JP5099398B2 - 二次電池用正極活物質、二次電池用正極および二次電池 - Google Patents

二次電池用正極活物質、二次電池用正極および二次電池 Download PDF

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Description

本発明は、リチウム(Li)と遷移金属とを含有する二次電池用正極活物質、ならびにそれを用いた二次電池用正極および二次電池に関する。
近年、カメラ一体型VTR,携帯電話,ラップトップコンピュータ等のポータブル電子機器が多く登場し、急速に需要が拡大している。これらの電子機器の小型軽量化の進行に伴い、ポータブル電源として、電池、特に二次電池について、エネルギー密度を向上させるための研究開発が活発に進められている。中でも、リチウムイオン二次電池は、従来の水系電解液二次電池である鉛電池、ニッケルカドミウム電池と比較して大きなエネルギー密度が得られるため、その需要は大きい。
このリチウムイオン二次電池では、正極活物質として、例えば層状岩塩構造を有するリチウム・コバルト複合酸化物あるいはリチウム・ニッケル複合酸化物、またはスピネル構造を有するリチウム・マンガン複合酸化物が用いられ、実用化されている。
これらのうちリチウム・マンガン複合酸化物は、3次元のリチウムイオン拡散パスを有し、比較的強固な結晶構造を有しているが、容量が低く、また、高温環境下ではマンガンイオンの溶出などに起因して保存特性などが低下してしまうという問題があるのに対し、リチウム・コバルト複合酸化物は、容量,コスト,熱的安定性などのバランスが最もよく、幅広く利用されている。
一方、リチウム・ニッケル複合酸化物は、結晶構造の安定性が若干低く、サイクル特性あるいは耐環境性に劣るという欠点はあるが、原料の価格および供給安定性の面については、リチウム・コバルト複合酸化物よりも優れており、今後が大いに期待され研究が進められている。
これらの複合酸化物を用いた電池では、種々の電池特性を向上させるための手段が提案されている。例えば、特許文献1,2には、リチウム・ニッケル複合酸化物に特定の金属を添加したり、正極合剤中のバインダーの量を規定する手段などが提案されている。また、特許文献3〜6には、リチウム・ニッケル複合酸化物にアルミニウム(Al),マンガン(Mn),スズ(Sn),インジウム(In),鉄(Fe),銅(Cu),マグネシウム(Mg),チタン(Ti),亜鉛(Zn),モリブデン(Mo)などを固溶することにより放電容量を向上させる手段が提案されている。更に、特許文献7には、層状マンガン複合酸化物に異種元素を固溶する手段が提案されている。更にまた、特許文献8〜10には、ニッケル・マンガン複合酸化物,ニッケル・コバルト・マンガン複合酸化物あるいはこれらに異種元素を固溶させる手段が提案されている。加えて、特許文献11には、正極活物質にニッケル・コバルト・マンガン複合酸化物を用いた電池において、充電電圧を高くした際に、充電方法を規定することにより、サイクル特性を向上させる手段が提案されている。
特開平07−192721号公報 特開平10−302768号公報 特許第3244314号公報 特許第3281829号公報 特許第3064655号公報 特開平08−37007号公報 国際公開第00/23380号パンフレット 特開2003−238165号公報 米国特許出願公開第2003/0170540号明細書 特開2004−296098号公報 特開2004−55539号公報
しかしながら、これらの手段では、高温環境下における電池特性が十分ではなく、特に、電池電圧を高く設定した場合には、不十分であり、更なる向上が求められていた。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、高温環境下であっても、電池特性を向上させることができる二次電池用正極活物質ならびにそれを用いた二次電池用正極および二次電池に関する。
本発明による二次電池用正極活物質は、化1に示した平均組成を有する粒子状の正極活物質であって、粒子表面におけるフッ素(F)が内部に対して過剰に存在し、X線吸収端微細構造解析により測定されるX線吸収端微細構造スペクトルにおいて、完全放電状態から80mol%のリチウムが離脱した状態とした際に、ニッケル(Ni)のK殻吸収端における吸光度の中間点のシフト量が、1.1eV以上のものである。
(化1)
Lia+1 Ni(1-b-c) Mnb c (2-x) y
(式中、Mはコバルト(Co),マグネシウム,アルミニウム,ホウ素(B),チタン,バナジウム(V),クロム(Cr),鉄,銅,亜鉛,モリブデン,スズ,カルシウム(Ca),ストロンチウム(Sr),タングステン(W),ニオブ(Nb),イットリウム(Y)およびジルコニウム(Zr)からなる群のうちの少なくとも1種を表す。a,b,c,xおよびyは、−0.1≦a≦0.1、0.005≦b≦0.4、0≦c≦0.35、−0.1≦x≦0.2、0<y≦0.1の範囲内の値を表す。)
本発明による二次電池用正極は、正極集電体と、この正極集電体に設けられた正極活物質層とを有し、正極活物質層は、化1に示した平均組成を有する粒子状の正極活物質を含み、この粒子は、表面におけるフッ素が内部に対して過剰に存在し、X線吸収端微細構造解析により測定されるX線吸収端微細構造スペクトルにおいて、正極活物質の完全放電状態から80mol%のリチウムが離脱した状態とした際に、ニッケルのK殻吸収端における吸光度の中間点のシフト量が、1.1eV以上のものである。
(化1)
Lia+1 Ni(1-b-c) Mnb c (2-x) y
(式中、Mはコバルト,マグネシウム,アルミニウム,ホウ素,チタン,バナジウム,クロム,鉄,銅,亜鉛,モリブデン,スズ,カルシウム,ストロンチウム,タングステン,ニオブ,イットリウムおよびジルコニウムからなる群のうちの少なくとも1種を表す。a,b,c,xおよびyは、−0.1≦a≦0.1、0.005≦b≦0.4、0≦c≦0.35、−0.1≦x≦0.2、0<y≦0.1の範囲内の値を表す。)
本発明による二次電池は、正極および負極と共に電解質を備えたものであって、正極は、化1に示した平均組成を有する粒子状の正極活物質を含み、この粒子は、表面におけるフッ素が内部に対して過剰に存在し、正極についてX線吸収端微細構造解析により測定されるX線吸収端微細構造スペクトルにおいて、正極活物質の完全放電状態から80mol%のリチウムが離脱した状態とした際に、ニッケルのK殻吸収端における吸光度の中間点のシフト量が、1.1eV以上のものである。
(化1)
Lia+1 Ni(1-b-c) Mnb c (2-x) y
(式中、Mはコバルト,マグネシウム,アルミニウム,ホウ素,チタン,バナジウム,クロム,鉄,銅,亜鉛,モリブデン,スズ,カルシウム,ストロンチウム,タングステン,ニオブ,イットリウムおよびジルコニウムからなる群のうちの少なくとも1種を表す。a,b,c,xおよびyは、−0.1≦a≦0.1、0.005≦b≦0.4、0≦c≦0.35、−0.1≦x≦0.2、0<y≦0.1の範囲内の値を表す。)
本発明の二次電池用正極活物質によれば、所定の組成を有すると共に、表面におけるフッ素が内部に対して過剰に存在し、X線吸収端微細構造解析により測定されるX線吸収端微細構造スペクトルにおいて、正極活物質の完全放電状態から80mol%のリチウムが離脱した状態とした際に、ニッケルのK殻吸収端における吸光度の中間点のシフト量を1.1eV以上となるようにしたので、高温環境下においても安定性を向上させることができる。よって、この二次電池用正極活物質を用いた本発明の二次電池用正極および二次電池によれば、高温環境下においても電池特性を向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
本発明の一実施の形態に係る正極活物質は、層状構造を有し、平均組成が化1で表される複合酸化物である。
(化1)
Lia+1 Ni(1-b-c) Mnb c (2-x) y
化1において、aの値は、−0.1≦a≦0.1の範囲内の値である。bの値は、0.005≦b≦0.4の範囲内であり、より好ましくは0.005≦b≦0.35の範囲内である。マンガンの比率が小さいと、容量維持率が低下してしまい、またマンガンの比率が大きいと容量が低下してしまうからである。
Mは、コバルト,マグネシウム,アルミニウム,ホウ素,チタン,バナジウム,クロム,鉄,銅,亜鉛,モリブデン,スズ,カルシウム,ストロンチウム,タングステン,ニオブ,イットリウムおよびジルコニウムからなる群のうちの少なくとも1種を表し、その比率cは、0≦c≦0.35の範囲内である。この範囲内で含むことにより、電池特性を向上させることができるからである。また、xの値は、−0.1≦x≦0.2の範囲内であり、より好ましくは0≦x≦0.2である。更に、yの値は、0<y≦0.1の範囲内であり、フッ素は粒子内部よりも表面に過剰に存在していることが好ましい。フッ素を含んでいると安定性が向上するからであり、また、フッ素が内部に存在するとリチウムイオンの拡散が阻害されるからである。
この正極活物質では、リチウムが離脱することにより、ニッケルの電子状態が変化し、X線吸収端微細構造解析(XAFS;X-ray absorption fine structure )により測定されるX線吸収端微細構造スペクトルでは、ニッケルのK殻吸収端がシフトする。このシフト量は、80mol%のリチウムが離脱した状態とした際に、ニッケルのK殻吸収端における吸光度の中間点において、1.1eV以上である。これにより、高温環境下であっても、化学的安定性が向上するようになっている。なお、ニッケルのK殻吸収端における吸光度の中間点は、ニッケルの電子状態によって異なるが、5eV以下の範囲内でシフトする。
なお、X線吸収端微細構造解析は、電子状態や局所構造などを解析することができるものであり、具体的に以下に説明する。
一般に各元素は、内殻電子の電子遷移に起因して固有のエネルギーを有するX線を吸収する性質がある。ある元素のX線吸収端微細構造スペクトルを測定すると、あるエネルギー以上において、急激に吸収が大きくなる箇所があり、吸収端と呼ばれている。吸収端近傍の微細構造は、元素の存在形態や周囲の環境を反映しており、この構造を解析することにより、電子状態や局所構造を知ることができる。例えば、特開平11−102703号公報には、電池材料の局所構造の解析が記載されている。
本明細書では、ニッケルのK殻吸収端における吸光度の中間点を次のように定義する。
まず、X線吸収端微細構造スペクトルに対して、ニッケルのK吸収端よりも低エネルギー側の領域をVictreen式Cλ3 −Dλ4 によりフィッティングし、バッググラウンドの吸収を求める。そののち、スペクトル全体からこのバッググラウンドを差し引き、吸収端のピーク強度が1になるように規格化する。中間点は、このときの吸光度の0.5(50%)の位置を意味するものとする。
なお、吸収端のごく近傍の10eV程度を拡大して得られる構造は、X線近吸収端構造(XANES;X-ray absorption near edge structure)とよばれており、主に中心元素の電子状態が反映されている。また、LiNiO2 では、リチウムが離脱することにより、吸収端が高エネルギー側にシフトすることが指摘されている(電気化学(DENKI KAGAKU),66(19998)968.)
この正極活物質は、例えば、次のようにして作製することができる。
まず、各元素を含む材料を、各元素の比率が所定の範囲になるように混合し、例えば、室温から所定の速度で昇温し、所定の温度で保持したのち、所定の速度で例えば200℃以下まで降温することにより複合酸化物を作製する。その際、昇温速度は、毎分3℃以上とすることが好ましく、降温速度は、毎分5℃以上とすることが好ましい。また、保持温度は、800℃以上が好ましく、850℃以上1000℃以下の範囲内であればより好ましい。そののち、得られた複合酸化物と、フッ素化合物とを混合して加熱することにより、あるいは得られた複合酸化物をフッ素ガス雰囲気下で曝露することにより、粒子表面におけるフッ素が内部に対して過剰に存在するようにする。これにより、正極活物質が作製される。
この正極活物質は、例えば、次のようにして二次電池に用いられる。
(第1の二次電池)
図1は本実施の形態に係る正極活物質を用いた第1の二次電池の断面構造を表すものである。この二次電池は、電極反応物質としてリチウムを用い、負極の容量が、リチウムの吸蔵および離脱による容量成分により表されるいわゆるリチウムイオン二次電池である。この二次電池は、いわゆる円筒型といわれるものであり、ほぼ中空円柱状の電池缶11の内部に、一対の帯状の正極21と帯状の負極22とがセパレータ23を介して巻回された巻回電極体20を有している。電池缶11の内部には、液状の電解質である電解液が注入されており、セパレータ23に含浸されている。電池缶11は、例えばニッケルのめっきがされた鉄により構成されており、一端部が閉鎖され他端部が開放されている。電池缶11の内部には、また、巻回電極体20を挟むように巻回周面に対して垂直に一対の絶縁板12,13がそれぞれ配置されている。
電池缶11の開放端部には、電池蓋14と、この電池蓋14の内側に設けられた安全弁機構15および熱感抵抗素子(Positive Temperature Coefficient;PTC素子)16とが、ガスケット17を介してかしめられることにより取り付けられており、電池缶11の内部は密閉されている。電池蓋14は、例えば、電池缶11と同様の材料により構成されている。安全弁機構15は、熱感抵抗素子16を介して電池蓋14と電気的に接続されており、内部短絡あるいは外部からの加熱などにより電池の内圧が一定以上となった場合にディスク板15Aが反転して電池蓋14と巻回電極体20との電気的接続を切断するようになっている。熱感抵抗素子16は、温度が上昇すると抵抗値の増大により電流を制限し、大電流による異常な発熱を防止するものである。ガスケット17は、例えば、絶縁材料により構成されており、表面にはアスファルトが塗布されている。
巻回電極体20は、例えば、センターピン24を中心に巻回されている。巻回電極体20の正極21にはアルミニウムなどよりなる正極リード25が接続されており、負極22にはニッケルなどよりなる負極リード26が接続されている。正極リード25は安全弁機構15に溶接されることにより電池蓋14と電気的に接続されており、負極リード26は電池缶11に溶接され電気的に接続されている。
図2は図1に示した巻回電極体20の一部を拡大して表すものである。正極21は、例えば、対向する一対の面を有する正極集電体21Aの両面に正極活物質層21Bが設けられた構造を有している。なお、図示はしないが、正極集電体21Aの片面のみに正極活物質層21Bを設けるようにしてもよい。正極集電体21Aは、例えば、アルミニウム箔,ニッケル箔あるいはステンレス箔などの金属箔により構成されている。正極活物質層21Bは、例えば、本実施の形態に係る正極活物質と、必要に応じて黒鉛などの導電剤およびポリフッ化ビニリデンなどの結着剤を含んで構成されている。また、更に他の1種または2種以上の正極活物質を含有していてもよい。他の正極活物質としては、例えば、LiCoO2 あるいはLiMn2 4 などのリチウム遷移金属複合酸化物、またはLiFePO4 などのリチウムリン酸化物などが挙げられる。
正極活物質層21Bは、空隙を15体積%以上35体積%以下の範囲内で有することが好ましい。上述した正極活物質は、層状構造を有しており、充電によるリチウムの離脱により、結晶格子が初期には膨張し、末期には収縮するが、空隙をこの範囲内にするようにすれば、充放電に伴う体積変化による活物質の欠落あるいは容量劣化などを抑制することができるからである。
負極22は、例えば、対向する一対の面を有する負極集電体22Aの両面に負極活物質層22Bが設けられた構造を有している。なお、図示はしないが、負極集電体22Aの片面のみに負極活物質層22Bを設けるようにしてもよい。負極集電体22Aは、例えば、良好な電気化学的安定性、電気伝導性および機械的強度を有する銅箔,ニッケル箔あるいはステンレス箔などの金属箔により構成されている。
負極活物質層22Bは、負極活物質として、リチウムを吸蔵および離脱することが可能な負極材料のいずれか1種または2種以上を含んで構成されており、必要に応じて正極活物質層21Bと同様の結着剤を含んで構成されている。
なお、この二次電池では、リチウムを吸蔵および離脱することが可能な負極材料の充電容量が、正極21の充電容量よりも大きくなっており、充電の途中において負極22にリチウム金属が析出しないようになっている。
リチウムを吸蔵および離脱することが可能な負極材料としては、リチウム金属に対して2.0V以下の電位でリチウムを吸蔵および離脱することが可能な材料が好ましく挙げられる。電池の高エネルギー密度化を容易に実現することができるからである。具体的には、難黒鉛化性炭素,人造黒鉛,天然黒鉛,熱分解炭素類,コークス類,グラファイト類,ガラス状炭素類,有機高分子化合物焼成体,炭素繊維,活性炭あるいはカーボンブラックなどの炭素材料が挙げられる。このうち、コークス類には、ピッチコークス,ニードルコークスあるいは石油コークスなどがある。有機高分子化合物焼成体というのは、フェノール樹脂やフラン樹脂等の高分子材料を適当な温度で焼成して炭素化したものをいう。
リチウムを吸蔵および離脱することが可能な負極材料としては、また、リチウムを吸蔵および離脱することが可能であり、金属元素および半金属元素のうちの少なくとも1種を構成元素として含む材料も挙げられる。このような材料を用いれば、高いエネルギー密度を得ることができるからである。特に、炭素材料と共に用いるようにすれば、高エネルギー密度を得ることができると共に、優れたサイクル特性を得ることができるのでより好ましい。この負極材料は金属元素あるいは半金属元素の単体でも合金でも化合物でもよく、またこれらの1種または2種以上の相を少なくとも一部に有するようなものでもよい。なお、本発明において、合金には2種以上の金属元素からなるものに加えて、1種以上の金属元素と1種以上の半金属元素とを含むものも含める。また、非金属元素を含んでいてもよい。その組織には固溶体,共晶(共融混合物),金属間化合物あるいはそれらのうちの2種以上が共存するものがある。
この負極材料を構成する金属元素あるいは半金属元素としては、例えば、マグネシウム,ホウ素,アルミニウム,ガリウム(Ga),インジウム,ケイ素(Si),ゲルマニウム(Ge),スズ,鉛(Pb),ビスマス(Bi),カドミウム(Cd),銀(Ag),亜鉛,ハフニウム(Hf),ジルコニウム,イットリウム,パラジウム(Pd)あるいは白金(Pt)が挙げられる。これらは結晶質のものでもアモルファスのものでもよい。
中でも、この負極材料としては、短周期型周期表における4B族の金属元素あるいは半金属元素を構成元素として含むものが好ましく、特に好ましいのはケイ素およびスズの少なくとも一方を構成元素として含むものである。ケイ素およびスズは、リチウムを吸蔵および離脱する能力が大きく、高いエネルギー密度を得ることができるからである。
リチウムを吸蔵および離脱することが可能な負極材料としては、更に、酸化鉄,酸化ルテニウム,酸化モリブデン,酸化タングステン,酸化チタンあるいは酸化スズなどの比較的卑な電位でリチウムを吸蔵および離脱することが可能な酸化物、または窒化物などが挙げられる。
セパレータ23は、例えば、ポリテトラフルオロエチレン,ポリプロピレンあるいはポリエチレンなどの合成樹脂製の多孔質膜、またはセラミック製の多孔質膜により構成されており、これら2種以上の多孔質膜を積層した構造とされていてもよい。中でも、ポリオレフィン製の多孔質膜はショート防止効果に優れ、かつシャットダウン効果による電池の安全性向上を図ることができるので好ましい。
電解液は、例えば有機溶媒などの非水溶媒と、この非水溶媒に溶解された電解質塩とを含んでいる。非水溶媒としては、例えば、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸ジエチル、炭酸ジメチル、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、γ−ブチロラクトン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、ジエチルエーテル、スルホラン、メチルスルホラン、アセトニトリル、プロピオニトリル、アニソール、酢酸エステル、酪酸エステル、あるいはプロピオン酸エステルが挙げられる。非水溶媒は、1種を単独で用いてもよいが、2種以上を混合して用いてもよい。
電解質塩としては、例えばリチウム塩が挙げられ、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。リチウム塩としては、LiPF6 ,LiBF4 ,LiAsF6 ,LiClO4 ,LiB(C6 5 4 ,LiCH3 SO3 ,LiCF3 SO3 ,LiClあるいはLiBrなどが挙げられる。
なお、この二次電池の完全充電時における開回路電圧(すなわち電池電圧)は4.20Vでもよいが、4.20Vよりも高く4.25V以上4.80V以下の範囲内になるように設計されていることが好ましい。電池電圧を高くすることによりエネルギー密度を大きくすることができると共に、本実施の形態によれば、正極活物質の化学的安定性が向上されているので、電池電圧を高くしても、優れた高温特性を得ることができるからである。その場合、電池電圧を4.20Vとする場合よりも、同じ正極活物質でも単位質量当たりのリチウムの離脱量が多くなるので、それに応じて正極活物質と負極活物質との量が調整される。
この二次電池は、例えば、次のようにして製造することができる。
まず、例えば、正極集電体21Aに正極活物質層21Bを形成し正極21を作製する。正極活物質層21Bは、例えば、正極活物質と、導電剤と、結着剤とを混合して正極合剤を調製したのち、この正極合剤をN−メチル−2−ピロリドンなどの溶剤に分散させてペースト状の正極合剤スラリーとし、この正極合剤スラリーを正極集電体21Aに塗布し溶剤を乾燥させ、ロールプレス機などにより圧縮成型することにより形成する。その際、例えば、圧縮圧などを適宜調整することにより、空隙率を変化させることができる。また、熱を加えながら加圧成型してもよい。この場合、正極21の強度を向上させることができるので好ましい。更に、ペースト状の正極合剤スラリーを用いて塗布せずに、正極活物質と、結着剤と、必要に応じて導電剤とを混合し、加熱することにより正極集電体21Aに塗布してもよい。
また、例えば、負極集電体22Aに負極活物質層22Bを形成し負極22を作製する。負極活物質層22Bは、例えば、気相法、液相法、焼成法、または塗布のいずれにより形成してもよく、それらの2以上を組み合わせてもよい。なお、気相法としては、例えば、物理堆積法あるいは化学堆積法を用いることができ、具体的には、真空蒸着法,スパッタ法,イオンプレーティング法,レーザーアブレーション法,熱CVD(Chemical Vapor Deposition ;化学気相成長)法あるいはプラズマCVD法等が利用可能である。液相法としては電解鍍金あるいは無電解鍍金等の公知の手法が利用可能である。焼成法に関しても公知の手法が利用可能であり、例えば、雰囲気焼成法,反応焼成法あるいはホットプレス焼成法が利用可能である。塗布の場合には、正極21と同様にして形成することができる。
続いて、正極集電体21Aに正極リード25を溶接などにより取り付けると共に、負極集電体22Aに負極リード26を溶接などにより取り付ける。そののち、正極21と負極22とをセパレータ23を介して巻回し、正極リード25の先端部を安全弁機構15に溶接すると共に、負極リード26の先端部を電池缶11に溶接して、巻回した正極21および負極22を一対の絶縁板12,13で挟み電池缶11の内部に収納する。正極21および負極22を電池缶11の内部に収納したのち、電解液を電池缶11の内部に注入し、セパレータ23に含浸させる。そののち、電池缶11の開口端部に電池蓋14,安全弁機構15および熱感抵抗素子16をガスケット17を介してかしめることにより固定する。これにより、図1,2に示した二次電池が形成される。
この二次電池では、充電を行うと、正極活物質層21Bからリチウムイオンが離脱し、電解液を介して、負極活物質層22Bに含まれるリチウムを吸蔵および離脱することが可能な負極材料に吸蔵される。次いで、放電を行うと、負極活物質層22B中のリチウムを吸蔵および離脱することが可能な負極材料に吸蔵されたリチウムイオンが離脱し、電解液を介して正極活物質層21Bに吸蔵される。本実施の形態では、上述した正極活物質を用いているので、高温環境下であっても、安定性が高くなっており、電池特性が改善される。
(第2の二次電池)
図3は本実施の形態に係る正極活物質を用いた第2の二次電池の構成を表すものである。この二次電池は、正極リード31および負極リード32が取り付けられた巻回電極体30をフィルム状の外装部材40の内部に収容したものであり、小型化,軽量化および薄型化が可能となっている。
正極リード31および負極リード32は、それぞれ、外装部材40の内部から外部に向かい例えば同一方向に導出されている。正極リード31および負極リード32は、例えば、アルミニウム,銅,ニッケルあるいはステンレスなどの金属材料によりそれぞれ構成されており、それぞれ薄板状または網目状とされている。
外装部材40は、例えば、ナイロンフィルム,アルミニウム箔およびポリエチレンフィルムをこの順に貼り合わせた矩形状のアルミラミネートフィルムにより構成されている。外装部材40は、例えば、ポリエチレンフィルム側と巻回電極体30とが対向するように配設されており、各外縁部が融着あるいは接着剤により互いに密着されている。外装部材40と正極リード31および負極リード32との間には、外気の侵入を防止するための密着フィルム41が挿入されている。密着フィルム41は、正極リード31および負極リード32に対して密着性を有する材料、例えば、ポリエチレン,ポリプロピレン,変性ポリエチレンあるいは変性ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂により構成されている。
なお、外装部材40は、上述したアルミラミネートフィルムに代えて、他の構造を有するラミネートフィルム,ポリプロピレンなどの高分子フィルムあるいは金属フィルムにより構成するようにしてもよい。
図4は図3に示した巻回電極体30のI−I線に沿った断面構造を表すものである。巻回電極体30は、正極33と負極34とをセパレータ35および電解質層36を介して積層し、巻回したものであり、最外周部は保護テープ37により保護されている。
正極33は、正極集電体33Aの両面に正極活物質層33Bが設けられた構造を有しており、負極34は、負極集電体34Aの両面に負極活物質層34Bが設けられた構造を有している。正極集電体33A,正極活物質層33B,負極集電体34A,負極活物質層34Bおよびセパレータ35の構成は、それぞれ上述した正極集電体21A,正極活物質層21B,負極集電体22A,負極活物質層22Bおよびセパレータ23と同様である。
電解質層36は、電解液と、この電解液を保持する保持体となる高分子化合物とを含み、いわゆるゲル状となっている。ゲル状の電解質層36は高いイオン伝導率を得ることができると共に、漏液を防止することができるので好ましい。電解液の構成は、第1の二次電池と同様である。高分子化合物としては、例えば、ポリフッ化ビニリデンあるいはフッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体などのフッ素系高分子化合物、ポリエチレンオキサイドあるいはポリエチレンオキサイドを含む架橋体などのエーテル系高分子化合物、ポリアクリロニトリルなどが挙げられる。特に、酸化還元安定性の点からは、フッ素系高分子化合物が望ましい。高分子化合物には、いずれか1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
この二次電池は、例えば、次のようにして製造することができる。
まず、正極33および負極34を第1の二次電池と同様にして製造したのち、正極33および負極34のそれぞれに、電解液と、高分子化合物と、混合溶剤とを含む前駆溶液を塗布し、混合溶剤を揮発させて電解質層36を形成する。そののち、正極集電体33Aに正極リード31を取り付けると共に、負極集電体34Aに負極リード32を取り付ける。次いで、電解質層36が形成された正極33と負極34とをセパレータ35を介して積層し積層体としたのち、この積層体をその長手方向に巻回して、最外周部に保護テープ37を接着して巻回電極体30を形成する。最後に、例えば、外装部材40の間に巻回電極体30を挟み込み、外装部材40の外縁部同士を熱融着などにより密着させて封入する。その際、正極リード31および負極リード32と外装部材40との間には密着フィルム41を挿入する。これにより、図3,4に示した二次電池が完成する。
また、この二次電池は、次のようにして作製してもよい。まず、上述したようにして正極33および負極34を作製し、正極33および負極34に正極リード31および負極リード32を取り付けたのち、正極33と負極34とをセパレータ35を介して積層して巻回し、最外周部に保護テープ37を接着して、巻回電極体30の前駆体である巻回体を形成する。次いで、この巻回体を外装部材40に挟み、一辺を除く外周縁部を熱融着して袋状とし、外装部材40の内部に収納する。続いて、電解液と、高分子化合物の原料であるモノマーと、重合開始剤と、必要に応じて重合禁止剤などの他の材料とを含む電解質用組成物を外装部材40の内部に注入し、外装部材40の開口部を密封する。そののち、熱を加えてモノマーを重合させて高分子化合物とすることによりゲル状の電解質層36を形成し、図3,4に示した二次電池を組み立てる。
この二次電池は、第1の二次電池と同様に作用する。
このように本実施の形態によれば、上述した正極活物質を用いるようにしたので、高温環境下における安定性を向上させることができる。よって、この正極活物質を用いた本実施の形態に係る二次電池によれば、高温環境下における電池特性を向上させることができる。
更に、本発明の具体的な実施例について詳細に説明する。
(実施例1−1〜1−31)
[正極活物質の作製]
実施例1−1,1−2では、正極活物質を次のようにして作製した。まず、市販の硝酸ニッケルと、硝酸コバルトと、硝酸マンガンとを、ニッケルとコバルトとマンガンの比率が所定のモル比となるように混合した水溶液を、十分に攪拌しながらアンモニア水を滴下し、複合水酸化物粉末を得た。次いで、この複合水酸化物粉末と、水酸化リチウム粉末とを混合して混合水酸化物粉末としたのち、電気炉を用いて第1の加熱を行った。その際、毎分5℃の速度で昇温し、950℃で5時間保持したのち、毎分7℃の速度で150℃まで冷却した。得られた焼成物と、フッ化リチウム粉末とを混合し、第2の加熱をすることにより、フッ素を焼成物の表面から内部に対して拡散させ、正極活物質の粉末を作製した。その際、毎分5℃の速度で昇温し、850℃で5時間保持したのち、毎分7℃の速度で150℃まで冷却した。
実施例1−3〜1−5では、第1の加熱の条件を変えたことを除き、他は実施例1−1,1−2と同様にして正極活物質を作製した。具体的には、実施例1−3、1−4では、毎分4℃の速度で昇温し、900℃で3時間保持したのち、毎分6℃の速度で150℃まで冷却した。また、実施例1−5では、毎分6℃の速度で昇温し、900℃で3時間保持したのち、毎分6℃の速度で150℃まで冷却した。
実施例1−6〜1−10では、各原料の混合比率を変化させたことを除き、他は実施例1−1,1−2と同様にして正極活物質を作製した。
実施例1−11〜1−29では、正極活物質を次にようにして作製した。まず、市販の硝酸ニッケルと、硝酸マンガンとを、ニッケルとマンガンの比率が所定のモル比となるように混合した水溶液を、十分に攪拌しながらアンモニア水を滴下し、複合水酸化物粉末を得た。次いで、この複合水酸化物粉末と、水酸化リチウム粉末と、必要に応じて元素Mを含む化合物粉末または元素Mの単体とを混合して混合水酸化物粉末としたのち、電気炉を用いて、実施例1−1,1−2と同様の条件で第1の加熱を行った。得られた焼成物と、フッ化リチウム粉末とを混合したのち、実施例1−1,1−2と同様の条件で第2の加熱をすることにより、フッ素を焼成物の表面から内部に対して拡散させ、正極活物質の粉末を作製した。元素Mを含む化合物または元素Mの単体は、実施例1−11では炭酸マグネシウムとし、実施例1−12では水酸化アルミニウムとし、実施例1−13では酸化ホウ素とし、実施例1−14では酸化チタンとし、実施例1−15では酸化バナジウムとし、実施例1−16では酸化クロムとし、実施例1−17では水酸化鉄とし、実施例1−18では酸化銅とし、実施例1−19では酸化亜鉛とし、実施例1−20,1−28では酸化ジルコニウムとし、実施例1−21では酸化モリブデンとし、実施例1−22では金属スズとし、実施例1−23では水酸化カルシウムとし、実施例1−24では酸化ストロンチウムとし、実施例1−25では酸化タングステンとし、実施例1−26では酸化ニオブとし、実施例1−27では水酸化イットリウムとした。また、実施例1−29では元素Mを含む化合物および元素Mの単体を用いなかった。
実施例1−30,1−31では、複合水酸化物粉末と、フッ化リチウム粉末との混合比率を変えたことを除き、他は実施例1−1,1−2と同様にして正極活物質を作製した。
実施例1−1〜1−31に対する比較例1−1,1−2として、原料に硝酸マンガンおよびフッ化リチウムを用いず、更に第2の加熱を行わなかったことを除き、他は実施例1−1,1−2と同様にして正極活物質を作製した。その際、各原料の混合比率を変化させた。
また、比較例1−3として、原料にフッ化リチウムを用いず、更に第2の加熱を行わなかったことを除き、他は実施例1−1,1−2と同様にして正極活物質を作製した。その際、各原料の混合比率を変化させた。
更に、比較例1−4,1−5として、第1の加熱における昇温速度を毎分1℃としたことを除き、他は実施例1−1,1−2と同様にして正極活物質を作製した。
得られた正極活物質の粉末について、原子吸光分析および酸素濃度計により組成の分析を行ったところ、表1に示した組成を有することが確認された。また、X線電子分光法により表面から粒子内部へのフッ素の分布を分析したところ、いずれについても表面におけるフッ素が内部に対して過剰に存在していることが確認された。
更に、正極活物質について、レーザー回折法により粒径を測定したところ、いずれも平均粒径は約13μmであった。また、X線回折測定を行ったところ、ICDD09−0063に記載のLiNiO2 の回折パターンに類似しており、LiNiO2 と同様の層状岩塩構造を形成していることが確認された。更に、SEMにより観察したところ、0.1μm〜5μmの一次粒子が凝集した球状の粒子が確認された。
[X線吸収微細構造解析]
作製したこれらの正極活物質を用いて図5に示したコイン型の二次電池を作製し、正極活物質の特性を評価した。この二次電池は、正極51と、負極52とを電解液を含浸させたセパレータ53を介して積層し、外装缶54と外装カップ55との間に挟み、ガスケット56を介してかしめたものである。なお、直径を20mm、高さを1.6mmとした。正極51は、作製した正極活物質粉末86質量%と、導電剤であるグラファイト10質量%と、結着剤であるポリフッ化ビニリデン4質量%とを、溶剤であるN−メチル−2−ピロリドンに分散させて、厚み20μmのアルミニウム箔よりなる正極集電体51Aに塗布・乾燥させ、ロールプレス機で圧縮成型して正極活物質層51Bを形成したのち、ペレット状に打ち抜くことにより作製した。
また、負極52にはリチウム金属箔を用い、セパレータ53には多孔性ポリオレフィンフィルムを用い、電解液には、炭酸エチレンと炭酸エチルメチルとを等体積比で混合した溶媒に、電解質塩としてLiPF6 を1.0mol/lとなるように溶解させたものを用いた。
作製したコイン型の二次電池について、正極活物質から80mol%のリチウムが離脱するまで充電を行い、解体して正極51を取り出した。また、これとは別に同様にして作製したコイン型の二次電池を用意し、同様にして充電を行ったのち、電池電圧が2.0Vに達するまで完全放電を行い、解体して正極51を取り出した。
これらの正極51について、実施の形態で説明したようにしてX線吸収微細構造解析を行い、ニッケルのK殻吸収端における吸光度の中間点(吸光度0.5)のシフト量を調べた。その際、分光結晶としてSi(400)を用い、X線エネルギーを7960eV〜9100eVの間で走査し、透過法により測定した。結果を表1に示す。また、図6,7に、実施例1−1および比較例1−1についてのX線吸収微細構造スペクトルを示す。
[二次電池の作製および高温特性の評価]
図1に示した二次電池を作製した。まず、コイン型の二次電池の正極51と同様にして帯状の正極21を作製した。その際、正極活物質層21Bは、正極集電体21Aの両面に形成し、正極活物質層22Bにおける空隙率は26体積%とした。そののち、正極集電体21Aの一端にアルミニウム製の正極リード25を取り付けた。
また、負極活物質として、人造黒鉛粉末90質量%と、結着剤としてポリフッ化ビニリデン10質量%とを、溶剤であるN−メチル−2−ピロリドンに分散させて、厚み10μmの銅箔よりなる負極集電体22Aの両面に均一に塗布し乾燥させ、ロールプレス機で圧縮成型して帯状負極22を作製した。その際、正極活物質の量と負極活物質の量とを調整し、実施例1−1, 1−3,1−5〜1−31および比較例1−1〜1−4では、完全充電時のおける開回路電圧が4.40Vとなるように設計した。また、実施例1−2,1−4および比較例1−5では、完全充電時のおける開回路電圧が4.20Vとなるように設計した。そののち、負極集電体22Aの一端にニッケル製の負極リード26を取り付けた。
正極21および負極22をそれぞれ作製したのち、セパレータ23を用意し、負極22,セパレータ23,正極21,セパレータ23の順に積層してこの積層体を渦巻状に多数回巻回し、巻回電極体20を作製した。
巻回電極体20を作製したのち、巻回電極体20を一対の絶縁板12,13で挟み、負極リード26を電池缶11に溶接すると共に、正極リード25を安全弁機構15に溶接して、熱感抵抗素子16と共に巻回電極体20をニッケルめっきした鉄製の電池缶11の内部に収納した。そののち、電池缶11の内部に上述した電解液を減圧方式により注入した。電解液は、コイン型の二次電池に用いたものと同様にものとした。
電池缶11の内部に電解液を注入したのち、表面にアスファルトを塗布したガスケット17を介して電池蓋14を電池缶11にかしめることにより、外径18mm、高さ65mmの円筒型の二次電池を得た。
作製した二次電池について、45℃で充放電を行い、高温における初期容量およびサイクル特性を調べた。実施例1−1,1−3,1−5〜1−31および比較例1−1〜1−4では、充電は、電流値1000mA,充電電圧4.40V、充電時間2.5時間の条件で行い、放電は、電流値800mA、終止電圧2.75Vの条件で行った。また、実施例1−2,1−4および比較例1−5では、充電は、電流値1000mA,充電電圧4.20V、充電時間2.5時間の条件で行い、放電は、電流値800mA、終止電圧2.75Vの条件で行った。初期容量は、1サイクル目の放電容量とし、サイクル特性は、充放電を200サイクル行い、1サイクル目に対する200サイクル目の放電容量維持率、すなわち、(200サイクル目の放電容量/1サイクル目の放電容量)×100%から求めた。結果を表1に示す。なお、初期容量は、比較例1−5の値を100とした場合の相対値とした。
Figure 0005099398
表1,図6,7から分かるように、化1に示した平均組成を有し、ニッケルのK殻吸収端における吸光度の中間点(吸光度0.5)のシフト量が1.1eV以上である実施例1−1〜1−31によれば、この組成を有しない比較例1−1〜1−3あるいはシフト量が1.1eV未満である比較例1−4,1−5に比べ、初期容量およびサイクル特性が共に向上した。
また、同一組成である実施例1−1〜1−4と、比較例1−4,1−5とを比較すると、初期容量およびサイクル特性の向上効果は、充電電圧を高く設定した方が高かった。
すなわち、化1に示した平均組成を有すると共に、表面におけるフッ素が内部に対して過剰に存在し、ニッケルのK殻吸収端における吸光度の中間点(吸光度0.5)のシフト量が1.1eV以上とするようにすれば、高温環境下であっても、電池特性を向上させることができ、特に、完全充電時のおける開回路電圧が4.25V以上の電池において、高い効果が得られることが分かった。
(実施例2−1〜2−4)
正極活物質の充填量,正極活物質層21Bの作製時の圧力などを変化させ、正極活物質層21Bの空隙率を15体積%〜34体積%の範囲で変化させたことを除き、他は実施例1−1と同様にして円筒型の二次電池を作製した。
作製した二次電池について、実施例1−1と同様にして初期容量およびサイクル特性を調べた。結果を実施例1−1の結果と共に表2に示す。なお、初期容量は、比較例1−5の値を100とした場合の相対値とした。
Figure 0005099398
表2から分かるように、正極活物質層21Bの空隙率が15体積%以上35体積%以下の範囲内にある実施例1−1,2−1〜2−4によれば、初期容量およびサイクル特性について高い値が得られた。
すなわち、正極活物質層21Bにおける空隙率を15体積%以上35体積%以下とするようにすれば、好ましいことが分かった。
(実施例3−1〜3−4)
正極活物質の量と負極活物質の量とを調整し、完全充電時のおける開回路電圧が実施例3−1では4.35V、実施例3−2では4.55V、実施例3−3,3−4では4.75Vになるように設計したことを除き、他は実施例1−1,1−2と同様にして円筒型の二次電池を作製した。
作製した実施例3−1〜3−4の二次電池について、実施例1−1〜1−31と同様にして初期容量およびサイクル特性を調べた。その際、実施例3−1では、充電電圧を4.35Vとし、終止電圧を2.75Vとした。実施例3−2では、充電電圧を4.55Vとし、終止電圧を2.75Vとした。実施例3−3では、充電電圧を4.75Vとし、終止電圧を2.75Vとした。実施例3−4では、充電電圧を4.75Vとし、終止電圧を3.20Vとした。これらの結果を実施例1−1,1−2の結果と共に表3に示す。なお、初期容量は、比較例1−5の値を100とした場合の相対値とした。
Figure 0005099398
表3から分かるように、充電電圧が高くなるに伴い、初期容量は向上し、サイクル特性は低下した。また、充電電圧を高くした場合には、終止電圧を高くした方がサイクル特性が向上した。
すなわち、完全充電時のおける開回路電圧を4.25V以上4.80V以下の範囲内とするようにした場合に、高い効果が得られることが分かった。
以上、実施の形態および実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態および実施例に限定されるものではなく、種々変形可能である。例えば、上記実施の形態または実施例では、液状の電解質である電解液、または電解液を高分子化合物に保持させたゲル状の電解質を用いる場合について説明したが、他の電解質を用いるようにしてもよい。他の電解質としては、例えば、イオン伝導性を有する固体電解質、または固体電解質とゲル状の電解質あるいは電解液とを混合したものが挙げられる。
固体電解質には、例えば、イオン伝導性を有する高分子化合物に電解質塩を分散させた高分子固体電解質、またはイオン伝導性ガラスあるいはイオン性結晶などよりなる無機固体電解質を用いることができる。このとき、高分子化合物としては、例えば、ポリエチレンオキサイドあるいはポリエチレンオキサイドを含む架橋体などのエーテル系高分子化合物、ポリメタクリレートあるいはポリアクリレートなどのエステル系高分子化合物を単独あるいは混合して、または分子中に共重合させて用いることができる。また、無機固体電解質としては、窒化リチウムあるいはヨウ化リチウムなどを用いることができる。
また、上記実施の形態および実施例では、負極の容量が、リチウムの吸蔵および離脱による容量成分により表されるいわゆるリチウムイオン二次電池について説明したが、本発明は、負極活物質にリチウム金属を用い、負極の容量が、リチウムの析出および溶解による容量成分により表されるいわゆるリチウム金属二次電池、または、リチウムを吸蔵および離脱することが可能な負極材料の充電容量を正極の充電容量よりも小さくすることにより、負極の容量がリチウムの吸蔵および離脱による容量成分と、リチウムの析出および溶解による容量成分とを含み、かつその和により表されるようにした二次電池についても同様に適用することができる。
更に、上記実施の形態および実施例では、コイン型および巻回構造を有する二次電池について説明したが、本発明は、正極および負極を折り畳んだりあるいは複数積み重ねた他の構造を有する二次電池についても同様に適用することができる。加えて、いわゆるボタン型あるいは角型などの他の形状を有する二次電池についても適用することができる。また、二次電池に限らず、一次電池についても適用することができる。
本発明の一実施の形態に係る正極活物質を用いた第1の二次電池の構成を表す断面図である。 図1に示した二次電池における巻回電極体の一部を拡大して表す断面図である。 本発明の一実施の形態に係る正極活物質を用いた第2の二次電池の構成を表す分解斜視図である。 図3で示した巻回電極体のI−I線に沿った断面図である。 実施例で作製した二次電池の構成を表す断面図である。 実施例で作製したX線吸収微細構造スペクトルの一例を表す特性図である。 比較例で作製したX線吸収微細構造スペクトルの一例を表す特性図である。
符号の説明
11…電池缶、12,13…絶縁板、14…電池蓋、15…安全弁機構,15A…ディスク板、16…熱感抵抗素子、17,56…ガスケット、20,30…巻回電極体、21,33,51…正極、21A,33A,51A…正極集電体、21B,33B,51B…正極活物質層、22,34,52…負極、22A,34A…負極集電体、22B,34B…負極活物質層、23,35,53…セパレータ、24…センターピン、25,31…正極リード、26,32…負極リード、36…電解質層、37…保護テープ、40…外装部材、41…密着フィルム、54…外装缶、55…外装カップ。

Claims (6)

  1. 化1に示した平均組成を有する粒子状の正極活物質であって、
    粒子表面におけるフッ素(F)が内部に対して過剰に存在し、
    X線吸収端微細構造解析により測定されるX線吸収端微細構造スペクトルにおいて、完全放電状態から80mol%のリチウムが離脱した状態とした際に、ニッケル(Ni)のK殻吸収端における吸光度の中間点のシフト量が、1.1eV以上である、二次電池用正極活物質。
    (化1)
    Lia+1 Ni(1-b-c) Mnb c (2-x) y
    (式中、Mはコバルト(Co),マグネシウム(Mg),アルミニウム(Al),ホウ素(B),チタン(Ti),バナジウム(V),クロム(Cr),鉄(Fe),銅(Cu),亜鉛(Zn),モリブデン(Mo),スズ(Sn),カルシウム(Ca),ストロンチウム(Sr),タングステン(W),ニオブ(Nb),イットリウム(Y)およびジルコニウム(Zr)からなる群のうちの少なくとも1種を表す。a,b,c,xおよびyは、−0.1≦a≦0.1、0.005≦b≦0.4、0≦c≦0.35、−0.1≦x≦0.2、0<y≦0.1の範囲内の値を表す。)
  2. 正極集電体と、この正極集電体に設けられた正極活物質層とを有し、
    前記正極活物質層は、化1に示した平均組成を有する粒子状の正極活物質を含み、
    この粒子は、表面におけるフッ素(F)が内部に対して過剰に存在し、
    X線吸収端微細構造解析により測定されるX線吸収端微細構造スペクトルにおいて、前記正極活物質の完全放電状態から80mol%のリチウムが離脱した状態とした際に、ニッケル(Ni)のK殻吸収端における吸光度の中間点のシフト量が、1.1eV以上である、二次電池用正極。
    (化1)
    Lia+1 Ni(1-b-c) Mnb c (2-x) y
    (式中、Mはコバルト(Co),マグネシウム(Mg),アルミニウム(Al),ホウ素(B),チタン(Ti),バナジウム(V),クロム(Cr),鉄(Fe),銅(Cu),亜鉛(Zn),モリブデン(Mo),スズ(Sn),カルシウム(Ca),ストロンチウム(Sr),タングステン(W),ニオブ(Nb),イットリウム(Y)およびジルコニウム(Zr)からなる群のうちの少なくとも1種を表す。a,b,c,xおよびyは、−0.1≦a≦0.1、0.005≦b≦0.4、0≦c≦0.35、−0.1≦x≦0.2、0<y≦0.1の範囲内の値を表す。)
  3. 前記正極活物質層は、空隙を15体積%以上35体積%以下の範囲内で有する請求項2記載の二次電池用正極。
  4. 正極および負極と共に電解質を備え、
    前記正極は、化1に示した平均組成を有する粒子状の正極活物質を含み、この粒子は、表面におけるフッ素(F)が内部に対して過剰に存在し、
    前記正極についてX線吸収端微細構造解析により測定されるX線吸収端微細構造スペクトルにおいて、前記正極活物質の完全放電状態から80mol%のリチウムが離脱した状態とした際に、ニッケル(Ni)のK殻吸収端における吸光度の中間点のシフト量が、1.1eV以上である、二次電池。
    (化1)
    Lia+1 Ni(1-b-c) Mnb c (2-x) y
    (式中、Mはコバルト(Co),マグネシウム(Mg),アルミニウム(Al),ホウ素(B),チタン(Ti),バナジウム(V),クロム(Cr),鉄(Fe),銅(Cu),亜鉛(Zn),モリブデン(Mo),スズ(Sn),カルシウム(Ca),ストロンチウム(Sr),タングステン(W),ニオブ(Nb),イットリウム(Y)およびジルコニウム(Zr)からなる群のうちの少なくとも1種を表す。a,b,c,xおよびyは、−0.1≦a≦0.1、0.005≦b≦0.4、0≦c≦0.35、−0.1≦x≦0.2、0<y≦0.1の範囲内の値を表す。)
  5. 前記正極は、正極集電体と、この正極集電体に設けられた正極活物質層とを有し、
    前記正極活物質層は、空隙を15体積%以上35体積%以下の範囲内で有する請求項4記載の二次電池。
  6. 一対の正極および負極当たりの完全充電状態における開回路電圧が4.25V以上4.80V以下の範囲内である請求項4記載の二次電池。
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