図1は、本発明の実施の一形態である現像装置1の構成を簡略化して示す断面図である。現像装置1は、たとえば後述する図10に示す画像形成装置2に搭載され、像担持体である電子写真感光体(以後、単に「感光体」とも称する)3に形成される静電潜像を現像してトナー像を形成することに用いられる。現像装置1は、たとえば図10に示す像担持体である感光体3を臨んで開口する開口部11を有し、トナーとキャリアとを含む二成分現像剤(以後、単に「現像剤」とも称する)が収容される現像剤収容容器12と、現像剤収容容器12内に現像剤収容容器12の開口部11の開口を介して感光体3に対向するように設けられ、感光体3に二成分現像剤中のトナーを供給する現像剤供給手段であるマグネットローラ13と、マグネットローラ13に対向するように設けられる現像剤量規制部材14と、現像剤収容容器12内に回転可能に設けられ、現像剤収容容器12内の二成分現像剤を撹拌するとともに搬送し、マグネットローラ13に供給する第1撹拌搬送手段15と、トナーホッパ29から補給されるトナーを現像剤収容容器12内の現像剤とともに撹拌して第1撹拌搬送手段15に搬送する第2撹拌搬送手段16とを含んで構成される。本実施形態において、現像剤は、非磁性のトナーと磁性を有するキャリアとによって構成される。
マグネットローラ13は、感光体3に対向して軸線まわりに回転可能に設けられ、二成分現像剤を担持する現像剤担持体である現像スリーブ17と、現像スリーブ17に内包されるように固定して設けられ、磁界を発生させる磁界発生部材である磁石部材18とを含む。本実施形態において現像スリーブ17は、図示しない駆動手段によって図1の紙面に向かって反時計まわりに矢符A方向に回転駆動される。現像スリーブ17には、感光体3との間に電位差が生じるように、図示しない電源から電位が与えられる。
現像スリーブ17は本実施形態では中空の円筒形状である。現像スリーブ17の外径寸法はたとえば25mmである。現像スリーブ17は、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼などの非磁性材料によって形成される。アルミニウム合金としては、たとえばアルミニウム(Al)−マンガン(Mn)系合金などが挙げられる。本実施形態において現像スリーブ17の外周面部である半径方向外方側の表面部は、粗面化処理されている。粗面化処理としては、たとえばサンドブラスト処理などの機械的処理などが挙げられる。現像スリーブ17の外周面部の十点平均粗さRzは、特に制限されないけれども、本実施形態では5μm以上12μm以下である。
ここで、十点平均粗さRzとは、表面粗さ測定器サーフコーダSE−30H(商品名、株式会社小坂研究所製)を用い、日本工業規格(JIS)B0601−1982に準じて、測定基準長さを2.5mmとし、評価長さを10mmとして測定した値のことである。
磁石部材18は、具体的には現像スリーブ17の半径方向内方に設けられる。磁石部材18は、複数の磁極を有する。本実施形態において磁石部材18は、現像主極N1、汲上げ極N2、剥離極N3、搬送極S1および回収極S2の5つの磁極を有する。現像主極N1、汲上げ極N2および剥離極N3はN極の磁極であり、搬送極S1および回収極S2はS極の磁極である。5つの磁極は、現像スリーブ17の回転方向上流側から下流側に向かって、現像主極N1、回収極S2、剥離極N3、汲上げ極N2および搬送極S1の順に配置される。図1では、各磁極の極位置を一点鎖線で表している。現像主極N1は、感光体3を臨むように配置される。搬送極S1は、上流側磁極であり、現像主極N1よりも現像スリーブ17の回転方向上流側に現像主極N1と隣合って形成される。磁石部材18は、たとえば軸部材19にシート状の磁石20を巻きつけることによって形成される。
図2は、図1に示す現像装置1の現像スリーブ17の部分を拡大して示す断面図である。図2に示す各角度は、現像主極N1の位置を0°として現像スリーブ17の回転軸線位置を中心として現像スリーブ17の回転方向上流側に向かう方向を正(+)としたときの回転角度(以後、「現像主極N1からの回転角度」とも称する)である。図2では、理解を容易にするために、図1に示す軸部材19は記載を省略する。図2に示す回転角度は一例であり、これによって本発明が限定されるものではない。
本実施形態において磁石部材18の各磁極は、図2に示すように、現像スリーブ17の周方向に現像主極N1から所定の回転角度を空けて配置される。具体的には、搬送極S1は、現像主極N1からの回転角度が76°になる位置に配置される。汲上げ極N2は、現像主極N1からの回転角度が144°になる位置に配置される。剥離極N3は、現像主極N1からの回転角度が212°になる位置に配置される。回収極S2は、現像主極N1からの回転角度がマイナス(−)71.5°になる位置に配置される。
マグネットローラ13は、磁石部材18の磁力によってキャリアを磁気的に吸着し、現像スリーブ17の外周面部である半径方向外方側の表面部にキャリアとトナーとからなる磁気ブラシと呼ばれる現像剤の穂を形成する。磁気ブラシは、磁石部材18によって形成される磁界に沿って形成される。マグネットローラ13は、現像スリーブ17を矢符A方向に回転させることによって、マグネットローラ13と感光体3との最近接対向部である現像領域21に現像剤を搬送する。
現像剤量規制部材14は、具体的には現像スリーブ17に対向するように設けられる。現像剤量規制部材14は、規制部14aによって、現像スリーブ17に担持される二成分現像剤の量を規制する。ここで、現像剤量規制部材14の規制部14aとは、現像剤量規制部材14の現像スリーブ17との間隔が最も小さくなる部分のことである。本実施形態では、現像剤量規制部材14は、現像剤収容容器12の内方に、現像剤収容容器12の上部に沿って第1撹拌搬送手段15の上方まで延びるように設けられる。
図3は現像スリーブ17の外周面の法線方向における磁束密度分布のグラフを示す図であり、図4は現像スリーブ17の外周面の接線方向における磁束密度分布のグラフを示す図であり、図5は現像スリーブ17の外周面の法線方向および接線方向における磁束密度分布のグラフを示す図である。図3〜5において、グラフの周方向軸は、現像主極N1の位置を0°として現像スリーブ17の回転軸線位置を中心として現像スリーブ17の回転方向上流側に向かう方向を正(+)としたときの回転角度(°)を示し、放射方向軸は、磁束密度(mT)を示す。また図3〜5では、理解を容易にするために、図1に示す現像剤量規制部材14を模式的に三角形で表す。三角形のマグネットローラ13を臨む頂点は、現像剤量規制部材14の規制部14aの位置を表す。また図3〜5では、磁石部材18の磁極N1、N2、N3、S1およびS2を臨む位置をそれぞれ模式的に長方形で表す。また図5では、図3に示す現像スリーブ17の外周面の法線方向における磁束密度分布のグラフを実線で表し、図4に示す現像スリーブ17の外周面の接線方向における磁束密度のグラフを破線で表す。図3〜5に示す磁束密度分布は一例であり、これによって本発明が限定されるものではない。
ここで、現像スリーブ17の外周面の法線方向における磁束密度とは、磁束密度を、現像スリーブ17の外周面の法線方向の成分と現像スリーブ17の外周面の接線方向の成分とに分解したときの法線方向の成分(以後、「磁束密度の法線方向成分」とも称する)のことであり、現像スリーブ17の外周面の接線方向における磁束密度とは、前述のように分解したときの接線方向の成分(以後、「磁束密度の接線方向成分」とも称する)のことである。
図3に示すように、本実施形態において、現像主極N1を臨む位置における磁束密度の法線方向成分のピーク値は1132mTである。また搬送極S1を臨む位置における磁束密度の法線方向成分のピーク値は630mTである。また汲上げ極N2を臨む位置における磁束密度の法線方向成分のピーク値は347mTである。また剥離極N3を臨む位置における磁束密度の法線方向成分のピーク値は441mTである。また回収極S2を臨む位置における磁束密度の法線方向成分のピーク値は696mTである。このように磁石部材18によって形成される磁界は、感光体3を臨む位置である現像主極N1を臨む位置において磁束密度の法線方向成分が最大となる。
また図4に示すように、現像主極N1を臨む位置と搬送極S1を臨む位置との間における磁束密度の接線方向成分のピーク値は813mTである。また搬送極S1を臨む位置と汲上げ極N2を臨む位置との間における磁束密度の接線方向成分のピーク値は411mTである。また汲上げ極N2を臨む位置と剥離極N3を臨む位置との間における磁束密度の接線方向成分のピーク値は150mTである。また剥離極N3を臨む位置と回収極S2を臨む位置との間における磁束密度の接線方向成分のピーク値は470mTである。また回収極S2と現像主極S1との間における磁束密度の接線方向成分のピーク値は816mTである。
現像剤量規制部材14の規制部14aは、より具体的には、図3に示すように、現像主極N1を臨む位置から現像スリーブ17の回転方向上流側に向かって上流側磁極である搬送極S1を臨む位置までの領域であって、現像スリーブ17の外周面の法線方向における磁束密度が極小値となる位置22から極大値となる位置23までの領域である第1規制領域24に配置される。本実施形態において第1規制領域24内の磁束密度の法線方向成分が極小値になる位置22は、現像スリーブ17の外周面の接線方向における磁束密度が極大値となる位置に一致する。
本実施形態では、現像剤量規制部材14の規制部14aは、図3および図4に示すように、第1規制領域24内の領域であって、現像スリーブ17の外周面の接線方向における磁束密度が極大値となる位置22から該極大値の60%の値になる位置25までの領域である第2規制領域26に配置される。さらに具体的には、現像剤量規制部材14の規制部14aは、現像主極N1からの回転角度が48°になる位置に配置される。本実施形態において現像主極N1からの回転角度が48°になる位置は、第2規制領域26内の磁束密度の接線方向成分が極大値の60%になる位置25に一致する。本実施形態で示す現像主極N1からの回転角度は一例であり、これによって本発明が限定されるものではない。
また図2に示す現像剤量規制部材14の規制部14aと現像スリーブ17との間隔(以後、「規制間隔」と称する)D1は、特に限定されるものではないけれども、本実施形態では0.40mm以上0.60mm以下である。現像剤量規制部材14は、少なくとも規制部14aが非磁性材料によって形成される。本実施形態では、現像剤量規制部材14は、全体が非磁性材料によって形成される。現像剤量規制部材14は、たとえばステンレス鋼などの非磁性材料によって形成される。
図6は、現像スリーブ17の外周面部に形成される磁気ブラシ27を模式的に示す断面図である。図6では、理解を容易にするために、トナーは記載を省略する。現像剤28中のキャリア28aは、トナーと共に汲上げ極N2の磁力によって現像スリーブ17の外周面部に磁気的に吸着され、数珠状に連なってトナーと共に磁気ブラシ27を形成する。磁気ブラシ27の穂は、磁石部材18によって形成される磁界に沿って形成される。具体的には、第1規制領域24では、磁気ブラシ27の穂は、矢符Aで示される現像スリーブ17の回転方向の上流側から下流側に向かって倒れるように形成される。また第1規制領域24の中でも、第2規制領域26では、磁気ブラシ27の穂は、現像スリーブ17の外周面部に沿って寝るような状態で形成される。
現像スリーブ17の外周面部に形成された磁気ブラシ27は、現像スリーブ17の回転に伴って現像スリーブ17の回転方向下流側に搬送され、現像剤量規制部材14の規制部14aに対向する位置で規制部14aによって穂の高さが規制される。これによって現像スリーブ17の外周面部に担持される現像剤量が規制される。
本実施形態において現像剤量規制部材14の規制部14aは、第1規制領域24に配置される。第1規制領域24では、図6に示すように磁気ブラシ27の穂は、現像スリーブ17の回転方向上流側から下流側に向かって倒れるように形成されるので、現像剤量規制部材14の規制部14aと現像スリーブ17との間隔を狭めることなく、現像スリーブ17の外周面部に担持されて現像領域21に搬送される現像剤量を低減することができる。
図7は、現像主極N1から現像スリーブ17の回転方向上流側への回転角度θと現像剤の搬送量との関係を表すグラフを示す図である。図7において、横軸は現像主極N1の位置を0°として現像スリーブ17の回転軸線位置を中心として現像スリーブ17の回転方向上流側に向かう方向を正(+)としたときの回転角度θ(°)、すなわち現像主極N1から現像スリーブ17の回転方向上流側への回転角度θ(°)を示し、縦軸は現像主極N1の位置における現像剤の量である現像剤搬送量(mg/cm2)を示す。図7では、現像スリーブ17の外周面部の十点平均粗さRzを10μmとし、規制間隔D1を0.50mmとしたときの値を示す。
たとえば図7に示すように、現像剤量規制部材14の規制部14aの現像主極N1からの回転角度位置を、現像主極N1からの回転角度θが23°になる位置から回転角度θが63°になる位置まで変化させると、現像剤の搬送量は、現像主極N1からの回転角度θが48°になる位置までは、現像主極N1からの回転角度θが増加するのに伴って増加する。現像主極N1からの回転角度θが48°を超えると、現像主極N1からの回転角度が増加しても現像剤の搬送量は増加せず、現像主極N1からの回転角度θが48°になる位置に現像剤量規制部材14の規制部14aが配置される場合と略等しい値になる。また図7には図示していないけれども、現像主極N1からの回転角度θが63°を超えても、搬送極S1を臨む位置である現像主極N1からの回転角度θが76°になる位置までは、現像剤の搬送量はほぼ一定の値になる。現像主極N1からの回転角度θが76°を超えるまたは27°未満になると、現像剤の搬送量は増加または減少し、一定の値にはならない。
本実施形態において第1規制領域24の現像スリーブ17の回転方向下流側における極限値である磁束密度の法線方向成分が極小値になる位置は、現像主極N1からの回転角度θが27°になる位置に一致する。また現像主極N1からの回転角度θが76°になる位置は、第1規制領域24の現像スリーブ17の回転方向上流側における極限値である磁束密度の法線方向成分が極大値になる位置23に一致する。このことから、第1規制領域24内では、現像剤規制部材14の規制部14aと現像スリーブ17との間隔である規制間隔D1を変化させることなく、現像剤の搬送量を調整できることが判る。よって、本実施形態のように現像剤量規制部材14の規制部14aを第1規制領域24内に配置することによって、規制間隔D1を狭めることなく、現像剤の搬送量を低減することができる。たとえば、規制間隔D1が0.50mmであっても、現像剤の搬送量を80mg/cm2以下にすることができる。
第1規制領域24内において規制間隔D1を変化させることなく現像剤の搬送量を調整することができる理由は以下のように推察される。図6に示すように、第1規制領域24よりも現像スリーブ17の回転方向上流側の領域では、磁気ブラシ27の穂は現像スリーブ17の回転方向の下流側から上流側に向かって倒れるように形成されるので、この領域に現像剤量規制部材14の規制部14aを配置すると、磁気ブラシ27は規制部14aから遠ざかる方向に穂立ちしていることになる。よって、磁気ブラシ27が現像剤量規制部材14によって現像スリーブ17に押圧されるような状態となり、磁気ブラシ27の充填密度が変化するので、現像剤の搬送量が所望の値からずれることになる。
これに対し、第1規制領域24では、磁気ブラシ27の穂は現像スリーブ17の回転方向の上流側から下流側に向かって倒れるように形成されるので、本実施形態のように第1規制領域24内に現像剤量規制部材14の規制部14aを配置すると、磁気ブラシ27は規制部14aに向かって穂立ちしていることになる。よって、充填密度が安定した状態で磁気ブラシ27の穂を切ることができるので、現像剤の搬送量を所望の値に調整することができる。したがって、第1規制領域24内では、規制間隔D1を変化させることなく、現像剤の搬送量を調整することができる。
また本実施形態において現像主極N1からの回転角度θが48°になる位置は、第2規制領域26の現像スリーブ17の回転方向上流側における極限値である磁束密度の接線方向成分が極大値の60%の値になる位置25に一致する。また現像主極N1からの回転角度θが27°になる位置は、第2規制領域26の現像スリーブ17の回転方向下流側における極限値である磁束密度の接線方向成分が極大値になる位置に一致する。このことから、第2規制領域26内では、現像主極N1からの回転角度θと現像剤の搬送量とは正比例の関係にあることが判る。よって、本実施形態のように現像剤量規制部材14の規制部14aを第1規制領域24の中でも第2規制領域26内に配置することによって、現像剤の搬送量をより確実に所望の値に規制することができる。換言すると、第2規制領域26内では、現像剤量規制部材14の規制部14aの現像主極N1からの回転角度位置によって現像剤の搬送量を調整することができ、現像主極N1からの回転角度θを小さくするほど、現像剤の搬送量を少なくすることができる。
第2規制領域26内において、現象主極N1からの回転角度θと現像剤の搬送量とが正比例の関係になる理由は以下のように推察される。第2規制領域26では、前述の図5に示すように磁束密度は接線方向成分が法線方向成分よりも大きくなっているので、磁気ブラシ27の穂は、図6に示すように現像スリーブ17の外周面部に沿って寝たような状態で形成される。よって、磁気ブラシ27の充填密度は、第1規制領域24の第2規制領域26を除く残余の領域における充填密度よりも小さくなる。また第2規制領域26における磁束密度の接線方向成分は、図5に示すように現像スリーブ17の回転方向の上流側から下流側にいくほど大きくなるので、磁気ブラシ27は、現像スリーブ17の回転方向の上流側から下流側にいくほど現像スリーブ17の外周面部との成す角度が小さくなる。よって、第2規制領域26内における磁気ブラシ27の充填密度は、現像スリーブ17の回転方向の上流側から下流側にいくほど小さくなるので、第2規制領域26内では、現象主極N1からの回転角度θと現像剤の搬送量とは正比例の関係になる。したがって、現像剤量規制部材14の規制部14aを第2規制領域26に配置することによって、現像剤の搬送量を、第1規制領域24内の第2規制領域26を除く残余の領域に配置する場合よりも低減することが可能であり、より確実に所望の値に調整することができる。たとえば、現像剤量規制部材14の規制部14aを現像主極N1からの回転角度θが36°になる位置に配置すると、図7に示すように現像剤の搬送量をさらに低減し、50mg/cm2程度にすることができる。
現像剤量規制部材14によって規制されて現像領域21に搬送される現像剤の量は特に限定されるものではないけれども、本実施形態において現像剤量規制部材14は、現像スリーブ17に担持される現像剤の量を、20mg/cm2以上80mg/cm2以下に規制するように配置される。換言すると、現像剤量規制部材14は、第1規制領域24または第2規制領域26内の位置であって、現像スリーブ17に担持されて現像領域21に搬送される現像剤の量が、20mg/cm2以上80mg/cm2以下になるような位置に配置される。
たとえば前述の図7に示すように、現像主極N1からの回転角度が23°以上63°以下である領域のどの位置に現像剤量規制部材14の規制部14aを配置しても現像領域21への現像剤の搬送量が20mg/cm2以上80mg/cm2以下になる場合には、現像剤量規制部材14は、現像主極N1からの回転角度が23°以上63°以下である領域のうち、第1規制領域24または第2規制領域26内の位置に規制部14aが位置するように配置される。このように、現像領域21への現像剤の搬送量を20mg/cm2以上80mg/cm2以下に規制するように現像剤量規制部材14を配置する場合には、現像領域21への現像剤の搬送量と現像主極N1からの回転角度位置との関係を予め試験などによって求めておき、その関係に基づいて、現像剤量規制部材14を配置する位置を決定すればよい。
また図1に示すように現像装置1には、現像剤収容容器12にトナーを補給するためのトナーホッパ29が設けられる。トナーホッパ29は、現像剤収容容器12と同様の中空の容器状部材であるホッパ本体30を有する。ホッパ本体30は、現像剤収容容器12内にトナーを補給するためのホッパ側補給口が形成されるホッパ側補給口部31を有する。現像剤収容容器12には、容器側補給口が形成される容器側補給口部32が設けられる。現像剤収容容器12内の空間とトナーホッパ29内の空間とは、容器側補給口およびホッパ側補給口を介して連通する。
ホッパ本体30の内部には、ホッパ側補給口部31のホッパ側補給口を開閉可能に設けられ、現像剤収容容器12へのトナーの補給量を調整するトナー補給ローラ33と、ホッパ本体30内に収容されるトナーを撹拌するとともに搬送し、トナー補給ローラ33に供給する撹拌搬送手段34とが設けられる。トナー補給ローラ33および撹拌搬送手段34は、ホッパ本体30に回転可能に設けられる。
トナーホッパ29は、ホッパ側補給口および容器側補給口を介してホッパ本体30内のトナーを現像剤収容容器12内に補給する。トナーホッパ29は、図示しないトナー濃度センサによって検出される現像剤収容容器12内のトナーの濃度が予め定められる基準値以下になると、トナーホッパ29内のトナーを現像剤収容容器12内に補給するように、図示しない制御部によって制御される。
図1に示す現像装置1によれば、以下のようにして静電潜像が現像される。まず現像剤収容容器12内の現像剤が、第1および第2撹拌搬送手段15,16によって撹拌されて帯電され、マグネットローラ13の汲上げ極N2を臨む位置まで搬送される。汲上げ極N2を臨む位置まで搬送された現像剤は、汲上げ極N2の磁力によって現像スリーブ17に磁気的に吸着され、現像スリーブ17の外周面部にキャリアとトナーとからなる磁気ブラシを形成する。
磁気ブラシとして現像スリーブ17に担持される現像剤は、現像スリーブ17の回転に伴って現像スリーブ17の回転方向下流側に搬送され、現像剤量規制部材14の規制部14aに対向する位置で現像スリーブ17の外周面部に担持される量が規制される。また現像剤は現像剤量規制部材14によって摩擦帯電される。
現像剤量規制部材14の規制部14aに対向する位置を通過した現像剤は、現像スリーブ17の回転に伴って、現像主極N1が形成される現像領域21に搬送される。現像領域21では、現像スリーブ17と感光体3との電位差によって、現像スリーブ17の外周面部に形成された磁気ブラシから、トナーのみが感光体3に転移する。これによって、感光体3に形成された静電潜像が現像され、可視像であるトナー像が形成される。
感光体3に転移せずに現像スリーブ17に残留した現像剤は、現像領域21を通過し、回収極S2の磁力によって現像剤収容容器12内に搬送され、剥離極N3を臨む位置を経て、現像スリーブ17の回転方向における剥離極N3と汲上げ極N2との間の中央部を臨む位置において剥離極N3と汲上げ極N2とによって形成される反発磁界によって現像スリーブ17から剥離され、現像剤収容容器12に回収される。また現像剤量規制部材14によって規制され、感光体3側に搬送されない余剰の現像剤は、現像剤量規制部材14に沿って現像スリーブ17の回転方向上流側に引戻され、現像剤収容容器12内に回収される。回収された現像剤は、現像剤収容容器12内に収容されている他の現像剤とともに第1および第2撹拌搬送手段15,16によって撹拌されるとともに搬送され、再び汲上げ極N2によって汲上げられる。
本実施形態では、図2に示すように、現像剤量規制部材14の規制部14aは、第1規制領域24に配置されているので、現像剤規制部材14の規制部14aと現像スリーブ17との間隔である規制間隔D1を狭めることなく、現像領域21への現像剤の搬送量を低減することができる。現像領域21への現像剤の搬送量を低減することによって、解像度の低下を防ぐことができる。また磁気ブラシの充填密度を小さくすることができるので、磁気ブラシと感光体3との摺擦による掃きむらなどの発生を防ぐことができる。特に本実施形態で現像剤量規制部材14の規制部14aは、第1規制領域24の中でも第2規制領域26に配置されているので、第1規制領域24の第2規制領域26を除く残余の領域に配置される場合に比べて、規制間隔D1が同じであっても、現像領域21への現像剤の搬送量を一層低減することができる。よって、掃きむらの発生および解像度の低下などを一層確実に防止することができる。
また本実施形態では規制間隔D1を狭めることなく、現像剤の搬送量を低減することができるので、現像剤量規制部材14の規制部14aに対向する位置を通過するときの現像剤への負荷の増加を防ぎ、現像剤の劣化を防止することができる。したがって、トナーの飛散などを抑え、画像かぶりなどのない画像を提供することができる。
また本実施形態では現像スリーブ17の外周面部は粗面化処理されているので、現像剤を安定して保持することができる。これによって、現像剤を現像領域21まで安定して搬送することができるので、現像領域21に搬送される現像剤の量を現像剤規制部材14によって規制される量に維持し、現像剤の搬送量にばらつきが生じることを防ぐことができる。したがって、現像むらの発生を防ぐことができる。
また本実施形態では、現像スリーブ17の外周面部の十点平均粗さRzは5μm以上12μm以下である。現像スリーブ17の外周面部の十点平均粗さRzを12μm以下にすることによって、現像剤量規制部材14による現像剤量の調整が容易になるので、現像剤の搬送量をより確実に所望の値にすることができる。よって、掃きむらの発生および解像度の低下などを一層確実に防止することができる。また現像スリーブ17の外周面部の十点平均粗さRzを5μm以上にすることによって、現像剤をより安定して現像領域21に搬送することができる。これによって、現像剤の搬送量のばらつきを一層確実に防止することができるので、現像むらの発生をより確実に防ぐことができる。
これに対し、現像スリーブ17の外周面部の十点平均粗さRzが12μmを超えると、十点平均粗さRzが12μm以下の場合に比べて、現像スリーブ17の外周面部の単位面積あたりに保持可能な現像剤の量が多くなるので、現像剤量規制部材14による現像剤の搬送量の調整が困難になる。また現像スリーブ17の外周面部の十点平均粗さRzが5μm未満であると、現像剤の保持能力が不足し、現像剤を安定して搬送することが困難になるので、現像剤の搬送量にばらつきが生じ、現像むらが発生するおそれがある。したがって、現像スリーブ17の外周面部の十点平均粗さRzは、本実施の形態のように5μm以上12μm以下であることが好ましい。
また本実施形態では、現像剤量規制部材14は、現像スリーブ17に担持される現像剤の量を、20mg/cm2以上80mg/cm2以下に規制するように配置される。これによって、現像スリーブ17に担持されて現像領域21に搬送される現像剤の搬送量を、20mg/cm2以上80mg/cm2以下にすることができる。現像領域21への現像剤の搬送量を80mg/cm2以下にすることによって、現像領域21において磁気ブラシの充填密度が過大になることを防ぎ、現像領域21における感光体3と磁気ブラシとの接触による動的摩擦力の増大を防止することができる。これによって、感光体3と磁気ブラシとを柔らかい(ソフトな)当たりで接触させることができるので、掃きむらの発生を一層確実に防止することができる。また磁気ブラシから感光体3へのトナーの移動を円滑に行なわせることができるので、現像むらの発生をより確実に防ぐことができる。また感光体3のへのトナーの供給量が過大になることを防ぐことができるので、解像度の低下を防止し、解像度に優れる画像を形成することができる。
また現像領域21への現像剤の搬送量を20mg/cm2以上にすることによって、現像領域21における磁気ブラシの充填密度が過小になることを防ぐことができるので、感光体3と磁気ブラシとをより確実に接触させることができる。これによって、感光体3に対して磁気ブラシ中のトナーを一層確実に供給することができる。したがって、感光体3へのトナーの付着量が予め定められる量を下回ることを防ぐことができるので、形成される画像の画像濃度が所望の濃度よりも低下することを防止することができる。
これに対し、現像領域21への現像剤の搬送量が80mg/cm2を超えると、現像領域21において、磁気ブラシの充填密度が大きくなり、感光体3と磁気ブラシとの接触による動的摩擦力が大きくなる。これによって、磁気ブラシ中のトナーが動きにくくなるので、磁気ブラシから感光体3へのトナーの移動が阻害され、現像むらが生じるおそれがある。また感光体3に付着したトナーが磁気ブラシの穂によって掻き取られやすくなるので、現像むらが生じるおそれがある。また感光体3に供給されるトナーの量が多くなりすぎ、形成される画像の解像度が低下するおそれがある。また現像領域21への現像剤の搬送量が20mg/cm2未満になると、現像領域21における磁気ブラシの充填密度が小さくなりすぎ、感光体3と磁気ブラシとが接触できず、感光体3に対してトナーを供給できなくなる場合がある。よって、感光体3へのトナーの付着量が予め定められる量を下回り、画像濃度が低下する可能性がある。したがって、現像剤量規制部材14は、本実施形態のように、現像スリーブ17に担持される現像剤の量を20mg/cm2以上80mg/cm2以下に規制するように配置されることが好ましい。
また本実施形態では、現像剤量規制部材14の規制部14aは、非磁性材料で形成されている。現像剤量規制部材14の規制部14aが磁性材料で形成されている場合、規制部14aが磁化されて現像剤中のキャリアが規制部14aに付着し、現像剤の搬送量を所望の値に制御できなくなるおそれがある。現像剤量規制部材14の規制部14aを非磁性材料で形成することによって、規制部14aが磁化されることを防ぎ、規制部14aへのキャリアの付着を防止することができるので、現像剤の搬送量をより確実に制御することができる。したがって、掃きむらの発生および解像度の低下などをより確実に防止することができる。
また本実施形態では、現像剤量規制部材14の規制部14aと現像スリーブ17との間隔である規制間隔D1は、0.40mm以上0.60mm以下である。規制間隔D1を0.40mm以上にすることによって、現像剤が現像スリーブ17に担持されて現像剤量規制部材14の規制部14aに対向する位置を通過するときに、現像剤に加わる負荷を可及的に小さくし、現像スリーブ17の駆動トルクを小さくすることができる。また本実施形態では、現像剤量規制部材14の規制部14aは第1規制領域24、具体的には第2規制領域26に配置されているので、現像領域21への現像剤の搬送量を低減するとともに、規制間隔D1を0.40mm以上にすることができる。換言すると、本実施形態によれば、規制間隔D1が0.40mm以上であっても、現像領域21への現像剤の搬送量を、現像領域21における磁気ブラシの充填密度が掃きむらおよび解像度の低下の生じない程度の充填密度になるように、具体的には前述の好適な範囲である20mg/cm2以上80mg/cm2以下になるように低減することができる。したがって、現像剤の劣化をより確実に防ぐことができるので、トナーの飛散などを一層確実に防止することができる。また規制間隔D1を0.60mm以下にすることによって、現像領域21への現像剤の搬送量の増加を防ぎ、たとえば前述のように80mg/cm2以下に容易にすることができるので、掃きむらおよび現像むらの発生、ならびに解像度の低下を一層確実に抑えることができる。
これに対し、規制間隔D1が0.40mm未満であると、現像剤量規制部材14の規制部14aと現像スリーブ17との間で現像剤に加わる負荷が大きくなり、現像スリーブ17の駆動トルクが大きくなるので、現像剤が劣化し、トナーの飛散などが生じるおそれがある。また規制間隔D1が0.60mmを超えると、現像剤量規制部材14の規制部14aを第1規制領域24に配置しても現像領域21への現像剤の搬送量を所望の値に低減できない可能性があり、たとえば前述のように80mg/cm2以下にすることができなくなるおそれがある。したがって、規制間隔D1は、本実施形態のように0.40mm以上0.60mm以下であることが好ましい。
以上のように、本実施形態では現像スリーブ17は外周面部が粗面化処理されているけれども、現像スリーブの構成は、これに限定されるものではない。たとえば、現像スリーブは、外周面部に回転軸線に平行な方向に延びる溝が形成された溝部を有していてもよい。
図8は、溝部36を有する現像スリーブ35の構成を簡略化して示す断面図である。図8では、現像スリーブ35の回転軸線に垂直な仮想平面における断面構成を示す。図8に示す現像スリーブ35は、外周面部に溝部36が形成されていること以外は、前述の図1に示す現像スリーブ17と同様の構成を有する。図8では、理解を容易にするために、現像スリーブ35の外周面部を拡大して示す。溝部36は、たとえば図8に示すように、現像スリーブ35の回転軸線に垂直な仮想平面における断面形状が矩形状である(以後、このような形状の溝部を「角溝」と称する)。溝部36の深さ寸法Sは、たとえば0.25mmであり、幅寸法Wは、たとえば0.45mmである。現像スリーブ35の外周面部に溝部36を形成することによって、現像剤を安定して保持し、現像領域21に搬送することができる。また後述する図9に示すように、外周面部に溝部36を有する現像スリーブ35を用いる場合であっても、本実施形態と同様に、現像剤量規制部材14の規制部14aの現像主極N1からの回転角度位置によって現像剤の搬送量を調整することができる。
溝部36を有する現像スリーブ35は、本実施形態のように外周面部が粗面化処理された現像スリーブ17に比べて、外周面部の単位面積あたりに保持可能な現像剤の量が多くなる。図9は、現像主極N1から現像スリーブ17または35の回転方向上流側への回転角度θと現像剤の搬送量との関係を表すグラフを示す図である。前述の図7と同様に、図9において、横軸は現像主極N1からの回転角度θ(°)を示し、縦軸は現像剤の搬送量(mg/cm2)を示す。図9では、前述の図7に示す外周面部の十点平均粗さRzが10μmである現像スリーブ17を用いた場合を参照符37で示される実線および■で表し、外周面部に深さ寸法Sが0.25mmであり、幅寸法Wが0.45mmである溝部36を有する現像スリーブ35を用いた場合を参照符38で示される破線および◆で表す。また図9では、規制間隔D1を0.50mmとしたときの値を示す。溝部36を有する現像スリーブ35の場合、規制間隔D1とは、現像スリーブ35の外周面部の溝部36を除く部分と現像剤量規制部材14の規制部14aとの間隔のことである。
図9に示すように、溝部36を有する現像スリーブ35を用いる場合、溝部を有しない現像スリーブ17を用いる場合に比べて、現像剤の搬送量が多くなる。よって、現像剤の搬送量を、本実施形態のように溝部を有しない現像スリーブ17を用いる場合と同量に規制するためには、規制間隔D1を狭める必要があるので、本実施形態に比べて、現像剤量規制部材14に対向する位置における現像剤への負荷が増加する。したがって、現像剤への負荷を低減し、現像剤の劣化を防止するためには、本実施形態のように溝部を有しない現像スリーブ17を用いる方が好ましい。
また本実施形態では、N極であるN1極を感光体1に臨む現像主極としているけれども、これに限定されず、現像主極はS極であってもよい。この場合、磁石部材18は、本実施形態においてN極が配置されている位置にS極を有し、S極が配置されている位置にN極を有していればよい。
また本実施形態では、磁石部材18は、5つの磁極を有するけれども、磁石部材18が有する磁極の数は、これに限定されるものではない。たとえば磁石部材18は、N極であるN1極、N2極、N3極およびN4極と、S極であるS1極、S2極およびS3極との7つの磁極を有していてもよい。この場合、たとえばN1極を感光体1に臨むように配置するとともに、反発磁界によって現像スリーブ17から現像剤を剥離させることができるように1箇所で同極性の磁極が隣合い、かつその他の箇所で極性の異なる磁極同士が隣合うように現像スリーブ17の回転方向に沿って各磁極を配置すればよい。
図10は、図1に示す現像装置1を備える本発明の実施の他の形態である画像形成装置2の構成を簡略化して示す断面図である。画像形成装置2は、大略的に、原稿読取部(以後、「スキャナ部」とも称する)40と、画像形成部60と、給紙部80と、排紙部90とを含んで構成される。原稿読取部40は給紙部80の鉛直上方に配設され、排紙部90は鉛直方向における原稿読取部40と給紙部80との中間部に配設される。具体的には、原稿読取部40は上部筐体71の内部と上部筐体71の上方とにわたって設けられ、給紙部80は下部筐体72の下部に設けられ、排紙部90は下部筐体72の上部に設けられる。
原稿読取部40は、原稿が載置される第1プラテンガラス41と、原稿送給部44から原稿が送給される第2プラテンガラス42と、第1プラテンガラス41に載置される原稿または第2プラテンガラス42に送給される原稿から画像情報を読取り、得られた画像情報を図示しない画像処理部に出力するコピーランプユニット43と、第2プラテンガラス42に原稿を送給する原稿送給部44とを含む。コピーランプユニット43は、上部筐体71の内部に設けられる。また原稿送給部44は、上部筐体71の上方に設けられる。
コピーランプユニット43は、第1プラテンガラス41に載置される原稿または第2プラテンガラス42に送給される原稿に光を照射する光源であるコピーランプ45と、原稿からの反射光像を予め定められる方向に偏光する第1ミラー46と、第1ミラー46によって偏光された原稿からの反射光像をさらに予め定められる方向に順次偏光する第2および第3ミラー47,48と、第3ミラー48によって偏向された原稿からの反射光像を縮小し、光電変換素子(Charge Coupled Device;略称CCD)50に結像させる光学レンズ49と、光学レンズ49によって結像される原稿からの反射光像を光電変換し、電気的信号として画像処理部に出力するCCD50とを含む。
原稿送給部44は、原稿が載置される原稿トレイ51と、原稿トレイ51に載置される原稿を搬送路52に送給する給紙ローラ53と、給紙ローラ53によって送給される原稿を一時的に保持し、タイミングを計って第2プラテンガラス42に送給するレジストローラ54と、画像情報を読取られた後の原稿が排出される原稿排紙トレイ55とを含む。
画像形成部60は、軸線まわりに回転可能に設けられる像担持体である感光体3と、帯電手段である帯電ユニット61と、露光手段であるレーザスキャナユニット62と、現像手段である前述の図1に示す現像装置1と、転写手段である転写ユニット63と、定着手段である定着装置64と、クリーニング手段であるクリーニングユニット65と、除電手段である除電装置66とを含む。帯電ユニット61、レーザスキャナユニット62、現像装置1、転写ユニット63、クリーニングユニット65および除電装置66は、この順に感光体3の周囲に感光体3の回転方向上流側から下流側に向かって配置される。本実施形態において感光体3は円柱状である。感光体3の形状は円柱状に限定されるものではなく、たとえば円筒状であってもよい。
前述の図2に示すように、現像装置1の現像スリーブ17は、感光体3に対向して、感光体3の回転軸線と平行な軸線まわりに回転可能に設けられる。現像スリーブ17と感光体3との間隔D2は、特に限定されるものではないけれども、本実施形態では0.25mm以上0.50mm以下である。前述のように、現像装置1は、露光によって感光体3の外周面部に形成される静電潜像を現像する。
帯電ユニット61は、感光体3の外周面部を帯電させる。レーザスキャナユニット62は、帯電された感光体3を露光する。転写ユニット63は、現像によって形成される可視像であるトナー像を記録媒体である記録用紙に転写させる。転写ユニット63は、たとえばコロナチャージャによって実現される。定着装置64は、転写されたトナー像を記録用紙に定着させる。具体的には、定着装置64は、内部に加熱ヒータ69を備える加熱ローラ67と、加熱ローラ67の表面部に弾発的に当接する加圧ローラ68とを有する。クリーニングユニット65は、クリーニングブレード70を備え、転写ユニット63による転写動作後に感光体3の外周面部に残留するトナーをクリーニングブレード70によって掻き取って除去し、感光体3の外周面部を清浄化する。除電装置66は、クリーニングユニット65による清浄化後の感光体3の外周面部を除電する。
給紙部80は、下部筐体72の内部に設けられ、記録媒体である記録用紙が収容される給紙カセット81と、下部筐体72の側面部から突出して設けられ、記録用紙が載置される手差しトレイ82と、給紙カセット81に収容される記録用紙を第1搬送路83に送給する第1給紙ローラ84と、手差しトレイ82に載置される記録用紙を第2搬送路85に送給する第2給紙ローラ86と、記録用紙を一時的に保持し、タイミングを計って画像形成部60に送給するレジストローラ87とを含む。
排紙部90は、画像形成部60の定着装置64でトナー像が定着された記録用紙を排紙トレイ91に排出させる排紙ローラ92と、排紙ローラ92によって排出される記録用紙を収容する排紙トレイ91とを含む。
画像形成装置2は、画像形成(以後、「印刷」とも称する)モードとして、複写モード(以後、「コピアモード」とも称する)、プリンタモードおよびファクシミリモードを有する。不図示の操作部からの操作入力、パーソナルコンピュータなどの外部ホスト装置からの印刷ジョブの受信に応じて、前述の印刷モードの中から対応する印刷モードが後述する不図示の制御部によって選択される。
前述の印刷モードのうち、コピアモードの場合には以下のようにして画像が形成される。使用者が原稿読取部40の第1プラテンガラス41に原稿を載置し、給紙部80の給紙カセット81または手差しトレイ82に記録用紙を供給し、さらに上部筐体71の図10の紙面に向かって手前側に配置される不図示の操作パネルの条件入力キーにて印刷枚数、印刷倍率などを入力した後、操作パネルのスタートキーを操作すると、複写(コピー)動作が開始される。
スタートキーが操作されると、不図示のメイン駆動モータが始動し、不図示の各駆動ギヤが回転する。次いで、給紙部80の第1給紙ローラ84または第2給紙ローラ86が回転して記録用紙が第1搬送路83または第2搬送路85に送出(給紙)され、一対のレジストローラ87に到達して捕捉される。このレジストローラ87によって、記録用紙は、感光体3の表面部に形成されるトナー像の先端部すなわち画像形成開始部が転写ユニット63の設けられる位置に達するタイミングと、記録用紙の画像形成予定領域が転写ユニット63の設けられる位置に達するタイミングとの同期をとるために一時停止される。またこのとき、記録用紙の先端部がレジストローラ31に均一に押しつけられて記録用紙の先端位置の補正が行なわれる。
また原稿読取部40では、コピーランプ45が点灯し、コピーランプユニット43が矢印B方向に移動を開始することによって原稿への露光が開始される。コピーランプ45から原稿に照射された照射光は、原稿によって反射されて原稿の画像情報を含む反射光となる。この原稿からの反射光は、第1ミラー46、第2ミラー47、第3ミラー48および光学レンズ49を介してCCD50に入力される。これによって原稿の画像情報が読取られる。
このようにして光学的信号として読取られた原稿の画像情報は、CCD50内の不図示のCCD回路によって電気的信号に変換されて画像処理部に出力される。画像処理部では、入力された画像情報に対して設定された条件で画像処理が行われ、この画像処理が行なわれた画像情報が、画像形成部60のレーザスキャナユニット62にプリントデータとして送信される。
また画像形成部60では、帯電ユニット61によって、感光体3の外周面部の一部分が感光体3の軸方向全体にわたって所定の電位に帯電され、さらに感光体3が回転することによって感光体3の外周面部全体が所定の電位に帯電される。帯電された感光体3の外周面部は、感光体3の回転によって次の工程に順次移動する。
レーザスキャナユニット62では、図示しないけれども、回転方向に複数の反射面を有したポリゴンミラー(回転多面鏡)および各種光学系によって、半導体レーザから出射されたレーザ光が、画像処理部から入力されたプリントデータに応じて偏向されながら感光体3に照射される。これによって、レーザ光が帯電ユニット61によって帯電された感光体3の外周面部に走査され、感光体3の外周面部に静電潜像が形成される。
その後、現像装置1の現像剤収容容器14内のマグネットローラ13によって、現像剤収容容器14に収容される現像剤中のトナーが、回転する感光体3の外周面部に供給される。トナーは、静電潜像を形成する電位ギャップに応じて感光体3の外周面部に付着する。これによって静電潜像が顕像化(現像)され、トナー像が形成される。
また給紙部80のレジストローラ87によってタイミングを計って、画像が形成されるべき記録用紙が、感光体3と転写ユニット63との間の転写位置に送給される。転写位置では、転写ユニット63によって感光体3の外周面部に形成されたトナー像が記録用紙に転写される。
トナー像が転写された記録用紙は、定着装置64に搬送され、定着装置64の加熱ローラ67と加圧ローラ68との間を通過するときに熱および圧力が加えられる。これによって、記録用紙の表面部の未定着トナーが溶融して記録用紙に固着し、定着される。トナー像が定着された記録用紙は、排紙部90の排紙ローラ92によって排紙トレイ91に排出される。
また記録用紙に転写されずに感光体3の外周面部に残留したトナーは、クリーナーユニット65のクリーニングブレード70によって掻き取られ、回収される。クリーニングブレード70によって残留するトナーが掻き取られた感光体3の外周面部は、帯電ユニット61の配置される位置に移動する途中で除電装置66によって除電される。感光体3の外周面部は、除電する必要がない場合には、除電装置66によって除電されなくてもよい。
以上に述べた実施形態では、原稿は、使用者によって第1プラテンガラス41に載置されて停止状態で画像情報を読取られるけれども、原稿送給部44によって第2プラテンガラス42に送給されている状態で画像情報を読取られてもよい。この場合、原稿は、原稿読取部40の原稿トレイ51に載置される。
このように原稿読取部40の原稿トレイ51に原稿が載置されていることが図示しないセンサによって検出されている場合にスタートキーが操作されると、原稿送給部44の給紙ローラ53が回転し、原稿トレイ51に載置された原稿が搬送路52に送給される。搬送路52に送給された原稿は、搬送路52に設けられるレジストローラ54によって捕捉され、原稿先端の位置決めが行われた後、所定のタイミングで原稿読取位置である第2プラテンガラス42の設けられる位置に搬送される。コピーランプユニット43は、原稿読取位置である所定の停止位置に停止したまま、搬送中の原稿を露光する。この露光によって得られた原稿からの反射光が前述のようにして原稿画像として読取られる。このようにして画像情報が読取られた原稿は、原稿排紙トレイ55に排出される。
前述のプリンタモードの場合には、画像読取部40は動作せず、パーソナルコンピュータなどの外部ホスト装置から入力される画像情報に応じて画像が形成される。またファクシミリモードの場合には、通信回線を介して入力される画像情報に応じて画像が形成される。
本実施形態において画像形成装置2に備わる現像装置1は、前述の図2に示すように現像剤量規制部材14の規制部14aが第1規制領域24に配置されるので、規制間隔D1を狭めることなく、感光体3と現像スリーブ17との最近接対向部である現像領域21に搬送される現像剤の量を低減することができる。このように現像領域21への現像剤の搬送量を低減することによって、感光体3の外周面部に接触するときの磁気ブラシの充填密度を小さくすることができるので、感光体3の外周面部に対して磁気ブラシを柔らかな(ソフトな)当たりで接触させることができる。よって、本実施の形態の画像形成装置2によれば、感光体3と磁気ブラシとの摺擦を抑えることができ、掃きむらなどのない画像を形成することができる。また感光体3へのトナーの供給量が過剰になることを防ぐことができるので、解像度の低下を抑え、解像度に優れる画像を形成することができる。
また現像領域21への現像剤の搬送量を低減するために規制間隔D1を狭める必要がないので、規制間隔D1を狭めることによって現像剤の搬送量を低減する場合のように現像剤量規制部材14の規制部14aと対向する位置において現像剤に加わる負荷が増加することはない。よって、現像剤の劣化を防止することができる。たとえばキャリアの帯電能力の低下を抑えることができるので、トナーの帯電量の不足によるトナーの飛散などを抑えることができる。特に本実施の形態では、感光体3と磁気ブラシとを接触させて現像を行なう接触現像法によって現像を行なうので、トナーの飛散をより確実に抑えることができる。したがって、掃きむらの発生および解像度の低下だけでなく、画像かぶりなどの発生も抑えることができる。
また本実施形態では、現像スリーブ17と感光体3とは、0.25mm以上0.50mm以下の間隔を空けて配置される。現像スリーブ17と感光体3との間隔D2を0.25mm以上にすることによって、感光体3と磁気ブラシとの接触による動的摩擦力が過大になることを防ぎ、磁気ブラシと感光体3との摺擦をより確実に防ぐことができるので、掃きむらの発生を一層確実に防止することができる。また感光体3へのトナーの過剰な供給を防ぐことができるので、解像度に特に優れる画像を形成することができる。また現像スリーブ17と感光体3との間隔D2を0.50mm以下にすることによって、現像スリーブ17の外周面部に形成される磁気ブラシと感光体3の外周面部とをより確実に接触させることができる。これによって、感光体3の外周面部に対してより確実にトナーを供給することができるので、現像むらの発生を防ぐことができる。また感光体3の外周面部に所望量のトナーをより確実に供給することができるので、画像濃度が所望の濃度よりも低下することを防ぐことができる。
これに対し、現像スリーブ17と感光体3との間隔D2が0.25mm未満であると、磁気ブラシと感光体3の外周面部とを柔らかな(ソフトな)当たりで接触させることができず、磁気ブラシと感光体3の外周面部との接触による動的摩擦力が大きくなるおそれがあり、掃きむらが生じる可能性がある。また感光体3の外周面部に対してトナーが過剰に供給され、形成される画像の解像度が低下するおそれがある。また現像スリーブ17と感光体3との間隔D2が0.50mmを超えると、磁気ブラシと感光体3の外周面部とが非接触状態となり、感光体3の外周面部に対してトナーを供給することができず、静電潜像を現像できなくなるおそれがある。特に前述のように現像スリーブ17と現像剤量規制部材14の規制部14aとの間隔である規制間隔D1を0.40mm以上とする場合に、現像スリーブ17と感光体3との間隔D2が0.50mmを超えると、磁気ブラシが感光体3の外周面部に接触することができず、感光体3へのトナーの供給が滞り、現像不良が発生する可能性がある。したがって、現像スリーブ17と感光体3との間隔D2は、本実施形態のように0.25mm以上0.50mm以下であることが好ましい。
以下、実施例を用いて本発明をさらに詳細に説明するけれども、本発明は、以下の記載内容に限定されるものではない。
以下の実施例1〜5および比較例1の現像装置を準備した。
(実施例1)
前述の図2に示す現像装置1において、第2規制領域26内の位置である現像主極N1からの回転角度θが33°になる位置に現像剤量規制部材14の規制部14aを配置したものを、実施例1の現像装置として準備した。
現像スリーブ17には、JIS H4000−1999に規定されるA3003のアルミニウム(Al)−マンガン(Mn)系合金からなる外径寸法25mmの中空円筒形状の現像スリーブを用いた。この現像スリーブ17の外周面部には粗面化処理としてサンドブラスト処理が施されており、現像スリーブ17の外周面部の十点平均粗さRzは10μmとなっている。また現像スリーブ17の回転速度は、毎分590回(590rpm)とした。また現像剤量規制部材14には、JIS G4305に規定されるSUS304のオーステナイト系ステンレス鋼からなるものを用い、現像剤量規制部材14の規制部14aと現像スリーブ17との間隔である規制間隔D1は0.50mmとした。
(実施例2)
第2規制領域26内の位置である現像主極N1からの回転角度θが38°になる位置に現像剤量規制部材14の規制部14aが配置されていること以外は実施例1の現像装置と同様の構成を有する現像装置を、実施例2の現像装置として準備した。
(実施例3)
第1規制領域24の第2規制領域26を除く残余の領域内の位置である現像主極N1からの回転角度θが63°になる位置に現像剤量規制部材14の規制部14aが配置されていること以外は実施例1の現像装置と同様の構成を有する現像装置を、実施例3の現像装置として準備した。
(実施例4)
第2規制領域26内の位置である現像主極N1からの回転角度θが36°になる位置に現像剤量規制部材14の規制部14aが配置されていることと、現像スリーブ17の外周面部に粗面化処理を施す代わりに前述の図8に示す深さ寸法Sが0.25mmであり、幅寸法Wが0.45mmである角溝が現像スリーブ17の回転軸線に平行な方向に延びて形成されていること以外は実施例1の現像装置と同様の構成を有する現像装置を、実施例4の現像装置として準備した。
(実施例5)
第2規制領域26内の位置である現像主極N1からの回転角度θが48°になる位置に現像剤量規制部材14の規制部14aが配置されていることと、現像スリーブ17の外周面部に粗面化処理を施す代わりに前述の図8に示す深さ寸法Sが0.25mmであり、幅寸法Wが0.45mmである角溝が現像スリーブ17の回転軸線に平行な方向に延びて形成されていること以外は実施例1の現像装置と同様の構成を有する現像装置を、実施例5の現像装置として準備した。
(比較例)
第1規制領域24外の位置である現像主極N1からの回転角度θが77°になる位置に現像剤量規制部材14の規制部14aが配置されていること以外は実施例1の現像装置と同様の構成を有する現像装置を、比較例の現像装置として準備した。
以上の実施例1〜5および比較例の現像装置について、現像領域21における現像剤の量である現像剤の搬送量(mg/cm2)を以下のようにして測定した。現像領域21において現像スリーブ17の外周面部の一定面積に形成された磁気ブラシ27を、現像主極N1よりも磁力が強い磁石部材で強制的に剥離してその重量を測定し、この測定された重量を上記一定面積で除算した値を求め、これを現像剤の搬送量(mg/cm2)とした。磁気ブラシ27である現像剤の重量は、温度20℃、相対湿度50%の環境下において測定した。現像剤には、Cu−Zn系フェライトからなる体積平均粒径60μm、飽和磁化65emu/gの磁性キャリアと、ポリエステル樹脂を結着樹脂として含む体積平均粒径7.5μmの非磁性トナーとを、現像剤中のトナーの濃度(トナー/現像剤)が5重量%になるように混合した二成分現像剤を用いた。
以上の測定結果を表1に示す。
また市販の画像形成装置(商品名:AR450M、シャープ株式会社製)から現像装置を取外して実施例1〜5および比較例の現像装置をそれぞれ搭載した試験用画像形成装置を準備し、以下のようにしてドット再現性、ライン再現性およびかぶり度合を評価した。現像装置の現像スリーブ17と感光体3との間隔D2は0.40mmとした。また現像剤には、現像剤の搬送量の測定に用いたものと同じ二成分現像剤を用いた。
〔ライン再現性〕
試験用画像形成装置を用い、線幅70μmの直線が複数本、等間隔に引かれたテスト画像を記録用紙に形成させ、これを評価用画像とした。評価用画像を光学顕微鏡で観察し、各直線の線幅を測定し、これらの平均値を求めた。求めた線幅の平均値を評価指標として、以下の基準に基づいてライン再現性を評価した。
◎:非常に良好。線幅の平均値が65μm以上75μm以下である。
○:良好。線幅の平均値が、60μm以上65μm未満であるか、または75μmを超えて80μm以下である。
△:実用上問題なし。線幅の平均値が、55μm以上60μm未満であるか、または80μmを超えて85μm以下である。
×:不良。線幅の平均値が、55μm未満であるか、または85μmを超える。
〔ドット再現性〕
試験用画像形成装置を用い、感光体にレーザ光にて直径70μmのドットを形成させることによって記録用紙に画像を形成させ、これを評価用画像とした。評価用画像を光学顕微鏡で観察し、各ドットの直径を測定し、これらの平均値を求めた。求めたドットの直径の平均値を評価指標として、以下の基準に基づいてドット再現性を評価した。
◎:非常に良好。ドットの直径の平均値が65μm以上75μm以下である。
○:良好。ドットの直径の平均値が、60μm以上65μm未満であるか、または75μmを超えて80μm以下である。
△:実用上問題なし。ドットの直径の平均値が、55μm以上60μm未満であるか、または80μmを超えて85μm以下である。
×:不良。ドットの直径の平均値が、55μm未満であるか、または85μmを超える。
〔かぶり度合〕
白色度計(商品名:ハンター白色度計、日本電色工業株式会社製)を用い、画像形成に使用する記録用紙のJIS P8148に規定される白色度を予め測定し、これを第1測定値K1とした。白色度を測定した記録用紙に、試験用画像形成装置を用いて、直径55mmの白円部とそれを取囲む黒べた部とを含むサンプル画像を形成し、これを評価用画像とした。前述の白色度計を用い、評価用画像の白円部の白色度を測定し、これを第2測定値K2とした。第1測定値K1から第2測定値K2を差し引いた値(K1−K2)をかぶり濃度ΔKとして求め、これを評価指標として以下の基準に基づいてかぶり度合を評価した。
◎:非常に良好。かぶり濃度ΔKが1.0以下。
○:良好。かぶり濃度ΔKが1.0を超えて1.5以下である。
△:実用上問題なし。かぶり濃度ΔKが1.5を超えて2.0以下である。
×:不良。かぶり濃度ΔKが2.0を超える。
またドット再現性の評価において実施例1の現像装置を用いて形成した評価用画像を図11(a)に示し、比較例の現像装置を用いて形成した評価用画像を図11(b)に示す。またライン再現性の評価において実施例1の現像装置を用いて形成した評価用画像を図11(c)に示し、比較例の現像装置を用いて形成した評価用画像を図11(d)に示す。図11では、評価用画像の拡大光学顕微鏡写真を示す。また図11では、各評価用画像のドットおよびラインを黒色で示す。
実施例1〜3と比較例との比較から、本発明のように現像剤量規制部材14の規制部14aを第1規制領域24内に配置することによって、規制間隔D1を狭めることなく、現像領域21への現像剤の搬送量を低減できることが判る。
また実施例1〜5と比較例との比較から、実施例1〜5の現像装置を用いた画像形成装置では、比較例の現像装置を用いた画像形成装置に比べ、かぶり濃度ΔKが小さいことが判る。このことから、実施例1〜5の現像装置では、比較例の現像装置に比べ、トナーの飛散が起こりにくく、その原因となる現像剤の劣化が起こりにくいことが判る。
また実施例1〜5の現像装置を用いた画像形成装置では、ドット再現性およびライン再現性がいずれも「実用上問題なし(△)」以上の評価であり、比較例の現像装置を用いた画像形成装置に比べ、ドット再現性およびライン再現性に優れ、解像度に優れることが判る。このことは、図11(a)と図11(b)との比較および図11(c)と図11(d)との比較からも明らかである。
また実施例1〜3と実施例4および5との比較から、粗面化処理された現像スリーブ17を用いることによって、溝部が形成された現像スリーブを用いる場合に比べて、規制間隔D1が同じであっても、現像領域21への現像剤の搬送量を低減することができることが判る。また実施例1〜3の現像装置を用いた画像形成装置では、実施例4および5の現像装置を用いた画像形成装置に比べ、ドット再現性およびライン再現性に優れ、また画像かぶりが起こりにくく、現像剤の劣化が生じにくいことが判る。
また実施例1および2と実施例3との比較から、現像剤量規制部材14の規制部14aが第1規制領域24の中でも第2規制領域26に配置された実施例1および2の現像装置は、規制部14aが第1規制領域24内の第2規制領域26を除く残余の領域に配置された実施例3の現像装置に比べ、ドット再現性およびライン再現性に優れ、より高い解像度を実現できることが判る。また実施例1および2の現像装置を用いた画像形成装置では、実施例3の現像装置を用いた画像形成装置に比べ、画像かぶりが起こりにくく、トナーの飛散およびその原因となる現像剤の劣化が起こりにくいことが判る。