以下、図面を参照して、本発明に係る患者情報管理プログラム、観察者端末用プログラム、患者情報管理装置、観察者端末、及び患者情報管理システムについて説明する。ただし、本発明の技術的範囲はそれらの実施の形態には限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。
まず、本開示の実施形態に係る患者情報管理システムについて説明する。図1に、本開示の実施形態に係る患者情報管理システム1000の概念図を示す。患者情報管理システム1000においては、1人の観察対象者(以下、「患者」ともいう)Pに対して、複数の観察者が連携してケアを行う。図1に示した例では、観察対象者Pに対して、介護士401、地域包括支援センターケアマネジャー402、訪問看護師403、歯科医師404、薬剤師405、かかりつけ医406がケアを行う例を示している。ただし、このような例には限られず、他の医療従事者が観察対象者Pのケアを行うようにしてもよい。患者情報管理システム1000は、多くの職種の観察者間の相互の連携を行うものであり、「多職種連携情報共有システム」と呼ぶこともできる。患者情報管理システム1000は、複数の観察者(401~406)が観察対象者Pに関する情報をサーバにアップロードし、アップロードされた情報を複数の観察者(401~406)間で共有することにより、観察対象者Pのケアを迅速かつ的確に行うことを目的としている。
図2に、本開示の実施形態に係る患者情報管理システム1000の構成図を示す。患者情報管理システム1000は、患者情報管理装置100と、観察者端末300と、両者間で通信を行うための通信ネットワーク200と、を含む。患者情報管理装置100は、観察対象者Pを観察する観察者(401~406)(図1参照)のそれぞれが情報をやり取りするための観察者端末300と通信ネットワーク200を介して接続されている。図1に示した複数の観察者(401~406)のそれぞれは、観察者端末300を用いて情報をアップロードすることができる。図2には、観察者端末300は1台のみ表示されているが、複数の観察者(401~406)のそれぞれが観察者端末を有している。即ち、観察者端末300は、複数の観察者端末のうちの1台を代表して示したものである。患者情報管理装置100はサーバ装置であって、観察者端末300からアップロードされる情報の管理を行う。
患者情報管理装置100は、制御部1と、記憶部2と、通信インターフェース(I/F)3と、を有し、それぞれ内部バス4により接続されている。
制御部1は、CPUを含む。制御部1は、記憶部2に格納された患者情報管理プログラムを実行することにより、患者情報管理装置100の制御を行なう。
記憶部2は、患者情報管理装置100の制御を行なうための患者情報管理プログラムを格納する。記憶部2には、RAMやROM等の記憶装置、あるいは光ディスク等の記憶装置を用いることができる。
通信I/F3は、通信ネットワーク200を介して、観察者端末300と接続されて、連絡帳メッセージ(以下、単に「メッセージ」ともいう)を含む情報のやり取りを行う。
観察者端末300は、制御部31と、通信インターフェース(I/F)32と、記憶部33と、入力部34と、表示部35と、を有し、それぞれ内部バス36により接続されている。観察者端末300として、パソコンやスマートフォン、タブレット端末等を用いることができる。
制御部31は、CPUを含む。制御部31は、記憶部33に格納された観察者端末用プログラムを実行することにより、観察者端末300の制御を行なう。
通信I/F32は、通信ネットワーク200を介して、患者情報管理装置100と接続されて、メッセージを含む情報のやり取りを行う。
記憶部33は、観察者端末300の制御を行なうための観察者端末用プログラムを格納する。記憶部2には、RAMやROM等の記憶装置、あるいは光ディスク等の記憶装置を用いることができる。
入力部34として、タッチパネル、マウス、あるいはタッチパッドやキーボード等の入力装置を用いることができる。入力部34を用いることにより、観察者端末300から観察対象者Pに関する情報を入力することができる。
表示部35として、液晶表示装置や有機EL表示装置等を用いることができる。表示部35に、観察対象者Pに関する情報を入力するための画面を表示したり、患者情報管理装置100から送信された情報を表示したりすることができる。
通信ネットワーク200は、患者情報管理装置100と観察者端末300とを有線通信により接続してもよいし、無線通信により接続してもよい。
次に、本開示の実施形態に係る患者情報管理装置100について説明する。図3に、本開示の実施形態に係る患者情報管理装置100のブロック図を示す。患者情報管理装置100は、タグ情報記憶部101と、メッセージ記憶部102と、タグ情報受信部103と、メッセージ抽出部104と、メッセージ送信部105と、を有する。タグ情報記憶部101及びメッセージ記憶部102は、図2に示した記憶部2により実現される。タグ情報受信部103、メッセージ抽出部104、及びメッセージ送信部105は、図2に示した制御部1を構成するCPUにおいて、ソフトウェアまたはファームウェアにより実現することができる。
タグ情報記憶部101は、タグ情報を記憶する。「タグ情報」(以下、単に「タグ」ともいう)とは、観察対象者Pに関する複数のメッセージに付与してメッセージを分類するために用いられる情報である。また、「タグ情報」は、観察者端末300において、複数のメッセージのそれぞれに付与可能に表示される。メッセージにタグ情報を付与することにより、観察者が患者情報管理装置100に投稿した複数のメッセージの中から、タグ情報に基づいて特定の話題に関するメッセージを抽出することができる。
タグ情報は観察対象者P毎に管理者のみが任意に設定し、タグ情報は、観察者端末300のそれぞれにおいて共通に設定される。観察者は、管理者により設定されたタグ情報の中から所望のタグ情報を選択する。ここで、「管理者」とは、タグ情報を管理する者であって、複数の観察者の中から選んでもよいし、複数の観察者以外の者であってもよい。このように、タグ情報が、観察者端末300のそれぞれにおいて共通に設定されるようにすることで、管理者以外の観察者はタグ情報の設定作業を行う必要がなく、複数のタグ情報の中からメッセージの内容に適合したタグ情報を選択するだけでよいため、メッセージへのタグ情報の付与を容易に行うことができる。
メッセージ記憶部102は、観察者端末300から送信された複数のメッセージを、観察対象者Pの識別情報及び付与されたタグ情報と関連させて記憶する。複数のメッセージの中には、タグ情報が付与されていないものが含まれていてもよい。この場合、後述するようにメッセージを送信した後に、観察者端末300に送信済みのメッセージを表示した状態でタグ情報を付与することができる。また、1つのメッセージに付与することができるタグ情報の数は1つには限られず、複数であってもよい。
観察者端末300から送信されるメッセージには、観察対象者の病状等の画像データや、観察対象者または観察者の音声データを含むようにしてもよい。画像データが含まれた複数のメッセージの中から、タグ情報を用いて画像データを抽出することにより観察対象者の病状の変化の全体的な流れを把握することができる。また、音声データを用いることにより、観察対象者の意思を明確化したり、メッセージの入力作業を省略したりすることができる。
観察対象者の識別情報には、観察対象者の氏名及び生年月日が含まれることが好ましい。また、観察対象者の識別情報に個別の識別番号を含めるようにしてもよい。
タグ情報受信部103は、観察者端末300から、特定の観察対象者Pの識別情報及び観察者端末300により選択されたタグ情報を受信する。後述するように、観察者端末300には、特定の観察対象者に関するメッセージに付与されたタグ情報が表示され、表示されたタグ情報の中から抽出したいメッセージに関するタグ情報を選択する。ここで、観察者端末300に表示されるタグ情報は、観察者端末300のそれぞれにおいて共通に設定されたものである。従って、タグ情報受信部103で受信された、選択されたタグ情報は、観察者端末300のそれぞれにおいて共通に設定されたタグ情報の中から観察者端末300により選択されたものである。
メッセージ抽出部104は、メッセージ記憶部102に記憶された複数のメッセージの中から、特定の観察対象者の識別情報及び選択されたタグ情報が付与されたメッセージを抽出する。メッセージ記憶部102には、メッセージに観察対象者の識別情報及びタグ情報が関連付けて記憶されている。従って、観察対象者の識別情報及びタグ情報を特定することにより、メッセージ記憶部102に記憶された複数のメッセージの中から、観察対象者に関する所望のタグ情報が付されたメッセージを抽出することができる。
メッセージ送信部105は、メッセージ抽出部104により抽出されたメッセージを特定の観察対象者の識別情報及び選択されたタグ情報と共に観察者端末300に送信する。送信されるメッセージには、メッセージに添付された画像データや音声データを付して送信するようにしてもよい。また、メッセージに、当該メッセージが投稿された時刻を表す時間情報が記録されている場合は、当該時間情報を併せて送信するようにしてもよい。
図4に、本開示の実施形態に係る観察者端末300のブロック図を示す。観察者端末300は、観察対象者に関する複数のメッセージを、図2に示した通信ネットワーク200を介して患者情報管理装置100に送信する。観察者端末300は、タグ情報表示部301と、タグ情報付与部302と、メッセージ送信部303と、タグ情報送信部304と、メッセージ表示部305と、を有する。これらの構成要素は、図2に示した制御部31を構成するCPUにおいて、ソフトウェアまたはファームウェアにより実現することができる。
タグ情報表示部301は、観察対象者に関する複数のメッセージに付与して分類するために用いられ、且つ、観察者端末300において、複数のメッセージのそれぞれに付与可能なタグ情報を表示する。ここでは、タグ情報は、患者情報管理装置100のタグ情報記憶部101に予め記憶されているものとして説明する。
タグ情報付与部302は、表示されたタグ情報の中から、所定のタグ情報を選択して、観察対象者に関するメッセージに付与する。
メッセージ送信部303は、観察対象者の識別情報及び付与されたタグ情報と共に、メッセージを患者情報管理装置100に送信する。
タグ情報送信部304は、特定の観察対象者の識別情報及びタグ情報の中から選択されたタグ情報を患者情報管理装置100に送信する。
メッセージ表示部305は、特定の観察対象者の識別情報及び選択されたタグ情報に基づいて抽出されたメッセージを受信し、表示する。メッセージ表示部305は、選択されたタグ情報に対応付けられた複数のメッセージを時系列に表示するようにしてもよい。
次に、患者情報管理プログラムについて説明する。図5に、本開示の実施形態に係る患者情報管理プログラムの動作手順を説明するためのフローチャートを示す。患者情報管理プログラムは、観察対象者P(図1参照)を観察する観察者のそれぞれが閲覧可能な観察者端末300(図2参照)と通信ネットワーク200を介して接続された患者情報管理装置100を制御するコンピュータ(制御部1内のCPU)に、タグ情報記憶処理と、メッセージ記憶処理と、タグ情報受信処理と、メッセージ抽出処理と、抽出メッセージ送信処理とを実行させるものである。
まず、ステップS101において、観察対象者Pに関する複数のメッセージに付与して分類するために用いられ、且つ、観察者端末300において、複数のメッセージのそれぞれに付与可能に表示されるタグ情報をタグ情報記憶部101(図3参照)に記憶する(タグ情報記憶処理)。
次に、ステップS102において、観察者端末300から送信された複数のメッセージを、観察対象者Pの識別情報及び付与されたタグ情報と関連させてメッセージ記憶部102に記憶する(メッセージ記憶処理)。
次に、ステップS103において、タグ情報受信部103が、観察者端末300から、特定の観察対象者の識別情報及び観察者端末300により選択されたタグ情報を受信する(タグ情報受信処理)。
次に、ステップS104において、メッセージ抽出部104が、メッセージ記憶部102に記憶された複数のメッセージの中から、特定の観察対象者の識別情報及び選択されたタグ情報が付与されたメッセージを抽出する(メッセージ抽出処理)。
次に、ステップS105において、メッセージ送信部105が、メッセージ抽出部104により抽出されたメッセージを特定の観察対象者の識別情報及び選択されたタグ情報と共に観察者端末300に送信する(抽出メッセージ送信処理)。
ここで、タグ情報は、複数の観察者端末のそれぞれにおいて共通に設定され、選択されたタグ情報は、共通に設定されたタグ情報の中から選択されたものである。
以上のようにして、本開示の実施形態に係る患者情報管理プログラムにより、複数のメッセージの中から、選択されたタグ情報が付与されたメッセージを抽出し、観察者端末へ送信することができる。
次に、本開示の実施形態に係る観察者端末用プログラムについて説明する。図6に、本開示の実施形態に係る観察者端末用プログラムの動作手順を説明するためのフローチャートを示す。観察者端末用プログラムは、観察対象者Pに関する複数のメッセージを、通信ネットワーク200(図2参照)を介して患者情報管理装置100に送信する観察者端末300を制御するコンピュータ(制御部31内のCPU)に、タグ情報表示処理と、タグ情報付与処理と、メッセージ送信処理と、タグ情報送信処理と、メッセージ表示処理と、を実行させる。
まず、ステップS201において、タグ情報表示部301(図4参照)が、観察対象者Pに関する複数のメッセージに付与して分類するために用いられ、且つ、観察者端末300において、複数のメッセージのそれぞれに付与可能なタグ情報を表示する(タグ情報表示処理)。
次に、ステップS202において、タグ情報付与部302が、表示されたタグ情報の中から、所定のタグ情報を選択して、観察対象者Pに関するメッセージに付与する(タグ情報付与処理)。
次に、ステップS203において、メッセージ送信部303が、観察対象者Pの識別情報及び付与されたタグ情報と共に、メッセージを患者情報管理装置100に送信する(メッセージ送信処理)。
次に、ステップS204において、タグ情報送信部304が、特定の観察対象者の識別情報及びタグ情報の中から選択されたタグ情報を患者情報管理装置100に送信する(タグ情報送信処理)。
次に、ステップS205において、メッセージ表示部305が、特定の観察対象者の識別情報及び選択されたタグ情報に基づいて抽出されたメッセージを受信し、表示する(メッセージ表示処理)。メッセージ表示処理において、メッセージ表示部305は、選択されたタグ情報に対応付けられた複数のメッセージを時系列に表示することが好ましい。
ここで、上述したように、タグ情報は、複数の観察者端末のそれぞれにおいて共通に設定され、選択されたタグ情報は、共通に設定されたタグ情報の中から選択されたものである。
なお、本開示の実施形態に係る観察者端末用プログラムにより、観察対象者の健康度合いを示す健康指標値を取得する健康指標取得処理をさらに実行するようにしてもよい。健康指標値の例として、血圧、肥満度を表すBMI(Body mass index)、血糖値、骨密度等が挙げられる。さらに、メッセージ送信処理は、健康指標値とタグ情報とメッセージとを対応付けて送信する処理であることが好ましく、メッセージ表示処理は、許容範囲から外れた健康指標値に対応付けられたメッセージを表示することが好ましい。例えば、メッセージ送信処理において、血圧のデータとして「収縮期血圧165mmHg」を含む健康指標値が、タグ情報及びメッセージと対応付けて送信された場合、収縮期血圧の許容範囲の上限である160mmHgを超えているため、健康指標値に対応付けられたメッセージとして、「血圧が高めです。1日の塩分摂取量に注意してください。」といったメッセージを表示するようにしてもよい。許容範囲から外れた健康指標値に対応付けられたメッセージを表示することにより、観察対象者の健康状態を考慮したケアを行うことができる。
また、本開示の実施形態に係る観察者端末用プログラムにより、観察対象者の健康度合いを示す健康指標値を取得する健康指標取得処理をさらに実行するようにしてもよい。健康指標値を取得する方法として、観察対象者の健康診断で得られたデータを識別情報と共に図2に示した患者情報管理装置100の記憶部2に保存しておき、記憶部2に保存された健康診断のデータから健康指標値を取得するようにしてもよい。さらに、メッセージ送信処理は、健康指標値とタグ情報とメッセージとを対応付けて送信する処理であってもよく、メッセージ表示処理は、許容範囲内の健康指標値に対応付けられたメッセージの表示態様と、許容範囲から外れた健康指標値に対応付けられたメッセージの表示態様とを異ならせて表示するようにしてもよい。例えば、メッセージ送信処理において、メッセージとともに送信された健康指標値が全て許容範囲内である場合には「健康指標値は正常」と表示し、健康指標値のなかで1つでも許容範囲を外れたものがある場合には「健康指標値に異常あり」と表示するようにしてもよい。健康指標値が許容範囲内にあるか否かに基づいて健康指標値に対応付けられたメッセージの表示態様を異ならせて表示することにより、観察対象者の健康状態を迅速に把握することができる。
次に、タグ情報を用いたメッセージの抽出方法について説明する。図7に、本開示の実施形態に係る観察者端末用プログラムにより、連絡帳メッセージの中から特定のタグが付されたメッセージを抽出する場合の表示画面の例を示す。例えば、図7の左の図に示すように、連絡帳メッセージ画面161には複数の携帯端末から患者情報管理装置100に投稿された複数のメッセージが一覧表示される。連絡帳メッセージ画面161に示すように、介護士401がタグAを付したメッセージM1を投稿し、次に、歯科医師404がタグBを付したメッセージM2を投稿したものとする。以下、訪問看護師403、歯科医師404、かかりつけ医406等が、タグA、タグB、またはタグCが付されたメッセージ及びタグが付されていないメッセージを投稿したものとする。即ち、連絡帳メッセージ画面161には、複数種類のタグが付された話題が異なる複数のメッセージが混在しており、このままでは、所望の話題に関するメッセージを抽出することが難しい。
そこで、例えば、タグAに関する話題を抽出したい場合は、連絡帳メッセージ画面161のメッセージM1に付与されたタグAのボタン(「#タグA」)をクリックすることにより、図7の右側上段の図のように、タグAが付与されたメッセージのみを抽出した「タグAで抽出されたメッセージ」の画面161Aを表示させる。図7に示した例では、介護士401のメッセージM1及び歯科医師404のメッセージM5が抽出されている。
同様に、例えば、タグBに関する話題を抽出したい場合は、連絡帳メッセージ画面161のメッセージM2に付与されたタグBのボタン(「#タグB」)をクリックすることにより、図7の右側中段の図のように、タグBが付与されたメッセージのみを抽出した「タグBで抽出されたメッセージ」の画面161Bを表示させる。図7に示した例では、歯科医師404のメッセージM2及び訪問看護師403のメッセージM8が抽出されている。
同様に、例えば、タグCに関する話題を抽出したい場合は、連絡帳メッセージ画面161のメッセージM4に付与されたタグCのボタン(「#タグC」)をクリックすることにより、図7の右側下段の図のように、タグCが付与されたメッセージのみを抽出した「タグCで抽出されたメッセージ」の画面161Cを表示させる。図7に示した例では、かかりつけ医406のメッセージM4が抽出されている。
以上のように、タグ情報を利用することにより複数のメッセージの中から所望の話題に関するメッセージを抽出することができる。
次に、複数のメッセージの中から所望のタグ情報が付されたメッセージの抽出方法の具体例について説明する。図8に、本開示の実施形態に係る観察者端末用プログラムにより、連絡帳メッセージの中からACPのタグが付されたメッセージを抽出する場合の表示画面の例を示す。「ACP(advance care planning)」タグとは、患者の意見を尊重して治療の方針を決めていくことを目的として、最期をどのように迎えたいか、終末期医療に対する患者の考え方に関するメッセージに付すタグである。
図8の連絡帳メッセージ画面162に示すように、介護士401、訪問看護師403、及び歯科医師404が、ACPタグを付したメッセージM11~M14を患者情報管理装置100に投稿すると共に、他のメッセージ(図示せず)も投稿したものとする。ここで、例えばメッセージM11に付されたACPタグ(「#ACP」)をクリックすることにより、ACPタグが付されたメッセージM11~14のみを抽出し、「ACPタグで抽出されたメッセージ」の画面162Aに表示させることができる。
ここで、選択されたタグ情報であるACPタグに対応付けられた複数のメッセージM11~14を時系列に表示することが好ましい。図8に示す例では、メッセージM11~14に付された投稿された時刻(T11~T14)に基づいて、新しいメッセージが「ACPタグで抽出されたメッセージ」の画面162Aの上側に順次表示されるようにしている。このような時系列による表示は、個々のメッセージが投稿された時刻(T11~T14)を比較することにより実行することができる。このように複数のメッセージを時系列で表示することにより、複数のメッセージに含まれる情報の時間の経過に伴う変化を容易に認識することができる。
さらに、メッセージ画面領域に時系列に表示されたメッセージのうち、最新のメッセージを優先して表示するようにしてもよい。メッセージ画面領域に時系列に表示されたメッセージは、観察者が観察対象者の最新の状態を把握すると共に、観察対象者の状態の経時的な変化を把握できることが重要である。抽出したメッセージの中に記載量が多いメッセージが含まれることにより、抽出したメッセージの全てが1つの画面に表示されない場合も考えられる。そのような場合は、最新のメッセージの表示を優先すると共に、当初のメッセージとを併せて表示してもよい。例えば、ACPに関するメッセージを抽出した場合、終末期医療に対する観察対象者の意向を最も強く反映していると考えられる最新のメッセージと共に、当初のメッセージを表示することにより、観察対象者の意向に変化がないかどうかを確認することが出来る。
以上のように、メッセージ表示画面でACPタグを選択することにより、複数のメッセージの中からACPタグが付されたメッセージのみを抽出することができる。
次に、複数のメッセージの中から所望のタグ情報が付されたメッセージの抽出方法の具体例の他の例について説明する。図9に、本開示の実施形態に係る観察者端末用プログラムにより、連絡帳メッセージの中から褥瘡のタグが付されたメッセージを抽出する場合の表示画面の例を示す。図9の左側の連絡メッセージ画面163に示すように、まず、介護士401が褥瘡タグを付し、患部の画像P1を添付したメッセージM21を患者情報管理装置100に投稿したものとする。次に、歯科医師404がタグ情報を付さないメッセージM22を投稿し、訪問看護師403が褥瘡タグを付し、画像P2を添付したメッセージM23を投稿したものとする。さらに、かかりつけ医406がタグ情報を付さないメッセージM24を投稿し、訪問看護師403が褥瘡タグを付し、画像P3を添付したメッセージM25を投稿したものとする。
ここで、例えば、メッセージM21に表示された褥瘡タグ(「#褥瘡」)をクリックすることにより、メッセージM21~M25の内、褥瘡タグが付されたメッセージ(M21、M23、M25)のみを抽出し、図9の右側に示すように、「褥瘡タグで抽出されたメッセージ」の画面163Aに表示することができる。また、褥瘡タグが付されたメッセージ(M21、M23、M25)にそれぞれ画像P1~P3が添付されている場合には、複数の画像P1~P3をまとめて表示することができ、画像同士を容易に対比することができる。さらに複数のメッセージ(M21、M23、M25)を時系列で表示することにより、複数の画像P1~P3を時系列に並べることができ、時間の経過に伴う患部の状態の変化を容易に把握することができる。
次に、複数のメッセージから特定のタグが付されたメッセージを抽出したタグ抽出画面にメモ及びコメントを付与する方法について説明する。図10に、本開示の実施形態に係る観察者端末用プログラムにより、「観察対象者上のタグ抽出画面」164において、メモ及びコメントを記入する場合の表示画面の例を示す。「観察対象者上のタグ抽出画面」164は、観察者端末300に表示される、観察対象者のタグ情報に関して重要な情報を共有するための画面である。
「観察対象者上のタグ抽出画面」164の中にメモ記入欄164a及びコメント直接記入欄164bが設けられており、さらに記入した内容を登録するための登録ボタン164cが設けられている。「観察対象者上のタグ抽出画面」164にはタグ情報により抽出されたメッセージが表示される。一例として、図10に示すように、ACPタグを用いてかかりつけ医406が投稿したメッセージM31及び訪問看護師403が投稿したメッセージM33が抽出されたものとする。
まず、メモの入力方法について説明する。観察者は観察者端末300において、観察対象者に関するメモをメモ記入欄164aに入力する(メモ入力処理)。次に、観察者が登録ボタン164cをクリックすると、観察者端末300(図2参照)は入力したメモを患者情報管理装置100に送信する(メモ送信処理)。患者情報管理装置100は受信したメモを記憶部2に保存する。次に、患者情報管理装置100に保存されたメモを、観察者端末300の画面に表示させる(メモ表示処理)。ここで、患者情報管理装置100に保存されたメモは、観察者端末300以外の他の観察者の観察者端末においても閲覧することができ、観察者全員で共有することができる。
メモは、観察対象者に関する情報、観察対象者の家族に関する情報、観察対象者の主治医を含む重要人物に関する情報、観察対象者に関する注意事項、利用者間の連絡事項のうちの少なくとも1つを含む。ただし、これらの情報以外の情報をメモとして入力するようにしてもよい。
なお、メモとして記入した事項は、観察対象者に関する情報を表示する画面に固定させて観察者端末300の表示画面に常時表示するようにしてもよい。このようにすることで、観察対象者に関する注意事項等を常時確認することができ、観察者に対して的確なケアを行うことができる。
さらに、連絡帳への投稿ではなく、観察対象者上のタグ抽出画面164に直接コメントを登録することもできる(コメント直接記入機能)。例えば、ACPタグによりメッセージを抽出し、観察対象者上のタグ抽出画面164にかかりつけ医406のメッセージM31を表示させる。次に、介護士401がコメント直接記入欄164bにコメントを入力し、登録ボタン164cをクリックする。そうすると、記入されたコメントは患者情報管理装置100に送信され、記憶部2に保存される。このとき、コメントは、メッセージとしてではなく、記入した時刻と共に、抽出に用いたタグと関連付けて保存することが好ましい。このようにすることで、連絡帳には反映させずに、「観察対象者上のタグ抽出画面」164に表示されるコメントとして登録することができる。
その後、訪問看護師403がメッセージM33を投稿した後に、再度、「観察対象者上のタグ抽出画面」164において複数のメッセージを時系列で表示させると、介護士401が記入したコメントM32は、メッセージM31とメッセージM33の間に表示される。このように、タグ情報によりメッセージをまとめて表示した画面上でコメントを記入できるようにすることで、所定のタグ情報で抽出したメッセージ全体に対するコメントを残すことができる。
次に、タグ管理機能について説明する。タグ管理機能には、タグの作成、タグの取り外し、タグまとめページへの遷移が含まれる。まず、タグの作成方法について説明する。図11に、本開示の実施形態に係る観察者端末用プログラムにより作成した観察対象者のアカウント管理画面の表示例を示す。アカウント管理画面165には観察対象者のアカウント一覧165aを表示することができる。観察対象者を表示させる場合、氏名欄165bまたは施設・診療科欄165cに検索したいキーワードを入力し、検索ボタン165dをクリックする。入力した検索キーワードを消去する場合はクリアボタン165eをクリックすることにより消去することができる。検索結果として、例えば、写真165f、氏名165g、施設165h、診療科165i、主治医165j、活動状況165k、外部連携165mのそれぞれに関する情報が表示される。ただし、このような例には限定されない。観察対象者を追加する場合は追加ボタン165nをクリックする。
アカウント管理画面165において、施設管理のボタン165pをクリックすると、タグ管理のボタン165qを含むタブが現れ、タグ管理のボタン165qをクリックすると、タグ管理画面が表示される。図12に、本開示の実施形態に係る観察者端末用プログラムにより、観察対象者のアカウント管理画面165の管理メニューからタグ管理のボタン165qを選択した場合の表示画面の例を示す。タグ管理画面166には、タグ管理画面であることが理解できるようなアイコン166aを表示するようにしてもよい。タグ管理画面166には、タグ名166b及び常にまとめページに表示するか否かを選択するためのまとめページチェック欄166cが表示される。タグ管理画面166には、登録済みのタグが表示される。初めてタグを登録する場合は、図12に示すようにタグは表示されない。新たにタグを登録する場合は、追加ボタン166dをクリックし、タグ入力欄を表示させる。
図13に、本開示の実施形態に係る観察者端末用プログラムにより、タグ管理画面において新規にタグを作成する場合の表示画面の例を示す。追加ボタン166dをクリックすると、タグ管理画面166のタグ名166bの下に新規タグ入力欄166eが表示される。この新規タグ入力欄166eにタグとして例えば「ACP」と入力して追加ボタン166dをクリックすることにより、「ACP」がタグとして患者情報管理装置100のタグ情報記憶部101に記憶される。
また、タグ管理画面166のまとめページチェック欄166cのチェックボックス166fをクリックすることにより、観察対象者のまとめページに対象のタグ情報を表示することができる。例えば、ACPのタグの右側のまとめページチェック欄166cのチェックボックス166fをクリックすることにより、観察対象者のまとめページにACPのタグを常に表示することができる。また、一旦登録したタグを削除する場合は、削除ボタン166gをクリックする。タグを削除すると、タグ付けや、まとめページ等、タグに関するデータが全て削除される。ただし、メッセージはそのまま残される。
次に、メッセージ投稿時にタグを付与する方法について説明する。図14に、本開示の実施形態に係る観察者端末用プログラムにより、新規メッセージを投稿する場合の表示画面の例を示す。まず、件名を新規メッセージ投稿画面167の件名入力欄167aに入力する。件名を予め用意された定型文から選択する場合は、件名定型文選択ボタン167bをクリックする。次に、メッセージをメッセージ入力欄167cに入力する。メッセージを予め用意された定型文から選択する場合は、メッセージ定型文選択ボタン167dをクリックする。入力したメッセージの文字数及びメッセージの制限文字数を文字数表示欄167eに表示するようにしてもよい。図14にはメッセージの制限文字数を2000文字とした例を示したが、このような例には限られず、メッセージの制限文字数は任意に設定することができる。また、メッセージが重要なものであることを示したい場合は、重要メッセージ表示ボタン167fをクリックする。
メッセージには、観察対象者のケアに関する画像ファイル及び音声ファイル、並びにメッセージに追記するメモ書きのうちの少なくとも1つを添付するようにしてもよい。ファイルを添付する場合は、添付ファイルボタン167gをクリックして添付するファイルを選択する。添付ファイルとして、例えば、観察対象者の健康状態の検査結果、検査画像、臨床写真等を添付するようにしてもよい。
タグ表示欄167hには、タグのアイコン167iとともに、登録済みのタグが表示される。例えば、図14に示した例では、ACPタグ167j及び血液検査データのタグ167kが表示されている。ACPタグ167j及び血液検査データのタグ167kは、複数の観察者端末のそれぞれにおいて共通に設定される。登録済みのタグの中に、投稿するメッセージに付与したいタグがある場合は、タグの近傍に表示されたチェックボックスをクリックする。このように、タグ情報は、共通に設定されたタグ情報であるACPタグ167j及び血液検査データのタグ167kの中から選択される。例えば、ACPタグ167jをメッセージに付与したい場合はチェックボックス167mをクリックし、血液検査データのタグ167kをメッセージに付与したい場合はチェックボックス167nをクリックする。ここで、1つのメッセージに複数個のタグを付与することも可能である。例えば、図14に示した2つのタグ167j及び167kをメッセージに付与したい場合は2つのチェックボックス167m及び167nをクリックすればよい。また、メッセージには患者家族・その他連絡先に関する情報も添付する場合は、チェックボックス167pをクリックする。
以上のようにして投稿するメッセージ及び付与するタグ情報を決定したら、登録ボタン167qをクリックすることにより選択する。一方、メッセージを投稿しない場合は、キャンセルボタン167rをクリックする。
次に、メッセージ投稿後に、投稿されたメッセージにタグを付ける方法について説明する。図15に、本開示の実施形態に係る観察者端末用プログラムにより作成したメッセージであって、タグが付されていないメッセージの表示画面の例を示す。メッセージ表示画面168には、メッセージを投稿した訪問看護師のアイコン168aと、メッセージ168bと、タグのアイコン168cと、メッセージを投稿した日付168dと、が表示されている。図15に示したタグのアイコン168cの近傍の領域168eにタグ情報が表示されていないことが、メッセージ168bにはタグが付与されていないことを表している。
図15に表示されたタグのアイコン168cをクリックするとタグ設定画面に切り替わる。図16に、本開示の実施形態に係る観察者端末用プログラムにより、タグが付されていないメッセージにタグを付与する場合の表示画面の例を示す。タグ設定画面169には、既に登録済みのタグがタグ表示欄169aに表示される。ここで、「登録済みのタグ」とは、図3に示した患者情報管理装置100のタグ情報記憶部101に記憶されたタグである。また、登録済みのタグは、複数の観察者端末のそれぞれにおいて共通に設定されている。図16に示した例では、ACPタグ169b及び血液検査データのタグ169cが登録済みのタグとして表示されている。ただし、このような例には限られず、他のタグが登録済みである場合は、登録済みの他のタグが表示されるようにしてもよい。登録済みのタグの中に、メッセージに付与したいタグが存在する場合は、タグ表示欄169aに表示されたチェックボックスをクリックする。例えば、ACPタグ169bをメッセージに付与したい場合は、チェックボックス169dをクリックし、血液検査データのタグ169cをメッセージに付与したい場合はチェックボックス169eをクリックしてチェックが入った状態にする。メッセージに登録可能なタグは1つに限られず、複数個であってもよい。タグ表示欄169aに表示された2つのタグ169b及び169cをメッセージに付与したい場合は、2つのチェックボックス169d及び169eをクリックしてチェックが入った状態にすればよい。
以上のようにしてメッセージに付与するタグ情報を決定したら、更新ボタン169fをクリックすることにより選択する。図16では、ACPタグ169bをメッセージに付与するためにチェックボックス169dにチェックを入れた例を示している。一方、メッセージにタグ情報を付与しない場合は、キャンセルボタン169gをクリックする。
図16に示した更新ボタン169fまたはキャンセルボタン169gをクリックすると、メッセージ表示画面168に戻る。図17に、本開示の実施形態に係る観察者端末用プログラムにより作成したメッセージであって、タグが付されたメッセージの表示画面の例を示す。図17に示されたメッセージ表示画面168のタグのアイコン168cの近傍には、図16に示したタグ設定画面169で設定されたタグ情報であるACPタグ168fが表示されている。このようにして投稿されたメッセージに対して投稿後にタグ情報を付与することができる。
次に、タグの取り外し方法について説明する。図17に示されたメッセージ表示画面168において、ACPタグ168fの近傍に表示されたタグのアイコン168cをクリックすると、図16に示されたタグ設定画面169が表示される。ここで、図17に示されたメッセージ168bにはACPタグ168fが付与されていたことを反映して、図16のタグ設定画面169に示されたタグ表示欄169aにはACPタグのチェックボックス169dにはチェックが入った状態で表示される。このとき、メッセージ168bに付与されていたACPタグ169bを取り外したい場合は、図16において、チェックボックス169dを再度クリックしチェックが入っていない状態に戻してから更新ボタン169fをクリックする。そうすると、図15に示すようなタグ情報が付与されていないメッセージ168bが表示される。以上のようにしてタグ情報の取り外しを実行することができる。タグ情報を取り外すことにより、メッセージ送信処理において、メッセージに対応付けて記憶されたタグ情報を削除して送信することができる。
次に、タグが付与されたメッセージをまとめて表示するタグまとめページへ遷移する2つの方法について説明する。1つは患者情報画面から遷移する方法であり、もう1つはメッセージに付されたタグから遷移する方法である。まず、患者情報画面から遷移する方法について説明する。図18に、本開示の実施形態に係る観察者端末用プログラムにより作成した、観察対象者の患者情報画面の例を示す。患者情報画面170には、患者である観察対象者のアイコン170a及び観察対象者の氏名170bが表示され、更に、患者情報のアイコン170c、連絡帳のアイコン170d、バイタルのアイコン170e、お薬のアイコン170f、カレンダーのアイコン170gが表示され、それぞれのアイコンをクリックすると各情報を表示する画面へ遷移することができる。具体的には、患者情報のアイコン170cをクリックすると、観察対象者の患者情報が表示される。患者情報には、観察対象者の氏名、生年月日、性別、既往歴、家族情報等が含まれる。連絡帳のアイコン170dをクリックすると、観察対象者に関するメッセージが表示される。バイタルのアイコン170eをクリックすると、観察対象者の平常時における心拍数、呼吸数、血圧、体温等の各データが表示される。お薬のアイコン170fをクリックすると、観察対象者の薬剤服用歴、現在服用中の薬剤の名称、用法、用量等が表示される。カレンダーのアイコン170gをクリックすると、観察対象者の診察予定、薬の支給予定等が表示される。
さらに、まとめページ表示用のアイコン170hをクリックするとタブが表示され、タグを作成済であり、かつ、そのタグをメッセージに使用している場合には、タブにタグ情報が表示される。例えば、ACPタグが作成済みであり、メッセージに使用している場合には、ACPタグ170iが表示される。また、患者情報画面170にはタグのアイコン170jと作成済み且つ使用中のタグであるACPタグ170kが表示される。ただし、図13に示すように、まとめページチェック欄166cのチェックボックス166fにチェックを入れているタグに関しては、使用していないタグでもまとめのタブに表示される。ここで、まとめのタブに表示されたACPタグ170i、またはタグのアイコン170jの近傍に表示されたACPタグ170kをクリックすると「タグまとめページ」に遷移する。
タグまとめページへ遷移するもう1つの方法であるメッセージに付されたタグから遷移する方法は、図17に示したメッセージ168bに表示されたACPタグ168fをクリックすることによりタグまとめページに遷移するというものである。
図19に、本開示の実施形態に係る観察者端末用プログラムにより、観察対象者のメッセージのうち、所定のタグ情報が付されたメッセージを抽出する場合のタグまとめページの表示画面の例を示す。タグまとめページ171は、患者情報画面170に、タグに関連付けられたメッセージをまとめて表示するメッセージ表示欄171aとメモ表示欄171bとをまとめて表示することができる。メッセージ表示欄171aには、タグによってまとめて表示されたメッセージ171c、及びメッセージ171cを投稿した観察者のアイコン171dが表示される。さらに、メッセージ171cには、タグのアイコン171e、メッセージ171cに付与されたタグであるACPタグ171f、及びメッセージ171cが投稿された時刻171gが表示されている。
抽出されたメッセージ171cには、全てACPタグ171fが付与されている。従って、抽出されたメッセージはACPに関する話題を含むものである蓋然性が高く、ACPに関するメッセージをまとめて閲覧することができる。ただし、抽出されたメッセージに付与されたタグがメッセージの内容と符合していない場合等、タグ情報が不適切であると考えられる場合は、観察者は観察者端末を用いて、抽出された個々のメッセージについてタグ情報の取り外しや、別のタグ情報の付与を行うことができる。
図19には、ACPタグ171fによって抽出されてまとめページに表示されたメッセージが1つのみの場合を示したが、タグによって抽出されるメッセージの数は1つには限られず、図7~9に示したように複数であってもよい。
メッセージ表示欄171aには、コメントを追加するためのコメント追加ボタン171hが表示されている。コメント追加ボタン171hをクリックすると、図10に示したコメント直接記入欄164b及び登録ボタン164cが、メッセージ表示欄171aとメモ表示欄171bとの間に表示される。コメントの入力方法は上述したとおりである。
メモ表示欄171bには、メモ記入欄171iとメモ編集ボタン171jが表示される。メモ編集ボタン171jをクリックすることでメモ記入欄171iの編集を行うことができる。
以上のようにして、タグ情報により複数のメッセージの中から特定の話題に関するメッセージを抽出することができる。
なお、抽出したメッセージの中に、選択されたタグ情報に関連しない記述が含まれている場合は、メッセージ表示処理において、メッセージにおいて選択されたタグ情報に関連しない記述を非表示とするか、または表示方法を変更するようにしてもよい。例えば、1つのメッセージの中にACPに関する記述と、血液検査データに関する記述が含まれ、ACPタグと血液検査データのタグの両者が付されているとする。この場合、このメッセージがACPタグで抽出された場合には、血液検査データに関する記述が「選択されたタグ情報に関連しない記述」に該当する。一方、上記のメッセージが血液検査データのタグで抽出された場合には、ACPに関する記述が「選択されたタグ情報に関連しない記述」に該当する。
また、「選択されたタグ情報に関連しない記述」を特定するための1つの方法として、メッセージの中で、選択されたタグ情報に関連する記述を目立たせるようにしてもよい。例えば、メッセージの中で、選択されたタグ情報に関連する部分を赤字で表示することや、下線を付すこと等により、「選択されたタグ情報に関連しない記述」を特定することができる。
一方、「選択されたタグ情報に関連しない記述」を特定するための他の方法として、メッセージの中で、選択されたタグ情報に関連しない記述を目立たないようにしてもよい。例えば、メッセージの中で、選択されたタグ情報に関連しない部分を非表示としたり、単色で塗りつぶしたりしてもよい。選択されたタグ情報に関連しない記述を特定することにより、抽出したメッセージの中から必要な情報のみを取得することができる。
次に、メッセージ登録時に連絡帳メッセージへタグ情報を付与する方法について説明する。図20に、本開示の実施形態に係る観察者端末用プログラムにより、連絡帳メッセージを登録する際における連絡帳メッセージへのタグ付け方法の手順を説明するためのフローチャートを示す。まず、ステップS301において、観察対象者の連絡帳にメッセージを入力する。例えば、図14に示すような新規メッセージ投稿画面167のメッセージ入力欄167cにメッセージを入力する。
次に、ステップS302において、タグの取り外しを実行するか否かを判断する。具体的には、図14の新規メッセージ投稿画面167のタグ表示欄167hに表示されているACPタグ167jまたは血液検査データのタグ167kを取り外すか否かを判断する。
タグを取り外すと判断した場合には、ステップS303において、タグの取り外しを実行する。具体的には、図14に示されたタグ表示欄167hにおいて、取り外したいタグのチェックボックスをクリックしてチェックが外れた状態にする。
一方、タグを取り外さず、タグを付与すると判断した場合は、ステップS304において、タグの付与を実行する。具体的には、図14に示されたタグ表示欄167hにおいて、付与したいタグのチェックボックスをクリックしてチェックが入った状態にする。
なお、タグの取り外し及び付与を同時に実行することもできる。例えば、図14に示したタグ表示欄167hにおいて、ACPタグ167jのチェックボックス167mのチェックを外し、血液検査データのタグ167kのチェックボックス167nにチェックを入れた状態とすることにより、メッセージへのACPタグ167jの取り外しと、血液検査データのタグ167kの付与を同時に実行することができる。
次に、ステップS305において、メッセージを登録する。以上のようにして、タグを付与したメッセージを登録することができる。
次に、登録済みの連絡帳メッセージへタグ情報を付与する方法について説明する。図21に、本開示の実施形態に係る観察者端末用プログラムによる、登録済みの連絡帳メッセージへのタグ付け方法の手順を説明するためのフローチャートを示す。まず、ステップS401において、タグを付与したい観察対象者の連絡帳メッセージを選択する。例えば、図17のメッセージ表示画面168に示すようなメッセージ168bを選択する。図17に示す例では、登録済みのメッセージ168bにACPタグ168fが付与されている例を示している。
次に、ステップS402において、タグの取り外しを実行するか否かを判断する。具体的には、図17のメッセージ168bに表示されているACPタグ168fを取り外すか否かを判断する。
タグを取り外すと判断した場合には、ステップS403において、タグの取り外しを実行する。具体的には、図17に示されたメッセージ168bに表示されているタグのアイコン168cをクリックし、図16に示したタグ設定画面169において、取り外したいタグのチェックボックスをクリックしてチェックが外れた状態にする。
一方、タグを取り外さず、タグを付与すると判断した場合は、ステップS404において、タグの付与を実行する。具体的には、図17に示されたメッセージ168bに表示されているタグのアイコン168cをクリックし、図16に示したタグ設定画面169において、付与したいタグのチェックボックスをクリックしてチェックが入った状態にする。
なお、タグの取り外し及び付与を同時に実行することもできる。例えば、図16に示したタグ設定画面169において、ACPタグ169bのチェックボックス169dのチェックを外し、血液検査データのタグ169cのチェックボックス169eにチェックを入れた状態で更新ボタン169fをクリックすることにより、メッセージへのACPタグ169bの取り外しと、血液検査データのタグ169cの付与とを同時に実行することができる。
次に、ステップS405において、メッセージを更新する。以上のようにして、登録済みのメッセージにタグを付与することができる。
次に、タグ付きメッセージの抽出方法について説明する。図22に、本開示の実施形態に係る観察者端末用プログラムにより、観察対象者のメッセージのうち、所定のタグ付きメッセージのみを抽出する方法の手順を説明するためのフローチャートを示す。
まず、ステップS501において、観察対象者の対象タグのまとめページを選択する。具体的には、図18に示した患者情報画面170において、まとめページ表示用のアイコン170hをクリックする。
次に、ステップS502において、連絡帳メッセージ内に該当のタグ付きメッセージが存在するか否かを判断する。具体的には、図18に示した患者情報画面170のまとめページ表示用のアイコン170hをクリックした際に表示されるタブの中に所望のタグに該当するタグ情報が存在しているか否かを判断する。例えば、まとめページ表示用のアイコン170hをクリックした際に、タブにACPタグ170iが表示された場合、ACPタグ170iが所望のタグに該当する場合は、存在すると判断し、所望のタグが他のタグである場合は所望のタグに該当するタグは存在しないと判断する。
連絡帳メッセージ内に該当のタグ付きメッセージが存在する場合は、ステップS503において、該当のタグ付きのメッセージのみを抽出して表示する。例えば、所望のタグに該当するタグがACPタグである場合は、図19に示されたタグまとめページ171に示すように、観察対象者に関する複数のメッセージの中からACPタグ171fが付与されたメッセージのみを抽出して表示する。
一方、連絡帳メッセージ内に該当のタグ付きメッセージが存在しない場合は、メッセージを抽出せずに終了する。
以上説明したように、本開示の実施形態に係る患者情報管理プログラム、観察者端末用プログラム、患者情報管理装置、観察者端末、及び患者情報管理システムによれば、患者に関する複数の情報の中から、特定の話題を抽出して閲覧することができる。