JP2007328740A - 医療情報管理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】初診患者の問診情報を一から入力する作業は、医療従事者にとって大きな負担となっている。
【解決手段】記録部30は、患者に対して行われた医療行為の実施情報を記録する。抽出部22は、記録部30に記録された実施情報から、患者の問診項目に対する問診結果を作成するための情報を抽出する。作成部24は、抽出部22により抽出した情報を参照して問診結果を作成し、問診結果およびそれに対応する問診項目から、問診票データを作成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、医療情報管理技術に関し、特に問診票データを管理する医療情報管理装置に関する。
医療機関では、医療行為を行う前に患者から問診をとる。問診とは、医師が診断の手がかりを得るために、病状や既往歴および家族歴などを患者に問うことである。多くの場合、問診票は紙で患者に手渡され、患者は問診票に記載された質問事項に回答する。患者から回収された問診票は、医療行為を行う前に医師に確認され、紙のまま患者カルテと共に保管されるか、電子データとしてコンピュータに入力されて記録される。このように電子データで記録される場合、初診患者の問診情報は一から入力する必要があるため、医療従事者の大きな負担となっている。
特許文献1は、既存の問診システムと連携し、あらかじめ問診システムで入力された問診情報から、カルテに必要な問診情報を自動的に取り込むことで、医師の診療の効率化を図る電子カルテシステムを開示する。
特開平10−323329号公報
特許文献1のように、問診システムを用意し、患者に問診情報を入力させることも可能である。しかしながら、新たに問診システムを導入するにはコストが発生する。また、患者に操作を覚えてもらう必要があり、患者の入力ミスや記憶違いなどにより、誤った回答を含む問診票データが作成されてしまう可能性もある。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、医療従事者による問診結果の記録に伴う手間を軽減しつつ、信頼性の高い問診票データを作成することが可能な医療情報管理装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の医療情報管理装置は、患者に対して行われた医療行為の実施情報を記録する記録部と、記録部に記録された実施情報から、患者の問診項目に対する問診結果を作成するための情報を抽出する抽出部と、抽出部により抽出した情報を参照して、問診結果を作成する作成部と、を備える。作成部は、問診結果およびそれに対応する問診項目から、問診票データを作成してもよい。
この態様によると、検査データなどの実施情報を利用して、問診結果を作成するため、医療従事者による問診結果の記録に伴う手間を軽減しつつ、信頼性の高い問診票データを作成することができる。
記録部は、患者に対する注意事項情報を記録し、抽出部は、注意事項情報を利用して、問診結果を作成するための情報を抽出してもよい。「注意事項情報」とは、患者の禁忌薬剤、行ってはならない医療行為などを医療行為者に提供し、医療行為者の注意を喚起するための情報であってもよい。患者の注意事項情報が記録部に記録されている場合、その情報を利用して、それに関連する問診項目の問診結果を作成することができる。よって、より多くの問診項目に対する問診結果を作成することができる。
本発明の別の態様もまた、医療情報管理装置である。この装置は、医療行為と、この医療行為から導かれる、問診項目に対する問診結果を関連付けて管理するテーブルと、患者に対して行われた医療行為がテーブルで管理されている医療行為に該当するか否かを検索する検索部と、検索部による検索の結果、該当する医療行為が存在する場合、その医療行為に関連付けられた問診結果とそれに対応する問診項目から、問診票データを作成する作成部と、を備える。
この態様によると、問診項目に対する問診結果を関連付けて管理するテーブルを利用することにより、実施情報から簡単に問診結果を得ることができる。
記録部に記録された、問診票データ、実施情報、レポート情報およびオーダ情報の少なくともいずれかに含まれる患者に対する注意事項情報を抽出して、患者ごとに患者付随情報を生成する患者付随情報生成部をさらに備えてもよい。これによれば、注意事項情報を一元管理することにより、医療行為者が注意事項情報を容易に利用することができる。
患者付随情報生成部は、問診票データ、実施情報、レポート情報およびオーダ情報から矛盾する注意事項情報を抽出した場合、矛盾する注意事項情報のうち、患者にとって安全な情報を優先してもよい。これによれば、医療行為者が注意事項情報を利用して医療行為を行う場合、より患者の安全を守ることができる。
記録部に記録された患者の親族の医療情報を取得する親族情報取得部と、親族の医療情報から家族既往歴情報を生成する家族既往歴情報生成部と、をさらに備えてもよい。作成部は、問診結果、それに対応する問診項目および家族既往歴情報を参照して、問診票データを作成してもよい。これによれば、家族既往歴情報を利用して、それに関連する問診項目の問診結果を作成することができる。よって、より多くの問診項目に対する問診結果を作成することができる。
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、医療従事者による問診結果の記録に伴う手間を軽減しつつ、信頼性の高い問診票データを作成することがことができる。
本発明の実施形態を詳細に説明する前に、まず概要を説明する。本発明の実施形態における医療情報管理装置は問診票データを管理する。医療情報管理装置は医療行為の実施情報を利用して問診票データを作成する。そのため、患者が紙に記入した問診項目に対する回答を看護師などが手入力する場合より簡単にデータベース化することができる。また、患者に端末から入力してもらう場合より医師による医療行為の実施結果を反映するため、信頼性の高い情報を基にデータベース化することができる。
以下、実施形態を詳細に説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る医療情報管理システム100の構成を示す。医療情報管理システム100は、医療情報管理装置10、PC(Personal Computer)40、PDA(Personal Digital Assistant)50および観測装置52を含んで構成される。これらは、ハブにより分配されたネットワークにより接続され、LAN(Local Area Network)を構成している。PDA50は、図示しないアクセスポイントを通じて、無線でLANに接続する。観測装置52は、電子内視鏡装置、超音波内視鏡観測装置、体外エコー装置および外付けカメラ装置などが該当する。PC40およびPDA50は、医療情報管理装置10に対するクライアント装置として機能する。以下、医療情報管理システム100として内視鏡部門の管理システムを例に説明する。
医療情報管理装置10は、制御部20、記録部30および通信部32を備える。制御部20は、抽出部22、作成部24および検索部26を含む。PC40は、表示部42、操作部44、通信部46、制御部48および記録部49を備える。
これらの構成は、ハードウエア的には、任意のコンピュータのCPU、メモリ、その他のLSIで実現でき、ソフトウエア的にはメモリにロードされたプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、ソフトウエアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
医療情報管理装置10は、内視鏡部門システムを統括的に制御し、患者情報、実施情報などに加え、問診票データも管理する。記録部30は、ハードディスクなどの記憶媒体によって構成されており、患者情報、オーダ情報、実施情報、レポート情報、問診票データおよび医療行為と医療行為から導かれる帰結を関連付けるテーブルなどをデータベースとして管理する。各データベースやテーブルの詳細は後述する。通信部32は、PC40、PDA50および観測装置52との通信を実行する。また、他の部門システム200、300との通信も実行する。
制御部20は、医療情報管理装置10全体を統括的に制御する。本実施形態では、主に、医療行為と医療行為から導かれる帰結を関連付けるテーブルを参照して、実施情報から問診票データを作成する。抽出部22は、実施情報から患者に対して行われた医療行為を抽出する。検索部26は、抽出された医療行為が、医療行為と医療行為から導かれる帰結を関連付けるテーブルで管理されている医療行為のいずれかに該当するか否かを検索する。作成部24は、上記テーブルに該当する医療行為が存在した場合、それに関連付けられた帰結を問診結果とし、当該問診結果とそれに対応する問診項目に基づいて問診票データを作成し、記録部30に記録する。
PC40は、医療情報管理装置10にアクセスして、患者情報、オーダ情報および実施情報などを参照したり、加工したりすることができる。表示部42は、患者情報や実施情報などを表示する。操作部44は、キーボードなどを備え、ユーザからの入力を受け付ける。通信部46は、医療情報管理装置10、PDA50および観測装置52との通信を実行する。制御部48は、PC40全体を統括的に制御する。記録部49は、ハードディスクなどの記憶媒体によって構成されており、レポート情報などを記録する。
PDA50は、看護師などの医療行為者が携帯し、PC40と基本的に同様の構成を備える。また、薬剤、器材および患者のリストバンドなどの識別情報を読み取るための図示しないハンディスキャナなどで構成された読取部をさらに備える。観測装置52は、患者の内臓や体腔の内部を検査したり処置したりするための装置である。撮影した画像などを検査データとして医療情報管理装置10に送信する。
上述した実施情報とは、検査や処置の実施内容に関する情報であり、「検査ID」または「処置ID」、「検査日」または「処置日」、「実施者」、「実施場所」、「手技」、「薬剤」、「器材」、「撮影画像」および「シェーマ画像」などを適宜含む。
図2は、問診票の一例を示す。問診票は、患者に対する質問項目とそれに対応する回答を記載した文書である。図2の例は、内視鏡検査に先立ちなされる問診の例であり、緑内障であるか否か、抗凝固剤を服用しているか否かなどを患者に質問している。医師は、このような問診票を参考にして検査や処置を行う。例えば、緑内障である場合、投与してはならない薬剤がある。抗凝固剤を服用している患者の場合、内視鏡検査中に消化管にポリープが発見されても、切除すると血が止まらなくなるため、直ぐに切除することができない。
図3は、医療行為と医療行為から導かれる帰結とを関連付けたテーブル60の一例を示す。図3の例では、医療行為62として薬剤Aの投与がなされた場合、医療行為から導かれる帰結64として緑内障でないことが分かる。また、生検が行われたということから、抗凝固剤を服用していないことが導きだせる。また、薬剤Bの投与がなされた場合、緑内障であることが分かる。
図4は、問診票データの一例を示す。問診票データ66は、問診項目68および問診結果69を含む。医療行為者は、2回目の診断からはPC40やPDA50を利用して、初診のときに作成した問診票データを参照することができる。また、問診票データをPC40から印刷して、紙ベースの問診票を作成することもできる。
図5は、第1実施形態における医療情報管理装置10の動作を説明するためのフローチャートである。まず、医療情報管理装置10は、観測装置52から実施情報を受信する(S10)。検索部26は、受信した実施情報に含まれる医療行為が、医療行為と医療行為から導かれる帰結とを関連付けたテーブル60に存在するか否かを検索する(S12)。存在する場合(S12のY)、作成部24は、当該テーブル60から当該医療行為から導かれる帰結を抽出し(S14)、その帰結に対応する問診項目と合わせて問診票データを作成する(S16)。存在しない場合(S12のN)、問診項目に対する回答が空白の状態で問診票データを作成する(S16)。ステップS12〜S16までの処理は、実施情報に含まれる医療行為の一つについての処理であり、複数の医療行為が含まれる場合、それぞれについてステップS12〜S16までの処理が行われる。
医療行為者は、PC40やPDA50を利用して、問診票データを参照したり加工したりすることができる(S18)。例えば、実施情報から得られなかった、問診項目に対する回答について紙ベースの問診票がある場合、その内容を手入力してもよい。また、問診項目や問診結果の内容に変更がある場合、手入力で内容を修正することができる。
以上説明したように本実施形態によれば、医療情報管理装置が医療行為の実施情報をもとに問診票データを作成するため、医療行為者が患者に記載してもらった紙ベースの問診票の内容を手入力する必要がないため、問診票データを作成する手間を軽減することができる。また、医師の診断結果を反映させた問診票データを作成できるため、内容の精度を高めることができる。例えば、高齢者などは、自分の使用できない薬剤や既往歴について、忘却していたり、勘違いしている場合もある。この点、本実施形態は、医師の診断結果から導かれた事項をもとに問診票データを作成するため、患者の自己申告より精度が高い。
図6は、本発明の第2実施形態に係る医療情報管理装置10の構成を示す。第2実施形態に係る医療情報管理装置10の構成は、基本的に第1実施形態に係る医療情報管理装置10と同様である。以下、相違点について説明する。第2実施形態に係る制御部20は、抽出部22、作成部24、検索部26、患者付随情報生成部70、親族情報取得部72、家族既往歴情報生成部74を備える。患者付随情報生成部70は、後述する患者付随情報を生成する。親族情報取得部72は、親族情報データベースから患者の親族に該当する親族情報を取得する。家族既往歴情報生成部74は、取得された親族情報に基づいて、当該患者の家族既往歴情報を生成する。これらの詳細な動作は後述する。
以下、記録部30に記録されている様々なデータベースを基に、患者付随情報を生成する手法について説明する。以下に記載する問診票データベースは、第1実施形態により作成されたものであってもよいし、別の手法で作成されてものであってもよい。
記録部30は、患者情報データベース、オーダ情報データベース、実施情報データベース、問診票データベース、レポート情報データベース、患者付随情報データベース、優先順位テーブルおよび親族情報データベースなどを管理する。
図7は、患者情報をデータベース化した患者情報データベース80の一例を示す。患者情報データベース80は、患者ID82をキーに、患者ごとの氏名84および性別86などを管理する。患者情報とは、1人の患者を特定するための情報であり、「患者ID」、「氏名」、「性別」および「生年月日」などの項目を含む。「患者ID」は、各患者を識別できるように患者に一意に対応した番号である。さらに、患者の特性や状態を表すプロフィール情報として、「血液型」、「身長/体重」、「アレルギー」、「障害」、「感染症」、「疾患、注意事項」、「検体検査結果」、「前投薬情報」などの項目を含めてもよい。
図8は、オーダ情報をデータベース化したオーダ情報データベース90の一例を示す。オーダ情報データベース90は、検査ID92をキーに、検査ごとに患者ID94、検査種別96および検査予定日98などを管理する。オーダ情報とは、内視鏡部門などの部門に対して検査依頼が行われる場合の検査の依頼に関する情報である。「検査ID」、「患者ID」、「氏名」、「オーダ番号」および「発生日時」などのオーダキー情報、「依頼科名」、「依頼医師名」および「依頼日」などの依頼元情報、「依頼病名」、「検査目的」、「検査種別」、「検査項目」および「検査部位」、「コメント」などを適宜含むオーダ内容、ならびに「検査予定日」および「実施時刻」などの検査予約情報などを含む。オーダキー情報は、一つの検査オーダを一意に特定するための情報である。
図9は、実施情報をデータベース化した実施情報データベース110の一例を示す。実施情報データベース110は、検査ID112をキーに、検査ごとに検査日114、器材115、薬剤116、手技118、検査画像119などを管理する。なお、図9では検査を管理するデータベースを示したが、実施情報を管理するため、処置を管理するデータベースも用いられる。
図10は、問診票データをデータベース化した問診票データベース120の一例を示す。問診票データベース120は、検査ID122をキーに、問診項目124および問診結果126などを管理する。問診項目124に対して回答がない場合は、問診結果126の項目は「なし」になる。
図11は、レポート情報をデータベース化したレポート情報データベース130の一例を示す。レポート情報データベース130は、検査ID132をキーに、検査ごとに実施内容A134、実施内容B136、所見138および注意事項コメント139などを管理する。レポート情報は、「検査ID」または「処置ID」、「報告日」、「報告者」、「診断」、「所見」、「実施内容」および「注意事項コメント」および「検査後注意・指示」などを適宜含む。
図12は、患者付随情報をデータベース化した患者付随情報データベース140の一例を示す。患者付随情報データベース140は、患者ID142をキーに、注意事項144、重要度146および薬剤注意148などを管理する。患者付随情報データベース140は、患者情報データベース80、オーダ情報データベース90、実施情報データベース110、問診票データベース120およびレポート情報データベース130から必要な内容を抽出して作成する。この作成手法の詳細は後述する。作成部24は、患者付随情報データベース140を利用して、問診結果を作成することができる。患者付随情報とは、アレルギー体質など本人の体質、本人または家族の既往歴などを含む情報であり、その患者に対する禁忌薬剤、行ってはならない医療行為などを医療行為者に提供するための情報である。
注意事項は、医療行為者が患者を受け付けてPC40から検査オーダを医療情報管理装置10に登録した際や、検査前の処置として鎮痛剤や麻酔薬などの薬剤名をPDA50から登録した際に、それぞれの端末に表示される。重要度146は、当該注意事項の重要度を示し、医療行為者に提示すべき必要性の程度を示す。図12では重要度146を5段階レベルで表現しており、「5」が最も重要な注意事項情報であることを示す。例えば、重要度が「5」の場合、端末に表示する際、大きな文字や赤い文字で表示してもよい。また、PDA50の表示部が狭く、すべての注意事項を表示しきれない場合、重要度の高い順に表示できるものだけを表示してもよい。薬剤注意148は、特定の注意事項が薬剤に関するものであるか否かを示す。薬剤に関する注意事項は、特に重要であるため、医療行為者もシステムもすぐに認識可能なように分類してある。
患者付随情報生成部70は、患者情報データベース80、オーダ情報データベース90、実施情報データベース110、問診票データベース120およびレポート情報データベース130から必要な内容を抽出して、患者付随情報データベース140を生成する。その際、同一事項に対する注意事項について、複数のデータベースから矛盾する内容を抽出する場合がある。例えば、あるデータベースからは緑内障に該当しないという内容を抽出し、他のデータベースからは緑内障に該当するという内容を抽出する場合がある。この場合、患者にとって安全な方、すなわち医療行為が抑制的に実施される方を優先する。上記例では、患者付随情報データベース140に緑内障に該当すると登録されることになる。
図13は、優先順位テーブル150を示す。優先順位テーブル150は、上述したように複数のデータベースから矛盾する内容を抽出した場合の優先順位をあらかじめ規定したものである。優先順位テーブル150は、抽出事項A152、抽出事項B154などの複数の抽出事項と、優先事項156などを管理する。図13では、問診票データベース120から緑内障に非該当という事項が抽出され、実施情報データベース110からグルカゴン注射が実施されたという事項が抽出された場合が示されている。グルカゴン注射が実施されたということは、その患者が緑内障であることを示す。このように矛盾した事項が抽出された場合、安全な方の緑内障に該当するが優先事項としてあらかじめ優先順位テーブル150に登録されている。
親族情報は、患者と血縁関係にある患者の体質や既往歴に関する情報である。医師は、患者に医療行為を施す際、遺伝情報などを考慮する。したがって、問診票データベース120や患者付随情報データベース140に患者の親族情報を蓄積すると有益な情報となる。
図14は、親族情報をデータベース化した親族情報データベース160の一例を示す。親族情報データベース160は、患者ID162をキーに、患者ごとに氏名164、対象家族の患者ID166、対象家族の氏名168および血縁関係169などを管理する。親族情報データベース160は、自己の部門システムばかりでなく、他の部門システムの情報も収集して作成されてもよい。
親族情報データベース160から親族に関する問診項目の問診結果を抽出する場合、親族情報取得部72は、患者ID162をキーに対象家族の患者ID166を抽出する。そして、抽出した患者ID166に基づき、医療機関内に管理されている一部または全ての実施情報データベースからその患者の実施情報を抽出し、その実施情報から親族に関する既往歴情報を問診項目の問診結果として抽出する。作成部24は、この問診結果とそれに対応する問診項目を基に、問診票データの親族に関する項目を作成する。
図15は、第2実施形態における医療情報管理装置10の動作を説明するためのフローチャートである。患者付随情報生成部70は、患者情報データベース80、オーダ情報データベース90、実施情報データベース110、問診票データベース120およびレポート情報データベース130から、注意事項として医療行為者に提示すべき情報を抽出する(S20)。この情報抽出は、各データベースについて、抽出する事項をあらかじめ設定しておけばよい。次に、患者付随情報生成部70は、抽出した複数の注意事項間に矛盾がある場合(S22のY)、優先順位テーブル150を参照し(S24)、優先順位の高い注意事項を決定する。注意事項間に矛盾がない場合(S22のN)、この処理は省略される。このようにして、患者付随情報生成部70は患者付随情報データベース140を生成する(S26)。
医療行為者は、患者を受け付けて検査オーダを医療情報管理装置10に登録するため、PC40から患者IDを入力すると(S28のY)、検索部26は、患者付随情報データベース140内を、当該患者IDをキーに該当する患者の患者付随情報を検索する。その患者付随情報は、PC40に送信され表示部42に表示される(S30)。
患者付随情報生成部70は、患者付随情報データベース140の更新タイミングになると(S32のY)、患者情報データベース80、オーダ情報データベース90、実施情報データベース110、問診票データベース120およびレポート情報データベース130から注意事項を収集して(S20)、患者付随情報データベース140の内容を更新する。患者付随情報生成部70は、夜間の定期バッチ処理のときや、いずれかのデータベースにデータが登録されたときなどのタイミングで更新を行う。
以上説明したように本実施形態によれば、患者ごとに注意事項を集約し、データベースに一元管理することにより、患者の禁忌薬剤などの注意事項を容易に検索して医療行為に利用することができる。この注意事項を医療行為者の使用する端末に表示させることにより、危険な医療行為を未然に防止することができる。また、患者に対する注意事項をシステムが各種のデータベースから収集して作成するため、手書きのメモなどと比較して、信頼性の高い情報を医療行為者に提示することができる。また、定期的に注意事項を一元管理するデータベースを更新するため、内容の信頼性も高い。
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
上述した実施形態では、主として内視鏡検査部門のシステムを例に説明したが、当然、他の部門システムにも適用可能である。特に、本発明は処置前に様々な検査が実施されるシステムに有効である。検査の種類が多く、多くの実施情報が蓄積されるほど、多くの問診項目に対する回答を実施情報データベースから得ることができるからである。例えば、手術部門では手術実施前に様々な検査が実施される。よって、医療従事者が問診票データを作成する手間を大幅に軽減することができる。また、信頼性の高い回答を多く含むことになり、問診票データベース全体の精度も高めることができる。
本発明の第1実施形態に係る医療情報管理システムの構成を示す図である。 問診票の一例を示す図である。 医療行為と医療行為から導かれる帰結とを関連付けたテーブルの一例を示す図である。 問診票データの一例を示す図である。 第1実施形態における医療情報管理装置の動作を説明するためのフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係る医療情報管理装置の構成を示す図である。 患者情報をデータベース化した患者情報データベースの一例を示す図である。 オーダ情報をデータベース化したオーダ情報データベースの一例を示す図である。 実施情報をデータベース化した実施情報データベースの一例を示す図である。 問診票データをデータベース化した問診票データベースの一例を示す図である。 レポート情報をデータベース化したレポート情報データベースの一例を示す図である。 患者付随情報をデータベース化した患者付随情報データベースの一例を示す図である。 優先順位テーブルを示す図である。 親族情報をデータベース化した親族情報データベースの一例を示す図である。 第2実施形態における医療情報管理装置の動作を説明するためのフローチャートである。
符号の説明
10 医療情報管理装置、 20 制御部、 22 抽出部、 24 作成部、 26 検索部、 30 記録部、 32 通信部、 40 PC、 42 表示部、 44 操作部、 46 通信部、 48 制御部、 49 記録部、 50 PDA、 52 観測装置、 70 患者付随情報生成部、 72 親族情報取得部、 74 家族既往歴情報生成部、 100 医療情報管理システム。

Claims (7)

  1. 患者に対して行われた医療行為の実施情報を記録する記録部と、
    前記記録部に記録された実施情報から、前記患者の問診項目に対する問診結果を作成するための情報を抽出する抽出部と、
    前記抽出部により抽出した情報を参照して、前記問診結果を作成する作成部と、
    を備えることを特徴とする医療情報管理装置。
  2. 前記作成部は、前記問診結果およびそれに対応する問診項目から、問診票データを作成することを特徴とする請求項1に記載の医療情報管理装置。
  3. 前記記録部は、前記患者に対する注意事項情報を記録し、
    前記抽出部は、前記注意事項情報を利用して、前記問診結果を作成するための情報を抽出することを特徴とする請求項2に記載の医療情報管理装置。
  4. 医療行為と、この医療行為から導かれる、問診項目に対する問診結果を関連付けて管理するテーブルと、
    患者に対して行われた医療行為が前記テーブルで管理されている医療行為に該当するか否かを検索する検索部と、
    前記検索部による検索の結果、該当する医療行為が存在する場合、その医療行為に関連付けられた問診結果とそれに対応する問診項目から、問診票データを作成する作成部と、
    を備えることを特徴とする医療情報管理装置。
  5. 前記問診票データ、前記実施情報、レポート情報およびオーダ情報の少なくともいずれかに含まれる患者に対する注意事項情報を抽出して、患者ごとに患者付随情報を生成する患者付随情報生成部をさらに備えることを特徴とする請求項2から4のいずれかに記載の医療情報管理装置。
  6. 前記患者付随情報生成部は、前記問診票データ、前記実施情報、レポート情報およびオーダ情報から矛盾する注意事項情報を抽出した場合、矛盾する注意事項情報のうち、患者にとって安全な情報を優先することを特徴とする請求項5に記載の医療情報管理装置。
  7. 患者の親族の医療情報を取得する親族情報取得部と、
    親族の医療情報から家族既往歴情報を生成する家族既往歴情報生成部と、をさらに備え、
    前記作成部は、前記問診結果、それに対応する問診項目および前記家族既往歴情報を参照して、前記問診票データを作成することを特徴とする請求項2から6のいずれかに記載の医療情報管理装置。
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