JP2007320326A - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】トレッド部12に設けられたタイヤ周方向に沿って延びる中央周方向溝14によって形成された赤道面CLを含む中央陸部列18と、両側の中央周方向溝14から赤道面CLに向かって延びて中央陸部列18内で終端する中央ラグ溝24と、赤道面CL両側の中央ラグ溝24の終端位置同士を連結するタイヤ軸方向に延びる第1のサイプ26と、赤道面CL両側の中央ラグ溝24の延在途中位置同士を連結する第2のサイプ28と、をタイヤ10が備えたことによって、従来よりも操縦安定性、トラクション性及び耐摩耗性が向上する。
【選択図】図1
Description
第1のサイプ及び第2のサイプによって、周方向に連続する中央陸部列が分断されて、複数のブロックが区画形成される。第1のサイプ及び第2のサイプは接地面内で閉じるため、接地面内において、隣接するブロック同士がタイヤ周方向及びタイヤ軸方向に対して互いに密着し、中央陸部列がタイヤ周方向に連続となる。これにより、接地面内での中央陸部列の接地圧が均一化し、ブロック剛性及び操縦安定性が向上する。また走行時の静音性に優れ、さらに中央陸部列の摩耗を抑制できる。そして、蹴り出し時には第1のサイプがタイヤ軸方向に延びていることによりトラクション性が発揮される。
また、中央陸部列内で終端するラグ溝によって、周方向溝に対する排水性及びトラクション性が確保される。
従って、サイプの配置を適正化することで、従来よりも操縦安定性、トラクション性及び耐摩耗性を向上できる。
第1のサイプとタイヤ軸方向とがなす角度を0〜30度とすることにより、ブロックが接地から蹴り出しに移行する際に、最大限トラクション性を発揮できる。
第2のサイプとラグ溝と直交する方向とがなす角度を0〜45度とすることにより、中央陸部列を分断する際に各分断されるブロック外形角度を鈍角にし、ブロック剛性を確保することで、耐摩耗性に優れたブロックを構成できる。
第1のサイプ及び第2のサイプの幅が0.2mmに満たないと、これらのサイプを形成するためのモールドのブレードが薄くなり過ぎて製造が難しくなり、1.5mmを超えると、接地面内でこれらのサイプが閉じなくなる。従って、第1のサイプ及び第2のサイプの幅は0.2〜1.5mmの範囲にすることが好ましい。
第3のサイプを設けたことで、ブロックの剛性及び外観形状の両面においてバランスを崩すことなく、氷上での操縦安定性を向上できる。
ラグ溝の溝幅を終端部よりも開口部で広くしたことで、中央陸部列からこの中央陸部列の両側の周方向溝へ効率的に排水できる。
(構成)次に、本発明の空気入りタイヤの第1の実施形態を図1したがって説明する。なお、本実施形態の空気入りタイヤ10(以下、単にタイヤ10と記載する。)は、タイヤサイズが235/65R17の乗用車用空気入りタイヤである。また、タイヤ10の内部構造は一般的なラジアルタイヤの構造と同様のため、内部構造についての説明は省略する。
また、赤道面CLの両側の中央周方向溝14間に中央陸部列18が区画形成され、中央周方向溝14と側部周方向溝16との間に第1陸部列20が区画形成され、赤道面CLの両側の側部周方向溝16よりタイヤ軸方向外側に第2陸部列22が区画形成される。なお、本実施形態のタイヤ10のトレッドパターンは、赤道面CLを対称軸とした回転対象パターンである。即ち、タイヤ10は、回転方向が指定されないタイヤである。
また、第1サイプ26及び第2サイプ28の幅は、0.2〜1.5mmを満たすことが好ましい。
また、中央ラグ溝24の溝幅は、終端部から中央周方向溝14に連通する開口部に向かって徐々に広がっている。
なお、第1サイプ26、第2サイプ28、第3サイプ32、第4サイプ38及び第5サイプ44は何れも接地面内で閉じる切り込みである。また、図1の二点鎖線12Eは、接地端を示しており、ここで言う接地端とは、空気入りタイヤをJATMA YEAR BOOK(2006年度版、日本自動車タイヤ協会規格)に規定されている標準リムに装着し、JATMA YEAR BOOKでの適用サイズ・プライレーティングにおける最大負荷能力(内圧−負荷能力対応表の太字荷重)に対応する空気圧(最大空気圧)の100%を内圧として充填し、最大負荷能力を負荷したときのタイヤ幅方向最外の接地部分を指す。なお、使用地又は製造地においてTRA規格、ETRTO規格が適用される場合は各々の規格に従う。
中央陸部列18の第1のサイプ26及び第2のサイプ28は接地面内で閉じるため、接地面内において、隣接するブロック30同士がタイヤ周方向及びタイヤ軸方向に対して互いに密着し、中央陸部列18がタイヤ周方向に連続となる。
これにより、接地面内での中央陸部列18の接地圧が均一化し、ブロック剛性及び操縦安定性が向上する。また走行時の静音性に優れ、さらに中央陸部列18の摩耗を抑制できる。そして、蹴り出し時には第1のサイプ26がタイヤ軸方向に延びていることによりトラクション性が発揮される。また、中央陸部列18内で終端する中央ラグ溝24によって、中央周方向溝14に対する排水性が確保されると共にトラクション性が確保される。
従って、第1のサイプ26及び第2のサイプ28の配置を適正化することで、従来よりも操縦安定性、トラクション性及び耐摩耗性を向上できる。
また、第2のサイプ28と中央ラグ溝24と直交する方向(一点鎖線L2)とがなす角度を0〜45度とすることにより、中央陸部列18を分断する際に各分断されるブロック30の外形角度を鈍角にし、ブロック剛性を確保することで、耐摩耗性に優れたブロック30を構成できる。
また、第3のサイプを設けたことで、ブロック30の剛性及び外観形状の両面においてバランスを崩すことなく、氷上での操縦安定性を向上できる。
そして、中央ラグ溝24の溝幅を、終端部から開口部に向かって徐々に広くしたことで、中央陸部列18から赤道面CLの両側の中央周方向溝14へ効率的に排水できる。
本発明の空気入りタイヤの性能改善効果を確認するために、本発明の第1の実施形態を適用した実施例の空気入りタイヤを1種、比較例の空気入りタイヤを1種用意し、夫々のタイヤをJATMA YEAR BOOK(2006年度版、日本自動車タイヤ協会規格)に規定されている標準リムに組付け、内圧220kpaの状態にしてSUV車両に装着し、2名乗車してドライ操縦安定性、スノー操縦安定性及び耐摩耗性を評価する試験を実施した。
耐摩耗性の試験は、高速道、市街地路及び山坂道を想定したモード走行を5000km行い、中央陸部列の摩耗量を比較して評価した。
なお、これらの各評価項目については、何れも比較例のタイヤの値を100とした場合の指数表示とし、結果を表3中に示す。なお、値が大きい方が優れた結果を示すものとする。
比較例のタイヤ:図2に示す第1の実施形態の中央陸部列から第2のサイプを削除した空気入りタイヤ。なお、θ1は80度である。
なお、比較例のタイヤの詳細を表1中に示し、実施例のタイヤの詳細を表2中に示す。また、表1及び表2中の溝壁角度とは、タイヤ半径方向に対する溝壁の角度を指している。
12 トレッド部
14 中央周方向溝(周方向溝)
16 側部周方向溝(周方向溝)
18 中央陸部列
24 中央ラグ溝(ラグ溝)
26 第1サイプ(第1のサイプ)
28 第2サイプ(第2のサイプ)
32 第3サイプ(第3のサイプ)
CL 赤道面(タイヤ赤道面)
Claims (6)
- トレッド部に設けられたタイヤ周方向に沿って延びる複数の周方向溝と、
前記周方向溝によって形成されたタイヤ赤道面を含む中央陸部列と、
前記中央陸部列の両側の前記周方向溝からタイヤ赤道面に向かって延び、前記中央陸部列内で終端する複数のラグ溝と、
タイヤ赤道面両側の前記ラグ溝の終端位置同士を連結するタイヤ軸方向に延びる第1のサイプと、
タイヤ赤道面両側の前記ラグ溝の延在途中位置同士を連結する第2のサイプと、
を備えることを特徴とする空気入りタイヤ。 - 前記第1のサイプが、タイヤ軸方向となす角度が0〜30度の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
- 前記第2のサイプが、前記ラグ溝と直交する方向となす角度が0〜45度の範囲にあることを特徴とする請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
- 前記第1のサイプ及び前記第2のサイプの幅が、0.2〜1.5mmの範囲にあることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の空気入りタイヤ。
- 前記中央陸部列に前記ラグ溝と同方向に延び、一端が前記周方向溝に連通し、他端が前記中央陸部列内に終端する第3のサイプが配置されていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の空気入りタイヤ。
- 前記ラグ溝の溝幅が、終端部よりも前記周方向溝に連通する開口部で広がっていることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の空気入りタイヤ。
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