JP2007327477A - 自動変速機の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ロックアップ判定手段21により非ロックアップ状態が検出され、車速検出手段14により検出された車速が所定車速以下であって、且つエンジン負荷検出手段16により検出されたエンジン負荷が所定値未満から所定値以上に変化したと判定すると、エンジン負荷の変化判定時から、エンジン負荷に基づいて設定される所定時間Ts経過後にエンジントルクの抑制を開始する。
【選択図】 図2
Description
また、これ以外にも、低速走行中にアクセルが踏み込まれた場合にショックを低減する手法として下記の特許文献1に開示された技術が知られている。
また、特許文献1に開示された技術では、下記の式(1)でトルクダウン開始タイミングを判定しているが、あくまでもOWCの締結ショックを緩和することを想定したものであるため、OWCのない変速段やOWCを備えていないCVT等においては、コースト状態からアクセルを踏み込んだ(アクセルオン)ときに発生するショックを抑制することができない。
車速(出力軸回転速度N0)×ギヤ比i×クラッチ回転数Nc0(実タービン回転数)
<所定値ΔN1・・・(1)
つまり、式(1)はあくまでもOWCが設けられていること、言い換えれば、実タービン回転速度と、車速にギヤ比を積算して算出する同期回転数とが相違していることが前提の式であり、OWCのない変速段やOWCを備えていないCVTでは上記回転数が相違しないため、適切なタイミングでトルクダウンを行うことができず、低速走行中にコースト状態からアクセルを踏み込まれたときのショックを抑制するこができない。
また、該トルクコンバータのタービン回転速度を検出するタービン回転速度検出手段と、該エンジンの回転速度を検出するエンジン回転速度検出手段とをそなえ、該自動変速機制御手段は、該タービン回転速度検出手段により検出されたタービン回転速度と該エンジン回転速度検出手段で検出されたエンジン回転速度との比が1よりも大きい第1所定値になったと判定すると、該エンジントルクの抑制制御を終了し、アクセル開度に対応するエンジントルクへ復帰させるのが好ましい(請求項3)。
また、該自動変速機制御手段は、該タービン回転速度と該エンジン回転速度との比が該第2所定値になると、該エンジントルクの上限値を所定勾配で増大させることにより該エンジントルク抑制制御を緩和するのが好ましい(請求項5)。
また、速度比1よりも早い段階(つまり速度比が1よりも大きい状態)でエンジントルクの復帰を開始することで、ドライブ状態になった後のエンジントルクの上昇を早めることができるので、運転者の意図する加速感を得ることができる。
また、両可動フランジは、やはり図示しない油圧源から供給される油圧に応じて位置が変更されるようになっている。具体的には、後述する変速機コントローラ9により自動変速機1の目標変速比が設定されると、この目標変速比の指令信号に応じてコントロールバルブ(油圧回路)5のソレノイドバルブ6,7が作動して、油圧源からプライマリプーリ及びセカンダリプーリにそれぞれプライマリプーリ圧Ppri及びセカンダリプーリ圧Psecが供給されるようになっている。そして、これらの油圧の大きさに応じて各プーリのV字溝幅が変更されて、変速比が変更されるようになっている。
また、エンジン3には、ドライバによるアクセルペダル操作に基づいて開度が決定されるスロットルバルブ(図示省略)が付設されており、上記アクセルペダルの踏み込み量(アクセル開度)APS及び上記スロットルバルブの開度(以下、スロットル開度という)TVOをそれぞれ検出するアクセル開度センサ(エンジン負荷検出手段)17及びスロットル開度センサ(エンジン負荷検出手段)10が設けられている。
次に、本発明の要部について説明すると、本装置は、主に低速域且つ非ロックアップ状態での走行中において、コースト状態からドライブ状態に移行する際に発生するトルク変動(或いはチップインショック)を加速性能を損なうことなく抑制するものである。
また、本装置では車両の加速性を考慮して、ドライブ状態への移行が判定されてもすぐにエンジントルクの上限値TCLP を設定するのではなく、ドライブ状態への移行判定後、所定時間Ts経過するまではドライバの要求に応じたエンジントルクが設定されるようになっている。そして、上記所定時間Ts経過後にトルク抑制(上限値クリップ)が実行されるようになっている。
つまり、コースト走行状態では、エンジン3が被駆動状態となるため、エンジン回転数Neとタービン回転数Ntとの速度比SR(=Nt/Ne)が1以上となっているが、アクセルが踏み込まれてドライブ状態となると、時間の経過とともにエンジン回転数が上昇して徐々に速度比SRが低下していくことになる。
以下、図2を用いて本装置の要部構成を詳しく説明すると、図2に示すように、変速機コントローラ9内には、自動変速機1がロックアップ状態であるか否かを判定するロックアップ判定手段21が設けられている。
[前提条件]
1.トルクコンバータ2が非ロックアップ状態。
2.VSP≦VSP1(所定車速以下の低速走行)。
3.APSが所定値APS1未満から所定値以上に変化した(アクセル踏み込み検出)。
つまり、所定時間Tsは、上記[前提条件]が成立してからエンジントルク抑制制御を開始するまでの時間であって、本実施形態ではエンジン負荷(ここではスロットル開度TVO)に応じて所定時間(以下では、制御開始時間という)Tsが設定されるようになっている。
なお、スロットル開度に代えてスロットル開度変化率ΔTVOを用いて制御開始時間Tsを設定してもよい。この場合にはスロットル開度変化率ΔTVOが大きくなるほど制御開始時間Tsが小さくなるように設定すればよい。また、スロットル開度TVOとスロットル開度変化率ΔTVOとの両方をパラメータにして制御開始時間を設定しても良い。
ところで、図2に示すタイマ25には制御終了時間Teも記憶されている。この制御終了時間Teは、エンジントルク抑制制御を強制的に終了させるために設けられたバックアップタイマであって、本来の終了条件(速度比SRに基づく終了判定)が機能しなかった場合に、このバックアップタイマにより本制御が終了し、エンジントルク抑制が解除されるようになっている。なお、制御終了時間Teは比較的大きな値に設定されており、通常時には、このバックアップタイマにより本制御が終了するようなことはないように設定されている。
このうち、上限トルク設定手段26は、アクセル開度の変化率ΔAPSやエンジン水温Twに基づいてエンジン3の上限トルクTCLP を設定するものであって、通常は所定時間Ts経過直後は、この上限トルク設定手段26で設定された上限トルクTCLP がエンジンコントローラ15に出力されるようになっている。なお、この上限トルクTCLP は、例えばエンジン3が出力可能な最大トルクの1/3程度に設定されるようになっている。
SR=Nt/Ne・・・・(2)
速度比判定手段28は、速度比算出手段27で算出された現在の速度比SRと、いずれも予め設定された第1所定値(基準速度比)SRsと第2所定値(勾配開始速度比)SRoとを比較する手段であって、この速度比の比較により、コースト状態からドライブ状態へ移行度合いが判定されるようになっている。ここで第1所定値SRsはトルク抑制制御の終了を判定する速度比であって、1以上の数値で且つ比較的1に近い数値が設定されている。なお、本実施形態では例えば第1所定値SRs=1.1に設定されている。また、第2所定値SRoは、第1所定値SRsよりも大きい値に設定されており、本制御を終了する前に上限トルクTCLP を緩和する(トルク抑制を緩和する)タイミングを判定する速度比である。なお、本実施形態では第2所定値SRoは例えば1.3程度に設定されている。
SR≧SRo ・・・(3)
SRs<SR<SRo ・・・(4)
SR≦SRs ・・・(5)
また、選択手段31には、図示するように、上述した上限トルク設定手段26以外に、エンジントルク復帰時に上限トルクTCLP の上昇勾配θを設定する上限トルク勾配設定手段29や上限トルクTCLP をキャンセルする上限トルクキャンセル手段30が設けられている。
具体的には、速度比判定手段28で得られる速度比SRが(3)の場合、即ちSR≧SRoである場合には、変速比が大きくチップインショックが生じやすい状態であるので、この場合には上限トルク設定手段26が選択され、この上限トルク設定手段26で選択された上限トルクTCLP がエンジンコントローラ15に出力される(つまり、エンジンコントローラ15に対してエンジントルクの上限値設定を要求する)ようになっている。これにより、エンジン3の過大なトルクが規制されて、上記のようなショック及びトルク変動が抑制される。
まず、ステップS1において各種のセンサから情報を取り込み、ステップS2で制御開始の前提条件(トルクコンバータ2が非ロックアップ、且つ車速VSP≦VSP1、且つアクセル開度が所定値APS1未満から所定値以上に変化した)が成立したか否かを判定する。
次に、ステップS5において、タイマのカウントTが所定の制御開始時間Tsを経過しているか、及び所定の制御終了時間Teの経過前かが判定される。ここで、カウントTが制御開始時間Tsを経過していて、且つ制御終了時間Te経過前であると判定すると、ステップS6に進む。
ここで、SR≧SRoの場合、即ち、速度比が十分大きい場合には、ステップS7において、上限トルクTCLP を設定し、エンジンコントローラ15に出力する。そして、これにより、エンジン3の出力トルクを規制する。また、SRs<SR<SRoであれば、上限トルクに対して勾配を設定し、トルク抑制を緩和する。さらに、SR≦SRsであれば、上限トルクTCLP をキャンセルして、トルク抑制を解除する。なお、ステップS5においてNoと判定されると、ステップS10においてタイマのカウントTが制御終了時間Teを経過しているか否かが判定され、制御終了時間Teを経過していると判定した場合にはステップS10からステップS9に進んでトルク抑制制御が解除される。また、ステップS10で制御終了時間Teの経過前と判定されると、そのままリターンする。
そして、所定時間Tsが経過すると(時間t1 )、図4(c)に示すように上限トルクが設定される。具体的には、トルクを抑制するべく図4(b)に示すように目標スロットル開度が抑制され、これに遅れて実スロットル開度が抑制される。したがって、図4(a)に示すように、アクセル開度が上昇してもエンジン回転数の上昇が抑制される。
また、上述のようにエンジントルクの上限値を設定することにより、図4(c)に示すように前後Gを低減することができ、ショック低減を図ることができる利点がある。
また、速度比1よりも早い段階(つまり速度比が1よりも大きい状態)でエンジントルクの復帰を開始することで、ドライブ状態になった後のエンジントルクの上昇を早めることができるので、運転者の意図する加速感を得ることができる。
また、上述の実施形態では、自動変速機2のコントローラ9とエンジンコントローラ15とが協調制御可能に構成され、コースト走行状態からドライブ走行状態への移行時には、変速機コントローラ9からエンジンコントローラ15に対してエンジン3の上限トルクの変更を要求するように構成されているが、変速機コントローラ9から直接エンジン3に対して上限トルクを出力するように構成しても良い。
2 トルクコンバータ
3 エンジン
4 変速機出力軸
5 コントロールバルブ
9 変速機コントローラ(自動変速機制御手段)
10 スロットル開度センサ(スロットル開度検出手段;エンジン負荷検出手段)
11 セカンダリ回転数センサ(変速機出力回転センサ)
12 エンジン回転数センサ(エンジン回転速度検出手段)
13 選択レンジセンサ
14 車速センサ(車速検出手段)
15 エンジンコントローラ(エンジン制御手段)
16 プライマリ回転数センサ(タービン回転数センサ;タービン回転数検出手段)
17 アクセル開度センサ(アクセル開度検出手段;エンジン負荷検出手段)
21 ロックアップ判定手段
22 車速比較手段22
23 アクセル開度比較手段
24 前提条件成立判定手段
25 タイマ
26 上限トルク設定手段
27 速度比算出手段
29 上限トルク勾配設定手段
30 上限トルクキャンセル手段
31 選択手段
Claims (6)
- トルクコンバータを介して入力されたエンジン回転を変速して出力する自動変速機の制御装置であって、
該自動変速機がロックアップ状態であるか否かを判定するロックアップ判定手段と、
車両の走行速度を検出する車速検出手段と、
該エンジンの負荷を検出するエンジン負荷検出手段と、
該自動変速機の作動状態を制御する自動変速機制御手段とをそなえ、
該自動変速機制御手段は、
該ロックアップ判定手段により非ロックアップ状態であることが検出され、該車速検出手段により検出された車速が所定車速以下であって、且つ該エンジン負荷検出手段により検出されたエンジン負荷が所定値未満から所定値以上に変化したと判定すると、該エンジン負荷の変化判定時から、該エンジン負荷及び/又は該エンジン負荷変化率に基づいて設定される所定時間経過後にエンジントルクの抑制を開始する
ことを特徴とする、自動変速機の制御装置。 - 該車両は少なくとも該エンジントルクを制御可能なエンジン制御手段をそなえ、
該自動変速機制御手段は、該エンジン制御手段に対してエンジントルクの上限値設定を要求することで該エンジントルクを抑制する
ことを特徴とする、請求項1記載の自動変速機の制御装置。 - 該トルクコンバータのタービン回転速度を検出するタービン回転速度検出手段と、
該エンジンの回転速度を検出するエンジン回転速度検出手段とをそなえ、
該自動変速機制御手段は、
該タービン回転速度検出手段により検出されたタービン回転速度と該エンジン回転速度検出手段で検出されたエンジン回転速度との比が1よりも大きい第1所定値になったと判定すると、該エンジントルクの抑制制御を終了し、アクセル開度に対応するエンジントルクへ復帰させる
ことを特徴とする、請求項1又は2記載の自動変速機の制御装置。 - 該自動変速機制御手段は、
該タービン回転速度と該エンジン回転速度との比が該第1所定値よりも大きい第2所定値になると、エンジントルク抑制制御を緩和する
ことを特徴とする、請求項3記載の自動変速機の制御装置。 - 該自動変速機制御手段は、
該タービン回転速度と該エンジン回転速度との比が該第2所定値になると、該エンジントルクの上限値を所定勾配で増大させることにより該エンジントルク抑制制御を緩和する
ことを特徴とする、請求項4記載の自動変速機の制御装置。 - 該所定時間は、該エンジン負荷が大きくなるほど、及び/又は該エンジン負荷変化率が大きくなるほど短い時間に設定される
ことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の自動変速機の制御装置。
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