JP2007321201A - 強度−伸びバランスと疲労特性に優れた高強度熱延鋼板 - Google Patents

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Abstract

【課題】強度−伸びバランスに優れたDP鋼において、疲労特性をさらに改善する。
【解決手段】質量%で、C:0.01超〜0.30%、Si:0.1〜2.0%、Mn:0.1〜2.5%を含み、V:0.01〜0.15%、Nb:0.02〜0.30%、Ti:0.01〜0.15%の1種又は2種以上を下記条件式(1)を満たすように含み、残部がFe及び不可避不純物からなる。フェライト分率が50〜95%、マルテンサイト+残留γ分率が5〜50%、フェライト中の析出物の平均粒径rが6nm以上、平均粒径rと下記式(2)で表される析出物分率fが下記条件式(3)を満たす。
C−12×(V/51+Nb/93+Ti/48)≧0.01 ・・・・(1)
f=(2.08Ti+1.69V+1.14Nb)/100 ・・・・(2)
r/f≦13000 ・・・・(3)
【選択図】 なし

Description

本発明は、自動車の足回り、フレーム部品等の強度と加工性及び疲労特性が必要な部品に用いられる優れた強度−伸びバランス及び高疲労特性を示す高強度熱延鋼板に関する。
近年、自動車部品の高強度化が進み、自動車の足回り部品やフレーム部品等でも高強度化が進んでいるが、部品の軽量化のためには、静的強度とともに疲労強度の改善が必要とされている。また、複雑な形状に加工されるため、加工性(延性)との両立が求められている。
強度、疲労特性及び加工性の改善に関する従来知見として、特許文献1には、主相であるポリゴナルフェライトの平均結晶粒径を、板厚中心から表層に向けて漸次小さくし、疲労破壊の発生する表層部の組織を微細化することで熱延鋼板の疲労特性を改善することが記載されている。この熱延鋼板の製造にあたっては、前記のような結晶粒径傾斜組織を形成するため、レベラによる繰り返し曲げ・曲げ戻しが必須となり、大規模な設備導入が必要という問題がある。また特許文献2には、C、Ti、Mo比を制御し、フェライト単相組織にTi及びMoを含む炭化物を分散析出させて、熱延鋼板の強度、疲労特性及び加工性を改善することが記載されている。しかし、フェライト単相組織であるため、強度−伸びバランスが不十分である。
一方、強度−伸びバランスの改善には、強度比の大きい2種類の組織からなる鋼(Dual鋼、DP鋼)とすることが有効であり、さらにDP鋼の疲労特性の改善方法として、強度が低く応力集中の起こりやすいフェライト部を強化することが有効であることが知られている。例えば特許文献3には、Ti又はNbの炭化物で析出強化した主相フェライトと硬質な第2相からなるDP鋼において、20μmまでの表層部の平均フェライト粒径を5μm以下にすることが記載され、特許文献4には、第2相をマルテンサイト・針状フェライト・残留オーステナイトとしたDP鋼において、初析フェライトを析出強化することで、強度−加工性−疲労特性を改善することが記載されている。
特開2004−211199号公報 特開2003−321726号公報 特開平9−137249号公報 特開平11−189842号公報
前記特許文献3,4に記載された熱延鋼板は、700〜800℃付近の保持・滞留時間を短時間とし、フェライト中にTi、Nbの炭化物を分散析出させ、主相フェライトを析出強化している。この熱延鋼板では、上記温度範囲での短時間の保持・滞留で微細に分散析出した析出物が、転位の繰り返し運動に対して障害物になり、疲労特性を改善するものと考えられている。しかし、従来技術では、これにより十分な疲労特性改善効果が得られたとはいえなかった。
従って、本発明は、強度−伸びバランスに優れたDP鋼において、疲労特性をさらに改善することを第1の目的とする。また、伸びフランジ特性にも優れたDP鋼を得ることを第2の目的とする。
本発明者らの研究により、DP鋼においてフェライトをTi、Nb、Vなどの析出物により強化する場合に、上記温度範囲での保持・滞留時間を長くし、その析出物を適度に粗大化することにより、高い疲労特性改善効果が得られることが分かった。これは、析出物を適度に粗大化することで、転位が析出物を通過する機構がカッティング機構からオロワン機構に変わり、析出物が疲労試験中の転位の繰り返し運動に対し有効な障害物になり、疲労特性が改善するものと考えられる。
本発明に係る強度−伸びバランスと疲労特性に優れた高強度熱延鋼板は、質量%で、C:0.01%超、0.30%以下、Si:0.1%以上、2.0%以下、Mn:0.1%以上、2.5%以下を含み、V:0.01%以上、0.15%以下、Nb:0.02%以上、0.30%以下、Ti:0.01%以上、0.15%以下の1種又は2種以上を下記条件式(1)を満たすように含み、残部がFe及び不可避不純物からなり、フェライト分率が50%以上、95%以下、マルテンサイト+残留オーステナイトからなる硬質第2相分率が5%以上、50%以下の組織を有し、フェライト中に形成された析出物の平均粒径rが6nm以上であり、平均粒径rと下記式(2)で表される析出物分率fが下記条件式(3)を満たすことを特徴とする。
C−12×(V/51+Nb/93+Ti/48)≧0.01 ・・・・(1)
f=(2.08Ti+1.69V+1.14Nb)/100 ・・・・(2)
r/f≦13000 ・・・・(3)
ここで、上記式(1)、(2)中の元素記号は当該元素の質量%を意味する。
上記高強度熱延鋼板において、硬質第2相の平均粒径が5μm以下であることが望ましい。これにより伸びフランジ性が改善される。
上記高強度熱延鋼板は、必要に応じて、さらにCu:0.02%以上、2.0%以下、Ni:0.02%以上、2.0%以下、Cr:0.02%以上、2.0%以下、Mo:0.01%以上、0.5%以下の1種又は2種以上、又は/及びP:0.02%以上、0.3%以下、Al:0.02%以上、0.3%以下の1種又は2種を含むことができる。
本発明によれば、加工性と疲労特性が共に優れた高強度熱延鋼板を得ることができる。本発明に係る高強度熱延鋼板は、強度と加工性及び疲労特性が必要とされる自動車の足回り、フレーム部品等の製造に適している。
なお、本発明において加工性は、強度−伸びバランス(TS×El)と強度−伸びフランジバランス(TS×λ)で評価し、疲労特性は疲労強度比(FL/TS)で評価する。TSは引張強さ、Elは伸び、λは伸びフランジ性(穴広がり率)、FLは疲労強度を意味する。
まず、本発明に係る高強度熱延鋼板の組成及び組織限定理由について説明する。
・C:0.01%超、0.30%以下
Cは強化元素であり、C量が増加するとフェライト分率が低下する。0.01%以下では必要な強度が得られず、0.30%を超えると第2相(マルテンサイト+残留オーステナイト)分率が大きくなり過ぎ、TS×Elバランス及びTS×λバランスが確保できない。好ましくは、0.040%超、0.20%以下である。
・Si:0.1%以上、2.0%以下
Siはフェライトの固溶強化元素としてTS×Elバランス改善に寄与し、疲労特性改善にも寄与する。しかし、0.15%未満であると脱酸が不十分となりTS×Elバランスが劣化し、2.0%を超えるとフェライトが強化されすぎ、TS×Elバランス及びTS×λバランスが劣化する。好ましくは0.5%以上、1.7%以下である。
・Mn:0.1%以上、2.5%以下
Mnは脱酸元素として添加され、また固溶強化によりTS×Elバランスの改善に寄与する。しかし、0.1%未満であると脱酸が不十分となりTS×Elバランスが劣化し、2.5%を超えると焼き入れ性が高くなり過ぎフェライト分率が低下する。好ましくは1.0%以上、2.0%以下である。
・V:0.01%以上、0.15%以下
・Nb:0.02%以上、0.30%以下
・Ti:0.01%以上、0.15%以下
これらの元素は炭化物としてフェライトを析出強化することで疲労特性改善に寄与する。しかし、それぞれ下限値未満であると析出強化効果が不十分であり、上限値を超えて添加しても特性改善効果が得られない。好ましくはV:0.03%以上、0.12%以下、Nb:0.05%以上、0.25%以下、Ti:0.03%以上、0.12%以下である。
・C−12×(V/51+Nb/93+Ti/48)≧0.01((1)式)
この式はV、Nb、Tiにより固定されないフリーC量を0.01%以上残存させることを意味する。フリーCは必要な硬質第2相分率の確保に寄与する。左辺の計算値(成分パラメータという)は0.04%以上が好ましい。なお、式中の元素記号は当該元素の質量%を意味する。
・Cu:0.02%以上、2.0%以下
・Ni:0.02%以上、2.0%以下
・Cr:0.02%以上、2.0%以下
・Mo:0.01%以上、0.5%以下
これらの元素は鋼の焼き入れ性を高めることにより、マルテンサイト及び残留オーステナイト以外の組織の形成を抑制する効果があり、必要に応じて添加される。しかし、下限値未満ではその効果が得られず、上限値を超えるとフェライトが脆化し、強度−伸びバランスを低下させる。
・P:0.02%以上、0.3%以下
・Al:0.03%以上、0.3%以下
これらの元素は固溶強化によりTS−Elバランスを改善する効果があり、必要に応じて添加される。しかし、下限値未満ではその効果が得られず、上限値を超えると粒界偏析し粒界破壊を助長してTS−Elバランスを低下させる。
・フェライト分率(面積分率):50%以上、95%以下
・硬質第2相分率(面積分率):5%以上、50%以下
フェライト分率が50%未満又は硬質第2相(マルテンサイト+残留オーステナイト)分率が50%を越えると、硬質第2相が連結することによりTS×Elバランスが低下し、一方、フェライト分率が95%を超え又は硬質第2相分率が5%未満であると、複相組織化によるTS×Elバランス改善効果が得られない。好ましくはフェライト分率は70%以上、93%以下、マルテンサイト+残留オーステナイト分率は7%以上、30%以下である。
主相であるフェライト及び硬質第2相以外の組織(ベイナイト、パーライト)の分率は5%以下が望ましい。これは中途半端な硬質相の存在によりTS×Elバランスが低下するためである。
・フェライト中に形成された析出物の平均粒径r:6nm以上
・r/f≦13000((3)式)
この2つの規定は、析出物の平均粒径rを転位によりカッティングされないサイズに制御し、同時に析出物の粒子間距離(r/f)を小さい値に制限することを意味する。これにより、繰り返し応力付与中の転位の移動に対する抵抗力を大きくし、疲労特性を改善することができる。なお、fは析出物分率(面積分率)であり、前記(2)式で表される。好ましくはr/fは11000以下である。
・硬質第2相の平均粒径:5μm以下
マルテンサイト及び/又は残留オーステナイトからなる硬質第2相の平均粒径を小さくすることで、局所的な変形を抑制し、伸びフランジ性が改善される。硬質第2相の平均粒径が5μmを越えると十分な伸びフランジ性が得られない。C量、Mn量が高くフェライト形成が抑制されたり、熱延仕上げ温度が高くオーステナイト粒が粗大化すると、硬質第2層の平均粒径が大きくなるので、硬質第2相の平均粒径を5μm以下にするには、C、Mn量を前記好ましい範囲の上限値以下とし、熱延仕上げ温度を後述する好ましい範囲の上限値以下とすることが望ましい。
続いて、本発明に係る高強度熱延鋼板の製造方法について説明する。
典型的な製造方法は、鋼素材を加熱した後、仕上げ圧延を含む熱間圧延、熱延後の急冷、急冷停止後の保持又は滞留、保持又は滞留後の冷却、巻き取りである。以下、各工程について説明する。
・加熱
熱間圧延前の加熱は1100℃以上、1300℃以下で行う。この加熱によりオーステナイト単相とし、かつV、Nb、Tiをオーステナイトに固溶させる。加熱温度が1100℃未満ではV、Nb、Tiがオーステナイトに固溶できず、粗大な炭化物が形成されるため疲労特性改善効果が得られない。一方、1300℃を越える温度は操業上困難である。
・熱間圧延
熱間圧延は、仕上げ圧延温度が700℃以上、1050℃以下の範囲になるように行う。仕上げ圧延温度が700℃未満では焼き入れ性が低下し、フェライト変態、パーライト変態が促進され、TS×Elバランスが低下する。一方、1050℃を超えるとオーステナイトが粗大化し、焼き入れ性が高まるため、十分なフェライト量が確保できない。また、最終組織が微細化しない。好ましくは、700℃以上、850℃以下である。
・熱延後の急冷
熱延後の急冷は650℃以上、800℃以下の温度域に20℃/s以上で急冷する。これはフェライト析出ノーズに急冷してフェライトを形成させるためである。急冷停止温度が650℃未満ではパーライト変態又はベイナイト変態が促進され、800℃を超えるとフェライト変態が生じず、所定の相分率のDP鋼を得るのが困難である。
・急冷停止後の保持又は滞留
急冷停止後の前記温度域での保持又は前記温度域内での滞留(前記温度域内で例えば空冷により冷却)は、20sを超える時間行うことが望ましい。これによりフェライト変態を進行させ、かつフェライト中の析出物を適度に粗大化させる。前記温度域での保持又は滞留の時間が短いと、析出物が十分なサイズに粗大化せず、疲労特性が十分に改善しない。一方、保持又は滞留の時間が長過ぎると、析出物が粗大化しすぎて疲労特性が改善しない。析出物分率fとの兼ね合いで上限値は変化するが、一般的には300s以下の範囲で選択することが好ましい
・保持後又は滞留後の冷却、巻き取り
前記温度域での保持又は滞留後、第2相をマルテンサイト又は残留オーステナイトにするため、300℃以下まで5℃/s以上の冷却速度で冷却し、巻き取る。300℃を越える温度又は5℃/s未満の冷却速度の場合、マルテンサイト又は残留オーステナイト以外の組織が形成され、TS−Elバランスが改善しない。
表1,2に示す成分の50kg鋳塊を溶製し、熱間圧延により25mm厚の板材とし、これを供試材とした。表1,2中、成分パラメータは(1)式の左辺の計算値を意味する。
Figure 2007321201
Figure 2007321201
この供試材を、図1に示すプロセス及び表3に示す条件で熱間圧延し、熱延鋼板を製造した。より詳しくは、表3に示す加熱温度に30分保持した後、表3に示す温度で仕上げ圧延を行い、仕上げ板厚は3mmとした。仕上げ圧延後、表3に示す熱延後冷却速度で表3に示す急冷停止温度まで冷却し、表3に示す保持時間だけ保持した。その後、表3に示す保持後冷却速度で表3に示す巻き取り模擬温度まで冷却し、30分保持した後、炉冷した。
得られた熱延鋼板からサンプルを採取し、組織観察、引張試験、疲労試験、伸びフランジ特性試験を下記要領で実施した。
Figure 2007321201
・組織観察
鋼板中心部のTD面の組織を観察した。サンプルは鏡面に研磨した後、レペラ試薬により腐食し、×400で5視野観察及び撮影し、その中の白い領域をマルテンサイト+残留オーステナイト(以下、残留γ)、黒い領域をその他の組織、中間色の領域をフェライトとして、画像解析ソフト(Micromedia社製Image Pro Plus)を用いて、それぞれの組織分率を求めた。マルテンサイト+残留γの平均粒径についても、上記画像解析ソフトを用い、個々のマルテンサイト+残留γの面積を測定し、その面積から円相当直径を算出し、その平均をマルテンサイト+残留γの粒径とした。
・析出物の平均粒径r、r/f
フェライト中の析出物の平均粒径rは、抽出レプリカ法により析出物を抽出し、フェライト領域を透過形電子顕微鏡にて、倍率×150000で1μm×1μmの領域を観察及び撮影し、その中に観察された析出物(円相当直径で2nm以上)を画像解析して各粒子の面積を求め、その面積から円相当直径を求めて平均値を算出し、平均粒径とした。
また、求めた平均粒径rと析出物分率f(式(3))からr/fを計算した。
・引張試験
引張試験は、サンプルをJISZ2201記載の5号試験片に加工し、JISZ2241に従って実施した。また、引張強さ(TS)と伸び(El)から強度−伸びバランス(TS×El)を計算した。
・疲労試験
疲労試験は、サンプルの表裏面を0.2mmずつ研削し、その後、JISZ2275記載の平面曲げ試験で疲労強度を測定した。また、疲労強度(FL)と引張強さ(TS)から疲労限度比(FL/TS)を計算した。
・伸びフランジ特性試験
伸びフランジ特性試験として穴広げ試験を行い、穴広がり率(λ)を測定した。穴広げ試験は、日本鉄鋼連盟規格JFST1001に従って行い、穴広がり率(λ)を測定した。
また、穴広がり率(γ)と引張強さ(TS)から強度−伸びフランジバランス(λ×TS)を計算した。
測定結果を表4〜7に示す。表4〜7において、引張強度は590MPa以上を良好と評価し、強度−伸びバランス(TS×El)は17000MPa%以上を良好、18000MPa%以上を特に良好と評価し、疲労限度比(FL/TS)は0.62以上を良好、0.65以上を特に良好と評価し、強度−伸びフランジバランス(λ×TS)は64000MPa%以上を良好と評価した。
Figure 2007321201
Figure 2007321201
Figure 2007321201
Figure 2007321201
表4〜7の測定結果を以下簡単に説明する。
No.3,4,17,19,21,25〜34,38,43,44は、クレーム記載の組成、相分率、析出物粒径、r/f、マルテンサイト+残留γ粒径の各要件を満たし、TS×El、FL/TS、TS×γを満足する。
No.2,10,11,14,23は、クレーム記載の組成、相分率、析出物粒径、r/f、マルテンサイト+残留γ粒径の各要件を満たし、TS×El、FL/TS、TS×γを満足する。ただし、No.2はr/fがやや大きめで、FL/TSがやや低めであり、No.10はSiがやや少なめで、TS×Elがやや低めであり、No.11はSiがやや多いめで、TS×γが低く、No.14はMnがやや少なめで、TS×Elがやや低めであり、No.23は成分パラメータがやや低めで、マルテンサイト+残留γ分率がやや低め、かつTS×Elがやや低めである。
No.7,15,47は、クレーム記載の組成、相分率、析出物粒径、r/fの要件を満たし、TS×El、FL/TSを満足する。ただし、No.7はマルテンサイト+残留γ分率がやや大きめで、マルテンサイト+残留γ粒径が上限値を超え、TS×Elがやや低めで、TS×λが低く、No.15,47は、マルテンサイト+残留γ粒径が上限値を超え、TS×λが低い。
一方、No.1は、V、Nb、Tiを含まず、FL/TSが低い。
No.5は、Cが下限値未満で、成分パラメータが下限値未満であり、マルテンサイト+残留γ分率が下限値未満となり、TS×Elが低い。
No.8は、Cが上限値を超え、マルテンサイト+残留γ分率が過大となり、TS×Elが低い。
No.9は、Siが下限値未満であり、TS×Elが低い。
No.12は、Siが上限値を越え、TS×El、γ×TSが低い。
No.13は、Mnが下限値未満であり、TS×Elが低い。
No.16は、Mnが上限値を越え、マルテンサイト+残留γ分率が過大となり、TS×Elが低い。
No.18,20,22は、V,Nb、Tiの含有量が下限値未満で、r/fが上限値を超え、FL/TSが低い。
No.24は、成分パラメータが下限値未満で、マルテンサイト+残留γ分率が下限値未満となり、TS×Elが低い。
No.6,39,45は、r/fが上限値を超え、FL/TSが低い。
No.35〜37,40〜42は、析出物粒径が下限値未満で、FL/TSが低い。
No.46は、フェライト分率が下限値未満で、TS×Elが低い。
No.48は、フェライト分率が下限値未満、マルテンサイト+残留γ分率が上限値を超え、TS×Elが低い。
No.49は、フェライト分率が下限値未満で、TS×Elが低い。
No.50は、マルテンサイト+残留γ分率が下限値未満で、TS×Elが低い。
実施例のプロセスを説明する図である。

Claims (4)

  1. 質量%で、C:0.01%超、0.30%以下、Si:0.1%以上、2.0%以下、Mn:0.1%以上、2.5%以下を含み、V:0.01%以上、0.15%以下、Nb:0.02%以上、0.30%以下、Ti:0.01%以上、0.15%以下の1種又は2種以上を下記条件式(1)を満たすように含み、残部がFe及び不可避不純物からなり、フェライト分率が50%以上、95%以下、マルテンサイト+残留オーステナイトからなる硬質第2相分率が5%以上、50%以下の組織を有し、フェライト中に形成された析出物の平均粒径rが6nm以上であり、平均粒径rと下記式(2)で表される析出物分率fが下記条件式(3)を満たすことを特徴とする強度−伸びバランスと疲労特性に優れた高強度熱延鋼板。
    C−12×(V/51+Nb/93+Ti/48)≧0.01 ・・・・(1)
    f=(2.08Ti+1.69V+1.14Nb)/100 ・・・・(2)
    r/f≦13000 ・・・・(3)
    ただし、上記式(1)、(2)中の元素記号は当該元素の質量%を意味する。
  2. 硬質第2相の平均粒径が5μm以下であることを特徴とする請求項1に記載された強度−伸びバランスと疲労特性に優れた高強度熱延鋼板。
  3. さらにCu:0.02%以上、2.0%以下、Ni:0.02%以上、2.0%以下、Cr:0.02%以上、2.0%以下、Mo:0.01%以上、0.5%以下の1種又は2種以上を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載された強度−伸びバランスと疲労特性に優れた高強度熱延鋼板。
  4. さらにP:0.02%以上、0.3%以下、Al:0.02%以上、0.3%以下の1種又は2種を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載された強度−伸びバランスと疲労特性に優れた高強度熱延鋼板。
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