JP2007317538A - 電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】熱安定性に優れた電池を提供する。
【解決手段】正極21と負極22とがセパレータ23を介して積層されている。負極22の容量は、リチウムの吸蔵および放出による容量成分と、リチウムの析出および溶解による容量成分とを含み、かつその和で表される。正極21には、LiFePO4 などのオリビン構造を有するリン酸化物が含まれている。これにより、熱安定性が改善される。また、LiNi0.8 Co0.2 2 などの正極活物質を混合して用いるようにすれば好ましい。【選択図】図2

Description

本発明は、リチウム(Li)とニッケル(Ni)とを含む正極活物質を含有する電池に関する。
近年、カメラ一体型VTR(videotape recorder),携帯電話あるいはラップトップコンピュータなどのポータブル電子機器が多く登場し、その小型化および軽量化が図られている。それに伴い、これら電子機器のポータブル電源として、電池、特に二次電池について、エネルギー密度を向上させるための研究開発が活発に進められている。中でも、リチウムイオン二次電池は、従来の水系電解液二次電池である鉛電池あるいはニッケルカドミウム電池と比較して大きなエネルギー密度が得られるため、非常に期待されている。
このリチウムイオン二次電池では、負極活物質中に吸蔵されたリチウムが必ずイオン状態になるように設計されているので、エネルギー密度は、負極活物質中に吸蔵することが可能なリチウムイオンの数に依存する。このため、リチウムイオン二次電池では、リチウムイオンの吸蔵量を高めることによりエネルギー密度を更に向上させることができると考えられる。しかし、リチウムイオンを最も効率的に吸蔵および放出することが可能な負極活物質とされている黒鉛の吸蔵量は、1g当たりの電気量に換算して372mAhが理論的には限界であり、最近ではほぼ限界値に達しつつある。
高エネルギー密度を得ることができる二次電池としては、負極にリチウム金属を用い、負極反応にリチウム金属の析出および溶解反応のみを利用したリチウム金属二次電池がある。リチウム金属二次電池は、リチウム金属の理論電気化学当量が2054mAh/cm3 と大きく、リチウムイオン二次電池で用いられる黒鉛の2.5倍にも相当するので、リチウムイオン二次電池を上回る高いエネルギー密度を得られるものと期待されている。これまでも、多くの研究者等によりリチウム金属二次電池の実用化に関する研究開発がなされている(例えば、非特許文献1参照)。しかしながら、リチウム金属二次電池では、充放電に伴い、析出したリチウム金属が電極から脱落したり、電解液と反応して失活してしまうことにより、放電容量が大きく劣化してしまい、実用化は現状では非常に困難である。
また、最近では負極の容量がリチウムの吸蔵および放出による容量成分と、リチウムの析出および溶解による容量成分とを含み、かつその和により表される二次電池が開発されている(例えば、特許文献1参照。)。これは、負極にリチウムを吸蔵および放出することが可能な炭素材料を用い、充電の途中においてその炭素材料の表面にリチウムを析出させるようにしたものである。この二次電池によれば、リチウム金属二次電池と同様に高エネルギー密度を達成させることが期待できる。
ジャンポール・ガバノ(Jean-Paul Gabano)編,「リチウム・バッテリーズ(Lithium Batteries )」,ロンドン,ニューヨーク,アカデミック・プレス(Academic Press),1983年 国際公開第01/22519号パンフレット
しかしながら、炭素材料の表面に析出したリチウム金属、特に充放電を繰り返したのちに微粉化してしまったリチウム金属により、熱安定性が低下してしまうという問題があった。よって、熱安定性をより向上させることができる電池の開発が望まれていた。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、熱安定性に優れた電池を提供することにある。
本発明による電池は、正極および負極と共に電解質を備えたものであって、負極の容量は、リチウムの吸蔵および放出による容量成分と、リチウムの析出および溶解による容量成分とを含み、かつその和で表され、正極は、リチウムおよび鉄(Fe)を含み、かつオリビン構造を有するリン酸化物よりなる第1の正極活物質を含有するものである。
本発明の電池によれば、正極にリチウムおよび鉄を含み、かつオリビン構造を有するリン酸化物よりなる第1の正極活物質を含むようにしたので、優れた熱安定性を得ることができる。
また、正極に、更に、リチウム,ニッケル,第1の元素および酸素(O)を含み、第1の元素は、鉄,コバルト(Co),マンガン(Mn),銅(Cu),亜鉛(Zn),アルミニウム(Al),スズ(Sn),ホウ素(B),ガリウム(Ga),クロム(Cr),バナジウム(V),チタン(Ti),マグネシウム(Mg),カルシウム(Ca)およびストロンチウム(Sr)からなる群のうちの少なくとも1種であり、ニッケルおよび第1の元素におけるニッケルの割合が50mol%以上である第2の正極活物質を含有するようにし、第1の正極活物質と第2の正極活物質との質量比による割合(第1の正極活物質:第2の正極活物質)を、30:70から90:10の範囲内とするようにすれば、熱安定性をより向上させることができると共に、容量を高くすることもできる。
更に、第2の正極活物質において、ニッケルおよび第1の元素におけるニッケルの割合を60mol%以上とするようにすれば、容量をより向上させることができる。
加えて、第2の正極活物質において、ニッケルおよび第1の元素におけるニッケルの割合を60mol%以上とすると共に、第1の正極活物質と第2の正極活物質との質量比による割合を30:70から55:45の範囲内とするようにすれば、容量を更に向上させることができる。
以下、本発明の一実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の実施の形態に係る二次電池の一構成例を分解して表すものである。この二次電池は、電極反応物質としてリチウムを用い、負極の容量がリチウムの吸蔵および放出による容量成分と、リチウムの析出および溶解による容量成分とを含み、かつその和により表されるものである。この二次電池は、正極リード11および負極リード12が取り付けられた巻回電極体20をフィルム状の外装部材30の内部に収納した構成を有している。
正極リード11および負極リード12は、外装部材30の内部から外部に向かい例えば同一方向にそれぞれ導出されている。正極リード11および負極リード12は、例えば、アルミニウム,銅,ニッケルあるいはステンレスなどの金属材料によりそれぞれ構成されており、それぞれ薄板状または網目状とされている。
外装部材30は、例えば、ナイロンフィルム,アルミニウム箔およびポリエチレンフィルムをこの順に貼り合わせた矩形状のラミネートフィルムにより構成されている。外装部材30は、例えば、ポリエチレンフィルム側と巻回電極体20とが対向するように配設されており、各外縁部が融着あるいは接着剤により互いに密着されている。
なお、外装部材30は、上述したラミネートフィルムに代えて、他の構造を有するラミネートフィルム,ポリプロピレンなどの高分子フィルムあるいは金属フィルムにより構成するようにしてもよい。
図2は、図1に示した巻回電極体20のII−II線に沿った断面構造を表すものである。巻回電極体20は、正極21と負極22とをセパレータ23を介して積層し、巻回したものであり、最外周部は保護テープ24により保護されている。
正極21は、例えば、正極集電体21Aと、この正極集電体21Aの両面あるいは片面に設けられた正極活物質層21Bとを有している。正極集電体21Aには、長手方向における一方の端部に正極活物質層21Bが設けられず露出している部分があり、この露出部分に正極リード11が取り付けられている。正極集電体21Aは、例えば、アルミニウム,ニッケルあるいはステンレスなどの金属材料により構成されている。
正極活物質層21Bは、例えば、正極活物質として、リチウムを吸蔵および放出することが可能な正極材料のいずれか1種または2種以上を含んで構成されている。
リチウムを吸蔵および放出することが可能な正極材料は、リチウムおよび鉄を含み、かつオリビン構造を有するリン酸化物よりなる第1の正極活物質を含有している。これにより、熱安定性を向上させることができるようになっている。
第1の正極活物質としては、化1に示した化合物が好ましい。第1の正極活物質は、1種を単独で用いてもよいし、複数種を混合して用いてもよい。
(化1)
Liy Fe1-z M1z 4
(式中、M1は、コバルト,マンガン,ニッケル,マグネシウム,アルミニウム,ホウ素,チタン,バナジウム,ニオブ(Nb),銅,亜鉛,モリブデン(Mo),カルシウム,ストロンチウム,タングステン(W)およびジルコニウム(Zr)からなる群のうちの少なくとも1種を表す。yおよびzの値は、0.9≦y≦1.1、0≦z≦0.1である。なお、リチウムの組成比は充放電の状態によって異なり、yの値は完全放電状態における値を表している。)
第1の正極活物質の含有量は、全正極活物質に対して、30質量%以上90質量%以下の範囲内であることが好ましく、30質量%以上55質量%以下の範囲内であればより好ましい。第1の正極活物質の含有量が少ないと、熱安定性を向上させる効果が十分ではなく、含有量が多いと、容量が低下してしまうからである。
第1の正極活物質は、その粒子表面の少なくとも一部に、例えば、第1の正極活物質粒子よりも小さな粒径を有する炭素材料粒子が付着することにより複合体となっていてもよい。炭素材料は、導電性を有しており、第1の正極活物質の電子伝導性を向上させることができ、容量を高くすることができるからである。
この複合体における単位質量あたりの炭素材料粒子の割合は、3質量%以上であることが好ましい。炭素材料の割合が少ないと、電子伝導性を向上させる効果が十分ではないからである。
複合体を構成する炭素材料としては、波長514.5nmのアルゴンレーザー光を用いたラマンスペクトル分析において、1570cm-1以上1590cm-1以下の範囲に第1のピークと、1340cm-1以上1360cm-1以下の範囲に第2のピークとがそれぞれ得られ、かつ、第1のピークの強度面積をIG、第2のピークの強度面積をIDとすると、第1のピークに対する第2のピークの強度面積比(ID/IG)が0.30以上の炭素材料が好ましく挙げられる。第2の正極活物質の電子伝導性をより向上させることができるからである。このような炭素材料について具体的に例を挙げれば、アセチレンブラックなどの非晶質系炭素材料がある。なお、強度面積比は、第1のピークと第2のピークとのバックグラウンドを含まない、すなわち、ノイズ部分を含まない強度面積比をいうものとする。
このラマンスペクトル分析において得られる第1のピークはGバンドと呼ばれ、黒鉛構造に由来するものであり、第2のピークはDバンドと呼ばれ、構造が歪んで対称性が低くなったときに現れるラマン不活性のピークである。すなわち、第2のピークは、黒鉛の歪んだ構造の尺度となる。また、強度面積比ID/IGと、黒鉛におけるa軸方向の結晶子サイズLaの逆数とは、直線的関係を有することが知られている。
このような強度面積比を有する炭素材料は、例えば、粉砕器で粉砕処理することなどにより得ることができ、強度面積比は、粉砕時間などの諸条件を適宜調整することにより、制御することができる。具体的に例を挙げれば、晶質炭素材料である黒鉛を、遊星型ボールミルなどの粉砕器により粉砕し、構造を破壊して非晶質化することにより、強度面積比を容易に制御することができる。なお、このように粉砕処理することにより、強度面積比を制御することができるので、原料として強度面積比が上述した範囲に含まれない晶質炭素材料であっても用いることができる。
複合体の粉体密度は、2.2g/cm3 以上であることが好ましい。複合体が十分に微小化されており、例えば、電極における充填性を向上させることができ、容量を向上させることができるからである。また、複合体を構成する第2の正極活物質についても微小化され比表面積も増大しているので、第2の正極活物質と炭素材料との接触面積の増加により、電子伝導性をより向上させることができるからである。このような粉体密度は、例えば、第2の正極活物質と炭素材料とをミリング処理することにより得ることができる。
また、複合体の比表面積は、10.3m2 /g以上であることが好ましい。第2の正極活物質の比表面積も大きくなり、第2の正極活物質と炭素材料との接触面積の増加により、電子伝導性をより向上させることができるからである。なお、比表面積は、例えば、BET(Brunauer Emmett Teller;ブルナウアー エメット テラー)法により測定することができる。
更に、複合体の1次粒径は、3.1μm以下であることが好ましい。第2の正極活物質の比表面積も大きくなっており、第2の正極活物質と炭素材料との接触面積の増加により、電子伝導性をより向上させることができるからである。
リチウムを吸蔵および放出することが可能な正極材料としては、第1の正極活物質に加えて、リチウムと、ニッケルと、鉄,コバルト,マンガン,銅,亜鉛,アルミニウム,スズ,ホウ素,ガリウム,クロム,バナジウム,チタン,マグネシウム,カルシウムおよびストロンチウムからなる群のうちの少なくとも1種よりなる第1の元素と、酸素とを含み、ニッケルおよび第1の元素におけるニッケルの割合が50mol%以上である第2の正極活物質を含有していることが好ましい。第1の正極活物質は、熱安定性を向上させることができるが、粉体密度が小さく、例えば、電極における充填性が低下して容量が低下してしまい、これに対して第2の正極活物質は、単位質量あたりの放電容量が高く、また、例えば、電極における充填性が高いので、体積エネルギー密度を高くすることができるからである。
第2の正極活物質において、ニッケルおよび第1の元素におけるニッケルの割合は60mol%以上であることが好ましい。容量をより高くすることができるからである。
第2の正極活物質としては、化2に示した化合物が好ましい。第2の正極活物質は、1種を単独で用いてもよいし、複数種を混合して用いてもよい。
(化2)
Liw Ni1-x M1x 2
(式中、M1は、鉄,コバルト,マンガン,銅,亜鉛,アルミニウム,スズ,ホウ素,ガリウム,クロム,バナジウム,チタン,マグネシウム,カルシウムおよびストロンチウムからなる群のうちの少なくとも1種を表す。wの値は、0.9≦w≦1.1である。xの値は、0≦x≦0.5の範囲内であり、0≦x≦0.4の範囲内であればより好ましい。なお、リチウムの組成比は充放電の状態によって異なり、wの値は完全放電状態における値を表している。)
第1の正極活物質と第2の正極活物質との質量比による割合(第1の正極活物質:第2の正極活物質)は、30:70から90:10の範囲内であることが好ましく、30:70から55:45の範囲内であればより好ましい。この範囲内であれば、熱安定性をより向上させることができると共に、容量をより向上させることができるからである。
第2の正極活物質の含有量は、全正極活物質に対して、10質量%以上70質量%以下の範囲内であることが好ましく、45質量%以上70質量%以下の範囲内であればより好ましい。第2の正極活物質の含有量が少ないと、容量を向上させる効果が充分ではなく、含有量が多いと、第1の正極活物質の含有量が低下して、熱安定性が低下してしまうからである。
正極活物質層21Bは、また、必要に応じて他の正極材料,導電材および結着材を含んでいてもよい。導電材としては、例えば、黒鉛,カーボンブラックあるいはケッチェンブラックなどの炭素材料、金属材料、または導電性高分子材料が挙げられ、1種または2種以上が混合して用いられる。結着材としては、例えば、スチレンブタジエン系ゴム,フッ素系ゴムあるいはエチレンプロピレンジエンゴムなどの合成ゴム、またはポリフッ化ビニリデンなどの高分子材料が挙げられ、1種または2種以上が混合して用いられる。
負極22は、例えば、負極集電体22Aと、この負極集電体22Aの両面あるいは片面に設けられた負極活物質層22Bとを有している。負極集電体22Aには、例えば長手方向における一方の端部に負極活物質層22Bが設けられず露出している部分があり、この露出部分に負極リード12が取り付けられている。負極集電体22Aは、例えば、銅,ニッケルあるいはステンレスなどの金属材料により構成されている。
負極活物質層22Bは、例えば、負極活物質として、リチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料のいずれか1種または2種以上を含んでおり、必要に応じて導電材およびポリフッ化ビニリデンなどの結着材を含んでいてもよい。
リチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料としては、例えば、黒鉛,難黒鉛化性炭素あるいは易黒鉛化性炭素などの炭素材料が挙げられる。これら炭素材料は、充放電時に生じる結晶構造の変化が非常に少なく、高い充放電容量を得ることができると共に、良好な充放電サイクル特性を得ることができるので好ましい。特に黒鉛は、容量が大きく、高いエネルギー密度を得ることができるので好ましい。
リチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料としては、また、リチウムを吸蔵および放出することが可能であり、金属元素および半金属元素のうちの少なくとも1種を構成元素として含む材料も挙げられる。このような材料を用いれば、高いエネルギー密度を得ることができるからである。この負極材料は金属元素あるいは半金属元素の単体でも合金でも化合物でもよく、またこれらの1種または2種以上の相を少なくとも一部に有するようなものでもよい。なお、本発明において、合金には2種以上の金属元素からなるものに加えて、1種以上の金属元素と1種以上の半金属元素とを含むものも含める。また、非金属元素を含んでいてもよい。その組織には固溶体,共晶(共融混合物),金属間化合物あるいはそれらのうちの2種以上が共存するものがある。
この負極材料を構成する金属元素あるいは半金属元素としては、例えばリチウムと合金を形成可能なマグネシウム,ホウ素,アルミニウム,ガリウム,インジウム(In),ケイ素(Si),ゲルマニウム(Ge),スズ,鉛(Pb),ビスマス(Bi),カドミウム(Cd),銀(Ag),亜鉛,ハフニウム(Hf),ジルコニウム,イットリウム(Y),パラジウム(Pd)あるいは白金(Pt)が挙げられる。これらは結晶質のものでもアモルファスのものでもよい。
中でも、この負極材料としては、短周期型周期表における4B族の金属元素あるいは半金属元素を構成元素として含むものが好ましく、特に好ましいのはケイ素およびスズの少なくとも一方を構成元素として含むものである。ケイ素およびスズは、リチウムを吸蔵および放出する能力が大きく、高いエネルギー密度を得ることができるからである。
スズの合金としては、例えば、スズ以外の第2の構成元素として、ケイ素,ニッケル,銅,鉄,コバルト,マンガン,亜鉛,インジウム,銀,チタン,ゲルマニウム,ビスマス,アンチモン(Sb)およびクロム(Cr)からなる群のうちの少なくとも1種を含むものが挙げられる。ケイ素の合金としては、例えば、ケイ素以外の第2の構成元素として、スズ,ニッケル,銅,鉄,コバルト,マンガン,亜鉛,インジウム,銀,チタン,ゲルマニウム,ビスマス,アンチモンおよびクロムからなる群のうちの少なくとも1種を含むものが挙げられる。
スズの化合物あるいはケイ素の化合物としては、例えば、酸素あるいは炭素(C)を含むものが挙げられ、スズまたはケイ素に加えて、上述した第2の構成元素を含んでいてもよい。
リチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料としては、更に、他の金属化合物あるいは高分子材料も挙げられる。他の金属化合物としては、酸化鉄,酸化ルテニウムあるいは酸化モリブデンなどの酸化物や、あるいはLi3 Nなどが挙げられ、高分子材料としてはポリアセチレンなどが挙げられる。
また、この二次電池では、リチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料の充電容量を正極21の充電容量よりも小さくすることにより、充電の過程において、開回路電圧(すなわち電池電圧)が過充電電圧よりも低い時点で負極22にリチウム金属が析出し始めるようになっており、負極22の容量は、リチウムの吸蔵および放出による容量成分と、リチウムの析出および溶解による容量成分とを含み、かつその和により表される。従って、この二次電池では、リチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料とリチウム金属との両方が負極活物質として機能し、負極活物質層22Bに含まれるリチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料はリチウム金属が析出する際の基材となっている。
なお、過充電電圧というのは、電池が過充電状態になった時の開回路電圧を指し、例えば、日本蓄電池工業会(電池工業会)の定めた指針の一つである「リチウム二次電池安全性評価基準ガイドライン」(SBA G1101)に記載され定義される「完全充電」された電池の開回路電圧よりも高い電圧を指す。また換言すれば、各電池の公称容量を求める際に用いた充電方法、標準充電方法、もしくは推奨充電方法を用いて充電した後の開回路電圧よりも高い電圧を指す。
これにより、この二次電池では、高いエネルギー密度を得ることができると共に、サイクル特性および急速充電特性を向上させることができるようになっている。この二次電池は、負極22にリチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料を用いるという点では従来のリチウムイオン二次電池と同様であり、また、負極22にリチウム金属を析出させるという点では従来のリチウム金属二次電池と同様である。
これらの特性をより効果的に得るためには、例えば、開回路電圧が過充電電圧になる前の最大電圧時において負極22に析出するリチウム金属の最大析出容量は、リチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料の充電容量能力の0.05倍以上3.0倍以下であることが好ましい。リチウム金属の析出量が多過ぎると従来のリチウム金属二次電池と同様の問題が生じてしまい、少な過ぎると充放電容量を十分に大きくすることができないからである。また、例えば、リチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料の放電容量能力は、150mAh/g以上であることが好ましい。リチウムの吸蔵および放出する能力が大きいほどリチウム金属の析出量は相対的に少なくなるからである。なお、負極材料の充電容量能力は、例えば、リチウム金属を対極として、この負極材料を負極活物質とした負極について0Vまで定電流・定電圧法で充電した時の電気量から求められる。負極材料の放電容量能力は、例えば、これに引き続き、定電流法で10時間以上かけて2.5Vまで放電した時の電気量から求められる。
セパレータ23は、例えば、ポリテトラフルオロエチレン,ポリプロピレンあるいはポリエチレンなどの合成樹脂製の多孔質膜、またはセラミック製の多孔質膜により構成されており、これら2種以上の多孔質膜を積層した構造とされていてもよい。
セパレータ23には、液状の電解質である電解液が含浸されている。電解液は、例えば、非水溶媒などの溶媒と、この溶媒に溶解された電解質塩とを含有している。
溶媒としては、例えば、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸ブチレン、炭酸ジエチル、炭酸ジメチル、炭酸エチルメチル、炭酸ビニレン、γ−ブチロラクトン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、ジエチルエーテル、スルホラン、メチルスルホラン、アセトニトリル、プロピオニトリル、酢酸エステル、酪酸エステル、プロピオン酸エステルなども挙げられる。溶媒には、いずれか1種を単独で用いてもよく、複数種を混合して用いてもよい。
電解質塩としては、例えば、LiPF6 ,LiAsF6 ,LiBF4 ,LiClO4 ,LiB(C6 5 4 ,LiCH3 SO3 ,LiCF3 SO3 ,LiN(CF3 SO2 2 ,LiN(C2 5 SO2 2 ,LiN(C4 9 SO2 )(CF3 SO2 ),LiC(CF3 SO2 3 ,LiC4 9 SO3 ,LiAlCl4 、LiSiF6 、LiClあるいはLiBrなどのリチウム塩が挙げられる。電解質塩には、いずれか1種を単独で用いてもよく、複数種を混合して用いてもよい。
リチウム塩の電解液における含有量(濃度)は、0.1mol/l以上2.0mol/l以下範囲内、または0.1mol/kg以上2.0mol/kg以下の範囲内であることが好ましい。これらの範囲内において良好なイオン伝導度を得ることができるからである
この二次電池は、例えば、次のようにして製造することができる。
まず、例えば、第1の正極活物質と、必要に応じて他の正極活物質と、導電材と、結着材とを混合して正極合剤を調製し、この正極合剤をN−メチル−2−ピロリドンなどの溶剤に分散させてペースト状の正極合剤スラリーとする。続いて、この正極合剤スラリーを正極集電体21Aに塗布し溶剤を乾燥させたのち、ロールプレス機などにより圧縮成型して正極活物質層21Bを形成し、正極21を作製する。
また、例えば、負極材料と、結着材とを混合して負極合剤を調製し、この負極合剤をN−メチル−2−ピロリドンなどの溶剤に分散させてペースト状の負極合剤スラリーとする。続いて、この負極合剤スラリーを負極集電体22Aに塗布し溶剤を乾燥させたのち、ロールプレス機などにより圧縮成型して負極活物質層22Bを形成し、負極22を作製する。
次に、正極集電体21Aに正極リード11を取り付けると共に、負極集電体22Aに負極リード12を取り付け、セパレータ23を介して正極21と負極22とを積層し、巻回して巻回電極体20を形成する。
次いで、巻回電極体20をラミネートフィルムよりなる外装部材30の間に挟み込んだのち、外装部材30の外縁部同士を一辺を残して貼り合わせ袋状とする。その際、正極リード11および負極リード12を外装部材30の外部に導出させる。
続いて、外装部材30の内部に開放辺から電解液を注入し、セパレータ23に含浸させる。そののち、外装部材30の開放辺を貼り合わせる。これにより図1および図2に示した二次電池が完成する。
この二次電池では、充電を行うと、正極21からリチウムイオンが放出され、電解液を介して、まず、負極22に含まれるリチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料に吸蔵される。更に充電を続けると、開回路電圧が過充電電圧よりも低い状態において、リチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料の表面にリチウム金属が析出し始める。そののち、充電を終了するまで負極22にはリチウム金属が析出し続ける。次いで、放電を行うと、まず、負極22に析出したリチウム金属がイオンとなって溶出し、電解液を介して、正極21に吸蔵される。更に放電を続けると、負極22中のリチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料に吸蔵されたリチウムイオンが放出され、電解液を介して正極21に吸蔵される。このように充放電過程では、負極材料の表面にリチウム金属が析出し、熱安定性が低下してしまうが、正極21に、第1の正極活物質が含まれているので、熱安定性が向上する。
このように本実施の形態の二次電池によれば、正極21にリチウムおよび鉄を含み、かつオリビン構造を有するリン酸化物よりなる第1の正極活物質を含むようにしたので、優れた熱安定性を得ることができる。
また、正極21に、リチウム,ニッケル,第1の元素および酸素を含み、第1の元素は、鉄,コバルト,マンガン,銅,亜鉛,アルミニウム,スズ,ホウ素,ガリウム,クロム,バナジウム,チタン,マグネシウム,カルシウムおよびストロンチウムからなる群のうちの少なくとも1種であり、ニッケルおよび第1の元素におけるニッケルの割合が50mol%以上である第2の正極活物質を含有するようにし、第1の正極活物質と第2の正極活物質との質量比による割合(第1の正極活物質:第2の正極活物質)を、30:70から90:10の範囲内とするようにすれば、熱安定性をより向上させることができると共に、容量を高くすることもできる。
更に、第2の正極活物質において、第1の元素におけるニッケルの割合を60mol%以上とするようにすれば、容量をより向上させることができる。
加えて、第2の正極活物質において、第1の元素におけるニッケルの割合が60mol%以上とすると共に、第1の正極活物質と第2の正極活物質との質量比による割合を30:70から55:45の範囲内とするようにすれば、容量を更に向上させることができる。
更に、本発明の具体的な実施例について、図1,2を参照し同一の符合を用いて詳細に説明する。
(実施例1−1〜1−9,比較例1−1〜1−3)
まず、正極活物質と、導電材として炭素材料と、結着材としてポリフッ化ビニリデンとを混合して正極合剤を調製し、この正極合剤を溶剤としてのN−メチル−2−ピロリドンに分散して正極合剤スラリーとしたのち、厚み20μmの帯状アルミニウム箔よりなる正極集電体21Aの両面に均一に塗布して乾燥させ、ロールプレス機で圧縮成型して正極活物質層21Bを形成し、正極21を作製した。その際、正極活物質には、実施例1−1〜1−8では、第1の正極活物質としてLiFePO4 と、第2の正極活物質としてLiNi0.8 Co0.2 2 とを混合して用い、LiFePO4 :LiNi0.8 Co0.2 2 (質量比)を、実施例1−1では20:80とし、実施例1−2では30:70とし、実施例1−3では40:60とし、実施例1−4では50:50とし、実施例1−5では55:45とし、実施例1−6では60:40とし、実施例1−7では80:20とし、実施例1−8では90:10とした。また、実施例1−9では、正極活物質には第1の正極活物質としてLiFePO4 を単独で用いた。更に、実施例1−1〜1−9では、LiFePO4 の表面には炭素材料を付着させ複合体としたものを用い、炭素材料には、ラマンスペクトル分析において、第1のピークに対する第2のピークの強度面積比(ID/IG)が0.30以上のものを用いた。更に、複合体の粉体密度は2.2g/cm3 以上であり、BET法による比表面積は10.3m2 /g以上であり、1次粒径は3.1μm以下であった。更にまた、正極活物質と炭素材料とポリフッ化ビニリデンとの質量比による割合は、正極活物質:炭素材料:ポリフッ化ビニリデン=90:5:5とした。なお、炭素材料の割合には、複合体における炭素材料も含む。続いて、正極集電体21Aに正極リード11を取り付けた。
また、負極材料として平均粒径20μmの黒鉛粉末92質量%と、導電材として炭素材料3質量%と、結着材としてポリフッ化ビニリデン5質量%とを混合して負極合剤を調製し、この負極合剤を溶剤としてのN−メチル−2−ピロリドンに分散して負極合剤スラリーとしたのち、厚み15μmの帯状銅箔よりなる負極集電体22Aの両面に均一に塗布して乾燥させ、一定圧力で圧縮成型して負極活物質層22Bを形成し、負極22を作製した。続いて、負極集電体22Aに負極リード12を取り付けた。
正極21および負極22を作製したのち、厚み25μmの微多孔性ポリエチレン延伸フィルムよりなるセパレータ23を用意し、負極22、セパレータ23、正極21、セパレータ23の順に積層し平たく巻回して巻回電極体20とした。なお、正極21および負極22を作製する際に、正極活物質と負極材料との充填量を調節し、正極21と負極22との対向面において、正極と負極材料との容量比が120:100となるようにし、負極22の容量が、リチウムの吸蔵および放出による容量成分と、リチウムの析出および溶解による容量成分とを含み、かつその和で表されるようにした。
次いで、巻回電極体20をラミネートフィルムよりなる外装部材30の間に挟み込んだのち、外装部材30の外縁部同士を一辺を残して貼り合わせ袋状とした。その際、正極リード11および負極リード12を外装部材30の外部に導出させるようにした。
続いて、外装部材30の内部に開放辺から電解液を注入し、セパレータ23に含浸させたのち、外装部材30の開放辺を貼り合わせ、図1および図2に示した二次電池を作製した。電解液には、炭酸エチレンと炭酸ジエチルとを、1:1の体積比で混合した溶媒に、電解質塩としてLiPF6 を1.5mol/lとなるように溶解したものを用いた。
実施例1−1〜1−9に対する比較例1−1として、正極活物質としてLiNi0.8 Co0.2 2 のみを用い、LiFePO4 を用いなかったことを除き、他は実施例1−1〜1−9と同様にして二次電池を作製した。また、比較例1−2として、正極活物質にLiCoO2 のみを用いたことを除き、他は実施例1−1〜1−9と同様にして二次電池を作製した。更に、比較例1−3では、正極活物質と負極材料との充填量を調節し、正極21と負極22との対向面において、正極21と負極材料との容量比が90:100となるようにして、負極の容量が、リチウムの吸蔵および放出による容量成分で表されるようにしたことを除き、他は実施例1−1〜1−9と同様にして二次電池を作製した。なお、比較例1−3は、いわゆるリチウムイオン二次電池である。
作製した実施例1−1〜1−9および比較例1−1〜1−3の二次電池について、釘さし試験を行った。まず、23℃の恒温槽中で、電流0.2C、総充電時間10時間とする定電流定電圧充電を行い充電状態とした。その際、上限電圧を4.20V,4.25V,4.30Vまたは4.35Vとした。続いて、各上限電圧で充電した二次電池をそれぞれ3個ずつ用意し、直径3mmの釘を電池の中央に垂直に貫通させ、電池の状態を確認した。その際、釘の貫通速度は、10mm/秒とした。表1,表2に表面温度が120℃を超えた電池の個数を示す。なお、0.2Cは、理論容量を5時間で放電しきる電流値である。
また、実施例1−1〜1−9および比較例1−1〜1−3の二次電池について、23℃の恒温槽中で、電流1C,上限電圧4.2V,総充電時間3時間とする定電流定電圧充電を行ったのち、電流1C,終止電圧3.0Vまでの定電流放電を行い、このときの放電容量を求めた。結果を表1,表2に示す。なお、1Cは、理論容量を1時間で放電しきる電流値である。
Figure 2007317538
Figure 2007317538
(実施例2−1〜2−9,比較例2−1)
第2の正極活物質として、LiNi0.8 Co0.2 2 に代えて、LiNi0.8 Co0.1 Al0.1 2 を用いたことを除き、他は実施例1−1〜1−9および比較例1−1とそれぞれ同様にして二次電池を作製した。
作製した実施例2−1〜2−9および比較例2−1の二次電池について、実施例1−1〜1−9および比較例1−1〜1−3と同様にして、釘さし試験を行なうと共に、放電容量を求めた。結果を表3に示す。
Figure 2007317538
(実施例3−1〜3−9,比較例3−1)
第2の正極活物質として、LiNi0.8 Co0.2 2 に代えて、LiNi0.6 Co0.2 Mn0.2 2 を用いたことを除き、他は実施例1−1〜1−9および比較例1−1とそれぞれ同様にして二次電池を作製した。
作製した実施例3−1〜3−9および比較例3−1の二次電池について、実施例1−1〜1−9および比較例1−1〜1−3と同様にして、釘さし試験を行なうと共に、放電容量を求めた。結果を表4に示す。
Figure 2007317538
(実施例4−1〜4−9)
第1の正極活物質として、LiFePO4 に代えて、LiFe0.99Nb0.014 を用いたことを除き、他は実施例1−1〜1−9とそれぞれ同様にして二次電池を作製した。
作製した実施例4−1〜4−9の二次電池について、実施例1−1〜1−9および比較例1−1〜1−3と同様にして、釘さし試験を行なうと共に、放電容量を求めた。結果を表5に示す。
Figure 2007317538
(実施例5−1〜5−9,比較例5−1)
第2の正極活物質として、LiNi0.8 Co0.2 2 に代えて、LiNi0.5 Co0.3 Mn0.2 2 を用いたことを除き、他は実施例1−1〜1−9および比較例1−1とそれぞれ同様にして二次電池を作製した。
作製した実施例5−1〜5−9および比較例5−1の二次電池について、実施例1−1〜1−9および比較例1−1〜1−3と同様にして、釘さし試験を行なうと共に、放電容量を求めた。結果を表6に示す。
Figure 2007317538
(比較例6−1)
LiNi0.8 Co0.2 2 に代えて、LiNi0.4 Co0.3 Mn0.3 2 を用いたことを除き、他は実施例1−1〜1−9および比較例1−1とそれぞれ同様にして二次電池を作製した。
作製した比較例6−1の二次電池について、実施例1−1〜1−9および比較例1−1〜1−3と同様にして、釘さし試験を行なうと共に、放電容量を求めた。結果を表7に示す。
Figure 2007317538
表1〜7に示したように、第1の正極活物質の割合が多くなり、第2の正極活物質の割合が少なくなるに伴い、釘さし試験において良好な結果が得られた。また、第2の正極活物質の割合が多くなり、第1の正極活物質の割合が少なくなるに伴い、放電容量が大きくなった。更に、第1の正極活物質と第2の正極活物質との質量比による割合(第1の正極活物質:第2の正極活物質)を30:70から90:10の範囲内とした各実施例では、負極の容量が、リチウムの吸蔵および放出による容量成分で表される、いわゆるリチウムイオン二次電池とした比較例1−3よりも高い放電容量が得られた。更にまた、第2の正極活物質において、ニッケルおよび第1の元素におけるニッケルの割合を60mol%以上とし、第1の正極活物質と第2の正極活物質との質量比による割合を30:70から55:45の範囲内とした各実施例では、正極活物質としてLiCoO2 のみを用いた比較例1−2よりも、釘さし試験において良好な結果が得られ、かつ放電容量が向上した。加えて、正極活物質としてニッケルおよび第1の元素におけるニッケルの割合を50mol%未満としたLiNi0.4 Co0.3 Mn0.3 2 を用いた比較例6−1では、LiCoO2 を用いた比較例1−2よりも、低い放電容量を示した。
すなわち、負極22の容量が、リチウムの吸蔵および放出による容量成分と、リチウムの析出および溶解による容量成分とを含み、かつその和で表される二次電池において、正極21に第1の正極活物質を含むようにすれば、熱安定性を向上させることができることが分かった。
また、正極21に、ニッケルおよび第1の元素におけるニッケルの割合が50mol%以上である第2の正極活物質を含有するようにし、第1の正極活物質と第2の正極活物質との質量比による割合を、30:70から90:10の範囲内とするようにすれば、熱安定性をより向上させることができると共に、容量を高くすることもできることも分かった。
更に、第2の正極活物質において、ニッケルおよび第1の元素におけるニッケルの割合を60mol%以上とするようにすれば、容量をより向上させることができることがわかった。
加えて、第2の正極活物質において、ニッケルおよび第1の元素におけるニッケルの割合が60mol%以上とすると共に、第1の正極活物質と第2の正極活物質との質量比による割合を30:70から55:45の範囲内とするようにすれば、容量を更に向上させることができることが分かった。
以上、実施の形態および実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態および実施例に限定されるものではなく、種々変形可能である。例えば、上記実施の形態および実施例では、正極21および負極22を巻回する場合について説明したが、正極と負極とを複数積層するようにしてもよく、また、折り畳むようにしてもよい。更に、本発明は、円筒型、角型、コイン型、ボタン型などの形状を有する電池にも適用することができる。
また、上記実施の形態および実施例では、電解液をそのまま用いる場合について説明したが、電解液を高分子化合物などの保持体に保持させて、いわゆるゲル状とするようにしてもよい。この高分子化合物としては、例えばポリフッ化ビニリデンおよびフッ化ビニリデンの共重合体が挙げられ、その共重合体モノマーとしてはヘキサフルオロプロピレンあるいはテトラフルオロエチレンなどが挙げられる。これらは高い電池特性を得ることができるので好ましく、中でも、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体は特に好ましい。
本発明の一実施の形態に係る二次電池の構成を表す分解斜視図である。 図1に示した巻回電極体のII−II線に沿った構成を表す断面図である。
符号の説明
11…正極リード、12…負極リード、20…巻回電極体、21…正極、21A…正極集電体、21B…正極活物質層、22…負極、22A…負極集電体、22B…負極活物質層、23…セパレータ、24…保護テープ、30…外装部材。

Claims (6)

  1. 正極および負極と共に電解質を備えた電池であって、
    前記負極の容量は、リチウム(Li)の吸蔵および放出による容量成分と、リチウムの析出および溶解による容量成分とを含み、かつその和で表され、
    前記正極は、リチウムおよび鉄(Fe)を含み、かつオリビン構造を有するリン酸化物よりなる第1の正極活物質を含有する
    ことを特徴とする電池。
  2. 前記第1の正極活物質は、化1に示した化合物を含むことを特徴とする請求項1記載の電池。
    (化1)
    Liy Fe1-z M1z 4
    (式中、M1は、コバルト(Co),マンガン(Mn),ニッケル(Ni),マグネシウム(Mg),アルミニウム(Al),ホウ素(B),チタン(Ti),バナジウム(V),ニオブ(Nb),銅(Cu),亜鉛(Zn),モリブデン(Mo),カルシウム(Ca),ストロンチウム(Sr),タングステン(W)およびジルコニウム(Zr)からなる群のうちの少なくとも1種を表す。yおよびzの値は、0.9≦y≦1.1、0≦z≦0.1である。)
  3. 前記正極は、更に、リチウム(Li),ニッケル(Ni),第1の元素および酸素(O)を含む第2の正極活物質を含有し、
    前記第1の元素は、鉄(Fe),コバルト(Co),マンガン(Mn),銅(Cu),亜鉛(Zn),アルミニウム(Al),スズ(Sn),ホウ素(B),ガリウム(Ga),クロム(Cr),バナジウム(V),チタン(Ti),マグネシウム(Mg),カルシウム(Ca)およびストロンチウム(Sr)からなる群のうちの少なくとも1種であり、 前記第2の正極活物質において、ニッケルおよび前記第1の元素におけるニッケルの割合が50mol%以上であり、
    前記第1の正極活物質と前記第2の正極活物質との質量比による割合(第1の正極活物質:第2の正極活物質)は、30:70から90:10の範囲内である
    ことを特徴とする請求項1記載の電池。
  4. 前記第2の正極活物質は、化2に示した化合物を含むことを特徴とする請求項3記載の電池。
    (化2)
    Liw Ni1-x M1x 2
    (式中、M1は、鉄(Fe),コバルト(Co),マンガン(Mn),銅(Cu),亜鉛(Zn),アルミニウム(Al),スズ(Sn),ホウ素(B),ガリウム(Ga),クロム(Cr),バナジウム(V),チタン(Ti),マグネシウム(Mg),カルシウム(Ca)およびストロンチウム(Sr)からなる群のうちの少なくとも1種を表す。wおよびxの値は、0.9≦w≦1.1,0≦x≦0.5の範囲内である。)
  5. 前記第2の正極活物質において、ニッケルおよび前記第1の元素におけるニッケルの割合が60mol%以上であることを特徴とする請求項3記載の電池。
  6. 前記第2の正極活物質において、ニッケルおよび前記第1の元素におけるニッケルの割合が60mol%以上であり、
    前記第1の正極活物質と前記第2の正極活物質との質量比による割合(第1の正極活物質:第2の正極活物質)は、30:70から55:45の範囲内である
    ことを特徴とする請求項3記載の電池。
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