JP6052772B2 - 分別廃棄用ヒンジキャップ - Google Patents
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Description
容器口部1の外周には、図1に示されるように、先端付近から傾斜面2と傾斜面2に続く垂直面3とからなる嵌合突条4が設けられ、該嵌合突条4はキャップ基体Aの嵌合部11に嵌着される。
係合リング14は、上部に係止突条15を外周方向に突設し、上端は平坦面に形成されている。
注出筒17の内周面には、打栓時にキャップ内の空気を逃がすエアー抜き凹部19が、ヒンジCから円周角で90°の方向に2箇所、対向して設けられている。また、外筒12の上端にも、閉蓋時に空気の流通路となるエアー抜き溝20が周方向3箇所に設けられている。
これらエアー抜き凹部19、エアー抜き溝20の数や周方向位置は適宜決定できる。
プルリング23は、ヒンジC側で除去部21と支柱24で連結し、ヒンジCと反対側には下部に薄肉の指当て片25が設けられた把持部が形成されている。
また、除去部21の支柱24と反対側の端部付近には、上面にリブ26が設けられ厚肉部が形成されている。
外筒12の内周面には、容器口部1の嵌合突条4の傾斜面2に対応する嵌合傾斜面30、垂直面3に対応する嵌合垂直面31、その下方に設けられ、嵌合突条4の下部に係合する膨出環32が形成されている。
ヒンジキャップは、嵌合突条4と膨出環32の係合によって容器口部1に保持されるとともに、容器口部1は、内筒13と嵌合傾斜面30とによって強く挟持され、確実にシールされる。
外周切り込み部35は下端に薄肉壁を残して上方から切り込まれており、ヒンジC側にほぼ径方向に形成されたヒンジ側端面37と、ヒンジCと反対側で外周に向け広がるように傾斜した終端面38と、わずかに周方向に幅を持つ外周切り込み底部39とからなる平面視略V字状の凹部を形成する。
外周切り込み部35のヒンジC側では、ヒンジ側端面37の内周側の縦薄肉部40を隔てた起点から円周方向に延びるように、スリット溝41が上方から穿設され、ヒンジCの反対側では、スリット溝41がなく係合リング14と外筒12が一体に連結している終端連結部42が終端面38から周方向に延びている。
スリット溝41は、縦薄肉部40に接する前記起点から一定の範囲で径方向に開口を広げていき、係合リング14の基部から外筒12の上部内周側にかけて一定の開口幅となって、所定円周角の円弧範囲にわたって周方向に延びている。
スリット溝41の底面43は、外筒12の内周面の嵌合傾斜面30と垂直面31とが交わる環状凹部44と高さ位置が一致するように形成され、スリット溝41の底面43と環状凹部44との間の薄肉部が連結部45となっている。
係合リング14と外筒12の間に薄肉の連結部45ができても、係合リング14の基部の嵌合傾斜面30とスリット溝41の内周壁46との間には、全周にわたって厚肉の部分が残されているので、嵌合傾斜面30による容器口部1の傾斜面2への圧接力が低下することはないから、縦方向引き裂きラインおよび周方向引き裂きラインを設けたことによってシール性が低下することはない。
本実施例では、終端連結部42から比較的離れた定常連結部45cの範囲に2箇所設けられているが、水抜き孔47の数、配置については適宜決定できる。
水抜き孔47は、定常連結部45cの下部を含んで穿設され、外筒12の内周面に縦方向に凹設された水抜き溝48と連通している。
スリット溝41の底面43は、外筒12の下端からの高さhが、図4(b)に示すように、水抜き孔47が設けられた断面O−A、O−C部位でh1と最も低くなり、他の部位がh1より高くなるように周方向にわずかな傾斜が設けられている。好ましくは、水抜き孔47が設けられた断面O−A、O−C部位間の周方向の底面高さは、その中央付近の断面O−Q部位が最も高く(h2)なるようにするとよい。
密封筒52は、下端の注出筒17とのシール部位が、閉蓋時にエアー抜き凹部19に達しない高さに設定されている。
頂壁50の裏面には、密封筒52よりも内周側に環状溝が設けられ、内圧吸収薄肉部53が形成されている。
環状係合部54の上部の嵌合凹部55には、打栓時に係合リング14の上端平面部と当接する嵌合上面56が設けられ、嵌合上面56には、打栓時にキャップ内の空気を逃がすためのエアー抜き溝57がヒンジCから円周角で90°方向に2箇所設けられている。当該エアー抜き溝57の数と配置も適宜決定できる。
つまみ58より上方の側周壁51には、所定円周角αにわたって肉抜き凹部59が形成され、開蓋時に変形して係止突条15と環状係合部53との係合を解除しやすくなっている。
本実施例では、αは150°に設定されているが、これに限定されない。
次に、本実施例の使用態様と作用効果について説明する。
打栓時に、外周切り込み部35は、容器本体に対してキャップを位置決めする機能をも有し、容器本体の向きに合わせて外周切り込み部35の凹部に治具等をあてがってキャップを位置決めし打栓することができる。
この際、高温の内容物とシャワー水によってキャップ内の温度が変化し、キャップ内圧も変化するが、本発明の分別廃棄用ヒンジキャップは、キャップ内圧の変化に対応するため次のような構造を備えている。
打栓時に上蓋Bの上方から押圧力が加えられると、上蓋Bの嵌合上面56がキャップ基体Aの係合リング14の上端平面部に当接し、さらに押圧力によって上蓋Bが若干変形しつつ下降するが、このとき密封筒52が下降することによって密封筒52と注出筒17の内周面とのシール面も下降し、エアー抜き凹部19にかかるようになるとシールが解除されて密封筒52内外が連通する。
このため、高温充填物による熱が打栓終了後のキャップを暖めても、キャップ内圧はそれほど高くなることはなく、キャップが不用意に開蓋することを防ぐことができる。
また、上蓋Bには、頂壁50に環状の内圧吸収薄肉部53が設けられているので、高温充填物によってキャップ内圧がさらに高まると、内圧吸収薄肉部53によって頂壁50が膨らむように変形してキャップ内圧の上昇を抑制するので、キャップの不用意な開蓋を確実に防止することができる。
本実施例の分別廃棄用ヒンジキャップでは、キャップ内に侵入したシャワー水がスリット溝41に流入しても、スリット溝41の底面43には水抜き孔47に向けて周方向に下り勾配の傾斜が設けられているので、流入したシャワー水は、底面43を水抜き孔47に向かって流下し、水抜き孔47から連通する水抜き溝48を通ってキャップ下端から流出していく。
この際、エアー抜き溝20は、シャワー水が水抜き孔47から流出しやすいように外気を導入する役割も果たす。
このとき、プルリング23には、ヒンジCの反対側に指当て片25を下部に設けた把持部が形成されているので、開封時に指先が痛くなるようなことがない。
また、除去部21のヒンジCと反対側、すなわちプルリング23の支柱24との連結部と反対側の上面にはリブ26を設けた厚肉部が形成されているので、除去部21を隔壁18から切り離す際に破断部が延びるようなことがなく、容易に切り取ることができるとともに破断面における材料の延びによる「ひげ」の発生を防ぐことができる。
まず本発明のヒンジキャップを開蓋して上蓋Bを把持し外方に引っ張ると、外筒12のヒンジCとの連設部位が引っ張られて変形し、外周切り込み部35,内周切り込み部36によって形成された縦方向引き裂きラインに沿って外筒12が縦方向に引き裂かれていくとともに、周方向引き裂きラインを形成する弱化連結部45aが破断を始める。
弱化連結部45aは極薄肉に、または切れ目が入れられて形成されているので、縦方向引き裂きラインから周方向引き裂きラインへと破断方向が変化しても、スムーズに破断を進めることができる。
そして、弱化連結部45aの終端までは容易に破断が進行して、上蓋Bはキャップ基体Aから大きく離れ、さらに移行連結部45bで引き裂き力を増大させながら定常連結部45cに至ると一定の引き裂き力で破断が進行していく(図6参照)。
上蓋Bがキャップ基体Aから大きく離れると、上蓋Bを引っ張る力が入れやすくなるため、移行連結部45bから引き裂き力が増大しても容易に破断することができる。
本発明は、水抜き孔47を連結部45cを含む底面43に設け、外筒12の内周面に設けた水抜き溝48に連通してキャップ下端に貫通させるものである。
B 上蓋
C ヒンジ
1 容器口部
2 傾斜面
3 垂直面
4 嵌合突条
11 嵌合部
12 外筒
13 内筒
14 係合リング
15 係止突条
16 リング状底壁
17 注出筒
18 隔壁
19 エアー抜き凹部
20 エアー抜き溝
21 除去部
22 弱化部
23 プルリング
24 支柱
25 指当て片
26 リブ
30 嵌合傾斜面
31 嵌合垂直面
32 膨出環
35 外周切り込み部
36 内周切り込み部
37 ヒンジ側端面
38 終端面
39 外周切り込み底部
40 縦薄肉部
41 スリット溝
42 終端連結部
43 底面
44 環状凹部
45 連結部
45a 弱化連結部
45b 移行連結部
45c 定常連結部
46 内周壁
47 水抜き孔
48 水抜き溝
50 頂壁
51 側周壁
52 密封筒
53 内圧吸収薄肉部
54 環状係合部
55 嵌合凹部
56 嵌合上面
57 エアー抜き溝
58 つまみ
59 肉抜き凹部
Claims (2)
- 容器口部に装着されるキャップ基体と、キャップ基体とヒンジによって開閉可能に連結された上蓋とからなるヒンジキャップにおいて、
キャップ基体には、容器口部との嵌合部をはさんで垂設された外筒および内筒と、外筒と内筒とに連設するとともに上蓋との係合部を上部に有する係合リングとを備える嵌合筒部を設け、
ヒンジに連設する外筒には、ヒンジの近傍に縦方向に切り込み部が設けられた1つの縦方向引き裂きラインが設けられ、
外筒と係合リングの間には、縦方向引き裂きラインから所定円周角の円弧範囲にわたって上方に開口を有するスリット溝が設けられ、
スリット溝の底面には、外筒と係合リングを連結する薄肉の連結部からなる周方向引き裂きラインが、縦方向引き裂きラインに接続して設けられているとともに、下方に貫通する水抜き孔が少なくとも1箇所に設けられ、
水抜き孔は、外筒の内周面に縦方向に凹設され、キャップ下端に貫通する水抜き溝と連通していることを特徴とする分別廃棄用ヒンジキャップ。 - スリット溝の底面の高さは、水抜き孔が設けられた部位が他の部位よりも低くなるように周方向にわずかな傾斜が設けられていることを特徴とする請求項1記載の分別廃棄用ヒンジキャップ。
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