JP2007316321A - 横電界方式のアクティブマトリクス型液晶表示装置 - Google Patents

Abstract

【課題】横電界方式のアクティブマトリクス型液晶表示装置において、共通電極の上部の液晶も駆動することによって光透過率を向上させる。
【解決手段】画素電極と共通電極とを保護膜を介して多層に配置した横電界方式のアクティブマトリクス型液晶表示装置において、前記画素電極を画素開口部の全体を覆って配置し、前記共通電極を、画素開口部ではデータ線に沿って櫛歯状に配置し、データ線直上ではデータ線直上のみにパターン形成された有機膜を介して配置する。
【選択図】図３

Description

本発明は、液晶表示装置、特に、横電界方式のアクティブマトリクス型液晶表示装置に関する。

液晶表示装置の表示方式には、配向した液晶分子の分子軸の方向を基板に対してほぼ平行な面内において回転させる横電界方式（ＩＰＳ(In-Plane Switching)モード）がある。横電界方式は、周知のように、カラーフィルタ基板と平行に配置したＴＦＴ(Thin Film Transistor)基板に共通電極と画素電極とを設け、これらの共通電極と画素電極の夫々に電圧を印加し、基板にほぼ平行の電界成分を利用して表示を行なうものである。横電界方式の液晶表示装置は、広い視野角を得ることができると共に画像コントラストを改善できるという効果があるので近年多用される傾向にある。

液晶表示装置の表示画像の輝度は「画素の開口面積」を大きくすることにより上げることができる。このような従来技術が、例えば、特許文献１に記載されている。以下、この特許文献１に記載されている従来技術を、図６及び図７を参照して簡単に説明する。

図６において、参照番号１０及び１２は、夫々、透明な絶縁基板及び透明なゲート絶縁膜を示し、ゲート絶縁膜１２の上に透明な画素電極１４及びデータ線１６が配置されている。図６からは明らかでないが、画素電極１４は、例えば、データ線１６に平行して櫛歯状に伸びている（即ち図面に直角方向に伸びている）。共通電極１８は、薄膜トランジスタ（図示せず）を保護する保護膜２０を介して、画素電極１４の上方に配置されている。共通電極１８は、画素開口部２２では保護膜２０上に配置され、データ線１６の上部では絶縁膜（有機膜）２４を介して配置されている。カラーフィルタ側の基板２６の液晶層側にはカラーフィルタ２８が配置され、更に、データ線１６に対応する位置にブラックマトリックス３０が図面に垂直方向に伸びている。

図７は、図６に示した構成の液晶表示装置の液晶層に形成される電界の様子の概略を示す図であり、図示のように、画素電極１４と共通電極１８との電位差により、液晶層内に、基板１０及び２６に平行の電界（横電界）が形成され、この横電界を利用して液晶が駆動される。
特開２００２−２５８３２１号公報

上述した従来例では、図７から明らかなように、共通電極１８上の液晶部分には横電界が存在しないので、この部分の光透過率が低下する（光透過の制御を充分に行なえない）という問題がある。また、上述した従来例では、電極幅の変動が液晶にかかる電界の強さに顕著に影響するため、線幅制御に高度な技術が必要とされる。

本発明によれば、画素電極と共通電極とを保護膜を介して多層に配置した横電界方式のアクティブマトリクス型液晶表示装置において、前記画素電極を画素開口部の全体を覆って配置し、前記共通電極を、画素開口部ではデータ線に沿って櫛歯状に配置し、データ線直上ではデータ線直上のみにパターン形成された有機膜を介して配置している。

更に、前記画素電極の端部とデータ線真上に配置された前記共通電極とを所定幅だけ重畳させている。

更にまた、本発明によれば、画素電極と共通電極とを保護膜を介して多層に配置した横電界方式のアクティブマトリクス型液晶表示装置において、前記画素電極及び前記共通電極の夫々を、画素開口部において、櫛歯状で且つ重畳しないように配置されている。

本発明によれば、共通電極１８の端部に生ずる回り込み電界によって液晶を駆動し、電界によって駆動された液晶が弾性力を介して共通電極上の液晶を回転させることができるので、共通電極上の液晶も透過率に寄与するようにできるという効果がある。

以下、添付の図面を参照して本発明に係る実施の形態について説明する。本実施の形態は、透明な画素電極を画素開口部の全体にわたって設けた点で上述の従来例と異なる。図面の説明を簡単にするため、図１〜図５では、従来例を説明した図６と同一の箇所には同一の参照番号を使用している。

図１において、参照番号１０及び１２は、夫々、透明な絶縁基板及び透明なゲート絶縁膜を示し、ゲート絶縁膜１２上には、透明な画素電極４０及びデータ線１６が配置されている。上述したように、本実施の形態では、画素電極４０は、画素開口部２２の全体を覆って設けられ、共通電極１８は、薄膜トランジスタ（図示せず）を保護する保護膜２０を介して、画素電極４０の上方に配置されている。共通電極１８は、画素開口部２２では櫛歯状に保護膜２０上に設けられ、データ線１６の上部では絶縁膜である有機膜２４を覆うように配置されている。

図２は、１画素分の共通電極１８（図１参照）の配置を説明するための簡単な平面図であり、切断線Ａ−Ａでの断面図が図１に相当する。図２において、縦方向の太い破線４２はデータ線（図１では１６で示す）の配置位置を示し、横方向の太い破線４４は走査線の配置位置を示し、薄膜トランジスタは破線で示した矩形４６の部分に設けられている。

図１に戻って、カラーフィルタ側の基板２６の液晶層側にはカラーフィルタ層２８が配置され、更に、データ線１６に対応する位置にブラックマトリックス３０が図面に垂直に伸びている。

図３は、図１に示した構成の液晶表示装置の液晶層に形成される電界の概略を示す図である。図３に示すように、画素電極４０と共通電極１８との電位差により、液晶層内に、共通電極１８の電極端を回り込む電界（所謂フリンジ電界)が発生し、液晶はこの回り込む電界により駆動される。また、データ線１６からの漏れ電界はデータ線１６上にある共通電極１８によってシールドされるので、データ線近傍の光漏れを防止することができる。このため、データ線上のブラックマトリックスの幅を縮小でき開口部を拡大することができる。

本実施の形態では、特に、櫛歯状に配置した共通電極１８の本数を増やして電極間隔を狭めると共に電極幅を適正に細線化することにより、共通電極１８の端部（エッジ）付近で駆動される液晶が弾性力を介して共通電極上の液晶を回転させることができるため、共通電極上の液晶も透過率に寄与することができるという顕著な効果がある。

更に、本実施例では、データ線１６をシールドしている共通電極１８と画素電極４０とのオーバーラップ量（図１のＬ）を制御することで、データ線１６の近傍で透過率に有利な電界を生成し画素全体の光透過率を向上させることができる。図４は、ピーク透過率とオーバーラップ量（Ｌ）の関係を示す図であり、この図から、共通電極１８と画素電極４０とのオーバーラップ量（Ｌ）を、例えば約1〜1.5μmにすれば、ピーク透過率を上げることができることがわかる。

上述した実施の形態では、画素電極４０を画素開口部２２の全体を覆うように配置し、共通電極１８の電極端を回り込む電界（フリンジ電界)を発生させている。しかしながら、画素電極４０を画素開口部２２の全体を覆うように配置する換わりに、図５に示すように、画素電極４０及び共通電極１８の夫々を、画素開口部２２において、櫛歯状とし且つ重畳しないように配置しても、共通電極１８の図３に示したと同様の回り込み電界を発生させることができる。

本発明に係る実施の形態を説明するための断面図。 図１の実施の形態を説明するための平面図。 図１の実施の形態を更に説明するための断面図。 図１の実施の形態の効果を説明するための図。 図１に示した実施の形態の変形例を説明するための図。 従来例を説明するための断面図。 図６の従来例を更に説明するための図。

符号の説明

１０、２６ 基板
１４、４０ 画素電極
１８ 共通電極
２２ 画素開口部

Claims (3)

1. 画素電極と共通電極とを保護膜を介して多層に配置した横電界方式のアクティブマトリクス型液晶表示装置において、前記画素電極は画素開口部の全体を覆って配置され、前記共通電極は、画素開口部ではデータ線に沿って櫛歯状に配置され、データ線直上ではデータ線直上のみにパターン形成された有機膜を介して配置されていることを特徴とする横電界方式のアクティブマトリクス型液晶表示装置。
2. 前記画素電極の端部とデータ線真上に配置された前記共通電極とは所定幅だけ重畳していることを特徴とする請求項１に記載の横電界方式のアクティブマトリクス型液晶表示装置。
3. 前記画素電極及び前記共通電極の夫々は、画素開口部において、櫛歯状で且つ重畳しないように配置されていることを特徴とする請求項１に記載の横電界方式のアクティブマトリクス型液晶表示装置。

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