JP2007331769A - 注出具 - Google Patents

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Abstract

【課題】プルリングを保持している支柱が切れるという問題が有効に解消され、無端状スコアの引き裂きによる内容物注出用開口の形成を確実に行うことが可能な注出具を提供する。
【解決手段】シール壁5に、注出開口形成用の無端状スコア11が形成されており且つシール壁5の上面には、無端状スコア11によって取り囲まれ且つ無端状スコア11の近傍に位置する領域に支柱15が設けられ、支柱15の上端部にプルリング13が形成されている容器口部装着用の注出具において、シール壁5には、その下面から支柱15の内部にまで延びている肉抜き部37が設けられていることを特徴とする。
【選択図】図5

Description

本発明は、容器口部装着用の注出具に関するものであり、より詳細には、注出開口形成用の無端状スコアが形成されたシール壁を備えており、該シール壁の上面には、無端状スコアによって取り囲まれる領域に支柱が設けられ、該支柱の上端部にプルリングが形成されている構造を有しており、容器口部に装着されて使用される注出具に関する。
調味料用の容器などには、多くの場合、容器内容物を注出するための注出具が、容器の口部に嵌合固定され、或いは紙容器の口部に接着固定されている。このような注出具は、容器の口部を閉じるように機能するシール壁を備えており、一般に、このシール壁には、注出用開口形成用の無端状のスコアが形成されており、シール壁の上面には、この無端状スコアで取り囲まれた領域に支柱が設けられており、この支柱の上端部にプルリングが形成されている。即ち、容器口部に注出具が装着されている状態において、プルリングを引っ張り上げることにより、無端状スコアが引き裂かれ、シール壁に内容物注出用開口が形成され、この開口を介して容器内容物の注出が行われることとなる。
例えば、特許文献1には、このような注出具に上蓋がヒンジ連結された複合容器蓋が示されており、特許文献2には、このような注出具に上蓋が螺子係合された容器蓋が示されている。即ち、これらの容器蓋においては、注出具は、容器口部に嵌合固定されるキャップ本体として使用されている。
特許第3302169号 特許第3535225号
しかるに、プルリングを引っ張り上げて無端状スコアを引き裂くことにより内容物注出用開口を形成する注出具においては、プルリングを引っ張り上げるときに、プルリングを保持している支柱が切れてしまうという不都合を生じることがあり、その改善が求められている。即ち、このような支柱切れが発生すると、無端状スコアの引き裂きが困難となってしまい、内容物注出用開口を形成することができなくなってしまうからである。
従って、本発明の目的は、プルリングを保持している支柱が切れるという問題が有効に解消され、無端状スコアの引き裂きによる内容物注出用開口の形成を確実に行うことが可能な注出具を提供することにある。
本発明によれば、シール壁に、注出開口形成用の無端状スコアが形成されており且つ該シール壁の上面には、該無端状スコアによって取り囲まれ且つ該無端状スコアの近傍に位置する領域に支柱が設けられ、該支柱の上端部にプルリングが形成され、さらに該無端状スコアの外周側に注出部材が設けられている構造を有している容器口部装着用の注出具において、
前記シール壁には、その下面から前記支柱の内部にまで延びている肉抜き部が設けられていることを特徴とする注出具が提供される。
本発明の注出具においては、
(1)前記シール壁の下面もしくは上面には、前記無端状スコアによって取り囲まれる領域において、少なくとも前記肉抜き部の位置から前記肉抜き部よりもキャップ中心側部分に亘って、補強リブが形成されていること、
(2)前記シール壁の周縁から降下した筒状側壁を有しており、該シール壁と筒状側壁との境界部分に上蓋がヒンジ連結されており、容器蓋として使用されること、
が好適である。
プルリングを備えた注出具においては、シール壁の上面であって且つ内容物注出用開口を形成するための無端状スコアによって取り囲まれる領域内に、プルリングを支持している支柱が設けられ、この支柱の付け根部は、無端状スコアに近接する部分に位置している。即ち、プルリングを引っ張り上げることにより、この支柱を介して無端状スコアが引き裂かれて内容物注出用の開口が形成されるものである。しかるに、本発明の注出具では、シール壁には、その下面から前記支柱の内部にまで延びている肉抜き部(即ち、穴)が形成されており、かかる穴の形成により、支柱切れが有効に防止され、プルリングの引っ張りによる無端状スコアの引き裂きを確実に行い、内容物注出用開口を形成することが可能となるものである。
本発明において、上記のような肉抜き部の形成によって支柱切れの問題を回避できるのは、次のような原理に基づくものである。
図1を参照されたい。図1は、従来公知の注出具における無端状スコア及びこのスコアに近接して設けられている支柱の付け根部分を拡大して示す図であり、無端状スコアは11で示され、プルリングを保持している支柱は15で示され、シール壁は5で示されている。即ち、支柱切れを生じるような注出具では、支柱15の付け根部分に、スコア11の部分から内方(注出具中心側)に向かって延びている断層Qが形成されており、このような断層Qの存在によって、プルリングによって支柱15を引っ張り上げると支柱切れを生じてしまい、無端状スコア11の引き裂きを行うことが困難となってしまうのである。
上記のような断層Qの形成は、注出具の成形方法に起因するものと考えられる。即ち、注出具は、プラスチックの射出成形により成形されるものであり、成形金型によって形成されている注出具形状を有する空間内に溶融樹脂を射出して充填し、冷却して保形後、離型することにより成形される。このような射出成形においては、溶融樹脂が射出される射出ゲートは、注出具の中心部分(シール壁5の中心部分)に位置しており、この中心部分から樹脂が成形金型の空間に高圧で射出される。この場合、成形金型の空間内が樹脂でほぼ埋め尽くされた段階で、さらに通常の射出圧の3割から7割の圧力で溶融樹脂を押し込み、これにより、冷却による収縮などによる形状変化が補足され、成形金型による設計通りの形状を有する注出具が成形される。最後に溶融樹脂を押圧する工程は、保圧工程と呼ばれている。
ところで、上記のようにして射出成形を行う場合、無端状スコア11に近接して位置している支柱15の付け根部分はかなり厚肉となっているため、最後の保圧工程においては、金型に接触している表面部分は固化しているとしても、内部は溶融状態にあり、流動性を有している状態にある。しかも、無端状スコア11を形成する部分では、金型空間は著しく狭くなっており、保圧工程では、特にこの部分に圧力が集中し、溶融樹脂が流し込まれる。このため、支柱15の付け根部分の中央部分に存在している溶融状態にある樹脂が、保圧工程で更に押し流されて表面部分とずれを生じてしまい、この結果として、前述した断層Qが形成されてしまうものと考えられる。
しかるに、本発明の注出具では、シール壁5の下面から支柱15の内部にまで延びている肉抜き部が形成されているため、射出成形時においては、この肉抜き部に対応する金型が存在する。従って、保圧工程において、支柱15の付け根部分は、他の部分との冷却差がほとんどなくなり、しかも支柱15の付け根部分には、肉抜き部を形成する型の上端部分から溶融樹脂が回りこんで流れ込むため、射出ゲートからの溶融樹脂の移動距離が遠くなり、この近傍でのスコア11への圧力がかかりにくくなる。従って、支柱15近傍でのスコア11への流動が集中せず、溶融樹脂のずれなどによる断層Qの形成が有効に防止されるのである。
このようにして本発明では、断層Qに起因する支柱切れを確実に防止することが可能となる。
また、本発明においては、上記のような肉抜き部がシール壁の下面から支柱の内部にまで延びているため、シール壁の下面もしくは上面に、前記無端状スコアによって取り囲まれる領域において、少なくとも前記肉抜き部の位置から前記肉抜き部よりもキャップ中心側部分に亘って、補強リブが形成されていることが好ましい。即ち、肉抜き部の形成により、支柱の強度が低下するが、このような補強リブの形成により、強度低下を補強し、プルリングを引っ張ったとき(スコアの引き裂きのためには、プルリングは、支柱の付け根からキャップ中心側に向かう方向に引っ張られる)、支柱切れを確実に防止することができる。
本発明を、以下、添付図面に示す具体例に基づいて詳細に説明する。
図2は、本発明の注出具を備えた容器蓋の上蓋開放状態での側断面図であり、
図3は、図2の容器蓋の上面図であり、
図4は、図2の容器蓋の下面図であり、
図5は、図2の容器蓋に使用されている注出具の要部を示す部分拡大側断面図であり、
図6は、紙容器の口部に使用される本発明の注出具の側断面図であり、
図7は、図6の注出具の上面図であり、
図8は、図6の注出具の下面図である。
本発明の注出具は、その使用形態に応じて種々の構造を有することができ、例えば、例えば各種の飲料や酢などの調味料用のボトルなどの容器の口部には、上蓋と組み合わせて容器蓋として使用される。図2乃至図5には、このような容器蓋の一例の構造が示されている。
図2乃至図4を参照して、この容器蓋は、全体として1で示す本発明の注出具(容器蓋本体を構成している)と、この注出具1にヒンジ連結された上蓋3とからなっている。
この注出具1は、容器蓋本体として機能するものであり、シール壁5を備えており、シール壁5の周縁部からは、筒状側壁7が降下して延びている。この筒状側壁7の下方部分の内面には、容器口部(図示せず)の外面に係合する係合突起9が環状に形成されており、この係合突起には、小間隔で周方向に適当な間隔をおいて複数の切欠き9aが形成されている。
シール壁5の内面には、筒状側壁7の内面とは間隔を置いて下方に延びているインナーリング10が形成されている。即ち、このインナーリング10と筒状側壁7との間の空間に容器口部壁(図示せず)の上端が嵌め込まれ、且つ容器口部壁の外面が前記係合突起9と係合することにより、この注出具1は、容器口部壁にがっちりと固定され、シール壁5によって容器口部が閉じられるとともに、インナーリング10の外面が容器口部壁の内面と密着することによってシール性が確保される。
また、シール壁5には、インナーリング10によって囲まれた領域に、注出用開口を形成するためのスコア11が無端状に形成されており、シール壁5の上面側には、スコア破断用のプルリング13が、スコア11に取り囲まれた領域に位置している支柱15を介して設けられている。即ち、この支柱15は、その付け根部が、図2から理解されるように、無端状スコア11に近接しており、プルリング13を引っ張ることにより、無端状スコア11が引き裂かれ、内容物を注ぎ出すための開口がシール壁5に形成されるようになっている。
尚、無端状スコア11に取り囲まれた領域は、内容物注出用開口に相当するため、この領域は、可及的に大面積であることが好適であり、このような観点からは、無端状スコア11は、円形に形成されていることが好適となる。しかしながら、無端状スコア11を円形に形成すると、プルリング13を引っ張ってのスコア11の引き裂き性が低下するおそれがあるため、図3に示されているように、支柱15が形成されている部分及びその反対側の部分において、無端状スコア11の間の幅が狭くなるような形状に、無端状スコア11を形成することが好ましい。このような形状とすることにより、プルリング13を引っ張ってのスコア11の引き裂きを容易に行うことができる。
尚、シール壁5の中心部O(即ち、無端状スコア11で取り囲まれる領域の中心)は、射出成形に際して射出ゲートが位置する部分であるため、図2及び図3に示されているように、円形状の凹部となっており、射出ゲートの痕跡が目立たなくなるように考慮されている。また、無端状スコア11で取り囲まれる領域において、シール壁5の上面には、一般に、プルリング13の引っ張り方向を示す矢印形状の突部16が形成されている。
また、シール壁5の上面には、上記の無端状スコア11を取り囲むようにして、注出液案内用の注出筒17(注出部材)が形成されている。即ち、無端状スコア11を引き裂くことにより形成された注出用開口を介して容器内容液の注ぎ出しが行われるが、注ぎ出された内容液は、この注出筒17によって案内され、外部に排出される。従って、この注出筒17の上端は、ラッパ状に広がって液の排出をスムーズに行い得るようになっている。また、図2から明らかなように、注出筒17の上蓋3との連結側は、背が低くなっており、上蓋3の閉栓を阻害しないように考慮されている。
さらに、シール壁5の注出筒17の外側には、上蓋3を保持するための周状突起19が形成されている。
上記の上蓋3は、ヒンジバンド20によって注出具1の筒状側壁7の上端部分にヒンジ連結されており、通常、このヒンジバンド20の周方向両端部分には、それぞれ補助バンド21が設けられており、この補助バンド21によっても上蓋3は、筒状側壁7にヒンジ連結されている。即ち、ヒンジ連結部は、ヒンジバンド20と一対の補助バンド21,21とからなっており、補助バンド21は、ヒンジバンド20よりも若干下方に位置している。このような補助バンド21により、上蓋3を開放したときにテンションが加わり、一定の開栓状態が安定に保持されるようになっている。
かかる上蓋3は、天板22と、天板22の周縁から延びているスカート部23とから形成されており、スカート部23の外面の下端部分は、前述したヒンジバンド20及び補助バンド21によって注出具1の筒状側壁7にヒンジ連結されている。
天板22の内面には、シールリング25が設けられており、上蓋3を旋回して閉じたとき、このシールリング25が注出筒17の内面に密着することにより、無端状スコア11を引き裂いて注出用開口を形成した後のシール性が確保される。
また、上蓋3のスカート部23の下方部分(図2において上方部分)の内面には、凹部27が設けられており、上蓋3を閉じたとき、この凹部27が注出具1の周状突起19と係合することにより、上蓋3がしっかりと保持され、閉栓状態が安定に保たれるようになっている。
さらに、上蓋3のスカート部23の下端部分の外面には、ヒンジ連結部とは反対側部分に、開封用鍔29が設けられている。この開封用鍔29の下面には、滑り止め用の偏平状突部30(特に図2及び図3参照)が形成されている。この開封用鍔29を指で引っ掛けて上蓋3を上方に持ち上げることにより上蓋3の開封を容易に行うことができる。
一方、図2及び図3に示されているように、筒状側壁7はその肉厚の中間部において、下方から上方に延びる環状のスリット31が形成されており、このスリット31により、筒状側壁7は、内側部分7aと外側部分7bとに区画されている。この内側部分7aと外側部分7bとは上部において破断可能な複数のリブ35と連結部36とにより連結されている。特に図2から理解されるように、筒状側壁7の外側部分7b(上蓋3がヒンジ連結されている側)は、内側部分7a(係合突起9が設けられている側)よりも下方に延びている。
上記のスリット31とリブ35により形成される破断可能な領域Aは、図3に示されているように、上蓋3とのヒンジ連結部の一方側の端部(一方の補助バンド21が設けられている部分)を起点とし、ヒンジ連結部の他方側端部(他方の補助バンド21が設けられている部分)を通って弧状に延びており、この例では、筒状側壁7の約6/8周の長さにわたって延びている。この破断可能な領域Aは、以下に説明するように、分別廃棄性を確保するために形成されているものであり、従って、筒状側壁7の全周にわたって環状に形成されていてもよいが、通常は、少なくとも半周以上の長さにわたって形成されていれば適度な分別廃棄性を確保することができる。
また、上記破断可能な領域Aの起点となるヒンジ連結部の一方側端部においては、筒状側壁7の外側部分7bに、上端から下端まで縦スコア33が形成されている。即ち、容器口部に注出具1が嵌合固定されている状態において、上蓋3を開放し、この上蓋3を手で持って引っ張り降ろして縦スコア33を引き裂き、次いで、周方向に捲ってリブ35を引き裂いていくことにより、筒状側壁7の外側部分7bを連結部36の手前まで引き剥がし、これにより、筒状側壁7と容器口部との係合力が低下し、更に上蓋を上方に持ち上げることにより、上蓋3と共に注出具1を容器口部から取り除くことができる。
上述した構造を有する容器蓋に使用されている本発明の注出具1の要部を拡大して示す図5を参照して、本発明においては、プルリング13を保持している支柱15が形成されている領域において、シール壁5の下面から肉抜き部(穴)37が支柱15の内部に延びている。即ち、この肉抜き部37の上端は、シール壁5の上面5aよりも高い位置まで延びている。このような肉抜き部37を形成することにより、プルリング13を引っ張り上げて無端状スコア11を引き裂く際の支柱切れ(支柱15の破断)を有効に防止することができるのである。
即ち、上記のような肉抜き部37が形成されていないときには、この容器蓋を射出成形によって成形したとき、特に最後の保圧工程での高圧での射出により、図1に示されているような断層Qが無端状スコア11に近接している支柱15の付け根部分に形成されてしまい、この結果、プルリング13を引っ張ると、直ちに支柱切れが発生し、無端状スコア11の引き裂きを行うことが困難となり、注出用開口を形成することができなくなってしまうことがある。
しかるに、本発明においては、図5に示されているように、支柱15の内部には、シール壁5の下面から肉抜き部37が延びているため、射出成形時における保圧工程での断層Q(図1参照)の生成を有効に回避でき、このような断層Qに起因する支柱切れを防止し、無端状スコア11の引き裂きによる内容物注出用開口の形成を有効に行うことが可能となるのである。即ち、先にも説明したように、肉抜き部37を形成したときには、射出成形時の保圧工程において、無端状スコア11を形成する金型空間部への溶融樹脂の流れ込みが集中せず、また、該空間部への圧力の集中も緩和され、さらには、支柱15の内部での樹脂の冷却が迅速に進行するため、保圧工程時における支柱15の内部での樹脂の流動も抑制され、この結果として、断層Qの生成を有効に回避することができるのである。
本発明において、上記のような支柱15の内部にまで延びている肉抜き部37の大きさは、断層Qの生成抑止効果が十分に発揮し得るように設定されるべきであり、一般に、肉抜き部37の上端とシール壁5の上面との高低差hが0.5乃至3mm程度となるように設定するのがよい。この高低差hがあまり低いと、断層Qの生成抑止効果が不十分となり、また、必要以上に大きいと、支柱15自体の強度が大きく低下してしまい、この結果、断層Qが生成していないときにも支柱切れを生じてしまうおそれがある。また、肉抜き部37が形成されている部分での支柱15の厚みdは、最大部分でもシール壁5の厚みt以下とすることが好ましい。即ち、この厚みdがあまり厚いと、保圧工程時において、支柱5の内部の樹脂が溶融状態の形で存在しやすくなり、この結果、溶融樹脂の流動によって断層Qを生成しやくなってしまうからである。
また、本発明においては、支柱15の内部まで肉抜き部37が延びているため、支柱15の強度が低下し、この強度低下によって支柱切れを生じるおそれがある。このような強度低下による支柱切れを確実に防止するために、シール壁5の下面に補強リブ39が形成されている。この補強リブ39は、特に図4に示されているように、無端状スコア11によって取り囲まれる領域に存在しており、肉抜き部37のキャップ中心側部分を取り囲むように形成されており、この肉抜き部37が形成されている部分からシール壁5の中心部Oが位置している円形状の凸部まで棒状に延びている。このような補強用リブ39の形成により、肉抜き部37による強度低下を有効に回避し、例えばプルリング13をシール壁5の中心側に引っ張ったときの支柱切れを有効に回避することができるばかりか、また、プルリング13を任意の方向に引っ張ったときの支柱切れをも有効に回避することができる。
尚、上記のような補強用リブ39は、少なくとも肉抜き部37及び支柱15のキャップ中心側部分を取り囲むように形成されていればよく、必ずしもシール壁5の中心部Oまで延びている必要はない。また、図の例では、補強用リブ39は、シール壁5の下面に形成されているが、シール壁5の上面に設けることも可能である。
上述した本発明は、図2〜5の形態の容器蓋で使用される注出具に限定されるものではなく、内容物注出用開口を形成するための無端状スコア11が形成され、このスコア11を引き裂いての開口の形成を、支柱15を介して設けられているプルリング13の引っ張りにより行うタイプの注出具の全てに適用することができる。例えば、図2〜5の形態の容器蓋では、注出具1に上蓋3がヒンジ連結されているが、上蓋3が螺子締結により注出具1に着脱自在に装着されているタイプの容器蓋にも本発明を適用することができる。但し、前述した断層Qは、上蓋3がヒンジ連結されるタイプの容器蓋に最も頻繁に生成する傾向があるため(上蓋3が注出具1と一体に成形されるため、成形時に無端状スコア11を形成する部分を通過する樹脂量が多く、且つ射出圧力も高い)、このようなタイプの複合容器蓋に、本発明は最も効果的に適用される。
さらに、上述した容器蓋における注出具は、例えばボトルのような調味料容器の口部に嵌合固定されるが、紙容器の口部に接着固定される注出具にも本発明を適用することができる。図6〜図8には、このようなタイプの注出具を示した。(図6〜図8では、図1〜図5の注出具と同じ機能を有する部材は、同じ引照数字で示した。)
図6〜図8において、この注出具(全体として50で示す)も、シール壁5を備えており、このシール壁5には、無端状スコア11が形成されており、シール壁5の上面には、前述した注出具1と全く同様に、プルリング13を上端に保持している支柱15が無端状スコア11に近接して設けられている。即ち、プルリング13を引っ張ることにより、無端状スコア11の引き裂きが行われる。図7に示されているように、この無端状スコア11は円形形状を有しており、また、シール壁5の上面には、スコア11を引き裂くためのプルリング13の引っ張り方向を示す矢印16が形成されている。また、射出成形に際して射出ゲートが位置するシール壁5の中心部Oは、円形状の凹部となっている。
また、シール壁5の周縁部(即ち、無端状スコア11の外側)からは、無端状スコア11の引き裂きにより形成された開口から注ぎだされる容器内容液を案内するための注出筒17が上方に延びている。この注出筒17の外面には、上蓋(図示せず)を装着するための螺条51が形成されている。即ち、この注出具50では、図示されていない上蓋は、上記螺条51との螺子係合により、着脱自在に装着される。
上記の注出具50は、紙容器の口部に接着固定されるものであり、このために、シール壁5の周縁部からは、筒状の支持壁53が降下しており、この下端には、環状フランジ部55が外方に延びている。即ち、紙容器口部の周縁部に環状フランジ部55を圧着させて超音波やヒートシールにより、この注出具50を、紙容器の口部に溶着固定することが可能となっている。また、図6に示されているように、筒状支持壁53の下方部分には厚肉部57が形成されており、これにより、筒状支持壁53の強度が高められ、注出具50を紙容器の口部周縁に溶着する際にスコア11の破断等を防止し得るようになっている。
また、上記の厚肉部57の外周縁の上端には、適当な間隔で爪59が形成されており、この爪59と環状フランジ部55との間に紙容器口部の周縁部が溶着前の状態で仮に固定されている。さらに、厚肉部57の内面には、肉抜きによる切欠き部60が適当な間隔で複数個設けられている。このような切欠き部60の形成によって、樹脂の目付け量を低減させ、コストの低減や省資源化を図ることができる。
本発明においては、上記の注出具50にも、図2〜図5の複合容器蓋に使用されている注出具1と全く同様に、シール壁5の下面から支柱15の内部にまで延びている肉抜き部37が設けられており、これにより、射出成形に際しての保圧工程での断層Qの発生を有効に回避し、支柱切れを防止し、スコア11の引き裂きによる注出用開口の形成を有効に行い得るようになっている。また、シール壁5の下面には、肉抜き部37及び支柱15のキャップ中心側部分を取り囲むように補強用リブ39が形成されており、この補強用リブ39の形成により、支柱15の強度が高められ、強度低下による支柱切れを有効に回避することができる。
上述した図1〜図8に示す構造を有する本発明の注出具は、各プラスチックを用いての射出成形により製造することができ、射出成形時の保圧工程における支柱15の付け根部分での断層Qの発生を回避できる。
本発明の注出具に形成される肉抜き部の機能を説明するための図。 本発明の注出具を備えた複合容器蓋の上蓋開放状態での側断面図。 図2の容器蓋の上面図。 図2の容器蓋の下面図。 図2の容器蓋に使用されている注出具の要部を示す部分拡大側断面図。 紙容器の口部に使用される本発明の注出具の側断面図。 図6の注出具の上面図。 図6の注出具の下面図。
符号の説明
1,50:注出具
3:上蓋
11:無端状スコア
13:プルリング
15:支柱
37:肉抜き部
39:補強用リブ
Q:断層

Claims (3)

  1. シール壁に、注出開口形成用の無端状スコアが形成されており且つ該シール壁の上面には、該無端状スコアによって取り囲まれ且つ該無端状スコアの近傍に位置する領域に支柱が設けられ、該支柱の上端部にプルリングが形成され、さらに該無端状スコアの外周側に注出部材が設けられている構造を有している容器口部装着用の注出具において、
    前記シール壁には、その下面から前記支柱の内部にまで延びている肉抜き部が設けられていることを特徴とする注出具。
  2. 前記シール壁の下面もしくは上面には、前記無端状スコアによって取り囲まれる領域において、少なくとも前記肉抜き部の位置から前記肉抜き部よりもキャップ中心側部分に亘って、補強リブが形成されている請求項1に記載の注出具。
  3. 前記シール壁の周縁から降下した筒状側壁を有しており、該シール壁と筒状側壁との境界部分に上蓋がヒンジ連結されており、容器蓋として使用される請求項1または2に記載の注出具。
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