JP2007315413A - 歯車装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】構造が比較的容易であり且つ、回転軸に生じるスラスト力に応じて軸受に与える予圧を変化させることができ、制振チューニングが容易となる歯車装置を提供することにある。
【解決手段】予圧調整装置30は、スラスト力F1、F2の変化に応じてばね部材66を反転させることで、軸受26に与える予圧を変更することができるため、複雑な電子回路や電動アクチュエータ等を用いることなく容易な構造で予圧を好適に変更することができ、制振チューニングが容易となる
【選択図】図2

Description

本発明は、例えばはすば歯車など、噛合によってスラスト力を生じる歯車を有する回転軸を回転可能に支持する軸受の支持機構に関し、特に、その軸受に対して軸心方向の予圧を与える予圧調整装置を備えた歯車装置に関するものである。
一般に車両用動力伝達装置に備えられている噛合歯車には、例えばはすば歯車などの噛合によってスラスト力を生じる歯車が使用されており、この歯車が回転させられると、歯車を支持する回転軸には軸心方向に働くスラスト力が発生する。このスラスト力に対しても、回転軸を回転可能に支持する軸受に対して、例えば薄板状のシムを挟み込むことで軸受と回転軸との間に軸心方向の予圧を与えた構造のものがある。この軸受に与える予圧と動力伝達装置の振動伝達との間には密接な関係があり、一般に、軸受に与える予圧が高くなると、振動の発生源となる回転軸に備えられている歯車の噛合部と軸受を支持する動力伝達装置のケースとの間の一体性が増し、特に高周波数領域において振動が大きくなり易く、一方で予圧が低くなると、軸受と回転軸との間にガタが生じ易くなり、低周波数領域において振動が大きくなり易い。
ところで、前述したシムによる負荷は、常に一定の予圧を与えることしかできないが、軸心方向に働くスラスト力は、伝達トルクの大きさや回転方向によって大きさや向きが変化して軸受と回転軸との間の荷重が変化するので、動力伝達装置の制振チューニングが困難であった。この問題に対して、特許文献1では、回転軸の回転方向を電気的に検出し、回転方向に応じて反転するスラスト力に応じて予圧を電気的に調整する技術が開示されている。
特開平6−288467号公報
しかし、特許文献1の構造では、回転方向を検出するためのセンサおよび回転数を検出するためのセンサや、これらのセンサに基づいて予圧を電気的に制御するための制御回路が必要となるなど装置が複雑化する問題があった。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、構造が比較的容易であり且つ、回転軸に生じるスラスト力に応じて軸受に与える予圧を変化させることができ、制振チューニングが容易となる歯車装置を提供することにある。
上記目的を達成するための、請求項1にかかる発明の要旨とするところは、(a)噛合によってスラスト力を生じる歯車を有する回転軸を回転可能に支持する軸受と、その軸受に軸心方向の予圧を与える予圧調整装置とを備えた歯車装置において、(b)前記予圧調整装置は、前記回転軸に生じるスラスト力に応じて前記予圧を変更することを特徴とする。
また、請求項2にかかる発明の要旨とするところは、請求項1の歯車装置において、前記予圧調整装置は、前記回転軸との相対回転を許容しつつその回転軸の回転トルクを伝達するトルク伝達要素と、そのトルク伝達要素を介して伝達され前記回転トルクを軸心方向の推力に変換するねじ装置と、そのねじ装置からの推力に応じて第1状態と第2状態との間で反転し、前記軸受に与える予圧を変更するターンオーバー型バネ部材とを、備えることを特徴とする。
また、請求項3にかかる発明の要旨とするところは、請求項1の歯車装置において、前記予圧調整装置は、前記回転軸との相対回転を許容しつつその回転軸の回転トルクを伝達するトルク伝達要素と、そのトルク伝達要素を介して伝達される前記回転トルクに従って切り換えられる油圧バルブと、その油圧バルブから出力される出力に応じて前記軸受に油圧を付与するための油圧アクチュエータとを、備えることを特徴とする。
また、請求項4にかかる発明の要旨とすることろは、請求項1の歯車装置において、前記回転軸に直列に連なる第2の回転軸が同心に配設され、前記予圧調整装置は、その回転軸と第2の回転軸との間に設けられ、それらに発生するトルク差によって相対回転可能に螺合されたねじ装置によって接続されていることを特徴とする。
請求項1にかかる発明の歯車装置によれば、前記予圧調整装置は、前記回転軸に生じるスラスト力に応じて前記予圧を変更することができるため、軸受に対してスラスト力を相殺させる方向に予圧を与えることもでき、制振チューニングが容易となる。
また、請求項2にかかる発明の歯車装置によれば、前記予圧調整装置は、スラスト力の変化に応じて前記ばね部材を反転させることで、前記軸受に与える予圧を変更することができるため、複雑な電子回路や電動アクチュエータ等を用いることなく容易な構造で予圧を好適に変更することができ、制振チューニングが容易となる。
また、請求項3にかかる発明の歯車装置によれば、前記予圧調整装置は、スラスト力の変化に応じて前記油圧バルブを切り換えることで、前記軸受に与える予圧を変更することができるため、複雑な電子回路や電動アクチュエータ等を用いることなく容易な構造で予圧を好適に変更することができ、制振チューニングが容易となる。
また、請求項4にかかる発明の歯車装置によれば、前記予圧調整装置は、前記回転軸と第2の回転軸との間に発生するトルク差によって相対回転可能に螺合されたねじ装置によって構成されているため、前記回転軸に生じるスラスト力に応じて連続的に予圧を変更することができ、制振チューニングが容易となる。
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明が適用された一実施例である平行二軸式減速歯車装置10(以後、減速歯車装置10と記載)の簡略図である。この減速歯車装置10は、例えば車両において横置きされるFF(フロントエンジン・フロントドライブ)型車両において、図示しない変速機によって変速させられた出力をさらに減速させるためなどに用いられ、変速機の出力が第1回転軸12に伝達される。第1回転軸12には、第1はすば歯車14が相対回転不能に嵌め着けられており、軸受16および軸受18によって相対回転可能に支持されている。第1回転軸12と平行に配設されている第2回転軸20には、第1はすば歯車14と噛み合う第2はすば歯車22が相対回転不能に嵌め着けられており、軸受24および軸受26によって相対回転可能に支持されている。なお、本実施例の平行二軸式減速歯車装置10が、本発明の歯車装置に対応している。
第1回転軸12が、図示しない変速機の前進方向の出力よって回転させられると、第1はすば歯車14および第2はすば歯車22の噛合によって第2回転軸20が回転させられる。この際、第1および第2はすば歯車14、22が有するねじり角によって、第2回転軸20には、例えば軸心方向のスラスト力F1が発生する。また、図示しない変速機の後進方向の出力によって第1回転軸12が逆回転させられると、各はすば歯車14、22も同様に反対方向に回転させられ、第2回転軸20には、前述のスラスト力F1とは逆向きのスラスト力F2が発生する。なお、本実施例の第2はすば歯車22が、本発明のスラスト力を生じる歯車に対応している。
また、変速機の加速時においては、変速機側の出力である第1回転軸12から減速歯車装置10に回転が入力されることで、第2回転軸20にはスラスト力F1が発生するが、減速時では車軸側である第2回転軸20側から減速歯車装置10に回転が入力されるため、スラスト力F1とは逆向きのスラスト力F2が発生する。
図2は、図1の軸受26に適用されている予圧調整装置30を簡略的に示した断面図である。第2回転軸20の軸端部には段付部32が形成されており、段付部32は、軸受26の内周面に相対回転可能に嵌め入れられている。軸受26は、非回転部材であるケース34にたとえば圧入によって嵌め着けられている外周輪36と、内周面に段付部32がすきまばめ状態で嵌め入れられている内周輪38と、外周輪36と内周輪38との間に介装されたボール40とを、備えた深溝玉軸受である。なお、本実施例の第2回転軸20が、本発明の回転軸に対応している。
次に予圧調整装置30の構造について説明する。第2回転軸20の段付部32の内部には、段付部32の軸方向寸法と略同じ深さを有する軸穴42が形成されており、軸穴42の底部の中央部から開口側に軸心方向に向かって突き出す突設部44が設けられ、突設部44の端部には円板状の摩擦板46が接続されている。この突設部44および摩擦板46は、第2回転軸20に一体的に設けられているため、第2回転軸20に対して一体的に回転させられる。
軸穴42の内部には、円柱状の回転部材48が配置されている。この回転部材48の第2回転軸20側には、摩擦板46を収容するようにクラッチ室50が形成されている。この摩擦板46およびクラッチ室50によって、本実施例のトルク伝達要素51が構成され、第2回転軸20と回転部材48との相対回転を許容しつつ第2回転軸20の回転トルクを回転部材48に伝達する。また、回転部材48のクラッチ室50とは反対側の端部には、所定の深さを有する雌ねじ部52が形成されており、この雌ねじ部52には、一端が雄ねじ部54を備えると共に、その雄ねじ部54の端部から軸心方向に突設された突設軸56を備えた移動体58の雄ねじ部54が螺合されている。この雄ねじ部54および雌ねじ部52によって、ねじ装置59が構成され、回転部材48の回転トルクを移動体58の軸心方向への推力に変換させている。
また、移動体58の突設軸56には、外周縁がそれぞれ後述するばね部材66を押圧する方向に曲げられている円板状の一対の第1アーム60および第2アーム62がばね部材66を挟む状態で一体的に嵌め着けられている。第1アーム60には周方向に複数個の貫通穴が形成されており、その貫通穴には一端が支持壁67に固定され、且つ他端がばね部材66を支持するばね支持部材64が相対移動可能に複数本貫通されている。このばね支持部材64の他端側には、ねじ装置59による移動体58の推力に応じて図2の破線で示す第1状態と実線で示す第2状態との間で反転し、軸受26に与える予圧を変更するターンオーバー型のばね部材66の内周縁が、軸心方向の移動不能に接続されている。
このように構成される予圧調整装置30において、減速歯車装置10が駆動させられ、はすば歯車14、22によって、例えば第2回転軸20の軸心に対して軸受26側方向に働くスラスト力F1が発生すると、そのスラスト力F1によって、第2回転軸20に形成されている段付壁68が軸受26の内周輪38を支持壁67側に押圧する。また、この押圧により、第2回転軸20に一体的に設けられている摩擦板46から回転部材48にねじ装置59が作動可能となる回転トルクが伝達されることで、回転部材48が僅かに回転させられる。この回転に対して、移動体58は、第1アーム60を貫通するばね支持部材64によって回転不能とされているため、ねじ装置59によって軸心方向に移動させられる。ここで、移動体58が例えば第2回転軸20側に移動させられると、突設軸56に設けられている第1アーム60および第2アーム62も一体的に第2回転軸20側に移動させられ、第1アーム60の外周縁が破線で示される第1状態のばね部材66の一方の面を押圧する。この押圧によってばね部材66が変形させられ、第1アーム60が所定の位置までばね部材66を押圧すると、ばね部材66の弾性力によって、ばね部材66の内周縁を支点として実線で示す第2状態に反転させられる。これにより、軸受26の内周輪38が、ばね部材66の弾性力によって、第2回転軸20側に押圧、すなわち内周輪38に作用するスラスト力F1に対してその力を相殺する方向に押圧させられる。この押圧によって、摩擦板46から回転部材48に伝達される回転トルクは減少させられることで、回転部材48の回転が静止させられ、移動体58の第2回転軸20側への移動が停止する。
一方、前述した状態から減速歯車装置10の回転方向が逆転させられ、スラスト力F1とは逆方向のスラスト力F2が発生すると、第2回転軸20に一体的に設けられている摩擦板46から回転部材48にねじ装置59が作動可能となる回転トルクが伝達されることで、回転部材48が前記回転とは逆方向に僅かに回転させられる。この回転に対して、移動体58は、回転不能とされているため、ねじ装置59によって、支持壁67側に移動させられる。これにより、第1アーム60および第2アーム62も支持壁67側に一体的に移動させられ、第2アーム62の外周縁が実線で示される第2状態のばね部材66の他方の面を押圧する。この押圧によってばね部材66が変形させられ、第2アーム62が所定の位置までばね部材66を押圧すると、ばね部材66の弾性力によって、ばね部材66の内周縁を支点として破線で示す第1状態に反転させられる。これにより、ばね部材66による軸受26の内周輪38の押圧が停止させられる。また、押圧が停止させられることで、摩擦板46から回転部材48に伝達される回転トルクは減少させられることで、回転部材48の回転が停止するのに伴い、移動体58の支持壁67側への移動が停止する。なお、移動体58の移動方向は予め回転軸12、20の回転方向によって変化するスラスト力F1、F2の作用方向を考慮に入れて好適な方向に移動するように、ねじ装置59のねじの向き(右ねじまたは左ねじ)が決定されている。
上述のように、本実施例によれば、予圧調整装置30は、第2回転軸20に生じるスラスト力F1、F2に応じて予圧を変更することができるため、軸受26に対してスラスト力F1、F2相殺させる方向に予圧を与えることもでき、制振チューニングが容易となる。
また、前述の実施例によれば、予圧調整装置30は、スラスト力F1、F2の変化に応じてばね部材66を反転させることで、軸受26に与える予圧を変更することができるため、複雑な電子回路や電動アクチュエータ等を用いることなく容易な構造で予圧を好適に変更することができ、制振チューニングが容易となる。
つぎに、本発明の他の実施例を説明する。なお、以下の説明において前述の実施例と共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
図3は、図1の軸受26に適用されている予圧調整装置80を簡略的に示した断面図である。
第2回転軸20の段付部32の内部には、段付部32の軸方向寸法と略同じ深さを有する軸穴42が形成されており、軸穴42の底部の中央部から開口側に軸心方向に向かって突き出す突設部44が設けられ、突設部44の端部には円板状の摩擦板46が接続されている。この突設部44および摩擦板46は、第2回転軸20に一体的に設けられており、第2回転軸20に対して一体的に回転させられる。なお、本実施の第2回転軸20が、本発明の回転軸に対応している。
軸穴42の内部には、円柱状の回転部材48が配置されている。この回転部材48の第2回転軸20側には、摩擦板46を収容するようにトルク伝達室50が形成されている。この摩擦板46およびトルク伝達室50によって、本実施例のトルク伝達要素51が構成され、第2回転軸20と回転部材48との相対回転を許容しつつ第2回転軸20の回転トルクを回転部材48に伝達する。また、回転部材48のトルク伝達室50とは反対側の端部には、所定の深さを有する雌ねじ部52が形成されており、この雌ねじ部52には、一端が雄ねじ部54を備えると共に、その雄ねじ部54の端部から軸心方向に突設された突設軸56を備えた移動体58の雄ねじ部54が螺合されている。この雄ねじ部54および雌ねじ部52によって、ねじ装置59が構成され、回転部材48の回転トルクを移動体58の軸心方向の推力に変換させている。
また、突設軸56の軸端部には、内周輪38に取り付けられている油圧アクチュエータ82に油圧を供給するための油圧バルブ84が設けられている。油圧バルブ84は、トルク伝達要素51を介して伝達される回転トルクに従って開弁または閉弁状態に切り換えられるものであり、油圧バルブ84から出力される出力に応じて油圧アクチュエータ82には、軸受26に予圧を付与するための油圧が供給される。なお、油圧バルブ84には、図示しないポンプによって昇圧させらえた油圧が供給され、移動体58の突設軸56の軸心方向への移動に基づいて開弁或いは閉弁状態に切り換えられる。
このように構成される予圧調整装置80において、減速歯車装置10が駆動させられ、はすば歯車14、22によって、例えば第2回転軸20の軸心に対して軸受26側方向に働くスラスト力F1が発生すると、そのスラスト力F1によって、第2回転軸20に形成されている段付壁68が軸受26の内周輪38を油圧バルブ84側に押圧する。また、この押圧により、第2回転軸20に一体的に設けられている摩擦板46から回転部材48にねじ装置59が作動可能となる回転トルクが伝達されることで、回転部材48が僅かに回転させられる。この回転に対して、移動体58は、油圧バルブ84により回転不能とされており、ねじ装置59によって軸心方向に移動させられる。ここで、移動体58が例えば油圧バルブ84側に移動させられると、油圧バルブ84が開弁させられ、油路86を介して油圧アクチュエータ82内に油圧が供給される。この油圧によって油圧アクチュエータ82が作動させられ、軸受26の内周輪38を第2回転軸20側に押圧、すなわち内周輪38に作用するスラストF1に対してその力を相殺する方向に押圧させる。この押圧によって、摩擦板46から回転部材48に伝達される回転トルクは減少させられることで、回転部材48の回転が静止させられ、移動体58の第2回転軸20側への移動が停止する。
一方、前述した状態から減速歯車装置10の回転方向が逆転させられ、スラスト力F1とは逆向きのスラスト力F2が発生すると、第2回転軸20に一体的に設けられている摩擦板46から回転部材48にねじ装置59が作動可能となる回転トルクが伝達されることで、回転部材48が前記回転とは逆方向に僅かに回転させられる。この回転に対して、移動体58は、相対回転不能とされているため、ねじ装置59によって、第2回転軸20側に移動させられる。これにより、突設軸56も第2回転軸20側に移動させられることで、油圧バルブ84が閉弁させられ、油圧アクチュエータ82への油圧の供給が停止し、軸受26の内周輪38への押圧が停止する。また、押圧が停止させられることで、摩擦板46から回転部材48に伝達される回転トルクは減少させられることで、回転部材48の回転が停止するに伴い、移動体58の第2回転軸20側への移動が停止する。なお、移動体58の移動方向は予め回転軸12、20の回転方向によって変化するスラスト力F1、F2の作用方向を考慮に入れて好適な方向に移動するように、ねじ装置59のねじの向き(右ねじまたは左ねじ)が決定されている。
上述のように、本実施例によれば、予圧調整装置80は、第2回転軸20に生じるスラスト力F1、F2に応じて予圧を変更することができるため、軸受26に対してスラスト力F1、F2を相殺させる方向に予圧を与えることもでき、制振チューニングが容易となる。
また、本実施例によれば、予圧調整装置80は、スラスト力F1、F2の変化に応じて油圧バルブ84を切り換えることで、軸受26に与える予圧を変更することができるため、複雑な電子回路や電動アクチュエータ等を用いることなく容易な構造で予圧を好適に変更することができ、制振チューニングが容易となる。
図4は、図1の第2回転軸20に適用されている予圧調整装置100を簡略的に示した断面図である。
第2回転軸20には、その第2回転軸20に直列に連なる第2の回転軸102が同心に配設されている。予圧調整装置100は、第2回転軸20と第2の回転軸102との間に設けられており、第2回転軸20側に設けられた雄ねじ部106と、第2の回転軸102側に設けられた雌ねじ部108とが螺合されたねじ装置110によって構成される。ねじ装置110は、これらの回転軸に発生するトルク差によって相対回転可能に螺合されており、これらの回転軸が相対回転させられることで、軸長が変化可能となっている。なお、本実施例の第2回転軸20が、本発明の回転軸に対応している。
ここで、第2回転軸20側には、第2はすば歯車22が設けられているため、軸心方向に作用するスラスト力F1およびF2が発生する。これらのスラスト力F1、F2に対して、予圧調整装置100では、回転軸の軸長を変化させることで軸受26に与える予圧を変更させる。例えば第2回転軸20側の第2はすば歯車22が回転させられることで軸受26側に働くスラスト力F1が発生すると、第2回転軸20と第2の回転軸102との間にトルク差が発生し、そのトルク差によって第2回転軸20と第2の回転軸102とが僅かに相対回転させられる。これにより、ねじ装置110によって第2回転軸20および第2の回転軸102の相対的な軸長が短縮されると、軸受26に与えられる予圧が減少させられ、結果的にスラスト力F1を相殺する方向に力が発生する。一方、第2回転軸20を逆回転させることで軸受26に対してスラスト力F2が発生すると、第2回転軸20と第2の回転軸102との間にトルク差が発生し、そのトルク差によって第2回転軸20と第2の回転軸102とがスラスト力F1が発生した際とは逆向きに僅かに相対回転させられる。これにより、ねじ装置110によって第2回転軸20および第2の回転軸102の相対的な軸長が伸長されると、軸受26に与えられる予圧が増加させられ、結果的にスラスト力F2を相殺する方向に力が発生する。このように、ねじ装置110によって軸受26に与えられる予圧を適宜変化させることが可能となっている。なお、軸受26に好適な予圧が与えられると、第2回転軸20と第2の回転軸102とは、ねじ装置110を作動させるために必要な回転トルクが前記トルク差よりも強くなるため、一体的に回転させられる。また、ねじ装置110のねじの向き(右ねじまたは左ねじ)は、予め回転方向によって変化するスラスト力F1、F2の作用方向を考慮に入れて、好適に軸長が変化するように決定される。
上述のように、本実施例によれば、予圧調整装置100は、第2回転軸20に生じるスラスト力F1、F2に応じて予圧を変更することができるため、軸受26に対してスラスト力F1、F2を相殺させる方向に予圧を与えることもでき、制振チューニングが容易となる。
また、本実施例によれば、予圧調整装置100は、第2回転軸20と第2の回転軸102との間に発生するトルク差によって相対回転可能に螺合されたねじ装置110によって構成されているため、第2回転軸20に生じるスラスト力F1、F2に応じて連続的に予圧を変更することができ、制振チューニングが容易となる。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
たとえば、本実施例では、平行二軸式減速歯車装置10に予圧調整装置30、80、100が適用されているが、平行二軸式減速歯車装置10は本発明が適用された一実施例であり、例えば終減速機内のサイドギヤを支持する軸受など、噛合によってスラスト力を生じる歯車を有する回転軸を支持する軸受において自由に適用することができる。
また、本実施例では、予圧調整装置30、80、100はすば歯車14、22に対して適用されているが、本発明は、ねじ歯車、まがりかさ歯車、ハイポイドギヤ、ウォームギヤ、やまば歯車、すぐばかさ歯車など、歯車が互いに噛み合うことでスラスト力を生じる歯車であれば、自由に適用することができる。
また、本実施例では、予圧調整装置30、80のねじ装置59において、回転部材48側に雌ねじ部52を設け、移動体58に雄ねじ部54を設けているが、回転部材48側に雄ねじ部を、移動体58側に雌ねじ部設けて実施することもできる。また、予圧調整装置110のねじ装置110において、第2回転軸20に雄ねじ部106を、第2の回転軸102に雌ねじ部108を設けているが、第2回転軸20に雌ねじ部を、第2の回転軸102に雄ねじ部を設けて実施することができる。
また、本実施例のトルク伝達要素51は、摩擦によって回転トルクが伝達されるものであるが、例えばトルク伝達室50に液体を封入し、その液体の粘度を介して回転トルクを伝達するなど、所定の回転トルクを伝達する構成のものであるなら、自由に変更することができる。
また、本実施例では、軸受26は、転動体が球体である深溝玉軸受であったが、本発明は転動体がころである円筒ころ軸受など、他の形式の軸受であっても自由に適用することができる。
また、本実施例では、予圧調整装置30、80、100は軸受26に設けられているが、予圧調整装置は軸受24に設けられていてもよく、また、第1回転軸12おいてもスラスト力は生じるため、軸受16または18に設けられていてもよい。
また、本実施例では、予圧調整装置80の油圧バルブ84は、図示しない油圧ポンプからの油圧を変化させることなく供給する油圧バルブ84であったが、電気的に制御する制御バルブを用いて、適宜油圧を変化させて軸受26に好適な予圧を付与する形式のものであってもよい。
また、本実施例では、予圧調整装置30、80、100は、軸受26の内周輪38に対して予圧を付与するものであるが、軸受26の外周輪36或いは、外周輪36および内周輪38の両方に予圧を付与するものであってもよい。
なお、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
本発明が適用された一実施例である平行二軸式減速歯車装置の簡略図である。 図1の軸受に適用されている予圧調整装置を簡略的に示した断面図である。 図1の軸受に適用されている他の予圧調整装置を簡略的に示した断面図である。 図1の軸受に適用されているさらに他の予圧調整装置を簡略的に示した断面図である。
符号の説明
10:平行二軸式減速歯車装置(歯車装置) 20:第2回転軸(回転軸) 22:第2はすば歯車(歯車) 26:軸受 30、80、100:予圧調整装置 51:トルク伝達要素 59:ねじ装置 66:ばね部材 82:油圧アクチュエータ 84:油圧バルブ 102:第2の回転軸 110:ねじ装置

Claims (4)

  1. 噛合によってスラスト力を生じる歯車を有する回転軸を回転可能に支持する軸受と、該軸受に軸心方向の予圧を与える予圧調整装置とを備えた歯車装置であって、
    前記予圧調整装置は、前記回転軸に生じるスラスト力に応じて前記予圧を変更することを特徴とする歯車装置。
  2. 前記予圧調整装置は、前記回転軸との相対回転を許容しつつ該回転軸の回転トルクを伝達するトルク伝達要素と、該トルク伝達要素を介して伝達され前記回転トルクを軸心方向の推力に変換するねじ装置と、該ねじ装置からの推力に応じて第1状態と第2状態との間で反転し、前記軸受に与える予圧を変更するターンオーバー型バネ部材とを、備えることを特徴とする請求項1の歯車装置。
  3. 前記予圧調整装置は、前記回転軸との相対回転を許容しつつ該回転軸の回転トルクを伝達するトルク伝達要素と、該トルク伝達要素を介して伝達される前記回転トルクに従って切り換えられる油圧バルブと、該油圧バルブから出力される出力に応じて前記軸受に油圧を付与するための油圧アクチュエータとを、備えることを特徴とする請求項1の歯車装置。
  4. 前記回転軸に直列に連なる第2の回転軸が同心に配設され、前記予圧調整装置は、該回転軸と第2の回転軸との間に設けられ、それらに発生するトルク差によって相対回転可能に螺合されたねじ装置によって接続されていることを特徴とする請求項1の歯車装置。
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CN111561520A (zh) * 2020-05-13 2020-08-21 中国航发沈阳发动机研究所 一种齿轮轴支承结构
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