JP2007316344A - 現像装置および画像形成装置 - Google Patents

現像装置および画像形成装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2007316344A
JP2007316344A JP2006145990A JP2006145990A JP2007316344A JP 2007316344 A JP2007316344 A JP 2007316344A JP 2006145990 A JP2006145990 A JP 2006145990A JP 2006145990 A JP2006145990 A JP 2006145990A JP 2007316344 A JP2007316344 A JP 2007316344A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic pole
developer
magnetic
forming means
flux density
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2006145990A
Other languages
English (en)
Inventor
Toyoyoshi Aimoto
豊賀 相本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
Priority to JP2006145990A priority Critical patent/JP2007316344A/ja
Publication of JP2007316344A publication Critical patent/JP2007316344A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Magnetic Brush Developing In Electrophotography (AREA)
  • Dry Development In Electrophotography (AREA)

Abstract


【課題】 種々の使用状況において、また現像剤の種類によらず、キャリアの劣化を抑制することのできる現像装置およびそれを備える画像形成装置を提供する。
【解決手段】 現像装置1の穂立ち高さ規制部材14よりも現像スリーブ17の回転方向上流側であって、汲上げ磁極N4に対向する位置よりも現像スリーブ17の回転方向下流側の位置に、現像スリーブ17に半径方向外方から対向して第2の磁極形成手段24を設け、第1の磁極形成手段18によって第2の磁極形成手段24と対向する位置に形成される対向磁極である搬送補助磁極N2とは反対の極性の磁極24aを形成する。これによって磁気チェーン27が形成される。形成された磁気チェーン27のうち現像スリーブ17側の部分が穂立ち高さ規制部材14に搬送されるので、穂立ち高さ規制部材14に衝突するときの現像剤の圧力を弱め、穂立ち高さ規制部材14から現像剤に与えられる負荷を小さくすることができる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、2成分現像剤を用いて静電潜像を現像する現像装置およびそれを備える画像形成装置に関する。
電子写真法によって画像を形成する電子写真方式の画像形成装置は、感光体に形成される静電潜像を現像する現像装置を備える。現像装置としては、トナーとキャリアとからなる2成分現像剤(以下、単に「現像剤」ということがある)を用いて静電潜像を現像する2成分現像装置がある。2成分現像装置は、現像剤収容容器に収容される2成分現像剤を現像剤担持体に担持させて感光体に対向する現像領域に搬送し、現像領域において現像剤中のトナーを感光体に供給することによって静電潜像を現像する。2成分現像装置において2成分現像剤は、現像剤担持体に内包される磁石体の磁気力によって現像剤担持体に担持される。
磁石体を備える現像装置としては、2成分現像装置ではないが、層規制部材に磁力発生部材を取付けるとともに、現像剤担持体である現像ローラを磁性材料で形成し、磁気力によって層規制部材を現像ローラに圧接する現像装置がある(たとえば、特許文献1参照)。また現像剤収容容器である現像槽内の現像剤を現像ローラに搬送するための搬送手段として、N極およびS極が交互に並んだ磁力発生部を有し、回転可能な現像剤搬送ローラを備える現像装置がある(たとえば、特許文献2参照)。
2成分現像装置では、トナーは画像形成に伴って消費され、キャリアは一定期間繰返し使用される。キャリアは繰返し使用される間に種々のストレスを受けて劣化する。2成分現像装置にはキャリアの劣化を抑制することが求められる。
特許文献1に開示の技術は、1成分現像装置において、現像ローラの表面部に現像剤層を均一に形成するための技術である。特許文献2に開示の技術は、現像槽内の現像剤を撹拌し、現像領域まで搬送するための技術である。特許文献1および2には、現像装置においてキャリアの劣化を抑制するための構成については開示されていない。
キャリアの劣化を抑制するための技術としては、画像比率の低い画像の現像が続いたときに、現像剤をトナーとキャリアとに分離する技術がある(たとえば、特許文献3参照)。特許文献3に開示の技術では、たとえば現像剤担持体に圧縮空気を吹付けて現像剤を吹き落とし、吹き落とされた現像剤を回収室内で撹拌するとともにメッシュを介して吸引することによって、トナーとキャリアとに分離する。トナーとキャリアとを分離するための装置としては、トナーとキャリアとを除電によって分離し、分離されたトナーを気流によって収集する装置がある(たとえば、特許文献4参照)。
特許文献3に開示の技術では、画像比率の低い画像の現像が続いたときにのみ、トナーとキャリアとを分離するので、画像比率の低い画像の現像が続くこと以外に起因するキャリアの劣化については抑制することができない。特許文献3には、画像比率の低い画像の現像が続くこと以外に起因するキャリアの劣化を抑制するための構成については開示されていない。
特許文献4に開示の装置は、2成分現像剤のロット管理および現像器の保守時などにおける2成分現像剤中のトナー濃度またはトナー粒径などを精度良く測定するためにトナーをキャリアから分離するための装置である。特許文献4には、現像装置におけるキャリアの劣化を抑制するための構成については開示されていない。
キャリアを含む現像剤の劣化を抑制するための別の技術として、未使用時における現像剤の摩擦角と、使用を開始してから現像剤担持体の表面移動時間が45時間経過したときの現像剤の摩擦角との比が特定の値以下となるように現像装置を構成する技術がある(たとえば、特許文献5参照)。
特許文献5に開示の技術では、たとえば現像剤担持体に内包される磁石体の複数の磁極による磁界分布を調節することによって、現像剤の摩擦角の比を特定の値以下にして現像装置を構成する。現像剤の摩擦角は現像剤の種類によって異なるので、特許文献5に開示の技術では、使用する現像剤によって現像装置の構成を変更することが必要になるという問題がある。
特開2000−89561号公報(第3頁,第1図) 特開2002−62734号公報(第7頁,第1図) 特開平10−26885号公報(第5−6頁,第1−2図) 特開平2−242276号公報(第2−3頁,第1図) 特開2005−121826号公報(第10−14頁,第6−7図)
本発明の目的は、種々の使用状況において、また現像剤の種類によらず、キャリアの劣化を抑制することのできる現像装置およびそれを備える画像形成装置を提供することである。
本発明は、像担持体に形成される静電潜像を、トナーとキャリアとから成る2成分現像剤を用いて現像する現像装置であって、
2成分現像剤を収容可能な現像剤収容容器と、
回転可能に設けられ、現像剤収容容器に収容される2成分現像剤を担持して像担持体に搬送する現像剤担持体と、
現像剤担持体に対向して設けられ、現像剤担持体に担持される2成分現像剤の穂立ち高さを規制する穂立ち高さ規制部材と、
現像剤担持体に内包され、現像剤収容容器に収容される2成分現像剤を現像剤担持体の表面部に汲上げる汲上げ磁極を含む複数の磁極を形成する第1の磁極形成手段と、
穂立ち高さ規制部材よりも現像剤担持体の回転方向上流側であって、汲上げ磁極に対向する位置よりも現像剤担持体の回転方向下流側の位置に現像剤担持体に半径方向外方から対向して設けられ、第1の磁極形成手段によって対向する位置に形成される対向磁極とは反対の極性の磁極を形成する第2の磁極形成手段とを備えることを特徴とする現像装置である。
本発明に従えば、現像剤収容容器に収容される2成分現像剤が、第1の磁極形成手段によって形成される汲上げ磁極の磁力によって現像剤担持体の表面部に担持され、現像剤担持体と穂立ち高さ規制部材との間を通過して、像担持体に搬送される。穂立ち高さ規制部材よりも現像剤担持体の回転方向上流側であって、汲上げ磁極に対向する位置よりも現像剤担持体の回転方向下流側の位置に設けられる第2の磁極形成手段は、第1の磁極形成手段によって対向する位置に形成される対向磁極とは反対の極性の磁極を形成するので、現像剤担持体の回転方向における穂立ち高さ規制部材と汲上げ磁極に対向する位置との間には、現像剤によって磁気チェーンが形成される。形成された磁気チェーンは、現像剤担持体の回転に伴って現像剤担持体側の部分と第2の磁極形成手段側の部分とに分離され、現像剤担持体側の部分が穂立ち高さ規制部材に向かって搬送される。
また本発明は、第2の磁極形成手段によって形成される磁極は、現像剤担持体の回転中心と対向磁極とを結んだ線分の延長線上に形成されることを特徴とする。
本発明に従えば、現像剤担持体の回転中心と対向磁極とを結んだ線分の延長線上に、対向磁極と反対の極性を有する磁極が第2の磁極形成手段によって形成される。
また本発明は、第2の磁極形成手段は、永久磁石体であることを特徴とする。
本発明に従えば、第2の磁極形成手段は永久磁石体であるので、容易に取付けることができ、現像装置を簡易な構成にすることができる。
また本発明は、穂立ち高さ規制部材に対向する位置に第1の磁極形成手段によって形成される磁極の現像剤担持体の外周面における磁束密度のピーク値は、第2の磁極形成手段によって形成される磁極の第2の磁極形成手段の現像剤担持体に対向する表面における磁束密度のピーク値、および対向磁極の現像剤担持体の外周面における磁束密度のピーク値よりも大きいことを特徴とする。
本発明に従えば、穂立ち高さ規制部材に対向する位置に形成される磁極の現像剤担持体の外周面における磁束密度のピーク値は、対向磁極の現像剤担持体の外周面における磁束密度のピーク値、および対向磁極に対向する位置に第2の磁極形成手段によって形成される磁極の第2の磁極形成手段の現像剤担持体に対向する表面における磁束密度のピーク値よりも大きいので、現像剤を穂立ち高さ規制部材により確実に搬送することができる。
また本発明は、第2の磁極形成手段は、現像剤収容容器の内方に設けられ、
第2の磁極形成手段によって形成される磁極の第2の磁極形成手段の現像剤担持体に対向する表面における磁束密度のピーク値は、対向磁極の現像剤担持体の外周面における磁束密度のピーク値よりも小さいことを特徴とする。
本発明に従えば、現像剤収容容器の内方に設けられる第2の磁極形成手段によって形成される磁極の第2の磁極形成手段の現像剤担持体に対向する表面における磁束密度のピーク値は、対向磁極の現像剤担持体の外周面における磁束密度のピーク値よりも小さいので、現像剤を穂立ち高さ規制部材に一層確実に搬送することができる。
また本発明は、第2の磁極形成手段は、現像剤収容容器の外方に設けられ、
第2の磁極形成手段によって形成される磁極は、
第2の磁極形成手段の現像剤担持体に対向する表面における磁束密度のピーク値が、対向磁極の現像剤担持体の外周面における磁束密度のピーク値よりも大きく、
かつ第2の磁極形成手段と現像剤担持体との間に介在される現像剤収容容器の現像剤担持体に臨む表面における磁束密度のピーク値が、対向磁極の現像剤担持体の外周面における磁束密度のピーク値よりも小さいことを特徴とする。
本発明に従えば、現像剤収容容器の外方に設けられる第2の磁極形成手段によって形成される磁極は、第2の磁極形成手段の現像剤担持体に対向する表面における磁束密度のピーク値が、対向磁極の現像剤担持体の外周面における磁束密度のピーク値よりも大きいので、磁気チェーンをより確実に形成させることができる。また第2の磁極形成手段によって形成される磁極は、第2の磁極形成手段と現像剤担持体との間に介在される現像剤収容容器の現像剤担持体に臨む表面における磁束密度のピーク値が、対向磁極の現像剤担持体の外周面における磁束密度のピーク値よりも小さいので、現像剤を穂立ち高さ規制部材に一層確実に搬送することができる。
また本発明は、静電潜像を担持する像担持体と、
像担持体に静電潜像を形成する潜像形成手段と、
前記本発明の現像装置であって、像担持体に形成される静電潜像を現像する現像装置とを備えることを特徴とする画像形成装置である。
本発明に従えば、画像形成装置は、潜像形成手段によって像担持体に静電潜像を形成し、前記本発明の現像装置によって現像する。
本発明によれば、第2の磁極形成手段は、第1の磁極形成手段によって対向する位置に形成される対向磁極とは反対の極性の磁極を形成するので、現像剤担持体の回転方向における穂立ち高さ規制部材と汲上げ磁極に対向する位置との間には、現像剤によって磁気チェーンが形成される。形成された磁気チェーンは、現像剤担持体の回転に伴って現像剤担持体側の部分と第2の磁極形成手段側の部分とに分離され、現像剤担持体側の部分が穂立ち高さ規制部材に向かって搬送されるので、穂立ち高さ規制部材に衝突する現像剤の量を第2の磁極形成手段が設けられない場合に比べて少なくすることができる。また穂立ち高さ規制部材に向かって搬送される現像剤には、第2の磁極形成手段によって形成される磁極による磁気的吸引力が現像剤担持体の回転方向と逆方向に作用するので、穂立ち高さ規制部材に衝突する際の現像剤の速度を第2の磁極形成手段が設けられない場合に比べて遅くすることができる。したがって、穂立ち高さ規制部材に衝突するときの現像剤の圧力を弱め、現像剤に与えられる負荷を小さくすることができるので、現像剤の劣化を抑制することができる。
また本発明によれば、現像剤担持体の回転中心と対向磁極とを結んだ線分の延長線上に、対向磁極と反対の極性を有する磁極が第2の磁極形成手段によって形成されるので、強固な磁気チェーンを形成させることができる。したがって、磁気チェーンを現像剤担持体側の部分と第2の磁極形成手段側の部分とにより確実に分離することができ、穂立ち高さ規制部材に搬送される現像剤の量をより確実に少なくすることができるので、現像剤の劣化をより確実に抑制することができる。
また本発明によれば、第2の磁極形成手段は永久磁石体であるので、容易に取付けることができ、現像装置を簡易な構成にすることができる。
また本発明によれば、穂立ち高さ規制部材に対向する位置に形成される磁極の現像剤担持体の外周面における磁束密度のピーク値は、対向磁極の現像剤担持体の外周面における磁束密度のピーク値、および対向磁極に対向する位置に第2の磁極形成手段によって形成される磁極の現像剤担持体に対向する表面における磁束密度のピーク値よりも大きいので、現像剤を穂立ち高さ規制部材により確実に搬送することができる。
また本発明によれば、現像剤収容容器の内方に設けられる第2の磁極形成手段によって形成される磁極の第2の磁極形成手段の現像剤担持体に対向する表面における磁束密度のピーク値は、対向磁極の現像剤担持体の外周面における磁束密度のピーク値よりも小さいので、現像剤を穂立ち高さ規制部材に一層確実に搬送することができる。
また本発明によれば、現像剤収容容器の外方に設けられる第2の磁極形成手段によって形成される磁極は、第2の磁極形成手段の現像剤担持体に対向する表面における磁束密度のピーク値が、対向磁極の現像剤担持体の外周面における磁束密度のピーク値よりも大きく、かつ第2の磁極形成手段と現像剤担持体との間に介在される現像剤収容容器の現像剤担持体に臨む表面における磁束密度のピーク値が、対向磁極の現像剤担持体の外周面における磁束密度のピーク値よりも小さいので、磁気チェーンをより確実に形成させることができ、また現像剤を穂立ち高さ規制部材に一層確実に搬送することができる。
また本発明によれば、画像形成装置は、潜像形成手段によって像担持体に静電潜像を形成し、現像剤の劣化を抑制することのできる前記本発明の現像装置によって現像する。したがって、現像剤の劣化による画像の劣化を抑え、一定の品質の画像を安定して形成することができる。
図1は、本発明の実施の一形態である現像装置1を備える本発明の実施の他の形態である画像形成装置2の構成を簡略化して示す断面図である。図2は、本発明の実施の一形態である現像装置1の構成を簡略化して示す断面図である。図1および図2では、一部分の厚みを省略して示す。
画像形成装置2は、大略的に、原稿読取部(以下、「スキャナ部」ということがある)40と、画像形成部60と、給紙部80と、排紙部90とを含んで構成される。原稿読取部40は給紙部80の鉛直上方に配設され、排紙部90は鉛直方向における原稿読取部40と給紙部80との中間部に配設される。具体的には、原稿読取部40は上部筐体71の内部と上部筐体71の上方とにわたって設けられ、給紙部80は下部筐体72の下部に設けられ、排紙部90は下部筐体72の上部に設けられる。
画像形成部60は、軸線まわりに回転可能に設けられる像担持体である感光体ドラム3と、帯電手段である帯電ユニット61と、露光手段であるレーザスキャナユニット62と、現像手段である図2に示す現像装置1と、転写手段である転写ユニット63と、定着手段である定着装置64と、クリーニング手段であるクリーニングユニット65と、除電手段である除電装置66と、トナーホッパ29とを含む。帯電ユニット61およびレーザスキャナユニット62は、潜像形成手段に相当する。
帯電ユニット61、レーザスキャナユニット62、現像装置1、転写ユニット63、クリーニングユニット65および除電装置66は、この順に感光体ドラム3の周囲に感光体ドラム3の回転方向上流側から下流側に向かって配置される。本実施形態において感光体ドラム3は円柱状である。感光体ドラム3の形状は円柱状に限定されるものではなく、たとえば円筒状であってもよい。
現像装置1は2成分現像装置であり、トナーとキャリアとから成る2成分現像剤を用いて、後述する像担持体である感光体ドラム3に形成される静電潜像を現像し、トナー像を形成する。現像装置1は、感光体ドラム3を臨んで開口する開口部11を有し、トナーとキャリアとから成る2成分現像剤(以下、単に「現像剤」ということがある)が収容される現像剤収容容器12と、現像剤収容容器12内に現像剤収容容器12の開口部11の開口を介して感光体ドラム3に対向するように設けられ、感光体ドラム3に2成分現像剤中のトナーを供給する現像剤供給手段であるマグネットローラ13と、マグネットローラ13に対向するように設けられる穂立ち高さ規制部材14と、現像剤収容容器12内に回転可能に設けられ、現像剤収容容器12内の2成分現像剤を撹拌するとともに搬送し、マグネットローラ13に供給する第1撹拌搬送手段であるパドル15と、トナーホッパ29から補給されるトナーを現像剤収容容器12内の現像剤とともに撹拌してパドル15に搬送する第2撹拌搬送手段16とを含んで構成される。
現像剤収容容器12は、感光体ドラム3に開口部11を対向させて近接して配置される。現像剤収容容器12は、非磁性材料たとえば合成樹脂によって形成される。本実施形態において現像剤は、非磁性のトナーと磁性を有するキャリアとによって構成される。現像剤収容容器12内において現像剤は、たとえば第2の撹拌搬送手段16を覆い、かつ後述する汲上げ磁極N4に対向する現像スリーブ17を覆う参照符30で示される位置まで収容される。
マグネットローラ13は、感光体ドラム3に対向して軸線まわりに回転可能に設けられ、2成分現像剤を担持する現像剤担持体である現像スリーブ17と、現像スリーブ17に内包されるように固定して設けられ、現像スリーブ17の内方に磁極を形成する第1の磁極形成手段18とを含む。現像スリーブ17は、より詳細には感光体ドラム3から間隔を空けて、感光体ドラム3の回転軸線と平行な軸線まわりに回転可能に設けられる。本実施形態において現像スリーブ17は、図示しない駆動手段によって図2の紙面に向かって反時計まわりに矢符A方向に回転駆動される。現像スリーブ17の回転速度は、たとえば0.3m/s以上1.0m/s以下である。現像スリーブ17には、感光体ドラム3との間に電位差が生じるように、図示しない電源から電位が与えられる。
現像スリーブ17は本実施形態では円筒形状である。現像スリーブ17の外径寸法はたとえば25mmである。現像スリーブ17は、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼などの非磁性材料によって形成される。アルミニウム合金としては、たとえばアルミニウム(Al)−マンガン(Mn)系合金などが挙げられる。
第1の磁極形成手段18は、現像スリーブ17の半径方向内方に設けられる。第1の磁極形成手段18は、現像スリーブ17の半径方向内方に複数の磁極を形成する。本実施形態において第1の磁極形成手段18は、現像磁極N1、搬送磁極S1、搬送補助磁極N2、汲上げ補助磁極S3、汲上げ磁極N4、回収磁極S2および剥離磁極N3の7つの磁極を形成する。現像磁極N1、搬送補助磁極N2、剥離磁極N3および汲上げ磁極N4はN極の極性を有する磁極であり、搬送磁極S1、回収磁極S2および汲上げ補助磁極S3はS極の極性を有する磁極である。7つの磁極は、現像スリーブ17の回転方向上流側から下流側に向かって、現像磁極N1、回収磁極S2、剥離磁極N3、汲上げ磁極N4、汲上げ補助磁極S3、搬送補助磁極N2および搬送磁極S1の順に配置される。現像磁極N1は、感光体ドラム3に対向して形成される。より詳細には、現像磁極N1は、感光体ドラム3の回転中心と現像スリーブ17の回転中心とを結ぶ線分上に位置するように形成される。第1の磁極形成手段18は、永久磁石体によって実現される。より詳細には、第1の磁極形成手段18は、たとえば軸部材にシート状の永久磁石体を巻きつけることによって形成される。永久磁石体は、たとえばフェライトなどの硬質磁性材料によって形成される。第1の磁極形成手段18は、永久磁石体に限定されず、たとえば電磁石体によって実現されてもよい。
マグネットローラ13は、第1の磁極形成手段18によって形成される磁極の磁力によってキャリアを磁気的に吸着し、現像スリーブ17の外周面部である半径方向外方側の表面部に、キャリアとトナーとからなる磁気ブラシを形成させる。磁気ブラシは、第1の磁極形成手段18によって形成される磁極から放射される磁界に沿って形成される。マグネットローラ13は、現像スリーブ17を矢符A方向に回転させることによって、マグネットローラ13と感光体ドラム3との最近接対向部である現像領域21に現像剤を搬送し、磁気ブラシ中のトナーを感光体ドラム3の表面部に供給する。
穂立ち高さ規制部材14は、現像スリーブ17に対向するように設けられる。より詳細には、穂立ち高さ規制部材14は、搬送磁極S1に対向する位置に現像スリーブ17の半径方向外方から対向して設けられる。穂立ち高さ規制部材14と現像スリーブ17との間隙である規制ギャップ33の寸法Dは、たとえば0.5mm以上1.0mm以下である。本実施形態において穂立ち高さ規制部材14は、搬送磁極S1と現像スリーブ17の回転中心Oとを結んだ線分の延長線を含む領域に規制ギャップ33が形成されるように配置される。穂立ち高さ規制部材14は、現像スリーブ17の外周面部に2成分現像剤によって形成される磁気ブラシの穂の高さを規制する。「磁気ブラシの穂の高さ」とは、現像スリーブ17の外周面部から磁気ブラシの穂の先端部までの最短距離のことである。
穂立ち高さ規制部材14は、より詳細には非磁性材料から成る非磁性ブレード22と、磁性材料から成る磁性ブレード23とを含む。磁性ブレード23は、非磁性ブレード22の感光体ドラム3に対向する表面部と反対側の表面部に設けられる。非磁性ブレード22を構成する非磁性材料としては、たとえばアルミニウム、および日本工業規格(略称JIS)G4305に規定されるSUS316などのオーステナイト系ステンレス鋼などの非磁性金属材料が挙げられる。磁性ブレード23を構成する磁性材料としては、たとえばJIS G4305に規定されるSUS430などのフェライト系ステンレス鋼などの磁性金属材料が挙げられる。
現像装置1は、穂立ち高さ規制部材14よりも現像スリーブ17の回転方向上流側であって、汲上げ磁極N4に対向する位置よりも現像スリーブ17の回転方向下流側の位置に、第2の磁極形成手段24を備える。第2の磁極形成手段24は、現像スリーブ17に半径方向外方から対向して設けられる。より詳細には、第2の磁極形成手段24は、その一表面部が現像スリーブ17の外周面部に臨むように設けられる。第2の磁極形成手段24は、現像スリーブ17の軸線に平行な方向に延びて設けられ、より詳細には現像スリーブ17の軸線方向における第1の磁極形成手段18の全体にわたって対向して設けられる。本実施形態では、第2の磁極形成手段24と現像スリーブ17との間隔L1は、10mm以上50mm以下に選ばれる。
第2の磁極形成手段24は、第1の磁極形成手段18によって対向する位置に形成される対向磁極とは反対の極性の磁極(以下、チェーン形成用磁極ということがある)24aを形成する。本実施形態において対向磁極は搬送補助磁極N2であり、第2の磁極形成手段24は、搬送補助磁極N2に対向する位置に、搬送補助磁極N2とは反対の極性であるS極の磁極24aを形成する。
本実施形態のように現像スリーブ17の回転方向における穂立ち高さ規制部材14に対向する位置と汲上げ磁極N4との中間部に複数の磁極が形成される場合、形成される複数の磁極のうち、現像スリーブ17の回転方向の最下流側に形成される磁極が対向磁極に選ばれる。本実施形態では、穂立ち高さ規制部材14に対向する位置には搬送磁極S1が形成されるので、対向磁極には、搬送磁極S1よりも現像スリーブ17の回転方向上流側に形成される磁極のうち、搬送磁極S1に最も近い磁極、すなわち搬送磁極S1に隣接する磁極が選ばれる。
搬送補助磁極N2に対向する位置に、搬送補助磁極N2と反対の極性を有する磁極であるチェーン形成用磁極24aが形成されることによって、搬送補助磁極N2とチェーン形成用磁極24aとの間に互いに引合う磁界が形成される。この磁界によって、現像剤が鎖状に連なった磁気チェーン27が搬送補助磁極N2とチェーン形成用磁極24aとの間に形成される。
本実施形態において第2の磁極形成手段24は、永久磁石体によって実現される。第2の磁極形成手段24である永久磁石体24は角柱状であり、軸線に垂直な仮想平面における断面形状は長方形状である。永久磁石体24の形状はこれに限定されず、たとえば軸線に垂直な仮想平面における断面形状が正方形状であってもよい。永久磁石体24は、軸線が現像スリーブ17の軸線に平行になるように配置される。永久磁石体24は、軸線方向全体にわたって、軸線に垂直な方向における一方の表面部にS極を形成し、他方の表面部にN極を形成する。永久磁石体24は、S極であるチェーン形成用磁極24aが搬送補助磁極N2に対向するように配置される。第2の磁極形成手段24は、現像スリーブ17の軸線方向における搬送補助磁極N2の全体にわたって対向するようにチェーン形成用磁極24aを形成できるものであればよく、第2の磁極形成手段24である永久磁石体24はたとえば円柱状であってもよい。
本実施形態では、第2の磁極形成手段24は、現像剤収容容器12の内壁面部25に固定して設けられる。第2の磁極形成手段24は、たとえば接着剤によって内壁面部25に接着固定される。第2の磁極形成手段24は、接着剤に限定されず、たとえば両面粘着テープなどによって内壁面部25に固定されてもよい。また第2の磁極形成手段24は、ビスによって内壁面部25に固定されてもよい。ビスで固定することによって、第2の磁極形成手段24を取外し可能に取付けることができる。
第2の磁極形成手段24は、永久磁石体に限定されず、たとえば電磁石体によって実現されてもよいが、本実施形態のように永久磁石体によって実現される方が好ましい。第2の磁極形成手段24を永久磁石体で実現することによって、第2の磁極形成手段24をたとえばビスまたは接着剤などの簡便な固定手段によって現像剤収容容器12に取付けることができ、現像装置1を容易に製造することができる。また永久磁石体は、電力を供給する必要がないという利点も有する。永久磁石体は、たとえばフェライト、アルニコまたは希土類などの硬質磁性材料によって形成される。
図3は、第1の磁極形成手段18および第2の磁極形成手段24によって形成される磁極の磁束密度分布を表すグラフの一例を示す図である。図3に示される第1の磁極形成手段18によって形成される磁極の磁束密度曲線19は、現像スリーブ17の外周面の法線方向における磁束密度曲線である。図3に示される第2の磁極形成手段24によって形成されるチェーン形成用磁極24aの磁束密度曲線28aは、第2の磁極形成手段24の現像スリーブ17に対向する表面における磁束密度曲線であり、チェーン形成用磁極24aの反対側の磁極24bの磁束密度曲線28bは、第2の磁極形成手段24の現像スリーブ17に対向する表面と反対側の表面における磁束密度曲線である。図3に示される各磁束密度曲線19,28a,28bは、各位置における磁束密度の大きさを表す。「現像スリーブ17の外周面の法線方向における磁束密度」とは、現像スリーブ17の外周面における磁束密度を、現像スリーブ17の外周面の法線方向の成分と現像スリーブ17の外周面の接線方向の成分とに分解したときの法線方向の成分(以下、「磁束密度の法線方向成分」ということがある)のことである。
図3において、第1の磁極形成手段18によって形成される磁極の磁束密度曲線19を示すグラフの周方向軸は、現像磁極N1の位置を0°とし現像磁極N1から現像スリーブ17の回転方向上流側に向かう方向を正(+)としたときの現像スリーブ17の回転軸まわりの回転角度(°)を示し、放射方向軸は磁束密度(mT)を示す。図3では、第1の磁極形成手段18によって形成される磁極の磁束密度曲線19を現像スリーブ17に重ね合わせて示す。第1の磁極形成手段18によって形成される各磁極は、現像スリーブ17の周方向に沿って間隔を空けて、基準とする磁極たとえば現像磁極N1からの回転角度が所定の角度になる位置に形成される。搬送磁極S1の現像磁極N1からの回転角度は、たとえば76°である。搬送補助磁極N2の現像磁極N1からの回転角度は、たとえば112°である。汲上げ補助磁極S3の現像磁極N1からの回転角度は、たとえば144°である。汲上げ磁極N4の現像磁極N1からの回転角度は、たとえば176°である。剥離磁極N3の現像磁極N1からの回転角度は、たとえば230°である。回収磁極S2の現像磁極N1からの回転角度は、たとえば288°である。
図3に示すように、第1の磁極形成手段18によって形成される7つの磁極の磁束密度の法線方向成分の最大値であるピーク値は、本実施形態では現像磁極N1が最も大きく、回収磁極S2、搬送磁極S1、汲上げ補助磁極S3、搬送補助磁極N2、剥離磁極N3、汲上げ磁極N4の順に小さくなる。第2の磁極形成手段24は、対向磁極である搬送補助磁極N2の磁束密度の法線方向成分が最大になる位置Pと、現像スリーブ17の回転中心Oとを結んだ線分OPを延長した位置に設けられる。より詳細には、第2の磁極形成手段24は、搬送補助磁極N2の磁束密度の法線方向成分が最大になる位置Pと、現像スリーブ17の回転中心Oとを結んだ線分OPの延長線OQ上にチェーン形成用磁極24aが形成されるように設けられる。搬送補助磁極N2の磁束密度の法線方向成分が最大になる位置Pは、搬送補助磁極N2の位置であるので、チェーン形成用磁極24aは、現像スリーブ17の回転中心Oと搬送補助磁極N2とを結んだ線分OPの延長線OQ上に形成されることになる。また第2の磁極形成手段24は、対向磁極である搬送補助磁極N2と反対の極性であるS極の極性を有するチェーン形成用磁極24aが搬送補助磁極N2に対向し、チェーン形成用磁極24aの反対側の磁極24aが搬送補助磁極N2と同じN極の極性を有する磁極になるように設けられる。
搬送磁極S1の現像スリーブ17の外周面における磁束密度のピーク値は、搬送補助磁極N2の現像スリーブ17の外周面における磁束密度のピーク値よりも大きい値に選ばれる。第1の磁極形成手段18によって形成される磁極の現像スリーブ17の外周面における磁束密度(以下、「外周面磁束密度」ということがある)は、各磁極の位置において極大値をとり、また各磁極の位置では接線方向の成分が零(0)になるので、各磁極の現像スリーブ17の外周面における磁束密度のピーク値は、各磁極の現像スリーブ17の外周面における磁束密度の法線方向成分のピーク値に等しい。したがって、搬送磁極S1の現像スリーブ17の外周面における磁束密度のピーク値を搬送補助磁極N2の前記外周面における磁束密度のピーク値よりも大きくするために、搬送磁極S1の前記外周面における磁束密度の法線方向成分のピーク値は、搬送補助磁極N2の前記外周面における磁束密度の法線方向成分のピーク値よりも大きい値に選ばれる。
また搬送磁極S1の外周面磁束密度の法線方向成分のピーク値は、第2の磁極形成手段24によって形成されるチェーン形成用磁極24aの対向面磁束密度のピーク値よりも大きい値に選ばれる。これによって搬送磁極S1の外周面磁束密度のピーク値は、チェーン形成用磁極24aの対向面磁束密度のピーク値よりも大きくなる。「チェーン形成用磁極24aの対向面磁束密度」とは、第2の磁極形成手段24の現像スリーブ17に対向する表面(以下、「対向面」ということがある)におけるチェーン形成用磁極24aの磁束密度のことである。
また搬送補助磁極N2の外周面磁束密度の法線方向成分のピーク値は、第2の磁極形成手段24によって形成されるチェーン形成用磁極24aの対向面磁束密度のピーク値よりも大きい値に選ばれる。これによって搬送補助磁極N2の外周面磁束密度のピーク値は、チェーン形成用磁極24aの対向面磁束密度のピーク値よりも大きくなる。
搬送磁極S1の外周面磁束密度の法線方法成分のピーク値は、たとえば72mT(720ガウス)である。搬送補助磁極N2の外周面磁束密度の法線方向成分のピーク値は、たとえば56mT(560ガウス)である。チェーン形成用磁極24aの対向面磁束密度のピーク値は、たとえば45mT(450ガウス)である。また現像主極N1の外周面磁束密度の法線方向成分のピーク値は、たとえば110mT(1100ガウス)である。回収磁極S2の外周面磁束密度の法線方向成分のピーク値は、たとえば73mT(730ガウス)である。剥離磁極N3の外周面磁束密度の法線方向成分のピーク値は、たとえば44mT(440ガウス)である。汲上げ磁極N4の外周面磁束密度の法線方向成分のピーク値は、たとえば33mT(330ガウス)である。汲上げ補助磁極S3の外周面磁束密度の法線方向成分のピーク値は、たとえば48mT(480ガウス)である。
本発明において、第1の磁極形成手段18によって形成される各磁極の現像スリーブ17の外周面における磁束密度は、マグネットローラ13単独の状態、より詳細には現像スリーブ17に対向する位置に第2の磁極形成手段24が設けられていない状態で測定される磁束密度を意味する。また第2の磁極形成手段24によって形成されるチェーン形成用磁極24aの対向面における磁束密度は、第2の磁極形成手段24単独の状態、より詳細には対向する位置に第1の磁極形成手段18が設けられていない状態で測定される磁束密度を意味する。
現像装置1によれば、以下のようにして静電潜像が現像される。まず現像剤収容容器12内の現像剤が、第1および第2撹拌搬送手段15,16によって撹拌されて帯電され、マグネットローラ13の汲上げ磁極N4を臨む位置まで搬送される。汲上げ磁極N4を臨む位置まで搬送された現像剤は、汲上げ磁極N4の磁力によって現像スリーブ17に磁気的に吸着され、現像スリーブ17の外周面部にキャリアとトナーとからなる磁気ブラシを形成する。
磁気ブラシとして現像スリーブ17に担持される現像剤は、現像スリーブ17の回転に伴って、汲上げ磁極N4に対向する位置から、汲上げ補助磁極S3に対向する位置、搬送補助磁極N2に対向する位置、搬送磁極S1に対向する位置の順に現像スリーブ17の回転方向下流側に搬送され、穂立ち高さ規制部材14に対向する位置で磁気ブラシの穂の高さが規制される。また現像剤は穂立ち高さ規制部材14によって摩擦帯電される。
穂立ち高さ規制部材14に対向する位置を通過した現像剤は、現像スリーブ17の回転に伴って現像磁極N1に対向する位置である現像領域21に搬送される。現像領域21では、現像スリーブ17と感光体ドラム3との電位差によって、現像スリーブ17の外周面部に形成された磁気ブラシからトナーのみが感光体ドラム3に転移する。これによって、感光体ドラム3に形成された静電潜像が現像され、可視像であるトナー像が形成される。
感光体ドラム3に転移せずに現像スリーブ17に残留した現像剤は、現像領域21を通過し、回収磁極S2の磁力によって現像剤収容容器12内に搬送され、剥離磁極N3に対向する位置を経て、現像スリーブ17の回転方向における剥離磁極N3と汲上げ磁極N4との中間部に対向する位置に搬送される。現像スリーブ17の回転方向における剥離磁極N3と汲上げ磁極N4との中間部に対向する位置には、剥離磁極N3と汲上げ磁極N4とによって反発磁界が形成されているので、この位置に搬送された現像剤は反発磁界によって現像スリーブ17から剥離され、現像剤収容容器12内に回収される。
また穂立ち高さ規制部材14によって規制され、感光体ドラム3側に搬送されない余剰の現像剤は、穂立ち高さ規制部材14よりも現像スリーブ17の回転方向上流側であって、搬送補助磁極N2に対向する位置よりも現像スリーブ17の回転方向下流側の位置に滞留する。この滞留する現像剤は、新たに搬送されてくる現像剤と摺擦されることになる。
現像剤収容容器12に収容される2成分現像剤のうち、トナーは画像形成に伴って消費されるが、キャリアは、長期間たとえば一定の画像形成頻度または画像形成枚数に達するまで、入れ替えられることなく繰返し使用される。
キャリアは帯電鏡像力を有し、トナーとの摩擦帯電によってトナーと逆極性に帯電されるので、キャリアの表面部にはトナーが電気的に付着している。前述のようにキャリアは長期間繰返し使用されるので、繰返し使用されている間に外部から様々なストレスを受ける。たとえば現像剤は、現像装置1が設置されている周囲の環境の変化たとえば温度もしくは湿度の変化、現像装置1を長時間稼動させることによる装置内の各部からの発熱などのストレスを受ける。また現像剤は、穂立ち高さ規制部材14と現像スリーブ17との間の規制ギャップ33のような狭い間隙を現像剤が高速で移動することによって現像剤に与えられる負荷、または穂立ち高さ規制部材14付近に滞留する前述の現像剤との摺擦によって現像剤に与えられる負荷などのストレスを受ける。
これらのストレスによってキャリアの劣化が生じる。たとえば、キャリアの表面部にトナーが融着し、現像領域21に達してもキャリアから離れることなく搬送され、時間の経過とともにキャリア表面を覆う状態になる、いわゆるスペント現象が生じる。またキャリアとして、磁性粒子を樹脂などのコート材で被覆したコートキャリアが用いられる場合には、キャリアの表面を覆っているコート材が剥がれる、いわゆるコート剥がれ現象が生じる。スペント現象およびコート剥がれ現象などのキャリアの劣化が生じると、未使用状態においてキャリアが有している特性、たとえばキャリア本来の帯電能力が発揮されず、トナーの帯電量が不足し、たとえばトナーの飛散などが生じ、結果的に画像の劣化が引起される。
本実施形態では、現像スリーブ17の回転方向における汲上げ磁極N4と搬送磁極S1との間には、搬送補助磁極N2に対向するように第2の磁極形成手段24が設けられるので、搬送補助磁極N2と第2の磁極形成手段24のチェーン形成用磁極24aとによって磁気チェーン27が形成される。これによって現像剤の劣化を抑えることができる。
図4は、本実施形態において現像剤が搬送される様子を模式的に示す断面図である。図4(a)に示すように汲上げ磁極N4の磁力によって現像剤が現像スリーブ17に磁気的に吸着されて形成される磁気ブラシ26は、現像スリーブ17の回転に伴って矢符A方向に搬送される。磁気ブラシ26が搬送補助磁極N2を臨む位置まで搬送されると、図4(b)に示すように搬送補助磁極N2とチェーン形成用磁極24aとによって磁気チェーン27が形成される。形成された磁気チェーン27は、現像スリーブ17の更なる回転に伴って、図4(c)に示すように搬送補助磁極N2側の部分27aと第2の磁極形成手段24側の部分27bとに分離される。分離された磁気チェーン27のうち、搬送補助磁極N2側の部分27aが、穂立ち高さ規制部材14に向かって搬送される。
第2の磁極形成手段24が設けられていない場合、現像スリーブ17の回転方向における汲上げ磁極N4と搬送磁極S1との間には磁気チェーン27が形成されず、磁気チェーン27の分離が生じないので、現像剤は大きな塊のまま、穂立ち高さ規制部材14の感光体ドラム3に対向する表面部と反対側の表面部である他方の表面部、および滞留する現像剤に衝突することになり、また狭い規制ギャップ33に大量の現像剤が押し込められることになる。これによって、現像剤に高い負荷が与えられるので、現像剤の劣化、より詳細にはキャリアの劣化が生じやすくなる。
本実施形態では、現像スリーブ17の回転方向における汲上げ磁極N4と搬送磁極S1との間において磁気チェーン27を形成させて現像剤を分離し、細かい塊として穂立ち高さ規制部材14に向かって搬送することができるので、穂立ち高さ規制部材14の他方の表面部および滞留する現像剤に衝突するときに現像剤に与えられる負荷を小さくすることができる。また穂立ち高さ規制部材14と現像スリーブ17との規制ギャップ33に供給される現像剤の量を少なくすることができるので、規制ギャップ33を通過するときに現像剤に与えられる負荷を小さくすることができる。
また穂立ち高さ規制部材14に向かって搬送される現像剤には、チェーン形成用磁極24aによる磁気的吸引力が現像スリーブ17の回転方向と逆方向に作用する。このチェーン形成用磁極24aによる磁気的吸引力は現像スリーブ17の回転方向への現像剤の移動に対してブレーキとして働くので、穂立ち高さ規制部材14および滞留する現像剤に衝突する際の現像剤の速度を第2の磁極形成手段24が設けられない場合に比べて小さくすることができる。これによって、穂立ち高さ規制部材14および滞留する現像剤に衝突するときに、現像剤から穂立ち高さ規制部材14および滞留する現像剤に与えられる圧力を弱めることができるので、その反作用として穂立ち高さ規制部材14および滞留する現像剤から、搬送される現像剤に与えられる負荷を小さくすることができる。
このように本実施形態では、穂立ち高さ規制部材14および滞留する現像剤に衝突するときに現像剤に与えられる負荷を小さくすることができ、また規制ギャップ33を通過するときに現像剤に与えられる負荷を小さくすることができるので、現像剤の劣化、より詳細にはキャリアの劣化を抑制し、画像の劣化を抑えることができる。
また磁気チェーン27は、穂立ち高さ規制部材14に比べれば強度が弱く、柔軟性を有するので、穂立ち高さ規制部材14に搬送されずに残る第2の磁極形成手段24側の磁気チェーン27bに、新たに搬送されてきた現像剤が衝突するとき、第2の磁極形成手段24側に残る磁気チェーン27bは現像スリーブ17の回転方向下流側に移動することができる。また第2の磁極形成手段24側に残る磁気チェーン27bは、搬送されてくる現像剤の衝突によって、自らがチェーン状から個々の粒子に分解可能である。このように第2の磁極形成手段24側に残る磁気チェーン27bは、現像スリーブ17の回転方向下流側に移動可能であり、また個々の粒子に分解可能であるので、新たに搬送されてきた現像剤が衝突するときの衝撃を吸収することができる。したがって、現像剤への負荷をより確実に小さくすることができる。また磁気チェーン27は、搬送されてくる現像剤によって再生されるので、搬送されてくる現像剤を順次磁気チェーン27として分離し、現像スリーブ17側の部分27aを穂立ち高さ規制部材14に向かって搬送することができる。
図5は、現像剤に対する負荷と現像剤の流動速度の変化量との関係を表すグラフを示す図である。図5において横軸は、単位重量の現像剤が、穂立ち高さ規制部材14の現像スリーブ17の回転方向上流側の表面部である他方の表面部に衝突するときに、穂立ち高さ規制部材14から現像剤に与えられる負荷Fの大きさ(kgf・cm/kg)を示し、縦軸は、負荷Fが与えられた状態で現像装置を3時間空転させたときの空転前後の現像剤の流動速度の変化量(sec)を示す。図5に示す現像剤に対する負荷Fの値は、市販のトルクゲージを現像スリーブ17の図示しない駆動ギヤに直結し、現像スリーブ17が一定速度で回転するときの駆動トルク値として測定される。また現像剤の流動速度は、日本工業規格(JIS)Z2504に定められたかさ比重測定器を用い、1kgの現像剤が漏斗から落下するのに要する時間として測定される。
図5では、第2の磁極形成手段24が設けられる本実施形態の場合の結果を「△」および参照符95で示される直線で表し、第2の磁極形成手段24が設けられない場合の結果を「◆」および参照符96で示される直線で表す。図5から、現像剤に与えられる負荷Fが大きい程、空転前後における現像剤の流動速度の変化量が大きく、現像剤の劣化の度合が大きいことが判る。また第2の磁極形成手段24を設けることによって、現像剤に与えられる負荷Fを減少させることができることが判る。
本実施形態の現像装置1によれば、第2の磁極形成手段24を設け、磁気チェーン27を形成させることによって、前述のように現像剤に与えられる負荷Fを減少させることができるので、現像剤の劣化を抑制することができる。
また本実施形態では、第2の磁極形成手段24を設けることによって、規制ギャップ33に供給される現像剤の量を第2の磁極形成手段24が設けられない場合に比べて少なくするとともに、現像剤を安定して搬送することができる。第2の磁極形成手段24が設けられない場合、規制ギャップ33に供給される現像剤の量を少なくするためには、穂立ち高さ規制部材14よりも現像スリーブ17の回転方向上流側であって汲上げ磁極N4よりも現像スリーブ17の回転方向下流側に第1の磁極形成手段18によって形成される磁極の磁束密度を小さくすることが必要である。現像剤は、第1の磁極形成手段18の形成する磁極による磁気的吸引力によって現像スリーブ17の外周面部に吸着されるので、第1の磁極形成手段18の形成する磁極の磁束密度を小さくすると、現像剤を安定して搬送することができなくなるおそれがある。本実施形態のように第2の磁極形成手段24を設けると、第1の磁極形成手段18の形成する磁極の磁束密度を小さくしなくても、規制ギャップ33に供給される現像剤の量を少なくすることができる。したがって本実施形態では、規制ギャップ33に供給される現像剤の量を少なくし、規制ギャップ33を通過するときに与えられる現像剤への負荷を小さくするとともに、現像剤を安定して搬送することができるので、感光体ドラム3に形成される静電潜像を安定して現像することができる。
また本実施形態では、第2の磁極形成手段24を設けることによって、現像スリーブ17の回転速度を遅くすることなく、穂立ち高さ規制部材14および滞留する現像剤に衝突する際の現像剤の速度を遅くすることができる。第2の磁極形成手段24が設けられない場合、穂立ち高さ規制部材14などに衝突する際の現像剤の速度を遅くするためには、現像スリーブ17の回転速度を遅くすることが必要である。現像スリーブ17の回転速度を遅くすると、現像領域21への現像剤の搬送速度が遅くなるので、感光体ドラム3の回転速度を遅くすることが必要になり、画像形成装置2による画像形成速度が遅くなる。本実施形態では現像スリーブ17の回転速度を遅くする必要がないので、画像形成速度を維持したまま、穂立ち高さ規制部材14などに衝突する際の現像剤の速度を遅くし、現像剤への負荷を小さくすることができる。
チェーン形成用磁極24aと搬送補助磁極N2との間に形成される磁気チェーン27の強度は、磁気チェーン27を構成する各キャリアに生じる磁極とチェーン形成用磁極24aとの間に働く磁気力、および各キャリアに生じる磁極と搬送補助磁極N2との間に働く磁気力に依存する。磁極間に働く磁気力F[N]は、下記式(1)で表され、磁極間の距離r[m]の2乗に逆比例し、各磁極の磁気量m[Wb]およびm[Wb]に比例する。下記式(1)において、μは磁極間の媒質の比透磁率を示し、μは真空中の透磁率を示す。
Figure 2007316344
各磁極の磁気量mおよびmは各磁極の磁束密度に比例するので、磁極間に働く磁気力Fは各磁極の磁束密度に比例する。同様に、磁気チェーン27において、キャリアの磁極とチェーン形成用磁極24aとの間に働く磁気力は、チェーン形成用磁極24aの磁束密度に比例し、キャリアの磁極とチェーン形成用磁極24aとの間の距離の2乗に逆比例する。またキャリアの磁極と搬送補助磁極N2との間に働く磁気力は、搬送補助磁極N2の磁束密度に比例し、キャリアの磁極と搬送補助磁極N2との間の距離の2乗に逆比例する。
したがってチェーン形成用磁極24aおよび搬送補助磁極N2の磁束密度、ならびにチェーン形成用磁極24aと搬送補助磁極N2との間の距離のうち、いずれか1つまたは複数を調整することによって、磁気チェーン27の強度を調整することができる。本実施形態では、磁気チェーン27は現像スリーブ17と第2の磁極形成手段24との間に形成されるので、搬送補助磁極N2の現像スリーブ17の外周面における磁束密度である外周面磁束密度、およびチェーン形成用磁極24aの第2の磁極形成手段24の対向面における磁束密度である対向面磁束密度、ならびに現像スリーブ17と第2の磁極形成手段24との間隔L1のうち、いずれか1つまたは複数を調整することによって、磁気チェーン27の強度を調整することができる。磁気チェーン27の強度を調整することによって、たとえば、搬送補助磁極N2側から穂立ち高さ規制部材14側に搬送される現像剤の量を調整することができる。
前述のように本実施形態では、搬送磁極S1の外周面磁束密度の法線方向成分のピーク値は搬送補助磁極N2の外周面磁束密度の法線方向成分のピーク値よりも大きく、搬送磁極S1の外周面磁束密度のピーク値は搬送補助磁極N2の外周面磁束密度のピーク値よりも大きいので、搬送補助磁極N2側から穂立ち高さ規制部材14側に搬送される現像剤の量を、良好な品質の画像を得るのに適した量により確実にすることができる。
良好な品質の画像を得るためには、現像領域21において現像スリーブ17に担持されている現像剤の量(以下、「現像領域21における現像剤の担持量」ということがある)を最適化することが必要である。現像領域21における現像剤の担持量は、たとえば穂立ち高さ規制部材14と現像スリーブ17との隙間である規制ギャップ33の寸法D、および穂立ち高さ規制部材14に対向する搬送磁極S1の磁束密度の強度などによって調整される。したがって穂立ち高さ規制部材14およびその近傍には、現像スリーブ17の回転方向上流側から適量の現像剤が搬送される必要がある。穂立ち高さ規制部材14およびその近傍に適量の現像剤が搬送されず、たとえば搬送されてくる現像剤の量が過度に少ないと、現像領域21における現像剤の担持量が規制ギャップ33の寸法Dなどによって規定される量よりも少なくなり、現像領域21における現像剤の穂立ち高さが過度に低くなるおそれがある。現像領域21における現像剤の穂立ち高さが過度に低くなると、たとえば現像によって形成されるトナー像の濃度が薄くなるなどの画像欠陥が生じ、良好な品質の画像を形成できなくなるおそれがある。
搬送磁極S1の磁束密度の法線方向成分のピーク値が搬送補助磁極N2の磁束密度の法線方向成分のピーク値以下であり、搬送磁極S1の外周面磁束密度のピーク値が搬送補助磁極N2の外周面磁束密度のピーク値以下であると、搬送磁極S1による磁気的吸引力に比べて、搬送補助磁極N2とチェーン形成用磁極24aとの間に形成される磁気チェーン27の磁気的結合力が強くなりすぎ、穂立ち高さ規制部材14側に現像剤が搬送されない、または搬送される現像剤の量が過度に少なくなるおそれがある。
本実施形態では、前述のように搬送磁極S1の外周面磁束密度の法線方向成分のピーク値を、搬送補助磁極N2の外周面磁束密度の法線方向成分のピーク値よりも大きくし、搬送磁極S1の外周面磁束密度のピーク値を搬送補助磁極N2の外周面磁束密度のピーク値よりも大きくするので、現像剤を穂立ち高さ規制部材14側により確実に搬送することができ、穂立ち高さ規制部材14側に搬送される現像剤の量が過度に少なくなることを防ぐことができる。したがって搬送補助磁極N2側から穂立ち高さ規制部材14側に搬送される現像剤の量を、良好な品質の画像を得るのに適した量により確実にすることができるので、良好な品質の画像をより確実に形成することができる。
また本実施形態では、搬送磁極S1の外周面磁束密度の法線方向成分のピーク値は、チェーン形成用磁極24aの対向面磁束密度のピーク値よりも大きく、搬送磁極S1の外周面磁束密度のピーク値は、チェーン形成用磁極24aの対向面磁束密度のピーク値よりも大きいので、磁気チェーン27の磁気的結合力が搬送磁極S1による磁気的吸引力に比べて過度に強くなることをより確実に防ぐことができる。したがって現像剤を穂立ち高さ規制部材14側に一層確実に搬送させることができ、穂立ち高さ規制部材14側に搬送される現像剤の量が過度に少なくなることをより確実に防ぐことができる。
また本実施形態では、搬送補助磁極N2の外周面磁束密度の法線方向成分のピーク値は、チェーン形成用磁極24aの対向面磁束密度のピーク値よりも大きく、搬送補助磁極N2の外周面磁束密度のピーク値は、チェーン形成用磁極24aの対向面磁束密度のピーク値よりも大きい。これによって磁気チェーン27の磁気的結合力が搬送磁極S1による磁気的吸引力に比べて過度に強くなることを一層確実に防ぐことができるので、現像剤を穂立ち高さ規制部材14側に一層確実に搬送させることができる。
また磁束密度は磁極から離れるほど小さくなるので、チェーン形成用磁極24の現像スリーブ17の外周面における磁束密度である外周面磁束密度のピーク値は、チェーン形成用磁極24aの対向面磁束密度のピーク値よりも小さい。したがって搬送補助磁極N2の外周面磁束密度のピーク値をチェーン形成用磁極24aの対向面磁束密度のピーク値よりも大きくすることによって、搬送補助磁極N2の外周面磁束密度のピーク値をチェーン形成用磁極24aの外周面磁束密度のピーク値よりも大きくすることができる。搬送補助磁極N2の外周面磁束密度のピーク値をチェーン形成用磁極24aの外周面磁束密度のピーク値よりも大きくすることによって、現像スリーブ17の外周面において搬送補助磁極N2からキャリアに作用する磁気力を、チェーン形成用磁極24aからキャリアに作用する磁気力よりも大きくすることができる。これによって磁気チェーン27のうち分離されて穂立ち高さ規制部材14側に搬送される現像スリーブ17側の部分27aが少なくなり過ぎることを防ぐことができるので、穂立ち高さ規制部材14側に搬送される現像剤の量が過度に少なくなることを一層確実に防ぐことができる。
チェーン形成用磁極24aの対向面磁束密度のピーク値は、対向磁極である搬送補助磁極N2の外周面磁束密度のピーク値よりも、10mT(100ガウス)以上20mT(200ガウス)以下低い値であることが好ましい。換言すると、チェーン形成用磁極24aの対向面磁束密度のピーク値は、搬送補助磁極N2の外周面磁束密度のピーク値から20mTを差引いた値以上、搬送補助磁極N2の外周面磁束密度のピーク値から10mTを差引いた値以下であることが好ましい。チェーン形成用磁極24aの対向面磁束密度のピーク値が、搬送補助磁極N2の外周面磁束密度のピーク値から20mTを差引いた値よりも小さいと、チェーン形成用磁極24aの磁気力が弱くなり過ぎ、チェーン形成用磁極24aと搬送補助磁極N2との間に形成される磁気チェーン27の強度が弱くなり、本発明の効果が充分に発揮されないおそれがある。チェーン形成用磁極24aの対向面磁束密度のピーク値が、搬送補助磁極N2の外周面磁束密度のピーク値から10mTを差引いた値よりも大きいと、チェーン形成用磁極24aの磁気力が強くなり過ぎ、搬送磁極S1とチェーン形成用磁極24aとの反発作用によって、搬送補助磁極N2とチェーン形成用磁極24aとの間に磁気チェーン27が形成できなくなるおそれがある。
本実施形態のように穂立ち高さ規制部材14に対向する位置に磁極(以下、「規制部材対向磁極」ということがある)が形成される場合、現像スリーブ17の周方向における規制部材対向磁極とチェーン形成用磁極24aに対向する対向磁極(以下、「チェーン側対向磁極」ということがある)との極間角度、すなわち本実施形態における搬送磁極S1と搬送補助磁極N2との極間角度は、30°以上45°以下であることが好ましい。規制部材対向磁極とチェーン側対向磁極との極間角度が30°未満であると、チェーン側対向磁極に対向して形成されるチェーン形成用磁極24aが規制部材対向磁極に近くなり過ぎ、チェーン形成用磁極24aと規制部材対向磁極との反発作用によって、磁気チェーン27を形成することができなくなるおそれがある。規制部材対向磁極とチェーン側対向磁極との極間角度が45°を超えると、現像剤の劣化が抑制されるという本発明の効果が充分に発揮されないおそれがある。
本実施形態では、チェーン形成用磁極24aに対向する対向磁極は、現像スリーブ17の回転方向における穂立ち高さ規制部材14に対向する位置と汲上げ磁極N4との中間部に形成される複数の磁極のうち、現像スリーブ17の回転方向の最下流側に形成される磁極である搬送補助磁極N2である。対向磁極は、これに限定されず、たとえば搬送補助磁極N2よりも現像スリーブ17の回転方向上流側の磁極であってもよいが、本実施形態のように前記中間部における現像スリーブ17の回転方向の最下流側に形成される磁極であることが好ましい。前記中間部における現像スリーブ17の回転方向の最下流側に形成される磁極を対向磁極とすることによって、たとえば、穂立ち高さ規制部材14への現像剤の搬送量をより容易に調整することができる。
また本実施形態では、穂立ち高さ規制部材14は非磁性ブレード22と磁性ブレード23とを含んで構成される。穂立ち高さ規制部材14は非磁性ブレード22のみによって構成されてもよいが、磁性ブレード23を含んで構成されることが好ましい。磁性ブレード23が設けられることによって、磁性ブレード23と現像スリーブ17との間に磁気チェーンが形成される。形成された磁気チェーンは、現像スリーブ17の回転によって、その回転方向に搬送される力を受ける。磁気チェーンは、磁性ブレード23による磁気的吸引力、搬送磁極S1による磁気的吸引力、および現像スリーブ17の回転によって回転方向に与えられる力が均衡した位置で千切れ、磁性ブレード23側の部分と現像スリーブ17側の部分とに分離される。現像スリーブ17側の磁気チェーンが非磁性ブレード22と現像スリーブ17との間の規制ギャップ33を通過し、現像領域21に搬送されるので、穂立ち高さ規制部材14と現像スリーブ17との間の規制ギャップ33の寸法Dよりも低い高さで現像剤の穂立ちが形成される。
穂立ち高さ規制部材14と現像スリーブ17との間の規制ギャップ33が狭いほど、現像剤が規制ギャップ33を通過するときに現像スリーブ17に加わるトルクが大きくなり、現像剤に加わる負荷が大きくなるので、現像剤の劣化が早くなる。本実施形態では、穂立ち高さ規制部材14は磁性ブレード23を含むので、穂立ち高さ規制部材14が非磁性ブレード22のみによって構成される場合よりも規制ギャップ33の寸法Dを大きくして、目的とする穂立ち高さを達成することができる。したがって、現像剤が規制ギャップ33を通過するときに現像スリーブ17に加わるトルクを小さくし、現像剤に加わる負荷を小さくすることができるので、現像剤の劣化をより確実に防止することができる。また非磁性ブレード22のみによって構成される場合に比べて規制ギャップ33の寸法Dを大きくできることによって、現像装置1を構成する各部品の寸法精度および規制ギャップ33の調整精度の許容幅が広くなるので、製造原価を低減することができる。
また本実施形態では、現像スリーブ17と第2の磁極形成手段24との間隔L1は、10mm以上50mm以下である。現像スリーブ17と第2の磁極形成手段24との間隔L1は、これに限定されるものではなく、現像スリーブ17と第2の磁極形成手段24との間に磁気チェーン27を形成することができ、また形成される磁気チェーン27の強度を適度なものとすることができるように、チェーン形成用磁極24aおよび対向磁極である搬送補助磁極N2の磁束密度などに応じて選択される。
現像装置1は、さらに現像剤収容容器12の下方に排気手段34を備える。排気手段34は、排気ファン35と、排気ダクト36とを含んで構成される。排気ファン35は、感光体ドラム3と現像剤収容容器12との隙間から開口部11を通じて外気が現像剤収容容器12内に流入するように、現像剤収容容器12内を負圧に維持するべく現像剤収容容器12内の空気を吸引して現像剤収容容器12外へ排出する。これによって、現像剤収容容器12内に収容される現像剤が開口部11を通じて外部に排出されることを防止することができる。排気ダクト36は、現像剤収容容器12の下方に、感光体ドラム3の軸線方向全体にわたって形成される。感光体ドラム3と現像剤収容容器12との隙間から開口部11を通じて現像剤収容容器12内に流入した空気は、マグネットローラ13の周囲を通り、現像剤収容容器12の下部の吸気口部37および38に形成された2つの吸気口を通って排気ダクト36に流入した後、排気ファン35によって現像装置1の外部に排出される。排出される空気は、現像剤収容容器12内の流路中において、図示しないフィルタによって除塵された後に排出される。
現像装置1の現像剤収容容器12には、図1に示すようにトナーホッパ29が接続される。トナーホッパ29は、内部に補給用のトナーを収容し、現像剤収容容器12内にトナーを補給する。現像剤収容容器12内に補給されたトナーは、第2の撹拌搬送手段16によって現像剤収容容器12内に収容されていたトナーおよびキャリアとともに撹拌され、パドル15に搬送される。
現像装置1は、図1に示す画像形成装置2に備えられる。現像装置1とともに画像形成部60を構成する帯電ユニット61は、感光体ドラム3の外周面部を帯電させる。レーザスキャナユニット62は、帯電された感光体ドラム3を露光する。転写ユニット63は、現像によって形成される可視像であるトナー像を記録媒体である記録用紙に転写させる。転写ユニット63は、たとえばコロナチャージャによって実現される。定着装置64は、転写されたトナー像を記録用紙に定着させる。より詳細には、定着装置64は、内部に加熱源69を備える加熱ローラ67と、加熱ローラ67の表面部に弾発的に当接する加圧ローラ68とを有する。クリーニングユニット65は、クリーニングブレード70を備え、転写ユニット63による転写動作後に感光体ドラム3の外周面部に残留するトナーをクリーニングブレード70によって掻き取って除去し、感光体ドラム3の外周面部を清浄化する。除電装置66は、クリーニングユニット65による清浄化後の感光体ドラム3の外周面部を除電する。
原稿読取部40は、原稿が載置される第1プラテンガラス41と、原稿送給部44から原稿が送給される第2プラテンガラス42と、第1プラテンガラス41に載置される原稿または第2プラテンガラス42に送給される原稿から画像情報を読取り、得られた画像情報を図示しない画像処理部に出力するコピーランプユニット43と、第2プラテンガラス42に原稿を送給する原稿送給部44とを含む。コピーランプユニット43は、上部筐体71の内部に設けられる。また原稿送給部44は、上部筐体71の上方に設けられる。
コピーランプユニット43は、第1プラテンガラス41に載置される原稿または第2プラテンガラス42に送給される原稿に光を照射する光源であるコピーランプ45と、原稿からの反射光像を予め定められる方向に偏光する第1ミラー46と、第1ミラー46によって偏光された原稿からの反射光像をさらに予め定められる方向に順次偏光する第2および第3ミラー47,48と、第3ミラー48によって偏向された原稿からの反射光像を縮小し、光電変換素子(Charge Coupled Device;略称CCD)ユニット50に結像させる光学レンズ49と、光学レンズ49によって結像される原稿からの反射光像を光電変換し、電気的信号として画像処理部に出力するCCDユニット50とを含む。
原稿送給部44は、原稿が載置される原稿トレイ51と、原稿トレイ51に載置される原稿を原稿搬送路56に送給する給紙ローラ53と、給紙ローラ53によって送給される原稿を一時的に保持し、タイミングを計って第2プラテンガラス42に送給するレジストローラ54と、画像情報を読取られた後の原稿が排出される原稿排紙トレイ55とを含む。
給紙部80は、下部筐体72の内部に設けられ、記録媒体である記録用紙が収容される給紙カセット81と、下部筐体72の側面部から突出して設けられ、記録用紙が載置される手差しトレイ82と、給紙カセット81に収容される記録用紙を第1搬送路83に送給する第1給紙ローラ84と、手差しトレイ82に載置される記録用紙を第2搬送路85に送給する第2給紙ローラ86と、記録用紙を一時的に保持し、タイミングを計って画像形成部60に送給するレジストローラ87とを含む。
排紙部90は、画像形成部60の定着装置64でトナー像が定着された記録用紙を排紙トレイ91に排出させる排紙ローラ92と、排紙ローラ92によって排出される記録用紙を収容する排紙トレイ91とを含む。
画像形成装置2は、画像形成(以下、「印刷」ということがある)モードとして、複写モード(以下、「コピアモード」ということがある)、プリンタモードおよびファクシミリモードを有する。不図示の操作部からの操作入力、パーソナルコンピュータなどの外部ホスト装置からの印刷ジョブの受信に応じて、前述の印刷モードの中から対応する印刷モードが後述する不図示の制御部によって選択される。
前述の印刷モードのうち、コピアモードの場合には以下のようにして画像が形成される。使用者が原稿読取部40の第1プラテンガラス41に原稿を載置し、給紙部80の給紙カセット81または手差しトレイ82に記録用紙を供給し、さらに上部筐体71の図1の紙面に向かって手前側に配置される不図示の操作パネルの条件入力キーにて印刷枚数、印刷倍率などを入力した後、操作パネルのスタートキーを操作すると、複写(コピー)動作が開始される。
スタートキーが操作されると、不図示のメイン駆動モータが始動し、不図示の各駆動ギヤが回転する。次いで、給紙部80の第1給紙ローラ84または第2給紙ローラ86が回転して記録用紙が第1搬送路83または第2搬送路85に送出(給紙)され、一対のレジストローラ87に到達して捕捉される。このレジストローラ87によって、記録用紙は、感光体ドラム3の表面部に形成されるトナー像の先端部すなわち画像形成開始部が転写ユニット63の設けられる位置に達するタイミングと、記録用紙の画像形成予定領域が転写ユニット63の設けられる位置に達するタイミングとの同期をとるために一時停止される。またこのとき、記録用紙の先端部がレジストローラ87に均一に押しつけられて記録用紙の先端位置の補正が行なわれる。
また原稿読取部40では、コピーランプ45が点灯し、コピーランプユニット43が図1の紙面に向かって左から右に向かう方向である矢符C方向に移動を開始することによって原稿への露光が開始される。コピーランプ45から原稿に照射された照射光は、原稿によって反射されて原稿の画像情報を含む反射光となる。この原稿からの反射光は、第1ミラー46、第2ミラー47、第3ミラー48および光学レンズ49を介してCCDユニット50に入射する。これによって原稿の画像情報が光学的信号として読取られる。
光学的信号として読取られた原稿の画像情報は、CCDユニット50内の不図示のCCD回路によって電気的信号に変換されて画像処理部に出力される。画像処理部では、入力された画像情報に対して設定された条件で画像処理が行われ、この画像処理が行なわれた画像情報が、画像形成部60のレーザスキャナユニット62にプリントデータとして送信される。
また画像形成部60では、帯電ユニット61によって、感光体ドラム3の外周面部の一部分が感光体ドラム3の軸方向全体にわたって所定の電位に帯電され、さらに感光体ドラム3が回転することによって感光体ドラム3の外周面部全体が所定の電位に帯電される。帯電された感光体ドラム3の外周面部は、感光体ドラム3の回転によって次の工程に順次移動する。
レーザスキャナユニット62では、図示しないけれども、回転方向に複数の反射面を有したポリゴンミラー(回転多面鏡)および各種光学系によって、半導体レーザから出射されたレーザ光が、画像処理部から入力されたプリントデータに応じて偏向されながら感光体ドラム3に照射される。これによって、レーザ光が帯電ユニット61によって帯電された感光体ドラム3の外周面部に走査され、感光体ドラム3の外周面部に静電潜像が形成される。
その後、現像装置1の現像剤収容容器12内のマグネットローラ13によって、現像剤収容容器12に収容される現像剤中のトナーが、回転する感光体ドラム3の外周面部に供給される。トナーは、静電潜像を形成する電位ギャップに応じて感光体ドラム3の外周面部に付着する。これによって静電潜像が顕像化(現像)され、トナー像が形成される。
また給紙部80のレジストローラ87によってタイミングを計って、画像が形成されるべき記録用紙が、感光体ドラム3と転写ユニット63との間の転写位置に送給される。転写位置では、転写ユニット63によって感光体ドラム3の外周面部に形成されたトナー像が記録用紙に転写される。
トナー像が転写された記録用紙は、定着装置64に搬送され、定着装置64の加熱ローラ67と加圧ローラ68との間を通過するときに熱および圧力が加えられる。これによって、記録用紙の表面部の未定着トナーが溶融して記録用紙に固着され、定着される。トナー像が定着された記録用紙は、排紙部90の排紙ローラ92によって排紙トレイ91に排出される。
また記録用紙に転写されずに感光体ドラム3の外周面部に残留したトナーは、クリーナーユニット65のクリーニングブレード70によって掻き取られ、回収される。クリーニングブレード70によって残留するトナーが掻き取られた感光体ドラム3の外周面部は、帯電ユニット61の配置される位置に移動する途中で除電装置66によって除電される。感光体ドラム3の外周面部は、除電する必要がない場合には、除電装置66によって除電されなくてもよい。
以上に述べた実施形態では、原稿は、使用者によって第1プラテンガラス41に載置されて停止状態で画像情報を読取られるけれども、原稿送給部44によって第2プラテンガラス42に送給されている状態で画像情報を読取られてもよい。この場合、原稿は、原稿読取部40の原稿トレイ51に載置される。
このように原稿読取部40の原稿トレイ51に原稿が載置されていることが図示しないセンサによって検出されている場合にスタートキーが操作されると、原稿送給部44の給紙ローラ53が回転し、原稿トレイ51に載置された原稿が原稿搬送路56に送給される。原稿搬送路56に送給された原稿は、原稿搬送路56に設けられるレジストローラ54によって捕捉され、原稿先端の位置決めが行われた後、所定のタイミングで原稿読取位置である第2プラテンガラス42の設けられる位置に搬送される。コピーランプユニット43は、原稿読取位置である所定の停止位置に停止したまま、搬送中の原稿を露光する。この露光によって得られた原稿からの反射光が前述のようにして原稿画像として読取られる。このようにして画像情報が読取られた原稿は、原稿排紙トレイ55に排出される。
前述のプリンタモードの場合には、画像読取部40は動作せず、パーソナルコンピュータなどの外部ホスト装置から入力される画像情報に応じて画像が形成される。またファクシミリモードの場合には、通信回線を介して入力される画像情報に応じて画像が形成される。
本実施形態において画像形成装置2に備わる現像装置1は、図2に示すように第2の磁極形成手段24を備え、搬送補助磁極N2とチェーン形成用磁極24aとの間には、磁気チェーン27が形成される。この磁気チェーン27は現像スリーブ17の回転によって分離されるので、図4に示すように搬送されてきた現像剤の磁気ブラシ26を分離して、細かい塊として穂立ち高さ規制部材14に搬送することができる。これによって、穂立ち高さ規制部材14から現像剤に与えられる負荷を減少させ、劣化キャリアの増加を抑制することができる。したがって、本実施形態の画像形成装置2によれば、劣化キャリアの増加を抑制し、画像の劣化を抑えることができる。
本実施形態の現像装置1では、第2の磁極形成手段24は現像剤収容容器12の内方、より詳細には現像剤収容容器12の内壁面部25に設けられるが、第2の磁極形成手段が設けられる位置はこれに限定されない。図6は、本発明の実施の他の形態である現像装置10の構成を簡略化して示す断面図である。たとえば第2の磁極形成手段97は、現像剤収容容器12の外方、より詳細には現像剤収容容器12の外壁面部98に設けられてもよい。図6に示す現像装置10では、現像スリーブ17と第2の磁極形成手段97との間隔L2は、20mm以上100mm以下に選ばれる。図6に示す本実施形態の現像装置10は、図2に示す前述の実施形態の現像装置1と類似し、対応する部分については同一の参照符号を付して説明を省略する。
第2の磁極形成手段97を現像剤収容容器12の外方に設ける場合、現像剤収容容器12の材質によっては磁力線が遮断され、磁気チェーン27が形成される領域である現像スリーブ17と現像剤収容容器12の内壁面部25との間の領域においてチェーン形成用磁極97aの磁力が作用する範囲が狭くなり、たとえば対向磁極である搬送補助磁極N2とチェーン形成用磁極97aとの間に磁気チェーン27を形成することができなくなるおそれがある。また現像剤収容容器12の内方に設けられる場合に比べて、第2の磁極形成手段97とマグネットローラ13との距離が長くなり、すなわち第2の磁極形成手段97と現像スリーブ17との間隔L2が大きくなり、磁力線が遮断される場合と同様、磁気チェーン27の形成可能な領域においてチェーン形成用磁極97aの磁力が作用する範囲が狭くなるので、磁気チェーン27を形成できなくなるおそれがある。したがって、現像剤収容容器12の外方に第2の磁極形成手段97を設ける場合には、搬送補助磁極N2との間に磁気チェーン27が形成されるように、現像剤収容容器12の材質、第2の磁極形成手段97とマグネットローラ13との距離などを考慮して、チェーン形成用磁極97aの磁力を調整する、より詳細には磁力の作用する範囲の縮小分、チェーン形成用磁極97aの磁力を強くする必要がある。
このようにチェーン形成用磁極97aの磁力を作用範囲の縮小分強くするために、本実施形態では、第2の磁極形成手段97の現像スリーブ17に対向する表面におけるチェーン形成用磁極97aの磁束密度である対向面磁束密度のピーク値は、搬送補助磁極N2の現像スリーブ17の外周面における磁束密度である外周面磁束密度のピーク値よりも大きい値に選ばれる。チェーン形成用磁極97aの対向面磁束密度のピーク値を搬送補助磁極N2の外周面磁束密度のピーク値よりも大きくすることによって、磁気チェーン27をより確実に形成させることができる。
またチェーン形成用磁極97aの磁束密度は、第2の磁極形成手段97と現像スリーブ17との間に介在される現像剤収容容器12の内壁面における磁束密度のピーク値が、搬送補助磁極N2の現像スリーブ17の外周面における磁束密度のピーク値よりも小さくなるように選ばれる。これによって、磁気チェーン27の磁気的結合力が搬送磁極S1による磁気的吸引力に比べて過度に強くなることを一層確実に防ぐことができるので、現像剤を穂立ち高さ規制部材14側に一層確実に搬送させることができる。また搬送補助磁極N2の外周面磁束密度のピーク値をチェーン形成用磁極97aの外周面磁束密度のピーク値よりも大きくすることができるので、現像スリーブ17の外周面において搬送補助磁極N2からキャリアに作用する磁気力を、チェーン形成用磁極97aからキャリアに作用する磁気力よりも大きくすることができる。したがって磁気チェーン27のうち分離されて穂立ち高さ規制部材14側に搬送される現像スリーブ17側の部分27aが少なくなり過ぎることを防ぐことができるので、穂立ち高さ規制部材14側に搬送される現像剤の量が過度に少なくなることを一層確実に防ぐことができる。
以上に述べたように、本実施の形態ではチェーン形成用磁極97aの対向面磁束密度のピーク値は、搬送補助磁極N2の外周面磁束密度のピーク値よりも大きい値に選ばれるが、チェーン形成用磁極97aの対向面磁束密度のピーク値はこれに限定されず、第2の磁極形成手段97と現像スリーブ17との間隔L2に応じて選ばれる。より詳細には、第2の磁極形成手段97と現像スリーブ17との間に介在される現像剤収容容器12の内壁面において、チェーン形成用磁極97aの磁束密度のピーク値が、搬送補助磁極N2の磁束密度のピーク値よりも大きい値になる範囲であれば、チェーン形成用磁極97aの対向面磁束密度のピーク値は、搬送補助磁極N2の外周面磁束密度のピーク値以下であってもよい。
また対向磁極である搬送補助磁極N2の外周面磁束密度のピーク値は、前述の図2に示す現像装置1のように第2の磁極形成手段24が現像剤収容容器12の内方に設けられる場合にはチェーン形成用磁極24aの対向面磁束密度のピーク値よりも大きい値に選ばれ、図6に示す現像装置10のように第2の磁極形成手段97が現像剤収容容器12の外方に設けられる場合にはチェーン形成用磁極97aの現像剤収容容器12の内壁面における磁束密度のピーク値よりも大きい値に選ばれる。図2に示す現像装置1において、第2の磁極形成手段24の現像スリーブ17に対向する表面部である対向面部は現像スリーブ17の外周面部に臨む表面部であり、磁気チェーン27は現像スリーブ17の外周面部と第2の磁極形成手段24の対向面部との間に形成される。また図6に示す現像装置10において、現像スリーブ17と第2の磁極形成手段97との間に介在される現像剤収容容器12の内壁面部25は、現像スリーブ17の外周面部に臨む表面部であり、磁気チェーン27は現像スリーブ17の外周面部と内壁面部25との間に形成される。
このように磁気チェーン27は、現像スリーブ17の外周面部と、現像スリーブ17の外周面部に臨む表面部との間に形成される。したがって、対向磁極である搬送補助磁極N2の現像スリーブ17の外周面における磁束密度のピーク値は、現像スリーブ17の外周面部に臨む表面におけるチェーン形成用磁極24aまたは97aの磁束密度のピーク値よりも大きい値に選ばれることが好ましい。これによって、磁気チェーン27の磁気的結合力が搬送磁極S1による磁気的吸引力に比べて過度に強くなることをより確実に防ぐことができるので、現像剤を穂立ち高さ規制部材14側により確実に搬送させることができる。また現像スリーブ17の外周面において搬送補助磁極N2からキャリアに作用する磁気力を、チェーン形成用磁極24aまたは97aからキャリアに作用する磁気力よりも大きくすることができるので、穂立ち高さ規制部材14側に搬送される現像剤の量が過度に少なくなることをより確実に防ぐことができる。
また前述の図2に示す現像装置1および図6に示す現像装置10では、N極であるN1極を感光体ドラム3に対向する現像磁極としているけれども、これに限定されず、現像磁極はS極であってもよい。この場合、第1の磁極形成手段18は、本実施形態においてN極が形成されている位置にS極を形成し、S極が形成されている位置にN極を形成することのできるものであればよい。
また前述の図2に示す現像装置1および図6に示す現像装置10では、第1の磁極形成手段18は7つの磁極を形成するが、第1の磁極形成手段18が形成する磁極の数は、これに限定されるものではない。たとえば第1の磁極形成手段18は、3つのN極であるN1極、N2極およびN3極と、2つのS極であるS1極およびS2極との5つの磁極を形成するものであってもよい。この場合、たとえばN1極を感光体ドラム3に対向するように形成するとともに、反発磁界によって現像スリーブ17から現像剤を剥離させることができるように1箇所で同極性の磁極が隣合い、かつその他の箇所で極性の異なる磁極同士が隣合うように現像スリーブ17の回転方向に沿って各磁極を形成させればよい。
本発明の実施の一形態である現像装置1を備える本発明の実施の他の形態である画像形成装置2の構成を簡略化して示す断面図である。 本発明の実施の一形態である現像装置1の構成を簡略化して示す断面図である。 第1の磁極形成手段18および第2の磁極形成手段24によって形成される磁極の磁束密度分布を表すグラフの一例を示す図である。 本実施形態において現像剤が搬送される様子を模式的に示す断面図である。 現像剤に対する負荷と現像剤の流動速度の変化量との関係を表すグラフを示す図である。 本発明の実施の他の形態である現像装置10の構成を簡略化して示す断面図である。
符号の説明
1,10 現像装置
2 画像形成装置
3 感光体ドラム
12 現像剤収容容器
13 マグネットローラ
14 穂立ち高さ規制部材
15 第1撹拌搬送手段
16 第2撹拌搬送手段
17 現像スリーブ
18 第1の磁極形成手段
24,97 第2の磁極形成手段
27 磁気チェーン

Claims (7)

  1. 像担持体に形成される静電潜像を、トナーとキャリアとから成る2成分現像剤を用いて現像する現像装置であって、
    2成分現像剤を収容可能な現像剤収容容器と、
    回転可能に設けられ、現像剤収容容器に収容される2成分現像剤を担持して像担持体に搬送する現像剤担持体と、
    現像剤担持体に対向して設けられ、現像剤担持体に担持される2成分現像剤の穂立ち高さを規制する穂立ち高さ規制部材と、
    現像剤担持体に内包され、現像剤収容容器に収容される2成分現像剤を現像剤担持体の表面部に汲上げる汲上げ磁極を含む複数の磁極を形成する第1の磁極形成手段と、
    穂立ち高さ規制部材よりも現像剤担持体の回転方向上流側であって、汲上げ磁極に対向する位置よりも現像剤担持体の回転方向下流側の位置に現像剤担持体に半径方向外方から対向して設けられ、第1の磁極形成手段によって対向する位置に形成される対向磁極とは反対の極性の磁極を形成する第2の磁極形成手段とを備えることを特徴とする現像装置。
  2. 第2の磁極形成手段によって形成される磁極は、現像剤担持体の回転中心と対向磁極とを結んだ線分の延長線上に形成されることを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
  3. 第2の磁極形成手段は、永久磁石体であることを特徴とする請求項1または2に記載の現像装置。
  4. 穂立ち高さ規制部材に対向する位置に第1の磁極形成手段によって形成される磁極の現像剤担持体の外周面における磁束密度のピーク値は、第2の磁極形成手段によって形成される磁極の第2の磁極形成手段の現像剤担持体に対向する表面における磁束密度のピーク値、および対向磁極の現像剤担持体の外周面における磁束密度のピーク値よりも大きいことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の現像装置。
  5. 第2の磁極形成手段は、現像剤収容容器の内方に設けられ、
    第2の磁極形成手段によって形成される磁極の第2の磁極形成手段の現像剤担持体に対向する表面における磁束密度のピーク値は、対向磁極の現像剤担持体の外周面における磁束密度のピーク値よりも小さいことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の現像装置。
  6. 第2の磁極形成手段は、現像剤収容容器の外方に設けられ、
    第2の磁極形成手段によって形成される磁極は、
    第2の磁極形成手段の現像剤担持体に対向する表面における磁束密度のピーク値が、対向磁極の現像剤担持体の外周面における磁束密度のピーク値よりも大きく、
    かつ第2の磁極形成手段と現像剤担持体との間に介在される現像剤収容容器の現像剤担持体に臨む表面における磁束密度のピーク値が、対向磁極の現像剤担持体の外周面における磁束密度のピーク値よりも小さいことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の現像装置。
  7. 静電潜像を担持する像担持体と、
    像担持体に静電潜像を形成する潜像形成手段と、
    請求項1〜6のいずれか1つに記載の現像装置であって、像担持体に形成される静電潜像を現像する現像装置とを備えることを特徴とする画像形成装置。
JP2006145990A 2006-05-25 2006-05-25 現像装置および画像形成装置 Withdrawn JP2007316344A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006145990A JP2007316344A (ja) 2006-05-25 2006-05-25 現像装置および画像形成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006145990A JP2007316344A (ja) 2006-05-25 2006-05-25 現像装置および画像形成装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007316344A true JP2007316344A (ja) 2007-12-06

Family

ID=38850256

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006145990A Withdrawn JP2007316344A (ja) 2006-05-25 2006-05-25 現像装置および画像形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2007316344A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013134286A (ja) * 2011-12-26 2013-07-08 Konica Minolta Business Technologies Inc 現像装置、及びこれを備えた画像形成装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013134286A (ja) * 2011-12-26 2013-07-08 Konica Minolta Business Technologies Inc 現像装置、及びこれを備えた画像形成装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3914755B2 (ja) 現像装置及び画像形成装置
JP2017142341A (ja) 攪拌搬送部材及び現像装置及びプロセスカートリッジ及び画像形成装置
JP2014235297A (ja) 現像装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
JP6053639B2 (ja) 現像装置及びこれを備えた画像形成装置
US8811863B2 (en) Developing device and image forming apparatus
JP5597611B2 (ja) 現像装置、およびそれを備えた画像形成装置
JP2009058894A (ja) 現像装置および画像形成装置
JP2007316344A (ja) 現像装置および画像形成装置
JP2007155857A (ja) 現像装置および該現像装置を備える画像形成装置
JP5277125B2 (ja) 現像装置およびそれを備えた画像形成装置
JP4820581B2 (ja) 現像装置、画像形成装置およびプロセカートリッジ
JP6365448B2 (ja) 現像装置および画像形成装置
JP7482392B2 (ja) 現像装置及び画像形成装置
JP5216730B2 (ja) 現像装置およびそれを備えた画像形成装置
JP5064163B2 (ja) 現像装置、画像形成装置
JP2007003953A (ja) 現像装置
JP6848703B2 (ja) 現像装置、画像形成装置
JP2005121795A (ja) 現像装置および画像形成装置
JP6314852B2 (ja) 現像装置、およびこれを備えた画像形成装置
JP5514615B2 (ja) 現像装置およびそれを備えた画像形成装置
JP2014167523A (ja) 現像装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
JP5303446B2 (ja) 現像装置およびそれを備えた画像形成装置
JP4698278B2 (ja) 現像装置及びそれを備えた画像形成装置
JP5277124B2 (ja) 現像装置およびそれを備えた画像形成装置
JP2010156907A (ja) 現像装置及び画像形成装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20090804