JP2007326522A - 燃料注入管 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料の注入を速やかに行うことができると共に、軽量化をも図ることができる燃料注入管を得る。
【解決手段】一端に注入部4が形成され、他端が自動車の燃料タンクに接続され、注入部4から注入される燃料を燃料タンクに導く燃料注入管1に、注入部4から燃料タンクに至るまでの途中に複数の曲管部6,8を有する。曲管部6,8の内側で、かつ、曲管部6,8よりも上流側の管内面1aに、管内面1aから突き出して、曲管部6,8の外側の管内面1aに向かう傾斜面10,12を設けた。傾斜面10,12は、燃料の流下方向に対して緩やかに傾斜して形成される。また、燃料の流下方向を向き、かつ、流下方向に対して急傾斜の逆流阻止面14,16を、傾斜面10,12の下流側端に連接して形成した。
【選択図】 図1

Description

本発明は、注入された燃料を自動車の燃料タンクに導く燃料注入管に関する。
従来より、自動車に搭載される燃料タンクには、燃料注入管が接続され、燃料注入管の注入部が自動車の外部に開口されている。注入部に螺入されたキャップを取り外して、注入部にガソリンスタンド等での給油ガンを挿入し、給油ガンから吐出される燃料を燃料注入管を介して燃料タンクに導き、燃料タンクに燃料を貯えている。
燃料注入管は、一般的にパイプから形成され、また、燃料タンクは自動車の設計要件等に応じて配置され、燃料注入管は燃料タンクに至るまでに曲げ形成されている。給油ガンから吐出された燃料が、燃料注入管を流下する際に、燃料注入管の流路抵抗等により、燃料の渦や蛇行等が生じ、燃料の流速が遅くなる場合がある。
そこで、特許文献1にあるように、燃料注入管の一部の断面積を縮小した断面縮小部を形成して、給油ガンから吐出された燃料の層流化を図り、燃料を速やかに注入できるようにしたものも提案されている。
特開2003−182385号公報
しかしながら、こうした従来のものでは、燃料注入管の重量を低減するために、燃料注入管の直径を小さなものにしようとすると、断面積を縮小した断面縮小部の直径が小さくなりすぎて、かえって燃料の注入に時間を要してしまうという問題があった。給油ガンから注入された燃料は、燃料注入管内で燃料と空気とが混じった気液混合の状態で流れる。例えば、燃料注入管の断面積を小さくすると、特に、曲げ形成されている燃料注入管の曲管部で燃料の渦や蛇行が生じ、燃料が逆流する吹き返し等が発生してしまう。この逆流した燃料を給油ガンの検出センサが検出して、満タンになっていないにもかかわらず、給油が停止してしまう。そこで、再び給油ガンを操作して、給油を続けなければならず、注入に時間を要してしまう。
また、給油者が異なると、注入部に挿入される給油ガンの角度に相違が生じる。例えば、給油者が右利きの場合、給油ガンを右側に傾けて挿入し、給油者が左利きの場合、給油ガンを左側に傾けて挿入する傾向がある。注入部に挿入される給油ガンの角度によって、吐出される燃料の方向が異なり、この注入角度の違いと、曲げ形成されている燃料注入管の曲がり方向等とから、燃料が速やかに流れたり、流れなかったりする場合があるという問題があった。例えば、前述したと同様、燃料注入管の曲管部で燃料の渦や蛇行が生じ、燃料が逆流する吹き返し等が発生してしまう。このため、流れが悪くなり、燃料を給油ガンの検出センサが検出して、給油が停止してしまい、再び給油ガンを操作して、給油を続けなければならず、注入に時間を要してしまう。
本発明の課題は、燃料の注入を速やかに行うことができると共に、軽量化をも図ることができる燃料注入管を提供することにある。
かかる課題を達成すべく、本発明は課題を解決するため次の手段を取った。即ち、
一端に注入部が形成され、他端が自動車の燃料タンクに接続され、前記注入部から注入される燃料を前記燃料タンクに導く燃料注入管において、
前記注入部から前記燃料タンクに至るまでの途中に曲管部を有し、該曲管部内側で、かつ、前記曲管部よりも上流側の管内面に、該管内面から突き出して、前記曲管部外側の管内面に向かう傾斜面を設けたことを特徴とする燃料注入管がそれである。
前記傾斜面は、前記燃料の流下方向に対して緩やかに傾斜して形成した構成としてもよい。また、前記燃料の流下方向を向き、かつ、流下方向に対して急傾斜の逆流阻止面を、前記傾斜面の下流側端に連接して形成した構成としてもよい。更に、前記曲管部を複数有すると共に、前記各曲管部毎に前記傾斜面を設けた構成としてもよい。あるいは、プレス成形して前記傾斜面を形成した構成としてもよい。
本発明の燃料注入管は、傾斜面を設けたので、燃料が傾斜面に沿って曲管部の外側に向かって流れるように導かれるので、渦や蛇行の発生が抑制され、燃料の注入を速やかに行うことができると共に、燃料注入管の直径を小さなもので形成することができ、燃料注入管の軽量化を図ることもできるという効果を奏する。傾斜面を緩やかに傾斜して形成すると、燃料が曲管部の外側に確実に導くことができる。また、逆流阻止面を形成すると、燃料が逆流する吹き返し等が発生しても、燃料が逆流阻止面に当たって逆流が阻止される。
以下本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1に示すように、1は燃料注入管で、燃料注入管1の一端には、給油ガン2が挿入される注入部4が形成されている。燃料注入管1の他端は、自動車に搭載されている図示しない燃料タンクに接続されており、給油ガン2から注入される燃料を燃料タンクに導く。
燃料注入管1の注入部4は、図示しない車体の中程に設けられた給油開口部に取り付けられ、図示しないキャップが螺入されて閉塞される。燃料タンクは車体の下側に配置されており、注入部4から燃料タンクに至るまでの経路は、一般的に、屈曲している。
このため、燃料注入管1には、注入部4から燃料タンクに至るまでの途中に複数の曲管部6,8が形成されている。燃料注入管1は金属管から形成されており、例えば、注入部4は金属管を拡径して形成され、曲管部6,8は所定の曲げ半径でもって曲げ加工されて形成される。
また、注入される燃料の曲管部6,8よりも上流側には、傾斜面10,12が形成されている。傾斜面10,12は、本実施形態では、燃料注入管1を外側から窪ませて形成されて、管内面1aに傾斜面10,12が設けられている。傾斜面10,12は、金属管をプレス成形することにより、容易に形成できる。
次に、図2によって一方の曲管部6と傾斜面10とについて詳細に説明する。傾斜面10は、曲管部6の内側に、例えば、曲管部6を曲げ形成する際、曲げ半径の小さい側である曲げ内側に、かつ、曲管部6よりも上流側の管内面1aに形成されている。
傾斜面10はほぼ平坦な平面状で、図2に示すように、燃料注入管1の軸方向に沿った、軸方向中心を含む曲管部6の断面と傾斜面10とは直交するようにして形成されている。また、傾斜面10は燃料の上流側から下流側に向かって管内面1aの内側に突き出され、傾斜面10は下流側に向かって緩やかに傾斜して形成されている。
更に、傾斜面10は、曲管部6の外側の管内面1aに、例えば、曲管部6を曲げ形成する際、曲げ半径の大きい側である曲げ外側の管内面1aに向かって形成されている。即ち、傾斜面10は、傾斜面10の延長上に、曲管部6の外側の管内面1aがあるように、特に、曲管部6の外側の曲げ始め箇所があるように形成されている。
注入された燃料が下流側に向かって流れる際に、曲管部6の内側の管内面1aに沿って流れる燃料が、傾斜面10に達すると、傾斜面10に沿って曲管部6の外側に向かって流れるように傾斜面10が形成されている。
傾斜面10を形成することにより、流路を絞る必要はなく、傾斜面10は燃料の流れる方向を制御できればよい。従って、傾斜面10をプレス成形等により形成する際、燃料注入管1が楕円状に変形してもよく、傾斜面10がある箇所と、傾斜面10が無い箇所とでは流路断面積に変化がなくてもよい。
燃料注入管1を窪ませて傾斜面10を形成することにより、傾斜面10の下流側端に連接して逆流阻止面14が形成されている。逆流阻止面14は、傾斜面10の下流側端から曲管部6の曲げ内側の管内面1aに向かって急傾斜に形成されている。逆流阻止面14は下流側に面して形成され、逆流阻止面14は、燃料注入管1の軸方向にほぼ直角か、それに近い角度の急傾斜に形成することが好ましい。他方の曲管部8の傾斜面12についても同様に形成されており、同様に逆流阻止面16も形成されている。
次に、前述した本実施形態の燃料注入管1の作動について説明する。
まず、給油ガン2が注入部4に挿入されて、給油ガン2から燃料が吐出されると、燃料は燃料注入管1内を燃料タンクに向かって流れる。燃料は注入部4から流れ出して、曲管部6よりも上流側に達すると、曲管部6の内側の管内面1aに沿って流れる燃料は、傾斜面10に達する。
傾斜面10に達した燃料は、傾斜面10に沿って流下し、流下するに従って、傾斜面10に沿って曲管部6の外側に向かって流れる。一方、傾斜面10と反対側の管内面1aに沿って流下する燃料は、管内面1aに沿って曲管部6の外側に流れ込む。
傾斜面10に沿って流下する燃料と、傾斜面10と反対側の管内面1aに沿って流下する燃料とが曲管部6の曲げ始め箇所近傍で合流して、曲管部6の外側に沿って流れる。多くの燃料が曲管部6の外側に沿って流れるので、燃料の流速にばらつきが少なく、流れに乱れも少なく、集まった状態で流れる。また、仮に、渦が発生して、燃料が逆流しようとしても、逆流する燃料が逆流阻止面14に当たって逆流が阻止される。
燃料が一方の曲管部6を流下して他方の曲管部8の上流に達すると、同様に、傾斜面12に達した燃料は、傾斜面12に沿って流下し、傾斜面12に沿って曲管部8の外側に向かって流れる。そして、燃料が曲管部8の外側に沿って流下し、同様に、多くの燃料が曲管部8の曲げ外側に沿って流れるので、燃料の流速にばらつきが少なく、流れの乱れも少なく、集まった状態で流れる。また、仮に、渦が発生して、燃料が逆流しようとしても、逆流する燃料が逆流阻止面16に当たって逆流が阻止される。
従って、多くの燃料が、図1に二点鎖線で示すように、傾斜面10,12により曲管部6,8の外側に沿って流下し、燃料の流速にばらつきが少なく、流れの乱れも少なく、集まった状態で流れる。また、仮に、渦が発生して、燃料が逆流しようとしても、逆流する燃料が逆流阻止面14,16に当たって逆流が阻止される。
給油ガン2が注入部4に挿入される際、給油者が右利きの場合、給油ガン2を右側に傾けて挿入し、給油者が左利きの場合、給油ガン2を左側に傾けて挿入する傾向がある。また、給油ガン2から注入された燃料は、燃料注入管1内で燃料と空気とが混じった気液混合の状態で流れる。
注入部4に挿入される給油ガン2の角度によって、吐出される燃料の方向が異なり、この注入角度の方向に燃料が吐出され、燃料注入管1内で燃料と空気とが混じった気液混合の状態で流れる。燃料の注入角度に違いがあっても、多くの燃料が、図1に二点鎖線で示すように、傾斜面10,12に達した燃料は、傾斜面10,12に沿って流下し、流下するに従って、傾斜面10,12に沿って曲管部6,8の外側に向かって流れる。
気液混合の状態で流れるので、渦や蛇行が生じやすいが、曲管部6,8の外側に沿って流れるように導かれるので、渦や蛇行の発生が抑制される。従って、燃料の逆流が発生して、この燃料を給油ガン2の検出センサが検出して、給油が停止してしまうといったことを防止できる。また、仮に、燃料が逆流する吹き返し等が発生しても、燃料が逆流阻止面14,16に当たって逆流が阻止され、燃料を給油ガン2の検出センサが検出するのを規制できる。
これにより、燃料を速やかに燃料タンクに導くことができ、燃料注入管1の直径を小さなもので形成することができ、燃料注入管1の軽量化を図ることもできる。尚、本実施形態では、傾斜面10,12や逆流阻止面14,16をプレス成形しているが、これに限らず、傾斜面10,12や逆流阻止面14,16を形成した部材を管内面1aに取り付けるようにしても実施可能である。
以上本発明はこの様な実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる態様で実施し得る。
本発明の一実施形態としての燃料注入管の断面図である。 本実施形態の燃料注入管の要部を断面で示す拡大斜視図である。
符号の説明
1…燃料注入管 1a…管内面
2…給油ガン 4…注入部
6,8…曲管部 10,12…傾斜面
14,16…逆流阻止面

Claims (5)

  1. 一端に注入部が形成され、他端が自動車の燃料タンクに接続され、前記注入部から注入される燃料を前記燃料タンクに導く燃料注入管において、
    前記注入部から前記燃料タンクに至るまでの途中に曲管部を有し、該曲管部内側で、かつ、前記曲管部よりも上流側の管内面に、該管内面から突き出して、前記曲管部外側の管内面に向かう傾斜面を設けたことを特徴とする燃料注入管。
  2. 前記傾斜面は、前記燃料の流下方向に対して緩やかに傾斜して形成されたことを特徴とする請求項1に記載の燃料注入管。
  3. 前記燃料の流下方向を向き、かつ、流下方向に対して急傾斜の逆流阻止面を、前記傾斜面の下流側端に連接して形成したことを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の燃料注入管。
  4. 前記曲管部を複数有すると共に、前記各曲管部毎に前記傾斜面を設けたことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の燃料注入管。
  5. プレス成形して前記傾斜面を形成したことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の燃料注入管。
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