JP6852608B2 - 車両用差動歯車装置の差動制限装置 - Google Patents

車両用差動歯車装置の差動制限装置 Download PDF

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本発明は、車両用差動歯車装置の差動制限装置において、その差動制限装置のサイドギヤシャフトの径方向の大きさを好適に小さくする技術に関するものである。
例えば、電動モータの回転運動を直線運動に変換するネジ機構を用いて、摩擦係合要素の係合力を調節するようにしたネジ式のクラッチ機構が、特許文献1に記載された車両用トランスファに開示されている。そして、その特許文献1に記載された車両用トランスファのクラッチ機構を、車両用差動歯車装置の差動制限装置に適用することが考えられる。
特開2016−74342号公報
ところで、特許文献1に記載された車両用トランスファのクラッチ機構は、クラッチハブの出力軸の軸心方向の一部が前記ネジ機構のネジ軸部材と径方向に重なるように配置されており、クラッチドラムの径が比較的大きいので、車両用差動歯車装置の差動制限装置に適用される場合に、前記差動制限装置のサイドギヤシャフトの径方向の大きさが大きくなってしまう問題があった。特に、前置エンジン前輪駆動(FF)をベースとする車両における前輪側の差動歯車装置の差動制限装置、すなわちサイドギヤシャフトがエンジンのクランク軸と平行となるように配置された差動制限装置に、上記特許文献1に記載されたクラッチ機構を適用する場合には、前記差動制限装置の前記サイドギヤシャフトの径方向の大きさが大きくなると、前記差動制限装置が前記エンジンに干渉して前記差動制限装置を車両に搭載することが難しくなる。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、差動制限装置のサイドギヤシャフトの径方向の大きさを好適に小さくすることができる車両用差動歯車装置の差動制限装置を提供することにある。
第1発明の要旨とするところは、(a)左右一対の車輪と共に回転する一対のサイドギヤの差動回転を許容しつつ前記左右一対の車輪に動力を伝達する車両用差動歯車装置において、前記一対のサイドギヤの差動回転を制限する、車両用差動歯車装置の差動制限装置であって、(b)前記差動歯車装置のデファレンシャルケースおよび前記一対のサイドギヤの一方に連結されたサイドギヤシャフトのいずれか一方および他方にそれぞれ相対回転不能に連結されたクラッチハブおよびクラッチドラムと、前記クラッチハブおよび前記クラッチドラムの一方または他方にそれぞれ相対回転不能に係合し且つ互いに重ねられて相互に摩擦可能な複数の摩擦係合要素と、前記摩擦係合要素を押圧するピストンと、を有する摩擦クラッチと、(c)電動モータと、(d)互いに螺合するネジ軸部材およびナット部材のうちの一方のネジ部材が前記電動モータにより前記サイドギヤシャフトの軸心まわりに回転駆動されることによって、前記電動モータの回転を前記ナット部材の前記サイドギヤシャフトの軸心方向の直線運動に変換するネジ機構と、を備え、(e)前記クラッチハブと前記ネジ軸部材とは、前記サイドギヤシャフトの軸心方向に連ねて配置され、(f)前記ピストンの前記摩擦係合要素を押圧する押圧部の少なくとも一部が、前記ナット部材の前記サイドギヤシャフトの軸心方向における前記摩擦係合要素側の端面よりも前記摩擦係合要素側に配置されており、(g)前記電動モータと前記ネジ機構の前記ナット部材との間には、前記電動モータの出力軸に連結されたウォームギヤと、前記ナット部材の外周側に固設され、前記ウォームギヤと噛み合うウォームホイールとを有するウォーム式減速機が設けられ、(h)前記差動制限装置は、前記サイドギヤシャフトがエンジンのクランク軸と平行となるように配置されており、(i)前記ウォームギヤは、前記ウォームホイールの外周側において前記サイドギヤシャフトの軸心に対して前記エンジン側とは反対側に配置されていることにある。
第1発明によれば、(e)前記クラッチハブと前記ネジ軸部材とは、前記サイドギヤシャフトの軸心方向に連ねて配置され、(f)前記ピストンの前記摩擦係合要素を押圧する押圧部の少なくとも一部が、前記ナット部材の前記サイドギヤシャフトの軸心方向における前記摩擦係合要素側の端面よりも前記摩擦係合要素側に配置されている。このため、前記クラッチハブと前記ネジ軸部材とが前記サイドギヤシャフトの軸心方向に連なるように配設されているので、前記クラッチドラムの前記サイドギヤシャフトの径方向の大きさを好適に小さくすることができる。これによって、前記差動制限装置の前記サイドギヤシャフトの径方向の大きさを好適に小さくすることができる。また、(g)前記電動モータと前記ネジ機構の前記ナット部材との間には、前記電動モータの出力軸に連結されたウォームギヤと、前記ナット部材の外周側に固設され、前記ウォームギヤと噛み合うウォームホイールとを有するウォーム式減速機が設けられ、(h)前記差動制限装置は、前記サイドギヤシャフトがエンジンのクランク軸と平行となるように配置されており、(i)前記ウォームギヤは、前記ウォームホイールの外周側において前記サイドギヤシャフトの軸心に対して前記エンジン側とは反対側に配置されている。このため、前記ウォームギヤすなわち前記電動モータが前記ウォームホイールの外周側において前記サイドギヤシャフトの軸心に対して前記エンジン側とは反対側に配置させられるので、前記差動制限装置と前記エンジンとの間の空間を容易に確保することができる。
本発明が適用される車両用動力伝達装置の概略構成を説明する骨子図である。 図1の車両用動力伝達装置に設けられたデファレンシャル装置の差動制限装置の構成を説明する断面図である。 図2の差動制限装置とは異なり、摩擦クラッチにおけるクラッチドラムおよびクラッチハブの一部が、ネジ機構におけるナット部材およびネジ軸部材と、サイドギヤシャフトの径方向に重なるように配置された差動制限装置を、比較例として示す図である。 図1の車両用動力伝達装置に流用され、エンジンから前輪に伝達される動力の一部を後輪へ分配する4輪駆動車両用のトランスファが設けられた車両用動力伝達装置を示す骨子図である。
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の実施例において図は適宜簡略化或いは変形されており、各部の寸法比および形状等は必ずしも正確に描かれていない。
図1は、本発明が好適に適用された車両用動力伝達装置10の骨子図である。図1において、動力伝達装置10は、FF(フロントエンジン・フロントドライブ)車両に用いられるものであり、エンジン12に動力伝達可能に連結されている。図1に示すように、動力伝達装置10では、エンジン12から伝達された動力が、トルクコンバータ14、自動変速機16、およびデファレンシャル装置(車両用差動歯車装置)18を介して前輪(車輪)20L、20R(特に区別しない場合には前輪20という)へ伝達される。
図1に示すように、デファレンシャル装置18には、後述するサイドギヤシャフト22の第1軸線(軸心)C1まわりに回転可能に支持されたデファレンシャルケース24(以下、デフケース24という)と、デフケース24の外周部に固設されたリングギヤ24rと、デフケース24に両端部が支持され、サイドギヤシャフト22の第1軸線C1に直交する姿勢で図示しないノックピンによりデフケース24に固定された円柱形状のピニオンシャフト24sと、ピニオンシャフト24sを挟んで対向する状態で、デフケース24によって第1軸線C1まわりに回転可能(自転可能)に支持された一対のサイドギヤ26および28と、ピニオンシャフト24sが貫通させられることによってそのピニオンシャフト24sにより回転可能(自転可能)に支持されて一対のサイドギヤ26および28の間でそれらとそれぞれ噛み合う一対のピニオンギヤ30および32と、が備えられている。なお、リングギヤ24rには、自動変速機18の出力歯車18aが噛み合わされている。また、一対のサイドギヤ26、28の一方のサイドギヤすなわちサイドギヤ28には、サイドギヤシャフト22が相対回転不能に連結されており、サイドギヤ28は、サイドギヤシャフト22および前輪車軸34R等を介して前輪20Rに動力伝達可能に連結されている。また、サイドギヤ26は、例えば前輪車軸34L等を介して前輪20Lに動力伝達可能に連結されている。このように構成されたデファレンシャル装置18は、トルクコンバータ14および自動変速機16を介して伝達されるエンジン12からの動力を、左右一対の前輪20L、20Rと共に回転する一対のサイドギヤ26、28の差動回転を許容しつつその左右の一対の前輪20L、20Rに伝達するようになっている。
図1に示すように、デファレンシャル装置18には、一対のサイドギヤ26、28の差動回転を制限する差動制限装置36が備えられている。差動制限装置36には、図2に示すように、差動制限装置36を収容するケース部材38と、デフケース24とサイドギヤシャフト22との間の動力伝達経路を係合または解放する摩擦クラッチ40と、電動モータ42と、電動モータ42の回転運動を直線運動に変換して摩擦クラッチ40へ伝達するネジ機構44と、が備えられている。なお、差動制限装置36は、図1に示すように、サイドギヤシャフト22がエンジン12のクランク軸12aと平行に配置されており、差動制限装置36は、サイドギヤシャフト22の径方向すなわちサイドギヤシャフト22の第1軸線C1方向に対して垂直な方向においてエンジン12と隣り合っている。また、クランク軸12aの第2軸線(軸心)C2は、サイドギヤシャフト22の第1軸線C1と平行である。
摩擦クラッチ40は、図2に示すように、ケース部材38内においてサイドギヤシャフト22の第1軸線C1まわりに回転可能に支持され、デフケース24に対して相対回転不能にデフケース24に連結されたクラッチドラム46と、サイドギヤシャフト22に対して相対回転不能にサイドギヤシャフト22に連結されたクラッチハブ48と、クラッチドラム46およびクラッチハブ48の一方または他方にそれぞれ相対回転不能に係合し且つ互いに重ねられて相互に摩擦可能な複数の摩擦係合要素50と、摩擦係合要素50を押圧するピストン52とを有する。
クラッチドラム46は、図2に示すように、ニードルベアリング54を介してサイドギヤシャフト22に対して相対回転可能にサイドギヤシャフト22に支持された円筒状の第1円筒部46aと、クラッチハブ48の外周側に配置され内周部に内周スプライン歯46bが形成された円筒状の第2円筒部46cと、第1円筒部46aおよび第2円筒部46cを連結する連結部46dと、を一体に備えている。なお、クラッチドラム46の第1円筒部46aのサイドギヤ26、28側の端部には、デフケース24の差動制限装置36側の端部に形成された内周スプライン歯24aにスプライン嵌合する外周スプライン歯46eが形成されている。また、クラッチドラム46は、サイドギヤシャフト22に対して相対回転可能且つ第1軸線C1方向の相対移動不能にサイドギヤシャフト22に支持されている。
クラッチハブ48は、図2に示すように、サイドギヤシャフト22に形成された外周スプライン歯22aにスプライン嵌合する内周スプライン歯48aが形成された円筒状の円筒部48bと、円筒部48bのサイドギヤ26、28側の端部からサイドギヤシャフト22の径方向に突き出された鍔部48cとが一体的に備えられている。なお、クラッチハブ48は、サイドギヤシャフト22に対して相対回転不能且つ第1軸線C1方向の相対移動不能にサイドギヤシャフト22に支持されている。
摩擦係合要素50は、図2に示すように、クラッチドラム46に対して第1軸線C1方向に相対移動可能且つ第1軸線C1まわりに相対回転不能にクラッチドラム46の内周スプライン歯46bにスプライン嵌合した環状の複数の第1摩擦板50aと、クラッチハブ48に対して第1軸線C1方向に相対移動可能且つ第1軸線C1まわりに相対回転不能にクラッチハブ48の円筒部48bに形成された外周スプライン歯48dにスプライン嵌合した環状の複数の第2摩擦板50bとを備えている。
ネジ機構44は、図2に示すように、ウォーム式減速機56を介して電動モータ42に間接的に動力伝達可能に連結された回転部材としてのナット部材(一方のネジ部材)58と、ナット部材58に螺合するネジ軸部材60と、ネジ軸部材60をサイドギヤシャフト22の第1軸線C1回りの回動不能にサイドギヤシャフト22に配設するためにネジ軸部材60のクラッチハブ48側とは反対側の端部60aと非回転部材であるケース部材38との間を連結する連結部材62とを備えている。なお、ネジ軸部材60は、サイドギヤシャフト22に対して相対回転可能且つ第1軸線C1方向の相対移動不能にサイドギヤシャフト22に支持されている。また、ナット部材58は、複数のボール64を介してネジ軸部材60と螺合しており、ネジ機構44は、ナット部材58とネジ軸部材60とが複数のボール64を介して作動するボールネジである。このように構成されたネジ機構44では、ナット部材58が電動モータ42によりサイドギヤシャフト22の第1軸線C1まわりに回転駆動させられることによって、電動モータ42の回転をナット部材58のサイドギヤシャフト22の第1軸線C1方向の直線運動に変換させられる。
電動モータ42とネジ機構44のナット部材58との間に設けられたウォーム式減速機56は、電動モータ42のモータシャフト(出力軸)に連結されたウォームギヤ66と、ナット部材58の鍔部58aの外周側に固設され、ウォームギヤ66と噛み合う環状のウォームホイール68とを有している。なお、図1に示すように、ウォームギヤ66および電動モータ42は、ウォームホイール68の外周側においてサイドギヤシャフト22の第1軸線C1に対してエンジン12側とは反対側に配置されている。また、電動モータ42が回転駆動することによって、ナット部材58に固設されたウォームホイール68が第1軸線C1方向に移動するが、ウォームホイール68が第1軸線C1方向に移動しても、ウォームホイール68とケース部材38に固設された電動モータ42のモータシャフトに連結されたウォームギヤ66とが常時噛み合うように、ウォームホイール68の第1軸線C1方向の幅寸法が前記モータシャフトに形成されたウォームギヤ66の第1軸線C1方向の幅寸法より大きくなっており、ウォームホイール68の外周歯68aが平歯に形成されている。
摩擦クラッチ40のピストン52には、図2に示すように、ナット部材58に対してサイドギヤシャフト22の第1軸線C1まわりに相対回転可能且つ第1軸線C1方向に移動不能にナット部材58に設けられた円筒状の基端部52aと、基端部52aの摩擦係合要素50側とは反対側の端部からサイドギヤシャフト22の径方向に突き出された鍔部52bと、鍔部52bの外周部から第1軸線C1方向において摩擦係合要素50に接近する側に環状に突き出された環状突部52cと、環状突部52cに一体的に固設され、摩擦係合要素50を押圧する環状の押圧部材(押圧部)70と、が備えられている。なお、押圧部材70は、ピストン52において摩擦係合要素50を押圧する押圧部として機能している。また、ピストン52において摩擦係合要素50を押圧する押圧部材70の一部が、ナット部材58のサイドギヤシャフト22の第1軸線C1方向における摩擦係合要素50側の端面58bよりも摩擦係合要素50側に配置されている。
図2に示すように、ピストン52の鍔部52bとナット部材58の鍔部58aとの間には、スラストベアリング72が介在されており、ナット部材58における鍔部58a側とは反対側の端部には、ピストン52のナット部材58に対する第1軸線C1方向の摩擦係合要素50側への移動を阻止する環状のストッパリング74が備えられている。このため、ピストン52は、スラストベアリング72およびストッパリング74によって、ナット部材58に対してサイドギヤシャフト22の第1軸線C1まわりに相対回転可能且つ第1軸線C1方向に移動不能にナット部材58に設けられている。
図2に示すように、摩擦クラッチ40におけるクラッチドラム46およびクラッチハブ48と、ネジ機構44におけるナット部材58およびネジ軸部材60とは、サイドギヤシャフト22の第1軸線C1方向に連ねて配置されている。すなわち、摩擦クラッチ40におけるクラッチドラム46およびクラッチハブ48が、ネジ機構44におけるナット部材58およびネジ軸部材60と、サイドギヤシャフト22の径方向に重ならないように配置されている。
以上のように構成された差動制限装置36では、電動モータ42のモータシャフトの回転角度が、図示しない電子制御装置から電動モータ42に供給される駆動電流によって制御されることによって、ナット部材58すなわちピストン52の第1軸線C1方向の移動量(ストローク)すなわちピストン52の第1軸線C1方向の移動位置が制御される。例えば、電動モータ42によりナット部材58が回動することによって、ピストン52が摩擦係合要素50を押圧する側に移動させられると、図2において摩擦クラッチ50の第1軸線C1に対して上側(エンジン12側)に示すように、摩擦係合要素50において第1摩擦板50aと第2摩擦板50bとがピストン52の押圧部材70によって押圧されるので、クラッチドラム46に連結されたデフケース24とクラッチハブ48に連結されたサイドギヤシャフト22とが一体的に回転して、デファレンシャル装置18において一対のサイドギヤ26および28の差動回転を制限させる差動制限トルクが発生する。
図3は、本実施例の差動制限装置36とは異なり、摩擦クラッチ100におけるクラッチドラム102およびクラッチハブ104の一部が、ネジ機構44におけるナット部材58およびネジ軸部材60と、サイドギヤシャフト106の径方向に重なるように配置された差動制限装置108を、比較例として示す図である。なお、上記差動制限装置108は、摩擦クラッチ100、サイドギヤシャフト106、およびケース部材110の形状が異なる点と、ピストン52に押圧部材70が固設されておらずそのピストン52の環状突部52cが摩擦係合要素112を押圧する押圧部として機能している点と、ウォームギヤ66および電動モータ42がウォームホイール68の外周側においてサイドギヤシャフト106の軸心C1に対してエンジン12側に配置されている点とで相違しており、その他は本実施例の差動制限装置36と略同じである。また、サイドギヤシャフト106は、サイドギヤシャフト22に対して形状が異なるが、そのサイドギヤシャフト106のクラッチハブ104を支持する支持部106aの直径R1およびその軸心C1はサイドギヤシャフト22と同じである。また、ピストン52の摩擦係合要素112を押圧する押圧部すなわち環状突部52cは、ナット部材58のサイドギヤシャフト106の軸心C1方向における摩擦係合要素112側の端面58bよりも摩擦係合要素112側とは反対側に配置されている。
図3に示すように、本実施例の差動制限装置36とは異なる差動制限装置108は、摩擦クラッチ100におけるクラッチドラム102およびクラッチハブ104の一部が、ネジ機構44におけるナット部材58およびネジ軸部材60と、サイドギヤシャフト106の径方向に重なるように配置されているので、クラッチドラム102におけるサイドギヤシャフト106の径方向の寸法(大きさ)D1が例えば本実施例の差動制限装置36のクラッチドラム46におけるサイドギヤシャフト22の径方向の寸法(大きさ)D2に比較して大きくなり、その差動制限装置108のケース部材110におけるサイドギヤシャフト106の径方向の寸法(大きさ)D3が本実施例の差動制限装置36のケース部材38におけるサイドギヤギヤシャフト22の径方向の寸法(大きさ)D4に比較して大きくなる。なお、本実施例の差動制限装置36は、クラッチドラム46のサイドギヤシャフト22の径方向の寸法D2が差動制限装置108のクラッチドラム102に比較して小さくなることによって摩擦係合要素50の径が摩擦係合要素112より小さくなるが、例えば差動制限装置108の摩擦クラッチ100と同様のクラッチ容量を確保するために摩擦係合要素50における第1摩擦板50aおよび第2摩擦板50bの枚数を摩擦係合要素112における第1摩擦板112aおよび第2摩擦板112bの枚数に比べて増やしても良い。
図4は、本実施例の車両用動力伝達装置10に流用され、エンジン12から前輪20に伝達される動力の一部を図示しない後輪へ分配する4輪駆動車両用のトランスファ120が設けられた車両用動力伝達装置122を示す図である。なお、本実施例の車両用動力伝達装置10は、図4に示す車両用動力伝達装置122からトランスファ120が取り外された空間Sに差動制限装置36が搭載されることによって製造されたものである。なお、図2および図3において1点鎖線で示すケース部材120aは、上記トランスファ120のケース部材120aであり、トランスファ120のケース部材120aにおける径方向の寸法は、差動制限装置36のケース部材38におけるサイドギヤシャフト22の径方向の寸法D4と略同じであり、例えば、差動制限装置108が図4に示す車両用動力伝達装置122からトランスファ120が取り外された空間Sに搭載されようとすると、差動制限装置108がエンジン12に干渉する。また、図4に示す車両用動力伝達装置122に搭載された差動制限装置36の潤滑は、たとえば、トランスファ120の潤滑とは異なり、例えば前輪車軸34Rと同心の比較的大径のリングギヤ、そのリングギヤと噛み合うドリブンピニオンが無く、サイドギヤシャフト22およびそれと連れまわる部品のみのため、例えばクラッチドラム46のサイドギヤシャフト22の径方向の寸法D4を小さくすることで、ネジ機構44のボールネジ部へも摩擦クラッチ40の摩擦係合要素50を潤滑する最小限の油量で潤滑することができる。
上述のように、デファレンシャル装置18の差動制限装置36によれば、クラッチハブ48とネジ軸部材60とは、サイドギヤシャフト22の第1軸線C1方向に連ねて配置され、ピストン52の摩擦係合要素50を押圧する押圧部材70の一部が、ナット部材58のサイドギヤシャフト22の第1軸線C1方向における摩擦係合要素50側の端面58bよりも摩擦係合要素50側に配置されている。このため、クラッチハブ48とネジ軸部材60とがサイドギヤシャフト22の第1軸線C1方向に連なるように配設されているので、例えば、クラッチハブ104の一部がサイドギヤシャフト106の軸心C1方向においてネジ軸部材60に重なるように配設された差動制限装置108に比較して、クラッチドラム46のサイドギヤシャフト22の径方向の寸法D2を好適に小さくすることができる。これによって、差動制限装置36のサイドギヤシャフト22の径方向の大きさを好適に小さくすることができる。
また、本実施例のデファレンシャル装置18の差動制限装置36によれば、電動モータ42とネジ機構44のナット部材58との間には、電動モータ42のモータシャフトに連結されたウォームギヤ66と、ナット部材58の外周側に固設され、ウォームギヤ66と噛み合うウォームホイール68とを有するウォーム式減速機56が設けられており、差動制限装置36は、サイドギヤシャフト22がエンジン12のクランク軸12aと平行となるように配置されており、ウォームギヤ66は、ウォームホイール68の外周側においてサイドギヤシャフト22の第1軸線C1に対してエンジン12側とは反対側に配置されている。このため、ウォームギヤ66すなわち電動モータ42がウォームホイール68の外周側においてサイドギヤシャフト22の第1軸線C1に対してエンジン12側とは反対側に配置させられるので、差動制限装置36とエンジン12との間の空間を容易に確保することができる。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
例えば、前述の実施例の摩擦クラッチ40において、クラッチドラム46はデフケース24に相対回転不能に連結され、クラッチハブ48はサイドギヤシャフト22に相対回転不能に連結されていたが、例えば、クラッチドラム46がサイドギヤシャフト22に相対回転不能に連結され、クラッチハブ48がデフケース24に相対回転不能に連結されるように摩擦クラッチ40の構造を変更しても良い。
また、前述の実施例において、ネジ機構44では、ナット部材58が電動モータ42により回転駆動されることによって、ナット部材58がサイドギヤシャフト22の第1軸線C1方向に移動していたが、ネジ軸部材(一方のネジ部材)60が電動モータ42により回転駆動されることによって、ナット部材58がサイドギヤシャフト22の第1軸線C1方向に移動するように、ネジ機構44の構造を変更しても良い。
また、前述の実施例において、ピストン52に固設された押圧部材70の一部は、ナット部材58のサイドギヤシャフト22の第1軸線C1方向における摩擦係合要素50側の端面58bよりも摩擦係合要素50側に配置されていたが、例えば、押圧部材70の全部がナット部材58のサイドギヤシャフト22の第1軸線C1方向における摩擦係合要素50側の端面58bより摩擦係合要素50側に配置されるように、ピストン52の形状を変形させても良い。すなわち、押圧部材70の少なくとも一部がナット部材58のサイドギヤシャフト22の第1軸線C1方向における摩擦係合要素50側の端面58bよりも摩擦係合要素50側に配置されるように、ピストン52の形状を変形させても良い。
また、前述の実施例において、ピストン52は、そのピストン52に一体的に固設された押圧部材70を備えていたが、例えば、そのピストン52にかえて押圧部材70とピストン52とが一体に成形されたピストンを使用しても良い。
また、前述の実施例において、ウォームホイール68は環状であったが、例えばウォームホイール68は扇型形状でも良い。
また、前述の実施例において、ネジ機構44はウォーム式減速機56を介して電動モータ42に間接的に連結されたが、この態様に限らない。例えば、ネジ機構44のナット部材58と電動モータ42とは、ウォーム式減速機56を介すことなく直接的に連結されても良い。具体的には、ナット部材58と電動モータ42とは、電動モータ42のモータシャフトに設けられたピニオンとナット部材58に形成されたギヤ歯とが噛み合うように、直接的に連結されても良い。
尚、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
18:デファレンシャル装置(車両用差動歯車装置)
20L、20R:前輪(車輪)
22:サイドギヤシャフト
24:デファレンシャルケース(デフケース)
26、28:サイドギヤ
36:差動制限装置
40:摩擦クラッチ
42:電動モータ
44:ネジ機構
46:クラッチドラム
48:クラッチハブ
50:摩擦係合要素
52:ピストン
58:ナット部材
58b:端面
60:ネジ軸部材
70:押圧部材(押圧部)
C1:第1軸線(軸心)

Claims (1)

  1. 左右一対の車輪と共に回転する一対のサイドギヤの差動回転を許容しつつ前記左右一対の車輪に動力を伝達する車両用差動歯車装置において、前記一対のサイドギヤの差動回転を制限する、車両用差動歯車装置の差動制限装置であって、
    前記差動歯車装置のデファレンシャルケースおよび前記一対のサイドギヤの一方に連結されたサイドギヤシャフトのいずれか一方および他方にそれぞれ相対回転不能に連結されたクラッチハブおよびクラッチドラムと、前記クラッチハブおよび前記クラッチドラムの一方または他方にそれぞれ相対回転不能に係合し且つ互いに重ねられて相互に摩擦可能な複数の摩擦係合要素と、前記摩擦係合要素を押圧するピストンと、を有する摩擦クラッチと、
    電動モータと、
    互いに螺合するネジ軸部材およびナット部材のうちの一方のネジ部材が前記電動モータにより前記サイドギヤシャフトの軸心まわりに回転駆動されることによって、前記電動モータの回転を前記ナット部材の前記サイドギヤシャフトの軸心方向の直線運動に変換するネジ機構と、を備え、
    前記クラッチハブと前記ネジ軸部材とは、前記サイドギヤシャフトの軸心方向に連ねて配置され、
    前記ピストンの前記摩擦係合要素を押圧する押圧部の少なくとも一部が、前記ナット部材の前記サイドギヤシャフトの軸心方向における前記摩擦係合要素側の端面よりも前記摩擦係合要素側に配置されており、
    前記電動モータと前記ネジ機構の前記ナット部材との間には、前記電動モータの出力軸に連結されたウォームギヤと、前記ナット部材の外周側に固設され、前記ウォームギヤと噛み合うウォームホイールとを有するウォーム式減速機が設けられ、
    前記差動制限装置は、前記サイドギヤシャフトがエンジンのクランク軸と平行となるように配置されており、
    前記ウォームギヤは、前記ウォームホイールの外周側において前記サイドギヤシャフトの軸心に対して前記エンジン側とは反対側に配置されている
    ことを特徴とする車両用差動歯車装置の差動制限装置。
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