中、0.01〜0.5重量%、好ましくは0.05〜0.2重量%の量で用いる。
吸水性樹脂は使用量が多くなれば保水性性能は向上すると考えられるが、0.01重量%でも充分な保水性能を発現することができる。吸水樹脂は水と混合してスラリーとすると、スラリー中の水を吸引して混合中に材料の粘度が高くなり、流動性が悪くなってしまい、従って0.5重量%以下が好適である。
吸水性樹脂は使用量が多くなれば保水性性能は向上すると考えられるが、0.01重量%でも充分な保水性能を発現することができる。吸水樹脂は水と混合してスラリーとすると、スラリー中の水を吸引して混合中に材料の粘度が高くなり、流動性が悪くなってしまい、従って0.5重量%以下が好適である。
更に本発明のグラウト系保水材には、必要に応じて高性能減水剤を含有させることができる。かかる高性能減水剤はグラウト材としての流動性を向上させるという機能を有するものであり、例えば、オキシカルボン系、ナフタリン系、またはメラミン系等の公知の任意の高性能減水剤を用いることが可能である。
その含有量は、セメント重量に対して、0.1〜10重量%、好ましくは2.0〜6.0重量%であり、かかる含有量で用いることにより、グラウト材として良好なフレッシュ性状が得られる。
更に、必要に応じて、グラウト材の凝結時間を調整するため、公知の凝結遅延剤を添加することも可能である。
その含有量は、セメント重量に対して、0.1〜10重量%、好ましくは2.0〜6.0重量%であり、かかる含有量で用いることにより、グラウト材として良好なフレッシュ性状が得られる。
更に、必要に応じて、グラウト材の凝結時間を調整するため、公知の凝結遅延剤を添加することも可能である。
本発明のグラウト系保水材は、上記材料を混合することにより得られ、当該材料を水と混練することによりスラリー状として使用するものである。
特に、粘土系材料と水、必要に応じて高性能減水剤や凝結遅延剤を予め混合し、これにセメントと吸水性樹脂とを添加して、均一に混練する調製法が好ましい。
添加する水の量は特に限定されないが、現場での簡便な施工性の観点から、流動性が高いほうが好ましく、グラウト系保水材に添加する水は、グラウト材中に含有されるセメントに対し、水セメント比が50〜300%とすることが望ましい。
特に、粘土系材料と水、必要に応じて高性能減水剤や凝結遅延剤を予め混合し、これにセメントと吸水性樹脂とを添加して、均一に混練する調製法が好ましい。
添加する水の量は特に限定されないが、現場での簡便な施工性の観点から、流動性が高いほうが好ましく、グラウト系保水材に添加する水は、グラウト材中に含有されるセメントに対し、水セメント比が50〜300%とすることが望ましい。
本発明の保水舗装の施工方法は、かかるスラリーを、予め施工したコンクリート舗装体またはアスファルト舗装体の舗装面に散布または注入して、舗装体の間隙内で当該スラリーを硬化させるものである。
前記舗装体はアスファルト舗装体でもコンクリート舗装体でもよいが、特に開粒度アスファルトまたはポーラスコンクリートのようなポーラス構造を有する舗装体であると、スラリーがポーラス構造にスムースに浸透し、多量の吸水性樹脂及び粘土系材料が舗装内に有効に浸透することができ、したがって保水量が大きくなり、低温化持続時間も長くすることが可能となる。
前記舗装体はアスファルト舗装体でもコンクリート舗装体でもよいが、特に開粒度アスファルトまたはポーラスコンクリートのようなポーラス構造を有する舗装体であると、スラリーがポーラス構造にスムースに浸透し、多量の吸水性樹脂及び粘土系材料が舗装内に有効に浸透することができ、したがって保水量が大きくなり、低温化持続時間も長くすることが可能となる。
グラウト系保水材に含有される吸水性樹脂は、舗装体の空隙に浸透し、浸透した吸水性樹脂はセメントが固化することにより舗装体内部に分散保持される。その後、散水することにより、保持された吸水性樹脂に多量の水が保持され、これらの水が徐々に気化して、舗装体の温度低減化を長期間保持できる。
また、グラウト系保水材に含有される粘土系材料も吸水性材料を同様に、舗装体の空隙に浸透し、浸透した粘土系材料はセメントが固化することにより舗装体内部に分散保持される。その後、散水することにより、粘土系材料中の多数の連続微細空隙孔構造で水が毛細管現象により保水され、これらの水が徐々に気化して、舗装体の温度低減化を長期間保持することが可能となるとともに透水性にも優れるものとなる。
このように本発明のグラウト系保水材は、舗装体表面での水の気化に伴って、水の毛細管現象による水の舗装体表面への移動が継続的に起こるとともに、また、内部の吸水性樹脂に保持されていた保水が毛細管を通して舗装体表面へ供給され、その結果優れた温度低減効果を長く継続して呈することができるものである。
本発明を次の実施例、比較例及び試験例により説明する。
実施例、比較例において、以下の材料を使用した。
<使用材料>
実施例及び比較例において、以下の材料を使用した。
(1)超速硬セメントまたは普通セメント:(住友大阪セメント株式会社製)
(2)粘土系材料(含水状態):千葉県佐倉市産
(3)石灰石微粉末:商品名 カルファイン(近江鉱業株式会社製)
(4)吸水性樹脂(液体):商品名 エスペックL(東洋紡績株式会社製)
(5)凝結遅延剤:商品名 ジェットセッター(住友大阪セメント株式会社製)
(6)高性能減水剤:商品名 マイティー150(花王株式会社製)
実施例、比較例において、以下の材料を使用した。
<使用材料>
実施例及び比較例において、以下の材料を使用した。
(1)超速硬セメントまたは普通セメント:(住友大阪セメント株式会社製)
(2)粘土系材料(含水状態):千葉県佐倉市産
(3)石灰石微粉末:商品名 カルファイン(近江鉱業株式会社製)
(4)吸水性樹脂(液体):商品名 エスペックL(東洋紡績株式会社製)
(5)凝結遅延剤:商品名 ジェットセッター(住友大阪セメント株式会社製)
(6)高性能減水剤:商品名 マイティー150(花王株式会社製)
<実施例1〜3、比較例1〜3>
上記材料を用いて、下記表2に示す配合割合で、粘土系材料と水、必要に応じて減水剤や遅延剤をあらかじめ混合した後にセメントを混合し、吸水性樹脂を添加混合してグラウト系保水材の水スラリーを調製した。比較例においては、粘土系材料の代わりに、石灰石微粉末を用いた。
上記材料を用いて、下記表2に示す配合割合で、粘土系材料と水、必要に応じて減水剤や遅延剤をあらかじめ混合した後にセメントを混合し、吸水性樹脂を添加混合してグラウト系保水材の水スラリーを調製した。比較例においては、粘土系材料の代わりに、石灰石微粉末を用いた。
<配合>
グラウト材(有効成分表記)
表2中、粘土系材料、吸水性樹脂は有効成分の重量(水分は含まず)を示し、水(W)は、粘土系材料、吸水性樹脂の水分を含む量を表す。水分を含まない状態である乾燥状態とは、105℃±5℃で十分に乾燥させて含水分を蒸発させた状態をいい、乾燥重量とは、乾燥状態の材料の重量をいうものである。
グラウト材(有効成分表記)
表2中、粘土系材料、吸水性樹脂は有効成分の重量(水分は含まず)を示し、水(W)は、粘土系材料、吸水性樹脂の水分を含む量を表す。水分を含まない状態である乾燥状態とは、105℃±5℃で十分に乾燥させて含水分を蒸発させた状態をいい、乾燥重量とは、乾燥状態の材料の重量をいうものである。
<試験例>
得られた各グラウト系保水材スラリーの品質性状試験結果を表3及び表4に示す。
(1)基礎性状
各グラウト材スラリーのPロート試験での流下時間及びブリーディングの有無、及び圧縮強度を測定結果を表3に示す。
但し、圧縮強度は、各グラウト材スラリーを型枠に流し込み、φ50mm×h100mmの強度試験片を作成し、20℃の水中で28日間養生したものを「セメントの物理試験方法」(JIS R 5201)により評価した。
Pロート流下時間は、「プレパックドコンクリートの注入モルタルのコンシステンシー試験方法」(土木学会規準)により測定した。
得られた各グラウト系保水材スラリーの品質性状試験結果を表3及び表4に示す。
(1)基礎性状
各グラウト材スラリーのPロート試験での流下時間及びブリーディングの有無、及び圧縮強度を測定結果を表3に示す。
但し、圧縮強度は、各グラウト材スラリーを型枠に流し込み、φ50mm×h100mmの強度試験片を作成し、20℃の水中で28日間養生したものを「セメントの物理試験方法」(JIS R 5201)により評価した。
Pロート流下時間は、「プレパックドコンクリートの注入モルタルのコンシステンシー試験方法」(土木学会規準)により測定した。
(2)吸水性能試験
得られた各グラウト材スラリーをφ10×20cmの円柱状の供試体(乾燥状態)に作成し、各円柱状の上記供試体の底面のみ水に浸し、かかる浸漬条件で所定の経過長さ(5cm、10cm)まで水を吸い上げる経過時間を測定し、吸い上げ能力とした。
なお、最大吸水率とは、供試体乾燥後の最大吸水重量/供試体乾燥重量(%)の値であり、保水持続能力は、蒸散した水分(%)/最大吸水率(%)で表す。ただし、1日後、5日後とは、最大吸水率となった時点からの経過日数であり、蒸散した水分は、最大吸水率となった時点の供試体を40℃に保持した乾燥器に保持し、1日後及び5日後の重量を測定し、それぞれ蒸散した水分量を求めた。
得られた各グラウト材スラリーをφ10×20cmの円柱状の供試体(乾燥状態)に作成し、各円柱状の上記供試体の底面のみ水に浸し、かかる浸漬条件で所定の経過長さ(5cm、10cm)まで水を吸い上げる経過時間を測定し、吸い上げ能力とした。
なお、最大吸水率とは、供試体乾燥後の最大吸水重量/供試体乾燥重量(%)の値であり、保水持続能力は、蒸散した水分(%)/最大吸水率(%)で表す。ただし、1日後、5日後とは、最大吸水率となった時点からの経過日数であり、蒸散した水分は、最大吸水率となった時点の供試体を40℃に保持した乾燥器に保持し、1日後及び5日後の重量を測定し、それぞれ蒸散した水分量を求めた。
上記表3より、本発明のグラウト系保水材は、水を多量に迅速に保持することができることが明らかである。
本発明のグラウト系保水材は、開粒度アスファルト舗装等のアスファルト舗装体、及びポーラスコンクリート舗装等のコンクリート舗装体のような歩道や車道等の道路舗装体や駐車場や運動場等の低温化に適用することができ、更には住宅用テラスの床材や屋根材として用いて、一般住宅の省エネ対策にも貢献できる。
Claims (7)
- セメント、粘土系材料、吸水性樹脂を含有することを特徴とする、グラウト系保水材。
- 請求項1記載のグラウト系保水材において、セメントを20〜40重量%、粘土系材料を乾燥状態で5〜30重量%、吸水性樹脂を0.01〜0.5重量%含有することを特徴とする、グラウト系保水材。
- 請求項1または2記載のグラウト系保水材において、粘土系材料は、粘土分を50重量%以上含有することを特徴とする、グラウト系保水材。
- 請求項1〜3いずれかの項記載のグラウト系保水材において、更に高性能減剤を0.1〜10重量%含有することを特徴とする、グラウト系保水材。
- 請求項1〜4いずれかの項記載のグラウト系保水材に水を添加して混練し、得られたスラリーを、予め施工したコンクリート舗装体またはアスファルト舗装体の舗装面に散布または注入して、舗装体の間隙内で当該スラリーを硬化させることを特徴とする、保水舗装の施工方法。
- 請求項5記載の施工方法において、グラウト系保水材に添加する水は、グラウト材中に含有されるセメントに対し、水セメント比が50〜300%となるように添加されることを特徴とする、保水舗装の施工方法。
- 請求項5または6記載の施工方法において、コンクリート舗装体またはアスファルト舗装体は開粒度アスファルトまたはポーラスコンクリートであることを特徴とする、保水舗装の施工方法。
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2004292124A Pending JP2006104012A (ja) | 2004-10-05 | 2004-10-05 | グラウト系保水材及び当該保水材を用いた保水舗装の施工方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2006104012A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008074676A (ja) * | 2006-09-22 | 2008-04-03 | Takenaka Komuten Co Ltd | コンクリート硬化体 |
JP2009035939A (ja) * | 2007-08-01 | 2009-02-19 | Gaeart Tk:Kk | 舗装用保水性注入材ならびに舗装体 |
JP2009091734A (ja) * | 2007-10-04 | 2009-04-30 | Toda Constr Co Ltd | 保水性舗装体 |
-
2004
- 2004-10-05 JP JP2004292124A patent/JP2006104012A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2008074676A (ja) * | 2006-09-22 | 2008-04-03 | Takenaka Komuten Co Ltd | コンクリート硬化体 |
JP2009035939A (ja) * | 2007-08-01 | 2009-02-19 | Gaeart Tk:Kk | 舗装用保水性注入材ならびに舗装体 |
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