以下、本発明を遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下「パチンコ機」と示す)に具体化した一実施形態を図1〜図7に基づいて説明する。
図1には、パチンコ機10の機表側が略示されており、機体の外郭をなす外枠11の開口前面側には、各種の遊技用構成部材をセットする縦長方形の中枠12が開閉及び着脱自在に組み付けられている。中枠12の前面側には、機内部に配置された遊技盤13を保護するための保護ガラスが装着されるガラス枠を備えた前枠14と、上球皿15がそれぞれ横開き状態で開閉可能に組み付けられている。前枠14の前面側及び遊技盤13の遊技領域13aには、発光体(LED、ランプなど)の発光(点灯(点滅))により、発光演出を実行する装飾ランプ16が設けられている。外枠11の下部には、各種音声を出力し、音声出力に基づく遊技演出を行うスピーカ17が配置されている。中枠12の下部には、下球皿18及び発射装置19が装着されている。そして、遊技者が発射装置19を操作して、該発射装置19を駆動させることにより、上球皿15内の遊技球が遊技盤13の遊技領域13aへ発射されるようになっている。
遊技盤13の遊技領域13aの略中央には、7セグメント型の表示手段としての特図表示器H1と、液晶ディスプレイ型の表示手段としての可変表示器H2を備えたセンター役物20が配設されている。図2に示すように、特図表示器H1はセンター役物20の上部に設けられているとともに、可変表示器H2はセンター役物20の中央に設けられている。各表示器H1,H2では、変動画像(又は画像表示)に基づく表示演出が行われるとともに、該表示演出に関連して複数種類の図柄を変動させて表示する図柄変動ゲームが行われる。そして、図柄変動ゲームにおいて特図表示器H1では、複数種類の特別図柄(以下、「特図」と示す)を1列で変動させて特図を表示する。一方、図柄変動ゲームにおいて可変表示器H2では、複数種類の飾り図柄(以下、「飾図」と示す)を複数列(本実施形態では3列)で変動させて各列毎に飾図を表示する。なお、特図表示器H1と可変表示器H2は、図柄変動ゲームの開始により同時に図柄の変動表示が開始し、該ゲームの終了により同時に図柄が停止表示される。「変動表示」とは、図柄を表示する表示器に定める表示領域内において表示される図柄の種類が変化している状態であり、「停止表示」とは、前記表示領域内において図柄が停止している状態である。なお、特図は、大当りか否かなどの内部抽選の結果を示す報知用の図柄である。飾図は、表示演出を多様化するために用いられる演出用の図柄である。
本実施形態において特図表示器H1には、[0]、[1]、[2]、[3]の4種類の数字と、[−]の図柄が特図として表示されるようになっている。特図表示器H1に最終的に表示(確定表示)された図柄が[0]〜[3]の数字の場合、その図柄から大当り及び小当りを認識できる。この大当り及び小当りを認識できる図柄が、特図による大当りの図柄及び小当りの図柄となる。一方、特図表示器H1に確定表示された図柄が[−]の場合、その図柄からはずれを認識できる。このはずれを認識できる図柄が、特図によるはずれの図柄となる。
本実施形態において可変表示器H2には、各列毎に[1]、[2]、[3]、[4]、[5]、[6]、[7]、[8]の8種類の数字が飾図として表示されるようになっている。そして、本実施形態では、3列の飾図を同一種類の飾図で形成した図柄組み合わせを、内部抽選で大当りを決定した場合に可変表示器H2に停止表示させる飾図の大当り図柄としている。例えば、飾図の大当り図柄は、[111]や[222]などである。一方、本実施形態では、3列の飾図が同一種類とせずに形成した図柄組み合わせを、内部抽選ではずれを決定した場合に可変表示器H2に停止表示させる飾図のはずれ図柄としている。3列の飾図が同一種類とならない場合には、3列の飾図の全てが異なる場合や2列の飾図が同一種類で1列の飾図の種類が異なる場合が含まれる。例えば、飾図のはずれ図柄は、[123]、[115]、[232]、[344]などである。そして、可変表示器H2における各列には、図柄変動ゲームが開始すると、予め定めた変動方向(縦スクロール方向)に沿って飾図が変動表示されるようになっている。
そして、本実施形態において特図表示器H1は、可変表示器H2に比較して小さい表示領域で構成されるとともに、特図は飾図に比較して遥かに小さく表示されるようになっている。このため、遊技者は、可変表示器H2に停止表示された図柄組み合わせから大当り又ははずれを認識できる。可変表示器H2に停止表示された全列の図柄が同一種類の場合には、その図柄組み合わせ([222][777]など)から大当りを認識できる。この大当りを認識できる図柄組み合わせが飾図による大当りの図柄組み合わせ(大当り図柄)となる。大当り図柄が停止表示されると、遊技者には、図柄変動ゲームの終了後に大当り遊技が付与される。一方、可変表示器H2に停止表示された全列の図柄が異なる種類の場合、又は1列の図柄がリーチ状態を形成した図柄とは異なる種類の場合には、その図柄組み合わせ([123][122][767]など)からはずれを認識できる。このはずれを認識できる図柄組み合わせが飾図によるはずれの図柄組み合わせ(はずれ図柄)となる。
また、本実施形態のパチンコ機10では、図柄変動ゲームが開始すると(各列の図柄が変動を開始すると)、可変表示器H2において遊技者側から見て左列(左図柄)→右列(右図柄)→中列(中図柄)の順に図柄が停止表示されるようになっている。そして、停止表示された左図柄と右図柄が同一種類の場合には、その図柄組み合わせ([1↓1]など、「↓」は変動中を示す)からリーチ状態を認識できる。リーチ状態は、複数列のうち、特定列(本実施形態では左列と右列)の図柄が同一種類となって停止表示され、かつ前記特定列以外の列(本実施形態では中列)の図柄が変動表示されている状態である。また、本実施形態のパチンコ機10では、図柄変動ゲームの開始後、最初に図柄を停止表示させる左列が第1停止表示列になるとともに、次に図柄を停止表示させる右列が第2停止表示列になり、さらに最後に図柄を停止表示させる中列が第3停止表示列となる。
また、可変表示器H2には、特図表示器H1の表示結果に応じた図柄組み合わせが表示されるようになっている。より詳しくは、特図表示器H1の特図による図柄と、可変表示器H2の飾図による図柄組み合わせが対応されており、図柄変動ゲームの終了時には、特図による図柄と飾図による図柄組み合わせが対応して停止表示されるようになっている。具体的に言えば、特図表示器H1に[0]又は[1]の大当り図柄が停止表示される場合には、可変表示器H2にも[111]や[222]などの大当りの図柄組み合わせが停止表示されるようになっている。また、特図表示領域H1に[−]のはずれ図柄が停止表示される場合には、可変表示器H2にも[121]や[345]などのはずれの図柄組み合わせが停止表示されるようになっている。なお、特図に対する飾図の図柄組み合わせは一対一とは限らず、1つの特図に対して複数の飾図による図柄組み合わせの中から1つの飾図による図柄組み合わせが選択されるようになっている。
また、センター役物20の下方には、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う開閉羽根21を備えた始動入賞口22が配設されている。始動入賞口22の奥方には、入賞した遊技球を検知する始動口センサSE1(図3に示す)が設けられている。始動入賞口22は、遊技球の入賞検知を契機に、図柄変動ゲームの始動条件を付与し得る。また、始動入賞口22の下方には、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う大入賞口扉24を備えた入賞手段としての大入賞口23が配設されている。そして、大当り遊技が付与されると、大入賞口扉24の開動作によって大入賞口23が開放されて遊技球が入賞可能となるため、遊技者は、多数の賞球が獲得できるチャンスを得ることができる。本実施形態において大当り遊技は、多数の賞球を獲得できるチャンスを得られることから、遊技者に有利な有利遊技状態となる。そして、この大当り遊技は、内部抽選で大当りが決定し、図柄変動ゲームにて大当り図柄が停止表示されることにより得られるので、図柄の変動に関連して付与されることとなる。
大当り遊技は、図柄変動ゲームにて各表示器H1,H2に大当り図柄が停止表示されて該ゲームの終了後、開始される。大当り遊技が開始すると、最初に大当り遊技の開始を示すオープニング演出が行われる。オープニング演出終了後には、大入賞口23が開放されるラウンド遊技が予め定めた規定ラウンド数を上限(本実施形態では15ラウンド又は2ラウンド)として複数回行われる。1回のラウンド遊技は、大入賞口23が開放されてから閉鎖されるまでであり、1回のラウンド遊技中に大入賞口23は、規定入賞個数(本実施形態では10個)の遊技球が入賞するまでの間、又は規定時間(本実施形態では規定ラウンド数が15回では25秒又は規定ラウンド数が2回では0.3秒)が経過するまでの間、開放される。また、ラウンド遊技では、ラウンド演出が行われる。そして、大当り遊技の終了を示すエンディング演出が行われ、大当り遊技は終了される。
また、始動入賞口22の左方には作動ゲート25が配設されている。作動ゲート25の奥方には、作動ゲート25を通過した遊技球を検知するゲートセンサSE2(図3に示す)が設けられている。作動ゲート25は、遊技球の通過を契機に、普通図柄変動ゲーム(抽選ゲーム)の始動条件を付与し得る。普通図柄変動ゲームは、始動入賞口22の開閉羽根21を開動作させるか否か(始動入賞口22に遊技球を入賞し易くするか否か)の抽選結果を導出するために行われる演出である。始動入賞口22は開閉羽根21が開動作すると、入口が拡大されて遊技球が入賞し易い状態とされる。一方、始動入賞口22は開閉羽根21が閉動作していると、入口が拡大されていない遊技球が入賞し難い状態とされる。そして、開閉羽根21は、開動作及び閉動作を繰り返すことで、始動入賞口22に遊技球が入賞し易い状態と、遊技球が入賞し難い状態とを変移可能にしている。普通図柄変動ゲームは、図柄変動ゲームに用いる図柄とは別の図柄を可変表示器H2に表示させて行われたり、普通図柄変動ゲーム用の表示器により行われる。
また、本実施形態のパチンコ機10は、始動入賞口22へ遊技球が入賞した場合、その入賞した遊技球の個数を記憶し、保留記憶数として機内部(主制御基板27のRAM27c)で記憶されるようになっている。図柄変動ゲームが行われている場合に累積された保留記憶数は、保留中(図柄変動ゲーム待機中)の図柄変動ゲームの回数を示している。保留記憶数は、始動入賞口22に遊技球が入賞することで1加算され、図柄変動ゲームの開始により1減算されるようになっている。したがって、図柄変動ゲーム中に始動入賞口22へ遊技球が入賞すると、保留記憶数は更に加算され、所定の上限数(本実施形態では4個)まで累積されるようになっている。そして、図2に示すように、センター役物20の特図表示器H1と可変表示器H2の間には、保留記憶数に基づく保留中の図柄変動ゲームの回数を遊技者に報知するための保留記憶数表示部Rが配設されている。
保留記憶数表示部Rは、保留ランプR1、保留ランプR2、保留ランプR3及び保留ランプR4からなる複数(本実施形態では4個)のLEDからなる発光手段によって構成されている。前記各保留ランプR1〜R4の点灯個数により、保留中の図柄変動ゲームの回数を遊技者に報知している。例えば、保留ランプR1のみが点灯している場合には1回の図柄変動ゲームが保留中であることを示し、保留ランプR1〜R4の全てが点灯している場合には4回の図柄変動ゲームが保留中であることを示している。
また、本実施形態のパチンコ機10は、確率変動(以下、「確変」と示す)機能を備えている。確変機能は、大当り遊技終了後に大当りの抽選確率(当選確率)が低確率(通常状態)である通常確率(本実施形態では300分の1)から高確率(本実施形態では30分の1)に変動し、開閉羽根21を開動作させるか否か(始動入賞口22に遊技球を入賞し易くするか否か)の抽選結果を導出する普通図柄変動ゲームの変動時間が短縮される確変状態(特別状態)を付与する機能である。また、確変状態は、予め定めた回数(本実施形態では10000回)の図柄変動ゲームが行われる迄の間、又は前記回数に達する前に大当りが生起される迄の間、付与される。本実施形態では、確変状態を予め定めた回数として10000回を定めているため、実質的に次回の大当りが生起される迄の間付与されることと同等となっている。また、大当り遊技終了後に確変状態を付与する大当りが確変大当りとなり、大当り遊技終了後に確変状態が付与されない大当りが非確変大当りとなる。
確変状態が付与されると、大当りの抽選確率が高確率に変動して大当りが生起され易くなるため、確変状態は遊技者にとって有利であり、遊技者は確変大当りになることを期待しつつ遊技を行っている。また、確変状態が付与されると、1回の普通図柄変動ゲームの時間(普通図柄が変動を開始していから確定表示される迄の時間)が、例えば、30秒(確変状態が付与されていないとき)から5秒(確変状態が付与されているとき)に短縮される。そして、始動入賞口22の開閉羽根21は、確変状態が付与されている場合と、確変状態が付与されていない場合とでは、普通図柄変動ゲームにおいて当選した際、異なる動作パターンで開閉動作するようになっている。すなわち、開閉羽根21は、確変状態が付与されている場合、確変状態が付与されていない状態に比較して、遊技者にとって有利に動作するようになっている。
また、本実施形態のパチンコ機10は、変動時間短縮(以下、「時短」と示す)機能を備えている。時短機能は、開閉羽根21を開動作させるか否か(始動入賞口22に遊技球を入賞し易くするか否か)の抽選結果を導出する普通図柄変動ゲームの変動時間が短縮される時短状態を付与する機能である。なお、時短状態中は、大当りの抽選確率は低確率となっている。また、時短状態は、予め定めた回数(本実施形態では100回)の図柄変動ゲームが行われる迄の間、又は前記回数に達する前に大当りが生起される迄の間、付与される。
本実施形態のパチンコ機10では、大当りとして大当り遊技中のラウンド遊技の規定ラウンド数を15回と定める大当り15Rと、規定ラウンド数を2回と定める大当り2Rとが設けられている。大当り15Rが遊技者に付与される場合には、規定ラウンド数を15回と定める大当り遊技が付与され、大当り2Rが遊技者に付与される場合には、規定ラウンド数を2回と定める大当り遊技が付与される。また、本実施形態には、内部抽選によって、大当り(大当り15R及び大当り2R)とは別に決定される小当りが設けられている。そして、小当りが前記内部抽選によって決定され、小当りが遊技者に付与される場合には、大入賞口扉24を開動作させ大入賞口23を開放するラウンド遊技の規定ラウンド数を2回と定める小当り遊技が付与されるようになっている。
また、大当り15Rには、大当り遊技終了後に確変状態が付与される確変大当りと、大当り遊技終了後に確変状態が付与されない非確変大当りとがある。大当り15Rの確変大当りでは、大当り遊技終了後に確変状態及び時短状態が、次に大当りとなる迄の間(最大で10000回)の図柄変動ゲームに付与される。また、大当り15Rの非確変大当りでは、大当り遊技終了後に最大で100回の時短状態が付与され、確変状態が付与されないようになっている。すなわち、大当り15Rの終了後には、少なくとも時短状態が付与される。一方、大当り2Rには、大当り遊技終了後に確変状態が付与される確変大当りのみがある。すなわち、大当り2Rの大当り遊技終了後には、必ず確変状態が付与されるようになっている。他方、小当りによる小当り遊技の終了後には、遊技状態が当該小当りの当選時の遊技状態を継続するようになっている。すなわち、小当り遊技の終了後には、遊技状態が移行しないようになっている。このため、小当り遊技の終了後には、小当り当選時の遊技状態が、大当りの当選確率が低確率である通常状態である場合には確変状態に移行しない一方、大当りの当選確率が高確率である確変状態である場合には確変状態が継続されるようになっている。
そして、本実施形態のパチンコ機10では、大当り15Rに伴う大当り遊技において、当該大当り遊技の終了後に確変状態を付与するか否かを遊技者に示唆する補助ゲームを行うようになっている。このため、本実施形態では飾図による大当り図柄から確変状態が付与されるか否かが完全に認識し得ないようになっている(認識できる場合もある)。そして、内部抽選で確変状態を付与することが決定されている場合には、補助ゲームでは確変状態を付与することを示唆する演出内容が選択され、確変状態を付与しない(時短状態を付与する)ことが決定されている場合には、補助ゲームでは時短状態を付与することを示唆する演出内容が選択されるようになっている。したがって、遊技者は、大当り遊技中の補助ゲームの結果から今回の大当りが確変大当りであったか否かを認識することとなる。
次に、パチンコ機10の制御構成について図3に基づき説明する。
パチンコ機10の機裏側には、パチンコ機10全体を制御する主制御基板27が装着されている。主制御基板27は、パチンコ機10全体を制御するための各種処理を実行し、該処理結果に応じて遊技を制御するための各種の制御信号(制御コマンド)を演算処理し、該制御信号(制御コマンド)を出力する。また、機裏側には、統括制御基板28と、表示制御基板29と、ランプ制御基板30と、音声制御基板31とが装着されている。統括制御基板28は、主制御基板27が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、表示制御基板29、ランプ制御基板30及び音声制御基板31を統括的に制御する。表示制御基板29は、主制御基板27と統括制御基板28が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、可変表示器H2の表示態様(図柄、背景、文字などの表示画像など)を制御する。また、ランプ制御基板30は主制御基板27と統括制御基板28が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、装飾ランプ16の発光態様(点灯(点滅)/消灯のタイミングなど)を制御する。また、音声制御基板31は、主制御基板27と統括制御基板28が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、スピーカ17の音声出力態様(音声出力のタイミングなど)を制御する。
以下、主制御基板27、統括制御基板28及び表示制御基板29について、その具体的な構成を説明する。
前記主制御基板27には、メインCPU27aが備えられている。該メインCPU27aには、ROM27b及びRAM27cが接続されている。また、メインCPU27aには、始動入賞口22に入賞した遊技球を検知する始動口センサSE1が接続されている。また、メインCPU27aには、作動ゲート25を通過した遊技球を検知するゲートセンサSE2が接続されている。また、メインCPU27aには、特図表示器H1が接続されている。また、メインCPU27aには、保留記憶数表示部Rが接続されている。また、メインCPU27aは、当り判定用乱数、特図振分用乱数などの各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値をRAM27cの設定領域に記憶(設定)して更新前の値を書き換えている。
また、ROM27bには、パチンコ機10全体を制御するためのメイン制御プログラムが記憶されている。また、ROM27bには、複数種類の変動パターンが記憶されている。変動パターンは、図柄(特図及び飾図)が変動を開始(図柄変動ゲームが開始)してから図柄が停止表示(図柄変動ゲームが終了)される迄の間の遊技演出(表示演出、発光演出、音声演出)のベースとなるパターンを示すものである。また、ROM27bには、大当り判定値が記憶されている。大当り判定値は、大当りか否かの内部抽選で用いる判定値であり、当り判定用乱数の取り得る数値の中から定められている。また、ROM27bには、小当り判定値が記憶されている。小当り判定値は、大当りか否かの内部抽選で用いる判定値であり、当り判定用乱数の取り得る数値の中から定められている。また、ROM27bには、大当り決定時に大当り図柄となる特図(本実施形態では[0]〜[2])の種類を決定する際に用いる特図判定値が記憶されている。特図判定値では、特図振分用乱数の取り得る数値が所定個数ずつ振り分けられている。本実施形態では、内部抽選の大当り決定時に特図を決定することにより、大当り遊技終了後に確変状態を付与するか否かを決定している。そして、メインCPU27aは、大当りの決定時(大当り判定によって肯定となった場合)、特図振分用乱数と特図判定値とを比較して1つの特図による大当り図柄([0]〜[2]のいずれか)を決定する。一方、小当りの決定時(大当り判定により否定となり、小当り判定によって肯定となった場合)、特図による小当りの図柄([3])を決定する。他方、はずれの決定時(大当り判定及び小当り判定において否定となった場合)、特図によるはずれの図柄([−])を決定する。また、RAM27cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(各種乱数の値など)が記憶されるようになっている。
変動パターンには、該変動パターン毎に、図柄変動ゲームの開始から終了までの変動時間が定められている。また、変動パターンは、特図表示器H1で行われる特図による図柄変動ゲームと、可変表示器H2で行われる飾図による図柄変動ゲームの大当り演出、小当り演出、はずれリーチ演出及びはずれ演出からなる演出内容毎に分類されている。すなわち、変動パターンは、図柄変動ゲームの変動時間と演出内容が特定可能とされている。本実施形態のパチンコ機10では、大きく分けて変動パターンとして大当り演出用の変動パターンと、小当り演出用の変動パターンと、はずれ演出用の変動パターンとが用意されている。はずれ演出用の変動パターンにはリーチ演出を伴うものと伴わないものの両方が存在する。また、大当り演出用の変動パターンには大当り15R用の変動パターンと、大当り2R用の変動パターンが用意されている。
大当り15Rの大当り演出用の変動パターンでは、図柄変動ゲームの特図表示器H1及び可変表示器H2において、夫々に大当りを認識できる大当りの図柄及び大当りの図柄組み合わせが最終的に表示されるパターンとなっている。また、大当り2Rの大当り演出用の変動パターンでは、図柄変動ゲームの特図表示器H1で大当りを認識できる大当りの図柄が最終的に表示されるようになっており、可変表示器H2で大当りを認識できない、且つ、大当りの図柄組み合わせとは異なる図柄組み合わせが最終的に表示されるパターンとなっている。また、小当り演出用の変動パターンでは、特図表示器H1で小当りを認識できる小当りの図柄が最終的に表示されるようになっており、可変表示器H2で大当りを認識できない、且つ、大当りの図柄組み合わせとは異なる図柄組み合わせが最終的に表示されるパターンとなっている。本実施形態において、前記大当りの図柄組み合わせは、大当り演出用の変動パターンに基づく図柄変動ゲームで最終的に表示される飾図による図柄組み合わせであり、全列の図柄が同一種類となる図柄組み合わせである。また、はずれ演出用の変動パターンでは、特図表示器H1及び可変表示器H2において、夫々にはずれの図柄及びはずれの図柄組み合わせが最終的に表示されるパターンとなっている。
また、大当り2Rの大当り演出用の変動パターンは、図柄変動ゲームの変動時間と演出内容がはずれ演出用の変動パターンと同じにしているパターンであり、大当り2Rの大当り演出用の変動パターンとはずれ演出用の変動パターンでは、特図表示器H1の最終的な表示内容と可変表示器H2の最終的な表示内容が異なるようになっている。また、小当り演出用の変動パターンは、図柄変動ゲームの変動時間と演出内容がはずれ演出用の変動パターンと同じにしているパターンであり、小当り演出用の変動パターンとはずれ演出用の変動パターンでは、特図表示器H1の最終的な表示内容と可変表示器H2の最終的な表示内容が異なるようになっている。このため、大当り2Rの大当り演出用の変動パターンでは特図表示器H1で大当りの図柄、小当り演出用の変動パターンでは特図表示器H1で小当りの図柄が最終的に確定表示されるが、各パターンの可変表示器H2の表示結果からは遊技者に、今回の図柄変動ゲームが大当り又は小当りであるか否かが認識し難いようになっている。すなわち、大当り2Rの大当り演出用の変動パターン及び小当り演出用の変動パターンは、内部的に大当り又は小当りが決定されている(特図による大当り又は小当りの図柄が確定表示される)が、遊技者には見た目上(可変表示器H2で)はずれを認識させ易い図柄組み合わせを確定表示させるパターンとなっている。
そして、本実施形態のパチンコ機10では、メインCPU27aの大当りの決定時(内部的に大当りを決定時)、特図振分用乱数によって振り分けられる特図の種類に応じて、大当り15Rの変動パターンと大当り2Rの変動パターンのいずれかが選択され、小当りの決定時(内部的に小当りを決定時)、小当り演出用の変動パターンが選択されるようになっている。また、メインCPU27aのはずれの決定時(内部的にはずれを決定時)、はずれ演出用の変動パターンが選択されるようになっている。
各表示器H1,H2では、変動パターンに基づき図柄変動ゲームが開始し、該変動パターンの変動時間の経過時に図柄が停止表示される。なお、大当り15Rの大当り演出が行われる場合、各表示器H1,H2が同時に図柄の変動を開始し、可変表示器H2においてリーチ状態が形成されてリーチ演出が行われ、変動時間の経過時に各表示器H1,H2が同時に図柄を停止表示させる。すなわち、特図表示器H1では、図柄の変動開始後、変動時間経過時まで図柄の変動が継続されており、リーチ演出などの遊技者に大当りへの期待感を持たせる内容の表示演出は可変表示器H2のみで行われる。
次に、図3に基づき統括制御基板28について説明する。
統括制御基板28には、統括CPU28aが備えられている。該統括CPU28aには、ROM28b及びRAM28cが接続されている。また、統括CPU28aは、各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値をRAM28cの設定領域に記憶(設定)して更新前の値を書き換えている。また、ROM28bには、表示制御基板29、ランプ制御基板30及び音声制御基板31を統括的に制御するための統括制御プログラム(大当り中処理(図5)など)が記憶されている。また、ROM28bには、大当り遊技中の補助ゲームの演出内容及び当該演出内容を指定するコマンドなどが記憶されている。
本実施形態のパチンコ機10では、図4に示すように、大当り遊技中に実行する補助ゲームの演出内容と、演出内容を指定する大当り開始演出コマンドとがそれぞれ対応付けられている。そして、補助ゲームとして、大当り遊技中の10回目のラウンド遊技から15回目のラウンド遊技の複数回のラウンド遊技に跨って、大当り遊技中にキャラクタA,B,Cと敵キャラクタ(図示しない)が対決するバトル演出を行う演出内容とされている。また、13回目のラウンド遊技及び15回目のラウンド遊技では、複数種類の演出内容が用意されており、補助ゲームの演出内容の分岐点となるようになっている。そして、演出内容として前記バトル演出において「成功(敵キャラクタを打ち倒す)」となり確変状態が付与されることを示唆する内容と、前記バトル演出において「失敗(敵キャラクタを打ち倒せない)」となり確変状態が付与されないことを示唆する内容とが設けられている。また、演出内容として前記バトル演出において「失敗」したとしても「復活」となり確変状態が付与されることを示唆する内容が設けられている。
そして、大当り開始演出コマンドには、コマンド00H〜08H,12H〜14Hが用意されている。コマンド00Hには、大当り遊技の開始時にオープニング演出を実行し(図6(a)参照)、10回目のラウンド遊技のラウンド演出でバトル演出を開始させ(図6(b)参照)、13回目のラウンド遊技のラウンド演出でキャラクタA,B,Cのうち1人(キャラクタA)を出現させる(図6(c)参照)演出内容が対応付けられている。さらに、コマンド00Hには、15回目のラウンド遊技のラウンド演出で「失敗」となる結果が導出され(図7(d)参照)、エンディング演出で確変状態を付与しないことを報知する(図7(f)参照)とともに、時短状態を付与することを報知する演出内容が対応付けられている。そして、次変動背景として可変表示器H2の背景に対し、時短状態が付与されていることを示す時短背景(図7(g)参照)を設定することが対応付けられている。本実施形態において変動待機演出として次変動背景とは、大当り遊技の終了直後、保留記憶数が「0(零)」(待機中の図柄変動ゲームが存在しない)場合に、可変表示器H2に表示される背景画像のことである。そして、次変動背景は、エンディング演出に引き続き可変表示器H2で表示されるようになっており、エンディング演出用のデータと次変動背景用のデータとが1つの演出データとして表示制御基板29には記憶されている。このため、可変表示器H2では、エンディング演出用の表示演出の終了後、保留記憶数が「0(零)」の場合そのまま次変動背景用の表示演出が行われることとなる。
また、コマンド01Hには、大当り遊技の開始時にオープニング演出を実行し、10回目のラウンド遊技のラウンド演出でバトル演出を開始させ、13回目のラウンド遊技のラウンド演出でキャラクタA,B,Cのうち2人(キャラクタA,B)を出現させる(図6(d)参照)演出内容が対応付けられている。さらに、コマンド01Hには、15回目のラウンド遊技のラウンド演出で「失敗」となる結果が導出され確変状態を付与しないことを報知するとともに、エンディング演出で時短状態を付与することを報知する演出内容が対応付けられている。そして、次変動背景として可変表示器H2の背景に対し、時短状態が付与されていることを示す時短背景を設定することが対応付けられている。
コマンド02Hには、大当り遊技の開始時にオープニング演出を実行し、10回目のラウンド遊技のラウンド演出でバトル演出を開始させ、13回目のラウンド遊技のラウンド演出でキャラクタA,B,Cのうち3人(キャラクタA,B,C)を出現させる(図6(e)参照)演出内容が対応付けられている。さらに、コマンド01Hには、15回目のラウンド遊技のラウンド演出で「失敗」となる結果が導出され確変状態を付与しないことを報知するとともに、エンディング演出で時短状態を付与することを報知する演出内容が対応付けられている。そして、次変動背景として可変表示器H2の背景に対し、時短状態が付与されていることを示す時短背景を設定することが対応付けられている。
また、コマンド03Hには、大当り遊技の開始時にオープニング演出を実行し、10回目のラウンド遊技のラウンド演出でバトル演出を開始させ、13回目のラウンド遊技のラウンド演出でキャラクタA,B,Cのうち1人(キャラクタA)を出現させる演出内容が対応付けられている。さらに、コマンド03Hには、15回目のラウンド遊技のラウンド演出で「成功」となる結果が導出され(図7(a)参照)、エンディング演出で確変状態を付与することを報知する(図7(b)参照)演出内容が対応付けられている。そして、次変動背景として可変表示器H2の背景に対し、確変状態が付与されていることを示す高確率背景を設定する(図7(c)参照)ことが対応付けられている。
また、コマンド04Hには、大当り遊技の開始時にオープニング演出を実行し、10回目のラウンド遊技のラウンド演出でバトル演出を開始させ、13回目のラウンド遊技のラウンド演出でキャラクタA,B,Cのうち2人(キャラクタA,B)を出現させる演出内容が対応付けられている。さらに、コマンド04Hには、15回目のラウンド遊技のラウンド演出で「成功」となる結果が導出され、エンディング演出で確変状態を付与することを報知する演出内容が対応付けられている。そして、次変動背景として可変表示器H2の背景に対し、確変状態が付与されていることを示す高確率背景を設定することが対応付けられている。
また、コマンド05Hには、大当り遊技の開始時にオープニング演出を実行し、10回目のラウンド遊技のラウンド演出でバトル演出を開始させ、13回目のラウンド遊技のラウンド演出でキャラクタA,B,Cのうち3人(キャラクタA,B,C)を出現させる演出内容が対応付けられている。さらに、コマンド05Hには、15回目のラウンド遊技のラウンド演出で「成功」となる結果が導出され、エンディング演出で確変状態を付与することを報知する演出内容が対応付けられている。そして、次変動背景として可変表示器H2の背景に対し、確変状態が付与されていることを示す高確率背景を設定することが対応付けられている。
また、コマンド06Hには、大当り遊技の開始時にオープニング演出を実行し、10回目のラウンド遊技のラウンド演出でバトル演出を開始させ、13回目のラウンド遊技のラウンド演出でキャラクタA,B,Cのうち1人(キャラクタA)を出現させる演出内容が対応付けられている。さらに、コマンド06Hには、15回目のラウンド遊技のラウンド演出で「失敗」となる結果が導出され、その後エンディング演出で「復活」して確変状態を付与することを報知する(図7(e)参照)演出内容が対応付けられている。そして、次変動背景として可変表示器H2の背景に対し、確変状態が付与されていることを示す高確率背景を設定することが対応付けられている。
また、コマンド07Hには、大当り遊技の開始時にオープニング演出を実行し、10回目のラウンド遊技のラウンド演出でバトル演出を開始させ、13回目のラウンド遊技のラウンド演出でキャラクタA,B,Cのうち2人(キャラクタA,B)を出現させる演出内容が対応付けられている。さらに、コマンド07Hには、15回目のラウンド遊技のラウンド演出で「失敗」となる結果が導出され、その後エンディング演出で「復活」して確変状態を付与することを報知する演出内容が対応付けられている。そして、次変動背景として可変表示器H2の背景に対し、確変状態が付与されていることを示す高確率背景を設定することが対応付けられている。
また、コマンド08Hには、大当り遊技の開始時にオープニング演出を実行し、10回目のラウンド遊技のラウンド演出でバトル演出を開始させ、13回目のラウンド遊技のラウンド演出でキャラクタA,B,Cのうち3人(キャラクタA,B,C)を出現させる演出内容が対応付けられている。さらに、コマンド08Hには、15回目のラウンド遊技のラウンド演出で「失敗」となる結果が導出され、その後エンディング演出で「復活」して確変状態を付与することを報知する演出内容が対応付けられている。そして、次変動背景として可変表示器H2の背景に対し、確変状態が付与されていることを示す高確率背景を設定することが対応付けられている。
また、コマンド12Hには、特別背景突入演出が対応付けられている。特別背景突入演出は、オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出を通した内容の演出内容が定められている。そして、次変動背景として可変表示器H2の背景に対し、確変状態が付与されていることを示す特別背景を設定することが対応付けられている。特別背景は、大当り2Rの終了に伴って確変状態に突入する場合に設定される背景であり、高確率背景中(大当り15Rの確変大当り後)に大当り2Rに当選した場合にも次変動背景として特別背景が対応付けられている。なお、特別背景は、大当り15Rの確変大当りにより設定される高確率背景と異なっている。また、特別背景突入演出は、オープニング演出、ラウンド演出(補助ゲーム)、エンディング演出を通した内容の演出内容が定められているため、オープニング用演出や、各ラウンド遊技用演出や、エンディング用演出のように独立した演出は行わないようになっている。
また、コマンド13Hには、特別背景再突入演出が対応付けられている。特別背景再突入演出は、オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出を通した内容の演出内容が定められている。そして、次変動背景として可変表示器H2の背景に対し、確変状態が付与されていることを示す特別背景を設定することが対応付けられている。特別背景再突入演出は、既に確変状態である場合(高確率背景及び特別背景の場合)、大当り2Rに当選することで実行される演出である。
また、コマンド14Hは、小当り演出が対応付けられている。小当り演出は、小当りに当選していることを示す演出であり、コマンド12H及びコマンド13Hに対応付けられている特別背景突入演出や特別背景再突入演出に近似した演出内容が定められている。そして、次変動背景として可変表示器H2の背景に対し、小当りに当選した時点の遊技状態(確変状態又は通常状態)を示す背景を継続的に設定すること(前変動背景継続)が対応付けられている。
そして、本実施形態のパチンコ機10では、大当り開始演出コマンドのコマンド毎に補助ゲームの内容(結果)と、エンディング演出の内容と、次変動背景の内容(背景画像)とが予め対応付けされている。すなわち、補助ゲームで確変状態を付与することを示唆しているにも拘らず、次変動背景では時短状態が付与されていることを示す時短背景が設定されたり、補助ゲームの結果と次変動背景の背景画像が一致しないような事態が起こり得ないようになっている。このため、本実施形態では、補助ゲームの結果と次変動背景の背景画像の整合をとるなどの処理が必要ないようになっている。
なお、大当り遊技において大当り開始演出コマンドに関わらず1回目〜9回目のラウンド遊技のラウンド演出では、予め定められた各ラウンド遊技用のラウンド演出が実行されるようになっている。また、統括CPU28aは、小当りが決定されている場合には小当りが決定された時点の遊技状態に基づいて、次変動背景を決定するようになっている。
次に、図3に基づき表示制御基板29について説明する。
表示制御基板29には、サブCPU29aが備えられている。該サブCPU29aには、ROM29b及びRAM29cが接続されている。また、表示制御基板29(サブCPU29a)には、可変表示器H2が接続されている。ROM29bには、可変表示器H2の表示内容を制御するための演出制御プログラムが記憶されている。また、ROM29bには、各種の画像データ(図柄、背景、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。また、RAM29cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種の情報が記憶(設定)されるようになっている。
以下、主制御基板27(メインCPU27a)、統括制御基板28(統括CPU28a)、表示制御基板29(サブCPU29a)が実行する制御内容を説明する。
最初に主制御基板27(メインCPU27a)がメイン制御プログラムに従って実行する制御内容について説明する。
メインCPU27aは、始動入賞口22への遊技球の入賞を契機(始動口センサSE1からの検知信号の入力を契機)に、RAM27cに記憶されている保留記憶数が上限数(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。保留記憶数が上限数未満(保留記憶数<4)の場合、メインCPU27aは、RAM27cに記憶されている保留記憶数を1加算し、保留記憶数を書き換える。さらに、メインCPU27aは、当り判定用乱数の値と特図振分用乱数の値をRAM27cから取得し、その値をRAM27cの所定の格納領域に格納(記憶)する。なお、保留記憶数が上限数に達していた場合(保留記憶数=4の場合)、上限数を超える保留記憶数の書き換えを行わないとともに、当り判定用乱数の値及び大当り図柄用乱数の値を取得しない。
そして、メインCPU27aは、図柄変動ゲームの開始直前に、RAM27cに記憶されている前記当り判定用乱数の値とROM27bに記憶されている大当り判定値とを比較して大当りか否かの大当り判定(大当り抽選)をする。メインCPU27aは、確変状態が付与されていない非確変状態時は大当りの抽選確率を低確率(300分の1)に設定して大当り判定を行い、確変状態時は大当りの抽選確率を高確率(30分の1)に設定して大当り判定を行う。確変状態時の大当り判定において、メインCPU27aは、非確変状態時の大当り判定に用いる大当り判定値に比較して、大当り判定値に定める値の数を増加させて大当り判定を行う。このため、確変状態時において大当りの抽選確率は、非確変状態時の大当り抽選確率に比較して向上する。
そして、メインCPU27aは、大当り判定の判定結果が肯定(当り判定用乱数の値と大当り判定値とが一致)の場合、大当りを決定する。大当りを決定したメインCPU27aは、当り判定用乱数の値とともにRAM27cに記憶した特図振分用乱数の値を読み出し、該値に予め対応付けられた特図を大当り図柄として決定する。また、メインCPU27aは、特図を決定した場合、当該特図の種類に基づき大当り演出用の変動パターンの中から1つの変動パターンを決定する。メインCPU27aは、大当りの決定時に特図を決定することにより、大当りの種類(大当り15R又は大当り2Rのいずれか)及び確変状態を付与するか否かを決定している。また、メインCPU27aは、特図[0]及び[2]を大当り図柄として決定した場合、大当り遊技終了後に確変状態を付与するため、RAM27cに確変状態を付与することを示す情報(フラグなど)を記憶(設定)する。一方、メインCPU27aは、特図[1]を大当り図柄として決定した場合、大当り遊技終了後には確変状態を付与せずに時短状態を付与するため、RAM27cに時短状態を付与することを示す情報(フラグなど)を記憶(設定)する。
一方、メインCPU27aは、大当り判定の判定結果が否定(当り判定用乱数の値と大当り判定値とが不一致)の場合、RAM27cに記憶されている小当り判定用乱数の値とROM27bに記憶されている小当り判定値とを比較して小当りか否かの小当り判定(小当り抽選)をする。メインCPU27aは、高確率状態又は低確率状態に拘らず小当りの抽選確率を一定確率(200分の1)に設定して小当り判定を行う。
そして、メインCPU27aは、小当り判定の判定結果が肯定(小当り判定用乱数の値と小当り判定値とが一致)の場合、小当りを決定する。小当りを決定したメインCPU27aは、小当りに予め対応付けられた特図[3]を小当り図柄として決定する。また、メインCPU27aは、小当り図柄を決定した場合、小当り演出用の変動パターンを決定する。そして、メインCPU27aは、小当り遊技終了後の遊技状態を、小当り当選時の遊技状態を継続させるようにする。このため、メインCPU27aは、RAM27cに記憶する情報(フラグなど)をそのまま維持する。
本実施形態では、RAM27cに現在の遊技状態を示す情報(フラグなど)が記憶されており、メインCPU27aは、当該情報に基づき現在の遊技状態が確変状態であるか否か及び時短状態であるか否かを把握している。そして、メインCPU27aは、RAM27cに記憶される前記情報に基づき、大当り遊技終了後に大当り判定を低確率で行うか高確率で行うか(確変大当りであるか否か)を判断している。
一方、メインCPU27aは、大当り判定及び小当り判定の判定結果が否定の場合、はずれを決定する。はずれを決定したメインCPU27aは、はずれに予め対応付けられた特図[−]をはずれ図柄として決定する。また、メインCPU27aは、はずれ図柄を決定した場合、はずれ演出用の変動パターンの中から1つの変動パターンを決定する。
特図及び変動パターンを決定したメインCPU27aは、所定の制御コマンドを所定のタイミングで統括制御基板28(統括CPU28a)に出力する。具体的に言えば、メインCPU27aは、最初に変動パターンを指示するとともに図柄変動ゲームの開始を指示する変動パターン指定コマンド(変動パターンコマンド)を出力する。また、メインCPU27aは、決定した特図を指示する大当り図柄コマンドを出力する。なお、メインCPU27aは、はずれを決定している場合にははずれ図柄を指定する図柄コマンドを統括制御基板28(統括CPU28a)に出力する。そして、メインCPU27aは、指示した変動パターンに定められている変動時間の経過時に、図柄変動ゲームの終了(図柄の停止表示)を指示する全図柄停止コマンドを出力する。
また、メインCPU27aは、大当りを決定した場合、大当り演出用の変動パターンに基づく図柄変動ゲームの終了後、大当り遊技に係る制御(オープニング演出、ラウンド演出及びエンディング演出の演出指示や大入賞口扉24の開閉動作の制御)を実行する。メインCPU27aは、大当り15Rを開始させる場合、オープニング演出や、各ラウンド遊技で行わせるラウンド演出、エンディング演出などの指示をする制御コマンドを出力する。より詳細には、まず、メインCPU27aは、オープニング演出の実行を指示するオープニング指定コマンド(大当り開始コマンド)を出力する。続いて、メインCPU27aは、オープニング演出の終了後、大入賞口扉24を開動作(1回目の大入賞口23の開放)させるとともに、1回目のラウンド遊技の実行を指示するラウンド指定コマンド(ラウンドコマンド)を出力する。ラウンド指定コマンドは、ラウンド遊技毎に用意されており、ラウンド指定コマンドによりこれから実行するラウンド遊技が何回目のラウンド遊技であるかを示す情報が含まれている。そして、メインCPU27aは、規定入賞個数の遊技球が大入賞口23に入賞する迄の間、又はタイマにより25.0秒を計時し間もなく、再度大入賞口扉24を開動作(2回目の大入賞口23の開放)させるとともに、2回目のラウンド遊技の実行を指示するラウンド指定コマンドを出力する。続いて、メインCPU27aは、規定ラウンド数に定める15回のラウンド遊技の終了後(15回目の大入賞口23の開放後)、エンディング演出の実行を指示するエンディング指定コマンド(大当り終了コマンド)を出力する。そして、メインCPU27aは、エンディング演出の終了後、当該エンディング演出の終了を以って大当り15Rの大当り遊技を終了させる。
また、メインCPU27aは、大当り2Rを開始させる場合、図柄変動ゲームで図柄(特図及び飾図)の確定表示後(全図柄停止コマンドの出力後)オープニング演出の開始を指示するオープニング指定コマンドを出力し間もなく大入賞口扉24を開動作(1回目の大入賞口23の開放)させるとともに、1回目のラウンド遊技の実行を指示するラウンド指定コマンドを出力する。そして、メインCPU27aは、タイマにより0.3秒を計時し、大入賞口扉24を閉動作させる。続いて、メインCPU27aは、1.2秒のインターバルを計時し間もなく再度大入賞口扉24を開動作(2回目の大入賞口23の開放)させるとともに、2回目のラウンド遊技の実行を指示するラウンド指定コマンドを出力する。また、メインCPU27aは、タイマにより0.3秒を計時し、大入賞口扉24を閉動作させる。そして、大入賞口扉24の2回の開閉動作の終了(2回の大入賞口23の開放)後、エンディング演出の実行を指示するエンディング指定コマンドを出力する。そして、メインCPU27aは、エンディング演出の終了を以って大当り2Rの大当り遊技は終了させる。
また、メインCPU27aは、小当りを決定した場合、小当り演出用の変動パターンに基づく図柄変動ゲームの終了後、小当り遊技に係る制御を実行する。メインCPU27aは、小当り遊技を開始させる場合、図柄変動ゲームで図柄(特図及び飾図)の確定表示後(全図柄停止コマンドの出力後)オープニング演出の開始を指示するオープニング指定コマンドを出力し間もなく大入賞口扉24を開動作(1回目の大入賞口23の開放)させるとともに、1回目のラウンド遊技の実行を指示するラウンド指定コマンドを出力する。そして、メインCPU27aは、タイマにより0.4秒を計時し、大入賞口扉24を閉動作させる。続いて、メインCPU27aは、1.0秒のインターバルを計時し間もなく再度大入賞口扉24を開動作(2回目の大入賞口23の開放)させるとともに、2回目のラウンド遊技の実行を指示するラウンド指定コマンドを出力する。そして、メインCPU27aは、タイマにより0.4秒を計時し、大入賞口扉24を閉動作させる。そして、大入賞口扉24の2回の開閉動作の終了(2回の大入賞口23の開放)後、エンディング演出の実行を指示するエンディング指定コマンドを出力する。そして、メインCPU27aは、エンディング演出の終了を以って小当り遊技は終了させる。なお、大当り2Rの大当り遊技及び小当り遊技では、ラウンド指定コマンド及びエンディング指定コマンドを出力するが、これらコマンドの入力によってラウンド演出及びエンディング演出が開始するようにはなっていない。
すなわち、オープニング指定コマンドの出力後間もなく大入賞口扉24を開放し、エンディング指定コマンドの出力後間もなく大当り2Rの大当り遊技及び小当り遊技が終了される。そして、メインCPU27aは、大当り及び小当り遊技終了後(大当り2R、大当り15R、及び小当りの終了後)、RAM27cに記憶される前記情報に基づき、大当り及び小当り遊技終了後の遊技状態を決定する。メインCPU27aは、RAM27cに確変状態を付与することが示されている場合には遊技状態を確変状態に移行させ、RAM27cに時短状態を付与することが示されている場合には遊技状態を時短状態に移行させる。
また、確変状態を開始させる場合、メインCPU27aは、確変状態を開始したことを示す確変開始コマンド(状態コマンド)を統括CPU28aに出力する。また、メインCPU27aは、確変状態中に大当りとなる、又は予め定めた回数(10000回)の図柄変動ゲームの経過時に確変状態を終了させる。そして、メインCPU27aは、確変状態を終了させる場合には、確変状態が終了することを示す確変終了コマンド(状態コマンド)を統括CPU28aに出力する。また、時短状態を開始させる場合、メインCPU27aは、時短状態を開始したことを示す時短開始コマンド(状態コマンド)を統括CPU28aに出力する。また、メインCPU27aは、時短状態中に大当りとなる、又は予め定めた回数(100回)の図柄変動ゲームの経過時に時短状態を終了させる。そして、メインCPU27aは、時短状態を終了させる場合には、時短状態が終了することを示す時短終了コマンドを統括CPU28aに出力する。そして、メインCPU27aは、大当り遊技終了時、RAM27cに記憶(設定)される前記情報などをクリアし図柄変動ゲームの処理を実行する。
本実施形態では、大当り判定をするとともに、大当り図柄を決定し、大当り遊技中に各種制御コマンドを出力する主制御基板27が主制御装置となる。
次に、統括制御基板28(統括CPU28a)が統括制御プログラムにしたがい実行する制御内容について説明する。
まず、統括CPU28aが実行する図柄変動ゲームに係る制御について説明する。
統括CPU28aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、該コマンドを各制御基板29,30,31に出力するととともに、各遊技状態の背景画像を示す背景コマンドを表示制御基板29に出力する。背景コマンドは、背景画像として表示する画像の種類を示すものであ、図柄変動ゲームの開始毎に出力されるようになっている。また、統括CPU28aは、大当り図柄コマンドを入力すると、該コマンドを表示制御基板29に出力する。また、統括CPU28aは、確変開始コマンドを入力すると、確変状態が付与されたことを示す情報(フラグなど)をRAM28cに設定する。また、統括CPU28aは、確変終了コマンドを入力するまでの間、RAM28cに前記情報を継続的に設定し、確変状態であることを把握している。また、統括CPU28aは、時短開始コマンドを入力すると、時短状態が付与されたことを示す情報(フラグなど)をRAM28cに設定する。また、統括CPU28aは、時短終了コマンドを入力するまでの間、RAM28cに前記情報を継続的に設定し、時短状態であることを把握している。
統括CPU28aは、大当り図柄コマンドを入力すると、当該大当り図柄コマンドに指定される特図の種類を判定する。そして、統括CPU28aは、その判定した特図の情報(大当り図柄コマンドに指定される特図)をRAM28cに記憶(設定)する。また、統括CPU28aは、特図に応じた飾図を決定し、その決定した飾図を示す飾図指定コマンドを表示制御基板29(サブCPU29a)に出力する。具体的には、統括CPU28aは、大当り図柄コマンドに指定される特図が[0]及び[1]の場合、飾図による図柄組み合わせとして大当りを認識することができる飾図による大当りの図柄組み合わせを決定する。さらに、統括CPU28aは、[1]の特図の場合には、「2」、「4」、「6」、「8」の中から同一の数字3つの飾図による大当りの図柄組み合わせを抽選により決定する。また、統括CPU28aは、[0]の特図の場合には、「1」、「3」、「5」、「7」を含む「1」〜「8」の中から同一の数字3つの飾図による大当りの図柄組み合わせを抽選により決定する。
すなわち、内部的に確変大当りが決定されている場合に決定され得る、「1」、「3」、「5」、「7」の同一の数字3つの飾図による大当りの図柄組み合わせが、飾図による確変大当りの図柄組み合わせとなる。一方、内部的に確変大当り及び非確変大当りのいずれが決定されている場合に決定され得る、「2」、「4」、「6」、「8」の同一の数字3つの飾図による大当りの図柄組み合わせが、飾図による確変大当りの可能性がある大当りの図柄組み合わせとなる。本実施形態では、内部的に確変大当りが決定されていても必ずしも「1」、「3」、「5」、「7」が導出されるとは限らず、それ以外の大当りの図柄組み合わせが導出される場合もある。このため、「2」、「4」、「6」、「8」の大当りの図柄組み合わせは、確変大当りの可能性がある大当りの図柄組み合わせとなる。
また、統括CPU28aは、大当り図柄コマンドに指定される特図が[2]及び[3]の特図の場合、飾図による図柄組み合わせとして大当りを認識できない、且つ、大当りの図柄組み合わせとは異なる図柄組み合わせを決定する。そして、統括CPU28aは、[2]及び[3]の特図に対する飾図による図柄組み合わせとして、複数種類の図柄組み合わせの中から1つの図柄組み合わせを決定する。本実施形態において、[2]及び[3]の特図に対する飾図による図柄組み合わせは、3つの数字を数字の順に配列した[123]、[234]、[345]などのはずれの図柄組み合わせと同じ図柄組み合わせである。また、統括CPU28aは、図柄コマンドに指定される特図が[−]の場合には、飾図の図柄組み合わせとして飾図によるはずれの図柄組み合わせを決定する。
本実施形態のパチンコ機10では、飾図による図柄組み合わせとして、[2]及び[3]の特図には、遊技者側から見た場合においては、はずれを認識し得る図柄組み合わせを対応させるようにした。このため、大当り判定又は小当り判定によって内部的に大当り2Rまたは小当りが決定されていても、飾図による図柄組み合わせとしては、遊技者側から見た場合においてはずれを認識し得る図柄組み合わせが決定される。その結果、可変表示器H2には、遊技者がはずれであることを認識する図柄組み合わせが確定表示される。すなわち、[2]及び[3]の特図による大当り2R又は小当りに当選した場合、遊技者には、大当り2R又は小当りに当選したことが可変表示器H2で認識させ難くなっている。
次に、統括CPU28aが実行する大当り遊技に係る大当り中処理を図5に基づき説明する。また、図5では、統括CPU28aが実行する制御の流れに基づき説明する。
統括CPU28aは、オープニング指定コマンドをメインCPU27aから受信すると(ステップS10)、大当り中処理の実行を開始し今回のオープニング指定コマンドに指定される大当り遊技が大当り2Rの大当り演出用の変動パターンに基づく大当り遊技であるか否かを判定する(ステップS11)。この判定結果が肯定の場合(大当り2Rの大当り演出用の変動パターンに基づく場合)、統括CPU28aは、大当り開始演出コマンドとして遊技状態に基づいてコマンド12H及びコマンド13Hからいずれかを選択し(ステップS12)、選択したコマンドを示す情報をRAM28cに設定してステップS18に移行する。具体的には、ステップS12において統括CPU28aは、遊技状態が確変状態でない場合にはコマンド12Hを選択し、遊技状態が確変状態である場合にはコマンド13Hを選択する。また、大当り開始演出コマンドは、大当り遊技の開始を示すオープニング演出を各制御基板29〜31に実行させるとともに、大当り遊技中のオープニング演出、補助ゲーム(各ラウンド演出)、エンディング演出及び次変動背景の演出内容を一括して指定する制御コマンドである。
一方、ステップS11の判定結果が否定の場合(大当り2Rの大当り演出用の変動パターンでない場合)、統括CPU28aは、大当り図柄コマンドに指定される特別図柄が小当りを示す小当り図柄であるか否かを判定する(ステップS13)。この判定結果が肯定の場合、統括CPU28aは、大当り開始演出コマンドとしてコマンド14Hを選択し(ステップS14)、選択したコマンドを示す情報をRAM28cに設定してステップS18に移行する。
一方、ステップS13の判定結果が否定の場合、統括CPU28aは、大当り図柄コマンドに指定される特別図柄が確変大当りを示す大当り図柄であるか否かを判定する(ステップS15)。この判定結果が肯定の場合(特図が[「0(零)」]である場合)、統括CPU28aは、大当り開始演出コマンドとしてコマンド03H〜08Hの中から一つのコマンドを選択し(ステップS16)、選択したコマンドの情報をRAM28cに設定してステップS18に移行する。そして、ステップS16においてメインCPU27aは、乱数を用いた乱数抽選によって大当り開始演出コマンドを選択する。また、メインCPU27aは、大当り開始演出コマンドの各コマンド03H〜08Hの選択確率がいずれのコマンドも同じになるように乱数抽選を行うようになっている。
一方、ステップS15の判定結果が否定の場合(特図が「1」である場合)、統括CPU28aは、大当り開始演出コマンドとしてコマンド00H〜02Hの中から1つのコマンドを選択し(ステップS17)、選択したコマンドの情報をRAM28cに設定してステップS18に移行する。そして、ステップS17においてメインCPU27aは、乱数を用いた乱数抽選によって大当り開始演出コマンドを選択する。また、メインCPU27aは、大当り開始演出コマンドの各コマンド00H〜02Hの選択確率がいずれのコマンドも同じになるように乱数抽選を行うようになっている。
続いて、ステップS12、ステップS14、ステップS16又はステップS17からステップS18に移行した統括CPU28aは、各ステップで決定した大当り開始演出コマンドを各制御基板29〜31に出力する。そして、ステップS18で統括CPU28aが出力する大当り開始演出コマンドには、オープニング演出の開始を指示するとともに、大当り開始演出コマンドに定めるオープニング演出の演出内容を指定する情報が含まれている。続いて、統括CPU28aは、メインCPU27aからラウンド指定コマンドを受信(入力)すると(ステップS19)、受信したラウンド指定コマンドに指定されるラウンド指定コマンドを各制御基板29〜31に出力する(ステップS20)。ステップS20において統括CPU28aが出力するラウンド指定コマンドには、開始させるラウンド遊技が何れ(何回目)のラウンド遊技であるかを指定する情報が含まれている。
そして、統括CPU28aは、ステップS19で入力したラウンド指定コマンドが最終ラウンド(本実施形態では、大当り15Rの場合には上限数である15回目のラウンド遊技、大当り2R及び小当りの場合には上限数である2回のラウンド遊技)の開始を指示するものであるか否かを判定する(ステップS21)。この判定結果が否定の場合、統括CPU28aは、最終ラウンドのラウンド遊技でないので次のラウンド遊技の制御をするためステップS19に戻り、ステップS19〜ステップS21までの処理を繰り返す。一方、ステップS21の判定結果が肯定の場合、統括CPU28aは、メインCPU27aからエンディング指定コマンドを受信(入力)すると(ステップS22)、ステップS18で送信(出力)した大当り開始演出コマンドに基づくエンディング演出の演出内容を指定する大当り終了演出コマンドを各制御基板29〜31に送信(出力)する(ステップS23)。続いて、統括CPU28aは、次の図柄変動ゲームの処理に移行する(ステップS24)。なお、ステップS24において統括CPU28aは、ステップS18で選択した大当り開始演出コマンドに基づき次の図柄変動ゲームから表示する背景画像を指定する背景コマンドを作成する。そして、大当り遊技の終了後、保留記憶数が「0(零)」の場合には、メインCPU27aから変動パターン指定コマンドを入力しないので、ステップS18で選択した大当り演出開始コマンドで指定されるエンディング演出に引き続き次変動背景が可変表示器H2で表示されることとなる。一方、大当り遊技の終了後、保留記憶数が「0(零)」でない場合には、メインCPU27aから変動パターン指定コマンドを入力すると、ステップS24で作成した背景コマンドに基づく背景画像が可変表示器H2で表示されることとなる。
本実施形態において統括CPU28aは、大当りが決定されている場合(オープニング指定コマンドを入力する場合)には大当り決定時の内部抽選の結果(大当り図柄コマンドに指定される図柄)に基づいて、大当り開始演出コマンドの中から一つのコマンドを決定するとともに、大当り遊技中の各種大当り遊技演出(オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出)及び次変動背景を決定するようになっている。さらに、本実施形態では、ラウンド演出の演出内容も決定されるため、補助ゲームの開始(10回目のラウンド遊技のラウンド演出)から終了(15回目のラウンド遊技のラウンド演出又はエンディング演出)までの演出内容が一括して決定されるようになっている。すなわち、複数回のラウンド遊技に跨る補助ゲームにおいて、13回目のラウンド遊技、15回目のラウンド遊技の演出内容の各分岐点での演出内容が大当り開始演出コマンド毎に予め定められていることとなる。また、本実施形態では、エンディング演出用のデータと次変動背景用のデータとが1つの演出データとして記憶されているため、ステップS23において大当り開始演出コマンドによりエンディング演出の演出内容を指定すると同時に次変動背景が決定されるようになっている。
また、本実施形態においてメインCPU27aの出力するオープニング指定コマンドの出力時は、統括CPU28aに大当り開始演出コマンドを選択(決定)させる契機となるものであり、すなわち、大当り遊技中の演出内容及び次変動背景の背景画像の決定契機となるものである。また、オープニング指定コマンドは、図柄変動ゲームの変動時間が定められる変動パターン指定コマンドとは異なっており、統括CPU28aにおいてあくまで大当り遊技中(オープニング演出、ラウンド演出、補助ゲーム、エンディング演出)の演出内容と、次変動背景の背景画像(演出内容)のみの決定契機となるものである。なお、統括CPU28aの各ラウンド指定コマンド、エンディング指定コマンドの入力は、統括CPU28aの出力する各ラウンド指定コマンド、大当り終了演出コマンドの出力契機となっている。
そして、本実施形態では、大当り中処理(図5)において大当り遊技中の各種大当り遊技演出を決定しているため、統括CPU28aは、メインCPU27aの制御コマンドに合わせて各制御基板29〜31に制御コマンドを出力すれば良く、大当り開始演出コマンドに従い演出の実行を指定するのみで良い。すなわち、本実施形態のように、補助ゲームにおいてその演出内容が複数種類あり補助ゲームにバリエーションが存在する場合であっても、メインCPU27aの制御コマンドに合わせて制御コマンドを出力することで大当り遊技の演出を行わせることができる。
次に、表示制御基板29(サブCPU29a)が演出制御プログラムにしたがい実行する制御内容について説明する。
サブCPU29aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、その変動パターンに対応する演出内容で図柄変動ゲームが行われるように可変表示器H2の表示内容を制御する。そして、サブCPU29aは、全図柄停止コマンドを入力すると、飾図指定コマンドで指示された飾図を可変表示器H2に停止表示させ、図柄変動ゲームを終了させる。
そして、サブCPU29aは、統括CPU28aから大当り開始演出コマンドを受信(入力)すると、入力した大当り開始演出コマンドがコマンド00H〜08H,12H〜14HのいずれであるかをRAM29cに記憶する。そして、サブCPU29aは、該大当り開始演出コマンドに指定される演出内容でオープニング演出を可変表示器H2に実行させる。また、サブCPU29aは、統括CPU28aからラウンド指定コマンドを受信(入力)すると、各ラウンド指定コマンドに指定されるラウンド遊技にて、RAM29cに記憶されている大当り開始演出コマンドに基づく演出内容で各ラウンド演出を可変表示器H2に実行させる。また、サブCPU29aは、統括CPU28aから大当り終了演出コマンドを受信(入力)すると、該大当り終了演出コマンドに指定される演出内容でエンディング演出を可変表示器H2に実行させる。そして、サブCPU29aは、エンディング演出を開始させると、次の図柄変動ゲームの開始を指示する変動パターン指定コマンドを受信(入力)するまでの間、エンディング演出を継続的に実行させる。そして、サブCPU29aは、エンディング演出用のデータに定める演出時間が経過すると、次変動背景用のデータに定める背景画像を継続的に可変表示器H2に表示させる。なお、サブCPU29aは、保留記憶数が「0(零)」でない場合には、エンディング演出が開始され次変動背景が表示される前に変動パターン指定コマンドを入力するため、次変動背景を可変表示器H2に表示させることはない。また、本実施形態において、ランプ制御基板30及び音声制御基板31も統括CPU28aから大当り開始演出コマンドを入力すると、各基板30,31が備えるRAM(図示しない)に該大当り開始演出コマンドがコマンド0H〜08H,12H〜14Hのいずれであるかを記憶する。そして、ランプ制御基板30及び音声制御基板31は、前記RAMに記憶され大当り開始演出コマンドに基づく各種大当り遊技演出を実行する。
本実施形態において、主制御装置となる主制御基板27の出力する制御コマンドに基づき、各種演出(補助ゲームなどの各種大当り遊技演出)の演出内容を決定し、演出実行手段である可変表示器H2に各種演出(補助ゲームなどの各種大当り遊技演出)を実行させる統括制御基板28及び表示制御基板29が副制御装置となる。
次に、本実施形態のパチンコ機10において、統括CPU28aが選択した大当り開始演出コマンドに従って、サブCPU29aが大当り15Rの大当り遊技中(補助ゲーム)に制御する可変表示器H2の表示演出の態様について図6及び図7に基づき説明する。
図6(a)〜(e)及び図7(a)〜(g)には、図4に示す大当り開始コマンドのコマンド00H〜08Hが選択される場合の可変表示器H2の表示態様を示している。また、図6及び図7では、大当り遊技終了後に保留記憶数が「0(零)」であって、次変動背景が可変表示器H2に表示される場合を想定している。また、図6及び図7では、1回目〜9回目のラウンド遊技を破線で省略し、10回目のラウンド遊技を「10R」と示し、13回目のラウンド遊技を「13R」と示し、15回目のラウンド遊技を「15R」と示している。
まず、大当り開始演出コマンドのコマンド00H〜08Hのいずれかが選択される場合、オープニング演出を実行するオープニング画面として可変表示器H2では「大当り」の画像表示が行われ(図6(a))、1回目〜9回目のラウンド遊技のラウンド演出が可変表示器H2で行われる。続いて、大当り開始演出コマンドとして大当り開始演出コマンドのコマンド00H〜08Hのいずれかが選択されている場合、10R開始画面として可変表示器H2では補助ゲームであるバトル演出が開始する「勝負」の画像表示が行われる(図6(b))。そして、大当り開始演出コマンドのコマンド00H,03H,06Hが選択されている場合、13R開始画面として可変表示器H2では1人のキャラクタAが出現する画像表示が行われる(図6(c))。また、コマンド01H,04H,07Hが選択されている場合、13R開始画面として可変表示器H2では2人のキャラクタA及びキャラクタBが出現する画像表示が行われる(図6(d))。また、コマンド02H,05H,08Hが選択されている場合、13R開始画面として可変表示器H2では3人のキャラクタA、キャラクタB及びキャラクタCが出現する画像表示が行われる(図6(e))。
続いて、コマンド03H〜05Hが選択されている場合、15R開始画面として可変表示器H2では大当り遊技終了後の遊技状態が確変状態となることを示唆する「勝利」の画像表示が行われる(図7(a))。そして、エンディング演出を実行するエンディング画面として可変表示器H2では「確率変動」の画像表示が行われ(図7(b))、次変動背景として確変状態が付与されていることを示す「高確率」の画像表示が行われる(図7(c))。
また、コマンド06H〜08Hが選択されている場合、15R開始画面として可変表示器H2では大当り遊技終了後の遊技状態が確変状態とならないことを示唆する「敗北」の画像表示が行われる(図7(d))。そして、エンディング演出を実行するエンディング画面として可変表示器H2では「復活確率変動」の画像表示が行われ(図7(e))、補助ゲームでは確変状態が付与されないことを示唆していたがエンディング演出により確変状態が付与されることを示唆する復活演出が行われる。そして、可変表示器H2では次変動背景として確変状態が付与されていることを示す「高確率」の画像表示が行われる(図7(c))。
また、コマンド00H〜02Hが選択されている場合、15R開始画面として可変表示器H2では大当り遊技終了後の遊技状態が確変状態とならないことを示唆する「敗北」の画像表示が行われる(図7(d))。そして、エンディング演出を実行するエンディング画面として可変表示器H2では「時短変動」の画像表示が行われ(図7(f))、次変動背景として時短状態が付与されていることを示す「時短」の画像表示が行われる(図7(g))。
したがって、本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)統括CPU28aは、オープニング指定コマンドの入力を契機に大当り遊技終了後に待機中の図柄変動ゲームが存在しない場合の次変動背景(変動待機演出)の背景画像(演出内容)を各種大当り遊技演出に関連させて決定するようにした。このため、統括CPU28aは、次変動背景の画像表示を表示制御基板29を介して可変表示器H2で表示させる場合、大当り遊技演出の演出内容に関連させて次変動背景の背景画像を決定するときであってもいずれの背景画像を実行させるかを選択する必要がなく、オープニング指定コマンド入力時に決定した演出内容で演出を実行させれば良い。したがって、大当り遊技中の演出と大当り遊技終了直後に行われる演出を関連させる処理を簡素化し、簡素化した分の処理に係るデータ容量を削減することができる。
(2)オープニング指定コマンドの入力を契機にして大当り図柄コマンドに指定される特図に基づき、大当り遊技中の補助ゲームの演出内容を決定するようにした。このため、補助ゲームが複数段階に分岐する場合などその分岐後の行き先を乱数抽選などで決定する必要がなくなる。すなわち、分岐点毎に乱数を取得し判定するなどの処理を行う必要がなく補助ゲームに係る処理を簡素化することができる。また、オープニング指定コマンドの入力時に大当り遊技中の補助ゲーム自体の演出内容を決定しているので、補助ゲームの分岐点の前後において演出内容の対応付けを行なう必要がなくなる。すなわち、別途、分岐点の前後において演出内容の対応付けを行なう処理を行なう必要がなく、補助ゲームに係る処理が複雑化することを防止している。したがって、大当り遊技中に補助ゲームを行うことで遊技の興趣を向上させるとともに、該補助ゲームに係る乱数抽選などの処理を簡素化し、簡素化した分の処理に係るデータ容量を削減することができる。
(3)さらに、統括CPU28aは、オープニング指定コマンドに基づき大当り遊技終了後に待機中の図柄変動ゲームが存在しない場合の次変動背景(変動待機演出)の背景画像(演出内容)を補助ゲームに関連させて決定するようにした。このため、統括CPU28aは、次変動背景を表示制御基板29を介して可変表示器H2に表示させる場合、補助ゲームに関連させて次変動背景(変動待機演出)の背景画像を決定するときであってもいずれの背景画像を表示させるかを選択する必要がなく、オープニング指定コマンド入力時に決定した演出内容で演出を実行させれば良い。すなわち、別途、補助ゲームの演出内容に次変動背景を対応付けする処理を行なう必要がなく、補助ゲームに係る処理が複雑化することを防止している。したがって、補助ゲームの演出内容と大当り遊技終了後に行われる演出を関連させる処理を簡素化し、簡素化した分の処理に係るデータ容量を削減することができる。
(4)統括CPU28aは、オープニング指定コマンドの入力時に大当り遊技演出の一つである大当り遊技の終了を示すエンディング演出の演出内容をも決定するようにした。このため、大当り遊技中の演出(補助ゲーム)に関連させてエンディング演出を実行する及び次変動背景の背景画像を決定する場合であっても、大当り遊技中の演出に合わせ、エンディング演出の開始時エンディング演出の演出内容を決定する必要がなくなる。このため、大当り遊技のエンディング演出に係る処理を簡素化することができる。したがって、エンディング演出に係る処理を簡素化した分だけデータ容量を削減することができる。
(5)オープニング指定コマンドは、図柄変動ゲームの変動時間を指定する変動パターン指定コマンドとは異なっている。そして、統括CPU28aは、オープニング指定コマンドを入力すると大当り遊技中(オープニング演出、補助ゲーム(ラウンド演出)、エンディング演出及び次変動背景)の演出内容のみを決定している。このため、統括CPU28aは、大当り遊技中においてメインCPU27aからコマンドを入力すると、入力に合わせて決定している演出内容に基づく演出を指定する制御コマンドを表示制御基板29に出力すれば良い。このため、大当り遊技の補助ゲームに係る制御負担を増加させることなく、補助ゲームの処理を簡素化することができる。本実施形態では、統括CPU28aが出力する大当り終了演出コマンドが該当する。
(6)また、統括CPU28aは、ラウンド指定コマンドやエンディング演出の入力時などその都度演出の演出内容を抽選したりする必要がなく、統括CPU28aに係る処理を簡素化するとともに、簡素化した分だけ統括制御基板28のデータ容量を削減することができる。
(7)統括CPU28aは、補助ゲームが行われるラウンド遊技中には、メインCPU27aの出力するラウンド指定コマンドに合わせて、該当するラウンド指定コマンドをサブCPU29aに出力すれば良い。このため、統括CPU28aは、ラウンド遊技中にはラウンド演出の演出内容、すなわち補助ゲームの演出内容を抽選や選択する必要がなくなる。したがって、演出内容を抽選や選択しない分だけその抽選や選択に係るデータ容量を削減することができる。
(8)また、統括CPU28aは、大当り開始演出コマンドを選択する大当り中処理において、保留記憶数が「0(零)」でない場合に大当り遊技終了直後に行われる図柄変動ゲームを開始させる場合に出力する背景コマンドに指定する背景画像の内容も決定するようにした。このため、統括CPU28aは、大当り開始演出コマンドを選択することで、大当り遊技終了後の図柄変動ゲームの開始時に状態コマンドを入力して当該コマンドに基づき背景コマンドを作成したりする必要がない。したがって、大当り遊技終了後には、迅速に次の図柄変動ゲームの処理に移行することができる。
(9)大当り開始演出コマンドの各コマンド00H〜08Hには、それぞれ補助ゲームの開始からエンディング演出までと次変動背景(次の図柄変動ゲームの背景画像)が一括して定められている。このため、予め補助ゲームの内容と、エンディング演出の内容と、次変動背景の内容とが一致するように定められている。したがって、補助ゲームの結果と次変動背景の背景画像が一致していない現象や、エンディング演出の内容と、次変動背景の背景画像が一致しないなどの現象が起こり得ないようになっている。すなわち、データ容量を削減したとしても整合のとれた演出を実行することができる。
なお、本実施形態は以下のように変更しても良い。
・本実施形態は、エンディング演出の演出内容は、補助ゲームの結果に基づいて統括CPU28aがエンディング指定コマンドの入力時に別途選択するようにしても良い。また、エンディング演出の演出内容は、統括CPU28aがエンディング指定コマンドの入力時に別途乱数抽選等により決定したり共通の演出内容を使用しても良い。
・本実施形態は、次変動背景をエンディング演出と同じデータとせずエンディング演出用データと、次変動背景用データとを別々に設けても良い。この場合、サブCPU29aは、大当り終了演出コマンドを入力するとエンディング演出を実行させ、エンディング演出に指定される演出時間の経過時に、次変動背景を表示させるように可変表示器H2を制御する。また、統括CPU28aは、大当り終了演出コマンドの内容から次変動背景の表示内容をサブCPU29aが把握できるように、次変動背景の情報も含む大当り終了演出コマンドを表示制御基板29に出力する。
・本実施形態は、統括制御基板28、表示制御基板29、ランプ制御基板30及び音声制御基板31を設けないで、可変表示器H2、装飾ランプ16及びスピーカ17の各種演出を制御する演出制御基板を設けるようにしても良い。この場合、演出制御基板は、図4に示すようなオープニング演出、ラウンド演出(補助ゲーム)、エンディング演出及び次変動背景を予め定めた演出パターンを複数種類記憶している。そして、演出制御基板は、主制御基板27からオープニング指定コマンドを入力すると、大当り開始演出コマンドを選択するのでなく、複数種類の前記演出パターンの中から1つの演出パターンを選択する。こうすることで、統括制御基板28から各制御基板29〜31に出力される制御コマンドを省くことができ、制御コマンドを省いた分だけデータ容量を削減することもできる。本別例では、演出制御基板が副制御装置となる。
・本実施形態において表示制御基板29(サブCPU29a)は、統括CPU28aで決定される大当り開始演出コマンドに基づく演出内容でエンディング演出を行うようにしても良い。この場合、統括CPU28aは、エンディング指定コマンドを入力すると、表示制御基板29(サブCPU29a)にエンディング指定コマンドを出力する。そして、表示制御基板29は、統括CPU28aからエンディング指定コマンドを入力すると、RAM29cに記憶される大当り開始演出コマンドに基づきエンディング演出を実行する。こうすることで、統括CPU28aは、大当り開始演出コマンドの出力後は、メインCPU27aから入力する各種制御コマンドをそのまま表示制御基板29に出力すれば良くなる。
・本実施形態において統括CPU28aは、オープニング指定コマンドを入力すると、大当り開始演出コマンドを決定し、決定したコマンドをRAM28cに記憶する。そして、統括CPU28aは、大当り遊技中においてメインCPU27aからラウンド指定コマンドを入力すると、RAM28cに記憶されている大当り開始演出コマンドに基づく演出内容を指定する制御コマンドを各制御基板29〜31に出力するようにしても良い。これにより、統括CPU28aで統括的に各制御基板29〜31を制御できるため、統一的な表示演出、発光演出及び音声出力演出を実行することができる。
・本実施形態は、装飾ランプ16の発光演出や、スピーカ17による音声演出により補助ゲームを行ったり、可変表示器H2と連動させた補助ゲームを行っても良い。本別例では、装飾ランプ16及びスピーカ17が演出実行手段となる。
・本実施形態において統括CPU28aは、大当り中処理のステップS11で大当り図柄コマンドに指定される特図により大当り2Rであるか否かを判定するようにしても良い。また、統括CPU28aは、ステップS13で変動パターンから小当りであるか否かを判定し、ステップS14で変動パターンから確変大当りであるか否かを判定するようにしても良い。この場合、統括CPU28aは、オープニング指定コマンドを入力すると、変動パターン指定コマンドに指定される変動パターンの種類に基づき大当り開始演出コマンドを選択することとなる。
・本実施形態は、大当り開始演出コマンドの各コマンドの選択割合に偏りを持たせても良い。例えば、内部的に確変大当りを決定している場合には、13回目のラウンド遊技のラウンド演出で出現するキャラクタが多い演出内容が定められているコマンドを選択し易くする。一方、内部的に確変大当りを決定していない場合には、13回目のラウンド遊技のラウンド演出で出現するキャラクタが少ない演出内容が定められているコマンドを選択し易くする。こうすることで、補助ゲームで確変状態が付与されることを示唆する結果と、補助ゲームの内容とを関連付けることができ、補助ゲームの興趣をより向上させることができる。
・本実施形態は、確変機能を搭載しないパチンコ機に適用しても良い。この場合、大当り遊技中の補助ゲームでは、大当り遊技の終了後に時短状態が付与されるか否かを示唆する演出を行うようにする。本別例において時短状態は、時短状態が付与されていない状態に比較して、遊技球の減少を抑えつつ遊技を行うことができる遊技者にとって有利な特別状態となる。
・本実施形態は、飾図による大当りの図柄組み合わせから内部的に確変大当りが決定されているか否かを遊技者に認識し得ないようにしても良い。すなわち、特図として大当り15Rの大当りが決定されている場合、共通の飾図による大当りの図柄組み合わせを表示させるようにしても良い。
・本実施形態において大当り2Rの大当り遊技及び小当り遊技でも、ラウンド遊技中にラウンド演出を行うようにしても良い。そして、ラウンド遊技として複数の分岐点を有する演出(補助ゲーム)を行うようにしたとしても、本実施形態のようにオープニング指定コマンドの入力時に大当り図柄コマンドの特図に基づき大当り遊技及び小当り遊技の演出内容を決定することができる。すなわち、大当り2Rの大当り遊技及び小当り遊技でも分岐点を有する演出(補助ゲーム)を行ったとしても、各制御基板の処理を複雑にすることなく実現することができ、処理を複雑にしないのでデータ容量も増加させることなく実現することができる。
・本実施形態は、大当り及び小当りを示す特図を当該特図の種類から大当りの種類(大当り15R、大当り2R、小当り、確変大当り、非確変大当り)を認識し難い図柄としても良い。例えば、特図表示器H1において、「巳」などの漢字による図柄や、アルファベットを反転させた図柄などを停止表示させるようにする。こうすることで、大当り遊技中には、その大当り遊技終了後に確変状態が付与されるか否かを示唆する補助ゲームにより興趣を見出すことができる。
・本実施形態において補助ゲームの演出内容は、例えば、スタートからゴールに到達できるか否かで確変状態が付与されるか否かを示唆するようにしても良い。すなわち、最終的に確変状態が付与されるか否かを示唆できるような演出内容であれば良い。
・本実施形態において大当り開始演出コマンドの種類は、図4に示す11種類に限らず複数種類(2種類以上)であって11種類未満でもいいし、11種類より多くても良い。そして、コマンドの種類を増加させることで補助ゲームや大当り遊技自体のバリエーションを増加させることができる。
H1…特図表示器、H2…可変表示器、10…パチンコ機、23…大入賞口、27…主制御基板、27a…メインCPU、27b…ROM、28…統括制御基板、28a…統括CPU、28b…ROM、28c…RAM、29…表示制御基板、29a…サブCPU、29b…ROM、29c…RAM。