JP2007318007A - 電解コンデンサ用アルミニウム電極箔 - Google Patents

電解コンデンサ用アルミニウム電極箔 Download PDF

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Abstract

【課題】良好な静電容量と優れた加工性とを兼ね備えた電解コンデンサ用アルミニウム電極箔を提供する。
【解決手段】電解コンデンサ用アルミニウム電極箔であって、
(1)前記アルミニウム電極箔は、エッチングピット領域及び緻密領域を有し、
(2)前記緻密領域は、その相対密度がエッチングピット領域の1.2倍以上1.6倍以下であり、かつ、絶対密度が2.0g/cm以上である、
ことを特徴とする電解コンデンサ用アルミニウム電極箔に係る。
【選択図】なし

Description

本発明は、電解コンデンサ用アルミニウム電極箔に関する。さらに、本発明は、高い静電容量及び易加工性を達成できる電解コンデンサ用アルミニウム電極箔に関する。
アルミニウム箔は、エッチング処理を行い、エッチングピット(エッチピット、トンネルピット、腐食孔等とも言う。)を形成することにより、表面積を増大させることができる。そして、その表面に陽極酸化処理を施すことにより、酸化皮膜を形成し、これが誘電体として機能する。このため、アルミニウム箔をエッチング処理し、その表面に使用電圧に応じた種々の電圧で誘電体皮膜を形成することにより、用途に適合する各種の電解コンデンサ用アルミニウム電極箔を製造することができる。
エッチング処理で形成されるエッチングピットは、陽極酸化電圧に対応した形状に処理される。
具体的には、中高圧用のコンデンサ用途には、厚い酸化皮膜を形成する必要がある。このため、そのような厚い酸化皮膜でエッチングピットが埋まらないように、中高圧陽極用アルミニウム箔では、主に直流エッチングを行うことによりエッチングピット形状をトンネルタイプとし、電圧に応じた太さに処理される。
一方、低圧用コンデンサ用途では、細かいエッチングピットが必要であり、主には交流エッチングによって海綿状のエッチングピットを形成させる。
コンデンサの容量を向上させるためには、単位面積当たりの表面積を拡大することが有効であり、各種エッチング処理及び各種エッチング処理用アルミニウム箔が製造されている。
ところが、上記のように単位面積当りの表面積を拡大した上に誘電体皮膜を形成した電極箔は非常に脆くなり、電極にリード端子を固定する際に接合不良が生じたり、小さな形状に巻く際に折れることがある。
これらの問題を解決する方法として、例えば、特許文献1〜3には、アルミニウム箔の一部にエッチング処理が施されない緻密領域を形成することにより強度を確保する方法が提案されている。しかしながら、これらの方法では、エッチング後に一部エッチング領域又はレジストインキ部の除去工程が必要であったり、アルミニウム箔の表面に適切なエネルギー及び波長のレーザー光を照射する工程が必要となり、製造工程が煩雑になるという問題がある。
また、特許文献4には、アルミニウム箔の一部にエッチングピット密度の少ない緻密領域を形成することにより強度を確保する方法が提案されている。しかしながら、この方法は、主に直流エッチングを行うことによりエッチングピット形状をトンネルタイプとする中高圧陽極用アルミニウム箔には有効であるが、エッチングピット密度が集合組織の影響を受けない交流エッチングを行う低圧陽極用や陰極用のアルミニウム箔には応用できない。
さらに、特許文献5には、エッチングを施した箔を全面圧下して、静電容量の増大と強度向上とを同時に実現する方法が開示されている。しかしながら、この方法は、全体的な強度向上は図れても特定部位の所望の強度は十分とは言えない。
特開平2−222517号公報 特開昭60−31217号公報 特開昭62−198112号公報 特開2005−290469号公報 特開平10−189398号公報
このように、従来技術によるいずれのアルミニウム電極箔も、その静電容量を維持した上でリード端子固定の際の接合不良や小形状への巻き取りの際の破損不良を低減させるという点では十分なものとは言えず、加工の容易性も含めてさらなる改良の余地がある。
従って、本発明の主な目的は、良好な静電容量と優れた加工性とを兼ね備えた電解コンデンサ用アルミニウム電極箔を提供することにある。
本発明者は、従来技術の問題点を解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定条件下でアルミニウム箔を製造することによって上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記の電解コンデンサ用アルミニウム電極箔に係る。
1. 電解コンデンサ用アルミニウム電極箔であって、
(1)前記アルミニウム電極箔は、エッチングピット領域及び緻密領域を有し、
(2)前記緻密領域は、その相対密度がエッチングピット領域の1.2倍以上1.6倍以下であり、かつ、絶対密度が2.0g/cm以上である、
ことを特徴とする電解コンデンサ用アルミニウム電極箔。
2. さらに誘電体皮膜を有する、前記項1に記載電解コンデンサ用アルミニウム電極箔。
3. 緻密領域の総面積が全体の30%以下であることを特徴とする、前記項1又は2に記載の電解コンデンサ用アルミニウム電極箔。
4. 緻密領域にリード端子が固定されていることを特徴とする、前記項1〜3のいずれかに記載の電解コンデンサ用アルミニウム電極箔。
5. 電解コンデンサ用アルミニウム電極箔を製造する方法であって、
1)アルミニウム溶湯からアルミニウム鋳塊を得る第1工程、
2)アルミニウム鋳塊を均質化処理する第2工程、
3)均質化処理されたアルミニウムに圧延を施すことによってアルミニウム箔を得る第3工程、
4)得られたアルミニウム箔をエッチング処理することによりエッチングピット領域を形成する第4工程、
5)エッチドアルミニウム箔の一部を圧縮することにより緻密領域を形成する第5工程
を含む電解コンデンサ用アルミニウム電極箔の製造方法。
本発明の電解コンデンサ用アルミニウム電極箔は、緻密領域の密度を制御することにより、従来法で得られる電極箔と同等の静電容量を維持しつつ、加工性に優れた電極箔を提供することができる。
また、本発明の製造方法では、比較的簡便な方法で部分的な緻密化処理を行うことができるので、本発明の電解コンデンサ用アルミニウム電極箔を効率的に生産することができる。
1.電解コンデンサ用アルミニウム電極箔
本発明の電解コンデンサ用アルミニウム電極箔は、
(1)前記アルミニウム電極箔は、エッチングピット領域及び緻密領域を有し、
(2)前記緻密領域は、その相対密度がエッチングピット領域の1.2倍以上1.6倍以下であり、かつ、絶対密度が2.0g/cm以上である、
ことを特徴とする。
A)電解コンデンサ用エッチドアルミニウム電極箔の組成
電解コンデンサ用アルミニウム電極箔の組成は限定的ではないが、特にアルミニウム純度が「JIS H 2111」に記載された方法に準じて測定された値で99質量%以上のものが好ましい。このようなアルミニウム箔としては、Pb、Si、Fe、Cu、Mn、Mg、Cr、Zn、Ti、V、Ga、Ni及びBの少なくとも1種の有意又は不可避の不純物元素を必要範囲内において配合又は規制したアルミニウム箔も包含される。
エッチングを施される前のアルミニウム箔の厚みは限定的でないが、通常は20〜300μm程度とし、特に50〜200μmとすることが望ましい。上記アルミニウム箔は製造の途中工程又は最終工程で適宜焼鈍しても良く、硬質箔、軟質箔のいずれを問わず、その製法は特に制限されない。
B)エッチングピット領域及び緻密領域
エッチングピット領域及び緻密領域は、電解コンデンサ用アルミニウム電極箔の所望の位置に形成すれば良い。また、これらの領域は、電解コンデンサ用アルミニウム電極箔上の少なくとも一方の面に形成しても良い。
エッチングピット領域は、エッチングピット(トンネルピット)と呼ばれる構造(エッチングにより形成される腐食構造)を有する領域である。この領域は、エッチング処理によって形成される領域である。平面上の領域としては、図1に示す符号1の領域となる。また、エッチングピットの深さ(箔表面からの深さ)は、用途、所望の特性等に応じて適宜設定することができる。
本発明の電解コンデンサ用アルミニウム電極箔では、その表面部分がエッチングピット領域及び緻密領域からなることが好ましい。すなわち、通常は、緻密領域以外の領域は実質的にエッチングピット領域からなることが好ましい形態である。これにより、所望の強度を維持しつつ、高い静電容量を発揮することができる。従って、以下は、エッチングピット領域及び緻密領域からなる電解コンデンサ用アルミニウム電極箔を前提して説明する。
緻密領域の形成箇所は、陽極酸化処理を施し電極箔としたときに強度が要求される部分として利用することが望ましい。強度が要求される部分としては、例えば巻き込みの芯部、リード端子の固定部等となるような部位が挙げられる。
緻密領域の形状(平面投影形状)は限定的でなく、例えば多角形、方形、円形、楕円形、不定形等のいずれでも良い。また、緻密領域をストライプ状又は網目状に形成することもできる。この場合には、電解コンデンサ用アルミニウム電極箔全体の強度を上げることもできる。
緻密領域の総面積(平面総投影面積)は、一般的には電解コンデンサ用アルミニウム電極箔の30%以下、特に10%以下とすることが望ましい。すなわち、その表面部分がエッチングピット領域及び緻密領域からなる場合は、緻密領域が30%以下、エッチングピット領域が70%以上とすることが好ましい。前記総面積が、電解コンデンサ用アルミニウム電極箔の30%を超えると、得られるエッチング箔の静電容量が低下するおそれがある。なお、前記総面積の下限値は限定されないが、通常は0.5%以上とすれば良い。
また、1つ当たりの緻密領域の面積の下限値は、形成可能であれば特に限定されないが、一般に5mm以上とすれば良い。また、上限値は、200mm以下とすれば良い。
緻密領域の絶対密度(平均値)は、2.0g/cm以上である。絶対密度の平均値が2.0g/cmより小さいと、緻密領域が十分な強度を持たないおそれがある。また、緻密領域の絶対密度の上限値は、2.7g/cmである。
緻密領域の相対密度(平均値)は、エッチングピット領域の1.2倍以上1.6倍以下、好ましくは1.4倍以上1.6倍以下である。相対密度の平均値が、その周囲の1.2倍より小さいと、緻密領域が十分な強度を持たないうえ、例えばリード端子の固定部とする際に接触抵抗が大きくなるおそれがある。
2.電解コンデンサ用アルミニウム電極箔の製造方法
本発明の電解コンデンサ用アルミニウム電極箔の製造方法としては、所望のエッチングピット領域及び緻密領域が形成できる限り、制限されない。例えば、まず全面をエッチング処理してエッチングピット領域を形成した後、その一部を機械的加工により緻密領域とする方法等がある。
特に、本発明では、前記1)の方法をより好適に採用することができる。より具体的には、例えば1)アルミニウム溶湯からアルミニウム鋳塊を得る第1工程、2)アルミニウム鋳塊を均質化処理する第2工程、3)均質化処理されたアルミニウムに圧延を施すことによってアルミニウム箔を得る第3工程、4)得られたアルミニウム箔をエッチング処理することによりエッチングピット領域を形成する第4工程、5)エッチドアルミニウム箔の一部を圧縮することにより緻密領域を形成する第5工程を含む方法によって、好適に電解コンデンサ用エッチドアルミニウム電極箔を得ることができる。
1)第1工程
第1工程では、アルミニウム溶湯からアルミニウム鋳塊を得る。アルミニウム溶湯は、前記1.(1)で説明した組成をもつ溶湯を調製すれば良い。例えば、このような組成の溶湯を用い、半連続鋳造等の公知の方法によってアルミニウム鋳塊を製造することができる。
2)第2工程
第2工程では、アルミニウム鋳塊を均質化処理する。均質化処理の温度は限定的ではないが、通常は450〜660℃程度とすれば良い。また、均質化処理の時間は、均質化処理の温度、アルミニウム鋳塊の大きさ等に応じて適宜設定すれば良い。
3)第3工程
第3工程では、均質化処理されたアルミニウムに圧延を施すことによってアルミニウム箔を得る。圧延の条件は、例えば所望の特性、アルミニウム組成等に応じて適宜設定することができる。例えば、熱間圧延により厚み2〜10mm程度とし、続いて冷間圧延を実施して厚み50〜200μmのアルミニウム箔を得ることができる。また、必要に応じて、冷間圧延の途中又は後に250〜600℃程度の焼鈍を施して得ても良い。
4)第4工程
第4工程では、得られたアルミニウム箔をエッチング処理することによりエッチングピット領域を形成する。これにより、アルミニウム箔の全面にエッチングピット領域を形成する(エッチドアルミニウム箔)。
エッチング処理方法は、特に制限されず、公知の方法に従って行えば良い。例えば、一次エッチング、二次エッチング及び三次エッチングを実施すれば良い。各処理条件は、例えば下記のようにすれば良いが、これらに限定されるものではない。
一次エッチング
一次エッチング処理で使用するエッチング液は限定的でなく、例えば塩酸、硫酸、燐酸、硝酸等を含有する酸水溶液等の公知のエッチング液を使用することができる。エッチング液の濃度は、特に限定されないが、通常は1〜10モル/L、好ましくは3〜8モル/Lとなるように設定すれば良い。エッチング液の温度は、特に制限されないが、好ましい液温度は30〜70℃である。液温度が高くなれば反応が促進されて好ましいが、高温になり過ぎると反応が速すぎて箔表面の溶解が激しく均一な初期ピットを形成し難くなる。
一次エッチングは、一般的には交流(AC)にて実施される。その場合の電流密度は、一般的に0.3〜1A/cm程度とすることが好ましい。処理時間は、通常は2〜20分程度が適当である。
二次エッチング
二次エッチング処理は、主にエッチングピット(エッチングピット径等)の調整を実施するものである。例えば、一次エッチングで掲げたエッチング液を用い、通常の化学エッチングを実施すれば良い。浸漬時間は通常30秒〜10分程度の範囲内で適宜設定することができる。
三次エッチング
三次エッチングは、主として箔中心部方向へのエッチングピットの成長のために実施されるものである。
三次エッチング処理で使用するエッチング液は限定的でなく、例えば塩酸、硫酸、燐酸、硝酸等を含有する酸水溶液等の公知のエッチング液を使用することができる。エッチング液の濃度は、特に限定されないが、通常は1〜10モル/L、好ましくは3〜8モル/Lとなるように設定すれば良い。エッチング液の温度は、特に制限されないが、好ましい液温度は20〜60℃である。液温度が高くなれば反応が促進されて好ましいが、高温になり過ぎると反応が速すぎて均一なエッチングピット径を維持するのが難しくなる。
三次エッチングは、一般的には交流(AC)にて実施される。その場合の電流密度は、一般的に0.05〜0.5A/cm程度とすることが好ましい。処理時間は、通常は2〜20分程度が適当である。
5)第5工程
第5工程では、第4工程で得られたエッチドアルミニウム箔の一部を圧縮することにより緻密領域を形成する。緻密領域の形成方法としては、エッチング処理後のいずれかの段階において、電解コンデンサ用アルミニウム電極箔の一部に機械的な処理を施すことにより圧縮して所定の密度の緻密領域を付与すれば良い。また、緻密領域の形成は、陽極酸化処理前でも陽極酸化処理後のいずれであっても良い。陽極酸化処理後に緻密領域を形成する場合は、緻密領域の形成後に再度陽極酸化を行っても良い。
また、その緻密領域の密度は均一でなくても良い。特に、本発明では、機械加工により緻密領域を形成する方法が好ましい。機械加工の方法としては限定的でなく、例えば圧延、プレス等のように、所望の寸法精度で加工できる方法であれば特に限定されない。より具体的には、エッチング処理後の電解コンデンサ用アルミニウム電極箔を、パターン加工されたロールを組み込んだ圧延機に通し、部分的に圧縮する方法が好ましい。
なお、このような方法で製造する場合、緻密領域には、上記物性を満たす限り、エッチングピット構造が残っていても良い。
このような電解コンデンサ用アルミニウム電極箔は、静電容量が高く、陽極酸化処理を施して電極箔としたときに緻密領域の強度を周囲のそれよりも高くすることができる。このため、本発明では、必要に応じて、さらに陽極酸化処理を施しても良い。陽極酸化処理では、エッチング処理によりピットを形成して表面積を増大させたアルミニウム箔に誘電体皮膜を形成する。具体的には、アルミニウム箔を陽極とした陽極酸化処理を施し、誘電体皮膜を形成する。
陽極酸化処理は、公知の条件で行えば良い。例えば、電解液として硼酸アンモニウム、燐酸アンモニウム、有機酸アンモニウム(例えばアジピン酸アンモニウム)等の緩衝溶液を用い、コンデンサの用途に応じて3〜150V程度の電圧を一段又は多段階で印加して誘電体皮膜を形成することができる。
以下に実施例、比較例及び従来例を示し、本発明の特徴をさらに明確にする。ただし、本発明の範囲は、これら実施例に限定されるものではない。
エッチング用アルミニウム箔の調製
各実施例等では、まず、次のようにエッチング用アルミニウム箔を作製した。アルミニウム溶湯(Si:50ppm、Fe:50ppm、Cu:40ppm、残部:Al及び不可避不純物)を半連続鋳造して、厚さ500mmの鋳塊を得た。この鋳塊を550℃で均質化処理をした後、熱間圧延により5mmとし、続いて中間焼鈍及び冷間圧延を実施して100μmとし、窒素ガス雰囲気中にて300℃で5時間の最終焼鈍を行うことによりエッチング用アルミニウム箔を得た。
得られたエッチング用アルミニウム箔を、次に示す条件でエッチング処理した。
<エッチング処理条件>
一次エッチング
エッチング液:塩酸及び硫酸の混合液(塩酸濃度:20wt%、硫酸濃度:2wt%、60℃)
電解:AC 0.6A/cm×30秒
二次エッチング
エッチング液:塩酸及び硫酸の混合液(塩酸濃度:20wt%、硫酸濃度:2wt%、60℃)
浸漬(化学エッチング):3分
三次エッチング
エッチング液:塩酸及び硫酸の混合液(塩酸濃度:20wt%、硫酸濃度:2wt%、40℃)
電解:AC 0.2A/cm×10分
(従来例1)
得られたエッチドアルミニウム箔をアルミニウム電極箔とした。
(従来例2)
得られたエッチドアルミニウム箔の全面を20%圧下し、アルミニウム電極箔とした。なお、圧下率は次式で示される。
圧下率(%)=(圧延前の箔厚−圧延後の箔厚)/圧延前の箔厚 × 100
(実施例1)
得られたエッチドアルミニウム箔に対し、5mmφの凸部を縦50mmピッチ、横20mmピッチで有する圧延用ロールにて凸部に対応する部分の圧下率が20%、その他の部分の圧下率が0%になるように圧延加工を施すことにより緻密領域(直径約5mm)を形成し、図1に示すようなアルミニウム電極箔を得た。図1のように、得られたアルミニウム電極箔は、エッチングピット領域1及び緻密領域2から構成される。緻密領域2は円形状であり、これがアルミニウム電極箔上に複数個形成されている。
(実施例2)
実施例1と同様にして、凸部に対応する部分の圧下率が30%、その他の部分の圧下率が0%になるように圧延加工を施すことにより緻密領域を形成し、アルミニウム電極箔を得た。
(実施例3)
実施例1と同様にして、凸部に対応する部分の圧下率が35%、その他の部分の圧下率が0%になるように圧延加工を施すことにより緻密領域を形成し、アルミニウム電極箔を得た。
(試験例1)
得られたアルミニウム電極箔について、その特性を次のように測定した。結果を表1に示す。
<静電容量>
アジピン酸アンモニウム水溶液(150g/L)中で50Vの化成処理を施した後、LCRメーターを用い、ホウ酸アンモニウム水溶液(8g/L)にて測定した。なお、測定面積はそれぞれ10cmとし、測定面積における緻密領域の割合がアルミニウム箔総面積における緻密領域の割合とほぼ等しくなるようにした。従来例を100としたときの相対値で示した。
<リード端子固定強度>
アジピン酸アンモニウム水溶液(150g/L)中で50Vの化成処理を施した後、緻密領域が被固定部分になるようにし、25mm×50mmの電極箔に厚さ150μm、幅2mm、固定長さ7mm、全長20mmの平角純アルミニウム線をリード端子として2個所スポット溶接した。10個の試料を作製し、リード端子固定状態を目視で観察し、次のA〜Cで評価した。
A:リード端子全てが圧着され、アルミニウム電極箔に破損がない
B:リード端子全てが圧着されているが、アルミニウム電極箔に亀裂がある
C:リード端子又はアルミニウム電極箔に脱落部分がある
<緻密領域の密度>
アルミニウム電極箔の断面を光学顕微鏡で観察し、任意の10個の緻密領域の平均厚みt(cm)を測定した。また、5mmφのポンチで任意の10個の緻密領域を打ち抜き、その合計重量m(g)を測定した。前記厚みt及び重量mから、次式により緻密領域の絶対密度を算出した。
緻密領域の絶対密度(g/cm)=m/0.625πt
また、アルミニウム電極箔の断面を光学顕微鏡で観察し、緻密領域を除く部分の平均厚みt(cm)を測定した。また、5mmφのポンチで任意の10個の緻密領域を除く部分を打ち抜き、その合計重量m2(g)を測定した。前記厚みt、t及び重量m、mから、次式により緻密領域の相対密度を算出した。
緻密領域の相対密度=緻密領域の絶対密度/緻密領域を除く部分の絶対密度
=(m1×t2)/(m2×t1)
Figure 2007318007
表1の結果からも明らかなように、実施例1〜3は、高い静電容量とともに優れた強度を発揮できることがわかる。
実施例で作製された電極箔の平面図である。

Claims (5)

  1. 電解コンデンサ用アルミニウム電極箔であって、
    (1)前記アルミニウム電極箔は、エッチングピット領域及び緻密領域を有し、
    (2)前記緻密領域は、その相対密度がエッチングピット領域の1.2倍以上1.6倍以下であり、かつ、絶対密度が2.0g/cm以上である、
    ことを特徴とする電解コンデンサ用アルミニウム電極箔。
  2. さらに誘電体皮膜を有する、請求項1に記載電解コンデンサ用アルミニウム電極箔。
  3. 緻密領域の総面積が全体の30%以下であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の電解コンデンサ用アルミニウム電極箔。
  4. 緻密領域にリード端子が固定されていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の電解コンデンサ用アルミニウム電極箔。
  5. 電解コンデンサ用アルミニウム電極箔を製造する方法であって、
    1)アルミニウム溶湯からアルミニウム鋳塊を得る第1工程、
    2)アルミニウム鋳塊を均質化処理する第2工程、
    3)均質化処理されたアルミニウムに圧延を施すことによってアルミニウム箔を得る第3工程、
    4)得られたアルミニウム箔をエッチング処理することによりエッチングピット領域を形成する第4工程、
    5)エッチドアルミニウム箔の一部を圧縮することにより緻密領域を形成する第5工程
    を含む電解コンデンサ用アルミニウム電極箔の製造方法。
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