JP6510389B2 - 動力伝達装置およびその軸受の予圧調整方法 - Google Patents

動力伝達装置およびその軸受の予圧調整方法 Download PDF

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Description

本発明は、動力伝達装置およびその軸受の予圧調整方法に関する。
FFベースの四輪駆動車の終減速装置は車両の後部に配置されている。この終減速装置は、原動機で発生し変速機で減速されて推進軸を介して伝達された動力を再度減速し、自動車がカーブを走行する時に左右の後輪の回転数が異なることを調整し走行を円滑にする装置である。終減速装置は、推進軸と一体で回転するドライブピニオンギヤと、ドライブピニオンギヤと直角に噛合するリングギヤとからなる一対の傘歯車と、リングギヤと一体に回転するデフケースと、デフケースの内部に配置され駆動軸と一体に回転するサイドギヤと、サイドギヤに噛合しデフケースの内部に配置されるピニオンギヤと、ピニオンギヤの孔に挿通してデフケースに嵌合するピニオンシャフトとを備えて構成される差動装置と、これらを内部に収納するキャリア(ハウジング)と、を備えて構成されている。
ドライブピニオンギヤとリングギヤは直角に噛合するため噛合い反力がそれぞれのギヤの回転軸方向に作用する。そのため、これらギヤに外嵌される軸受としてテーパーローラーベアリングを用いて軸方向反力(スラスト荷重)を受ける構造が一般に採られている。ドライブピニオンギヤにおいては、前後の軸方向のスラスト荷重を受けられるように、軸部の略中央と、軸部の端部に形成された傘歯部の背面側とに、テーパーローラーベアリングが対向して配置されている。リングギヤにおいては、リングギヤと一体に回転するデフケースの両端にテーパーローラーベアリングが配置されている。
テーパーローラーベアリングは内輪と外輪の間に形成された円錐面の間をローラが転動する構成であり、スラスト荷重が作用した際に荷重を確実に受けてギヤの回転運動を滑らかに支持するため、内部に予圧を与えて隙間をゼロにすることが行われている。そのため、例えば特許文献1のように、ドライブピニオンギヤにおいては二つのテーパーローラーベアリングの間にコラプシブルスペーサを挿入し、ドライブピニオンギヤの先端をナットで締め上げることにより予圧を与えている。また、デフケース両端のテーパーローラーベアリングに対しては、ベアリングの外輪とキャリアとの間に適当な厚さのシムを挿入して予圧を与えている。
特開2013−174275号公報
ドライブピニオンギヤに外嵌するベアリングにおいては、ナットの締付けトルクを調整して予圧を調整しているが、一対のベアリング間に挿入しているコラプシブルスペーサは予圧を上げる段階で軸力により変形するため、予圧を下げる方向、即ち軸力を下げる方向で調整する場合にはコラプシブルスペーサを交換しなければならず、その交換作業に工数を費やすこととなる。
また、デフケースに外嵌するベアリングにおいて、前記シムは、キャリア、ドライブピニオンギヤ、リングギヤ等の加工誤差により決定されて所定の厚さのものが選択されている。そして、シムの組み込み完成後の性能試験を行ったとき、その結果によってはシムの厚さの変更を要する場合がある。また、キャリアがデフケースの回転軸線に沿って分割された構成の場合、ベアリングに予圧が生じることによりシムを挿入する隙間が小さく、その作業性に改良の余地がある。
本発明はこのような課題を解決するために創作されたものであり、軸受の予圧調整を簡単に行える動力伝達装置およびその軸受の予圧調整方法を提供することを目的としている。
前記課題を解決するため、本発明は、第1傘歯車と、前記第1傘歯車に噛合する傘歯車本体と、前記傘歯車本体の歯面側に形成された歯面側軸部とを有する第2傘歯車と、前記第1傘歯車と一体に回転する回転体と、前記第1傘歯車と前記第2傘歯車と前記回転体とを収容するケースと、を備えた動力伝達装置であって、一端部が第1軸受を介して前記回転体を支持し、他端部が前記ケースに固定され、周壁部が第2軸受を介して前記歯面側軸部を支持する円筒状のスリーブと、前記第2軸受の外輪の端面に当接するように前記スリーブの周壁部に螺合する第2軸受用予圧調整部材と、を備えることを特徴とする。
このような構成によれば、先ず、第2傘歯車の歯面側軸部に第2軸受を配したことで、従来のように第2傘歯車の背面側に2つの軸受とコラプシブルスペーサを配した構造に比して、背面側の軸部が短くて済み、第2傘歯車の小型化と動力伝達装置全体の軽量化を図ることができる。
そして、本発明は、第2軸受の外輪の端面に当接するようにスリーブの周壁部に螺合する第2軸受用予圧調整部材を備えていることにより、スリーブに対する第2軸受用予圧調整部材の螺合位置を変えるだけの簡単な操作で第2軸受の予圧を調整できる。従来のようにコラプシブルスペーサの変形の問題もなく、予圧の上げ下げ調整を何度でも行える。
また、本発明は、第1傘歯車と、前記第1傘歯車に噛合する傘歯車本体と、前記傘歯車本体の歯面側に形成された歯面側軸部とを有する第2傘歯車と、前記第1傘歯車と一体に回転する回転体と、前記第1傘歯車と前記第2傘歯車と前記回転体とを収容するケースと、を備えた動力伝達装置であって、一端部が第1軸受を介して前記回転体を支持し、他端部が前記ケースに固定され、周壁部が第2軸受を介して前記歯面側軸部を支持する円筒状のスリーブと、前記第1軸受の外輪の端面に当接するように前記スリーブの一端部に螺合する第1軸受用予圧調整部材と、を備えることを特徴とする。
このような構成によれば、先ず、第2傘歯車の歯面側軸部に第2軸受を配したことで、従来のように第2傘歯車の背面側に2つの軸受とコラプシブルスペーサを配した構造に比して、背面側の軸部が短くて済み、第2傘歯車の小型化と動力伝達装置全体の軽量化を図ることができる。
そして、本発明は、第1軸受の外輪の端面に当接するようにスリーブの一端部に螺合する第1軸受用予圧調整部材を備えていることにより、スリーブに対する第1軸受用予圧調整部材の螺合位置を変えるだけの簡単な操作で第1軸受の予圧を調整できる。
また、本発明は、前記第1傘歯車が終減速装置を構成するリングギヤであり、前記回転体が前記リングギヤが固定されたデフケースである構成の終減速装置に好適である。
また、本発明は、動力伝達装置において、前記第1傘歯車と前記第2傘歯車と前記回転体と前記スリーブと前記第2軸受用予圧調整部材とを組み立てて前記ケースに収容した状態で、前記ケースの開口部から調整用工具を前記スリーブの内部に入れ、前記調整用工具で前記第2軸受用予圧調整部材の螺合位置を変えて前記第2軸受の予圧を調整することを特徴とする。
本発明によれば、一対の傘歯車と回転体とスリーブと第2軸受用予圧調整部材とを組み立ててケースに収容した状態で第2軸受の予圧調整を行えるため、予圧調整を行う度に組み立てたものを分解する必要がない。
また、本発明は、動力伝達装置において、前記第1傘歯車と前記第2傘歯車と前記回転体と前記スリーブと前記第1軸受用予圧調整部材とを組み立てて前記ケースに収容した状態で、前記ケースの開口部から調整用工具を前記スリーブの内部に入れ、前記調整用工具で前記第1軸受用予圧調整部材の螺合位置を変えて前記第1軸受の予圧を調整することを特徴とする。
本発明によれば、一対の傘歯車と回転体とスリーブと第2軸受用予圧調整部材とを組み立ててケースに収容した状態で第1軸受の予圧調整を行えるため、予圧調整を行う度に組み立てたものを分解する必要がない。
本発明によれば、動力伝達装置の軸受の予圧調整を簡単に行うことができる。
第1実施形態に係る動力伝達装置の平断面図である。 第1実施形態に係るスリーブおよび予圧調整ねじの外観斜視図である。 第2実施形態に係る動力伝達装置の平断面図である。 第2実施形態に係るスリーブおよび予圧調整ねじの外観斜視図である。
「第1実施形態」
図1および図2を参照して第1実施形態を説明する。
≪終減速装置の構成≫
本実施形態に係る終減速装置1(動力伝達装置)は、FF(Front-engine Front-drive)ベースの四輪駆動車に搭載されており、プロペラシャフト(図示しない)からの動力を減速した後、左後輪及び右後輪に伝達する装置である。
終減速装置1は、ドライブピニオンギヤ(第2傘歯車)10と、リングギヤ(第1傘歯車)20と、前テーパーローラーベアリング30と、後テーパーローラーベアリング40と、スリーブ50と、ケース100と、を備えている。また、終減速装置1は、クラッチ200と、差動装置300と、を備えている。
<ケース>
ケース100は、殻状の容器であって、前後方向において、前側に配置される第1ケース110と、中間に配置される第2ケース120と、後側に配置される第3ケース130と、を備え、これらがボルト等によって相互に締結されることで構成されている。
第1ケース110は、円筒状の部材であり、概ね、クラッチ200の前半分を収容している。第2ケース120は、概ね筒状の部材であり、前側が開口した半球殻状の前ケース部121と、前ケース部121の後側に連なり、後側が開口した半球殻状の後ケース部122と、を備えている。前ケース部121は、概ね、クラッチ200の後半分を収容している。後ケース部122は、概ね、ドライブピニオンギヤ10、スリーブ50及び差動装置300の前半分を収容している。第3ケース130は、前側が開口した半球殻状の部材であり、概ね、スリーブ50及び差動装置300の後半分を収容している。第2ケース120の後ケース部122の右側に形成される半円筒部123と、第3ケース130の右側に形成される半円筒部131とにより、円形の開口部132が形成される。
<差動装置>
差動装置300は、左後輪と右後輪とを差動回転させる装置である。差動装置300は、軸線O2を中心として回転する略円筒状のデフケース310(回転体)と、デフケース310に固定され径方向に延びるピニオンシャフト321と、ピニオンシャフト321を中心として回転する一対のピニオンギヤ322、322と、ピニオンギヤ322、322に噛合する一対のサイドギヤ323、323と、を備えている。
デフケース310は、球形殻状のデフケース本体311と、デフケース本体311の左側に形成された円筒状の左ボス部312と、デフケース本体311の右側に形成された右ボス部313と、デフケース本体311のドライブピニオンギヤ10側である右端部から径方向外側に延びるリング状のフランジ部314と、を備えている。
左ボス部312は、左テーパーローラーベアリング330を介して、第2ケース120及び第3ケース130に回転自在に支持されている。左テーパーローラーベアリング330の端面と、第2ケース120及び第3ケース130との間には、ドライブピニオンギヤ11とリングギヤ20との噛み合いバックラッシュを調整するためのシム339が介装されている。
右ボス部313は、右テーパーローラーベアリング340(第1軸受)を介して、スリーブ50に回転自在に支持されている。左側のサイドギヤ323には、左後輪から延びる左後ドライブシャフト(図示しない)の右端がスプライン結合している。右側のサイドギヤ323には、右後輪から延びる右後ドライブシャフト(図示しない)の左端がスプライン結合している。そして、車両が例えばカーブを走行すると、左右のサイドギヤ323、323が差動回転し、ピニオンギヤ322、322が回転するようになっている。
<ドライブピニオンギヤ>
ドライブピニオンギヤ10は、前後方向に延びる軸線O1を中心として回転する棒状の部材である。ドライブピニオンギヤ10は、後側が小径である円錐台状のピニオンギヤ11(傘歯車本体)と、ピニオンギヤ11の歯面側である後側に形成された後側軸部12(歯面側軸部)と、ピニオンギヤ11の背面側である前側に形成された前側軸部13(背面側軸部)と、を備えている。
ピニオンギヤ11は、リングギヤ20と噛合しており、リングギヤ20とで終減速ギヤ機構を構成している。ピニオンギヤ11、リングギヤ20は、例えば、ハイポイドギヤで構成されている。後側軸部12は、後テーパーローラーベアリング40を介して、スリーブ50に回転自在に支持されている。前側軸部13は、ピニオンギヤ11側である基端側(後側)から先端側(前側)に向かって、基端部13aと、中間部13bと、先端部13cと、を備えている。基端部13aは、前テーパーローラーベアリング30を介して、第2ケース120に回転自在に支持されている。
中間部13bの外周面には軸スプライン13dが形成されている。軸スプライン13dは、インナーハブ220の孔スプライン221とスプライン結合している。先端部13cは、ニードルローラーベアリング246(ラジアル軸受)を介して、ポンプボディ242を回転自在に支持している。そして、ポンプボディ242は、クラッチケース210に相対回転不能に支持されている。このため、先端部13cとクラッチケース210とは相対回転自在である。
<前テーパーローラーベアリング>
前テーパーローラーベアリング30は、基端部13aを第2ケース120に対して回転自在に支持する軸受である。前テーパーローラーベアリング30及びピニオンギヤ11の間には、ピニオンギヤ11とリングギヤ20の噛み合いを調整するためのシム39が設けられている。
<後テーパーローラーベアリング>
後テーパーローラーベアリング(第2軸受)40は、後側軸部12をスリーブ50に対して回転自在に支持する軸受である。ドライブピニオンギヤ10は、ピニオンギヤ11の前側の前テーパーローラーベアリング30と、後側の後テーパーローラーベアリング40とで、コラプシブルスペーサを介さずに回転自在に支持されるため、ドライブピニオンギヤ10が前側のみで片持ち支持される構成に対して、基端部13aが短くなる。
<リングギヤ>
リングギヤ20は、左右方向に延びる軸線O2を中心として回転するリング状の部材である。リングギヤ20は、前記したデフケース310のフランジ部314にボルト21によって締結されている。
<スリーブ>
スリーブ50は、ドライブピニオンギヤ10の後方において、リングギヤ20と同軸で配置された円筒状の部材であって、後テーパーローラーベアリング40及び右テーパーローラーベアリング340を保持する部材である。
スリーブ50は、軸線O2を中心として左右方向に延びており、胴体部51(周壁部)と、胴体部51の左側(一端側)に形成された外嵌部52(一端部)と、胴体部51の右側(他端側)に形成された被挟持部53(他端部)と、を備えている。胴体部51は、外嵌部52、被挟持部53よりも肉厚に形成されている。胴体部51においても、その前側は後記する差込孔51aおよび雌ねじ51bが形成されているため、特に肉厚に形成されている。
<スリーブ−胴体部>
胴体部51の前側には、胴体部51の内周面において開口し、予圧調整ねじ2が螺合される雌ねじ51bと、雌ねじ51bと同軸に連通して胴体部51の外周面において開口し、後テーパーローラーベアリング40の外輪42が差し込まれる差込孔51aと、が形成されている。つまり、差込孔51aおよび雌ねじ51bは軸線O1を中心として胴体部51の前側に貫通形成されている。差込孔51aは雌ねじ51bよりも大径であり、雌ねじ51bと差込孔51aとの間には環状の段差面51c(図2)が形成されている。
<スリーブ−外嵌部>
外嵌部52は、右テーパーローラーベアリング340に外嵌し保持する部分である。右テーパーローラーベアリング340の外輪342の端面と外嵌部52との間には、右テーパーローラーベアリング340の予圧調整用のシム344が介装されている。
<スリーブ−被挟持部>
被挟持部53は、前後方向において、第2ケース120の右側の半円筒部123と第3ケース130右側の半円筒部131とで挟持される部分である。このように、被挟持部53が挟持されることで、スリーブ50がケース100に固定されるようになっている。
なお、スリーブ50の中空部を、前記した右後ドライブシャフトが貫通している。すなわち、スリーブ50の径方向外側であって第2ケース120及び第3ケース130の間の空間140は、回転する右後ドライブシャフトから遮蔽されるため、ケース100の底部に形成される油溜りから掻き上げられる油の飛沫が到達し難くなる。よって、空間140と外部とを連通させてブリーザ回路を形成してもよい。
<予圧調整ねじ>
予圧調整ねじ2(第2軸受用予圧調整部材)は、リング状の部材であって、スリーブ50の雌ねじ51bに螺合する雄ねじ部2aと、雄ねじ部2aの前側に形成され、雄ねじ部2aよりも大径で、差込孔51aの内径よりも若干小さい程度の外径を有し、差込孔51aの内部に配置されて後テーパーローラーベアリング40の外輪42の端面に当接する環状の当接部2bと、を備えている。予圧調整ねじ2は、前側から差込孔51aに挿入されたうえで雄ねじ部2aが雌ねじ51bに螺合される。雄ねじ部2aの内周面には、調整用工具8を係合させる係合部(例えば多角孔)2cが形成されている。
<クラッチ>
クラッチ200は、プロペラシャフト(図示しない)とドライブピニオンギヤ10との間において、動力を断接する断接装置であって、本実施形態では油圧式の湿式多板クラッチで構成されている。クラッチ200は、プロペラシャフトと一体で回転するクラッチケース210と、ドライブピニオンギヤ10と一体で回転するインナーハブ220と、複数の外クラッチ板231と、複数の内クラッチ板232と、油圧に対応して外クラッチ板231及び内クラッチ板232の間における摩擦力を可変する油圧装置240と、を備えている。
<クラッチ−クラッチケース>
クラッチケース210は、前側が閉じた有底円筒状のクラッチケース本体211と、クラッチケース本体211の前底部から前方に延びる軸部212と、を備えている。クラッチケース210は、ラジアル軸受251を介して、第1ケース110に回転自在に支持されている。
軸部212の略中間には、軸スプライン213が形成されている。軸スプライン213には、コンパニオンフランジ260の孔スプライン261がスプライン結合しており、軸部212とコンパニオンフランジ260とは一体で回転するようになっている。なお、コンパニオンフランジ260は、軸線O1方向に延びる短円筒体であり、その前端部にプロペラシャフトの後端がボルト締結されるようになっている。
軸部212の前端部には雄ねじ214が形成されている。雄ねじ214にはナット262が螺合しており、コンパニオンフランジ260が軸部212に締結されている。
<クラッチ−インナーハブ>
インナーハブ220は、円筒状の部材であり、その内周面に孔スプライン221が形成されている。孔スプライン221は、ドライブピニオンギヤ10の軸スプライン13dとスプライン結合している。
<クラッチ−外クラッチ板、内クラッチ板>
外クラッチ板231は、リング板状の部材であり、その外周縁部はクラッチケース本体211の内周面とスプライン結合している。したがって、外クラッチ板231とクラッチケース本体211とは一体で回転する。
内クラッチ板232は、リング板状の部材であり、その内周縁部はインナーハブ220の外周面とスプライン結合している。したがって、内クラッチ板232とインナーハブ220とは一体で回転する。
外クラッチ板231と内クラッチ板232とは、軸方向(前後方向)において、交互に積層している。この交互に積層した積層体の前側には軸方向に移動自在であるリング状の押圧板233が配置されている。
<クラッチ−油圧装置>
油圧装置240は、リング状のピストン241と、ピストン241を軸方向(前後方向)において摺動自在に収容するリング状のポンプボディ242と、を備え、ピストン241及びポンプボディ242の間にリング状の油室243が形成されている。油室243には、ポンプ270からの油であって、ECU(Electronic Control Unit)の指令に従って圧力調整弁(図示しない)で圧力調整された圧油が供給されるようになっている。
ピストン241は、スラスト軸受244を介して押圧板233に当接すると共に、戻しばね(リターンスプリング)として機能する皿ばね245によって初期位置に戻るように付勢されている。そして、油室243の油圧が高くなると、ピストン241が皿ばね245のばね力に抗して後方に移動し、外クラッチ板231及び内クラッチ板232の間の摩擦力が大きくなり、プロペラシャフトの動力がドライブピニオンギヤ10に伝達されるように構成されている。
ポンプボディ242とクラッチケース210との間にはポンプ270が配置されている。ポンプ270は例えばトロコイド(登録商標)ポンプで構成され、クラッチケース210と一体で回転するアウターロータ271と、ドライブピニオンギヤ10と一体で回転するインナーロータ272とから構成されている。
クラッチケース210はプロペラシャフトと一体に回転するため、前輪と一体に回転することとなる。また、ドライブピニオンギヤ10は後輪と一体に回転することとなる。したがって、通常の走行状態では前輪及び後輪の回転速度が等しいため、アウターロータ271とインナーロータ272は一体で回転し、ポンプ270は油圧を発生しない。しかし、例えば前輪が空転するとアウターロータ271とインナーロータ272との間で回転速度に差が生じ、ポンプ270が油圧を発生し、その油圧が油室243に供給される。
≪終減速装置の作用、効果≫
第1実施形態の終減速装置1によれば、次の作用効果を得る。
ドライブピニオンギヤ10は、後側の後テーパーローラーベアリング40と、前側の前テーパーローラーベアリング30とで、その両側で回転自在に支持された構成であるので、前側軸部13(背面側軸部)は、片持ち構造の従来技術よりも短くなる。したがって、ドライブピニオンギヤ10及びケース100を小型化し、軽量化できる。
そして、前テーパーローラーベアリング30および後テーパーローラーベアリング40の予圧調整は例えば次のように行う。一対の傘歯車(ドライブピニオンギヤ10,リングギヤ20)と差動装置300(デフケース310)とスリーブ50と予圧調整ねじ2とを組み立ててケース100に収容した後において、ケース100の開口部132から調整用工具8をスリーブ50の内部に入れ、調整用工具8の先端を予圧調整ねじ2の係合部2cに係合させ予圧調整ねじ2を回転させる。これにより、スリーブ50に対する予圧調整ねじ2の螺合位置(前後位置)が変わり、当接部2bが後テーパーローラーベアリング40の外輪42の端面を前方に押圧する押圧力、すなわち後テーパーローラーベアリング40の予圧が調整され、ひいては前テーパーローラーベアリング30の予圧も調整される。
コラプシブルスペーサを用いて予圧を調整する従来の構造では、予圧を上げる段階でコラプシブルスペーサが軸力により変形するため、再び予圧を下げる場合はコラプシブルスペーサを交換しなければならない。これに対し、本実施形態によれば、予圧調整ねじ2を回転操作するだけで、前テーパーローラーベアリング30および後テーパーローラーベアリング40の予圧の上げ下げ調整を何度でも簡単に行える。
一対の傘歯車(ドライブピニオンギヤ10,リングギヤ20)と差動装置300(デフケース310)とスリーブ50と予圧調整ねじ2とを組み立ててケース100に収容した状態で予圧調整を行えるため、予圧調整を行う度にこれらを分解する必要もない。
「第2実施形態」
図3および図4を参照して第2実施形態を説明する。なお、第1実施形態と同じ構成要素については同一の符号を付してその説明は省略する。
第1実施形態が、予圧調整ねじ2を用いて前テーパーローラーベアリング30および後テーパーローラーベアリング40の予圧を調整する形態であったのに対し、第2実施形態は、予圧調整ねじ3を用いて左テーパーローラーベアリング330および右テーパーローラーベアリング340の予圧を調整する形態である。
スリーブ50において、外嵌部52の内周面の右側には、外嵌部52の内周面よりも小径の雌ねじ52aが形成されている。この雌ねじ52aには予圧調整ねじ(第1軸受用予圧調整部材)3が螺合している。予圧調整ねじ3はリング状の部材であり、雌ねじ52aに螺合する雄ねじ部3aと、雄ねじ部3aの右側に形成され、内周面に調整用工具9を係合させる係合部(例えば凹凸)3cが形成された工具係合部3bと、を備えて構成されている。雄ねじ部3aは、右テーパーローラーベアリング340の外輪342の端面に当接している。
なお、本実施形態では、スリーブ50の胴体部51には雌ねじ51bは形成されておらず、後テーパーローラーベアリング40とスリーブ50との間には、予圧調整用のシム49が配置されている。
≪終減速装置の作用、効果≫
第2実施形態の終減速装置1によれば、次の作用効果を得る。
左テーパーローラーベアリング330および右テーパーローラーベアリング340の予圧調整は例えば次のように行う。一対の傘歯車(ドライブピニオンギヤ10,リングギヤ20)と差動装置300(デフケース310)とスリーブ50と予圧調整ねじ2とを組み立ててケース100に収容した後において、ケース100の開口部132から調整用工具9をスリーブ50の内部に入れ、調整用工具9の先端を予圧調整ねじ3の係合部3cに係合させ予圧調整ねじ3を回転させる。これにより、スリーブ50に対する予圧調整ねじ3の螺合位置が変わり、雄ねじ部3aが右テーパーローラーベアリング340の外輪342の端面を左側に押圧する押圧力、すなわち右テーパーローラーベアリング340の予圧が調整され、ひいては左テーパーローラーベアリング330の予圧も調整される。
本実施形態によれば、従来のシムによる調整方法に比して、予圧調整ねじ3を回転操作するだけで、左テーパーローラーベアリング330および右テーパーローラーベアリング340の予圧の調整を簡単に行える。
一対の傘歯車(ドライブピニオンギヤ10,リングギヤ20)と差動装置300(デフケース310)とスリーブ50と予圧調整ねじ3とを組み立ててケース100に収容した状態で予圧調整を行えるため、予圧調整を行う度にこれらを分解する必要もない。
≪変形例≫
以上、本発明の2つの実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されず、例えば、次のように変更してもよい。
前記した2つの実施形態では、動力伝達装置が終減速装置1に適用された構成を例示したが、その他に例えば、トランスファ装置に適用された構成でもよい。トランスファ装置は、FFベースの四輪駆動車に搭載され、エンジンから駆動輪である前ドライブシャフトに向かう動力を分岐させ、前後方向に延びるプロペラシャフトの前端に入力する装置である。
この場合、プロペラシャフトの前端に固定された従動側のドリブンピニオンギヤが第2傘歯車を構成し、車幅方向に延びる軸線を中心として回転する駆動側のリングギヤが第1傘歯車を構成し、リングギヤの固定されたリングギヤシャフトが回転体を構成する。ドリブンピニオンギヤは、リングギヤと噛合するピニオンギヤ(傘歯車本体)と、ピニオンギヤの前側(歯面側)に形成された前側軸部と、ピニオンギヤの後側(背面側)に形成された後側軸部と、を備える構成となる。
そして、リングギヤシャフトと同軸でスリーブが配置され、スリーブの一端部は第1軸受を介してリングギヤシャフトを回転自在で保持し、スリーブの他端部はトランスファ装置のケースに固定された構成となる。また、スリーブの周壁部に形成された外嵌保持部は、歯面側軸受を介して、前側軸部を回転自在に保持する構成となる。
また、説明した2つの実施形態では、第1軸受用予圧調整部材および第2軸受用予圧調整部材の内のどちらか一方のみを用いる形態であったが、両部材を共に用いることもできる。
1 終減速装置(動力伝達装置)
2 予圧調整ねじ(第2軸受用予圧調整部材)
2a 雄ねじ部
2b 当接部
3 予圧調整ねじ(第3軸受用予圧調整部材)
10 ドライブピニオンギヤ(第2傘歯車)
11 ピニオンギヤ(傘歯車本体)
12 後側軸部(歯面側軸部)
20 リングギヤ(第1傘歯車)
40 後テーパーローラーベアリング(第2軸受)
50 スリーブ
51 胴体部(周壁部)
51a 差込穴
51b 雌ねじ
51c 段差面
52 外嵌部(一端部)
53 被挟持部(他端部)
100 ケース
300 差動装置
310 デフケース(回転体)
340 右テーパーローラーベアリング(第1軸受)

Claims (5)

  1. 第1傘歯車と、
    前記第1傘歯車に噛合する傘歯車本体と、前記傘歯車本体の歯面側に形成された歯面側軸部とを有する第2傘歯車と、
    前記第1傘歯車と一体に回転する回転体と、
    前記第1傘歯車と前記第2傘歯車と前記回転体とを収容するケースと、
    を備えた動力伝達装置であって、
    一端部が第1軸受を介して前記回転体を支持し、他端部が前記ケースに固定され、周壁部が第2軸受を介して前記歯面側軸部を支持する円筒状のスリーブと、
    前記第2軸受の外輪の端面に当接するように前記スリーブの周壁部に螺合する第2軸受用予圧調整部材と、
    を備えることを特徴とする動力伝達装置。
  2. 第1傘歯車と、
    前記第1傘歯車に噛合する傘歯車本体と、前記傘歯車本体の歯面側に形成された歯面側軸部とを有する第2傘歯車と、
    前記第1傘歯車と一体に回転する回転体と、
    前記第1傘歯車と前記第2傘歯車と前記回転体とを収容するケースと、
    を備えた動力伝達装置であって、
    一端部が第1軸受を介して前記回転体を支持し、他端部が前記ケースに固定され、周壁部が第2軸受を介して前記歯面側軸部を支持する円筒状のスリーブと、
    前記第1軸受の外輪の端面に当接するように前記スリーブの一端部に螺合する第1軸受用予圧調整部材と、
    を備えることを特徴とする動力伝達装置。
  3. 前記第1傘歯車は、終減速装置を構成するリングギヤであり、
    前記回転体は、前記リングギヤが固定されたデフケースである
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の動力伝達装置。
  4. 請求項1に記載の動力伝達装置において、
    前記第1傘歯車と前記第2傘歯車と前記回転体と前記スリーブと前記第2軸受用予圧調整部材とを組み立てて前記ケースに収容した状態で、前記ケースの開口部から調整用工具を前記スリーブの内部に入れ、前記調整用工具で前記第2軸受用予圧調整部材の螺合位置を変えて前記第2軸受の予圧を調整することを特徴とする軸受の予圧調整方法。
  5. 請求項2に記載の動力伝達装置において、
    前記第1傘歯車と前記第2傘歯車と前記回転体と前記スリーブと前記第1軸受用予圧調整部材とを組み立てて前記ケースに収容した状態で、前記ケースの開口部から調整用工具を前記スリーブの内部に入れ、前記調整用工具で前記第1軸受用予圧調整部材の螺合位置を変えて前記第1軸受の予圧を調整することを特徴とする軸受の予圧調整方法。
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