JP6314852B2 - 現像装置、およびこれを備えた画像形成装置 - Google Patents

現像装置、およびこれを備えた画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、トナーおよびキャリアを含む2成分現像剤を採用した現像装置、およびこれを備えた画像形成装置に関する。
電子写真方式を利用した、複写機、プリンター、ファクシミリ等の画像形成装置は、像担持体(例えば、感光体ドラムや転写ベルト)上に形成された静電潜像にトナーを供給して該静電潜像を現像することにより、像担持体上にトナー像を形成する。前記現像を行う方式の一つとして、非磁性体のトナーおよび磁性体のキャリアを含む二成分現像剤を用いたタッチダウン現像方式が知られている。この場合、磁気ローラー(現像剤担持体)上に二成分現像剤層(いわゆる磁気ブラシ層)が担持され、現像ローラー(トナー担持体)上に前記二成分現像剤層からトナーを受け取ってトナー層が担持される。更に、該トナー層から像担持体にトナーが供給されることで前記静電潜像が可視化される。
タッチダウン現像方式が採用された現像装置において、像担持体側に供給されなかったトナーが現像ローラーのトナー層中に滞留すると、次の現像時にトナーが十分現像されず、濃度低下をもたらしてしまう。特許文献1には、現像ローラーから磁気ローラーにトナーを回収することで、現像ローラー中のトナー層のトナーの入れ替わりを促進する技術が開示されている。
特開2013−64782号公報
特許文献1に記載の技術では、トナー回収時に、現像ローラーおよび磁気ローラーに印加される現像バイアスによって、トナーが逆帯電することがあった。特に、電荷減衰定数が大きいトナーが使用された場合には、逆帯電したトナーによってかぶりが発生することがあった。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、トナー担持体上のトナーを現像剤担持体側に回収しつつ、トナーの逆帯電を抑止することを目的とする。
本発明の一局面に係る現像装置は、トナーおよびキャリアを含む現像剤を貯留する現像ハウジングと、回転駆動され、前記現像ハウジング内の前記現像剤を受け取って周面に現像剤層を担持する現像剤担持体と、回転駆動され、前記現像剤層からトナーを受け取って周面にトナー層を担持し、表面に静電潜像が形成され前記トナーによって顕在化されるトナー画像を担持する像担持体に、前記トナーを供給するトナー担持体と、直流電圧および交流電圧を印加可能なバイアス印加部と、前記バイアス印加部を制御するバイアス制御部と、前記現像剤担持体および前記トナー担持体を回転駆動させる回転駆動部と、を有し、前記トナーの電荷減衰定数αが、0.02≦α≦0.05の関係を満たし、前記トナー担持体および前記像担持体は、互いに対向する領域において、同じ方向に回転され、前記バイアス制御部は、前記現像剤担持体から前記トナー担持体に前記トナーが供給されるとともに前記トナー担持体から前記像担持体に前記トナーが供給される現像動作時に、直流電圧に交流電圧が重畳された現像バイアスを前記トナー担持体および前記現像剤担持体に印加し、前記現像動作が実行されていない時であって前記トナー担持体に担持された前記トナーを前記現像剤担持体側に回収する回収動作時に、180V〜260Vの範囲に含まれる直流電圧の電位差が前記トナー担持体と前記現像剤担持体との間に形成されるように直流電圧のみからなる回収バイアスを前記トナー担持体および前記現像剤担持体に印加することを特徴とする。
本構成によれば、トナー担持体から現像剤担持体側にトナーを回収する回収動作時に、トナーに強い振動電界が付与されることがない。このため、トナーが電荷注入されにくく、逆帯電することが抑止される。また、逆帯電したトナーがトナー担持体の周面に偏ったトナー層を形成することがなく、画像濃度の低下が抑止される。更に、逆帯電したトナーが像担持体側に現像されることが抑止され、トナーかぶりの発生が防止される。
上記の構成において、前記バイアス制御部は、前記トナーが前記現像剤担持体から前記トナー担持体に移動するような電界が前記トナー担持体と前記現像剤担持体との間に形成されるように、前記現像バイアスの前記直流電圧を設定し、前記トナーが前記トナー担持体から前記現像剤担持体に移動するような電界が前記トナー担持体と前記現像剤担持体との間に形成されるように、前記回収バイアスの前記直流電圧を設定することが望ましい。
本構成によれば、回収動作時に、トナー担持体から現像剤担持体側へのトナーの回収が促進される。
上記の構成において、前記回収動作は、複数のシートに連続して画像を形成するために、前記像担持上に複数のトナー画像が所定の画像間隔をおいて連続的に形成される際の画像間において実行される第1の回収動作と、前記複数のトナー画像のうち最初のトナー画像が形成される前、または、前記複数のトナー画像のうち最後のトナー画像が形成された後に実行される第2の回収動作と、を含み、前記バイアス制御部は、前記トナーが前記現像剤担持体から前記トナー担持体に移動するような電界が前記トナー担持体と前記現像剤担持体との間に形成されるように、前記現像バイアスおよび前記第1の回収動作における前記回収バイアスの前記直流電圧を設定し、前記トナーが前記トナー担持体から前記現像剤担持体に移動するような電界が前記トナー担持体と前記現像剤担持体との間に形成されるように、前記第2の回収動作における前記回収バイアスの前記直流電圧を設定することが望ましい。
本構成によれば、複数のシートに連続して画像が形成される動作の前後には、トナー担持体から安定してトナーを引き剥がすことが可能となる。また、回収動作を実行する時間が比較的少ないシート間(紙間)では、トナー担持体上のトナーを引き剥がし過ぎることがなく、次のシートの画像形成において濃度低下が生じることが防止される。
本発明の他の局面に係る画像形成装置は、前記静電潜像が形成されるとともに、前記トナー画像を担持する像担持体と、上記の何れか1に記載の現像装置と、を有することを特徴とする。
本構成によれば、トナー担持体から現像剤担持体側にトナーを回収する回収動作時に、トナーが電荷注入されにくく、逆帯電することが抑止される。この結果、安定した画像形成動作が実行される。
本発明によれば、トナー担持体上のトナーを現像剤担持体側に回収しつつ、トナーの逆帯電を抑止することが可能な現像装置、およびこれを備えた画像形成装置が提供される。
本発明の一実施形態に係る画像形成装置の内部構造を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る現像装置の断面図である。 本発明の一実施形態に係る現像装置内の構造を示した図である。 本発明の一実施形態に係る制御部の電気的構成を示したブロック図である。 本発明の一実施形態に係る現像動作を示した模式図である。 本発明の一実施形態に係る回収動作を示した模式図である。 本発明の一実施形態に係る現像装置に使用されるトナーの電荷減衰定数を測定する測定装置の模式図である。
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態につき詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置1の内部構造を示す断面図である。ここでは、画像形成装置1として、プリンター機能と複写機能とを備えた複合機を例示するが、画像形成装置は、プリンター、複写機、ファクシミリ装置であってもよい。
<画像形成装置の説明>
画像形成装置1は、略直方体形状の筐体構造を有する装置本体10と、装置本体10上に配置される自動原稿給送装置20とを備える。装置本体10の内部には、複写する原稿画像を光学的に読み取る読取ユニット25と、シートにトナー像を形成する画像形成部30と、前記トナー像をシートに定着させる定着部60と、画像形成部30へ搬送されるシートを貯留する給紙部40と、シートを給紙部40又は給紙トレイ46から画像形成部30及び定着部60を経由してシート排出口10Eまで搬送する搬送経路50と、この搬送経路50の一部を構成するシート搬送路を内部に有する搬送ユニット55とが収容されている。
自動原稿給送装置(ADF)20は、装置本体10の上面に回動自在に取り付けられている。ADF20は、装置本体10における所定の原稿読取位置に向けて、複写される原稿シートを自動給送する。一方、ユーザーが手置きで原稿シートを所定の原稿読取位置に載置する場合は、ADF20は上方に開かれる。ADF20は、原稿シートが載置される原稿トレイ21と、自動原稿読取位置を経由して原稿シートを搬送する原稿搬送部22と、読取後の原稿シートが排出される原稿排出トレイ23とを含む。読取ユニット25は、装置本体10の上面のADF20から自動給送される原稿シート又は手置きされる原稿シートの画像を光学的に読み取る。
画像形成部30は、フルカラーのトナー画像を生成しこれをシート上に転写する処理を行うもので、タンデムに配置されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(Bk)の各トナー像を形成する4つのユニット32Y、32M、32C、32Bkを含む画像形成ユニット32と、該画像形成ユニット32の上に隣接して配置された中間転写ユニット33と、中間転写ユニット33上に配置されたトナー補給部34とを含む。
各画像形成ユニット32Y、32M、32C、32Bkは、感光体ドラム321(像担持体)と、この感光体ドラム321の周囲に配置された、帯電器322、露光器323、現像装置324、一次転写ローラー325及びクリーニング装置326とを含む。
感光体ドラム321は、その軸回りに回転し、その周面に静電潜像及びトナー像が形成される。感光体ドラム321としては、アモルファスシリコン(a−Si)系材料を用いた感光体ドラムを用いることができる。帯電器322は、感光体ドラム321の表面を均一に帯電する。露光器323は、レーザー光源とミラーやレンズ等の光学系機器とを有し、感光体ドラム321の周面に、原稿画像の画像データに基づく光を照射して、静電潜像を形成する。
現像装置324は、感光体ドラム321上に形成された静電潜像を現像するために、感光体ドラム321の周面にトナーを供給する。この現像装置324の詳細については、後記で説明する。
一次転写ローラー325は、中間転写ユニット33に備えられている中間転写ベルト331を挟んで感光体ドラム321とニップ部を形成し、感光体ドラム321上のトナー像を中間転写ベルト331上に一次転写する。クリーニング装置326は、クリーニングローラー等を有し、トナー像転写後の感光体ドラム321の周面を清掃する。
中間転写ユニット33は、中間転写ベルト331、駆動ローラー332及び従動ローラー333を備える。中間転写ベルト331は、駆動ローラー332及び従動ローラー333に架け渡された無端ベルトであって、該中間転写ベルト331の外周面には、複数の感光体ドラム321からトナー像が、同一箇所に重ねて転写される。中間転写ベルト331は図1では反時計回りに回転される。
駆動ローラー332の周面に対向して、二次転写ローラー35が配置されている。駆動ローラー332と二次転写ローラー35とのニップ部は、中間転写ベルト331に重ね塗りされたフルカラーのトナー像をシートに転写する二次転写部となる。駆動ローラー332又は二次転写ローラー35のいずれか一方のローラーに、トナー像と逆極性の二次転写バイアス電位が印加され、他方のローラーは接地される。
トナー補給部34は、イエロー用、マゼンタ用、シアン用及びブラック用のトナーコンテナ34Y、34M、34Cおよび34Bkを含む。これらのトナーコンテナは、それぞれ各色のトナーを貯留するものであり、各色に対応する画像形成ユニット32Y、32M、32C、32Bkの現像装置324に、図略の供給経路を通して各色のトナーを供給する。
給紙部40は、画像形成処理が施されるシートを収容する2段の給紙カセット40A、40Bを備える。これら給紙カセット40A、40Bは、装置本体10の前方から手前方向に引出可能である。
定着部60は、シートにトナー像を定着させる定着処理を施す誘導加熱方式の定着装置である。シートが定着部60を通過することで、シートに転写されたトナー像が当該シートに定着される。
<現像装置の構成>
続いて、現像装置324について詳細に説明する。図2は、現像装置324の内部構造を概略的に示す垂直方向の断面図、図3は、現像装置324の平面図である。現像装置324は、該現像装置324の内部空間を画定する現像ハウジング80を含む。この現像ハウジング80には、非磁性体のトナーおよび磁性体のキャリアを含む現像剤を貯留する現像剤貯留部81が備えられている。また、現像ハウジング80の内部には、現像剤貯留部81の上方に配置された磁気ローラー82(現像剤担持体)と、磁気ローラー82の斜め上方位置で磁気ローラー82に対向配置された現像ローラー83(トナー担持体)と、磁気ローラー82に対向配置された現像剤規制ブレード84とが配設されている。
現像剤貯留部81は、現像装置324の長手方向に延びる2つの隣り合う現像剤貯留室81a,81bを含む。現像剤貯留室81a,81bは、現像ハウジング80に一体に形成され長手方向に延びる仕切り板801によって互いに仕切られているが、図3に示すように、長手方向における両端部において連通路803、804によって互いに連通されている。各現像剤貯留室81a,81bには、軸回りに回転することにより現像剤を攪拌及び搬送するスクリューフィーダー85,86が収容されている。スクリューフィーダー85,86は、後記の駆動部962により回転駆動されるが、その回転方向が互いに逆方向に設定されている。これにより現像剤は、図3に矢印で示すように、現像剤貯留室81aおよび現像剤貯留室81b間を攪拌されつつ循環搬送される。この攪拌により、トナーとキャリアとが混合され、トナーが例えばプラスに帯電される。
磁気ローラー82は、現像装置324の長手方向に沿って配設されており、後記の駆動部962によって、図2では時計方向に回転駆動される。磁気ローラー82の内部には、固定式の所謂磁石ロール(図示せず)が配置されている。磁石ロールは複数の磁極を有しており、本実施形態では汲上極821、規制極822及び主極823を有する。汲上極821は現像剤貯留部81に対向し、規制極822は現像剤規制ブレード84に対向し、主極823は現像ローラー83に対向している。
磁気ローラー82は、汲上極821の磁力によって現像剤貯留部81から現像剤をその周面82A上に磁気的に汲み上げる(受け取る)。汲み上げられた現像剤は、磁気ローラー82の周面82A上に磁気的に現像剤層(磁気ブラシ層)として保持され、磁気ローラー82の回転に伴って現像剤規制ブレード84に向けて搬送される。
現像剤規制ブレード84は、磁気ローラー82の回転方向から見て現像ローラー83よりも上流側に配置され、磁気ローラー82の周面82Aに磁気的に付着した現像剤層の層厚を規制する。現像剤規制ブレード84は、磁気ローラー82の長手方向に沿って延びる磁性材料からなる板部材であり、現像ハウジング80の適所に固定された所定の支持部材841によって支持されている。また、現像剤規制ブレード84は、磁気ローラー82の周面82Aとの間で所定の寸法の規制ギャップGを形成する規制面842(つまり現像剤規制ブレード84の先端面)を有する。
磁性材料から形成された現像剤規制ブレード84は、磁気ローラー82の規制極822によって磁化される。これにより、現像剤規制ブレード84の規制面842と規制極822との間には、すなわち規制ギャップGには、磁路が形成される。汲上極821によって磁気ローラー82の周面82A上に付着した現像剤層が、磁気ローラー82の回転に伴って規制ギャップG内に搬送されると、現像剤層の層厚は規制ギャップGにおいて規制される。これにより、周面82A上には所定厚さの均一な現像剤層が形成される。
現像ローラー83は、現像装置324の長手方向に沿って、且つ、磁気ローラー82に対して平行に延びるように配設されている。現像ローラー83は、後記の駆動部962によって、図2では時計方向に回転駆動される。現像ローラー83は、磁気ローラー82の周面82A上に保持された現像剤層に接触した状態で回転しつつ、前記現像剤層からトナーを受け取ってトナー層を担持する周面83Aを有する。現像動作が行なわれる現像時には、現像ローラー83は、感光体ドラム321の周面に前記トナー層からトナーを供給する。
現像ローラー83の周面83Aと磁気ローラー82の周面82Aとの間には、所定の寸法の隙間Sが形成されている。隙間Sは例えば約130μmに設定されている。現像ローラー83は、現像ハウジング80に形成された開口を通して感光体ドラム321に臨むように配置され、周面83Aと感光体ドラム321の周面との間にも所定の寸法の隙間が形成されている。
<電気的構成、ブロック図>
続いて、画像形成装置1の主要な電気的構成について説明する。画像形成装置1は、当該画像形成装置1の各部の動作を統括的に制御する制御部90を備える。図4は、制御部90の機能ブロック図である。制御部90は、CPU(Central Processing Unit)、制御プログラムを記憶するROM(Read Only Memory)、CPUの作業領域として使用されるRAM(Random Access Memory)等から構成されている。また、制御部90には、前述の画像形成部30に加え、第1印加部88(バイアス印加部)、第2印加部89(バイアス印加部)、駆動部962(回転駆動部)、画像メモリー963、I/F964などが電気的に接続されている。
第1印加部88は、直流電源と交流電源とから構成され、後記のバイアス制御部92からの制御信号に基づき、現像装置324内の磁気ローラー82にバイアスを印加する。同様に、第2印加部89は、直流電源と交流電源とから構成され、バイアス制御部92からの制御信号に基づき、現像装置324内の現像ローラー83にバイアスを印加する。これらの印加部は、直流電圧に交流電圧が重畳されたバイアス、または、直流電圧のみからなるバイアスを印加することができる。
駆動部962は、モーター及びそのトルクを伝達するギア機構からなり、制御部90の駆動制御部91からの制御信号に応じて、後記の現像動作及び回収動作時に、現像装置324内の現像ローラー83、磁気ローラー82およびスクリューフィーダー85、86などを回転駆動させる。
画像メモリー963は、当該画像形成装置1がプリンターとして機能する場合に、例えばパーソナルコンピューターなどの外部機器から与えられる印刷用画像データを一時的に記憶する。また、画像メモリー963は、画像形成装置1が複写機として機能する場合には、ADF20により光学的に読み取られた画像データを一時的に記憶する。
I/F964は、外部機器とのデータ通信を実現させるためのインターフェイス回路であり、例えば画像形成装置1と外部機器とを接続するネットワークの通信プロトコルに従った通信信号を作成すると共に、ネットワーク側からの通信信号を画像形成装置1が処理可能な形式のデータに変換する。パーソナルコンピューター等から送信される印刷指示信号はI/F964を介して制御部90に与えられ、また画像データは、I/F964を介して画像メモリー963に記憶される。
制御部90は、前記CPUがROMに記憶された制御プログラムを実行することにより、駆動制御部91、バイアス制御部92、および電位情報記憶部93を備えるように機能する。
駆動制御部91は、駆動部962を制御して、現像装置324の磁気ローラー82、現像ローラー83などを回転駆動させる。本実施形態では、後記の現像動作および回収動作において、駆動制御部91は、上記の各部材を回転させる。
バイアス制御部92は、後記の現像動作の実行に際し、現像ローラー83および磁気ローラー82へのバイアス設定値を決定し、第1印加部88および第2印加部89を制御して、現像バイアスを印加させる。また、バイアス制御部92は、後記の回収動作の実行に際し、現像ローラー83および磁気ローラー82へのバイアス設定値を決定し、第1印加部88および第2印加部89を制御して、回収バイアスを印加させる。
電位情報記憶部95は、種々の条件下においてバイアス制御部92が設定する現像動作時の現像バイアス及び回収動作時の回収バイアス、並びに磁気ローラー82と現像ローラー83との電位差の設定値などを記憶する。
<現像バイアスの印加、現像動作について>
次に、図5を参照して、現像装置324のバイアス印加のための構成及び現像動作について説明する。現像装置324は、現像動作を制御するために、前述の第1印加部88、第2印加部89(いずれもバイアス印加部)、および制御部90を含む。図5に示すように、第1印加部88は、直列に接続された直流電圧源881と交流電圧源882とを有し、磁気ローラー82に接続されている。直流電圧源881から出力された直流バイアスに交流電圧源882から出力された交流バイアスが重畳された電圧が磁気ローラー82に印加される。第2印加部89は、直列に接続された直流電圧源891と交流電圧源892とを有し、現像ローラー83に接続されている。直流電圧源891から出力された直流バイアスに交流電圧源892から出力された交流バイアスが重畳された電圧が、現像ローラー83に印加される。なお、後記の回収動作時には、交流電圧源882、892は交流バイアスを出力しない。
磁気ローラー82および現像ローラー83に印加される直流バイアスおよび交流バイアスの値は、現像装置324が感光体ドラム321の周面上にトナーを供給する(静電潜像を現像する)現像動作に際し、供給されるトナーの帯電性に応じて変更される。また、現像動作終了後に、現像ローラー83に付着したトナーを磁気ローラー82に回収するための回収動作において、更に異なるバイアスの値が磁気ローラー82および現像ローラー83に印加される。
次に、感光体ドラム321上の静電潜像の現像メカニズム(現像動作)を説明する。磁気ローラー82の周面82A上の磁気ブラシ層は、現像剤規制ブレード84によって層厚が均一に規制された後、磁気ローラー82の回転に伴って現像ローラー83に向けて搬送される。その後、隙間S(図2)の領域において、磁気ブラシ層中の多数の磁気ブラシDBが、回転中の現像ローラー83の周面83Aに接触する。
このとき、バイアス制御部92は、第1印加部88および第2印加部89を制御して所定の直流バイアスおよび交流バイアスを磁気ローラー82および現像ローラー83のそれぞれに印加する。これにより、磁気ローラー82の周面82Aと現像ローラー83の周面83Aとの間に所定の電位差(現像用電位差)が生じる。なお、バイアス制御部92は、トナーが磁気ローラー82から現像ローラー83に移動するような電界が磁気ローラー82と現像ローラー83との間に形成されるように、現像バイアスの直流電圧を設定する。そして、交流電圧は、磁気ローラー82と現像ローラー83との間に振動電界を形成し、トナーの移動を促進する。この現像用電位差により、周面82Aと周面83Aとの対向位置において(主極823(図2)と周面83Aとの対向位置において)、磁気ブラシDBからトナーTのみが周面83Aに移動し、磁気ブラシDBのキャリアCと残留する一部のトナーとは周面82A上に残る。これにより、現像ローラー83の周面83A上に所定厚さのトナー層TLが担持される。
周面83A上のトナー層TLは、現像ローラー83の回転に伴って感光体ドラム321の周面に向けて搬送される。現像ローラー83には、直流電圧と交流電圧との重畳電圧が印加されている。したがって、静電潜像に応じて表面に電位を有している感光体ドラム321の周面と該現像ローラー83の周面83Aとの間には所定の電位差が生じている。この電位差により、トナー層TLのトナーTが感光体ドラム321の周面に移動する。これにより、感光体ドラム321の周面上の静電潜像が現像され、トナー像が形成される。
<回収動作の説明>
次に、本実施形態における現像装置324内の回収動作について説明する。図6は、現像ローラー83から磁気ローラー82側へのトナーの回収動作を説明するための模式図である。この回収動作は、先の現像動作が実行されていないタイミングであって、たとえば画像形成動作中のシート間に相当する時間や、画像形成動作前後などに実行される。
実際の現像動作では、トナー層TL中のトナーTのうち、感光体ドラム321に移動せず周面83A上に残留する残留トナーRTが発生する。残留トナーRTは、現像ローラー83の回転に伴って周面83Aと磁気ローラー82の周面82Aとの対向位置に搬送されたとき、磁気ブラシDBによる掻き取り力と両ローラー82、83間の電気的な力とによって回収される。当該電気的な力は、後記のとおり、直流電圧の電位差によって形成される。回収した残留トナーRTを有する磁気ブラシDBは、磁気ローラー82の回転に伴って主極823よりも下流側に搬送されると、前記磁石ロールの回収極(図示せず)の磁力によって周面82Aから回収され、スクリューフィーダー85、86を収容する現像剤貯留部81(図2)に戻される。
画像形成装置1によって出力される画像の中には、用紙面積に対する印字率が数%程度という比較的トナー消費が少ない条件が存在する。このような条件においては、現像装置324内で消費されずに循環し続けるトナーが増え、トナーの帯電量が高くなることがある(チャージアップ現象)。この場合、トナー層TL中には、感光体ドラム321側に飛翔しにくい小粒径のトナーが多く存在することとなる。したがって、上記の回収動作を促進させ、現像ローラー83から磁気ローラー82に、小粒径トナーの回収を定期的に実行することが望ましい。
なお、本実施形態では、回収動作は、第1の回収動作と、第2の回収動作とを含む。第1の回収動作は、複数のシートに連続して画像が形成されるために、感光体ドラム321上に複数のトナー画像が所定の画像間隔をおいて連続的に形成される際の画像間において実行される回収動作である。換言すれば、第1の回収動作は、シート間(紙間)に対応して実行される。一方、第2の回収動作は、上記の複数のトナー画像のうち最初のトナー画像が形成される前、または、複数のトナー画像のうち最後のトナー画像が形成された後に実行される回収動作である。換言すれば、第2の回収動作は、画像形成装置1の印刷ジョブ前、または印刷ジョブ後に実行される。なお、他の実施形態において、第2の回収動作は、画像形成装置1の電源がオンされた際や画質セットアップ動作時に、実行されてもよい。
<トナーの電荷減衰定数について>
上記のように、現像ローラー83の周面83A上に担持されるトナーの入れ替わりを促進することで、安定した帯電量を備えたトナーを感光体ドラム321に供給することが可能となる。しかしながら、現像ローラー83から磁気ローラー82側にトナーを回収する際に、トナーに強い電界が付与されると、電荷注入が発生し、トナーの逆帯電が引き起こされる。通常、プラス極性に帯電されるトナーが、マイナス極性に帯電されると、現像ローラー83の周面83Aにおいて、逆帯電トナーのトナー層が形成されてしまう。このような逆帯電トナーのトナー層は、抵抗層として機能するため、磁気ローラー82と現像ローラー83との間に形成される現像電位差の実効値を変動させる。この結果、磁気ローラー82から現像ローラー83に充分なトナーが供給されず、画像濃度の低下がもたらされる。また、現像装置324内において正帯電トナーと逆帯電トナーとが混在すると、現像装置324の白地部(背景部)に対して、誤って逆帯電トナーが現像されることがある。すなわち、トナーかぶりが生じることとなる。そして、このようなトナーの逆帯電は、電荷注入されやすいトナーにおいて顕著となる。トナーが電荷注入されやすいか否かは、トナーの電荷減衰定数αによって評価することが可能である。
<電荷減衰定数の測定について>
図7を参照して、まず、電荷減衰定数αの測定に用いられる静電気拡散率測定装置970の構成について説明する。静電気拡散率測定装置970は、恒温恒湿器971と、コロナ放電を行う放電部975および表面電位測定を行うセンサ部976を含む測定部972と、試料を充填するための凹部973aが形成された金属製の測定セル973と、測定部972と接続され、当該測定部972の動作を制御する制御部974とを有する。測定セル973の凹部973aは、上面視において矩形の開口を有する。凹部973aの開口サイズは10mm×10mmであり、深さは1mmである。静電気拡散率測定装置970としては、株式会社ナノシーズ製のNS−D100型を用いることができる。次に、上記静電気拡散率測定装置970による電荷減衰定数αの測定方法について説明する。まず、測定対象であるトナーが測定セル973の凹部973aに入れられ、当該トナーがスライドガラスなどにより上方から押し込まれる。そして、測定セル973上でスライドガラスを往復移動させることにより、凹部973aから溢れたトナーが擦り切られる。凹部973aへのトナーの充填量はスライドガラスによる押し込みの程度により調整可能であり、0.04g以上0.06g以下に調整されることが好ましい。
次に、トナー充填後の測定セル973が温度32.5℃、相対湿度80%の環境下において12時間放置される。次に、測定セル973が接地された状態で静電気拡散率測定装置970内に配置され、放電部975からトナーに対してコロナ放電が行われる。そして、コロナ放電終了後0.7秒を経過した後から、センサ部976によりトナーの表面電位が連続的に測定される。この測定結果に基づいて、下記の(式1)によりトナーの電荷減衰定数α(電荷減衰速度)が算出される。下記の(式1)において、Vはトナーの表面電位(V)を示し、V0は初期のトナーの表面電位(V)を示し、αはトナーの電荷減衰定数(電荷減衰速度)を示し、tは減衰時間(秒)を示している。
V=V0×exp(−α√t)・・・・(式1)
本実施形態では、トナーの電荷減衰定数αが、0.02≦α≦0.05の関係を満たすように、トナーの材料、形状および構造などが設定されている。上記のトナーは比較的電荷注入されやすいものである。このようなトナーは磁気ローラー82上に担持される現像剤の磁気ブラシの抵抗を下げる効果がある。これにより、磁気ローラー82から現像ローラー83に誤ってキャリアが移動することが抑制される。なお、トナーの電荷減衰定数αを調整する方法は、公知の方法を選択可能である。一例として、本実施形態では、トナーはコアーシェル構造のトナーである。以下に、本実施形態に係るトナーについて、説明する。
<トナーについて>
(トナーコア)
トナーコア材は一般的な粉砕法によって作製された分級品からなり、本実施形態ではアニオン性を示す。トナーコア材がアニオン性を示すかどうかは、日本画像学会が提供する標準キャリアとの摩擦帯電によって検出可能であり、水系媒体下でのアニオン性については、ゼータ電位での計測が有効である。すなわち標準化キャリアとの摩擦帯電にて−10μC/g以上の負帯電性、ゼータ電位にて−10mV以上のアニオン性を示せばよい。
(トナーシェル)
トナーコアのシェル化はトナーコア表面に熱硬化性樹脂を被覆させることで行う。又、トナーシェルは、カチオン性の性質も有する。被覆の方法としては、所望の平均粒子径および粒子径分布を実現できるものであれば特に制限されないが、固体状のトナーコア上に被膜を形成するため、樹脂原料を反応場に水系媒体側からのみ供給する方式で作製できるものとされる。具体的には、in−situ重合法、液中硬化被覆法、コアセルベーション法などにより作製される被膜が好ましく、反応性などの観点から、in−situ重合法により作製される被膜が好ましい。in−situ重合法においては、水系媒体にのみに樹脂被膜の原料が存在しており、この原料がトナーコア上で反応して樹脂化し、被膜が形成される。シェル化に用いる樹脂原料としては、上記の様な方法で形成されるものであれば特に制限されないが、トナーの凝集を十分抑制でき成膜性に優れる等の理由から、メラミン系、尿素レゾルシン系などの尿素系、ウレタン系、アミド系、オレフィン系、ゼラチン・アラビアゴム系などを使用し、吸水性が低く貯蔵安定性に優れる等の理由から、メラミン系および尿素レゾルシン系などの尿素系などが好ましい。メラミン系樹脂および尿素レゾルシン系などの尿素系樹脂は低吸水性であるため、薄膜被覆トナーを乾燥する際に薄膜被覆トナーが結着することを抑制し、トナーの平均粒子径および粒子径分布が変化することを抑制でき、また、貯蔵中に腐敗することもない。
具体的にはメラミンとホルムアルデヒド、あるいは尿素とホルムアルデヒドとの不可反応によって生成される前駆体(メチロール化物)であるメチロールメラミンあるいはメチロール化尿素を用いることによりトナーコア表面の皮膜化が可能である。またこれらの皮膜化は該メチロール化物を溶解することができる溶媒中で行うことが好ましく、該溶媒として水、メタノール、あるいはエタノールが好ましい。水、メタノール、あるいはエタノールのような溶媒中でシェル層を形成する場合、トナーコア表面に均一に該メチロール化物を被覆させるために、トナーコアを溶媒中に高度に分散させることが好ましい。また溶媒中にトナーコアを高度に分散させる為、溶媒中に分散剤を含有させることができる。分散剤の種類は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されることはない。例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリパラビニルフェノール、部分鹸化ポリ酢酸ビニル、イソプレンススルホン酸、ポリエーテル、イゾブチレン/無水マレイン酸共重合体、ポリアスパラギン酸ナトリウム、デンプン、アラビアゴム、ポリビニルピロリドン及びリグニンスルホン酸ナトリウムを用いることができる。これらの分散剤は、1種を用いても、2種以上を組み合わせて使用しても良い。分散剤の使用量は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されることはない。例えばトナーコア100質量部に対し、75質量部以下が好ましい。トナーコアを高度に分散させた溶媒中でメチロールメラミンあるいはメチロール尿素からなるシェル層を形成するための温度は、特に限定されないが、40度以上80度以下が好ましく、55度以上70度以下がより好ましい。このような範囲の温度によりトナーコア表面にシェル層を形成することにより、トナーコア粒子表面を被覆するシェル層の形成が良好に進行し、シェル化トナーの分散液を得ることができる。その後、必要に応じて洗浄工程、乾燥工程を経て、シェル化トナー母粒子が得られる。このシェル層の厚みや、このシェル層の外側に添加するシリカや酸化チタンなどによって、抵抗調整を行なうことが可能となる。
<回収バイアスの制御について>
本実施形態では、電荷減衰定数αが0.02≦α≦0.05の関係を満たす場合でも、トナーの電荷注入、逆帯電を抑止しつつ、現像ローラー83の周面83A上のトナーの入れ替わりが促進される。このために、バイアス制御部92は、回収動作時における回収バイアスを好適に制御する。詳しくは、バイアス制御部92は、現像ローラー83に担持されたトナーを磁気ローラー82側に回収する回収動作時には、直流電圧のみからなる回収バイアスを現像ローラー83および磁気ローラー82に印加する。この結果、回収動作時に、トナーに強い振動電界が付与されることがない。このため、トナーが電荷注入されにくく、逆(負)帯電することが抑止される。また、逆帯電したトナーが現像ローラー83の周面83Aに偏ったトナー層を形成することがなく、画像濃度の低下が抑止される。更に、逆帯電したトナーが感光体ドラム321側に現像されることが抑止され、トナーかぶりの発生が防止される。
なお、バイアス制御部92は、回収動作時に、トナーが現像ローラー83から磁気ローラー82に移動するような電界が現像ローラー83と磁気ローラー82との間に形成されるように、回収バイアスの直流電圧を設定してもよい。この場合、磁気ローラー82上の磁気ブラシの機械的な掻き取り力に加え、直流電圧の電位差によってトナーが積極的に回収される。このような直流電圧値の設定は、前述の第2の回収動作において実行されることが望ましい。画像形成装置1における印刷動作の前後などでは、回収動作を実行する時間に余裕があるため、確実に現像ローラー83からトナーを引き剥がすことが可能である。
また、バイアス制御部92は、回収動作時に、トナーが磁気ローラー82から現像ローラー83に移動するような電界が現像ローラー83と磁気ローラー82との間に形成されるように、回収バイアスの直流電圧を設定してもよい。この場合、直流電圧の電位差によって生じる電界の向きにおいては、一見、トナーの回収が阻害されるように見えるが、実際には、磁気ローラー82上の磁気ブラシの機械的な掻き取り力によって、現像ローラー83から所定量のトナーを回収することが可能である。また、現像動作時よりも直流電圧による電位差(現像用電位差)を縮小することで、トナーの回収を促進することができる。このような直流電圧値の設定は、前述の第1の回収動作において実行されることが望ましい。画像形成装置1における印刷動作のシート間(紙間)では、回収動作を実行する時間が少ないため、現像ローラー83上のトナーを引き剥がし過ぎると、次のシートの画像形成において濃度低下が生じやすい。したがって、第1の回収動作では、現像ローラー83上の所定量のトナーが回収され、次の現像動作に先だって新たなトナーが現像ローラー83に供給されることで、濃度低下が抑止される。なお、シート間が充分大きく設けられた場合には、トナーが現像ローラー83から磁気ローラー82に移動するような電界が現像ローラー83と磁気ローラー82との間に形成されるように、回収バイアスの直流電圧が設定されてもよい。
以下、実施例および比較例を挙げて本発明の実施形態につき更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。なお、実施した比較実験での各実験条件は以下のとおりである。
[実験1]
実験1では、回収動作時の交流バイアスの影響が評価される。
<実験条件>
・環境:温度24度、相対湿度40%
・プリント速度:40ppm
・現像方式:タッチダウン現像方式
・感光体ドラム321:a−Si感光体
・感光体ドラム321の線速:250mm/sec
・現像ローラー83の周面83A:アルマイト処理+樹脂コート
・現像ローラー83の線速:感光体ドラム321に対して線速比1.6(ウィズ回転)
・感光体ドラム321と現像ローラー83との間の距離:0.11mm
・現像ローラー83と磁気ローラー82との間の距離:0.27mm
・感光体ドラム321の白地部(背景部)電位V0:+250V
・感光体ドラム321の画像部電位VL:+15V
・現像ローラー83の現像バイアス:周波数=3.9KHz、Duty=40%、Vpp=1500V、Vdc(直流電圧)=100V
・磁気ローラー82の現像バイアス:周波数=3.9KHz、Duty=60%、Vpp=1270V、Vdc(直流電圧)=250V
・トナー:正帯電極性マゼンタトナー、平均粒径6.7μm
・印刷画像:印字率5%の画像が1ジョブあたり10枚ずつ、所定の枚数まで印刷される。
<比較例1>
比較例1では、回収動作時に、直流電圧に交流電圧を重畳させた回収バイアスが印加される。
・トナーの電荷減衰定数α:0.05
・第1の回収動作時の現像ローラー83の回収バイアス:周波数=3.9KHz、Duty=40%、Vpp=1500V、Vdc(直流電圧)=100V
・第1の回収動作時の磁気ローラー82の回収バイアス:周波数=3.9KHz、Duty=60%、Vpp=1270V、Vdc(直流電圧)=150V
・第2の回収動作時の現像ローラー83の回収バイアス:周波数=3.9KHz、Duty=40%、Vpp=1500V、Vdc(直流電圧)=100V
・第2の回収動作時の磁気ローラー82の回収バイアス:周波数=3.9KHz、Duty=60%、Vpp=1270V、Vdc(直流電圧)=0V
<実施例1>
実施例1では、回収動作時に、直流電圧のみからなる回収バイアスが印加される。
・トナーの電荷減衰定数α:0.05
・第1の回収動作時の現像ローラー83の回収バイアス:Vdc(直流電圧)=100V
・第1の回収動作時の磁気ローラー82の回収バイアス:Vdc(直流電圧)=150V
・第2の回収動作時の現像ローラー83の回収バイアス:Vdc(直流電圧)=100V
・第2の回収動作時の磁気ローラー82の回収バイアス:Vdc(直流電圧)=0V
<比較例2>
比較例2では、回収動作時に、直流電圧のみからなる回収バイアスが印加される。ただし、トナーの電荷減衰定数は、0.05よりも大きく設定される。
・トナーの電荷減衰定数α:0.054
・第1の回収動作時の現像ローラー83の回収バイアス:Vdc(直流電圧)=100V
・第1の回収動作時の磁気ローラー82の回収バイアス:Vdc(直流電圧)=150V
・第2の回収動作時の現像ローラー83の回収バイアス:Vdc(直流電圧)=100V
・第2の回収動作時の磁気ローラー82の回収バイアス:Vdc(直流電圧)=0V
上記の条件のもと、シート間では、磁気ローラー82上の磁気ブラシが現像ローラー83上のトナーを少量回収する(第1の回収動作)。また、連続印字(各ジョブ)の終了時に、磁気ローラー82上の磁気ブラシが現像ローラー83上のトナーをほぼ全て回収する(第2の回収動作)。表1に、比較例1、実施例1および比較例2における、印刷枚数に対するトナーかぶりの評価結果が示される。なお、トナーかぶりの評価は、所定の評価基準F.Dによって実施し、F.Dが0.01以上の場合を×とし、0.01未満の場合を○と示している。
Figure 0006314852
表1を参照して、比較例1では印刷枚数1100枚で、トナーの逆帯電によるトナーかぶりが発生したが、実施例1では印刷枚数1500枚を経過しても、トナーかぶりが発生しない結果となった。また、電荷減衰定数α=0.054の比較例2では印刷枚数1500枚でトナーかぶりが発生した。これは、回収動作時に交流バイアスの印加を抑えても、トナーの電荷減衰が大きくなるためである。このような点からも、トナーの電荷減衰定数αは、α≦0.05の範囲に設定されることが望ましい。
[実験2]
実験2では、異なる電荷減衰定数αのトナーに対して、磁気ローラー82と現像ローラー83との間の電位差が変化された際の現像ゴーストが評価される。
<実験条件>
・環境:温度25度、相対湿度45%
・プリント速度:40ppm
・現像方式:タッチダウン現像方式
・感光体ドラム321:a−Si感光体
・感光体ドラム321の線速:250mm/sec
・現像ローラー83の周面83A:アルマイト処理+樹脂コート
・現像ローラー83の線速:感光体ドラム321に対して線速比1.6(ウィズ回転)
・感光体ドラム321と現像ローラー83との間の距離:0.11mm
・現像ローラー83と磁気ローラー82との間の距離:0.27mm
・感光体ドラム321の白地部(背景部)電位V0:+250V
・感光体ドラム321の画像部電位VL:+15V
・現像ローラー83の現像バイアス:周波数=3.9KHz、Duty=40%、Vpp=1500V、Vdc(直流電圧)=100V
・磁気ローラー82の現像バイアス:周波数=3.9KHz、Duty=60%、Vpp=1270V、Vdc(直流電圧)=可変
・トナー:正帯電極性マゼンタトナー、平均粒径6.7μm
<実施例2>
・トナーの電荷減衰定数α:0.02
<比較例3>
・トナーの電荷減衰定数α:0.015
上記の条件のもと、現像動作時に磁気ローラー82に印加される直流電圧の値(Vdc)が変化されることで、磁気ローラー82と現像ローラー83との間の直流電圧の電位差(単位V)が調整される。表2に、実施例2および比較例3において、磁気ローラー82と現像ローラー83との間の直流電圧の電位差(単位V)(表2では、MS間ΔV)が変化された場合の現像ゴーストおよび画像濃度の評価結果が示される。なお、現像ゴーストは、現像ローラー83上のトナーが磁気ローラー82側に充分回収されないために現像ローラー83上に画像履歴が残り、感光体ドラム321上のトナー画像に生じる画像欠陥である。現像ゴーストの評価は、目視で判断され、現像ゴーストが発生している場合には×とされ、現像ゴーストが発生していない場合は、○と示されている。また、画像濃度I.Dは、公知の反射濃度計で測定され、I.Dが1.35以上の場合には○とされ、I.Dが1.35未満の場合には×と示されている。
Figure 0006314852
表2を参照して、実施例2では、画像濃度I.Dおよび現像ゴーストの結果がいずれも良好な範囲が確保(MS間ΔV=180〜260V)されている。一方、比較例3では、画像濃度I.Dおよび現像ゴーストの結果がいずれも良好な範囲が確保されていない。実施例2では、MS間ΔV=260Vで現像ゴーストが発生したが、比較例3では、MS間ΔV=180Vにおいて現像ゴーストが発生している。これは、比較例3で使用されたトナーの電荷減衰定数αが小さいため、トナーの帯電量が高くなり、現像ローラー83上のトナーが磁気ローラー82側に回収しきれなかったことが原因と推定される。また、比較例3では、トナーの帯電量が高いために、現像ローラー83から感光体ドラム321への現像性が低く、画像濃度I.Dも出にくい結果となっている。このような点からも、トナーの電荷減衰定数αは、α≧0.02の範囲に設定されることが望ましい。なお、タッチダウン現像方式においては、キャリアが誤って現像ローラー83側に移動しないためにも、MS間ΔVが260V以下の範囲に設定されることが望ましい。
以上、本発明の実施形態に係る現像装置324およびこれを備えた画像形成装置1について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば次のような変形実施形態を採用することができる。
(1)上記の実施形態では、回収動作において、現像ローラー83及び磁気ローラー82ともに、直流電圧(Vdc)のみが印加される態様にて説明した。なお、回収動作時のトナーの逆帯電を防止するためには、同じVpp(ピーク間電圧)で、同じDutyの交流バイアスが、現像ローラー83および磁気ローラー82に同位相で印加されてもよい。この場合、実質的には、現像ローラー83と磁気ローラー82との間に直流電圧のみが印加され、交流電圧による振動電界がトナーには及びにくい。なお、この場合は、現像ローラー83および磁気ローラー82に交流電圧が印加されるため、両者の間でトナーが飛散することがある。トナーの飛散を抑止しつつ、トナーの逆帯電を防止するためには、上記のように、回収バイアスは直流電圧からなることが望ましい。
(2)また、上記の実施形態では、現像ローラー83と磁気ローラー82とが対向する領域において、両者が異なる向き(カウンタ方向)に回転される態様にて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。現像ローラー83および磁気ローラー82はウィズ方向に回転されるものでもよい。なお、上記のように、現像ローラー83および磁気ローラー82がカウンタ方向で回転される場合、磁気ローラー82上の磁気ブラシが、現像ローラー83上のトナー層に強く衝突するため、機械的な掻き取り力が増し、回収動作が効率的に実現される。また、この場合、現像ローラー83と磁気ローラー82とが対向する領域において、回収されるトナーの密度が高くなる。このため、回収動作時に交流電圧が印加されると、多くのトナーの逆帯電が促進されてしまう。上記の実施形態では、回収動作時に交流電圧が印加されないため、トナーの逆帯電を防止しつつ、効率的なトナー回収が実現される。
1 画像形成装置
30 画像形成部
321 感光体ドラム(像担持体)
324 現像装置
80 現像ハウジング
82 磁気ローラー(現像剤担持体)
83 現像ローラー(トナー担持体)
88 第1印加部(バイアス印加部)
89 第2印加部(バイアス印加部)
90 制御部
91 駆動制御部
92 バイアス制御部
93 電位情報記憶部
962 駆動部(回転駆動部)

Claims (4)

  1. トナーおよびキャリアを含む現像剤を貯留する現像ハウジングと、
    回転駆動され、前記現像ハウジング内の前記現像剤を受け取って周面に現像剤層を担持する現像剤担持体と、
    回転駆動され、前記現像剤層からトナーを受け取って周面にトナー層を担持し、表面に静電潜像が形成され前記トナーによって顕在化されるトナー画像を担持する像担持体に、前記トナーを供給するトナー担持体と、
    直流電圧および交流電圧を印加可能なバイアス印加部と、
    前記バイアス印加部を制御するバイアス制御部と、
    前記現像剤担持体および前記トナー担持体を回転駆動させる回転駆動部と、
    を有し、
    前記トナーの電荷減衰定数αが、0.02≦α≦0.05の関係を満たし、
    前記トナー担持体および前記像担持体は、互いに対向する領域において、同じ方向に回転され、
    前記バイアス制御部は、前記現像剤担持体から前記トナー担持体に前記トナーが供給されるとともに前記トナー担持体から前記像担持体に前記トナーが供給される現像動作時に、直流電圧に交流電圧が重畳された現像バイアスを前記トナー担持体および前記現像剤担持体に印加し、前記現像動作が実行されていない時であって前記トナー担持体に担持された前記トナーを前記現像剤担持体側に回収する回収動作時に、180V〜260Vの範囲に含まれる直流電圧の電位差が前記トナー担持体と前記現像剤担持体との間に形成されるように直流電圧のみからなる回収バイアスを前記トナー担持体および前記現像剤担持体に印加することを特徴とする現像装置。
  2. 前記バイアス制御部は、
    前記トナーが前記現像剤担持体から前記トナー担持体に移動するような電界が前記トナー担持体と前記現像剤担持体との間に形成されるように、前記現像バイアスの前記直流電圧を設定し、
    前記トナーが前記トナー担持体から前記現像剤担持体に移動するような電界が前記トナー担持体と前記現像剤担持体との間に形成されるように、前記回収バイアスの前記直流電圧を設定することを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
  3. 前記回収動作は、
    複数のシートに連続して画像が形成されるために、前記像担持上に複数のトナー画像が所定の画像間隔をおいて連続的に形成される際の画像間において実行される第1の回収動作と、
    前記複数のトナー画像のうち最初のトナー画像が形成される前、または、前記複数のトナー画像のうち最後のトナー画像が形成された後に実行される第2の回収動作と、
    を含み、
    前記バイアス制御部は、
    前記トナーが前記現像剤担持体から前記トナー担持体に移動するような電界が前記トナー担持体と前記現像剤担持体との間に形成されるように、前記現像バイアスおよび前記第1の回収動作における前記回収バイアスの前記直流電圧を設定し、
    前記トナーが前記トナー担持体から前記現像剤担持体に移動するような電界が前記トナー担持体と前記現像剤担持体との間に形成されるように、前記第2の回収動作における前記回収バイアスの前記直流電圧を設定することを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
  4. 前記静電潜像が形成されるとともに、前記トナー画像を担持する像担持体と、
    請求項1乃至3の何れか1項に記載の現像装置と、
    を有することを特徴とする画像形成装置。
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