JP2007314614A - ポリイミド前駆体共重合体、それを含むワニスおよびポジ型感光性樹脂組成物、ポリイミド共重合体、それを含む半導体素子の保護膜、ポリイミド共重合体含有膜の微細パターンの製造方法 - Google Patents

ポリイミド前駆体共重合体、それを含むワニスおよびポジ型感光性樹脂組成物、ポリイミド共重合体、それを含む半導体素子の保護膜、ポリイミド共重合体含有膜の微細パターンの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高い透明性、高弾性率および優れた溶媒可溶性をバランスよく実現する、ポリイミド前駆体共重合体またはポリイミド共重合体に関する技術を提供する。
【解決手段】
特定の構造を有する第一の酸二無水物と、第一の酸二無水物とは異なる特定の構造を有する第二の酸二無水物と、1または2の芳香族環を有する一種以上のジアミンと、を共重合してなる、ポリイミド前駆体共重合体。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ポリイミド前駆体共重合体、それを含むワニスおよびポジ型感光性樹脂組成物、ポリイミド共重合体、それを含む半導体素子の保護膜、ポリイミド共重合体含有膜の微細パターンの製造方法に関する。
近年電子機器における耐熱絶縁材料として、ポリイミドの重要性が益々高まっている。ポリイミドは優れた耐熱性のみならず、耐薬品性、耐放射線性、電気絶縁性、優れた機械的性質などの特性を併せ持つことから、フレキシブルプリント配線回路用基板、テープオートメーションボンディング用基材、半導体素子の保護膜、集積回路の層間絶縁膜等、様々な用途に現在広く利用されている。
ポリイミドは、ジアミンとテトラカルボン酸二無水物をN−メチル−2−ピロリドン等の溶媒中無触媒で等モル重付加反応させて溶媒可溶性の前駆体(ポリアミド酸)を重合し、このワニスを溶液キャスト製膜・乾燥・加熱脱水閉環反応(イミド化反応)することで比較的容易に製造することができる。これに加え、膜純度が極めて高いことから、電気特性の低下を招く恐れのある残留ハロゲンや金属イオン等を嫌う半導体用途に適している。また入手可能な様々なモノマーを用いて物性改良を行いやすく、近年益々多様化する要求特性に対応しやすいという点においても有利である。
半導体チップ表面の保護コーティング材料として、エポキシ樹脂等の封止材の硬化収縮からのチップの保護、ハンダリフロー工程における熱衝撃および封止材料の急激な熱膨張ストレスからのチップの保護、チップ上に無機パッシベーション膜を形成した場合そのクラックの防止、封止材中の無機充填剤に含まれる微量なウランやトリウムからのα線遮蔽によるソフトエラー防止、多層配線回路の層間絶縁、平坦化による配線の断線防止等を目的として現在耐熱性のポリイミドが使用されている。
上記の目的でポリイミドをバッファーコート膜やパッシベーション膜として用いるためには、半導体製造時の熱工程に対する耐熱性、密着性、イオン性不純物が極めて低いことはもとより、チップを水分から保護するために低吸湿性および低熱膨張性が求められ、封止樹脂中に含まれるシリカ等からチップを保護するために更に高弾性が要求される。そのためチップ保護膜としてのポリイミド膜が高弾性であるほど膜を薄く設計することが可能である。
保護コーティング材はボンディングパッド部にプラズマエッチングやアルカリエッチングでビアホール形成等微細加工される。プラズマエッチング等の乾式法は一般に高解像度が得られるが、設備面でコストがかかるため、アルカリ等を用いた湿式エッチングがより簡便である。
従来ポリイミド膜の微細加工は、ポリイミド膜上にフォトレジスト層を形成し、現像により露出した部分をヒドラジンやアルカリでエッチングして行っていたが、ポリイミドあるいはその前駆体自身に感光性能を付与した感光性ポリイミドを用いることで、ポリイミドの微細加工工程が大幅短縮され、半導体製造速度と歩留率向上が期待される。
この目的のため、ポリイミド前駆体であるポリアミド酸膜中にジアゾナフトキノン系感光剤を分散させたアルカリ現像ポジ型感光性ポリイミドが検討されている。しかしながら、ポリアミド酸中のカルボキシル基はpKa値が4〜5と低いため、半導体製造工程で通常用いられるテトラアンモニウムヒドロキシド水溶液に対して、ポリアミド酸の溶解性が高すぎて、微細加工には不向きであるといった問題がある。
近年より高解像度の微細加工の要求が年々高まっているが、上記のようにアルカリ現像に不向きな感光性ポリイミド前駆体の代わりに、より高いpKa値(10程度)を持つフェノール性ヒドロキシ基を有するため適度なアルカリ溶解性を示すポリベンゾオキサゾール前駆体とジアゾナフトキノン系感光剤を組み合わせたポジ型感光性樹脂が用いられるようになってきた(例えば特許文献1参照)。
ポリベンゾオキサゾール前駆体であるポリヒドロキシアミドの熱閉環反応により得られるポリベンゾオキサゾール膜は上記のように微細加工性に優れているだけでなく、ポリイミドと同等な耐熱性とポリイミドより優れた低吸水性を有しているという点で、半導体保護コーティング材料として優れている。
しかしながら、高弾性率を示すポリベンゾオキサゾールを開発することは分子設計上それほど容易ではない。高弾性率化のためにポリベンゾオキサゾールの主鎖骨格は直線的で剛直な構造でなければならないが、結果として、その前駆体である芳香族ポリヒドロキシアミドもその剛直なアラミド構造ゆえに有機溶媒に対する溶解性の低下を招くことになりやすい。
ポリベンゾオキサゾールのモノマーであるビス(o−アミノフェノール)は入手可能なものが限られており、多種多様なモノマーの選択範囲の広いポリイミド系と比較して、高弾性率および溶媒可溶性を両立するための分子設計に対応しにくい。
上記のようにポリベンゾオキサゾール前駆体の溶解性は限られており、多くの場合、N−メチル−2−ピロリドン等のアミド系溶媒にしか溶解性を示さない。アミド系溶媒はポリイミド前駆体やポリベンゾオキサゾール前駆体に強く結合する傾向があるため、感光性フィルムを100℃前後で簡易的に乾燥するプリベイク工程では、アミド系溶媒は揮発しにくく、多量の残留溶媒の影響で現像工程時のパターンの崩れ等深刻な影響を及ぼすことが指摘されている。アミド系溶媒以外では引火性の低い溶媒例えばγ−ブチロラクトンに対する溶解性を示すポリイミド前駆体あるいはポリベンゾオキサゾール前駆体があれば、安全でより高解像度の微細加工を行うことができ、上記産業分野において極めて有益な材料を提供しうるが、そのような感光性耐熱材料は知られていないのが現状である。
屈曲構造を有するフッ素基含有モノマーを共重合成分として用い、剛直なポリベンゾオキサゾールの主鎖骨格に適度な屈曲性を導入することで、ポリベンゾオキサゾール前駆体のN−メチル−2−ピロリドンに対する溶解性を保持しながら、20ppm/K以下の低線熱膨張係数を示すポリベンゾオキサゾール膜が得られる技術が開示されている(非特許文献1)。しかしながらこのポリベンゾオキサゾール前駆体はγ−ブチロラクトンにはほとんど溶解性を示さない。
ポリイミド前駆体は、溶媒親和性が高いカルボキシル基の存在と主鎖のパラ/メタランダム連鎖により、一般にポリベンゾオキサゾール前駆体より有機溶媒溶解性が高いが、高弾性率を示すポリイミド系では、その前駆体は通常γ−ブチロラクトンにはほとんど溶解性を示さない。
特公平1−46862号公報 J. Photopolym. Sci. Technol., 17, 53-258(2004)
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、高い透明性、高弾性率および優れた溶媒可溶性をバランスよく実現する、ポリイミド前駆体共重合体またはポリイミド共重合体に関する技術を提供するものである。
以上の課題に鑑み、鋭意研究を積み重ねた結果、本発明者らは、下記の手段により上記課題を解決し得ることを見いだした。
すなわち、本発明によれば、一般式(1)で示される酸二無水物と、一般式(2)または一般式(3)で示される酸二無水物と、一般式(4)または一般式(5)で示される一種以上のジアミンと、を共重合してなる、ポリイミド前駆体共重合体が提供される。
(式中、YはH,CH,CFの何れかであり、互いに異なっていてもよい。)
(式中、YはH,CH,CFの何れかであり、互いに異なっていてもよい。)
この構成からなるポリイミド前駆体共重合体は、高い透明性、高弾性率および優れた溶媒可溶性をバランスよく有する。
また、本発明によれば、一般式(7)で示される繰り返し単位と、一般式(8)または一般式(9)で示される繰り返し単位と、を含む、ポリイミド前駆体共重合体が提供される。
(式中、Xは、一般式(10)または一般式(11)で示されるジアミン由来の構造単位である。)
(式中、Xは、一般式(10)または一般式(11)で示されるジアミン由来の構造単位である。)
(式中、Xは、一般式(10)または一般式(11)で示されるジアミン由来の構造単位である。)
(式中、YはH,CH,CFの何れかであり、互いに異なっていてもよい。)
(式中、YはH,CH,CFの何れかであり、互いに異なっていてもよい。)
この構成からなるポリイミド前駆体共重合体は、高い透明性、高弾性率および優れた溶媒可溶性をバランスよく有する。
また、本発明によれば、上記のポリイミド前駆体共重合体を含有するγ−ブチロラクトン溶液からなるワニスが提供される。
この構成からなるワニスは、高い透明性、高弾性率および優れた溶媒可溶性をバランスよく有するポリイミド前駆体共重合体を含有するため、硬化処理(イミド化)することにより高い透明性、高弾性率および優れた溶媒可溶性をバランスよく有するポリイミド共重合体含有膜を生成することができる。
また、本発明によれば、上記のポリイミド前駆体共重合体と、ジアゾナフトキノン系感光剤と、を含有するポジ型感光性樹脂組成物が提供される。
この構成からなるポジ型感光性樹脂組成物は、優れた感光特性を有し、さらにこれを硬化処理(イミド化)することにより高い透明性、高弾性率および優れた溶媒可溶性をバランスよく有するポリイミド共重合体含有膜を生成することができる。
また、本発明によれば、ポリイミド共重合体含有膜の微細パターンの製造方法であって、上記のポジ型感光性樹脂組成物を塗布してポジ型感光性樹脂組成物膜を形成する工程と、ポジ型感光性樹脂組成物膜をパターン露光する工程と、パターン露光されたポジ型感光性樹脂組成物膜をアルカリ現像する工程と、アルカリ現像されたポジ型感光性樹脂組成物膜を加熱処理または脱水環化試薬処理して、ポリイミド共重合体含有膜を形成する工程と、を含む、製造方法が提供される。
この方法によれば、上記のポジ型感光性樹脂組成物を用いるため、高い透明性、高弾性率および優れた溶媒可溶性をバランスよく有するポリイミド共重合体含有膜の微細パターンを、精度よく製造することができる。
また、本発明によれば、上記のポリイミド前駆体共重合体を、加熱処理または脱水環化試薬処理することにより閉環反応させて得られるポリイミド共重合体が提供される。
この構成からなるポリイミド共重合体は、上記のポリイミド前駆体共重合体から得られるため、高い透明性、高弾性率および優れた溶媒可溶性をバランスよく有する。
また、本発明によれば、一般式(13)で示される繰り返し単位と、一般式(14)または一般式(15)で示される繰り返し単位と、を含む、ポリイミド共重合体が提供される。
(式中、Xは、一般式(10)または一般式(11)で示されるジアミン由来の構造単位である。)
(式中、Xは、一般式(10)または一般式(11)で示されるジアミン由来の構造単位である。)
(式中、Xは、一般式(10)または一般式(11)で示されるジアミン由来の構造単位である。)
(式中、YはH,CH,CFの何れかであり、互いに異なっていてもよい。)
(式中、YはH,CH,CFの何れかであり、互いに異なっていてもよい。)
この構成からなるポリイミド共重合体は、高い透明性、高弾性率および優れた溶媒可溶性をバランスよく有する。
また、本発明によれば、上記のポリイミド共重合体を含有する半導体素子の保護膜が提供される。
この構成からなる半導体素子の保護膜は、上記のポリイミド共重合体を含有するため、高い透明性、高弾性率および優れた溶媒可溶性をバランスよく有する。
本発明によれば、特定の構造を有するポリイミド前駆体共重合体またはポリイミド重合体を用いるため、高い透明性、高弾性率および優れた溶媒可溶性をバランスよく実現できる。
以下に本発明の実施の形態について詳細に説明するが、これらは本発明の実施形態の一例であり、これらの内容に限定されない。
<本実施形態の概要>
本実施形態によれば、一般式(1)で示される酸二無水物と、一般式(2)または一般式(3)で示される酸二無水物と、一般式(4)または一般式(5)で示される一種以上のジアミンと、を共重合してなる、ポリイミド前駆体共重合体が提供される。
(式中、YはH,CH,CFの何れかであり、互いに異なっていてもよい。)
(式中、YはH,CH,CFの何れかであり、互いに異なっていてもよい。)
上記のポリイミド前駆体共重合体において、一般式(5)で示されるジアミンは、一般式(6)で示されるジアミンであることが好ましい。
または、本実施形態によれば、一般式(7)で示される繰り返し単位と、一般式(8)または一般式(9)で示される繰り返し単位と、を含む、ポリイミド前駆体共重合体が提供される。
(式中、Xは、一般式(10)または一般式(11)で示されるジアミン由来の構造単位である。)
(式中、Xは、一般式(10)または一般式(11)で示されるジアミン由来の構造単位である。)
(式中、Xは、一般式(10)または一般式(11)で示されるジアミン由来の構造単位である。)
(式中、YはH,CH,CFの何れかであり、互いに異なっていてもよい。)
(式中、YはH,CH,CFの何れかであり、互いに異なっていてもよい。)
上記のポリイミド前駆体共重合体において、一般式(11)で示される構造単位は、一般式(12)で示される構造単位であることが好ましい。
これらのポリイミド前駆体共重合体は、固有粘度が0.1〜10.0dL/gの範囲内であることが好ましい。ポリイミド前駆体共重合体の固有粘度が0.1〜10.0dL/gの範囲内であれば、高い透明性、高弾性率および優れた溶媒可溶性をさらにバランスよく実現することができる。
すなわち、これらのポリイミド前駆体共重合体は、重量平均分子量が10,000〜1,000,000の範囲内であることが好ましい。ポリイミド前駆体共重合体の重量平均分子量が10,000〜1,000,000の範囲内であれば、高い透明性、高弾性率および優れた溶媒可溶性をさらにバランスよく実現することができる。
これらのポリイミド前駆体共重合体は、上記一般式(1)で示される酸二無水物と、一般式(2)または一般式(3)で示される酸二無水物と、一般式(4)または一般式(5)で示される一種以上のジアミンとを、γ−ブチロラクトンを溶媒として共重合することにより製造することができる。
また、上記のポリイミド前駆体共重合体を含有するγ−ブチロラクトン溶液からなるワニスに、ジアゾナフトキノン系感光剤を溶解し、キャスト製膜して得られた感光性樹脂組成物は、優れた感光特性を示す。
そして、ポリイミド共重合体含有膜の微細パターンは、上記のポジ型感光性樹脂組成物を塗布してポジ型感光性樹脂組成物膜を形成する工程と、ポジ型感光性樹脂組成物膜をパターン露光する工程と、パターン露光されたポジ型感光性樹脂組成物膜をアルカリ現像する工程と、アルカリ現像されたポジ型感光性樹脂組成物膜を加熱処理または脱水環化試薬処理して、ポリイミド共重合体含有膜を形成する工程と、を含む、製造方法により好適に得ることができる。
すなわち、本実施形態によれば、上述のように、高いi線透過率を有するポリエステルイミド前駆体共重合体膜、ポリエステルイミド前駆体体共重合体膜中に感光剤を含有して成るポジ型感光性樹脂組成物、およびこれをi線にてパターン露光後、アルカリ現像・洗浄・イミド化工程を経て得られる、半導体素子の保護膜として最適な高弾性率および低吸水率を有するポリエステルイミド体共重合体膜とその微細パターンの製造方法が実現される。
さらに、この感光性樹脂組成物を熱硬化(イミド化)することにより、一般式(13)で示される繰り返し単位と、一般式(14)または一般式(15)で示される繰り返し単位と、を含む、ポリイミド共重合体が得られる。すなわち、上記のポリイミド前駆体共重合体を、加熱処理または脱水環化試薬処理して閉環反応させることにより、下記の一般式(13)で示される繰り返し単位と、一般式(14)または一般式(15)で示される繰り返し単位と、を含む、ポリイミド共重合体は得られる。
(式中、Xは、一般式(10)または一般式(11)で示されるジアミン由来の構造単位である。)
(式中、Xは、一般式(10)または一般式(11)で示されるジアミン由来の構造単位である。)
(式中、Xは、一般式(10)または一般式(11)で示されるジアミン由来の構造単位である。)
(式中、YはH,CH,CFの何れかであり、互いに異なっていてもよい。)
(式中、YはH,CH,CFの何れかであり、互いに異なっていてもよい。)
上記のポリイミド共重合体において、一般式(11)で示される構造単位は、一般式(12)で示される構造単位であることが好ましい。
このポリイミド共重合体は、高い透明性、高弾性率および優れた溶媒可溶性を全てバランスよく満足する優れた特性を示す。このため、このポリイミド共重合体を含有する半導体素子の保護膜も、高い透明性、高弾性率および優れた溶媒可溶性を全てバランスよく満足する優れた特性を示すことから、半導体産業をはじめとする各種産業分野において有益な材料となる。すなわち、この半導体素子の保護膜は、上記のポリイミド共重合体を含有しているため、弾性率が5GPa以上であり、吸水率が1%以下であるという優れた特性を実現することができる。
また、これらのポリイミド共重合体は、固有粘度が0.1〜10.0dL/gの範囲内であることが好ましい。ポリイミド共重合体の固有粘度が0.1〜10.0dL/gの範囲内であれば、高い透明性、高弾性率および優れた溶媒可溶性をさらにバランスよく実現することができる。
すなわち、これらのポリイミド共重合体は、重量平均分子量が10,000〜1,000,000の範囲内であることが好ましい。ポリイミド共重合体の重量平均分子量が10,000〜1,000,000の範囲内であれば、高い透明性、高弾性率および優れた溶媒可溶性をさらにバランスよく実現することができる。
すなわち、上記一般式(7)で示される繰り返し単位と、一般式(8)または一般式(9)で示される繰り返し単位と、を含む形で表されるポリエステルイミド前駆体の共重合体は、γ−ブチロラクトンで重合することが可能であり、高い透明性、高弾性率および優れた溶媒可溶性をバランスよく実現するため、そのワニスにジアゾナフトキノン系感光剤を溶解し、キャスト製膜して得られた感光性樹脂組成物は優れた感光特性を示す。
さらに、このポリエステルイミド前駆体の共重合体を熱硬化(イミド化)して得られた、一般式(13)で示される繰り返し単位と、一般式(14)または一般式(15)で示される繰り返し単位と、を含む形で表されるポリエステルイミドの共重合体を含む膜は、高い透明性、高弾性率および優れた溶媒可溶性という要求特性を全て満足する優れた特性を示すことから、半導体産業をはじめとする各種産業分野において有益な材料となる。
<本実施形態の作用効果が得られる原理>
本実施形態に係るポリエステルイミド前駆体共重合体のγ−ブチロラクトン溶解性および透明性に対する効果について説明すると、本実施形態によれば、一般式(7)で示される繰り返し単位と、一般式(8)または一般式(9)で示される繰り返し単位と、を含む形で表されるポリエステルイミド前駆体共重合体は、一般式(1)で示されるテトラカルボン酸二無水物と、一般式(2)または一般式(3)で示されるテトラカルボン酸二無水物と、一般式(4)または一般式(5)で示される一種以上のジアミンを原料として、γ−ブチロラクトン溶媒中で重合することができる。
一般式(6)で表されるジアミン、即ち2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン(以下TFMBと称する)中のトリフルオロメチル基は、ポリマー鎖間の凝集力を弱める作用があり、溶媒溶解性を高めるのに効果的である。しかしながら、その効果のみではγ−ブチロラクトン溶解性を発現するのに十分ではない。テトラカルボン酸二無水物成分に剛直な構造のものを選択してTFMBと重合すると、γ−ブチロラクトン中で重合の際沈殿が生じ、重合がほとんど進行しない。例えば一般式(1)で表されるエステル基含有テトラカルボン酸二無水物(以下TAMHQと称する)中のメチル置換基がないモノマー(TAHQと称する)を使用してTFMBと重合した場合は、反応溶液が均一になりにくく重合がほとんど進行しない。
一方、本実施形態に係るメチル置換基含有TAMHQは、γ−ブチロラクトン中でTFMBと支障なく重合し、高分子量のポリエステルイミド前駆体共重合体を与える。これは、嵩高いメチル置換基の存在により、ポリエステルイミド前駆体共重合体鎖同士の凝集が妨害されたためである。
上記のモノマーを選択することで、TAHQを用いる場合に比べてより均一な組成のポリエステルイミド前駆体共重合体を含有するワニスが得られるが、そのワニスは短期間のうちにゲル化する傾向が見られ、ワニスの貯蔵安定性の面でさらなる改善の余地がある。
これを解決するために、屈曲結合や置換基を含有するモノマーを共重合する方策が考えられる。しかし多くの場合、重合反応性の低下によるポリエステルイミド前駆体共重合体の分子量低下、ポリエステルイミド前駆体共重合体膜の透明性の低下、ポリエステルイミド硬化膜の要求特性、特に弾性率や耐熱性の低下等の不都合な結果を招く傾向がある。
そして、γ−ブチロラクトンに対する溶解性を改善するために選択される共重合モノマー成分の重合反応性が低い場合、ポリエステルイミド共重合体前駆体が十分な高分子量体にならず、ポリマー鎖同士の絡み合いが低下して、ポリエステルイミド前駆体共重合体膜およびその硬化膜が著しく脆弱化し、実用化に大きな支障となる。
これに対して、一般式(2)で表される嵩高いフルオレニル基含有テトラカルボン酸二無水物をTAMHQの共重合成分として部分的に用いることで、後述するように要求特性を保持したままで、ポリエステルイミド前駆体共重合体のγ−ブチロラクトン溶解性(貯蔵安定性)を大幅に改善することが可能である。これは、フルオレニル基中の9位の炭素原子がsp炭素であるために、ジフェニルメタン単位に対してフルオレニル基分子平面が立体的に大きく捩れた構造をとることに由来して、ポリエステルイミド前駆体共重合体鎖同士の分子間凝集力を抑制するためである。これに加え、フルオレニル基に隣接するエステル基と環状エステルであるγ−ブチロラクトンとの間の高い親和性もγ−ブチロラクトン溶解性の改善に大きく寄与している。
また、一般式(3)で表されるフッ素化テトラカルボン酸二無水物を使用しても同様な効果が期待できるが、ポリエステルイミド前駆体共重合体膜の基材との密着性およびコストの観点からは、一般式(2)で表されるフルオレニル基含有テトラカルボン酸二無水物を使用することが好ましい。なお、場合に応じてこれらを併用することもできる。
ここで、上記のようにして得られたポリエステルイミド前駆体共重合体膜のi線透過率が低い場合、照射紫外線が膜中に分散された感光剤に効率的に吸収されず、長時間の露光が必要となるため、i線透過率はできるだけ高い方が好ましい。
この点、上記のように選択されたモノマーから得られた本実施形態に係るポリエステルイミド前駆体共重合体のキャスト膜は、高いi線透過率を示すため有利である。なぜなら、ポリイミド共重合体と同様ポリイミド前駆体共重合体においても着色の原因となる分子内および分子間電荷移動相互作用が存在すると考えられているからである。従って、本実施形態のように、ジアミン単位中に電子吸引基、酸二無水物単位中に電子供与基を導入することで、電荷異動相互作用を弱め、膜の透明性を高めることが可能である。本実施形態に係るポリエステルイミド前駆体においては、TFMB中の電子吸引基であるトリフルオロメチル基の存在が膜の透明性に寄与している。さらに、上記のような嵩高い置換基の存在も分子間電荷移動相互作用を弱める作用があるため、透明性改善に有利に働く。
なお、本研究に係るポリエステルイミド前駆体共重合体のTFMB残基中のトリフルオロメチル基は、その高い疎水性により、ポリエステルイミド前駆体のアルカリ溶解性制御に寄与することが期待されるが、その効果だけでは十分ではない。
この点、本実施形態では、該ポリエステルイミド前駆体共重合体の主鎖中の芳香族エステル基が、アルカリ溶解性の制御に重要な役割を演じている。すなわち、本実施形態では、芳香環やエステル基は元来疎水的性質を持つことに加え、主鎖中に芳香族エステル基を導入することで結果としてカルボキシル基濃度が低下するため、ポリエステルイミド前駆体共重合体のアルカリ溶解性が適度に低下して、アルカリ現像によるポジ型パターンの形成が可能となる。また、フルオレニル基もエステル基と同様な効果をもたらす。
次に、本実施形態のポリエステルイミドの膜物性に対する効果について説明する。ポリエステルイミド膜が高弾性率および低線熱膨張係数を発現するためには、主鎖骨格が剛直で直線的な構造であることが必要である。本実施形態に係るポリエステルイミドに含有される芳香族パラエステル結合は、剛直構造単位として振る舞い、高弾性率化、低線熱膨張化に有利に働く。さらに、本実施形態に係るポリエステルイミドに含有される芳香族パラエステル結合は、その疎水性から低吸水率化にも寄与する。
また、一般式(2)で表される酸二無水物のフルオレニル基中の9位の炭素原子がsp炭素であるために、ジフェニルメタン部位のメチレン鎖で主鎖が折れ曲がっている。このため、フルオレニル基含有テトラカルボン酸二無水物の過剰な使用は高弾性率化、低線熱膨張係数化にとって好ましくないが、大きなフルオレニル基の存在に由来する立体障害により、メチレン鎖の周りの内部回転は抑制されており、エーテル結合等自由に内部回転可能な屈曲結合と比べればはるかに剛直であり、ガラス転移温度や弾性率の低下を極力抑えることができる。さらに、一般式(3)で表される酸二無水物中、ヘキサフルオロイソプロピリデン基も内部回転は抑制されており、同様な効果が期待できる。
<本実施形態のポリイミド前駆体共重合体の製造方法>
上記のポリイミド前駆体(なお、以下、ポリイミド前駆体をポリエステルイミド前駆体とも記載する)の共重合体を製造する方法は、特に限定されず、公知の方法を適用することができる。より具体的には、以下の方法により得られる。まず上記の一般式(4)または一般式(5)で示される一種以上のジアミンを脱水した重合溶媒に溶解し、これに一般式(1)で示される酸二無水物(エステル基含有テトラカルボン酸二無水物)の粉末と、一般式(2)または一般式(3)で示される酸二無水物の粉末とを徐々に添加し、メカニカルスターラーを用い攪拌する。この際、テトラカルボン酸二無水物の総量とジアミンとは実質的に等モルで仕込まれる。なお、テトラカルボン酸二無水物粉末を添加する際、酸二無水物をあらかじめ混合した後溶液に添加しても、順次添加しても差し支えない。
以下、好ましい具体例について、さらに詳細に述べる。まず、一般式(4)または一般式(5)で示される一種以上のジアミンを重合溶媒に溶解し、これに一般式(1)で示される酸二無水物(エステル基含有テトラカルボン酸二無水物)の粉末と、一般式(2)または一般式(3)で示される酸二無水物の粉末とを徐々に添加し、メカニカルスターラーを用い、0〜100℃、好ましくは5〜60℃で0.5〜100時間好ましくは1〜50時間攪拌する。この際全モノマー濃度は1〜50重量%、好ましくは5〜30重量%である。このモノマー濃度範囲で重合を行うことにより均一で高重合度のポリエステルイミド前駆体溶液を得ることができる。ポリエステルイミドの膜靭性の観点からポリエステルイミド前駆体の重合度はできるだけ高いことが望ましい。上記モノマー濃度範囲よりも低濃度で重合を行うと、ポリイミド前駆体の重合度が十分高くならず、最終的に得られるポリイミド膜が脆弱になる恐れがあり、好ましくない。また、この範囲より高濃度で重合を行うと、モノマーや生成するポリマーの溶解が不十分となり、重合が均一に進行しなくなる恐れがある。
重合に使用する全テトラカルボン酸二無水物中、一般式(1)で表される剛直なテトラカルボン酸二無水物の含有量は50〜99mol%の範囲であることが好ましく、より好ましくは60〜90mol%である。50mol%未満であると、弾性率等要求特性の著しい低下を招く恐れがあり好ましくない。また99mol%を超えると、重合により得られたポリエステルイミド前駆体ワニスの貯蔵安定性が低下する恐れがあり好ましくない。
すなわち、上記のポリイミド前駆体共重合体の製造方法では、一般式(1)で示される酸二無水物と一般式(2)または一般式(3)で示される酸二無水物との合計のうち、一般式(1)で示される酸二無水物のモル分率をX、一般式(2)または一般式(3)で示される酸二無水物のモル分率を1−Xとすると、Xが0.5〜0.99の範囲であることが好ましい。
また、同様の理由により、上記の製造方法により得られるポリイミド前駆体共重合体において、一般式(7)で示される繰り返し単位と一般式(8)または一般式(9)で示される繰り返し単位との合計のうち、一般式(7)で示される繰り返し単位のモル分率をY、一般式(8)または一般式(9)で示される繰り返し単位のモル分率を1−Yとすると、Yが0.5〜0.99の範囲であることが好ましい。
さらに、同様の理由により、上記のポリイミド前駆体共重合体をイミド化して得られるポリイミド共重合体において、一般式(13)で示される繰り返し単位と一般式(14)または一般式(15)で示される繰り返し単位との合計のうち、一般式(13)で示される繰り返し単位のモル分率をZ、および一般式(14)または一般式(15)で示される繰り返し単位のモル分率を1−Zとすると、Zが0.5〜0.99の範囲であることが好ましい。
本実施形態に係るポリエステルイミド前駆体の重合反応性、ポリエステルイミドおよびその前駆体の要求特性を損なわない範囲で、該ポリエステルイミド前駆体重合の際に、一般式(1)〜一般式(3)で表されるテトラカルボン酸二無水物以外で部分的に使用可能なテトラカルボン酸二無水物としては、特に限定されないが、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、2,2’−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、ハイドロキノン−ビス(トリメリテートアンハイドライド)、シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。なお、共重合成分としてこれらを単独あるいは2種類以上用いてもよい。
本実施形態に係るポリエステルイミド前駆体の重合反応性、ポリエステルイミドおよびその前駆体の要求特性を損なわない範囲で、該ポリエステルイミド前駆体重合の際に、一般式(4)または一般式(5)で表されるジアミン以外で部分的に使用可能な芳香族ジアミンとしては、特に限定されないが、例えば、m−フェニレンジアミン、2,4−ジアミノトルエン、2,5−ジアミノトルエン、2,4−ジアミノキシレン、2,4−ジアミノデュレン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−メチレンビス(2−メチルアニリン)、4,4’−メチレンビス(2−エチルアニリン)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジメチルアニリン)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジエチルアニリン)、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、2,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンズアニリド、3,3’−ジヒドロキシベンジジン、3,3’−ジメトキシベンジジン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェニル)スルホン、ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)スルホン、2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、p−ターフェニレンジアミン等が例として挙げられる。またこれらを2種類以上併用することもできる。
本実施形態に係るポリエステルイミド前駆体の重合反応性、ポリエステルイミドおよびその前駆体の要求特性を損なわない範囲で、該ポリエステルイミド前駆体重合の際に一般式(4)または一般式(5)で示される一種以上のジアミン以外で部分的に使用可能な脂肪族ジアミンとして、特に限定されないが、例えば、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、イソホロンジアミン、トランス−1,4−ジアミノシクロヘキサン、シス−1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,4−シクロヘキサンビス(メチルアミン)、2,5−ビス(アミノメチル)ビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン、2,6−ビス(アミノメチル)ビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン、3,8−ビス(アミノメチル)トリシクロ〔5.2.1.0〕デカン、1,3−ジアミノアダマンタン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)ヘキサフルオロプロパン、1,3−プロパンジアミン、1,4−テトラメチレンジアミン、1,5−ペンタメチレンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、1,7−ヘプタメチレンジアミン、1,8−オクタメチレンジアミン、1,9−ノナメチレンジアミン等が挙げられる。またこれらを2種類以上併用することもできる。
本実施形態における重合溶媒としては、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、γ−カプロラクトン、ε−カプロラクトン、α−メチル−γ−プチロラクトン等の環状エステル溶媒が好適に用いられるが、モノマーの溶解力、コスト、引火性、製膜性の点でγ−ブチロラクトンが好適に用いられる。これ以外に使用可能な溶媒としてはN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等のアミド溶媒、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート溶媒、トリエチレングリコール等のグリコール系溶媒、m−クレゾール、P−クレゾール、3−クロロフェノール、4−クロロフェノール等のフェノール系溶媒、アセトフェノン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、スルホラン、ジメチルスルホキシドなどが好ましく採用される.さらに、その他の一般的な有機溶剤、即ちフェノール、o−クレゾール、酢酸ブチル、酢酸エチル、酢酸イソプチル、プロピレングリコールメチルアセテート、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、2−メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、ジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロへキサノン、メチルエチルケトン、アセトン、ブタノール、エタノール、キシレン、トルエン、クロルベンゼン、ターペン、ミネラルスピリット、石油ナフサ系溶媒なども添加して使用できる。
本実施形態のポリエステルイミド前駆体共重合体は、その重合溶液を、大量の水やメタノール等の貧溶媒中に滴下・濾過・乾燥し、粉末として単離することもできる。重合に使用可能な上記の溶媒にこれを再溶解し、ポリエステルイミド前駆体共重合体を含有するワニスとすることもできる。この際、重合時の溶媒と再溶解時の溶媒が同一でも異なっていても問題はない。
<本実施形態のポジ型感光性樹脂組成物の製造方法>
本実施形態のポリエステルイミド前駆体共重合体のワニスにジアゾナフトキノン系感光剤を添加・溶解し、これを基板上に塗布、40〜120℃、好ましくは60〜100℃で1分〜3時間温風乾燥して、膜厚1〜20μmのポジ型感光性ポリエステルイミド前駆体共重合体膜を得ることができる。
本実施形態のポリエステルイミド前駆体共重合体は、従来のポリエステルイミド前駆体共重合体よりアルカリ溶解性が制御されていることが特徴である。ジアゾナフトキノン系感光剤を分散しない場合は、アルカリ可溶性であるが、溶解抑制作用を持つ感光剤を含有することで、アルカリ不溶性となる。一方、この膜にフォトマスクを介して紫外線を照射すると露光部におけるジアゾナフトキノン系感光剤が光反応によりアルカリ可溶なインデンカルボン酸に変化するので、露光部のみがアルカリ水溶液に可溶となる。よって、ポジ型パターン形成が可能となる。
ジアゾナフトキノン系感光剤の具体例としては、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホン酸の低分子ヒドロキシ化合物、例えば2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン、2−及び4−メチル−フェノール、4,4’−ヒドロキシ−プロパンのエステル等を挙げることができる。
ジアゾナフトキノン系感光剤の具体例としては、他にも、フェノール化合物と、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸または1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホン酸とのエステルが挙げられる。この具体例として、下記式のものが挙げられる。これらは単独で用いても良いし、2種類以上組み合わせて用いても良い。
上記のいずれの式中においても、Qは、水素原子、式(5)、式(6)のいずれかから選ばれるものである。ここで各化合物のQのうち、少なくとも1つは式(5)、式(6)である。
本実施形態で用いるジアゾナフトキノン系感光剤の好ましい添加量は、樹脂100重量部に対して1〜50重量部である。1重量部未満の場合には良好なパターンを得にくく、50重量部を超えると感度が大幅に低下しやすい。
このポジ型感光性樹脂組成物におけるジアゾナフトキノン系感光剤の配合割合は、少なすぎる場合には、露光部と未露光部の溶解度差が小さすぎて、現像によりパターン形成不能となり、多すぎる場合にはポリエステルイミド共重合体の膜物性(靭性、線熱膨張係数、ガラス転移温度、耐熱性等)に悪影響を及ぼす恐れがある他、イミド化後の膜減が大きいといった重大な問題が生じるので、その配合割合はポリエステルイミド前駆体共重合体に対し好ましくは5〜40重量%、より好ましくは20〜30重量%である。
上記製膜工程は120℃以下で行うことが好ましい。この温度以上ではジアゾナフトキノン系感光剤が熱分解し始める恐れがある。例えば60℃で製膜した場合、塗膜中に多量の溶媒が残留している。その場合露光操作に先立ち80〜120℃で1〜30分間プリベイクしてもよいが、塗膜を1〜5分間水中に浸漬することも効果的である。残留溶媒は現像時の膜の膨潤やパターンの崩れを招く恐れがあり、鮮明なパターンを得るためには残留溶媒を十分除去しておくことが好ましい。
上記感光性樹脂組成物膜にフォトマスクを介して高圧水銀灯のi線を室温で1秒〜1時間照射し、アルカリ水溶液で現像する。現像の際使用可能なアルカリ水溶液として、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類、エチルアミン、n-プロピルアミン等の第1アミン類、ジエチルアミン、ジ-n-プロピルアミン等の第2アミン類、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン等の第3アミン類、エタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルコールアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド等の第4級アンモニウム塩等のアルカリ類の水溶液、及びこれにメタノール、エタノールのごときアルコール類等の水溶性有機溶媒や界面活性剤を適当量添加した水溶液を好適に使用することができる。現像方法としては、スプレー、パドル、浸漬、超音波等の方式が可能である。多くの電子機器では残留金属が電気特性に悪影響を及ぼす恐れがあるため、有機アルカリが好適に用いられ、半導体プロセスで使用されているテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液が好適に用いられる。
この際テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液の濃度は0.05〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量%、更に好ましくは2.38重量%水溶液を用いて室温で10秒〜10分間現像し、更に純水でリンスすることにより鮮明なポジ型パターンを得ることができる。
本実施形態のポリエステルイミド前駆体共重合体膜中には感光剤の他、必要に応じて酸化安定剤、フィラー、シランカップリング剤、光重合開始剤および増感剤、末端封止剤、架橋剤等の添加物を加えることができる。
<本実施形態のポリイミド共重合体およびその微細パターンの製造方法>
基材上でポリエステルイミド前駆体に微細パターンを形成後、これを空気中、窒素等の不活性ガス雰囲気中あるいは真空中、180℃〜400℃、好ましくは250℃〜350℃の温度で熱処理することで、鮮明なポリエステルイミド共重合体を含む膜のパターンが得られる。加熱温度は180℃未満だとイミド化の閉環反応が不完全である恐れがあり好ましくなく、また400℃を超えると生成したポリエステルイミド共重合体フィルムが一部熱分解する可能性があるため好ましくない。またイミド化は真空中あるいは不活性ガス中で行うことが望ましいが、イミド化温度が高すぎなければ空気中で行っても、差し支えない。
イミド化は脱水環化試薬を用いて化学的に行うこともできる。即ちピリジンあるいはトリエチルアミンの如き3級アミン触媒を含む無水酢酸中に、基板上に形成された感光剤含有ポリエステルイミド前駆体共重合体膜を室温で1分〜数時間浸漬する方法によってもポリエステルイミド膜のパターンを得ることができる。
すなわち、本実施形態では、一般式(1)で示される酸二無水物と、一般式(2)または一般式(3)で示される酸二無水物と、一般式(4)または一般式(5)で示される一種以上のジアミンと、を組み合わせて重合反応させることで、高いi線透過率を有するポリエステルイミド前駆体、ポリエステルイミド前駆体膜中に感光剤を含有して成るポジ型感光性樹脂組成物、およびこれをi線にてパターン露光後、アルカリ現像・洗浄・イミド化工程を経て得られる、半導体素子の保護膜として最適な高弾性率(5GPa以上)および低吸水率(1%以下)を有するポリエステルイミド膜とその微細パターンの製造方法について従来にない産業上極めて有益な材料を提供することができる。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、これら実施例に限定されるものではない。なお、以下の例における物性値は、次の方法により測定した。
<固有粘度>
0.5重量%のポリエステルイミド前駆体共重合体溶液を、オストワルド粘度計を用いて30℃で測定した。
<ガラス転移温度:Tg>
ブルカーエイエックス社製熱機械分析装置(TMA4000)を用いて動的粘弾性測定により、周波数0.1Hz、昇温速度5℃/分における損失ピークからポリエステルイミドフィルム(20μm厚)のガラス転移温度を求めた。
<線熱膨張係数:CTE>
ブルカーエイエックス社製熱機械分析装置(TMA4000)を用いて、熱機械分析により、荷重0.5g/膜厚1μm、昇温速度5℃/分における試験片の伸びより、100〜200℃の範囲での平均値としてポリエステルイミドフィルム(20μm厚)の線熱膨張係数を求めた。
<複屈折:Δn>
アタゴ社製アッベ屈折計(アッベ4T)を用いて、ポリエステルイミドフィルム(20μm厚)に平行な方向(nin)と垂直な方向(nout)の屈折率をアッベ屈折計(ナトリウムランプ使用、波長589nm)で測定し、これらの屈折率の差から複屈折(Δn=nin−nout)を求めた。この値が高いほど、ポリマー鎖の面内配向度が高いことを意味する。
<誘電率:εcal
アタゴ社製アッベ屈折計(アッベ4T)を用いて、ポリエステルイミドフィルムの平均屈折率〔nav=(2nin+nout)/3〕に基づいて、次式:εcal=1.1×nav2により、1MHzにおけるポリエステルイミドフィルムの誘電率(εcal)を算出した。
<吸水率>
50℃で24時間真空乾燥したポリエステルイミドフィルム(膜厚20〜30μm)を24℃の水に24時間浸漬した後、余分の水分を拭き取り、重量増加分から吸水率(%)を求めた。殆どの用途においてこの値が低いほど好ましい。
<弾性率、破断伸び>
東洋ボールドウィン社製引張試験機(テンシロンUTM−2)を用いて、ポリエステルイミドフィルム(20μm厚)の試験片(3mm×30mm)について引張試験(延伸速度:8mm/分)を実施し、応力―歪曲線の初期の勾配から弾性率を、フィルムが破断した時の伸び率から破断伸び(%)を求めた。破断伸びが高いほどフィルムの靭性が高いことを意味する。
<カットオフ波長(透明性)>
日本分光社製紫外可視分光光度計(V−520)を用い、ポリエステルイミド前駆体フィルム(20μm厚)の可視・紫外線透過率を200nmから900nmの範囲で測定した。透過率が0.5%以下となる波長(カットオフ波長)を透明性の指標とした。カットオフ波長が短い程、透明性が良好であることを意味する。
<光透過率(透明性)>
日本分光社製紫外可視分光光度計(V−520)を用い、ポリエステルイミド前駆体フィルム(20μm厚)の365nmにおける光透過率を測定した。透過率が高い程、i線での透明性が良好であることを意味する。
<実施例1> ポリエステルイミド前駆体の重合、イミド化およびポリエステルイミド共重合体の膜特性の評価
よく乾燥した攪拌機付密閉反応容器中に一般式(6)で表されるジアミン(TFMB)3mmolを入れ、モレキュラーシーブス4Aで十分に脱水したγ−ブチロラクトン19mLに溶解した後、この溶液に一般式(1)で表されるエステル基含有テトラカルボン酸二無水物粉末2.4mmolおよび一般式(2)で表されるフルオレニル基含有テトラカルボン酸二無水物粉末0.6mmolを徐々に加えた。この時の共重合組成はX=Y=0.8である。
モノマー添加終了から1時間後、溶液粘度が急激に増加したため、同一の溶媒を更に加えて希釈し、最終的に合計28mLの溶媒を加えた。更に室温で24時間撹拌し透明、均一で粘稠なポリエステルイミド前駆体共重合体溶液を得た。このポリエステルイミド前駆体共重合体ワニス(7.0重量%)は室温で20日間貯蔵しても沈澱、ゲル化は起こらず、高い溶液貯蔵安定を示した。γ−ブチロラクトン中、30℃、0.5重量%の濃度でオストワルド粘度計にて測定したポリイミド前駆体共重合体の固有粘度は1.07dL/gであった。
このポリイミド前駆体共重合体溶液をガラス基板に塗布し、60℃、2時間で乾燥して得たポリエステルイミド前駆体共重合体膜を基板上、減圧下250℃で1時間更に300℃で1時間熱段階的に熱イミド化を行った後、残留応力を除去するために基板から剥がして更に200℃で1時間、熱処理を行い、膜厚20μmの透明なポリイミド共重合体膜を得た。
このポリイミド共重合体膜は180°折曲げ試験によっても破断せず、可撓性を示した。このポリエステルイミド膜について動的粘弾性測定を行った結果、動的粘弾性曲線上215℃に副ガラス転移温度と見られる損失ピークが観測された。Tg(主分散)は試験片の伸びが用いた熱分析装置の測定限界を超えたため、検出できなかった。また線熱膨張係数は29.5ppm/Kと比較的低い値を示した。これは、比較的大きな複屈折値(Δn=0.0819)に対応してポリエステルイミド共重合体鎖が面内配向しているためである。
平均屈折率より見積もった誘電率は2.91であり、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とp−フェニレンジアミンからなる代表的な高弾性率ポリイミドの誘電率(3.5)より低い値であった。この結果はポリイミド骨格中にフッ素基およびエステル基を導入した効果である。また、吸水率は0.17%と極めて低い値であった。機械的特性は、引張弾性率(ヤング率)5.41GPa、破断強度0.163GPaと高強度・高弾性であり、破断伸びは9.1%と高弾性率フィルムとしては高い靭性を示した。このようにこのポリエステルイミドは高い弾性率、低い線熱膨張係数、低吸水率、比較的低い誘電率および十分な膜靭性を示した。表1に物性値をまとめた。また、このポリエステルイミド前駆体共重合体ワニスを用いてパターン形成を行った場合のL&S20μmのパターンの電子顕微鏡写真を図1に示した。
*副ガラス転移温度
ND:動的粘弾性測定で検出不能
○:良好、×:不良
<実施例2>
共重合組成X=Y=0.9とした以外は、実施例1と同様なモノマーを使用し、実施例1に記載した方法に従って、ポリエステルイミド前駆体を重合し、製膜、イミド化してポリエステルイミド共重合体膜を作製し、同様に物性評価した。物性値を表1に示す。ポリエステルイミド前駆体ワニス(7.0重量%)は1週間以上ゲル化等が見られず均一に保たれた。実施例1と同様に高い弾性率、低い線熱膨張係数、低吸水率、比較的低い誘電率および十分な膜靭性を示した。また、このポリエステルイミド前駆体共重合体ワニスを用いてパターン形成を行った場合のL&S20μmのパターンの電子顕微鏡写真を図2に示した。
<実施例3>
一般式(2)で表されるフルオレニル基含有テトラカルボン酸二無水物を用いる代わりに、一般式(3)で表される、2,2’−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン酸二無水物を用いた以外は、実施例1に記載した方法と同様にポリエステルイミド前駆体を重合した。このワニス(7.0重量%)は室温で1ヶ月以上貯蔵してもゲル化や沈殿が見られず、高い貯蔵安定性を示した。
<実施例4>
一般式(2)で表されるフルオレニル基含有テトラカルボン酸二無水物を用いる代わりに、一般式(3)で表される、2,2’−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン酸二無水物を用いた以外は、実施例2に記載した方法と同様にポリエステルイミド前駆体を重合した。このワニス(7.0重量%)は室温で10間以上貯蔵してもゲル化や沈殿が見られず、高い貯蔵安定性を示した。
<実施例5> ポジ型パターン形成
実施例1で得られたポリエステルイミド前駆体共重合体ワニスにジアゾナフトキノン系感光剤として2,3,4−トリス(1−オキソ−2−ジアゾナフトキノン−5−スルフォキシ)ベンゾフェノンを、上記ポリエステルイミド前駆体の実量に対して30質量%になるように添加し、溶解させた。
これをシランカップリング剤で表面処理したガラス基板上に塗布し、60℃で2時間、熱風乾燥器中で乾燥させて、膜厚8μmの感光性フィルムを得た。この膜を100℃で10分間プリベイク後、フォトマスクを介し、落射式高圧水銀ランプ(ハリソン東芝ライティング社製トスキュア251)のi線(365nm、照射光強度=約150mW/cm)を5秒間照射した。
これをテトラメチルアンモニウムヒドロキシド2.38重量%水溶液にて20℃で4分間現像を行い、水でリンス後、60℃で数分乾燥し、線幅20μmの鮮明なレリーフパターンが得られた。熱イミド化もパターンの崩れはみられなかった。また、実施例2で得られたポリエステルイミド前駆体共重合体ワニスを用いた場合でも同様に線幅20μmの鮮明なパターンが得られた。
<実施例6>
実施例3で得られたポリエステルイミド前駆体共重合体ワニスを用いて、実施例5に記載の方法に従ってパターン形成を行ったところ、実施例5と同様に線幅20μmの鮮明なパターンが得られた。また、実施例4で得られたポリエステルイミド前駆体ワニスを用いた場合でも同様に線幅20μmの鮮明なパターンが得られた。また、このポリエステルイミド前駆体共重合体ワニスを用いて上述のようにしてパターン形成を行った場合のL&S20μmのパターンの電子顕微鏡写真を図3に示した。
<比較例1>
共重合組成X=Y=1.0即ち、一般式(2)で表されるフルオレニル基含有テトラカルボン酸二無水物を使用しなかった以外は実施例1に記載した方法に従って、ポリエステルイミド前駆体を重合し均一な溶液が得られた。このワニスを用いて製膜、イミド化してポリエステルイミド共重合体膜を作製し、同様に物性評価した。物性値を表1に示す。
実施例1と同様に高い弾性率、低い線熱膨張係数、低吸水率、比較的低い誘電率および十分な膜靭性を示した。しかしながら、このポリエステルイミド前駆体共重合体ワニス(7.0重量%)は、室温で貯蔵すると3日後にゲル化が見られた。これは一般式(2)または一般式(3)で表される屈曲成分が含まれていないためである。また、このポリエステルイミド前駆体共重合体ワニスを用いてパターン形成を行った場合のL&S20μmのパターンの電子顕微鏡写真を図4に示した。
<比較例2>
一般式(1)で表されるエステル基含有テトラカルボン酸二無水物を用いる代わりに、一般式(1)中、メチル置換基のない酸二無水物、即ちハイドロキノン−ビス(トリメリテートアンハイドライド)を使用した以外は、比較例1に記載した方法に従って、ポリエステルイミド前駆体の重合を試みたが、重合溶液は不均一のままであり、重合が全く進行しなかった。これは一般式(1)中のメチル置換基がないため、重合により生成したエステルイミド前駆体オリゴマーのγ−ブチロラクトンに対する溶解性が乏しいためである。
<比較例3>
一般式(1)で表されるエステル基含有テトラカルボン酸二無水物を用いる代わりに、一般式(1)中、メチル置換基のない酸二無水物、即ちハイドロキノン−ビス(トリメリテートアンハイドライド)を使用した以外は、実施例1に記載した方法に従って、ポリエステルイミド前駆体の重合を試みた。
しかし全てのモノマーを添加した20分後に、重合溶液はゲル化し、重合が均一に進行しなかった。これは一般式(1)中のメチル置換基がないため、フルオレニル含有テトラカルボン酸二無水物使用の効果が現れず、重合により生成したエステルイミド前駆体オリゴマーのγ−ブチロラクトンに対する溶解性が乏しいためである。
<比較例4>
一般式(1)で表されるエステル基含有テトラカルボン酸二無水物を用いる代わりに、一般式(1)中、メチル置換基のない酸二無水物、即ちハイドロキノン−ビス(トリメリテートアンハイドライド)を使用した以外は、実施例2に記載した方法に従って、ポリエステルイミド前駆体の重合を試みた。
しかし、全てのモノマーを添加した20分後に、重合溶液はゲル化し、重合が均一に進行しなかった。これは、一般式(1)中のメチル置換基がないため、フッ素化モノマーである2,2’−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン酸二無水物使用の効果が現れず、重合により生成したエステルイミド前駆体オリゴマーのγ−ブチロラクトンに対する溶解性が乏しいためである。
以上、本発明を実施例に基づいて説明した。この実施例はあくまで例示であり、種々の変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
実施例1のポリエステルイミド前駆体共重合体ワニスを用いてパターン形成を行った場合のL&S20μmのパターンの電子顕微鏡写真である。 実施例2のポリエステルイミド前駆体共重合体ワニスを用いてパターン形成を行った場合のL&S20μmのパターンの電子顕微鏡写真である。 実施例6のポリエステルイミド前駆体共重合体ワニスを用いてパターン形成を行った場合のL&S20μmのパターンの電子顕微鏡写真である。 比較例1のポリエステルイミド前駆体共重合体ワニスを用いてパターン形成を行った場合のL&S20μmのパターンの電子顕微鏡写真である。

Claims (19)

  1. 一般式(1)で示される酸二無水物と、
    一般式(2)または一般式(3)で示される酸二無水物と、
    一般式(4)または一般式(5)で示される一種以上のジアミンと、
    を共重合してなる、ポリイミド前駆体共重合体。
    (式中、YはH,CH,CFの何れかであり、互いに異なっていてもよい。)
    (式中、YはH,CH,CFの何れかであり、互いに異なっていてもよい。)
  2. 請求項1記載のポリイミド前駆体共重合体において、
    前記一般式(5)で示されるジアミンは、一般式(6)で示されるジアミンである、ポリイミド前駆体共重合体。
  3. 請求項1または2記載のポリイミド前駆体共重合体において、
    前記一般式(1)で示される酸二無水物と前記一般式(2)または一般式(3)で示される酸二無水物との合計のうち、前記一般式(1)で示される酸二無水物のモル分率をX、前記一般式(2)または一般式(3)で示される酸二無水物のモル分率を1−Xとすると、Xが0.5〜0.99の範囲である、ポリイミド前駆体共重合体。
  4. 一般式(7)で示される繰り返し単位と、
    一般式(8)または一般式(9)で示される繰り返し単位と、
    を含む、ポリイミド前駆体共重合体。
    (式中、Xは、一般式(10)または一般式(11)で示されるジアミン由来の構造単位である。)
    (式中、Xは、一般式(10)または一般式(11)で示されるジアミン由来の構造単位である。)
    (式中、Xは、一般式(10)または一般式(11)で示されるジアミン由来の構造単位である。)
    (式中、YはH,CH,CFの何れかであり、互いに異なっていてもよい。)
    (式中、YはH,CH,CFの何れかであり、互いに異なっていてもよい。)
  5. 請求項4記載のポリイミド前駆体共重合体において、
    前記一般式(11)で示される構造単位は、一般式(12)で示される構造単位である、ポリイミド前駆体共重合体。
  6. 請求項4または5記載のポリイミド前駆体共重合体において、
    前記一般式(7)で示される繰り返し単位と前記一般式(8)または前記一般式(9)で示される繰り返し単位との合計のうち、前記一般式(7)で示される繰り返し単位のモル分率をY、前記一般式(8)または前記一般式(9)で示される繰り返し単位のモル分率を1−Yとすると、Yが0.5〜0.99の範囲である、ポリイミド前駆体共重合体。
  7. 請求項1乃至6いずれかに記載のポリイミド前駆体共重合体において、
    固有粘度が0.1〜10.0dL/gである、ポリイミド前駆体共重合体。
  8. 請求項1乃至7いずれかに記載のポリイミド前駆体共重合体において、
    重量平均分子量が10,000〜1,000,000である、ポリイミド前駆体共重合体。
  9. 請求項1乃至8いずれかに記載のポリイミド前駆体共重合体を含有するγ−ブチロラクトン溶液からなるワニス。
  10. 請求項1乃至9いずれかに記載のポリイミド前駆体共重合体と、
    ジアゾナフトキノン系感光剤と、
    を含有するポジ型感光性樹脂組成物。
  11. ポリイミド共重合体含有膜の微細パターンの製造方法であって、
    請求項10記載のポジ型感光性樹脂組成物を塗布してポジ型感光性樹脂組成物膜を形成する工程と、
    前記ポジ型感光性樹脂組成物膜をパターン露光する工程と、
    前記パターン露光された前記ポジ型感光性樹脂組成物膜をアルカリ現像する工程と、
    前記アルカリ現像された前記ポジ型感光性樹脂組成物膜を加熱処理または脱水環化試薬処理して、前記ポリイミド共重合体含有膜を形成する工程と、
    を含む、製造方法。
  12. 請求項1乃至8いずれかに記載のポリイミド前駆体共重合体を、加熱処理または脱水環化試薬処理することにより閉環反応させて得られるポリイミド共重合体。
  13. 一般式(13)で示される繰り返し単位と、
    一般式(14)または一般式(15)で示される繰り返し単位と、
    を含む、ポリイミド共重合体。
    (式中、Xは、一般式(10)または一般式(11)で示されるジアミン由来の構造単位である。)
    (式中、Xは、一般式(10)または一般式(11)で示されるジアミン由来の構造単位である。)
    (式中、Xは、一般式(10)または一般式(11)で示されるジアミン由来の構造単位である。)
    (式中、YはH,CH,CFの何れかであり、互いに異なっていてもよい。)
    (式中、YはH,CH,CFの何れかであり、互いに異なっていてもよい。)
  14. 請求項13記載のポリイミド共重合体において、
    前記一般式(11)で示される構造単位は、一般式(12)で示される構造単位である、ポリイミド共重合体。
  15. 請求項13または14に記載のポリイミド共重合体において、
    前記一般式(13)で示される繰り返し単位と前記一般式(14)または前記一般式(15)で示される繰り返し単位との合計のうち、前記一般式(13)で示される繰り返し単位のモル分率をZ、および前記一般式(14)または前記一般式(15)で示される繰り返し単位のモル分率を1−Zとすると、Zが0.5〜0.99の範囲である、ポリイミド共重合体。
  16. 請求項12乃至15いずれかに記載のポリイミド共重合体において、
    固有粘度が0.1〜10.0dL/gである、ポリイミド共重合体。
  17. 請求項12乃至16いずれかに記載のポリイミド共重合体において、
    重量平均分子量が10,000〜1,000,000である、ポリイミド共重合体。
  18. 請求項12乃至17いずれかに記載のポリイミド共重合体を含有する半導体素子の保護膜。
  19. 請求項18記載の半導体素子の保護膜において、
    弾性率が5GPa以上であり、吸水率が1%以下である、半導体素子の保護膜。
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