JP2007319914A - プレス成形装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 従来の複数のクッション部材を有するプレス成形装置では、例えば一方のクッション部材と他方のクッション部材とをベースプレートを介して結合していたので、プレス成形装置が重量大となり、両クッション部材の結合強度が弱くなってしまっていた。
【解決手段】 ダイ2、ポンチ3、および複数の第1クッション部材5および第2クッション部材6を備えるプレス成形装置1であって、前記複数のクッション部材5・6は互いに別体に形成され、第2クッション部材6には、該第1クッション部材5と第2クッション部材6とを結合するためのリブ61が一体形成されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ダイ、ポンチ、および複数のクッション部材を備えるプレス成形装置に関し、特に複数のクッション部材を結合するための構成に関する。
従来から、ダイ、ポンチ、および複数のクッション部材を備えた、絞り成形加工を行うプレス成形装置であって、成形加工時にダイとクッション部材とでワークを挟持しつつ、ダイに対向して配置したポンチにワークを押し付けることで、成形加工を行うプレス成形装置が知られている。
このようにプレス成形装置に備えられる複数のクッション部材においては、該クッション部材の剛性を高める等の目的により、複数のクッション部材を互いに結合した構成となっており、例えば、特許文献1に記載されるように、第1のクッション部材(アウタブランクホルダ)と、第2のクッション部材(インナブランクホルダ)とが複数のリブにより結合されている。
この特許文献1に記載されたクッション部材の場合、第1のクッション部材と、第2のクッション部材と、複数のリブとを一体的に鋳造することで、両クッション部材が結合されている。
また、図7に示すように、第1のクッション部材105および第2のクッション部材を、結合部材109にてベースプレート108に結合することで、該第1のクッション部材105と第2のクッション部材とを連結しているものもある。
特開平07−51796号公報
前述のように、複数のクッション部材を一体的に鋳造して形成した場合、高い剛性を得ることができるが、クッション部材を、該クッション部材とともにプレス成形装置の下型を構成するポンチに対して組み付け易い構造に形成することが困難であり、プレス成形装置の上型となるダイと対向するクッション部材の表面の機械加工を行うことも困難であった。
また、第1のクッション部材と第2のクッション部材とをベースプレートを介して結合した場合は、ベースプレートを両クッション部材の配置位置の全体にわたって敷設する必要があるとともに、該ベースプレートが全体的に一定の厚みで厚く形成されているので、プレス成形装置が全体的に重量大となってしまう。また、両クッション部材を結合する等のために、ベースプレートの略全面にわたって表面の加工を行う必要があるため、クッション部材を結合するための加工工数が多くなってしまう。
さらに、第1のクッション部材と第2のクッション部材とはベースプレートを介して結合しているので、つまり、第1のクッション部材とベースプレートとの結合部、および第2のクッション部材とベースプレートとの結合部といったように2箇所の結合部を介して結合されているので、両クッション部材の結合強度が弱くなってしまう。
そこで、本発明においては、加工・製造が容易であり、プレス成形装置の重量増を抑えつつ、高い結合強度にて複数のクッション部材を結合することができるプレス成形装置を提供するものである。
上記課題を解決するプレス成形装置は、以下の特徴を有する。
即ち、請求項1記載の如く、ダイ、ポンチ、および複数のクッション部材を備えるプレス成形装置であって、前記複数のクッション部材は互いに別体に形成され、一方のクッション部材には、該一方のクッション部材と他方のクッション部材とを結合するための補強リブが一体形成されている。
これにより、一方のクッション部材と他方のクッション部材とをベースプレートを介して結合した場合のように、該一方のクッション部材および他方のクッション部材の略全面にわたって結合部材(即ちベースプレート)が存在するのではなく、一方のクッション部材と他方のクッション部材とが実際に結合される箇所のみに結合部材(即ち補強リブ)が存在するので、プレス成形装置を全体的に軽量化することができるとともに、表面加工を行う面積を減少させて、複数のクッション部材を結合するための加工工数を少なくすることができる。
また、一方のクッション部材と他方のクッション部材とが、該一方のクッション部材に一体的に形成される補強リブにより直接結合されることとなるので、両部材をベースプレートを介して結合した場合に比べて結合剛性を向上させることができる。
さらに、一方のクッション部材、他方のクッション部材、および補強リブは、該他方のクッション部材と、一体的に形成される一方のクッション部材および補強リブとの2部材にて構成されているので、一方のクッション部材、他方のクッション部材、および補強リブを一体的に鋳造して形成した場合に比べて、補強リブの太さや配置位置等の設定の自由度が大きく、プレス成形装置の下型を構成するポンチに対する組み付性を向上させることができるとともに、一方のクッション部材および他方のクッション部材の表面加工を容易に行うことが可能となる。
また、請求項2記載の如く、前記一方のクッション部材と他方のクッション部材との間には、両者の距離が大きい広隔部、および両者の距離が前記広隔部よりも小さい狭隔部があり、前記補強リブは、前記狭隔部に配置されている。
これにより、補強リブの長さ寸法を小さくして該補強リブの剛性を高めることができ、ひいては一方のクッション部材と他方のクッション部材との結合剛性を向上することが可能となる。
また、請求項3記載の如く、前記一方のクッション部材の補強リブにはキー溝が形成され、前記他方のクッション部材にはキーが形成されており、前記補強リブは、前記キー溝にキーが遊嵌された状態で他方のクッション部材に固定されている。
これにより、一方のクッション部材と他方のクッション部材とを結合する際に、補強リブのキー溝と他方のクッション部材のキーとにより、該他方のクッション部材に対する一方のクッション部材の位置決めを行うとともに、当該位置の微調整を行うことが可能となり、一方のクッション部材と他方のクッション部材との組み付け性を向上することができる。
また、請求項4記載の如く、前記補強リブは、前記一方のクッション部材から延出されており、前記一方のクッション部材と他方のクッション部材との前記補強リブによる結合箇所は、前記補強リブの延長線上に配置されている。
これにより、一方のクッション部材と他方のクッション部材との結合剛性を向上することができる。
本発明によれば、プレス成形装置を全体的に軽量化することができる。
また、複数のクッション部材を結合するための加工工数を少なくすることができるとともに、一方のクッション部材および他方のクッション部材の表面加工や組み付けを容易に行うことができる。
さらに、一方のクッション部材と他方のクッション部材との結合強度および剛性を向上させることができる。
次に、本発明を実施するための形態を、添付の図面を用いて説明する。
図1に示すプレス成形装置1は絞り成形を行うものであり、上型となるダイ2と、ダイ2に対向して(図1においては下方に)配置されるポンチ3と、ポンチ3の周囲に配置され環状に形成される第1クッション部材5と、第1クッション部材5とは別体に形成され、該第1クッション部材5の内周側に配置される第2クッション部材6とを備えている。
ダイ2は上下駆動可能に構成されており、第1クッション部材5および第2クッション部材6はダイ2に従動可能(つまりダイ2の上下動に追随して上下動が可能)に構成されている。
前記第1クッション部材5、第2クッション部材6、およびポンチ3はボルスター7上に載置されている。ポンチ3は、第1クッション部材5と第2クッション部材6との間の空間4に、その空間4の形状に対応した形状で配置されている。
また、第1クッション部材5の上面および第2クッション部材6の上面には、それぞれしわ押さえ面5aおよびしわ押さえ面6aが形成され、ダイ2の下面には、第1・第2クッション部材5・6のしわ押さえ面5a・6aに対応する位置に、しわ押さえ面2aが形成されており、しわ押さえ面2aとしわ押さえ面5a・6aとは当接可能に構成されている。
なお、第1クッション部材5のしわ押さえ面5aに対応するダイ2のしわ押さえ面2aは、ダイ2の外周部に位置している。
ダイ2とポンチ3との間には被加工部材である板状のワークWが介在しており、該ワークWをプレス成形装置1により成形加工するときには、まず、ダイ2を下降させて、該ダイ2のしわ押さえ面2aと、第1クッション部材5のしわ押さえ面5aとでワークWの周縁部を挟持する(図1に示す状態)。また、この状態では、第2クッション部材6のしわ押さえ面6aと、ダイ2のしわ押さえ面2bとでもワークWが挟持される。
その後、ダイ2をさらに下降させ、ワークWをポンチ3の加工面3aに押し付けて変形させることによりワークWの成形加工を行い、図2に示すように、ポンチ3の加工面3aとダイ2の加工面2bとでワークWを完全に挟み込むことにより成形が完了する。
この際、第1クッション部材5および第2クッション部材6は、ワークWを挟持した状態を保持しながら、ダイ2とともに下降する。
複数設けられるクッション部材のうち、一方の第2クッション部材6からは、該第2クッション部材6に一体的に形成されるリブ61が略水平方向外方に向けて突出しており、該リブ61の先端部が、前記第1クッション部材5の下部に結合されている。
リブ61は、例えば第2クッション部材6と一体的に鋳造されることにより形成されている。
このように、第2クッション部材6に一体的に形成されるリブ61により、該第2クッション部材6と第1クッション部材5とを結合することにより、該第1クッション部材5および第2クッション部材6の剛性が高められており、該リブ61は、第1クッション部材5および第2クッション部材6の補強構造物として作用している。
前記第1クッション部材5と第2クッション部材6との間の空間4にはポンチ3が上下摺動自在に嵌装されている。また、ポンチ3に形成されている空隙3cには第2クッション部材6が上下摺動自在に嵌装されている。つまり、第1クッション部材5と第2クッション部材6は、ポンチ3に対して摺動自在に嵌装されている。
第1クッション部材5と第2クッション部材6との間の空間4に嵌装されるポンチ3の下部には、リブ61との干渉を避けるための凹部31が形成されている。
つまり、該凹部31は、第1クッション部材5、第2クッション部材6、およびポンチ3がボルスター7上に載置されている状態でリブ61とポンチ3とが干渉しないように、第1クッション部材5に形成されるリブ61の形状に合わせて形成されている。
ここで、ダイ2の下降により、ワークWをポンチ3の加工面3aに押し付けて変形させる場合、ワークWの第1クッション部材5とダイ2とで挟まれる被加工部分には内側へ移動する方向に力がかかるため、ワークWの周縁部を挟持している第1クッション部材5の上部にも、内側方向の引っ張り力が作用する。
第1クッション部材5の上部に内側方向への引っ張り力が作用した場合、仮に前記リブ61のような補強構造物を備えていないとすると、該クッション部材5は、その下部が外側へ広がる方向に撓んでしまうが、本第1クッション部材5においては、第2クッション部材6から延出するリブ61が補強構造物として結合されて第1クッション部材5の剛性が向上されているため、撓みや変形の発生が抑えられている。
また、リブ61を第1クッション部材5に結合することで、第2クッション部材6も補強することができ、第2クッション部材6に力がかかる成形加工時において、第2クッション部材6の姿勢の乱れを抑制することができる。
次に、前記リブ61について詳述する。
図3に示すように、リブ61は、第2クッション部材6から突出し、補強リブの役目を果たす複数の補強部61aと、補強部61aを第1クッション部材5に結合するための結合部61bとで構成されている。
図3に示すリブ61においては、第2クッション部材6の左右の辺から、それぞれ2本の補強部61aが突出しており、左辺における2本の補強部61a、および右辺における2本の補強部61aは、それぞれ結合部61bに接続されている。
そして、図4に示すように、前記補強部61a・61aが第1クッション部材5の下部に取付固定されることで、リブ61により第1クッション部材5と第2クッション部材6とが結合されている。
また、第1クッション部材5と第2クッション部材6との間の空間4には、第1クッション部材5と第2クッション部材6との距離が大きな寸法d1となる広隔部4a、および該広隔部4aの寸法d1よりも小さな寸法d2となる狭隔部4bとがあり、前記リブ61の補強部61aは狭隔部4bに配置されている。
このように、補強部61aを狭隔部4bに配置することで、補強部61aの長さ寸法を小さくして該補強部61aの剛性を高めることができ、ひいては第1クッション部材5と第2クッション部材6との結合剛性を向上することが可能となっている。
なお、本例においては、第1クッション部材5の内周形状、および第2クッション部材6の外周形状は略矩形状に形成された簡単な形状となっており、該第1クッション部材5と第2クッション部材6との距離は寸法d1および寸法d2といった2種類の寸法しかないが、第1クッション部材5および第2クッション部材6の形状が複雑で、該第1クッション部材5と第2クッション部材6との距離が多数種類存在するときには、前記空間4のうち、できるだけ短い距離の部位に補強部61aを配置することで、第1クッション部材5と第2クッション部材6との結合剛性の向上を図ることができる。
図5に示すように、前記リブ61の結合部61bには、該リブ61の第1クッション部材5に対する位置決めを行うためのキー溝611、および該結合部61bを第1クッション部材5に締結固定するためのボルト孔612が形成されている。
前記キー溝611およびボルト孔612は、前記結合部61bにおける、第2クッション部材6から延出する補強部61aの延長線上に位置する部分に配置されている。
また、図5、図6に示すように、第1クッション部材5の下面における、結合部61bのキー溝611に対応する箇所からはキー5cが下方に突出しており、第2クッション部材6を第1クッション部材5に結合する際に、該キー5cが前記キー溝611に嵌挿される。
キー溝611の内周はキー5cの外周よりも若干大きく形成されており、該キー5cはキー溝611に遊嵌しているため、結合部61bの第1クッション部材5に対する位置を微調節することが可能となっている。
このように、第1クッション部材5と第2クッション部材6とを結合する際には、リブ61における結合部61bのキー溝611と第1クッション部材5のキー5cとにより、該第1クッション部材5に対する第2クッション部材6の位置決めを行うとともに、当該位置の微調整を行うことが可能となり、第1クッション部材5と第2クッション部材6との組み付け性を向上することができる。
また、前記結合部61bに形成されるボルト孔612には、下方からボルト9が挿入され、ボルト孔612に挿入されたボルト9を第1クッション部材5に形成される螺子穴5dに螺装することで、リブ61を第1クッション部材5に締結固定している。
この場合、前記キー5cをキー溝611に嵌挿した状態で、第1クッション部材5と第2クッション部材6との位置決めおよび微調整を行ったうえで、ボルト9をボルト孔612に締結するようにしている。
前述のように、第1クッション部材5と第2クッション部材6とをリブ61により結合して構成されるプレス成形装置1においては、第1クッション部材5と第2クッション部材6とをベースプレートを介して結合した場合のように、該第1クッション部材5および第2クッション部材6の略全面にわたって結合部材(即ちベースプレート)が存在するのではなく、第1クッション部材5と第2クッション部材6とが実際に結合される箇所のみに結合部材(即ちリブ61の補強部61a)が存在するので、プレス成形装置1を全体的に軽量化することができるとともに、表面加工を行う面積を減少させて、第1・第2クッション部材5・6を結合するための加工工数を少なくすることができる。
また、第1クッション部材5と第2クッション部材6とは、該第2クッション部材6に一体的に形成されるリブ61により直接結合されることとなり、結合箇所が1箇所だけとなるので、結合箇所が2箇所ある、両部材をベースプレートを介して結合した場合に比べて結合強度および剛性を向上させることができる。
さらに、第1クッション部材5、第2クッション部材6、およびリブ61は、該第1クッション部材5と、一体的に形成される第2クッション部材6およびリブ61との2部材にて構成されているので、第1クッション部材5、第2クッション部材6、およびリブ61を一体的に鋳造して形成した場合に比べて、リブ61の太さや配置位置等の設定の自由度が大きく、プレス成形装置1の下型を構成するポンチ3に対する組み付性を向上させることができるとともに、第1クッション部材5および第2クッション部材6の表面加工を容易に行うことが可能となる。
また、第1クッション部材5と第2クッション部材6とを実際に結合する箇所となる、リブ61のキー溝611およびボルト孔612、ならびに第1クッション部材5のキー5cおよび螺子穴5dは、第2クッション部材6から延出する補強部61aの延長線上に配置されているので、第1クッション部材5と第2クッション部材6との結合剛性を向上することができる。
ダイと第1クッション部材とでワークを挟持した状態のプレス成形装置を示す側面断面図である。 図1に示す状態からダイが下降したワーク成形時のプレス成形装置を示す側面断面図である。 第2クッション部材を示す平面図である。 リブにより結合された第1クッション部材および第2クッション部材を示す平面図である。 リブにおける、第1クッション部材との結合部を示す平面図である。 リブにおける、第1クッション部材との結合部を示す側面断面図である。 従来の、複数のクッション部材がベースプレートを介して結合されたプレス成形装置を示す側面断面図である。
符号の説明
W ワーク
1 プレス成形装置
2 ダイ
3 ポンチ
5 第1クッション部材
5c キー
5d 螺子穴
6 第2クッション部材
61 リブ
611 キー溝
612 ボルト孔

Claims (4)

  1. ダイ、ポンチ、および複数のクッション部材を備えるプレス成形装置であって、
    前記複数のクッション部材は互いに別体に形成され、
    一方のクッション部材には、該一方のクッション部材と他方のクッション部材とを結合するための補強リブが一体形成されている、
    ことを特徴とするプレス成形装置。
  2. 前記一方のクッション部材と他方のクッション部材との間には、両者の距離が大きい広隔部、および両者の距離が前記広隔部よりも小さい狭隔部があり、
    前記補強リブは、前記狭隔部に配置されている、
    ことを特徴とする請求項1に記載のプレス成形装置。
  3. 前記一方のクッション部材の補強リブにはキー溝が形成され、前記他方のクッション部材にはキーが形成されており、
    前記補強リブは、前記キー溝にキーが遊嵌された状態で他方のクッション部材に固定されている、
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のプレス成形装置。
  4. 前記補強リブは、前記一方のクッション部材から延出されており、
    前記一方のクッション部材と他方のクッション部材との前記補強リブによる結合箇所は、前記補強リブの延長線上に配置されている、
    ことを特徴とする請求項1〜請求項3の何れかに記載のプレス成形装置。
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