JP2007314793A - 半導体用樹脂ペースト及び半導体装置 - Google Patents

半導体用樹脂ペースト及び半導体装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 接着性と作業性に優れた高信頼性の絶縁性半導体用樹脂ペーストを得る。
【解決手段】 (A)熱硬化性樹脂と(B)フィラーからなる半導体用樹脂ペーストにおいて、硬化物の体積抵抗率が1×108Ω・cm以上であり、且つ(B)フィラー100
重量部に対して、アスペクト比(フィラーの長径と厚みの比)が5以上のフィラーを20重量部以上含むことを特徴とする絶縁性半導体用樹脂ペーストであり、(B)フィラーの平均粒径が0.3〜20μm、且つ最大粒径が50μm以下であるものが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、IC、LSI等の半導体素子を金属フレーム、有機基板等に接着する絶縁性半導体用樹脂ペーストに関するものである。
従来、IC等の半導体素子をリードフレームに接着する方法として半導体用樹脂ペーストが一般的に使用されている。これに伴い半導体用樹脂ペーストには、半導体装置の吸湿後の耐半田クラック性の向上が強く求められるようになってきた。耐半田クラック性の向上には半導体素子とリードフレームが密着していることと半田処理時の応力を緩和させることが重要である。その中でも特に吸湿処理後の密着性向上が重要であったが、従来の半導体用樹脂ペースト、特に絶縁性半導体用樹脂ペーストでは、吸湿処理後のリードフレームや半導体素子と半導体用樹脂ペーストとの密着性が低下してしまい、半導体装置の信頼性が期待した程には向上しないといった問題があった。このため、塗布作業性と接着強度に優れた絶縁性半導体用樹脂ペーストが求められていた。
特開平4−356934号公報
本発明の目的は、接着性と作業性に優れた高信頼性の絶縁性半導体用樹脂ペーストを提供することにある。
本発明は、
[1] (A)熱硬化性樹脂組成物と(B)フィラーとからなる半導体用樹脂ペーストにおいて、硬化物の体積抵抗率が1×108Ω・cm以上であり、且つ(B)フィラー合計
量100重量部中に、アスペクト比(フィラーの長径と厚みの比)が5以上のフィラーを20重量部以上含むことを特徴とする絶縁性半導体用樹脂ペースト、
[2] (B)フィラーの平均粒径が0.3〜20μmであり、且つ最大粒径が50μm以下である[1]項記載の絶縁性半導体用樹脂ペースト、
[3] (B)アスペクト比が5以上のフィラーがシリカ、アルミナ、窒化ケイ素、窒化ホウ素、酸化チタン、酸化亜鉛及びマイカからなる群より選択される1種以上である[1]又は[2]項記載の絶縁性半導体用樹脂ペースト、
[4] [1]〜[3]項のいずれか1項に記載の絶縁性半導体用樹脂ペーストを用いて製作されてなる半導体装置、
である。
本発明によれば接着性に優れ、且つ塗布作業性に優れた高信頼性の絶縁性半導体用樹脂ペースト、及びこれを用いた半導体装置が得られる。
本発明で用いられる高アスペクト比のフィラーを充填した半導体用樹脂ペーストは塗布作業性と接着強度に優れるという特徴がある。
本発明に用いる熱硬化性樹脂組成物(A)は、熱硬化性樹脂、硬化剤、硬化促進剤等からなる一般的な熱硬化性樹脂組成物であり、特に限定されるものではないがペーストを形成する材料であることから室温で液状であることが望ましい。
本発明に好ましく用いられる液状の樹脂としては、例えば、液状のシアネート樹脂、液状エポキシ樹脂、ラジカル重合性の各種アクリル樹脂、アリール基を有するトリアリールイソシアヌレートなどが挙げられる。液状エポキシ樹脂は、エポキシ基を有するモノマー、オリゴマー、ポリマー全般の液状であるものを指す。例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、フェノールノボラック、クレゾールノボラック類とエピクロルヒドリンとの反応によって得られるポリグリシジルエーテル、ビフェニル型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、ハイドロキノン型エポキシ樹脂等の結晶性エポキシ樹脂、ブタンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル等の脂肪族エポキシ樹脂、ジグリシジルヒダントイン等の複素環式エポキシ樹脂、ビニルシクロヘキセンジオキサイド、ジシクロペンタジエンジオキサイド、アリサイクリックジエポキシーアジペイト等の脂環式エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンジグリシジルエーテル等の水添型エポキシ樹脂等が挙げられ、これらは1種類あるいは複数種を併用して使うことが可能である。
シアネート樹脂を用いる場合、その硬化触媒としては、例えば、銅アセチルアセトナート、亜鉛アセチルアセトナート等の金属錯体が挙げられる。
エポキシ樹脂を用いる場合、その硬化剤としては、例えば、脂肪族アミン、芳香族アミン、ジシアンジアミド、ジカルボン酸ジヒドラジド化合物、フェノール樹脂等が例として挙げられる。ジヒドラジド化合物の例としては、アジピン酸ジヒドラジド、ドデカン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、p−オキシ安息香酸ジヒドラジド等のカルボン酸ジヒドラジドなどが挙げられる。エポキシ樹脂の硬化剤に用いるフェノール樹脂としては、エポキシ基と反応して架橋にあずかる活性水素基を1分子当り2個以上有することが望ましい。このようなフェノール樹脂としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、テトラメチルビスフェノールA、テトラメチルビスフェノールF、テトラメチルビスフェノールS、ジヒドロキシジフェニルエーテル、ジヒドロキシベンゾフェノン、o−ヒドロキシフェノール、m−ヒドロキシフェノール、p−ヒドロキシフェノール、ビフェノール、テトラメチルビフェノール、エチリデンビスフェノール、メチルエチリデンビス(メチルフェノール)、シクロへキシリデンビスフェノール、又フェノール、クレゾール、キシレノール等の1価フェノール類とホルムアルデヒドとを稀薄水溶液中強酸性下で反応させることによって得られるフェノールノボラック樹脂、1価フェノール類とアクロレイン、グリオキザール等の多官能アルデヒド類との酸性下の初期縮合物や、レゾルシン、カテコール、ハイドロキノン等の多価フェノール類とホルムアルデヒドとの酸性下の初期縮合物等が挙げられ、これらは1種類あるいは複数種を併用して使うことが可能である。
本発明に用いる硬化促進剤兼硬化剤としては各種のイミダゾール化合物があり、その例としては、2−メチルイミダゾール,2−エチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−C1123−イミダゾール等の一般的なイミダゾールやトリアジンやイソシアヌル酸を付加し、保存安定性を付与した2,4−ジアミノ−6−{2−メチルイミダゾール−(1)}−エチル−S−トリアジン、またそのイソシアネート付加物等があり、これらは何れも1種類あるいは複数種と併用して使うことが可能である。
本発明においては熱硬化性樹脂成分が室温で固体である場合や液状でも粘度が高い場合は、反応性希釈剤を特性低下が起きない程度に混合して用いることも充分可能である。例
えば、n−ブチルグリシジルエーテル、バーサティック酸グリシジルエステル、スチレンオサイド、エチルヘキシルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、クレジルグリシジルエーテル、ブチルフェニルグリシジルエーテル等が挙げられ、これらは1種類あるいは複数種を併用して使うことが可能である。
本発明に用いるフィラーとしては、例えば、溶融シリカ、結晶シリカ、窒化珪素、アルミナ、窒化アルミ、タルク等の無機フィラーやシリコーン樹脂、ポリテトラフロロエチレン等のフッ素樹脂、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂、ベンゾグアナミンやメラミンとホルムアルデヒドとの架橋物等の有機フィラー、銀粉や銅粉、アルミニウム粉等の金属粉を有機樹脂で被覆したフィラーやシリカとアクリル複合材のような有機と無機の複合フィラーが挙げられる。アスペクト比(フィラーの長径と厚みの比)が5以上のフィラーは、その中でも熱硬化性樹脂との接着に優れていることと入手が容易であることからシリカ、アルミナ、窒化ケイ素、窒化ホウ素、酸化チタン、酸化亜鉛、マイカが好ましい。
又形状としてはフレーク状、鱗片状、樹脂状や球状等が用いられるが、特にフィラーの配向による半導体樹脂ペーストの補強効果や半導体素子、リードフレームや基板等の被着体への接着強度向上の効果、比表面積の増加に伴いチキソ比が大きくなる為に作業性が向上するため、アスペクト比が5以上のフィラーが好ましい。
使用する(B)フィラーの粒径は必要とするペーストの粘度により異なるが、通常平均粒径は0.3〜20μm、最大粒径は50μm程度のものが好ましい。
平均粒径が0.3μm未満だと粘度が高くなり、20μmを越えると塗布又は硬化時に樹脂分が流出するのでブリードが発生するため好ましくない。最大粒径が50μmを越えるとディスペンサーでペーストを塗布するときに、ニードルの出口を塞ぎ長時間の連続使用ができない。又比較的粗いフィラーと細かいフィラーとを混合して用いることもでき、種類、形状についても各種のものを適宜混合してもよい。また、粒径が1〜100nm程度のナノスケールフィラーを添加しても良い。
使用するフィラーは、ハロゲンイオン、アルカリ金属イオン等のイオン性不純物の含有量は10ppm以下であることが好ましい。
尚、本発明のフィラーは、予め表面をアルコキシシラン、アシロキシシラン、シラザン、オルガノアミノシラン等のシランカップリング材等で処理したものを用いてもよい。
(B)フィラーの配合量としては特に制限されないが、樹脂ペースト100重量部当たり1.0〜90重量部が好ましい。1.0重量部未満であると粘度が低すぎてペーストのタレが発生したり、フィラーによる補強強化が得られない為接着強度や耐半田性が低下する可能性があり、95重量部を超えると粘度が高くなり作業性が低下したり、ペースト硬化物が脆くなる為、耐半田性が低下する可能性があり好ましくない。
アスペクト比が5以上のフィラーは(B)フィラー合計量100重量部中に20重量部以上含むことが好ましい。20重量部未満ではフィラーの配向による半導体樹脂ペーストの補強効果や半導体素子、リードフレームや基板等の被着体への接着強度向上の効果、チキソ比増大の効果が得られないため、好ましくない。
本発明の半導体用樹脂ペーストは、(A)、(B)成分を必須成分とするが、それら以外にも必要に応じて硬化促進剤、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤、顔料、染料、消泡剤、界面活性剤、イオン捕捉剤、溶剤等の添加剤を適宜配合することができる。
本発明の半導体用樹脂ペーストは、(A)、(B)成分、及びその他の添加剤等を予備混合し、ロール等を用いて混練した後、真空下脱泡する等の製造方法で得られる。
半導体装置の製造方法は公知の方法を用いることができる。
以下に実施例と比較例を示し、本発明を具体的に説明する。
<実施例1〜10>
実施例1〜10は表1に示した組成の各成分とフィラーを配合し、3本ロールで混練して樹脂ペーストを得た。
この樹脂ペーストを真空チャンバーにて2mmHgで30分間脱泡した後、以下の方法により各種の性能を評価した。実施例の評価結果を表1に示す。
<比較例1〜16>
表2に示す配合割合に基づき実施例と同様にして半導体用樹脂ペーストを得、実施例と同様にして評価した。結果を表2に示す。
<用いる原料成分>
・液状エポキシ樹脂:ビスフェノールF型エポキシ樹脂(粘度4.0Pa・s/25℃、エポキシ当量170)(以下、BPFEPという)
・フェノール樹脂:フェノールノボラック樹脂(軟化点110℃、水酸基当量105(以下、PNという)
・ジシアンジアミド(以下、DDAという)
・2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール(以下、2P4MHZという)
・シアネートL−10
・ナフテン酸コバルト
・ウレタンアクリレート(東亞合成株式会社製、アロニックスRM−1600)
・1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(以下、パーヘキサ3M)
・無機フィラー
薄片状シリカ−1:平均粒径3.0μm、最大粒径30μm、アスペクト比10
薄片状シリカ−2:平均粒径3.0μm、最大粒径30μm、アスペクト比 3
球状シリカ:平均粒径3.0μm、最大粒径30μm、真球状
薄片状アルミナ−1:平均粒径3.0μm、最大粒径30μm、アスペクト比10
薄片状アルミナ−2:平均粒径3.0μm、最大粒径30μm、アスペクト比 3
球状アルミナ:平均粒径3.0μm、最大粒径30μm、真球状
<評価方法>
・粘度:E型粘度計(3°コーン)を用い25℃、2.5rpmでの値を測定し粘度とした。
・チキソ比: E型粘度計(3°コーン)を用い25℃でのチキソ比(0.5rpmでの
粘度/2.5rpmでの粘度)を計算した。
・接着強度:6×6mmのシリコンチップを半導体用樹脂ペーストを用いて銅フレームにマウントし、オーブンを使用し200℃60分で硬化した。硬化後マウント強度測定装置でを用い250℃での熱時ダイシェア強度を測定した。
・耐半田性(剥離率):シリコンチップ(サイズ9.0mm×9.0mm)を半導体用樹
脂ペーストを用いてリードフレーム(銅製)にマウントし、オーブンを用いて窒素雰囲気下、200℃、60分間で硬化した。このリードフレームをエポキシ樹脂封止材(フィラー量90重量部)を用いて、80ピンQFP(パッケージサイズは14×20mm、厚み2.0mm)を金型温度175℃、射出圧力7.5MPa、硬化時間60秒間でトランスファー成形し、175℃、8時間で後硬化させた。得られたパッケージを85℃、相対湿度85%の環境下で168時間放置し、その後260℃の半田槽に10秒間浸漬した。透過型の超音波探傷装置を用いてパッケージ内部の剥離面積の合計値を測定し、又、反射型の超音波探傷装置を用いてチップとエポキシ樹脂封止材との剥離面積及びリードフレームとエポキシ樹脂封止材との剥離面積の合計値を測定した。
(ダイアタッチ層の剥離面積)=[(透過での剥離面積の合計値)−(反射での剥離面積の合計値)]を求め、半導体用樹脂ペーストの剥離率を、(剥離率)=[(ダイアタッチ層の剥離面積)/(チップ面積)]×100として、5個のパッケージの平均値を求め、%で表示した。

Claims (4)

  1. (A)熱硬化性樹脂組成物と(B)フィラーとからなる半導体用樹脂ペーストにおいて、硬化物の体積抵抗率が1×108Ω・cm以上であり、且つ(B)フィラー合計量100
    重量部中に、アスペクト比(フィラーの長径と厚みの比)が5以上のフィラーを20重量部以上含むことを特徴とする絶縁性半導体用樹脂ペースト。
  2. (B)フィラーの平均粒径が0.3〜20μmであり、且つ最大粒径が50μm以下である請求項1記載の絶縁性半導体用樹脂ペースト。
  3. (B)アスペクト比が5以上のフィラーがシリカ、アルミナ、窒化ケイ素、窒化ホウ素、酸化チタン、酸化亜鉛及びマイカからなる群より選択される1種以上である請求項1又は2記載の絶縁性半導体用樹脂ペースト。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の絶縁性半導体用樹脂ペーストを用いて製作されてなる半導体装置。
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