JP4147154B2 - 保水性舗装体とその構築方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、保水性グラウト材とそれを用いて構築される保水性舗装体に関し、詳細には、保水性と充填性に優れた保水性グラウト材と、それを用いて構築される保水性舗装体並びにその構築方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
都市化の進展とともに、騒音の増大、浸水災害頻度の増加、高温化等の都市環境の悪化が近年話題を呼び、特に都市の高温化、いわゆるヒートアイランド現象が顕著であるとして、この改善策を模索する気運が高まっている。この原因としては、コンクリートやアスファルトによる地面の封緘、水面あるいは緑等の自然の減少、多くの住民による生活からの排熱、さらに建物の高密度化、高層化が風の流れを変え、熱を逃げにくくしている点等が指摘されている。特に、真夏の炎天下における道路舗装体の表面温度、中でもアスファルト舗装体の表面温度は、太陽熱を吸収して60℃以上に達することがあるといわれている。表面温度の上昇は、気温をも上昇させ、さらに舗装体に蓄熱された熱エネルギーの放射によって、都市部に熱帯夜を作り出し、引いてはエアコンの高稼動の原因ともなって、ヒートアイランド現象をつくり出している。また、コンクリート舗装体では、アスファルト舗装体ほどではないものの、自然地盤の土よりもはるかに路面温度が上昇しやすい。
【0003】
そこで、舗装を対象にした改善策が種々検討されており、中でも舗装体に水を含ませ、その水が蒸発するときに奪う潜熱によって舗装表面温度の上昇を抑制し、ヒートアイランド現象の緩和を図ろうとする保水性舗装が盛んに提案されている。この保水性舗装技術を確立する上での主な共通課題としては、如何に多量の水を舗装体に含ませ蒸発させるか、また、蒸発により失われた水を如何に効率よく舗装体に補給して舗装体の冷却機能を長期間持続させるかという点等が挙げられる。
【0004】
例えば、多量の水を舗装体に含ませ蒸発させる技術として、特許文献1では、多孔質コンクリート成形体の空隙中にセメントと多孔質フィラーとを混合したスラリー状充填材を注入して保水性を有した舗装体を形成する方法が開示されている。特許文献2では、保水性と透水性を有するシルト系充填材を有孔表層中の空隙に充填して保水性を有した舗装体を形成する方法が開示されている。特許文献3では、有孔表層に多孔質のセラミックス焼結体を用いて保水性を有した舗装体を形成する方法が開示されている。特許文献4では、廃ベントナイト、廃泥水、泥状の掘削土等の建設汚泥に、セメントを加え、さらに混和薬剤とを加えて形成した混合土を加圧成形した後、破砕して保水性人工骨材とし、この保水性人工骨材を主材料とする保水性路盤を形成する方法が開示されている。また、特許文献5には、切り込み砕石層及び粒調砕石層からなる路盤と透水性アスファルト層との間に、多数の保水性セラミック骨材を敷き均して形成した保水層を備えた舗装が開示されている。さらに特許文献6では、基層及び路盤層にロックウールを含有させて保水層とした技術が開示されており、特許文献7では、透水性アスファルト混合物、透水性セメントコンクリート、透水性セメントモルタル等の多孔質成形ブロックからなる有孔表層中の空隙内に、保水性、透水性を有するシルト質又は粘土質又はこれを焼成した粒体を充填し、粒体の毛細管現象による保水性、吸水性を持たせた技術が開示されている。
【0005】
しかしながら、これら従来の保水性舗装において保水材として使用されている材料は保水能力が小さく、降雨時に吸収した雨水や散布された水が短時間で蒸発して失われてしまい、温度上昇抑制効果が長時間にわたり持続しないという欠点がある。すなわち、降雨あるいは散水直後には、水は保水性舗装体に浸透して保水性舗装体内の多孔質フィラーや保水性セラミック骨材などの保水材に蓄えられるものの、蓄えられた水は舗装体表面が日照を受けると急速に蒸発してしまい、比較的短時間で舗装表面は乾燥し、舗装表面の温度が上昇してしまうという問題があった。
【0006】
この問題を解決するために、保水性舗装体における保水材を含む保水層の厚さを厚くして、保水量を増大させることも考えられるが、舗装表面から水を蒸発させるためには、保水層の下部から上部に向かって毛細管現象を利用した揚水能力が求められる。しかし、上記従来の保水性舗装において使用されている保水材は、この毛細管現象を利用した揚水能力が十分でなく、保水層を層厚に構築できないという問題を有している。
【0007】
このため、舗装体に水を供給して舗装体表面から蒸発する水を補給し、舗装体の温度上昇抑制効果を長期間持続させようとする技術が提案されている。例えば、特許文献8においては、有孔表層と不織布等の水分供給層を有し、その周囲と底面をシールして水分貯留層とし、降雨若しくは給水装置からの水を水分貯留層に貯留させ、晴天時においては下層の水分貯留層より供給される水分を舗装体表面より大気中に放出させて、路面温度の上昇を抑制する舗装体が開示されている。また、特許文献9においては、路床上に切込砕石を敷き詰め、その上部に複数層の透水性アスファルト層を積層して一体化した舗装構造であって、前記切込砕石の底面及び側面を防水シートで囲うとともに、該防水シート内で、上部が前記透水性アスファルト層に接続され、下部が前記切込砕石内に挿入された不織布に水供給機能を持たせた保水性舗装が開示されている。
【0008】
しかしながら、このような保水性舗装においても、給水手段として使用される不織布等の揚水能力には限界があり、舗装体内の保水層を常に水を含んだ状態に保つことは極めて困難であった。
【0009】
また、従来、保水性舗装における保水層の構築には、保水材を混入させた保水性グラウト材を舗装体の有孔表層あるいは砕石路盤の空隙に注入して保水性舗装体を構築する方法が採られているが、従来の保水材を含有した保水性グラウト材は、有孔表層及び砕石路盤層の空隙に浸透する過程で材料分離が生じやすく浸透能力に限界があるため、保水性舗装体の構築に際しては、保水層を何層にも分けて保水性グラウト材を注入する必要があり、作業性が極めて悪いという欠点を有していた。
【0010】
【特許文献1】
特開2001−303504号公報
【特許文献2】
特開平10−46513号公報
【特許文献3】
特許第3168268号公報
【特許文献4】
特開2000−120010号公報
【特許文献5】
特開平9−195212号公報
【特許文献6】
特開2002−138406号公報
【特許文献7】
特開2000−109699号公報
【特許文献8】
特開平8−209613号公報
【特許文献9】
特開平8−85905号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のような従来技術の欠点を解決するために為されたもので、保水能力や揚水能力に優れ、かつ、舗装体空隙への浸透性に優れた保水性グラウト材と、そのような保水性グラウト材を用いる保水性舗装体の構築方法、更には、そのような保水性グラウト材を用いて構築された保水性舗装体を提供することを課題とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決すべく、保水性舗装体の構築に使用される保水性グラウト材について研究を重ね、その結果、従来の保水性グラウト材に使用されている保水材とは全く異なる有機繊維質系の粉末を保水材として保水性グラウト材に含有させることにより、保水能力や揚水能力に優れ、しかも、舗装体空隙に浸透充填させるときにも浸透性に優れ、充填性に優れた保水性グラウト材が得られ、この保水性グラウト材を用いれば、従来の薄い保水層はいうまでもなく、層厚の厚い保水層をも、効率よく構築することができることを見出して、本発明を完成した。
【0013】
すなわち、本発明は、有機繊維質の粉末を保水材として含む保水性グラウト材と、その保水性グラウト材を用いる保水性舗装体の構築方法、更には、その保水性グラウト材を用いて構築された保水性舗装体を提供することにより、上記の課題を解決するものである。
【0014】
本発明の保水性グラウト材は、上記のとおり有機繊維質の粉末を保水材として含むものであり、所期の保水能力や揚水能力が得られる限り、その配合に特段の制限はないけれども、好適には、セメント100質量部に対して、保水材としての有機繊維質の粉末2〜40質量部及び水100〜400質量部を含有してなるセメント組成物であるのが好ましい。本発明の保水性グラウト材には、前記の成分以外に、セメント混和材や、分離防止剤、消泡剤などを適宜添加しても良い。
【0015】
本発明の保水性グラウト材に保水材として使用される有機繊維質の粉末としては、それが有機繊維質を含むか有機繊維質からなり、保水性グラウト材に所期の保水能力や揚水能力を与えるものである限り特段の制限はないが、好適には木材の粉末又は紙の粉末を使用するのが、保水能力や揚水能力、更には、充填性の点から好ましい。木材の粉末又は紙の粉末は、そのいずれか一方を用いても良いし、両者を併用しても良い。また、使用される木材の粉末又は紙の粉末は、1種類に限られず、2種以上を適宜併用しても良く、必要に応じて、鉱物質多孔フィラーを併用しても良い。
【0016】
上記のような本発明の保水性グラウト材を用いて保水性舗装を構築するには、路床上に止水層を設け、その上に空隙を有する舗装層を構築し、その後、その舗装層に本発明の保水性グラウト材を注入充填し、保水層を形成すれば良い。保水層を厚層に構築するには、有孔表層の下に粒状路盤層を設けて舗装層を構築し、この舗装層に、有孔表層上部から本発明の保水性グラウト材を注入、充填することによって保水層が形成され、本発明の保水性舗装体が構築される。本発明の保水性グラウト材は浸透性並びに充填性に優れているので、有孔表層及びその下に位置する粒状路盤層を有孔表層の上部から保水性グラウト材によって効率良く注入、充填することが可能であり、一回の注入作業で、層厚の厚い保水層を形成することが可能である。また、本発明の保水性グラウト材を注入、充填して形成された保水層は揚水能力に優れているので、保水層を厚層に形成しても保水層下部から保水層上部へと毛細管現象を利用して水を供給することが可能であり、舗装体表面近傍を長期にわたって保水状態に保つことができる。なお、粒状路盤層の下に設ける止水層は、保水層に供給された水が粒状路盤層よりも下層の路床等に流失してしまうことを防止するものである。なお、止水層と路床との間には、粒状路盤層や砂層等の遮断層があってもよい。
【0017】
上記のようにして構築された本発明の保水性舗装体は、舗装体の空隙部分に本発明の保水性グラウト材が注入充填されてなる保水層を有し、保水能力に優れるとともに、揚水能力にも優れ、舗装体表面の温度上昇を抑制する機能を長期にわたって発揮することができる。
【0018】
本発明の保水性舗装体には、保水層に水を供給する給水設備を設けても良く、給水設備としては、保水性舗装体の保水層と連通する給水口と、その給水口に水を供給する貯水部若しくは給水管を備えてなる給水設備が好ましく、このような給水設備によれば、保水能力に優れた本発明の保水性舗装体の保水層に効率よく大量の水を適宜供給することができ、本発明の保水性舗装体の温度上昇抑制機能を更に長期間にわたり持続させることが可能となる。
【0019】
本発明の保水性舗装体は、舗装体表面の温度上昇の抑制が期待される場所であればどこに適用しても良いが、典型的には、歩道、公園、遊歩道、自転車道、スポーツグラウンド、イベント会場、駐車場等の舗装された広場などが挙げられる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて、本発明について更に詳細に説明する。
【0021】
図1は、本発明の保水性舗装体の一例を示す断面図であり、図1において、1は路床、2は路床1上に設けられた止水層、3は止水層2上に設けられた粒状路盤層、4は粒状路盤層3上に設けられた有孔表層、5は粒状骨材である。このような保水性舗装体を構築するには、まず、路床1上に止水層2を設ける。止水層2を形成する材料としては、例えば、ポリエチレンシート、ナイロンシート、ポリエステルシート、塩化ビニールシート、ポリウレタンシート等の樹脂シート、不織布や織布にアスファルト等の止水性材料を含浸させた防水シート、ゴムシート等が挙げられ、これらを路床1上に敷き広げ、止水層2を設ける。図示の例では、止水層2が路床1の上に直接に設けられているが、止水層2と路床1の間には、さらに砕石などからなる粒状層や砂層等の遮断層等を設けても良い。止水層2の下層が、例えば砕石層や砂層である場合は、アスファルト乳剤、改質アスファルト乳剤、ウレタンエマルション、SBRラテックス等を散布した後、さらに表面に付着防止用の砂等を散布して止水層2とすることもできる。止水層2は、水が下層の路床1へと流失するのを防止するためにも設けるものである。
【0022】
次に、止水層2の上に、好ましくは単粒の粒状骨材5を所定厚さに敷き均して粒状路盤層3を構築する。粒状路盤層3を構成する骨材としては、社団法人日本道路協会発行の「アスファルト舗装要綱」に記載されている舗装用の骨材で、砕石、玉砕、砂利、鉄鋼スラグ等が用いられる。また、再生骨材やその他、前記各種骨材に類似する粒状材料で、人工焼成骨材、焼成発泡骨材、人工軽量骨材、陶磁器粒、エメリー、レンガやコンクリート製品の解砕材等も使用することができる。さらに、これらの骨材をセメント、樹脂あるいはアスファルト等でコーティングしたものを使用することもできる。粒状路盤層3に使用する粒状骨材の粒径としては、一般的には、粒径範囲が20〜30mmの4号砕石、粒径範囲が13〜20mmの5号砕石、粒径範囲が5〜13mmの6号砕石が使用され、好ましくは、粒径範囲が13〜20mmの5号砕石が使用される。粒状路盤層3の厚さに特に制限はないが、高い保水能力が期待できるという点からは、厚ければ厚いほど好ましい。しかしながら、後述する本発明の保水性グラウト材が持つ揚水能力からその厚さには自ずと制限があり、最大でも60cm以下とするのが好ましく、より好ましくは5〜40cm、更に好ましくは10〜35cm程度である。
【0023】
粒状路盤層3の上には有孔表層4が構築される。本発明における有孔表層4とは、一般的に透水性舗装用混合物あるいは排水性舗装用混合物等の粗骨材を主体とした開粒度の混合物で舗設された表層であって、15〜30%程度の空隙率を有することを特徴とする舗装用混合物で舗設された舗装をいい、20〜30%の高い空隙率を有した舗装用混合物がより好ましい。舗装用混合物を構成するバインダーとしては、一般的にストレートアスファルトが使用されるが、ストレートアスファルトに限られるものではなく、改質アスファルトやエポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂等の樹脂の他、骨材相互を結合できるものであれば特に制約はない。有孔表層4を構成する骨材5としては、粒状路盤層3を構成する骨材5と同様に、社団法人日本道路協会発行の「アスファルト舗装要綱」に記載されている舗装用の骨材で、砕石、玉砕、砂利、鉄鋼スラグ等が用いられる。また、再生骨材やその他、前記各種骨材に類似する粒状材料で、人工焼成骨材、焼成発泡骨材、人工軽量骨材、陶磁器粒、エメリー、レンガやコンクリート製品の解砕材等も使用することができる。有孔表層4に使用する骨材の粒径としては、一般的には、粒径範囲が5〜13mmの6号砕石、粒径範囲が2.5mm以下の細目砂、及び石粉が使用される。有孔表層4の厚さは、通常、3〜10cmであり、好ましくは、3〜5cmである。
【0024】
本発明の保水性舗装体は、上述のようにして構築された有孔表層4の上から本発明の保水性グラウト材を注入し、有孔表層4の空隙部、更には、粒状路盤層3の空隙部を充填して、これら有孔表層4及び粒状路盤層3を保水層とすることによって構築される。本発明の保水性グラウト材は、後述するように浸透性並びに充填性に優れているので、有孔表層4の上から注入して、有孔表層4内の空隙だけでなく、その下に位置する粒状路盤層3の空隙部までも充填することができ、有孔表層4と粒状路盤層3からなる厚層の保水層を一気に構築することができるものである。
【0025】
本発明の保水性グラウト材は、セメントと、水と、それに加えて、保水材として有機繊維質の粉末を含むことを特徴としている。セメントとしては、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、白色ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、耐硫酸塩ポルトランドセメント、高炉セメント、シリカセメント、低発熱セメント、アルミナセメント、超速硬セメント等が使用可能であるが、超速硬性セメント混和剤との水和反応性に優れること、長期強度の確保に優れること等から、普通ポルトランドセメントが好ましい。
【0026】
本発明の保水性グラウト材に使用される保水材としての有機繊維質の粉末としては、所期の保水能力と揚水能力が得られる限り特に制限はないが、好ましくは木材及び/又は紙の粉末が用いられる。木材としては、間伐材を乾燥した後、粉末にした木粉が挙げられる。樹種に特に制限はないが、杉、松、樅、唐松、ヒバ等が一般的であり、松や樅が好ましく使用される。また、紙としては、古紙を解砕して粉末状にしたものが好適である。木材及び/又は紙の粉末の大きさは、保水性グラウト材が注入充填される舗装体空隙の大きさにも依るが、通常は、粒径ないしは繊維長が1mm以下であるのが、良好な充填性と保水能力並びに揚水能力を達成する上からは好ましい。木材の粉末又は紙の粉末は、そのいずれか一方を用いても良いし、両者を併用しても良い。また、使用される木材の粉末又は紙の粉末は、1種類に限られず、2種以上を適宜併用しても良く、さらには、鉱物質多孔フィラーを併用してもよい。
【0027】
保水材としての有機繊維質の粉末は、好ましくは、セメント100質量部に対して、2〜40質量部が使用される。保水材としての有機繊維質の粉末の配合量がセメント100質量部に対して2質量部未満では、十分な保水性能が期待できない恐れがあり、また、40質量部を越えると、保水性グラウト材が増粘し過ぎて浸透性が損なわれ、充填性が劣る恐れがある。保水材の配合量は、保水材が木材の粉末である場合には、保水能力や揚水能力の観点から、セメント100質量部に対して10〜35質量部がより好ましく、さらに好ましくは、15〜25質量部である。また、保水材が紙の粉末である場合には、保水能力や揚水能力の観点から、セメント100質量部に対して6〜12質量部がより好ましく、さらに好ましくは7〜10質量部である。
【0028】
水は、清浄なものであれば特に制限なく使用できるが、一般的には通常の水道水が使用され、その使用量は、好ましくは、セメント100質量部に対して100〜400質量部であり、さらに好ましくは、200〜300質量部である。水の量がセメント100質量部に対して100質量部未満では、保水性グラウト材の粘度が高くなり過ぎ、有孔表層や粒状路盤層の空隙への良好な浸透性が得られなくなる可能性がある。また、水の量がセメント100質量部に対して400質量部を越えると保水性グラウト材の固化後の強度が低く、舗装材として使用に耐えなくなる恐れがある。
【0029】
本発明の保水性グラウト材には、前記の成分以外に、セメント混和材や、分離防止剤、消泡剤などを適宜添加しても良い。超速硬性セメント混和材としては、カルシウムアルミネートと無水石膏との混合物、又はカルシウムアルミネート、ナトリウムアルミネート及び無水石膏の三者の混合物が使用され、通常、セメント100質量部に対して、超速硬性セメント混和材10〜50質量部が使用され、好ましくは、15〜30質量部である。超速硬性セメント混和材の量がセメント100質量部に対して10質量部未満では、速硬性が期待できず、また50質量部を越えると、その増量効果が得られない。
【0030】
分離防止剤としては、セメント系のグラウト材あるいは、セメントコンクリートに通常使用される市販の分離防止剤であればよく、特に限定するものではない。分離防止剤の配合量は、通常、セメント100質量部に対して、0.03〜1質量部であり、好ましくは、0.04〜0.5質量部である。分離防止剤の配合量が0.03質量部未満では、分離防止の効果が期待できず、また1質量部を越えると、その増量効果が得られない。
【0031】
消泡剤としては、セメント系のグラウト材に通常使用されているものであれば使用可能であり、特に限定するものではない。消泡剤の配合量は、通常、セメント100質量部に対して、0.05〜1質量部である。消泡剤の配合量が0.05質量部未満では、消泡効果が期待できず、また1質量部を越えると、その増量効果が得られない。
【0032】
図1において、6は側溝であり、側溝6は、側溝6を縦断方向に仕切る横流れ堰7によって、縦断方向に2つの部分、即ち、保水性舗装体に近い方の貯水部9と、保水性舗装体からは遠い方の排水部10とに分けられており、貯水部9には、貯水部9を横断方向に仕切る縦流れ堰8が設けられている。側溝6の保水性舗装体に接する側の壁面には、給水口11が穿孔され、貯水部9と保水性舗装体の保水層を構成している粒状路盤層3と連通している。
【0033】
図2は、図1を上から見た平面図であり、図1と同じものには同じ符号が付してある。図2に示すように、貯水部9は、複数の縦流れ堰8、8、8・・・によって複数の部分に分割されており、分割された各貯水部9、9、9・・・には少なくとも1つの給水口11が穿孔されており、保水性舗装体の保水層と連通している。分割された各貯水部9、9、9・・・に設けられる給水口11の数は1つに限られず、2つ以上であっても良いことは勿論である。側溝6の壁面における給水口11の位置は、隣接する保水性舗装体の保水層と連通する位置であれば特に制限はないが、貯水部9、9、9・・・に貯水されている水を有効に隣接する保水性舗装体の保水層に供給するという観点からは、貯水部9、9、9・・・のなるべく下方に設けるのが好ましい。
【0034】
上記のような保水性舗装体において、例えば、降雨乃至は散水等によって有孔表層4上に撒かれた水は、有孔表層4内に浸透し、更には、その下の粒状路盤層3内にも浸透して、それら有孔表層4と粒状路盤層3とによって構成される保水層中に保水される。保水された水は、舗装体表面から適宜蒸発し、蒸発時に奪う潜熱によって舗装体表面の温度上昇を抑制する。本発明の保水性舗装体においては、含まれる保水材としての有機繊維質の粉末自体の保水能力が高いことに加えて、保水層が有孔表層4と粒状路盤層3から構成されており、比較的厚いので、保水量が多く、長期間にわたって舗装体表面の温度上昇を抑制することができるという効果がある。
【0035】
一方、有孔表層4上部からの浸透水の量が、保水層を構成している有孔表層4及び粒状路盤層3の保水能力を越えた場合には、浸透水は、給水口11から貯水部9、9、9・・・へと滲み出し、そこで貯水される。一方、有孔表層4の表面水は有孔表層4の表面を流れて貯水部9、9、9・・・に貯水される。貯水部9、9、9・・・に貯水された水は、給水口11を通じて、保水層としての粒状路盤層3内に適宜浸透し、粒状路盤層3を常に保水状態に保つことを可能にする。有孔表層4上部からの浸透水を待つことなく、貯水部9、9、9・・・内に別途の水源から水を積極的に供給しても良いことは勿論である。なお、粒状路盤層3内に給水口11と接続する有孔管が埋設されていてもよい。
【0036】
貯水部9、9、9・・・に縦流れ堰8を越えるほどに大量の水が供給された場合には、供給された水は側溝6の勾配に沿って縦流れ堰8を越え、順次下流の貯水部9、9、9・・・へと流れていくことになる。また、貯水部9、9、9・・・に供給された水の量が更に大量となった場合には、横流れ堰7を越えて、側溝6の排水部10へと排水される。
【0037】
このように、本発明の保水性舗装体に、上記のような二重構造の側溝6を隣接させ、保水性舗装体への給水設備として機能させることによって、保水層を構成する粒状路盤層3や有孔表層4を長期間にわたって保水状態に保つことが可能になり、保水性舗装体による舗装体表面の温度上昇抑制機能をより長期にわたって維持することが可能となる。
【0038】
図3は、保水性舗装体への給水設備の他の例を示す平面図である。図3において、12は給水管であり、給水管12からは分岐管13、13・・・が適宜の間隔で側方に突出しており、分岐管13、13・・・の先端は側溝6の側壁に設けられた給水口11、11・・・に連通している。この状態で給水管12に図示しない水源から給水すれば、給水された水は分岐管13、13・・・と給水口11、11・・・を介して、保水層を構成している粒状路盤層3内へと浸透し、粒状路盤層3を潤して保水状態にするとともに、毛細管現象による揚水作用により、有孔表層4内へも浸透して有孔表層4を同じく保水状態にすることができる。これにより、保水性舗装体の保水層を構成する粒状路盤層3や有孔表層4を長期間にわたって保水状態に保つことが可能になり、保水性舗装体による舗装体表面の温度上昇抑制機能をより長期にわたって維持することが可能となる。なお、分岐管13、13・・・は、必要に応じて粒状路盤層3内まで伸びていても良い。その場合、粒状路盤層3内に位置する分岐管13、13・・・の部分は有孔管とするのが望ましい。また、冬季など、舗装体の凍結が危惧されるような場合には、給水管12に凍結抑制剤を流すようにすれば、分岐管13及び給水口11を介して舗装体内に凍結抑制剤を浸透させることができるので、舗装体の凍結を抑制することが可能である。凍結抑制剤は、一般的に使用されているもので良く、例えば、塩水や塩化カルシウム液などを用いることができる。
【0039】
なお、以上の例では、本発明の保水性舗装体の保水層は粒状路盤層3と有孔表層4とによって構成されているが、保水性舗装体の保水層は必ずしもこの構造でなければならないという訳ではなく、有孔表層のみを厚くして有孔表層だけで保水層を構成するようにしても良いことは言うまでもない。
【0040】
以下、実験並びに実施例を用いて本発明をより詳細に説明する。
【0041】
〈実験1〉
保水材として、機能性木粉(粒径1mm以下)、又は、古紙粉末(繊維長1mm以下)のいずれかと、普通ポルトランドセメント(太平洋セメント株式会社製)及び水道水を、以下の表1の保水材/セメント比(F/C)、水/セメント比(W/C)になるように混合し、5種類の実験用保水性グラウト材を調製した。一方、比較対照として、鉱物質多孔フィラー(セピオライト)と先に用いたのと同じ普通ポルトランドセメント及び水とを表1の保水材/セメント比、水/セメント比になるように混合し、2種類の比較用保水性グラウト材を調製した。なお、実験用の保水性グラウト材3に用いた鉱物質多孔フィラーは、上記比較用に用いたものと同じである。
【0042】
併行して、所定形状の型枠に5号砕石を25cm厚に敷き均し、表面を平らに均して軽く転圧した上に、改質アスファルトをバインダーとした空隙率25%の開粒度アスファルト混合物で作製された厚さ5cmのブロックをセットし、供試体とした。当該ブロック表面から上記5種類の実験用保水性グラウト材及び2種類の比較用保水性グラウト材を流し込み、その浸透充填性を調べた。結果を、測定した各保水性グラウト材のJ10ロートフロータイムとともに、表1に合わせて示す。なお、浸透充填性の評価は、砕石層の隅々まで保水性グラウト材が浸透充填した場合には◎;振動を加えるとほぼ砕石層の隅々まで保水性グラウト材が浸透充填した場合には○;振動を加えても砕石層の隅までは保水性グラウト材が浸透充填しない場合には×とした。
【0043】
【表1】
Figure 0004147154
【0044】
表1に示すように、実験用の保水性グラウト材1〜5及び比較用の保水性グラウト材1〜2のいずれもが、J10ロートフロータイムは7秒以下と極めて低い値であったにも関わらず、浸透充填性においては、大きな差が見られた。すなわち、保水材として有機繊維質の粉末である木粉又は古紙粉末のみを用いた実験用保水性グラウト材1、2、4、5、及び、保水材として有機繊維質の粉末である木粉と鉱物質多孔フィラーを併用した実験用保水性グラウト材3は、ブロック下部の砕石層の隅々にまで浸透充填し、良好な浸透充填性を示したのに対し、保水材として従来の鉱物質多孔フィラーを用いた比較用の保水性グラウト材1〜2は、振動を加えてもブロック下部の砕石層の隅々まで保水性グラウト材が浸透充填せず、浸透充填性において明らかに劣っていた。以上の結果から、保水材として有機繊維質の粉末を含む本発明の保水性グラウト材は、透水性又は排水性舗装用混合物を用いて構築された有孔表層の上から注入して、有孔表層下部の粒状路盤層にまで十分に浸透し、充填することができるものであることが分かる。また、固化後、供試体を切断し、断面を調べたが、実験用の保水性グラウト材1〜5を注入充填した供試体においては、注入した保水性グラウト材が全体にわたって均一に浸透、充填されていた。
【0045】
〈実験2〉
実験1で調製したのと同じ5種類の実験用保水性グラウト材及び2種類の比較用保水性グラウト材のそれぞれの固化後の物性を次の方法で調査した。すなわち、上記7種類の保水性グラウト材のそれぞれを、直径50mm、高さ50mmの円筒形の型枠に流し込み、3日間固化させて供試体とし、型枠からの脱型の可否、固化・乾燥収縮率、10分吸水高さ、及び、24時間吸水率を調べた。脱型の可否は、モールド脱型機を用いて脱型したしたとき、形状が崩れないものを○;脱型はできるが、変形するものを△とした。また、10分吸水高さは、予め乾燥させた供試体を立てた状態で供試体下部の5mmを10分間水に浸し、10分後に供試体のどこまで水が上昇したかをmmで表したものである。24時間吸水率は、予め乾燥させた供試体を24時間水に浸漬し、その重量を測定して供試体に吸水した水の容積を水の比重を1として求め、その容積の供試体容積に対する%で示したものである。結果を表2に示す。
【0046】
【表2】
Figure 0004147154
【0047】
表2の結果から明らかなように、保水材として有機繊維質の粉末である木粉あるいは古紙粉末を含む実験用の保水性グラウト材1〜5は、従来の比較用の保水性グラウト材1〜2と同様に、脱型することができた。中でも、実験用の保水性グラウト材2及び5は、容易に脱型できる強度があることが分かった。また、収縮率に関しても、実験用の保水性グラウト材1〜5は、従来の比較用の保水性グラウト材1〜2と同程度であり、保水性舗装に十分使用することができることが確認された。
【0048】
一方、10分吸水高さは、実験用の保水性グラウト材1〜5のいずれもが、43mm以上と、比較用の保水性グラウト材1〜2を10mm以上上回り、揚水能力に優れていることが分かる。特に、保水材として古紙粉末を用いた実験用保水性グラウト材4及び5は、高さが50mmある供試体の上部にまで水が吸い上げられ、揚水能力が特に優れていることが分かった。また、24時間吸水率を比べても、実験用の保水性グラウト材1〜5のいずれもが、比較用の保水性グラウト材1〜2を上回る吸水率を示し、保水能力に優れることが確認された。
【0049】
以上のように、保水材として有機繊維質粉末を含む本発明の保水性グラウト材は、舗装体空隙への浸透、充填性に優れ、厚層の保水層を効率良く構築できるばかりでなく、揚水能力、保水能力の点でも、保水材として鉱物質多孔フィラーを用いる従来の保水性グラウト材よりも優れたものである。
【0050】
〈実施例1〉
縦90cm、横90cm、高さ40cmのテストピット内に、ビニールシートを敷き、その上に5号砕石を厚さ30cmに敷き均し、軽く転圧して粒状路盤層とした。さらにその上に、ストレートアスファルトをバインダーとした空隙率25%の透水性舗装用アスファルト混合物を厚さ5cmに敷き均し、転圧して有孔表層を舗設した。この有孔表層の上から、実験1で使用した実験用保水性グラウト材2を、テストピット下部から注入した保水性グラウト材が流れ出るまで注入充填し、本発明の保水性舗装体を構築した。養生後、有孔表層上部から水道水を注ぎ、保水性舗装体内を飽和状態とした。一方、同型のテストピット内に、保水性グラウト材の注入充填をしないこと以外は上記と同様にして、舗装体を構築し、比較対照用舗装体とした。なお、比較対照用舗装体には注水は行わなかった。本発明の保水性舗装体と比較対照用舗装体の表面を、上部約80cmの距離から赤外線ランプで照らし、それぞれの舗装体表面に取り付けた温度計によって、舗装体表面温度の変化を調べた。比較対照用舗装体の表面温度は、赤外線ランプ照射開始約3時間後には60℃近辺まで上昇したのに対し、本発明の保水性舗装体の表面温度は、照射開始後3時間を経過しても45℃程度までしか上昇せず、その後も、ほぼ45℃の温度を保ち、本発明の保水性舗装体が舗装体表面温度の上昇抑制に効果があることが確認された。
【0051】
〈実施例2〉
粒状路盤層の厚さを23cmとし、保水性グラウト材として実験1で使用した実験用保水性グラウト材5を使用した以外は実施例1と同様にして、本発明の保水性舗装体を構築した。併行して、粒状路盤層を同じくテストピット内に厚さ23cmで敷き均した後、実験1で使用した比較用保水性グラウト材1を注入充填し、固化するのを待って、その上から実施例1で使用したのと同じ透水性舗装用アスファルト混合物を用いて有孔表層を厚さ5cmに舗設し、その上から、粒状路盤層に充填したのと同じ比較用保水性グラウト材1を注入充填して、比較用の保水性舗装体を構築した。本発明の保水性舗装体と比較用の保水性舗装体とを同様に養生後、有孔表層から水道水を注ぎ、保水性舗装体内を飽和状態とした。
【0052】
本発明の保水性舗装体と比較用の保水性舗装体の表面を、上部約80cmの距離から赤外線ランプで照らし、それぞれの舗装体表面に取り付けた温度計によって、舗装体表面温度の変化を調べた。両舗装体の表面温度は、照射開始から急速に上昇したが、両者共に、照射開始後約4時間で約45℃となり、一定した。照射開始約6時間を経過したあたりから、比較用の保水性舗装体の表面温度は徐々に上昇し始め、照射開始約8時間で55℃まで上昇したのに対し、本発明の保水性舗装体の表面温度は赤外線ランプ照射開始後8時間を経過しても約45℃とほぼ一定であった。このように、本発明の保水性舗装体は保水能力並びに揚水能力に優れ、舗装体表面温度の上昇抑制効果が従来の保水性舗装体に比べ長期間持続した。
【0053】
【発明の効果】
以上のように、本発明の保水性グラウト材は、舗装体空隙への浸透性、充填性に優れているので、有孔表層とその下に位置する粒状路盤層の二つの舗装層を保水層とする場合のように保水層を厚く形成する場合でも、有孔表層の上部から注入、充填することが可能であり、保水性舗装体を効率良く構築することができるという効果がある。また、本発明の保水性グラウト材は、固化後の保水能力並びに揚水能力に優れているので、保水層を厚層に形成しても保水層下部から保水層上部へと毛細管現象を利用して水を供給することが可能であり、本発明の保水性グラウト材を用いて構築された保水性舗装体は、舗装体表面の温度上昇を長期にわたって抑制することができるという優れた効果がある。また、本発明の保水性舗装体に、保水層に水を供給する給水設備を設ける場合には、保水能力に優れた本発明の保水性舗装体の保水層に効率よく大量の水を適宜供給することができ、本発明の保水性舗装体の温度上昇抑制機能を更に長期間にわたり持続させることが可能である。このように、本発明の保水性グラウト材とそれを用いる保水性舗装体の構築方法、並びに、構築された保水性舗装体は、極めて優れたものであり、顕著なる効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の保水性舗装体の一例を示す断面図である。
【図2】 本発明の保水性舗装体の一例を示す平面図である。
【図3】 本発明の保水性舗装体の他の一例を示す平面図である。
【符号の説明】
1 路床
2 止水層
3 粒状路盤層
4 有孔表層
5 粒状骨材
6 側溝
7 横流れ堰
8 縦流れ堰
9 貯水部
10 排水部
11 給水口
12 給水管
13 分岐管

Claims (3)

  1. 路床上に止水層を設ける工程、止水層上に粒状路盤層を構築する工程、粒状路盤層上に有孔表層を構築する工程、有孔表層上部から、セメント100質量部に対して、保水材としての木材及び/又は紙の粉末2〜40質量部及び水100〜400質量部を含有してなる保水性グラウト材を注入し、有孔表層の空隙部および粒状路盤層の空隙部を充填して保水層を形成する工程を含む保水性舗装体の構築方法。
  2. 路床上に設けられた止水層、止水層上に構築された粒状路盤層、粒状路盤層上に構築された有孔表層を備え、有孔表層の空隙部および粒状路盤層の空隙部に、セメント100質量部に対して、保水材としての木材及び/又は紙の粉末2〜40質量部及び水100〜400質量部を含有してなる保水性グラウト材が注入充填され保水層を形成している保水性舗装体。
  3. 保水性舗装体の保水層と連通する給水口と、その給水口に水を供給する貯水部若しくは給水管を備えている請求項2記載の保水性舗装体
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