JP4479330B2 - 保水性固化体用水硬材及び保水性固化体 - Google Patents

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Description

本発明は、保水性固化体用水硬材及び保水性固化体に係わり、詳しくは、土木建設材料として使用したときに有効な保水性固化体と、その製造原料である水硬材に関する。
近年、大都市圏では道路や建物の多くがコンクリートやアスファルトといった蓄熱し易い材料によって構成されているので、その影響を受けて特殊な人工的気候が出現している。つまり、夏季には道路等の表面温度が著しく上昇すると共に熱帯夜が常態化し、都市全体が周辺部に比べて高温状態を示す所謂「ヒートアイランド現象」が発生している。さらに、この現象は、エアコン等によるエネルギー使用の増加に伴う廃熱の増加によって一層促進される傾向にある。
このようなヒートアイランド現象は、本来、土や植物で覆われていた地面等がコンクリートやアスファルト等に置き換わったことに起因する。地面等が土壌であれば、雨が降るとその内部空間に水分を溜め、その水分が晴天時に蒸発することで気化熱を奪い、大気温度を低下させることができるが、コンクリート等では、雨水がほとんど浸み込まずに排水溝等に流れてしまい、気化熱による冷却が期待できないからである。また、このような雨水を貯めることのない都市構造では、大量の降雨があった際に排水設備に対する負荷が大きくなり、都市型洪水という新規な問題も発生しつつある。
ところで、このような問題の解消には、コンクリート等を単純に土に戻すことが考えられる。しかしながら、それではコンクリートに置き換わったことによって乾燥時の砂埃や豪雨時の土砂等の流失損害が減少するという大きな利便性が失われる。また、別の対策として緑化面積を拡大するという方法も考えられる。この対策は,前記ヒートアイランド現象の抑制ばかりでなく、大気へのCO2放出量の削減、景観の向上等の利点も多い。しかしながら、上記した問題点は軽減されても無くなるわけではなく、加えて、植物の管理という別の仕事が必要となるので、どのような場所にも適用できるものではない。そこで、最近は、コンクリートやアスファルト等に置き換えが可能で、且つ保水性(内部に長時間にわたって水を保持できる性質)をもつ新しい土木・建築用材料(以下、単に材料という)が提案されるようになった。
このような技術として、15乃至35%の空隙を有する透水性アスファルト混合物や透水性セメントコンクリート等の有孔表層に対して、シルト系充填材を充填することを特徴とした舗装体が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、そこでは、シルト系充填材として、粒径が5乃至75μmのシルト分の含有量が50質量%以上の粉末を20及至60%、セメント系固化材を5乃至50%、水が25乃至50%となる原材料が開示されている。これによって、7日養生後強度が最大でおよそ200kgf/cm2(20MPa)ものが得られ、なおかつ、高い保水性が達成できる。
また、同様な技術として、多孔質硬化体の連続空隙内に、セメントと粘土系微粉末とを含む充填材を充填してなることを特徴とする舗装体が提案されている(特許文献2参照)。そこでは、上記粘土系微粉末中の5μm以下の粒径を有する微粉末の質量割合が、60質量%以上であると共に、この微粉末が粘土鉱物と,高炉スラグ微粉末、フライアッシュ、珪石粉、石灰石粉末、シリカフューム等からなり、上記充填材中の上記粘土鉱物の質量割合が、1〜30質量%であると共に,上記セメントと上記粘土系微粉末との質量比が、5:95〜30:70である原材料が開示されている。これは、先述の特許文献1で開示された技術に比較して、充填材に保持された水分の蒸散がゆっくりと進むことによって冷却効果を長時間持続させることを特徴としている。
さらに、本発明者らも、かかる事情に鑑みて、高い保水力と一定の強度を兼ね惰えた保水性固化体の開発を行い、50〜70質量%の高炉スラグ微粉末と、50質量%以上の非晶質SiO2を含む30〜50質量%の無機粉末と、該高炉スラグ微粉末及び該無機粉末の合計100質量部に対して3質量部以上のアルカリ刺激剤とを含有してなることを特徴とする保水性固化体用水硬材を提案した(例えば、特許文献3参照)。この材料は、スラグとアルカリとの組み合わせにより、ポーラスな構造体を形成し易いことを利用したものである。
しかしながら、上記のような発明にも、新たな課題が内在していることが明らかになった。上記発明は、保水材による路面温度低減作用は降水あるいは散水によって道路面上に供給される水を利用するものであり、その保水材固化体は、こういった水を効率的に吸水する必要がある。保水材の吸水能力が低いと、降水は側溝等へ流出してしまい,路面温度低減には利用されないのである。また、この問題は、散水車等にて水を供給する場合にも同様である。例えば、東京都での降雨量で見ると、1mm/hrを超える降水は年間87時間あり、この降水がある時の平均降雨量は約5mm/hrである。また、3mm/hrを超えるようなまとまった降水は年間31時間あり、このような降水時の平均降雨量は約10mm/hrであった。このように短時間で多量の降水があった時に、雨を最大限利用できるようにするには、高い吸水能力が必要であり、例えば5mm/hrの降水時には、10分間で路面1m2当り0.83リットルの降雨量となり、舗装中の空隙に20%保水材が注入されている場合には、保水材1m2当りでは10分間で4リットル程度の吸水能力が必要である。また、10mm/hrの場合には、同様に保水材1m2当り8リットル程度の吸水能力が必要である。
特開平10−046513号公報 特開2003−201705号公報 特開2002−241151号公報
本発明は、かかる事情に鑑み、土木・建設材料として使用したときに、短時間での吸水に優れると同時に一定の強度のある保水性固化体用水硬材及び保水性固化体を提供することを目的としている。
上記目的を達成するための本発明は、高炉スラグ微粉末が4〜30質量%、無機粉末が35〜70質量%、アルカリ刺激剤を含むセメントが2〜60質量%とからなり、前記無機粉末は5μmを超える粒子が該無機粉末中の50質量%未満であることを特徴とする保水性固化体用水硬材である。この場合、前記無機粉末が、炭酸カルシウムであるのが好ましい。また、前記アルカリ刺激剤を含むセメントが、速硬セメント、又は速硬セメントとアルミナセメントとの混合物であったり、あるいは前記アルカリ刺激剤が、消石灰であると一層良い。
さらに、本発明は、上記いずれかの保水性固化体用水硬材100質量部に、水を外掛けで60〜150質量部添加して混練、スラリー化したものを固化してなることを特徴とする保水性固化体である。この場合、前記混練、スラリー化したものを、多孔性材料の空隙に注入して固化してあるのが好ましい。
本発明によれば、短時間での吸水に優れると同時に一定の強度のある土木・建築用材料として有効な保水性固化体用水硬材及び保水性固化体を提供できる。その結果、「ヒートアイランド現象」の抑制や省エネルギーが達成できるようになる。
以下に、本発明の最良の実施形態を説明する。
本発明に係る保水性固化体用水硬材では、高炉スラグ微粉末にJIS規格のA 6206にコンクリート用高炉スラグ微粉末として規定されているものを使用する。JIS規格のA 6206には、3種類の高炉スラグ微粉末(すなわち、高炉スラグ微粉末 4000、高炉スラグ微粉末 6000、高炉スラグ微粉末 8000)が規定されており、これら3種類のうちの1種を単独で使用しても良いし、2種以上を混合して使用しても良い。また、該高炉スラグ微粉末の含有量については、4〜30質量%とするのが望ましい。高炉スラグ粉末が4質量%未満では、結合材として機能する量にならず、固化体とする際の結合力が低下して、目標とする圧縮強度が得られず、一方、30質量%を超えると固化体の強度は増大するが、組織が緻密になり過ぎ、短時間での吸水量が低下してしまうからである。
無機粉末は、高炉スラグ微粉末やセメント、水と反応性を持たない微粉末であれば、どのようなものであっても使用可能であるが、5μmを超える粒子が50質量%未満であることが必要である。高炉スラグ微粉末は水和反応が進行することで緻密化し、強度が増大するが、同時に空隙が減少して吸水量が低下する。これに対して、反応性を持たない無機粉末は、高炉スラグの水和反応が過度に進むことを抑制し、固化体に適度な強度と吸水性を確保する作用が期待できる。この抑制作用は、無機粉末の粒径に依存し、粒度が粗すぎると、相方の高炉スラグ微粉末の間に入ることができないので、発揮されない。高炉スラグ微粉末の粒径は、平均で数μm〜十数μmであるので、該高炉スラグ微粉末粒子間の結合をある程度抑制するには、上記無機粉末の粒度分布としては、5μmを超える粒子が50質量%未満であることが必要である。また、該無機粉末の含有量については、水硬材中で35〜70質量%とするのが望ましい。この無機粉未が35質量%未満では、上記の抑制効果が期待できず、固化体とした際の吸水量が低下してしまうし、70質量%を超えると、相対的に高炉スラグ微粉末量が少なくなり、十分な強度が得られないからである。
無機粉末としては、上記特性を有するものであれば、いかなるものでも利用可能である。具体的には、各種の粘土鉱物、火山灰、石粉、珪砂粉、炭酸カルシウム、シリカフューム、工業的に生産される球状無機粒子(微粉球状シリカ、フライアッシュ等)、あるいはゼオライトや珪藻土等を粉砕して粒度を調整したもの、シルトの細かいもの等が挙げられる。特に、炭酸カルシウムは、製品粒度の安定性やコストの面から利用し易い。
本発明に係る保水性固化体用水硬材では、上記した高炉スラグ微粉末及び無機粉末に加えてセメントを使用する。セメントの添加は、交通量の多い路線での施工等、施工後の凝結硬化への時間を早めて交通抑止の時間をなるべく短縮したい場合に有効である。セメントの種類は、特に限定するものではないが、凝結硬化を早めるという目的上、早強セメント、速硬セメント、あるいはこれらに凝結硬化を促進するアルカリ刺激剤を含んだものであることが望ましい。また、セメントの含有量については、アルカリ刺激剤を含めて26〜60質量%とするのが望ましい。セメントが26質量%未満では、凝結硬化を早める働きをあまり期待できず、一方、60質量%を超えると、固化体の吸水量が低下してしまうからである。
さらに、冬期において速やかな凝結硬化を促進するために、アルミナセメントを添加することも有効である。ただし、アルミナセメントは、長期の強度には寄与しないため、あくまで一時的な凝結硬化剤として添加すべきである。アルミナセメントの添加量は、施工時の温度と要求される凝結硬化時間との兼ね合いで決めるべきであるが、最大で15質量%程度までとするのが好ましい。
セメントに含まれるアルカリ刺激剤は、高炉スラグ微粉末の水硬性を促進するのに効果がある。アルカリ刺激剤としては、強アルカリ性を呈する材料であれば、いかなるものでも利用可能であるが、使い易さから消石灰の添加が望ましい。消石灰は、添加量を増すと固化体の強度発現を促進する働きがあると同時に、水を添加して混練した場合に流動性の経時的な低下を遅らせる作用があって可使時間(混練した材料が施工可能な流動性を保っている時間)の延長に有効でもある。また、該消石灰の添加量については、セメント中の3〜10質量%とするのが望ましい。消石灰が3%未満では、上記のような作用を期待できず、一方、10質量%を超えて添加しても上記の作用は増大しないからである。
次に、以上述べた本発明に係る保水性固化体用水硬材の使用について説明する。
まず、上記した本発明に係る保水性固化体用水硬化材を水で混練した後、タイル状等の所定形状に成形、乾燥させて成形体を製造する。そして、該成形体を路面に敷き詰める。また、上記本発明に係る保水性固化体用水硬材を水で混練した後、路面に直接流し込んで乾燥させても良い。さらに、この後者の施工方法には、路面の全面に流し込む方法と、透水のための開口部をあらかじめ形成した路面(コンクリート、タイル、アスファルト等)の該開口部に流し込む方法とがある。
なお、前記成形体の製造では、高炉スラグ微粉末、無機粉末及びアルカリ刺激剤を含むセメントを混合した粉末を100質量部として、それに60〜150質量部の水を添加する。60質量部より少ないと、流動性が低くなるため施工が難しくなる他、成形体が固化した際の強度は増大しても、吸水量は小さくなり、一方、150質量部以上の水を添加してもブリージングが起きるために、吸水量は大きくならないからである。また、本発明に係る水硬材に水を添加するにあたり、流動性を向上させる目的で、ポリカルボン酸等の流動剤を数%以下程度加えることもできる。
このようにして型枠に流し込まれた材料は、引き続き乾燥させる。その際、乾燥温度を高めることで、成形体の生産効率を向上できる。しかし、乾燥温度が80℃を超えると、結合相となっているCaO―SiO2―H2O、CaO―SiO2―Al23―H2Oの水和相の構造が変化してしまうので、80℃以下で乾燥して固化させるのが良い。ただし、乾燥をし過ぎると、上記結合相(水和物)の構造を壊すという意味で望ましくなく、乾燥を蒸気養生で行うのがより望ましい。
本発明に係る保水性固化体用水硬材は、以上述べたようにして固化体にすることができる。このような固化体は、歩道、車道等の道路舗装材、住宅用ブロック、テラス等の床材として用いることができる。また、屋根材として用いれば、ヒートアイランド現象の抑制だけではなく、夏期に屋根が暑くなる等の問題を解決するのにも利用でき、一般住宅の省エネにも結び付けることができる。さらに、固化体としなくても、本発明に係る保水性固化体用水硬材は、開口アスファルトや砂利材に混合、浸透させることによって、それらの本来の機能に、保水性を加えることが可能となる。また、ビルの屋上等の人工土壌の下に敷くことによって、該人工土壌を補強したり、保水をさせることもできる。
なお、保水性固化体の強度については、一般的には強度が高くなるほど吸水能力は低下する傾向にあるので、なるべく高くしないことが望ましい。特に、保水材の利用方法の一つである多孔質硬化体の連続空隙内(例えば排水性舗装の空隙内)に保水材を充填する場合には、それほどの強度は必要としない。しかしながら、あまりに強度が低いと、長期的に保水性固化体が崩壊し、粉塵の原因となる可能性も無視はできない。最低の強度としては、圧縮強度で1N/mm2以上あれば良いと考える。
以下に、実施例にて本発明をより具体的に説明するが、本発明は、それらの実施例に限定されるものではない。また、保水性固化体の吸水能力としては、10mm/hの降水時においても問題のない8リットル/m2以上が望ましい。
(実施例1)
JIS A 6206に規定される高炉スラグ微粉末 4000と、粒度で5μmを超える粒子が40質量%の無機粉末として炭酸カルシウムと、アルカリ刺激剤として消石灰を含む速硬セメントとを、表1に示す配合にて混合して本発明に係る水硬材の混合粉末とした。この混合粉末を表1に示す量の水に投入し、混合機にて混練した。混練後のスラリーを所定形状の型枠(100mmφ×200mmHの圧縮試験用モールド及び40mm×40mm×160mmの曲げ試験用型枠)に流し込み、3日の養生後に脱枠した。なお、上記の混練及び養生は、温度20℃、湿度50%の恒温恒湿室内にて行った。また、表1に示すように、比較例の水硬材も、20℃、湿度50%の条件で混練後に所定形状の型枠に流し込んだ。脱枠後に60℃の温水中で7日間養生した固化体を、各種評価試験用サンプル(試験片)とした。
Figure 0004479330
この試験片の圧縮強度は、JIS R 5201に規定される方法で測定した。圧縮強度を表2に、高炉スラグ微粉末量と強度との関係を図1に示す。圧縮強度は、高炉スラグ微粉末量が増えるに伴い増大している。表2より、高炉スラグ微粉末量の少ない配合(比較例1)では、固化体の強度が1N/mm2を下回り、不十分であることが明らかである。
100mmφ×200mmHの圧縮試験用モールドで成形した試験片は、40℃の熱風循環式乾燥機中で4日間乾燥させた後、該試験片の底部のみが水に浸るようにした装置に試験片を置いて、初期の10分間に吸水する量を測定した。10分間の吸水量を試験片底部の面積当りに換算した数値を表2に示す。また、高炉スラグ微粉末量と吸水量との関係を図2に示す。吸水量は、高炉スラグ微粉末量が4質量%付近をピークにしてそれより少ない量でも多い量でも低下している。特に、30質量%を超えると、10分間吸水量が8リットル/m2を下回る程度にまで低下しており、高炉スラグ微粉末の量は4〜30質量%が必要である。
Figure 0004479330
(実施例2)
実施例1と同様の高炉スラグ微粉末、無機粉末、セメントを用いて、表3に示す配合にて試験片を作成して評価を行った。評価結果を表4に、試験片の無機粉末配合割合と強度及び吸水量との関係を図3並びに図4にそれぞれ示す。
Figure 0004479330
Figure 0004479330
図3より、無機粉末の配合割合が多くなるほど、試験片の強度は低下しており、70%質量%程度が上限であると考えられる。また、図4より、無機粉末の配合割合が少ない場合には、試験片の吸水量が低下するため、35質量%程度が下限であると考えられる。
(実施例3)
実施例1と同様の高炉スラグ微粉末、無機粉末、セメントを用いて、表5に示す配合にて試験片を作成して評価を行った。評価結果を表6に水/混合粉末比と強度及び吸水量との関係を図5並びに図6にそれぞれ示す。
Figure 0004479330
Figure 0004479330
図5並びに図6より、水/混合粉末比が大きくなるほど、試験片の強度が低下し、吸水量は増加する。しかしながら、水/混合粉末比が1.5と1.55では、吸水量の差は見られない。このことから、水/混合粉末比は、1.5(混合粉末100質量部に対して水150質量部)程度を上限とする。
(実施例4)
実施例1と同様の高炉スラグ微粉末、無機粉末、セメントを用いて、表7に示す配合にて試験片を作成して評価を行った。表7では、無機粉末に粒度の異なる炭酸カルシウムを使用した。評価結果を表8に、無機粉末中の5μmを超える粒子の割合と試験片を24時間水浸させた後の含水率との関係を図7に示す。
Figure 0004479330
Figure 0004479330
表8及び図7より明らかなように、無機粉末中の5μmを超える粒子割合は試験片の10分間の吸水量にはあまり影響しないが、含水率には影響し、5μmを超える粒子割合が50質量%を超えると、含水率が少なくなり、試験片全体での吸水量が低下する。
(実施例5)
混練と養生とを10℃の屋外で実施し(同時に凝結試験を実施)、屋外養生3日で脱枠したものを、その後に行う各種評価試験用サンプル(試験片)とした以外は、実施例1と同様の高炉スラグ微粉末、無機粉末、セメントを用いて表9に示す配合にて試験片を作成し、それぞれの評価を行った。表9では、アルカリ刺激剤を含むセメント(速硬セメント)を一定量とし、アルミナセメントの量を変化させ、残部は高炉スラグ微粉未と無機粉末とを高炉スラグ微粉末/無機粉未比が一定となるよう配合した。なお、凝結始発時間はJIS R 5201に規定される方法で測定した。評価結果を図10に、アルミナセメント量と凝結始発時間、強度、吸水量との関係をそれぞれ図8、図9、図10に示す。
Figure 0004479330
Figure 0004479330
表9及び表10、図9、図10に見られるように、セメント量を水硬材中の26〜60質量%としておくことで、10分間吸水量8リットル/m2以上、圧縮強度1N/mm2以上の短時間での吸水及び強度に問題のない保水性固化体用水硬材を得ることができる。また、ここで、セメントの一部としてアルミナセメントを使用すると、図8に示すように、10℃といった低温の条件においても、凝結始発時間を短縮させることができるため、寒冷地の道路舗装等において、工事時間の短縮が求められる場合には有利である。ただし、アルミナセメントの量を水硬材全体の15質量%を超えて添加しても、凝結始発時間は大きな変化がなく、その反面、圧縮強度はアルミナセメント量の増加に伴い低下する傾向があるので、アルミナセメント量は15質量%以下とするのが好適である。
試験片の高炉スラグ微粉末配合割合と圧縮強度との関係を示す図である。 試験片の高炉スラグ微粉末配合割合と10分間吸水量との関係を示す図である。 試験片の無機粉末配合割合と圧縮強度との関係を示す図である。 試験片の無機粉末配合割合と10分間吸水量との関係を示す図である。 試験片の水/混合粉末の比と圧縮強度との関係を示す図である。 試験片の水/混合粉末の比と10分間吸水量との関係を示す図である。 試験片の無機粉末の5μmを超える粒子の配合割合と24時間水浸させた後の吸水量との関係を示す図である。 試験片中のアルミナセメント量と10℃での凝結始発時間との関係を示す図である。 試験片中のアルミナセメント量と圧縮強度との関係を示す図である。 試験片中のアルミナセメント量と10分間吸水量との関係を示す図である。

Claims (6)

  1. 高炉スラグ微粉末が4〜30質量%、無機粉末が35〜70質量%、アルカリ刺激剤を含むセメントが2〜60質量%とからなり、前記無機粉末は5μmを超える粒子が該無機粉末中の50質量%未満であることを特徴とする保水性固化体用水硬材。
  2. 前記無機粉末が、炭酸カルシウムであることを特徴とする請求項1記載の保水性固化体用水硬材。
  3. 前記アルカリ刺激剤を含むセメントが、速硬セメント、又は速硬セメントとアルミナセメントとの混合物からなることを特徴とする請求項1又は2記載の保水性固化体用水硬材。
  4. 前記アルカリ刺激剤が、消石灰であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の保水性固化体用水硬材。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の保水性固化体用水硬材の100質量部に、水を外掛けで60〜150質量部添加して混練、スラリー化したものを固化してなることを特徴とする保水性固化体。
  6. 前記混練、スラリー化したものを、多孔性材料の空隙に注入して固化してなることを特徴とする請求項5記載の保水性固化体。
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