JP2007316051A - ガスセンサ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ガスセンサ素子2と、ガスセンサ素子2を内側に挿通するハウジング3と、ハウジング3の先端側に固定された素子カバー4とを有するガスセンサ1。素子カバー4は、インナーカバー41とインナーカバー41の外周に配置されたアウターカバー42との二重構造を有している。アウターカバー42は、側面部に外側開口部421を設けてなると共に、外側開口部421よりも先端側に排出用開口部422を設けてなる。インナーカバー41は、外側開口部421よりも先端側となる位置に内側開口部411を設けてなる。内側開口部411は、インナーカバー41の外部から内部へ向かう開口方向がガスセンサ1の軸方向基端方向の成分を有する状態に形成されている。
【選択図】図1
Description
上記ガスセンサ9は、ジルコニア等からなる固体電解質体を用いたガスセンサ素子92を内蔵していると共に、このガスセンサ素子92をカバーする素子カバー93を有している。素子カバー93は、ステンレス鋼等の金属からなり、排気ガスGを通過させる通気孔933を有している。
ところで、内燃機関の低温始動時等において、排気ガス中に含まれる水滴などが、停止時に冷えた排気管の内壁面に触れて水滴となり、凝縮することがある。
水滴が付着した状態で内燃機関を始動した場合、特に始動直後の排気ガス温度が低い場合は、凝縮水が気化することなく排気ガスによって吹き飛ばされ、排気ガスGと共に素子カバー93の内部に侵入する。
そのため、素子カバー93の内側に侵入した水滴がガスセンサ素子の表面に付着した場合、熱衝撃により、ガスセンサ素子92に割れ(被水割れ)が発生するおそれがある。
しかし、図19に示すごとく、水滴Wがアウターカバー932の外側表面934に付着したとき、この外側表面934を伝って水滴Wが通気孔933まで移動して、アウターカバー931の内部に侵入する。そして、更に、水滴Wがインナーカバー931の外側表面936やアウターカバー932の内側表面935を伝って、インナーカバー931の通気孔933まで移動して、インナーカバー931の内部に侵入することがある。これにより、この水滴Wがガスセンサ素子92に付着して、被水割れが生ずるおそれがある。
ところが、ガスセンサ素子92の表面に保護層94を設けると、被測定ガス(排気ガス)が、ガスセンサ素子92のセンシング部に達する時間が長くなり、ガスセンサ9の応答性が低下するおそれがある。また、ガスセンサ素子92の熱容量が大きくなるため、活性時間が長くなるおそれもある。
しかし、この場合にも、被測定ガス(排気ガス)が素子カバー93の内部に侵入してガスセンサ素子920に達するまでに時間がかかり、ガスセンサ90の応答性が低下するおそれがある。
上記素子カバーは、インナーカバーと該インナーカバーの外周に配置されたアウターカバーとを備えており、
上記アウターカバーは、側面部に外側開口部を設けてなると共に、該外側開口部よりも先端側に排出用開口部を設けてなり、
上記インナーカバーは、上記外側開口部よりも先端側となる位置に内側開口部を設けてなり、
該内側開口部は、上記インナーカバーの外部から内部へ向かう開口方向が上記ガスセンサの軸方向基端方向の成分を有する状態に形成されていることを特徴とするガスセンサにある(請求項1)。
上記素子カバーは、上記アウターカバーに上記外側開口部と上記排出用開口部とを設けており、上記インナーカバーにおける上記外側開口部よりも先端側となる位置に内側開口部を設けている。そのため、側方から流れて来る被測定ガスは、外側開口部からアウターカバーとインナーカバーとの間に導入され、排出用開口部から排出される。また、アウターカバーとインナーカバーとの間に導入された被測定ガスの一部が、更に内側開口部からインナーカバーの内部に導入され、ガスセンサ素子に到達する。
これにより、被測定ガスと共に流れる水滴がインナーカバーの内部に浸入することを防ぎ、ガスセンサ素子の被水を防ぐことができる。そして、被水に起因するガスセンサ素子の被水割れを防ぐことができる。
また、ガスセンサ素子の表面に何らかの処理を施す必要もないため、被測定ガスがガスセンサ素子のセンシング部へ到達することを妨げることもなく、ガスセンサの応答性を低下させるおそれはない。また、ガスセンサ素子の熱容量を大きくすることもないため、活性時間の短縮を妨げることもない。
また、上記ガスセンサ素子は、例えば、ジルコニア等からなる固体電解質体の一方の面と他方の面とに基準ガス側電極及び被測定ガス側電極とを設けてなる。
また、上記開口方向は、例えば、内側開口部の輪郭線を含む平面に直交する方向として定義することができる。また、上記輪郭線が単一平面上にない場合には、上記輪郭線に最も近似した平面状の曲線(2次元の曲線)を想定し、この曲線を含む平面に直交する方向を上記開口方向とすることができる。
この場合には、アウターカバーの内側に水が滞留することを防ぐことができ、素子カバーの耐久性を向上させることができる。
この場合には、上記アウターカバーの排出用開口部から被測定ガスと共に水が浸入することを充分に防ぐことができる。即ち、インナーカバーの先端面がアウターカバーの先端面よりも先端側に配されていると、ガスセンサの側方から被測定ガスと共に流れてくる水滴が、インナーカバーの側面に当った後、排出用開口部からインナーカバーとアウターカバーとの間に浸入するおそれがある。
そこで、上記インナーカバーの先端面と上記アウターカバーの先端面とを、互いに略同一平面上に配することにより、排出用開口部から水滴が浸入することを防ぐことができる。これにより、ガスセンサ素子の被水割れをより確実に防ぐことができる。
それ故、上記インナーカバーの先端面と上記アウターカバーの先端面とは、互いに略同一平面上に配されていることが好ましく、また、例えば公差を設ける場合には、インナーカバーの先端面がアウターカバーの先端面よりも基端側となる公差を設けることが好ましい。
この場合には、内側開口部から導入された被測定ガスを、上記先端開口部から排出することができる。そして、素子カバーの外側であって先端開口部付近に形成される被測定ガスの流れ(排気管等を流通するガスの流れ)によって、先端開口部付近に負圧が発生する。この負圧により、アウターカバーの内側に導入された被測定ガスを、内側開口部からインナーカバーの内部に導入しやすくなる。これにより、水滴と分離して被測定ガスをインナーカバーの内部に効率よく導入することができる。その結果、ガスセンサ素子の被水防止と応答性の向上とを効果的に行うことができる。
この場合には、アウターカバーとインナーカバーとの間に導入された被測定ガスを、円滑に排出用開口部に導くことができる。その結果、インナーカバーの内部への水滴の浸入を効果的に防ぐことができる。
この場合には、被測定ガスの流れを一層円滑にすることができると共に、アウターカバーの形成を容易にすることができる。
この場合には、アウターカバーとインナーカバーとの間に導入された被測定ガスを、円滑に排出用開口部に導くことができる。その結果、インナーカバーの内部への水滴の浸入を効果的に防ぐことができる。
この場合には、被測定ガスの流れを一層円滑にすることができると共に、インナーカバーの形成を容易にすることができる。
この場合には、上記ガスセンサ素子がインナーカバーの内壁面に干渉しないようにすることが容易となる。即ち、上記内側径変部の基端部が上記ガスセンサ素子の先端よりも基端側に配されていると、ガスセンサ素子の先端部においてインナーカバーの内径が小さくなる。その結果、ガスセンサ素子の先端部とインナーカバーの内壁とのクリアランスが小さくなり、振動等によりガスセンサ素子が振れた場合に、インナーカバーと干渉するおそれがある。そこで、上記内側径変部の基端部を上記ガスセンサ素子の先端よりも先端側に配することにより、インナーカバーとガスセンサ素子との干渉を防ぎやすくなる。
この場合には、アウターカバーとインナーカバーとの間に導入され、更に内側開口部からインナーカバーの内部に向かう流れが、より複雑な曲線となる。それ故、被測定ガスと共に流れる水滴が、インナーカバーの内部へ浸入することをより効果的に防ぐことができる。
この場合には、インナーカバーの幅を大きくすることなく、内側開口部の上記開口方向を、ガスセンサの軸方向基端方向に近付けることができる。これにより、ガスセンサ素子の被水を充分に防止すると共に、ガスセンサの小型化を容易にすることができる。
この場合には、外側開口部からアウターカバーとインナーカバーとの間に導入された被測定ガスの流れを、ガスセンサの軸方向に沿った流れにしやすくなる。これにより、比重の大きい水滴が、一層円滑にガスセンサの軸方向先端へ向かって流れ、排出用開口部から排出されやすくなる。
この場合には、内側開口部から導入された被測定ガスを、被測定ガス側電極に即座に到達させることができると共に、被測定ガス側電極の全体に行き渡らせることができ、一層応答性に優れたガスセンサを得ることができる。
本発明の実施例に係るガスセンサにつき、図1〜図3を用いて説明する。
本例のガスセンサ1は、図1に示すごとく、被測定ガス中の特定ガス濃度を検出するガスセンサ素子2と、該ガスセンサ素子2を内側に挿通するハウジング3と、該ハウジング3の先端側に固定された素子カバー4とを有する。
アウターカバー42は、側面部に外側開口部421を設けてなると共に、該外側開口部421よりも先端側に排出用開口部422を設けてなる。
また、インナーカバー41は、外側開口部421よりも先端側となる位置に内側開口部411を設けてなる。
また、上記開口方向Aは、内側開口部411の輪郭線を含む平面に直交する方向として定義することができる。また、上記輪郭線が単一平面上にない場合には、上記輪郭線に最も近似した平面状の曲線(2次元の曲線)を想定し、この曲線を含む平面に直交する方向を上記開口方向Aとする。
また、インナーカバー41は、素子カバー4の外部に開口する先端開口部412を、先端部に形成してなる。
アウターカバー42は、先端側へ行くほど縮径するテーパ形状の外側径変部423を形成してなる。
また、インナーカバー41は、先端側へ行くほど縮径するテーパ形状の内側径変部413、414を、軸方向の2箇所に形成してなる。そして、基端側の内側径変部413に、上記内側開口部411が穿設されている。
また、素子カバー4は、インナーカバー41の先端部がアウターカバー42の先端部よりも先端側に突出した状態で、インナーカバー41とアウターカバー42とを重ね合わせている。即ち、アウターカバー42の先端部には、インナーカバー41の先端部の外形よりも大きい大径開口部424が形成されている。そして、該大径開口部424に対してインナーカバー41の先端部を挿通することにより、該先端部の外壁と大径開口部424の内壁との間に、上記排出用開口部422が形成される。
また、図1に示すごとく、素子カバー4は、その基端部においてハウジング3の先端部に加締め固定されている。即ち、インナーカバー41とアウターカバー42とは、基端部419、429において互いに重ねられており、この重ねられた基端部419、429が、ハウジング3の先端加締め部31において加締め固定されている。
大気側絶縁碍子12の内側には、ガスセンサ素子2との電気的導通を図るための金属端子14が保持されており、該金属端子14に接続された外部リード15が、大気側カバー13の基端部を閉塞するブッシュ16を挿通するように配線されている。
上記素子カバー4は、アウターカバー42に外側開口部421と排出用開口部422とを設けており、インナーカバー41における外側開口部421よりも先端側となる位置に内側開口部411を設けている。そのため、図3に示すごとく、側方から流れて来る被測定ガスGは、外側開口部421からアウターカバー42とインナーカバー41との間に導入され、排出用開口部422から排出される(G1)。また、アウターカバー42とインナーカバー41との間に導入された被測定ガスの一部(G2)が、更に内側開口部からインナーカバー41の内部に導入され、ガスセンサ素子2に到達する。
また、ガスセンサ素子2の表面に何らかの処理を施す必要もないため、被測定ガスGがガスセンサ素子2のセンシング部へ到達することを妨げることもなく、ガスセンサ1の応答性を低下させるおそれはない。また、ガスセンサ素子2の熱容量を大きくすることもないため、活性時間の短縮を妨げることもない。
また、インナーカバー41は、先端部に先端開口部412を形成してなるため、図3に示すごとく、内側開口部411から導入された被測定ガスを、先端開口部412から排出することができる。そして、素子カバー4の外側であって先端開口部412付近に形成される被測定ガスGの流れによって、先端開口部412付近に負圧が発生する。この負圧により、アウターカバー42の内側に導入された被測定ガスGを、内側開口部411からインナーカバー41の内部に導入しやすくなる。即ち図3における流れG2が促進される。これにより、水滴と分離して被測定ガスG2をインナーカバー41の内部に効率よく導入することができる。その結果、ガスセンサ素子2の被水防止と応答性の向上とを効果的に行うことができる。
また、外側径変部423はテーパ形状を有するため、被測定ガスG1の流れを一層円滑にすることができると共に、アウターカバー42の形成を容易にすることができる。
また、内側径変部413、414はテーパ形状を有するため、被測定ガスG1の流れを一層円滑にすることができると共に、インナーカバー41の形成を容易にすることができる。
また、内側径変部413に内側開口部411を設けたことにより、図2に示すごとく、内側開口部411の開口方向Aが、上記のごとくガスセンサ1の軸方向基端方向の成分Azを有する状態とすることが容易にできる。
本例は、図4に示すごとく、インナーカバー41における内側開口部411の穿設位置を、より先端側にずらした例である。具体的には、内側開口部411は、アウターカバー42の外側開口部421と排出開口部422との略中間位置に形成されている。
また、インナーカバー41の内側径変部413も同様に、外側開口部421と排出開口部422との略中間位置に形成され、この内側径変部413に内側開口部411が形成されている。
その他は、実施例1と同様である。
その他、実施例1と同様の作用効果を有する。
本例は、図5、図6に示すごとく、インナーカバー41の側面部の一部に設けた凹部417の基端に、内側開口部411を形成した例である。
即ち、インナーカバー41における内側径変部413の複数箇所に凹部417を設け、該凹部417の基端を開口させることにより、内側開口部411を形成する。即ち、いわゆるルーバー形状の内側開口部411とする。
その他は、実施例1と同様である。
その他、実施例1と同様の作用効果を有する。
本例は、図7に示すごとく、インナーカバー41に、ガスセンサ1の軸方向に対して略直角な段部416を形成し、該段部416に内側開口部411を穿設した例である。
これにより、内側開口部411の開口方向Aが、ガスセンサ1の軸方向基端方向に一致する。
また、本例においては、インナーカバー41とアウターカバー42とは、先端部が互いに略面一となるように組み付けられている。
その他は、実施例1と同様である。
その他、実施例1と同様の作用効果を有する。
なお、軸方向基端方向成分と径方向外側方向成分とを合成した方向となるよう構成することもできる。即ち、上記段部416が、内側に行くに従って基端側へ向かうような形状に形成してあってもよい。
本例は、図8、図9に示すごとく、アウターカバー42に外側縮径部(図1の符号423参照)を設けない例である。
図8に示す素子カバー4は、外側縮径部を設けていないアウターカバー42と、実施例4において示した段部416を設けたインナーカバー41とからなる。
図9に示す素子カバー4は、外側縮径部を設けていないアウターカバー42と、テーパ形状の内側縮径部413を設けたインナーカバー41とからなる。
その他は、実施例1と同様である。
本例の場合にも、実施例1と同様の作用効果を得ることができる。
本例は、図10、図11に示すごとく、本発明の効果確認試験を行った例である。
まず、本発明品として上記実施例1(図1〜図3)に示したガスセンサ1を、従来品として従来例(図19)に示したガスセンサ9を、それぞれ用意した。
そして、これらのガスセンサについて、図10、図11に示すごとく、ガスセンサ素子への水滴付着の抑制効果を評価した。
同様の試験を従来品(ガスセンサ9)についても行った。
試験結果を、図11に示す。同図に示すように、本発明品は、被水面積が従来品に比べて半分以下であった。
本例の結果から、本発明によれば、充分にガスセンサ素子の被水を抑制することができることが分かる。
本例は、図12、図13に示すごとく、本発明のガスセンサの応答性について評価した例である。
即ち、まず、3L,直列6気筒直噴エンジンの排気管にガスセンサを設置した。そして、エンジンの回転数を2000回転/分として運転した。また、図12の曲線L1に示すごとく、エンジンの空燃比を制御して、λ値(空気過剰率)が0.9となる状態と、1.1となる状態とを、周波数4.16Hzの周期で交互に形成した。
また、ガスセンサの素子温度は750℃とした。
評価は、上記実施例6と同様に、本発明品としての実施例1のガスセンサ1と、従来品としてのガスセンサ9との双方についてそれぞれ行った。
本例の結果から、本発明によれば、ガスセンサの応答性についても充分に確保することができることが分かる。
そして、上記実施例6及び7の結果は、本発明によれば、ガスセンサの応答性の向上と、ガスセンサ素子の被水抑制とを両立することができることを示している。
本例は、図14に示すごとく、インナーカバー41を、第1インナーカバー41aと第2インナーカバー41bとに分割して構成した例である。
第1インナーカバー41aは、先端部に先端開口部412を有し、基端部には基端側へ向かうほど拡径するテーパ部418を有すると共に、基端部を開放させてある。
第2インナーカバー41bは第1インナーカバー41aの外周側かつ基端側に配されているが、第2インナーカバー41bの先端部は第1インナーカバー41aの基端部よりも先端側に配されている。即ち、第2インナーカバー41bの先端部と第1インナーカバー41aの基端部とが、ガスセンサ1の軸方向についてオーバーラップしている。
その他は、実施例5(図9)と同様である。
本例の場合にも、ガスセンサ素子の被水割れを防止すると共に応答性に優れたガスセンサを提供することができる。
その他、実施例1と同様の作用効果を有する。
本例は、図15、図16に示すごとく、インナーカバー41の先端面410とアウターカバー42の先端面420とを、互いに略同一平面上に配したガスセンサ1の例である。
実施例1のガスセンサ1においては、インナーカバー41がアウターカバー42の先端面よりも先端側に突出した形状を有しているが、本例においては、インナーカバー41をアウターカバー42よりも突出させることなく、インナーカバー41の先端面410とアウターカバー420の先端面420とを略同一平面上に配したものである。
また、図16に示すごとく、内側開口部411は、ガスセンサ素子2に設けた被測定ガス側電極22の基端部221から該被測定ガス側電極22の軸方向長さLの半分の位置までの間の位置に形成されている。また、より好ましくは、内側開口部411は、被測定ガス側電極22の基端部221から該被測定ガス側電極22の軸方向長さLの3分の1の位置までの間の位置に形成する。
その他は、実施例5と同様である。
なお、図15〜図17は、平板状のガスセンサ素子2の主面に対して垂直な方向から見た図である。
そこで、インナーカバー41の先端面410とアウターカバー42の先端面420とを、互いに略同一平面上に配することにより、排出用開口部422から水滴が浸入することを防ぐことができる。これにより、ガスセンサ素子1の被水割れをより確実に防ぐことができる。
それ故、インナーカバー41の先端面410とアウターカバー42の先端面420とは、互いに略同一平面上に配されていることが好ましく、また、例えば公差を設ける場合には、インナーカバー41の先端面410がアウターカバー42の先端面420よりも基端側となる公差を設けることが好ましい。
その他、実施例5と同様の作用効果を有する。
本例は、図18に示すごとく、インナーカバー41の内側開口部411と被測定ガス側電極22との位置関係による、応答性の違いを評価した例である。
まず、被測定ガス側電極22の軸方向長さをLs、被測定ガス側電極22の基端部221から内側開口部411までの軸方向距離をLhとしたとき、Lh/Lsがそれぞれ、1/3、1/2、2/3、4/5となるガスセンサを用意した。
そして、各ガスセンサの応答性を、上記実施例7と同様の方法により評価した。その結果を図18に示す。
また、製造バラツキを考慮したとき、Lh/Lsが1/3以下となるようにすることにより、優れた応答性をより確実に得ることができる。
2 ガスセンサ素子
3 ハウジング
4 素子カバー
41 インナーカバー
411 内側開口部
42 アウターカバー
421 外側開口部
422 排出用開口部
Claims (13)
- 被測定ガス中の特定ガス濃度を検出するガスセンサ素子と、該ガスセンサ素子を内側に挿通するハウジングと、該ハウジングの先端側に固定された素子カバーとを有するガスセンサであって、
上記素子カバーは、インナーカバーと該インナーカバーの外周に配置されたアウターカバーとを備えており、
上記アウターカバーは、側面部に外側開口部を設けてなると共に、該外側開口部よりも先端側に排出用開口部を設けてなり、
上記インナーカバーは、上記外側開口部よりも先端側となる位置に内側開口部を設けてなり、
該内側開口部は、上記インナーカバーの外部から内部へ向かう開口方向が上記ガスセンサの軸方向基端方向の成分を有する状態に形成されていることを特徴とするガスセンサ。 - 請求項1において、上記排出用開口部は、上記アウターカバーの先端部に形成されていることを特徴とするガスセンサ。
- 請求項2において、上記インナーカバーの先端面と上記アウターカバーの先端面とは、互いに略同一平面上に配されていることを特徴とするガスセンサ。
- 請求項1〜3のいずれか一項において、上記インナーカバーは、先端部に先端開口部を形成してなることを特徴とするガスセンサ。
- 請求項1〜4のいずれか一項において、上記アウターカバーは、先端側へ行くほど縮径する外側径変部を、少なくとも一部に形成してなることを特徴とするガスセンサ。
- 請求項5において、上記外側径変部はテーパ形状を有することを特徴とするガスセンサ。
- 請求項1〜6のいずれか一項において、上記インナーカバーは、先端側へ行くほど縮径する内側径変部を、少なくとも一部に形成してなることを特徴とするガスセンサ。
- 請求項7において、上記内側径変部はテーパ形状を有することを特徴とするガスセンサ。
- 請求項7又は8において、上記インナーカバーの最も直径の小さい部分を含む上記内側径変部は、その基端部が上記ガスセンサ素子の先端よりも先端側に配されていることを特徴とするガスセンサ。
- 請求項1〜9のいずれか一項において、上記内側開口部は、上記インナーカバーの外部から内部へ向かう開口方向が、上記ガスセンサの軸方向基端方向もしくは軸方向基端方向成分と径方向外側方向成分とを合成した方向となることを特徴とするガスセンサ。
- 請求項1〜10のいずれか一項において、上記内側開口部は、上記インナーカバーの側面部の一部に設けた凹部の基端に形成されていることを特徴とするガスセンサ。
- 請求項1〜11のいずれか一項において、上記インナーカバーは、上記外側開口部に対向する対向側面部を上記ガスセンサの軸方向に平行に形成してなることを特徴とするガスセンサ。
- 請求項1〜12のいずれか一項において、上記内側開口部は、上記ガスセンサ素子に設けた被測定ガス側電極の基端部から該被測定ガス側電極の軸方向長さの半分の位置までの間の位置に形成されていることを特徴とするガスセンサ。
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